JP2014063848A - 集積型光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】変換効率を向上可能な集積型光電変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】透明導電膜21〜2n、光電変換層31’,32”〜3n”、裏面電極41〜4nおよび導電性保護膜51〜5nを透光性基板1上に順次積層し、複数の光電変換層31〜3nが直列に接続されるように素子分離溝61〜6n−1、接続用素子分離溝71〜7n−1および素子分割溝81〜8n−1を形成する。その後、素子分割溝81〜8n−1を介して水素原子を含むガスを用いて光電変換層31’,32”〜3n”、裏面電極41〜4nおよび導電性保護膜51〜5nの端面を水素プラズマ処理によって処理する(工程(i))。
【選択図】図5

Description

この発明は、集積型光電変換装置の製造方法に関するものである。
従来、少なくとも1つの結晶質光電変換ユニット層を含む集積型光電変換装置が知られている(特許文献1)。
この光電変換装置は、透明絶縁基板上に積層された透明電極層、少なくとも一の結晶質シリコン系光電変換ユニット層、および裏面電極層が複数の光電変換セルを形成するように分離溝によって分離されており、複数の光電変換セルが直列接続された光電変換装置において、裏面電極層を複数の裏面電極に分離するための裏面電極分離溝は、透明基板側からスクライブ用レーザービームを照射して光電変換ユニット層の所定領域と同時に裏面電極層の所定領域を吹き飛ばすことによって形成されたものであり、裏面電極分離溝の領域内で露出された透明電極層の金属学顕微鏡による観察において、透明電極層の熱損傷を表わす変色または剥離を生じている面積割合が2%以上で10%未満の範囲内にあることを特徴としている。
特許文献1においては、少なくとも一以上の結晶質光電変換ユニットを含む光電変換装置において、裏面電極分離溝を形成するために高エネルギー密度のレーザービームを照射する場合に、透明電極層が熱損傷を受けることを抑制できるため、集積型薄膜太陽電池の集積化に伴う受光面積当りの変換効率の低下を最小限にするとしている。
特開2001−267613号公報
しかし、裏面電極分離溝を形成する方法として、スクライブ用のレーザービームを照射する方法を用いる場合、光電変換ユニット層の所定領域と同時に裏面電極層の所定領域を吹き飛ばすことによって裏面電極分離溝を形成する際に、裏面電極分離溝の領域内に露出された透明電極層だけでなく、光電変換ユニット層の端部にも熱損傷が与えられていた。このようにして熱損傷を受けた部分が、変換効率を低下させる要因となっていた。
そこで、この発明の実施の形態によれば、変換効率を向上可能な集積型光電変換装置の製造方法を提供する。
この発明の実施の形態による集積型光電変換装置の製造方法は、透光性基板上に形成された透明導電膜にレーザービームを照射して透明導電膜に素子分離溝を形成する第1の工程と、素子分離溝および第1の透明導電膜上に光電変換層を形成する第2の工程と、レーザービームを照射して光電変換層に接続用分離溝を形成する第3の工程と、接続用分離溝および光電変換層上に裏面電極および導電性保護膜を順次形成する第4の工程と、レーザービームを照射して光電変換層、裏面電極および導電性保護膜に素子分割溝を形成する第5の工程と、素子分割溝を介して、光電変換層、裏面電極および導電性保護膜の端面側の一部を水素原子を含むガスを用いたプラズマ処理によって膜中水素濃度を補償する第6の工程とを備える。
好ましくは、水素原子を含むガスは、少なくともHを含む。
好ましくは、水素原子を含むガスは、少なくともCHを含む。
好ましくは、水素原子を含むガスは、少なくともCを含む。
好ましくは、水素プラズマ処理を行うときの圧力は、1Pa以上100Pa以下である。
好ましくは、水素プラズマ処理を行うときの処理時間は、3分以上10分以下である。
この発明の実施の形態による集積型光電変換装置の製造方法においては、素子分割溝を形成した後、水素原子を含むガスを用いたプラズマ処理によって光電変換層、裏面電極および導電性保護膜の端面側の一部の膜中水素濃度を高める。その結果、素子分割溝の形成時に光電変換層に与えられた熱損傷によって低下した膜中水素濃度を適正化でき、光電変換装置の電流−電圧特性が向上する。
従って、集積型光電変換装置の変換効率を向上できる。
この発明の実施の形態における集積型光電変換装置の断面図である。 図1に示す光電変換層の断面図である。 図1に示す集積型光電変換装置を製造する製造方法を示す第1の工程図である。 図1に示す集積型光電変換装置を製造する製造方法を示す第2の工程図である。 図1に示す集積型光電変換装置を製造する製造方法を示す第3の工程図である。 図3に示す工程(c)の詳細な工程を示す工程図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
この明細書において、「アモルファス」の用語は、当該分野で一般的に使用される「アモルファス」と同義語として使用される。また、「微結晶」の用語は、当該分野で一般的に使用されるとおり、実質的に結晶相のみからなる状態だけではなく、結晶相とアモルファス相とが混在した状態のものも含む。
