以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である携帯端末の概略正面図、図2はその携帯端末の概略ブロック図である。
本実施形態の携帯端末は、各種の情報を携帯して扱うことができるタブレット端末であり、インターネットに接続して外部と情報の送受信を行う通信機能や文字の入力を行う文字入力機能等、さまざまな機能を備えている。この携帯端末は、図1及び図2に示すように、表示手段10と、複数の操作ボタンと、記憶手段40と、通信手段50と、制御手段60とを備える。また、この携帯端末は、正面から見ると、略長方形の形状に形成されている。
表示手段10は携帯端末の正面側に設けられている。この表示手段10としては液晶表示装置が用いられ、表示手段10のディスプレイはタッチパネル70になっている。表示手段10のディスプレイ上には、ホーム画面、アプリケーション画面、文字入力画面等の各種の画面が表示される。ホーム画面は、携帯端末の電源を入れたときに表示される画面である。アプリケーション画面には各アプリケーションプログラムのアイコンが表示されており、所望のアイコンをタップすることにより、そのアイコンに対応するアプリケーションプログラムを起動することができる。
文字入力画面はキーボード画面を含むものである。ユーザはこのキーボード画面のキー画像を利用して文字の入力を行うことができる。図3は文字入力画面の一例を示す図である。図3に示すように、文字入力画面100は、キーボード画面110と、入力文字表示画面120とを備えている。入力文字表示画面120の例としては、検索画面、メール作成・送信画面等が挙げられる。また、入力文字表示画面120の例としては、Microsoft Word(登録商標)、Microsoft Excel(登録商標)、Microsoft PowerPoint(登録商標)、Microsoft Outlook(登録商標)、Microsoft Word for Mac(登録商標)、Microsoft Excel for Mac(登録商標)、Microsoft PowerPoint for Mac(登録商標)、Microsoft Outlook for Mac(登録商標)、Googleドキュメント(登録商標)等のオフィスソフトの画面等も挙げられる。キーボード画面110には、各文字(記号を含む)と対応付けられた複数の文字キー画像と、特定の機能が付与された複数の機能キー画像とが設けられている。文字キー画像と機能キー画像等を総称してキー画像という。尚、以下では、「文字キー画像」のことを単に「文字キー」とも称することにし、「機能キー画像」のことを単に「機能キー」とも称することにする。そして、「キー画像」のことを単に「キー」とも称することにする。図3に示すキーボード画面110では、文字キーの配列として、QWERTY配列を採用している。また、機能キーには、文字入力モード切替えキー111、ホームキー112、キーボード切替えキー113、スペースキー、Enterキー、Shiftキー等が含まれる。文字入力モード切替えキー111は、漢字ひらがな入力モードと、半角英字入力モードとを切り替えるためのものである。ホームキー112は、文字入力画面100を終了してホーム画面を表示することを指示するためのものである。キーボード切替えキー113は、図3に示すQWERTY配列のキーボード画面と、ひらがな50音配列のキーボード画面とを切り替えるためのものである。QWERTY配列のキーボード画面において漢字ひらがな入力モードが選択されると、日本語をローマ字で入力することができる。ここで、ひらがな50音配列のキーボード画面の一例を図4に示す。ひらがな50音配列のキーボード画面は、漢字ひらがな入力専用のキーボード画面であり、これにもホームキー112及びキーボード切替えキー113が設けられている。また、QWERTY配列のキーボード画面において漢字ひらがな入力モードが選択されている場合、及び、キーボード画面としてひらがな50音配列のキーボード画面が表示されている場合には、図3及び図4に示すように、そのキーボード画面の上部に、入力した文字の変換候補を表示するための文字変換候補表示部115が表示される。尚、キーボード画面を示す図3及び図4では、スペースキー、Enterキー、Shiftキー等の図示を省略している。これらのキーの図示を省略する点は、後に説明する他の種類のキーボード画面を示す図面においても同様である。
上述したように、本実施形態では、キーボード切替えキー113により、QWERTY配列のキーボード画面と、ひらがな50音配列のキーボード画面とを切り替えているが、例えば、ひらがな50音配列のキーボード画面の代わりに、携帯電話等で使われている、「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」の各キーを有する簡易的なひらがな配列キーボード画面を採用し、キーボード切替えキー113により、QWERTY配列のキーボード画面と、その簡易的なひらがな配列キーボード画面とを切り替えるようにしてもよい。また、本実施形態では、文字入力モード切替えキー111により、漢字ひらがな入力モードと、半角英字入力モードとを切り替えているが、例えば、これらの入力モードに半角数字入力モード等の他の入力モードを加えた複数の入力モード間で入力モードを切り替えるようにしてもよい。
尚、本実施形態では、文字入力画面100が表示手段10のディスプレイ上に縦長の状態で表示され、ユーザは携帯端末を縦長の状態にして文字の入力を行うものとする。
複数の操作ボタンには、図1及び図2に示すように、電源ボタン(不図示)、第一指示ボタン(第一指示手段)20、第二指示ボタン(第二指示手段)30が含まれる。電源ボタンは、携帯端末の電源を入れたり、切ったりするためのものであり、例えば携帯端末の側面に設けられている。
第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の所定の箇所に設けられている。具体的に、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、図1に示すように、携帯端末のディスプレイ側(正面)における下端部に、左右に並べて配置されている。本実施形態では、文字入力画面100に二つのカーソル(第一カーソル101及び第二カーソル102)を表示し、第一指示ボタン20を用いて第一カーソル101を、第二指示ボタン30を用いて第二カーソル102を操作することにしている。これら第一カーソル101及び第二カーソル102は、主にキーボード画面110の各キーを選択するために用いられる。
図5は第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を説明するための図である。第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30としてはそれぞれ、押圧式の構造のものを用いている。第一指示ボタン20は、図5(a)に示すように、円環状の移動方向指示部21と、その移動方向指示部21の中央に設けられた選択指示部22とを有する。移動方向指示部21は、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100が表示されている場合に、第一カーソル101についての移動方向を指示するためのものである。移動方向指示部21が操作されて第一カーソル101の移動方向が指示されたときには、移動方向指示部21から制御手段60に対して当該第一カーソル101の移動方向に関する信号が出力される。選択指示部22は、第一カーソル101がキーボード画面110上で現在指し示しているキーの選択を指示するためのものである。選択指示部22が操作されて第一カーソル101が現在指し示しているキーの選択が指示されたときには、選択指示部22から制御手段60に対して当該キーの選択に関する信号が出力される。移動方向指示部21の操作方法は、通常の十字キー等の操作方法と同様である。例えば、移動方向指示部21の上部を押圧すると、第一カーソル101は文字入力画面100上において上方向に移動し、その下部を押圧すると、第一カーソル101は文字入力画面100上において下方向に移動する。移動方向指示部21の右部を押圧すると、第一カーソル101は文字入力画面100上において右方向に移動し、その左部を押圧すると、第一カーソル101は文字入力画面100上において左方向に移動する。そして、移動方向指示部21の上下左右以外の部分を押圧すると、第一カーソル101は文字入力画面100上において当該押圧した方向に移動する。
また、第二指示ボタン30は、図5(b)に示すように、四角の環状の移動方向指示部31と、その移動方向指示部31の中央に設けられた選択指示部32とを有する。移動方向指示部31は、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100が表示されている場合に、第二カーソル102についての移動方向を指示するためのものである。移動方向指示部31が操作されて第二カーソル102の移動方向が指示されたときには、移動方向指示部31から制御手段60に対して当該第二カーソル102の移動方向に関する信号が出力される。選択指示部32は、第二カーソル102がキーボード画面110上で現在指し示しているキーの選択を指示するためのものである。選択指示部32が操作されて第二カーソル102が現在指し示しているキーの選択が指示されたときには、選択指示部32から制御手段60に対して当該キーの選択に関する信号が出力される。この移動方向指示部31の操作方法も、第一指示ボタン20の移動方向指示部21の操作方法と同様である。また、本実施形態では、文字の入力を行っている際に、予め定めた一定時間(以下、無操作時間とも称する。)、第一指示ボタン20が操作されなかったときに、或いは、第一指示ボタン20及び/又は第二指示ボタン30に対して予め定めた操作がなされたときに、第一カーソル101を当該カーソルの基準位置に移動(復帰)させ、また、予め定めた一定時間(無操作時間)、第二指示ボタン30が操作されなかったときに、或いは、第一指示手段20及び/又は第二指示ボタン30に対して予め定めた操作がなされたときに、第二カーソル102を当該カーソルの基準位置に移動(復帰)させることができる。