JP2014069199A - 回転体 - Google Patents

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衛介 小川
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Abstract

【課題】本発明は、高温の物品を搬送等する回転体において、放熱を抑制するとともに使用中における振動の発生の少ない回転体を提供することを目的とする。
【解決手段】外周面が略円柱形状の胴体と前記胴体の端に固定された軸部材とを有する回転体であって、前記胴体は、前記胴体の中心線に沿う方向において端部に設けられた固定孔部を有し、前記軸部材は、その固定部の外周面が前記固定孔部の内周面に直接固定されており、前記固定孔部の内周面および固定部の外周面の少なくとも一方には粗面部が形成されている回転体である。
【選択図】図1(a)

Description


本発明は、例えば鋼板圧延ラインにおいて搬送される加熱された鋼板や鋼片その他高温に加熱された物品の搬送・支持等に好適に使用される回転体に関する。

鋼板・鋼片などの物品を高温状態に維持したり、熱処理するために、製鉄所は、多くの加熱炉、均熱炉または熱処理炉を備えている。これらの炉では、主に、搬送用のロール(回転体)で鋼板・鋼片などの物品を搬送している。以下、高温に加熱され、搬送される物品の一例として、鋼板を例に従来技術を説明する。
上記ロールが組み込まれる炉の一例である加熱炉10の構成を図4に示す。加熱炉10の両側の炉壁10a・10aにはロール11の胴体11aが挿通可能な貫通孔が形成されている。その貫通孔から軸部材11eが露出するように、ロール11は、貫通孔を貫き水平に配置されており、軸部材11eは、炉外に配置された軸受10b・10bで回転自在に支持されている。ここで、胴体11aは、鋼板Wを加熱しつつ搬送する加熱室10cの内に配置されており、加熱室10cにおいて加熱された鋼板Wは、胴体11aで支持されながら、搬送される。
上記のように加熱炉中に組み込まれ加熱された鋼板等の物品を搬送するロールとして使用可能なセラミックス製の胴体を備えた耐熱性ロールの一例が下記特許文献1および2に開示されている。
特許文献1には、鋼板と接触する中空状の胴体と、前記胴体に接合された軸部材とからなる溶融金属めっき浴用ロールであって、前記胴体及び軸部材をそれぞれセラミックスで形成してなり、前記胴体の内面は両端側の大径域と中央の小径域とからなり、前記軸部材は小径部とフランジ部と大径部とを有し、前記胴体の大径域に前記軸部材の大径部が接合されており、かつ、前記軸部材には前記大径部及び前記フランジ部を通る複数の長さ方向溝部が形成されており、前記軸部材が前記胴体の両端部に接合された状態では、前記溝部は前記ロールの内部に連通する孔を形成していることを特徴とする溶融金属めっき浴用ロールが開示されている。
特許文献2には、金属製の軸部材にセラミックス製スリーブを外装した高温下で使用するロールであって、前記軸部材内に水を流通させてロール軸部材を水冷とし、この軸部材と前記スリーブとの間には断熱材を配し、前記スリーブの両端のうち少くとも一方をその軸方向に前記軸部材を座とする押付材により弾圧的に押圧し、実質的にこの押圧力のみで前記スリーブをその外面に対して直交する方向に作用する荷重を支持するようにした耐高温用ロールが開示されている。
特開2006-193814号公報 特開昭64−55325号公報
近年、鋼板の組織や特性の均質化のため加熱された鋼板の温度分布の均一化が要請されている。また、地球環境保全のため省エネルギー化が要請されている。特許文献1・2に記載されたロールは、いずれも熱伝導率が金属よりも低いセラミックスで胴体が構成されているので、上記要請に対応することができるものの以下の問題があった。
すなわち、図4に示すように、鋼板Wは加熱室10cで加熱されるが、鋼板Wに加えられた熱は、鋼板Wが接触する外周面を通じ胴体11aへ伝達される。ここで、特許文献1に記載されたロールを図4に示すロール11に適用した場合、特許文献1のロールは胴体11aと軸部材11eとが密着した状態で接合されているため、上記のように胴体11aへ伝達された熱は、炉外に配置された軸部材11eへと伝熱し、炉外へ放熱される。このように鋼板Wに加えられた熱が、胴体11aおよび軸11eを通じ炉外に容易に放熱されるため、鋼板Wの温度分布が不均一となり、またエネルギー使用量の削減にも限界があった。