例えば、ラマン散乱スペクトルにおいて、結晶シリコン中のシリコン−シリコン結合に起因する520cm−1付近の鋭いピークがわずかでも検出されれば、「微結晶シリコン」が存在すると考えられており、この明細書においても、同様の意味で用語「微結晶シリコン」を使用する。
また、この明細書において、「微結晶シリコンゲルマニウム」とは、上述した微結晶状態となっているシリコンゲルマニウムを指す。即ち、微結晶シリコンゲルマニウムは、実質的に結晶相のみからなる状態だけではなく、アモルファスシリコンゲルマニウム相および結晶シリコンゲルマニウム相を含むものとする。
微結晶シリコンゲルマニウムにおいては、ゲルマニウム濃度の増加に比例して、結晶の単位格子サイズが結晶シリコンの単位格子サイズから結晶ゲルマニウムの単位格子サイズまでの範囲で変化することが知られている。これは、被測定体積中に存在する単位格子のシリコン−ゲルマニウム結合の割合がゲルマニウム濃度の増加に伴って増加することを意味する。
そこで、例えば、X線回折法を用いて、単位格子のサイズを求めることによって、結晶シリコンゲルマニウム相の存在を検出できる。また、ラマン散乱スペクトルにおいて、結晶シリコンゲルマニウムに起因するピークが観測されるか、または結晶シリコンのシリコン−シリコンに起因するピークの位置が変化することによっても、微結晶シリコンゲルマニウム相の存在を検出できる。
従って、この明細書においては、
(A)二次イオン質量分析によって、シリコンおよびゲルマニウムの存在を確認する
(B)X線回折法における(220)回折ピーク角度から求められる単位格子サイズが、結晶シリコンの単位格子サイズ(5.43オングストローム)よりも大きく、結晶ゲルマニウムの単位格子サイズ(5.67オングストローム)よりも小さい
(C)ラマン散乱スペクトルにおいて、結晶シリコンのシリコン−シリコンに起因するピークが観測される
(D)シリコン−シリコンに起因するピークのラマンシフト値が、ゲルマニウムを含まない結晶シリコンのラマンシフト位置よりも低周波数側にシフトしている
(E)結晶シリコンゲルマニウムに起因する400cm−1付近のピークが観測される
の5項目について、少なくとも項目(A),(B),(C)を同時に満たす場合、または項目(A),(C),(D)を同時に満たす場合、または少なくとも項目(A),(C),(E)を同時に満たす場合に結晶シリコンゲルマニウム相が存在していると看做し、結晶シリコンゲルマニウムであると看做す。
なお、結晶シリコンゲルマニウムに起因するピークは、ゲルマニウム濃度が比較的低い場合には、観測することが難しい。従って、上記の項目(A),(B),(C),(D)を結晶シリコンゲルマニウムの有無を判断する手段として用いてもよい。
更に、この明細書において、「アモルファスシリコン」および「微結晶シリコン」は、それぞれ、当該分野で一般的に使用される「水素化アモルファスシリコン」および「水素化微結晶シリコン」を含むものとする。
そして、この明細書においては、アモルファスシリコンを「a−Si」と表記するが、この表記は、実際には、水素(H)原子が含まれていることを意味する。炭素(C)原子を含むアモルファスシリコン(a−Si:C)、窒素(N)原子を含むアモルファスシリコン(a−Si:N)、C原子およびN原子を含むアモルファスシリコン(a−Si:C:N)、アモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiGe)、アモルファスゲルマニウム(a−Ge)、C原子を含む微結晶シリコン(μc−Si:C)、N原子を含む微結晶シリコン(μc−Si:N)、C原子およびN原子を含む微結晶シリコン(μc−Si:C:N)、微結晶シリコン(μc−Si)、微結晶シリコンゲルマニウム(μc−SiGe)、および微結晶ゲルマニウム(μc−Ge)についても、同様に、H原子が含まれていることを意味する。
図1は、この発明の実施の形態における集積型光電変換装置の断面図である。この発明の実施の形態における集積型光電変換装置10は、透光性基板1と、透明導電膜21〜2n(nは、2以上の整数)と、光電変換層31〜3nと、裏面電極41〜4nと、導電性保護膜51〜5nとを備える。
透明導電膜21〜2nは、透光性基板1の一主面上に素子分離溝61〜6n−1を介して所望の間隔で配置される。
光電変換層31は、透明導電膜21および素子分離溝61を覆うように配置される。光電変換層32は、透明導電膜22および素子分離溝62を覆うように配置される。以下、同様にして、光電変換層3n−1は、透明導電膜2n−1および素子分離溝6n−1を覆うように配置され、光電変換層3nは、透明導電膜2nを覆うように配置される。光電変換層31〜3nの各々は、少なくとも1つのpin構造からなる。そして、光電変換層31〜3nの各々は、主に、CVD(Chemical Vapour Deposition)法によって形成される。CVD法としては、常圧CVD法、減圧CVD法、プラズマCVD法、熱CVD法、ホットワイヤーCVD法、およびMOCVD法を使用できる。
