JP2014067575A - マイクロ波を応用した加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイクロ波を応用して良質な炭素繊維や黒鉛繊維などを生産することができる加熱装置を提案すること。
【解決手段】
加熱炉本体11と、この加熱炉本体11にマイクロ波電力を導入するマイクロ波手段40とを備え、さらに、マイクロ波遮蔽機能を有する熱伝導材で横長の中空体として形成し、前記加熱炉本体11の入口部15aと出口部19aとの間に直線的に配設したマッフル20、このマッフル20の外周中央領域に設けたマイクロ波発熱体23、当該マイクロ波発熱体23の外周及び当該マイクロ波発熱体23の両側領域に各々設けた鞘状の断熱体24、25からなる加熱釜26と、前記入口部15a及び出口部19aの近くに設け、前記マッフル20の端部周囲に配設したフィルター21、22とを設け、マッフル20内にワーク16を通して加熱する構成としてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、マイクロ波エネルギーを応用した加熱装置で、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維などの生産に使用する加熱炉に適する加熱装置に関する。
炭素繊維は、ポリアクリロニトリル(PAN)などの有機合成繊維などを200〜300℃の耐炎化炉を用いて空気中で酸化処理(耐炎化処理)して糸状の耐炎繊維を予め生産し、さらに、この耐炎繊維を1000℃〜1500℃の炭化炉を用いて不活性雰囲気の中で熱処理することで生産される。
このように生産された炭素繊維は、自動車などの部品材料として使用されている。
また、上記の炭素繊維は、2000℃〜2500℃の黒鉛化炉を用いて不活性雰囲気の中で熱処理することで黒鉛繊維が生産される。
この黒鉛繊維は、航空機などの部品材料として使用されている。
上記した炭素繊維を生産する炭化炉や黒鉛繊維を生産する黒鉛化炉は、一般に、電気ヒータ構造の加熱炉が広く使われている。
図10は従来の加熱炉の要部断面を示した概略構成図、図11は図10上のA−A線拡大断面図である。
図示するように、この加熱炉1は、長形の加熱炉本体2と、その加熱炉1の入口部3および出口部4、加熱筒体5、加熱筒体5の支持台6、電気ヒータ7、断熱層8から構成されている。
この加熱炉1は、入口部3から供給した糸状のワーク(耐炎繊維または炭素繊維)9を加熱筒体5内に通し、出口部4から引き出すことで、ワーク9を所定の高温に加熱し、続いて、ワーク9を冷却装置(図示せず)で冷却し、炭素繊維または黒鉛繊維を生産する。
加熱筒体5は、熱伝導率が高く、目的とする加熱温度に充分に耐える炭素等を使って扁平断面の中空体として形成してあり、また、加熱炉本体2の入口部3と出口部4とを結ぶ直線上に配置されるように断熱材からなる支持台6で支持させた横長形状のものとなっている。
そして、加熱筒体5の上下位置には、多数の電気ヒータ7が配列されており、電気ヒータ7を通電して発熱させ、その輻射熱で加熱筒体5を加熱昇温させる。
電気ヒータ7は図11より分かるように、棒状の電気抵抗発熱体7a、導電性の発熱体端子部7b、電極7cから構成されており、発熱体端子部7bを電気絶縁材を介在させて加熱炉本体2に取り付け、また、発熱体端子部7bに電極7cをクランプすることにより、この電気ヒータ7がワーク9の移送方向に交叉する方向に取り付けられている。
このように構成された電気ヒータ7は、電極7cから商用電源電力を供給し、電気抵抗発熱体7aに交流電流を流して発熱させる。
したがって、加熱筒体5の加熱温度が電気抵抗発熱体7aの発熱によって上昇するため、ワーク9が加熱筒体5からの輻射熱等により加熱され、必要な熱処理が行われる。
なお、電気抵抗発熱体7aはジュール損により発熱するが、電気抵抗発熱体7aから放射される熱エネルギーは,電気抵抗発熱体7aの温度の4乗に比例し、距離の2乗に反比例するので、温度が高いほど輻射熱が増大する。
そして、加熱筒体5が得るエネルギーは、加熱筒体5と電気抵抗発熱体7aとの形状とこれらの配置にも影響される。
また、上記したところの耐炎化炉では、空気中で200℃〜300℃の処理温度で酸化処理をしているが、処理温度が低いため、糸状の耐炎繊維を直接1000℃〜1500℃の炭化炉に入れて熱処理すると、耐炎繊維が炭素繊維に変化する際に発生するタールの蒸気で炭化炉を汚してしまい、炭素繊維の品質に悪影響を及ぼす。
このため、700℃〜900℃の予備炭化炉を追加して、窒素ガスなどを供給して作った不活性雰囲気の中でタール分を予備炭化炉で放出させてから、1000℃〜1500℃の不活性雰囲気の炭化炉に投入して熱処理することで品質の良い炭素繊維を生産することも行われている。
一方、炭素繊維の生産には、上記した電気ヒータ構造の加熱炉の他に、マイクロ波を利用した加熱炉が特公昭62−7288号公報などによって提案されている。
この加熱炉は、炉体と、炉体内を走行する搬送装置(ベルトコンベア)と、炉内にマイクロ波電力を照射するマイクロ波照射装置と、不活性ガス流通装置とから構成され、これらに関連して温度制御装置、冷却装置が設けられている。
この加熱炉は、原料繊維を収容した容器をベルトコンベアに乗せて炉体内を移送し、原料繊維にマイクロ波電力を照射する。
したがって、マイクロ波電力の照射で加熱され炭化繊維となった被加熱物が出口から排出され、続いて、冷却装置で冷却される。
この加熱炉において、不融化した石炭系ピッチの繊維を炭素繊維とするには、長さ1m程度とした原料繊維をトウ状にし、厚さ100mmに積み重ねて容器に充填密度50kg/mで収容する。
このような容器を多数準備して順次炉体内に送り込むことによって炭素繊維を得ることができる。
特公昭62−7288号公報
上記した電気ヒータ構造の加熱炉は、電気ヒータ7の電極7cが高温となるため、この電極7cを水等の液体で冷却し規定温度以下に保持している。
