JP2014057664A - 医用画像処理装置、x線診断装置及び医用画像処理プログラム - Google Patents

医用画像処理装置、x線診断装置及び医用画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】2つの撮影系を用いて互いに異なる方向から撮影された複数のX線画像を、より効果的に比較することが可能な医用画像処理装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、X線画像取得部と表示倍率変更部とを備える。X線画像取得部は、2つの撮影系に対応する少なくとも2フレームの被検体のX線画像データを取得する。表示倍率変更部は、前記2つの撮影系に備えられる2つのX線管の焦点から前記被検体に対して設定された基準面までの各距離及び前記2つのX線管の焦点から前記2つの撮影系に備えられる2つのX線検出器の検出面までの各距離に基づいて、前記2フレームのX線画像データの表示倍率が指定された倍率となるように前記2フレームのX線画像データの少なくとも一方の表示倍率を自動的に変更することによって表示用の2フレームのX線画像データを生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、医用画像処理装置、X線診断装置及び医用画像処理プログラムに関する。
X線診断装置には、2つの撮影系を備えたバイプレーン(biplane)装置がある。例えば、床に据え置き式の撮影系と、天井から吊り下げられた走行式の撮影系とを備えたバイプレーン型のX線診断装置では、2つの焦点からのX線透視画像の撮影や三次元(3D: three dimensional)画像の撮影など、特殊な撮影を行うことができる。バイプレーン型のX線診断装置の特長の1つとして、正面(F: Frontal)側と側面(L: Lateral)側からそれぞれ撮影を行うと、F側に対応するX線透視画像とL側に対応するX線透視画像とを同時に収集して比較できるようになるという点が挙げられる。
特開2011−110336号公報 特開平10−71140号公報
本発明は、2つの撮影系を用いて互いに異なる方向から撮影された複数のX線画像を、より効果的に比較することが可能な医用画像処理装置、X線診断装置及び医用画像処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る医用画像処理装置は、X線画像取得部と表示倍率変更部とを備える。X線画像取得部は、2つの撮影系に対応する少なくとも2フレームの被検体のX線画像データを取得する。表示倍率変更部は、前記2つの撮影系に備えられる2つのX線管の焦点から前記被検体に対して設定された基準面までの各距離及び前記2つのX線管の焦点から前記2つの撮影系に備えられる2つのX線検出器の検出面までの各距離に基づいて、前記2フレームのX線画像データの表示倍率が指定された倍率となるように前記2フレームのX線画像データの少なくとも一方の表示倍率を自動的に変更することによって表示用の2フレームのX線画像データを生成する。
また、本発明の実施形態に係る医用画像処理装置は、X線画像取得部と表示倍率変更部とを備える。X線画像取得部は、被検体の時系列の複数フレームのX線画像データを取得する。表示倍率変更部は、前記複数フレームのX線画像データの収集に用いられた撮影系の干渉回避のための自動退避移動によって前記複数フレームのX線画像データの表示倍率が変化した場合に、前記自動退避移動後に対応するX線画像データの表示倍率を、前記自動退避移動以前に対応するX線画像データの表示倍率に自動的に変更することによって表示用の複数フレームのX線画像データを生成する。
また、本発明の実施形態に係るX線診断装置は、前記医用画像処理装置、前記2つの撮影系及びX線画像生成系を備える。前記2つの撮影系は、前記2つのX線管から前記被検体にX線を照射することによって前記2つのX線検出器により互いに異なる2つの方向に対応するX線検出データを検出する。X線画像生成系は、前記X線検出データに基づいて前記異なる2つの方向に対応する前記2フレームのX線画像データを生成し、生成した前記2フレームのX線画像データを前記医用画像処理装置に与える。
また、本発明の実施形態に係る医用画像処理プログラムは、コンピュータを、X線画像取得部及び表示倍率変更部として機能させる。X線画像取得部は、2つの撮影系に対応する少なくとも2フレームの被検体のX線画像データを取得する。表示倍率変更部は、前記2つの撮影系に備えられる2つのX線管の焦点から前記被検体に対して設定された基準面までの各距離及び前記2つのX線管の焦点から前記2つの撮影系に備えられる2つのX線検出器の検出面までの各距離に基づいて、前記2フレームのX線画像データの表示倍率が指定された倍率となるように前記2フレームのX線画像データの少なくとも一方の表示倍率を自動的に変更することによって表示用の2フレームのX線画像データを生成する。
本発明の実施形態に係る医用画像処理装置を内蔵したX線診断装置の構成を示す機能ブロック図。 図1に示すバイプレーン型のX線診断装置において撮影されたF側のX線画像とL側のX線画像とを同じ倍率で表示装置に表示させる例を示す図。 図1に示す撮影系の撮影視野外に対応する領域を識別表示させた例を示す図。 図1に示す撮影系の自動退避前後におけるX線画像の表示倍率を一定にする例を示す図。 図1に示す医用画像処理装置を内蔵したX線診断装置によりX線撮影を行い、F側とL側のX線画像の表示倍率を揃える場合の流れを示すフローチャート。 図1に示す医用画像処理装置を内蔵したX線診断装置によりX線撮影を行い、撮影系が干渉回避のために自動退避した場合においてX線画像の表示倍率を固定する場合の流れを示すフローチャート。