裏面電極41は、光電変換層31および接続用分離溝71を覆うように配置される。裏面電極42は、光電変換層32および接続用分離溝72を覆うように配置される。以下、同様にして、裏面電極4n−1は、光電変換層3n−1および接続用分離溝7n−1を覆うように配置され、裏面電極4nは、光電変換層3nを覆うように配置される。
その結果、光電変換層31〜3nは、接続用分離溝71〜7n−1を介して透光性基板1の面内方向に配置される。
導電性保護膜51〜5nは、それぞれ、裏面電極41〜4nを覆うように配置される。
そして、光電変換層31〜3n、裏面電極41〜4nおよび導電性保護膜51〜5nは、素子分割溝81〜8n−1によって分離されている。従って、光電変換層31〜3n、裏面電極41〜4nおよび導電性保護膜51〜5nは、素子分割溝81〜8n−1を介して透光性基板1の面内方向に配置される。
光電変換層31は、透明導電膜21に接し、裏面電極41は、光電変換層31と透明導電膜22とに接し、光電変換層32は、透明導電膜22に接し、裏面電極42は、光電変換層32と透明導電膜23とに接する。以下、同様にして、光電変換層3n−1は、透明導電膜2n−1に接し、裏面電極4n−1は、光電変換層3n−1と透明導電膜2nとに接し、光電変換層3nは、透明導電膜2nに接し、裏面電極4nは、光電変換層3nに接する。
その結果、光電変換層31〜3nは、透明導電膜22〜2nおよび裏面電極41〜4n−1を介して透明導電膜21と裏面電極4nとの間で直列に接続される。
裏面電極41〜4nの各々は、透明導電膜2と、電極3とを含む。裏面電極41〜4n−1において、透明導電膜2は、それぞれ、光電変換層31〜3n−1および接続用分離溝71〜7n−1を覆うように配置される。電極3は、透明導電膜2を覆うように配置される。
透光性基板1は、例えば、ガラス、ポリイミドおよびポリビニル等の耐熱性を有する透光性樹脂板、またはガラス等が積層されたものからなり、一般的には、光透過性が高く、光電変換装置全体を構造的に支持し得るものからなる。また、透光性基板1の透明導電膜21〜2n側の表面は、金属膜、透明導電膜および絶縁膜等によって被覆されていてもよい。
透明導電膜21〜2nの各々は、透明導電性の材料からなり、たとえば、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化錫(SnO)および酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性膜の単層または複数層からなる。
透明導電膜21〜2nの各々は、電極としての役割を担っているので、電気伝導性が高い方が好ましく、微量の不純物を添加することによって電気伝導性を向上させたものからなっていてもよい。
そして、透明導電膜21〜2nの各々は、スパッタリング法、CVD法、電子ビーム蒸着法、ゾルゲル法、スプレー法および電析法等のいずれかの方法を用いて形成される。
また、透明導電膜21〜2nの各々の表面(光電変換層31〜3n側の表面)は、凹凸形状になっていることが好ましい。この凹凸形状によって、透光性基板1から入射した入射光を散乱・屈折させて光路長を伸ばすことができるので、光電変換層31〜3n内での光閉じ込め効果が高まり、短絡電流を向上できる。
透明導電膜21〜2nの表面を凹凸化する方法としては、透光性基板1の上に、一旦、透明導電膜を堆積し、その後、エッチング法およびサンドブラストのような機械加工により凹凸化する方法、透明導電膜21〜2nの成膜時に膜材料の結晶成長により形成される凹凸を利用する方法、結晶成長面が配向しているために規則的な凹凸が形成されることを利用する方法等が用いられる。
なお、透明導電膜21〜2n上に酸化亜鉛層をスパッタリング法で堆積することによって、後に光電変換層31〜3nを形成する際に透明導電膜21〜2nを構成する酸化錫がプラズマによって損傷を受けるのを防止することができる。
光電変換層31〜3nは、主に、アモルファスシリコンまたは微結晶シリコンからなる。
透明導電膜2は、透明導電膜21〜2nと同じ材料からなり、透明導電膜21〜2nの形成方法と同じ方法によって形成される。そして、透明導電膜2の膜厚は、20〜3000nmである。膜厚が厚すぎると、透明導電膜2における光吸収のために、電極3で反射されて光電変換層31〜3nへ戻る光量が減少し、膜厚が薄すぎると、シート抵抗が高くなり、光電変換層31〜3nで発電した電流を効率良く収集できないからである。
透明導電膜2は、入射光に対する光閉じ込め効果および光反射率を向上させるとともに、電極3に含まれる元素の光電変換層31〜3nへの拡散を抑制する。
電極3は、少なくとも1層の導電層からなり、光反射率が大きく、かつ、導電率が高い材料が好ましい。より具体的には、電極3は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、およびこれらの合金からなる。
電極3は、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スプレー法およびスクリーン印刷法等によって形成される。
そして、電極3は、光電変換層31〜3nで吸収されなかった光を反射して、再度、光電変換層31〜3nへ光を戻す。