すなわち、電極7cは銅材などの電気良導体が使われている関係で、電気抵抗発熱体7aの高熱が発熱体端子部7bを通って熱伝搬することにより高温となるために、銅材などの溶融を防ぐため電極7cを水等で冷却している。
したがって、この種の加熱炉1は、電極7cにおいて水等で冷却される熱量が無駄となる。
この無駄となる熱量は、電気ヒータ7に給電される全電力の30%以上に相当すると言われている。
また、電気ヒータ構造の加熱炉の場合、電気ヒータ7の熱エネルギーは、加熱筒体5を加熱昇温させるだけでなく、加熱筒体5を見込む立体角相当分だけが加熱筒体5の加熱に寄与し、それ以外は損失となり、例えば、断熱槽8の表面を加熱するエネルギーとなるから、このような断熱槽8などの構成部品に放射される熱エネルギーが電気ヒータ7の全エネルギーの50%以上にも達し、それだけ電気エネルギーが無駄に消費されている。
さらに、電気ヒータ構造の加熱炉は、上記のように多くの電気エネルギーが無駄に消費されているために、加熱炉1を立ち上げる際に、加熱炉本体2が熱平衡状態になるまでの時間、つまり、温度が安定してワークの加熱処理が安定してできるようになるまでの時間が長時間となり、この結果、加熱炉の立ち上げの際に無駄に消費される電気エネルギーも大きくなる。
一般的に、省電力を考えた電気ヒータ構造の炭素繊維製造炉でも、投入した全電気エネルギーに対し、製品の加熱に寄与するエネルギーは45%程度と言われている。
一方、特許文献1に記載されたマイクロ波を利用した加熱炉は、原料繊維を高い充填密度で収容した容器を炉体内で移送し、原料繊維にマイクロ波電力を照射して炭素繊維を生産する構成となっている。
通常、マイクロ波を使用した加熱炉は、炉の形状寸法と使用するマイクロ波電力の周波数に応じて、マイクロ波電力のいろいろな共振モードが発生する。
そのため、マイクロ波電力の電磁界密度は炉体内で複雑に分布している。
このことから、マイクロ波を使用した上記の加熱炉は、原料繊維を特定の長さにして、特定の充填密度で収容した特定容器を炉内移送することにより、炭素繊維の生産を可能にしている。
しかしながら、例えば、容器を用いず、原料繊維を一本一本並べて炉体内を通すような場合、つまり、炉体内に12000本の原料繊維を水平に並べて通す場合には、それぞれの原料繊維が炉体内を通過する際に得るマイクロ波エネルギー量が一本一本異なるので、炭素繊維ができたとしても、その品質が大きくばらつき、良質な炭素繊維を得ることができない。
そこで、本発明では、上記した実情にかんがみ、マイクロ波電力を応用して良質な炭素繊維や黒鉛繊維などを生産することができ、かつ、構成簡単にして電気エネルギーの省力化に適する加熱装置を提案することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明では第1の発明として、マイクロ波遮蔽材からなる加熱炉本体と、前記加熱炉本体にマイクロ波電力を導入するマイクロ波手段と、マイクロ波遮蔽機能を有する熱伝導材で形成し、前記加熱炉本体の一方側に設けた入口部と他方側に設けた出口部との間に直線的に配設した加熱筒体と、前記加熱筒体の外周側に設けて前記加熱筒体に熱伝達するマイクロ波発熱体と、前記加熱炉本体の入口部及び出口部の近くに設けて、前記加熱筒体の端部周囲に配設してマイクロ波電力の漏洩を防ぐフィルターと、前記入口部から供給したワークを、前記加熱筒体内を通し、前記出口部より排出し、前記加熱筒体内で加熱する構成としたことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第2の発明としては、上記した第1の発明の加熱装置において、前記加熱筒体と、この加熱筒体の外周中央領域に設けたマイクロ波発熱体と、当該マイクロ波発熱体の両側領域に当たる前記加熱筒体上に設けた鞘状の断熱体および当該マイクロ波発熱体の外周領域に設けたマイクロ波電力の吸収の少ない鞘状の断熱体とで加熱釜を構成し、さらに、前記加熱釜の周囲をマイクロ波吸収の少ないフェルト状の断熱材で覆った断熱構造としたことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第3の発明としては、上記した第1または第2の発明の加熱装置において、前記加熱筒体は、導電率100S/m以上でマイクロ波遮蔽機能を有する材料で構成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第4の発明としては、上記した第1または第2の発明の加熱装置において、前記加熱筒体は、炭素系材料または炭化珪素系材料で構成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第5の発明としては、上記した第1または第2の発明の加熱装置において、 前記加熱筒体は、黒鉛またはC/Cコンポジットで構成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第6の発明としては、上記した第1または第2の発明の加熱装置において、前記したマイクロ波発熱体は、導電率が100S/m以上の材料の粉末に少なくとも無機バインダを混合して形成した形成物を焼成して得た焼成体で構成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第7の発明としては、上記した第1または第2の発明の加熱装置において、前記マイクロ波発熱体は、前記加熱筒体の外周面に接合させ、又は、少ない隙間を設けて配設したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第8の発明としては、上記した第1または第2の発明の加熱装置において、前記加熱筒体の端部に、当該加熱筒体を冷却する冷却手段を配設したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第9の発明としては、上記した第1または2の発明の加熱装置において、金属からなるフィルター、或いは、黒鉛やC/Cコンポジットで形成したフィルターを備えたことを特徴とるマイクロ波を応用した加熱装置を提案する。
