JP2014057241A - 半導体スイッチ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチ素子にパルス状に流れる電流のピーク電流値を抑制する。
【解決手段】ソース端子が電圧降下用素子13を介して電圧入力端子4Hに接続されると共に、ドレイン端子が出力端子6に接続された電圧制御型の第1スイッチ素子11と、第1制御入力端子7Hへの第1制御データDHの入力に基づいて電圧入力端子4Hの電位を基準とした一定電圧値の第1駆動電圧Vaを生成して第1スイッチ素子11のゲート端子に出力する第1駆動回路3Hと、ソース端子が電圧降下用素子14を介して電圧入力端子4Lに接続されると共に、ドレイン端子が出力端子6に接続された電圧制御型の第2スイッチ素子12と、第2制御入力端子7Lへの第2制御データDLの入力に基づいて電圧入力端子4Lの電位を基準とした一定電圧値の第2駆動電圧Vbを生成して第2スイッチ素子12のゲート端子に出力する第2駆動回路3Lとを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】ソース端子が電圧降下用素子13を介して電圧入力端子4Hに接続されると共に、ドレイン端子が出力端子6に接続された電圧制御型の第1スイッチ素子11と、第1制御入力端子7Hへの第1制御データDHの入力に基づいて電圧入力端子4Hの電位を基準とした一定電圧値の第1駆動電圧Vaを生成して第1スイッチ素子11のゲート端子に出力する第1駆動回路3Hと、ソース端子が電圧降下用素子14を介して電圧入力端子4Lに接続されると共に、ドレイン端子が出力端子6に接続された電圧制御型の第2スイッチ素子12と、第2制御入力端子7Lへの第2制御データDLの入力に基づいて電圧入力端子4Lの電位を基準とした一定電圧値の第2駆動電圧Vbを生成して第2スイッチ素子12のゲート端子に出力する第2駆動回路3Lとを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、電圧制御型のスイッチ素子(半導体スイッチ素子)を備えている半導体スイッチ回路に関するものである。
この種の半導体スイッチ回路として、下記特許文献1に開示された半導体スイッチ回路(半導体回路)が知られている。この半導体スイッチ回路は、高圧電圧端子と出力端子との間に接続されたハイサイドスイッチ用のパワー半導体素子(半導体スイッチ素子)と、出力端子と基準電圧端子との間に接続されたローサイドスイッチ用のパワー半導体素子(半導体スイッチ素子)とを備え、ハイサイドスイッチ用のパワー半導体素子とローサイドスイッチ用パワー半導体素子とにより、出力端子に接続された負荷への電力を制御可能なブリッジ回路に構成されている。また、この半導体スイッチ回路は、ハイサイドスイッチ用のパワー半導体素子を制御するためのハイサイドスイッチ用の制御回路と、ローサイドスイッチ用のパワー半導体素子を制御するためのローサイドスイッチ用の制御回路とを備えている。この場合、パワー半導体素子として、nチャネル型のJFET(ジャンクション型のFET)や、JFET以外の他の電界効果型パワー半導体素子や静電誘導型トランジスタや、HEMT(High Electron Mobility Transistor)や、電流利得が高く、ベース電流が小さいバイポーラ型スイッチング素子や、ノーマリオン型のSiCパワー半導体素子を使用して、半導体スイッチ回路が構成されている。
また、半導体スイッチ回路は、上記のハイサイドスイッチ用のパワー半導体素子と、ローサイドスイッチ用のパワー半導体素子の2つのパワー半導体素子を使用する構成に代えて、ハイサイドスイッチ用のパワー半導体素子のみを使用する構成や、ローサイドスイッチ用のパワー半導体素子のみを使用する構成を採用することも可能となっている。