本発明の実施形態に係る医用画像処理装置、X線診断装置及び医用画像処理プログラムについて添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る医用画像処理装置を内蔵したX線診断装置の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すX線診断装置1は、循環器用のバイプレーン型装置である。従って、X線診断装置1は、寝台2、2つの撮影系3A,3B、制御系4、X線画像生成系5、医用画像処理装置6、表示装置7及び入力装置8を備えている。
各撮影系3A,3Bは、それぞれ寝台2を挟んで対向する1対のX線管9A,9B及びX線検出器10A,10BをC型アーム11A,11Bの両端に設けて構成される。典型的な循環器用のバイプレーン型装置では、床への据え置き式の第1の撮影系3Aと、天井から吊り下げられる走行式の第2の撮影系3Bとが備えられる。そして、2つのX線管9A,9Bから寝台2にセットされた被検体OにX線を照射することによって2つのX線検出器10A,10Bにより互いに異なる2つの方向に対応するX線検出データを検出することができる。
具体的には、床への据え置き式の第1の撮影系3Aにより被検体OのF側に対応するX線検出データを収集することができる。一方、天井から吊り下げられる走行式の第2の撮影系3Bにより被検体OのL側に対応するX線検出データを収集することができる。
X線検出データを収集するためのX線検出器10A,10Bとしては、イメージインテンシファイア(I.I.: image intensifier)や平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)を用いることができる。I.I.がX線検出器10A,10Bとして用いられる場合には、I.I.の出力側にTV(television)カメラが設けられる。そして、TVカメラの撮影によってアナログのX線画像データを取得することができる。
制御系4は、第1及び第2の撮影系3A,3Bに対応する第1及び第2のアーム駆動装置12A,12B、第1及び第2の高電圧発生装置13A,13B並びに第1及び第2の制御装置14A,14Bを有する。
各アーム駆動装置12A,12Bは、それぞれ対応する制御装置14A,14Bによる制御下においてC型アーム11A,11Bを駆動させるための装置である。各アーム駆動装置12A,12BによってC型アーム11A,11Bとともに各撮影系3A,3Bを右前斜位(RAO: right anterior oblique)方向及び左前斜位(LAO: left anterior oblique)方向に回転移動させたり、頭部(CRA: cranial)方向及び尾部(CAU: caudal)方向に平行移動させることができる。
各高電圧発生装置13A,13Bは、それぞれ対応する撮影系3A,3BのX線管9A,9Bに高電圧を印加することによって、所望のエネルギを有するX線を被検体Oに向けて照射させる装置である。
各制御装置14A,14Bは、それぞれ入力装置8から入力された撮影条件に従って対応するアーム駆動装置12A,12B及び高電圧発生装置13A,13Bを制御する機能を有している。加えて、各制御装置14A,14Bには、それぞれ対応する撮影系3A,3Bの干渉回避のために、アーム駆動装置12A,12Bを制御することによって撮影系3A,3Bを自動退避させる機能を設けることができる。これにより、被検体Oや寝台2に対する撮影系3A,3Bの干渉を未然に回避することが可能となる。
尚、典型的には、撮影系3A,3Bの構成要素であるX線検出器10A,10Bの干渉を回避するための自動退避機能が各制御装置14A,14Bに備えられる。但し、必要に応じてX線管9A,9BやC型アーム11A,11B等の構成要素の干渉も考慮して撮影系3A,3Bの自動退避機能を各制御装置14A,14Bに設けるようにしてもよい。
撮影系3A,3Bの干渉を未然に検知して回避する方法としては、撮影系3A,3Bを構成するX線管9A,9B、C型アーム11A,11B又はX線検出器10A,10Bがそれぞれ進入した場合に自動退避移動させるべき各領域を入力装置8から各制御装置14A,14Bに予めインプットしておく方法が挙げられる。この場合、各制御装置14A,14Bは、X線管9A,9B、C型アーム11A,11B又はX線検出器10A,10Bが、指定された領域に進入した場合に、アーム駆動装置12A,12Bを制御することによってX線管9A,9B、C型アーム11A,11B及びX線検出器10A,10Bを退避位置に移動させることとなる。
また、撮影系3A,3Bの干渉を未然に検知して回避する別の方法として、撮影系3A,3Bに干渉を検知するためのタッチセンサを取付ける方法が挙げられる。特に、I.I.がX線検出器10A,10Bとして用いられる場合には、I.I.にタッチセンサが取り付けられる場合が多い。
この場合、撮影系3A,3Bの任意の部分に取り付けられたタッチセンサに患者や寝台2等の障害物が衝突すると、タッチセンサからの出力信号が撮影系3A,3Bに対応する制御装置14A,14Bに出力される。そうすると、制御装置14A,14Bがアーム駆動装置12A,12Bを制御することによって撮影系3A,3BのX線管9A,9B、C型アーム11A,11B及びX線検出器10A,10Bを退避位置に移動させることとなる。
このように任意の撮影系3A,3Bの退避条件を予め設定しておくことができる。そして、2つの撮影系3A,3Bの少なくとも一方が退避条件に合致した場合には、制御装置14A,14Bによるアーム駆動装置12A,12Bの制御によって退避条件に合致した撮影系3A,3Bを退避位置に自動的に移動させることができる。
撮影系3A,3Bが自動退避した場合には、入力装置8から制御装置14A,14Bに指示情報を入力することによって撮影系3A,3Bを退避位置から退避条件とならない撮影位置に復帰させることができる。その場合、C型アーム11A,11Bの逆回転動作等によって、自動退避条件となった位置におけるX線管9A,9B及びX線検出器10A,10Bと等価な位置から干渉を回避しつつ撮影を再開できる場合がある。そこで、制御装置14A,14Bには、撮影系3A,3Bが自動退避した場合に、自動退避条件に合致した位置と被検体Oに関して相対的に等価な位置であり、かつ退避条件とならない位置に撮影系3A,3Bを移動させる機能が設けられる。