第1の発明の加熱装置は、マイクロ波電力を照射してマイクロ波発熱体を発熱させることで加熱筒体に熱伝達され、この加熱筒体が温度上昇する。
ワークはこのように温度上昇した加熱筒体内を通すことで加熱処理する。
すなわち、この発明では、マイクロ波を応用した加熱装置であるが、ワークをマイクロ波電力の照射で加熱するのではなく、加熱筒体内の輻射熱によって加熱処理することを特徴としている。
この結果、PAN系繊維やピッチ系繊維を前処理したワークが加熱筒体内で均一加熱されるので、高品質の炭素繊維や黒鉛繊維などの生産が可能になる。
次に、本発明の重要な構成となっている上記した加熱筒体とマイクロ波発熱体について、さらに、詳細に説明する。
図1は、800℃を超える温度でも安定した形状を保ち、マイクロ波電力を吸収して発熱する材料を実験により求めた特性図である。
この特性図において、横軸はマイクロ波照射時間、縦軸は材料温度を示し、特性100Aは黒鉛材料の温度特性、特性100Bは炭化珪素材料の温度特性、特性100Cは炭化珪素粉末の焼成体の温度特性である。
なお、炭化珪素粉末の焼成体は、炭化珪素の粉末、無機バインダ、有機気孔剤を混合して形成した成形物を焼成して得た焼成体(見掛気孔率45%)である。
この特性図に示すように、黒鉛材料に1kWのマイクロ波電力を9分間照射したところ、150℃程度に温度上昇した。
また、炭化珪素材料に1kWのマイクロ波電力を9分間照射したところ、200℃程度に温度上昇した。
さらに、炭化珪素粉末の焼成体に、1kWのマイクロ波電力を9分間照射したところ、900℃を超える温度に昇温した。
また、物質が吸収するマイクロ波電力Pには、次式(1)に示すように、導電率が関係するジュール損、誘電率に関係する誘電損、透磁率に関係するヒステリシス損がある。
Figure 2014067575
E:電界
H:磁界
ω:角周波数(2πf)
f:周波数
σ:導電率
ε”:複素誘電率の虚数部(ε・ε・tanδ)
μ”:複素透磁率の虚数部(μ・μ・tanδ’)
この式(1)より分かるように、炭化珪素材料や黒鉛材料のマイクロ波電力の吸収については、この式(1)の導電率σに関する第1項から知ることができる。
導電材料の場合、表皮の深さδは、表面の電磁界に対し、1/e=0.368(eは自然対数の底)となる深さで定義される。
すなわち、ωを角周波数、μを物質の透磁率、σを物質の導電率とすると、表皮の深さδは次式(2)で表される。
Figure 2014067575
同じ導電率σであっても、非磁性と磁性の材料とでは表皮の深さδが異なり、非磁性材料の方がδは深い。
ただ、磁性材料も高温になると磁性を失うので、高温で使用する加熱炉の場合には、導電率σだけで表皮の深さδを評価した方が安全である。
一般に、導電率が10S/m以上の材料を導体(良導体)、導電率が10−6S/m以下の材料を不導体(絶縁材)、その中間を半導体と分類する。
非磁性で導電率が100S/m以上の材料の場合、2.45GHzにおいて表皮の深さδは、約1.02mm以下となる。
マイクロ波電力を遮蔽するのに必要な減衰率を100dBとすれば、表皮の深さδが1.02mmの材料は、表皮の深さδの約12倍、すなわち、約12mmの厚さで減衰率が100dBになる。
このことから、12mmの厚さがあれば、マイクロ波電力を充分に遮蔽することができる。
したがって、本発明では、2.45GHz帯のマイクロ波電力を考えればよいので、100S/m以上の材料を便宜上マイクロ波遮蔽材と定義する。
例えば、黒鉛の導電率は天然物と人造物で異なるが、導電率の悪い天然物でも表皮の深さδは約41μm程度であるので、0.5mmの厚さで、約203700分の1(減衰率:106.2dB)となり、導電率が125000S/mの人造黒鉛では、表皮の深さδは29μmであるので、0.5mmの厚さで、約37026000分の1以下(減衰率:151.4dB)となる。
一方、炭化珪素の導電率は黒鉛の約100分の1と言われているが、メーカのカタログ掲載のデータから計算した導電率588S/mを使っても、その表皮の深さδは約0.42mmであるので、5mmの厚さで、約203681分の1以下(減衰率:106.18dB)となる。
したがって、炭化珪素材料や黒鉛材料は、マイクロ波遮蔽材として充分に満足できる材料である。
上記のように、図1の特性図で求めた実験では、厚さ約5mmの塊状の黒鉛材料と炭化珪素材料を使用し、これらの材料に対し1kWのマイクロ波電力を9分間照射しても150℃から200℃程度しか昇温しなかった。
また、既に述べた通り、黒鉛材料や炭化珪素材料は、導電率が100S/m以上であるから、マイクロ波電力を遮蔽する材料となる。
すなわち、上記した段落番号〔0035〕、〔0036〕において説明したように、黒鉛材料の場合は0.5mm以上の板厚とすることで、また、炭化珪素材料の場合は5mm以上の板厚とすることで、マイクロ波電力を遮蔽する機能を持つ。
したがって、黒鉛材料も炭化珪素材料も1500℃を超える高温でも安定して形状を保ちマイクロ波遮蔽機能を持つ材料であるから、加熱炉内の筐体を形成する材料としても使用することができる。
一方、加熱装置を形成する加熱炉本体などの筐体は、導電率が100S/m以上の非磁性材で形成すると、筐体表面はジュール損による発熱だけとなるので都合がよい。
つまり、加熱炉本体などの筐体を磁性材で形成すると、ジュール損とヒステリシス損の両方で筐体が発熱するので、マイクロ波発熱体に照射するマイクロ波電力が低下する。
したがって、例えば、黒鉛板、C/Cコンポジット板、炭化珪素板などは、非磁性材で100S/m以上の材料であるので、マイクロ波電力を閉じ込める加熱炉本体などの筐体を形成する材料に適する。
黒鉛板やC/Cコンポジット板は、2000℃を超える温度になっても窒素ガスやアルゴンガスなどからなる不活性雰囲気中で安定して形状を維持できるので、高温になる材料として使用することができる。