電極3の厚さは、十分な光反射率を確保し、素子分割溝81〜8n−1の形成を妨げない範囲が好ましく、例えば、100〜400nmである。
導電性保護膜51〜5nは、一般的に、水素プラズマ耐性を有する材料からなり、例えば、SnO、ITOおよびZnO等からなる。これらの中でも、ZnOが比較的高い水素プラズマ耐性を有するので、特に好ましい。これは、素子分割溝81〜8n−1を形成した後に、光電変換層31〜3nの素子分割溝81〜8n−1側の端部のうち、熱損傷を受けた結果、水素濃度が低下した領域の水素濃度を高める際に、裏面電極41〜4nを物理的および化学的損傷から保護できるからである。
導電性保護膜51〜5nの膜厚は、特に、限定されないが、水素プラズマ条件に耐え得る膜厚であればよく、例えば、20〜200nmである。
図2は、図1に示す光電変換層31の断面図である。図2を参照して、光電変換層31は、p型半導体層311と、i型半導体層312と、n型半導体層313とを含む。
p型半導体層311、i型半導体層312およびn型半導体層313は、透光性基板1側からp型半導体層311、i型半導体層312およびn型半導体層313の順で透明導電膜21および素子分離溝61上に積層される。このように、光電変換層31は、pin構造からなる。
p型半導体層311は、p型導電型のドーパントがドープされたシリコン層からなる。p型ドーパントは、例えば、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)等からなる。
より具体的には、p型半導体層311は、p型アモルファスシリコン(p型a−Si)、C原子を含むp型アモルファスシリコン(p型a−Si:C)、N原子を含むp型アモルファスシリコン(p型a−Si:N)、C原子およびN原子を含むp型アモルファスシリコン(p型a−Si:C:N)、p型微結晶シリコン(p型μc−Si)、C原子を含むp型微結晶シリコン(p型μc−Si:C)、N原子を含むp型微結晶シリコン(p型μc−Si:N)、およびC原子とN原子との両方を含むp型微結晶シリコン(p型μc−Si:C:N)のいずれかからなる。
p型半導体層311がp型μc−Si、p型μc−Si:C、p型μc−Si:Nおよびp型μc−Si:C:Nのいずれかからなる場合、即ち、p型半導体層311が結晶シリコン相を含んでいる場合、高い導電性が得られ、光電変換層31の直列抵抗を小さくできるので、曲線因子が向上し、高い変換効率を得ることができる。
また、p型半導体層311が結晶シリコン相を含んでいる場合、i型半導体層312の結晶化の下地層として優れているので、i型半導体層312は、堆積初期に下地層(=p型半導体層311)の影響を受けて結晶成分が成長し易くなり、結晶化率が高い高品質なi型半導体層312が得られる。その結果、短絡電流が増加し、変換効率を向上できる。
従って、p型半導体層311は、結晶シリコン相を含んでいることが好ましい。
p型半導体層311がp型a−Si:C、p型a−Si:N、p型a−Si:C:N、p型μc−Si:C、p型μc−Si:Nおよびp型μc−Si:C:Nのいずれかからなる場合、即ち、p型半導体層311が炭素原子および/または窒素原子を含んでいる場合、p型半導体層が炭素原子および/または窒素原子を含んでいない場合よりも、光電変換層31の開放電圧が向上し、高い変換効率を得ることができる。その理由は、次のとおりである。
(1)p型半導体層の光学的バンドギャップが広がってpin接合における拡散電位が高くなる。
(2)不純物(炭素原子または窒素原子)を添加したことによる結晶粒界の界面パッシベーション効果と、p型半導体層/i型半導体層の界面パッシベーション効果とによって、界面再結合が低減する。
また、不純物(炭素原子または窒素原子)濃度が低い場合、p型半導体層311とi型半導体層312との間におけるバンドの不連続またはミスマッチが生じ難く、p型半導体層311とi型半導体層312との間に界面層等を設ける必要がない。その結果、簡易に、かつ、安価で、変換効率が高い光電変換装置を得ることができる。
従って、p型半導体層が炭素原子または窒素原子を含んでいることが好ましい。
そして、p型半導体層311の膜厚は、例えば、5〜50nmであり、好ましくは、10〜30nmである。
i型半導体層312は、特に不純物を添加していないアモルファスシリコンまたは微結晶シリコンからなる。なお、i型半導体層312は、実質的に真性な半導体であれば、少量の不純物元素が含まれていてもよい。
i型半導体層312は、微結晶シリコンからなっていることが好ましい。光劣化を防止して高い変換効率を得ることができるからである。
また、i型半導体層312は、長波長感度を高めるためにアモルファスシリコンゲルマニウムまたは微結晶シリコンゲルマニウムを含んでいてもよい。この場合、i型半導体層312のゲルマニウム濃度は、5〜30原子%が好適である。ゲルマニウム濃度が5原子%未満であると、光学的バンドギャップがあまり減少しないので、短絡電流があまり増加せず、実用的でない。ゲルマニウム濃度が30原子%を超えると、光学的バンドギャップの減少に伴って光電変換層31の開放電圧が低下する影響が顕著に現れたり、結晶粒径が小さくなりすぎたりすることによって、変換効率が低下するため、好ましくない。