このようなカーソルの復帰制御は、制御手段60によって行われる。ここで、カーソルの基準位置とは、キーボード画面を左右の二つに区分したときの各キーボード画面の略中央位置、すなわち、キーボード画面110を左側キーボード画面と右側キーボード画面に分けて考えた場合にその分けた各キーボード画面の略中央位置のことをいう。例えば、図3に示すQWERTY配列のキーボード画面110の場合、略二等分に分けた一方の左側キーボード画面においては「D」のキー画像近傍が第一カーソル101の基準位置であり、略二等分に分けた他方の右側キーボード画面においては「K」のキー画像近傍が第二カーソル102の基準位置である。なお、一般には、上記区分の仕方は二等分ではなく、キーボード画面をどのように区分してもよい。具体的に、本実施形態では、移動方向指示部21と移動方向指示部31を同時に連続して二回押圧すると、第一カーソル101と第二カーソル102がそれぞれの基準位置に移動する。また、移動方向指示部21を長押した状態で移動方向指示部31を2回連続して押圧すると、第一カーソル101がその基準位置に移動し、移動方向指示部31を長押した状態で移動方向指示部21を連続して2回押圧すると、第二カーソル102がその基準位置に移動する。更に、移動方向指示部21と移動方向指示部31を同時に長押しする度に、各カーソルを基準位置へ復帰させる機能を有効にしたり、無効にしたりすることができ、その際には、カーソルを基準位置へ復帰させる機能が有効になった旨、或いは無効になった旨のメッセージが所定時間、自動的に画面に表示される。ここで、移動方向指示部21と移動方向指示部31とを同時に長押して、カーソルを基準位置へ復帰させる機能を有効にしたときには、所定のカーソル設定画面を表示して、上述した無操作時間、各カーソルの基準位置、或いは各カーソルを基準位置に復帰させるための移動方向指示部の操作を自由に設定することができるようにしてもよい。例えば、このカーソル設定画面を用いて、移動方向指示部21と移動方向指示部31とを同時に連続して2回押圧する操作を、カーソルを基準位置へ復帰させる機能の有効、無効を切り替える操作に設定し、移動方向指示部21と移動方向指示部31とを同時に長押しする操作を、第一カーソル101と第二カーソル102をそれぞれの基準位置に移動させる操作に設定することができる。また、本発明におけるカーソルの基準位置への復帰操作は、上述したものに限定されるものではなく、第一指示ボタン20及び/又は第二指示ボタン30を用いて行う操作であればどのようなものであってもよい。例えば、移動方向指示部21と移動方向指示部31とを同時に三回連続押圧したときに、第一カーソル101と第二カーソル102をそれぞれ基準位置に復帰させるようにしてもよいし、選択指示部を用いてカーソルの基準位置への復帰操作を行うようにしてもよいし、或いは移動方向指示部と選択指示部とを用いてカーソルの基準位置への復帰操作を行うようにしてもよい。また、選択指示部を用いてカーソルを基準位置に復帰させる場合、例えば選択指示部22を長押ししたときに、第一カーソル101を基準位置に復帰させ、選択指示部32を長押ししたときに、第二カーソル102を基準位置に復帰させ、両方の選択指示部22,32を同時に長押ししたときには、両方のカーソル101,102をそれぞれ基準位置に復帰させるようにしてもよい。尚、本実施形態では、第一指示ボタン20と第二指示ボタン30とを異なる形状に形成しているが、第一指示ボタン20と第二指示ボタン30とを同じ形状に形成するようにしてもよい。
尚、各移動方向指示部21,31を操作することにより、それに対応するカーソルを、文字入力画面100上のキーボート画面110の範囲内だけでなく、文字入力画面100上の全面を自由に移動させることができる。すなわち、第一カーソル101及び第二カーソル102は、通常のマウス操作によりマウスのカーソルが移動するのと同様に、移動することができる。このため、例えば、入力文字表示画面120としてメール作成・送信画面が表示されている場合、第一カーソル101又は第二カーソル102をそのメール作成・送信画面内の送信ボタンのところに移動させて、その送信ボタンを選択するために用いることができる。
このように、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100が表示されているときに、カーソル操作ボタンとしての役割を果たす。一方、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100以外の画面が表示されている場合には、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、通常のスマートフォン等に設けられている「メニューボタン」や「戻るボタン」のような、所定の画面を表示することを指示するための画面表示指示ボタン(指示手段)として用いられる。例えば、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100以外の画面が表示されている場合、第一指示ボタン20の選択指示部22を押圧すると、利用できるメニューを含むメニュー画面が表示され、第二指示ボタン30の選択指示部32を押圧すると、直前に表示していた画面が表示されることになる。尚、一般に、第一指示ボタン20又は第二指示ボタン30は、上記の「メニューボタン」や「戻るボタン」以外の画面表示指示ボタン、例えばホーム画面を表示することを指示するための「ホームボタン」等として用いることも可能である。
また、本実施形態では、文字入力画面100に第一カーソル101及び第二カーソル102を表示することにしているため、ユーザがこれら二つのカーソル101,102を容易に識別できるように、第一カーソル101と第二カーソル102を、形状、色、内側に引いた線、模様の各要素のうち少なくとも一つの要素が異なるような態様で表示することにしている。図6は二つのカーソル101,102の表示態様の例を示す図である。例えば、図6(a)の例では、第一カーソル101を円形状で表示し、第二カーソル102を四角形状で表示している。図6(b)の例では、第一カーソル101を、左上方向に向かう直線状の矢印で表示し、第二カーソル102を、下方向に向かってから上方向に向かう曲線状の矢印で表示している。また、図6(c)の例では、第一カーソル101を四角形状で表示し、第二カーソル102を四角形の内部に横線を引いた形状で表示している。図6(d)の例では、第一カーソル101を四角形の内部に斜線を引いた形状で表示し、第二カーソル102を四角形状で表示している。図6(e)の例では、第一カーソル101を楕円の内部に×印を描いた形状で表示し、第二カーソル102を楕円の内部に十字を描いた形状で表示している。更に、図6(f)の例では、第一カーソル101を四角形状で表示し、第二カーソル102を四角形の内部に模様を描いた形状で表示している。図6(g)の例では、第一カーソル101を円形状で表示し、第二カーソル102を円形の内部に模様を描いた形状で表示している。本実施形態では、図6(a)の例のように、第一カーソル101を円形状で表示し、第二カーソル102を四角形状で表示することにする。
尚、本実施形態の携帯端末には、第一カーソル101及び第二カーソル102の表示態様が複数種類プリセットされており、ユーザは、第一カーソル101及び第二カーソル102のそれぞれに対して所望の表示態様を選択することが可能である。この場合、上述したカーソル設定画面を用いて所望の表示態様を選択することができようにしてもよい。
記憶手段40には、OSや各種のアプリケーションプログラム等が格納されている。また、記憶手段40は作業用のメモリとして利用される。例えば、この記憶手段40には、表示手段10の画面上における所定の表示領域にキーボード画面110を表示するためのキーボード表示領域情報(位置情報、形状の情報、大きさの情報等を含む。)、第一カーソル101及び第二カーソル102のそれぞれについて表示手段10のディスプレイ上における所定の表示位置(表示領域)に当該カーソルを表示するためのカーソル表示領域情報(位置情報、形状の情報、大きさの情報、色・模様の情報等を含む。)、各カーソルをそれぞれの基準位置に復帰させる機能に関する情報(基準位置の情報、無操作時間の情報等を含む。)等が記憶されている。また、通信手段50は、外部との間で情報の通信を行うものである。
制御手段60は、携帯端末の各部を統括して制御するものである。以下では、制御手段60が行う制御の内容のうち、主として、文字入力に関連する制御内容を説明することにする。この制御手段60は、図2に示すように、表示制御手段61と、切替え制御手段62と、カーソル移動制御手段63と、入力制御手段64とを備えている。表示制御手段61は、ホーム画面、アプリケーション画面、文字入力画面100等の各種の画面を作成して、表示手段10のディスプレイ上に表示するものである。この表示制御手段61は、キーボード画面110を表示手段10のディスプレイ上に表示するとき、キーボード表示領域情報を記憶手段40に記憶して管理する。切替え制御手段62は、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30をカーソル操作ボタンとして機能させるか、画面表示指示ボタンとして機能させるかを切り替えるものである。例えば、この切替え制御手段62は、表示手段10のディスプレイ上に表示されている画面が文字入力画面100であるかどうかを判断し、ディスプレイ上に文字入力画面100が表示されていると判断すると、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30をカーソル操作ボタンとして機能させることを示すフラグをたてる。そして、カーソル移動制御手段63及び入力制御手段64は、このフラグがたっている間、第一指示ボタン20からの信号及び第二指示ボタン30からの信号を、カーソル操作ボタンからの信号として処理することになる。