また、炭化珪素板は不活性雰囲気中だけでなく、空気中でも安定した形状を維持できるので、大気中で高温になる部品の材料としても使用することができる。
したがって、上記した第3,4,5の発明の通り、マイクロ波電力を遮蔽するに足りる板厚とした黒鉛材料や炭化珪素材料によって加熱筒体を構成することができる。
なお、炭素系材料のC/Cコンポジットや炭素質材料も導電率は10000S/m以上の材料である。
その上、C/Cコンポジットは、炭素を炭素繊維に補強した材料で、強靱で、プレス成型ができるなどの特徴があり、2000℃を超える温度にも耐えるので、高温で使用する加熱筒体を構成する材料として特に適している。
なお、モース硬度によれば、炭化珪素が9に対し、黒鉛が0.5〜1.0であるので、例えば、炭素繊維のような傷つき易いワークの場合は、黒鉛を使った加熱筒体が適している。
一方、図1から分かるように、同じ炭化珪素であっても、塊状のものと粉末のものとでは、1kWのマイクロ波電力を同様に9分間照射しても昇温レベルが大きく異なっている。
すなわち、塊状の炭化珪素材料は、200℃程度であるが、炭化珪素粉末の焼成体は900℃を超えている。
このように炭化珪素粉末の焼成体が高温となるのは、この焼成体が炭化珪素の粉末と無機バインダと気孔(空洞)とからなるので、マイクロ波電力が無機バインダや気孔を通り抜けて焼成体の内部奥深くまで浸透できるからである。
そして、塊状の炭化珪素材と炭化珪素粉末の焼成体とを比較すると、マイクロ波電力が浸透できる深さまでに存在する炭化珪素材の総体積が粒子状の方が非常に大きいために、炭化珪素の粉末内部に誘起されたマイクロ波電流によるジュール損が大きくなり、効率良く発熱昇温するものと考えられる。
また、上記したように、炭化珪素の表皮の深さδが約0.42mmであるので、この2倍の大きさ以下の粒子であれば、マイクロ波電力により粒子全体がジュール損で発熱して昇温する。
すなわち、炭化珪素の粒子サイズが約0.8mm以下の粒子(詳しくは、3方向(X面、Y面、Z面)から見た粒子において、1つの面で見た粒子サイズが、表皮の深さδの約2倍以下の粒子)であれば、表面から進入したマイクロ波電力が粒子全体に浸透して発熱に寄与するので、高い発熱効率が得られる。
したがって、上記した第6の発明の通り、炭化珪素粉末の焼成体によってマイクロ波発熱体を構成することができる。
そして、この焼成体には、必ずしも有機気孔剤は混合しなくともよいが、有機気孔剤を混合して形成することで、焼成過程で有機気孔剤が気化してできる気孔がマイクロ波電力のさらなる浸透を助けるだけでなく、断熱性(保温性)を高めるので、マイクロ波発熱体としてさらに適したものとなる。
なお、炭素質粉末、黒鉛粉末、カーボンナノチューブなどの炭素系粉末も導電率が10000S/m以上の材料で2000℃を超えても安定しているので、無機バインダ、有機気孔剤との混合焼成体とすれば、マイクロ波発熱体に適した材料となる。
なお、このような混合焼成体を使用してマイクロ波発熱体を形成する場合は、必ずしも有機気孔剤を用いる必要はない。
また、このように実施する混合焼成体は、炭化珪素との表皮の深さの違いから、粒子サイズは約0.08mm以下でよい。
上記のように、導電率が100S/m以上の材料の粉末に無機バインダと有機気孔剤を混合して形成した焼成体は、焼成工程で有機気孔剤が気化して気孔が残るので、焼成体の気孔率を調整できる特徴を有する。
これはマイクロ波電力の浸透の深さを加減する機能をもつと同時に、導電率が100S/m以上の材料の粉末同士が直接接触するのを妨げるので、より安定したマイクロ波発熱体となる。
例えば、30μm〜300μmの炭化珪素の粉末を70%〜90%、無機バインダを10%〜30%とした焼成体はマイクロ波発熱体として使用可能である。
また、上記の焼成体に少量の有機気孔剤を混入させ、見掛気孔率を15%から47%まで変えた焼成体にマイクロ波電力を照射したが、マイクロ波発熱体として充分に使用できることを実験によって確認した。
ただし、機械的強度の観点から見掛気孔率は47%を超えないことが好ましい。
また、炭化珪素の粉末サイズを変えて実験したが、50μm〜200μmの炭化珪素粉末を使用した焼成体は同じマイクロ波電力を照射した場合、低温度帯で昇温スピードが速くなると言う結果を得た。
さらに、50μm〜200μmの炭化珪素の粉末に無機バインダと有機気孔剤とを混合して成形物を形成し、その成形物を焼成して得た焼成体にマイクロ波電力を照射して、1550℃まで昇温したが、異常は発生せず、マイクロ波発熱体として充分に使用に耐えることが実験によって確認された。
さらに、上記の焼成体を電気炉に入れて1800℃まで昇温して信頼性を確認したが、無機バインダが蒸発したことによる焼成体の減量収縮以外は特段に異常は見られなかった。
そして、この焼成体を黒鉛材料で作った加熱筒体の外表面に設けてマイクロ波電力を照射し昇温の実験を行った。
この実験では、加熱筒体の外表面に焼成体を接触させ、また、隙間を設けて配設したが、加熱筒体が焼成体の加熱に追随して昇温することが確認された。
また、導電率が100S/m以上の材料で形成した加熱筒体は、熱エネルギーが格子振動で伝達されるだけでなく、自由電子も熱エネルギーの伝達に寄与するので、熱伝導が絶縁体より速い特性を持つ。
この結果、加熱筒体の長手方向に直角となる断面内の温度が速やかに均一化される。
前記加熱炉本体の入口部及び出口部の近くに設けて、前記加熱筒体の端部周囲に配設したフィルターによって、加熱筒体の両端へ向かうマイクロ波電力が遮断されるので、両端の開放部から加熱筒体内に回り込むマイクロ波電力はない。
この結果、加熱筒体内を通すワークは、加熱筒体部分から放射される高温の熱エネルギー(輻射熱)だけで所望の温度まで昇温する。
特に、加熱筒体の長手方向に直角となる断面内の温度が均一化されているので、ワークが一様に所望の温度に昇温され、高品位の熱処理物の生産が可能になる。