そして、i型半導体層312の膜厚は、例えば、100〜5000nmであり、好ましくは、200〜4000nmである。
n型半導体層313は、n型導電型のドーパントがドープされたシリコン層からなる。n型導電型のドーパントは、例えば、リン(P)、窒素(N)および酸素(O)等からなる。
より具体的には、n型半導体層313は、n型a−Si、n型a−Si:C、n型a−Si:N、n型a−Si:C:N、n型μc−Si、n型μc−Si:C、n型μc−Si:Nおよびn型μc−Si:C:Nのいずれかからなる。
n型半導体層313がn型μc−Si、n型μc−Si:C、n型μc−Si:Nおよびn型μc−Si:C:Nのいずれかからなる場合、即ち、n型半導体層313が結晶シリコン相を含んでいる場合、高い導電性が得られ、光電変換層31の直列抵抗を小さくできるので、曲線因子が向上し、高い変換効率を得ることができる。
従って、n型半導体層313は、結晶シリコン相を含んでいることが好ましい。
n型半導体層313がn型a−Si:C、n型a−Si:N、n型a−Si:C:N、n型μc−Si:C、n型μc−Si:Nおよびn型μc−Si:C:Nのいずれかからなる場合、即ち、n型半導体層313が炭素原子または窒素原子を含んでいる場合、n型半導体層が炭素原子または窒素原子を含んでいない場合よりも、光電変換層31の開放電圧が向上し、高い変換効率を得ることができる。その理由は、次のとおりである。
(1)n型半導体層の光学的バンドギャップが広がってpin接合における拡散電位が高くなる。
(2)窒素原子を添加したことによる結晶粒界の界面パッシベーション効果と、i型半導体層/n型半導体層の界面パッシベーション効果とによって、界面再結合が低減する。
そして、n型半導体層313の膜厚は、たとえば、5〜100nmであり、好ましくは、10〜30nmである。
なお、p型半導体層311およびn型半導体層313が炭素原子を含有する場合、シリコンカーバイドの結晶相を実質的に含まないものとする。従って、p型μc−Si:C、n型μc−Si:C、p型μc−Si:C:N、およびn型μc−Si:C:Nは、シリコンカーバイドの結晶相を実質的に含んでいない。
この状態は、例えば、炭素原子を含有する微結晶シリコンのラマン散乱スペクトルを観測したとき、シリコンカーバイド結晶を構成するシリコン−カーボン結合に起因するピークが実質的に観測されないことによって確認される。また、この状態は、X線回折においてシリコンカーバイド結晶構造に起因する回折ピークが実質的に検出されないことによって確認される。
なお、光電変換層32〜3nの各々も、図2に示す光電変換層31と同じ構成からなる。
光電変換層31〜3nを形成する際に使用する材料ガスとしては、シラン(SiH)ガスおよびジシラン(Si)ガス等のシリコン原子を含むガスであれば、特に限定されないが、一般的には、SiHガスが使用される場合が多い。
また、シリコン原子を含むガスとともに使用される希釈ガスとしては、水素(H)ガス、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガスおよびヘリウム(He)ガスを用いることができるが、アモルファスシリコンまたは微結晶シリコンを形成する場合には、Hガスを用いる場合が多い。
p型半導体層およびn型半導体層の形成時には、シリコン原子を含むガスおよび希釈ガスとともにドーピングガスを使用する。このドーピングガスは、目的とする導電型を決定する元素を含むガスであれば、特に限定されないが、一般的にp型導電型を決定する元素がホウ素(B)である場合、ジボラン(B)ガスがドーピングガスとして用いられ、一般的にn型導電型を決定する元素がリン(P)である場合、フォスフィン(PH)ガスがドーピングガスとして用いられる。
プラズマCVD法によって光電変換層31〜3nを形成する場合、基板温度、反応室内の圧力、ガス流量、およびプラズマへの投入電力を制御することによって、アモルファス相と結晶相との存在比率を制御することができる。
素子分離溝61〜6n−1、接続用分離溝71〜7n−1および素子分割溝81〜8n−1の形成方法は、対象とする材料を加工できる方法であれば、特に限定されず、例えば、薬液によるウェットエッチング法、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)およびレーザースクライブ法等のドライエッチング法であってもよい。
このうち、乾式で、かつ、真空装置を用いずに材料を加工できるレーザースクライブ法が好適に用いられる。そして、レーザースクライブ法においては、レーザーは、一般的に、基板側から入射される。
レーザースクライブ法において用いられるレーザー波長は、YAG1064nm(以下、「IRレーザー」と言う。)およびYAGレーザーの第二高調波であるSHG532nm(以下、「SHGレーザー」と言う。)である。
IRレーザーは、透明導電膜21〜2nに吸収される。その結果、透明導電膜21〜2nが発熱することによってアブレーションが生じ、透明導電膜21〜2nの一部が除去される。従って、素子分離溝61〜6n−1を形成する工程においては、IRレーザーが用いられる。