ところが、上記した従来の半導体スイッチ回路には、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、例えば、この半導体スイッチ回路を複数用いて、回路基板に形成された測定対象としての一対の導体パターン間の絶縁などを検査する回路基板検査装置に使用されるスキャナを構成した場合、各半導体スイッチ回路の出力端子はピンボードに立設された複数のプローブピン(回路基板に接触させられるピン)に配線を介して一対一で接続される構成になるため、この複数の配線間に存在する浮遊容量が各出力端子に接続される構成になる。したがって、この浮遊容量が大きい場合には、浮遊容量を介してパルス状に流れる電流のピーク電流値が大きくなることから、この半導体スイッチ回路には、この電流によってパワー半導体素子(半導体スイッチ素子)が劣化したり、損傷したりするおそれや、測定対象が劣化したり、損傷したりするおそれがあるという課題が存在しており、この課題の改善が求められている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、スイッチ素子にパルス状に流れる電流のピーク電流値を抑制し得る半導体スイッチ回路を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の半導体スイッチ回路は、入力端子が電圧降下用素子を介して外部入力端子に接続されると共に、出力端子が外部出力端子に接続された電圧制御型のスイッチ素子と、制御入力端子への制御信号の入力に基づいて前記外部入力端子の電位を基準とした一定電圧値の駆動電圧を生成して前記スイッチ素子の制御端子に出力する駆動回路とを備えている。
また、請求項2記載の半導体スイッチ回路は、入力端子が電圧降下用素子を介して第1外部入力端子に接続されると共に、出力端子が外部出力端子に接続された電圧制御型の第1スイッチ素子と、第1制御入力端子への第1制御信号の入力に基づいて前記第1外部入力端子の電位を基準とした一定電圧値の第1駆動電圧を生成して前記第1スイッチ素子の制御端子に出力する第1駆動回路と、入力端子が電圧降下用素子を介して第2外部入力端子に接続されると共に、出力端子が前記外部出力端子に接続された電圧制御型の第2スイッチ素子と、第2制御入力端子への第2制御信号の入力に基づいて前記第2外部入力端子の電位を基準とした一定電圧値の第2駆動電圧を生成して前記第2スイッチ素子の制御端子に出力する第2駆動回路とを備えている。
また、請求項3記載の半導体スイッチ回路は、請求項1または2記載の半導体スイッチ回路において、前記電圧降下用素子はインダクタで構成されている。
請求項1記載の半導体スイッチ回路によれば、スイッチ素子の入力端子には電圧降下用素子が配設されているため、外部入力端子への電圧の印加直後に発生するパルス状の電流のピーク電流値を電圧降下用素子において発生する電圧降下によって抑制することができ、この結果、このパルス状の電流によって、スイッチ素子が劣化したり、損傷したりする事態の発生を確実に回避することができる。
また、請求項2記載の半導体スイッチ回路によれば、第1スイッチ素子の入力端子には電圧降下用素子が配設され、かつ第2スイッチ素子の入力端子にも電圧降下用素子が配設されているため、第1外部入力端子および第2外部入力端子間への電圧の印加直後に発生するパルス状の電流のピーク電流値を各電圧降下用素子において発生する電圧降下によって抑制することができ、この結果、このパルス状の電流によって、第1スイッチ素子や第2スイッチ素子が劣化したり、損傷したりする事態の発生を確実に回避することができる。
また、請求項3記載の半導体スイッチ回路によれば、インダクタで電圧降下用素子が構成されているため、ほぼ一定の電流値で電流が流れている状態のときには、スイッチ回路の内部抵抗を極めて小さい状態にし、かつパルス状の電流が流れるときには、インダクタに発生する電圧降下によってそのピーク電流値を十分に抑制することができる。したがって、このスイッチ回路によれば、浮遊容量の存在に起因して発生するパルス状の電流によるスイッチ素子の劣化や損傷を回避しつつ、測定対象に対して一定の電流値で電流を供給するときには十分な電流値で供給することができる。