但し、C型アーム11A,11Bの逆回転動作等によっても依然として干渉回避のために、撮影系3A,3Bを退避条件に合致した元の位置と等価な位置に移動できない場合もある。そこで、制御装置14A,14Bには、撮影系3A,3Bを元の位置と等価な位置に移動できない場合には、自動退避直前における位置や自動退避直前から一定時間前の位置など、自動退避前における所定の位置に撮影系3A,3Bを移動させることができるように構成される。この場合においても、退避条件として指定された領域からより離れた位置に撮影系3A,3Bを移動できる場合には、C型アーム11A,11Bの逆回転動作等によって自動退避前における所定の位置と等価な位置に撮影系3A,3Bを移動させるようにしてもよい。
従って、入力装置8から退避位置に移動した撮影系3A,3Bの復帰指示が入力された場合には、記退避位置に移動した撮影系3A,3Bが退避条件に合致した時点における位置と等価な位置、退避条件に合致した時点よりも前の所定の時点における位置又は退避条件に合致した時点よりも前の時点における位置と等価な位置に自動的に移動することとなる。
X線画像生成系5は、各撮影系3A,3Bにおいて検出されたX線検出データに基づいて異なる2つの方向に対応する少なくとも2フレームの複数フレームのX線画像データを生成する機能と、生成した複数フレームのX線画像データを表示装置7に出力する機能を有する。更に、X線画像生成系5には、生成した複数フレームのX線画像データを医用画像処理装置6に提供する機能が備えられる。
そのために、X線画像生成系5は、A/D(analog to digital)変換器15、画像生成部16、画像記憶装置17及びD/A(digital to analog)変換器18を有する。X線画像生成系5の構成要素のうちデジタル情報を扱う構成要素については、図1に例示されるようにコンピュータにプログラムを読み込ませて構築することができる。
画像生成部16は、X線検出データに基づく公知のデータ処理によってX線画像データを生成する機能を有する。尚、TVカメラの撮影によってアナログのX線画像データが取得される場合には、画像生成部16を省略することができる。
画像記憶装置17には、画像生成部16によって生成されたX線画像データ又はTVカメラにより取得されたX線画像データをA/D変換器15でデジタル化したX線画像データを保存することができる。保存されたX線画像データは、D/A変換器18を通じて表示装置7に表示させることができる。
一方、医用画像処理装置6は、X線画像生成系5において生成された2つの方向に対応する2フレームのX線画像データを互いに容易に比較できるように表示倍率を調整して表示装置7に出力する機能を有する。そのために、医用画像処理装置6は、X線画像取得部6A及び表示倍率変更部6Bを有する。
医用画像処理装置6は、コンピュータをX線画像取得部6A及び表示倍率変更部6Bとして機能させる医用画像処理プログラムをコンピュータに読み込ませることによって構築することができる。医用画像処理プログラムは、汎用コンピュータを医用画像処理装置6として利用できるように情報記録媒体に記録してプログラムプロダクトとして流通させることもできる。もちろん、情報記録媒体を介さずにネットワーク経由で医用画像処理プログラムをコンピュータにダウンロードすることもできる。但し、医用画像処理装置6を構成するために回路を用いてもよい。
医用画像処理装置6は、X線診断装置1に内蔵することができる。例えば、医用画像処理装置6として機能するマイクロチップ等のコンピュータをX線画像生成系5に接続することができる。但し、X線画像生成系5を構成するコンピュータと医用画像処理装置6を構成するためのコンピュータとを共通にすることもできる。一方、医用画像処理装置6をX線診断装置1から独立した装置として構成し、ネットワークを介してX線診断装置1と接続するようにしてもよい。
医用画像処理装置6のX線画像取得部6Aは、画像記憶装置17から2つの撮影系3A,3Bに対応する少なくとも2フレームの被検体OのX線画像データを取得する機能と、取得した2フレームのX線画像データを表示倍率変更部6Bに与える機能とを有する。
尚、2つの撮影系3A,3Bの移動中に複数フレームのX線画像データが収集された場合には、2つの撮影系3A,3Bに対応する複数フレームのX線画像データを2つの撮影に対応する動画データとして取得することができる。ライブ像データとして収集された動画データはリアルタイムにX線画像取得部6Aが画像記憶装置17から取得して順次表示倍率変更部6Bに与えることができる。或いはX線撮影後に事後的にシネ画像データを画像記憶装置17から取得して表示倍率変更部6Bに順次与えることもできる。
表示倍率変更部6Bは、X線画像取得部6Aから与えられた2つの撮影系3A,3Bに対応する2フレームのX線画像データの表示倍率が指定された倍率となるように、2フレームのX線画像データの少なくとも一方の表示倍率を自動的に変更することによって表示用の2フレームのX線画像データを生成する機能を有する。また、表示倍率変更部6Bは、生成した表示用の2フレームのX線画像データをD/A変換器18を通じて表示装置7に表示させる機能を有する。
表示倍率の変更処理は、第1及び第2の撮影系3A,3Bと被検体Oとの間における空間的な位置関係に基づいて幾何学的に行うことができる。具体的には、2つの撮影系3A,3Bに備えられる2つのX線管9A,9Bの焦点から被検体Oに対して設定された基準面までの各距離及び2つのX線管9A,9Bの焦点から2つのX線検出器10A,10Bの検出面までの各距離に基づいて表示倍率を指定された倍率とする変更処理を行うことができる。
X線管9A,9Bの焦点とX線検出器10A,10Bの検出面との間における距離は、SID(source image distance)と呼ばれる。一方、X線管9A,9Bの焦点と被検体Oに対して設定された基準面との間における距離は、SOD (source object distance)と呼ばれる。一般的には、心臓等の着目する撮像部位の位置を代表する面がSODの基準面とされる。従って、SODは、X線管9A,9Bの焦点と撮像部位との間における距離と言うこともできる。