一方で、特許文献2に記載のロールを図4に示すロール11に適用した場合、その胴体11aを構成するセラミックス製スリーブと軸部材11eを構成する金属製のロール軸の間に断熱材を介在させているので、胴体11aから軸部材11eへの伝熱は、当該断熱材で断熱される。その結果、炉外に配置された軸部材11eへ胴体11aから伝達される熱が減少し、さらに軸部材11eを水冷構造としているので、軸部材11eから炉外への放熱を抑制することができる。しかしながら、特許文献2のロールは、剛性の低いセラミックスファイバーからなる断熱材が使用中に変形し、胴体11aと軸部材11eの軸心がずれてしまい、胴体11aの振れ回りに起因する振動が発生し、搬送される鋼板にうねりや疵等の表面欠陥が発生するという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、高温の物品を搬送等する回転体において、放熱を抑制するとともに使用中における振動の発生の少ない回転体を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一態様は、外周面が略円柱形状の胴体と前記胴体の端に固定された軸部材とを有する回転体であって、前記胴体は、前記胴体の中心線に沿う方向において端部に設けられた固定孔部を有し、前記軸部材は、その固定部の外周面が前記固定孔部の内周面に直接固定されており、前記固定孔部の内周面および固定部の外周面の少なくとも一方には粗面部が形成されている回転体である。
本発明の別の態様は、前記胴体は、少なくとも2の胴部材で構成されており、前記胴部材のうち少なくとも一の胴部材は、前記胴体の中心線に沿う方向において端部に設けられた固定孔部を有し、他の胴部材は、その固定部の外周面が前記一の胴部材の固定部の内周面に密着され、固定されている構成である。この構成の場合には、上記粗面部が、前記一の胴部材の固定孔部の内周面および他の胴部材の固定部の外周面の少なくとも一方に形成されている。
なお、上記粗面部は、胴体の中心線周りにおいて、ほぼ全周に設けられていることが望ましい。
さらに、前記粗面部の表面粗さ(Rmax)は、5〜80μmであることが、望ましい。
さらに、中心線方向において、前記固定孔部の内周面および固定部の外周面には各々接合部が形成されており、前記接合部は、中心線に直交する方向において相対するよう形成されていることが望ましい。
さらに加えて、上記胴体および軸部材がいずれもセラミックスで構成されていることが望ましい。
本発明によれば、放熱を抑制するとともに使用中における振動の発生の少ない回転体を構成でき、本発明の目的を達成することができる。
本発明に係る第1実施形態の回転体を一部断面で示す正面図である。 図1(a)のA部拡大図である。 図1(a)のD−D断面図である。 図1の回転体の第1変形例の回転体を一部断面で示す正面図である。 図2(a)のB−B断面図である。 本発明に係る第2実施形態の回転体の正断面図である。 図3(a)のC部拡大図である。 回転体が組み込まれる加熱炉の構成を示す図である。
以下、本発明について、その第1および第2実施形態の回転体に基づき図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。また、第1・第2実施形態の回転体の有する各構成要素は、当該実施形態の実施にのみ限定されず、適宜組み合わせて実施することができる。
[第1実施形態]
本発明に係わる第1実施形態の回転体について、一部断面で示す正面図である図1(a)、図1(a)のA部拡大図である図1(b)、図1(a)のD−D断面図である図1(c)を参照して説明する。第1態様の回転体1は、図1に示すように、胴体1aと胴体1aの端に固定された軸部材1eを有している。外周面1bが略円柱形状である胴体1aは、中心線方向において、端部に設けられた固定孔部1dを備えており、軸部材1eは、その固定部1iの外周面1jが、固定孔部1dの内周面1fに密着され、直接固定されている。そして、固定孔部1dの内周面1fおよび固定部1iの外周面1jの少なくとも一方には、粗面部1hが形成されている。以下、回転体1の基本的な構成要素である、胴体1a、軸部材1eおよび粗面部1hについて、その順に説明する。