上記のマイクロ波発熱体は、上記した第2の発明の通り、加熱筒体の外周中央領域に設け、さらに、このマイクロ波発熱体の両側領域および外周領域に設けた鞘状の断熱体を設けて加熱釜として構成することができる。
なお、マイクロ波発熱体の外周領域に設ける鞘状の断熱体は、マイクロ波電力の吸収の少ない焼成物で形成する。
すなわち、マイクロ波発熱体を加熱筒体の外周中央領域に設けることで、マイクロ波電力をマイクロ波発熱体に集中して照射させることができ、マイクロ波発熱体の発熱効率を高めることができる。
また、マイクロ波発熱体の加熱温度を、例えば、800℃以上の高温となるように設定する場合には、マイクロ波発熱体の外周領域とこのマイクロ波発熱体の両側領域となる加熱筒体の外周領域に鞘状の焼成物からなる断熱体を設けることが好ましい。
つまり、マイクロ波発熱体や加熱筒体の外周にマイクロ波電力の吸収の少ないフェルト状の断熱材を設けて断熱構造とする場合、マイクロ波発熱体が800℃以上の高温となると、このマイクロ波発熱体に接触するフェルト状の断熱材が化学反応したり、溶融したりするなどの支障が表れるため、上記した鞘状の断熱体を設ける。
なお、マイクロ波発熱体の温度が800℃を超える場合でも、加熱筒体の温度が1250℃以上とならないようなときは、この加熱筒体の外周には鞘状の断熱体を設けなくともよく、また、マイクロ波発熱体の温度が、フェルト状の断熱材が化学反応したり、溶融したりすることがない温度、例えば、800℃を超えないように設定する加熱装置の場合は、上記した鞘状の断熱体は備えなくともよい。
さらに、マイクロ波発熱体は、上記した第7の発明の通り、加熱筒体の外周面に接合させて設けることができるが、少ない隙間を設けて配設することもできる。
すなわち、マイクロ波発熱体を加熱筒体との間に隙間を設けて配設することにより、マイクロ波発熱体の加熱エネルギー効率を高めることができる。
また、上記した第8の発明の通り、加熱筒体の端部に冷却手段を設けて加熱筒体端部の高温の昇温を抑えれば、通常の金属、例えば、ステンレスなどを用いてフィルターを形成することができる。
したがって、上記した第9の発明の通り、高温度に耐える黒鉛板やC/Cコンポジット板などで形成したフィルターを配設する場合には、上記の冷却手段は設けなくてもよい。
黒鉛材料、炭化珪素材料、炭化珪素粉末焼成体のマイクロ波照射時間に対する温度特性を示した特性図である。 本発明の第1実施形態を示し、ワークの移送方向に平行して切断した加熱装置の断面図である。 図2上のB−B線拡大断面図である。 図2に示した加熱装置に備えたフィルターの拡大断面図である。 上記したフィルターの拡大部分正面図である。 本発明の第2実施形態を示し、ワークの移送方向に平行して切断した加熱装置の断面図である。 図6上のC−C線拡大断面図である。 図2に示す第1実施形態の変形例を示す図3同様の拡大断面図である。 図6に示す第2実施形態の変形例を示す図7同様の拡大断面図である。 従来例として示した加熱炉の断面図である。 図10上のA−A線拡大断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面に沿って説明する。
図2は、本発明の第1実施形態を示し、ワークの移送方向に平行して切断した加熱装置の断面図であり、図3は図2上のB−B線拡大断面図である。
これらの図面から分かるように、本実施形態の加熱装置は、加熱炉本体11と、この加熱炉本体11内にマイクロ波電力(以下、「マイクロ波」という)を導入するマイクロ波手段40を備えている。
加熱炉本体11は、横長加熱炉を形成するために、横長の中空体12の一方端には、孔口13aを設けた端板13を接続し、さらに、この端板13の外面には、入口形成板15を設けた前室形成体14が接続してある。
そして、入口形成板15の入口部15aから、ワーク16を導入する。
同様に、中空体12の他方端には、孔口17aを設けた端板17を接続し、さらに、この端板17の外面には、出口形成板19を設けた後室形成体18が接続してある。
また、出口形成板19の出口部19aから、ワーク16を排出させる構成としてある。
雰囲気ガスは、例えば、中空体12に設けたガス導入口(図示せず)から加熱炉本体11内に導入し、入口形成板15の入口部15aおよび出口形成板19の出口部19aから加熱炉本体11外に排出させている。
なお、本実施形態では、ワーク16は、並列に並べた多数の糸状物(PAN系繊維やピッチ系繊維を前処理した繊維)や前記糸状物を多数並列状にして一体化した一つ又は複数の帯状物(束状物)からなる。
上記した加熱炉本体11は、導電率が100S/m以上の非磁性材料で形成してある。
つまり、加熱炉本体11を磁性材料で形成すると、加熱炉本体11がジュール損とヒステリシス損の両方で発熱し、マイクロ波発熱体に照射するマイクロ波が低下するので、加熱炉本体11は、例えば、非磁性材料である黒鉛板、C/Cコンポジット板、炭化珪素板で形成し、マイクロ波を閉じ込めるようにしてある。
勿論、非磁性金属で形成してもよい。
なお、上記した雰囲気ガスの導入、排出方法は、上記の他に、出口部19aから導入し、入口部15aから排出させ、前室形成体14及び後室形成体18に設けたガス導入口から導入して入口部15a及び出口部19aから排出させ、さらには、中空体12に導入した雰囲気ガスを中空体12から排出させるなど、いろいろな導入、排出手段を採用することができ、また、それらの複数の導入、排出手段を採用することもできる。
ワーク16を通過させる加熱筒体(以下、「マッフル」と言う)20は、マイクロ波遮蔽機能を有する熱伝導材で長形の中空体として形成してあり、加熱炉本体11の入口部15aと出口部19aとの間に直線的に配設してある。
このマッフル20は、導電率が約125000S/mの黒鉛材で、肉厚5mmの長形の中空体として形成してあるが、図3より分かる通り、長さ方向に直交する断面形が高さの低い矩形断面となるように形成してある。