SID及びSODで表現すると、F側の第1のX線管9Aの焦点からF側の第1のX線検出器10Aの検出面までのSID(F)、L側の第2のX線管9Bの焦点からL側の第2のX線検出器10Bの検出面までのSID(L)、F側の第1のX線管9Aの焦点から被検体Oの基準面までのSOD(F)及びL側の第2のX線管9Bの焦点から被検体Oの基準面までのSOD(L)の4つの距離に基づいて幾何学的にX線画像データの表示倍率の変更処理を実行することができる。
2フレームのX線画像データの表示倍率の変更方法としては、2フレームのX線画像データの一方の第1のフレームのX線画像データの表示倍率が他方の第2のフレームのX線画像データの表示倍率となるように、第1のフレームのX線画像データの表示倍率を変更する方法が実用的である。
図2は、図1に示すバイプレーン型のX線診断装置1において撮影されたF側のX線画像とL側のX線画像とを同じ倍率で表示装置7に表示させる例を示す図である。
図2(A)は、表示倍率の変更処理前におけるF側のX線画像とL側のX線画像を表示装置7に並列表示させた例を示す。図2(A)に示すように、F側のX線画像とL側のX線画像をそのまま表示させると異なるスケールで撮像部位が描出される。
そこで、F側のX線画像及びL側のX線画像のいずれかの表示倍率を変更後の表示倍率として決定し、他方を決定された表示倍率に拡大又は縮小して表示させることができる。これにより図2(B)に示すように、撮像部位が同等な表示倍率で描出されたF側のX線画像とL側のX線画像を並列表示させることができる。尚、図2(B)は、L側のX線画像の表示倍率をF側のX線画像の表示倍率に合わせて大きくした例を示している。
ここで、表示倍率の具体的な変更方法について説明する。
表示倍率の変更処理のために参照されるSIDは撮影条件であるため、X線画像データの付帯情報として取得することができる。一方、SODは、被検体O毎に異なる。但し、X線画像の中心に撮像部位が描出されている場合には、そのX線画像を撮影した撮影系3A,3Bの回転軸上に撮像部位が存在すると考えることができる。
そこで、図1に示すように第2の撮影系3Bの回転軸を含み、かつ第1の撮影系3Aの回転軸に垂直な平面を、第1の撮影系3AのSOD(F)を決定するための被検体Oに対して設定された基準面とすることができる。同様に、第1の撮影系3Aの回転軸を含み、かつ第2の撮影系3Bの回転軸に垂直な平面を、第2の撮影系3BのSOD(L)を決定するための被検体Oに対して設定された基準面とすることができる。つまり、2つの撮影系3A,3Bの相対的な位置関係に基づいて、各SODを算出することができる。
別の方法として、寝台2と各X線管9A,9Bとの相対的な位置関係が各撮影系3A,3Bの制御情報としてそれぞれ既知であることから、各X線管9A,9Bの焦点と寝台2の中心を通る各平面までの距離をそれぞれSODとして定義することができる。つまり、2つの撮影系3A,3Bと被検体Oがセットされた寝台2との間における相対的な位置関係に基づいて、各SODを算出することができる。
更に別の方法として、被検体O内における撮像部位の空間位置情報を予め取得しておき、取得した撮像部位の空間位置情報に基づいてSODを求める方法が挙げられる。撮像部位の空間位置情報は、X線診断装置1又はX線CT (computed tomography)装置等の他の画像診断装置によって収集された医用画像データに対する画像解析処理によって取得することができる。尚、撮像部位の空間位置情報自体の取得は、画像診断装置にネットワークを介して接続されたワークステーション等の装置における画像処理によって行うこともできる。
そして、被検体Oに固定された座標系で被検体Oの背面から撮像部位までの3軸方向の距離が求められれば、寝台2から撮像部位までの距離を算出することができる。被検体Oの撮像部位の空間位置情報は、入力装置8又はネットワークを介して他の医用機器から表示倍率変更部6Bに入力することができる。
そうすると、表示倍率変更部6Bは、被検体Oの撮像部位の空間位置情報及び被検体Oがセットされた寝台2の空間位置情報に基づいて、寝台2から撮像部位までの距離とともに2方向の各SODを算出することができる。尚、寝台2がX線の照射方向に対して傾斜している場合には、制御情報として既知の撮影系3A,3Bの傾斜角度に基づく座標変換処理を行うようにすればよい。
第1の撮影系3Aに対応するSID(F)及びSOD(F)が求められると、SOD(F)に対するSID(F)の比SID(F)/SOD(F)として、F側のX線画像に描出された撮像部位の実際のサイズに対する表示倍率を求めることができる。同様に、第2の撮影系3Bに対応するSID(L)及びSOD(L)が求められると、SOD(L)に対するSID(L)の比SID(L)/SOD(L)として、L側のX線画像に描出された撮像部位の実際のサイズに対する表示倍率を求めることができる。
そして、F側のX線画像に描出された撮像部位の表示倍率がL側のX線画像に描出された撮像部位の表示倍率と異なる場合には、一方又は双方の表示倍率を変える処理によって、両者の表示倍率を同等にすることができる。すなわち、F側のX線画像データ及びL側のX線画像データの一方又は双方に、表示倍率を変えるためのスケーリング係数を乗じることによって表示倍率が同等な表示用のF側のX線画像データ及びL側のX線画像データを生成することができる。具体的には、F側のX線画像データ及びL側のX線画像データの一方又は双方がスケーリング係数によって拡大又は縮小されることとなる。
表示倍率の調整は、静止画に限らずライブ画像やシネ画像等の動画に対しても同様に行うことができる。その場合には、表示倍率変更部6Bに第1の撮影系3A及び第2の撮影系3Bに対応する2フレームのX線画像データの時系列のペアがX線画像取得部6Aから順次与えられる。そして、表示倍率変更部6Bでは、リアルタイムに表示倍率の変更処理が実行される。