一方、SHGレーザーは、透明導電膜21〜2nに殆ど吸収されず、その大部分は、光電変換層31〜3nで吸収される。その結果、光電変換層31〜3nが発熱することによってアブレーションが生じ、光電変換層31〜3nの一部、および光電変換層31〜3nの一部上に堆積されている層が除去される。従って、接続用分離溝71〜7n−1および素子分割溝81〜8n−1を形成する工程においては、SHGレーザーが用いられる。
なお、IRレーザーおよびSHGレーザーを照射する際には、適当な周波数でパルス状にレーザーを照射する場合が多く、周波数は、5kHz〜30kHz等が典型的に用いられる。レーザー照射によって膜を除去した痕跡が、連続して溝を形成するように、加工速度等も適宜調整される。加工速度としては、50mm/秒〜1000mm/秒が典型的に用いられるが、パルス状にレーザーを照射するときの周波数、加工痕跡の形状、加工痕跡の幅、および加工速度等の組み合わせによって、連続して溝を形成できるように各パラメータが組み合わされて選択される。
レーザーの出力は、パルス出力状態の平均パワーによって決定され、IRレーザーの場合、8〜15W程度の出力が用いられ、SHGレーザーの場合、0.1〜0.5W程度の出力が用いられる。そして、加工対象物の体積、加工対象物の付着強度および加工速度によって、適切な出力は変化するので、加工状態を勘案して適切な値が選択される。
この発明の実施の形態においては、素子分割溝81〜8n−1を形成した後、水素プラズマ処理を行う。これによって、素子分割溝81〜8n−1の形成時に光電変換層31〜3nの端部に生じた熱損傷の結果、低下した膜中水素濃度を適正化することができる。
水素プラズマ処理を行う場合、装置は、外部から電界を与える平行平板が真空チャンバー内部に設けられた構成からなる。
そして、真空チャンバー内に、水素を含むガスを流しながら、適切な条件で電界を印加すると、プラズマ放電によってエネルギーを有するイオン種およびラジカル種等の種々の活性水素種が生成される。生成された活性水素種がシリコンのダングリングボンドと反応すると、シリコンと結合することによって、シリコンのダングリングボンドを終端することができる。電界の印加のためには、周波数が13.56MHzのRF電源が広く使用される。
水素プラズマ処理のためには、水素ガスの他、メタンガスおよびエタンガス等、水素を含むガスが用いられる。これらのガスのうち、水素ガスが、炭素堆積物の析出がないこと、および未反応のガスを除害化した際に、地球温暖化の原因となるCOガスが生成されないため、好ましい。
この発明の実施の形態においては、素子分割溝81〜8n−1に露出した光電変換層31〜3nの端部を水素終端処理することを目的としている。これを好適に実施するためには、圧力は、1Pa以上100Pa以下とすればよい。この範囲内の圧力とすることによって、水素ガスの活性種の平均自由行程または活性水素種が有するエネルギーを大きくできる。その結果、素子分割溝81〜8n−1を介して光電変換層31〜3nの端部を好適に水素終端できる。
また、処理時間は、光電変換層31〜3nの端部を終端する程度によって決定される。即ち、素子分割溝81〜8n−1を形成する際のレーザー出力を大きくした場合、光電変換層31〜3nの端部で熱損傷を受けた領域が広く分布しているので、長い処理時間が好ましい。
逆に、レーザー出力を抑えて素子分割溝81〜8n−1を形成した場合、光電変換装置としての発電領域を広く取ることができるので、プロセス時間を短縮するために、短い処理時間が好ましい。
また、処理時間は、ガスの種類および温度にも依存するが、反応空間中の活性種の濃度にも依存し、投入電力に大きく依存する。以上を勘案して、投入電力としては、0.1W/cm以上10W/cm以下を用い、処理時間としては、3分以上10分以下を用いた。
図3から図5は、それぞれ、図1に示す集積型光電変換装置10を製造する製造方法を示す第1から第3の工程図である。
なお、図3から図5においては、透光性基板1および透明導電膜21〜2nが青板ガラス(旭硝子(株)、商品名Asahi−U)上にCVD法により酸化錫を堆積し、その酸化錫上にスパッタリング法によって酸化亜鉛を20nm堆積したものからなり、p型半導体層311がp型μc−Siからなり、i型半導体層312がi型μc−Siからなり、n型半導体層313がn型μc−SiNからなり、透明導電膜2が酸化亜鉛からなり、電極3が銀からなり、導電性保護膜51〜5nが酸化亜鉛からなる場合を例にして集積型光電変換装置10の製造方法を説明する。
集積型光電変換装置10の製造が開始されると、上述した透光性基板1および透明導電膜20が準備される(図3の工程(a)参照)。
そして、IRレーザーによってレーザー光を透光性基板1側から透明導電膜20に照射し、透明導電膜20に素子分離溝61〜6n−1を形成する(図3の工程(b)参照)。これによって、透明導電膜21〜2nが透光性基板1の一主面に形成される。
その後、光電変換層30がプラズマCVD法によって素子分離溝61〜6n−1を埋めるように透明導電膜21〜2n上に形成される(図3の工程(c)参照)。