つまり、このようにマッフル20を横長の矩形断面とすることにより、並列に並べた多数の糸状物(PAN系繊維やピッチ系繊維を前処理した繊維)や前記糸状物を多数並列状にして一体化した一つまたは複数の帯状物(束状物)からなるワーク16を通過させることができる。
このように形成した矩形断面のマッフル20は、黒鉛板を組み合わせて形成することができるので、安価に生産することができる。
なお、黒鉛板の合わせ部分は、例えば、黒鉛の釘で固定した上、合わせ部分の隙間にバインダとして黒鉛粉末を練り込んだペーストを詰め込み、貼り合わせ部の導電性を保つ構成としてある。
一方、マッフル20については、その一端部側を端板13の孔口13aを通して前室形成体14内に延設し、前室形成体14内に設けたリング状のフィルター21内に配設してあり、同様にその他端部側を端板17の孔口17aを通して後室形成体18内に延設し、後室形成体18内に設けたリング状のフィルター22内に配設してある。
なお、フィルター21、22については後述するが、マッフル20とフィルター21、22の間を所定の間隔に定めることにより、加熱炉本体11、特に、入口部15aおよび出口部19aから外部へのマイクロ波の漏洩を防止することができる他、マッフル20内に入り込むマイクロ波が遮断される。
マイクロ波発熱体23は、マッフル20の外周中央領域に接触させて配設してある。
このマイクロ波発熱体23は、炭化珪素の粉末(標準粒径125μm)と無機バインダと有機気孔剤とを混合した形成物を生産した後、その形成物を焼成して得た焼成体によって形成してある。
また、加熱装置の定格温度を、例えば、1450℃に設定すると、マイクロ波発熱体が800℃以上の高温に達するため、このマイクロ波発熱体についてはムライトとアルミナ等とを混合させて形成した焼成体である鞘状の断熱体24で覆ってある。
なお、この鞘状の断熱体24はマイクロ波の吸収の少ない焼成体である。
さらに、マッフル20が1200℃以上となるような場合には、鞘状の断熱体25を設けることが好ましい。
したがって、本実施形態では、マイクロ波発熱体23の両側領域(端板13、17とマイクロ波発熱体23の間)に当たるマッフル20の外周囲に、非アルミナ系の断熱材の焼成体からなる断熱体、例えば、マグネシアからなる鞘状の断熱体25で覆ってある。
本実施形態では、上記したマッフル20、マイクロ波発熱体23、鞘状の断熱体24、25によって加熱釜26が形成されており、この加熱釜26がフェルト状の断熱材27、28、29を介在させて設けた位置出し用の断熱材30によって所定位置に支持されている。
加熱釜26を覆うように設けたフェルト状の外部断熱材27、28、29、位置出し用の断熱材30は、単に使用温度定格の違いによるもので、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト等のようなマイクロ波の吸収が少なく高温まで使用可能な材料からなるファイバ状の断熱材をフェルト状に加工した断熱材である。
したがって、これらフェルト状の断熱材27、28、29は高温対応の断熱材27で統一することも可能である反面、これらフェルト状の断熱材がマッフル20やマイクロ波発熱体23に接触すると、化学的に反応したり、溶融したりすることがあるため、それらの現象を上記した鞘状の断熱体24、25を備えて防止している。
したがって、マッフル20やマイクロ波発熱体23の温度が、フェルト状の断熱材が接触しても化学的に反応せず、溶融しない温度、例えば、800℃以下に設定されるような場合には、上記した鞘状の断熱体24、25を備えなくともよい。
一方、本実施形態の加熱装置では、前室形成体14内にマッフル20の冷却手段31が配置してある。
この冷却手段31は、端板13とフィルター21との間でマッフル20を挟持固定するジャケット31a、31bとを備えている。
なお、これらジャケット31a、31bはパイプによって連結されている。
そして、下側のジャケット31bには、前室形成体14の下部部所に設けたパイプ継ぎ手35からパイプを通して下側のジャケット31bに冷却液を送り、上側のジャケット31aからパイプを介して送られる冷却液を前室形成体14の上部部所に設けたパイプ継ぎ手32から排出させるようになっている。
また、マッフル20が温度上昇によって熱膨張し長手方向に移動するので、上記ジャケット31a、31bを摺動可能に支持する支持台36が端板13に備えてある。
冷却液を供給、排水する上記した各パイプは、冷却液がマイクロ波で加熱されないように非磁性の金属パイプとしてあるが、熱膨張によるマッフル20の移動に伴いジャケット31a、31bが移動するので、蛇腹式の金属パイプのような可撓性のある金属パイプを使用する。
なお、後室形成体18内にも同様の冷却手段31が配置してあるが、同じ構成であるので説明を省略する。
図4は、前室形成体14内に設けたフィルター21の拡大断面図である。
図示する如く、このフィルター21は、マイクロ波の波長に関係した寸法のフィルター素子21aを多段に並べて構成してある。
具体的には、各フィルター片21bを4辺形枠に一体形成したフィルター素子21aを設け、このように形成した4つのフィルター素子21aを筒状の枠板21b内面に多段にして溶接或いはねじ止めなどにより固着したフィルター構成となっている。
そして、このフィルター21は、枠板21cのフランジ21dを前室形成体14と入口形成板15との接続部に固着することによって、図示点線の如く、フィルター素子21aの4辺形枠内にマッフル20の一端部分20aが位置するように張り出させてある。
後室形成体18内にも同構成のフィルター22が配置してあり、マッフル20の他端部分がフィルター素子の4辺形枠内に位置するように張り出させてある。
このように構成したフィルター21、22は、工業用として認められている2.45GHzのISM周波数帯域(2.4GHz〜2.5GHz)に渡って、100dB以上の減衰量を確保できることが可能になる。
この結果、図5に示すように、フィルター素子21とマッフル20とは間隔Dの距離をおいて配設されているが、加熱炉本体11内にマイクロ波手段40から放射されるマイクロ波が入口部15aから外部へ漏洩するのを防ぐことができる。