以下、半導体スイッチ回路およびそれを用いたスキャナの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、スキャナ1の構成について図1を参照して説明する。スキャナ1は、複数(m個)の半導体スイッチ回路21,22,・・・,2m−1,2m(以下、特に区別しないときには「スイッチ回路2」ともいう)、およびスイッチ回路2を駆動する第1駆動回路3H,第2駆動回路3L(以下、特に区別しないときには「駆動回路3」ともいう)を備え、駆動回路3によって各スイッチ回路2のオン・オフ状態を制御することにより、スキャナ1の1つの電圧入力端子(第1外部入力端子)4Hに入力されると共にハイ側電圧ライン5Hを介してスイッチ回路2に供給されているハイ側電圧VH、および他の1つの電圧入力端子(第2外部入力端子)4Lに入力されると共にロー側電圧ライン5Lを介してスイッチ回路2供給されているロー側電圧VLのうちの任意の一方の電圧を各スイッチ回路2に対応して配設された出力端子(外部出力端子)61,62,・・・,6m−1,6m(以下、特に区別しないときには「出力端子6」ともいう)から出力可能に構成されている。
スイッチ回路21は、第1スイッチ素子111、第2スイッチ素子121、第1スイッチ素子111の入力端子とハイ側電圧ライン5Hとの間に配設された電圧降下用素子131、および第2スイッチ素子121の入力端子とロー側電圧ライン5Lとの間に配設された電圧降下用素子141を備えている。同様にして、他のスイッチ回路22,・・・,2m−1,2mも、第1スイッチ素子112、第2スイッチ素子122および電圧降下用素子132,142、・・・、第1スイッチ素子11m−1、第2スイッチ素子12m−1および電圧降下用素子13m−1,14m−1、第1スイッチ素子11m、第2スイッチ素子12mおよび電圧降下用素子13m,14mをそれぞれ備えている。
なお、以下、第1スイッチ素子111,112,・・・,11m−1,11mについては、特に区別しないときには「第1スイッチ素子11」ともいい、第2スイッチ素子121,122,・・・,12m−1,12mについては、特に区別しないときには「第2スイッチ素子12」ともいい、電圧降下用素子131,132,・・・,13m−1,13mについては、特に区別しないときには「電圧降下用素子13」ともいい、電圧降下用素子141,142,・・・,14m−1,14mについては、特に区別しないときには「電圧降下用素子14」ともいう。
この場合、各第1スイッチ素子11は、電圧制御型の半導体スイッチ素子(本例では一例として、pチャネル型のMOSFET)で構成されて、その入力端子(ソース端子)が対応する電圧降下用素子13を介してハイ側電圧ライン5H(さらには電圧入力端子4H)に接続され、その出力端子(ドレイン端子)が対応する出力端子6に接続されている。また、各第2スイッチ素子12は、電圧制御型の半導体スイッチ素子(本例では一例として、nチャネル型のMOSFET)で構成されて、その入力端子(ソース端子)が対応する電圧降下用素子14を介してロー側電圧ライン5L(さらには電圧入力端子4L)に接続され、その出力端子(ドレイン端子)が対応する出力端子6に接続されている。この構成により、各第1スイッチ素子11および各第2スイッチ素子12は、対応するもの同士が互いの出力端子(ドレイン端子)が接続されて、ハイ側電圧ライン5Hとロー側電圧ライン5Lとの間に直列接続された状態で配設されている。なお、電圧制御型の半導体スイッチ素子としては、MOSFETに代えて、JFETや、MISFETや、MESFETや、電流利得が高く、ベース電流が小さいバイポーラ型スイッチング素子を使用することもできる。