但し、各撮影系3A,3Bの平行移動又は回転移動に伴ってX線画像データの表示領域のサイズよりも撮影系3A,3Bの撮影視野内に対応する領域のサイズの方が小さくなる可能性がある。特に、撮影系3A,3BのC型アーム11A,11Bが干渉を回避するために設定された領域に進入した場合や、I.I.等のX線検出器10A,10Bに取り付けられたタッチセンサが作動した場合のように、干渉回避のための自動退避条件が検出された場合には、撮影系3A,3Bが瞬時に退避位置に移動する。この結果、自動退避した撮影系3A,3Bの撮影視野は、不連続かつ極端に変化する。
そこで、表示倍率変更部6Bは、2つの撮影系3A,3Bの少なくとも一方の撮影系3A,3Bの撮影視野内に対応する領域のサイズが、表示用のX線画像データの表示領域のサイズよりも小さくなった場合には、一方の撮影系3A,3Bの撮影視野内に対応する領域と撮影視野外に対応する領域とを識別できるように表示用の2フレームのX線画像データを生成するように構成される。
図3は、図1に示す撮影系3A,3Bの撮影視野外に対応する領域を識別表示させた例を示す図である。
図3(A)は、表示倍率の変更後における第1の撮影系3Aの撮影視野内に対応する領域のサイズ及び第2の撮影系3Bの撮影視野内に対応する領域のサイズがいずれも表示用のX線画像データの表示領域のサイズ以上である場合を示している。すなわち、図3(A)は、L側とF側の表示倍率を同一にしても撮影視野が確保できる場合の例を示している。一方、図3(B)は、L側の表示倍率をF側の表示倍率に合わせて変更した結果、L側の撮影視野が確保できなくなった場合の例を示している。
従って、図3の(A), (B)間では、第1の撮影系3及び第2の撮影系3Bの各位置が互いに異なる。このため、図示された例では、(A), (B)間で互いに異なる位置から撮影された撮像部位が描出されている。
図3(A)及び(B)に示すようにX線画像の表示倍率を変えると、撮影系3A,3Bの撮影視野内に対応する画像の表示サイズが表示装置7上の表示領域のサイズよりも小さくなる可能性がある。その場合、X線の照射範囲外の領域については、画像として表示させることができない。
そこで、図3(B)に示すように、X線の照射範囲外となっている撮影視野外の領域を識別表示させることができる。具体例として、撮影視野外の領域を背景色と異なるカラーで着色表示させたり、撮影視野外の領域にテクスチャを付与することができる。この結果、X線がSpot照射された場合に得られるX線画像のように縁取りされたX線画像を自動表示させることができる。
尚、F側及びL側の静止画像を並列表示させる場合においても、同様な撮影視野内外の識別表示を行うことができる。すなわち、F側及びL側の2フレームの静止画像データ間における表示倍率の調整の結果、少なくとも一方の撮影系3A,3Bの撮影視野に対応する画像の表示サイズが画面上の表示領域のサイズよりも小さくなった場合には、図3(B)に示すように撮影視野外に対応する領域を、着色表示等によって識別表示させることができる。
表示倍率の自動調整は、異なる撮影系3A,3Bに対応する2フレームのX線画像データ間に限らず、単一の撮影系3A,3Bに対応する時系列の複数フレームのX線画像データ間においても行うことができる。具体例として、撮影系3A,3Bの自動退避に伴う表示倍率の不連続な変化が回避されるように、表示倍率の自動変更処理を表示倍率変更部6Bにおいて実行することができる。
図4は、図1に示す撮影系3A,3Bの自動退避前後におけるX線画像の表示倍率を一定にする例を示す図である。
図4(A)は、第1又は第2の着目する撮影系3A,3Bが自動退避位置にない場合において撮影されたX線画像を示す。この場合、撮影部位の表示サイズが適切となるように撮影系3A,3Bの位置及び表示倍率を決定することができる。このため、X線画像には、適切なサイズで撮像部位が描出される。
ライブ像データやシネ画像データのように、被検体Oの時系列の複数フレームのX線画像データがX線画像取得部6Aにおいて取得される場合には、複数フレームのX線画像データの収集に用いられた撮影系3A,3Bが撮影中に移動し得る。そして、万一、撮影中において撮影系3A,3Bが干渉回避のために自動退避移動すると、X線の照射範囲とともに撮影視野が極端に変化する。この場合、X線画像取得部6Aにおいて取得されるX線画像データの倍率も極端に変化することとなる。従って、動画データを表示させる場合には、表示装置7に表示される撮像部位の表示倍率が極端に変化する恐れがある。
そこで、撮影系3A,3Bの干渉回避のための自動退避移動によって複数フレームのX線画像データの表示倍率が変化した場合には、表示倍率変更部6Bにおいて自動退避移動後に対応するX線画像データの表示倍率を、自動退避移動以前に対応するX線画像データの表示倍率に自動的に変更することによって表示用の複数フレームのX線画像データを生成することができる。これにより、撮像部位の表示倍率を維持することができる。
撮影系3A,3Bが自動退避した場合に、自動退避以前の元のX線画像データとしては、複数フレームのX線画像データが存在する。そこで、撮影系3A,3Bが自動退避した場合に表示倍率を合わせるべき自動退避以前の任意のX線画像データを決定しておくことができる。
例えば、自動退避後のX線画像データの表示倍率を自動退避直前又は自動退避の条件に合致した時点におけるX線画像データの表示倍率に変更することができる。或いは、自動退避直前におけるフレームよりも一定フレーム数前又は一定時間前に撮影されたX線画像データの表示倍率に、自動退避後の表示倍率を変更することもできる。
また、入力装置8の操作によって撮影系3A,3Bの復帰指示が制御装置14A,14Bに入力された場合には、撮影系3A,3Bの移動と連動してX線画像データの表示倍率を調整することができる。具体的には、C型アーム11A,11Bの逆回転動作等によって、自動退避条件に合致した位置と等価な位置に撮影系3A,3Bが復帰する場合には、表示倍率についても自動退避条件に合致した時点における表示倍率に復帰させることができる。