同様に、フィルター22によって出口部19aから外部へのマイクロ波の漏洩を防ぐことができる。
また、上記フィルター21、22は、マッフル20の一端部と他端部から入るマイクロ波を遮蔽するので、マッフル20内にマイクロ波が入り込むことがない。
なお、既に述べたように、黒鉛板やC/Cコンポジット板などの高耐温材料でフィルター21、22を形成する場合には、上記した冷却手段は備えなくともよい。
しかし、上記フィルター21、22を固定する前室形成体14と入口形成板15の接続部の温度、或いは、後室形成体18と出口形成板19との接続部の温度が安全上問題になる温度を超える場合は、自然空冷や強制空冷などの冷却手段を必要とする。
この冷却手段によるエネルギーの損失は微々たるもので、装置の基本機能には影響を与えることはない。
マイクロ波手段40は、マイクロ波発振伝送手段41とマイクロ波伝播手段42とで構成した公知構成のものであり、マイクロ波発振伝送手段41は、図示しないマイクロ波発振器、アイソレータ、パワーモニタ、EHチューナなどのマイクロ波デバイスからなっている。
マイクロ波伝播手段42は、マイクロ波発振伝送手段41で発生したマイクロ波を加熱炉本体11内に送る導波管42aと、放射器42b、絶縁板42cから構成してある。
放射器42bは加熱炉本体11に溶接などで接続してあり、導波管42aがマイクロ波を通過させる石英ガラス、テフロン(登録商標)などからなる絶縁板42cを挟持させて放射器42bに接続してある。
絶縁板42cは、マイクロ波を通過させるだけでなく、マイクロ波発振器側の導波管内の空気が加熱炉本体11内に進入することを防ぐと同時に、加熱炉本体11の雰囲気ガスがマイクロ波発振器側へ漏洩することを防ぐ機能を持つ。
上記した加熱装置は、入口部15aからワーク16を挿入して、マッフル20の中を通過させて出口部19aから引き出し、ワーク16に張力を与えた状態とする。
そして、例えば、中空体12の導入口(図示せず)から導入した雰囲気ガスのガス量を、入口部15aおよび出口部19aから排出する雰囲気ガスのガス量より若干多く設定して、マッフル20内に外気が侵入するのを防止する。
続いて、雰囲気ガスによる置き換えが終わった時点で、マイクロ波手段40からマイクロ波を送り、その放射器42bから加熱炉本体11内にマイクロ波を放射させる。
これより、マイクロ波が断熱構造の断熱材27、29、30と鞘状の断熱体24を通ってマイクロ波発熱体23に放射され、このマイクロ波発熱体23が放射されたマイクロ波を吸収して発熱し昇温する。
マイクロ波発熱体23で発生した熱エネルギーは、熱伝導と熱放射によりマッフル20に伝達され、マッフル20が昇温する。
マッフル20の高温部が所望の温度に到達したところで、張力を与えたままワーク16を移動させて、所望の時間(例えば、1分間)、所望の温度(例えば、1350℃)でワーク16を加熱することで、加熱処理が終了する。
なお、図示しないが、マッフル20とマイクロ波発熱体23の温度は、放射温度計で監視して、PID制御などにより、所望の設定温度でワーク16を加熱処理する制御手段を備えている。
なお、PID制御において、Pは比例制御、Iは積分制御、Dは微分制御を表す。
例えば、具体例として、温度測定手段によって得られた測定値と設定温度プロファイルとを比較してその温度差が大きい間は比例制御を主体的にしてマイクロ波出力を制御して速やかに温度差を小さくさせ、その温度差が第1の閾値より小さくなったら、微分制御を主体的にしてマイクロ波出力を制御し速やかに設定温度プロファイルに近づけ、その温度差が第2の閾値より小さくなって設定温度プロファイルと略一致する範囲に入ったら積分制御を主体的にしてマイクロ波出力の微調整を行い設定温度プロファイル通りの温度プロファイルを実現する。
なお、上記は3パターンのPID制御係数を用いて温度を制御する方法を説明したが、これには拘わらない。
また、既に述べたように、フィルター21、22によって、マッフル20内に侵入するマイクロ波が遮断されるから、マッフル20内にはマイクロ波が存在しない。
したがって、マッフル20に挿通したワーク16がマイクロ波の影響を受けず、マッフル20が発生する輻射熱によって均一に加熱される。
次に、図6、図7に示す本発明の第2実施形態について説明する。
図6はワークの移送方向に平行して切断した加熱装置の断面図であり、図7は図6上のC−C線拡大断面図である。
この第2実施形態の加熱装置は、上記した第1実施形態の加熱装置に比べ、下記する(a)〜(e)に特徴があり、その他は同じ構成となっているから、同じ部品や部所については同符号を付して説明を省略する。
(a) 加熱釜26の位置出し用断熱材51、52が加熱炉本体11の中空体12の左右寄りに設けてある。
すなわち、この断熱材51、52はマッフル20を通し、また、それらの周囲を中空体12に接するようにして、加熱釜26の重量を支え、また、加熱釜26を所定の位置に配設させるようになっている。
これら断熱材51、52は、端板13,17を中空体12に取り付ける前に、中空体12内に組付け、その後に断熱材53、54を上記断熱材51、52に押し付けるようにして端板13、17を中空体12に接続してある。
(b) マイクロ波発熱体23と鞘状の断熱体24との間にスペーサ55を挿入し、これらマイクロ波発熱体23と断熱体24との間に一定の間隔(隙間)が設けてある。
このようにマイクロ波発熱体23と断熱体24との間に一定の間隔を設けることで、断熱体24を介在させて断熱材27へ伝導されるマイクロ波発熱体23の加熱エネルギーが僅かとなり、エネルギー効率が良くなる。
(c) マイクロ波伝播手段42の放射器42bの先端から断熱材29までの距離を離すように、加熱炉本体11の中空部12に張り出し部12aが設けてある。
すなわち、放射器42bの先端から放射されるマイクロ波の電力密度は距離の2乗にしたがって減少するので、放射器42bから放射されるマイクロ波が断熱材29の一定箇所に集中し、断熱材29が変質することが防止される。