カーソル移動制御手段63は、各カーソル101,102の表示を制御するものであり、且つ、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100が表示されている場合、第一指示ボタン20の移動方向指示部21を用いて第一カーソル101の移動方向が指示されたときに移動方向指示部21から出力される当該第一カーソル101の移動方向に関する信号に基づいて、文字入力画面100上で第一カーソル101の移動を制御すると共に、第二指示ボタン30の移動方向指示部31を用いて第二カーソル102の移動方向が指示されたときに移動方向指示部31から出力される当該第二カーソル102の移動方向に関する信号に基づいて、文字入力画面100上で第二カーソル102の移動を制御するものである。また、カーソル移動制御手段63は、文字入力を行う際に、第一指示ボタン20及び/又は第二指示ボタン30を用いて各カーソルを基準位置に復帰させるための操作がなされたとき、或いは、各指示ボタンが予め設定した一定時間操作されなかったときに、対応するカーソルがその基準位置に復帰するように当該カーソルの移動を制御する。また、カーソル移動制御手段63は、画面上での第一カーソル101の位置情報及び画面上での第二カーソル102の位置情報を管理している。すなわち、カーソル移動制御手段63は、各カーソル101,102を表示手段10のディスプレイ上に表示するとき、各カーソル表示領域情報を記憶手段40に記憶して管理する。
ここで、本実施形態では、キーボード画面110上におけるカーソル移動については、カーソルが自由に移動できる設定(自由移動設定)と、個々のキーを一つの移動範囲として、カーソルがキー単位で移動するという設定(キー単位移動設定)とを選択することができる。カーソル移動制御手段63は、キー単位移動設定が有効になっている場合には、移動方向指示部21又は移動方向指示部31が押圧されたときに、当該押圧された方向に沿って当該カーソルをキー単位で移動させるように、当該カーソルの移動を制御することになる。ユーザは、かかるキー単位移動設定を行うことにより、キーボード画面110上で各カーソル101,102を所望のキーのところに移動させる操作を簡単に且つ正確に行うことができるので、操作ミスを少なくすることができる。なお、キー単位移動設定が有効になっている場合において、第一指示ボタン20及び/又は第二指示ボタン30を用いて各カーソルをその基準位置に復帰させるための操作がなされたとき、或いは、各指示ボタンが予め設定した一定時間操作されなかったときには、図3に示すQWERTY配列のキーボード画面110の場合、第一カーソルを例えば「D」のキー画像の位置に、また第二カーソルを例えば「K」のキー画像の位置に復帰させることができる。
尚、キー単位移動設定が有効になっている場合には、第一カーソル101と第二カーソル102とを、異なる形状で表示するのではなく、色、内側に引いた線、模様の各要素のうち少なくとも一つの要素が異なるような態様で表示することが望ましい。図7はキーボード画面110上で第一カーソル101及び第二カーソル102がキー単位で移動する場合における第一カーソル101及び第二カーソル102の表示態様の一例を示す図である。この図7の例では、第一カーソル101は、四角形の内部に右上から左下に向かう斜線が引かれた態様で表示され、第二カーソル102は、四角形の内部に左上から右下に向かう斜線が引かれた態様で表示されている。このように、第一カーソル101と第二カーソル102とを、色、内側に引いた線、模様の各要素のうち少なくとも一つの要素が異なるような態様で表示すると、キー単位移動設定が有効になっている場合であっても、ユーザは第一カーソル101と第二カーソル102とを容易に識別することができる。
入力制御手段64は、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100が表示されている場合、第一指示ボタン20の選択指示部22を用いて第一カーソル101が現在指し示している文字キーが選択されたときに選択指示部22から出力される当該文字キーの選択に関する信号に基づいて、当該文字キーと対応付けられた文字の入力を制御すると共に、第二指示ボタン30の選択指示部32を用いて第二カーソル102が現在指し示している文字キーが選択されたときに選択指示部32から出力される当該文字キーの選択に関する信号に基づいて、当該文字キーと対応付けられた文字の入力を制御するものである。また、入力制御手段64は、表示手段10のディスプレイ上に文字入力画面100が表示されている場合、第一指示ボタン20の選択指示部22を用いて第一カーソル101が現在指し示している機能キーが選択されたときに選択指示部22から出力される当該機能キーの選択に関する信号に基づいて、当該機能キーに付与された機能を実現するための処理を行うと共に、第二指示ボタン30の選択指示部32を用いて第二カーソル102が現在指し示している機能キーが選択されたときに選択指示部32から出力される当該機能キーの選択に関する信号に基づいて、当該機能キーに付与された機能を実現するための処理を行う。
また、入力制御手段64は、ユーザがキーボード画面110の文字キーを直接指で触れ、タッチパネル70からその触れた文字キーの選択に関する信号が送られたときに、当該文字キーに対応付けられた文字の入力を制御し、キーボード画面110の機能キーを直接指で触れ、タッチパネル70からその触れた機能キーの選択に関する信号が送られたときに、当該機能キーに付与された機能を実現するための処理を行う。このように、表示手段10のディスプレイがタッチパネルである場合には、第一カーソル101及び第二カーソル102を用いた文字入力方法とタッチパネルによる文字入力方法とを併用して、文字の入力を行うことができると共に、第一カーソル101及び第二カーソル102を用いた機能キーの選択方法とタッチパネルによる機能キーの選択方法とを併用して、機能キーに付与された機能の実現を指示することができる。
ところで、本実施形態では、QWERTY配列のキーボード画面において漢字ひらがな入力モードが選択されている場合に、入力文字の変換及びその確定を行うための操作として複数の操作が定められている。その一つの操作は、通常の操作と同様である。すなわち、入力制御手段64は、漢字ひらがな入力モードが選択されている場合、キーボード画面110のスペースキーが選択されたときに、入力文字表示画面120の所定の欄に表示されている未確定状態の入力文字について変換を行い、その変換した文字を文字変換候補表示部115に表示させる。そして、Enterキーが選択されたときに、その未確定状態の入力文字を文字変換候補表示部115に表示されている文字に確定する。ここで、スペースキーやEnterキーの選択は、第一カーソル101又は第二カーソル102を用いて行うことも、タッチパネル70を利用することにより直接指で触れて行うこともできる。また、本実施形態では、第一指示ボタン20の選択指示部22と第二指示ボタン30の選択指示部32とを同時に一回押すことによっても、入力制御手段64は入力文字の変換を行うことになる。そして、かかる操作を、少しの間隔をおいて繰り返すことにより、変換後の文字を次々に切り替えることができる。更に、本実施形態では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30のうちいずれか一方の指示ボタンの選択指示部を二回連続して押すことにより、又は、第一指示ボタン20の選択指示部22と第二指示ボタン30の選択指示部32とを同時に二回連続して押すことによっても、入力制御手段64は入力文字の変換を確定させることになる。また、本実施形態では、キーボード画面としてひらがな50音配列のキーボード画面が表示されている場合にも、上記と同様に、入力文字の変換及びその確定を行う操作として複数の操作が定められている。
尚、入力文字の変換及びその確定を行うための操作は上記の操作に限られない。例えば、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30のうちいずれか一方の指示ボタンの選択指示部を二回連続して押すことにより、入力制御手段64が文字の変換を行い、第一指示ボタン20の選択指示部22と第二指示ボタン30の選択指示部32とを同時に一回押すことにより、入力制御手段64が文字の確定を行うようにしてもよい。また、一般には、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を押す組合せ等により、様々なコマンドを指定することが可能である。例えば、上述したように、移動方向指示部21と移動方向指示部31を同時に連続して二回押圧する操作は、第一カーソル101と第二カーソル102をそれぞれの基準位置に移動するためのコマンドを指定する操作である。
また、入力制御手段64は、入力作業の途中であっても、キーボード画面110のホームキー112が選択されると、ホーム画面を表示する旨の信号を表示制御手段61に出力する。表示制御手段61は、その信号を受けると、当該文字入力画面100に代えてホーム画面を表示手段10のディスプレイ上に表示する。そして、切替え制御手段62は、表示手段10のディスプレイ上に表示されている画面が文字入力画面100でないと判断し、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30をカーソル操作ボタンとして機能させることを示すフラグをおろす。これにより、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はカーソル操作ボタンとしての機能から画面表示指示ボタンとしての機能に切り替わる。
次に、文字入力作業時における本実施形態の携帯端末の持ち方及び二つの指示ボタン20,30の操作の仕方について説明する。図8は文字入力作業時における本実施形態の携帯端末の持ち方及び二つの指示ボタン20,30の操作の仕方を説明するための図である。