[胴体]
図1(a)および(c)に示すように、略円筒形状をなす第1態様の胴体1aは、胴体1aと同軸に中心線方向に延びる略円柱形状の中空部1cを有し、高温の物品が接触するその外周面1bの外観は略円柱形状である。この胴体1aの形状は略円筒形状に限定されず、高温の物品が接触する部分の外周面1bの外観が略円柱形状であればよく、それ以外の部分は他の形状であってもよい。そして、本態様の回転体1では、図1(a)に示すように、中心線方向において、略円柱形状の中空部1cの端部が、そのまま固定孔部1dとなっている。
なお、胴体1aは、中実であってもよい。その場合には、胴体の端部に、胴体と同軸に凹状の固定孔部を形成し、当該固定孔部に軸部材の固定部を固定すればよい。
図1に示す胴体1aを構成する材料は特段の限定はないが、高温の物品との摩擦による外周面1bの摩耗を抑制する点および胴体1aにおける伝熱を抑え回転体1からの放熱を抑制する点から、熱伝導率が低く高硬度なセラミックスで構成することが望ましい。セラミックスとしては、アルミナ・ジルコニア・シリカその他の酸化物系セラミックス、硼化ジルコニウム・硼化チタン・硼化ボロンその他の硼化物系セラミックス、炭化シリコン・炭化ボロンその他の炭化物系セラミックスなどを使用することができる。しかしながら、高温に加熱された物品を搬送する回転体1としては、高温強度および耐熱衝撃性に優れていることが好ましい。そのため、胴体1aを構成するセラミックスとしては、窒化珪素・窒化アルミその他の窒化物系セラミックスが好ましく、特に高温強度に優れたサイアロンを含む窒化珪素質セラミックス、更に好ましくは4点曲げ強度500MPa以上、ビッカース硬度1300以上、相対密度95%以上、ヤング率250〜350GPaの窒化珪素質セラミックスで胴体1aを構成すれば好適である。
上記窒化珪素質セラミックスは、窒化珪素結晶または窒化珪素中にAlおよびOが固溶したサイアロン結晶の硬質粒子を主結晶とし、その間を焼結助剤から形成される粒界相で構成しているため、耐熱性を有し、高強度、高硬度が得られることから、加熱された鋼板などを搬送する回転体として使用する場合には、好ましい。特に、4点曲げ強度500MPa以上であると、鋼板が搬送された際の機械的応力により割損しにくくなるのとともに、ビッカース硬度1300以上であると、鋼板による胴体1aの磨耗を少なくして長寿命の回転体が得られるためである。また相対密度95%以上であると、4点曲げ強度500MPa以上、ビッカース硬度1300以上が得られるため好ましく。ヤング率が250〜350GPaであると、胴体にたわみが発生しにくく、鋼板の搬送がスムーズに行え、鋼板の品質に悪影響が生じ難く、下記で説明する長尺の胴体を有する第4および第5態様の回転体の場合には特に好ましい。焼結助剤としては、Al、MgO、希土類元素酸化物などが好ましいが、中でも窒化珪素を主結晶とし、焼結助剤にMgOを1〜7質量%及び希土類元素酸化物を1〜7質量%用いた窒化珪素質セラミックスは、高強度と耐熱衝撃性を両立させる観点から好ましい。希土類元素としてはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの何れの元素でも好適に用いることができるが、これらの中でもY、Ce、Sm、Dy、Er、Yb、Lu、とりわけY、Erが特性およびコストの面で望ましい。中でもYが特に好ましい。
上記のように胴体1aは中実であってもよいが、上記のようにセラミックス、特に好ましくはサイアロンを含む窒化珪素質セラミックスで略円筒形状の胴体1aを構成した場合には、図1に示すように、高温の物品が接触する胴体1aは略円筒形状をなしていることが好ましい。胴体1aを略円筒形状とすることにより、高温の物品が接触する部分の肉厚を薄くすることができ、胴体1aに生じる熱衝撃応力が抑制され、胴体1aが割損することを防ぐことができる。ここで、胴体1aの肉厚は5〜30mmとすることがより好ましい。5mm未満の場合は、鋼板を搬送する際の鋼板からの荷重により破損しやすくなることもあるためであり、30mm以上の場合は、加熱された鋼板による熱衝撃により胴体1aが割損しやすくなることもあるためである。
[軸部材]
軸部材1eは、その一方端部に固定部1iを有している。固定部1iは、胴部1aの固定孔部1dの内径とほぼ同一の外径を有し、その外周面1jが、固定孔部1dの内周面1fと接触した状態で当該固定孔部1kに直接固定されている。