第1駆動回路3Hは、一例として、フローティング電源部21、絶縁部22、シフトレジスタ23およびラッチ24を備え、第1制御入力端子7Hに入力される第1制御信号(本例では、mビットの第1制御データDH)に基づいて、電圧入力端子4H(ハイ側電圧ライン5H)の電位を基準とした一定電圧値の第1駆動電圧Va1,Va2,・・・,Vam−1,Vam(以下、特に区別しないときには「第1駆動電圧Va」ともいう)を、各第1スイッチ素子11の個数分だけ個別に生成して、各第1スイッチ素子11の制御端子(ゲート端子)に出力する。
具体的には、フローティング電源部21で生成された作動用電源に基づいて、絶縁部22、シフトレジスタ23およびラッチ24が作動して、まず、絶縁部22が、シリアルデータとしての第1制御データDHを順次入力すると共に電気的に絶縁して、シフトレジスタ23に出力する。また、絶縁部22は、第1制御データDHに基づいて、シフト用クロックとラッチ用クロック(いずれも図示せず)を生成して、シフト用クロックをシフトレジスタ23に出力し、ラッチ用クロックはラッチ24に出力する。次いで、シフトレジスタ23が、入力した第1制御データDHをシフト用クロックに同期してシリアル/パラレル変換して出力する。続いて、ラッチ24が、シフトレジスタ23によってパラレルデータに変換された第1制御データDHをラッチ用クロックに同期して保持すると共に、第1駆動電圧Vaとして出力する。この構成により、各第1スイッチ素子11は、第1制御入力端子7Hに入力される第1制御信号(mビットの第1制御データDH)に基づいて、オン状態およびオフ状態のうちの任意の一方の状態に個別に制御される。
第2駆動回路3Lは、一例として、フローティング電源部31、絶縁部32、シフトレジスタ33およびラッチ34を備え、第2制御入力端子7Lに入力される第2制御信号(本例では、mビットの第2制御データDL)に基づいて、電圧入力端子4L(ロー側電圧ライン5L)の電位を基準とした一定電圧値の第2駆動電圧Vb1,Vb2,・・・,Vbm−1,Vbm(以下、特に区別しないときには「第2駆動電圧Vb」ともいう)を、各第2スイッチ素子12の個数分だけ個別に生成して、各第2スイッチ素子12の制御端子(ゲート端子)に出力する。また、第2駆動回路3Lは、第1駆動回路3Hから電気的に分離(絶縁)されて構成されている。
具体的には、フローティング電源部31で生成された作動用電源(フローティング電源部21で生成される作動用電源と電気的に分離(絶縁)された)に基づいて、絶縁部32、シフトレジスタ33およびラッチ34が作動して、まず、絶縁部32が、シリアルデータとしての第2制御データDLを順次入力すると共に電気的に絶縁して、シフトレジスタ33に出力する。また、絶縁部32は、第2制御データDLに基づいて、シフト用クロックとラッチ用クロック(いずれも図示せず)を生成して、シフト用クロックをシフトレジスタ33に出力し、ラッチ用クロックはラッチ34に出力する。次いで、シフトレジスタ33が、入力した第2制御データDLをシフト用クロックに同期してシリアル/パラレル変換して出力する。続いて、ラッチ34が、シフトレジスタ33によってパラレルデータに変換された第2制御データDLをラッチ用クロックに同期して保持すると共に、第2駆動電圧Vbとして出力する。この構成により、各第2スイッチ素子12は、第2制御入力端子7Lに入力される第2制御信号(mビットの第2制御データDL)に基づいて、オン状態およびオフ状態のうちの任意の一方の状態に個別に制御される。
また、電圧降下用素子13,14は、これらにパルス状(スパイク状)の電流が流れたときに、その電流値に応じた電圧降下を発生させる電子素子(例えば、抵抗、インダクタ、抵抗とインダクタの並列回路、抵抗とインダクタの直列回路、および双方向性ツェナーダイオードとインダクタの並列回路など)で構成されている。この場合、パルス状の電流が流れたときのみ、その電流に対して大きな抵抗値の抵抗体として機能して大きな電圧降下を発生させ、電流の変動の少ないときには小さな抵抗値の抵抗体として機能して、発生するロスを低減させるインダクタを単体で電圧降下用素子13,14を構成することが、電力効率および製品コストの面から好ましい。このため、本例では一例として、電圧降下用素子13,14はインダクタで構成されている。