文字入力する際には、ユーザは、図8(a)に示すように、第一指示ボタン20に左手の親指を載せると共に残りの指で携帯端末の左側面又は裏面を押さえ、第二指示ボタン30に右手の親指を載せると共に残りの指で携帯端末の右側面又は裏面を押さえる。このように、第一指示ボタン20が設けられた携帯端末の部位の周辺部と第二指示ボタン30が設けられた携帯端末の部位の周辺部とをそれぞれの手で掴むことになるので、携帯端末を両手で安定して保持することができる。また、各指示ボタン20,30の操作はそれに載せられている親指で行う。すなわち、図8(b)及び(c)に示すように、ユーザは、両手で携帯端末を保持した状態のまま、左手の親指を用いて、その親指が載せられている第一指示ボタン20を操作することにより、第一カーソル101を動かす。そして、ユーザは、右手の親指を用いて、その親指が載せられている第二指示ボタン30を操作することにより、第二カーソル102を動かす。このように、両手で第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を操作して、所望の文字キーや機能キーを正確且つ迅速に選択することができるので、入力作業を迅速に行うことができる。ここで、図8(c)に示すように、各カーソル101,102を、キーボード画面110の範囲内だけでなく、文字入力表示画面120の範囲内にも移動させることができる。尚、キーボード画面110から文字入力表示画面120にカーソル101,102が移動する場合には、当該カーソルの形状が矢印等の形状に自動的に変更するようにしてもよい。この場合も、第一カーソル101と第二カーソル102とは互いに識別することができるように異なる形状に変更することが望ましい。
尚、文字入力作業時における携帯端末の持ち方及び二つの指示ボタン20,30の操作の仕方は、上記の方法に限られない。例えば、ユーザは自分に適した持ち方で携帯端末を持ち、例えば親指や人差し指等を用いて各指示ボタン20,30を操作するようにしてもよい。また、ユーザは、両手で携帯端末を保持しつつ、片方の手の親指を用いて一つの指示ボタンを操作し、その指示ボタンに対応するカーソルのみを使って、文字の入力を行うようにしてもよい。
次に、ユーザが第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を操作して文字入力を行う際の処理手順について説明する。ここでは、具体例として、電子メールを作成する場合の処理手順を説明する。図9は電子メールを作成する場合の処理手順を説明するためのフローチャートである。図10〜図12は電子メールを作成する場合におけるメール送信・作成画面での操作の手順を説明するための図である。
まず、ユーザは、アプリケーション画面において電子メールのアプリケーションプログラムのアイコンを選択する。制御手段60は、そのアイコンが選択された旨の信号を受け取ると、そのアプリケーションプログラムを起動し(S11)、表示手段10のディスプレイ上に、図10(a)に示すようなメール送信・作成画面100aを表示する(S12)。このメール送信・作成画面100aには、キーボード画面110と、入力文字表示画面としてのメッセージ作成表示画面120aとが含まれる。メッセージ作成表示画面120aは、宛先入力欄121と、宛先入力完了ボタン122と、題名入力欄123と、題名入力完了ボタン124と、本文入力欄125と、送信ボタン126とを有する。宛先入力欄121は、メールを送信する相手方のメールアドレスを入力するための欄である。宛先入力完了ボタン122は、宛先入力欄121における入力が完了したことを指示するためのボタンである。題名入力欄123は、メールの題名を入力するための欄である。題名入力完了ボタン124は、題名入力欄123における入力が完了したことを指示するためのボタンである。また、本文入力欄125は、メールの本文を入力するための欄である。送信ボタン126は、メールを送信することを指示するためのボタンである。尚、図10〜図12では、宛先入力完了ボタン122を宛先入力欄121の近傍に設け、題名入力完了ボタン124を題名入力欄123の近傍に設けているが、例えば、これら完了ボタン122,124をキーボード画面110に設けるようにしてもよい。
上記のステップS12の処理により、表示手段10のディスプレイ上にメール送信・作成画面100aが表示されると、制御手段60は、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30をカーソル操作ボタンとして機能させることを示すフラグをたてる。これにより、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、カーソル操作ボタンとして機能することになる(S13)。
また、表示手段10のディスプレイ上にメール送信・作成画面100aが表示されたときに、制御手段60は、入力位置用カーソル(不図示)を宛先入力欄121に表示させる(S14)。この入力位置用カーソルは、文字入力が可能な欄を示すと共に文字の入力位置を示すものである。ユーザは、図10(a)に示すように、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を操作して、宛先入力欄121にメールアドレスを入力することになる。そして、制御手段60は、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30からの信号に基づいて、第一カーソル101及び第二カーソル102の移動を制御したり、文字の入力を制御したりするカーソル移動・文字入力処理を行う(S15)。ユーザは、宛先入力欄121への入力が終了すると、図10(b)に示すように、例えば第二カーソル102を宛先入力完了ボタン122のところに移動させて第二指示ボタン30の選択指示部32を押圧することにより、宛先入力完了ボタン122を選択する。制御手段60は、宛先入力完了ボタン122が選択された旨の信号を受け取ると(S16)、入力位置用カーソルを題名入力欄123に表示させる(S17)。これにより、文字入力が可能な欄が、宛先入力欄121から題名入力欄123に切り替わる。
次に、ユーザは、図11(a)に示すように、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を操作して、題名入力欄123に題名を入力する。そして、制御手段60は、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30からの信号に基づいて、カーソル移動・文字入力処理を行う(S18)。ユーザは、題名入力欄123への入力が終了すると、図11(b)に示すように、例えば第二カーソル102を題名入力完了ボタン124のところに移動させて第二指示ボタン30の選択指示部32を押圧することにより、題名入力完了ボタン124を選択する。制御手段60は、題名入力完了ボタン124が選択された旨の信号を受け取ると(S19)、入力位置用カーソルを本文入力欄125に表示させる(S20)。これにより、文字入力が可能な欄が、題名入力欄123から本文入力欄125に切り替わる。
その後、ユーザは、図12(a)に示すように、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を操作して、本文入力欄125にメールの本文を入力する。このとき、制御手段60は、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30からの信号に基づいて、カーソル移動・文字入力処理を行う(S21)。ユーザは、本文入力欄125への入力が終了すると、図12(b)に示すように、例えば第一カーソル101を送信ボタン126のところに移動させて第一指示ボタン20の選択指示部22を押圧することにより、送信ボタン126を選択する。制御手段60は、送信ボタン126が選択された旨の信号を受け取ると(S22)、メールを送信する処理を行い(S23)、その後、メール送信・作成画面100aを終了させ(S24)、文字入力画面以外の所定の画面を表示させる。これにより、制御手段60は、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30をカーソル操作ボタンとして機能させることを示すフラグをおろす。こうして、以後、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、画面表示指示ボタンとして機能することになる(S25)。
次に、制御手段60が行うカーソル移動・文字入力処理の手順について説明する。図13は制御手段60が行うカーソル移動・文字入力処理の手順を説明するためのフローチャートである。ここでは、ユーザが第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を操作して文字の入力を行う場合を考える。
まず、制御手段60は、第一指示ボタン20からの信号又は第二指示ボタン30からの信号が送られてきたかどうかを判断する(S31)。制御手段60は、信号が送られてきていないと判断すると、第一指示ボタン20が操作されない時間が一定時間(無操作時間)を経過したかどうか、及び、第二指示ボタン30が操作されない時間が一定時間(無操作時間)を経過したかどうかを判断する。そして、制御手段60は、指示ボタンが操作されない時間が一定時間(無操作時間)を経過したと判断すると、対応するカーソルをその基準位置に復帰させる。その後は、ステップS31に移行する。一方、制御手段60は、ステップS31の処理において、信号が送られてきたと判断すると、その信号が移動方向指示部21,31からの信号であるか、選択指示部22,32からの信号であるかを判断する(S32)。
制御手段60は、このステップS32の処理において、その信号が移動方向指示部21,31からの信号であると判断すると、その信号に基づいて、第一カーソル101又は第二カーソル102の移動を制御する(S33)。具体的に、例えば第一指示ボタン20の移動方向指示部21から第一カーソル101の移動方向に関する信号が送られてきた場合には、制御手段60は、その信号に基づいて、文字入力画面100上で第一カーソル101の移動を制御し、第二指示ボタン30の移動方向指示部31から第二カーソル102の移動方向に関する信号が送られてきた場合には、制御手段60は、その信号に基づいて、文字入力画面100上で第二カーソル102の移動を制御する。また、制御手段60は、その信号に基づいて、移動方向指示部21,31を用いて各カーソルを基準位置に復帰させるための操作がなされたと判断したときに、対応するカーソルをその基準位置に復帰させる。