この場合、撮影系3A,3Bの自動退避時において表示倍率にスケーリング係数が乗じられていた場合には、表示倍率変更部6Bが自動退避時におけるスケーリング係数を再び表示倍率に乗じることによって自動退避時における表示倍率に復帰させることができる。一方、撮影系3A,3Bの自動退避時において表示倍率の変更処理が実行されていなかった場合には、表示倍率変更部6Bの処理に依らず撮影系3A,3Bの位置の復帰によって表示倍率も復帰することとなる。
一方、C型アーム11A,11Bの逆回転動作等によっても自動退避条件に合致した位置と等価な位置に撮影系3A,3Bを復帰させることができない場合には、制御装置14A,14Bによる制御によって自動退避前における所定の位置に撮影系3A,3Bを自動的に移動させることができる。その場合においても、復帰後における撮影系3A,3Bの位置に対応する自動退避前の表示倍率を自動退避後の表示用に適用することができる。すなわち、自動退避時における撮影系3A,3Bの位置及びX線画像の表示倍率に近い撮影系3A,3Bの位置及びX線画像の表示倍率に自動復帰させてX線撮影を再開することができる。これにより、撮影系3A,3Bの自動退避前後において、撮像部位の表示倍率を固定して表示装置7に表示させることが可能となる。
このような表示倍率変更部6Bにおける表示倍率の自動変更機能及び撮影視野外の識別表示機能は、電子キー等のGUI (Graphical User Interface)を通じた入力装置8の操作や入力装置8として設けられたハードキーの操作によってON/OFFの切換えが可能である。尚、撮影系3A,3Bが自動退避した場合に表示倍率を自動退避以前の表示倍率とする自動変更機能については、撮影系3A,3Bが自動退避してから撮影位置に復帰するまでの間にのみ動作するように設定することができる。
次に医用画像処理装置6及びX線診断装置1の動作および作用について説明する。
図5は、図1に示す医用画像処理装置6を内蔵したX線診断装置1によりX線撮影を行い、F側とL側のX線画像の表示倍率を揃える場合の流れを示すフローチャートである。
まずステップS1において、撮影条件及び画像表示条件が設定される。具体的には、入力装置8からF側及びL側の各撮影系3A,3Bの位置決め情報が各制御装置14A,14Bに入力される。そうすると、各制御装置14A,14Bの制御下において各アーム駆動装置12A,12Bが各撮影系3A,3Bの位置決め情報に従ってC型アーム11A,11Bを駆動させる。これにより、F側及びL側の各撮影系3A,3Bが寝台2にセットされた被検体Oを撮影できる所定の位置に位置決めされる。
加えて、静止画を撮影するか動画を撮影するかといった撮影条件の他、X線の強度や絞りの開度等の他の撮影条件が入力装置8の操作によって決定される。静止画の撮影の場合には、各撮影系3A,3Bによってそれぞれ1フレームのX線画像が撮影されることとなる。また、動画の撮影の場合には、各撮影系3A,3Bによってそれぞれ複数フレームのX線画像が撮影されることとなる。
一方、入力装置8から医用画像処理装置6の表示倍率変更部6Bに、F側のX線画像とL側のX線画像とを所定の表示倍率に変更して表示させるか否かの画像表示条件が入力される。実用的な例として、F側のX線画像及びL側のX線画像のいずれかに優先順位を設定し、優先された側のX線画像の表示倍率で他方のX線画像を表示させる表示モードを選択することができる。
次に、ステップS2において、X線画像データが収集される。撮影開始時には、入力装置8の操作によってX線撮影の開始指示が各制御装置14A,14Bに入力される。そうすると、各制御装置14A,14Bの制御下において高電圧発生装置13A,13Bから各撮影系3A,3BのX線管9A,9Bに高電圧が印加される。これにより、各X線管9A,9Bから被検体Oに向けてX線が曝射される。そして、2方向から被検体Oを透過したX線が各X線検出器10A,10Bによって検出される。
各X線検出器10A,10Bによって検出されたX線検出データは、A/D変換器15においてデジタル化された後、画像生成部16に出力される。尚、X線検出器10A,10BがI.I.である場合には、TVカメラで撮影されたX線画像データがA/D変換器15においてデジタル化される。そして、生成されたX線画像データは、対応する撮影系3A,3Bの位置情報等の撮影条件を付帯情報として画像記憶装置17に保存される。
次に、ステップS3において、表示倍率変更部6BにおいてF側とL側のX線画像間において表示倍率を揃える表示モードが画像表示条件として選択されているか否かが判定される。そして、表示倍率を揃えてF側とL側の各X線画像を表示させる表示モードが選択されている場合には、ステップS4において、表示倍率の変更処理が実行される。
具体的には、表示倍率変更部6Bが、X線画像取得部6Aを通じて画像記憶装置17からF側とL側の2フレームのX線画像データを取得する。そして、表示倍率変更部6Bにおいて、各撮影系3A,3Bに対応するSID及びSODに基づいて、撮像部位の表示倍率が同等となるように、X線画像データにスケーリング係数が乗じられる。表示倍率に優先順位が設定されている場合には、優先されたX線画像データの表示倍率となるように、他方のX線画像データにスケーリング係数が乗じられる。
次に、ステップS5において、F側とL側の各X線画像が表示装置7に並列表示される。表示倍率の変更処理が実行された場合には、表示倍率変更部6Bにおいて生成された表示用のX線画像データがD/A変換器18を通じて表示装置7に出力される。この結果、表示装置7には、表示倍率が揃ったF側のX線画像とL側のX線画像とが並列表示される。
一方、表示倍率を揃える表示モードが選択されていない場合には、画像生成部16において生成されたF側及びL側の2フレームのX線画像データが画像記憶装置17及びD/A変換器18を通じて表示装置7に出力される。この結果、表示装置7には、各撮影系3A,3Bと撮影部位との位置関係に応じた表示倍率でF側のX線画像とL側のX線画像とが並列表示される。