次に、スキャナ1の動作について、各スイッチ回路2の動作と併せて説明する。なお、一例として、スキャナ1が、回路基板PBに形成されている導体パターンP1,P2,・・・,Pm−1,Pm(以下、特に区別しないときには「導体パターンP」ともいう)間の絶縁状態を検査する基板検査装置に組み込まれている例を挙げて、その動作を説明する。また、電圧入力端子4H,4Lは、基板検査装置を構成する絶縁抵抗計に接続され、第1制御入力端子7Hおよび第2制御入力端子7Lは、基板検査装置を構成する制御部に接続されているものとする。また、スキャナ1の各出力端子61,62,・・・,6m−1,6mは、図1に示すように、配線411およびプローブ421、配線412およびプローブ422、・・・、配線41m−1およびプローブ42m−1、配線41mおよびプローブ42mを介して、対応する導体パターンP1,P2,・・・,Pm−1,Pmに予め接続されているものとする。
まず、スキャナ1では、第1駆動回路3Hが、基板検査装置の制御部から出力される第1制御データDHを入力し、この第1制御データDHに基づいて、スイッチ回路21の第1スイッチ素子111のみをオン状態に制御し、かつ他のすべてのスイッチ回路22,・・・,2mの第1スイッチ素子112,・・・,11mをオフ状態に移行させる第1駆動電圧Va1,Va2,・・・,Vamを出力する。また、第2駆動回路3Lが、制御部から出力される第2制御データDLを入力し、この第2制御データDLに基づいて、スイッチ回路22の第2スイッチ素子122のみをオン状態に制御し、かつ他のすべてのスイッチ回路21,23,・・・,2mの第2スイッチ素子121,123・・・,12mをオフ状態に移行させる第2駆動電圧Vb1,Vb2,・・・,Vbmを出力する。
これにより、1つの導体パターンP1は、プローブ421、配線411、出力端子61、スイッチ回路21のオン状態の第1スイッチ素子111および電圧降下用素子131、ハイ側電圧ライン5H、並びに電圧入力端子4Hを介して絶縁抵抗計に接続される。また、他の1つの導体パターンP2は、プローブ422、配線412、出力端子62、スイッチ回路22のオン状態の第2スイッチ素子122および電圧降下用素子142、ロー側電圧ライン5L、並びに電圧入力端子4Lを介して絶縁抵抗計に接続される。したがって、一対の導体パターンP1,P2間の絶縁抵抗が絶縁抵抗計によって測定可能な状態になる。
絶縁抵抗計は、電圧入力端子4H,4L間に測定用電圧(例えば、数百ボルトの直流電圧)をステップ状に出力して、一対の導体パターンP1,P2間の絶縁抵抗を測定する。ところで、スキャナ1の複数の出力端子61〜6mには配線411〜41mがそれぞれ接続され、かつ各配線411〜41mは通常束ねられた状態で基板検査装置内に配設されていることから、各配線411〜41m間に存在する浮遊容量が各出力端子61〜6mに接続された状態になっている。このため、電圧入力端子4H,4L間への測定用電圧の出力開始直後に、この測定用電圧に起因して、図2に示すように、出力端子61,62に接続されている浮遊容量Cfを介して、電圧入力端子4Hから、ハイ側電圧ライン5H,電圧降下用素子131,第1スイッチ素子111,出力端子61,出力端子62,第2スイッチ素子122,電圧降下用素子142,ロー側電圧ライン5Lを経由して電圧入力端子4Lに至る電流経路(一点鎖線で示す経路)に電流Iがパルス状に流れようとする。