一方、制御手段60は、ステップS32の処理において、その信号が選択指示部22,32からの信号であると判断すると、その信号に基づいて、文字の入力を制御したり、所定の機能を実現するための処理を行ったりする(S34)。具体的に、第一指示ボタン20の選択指示部22から第一カーソル101が現在指し示している文字キーの選択に関する信号が送られてきた場合、又は、第二指示ボタン30の選択指示部32から第二カーソル102が現在指し示している文字キーの選択に関する信号が送られてきた場合には、制御手段60は、当該文字キーと対応付けられた文字を、入力位置用カーソルが現在示している位置に表示させる。
また、第一指示ボタン20の選択指示部22から第一カーソル101が現在指し示している機能キーの選択に関する信号が送られてきた場合、又は、第二指示ボタン30の選択指示部32から第二カーソル102が現在指し示している機能キーの選択に関する信号が送られてきた場合には、制御手段60は、当該機能キーに付与された機能を実現するための処理を行う。例えば、当該機能キーがスペースキーである場合には、制御手段60は、入力位置用カーソルが示す位置に未確定状態の入力文字があれば、その未確定状態の入力文字について変換を行い、その変換した文字を文字変換候補表示部115に表示させる。ここで、未確定状態の入力文字には例えばアンダーラインが付されている。また、当該機能キーがEnterキーである場合には、制御手段60は、入力位置用カーソルが示す位置に未確定状態の入力文字があれば、その未確定状態の入力文字を文字変換候補表示部115に表示されている文字に確定する。更に、第一指示ボタン20の選択指示部22と第二指示ボタン30の選択指示部32とから同時に信号が送られてきた場合に、制御手段60は、入力位置用カーソルが示す位置に未確定状態の入力文字があれば、その未確定状態の入力文字について変換を行い、その変換した文字を文字変換候補表示部115に表示させる。そして、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30のうちいずれか一方の指示ボタンから二回連続して信号が送られてきた場合、又は、第一指示ボタン20の選択指示部22と第二指示ボタン30の選択指示部32とから同時に二回連続して信号が送られてきた場合に、制御手段60は、入力位置用カーソルが示す位置に未確定状態の入力文字があれば、その未確定状態の入力文字を文字変換候補表示部115に表示されている文字に確定する。
本実施形態の携帯端末では、文字入力画面に第一カーソル及び第二カーソルを表示し、第一カーソルの移動方向等を指示するための第一指示ボタン及び第二カーソルの移動方向等を指示するための第二指示ボタンをそれぞれ、当該携帯端末の所定の箇所に設けている。これにより、ユーザは、文字入力に際して、第一指示ボタンが設けられた携帯端末の部位の周辺部と第二指示ボタンが設けられた携帯端末の部位の周辺部とをそれぞれの手で掴むことになるので、携帯端末を両手で安定して保持することができる。また、このように携帯端末を両手で保持した状態のまま、ユーザは、それぞれの手の親指を用いて第一指示ボタンと第二指示ボタンを操作することができるので、入力作業を正確且つ迅速に行うことができる。更に、二つの指示ボタンを用いて文字入力を行うことにより、タッチパネル上で指を使って文字を入力する場合に比べて、入力ミスを少なくすることが可能である。
また、本実施形態の携帯端末では、第一カーソルと第二カーソルとでは、形状、色、内側に引いた線、模様の各要素のうち少なくとも一つの要素が異なっている。これにより、ユーザは、文字入力画面に表示される各カーソルが、当該異なる要素に基づいて、第一指示ボタン及び第二指示ボタンのうちいずれの指示ボタンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
また、本実施形態の携帯端末では、カーソル移動制御手段は、キーボード画面上で第一カーソル及び第二カーソルの移動を制御する際、当該カーソルをキー単位で移動させることができる。これにより、ユーザはキーボード画面上で各カーソルを所望のキーのところに移動させる操作を簡単に且つ正確に行うことができるので、操作ミスを少なくすることができる。また、本実施形態の携帯端末では、各指示ボタン20,30を用いて各カーソルを基準位置に復帰させるための操作がなされたとき、或いは、第一指示ボタン20又は第二指示ボタン30が予め設定した一定時間操作されなかったときに、対応するカーソルをその基準位置に復帰させることができる。したがって、本実施形態では、ユーザは各カーソルを基準位置に復帰させることによって当該カーソルの位置を容易且つ迅速に認識することができ、また各カーソルを基準位置から所望のキー画像に短い移動距離で移動することができるので、文字入力を効率よく行うことができる。
更に、本実施形態の携帯端末では、第一指示ボタン及び第二指示ボタンはそれぞれ、表示手段のディスプレイ上に文字入力画面以外の画面が表示されているときに、所定の画面の表示を指示するための画面表示指示ボタンとして用いられる。このため、第一指示ボタン及び第二指示ボタンの他に、別途、「メニューボタン」や「戻るボタン」等の画面表示指示ボタンを設ける必要がない。
ところで、本実施形態の携帯端末では、上述したように、ユーザが第一指示ボタンと第二指示ボタンとを操作して二つのカーソルを移動させ、それら二つのカーソルを用いてキーボード画面のキーを選択することにより、文字入力を行う。このため、表示手段のディスプレイ上においてキーボード画面の表示範囲を小さくすることが可能である。二つのカーソルを用いてキーを選択するので、キーボード画面の表示範囲を小さくしても、文字の入力が困難になったり、入力ミスが増えたりすることはないからである。キーボード画面の表示範囲を小さくすることにより、文字入力画面のうちキーボード画面以外の画面の表示範囲をより大きくすることが可能となる。また、キーボード画面の表示範囲を小さくする代わりに、キーボード画面の各キーの表示範囲を小さくして、キーボード画面として、さらに多くのキーを備えるものを表示することも可能である。すなわち、本実施形態の携帯端末において文字入力画面内に表示するキーボード画面としては、いろいろな種類のものを採用することが可能である。
いま、本実施形態の携帯端末で使用可能なキーボード画面の具体例を図14〜図21に示す。図14〜図20はQWERTY配列のキーボード画面の例を示す図である。このうち、図14〜図16は漢字ひらがな入力モードの選択時に表示されるキーボード画面の例を示す図、図17〜図20は半角英字入力モードの選択時に表示されるキーボード画面の例を示す図である。ここで、半角英字入力モードの選択時に表示されるキーボード画面では、漢字ひらがな入力モードの選択時に表示されるキーボード画面と異なり、文字変換候補表示部115が表示されない。また、図21は、ひらがな50音配列のキーボード画面の例を示す図である。このように、キーボード画面としては、シンプルなキー構成のものに限らず、ファンクションキーやテンキー等を備えるフルキーボード構成のものを用いることができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を、図1に示すように、携帯端末の正面における下端部に左右に並べて配置した場合について説明したが、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を、携帯端末の正面、側面又は裏面における所定の箇所に設けるようにしてもよい。図22は第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の正面に配置する具体例を示す図である。図22(a)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の正面における下側の左右の角部に設けられている。図22(b)及び(c)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の正面における左右の端部に設けられている。ここで、図22(b)に示す携帯端末を両手で保持したときの様子が図22(d)に示される。図22(e)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の正面における上端部に設けられている。また、図23は第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の側面に配置する具体例を示す図である。図23(a),(b)及び(c)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の左右の側面に設けられている。図23(d)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、携帯端末の上側面に左右に並べて設けられている。更に、図24は第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の裏面に配置する具体例を示す図である。図24(a)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、携帯端末の裏面における下端部に左右に並べて設けられている。図24(b)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の裏面における下側の左右の角部に設けられている。図24(c)及び(d)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の裏面における左右の端部に設けられている。図24(e)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の裏面における上端部に設けられている。ここで、これらの例では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は左右対称に配置されている。但し、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30が携帯端末の裏面に配置されている場合には、携帯端末の正面側(ディスプレイ側)から見て、第一指示ボタン20の移動方向指示部を上下左右又はそれ以外の方向に押圧すると、当該指示ボタンに対応する第一カーソル101は文字入力画面100上において当該押圧した方向に移動する。第二指示ボタン30についても同様である。尚、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の側面又は裏面に配置した場合、通常、ユーザは、各指示ボタン20,30の操作を、親指以外の人指し指等を用いて行うことになる。