そして、ユーザは、X線画像を観察しながら手技等を行うことができる。例えば、Sliding DA (Digital Angiography)撮影の場合であれば、X線画像によって血管の流れを確認しながら、寝台2の天板がスライド移動される。
次に、ステップS6において、X線撮影の終了指示が入力装置8から各制御装置14A,14Bに入力されたか否かが判定される。そして、入力装置8からX線撮影の終了指示が入力されたと判定されるまで、各撮影系3A,3Bの位置決め、X線画像データの収集、表示倍率の変更処理及びX線画像の表示を継続することができる。尚、X線撮影中に入力装置8から表示モードの選択情報を表示倍率変更部6Bに入力することによって、表示モードの変更を行うこともできる。
図6は、図1に示す医用画像処理装置6を内蔵したX線診断装置1によりX線撮影を行い、撮影系3A,3Bが干渉回避のために自動退避した場合においてX線画像の表示倍率を固定する場合の流れを示すフローチャートである。尚、図6において図5に示すステップと同様なステップには同符号を付して詳細な説明を省略する。
まずステップS1において、撮影条件及び画像表示条件が設定される。ここで画像表示条件として、撮影系3A,3Bが干渉回避のために自動退避した場合にX線画像の表示倍率を固定する表示モードの選択情報を入力装置8の操作によって表示倍率変更部6Bに入力することができる。
次に、ステップS2において、X線画像データが収集される。次に、ステップS10において、撮影系3A,3Bの自動退避時にX線画像の表示倍率を固定する表示モードが選択されているか否かが表示倍率変更部6Bにおいて判定される。当該表示モードが選択されている場合には、ステップS11において、表示倍率変更部6Bにより、いずれかの撮影系3A,3Bが退避中であるか否かが判定される。撮影系3A,3Bが退避中であるか否かの判定は、表示倍率変更部6Bが各制御装置14A,14Bから各撮影系3A,3Bの制御情報を取得することにより行うことができる。
いずれかの撮影系3A,3Bが退避中であると判定される場合には、ステップS12において、表示倍率変更部6Bが表示装置7に表示されているX線画像の表示倍率を一定又は同程度とするための表示倍率の変更処理を実行する。
具体的には、退避中にある撮影系3A,3Bに対応するSID及びSODと、退避以前における撮影系3A,3BのSID及びSODとに基づいて、撮影系3A,3Bの退避中に収集されたX線画像の表示倍率を退避以前の表示倍率とするためのX線画像データのスケーリング係数が求められる。そして、退避中の撮影系3A,3Bによって収集されたX線画像データにスケーリング係数が乗じられる。
次に、ステップS13において、スケーリング係数が乗じられることによって表示倍率が維持されたX線画像データがD/A変換器18を通じて表示装置7に出力される。これにより、ユーザは、撮影系3A,3Bの自動退避に関わらず、一定の表示倍率でX線画像を観察することが可能となる。
次に、ステップS14において、退避中の撮影系3A,3Bを元の位置と等価な位置又は元の位置に近い位置に戻す制御が実行される。具体例としてC型アーム11A,11Bの逆回転によって撮影系3A,3Bを元の位置と等価な位置に戻すことが可能であれば、元の位置と等価な位置に撮影系3A,3Bを戻す制御が行われる。一方、自動退避条件に合致した撮影系3A,3Bの位置が撮影系3A,3Bのストローク外であれば、撮影系3A,3Bを元の位置に近いストローク内の所定の位置に移動させる制御が行われる。
撮影系3A,3Bを復帰させる制御は、撮影系3A,3Bが退避位置に到達してから行ってもよい。また、撮影系3A,3Bが自動退避した場合には、自動的に撮影系3A,3Bを撮影位置に復帰させるように制御条件を予め定めておくことができる。或いは、入力装置8の操作によって手動で撮影系3A,3Bを撮影位置に復帰させる制御を行うようにしてもよい。
そして、撮影系3A,3Bが退避中であると判定される間は、表示倍率の変更処理、X線画像の表示及び撮影系3A,3Bの復帰動作が継続される。更に、撮影系3A,3Bが撮影位置に復帰すると、表示倍率変更部6Bにより撮影系3A,3Bが退避中でないと判定される。このため、ステップS5において、表示倍率の変更処理を伴わない通常のX線画像の表示が行われる。これにより、ユーザは、撮影系3A,3Bの自動退避前後において同様な表示倍率で撮像部位を観察することができる。
尚、撮影系3A,3Bの自動退避時にX線画像の表示倍率を固定する表示モードは、任意のタイミングでON/OFFの切換えが可能である。当該表示モードがOFFである場合には、ステップS5において、通常のX線画像の表示が行われる。
つまり以上のような医用画像処理装置6及びX線診断装置1は、2つの撮影系3A,3BでX線撮影を行う場合や撮影系3A,3Bが干渉回避のために自動退避した場合において、時間的又は空間的に異なる条件で収集された複数フレームのX線画像を同等な表示倍率で表示できるようにしたものである。
このため、医用画像処理装置6及びX線診断装置1によれば、F側とL側から撮影された2フレームのX線画像において撮像部位を同等な表示倍率で比較することができる。また、撮影系3A,3Bが干渉回避のために自動退避した場合であっても、撮像部位の表示倍率を維持することができる。
この結果、ユーザによる撮像部位の空間把握を支援し、検査効率の向上を図ることができる。加えて、表示倍率の調整が不要になることで、被検体Oの被曝低減を図ることができる。
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
例えば、撮影系が干渉回避のために自動退避した場合に、X線画像の表示倍率を撮影系の退避前後において一定とする表示倍率の変更機能は、バイプレーン型のX線診断装置に限らず、単一の撮影系を備えたシングルプレーン型のX線診断装置に設けることもできる。
1 X線診断装置
2 寝台
3A,3B 撮影系