そして、SHGレーザーによってレーザー光を透光性基板1側から光電変換層30に照射し、光電変換層30に接続用分離溝71〜7n−1を形成する(図3の工程(d)参照)。これによって光電変換層31’〜3n’が透明導電膜21〜2n上に形成される。
工程(d)の後、接続用分離溝71〜7n−1を埋めるようにDCスパッタリング法によって酸化亜鉛からなる透明導電膜4を光電変換層31’〜3n’上に形成する(図3の工程(e)参照)。この場合、スパッタリングの条件は、アルゴンガスの流量が200sccmであり、圧力が0.532Paであり、投入電力は、150Wである。また、透明導電膜4(=ZnO)の膜厚は、例えば、80nmである。
工程(e)の後、DCスパッタリング法によって銀からなる電極5を透明導電膜4上に堆積する(図4の工程(f)参照)。この場合、スパッタリングの条件は、アルゴンガスの流量が200sccmであり、圧力が2.66Paであり、投入電力は、300Wである。また、電極5の膜厚は、120nmである。
工程(f)の後、酸化亜鉛からなる導電性保護膜6を電極5上に形成する(図4の工程(g)参照)。この場合、導電性保護膜6の膜厚は、80nmである。
工程(g)の後、SHGレーザーによってレーザー光を透光性基板1側から光電変換層31’〜3n’、透明導電膜4、電極5および導電性保護膜6に照射し、光電変換層31’〜3n’、透明導電膜4、電極5および導電性保護膜6に素子分割溝81〜8n−1を形成する(図4の工程(h)参照)。これによって、光電変換層31’,32”〜3n”、裏面電極41’〜4n’および導電性保護膜51’〜5n’が形成される。
工程(h)の後、水素プラズマ処理によって素子分割溝81〜8n−1を介して光電変換層31’,32”〜3n”、裏面電極41’〜4n’および導電性保護膜51’〜5n’の端部を水素終端する(図5の工程(i)参照)。この場合、水素プラズマガスとしてHガスを用い、処理時間を3分とし、投入電力として13.56MHzの周波数を有する0.6W/cmの高周波電力を用いた。これによって、集積型光電変換装置10が完成する。
図6は、図3に示す工程(c)の詳細な工程を示す工程図である。
図3に示す工程(b)の後、素子分離溝61〜6n−1を埋めるようにプラズマCVD法によってp型半導体層301を透明導電膜21〜2n上に堆積する(図6の工程(c−1)参照)。この場合、原料ガスとして、SiHガス、HガスおよびBガスからなる混合ガスを用いた。そして、SiHガスに対するHガスの流量比を150倍とし、SiHガスに対するBガスの流量比を0.003倍とした。また、基板温度は、180℃である。これによって、p型μc−Siからなるp型半導体層301が形成される。そして、p型半導体層301の膜厚は、20nmである。
工程(c−1)の後、i型半導体層302をプラズマCVD法によってp型半導体層301上に堆積する(図6の工程(c−2)参照)。この場合、原料ガスとして、SiHガスおよびHガスからなる混合ガスを用いた。そして、SiHガスに対するHガスの流量比を80倍とした。また、基板温度は、180℃である。これによって、i型μc−Siからなるi型半導体層302が形成される。そして、i型半導体層302の膜厚は、1850nmである。
工程(c−2)の後、n型半導体層303をプラズマCVD法によってi型半導体層302上に堆積する(図6の工程(c−3)参照)。この場合、原料ガスとして、SiHガス、HガスおよびPHガスからなる混合ガスを用いた。そして、SiHガスに対するHガスの流量比を100倍とし、SiHガスに対するPHガスの流量比を0.03倍とした。また、基板温度は、180℃である。これによって、n型μc−Siからなるn型半導体層303が形成される。そして、n型半導体層303の膜厚は、20nmである。
工程(c−3)の終了によって、光電変換層30が形成され、図3に示す工程(c)が終了する。
上述したように、素子分割溝81〜8n−1を形成した後、素子分割溝81〜8n−1を介して光電変換層31’,32”〜3n”の端部を水素プラズマ処理によって水素終端することによって集積型光電変換装置10を製造する。
これによって、素子分割溝81〜8n−1を形成するときに熱損傷を受けた結果、水素濃度が低下した領域の水素濃度を適正化できる。その結果、光電変換層31〜3nの電流−電圧特性が向上し、集積型光電変換装置10の変換効率を向上できる。
なお、図3から図6に示す工程(a)〜(j)(工程(c−1)〜(c−3)を含む)においては、光電変換層31〜3nが1つのpin構造からなる場合について集積型光電変換装置10の製造方法を説明したが、光電変換層31〜3nが2つ以上のpin構造からなる場合、図3に示す工程(c)において、2つ以上のpin構造が透明導電膜21〜2n上に順次積層される。この場合、図6に示す工程(c−1)〜(c−3)が2回以上繰り返し実行される。
光電変換層31〜3nの各々が2つのpin構造からなる場合、透光性基板1側に配置されるpin構造をトップセルと呼び、裏面電極41〜4n側に配置されるpin構造をボトムセルと呼ぶ。
そして、トップセルは、例えば、アモルファスシリコンからなり、ボトムセルは、例えば、微結晶シリコンまたはアモルファスシリコンゲルマニウムからなる。