また、上記の実施形態では、文字入力画面100が表示手段10のディスプレイ上に縦長の状態で表示され、ユーザが携帯端末を縦長の状態にして文字の入力を行う場合について説明したが、文字入力画面100が表示手段10のディスプレイ上に横長の状態で表示される場合には、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を、携帯端末を横長の状態にして文字の入力を行う際にこの携帯端末を安定して保持することができるような位置に設けるようにすればよい。この場合も、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を、携帯端末の正面、側面又は裏面における所定の箇所に設けることができる。図25は携帯端末を横長の状態にして文字の入力を行う場合に第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の正面に配置する具体例を示す図である。図25(a)及び(b)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の正面における左右の端部に設けられている。ここで、図25(a)に示す携帯端末を両手で保持したときの様子が図26(a)〜(c)に示される。図25(c)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の正面における下側の左右の角部に設けられている。この図25(c)に示す携帯端末を両手で保持したときの様子が図26(d)に示される。図25(d)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、携帯端末の正面における下端部に左右に並べて設けられている。図25(e)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の正面における上端部に設けられている。また、図27は携帯端末を横長の状態にして文字の入力を行う場合に第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の側面に配置する具体例を示す図である。図27(a)及び(b)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の左右の側面に設けられている。図27(c)及び(d)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は携帯端末の下側面に左右に並べて設けられている。図27(e)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は携帯端末の上側面に設けられている。更に、図28は携帯端末を横長の状態にして文字の入力を行う場合に第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の裏面に配置する具体例を示す図である。図28(a)及び(b)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の裏面における左右の端部に設けられている。図28(c)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の裏面における下側の左右の角部に設けられている。図28(d)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は、携帯端末の裏面における下端部に左右に並べて設けられている。図28(e)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ、携帯端末の裏面における上端部に設けられている。ここで、これらの例では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30は左右対称に配置されている。但し、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30が携帯端末の裏面に配置されている場合には、携帯端末の正面側(ディスプレイ側)から見て、第一指示ボタン20の移動方向指示部を上下左右又はそれ以外の方向に押圧すると、当該指示ボタンに対応する第一カーソル101は文字入力画面100上において当該押圧した方向に移動する。第二指示ボタン30についても同様である。尚、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の側面又は裏面に配置した場合、通常、ユーザは、各指示ボタン20,30の操作を、親指以外の人指し指等を用いて行うことになる。
また、上記の実施形態において、携帯端末として二つ折り可能に構成されたものを用いるようにしてもよい。この場合も、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を、携帯端末の正面、側面又は裏面における所定の箇所に設けることができる。図29は二つ折りタイプの携帯端末において第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の正面に配置する具体例を示す図である。ここで、図29(a)〜(d)は縦長状の携帯端末で文字の入力を行う場合の例であり、図29(e)〜(h)は横長状の携帯端末で文字の入力を行う場合の例である。図29(a)及び(e)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の下側部分において正面の左右の端部に設けられ、図29(b)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の下側部分において正面の下端部に設けられている。図29(c)及び(g)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の上側部分において正面の左右の端部に設けられ、図29(d)及び(h)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の上側部分において正面の上端部に設けられている。また、図30は二つ折りタイプの携帯端末において第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の側面に配置する具体例を示す図である。ここで、図30(a)〜(d)は縦長状の携帯端末で文字の入力を行う場合の例であり、図30(e)〜(h)は横長状の携帯端末で文字の入力を行う場合の例である。図30(a),(b),(e)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の下側部分において左右の側面に設けられ、図30(c),(d),(g)及び(h)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の上側部分において左右の側面に設けられている。更に、図31は二つ折りタイプの携帯端末において第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯端末の裏面に配置する具体例を示す図である。ここで、図31(a)〜(d)は縦長状の携帯端末で文字の入力を行う場合の例であり、図31(e)〜(h)は横長状の携帯端末で文字の入力を行う場合の例である。図31(a)及び(e)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の下側部分において裏面の左右の端部に設けられ、図31(b)及び(f)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の下側部分において裏面の下端部に設けられている。図31(c)及び(g)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の上側部分において裏面の左右の端部に設けられ、図31(d)及び(h)では、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30はそれぞれ携帯端末の上側部分において裏面の上端部に設けられている。但し、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30が二つ折りタイプの携帯端末の裏面に配置されている場合には、携帯端末を広げた際の正面側(ディスプレイ側)から見て、第一指示ボタン20の移動方向指示部を上下左右又はそれ以外の方向に押圧すると、当該指示ボタンに対応する第一カーソル101は文字入力画面100上において当該押圧した方向に移動する。第二指示ボタン30についても同様である。
更に、上記の実施形態において、携帯端末として、表示手段のディスプレイ上に文字入力画面を表示しているときに、当該携帯端末を回転するとそれに合わせて文字入力画面が回転する機能を有するものを用いるようにしてもよい。このような携帯端末においては、表示手段のディスプレイを縦長の状態にして文字の入力を行う際に使用する縦長用の第一指示ボタン及び縦長用の第二指示ボタンと、表示手段のディスプレイを横長の状態にして文字の入力を行う際に使用する横長用の第一指示ボタン及び横長用の第二指示ボタンとを設けることが望ましい。すなわち、第一指示ボタン及び第二指示ボタンのうち少なくともいずれか一方の指示ボタンを二つ設けることが望ましい。これにより、ユーザは、携帯端末を縦長の状態、横長の状態のうちいずれの状態にして使用する場合であっても、携帯端末の状態に応じた第一指示ボタン及び第二指示ボタンを用いて、携帯端末を両手で安定して保持しつつ入力作業を迅速に行うことができる。