なお、本態様の軸部材1eは中実であるが、中心線Iに沿い軸部材1eを貫通する中空部を設けた中空状の軸部材であってもよい。しかしながら、軸部材1eを中実とすることにより、中空状の軸部材に比べてその強度を高めることができる。ここで、高温の物品は軸部材1eには直接接触しないので熱衝撃による破損は生じにくいが、使用時において作用する過大な負荷や取り扱い時により生じる衝撃により軸部材が破損する場合がある。このような場合であっても、断面積を確保できる中実状とすることで軸部材1eの強度を高め、その破損を防ぐことができる。この軸部材1eを中実にする構成は、軸部材1eが小径である場合、特に最小径が50mm以下の部分を有する軸部材1eにおいて有効である。
胴体1aの固定孔部1dと軸部材1eの固定部1iとの固定方法は、焼嵌めにより固定することが好ましい。焼嵌めにより固定する場合には、固定孔部1dの内径で焼嵌め代を除した値である焼嵌め率は0.01/1000〜0.5/1000の範囲内であるのが好ましい。焼嵌め率が0.01/1000未満であると、固定孔部1dによる固定部1iの締付け力が不十分であり、固定部1iが脱落するおそれがある。また焼嵌め率が0.5/1000を超えると、焼嵌めによる締付け力が過度となり、胴体1aまたは軸部材1eが破損するおそれがある。より好ましい焼嵌め率は0.2/1000〜0.3/1000である。また、振れ回りによる振動を防ぐため、胴体1aの固定孔部1dと軸部材1eの固定部1iとの同心度は、0.2mm以下が好ましい。
胴体1aと同様に軸部材1eを構成する材料にも特段の制限はないが、炉内における熱膨張量がほぼ同等となるよう胴体1aを構成する材料と熱膨張係数が近似した材料を使用することが好ましく、同一の材料とすることがより好ましい。これにより、胴体1aの緩みにより生じる胴体1aの振れ回りに起因する振動の発生を抑制できる。また、軸部材1eにおける伝熱を抑え回転体1からの放熱を抑制する点から、熱伝導率が低いセラミックスで構成することが望ましい。すなわち、胴体1aをセラミックスで構成した場合には、軸部材1eもセラミックス、望ましくは胴体1aと同一のセラミックスで構成し、回転体1をセラミックス一体構造とすることが最も好ましい。なお、選択しうるセラミックスは、胴体1aと同様である。
[粗面部]
粗面部1hは、下記で詳述するように胴部1aから軸部1eへの伝熱を抑制する断熱部として機能する要素である。そして、本態様の粗面部1hは、図1(b)に示すように、軸部1eの固定部1iの外周面1jにおいて、中心線I周りのほぼ全周に形成されている。なお、粗面部1hは、胴部1aの固定孔部1dの内周面1fに形成してもよいし、固定孔部1dおよび固定部1iともに形成してもよい。また、粗面部1hは、中心線方向において、固定部1iの全幅に形成する必要もなく、その一部に形成してもよく、複数条の粗面部1hを等ピッチまたは不等ピッチで設けてもよい。
さらに、本態様の粗面部1hは、中心線I周りのほぼ全周に形成されているが、部分的に形成しても断熱機能を奏することができる。その例を、図1の回転体の第1変形例である回転体2の正面図である図2(a)および図2(a)のB−B断面図である図2(b)を参照し説明する。
第1変形例に係る回転体2の軸部材2eは、図2(b)に示すように、中心線方向から見た場合に、その固定部1iの外周面1jにおいて部分的に配置された粗面部1hを有している。ここで、図2に示す回転体2は、中心線I周りに90℃の範囲で形成された粗面部1hを、中心線Iを基準として点対称に2面有している構成であるが、粗面部1hは一面でもよく、更に複数の粗面部1hを不等角度で配置してもよい。このように粗面部1hは、中心線I周りにおいて部分的に配置してもよいが、断熱部として有効に作用させ、胴体から軸部材への熱の伝達を抑制するためには、粗面部1hは十分な面積を有することが望ましく、図1に示す粗面部1hのように、中心線I周りのほぼ全周に渡り配置することが好ましい。