その上、張り出し部12aの中に、例えば、金属製の攪拌羽根(スターラ)を設けることができるので、この攪拌羽根を回転してマイクロ波を攪拌して散らすことにより、断熱材29の一定箇所にマイクロ波を集中させない構成とすることも、また、マイクロ波発熱体23のヒートスポットを解消させることもできる。
(d) 張り出し部12aに窓孔12bを形成し、この窓孔12bに放射器42bを着脱自在に取り付ける構成としてある。
このように、構成すれば、放射器42bを交換して放射性能の微調整が可能になる。
(e) 入口形成板15と出口形成板19の各々に凹形部15b、19bを形成し、これら凹形部15b、19bに入口部15aと出口部19aが設けてあり、さらに、これら凹形部15b、19bの内部には、マッフル20を支持させた断熱材56、57を設け、フィルター21、22を通過させたマッフル20の一端部と他端部とを安定に支持させてある。
図8は、図2に示した第1実施形態の変形例として示した図3同様の拡大断面図である。
図示するように、この変形例の加熱装置では、マッフル20、マイクロ波発熱体23、鞘状の断熱体24からなる加熱釜26について、両側を丸めた横長の断面形状の加熱釜として構成してある。
なお、本変形例のように実施する場合は、フィルター21、22や鞘状の断熱体25、フェルト状の断熱材27、29についてもマッフル20に沿ったリング状のものとして形成してある。
図9は、図6に示した第2実施形態の変形例として示した図7同様の拡大断面図である。
図示するように、この変形例の加熱装置は、マッフル20、マイクロ波発熱体23、鞘状の断熱材24からなる加熱釜26が円形断面の加熱釜として構成してある。
なお、本変形例のように実施する場合は、フィルター21、22や鞘状の断熱体24、フェルト状の断熱材27、29、加熱炉本体11についてもマッフル20に沿った円形状に形成してある。
炭素繊維、黒鉛繊維などの生産に使用する加熱装置に適する。
11 加熱炉本体
12 中空体
12a 張り出し部
13 端板
14 前室形成体
15 入口形成板
15a 入口部
16 ワーク
17 端板
18 後室形成体
19 出口形成板
19a 出口部
20 マッフル(加熱筒体)
21、22 フィルター
23 マイクロ波発熱体
24、25 鞘状の断熱体
26 加熱釜
27〜30 フェルト状の断熱材
31 冷却手段
31a、31b ジャケット
40 マイクロ波手段
41 マイクロ波発振伝送手段
42 マイクロ波伝播手段






Claims (9)

  1. マイクロ波遮蔽材からなる加熱炉本体と、
    前記加熱炉本体にマイクロ波電力を導入するマイクロ波手段と、
    マイクロ波遮蔽機能を有する熱伝導材で形成し、前記加熱炉本体の一方側に設けた入口部と他方側に設けた出口部との間に直線的に配設した加熱筒体と、
    前記加熱筒体の外周側に設けて前記加熱筒体に熱伝達するマイクロ波発熱体と、
    前記加熱炉本体の入口部及び出口部の近くに設けて、前記加熱筒体の端部周囲に配設してマイクロ波電力の漏洩を防ぐフィルターと、
    前記入口部から供給したワークを、前記加熱筒体内を通し、前記出口部より排出し、前記加熱筒体内で加熱する構成としたことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  2. 請求項1に記載した加熱装置において、
    前記加熱筒体と、この加熱筒体の外周中央領域に設けたマイクロ波発熱体と、当該マイクロ波発熱体の両側領域に当たる前記加熱筒体上に設けた鞘状の断熱体および当該マイクロ波発熱体の外周領域に設けたマイクロ波電力の吸収の少ない鞘状の断熱体とで加熱釜を構成し、さらに、前記加熱釜の周囲をマイクロ波吸収の少ないフェルト状の断熱材で覆って断熱構造としたことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  3. 請求項1または2に記載した加熱装置において、
    前記加熱筒体は、導電率100S/m以上でマイクロ波遮蔽機能を有する材料で形成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  4. 請求項1または2に記載した加熱装置において、
    前記加熱筒体は、炭素系材料または炭化珪素系材料で形成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  5. 請求項1または2に記載した加熱装置において、
    前記加熱筒体は、黒鉛またはC/Cコンポジットで形成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  6. 請求項1または2に記載した加熱装置において、
    前記したマイクロ波発熱体は、導電率が100S/m以上の材料の粉末に少なくとも無機バインダを混合して形成した形成物を焼成して得た焼成体で構成したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  7. 請求項1または2に記載した加熱装置において、
    前記マイクロ波発熱体は、前記加熱筒体の外周面に接合させ、又は、少ない隙間を設けて配設したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  8. 請求項1または2に記載した加熱装置において
    前記加熱筒体の端部に、当該加熱筒体を冷却する冷却手段を配設したことを特徴とするマイクロ波を応用した加熱装置。
  9. 請求項1または2に記載した加熱装置において
    金属からなるフィルター、或いは、黒鉛やC/Cコンポジットで形成したフィルターを備えたことを特徴とるマイクロ波を応用した加熱装置。








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