具体的に、第一指示ボタンを一つ、第二指示ボタンを二つ設ける場合には、これら指示ボタンを例えば図32〜図34に示すように配置することができる。図32は一つの第一指示ボタン20と二つの第二指示ボタン30a,30bとを備える携帯端末においてこれら指示ボタン20,30a,30bを携帯端末の正面に配置する具体例を示す図である。図33は一つの第一指示ボタン20と二つの第二指示ボタン30a,30bとを備える携帯端末においてこれら指示ボタン20,30a,30bを携帯端末の側面に配置する具体例を示す図である。図34は一つの第一指示ボタン20と二つの第二指示ボタン30a,30bとを備える携帯端末においてこれら指示ボタン20,30a,30bを携帯端末の裏面に配置する具体例を示す図である。ここで、例えば図32(a)では、第一指示ボタン20及び一方の第二指示ボタン30aは携帯端末の正面における下端部に左右に並べて設けられ、他方の第二指示ボタン30bは携帯端末の正面における上端部の中央に設けられている。このとき、第一指示ボタン20は、縦長用の第一指示ボタン及び横長用の第一指示ボタンとして用いられる。そして、一方の第二指示ボタン30aは縦長用の第二指示ボタンとして用いられ、他方の第二指示ボタン30bは横長用の第二指示ボタンとして用いられる。同様に、他の例(図32(b)、図33(a)、図33(b)、図34(a)、図34(b))においても、第一指示ボタン20は縦長用の第一指示ボタン及び横長用の第一指示ボタンとして用いられ、第二指示ボタン30aは縦長用の第二指示ボタンとして用いられ、第二指示ボタン30bは横長用の第二指示ボタンとして用いられる。
また、第一指示ボタン及び第二指示ボタンをそれぞれ二つ設ける場合には、これら指示ボタンを例えば図35に示すように配置することができる。図35(a)は二つの第一指示ボタン20a,20bと二つの第二指示ボタン30a,30bとを備える携帯端末においてこれら指示ボタン20a,20b,30a,30bを携帯端末の正面に配置する具体例を示す図、図35(b)は二つの第一指示ボタン20a,20bと二つの第二指示ボタン30a,30bとを備える携帯端末においてこれら指示ボタン20a,20b,30a,30bを携帯端末の側面に配置する具体例を示す図、そして、図35(c)は二つの第一指示ボタン20a,20bと二つの第二指示ボタン30a,30bとを備える携帯端末においてこれら指示ボタン20a,20b,30a,30bを携帯端末の裏面に配置する具体例を示す図である。ここで、図35(a)に示す携帯端末を保持したときの様子が図36(a)及び(b)に示される。図35(a),(b)及び(c)の各例において、第一指示ボタン20aは縦長用の第一指示ボタンとして用いられ、第一指示ボタン20bは横長用の第一指示ボタンとして用いられ、第二指示ボタン30aは縦長用の第二指示ボタンとして用いられ、第二指示ボタン30bは横長用の第二指示ボタンとして用いられる。
尚、携帯端末として、上述した画面の回転機能を有しないものを用いる場合であっても、第一指示ボタン及び第二指示ボタンをそれぞれ二つ設けるようにしてもよい。すなわち、第一指示ボタンと第二指示ボタンを二組設けるようにしてもよい。図37は第一指示ボタンと第二指示ボタンを二組備える携帯端末においてこれら指示ボタンを携帯端末の正面に配置する具体例を示す図である。図38は第一指示ボタンと第二指示ボタンを二組備える携帯端末においてこれら指示ボタンを携帯端末の側面に配置する具体例を示す図である。図39は第一指示ボタンと第二指示ボタンを二組備える携帯端末においてこれら指示ボタンを携帯端末の裏面に配置する具体例を示す図である。具体的に、例えば図37(a)では、一方の組の第一指示ボタン20a及び第二指示ボタン30aは携帯端末の正面における下端部に左右に並べて設けられ、他方の組の第一指示ボタン20b及び第二指示ボタン30bはそれぞれ、携帯端末の正面における左右の端部に設けられている。この場合、ユーザは、二つの組のうちいずれか一の組の第一指示ボタン及び第二指示ボタンを用いて文字入力を行うことになるが、二つの第一指示ボタン20a,20bのうちのいずれか一つの指示ボタンと二つの指示ボタン30a,30bのうちのいずれか一つの指示ボタンとを用いて文字入力を行ってもよい。
また、上記の実施形態では、表示手段のディスプレイがタッチパネルである場合について説明したが、表示手段のディスプレイは必ずしもタッチパネルである必要はない。
また、上記の実施形態では、第一指示ボタン及び第二指示ボタンが両方とも、カーソル操作ボタンとしての役割と画面表示指示ボタンとしての役割とを兼ねる場合について説明したが、第一指示ボタン及び第二指示ボタンのうちいずれか一方の指示ボタンが、表示手段のディスプレイ上に文字入力画面が表示されているときにカーソル操作ボタンとして機能すると共に、表示手段のディスプレイ上に文字入力画面以外の画面が表示されているときに画面表示指示ボタンとして機能し、一方、他方の指示ボタンは、表示手段のディスプレイ上に文字入力画面が表示されているかどうかにかかわらず、常時、カーソル操作ボタンとして機能するように構成してもよい。また、第一指示ボタン及び第二指示ボタンはともに、表示手段のディスプレイ上に文字入力画面が表示されているかどうかにかかわらず、常時、カーソル操作ボタンとして機能するように構成してもよい。この場合には、必要に応じて、画面表示指示ボタンを別途設けることが望ましい。特に、表示手段のディスプレイ上に文字入力画面以外の画面が表示されているときに、第一指示ボタンの選択指示部と第二指示ボタンの選択指示部とから同時に二回連続して信号が送られてくると、制御手段は、ホーム画面を表示手段のディスプレイ上に表示させるようにしてもよい。これにより、二つの指示ボタンを使ってホーム画面に容易に戻ることができる。尚、図40及び図41は表示手段のディスプレイ上に文字入力画面が表示されていない場合にカーソル操作ボタンとして機能する二つの指示ボタンの操作の例を示す図である。ここで、図40では二つの指示ボタンのうち一方の指示ボタンを操作する例が示され、図41では二つの指示ボタンの両方を操作する例が示されている。
尚、第一指示ボタン又は第二指示ボタンを、常時、カーソル操作ボタンとして機能するように構成する場合には、当該カーソルの表示態様を、現在表示している画面の種類に応じて変更するようにしてもよい。また、第一指示ボタン及び第二指示ボタンをともに、常時、カーソル操作ボタンとして機能するように構成する場合には、各カーソルの表示態様を、現在表示している画面の種類に応じて変更するようにしてもよい。例えば、表示手段のディスプレイ上にホームページを表示しているときには、カーソル移動制御手段は、各カーソルを、リンクが張られている画像や文字列を取り囲むような態様で表示し、且つ、リンクが張られている画像や文字列を単位として移動させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、第一指示ボタン及び第二指示ボタンとして、押圧式の構造のものを用いた場合について説明したが、これら指示ボタンとしては、静電パッド等のタッチパッドや、トラックボール等を用いるようにしてもよい。図42(a)は静電パッドを採用した指示ボタンを示す図、図42(b)はトラックボールを採用した指示ボタンを示す図である。指示ボタンとして、図42(a)に示すような静電パッドを採用した場合、静電気パッドの表面を指で上方向に沿ってこすると、カーソルは文字入力画面上で上方向に移動し、静電気パッドの表面を指で右方向に沿ってこすると、カーソルは文字入力画面上で右方向に移動する。下方向、左方向、斜め方向にカーソルを移動させる場合にも、静電気パッドの表面を指でその方向にこするようにすればよい。そして、静電気パッドの表面を指で垂直に押すと、カーソルが現在指し示しているキーが選択される。一方、指示ボタンとして、図42(b)に示すようなトラックボールを用いる場合には、トラックボールを指で上側に回すと、カーソルは文字入力画面上で上方向に移動し、トラックボールを指で右側に回すと、カーソルは文字入力画面上で右方向に移動する。下方向、左方向、斜め方向にカーソルを移動させる場合にも、トラックボールを指でその方向に回せばよい。そして、トラックボールを指で垂直に押すと、カーソルが現在指し示しているキーが選択される。また、第一指示ボタン及び第二指示ボタンとしては、図42(c)に示すような一体型押圧式の構造のものを用いてもよい。この図42(c)に示す指示ボタンでは、移動方向指示部と選択指示部とは外観上分離されておらず、一体となっている。すなわち、図42(c)に示す指示ボタンの周辺部が移動方向指示部であり、その中央部が選択指示部である。この場合、指示ボタンの周辺部の上部を押圧すると、当該指示ボタンに対応するカーソルは上方に動く。また、指示ボタンの周辺部の他の部分を押圧すると、当該指示ボタンに対応するカーソルはその押圧された方向に動く。また、指示ボタンの全体を垂直に下に押圧すると、当該カーソルが現在指し示しているキーの選択が指示される。なお、図42(a)〜(c)に示す指示ボタンを用いる場合、各指示ボタンを長押ししたときに、対応するカーソルを基準位置に復帰させるようにしてもよい。また、この場合、両方の指示ボタンを同時に長押ししたときには、両方のカーソルをそれぞれ基準位置に復帰させるようにしてもよい。更に、図42(c)に示す指示ボタンを用いる場合は、例えばその周辺部を上述した実施形態の移動方向指示部と同様に操作することにより、各カーソルを基準位置に復帰させるようにしてもよい。