また、光電変換層31〜3nの各々が3つのpin構造からなる場合、透光性基板1側に配置されるpin構造をトップセルと呼び、裏面電極41〜4n側に配置されるpin構造をボトムセルと呼び、トップセルとボトムセルとの間に配置されるpin構造をミドルセルと呼ぶ。
そして、トップセルは、例えば、アモルファスシリコン、またはC原子を含むアモルファスシリコン、またはN原子を含むアモルファスシリコンからなり、ミドルセルは、例えば、アモルファスシリコンまたはアモルファスシリコンゲルマニウムまたは微結晶シリコンからなり、ボトムセルは、例えば、アモルファスシリコンまたは微結晶シリコンまたは微結晶シリコンゲルマニウムからなる。
従って、光電変換層31〜3nの各々が2つ以上のpin構造からなる場合、透光性基板1側から裏面電極41〜4n側へ光学的バンドギャップが小さくなるように2つ以上のpin構造を構成する材料が選択される。
(実施例1)
図3から図6に示す工程(a)〜(i)(工程(c−1)〜(c−3)を含む)に従って集積型光電変換素装置を作製した。そして、その作製した集積型光電変換装置について、AM1.5、照射強度100mW/cmの条件下において1cmの面積を有するセルの電流−電圧特性を測定した。
その結果、短絡電流密度は、21.8mA/cmであり、開放電圧は、0.520Vであり、曲線因子は、0.715であり、変換効率は、8.11%であった。
(比較例1)
実施例1において、水素プラズマ処理によって光電変換層31’,32”〜3n”の端部を水素終端しなかったこと以外は、実施例1と同様にして集積型光電変換装置を作製した。そして、その作製した集積型光電変換装置について、AM1.5、照射強度100mW/cmの条件下において1cmの面積を有するセルの電流−電圧特性を測定した。
その結果、短絡電流密度は、21.8mA/cmであり、開放電圧は、0.510Vであり、曲線因子は、0.703であり、変換効率は、7.81%であった。
実施例1と比較例1との比較によれば、素子分割溝81〜8n−1の形成後に水素プラズマ処理を行った実施例1の方が、主に曲線因子および開放電圧が向上したことによって、高い変換効率が得られた。
素子分割溝81〜8n−1の形成時に、意図的にレーザーの出力を増加させると、変換効率が低下する傾向にあることが経験的に知られており、これは、光電変換層の端面にダメージが及ぶからであると考えられる。即ち、素子分割溝81〜8n−1の形成後には、光電変換層の端面にダメージがあるために、変換効率が低い値に留まっている。具体的には、熱的なレーザーアブレーションによって、これらの領域は、加熱されているため、膜中から水素が放出され、水素濃度が低下している。
そこで、この発明の実施の形態による製造方法のように、素子分割溝81〜8n−1の形成後に、光電変換層31’,32”〜3n”のダメージを受けた部分を水素プラズマ処理によって水素濃度を適正化することにより、変換効率が向上した。従って、この発明の実施の形態による製造方法によれば、素子分割溝81〜8n−1の形成時のダメージを修復して集積型光電変換装置10の変換効率を向上できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、集積型光電変換装置の製造方法に適用される。
1 透光性基板、2,4,20〜2n 透明導電膜、3,5 電極、10 集積型光電変換装置、30〜3n 光電変換層、41〜4n 裏面電極、51〜5n 導電性保護膜、61〜6n−1 素子分離溝、71〜7n−1 接続用分離溝、81〜8n−1 素子分割溝、301,311 p型半導体層、302,312 i型半導体層、303,313 n型半導体層。

Claims (5)

  1. 集積型光電変換装置の製造方法であって、
    透光性基板上に形成された透明導電膜にレーザービームを照射して前記透明導電膜に素子分離溝を形成する第1の工程と、
    前記素子分離溝および前記第1の透明導電膜上に光電変換層を形成する第2の工程と、
    レーザービームを照射して前記光電変換層に接続用分離溝を形成する第3の工程と、
    前記接続用分離溝および前記光電変換層上に裏面電極および導電性保護膜を順次形成する第4の工程と、
    レーザービームを照射して前記光電変換層、前記裏面電極および前記導電性保護膜に素子分割溝を形成する第5の工程と、
    前記素子分割溝を介して、前記光電変換層、前記裏面電極および前記導電性保護膜の端面側の一部を水素原子を含むガスを用いた水素プラズマ処理する第6の工程とを備える集積型光電変換装置の製造方法。
  2. 前記水素原子を含むガスは、少なくともHを含む、請求項1に記載の集積型光電変換装置の製造方法。
  3. 前記水素原子を含むガスは、少なくともCHを含む、請求項1に記載の集積型光電変換装置の製造方法。
  4. 前記水素原子を含むガスは、少なくともCを含む、請求項1に記載の集積型光電変換装置の製造方法。
  5. 前記水素プラズマ処理を行うときの圧力は、1Pa以上100Pa以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の集積型光電変換装置の製造方法。
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