4 制御系
5 X線画像生成系
6 医用画像処理装置
6A X線画像取得部
6B 表示倍率変更部
7 表示装置
8 入力装置
9A,9B X線管
10A,10B X線検出器
11A,11B C型アーム
12A,12B アーム駆動装置
13A,13B 高電圧発生装置
14A,14B 制御装置
15 A/D変換器
16 画像生成部
17 画像記憶装置
18 D/A変換器
O 被検体

Claims (11)

  1. 2つの撮影系に対応する少なくとも2フレームの被検体のX線画像データを取得するX線画像取得部と、
    前記2つの撮影系に備えられる2つのX線管の焦点から前記被検体に対して設定された基準面までの各距離及び前記2つのX線管の焦点から前記2つの撮影系に備えられる2つのX線検出器の検出面までの各距離に基づいて、前記2フレームのX線画像データの表示倍率が指定された倍率となるように前記2フレームのX線画像データの少なくとも一方の表示倍率を自動的に変更することによって表示用の2フレームのX線画像データを生成する表示倍率変更部と、
    を備える医用画像処理装置。
  2. 前記表示倍率変更部は、前記2つの撮影系の少なくとも一方の撮影系の撮影視野内に対応する領域と撮影視野外に対応する領域とを識別できるように前記表示用の2フレームのX線画像データを生成するように構成される請求項1記載の医用画像処理装置。
  3. 前記X線画像取得部は、前記2つの撮影系の移動中に収集された前記2つの撮影系に対応する複数フレームのX線画像データを前記2つの撮影に対応する動画データとして取得するように構成され、
    前記表示倍率変更部は、前記2つの撮影系の少なくとも一方の撮影系の撮影視野内に対応する領域のサイズが前記表示用のX線画像データの表示領域のサイズよりも小さくなった場合には、前記一方の撮影系の撮影視野内に対応する領域と撮影視野外に対応する領域とを識別できるように前記表示用の2フレームのX線画像データを生成するように構成される請求項1記載の医用画像処理装置。
  4. 前記表示倍率変更部は、前記2つの撮影系の相対的な位置関係に基づいて、前記X線管の焦点から前記被検体に対して設定された前記基準面までの前記各距離を算出するように構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記表示倍率変更部は、前記2つの撮影系と前記被検体がセットされた寝台との間における相対的な位置関係に基づいて、前記X線管の焦点から前記被検体に対して設定された前記基準面までの前記各距離を算出するように構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記表示倍率変更部は、前記被検体の撮像部位の空間位置情報及び前記被検体がセットされた寝台の空間位置情報に基づいて、前記X線管の焦点から前記被検体に対して設定された前記基準面までの前記各距離を算出するように構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記表示倍率変更部は、前記2フレームのX線画像データの一方の第1のフレームのX線画像データの表示倍率が他方の第2のフレームのX線画像データの表示倍率となるように、前記第1のフレームのX線画像データの表示倍率を自動的に変更するように構成される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  8. 被検体の時系列の複数フレームのX線画像データを取得するX線画像取得部と、
    前記複数フレームのX線画像データの収集に用いられた撮影系の干渉回避のための自動退避移動によって前記複数フレームのX線画像データの表示倍率が変化した場合に、前記自動退避移動後に対応するX線画像データの表示倍率を、前記自動退避移動以前に対応するX線画像データの表示倍率に自動的に変更することによって表示用の複数フレームのX線画像データを生成する表示倍率変更部と、
    を備える医用画像処理装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の医用画像処理装置と、
    前記2つのX線管から前記被検体にX線を照射することによって前記2つのX線検出器により互いに異なる2つの方向に対応するX線検出データを検出する前記2つの撮影系と、
    前記X線検出データに基づいて前記異なる2つの方向に対応する前記2フレームのX線画像データを生成し、生成した前記2フレームのX線画像データを前記医用画像処理装置に与えるX線画像生成系と、
    を備えるX線診断装置。
  10. 前記2つの撮影系の少なくとも一方が退避条件に合致した場合には前記退避条件に合致した撮影系を退避位置に移動させ、入力装置から前記退避位置に移動した撮影系の復帰指示が入力された場合には前記退避位置に移動した撮影系を前記退避条件に合致した時点における位置と前記被検体に関して相対的に等価な位置、前記退避条件に合致した時点よりも前の所定の時点における位置又は前記退避条件に合致した時点よりも前の時点における位置と前記被検体に関して相対的に等価な位置に自動的に移動させる制御系を更に備える請求項9記載のX線診断装置。
  11. コンピュータを、
    2つの撮影系に対応する少なくとも2フレームの被検体のX線画像データを取得するX線画像取得部、及び
    前記2つの撮影系に備えられる2つのX線管の焦点から前記被検体に対して設定された基準面までの各距離及び前記2つのX線管の焦点から前記2つの撮影系に備えられる2つのX線検出器の検出面までの各距離に基づいて、前記2フレームのX線画像データの表示倍率が指定された倍率となるように前記2フレームのX線画像データの少なくとも一方の表示倍率を自動的に変更することによって表示用の2フレームのX線画像データを生成する表示倍率変更部、
    として機能させる医用画像処理プログラム。
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