更に、上記の実施形態では、第一指示ボタン及び第二指示ボタンとしてそれぞれ、図5に示すように、一つの環状の移動方向指示部と、その移動方向指示部の中央に設けられた選択指示部とを有するものを用いた場合について説明したが、第一指示ボタン及び第二指示ボタンは、いずれも上述した図5に示すものに限定されるものではない。例えば、第一指示ボタンと第二指示ボタンは図56に示すようなものであってもよい。図56は第一指示ボタン及び第二指示ボタンの他の例を説明するための図である。図56(a)に示す第一指示ボタン200は、選択指示部220と、その選択指示部220の上下・左右の各々の方向の位置に区分して設けられた略三角形状の四つの移動方向指示部211〜214とを有する。図56(b)に示す第二指示ボタン300は、選択指示部320と、その選択指示部320の上下・左右の各々の方向の位置に区分して設けられた略四角形状の四つの移動方向指示部311〜314とを有する。図56に示す第一指示ボタン200と第二指示ボタン300はそれぞれ、図5に示すものと形状は異なるが、その他の例えば機能や操作方法等は図5に示すものと同じである。また、図56では、第一指示ボタン200と第二指示ボタン300とを異なる形状に形成しているが、第一指示ボタン200と第二指示ボタン300とは同じ形状に形成するようにしてもよい。さらに、選択指示部220,320や移動方向指示部211〜214,311〜314の形状は、図56に示すものに限定されるものではなく、例えば楕円形状、五角形状、菱形状等、どのような形状であってもよい。また、図56(a),(b)に示す指示ボタンを用いる場合も、例えば各指示ボタンの移動方向指示部を上述した実施形態の移動方向指示部と同様に操作することにより、各カーソルを基準位置に復帰させるようにしてもよい。また、例えば選択指示部220を長押ししたときに、第一カーソル101を基準位置に復帰させ、選択指示部320を長押ししたときに、第二カーソル102を基準位置に復帰させ、両方の選択指示部220,320を同時に長押ししたときには、両方のカーソル101,102をそれぞれ基準位置に復帰させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、携帯端末が通話機能を有する場合には、文字入力画面は、電話番号を入力するための電話番号入力画面であってもよい。この場合、電話番号入力画面には、キーボード画面として、図43(a)又は(b)に示すように、「0」〜「9」の数字キー、発信キー、終了キー等を有する画面が表示されることになる。ユーザは、第一指示ボタン及び第二指示ボタンを操作することにより、このキーボード画面において数字キーを選択して、電話番号を入力することができる。
更に、上記の実施形態では、本発明の携帯端末がタブレット端末である場合について説明したが、本発明の携帯端末は、タブレット端末に限らず、例えば、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、ノート型パソコン等であってもよい。ここで、本発明の携帯端末が二つ折り携帯電話である場合の第一指示ボタン及び第二指示ボタンの配置例を図44に示す。図44(a)は第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯電話の内側であって、キーの上側部分に設けた例を示す。図44(b)は第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30をそれぞれ、携帯電話の左右の側面に設けた例を示す。図44(c)は第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30を携帯電話の裏面に設けた例を示す。
また、上記の実施形態では、キーボード切替えキーにより、QWERTY配列のキーボード画面とひらがな50音配列のキーボード画面とを切り替える場合について説明したが、本発明の携帯端末を各国で使用する場合には、ひらがな50音配列のキーボード画面の代わりに、当該国の言語配列のキーボード画面を採用するようにしてもよい。かかる各国言語配列のキーボード画面の具体例を図45〜図47に示す。図45はスペイン語配列のキーボード画面の例を示す図、図46はフランス語配列のキーボード画面の例を示す図、図47は韓国語配列のキーボード画面の例を示す図である。ここで、これら各図において、キーボード切替えキー113は、QWERTY配列のキーボード画面と、当該言語配列のキーボード画面とを切り替えるためのものである。また、ドイツ語等他言語配列キーボード画面を用いてもよい。尚、ドイツ語、スペイン語、フランス語等の各国言語配列のキーボード画面を用いて、綴り字記号等の付いた表記文字を入力する場合には、例えば、母音を表す文字キーを長押しして、綴り字記号等の付いた各表記文字を記したウィンドウを開いた後、このウィンドウ内の各表示文字の中から所望の表示文字を選択するようにしてもよい。また、綴り字記号等を表すキーをキーボード画面上に初めから配置しておき、かかるキーを用いて綴り字記号等の付いた表記文字を直接入力するようにしてもよい。更に、中国語を入力する場合は、大陸で利用している簡体字、台湾で利用している繁体字とも、ローマ字(英字)入力で中国語に変換するのが一般的であるので、中国語を入力するためのキーボード画面としては、ローマ字(英字)入力で日本語に変換する場合と同様に、図14、図15、図16等に示すキーボード画面が用いられる。また、中国語配列キーボード画面を用いてもよい。
更に、上記の実施形態において、携帯端末をスライド式に構成し、第一指示ボタン及び第二指示ボタンを、携帯端末をスライドしたときに現れる部分の表面に設けるようにしてもよい。図48〜図55は本発明の携帯端末がスライド式のものである場合の第一指示ボタン及び第二指示ボタンの配置例を示す図である。具体的に、図48及び図49には後部の一部が上下方向にスライドする携帯端末の例を示す。図48(a),(b)では、携帯端末をスライドしたときに、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30がこの携帯端末の後部に現れる。図49(a)では、携帯端末の表面に横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bを設けておき、この携帯端末をスライドしたときに、縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aがこの携帯端末の後部に現れる。図49(b)では、携帯端末の表面に縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aを設けておき、この携帯端末をスライドしたときに、横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bがこの携帯端末の後部に現れる。
また、図50〜図53には後部の全体が上下方向にスライドする携帯端末の例を示す。図50(a),(b)では、携帯端末をスライドしたときに、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30がこの携帯端末の後部に現れる。図51(a)では、携帯端末の表面に横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bを設けておき、この携帯端末をスライドしたときに、縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aがこの携帯端末の後部に現れる。図51(b)では、携帯端末の表面に縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aを設けておき、この携帯端末をスライドしたときに、横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bがこの携帯端末の後部に現れる。図52(a),(b)では、携帯端末をスライドしたときに、第一指示ボタン20及び第二指示ボタン30とともに押圧式の数字キー等がこの携帯端末の後部に現れる。また、図53(a)では、携帯端末の表面に横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bを設けておき、この携帯端末をスライドしたときに、縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aとともに押圧式の数字キー等がこの携帯端末の後部に現れる。図53(b)では、携帯端末の表面に縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aを設けておき、この携帯端末をスライドしたときに、横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bとともに押圧式の数字キー等がこの携帯端末の後部に現れる。
更に、図54及び図55は上下方向及び左右方向にスライドする携帯端末の例を示す。図54の例では、携帯端末の後部を左方向にスライドすると、図54(a)に示すように、横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bが現れ、一方、この携帯端末の後部を下方向にスライドすると、図54(b)に示すように、縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aが現れる。ここで、図54の例における横長用の第二指示ボタン30bと縦長用の第一指示ボタン20aは同一のものである。すなわち、図54の携帯端末の後部には、図54(c)に示すように、三つの指示ボタン20b,30b(20a),30aが配置されており、指示ボタン30b(20a)は、携帯端末が図54(a)に示す状態にあるときに横長用の第二指示ボタンとして機能し、携帯端末が図54(b)に示す状態にあるときに縦長用の第一指示ボタンとして機能する。また、図55の例では、携帯端末の後部を左方向にスライドすると、図55(a)に示すように、横長用の第一指示ボタン20b及び横長用の第二指示ボタン30bが現れ、一方、この携帯端末の後部を下方向にスライドすると、図55(b)に示すように、縦長用の第一指示ボタン20a及び縦長用の第二指示ボタン30aが現れる。ここで、図55の例における横長用の第二指示ボタン30bと縦長用の第一指示ボタン20aは、図54の場合とは異なり、別個のものである。すなわち、図55の携帯端末の後部には、図55(c)に示すように、四つの指示ボタン20b,30b,20a,30aが配置されている。