粗面部1hの表面粗さ(Rmax)は5〜80μmの範囲とすることが好ましい。粗面部1hの表面粗さ(Rmax)が5μm未満の場合には、断熱効果を充分に発揮することが難しい。一方で、表面粗さ(Rmax)が80μmを超える場合には、固定孔部1dと固定部1iとの接触面積が少なくなり、胴体1aと軸部材1eとの固定が困難となる場合がある。加えて、軸部材1eをセラミックスで構成した場合に表面粗さが粗いと、外周面1jに形成された凹部を起点として破壊が生じる場合がある。上記粗面部1hを形成する方法としては、軸部材1eが金属製である場合には、例えば切削加工、放電加工その他各種の加工方法を適用すればよく、また、セラミックスで軸部材1eを構成した場合には、例えばショットブラスト加工やレーザ加工その他各種の加工方法を適用すればよい。
図1に示す回転体1によれば、次の作用効果を奏することができる。すなわち、高温の物品は、胴体1aの外周面1bに接触しつつ搬送される。そして、当該物品の熱は、外周面1bを通じ胴体1aへ伝達される。胴体1aに伝達された熱は、中心線方向に伝熱し、胴体1aの端に到達する。ここで、本発明に係る回転体1は、固定孔部1dの内周面1fおよび固定部1iの外周面1jの少なくとも一方に形成された粗面部1hを有している。この中空の粗面部1hは断熱部を構成しており、上記のように胴体1aの端に達した熱が軸部材1eへ伝達することが抑制される。その結果、回転体1からの放熱が抑制され、物品の温度分布の均一化および省エネルギー化を図ることができる。
加えて、軸部材1eは、他の部材を介することなく、その固定部1iが胴体1aの固定孔部1dに直接固定されており、胴体1aと軸部材1eの軸心のずれによる胴体1aの振れ回りの発生が抑制される。その結果、回転体1の振動の発生が低減され、搬送される物品に表面欠陥が生じることを防止できる。
次に、本態様の回転体1が、好ましい要素として備える接合部1g・1kについて説明する。図1(b)に示すように、胴部1aの固定孔部1dの内周面1fには、中心線方向においてその両端部に平滑な内周面を有する接合部1gが形成されている。また、軸部材1eの固定部1iの外周面1jにも、中心線方向において、その両端部に平滑な外周面を有する接合部1kが形成されている。そして、中心線Iに直交する方向(以下、半径方向と言う場合がある。)において、双方に形成された接合部1g・1kは相対するよう配置されている。なお、本態様の回転体1において、粗面部1hは、軸部材1eの固定部1iの両端に形成された接合部1k・1kの間に配置されている。
上記のように固定孔部1dおよび固定部1iともに形成された接合部1g・1kによれば、半径方向において相対するよう配置された接合部1k・1gはいずれも平滑な面となっており、両者が密着することにより、軸部1eは胴部1aに確実に固定されることとなる。これにより、操業中に過大な回転トルクが作用した場合でも胴部1aと軸部1eの固定が緩むことが抑制される。なお、上記接合部1g・1kは、中心線方向において、固定孔部1dおよび固定部1iの一方の端部のみに形成してもよく、また中央部に形成してもよい。すなわち、接合部1k・1gは、中心線方向においていずれかの位置に配置されていればよい。
[第2実施形態]
本発明に係る第2実施形態の回転体3について図3を参照しつつ説明する。ここで、図3(a)は、第2態様の回転体3の正断面図、図3(b)は、図3(a)のC部拡大図である。
第2態様の回転体3は、(1)3個の胴部材3n〜3pを有し、胴部材3n〜3pの組み合わせにより胴体3aが構成されている点、(2)粗面部が、胴部材3n・3pの外周面に形成されている点で、第1態様の回転体と相違している。ここで、本態様の回転体3は、長尺の胴体3aを有する回転体を構成する場合に有利な構造である。つまり、胴体3aを構成する3個の胴部材3n〜3pのうち、中心線方向において中央部に配置された胴部材3oが、搬送すべき高温の物品が接触する要素であり、胴部材3oの両側に配置された胴部材3n・3pは、長尺の胴体6aを形成するため胴部材3oに接続される要素である。なお、本態様の胴体3aは3個の胴部材3n〜3pで構成されているが、胴体は、少なくとも2個の胴部材で構成されていればよい。
以下、上記(1)および(2)の相違点を中心に詳細に説明する。なお、図3(a)に示すように、本態様の回転体3は、中心線方向において、中央に配置された一の胴部材3oと、胴部材3oの両側に配置された他の胴部材3n・3pを有しているが、胴部材3n・3pと胴部材3oとの関係は同様であるため、左側(一方側)の胴部材3nと中央の胴部材3oに関して説明し、右側(他方側)の胴部材3pの説明は省略する。
図3(a)に示すように、中心線方向において、胴体3aの中央部を構成する略円筒形状の胴部材(以下、理解のため第1の胴部材という場合がある。)3oは、中心線Iに沿い貫通された略円柱形状の中空部3cを有しており、図3(b)に示すように、中心線方向における中空部3cの両端がそのまま固定孔部3dとなっている。そして、第1の胴部材3oの左側に配置された略円筒形状の胴部材(以下、理解のため第2の胴部材という場合がある。)3nは、その一端に固定部3iを有し、固定部3iの外周面3jの外径は、第1の胴部材3oの固定孔部3dの内径とほぼ同一である。これにより、第2の胴部材3nは、その固定部3iの外周面3jが、第1の胴部材3oの固定孔部3dに接触した状態で、胴部材3oに対し同軸に固定され、胴部6aが形成される。なお、第1の胴部材3oと第2の胴部材3nの固定は、上記第1態様の回転体と同様に、焼嵌めで固定することが望ましい。
軸部材1eの構成は、上記第1態様の回転体と同様である。すなわち、胴体3aの端部、つまり第2の胴部材3nの端部に形成された固定孔部1dに、軸部材1eの固定部1iが固定されている。
そして、本態様の回転体3では、粗面部1hが、胴部材3nの固定部3iの外周面において、中心線I周りのほぼ全周に形成されている。なお、粗面部1hは、胴部材3oの固定孔部3dの内周面3fに形成してもよいし、固定孔部3i・固定部3dともに形成してもよい。また、上記第1態様の回転体と同様に、粗面部1hは、中心線I周りにおいて部分的に設けてもよい。加えて、粗面部1hは、中心線方向において、固定部3iの全幅に形成する必要もなく、その一部に形成してもよく、複数条の粗面部1hを等ピッチまたは不等ピッチで設けてもよい。さらに、本態様の回転体3でも、上記第1態様の回転体と同様に、中心線方向において固定孔部3d・固定部3iの端部に接合部1g・1kを設けることが好ましい。
かかる回転体3によれば、粗面部1hが断熱部として作用し、高温の物品が接触する第1の胴部材3oから第2の胴部材3nへの熱の伝達が制限され、もって回転体3からの放熱が抑制される。また、第2の胴部材3nは、他の部材を介することなく、第1の胴部材3oに直接固定されており、第1の胴部材3oと第2の胴部材3nの軸心のずれによる胴体3aの振れ回りの発生が抑制される。
1(2、3) 回転体
1a(3a) 胴体
1b 外周面
1c(3c) 中空部
1e(2e) 軸部材
1d 固定孔部
1g(1k) 接合部
1h 粗面部
1i 固定部
3n(3o、3p) 胴部材
3d(3i) 固定部
I 中心線

Claims (6)

  1. 外周面が略円柱形状の胴体と前記胴体の端に固定された軸部材とを有する回転体であって、
    前記胴体は、前記胴体の中心線に沿う方向において端部に設けられた固定孔部を有し、
    前記軸部材は、その固定部の外周面が前記固定孔部の内周面に直接固定されており、
    前記固定孔部の内周面および固定部の外周面の少なくとも一方には粗面部が形成されている回転体。
  2. 前記胴体は、少なくとも2の胴部材で構成されており、
    前記胴部材のうち少なくとも一の胴部材は、前記胴体の中心線に沿う方向において端部に設けられた固定孔部を有し、
    他の胴部材は、その固定部の外周面が前記一の胴部材の固定部の内周面に密着され、固定されており、
    前記粗面部が、前記一の胴部材の固定孔部の内周面および他の胴部材の固定部の外周面の少なくとも一方に形成されている請求項1に記載の回転体。
  3. 前記粗面部は、前記胴体の中心線周りにおいて、ほぼ全周に設けられている請求項1または2のいずれかに記載の回転体。
  4. 前記粗面部の表面粗さ(Rmax)が4〜80μmである請求項1乃至3のいずれかに記載の回転体。
  5. 前記胴体の中心線に沿う方向において、前記固定孔部の内周面および固定部の外周面には各々接合部が形成されており、前記接合部は、中心線に直交する方向において相対するよう形成されている請求項1または2のいずれかに記載の回転体。
  6. 前記胴体および軸部材がいずれもセラミックスで構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の回転体。
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