しかしながら、このスキャナ1では、上記の電流経路に電流Iがパルス状に流れ始めたときに、インダクタで構成される電圧降下用素子131,142がこのパルス状の電流Iに対して抵抗値の大きな抵抗体として機能して、大きな電圧降下Vda,Vdbを発生させる。この場合、電圧降下用素子131が発生させる電圧降下Vdaは、ゲート端子にハイ側電圧ライン5Hの電位を基準として一定電圧値の第1駆動電圧Va1が印加されている第1スイッチ素子111のゲート・ソース間電圧を減少させる。また、電圧降下用素子142が発生させる電圧降下Vdbは、ゲート端子にロー側電圧ライン5Lの電位を基準として一定電圧値の第2駆動電圧Vb2が印加されている第2スイッチ素子122のゲート・ソース間電圧を減少させる。したがって、第1スイッチ素子111および第2スイッチ素子122は、瞬時にオン状態からオフ状態に移行するため、パルス状の電流Iのピーク電流値は大幅に抑制される。これにより、このスキャナ1では、電圧入力端子4H,4L間への測定用電圧の印加直後に発生するパルス状の電流Iによって、上記の電流経路を構成する第1スイッチ素子111や第2スイッチ素子122などの構成要素が劣化したり、損傷したりする事態の発生が回避されている。
絶縁抵抗計は、上記の浮遊容量Cfが充電された後に、電流Iが一対の導体パターンP1,P2を介して流れる状態に至ったときに、一対の導体パターンP1,P2間の絶縁抵抗を測定し、測定した絶縁抵抗を制御部に出力する。この際に、電圧降下用素子13,14がインダクタで構成されているため、電圧降下用素子13,14は、ほぼ一定の電流値で電流Iが流れている状態のときには、小さな抵抗値の抵抗体として機能する。したがって、この状態のときには、スイッチ回路2全体の内部抵抗(直流抵抗)は極めて小さい状態に維持されている。
また、制御部は、第1制御データDHおよび第2制御データDLを変更して、第1スイッチ素子11のうちのスイッチ回路22の第1スイッチ素子112のみをオン状態に制御し、かつ第2スイッチ素子12のうちのスイッチ回路21の第2スイッチ素子121のみをオン状態に制御することにより、絶縁抵抗計から一対の導体パターンP1,P2間に供給される測定用電圧の極性を変えて、一対の導体パターンP1,P2間の絶縁抵抗を再測定させると共に、再測定時の絶縁抵抗を取得する。
その後、制御部は、スキャナ1を制御することにより、絶縁抵抗計に接続される一対の導体パターンPを変えながら、測定対象とするすべての導体パターンP間の絶縁抵抗を取得する。最後に、制御部は、取得した各導体パターンP間の絶縁抵抗を予め規定された基準抵抗と比較することにより、各導体パターンP間の絶縁状態を検査する。これにより、回路基板PBに形成されている各導体パターンP間の絶縁状態の検査が完了する。
このように、このスイッチ回路2によれば、第1スイッチ素子11のソース端子側には電圧降下用素子13が配設され、かつ第2スイッチ素子12のソース端子側には電圧降下用素子14が配設されているため、電圧入力端子4H,4L間への電圧(ハイ側電圧VHおよびロー側電圧VL)の印加直後に発生するパルス状の電流Iのピーク電流値を各電圧降下用素子13,14において発生する電圧降下Vda,Vdbによって抑制することができ、この結果、このパルス状の電流Iによって、第1スイッチ素子11や第2スイッチ素子12が劣化したり、損傷したりする事態の発生を確実に回避することができる。
また、このスイッチ回路2によれば、インダクタで電圧降下用素子13,14を構成しているため、ほぼ一定の電流値で電流Iが流れている状態のときには、スイッチ回路2の内部抵抗を極めて小さい状態にし、かつパルス状の電流Iが流れるときには、インダクタに発生する電圧降下によってそのピーク電流値を十分に抑制することができる。したがって、このスイッチ回路2によれば、浮遊容量の存在に起因して発生するパルス状の電流Iによる第1スイッチ素子11や第2スイッチ素子12の劣化や損傷を回避しつつ、測定対象に対して一定の電流値で電流Iを供給するときには十分な電流値で供給することができる。
なお、上記のスイッチ回路2では、第1スイッチ素子11および第2スイッチ素子12の各出力端子(ドレイン端子)を外部出力端子としての出力端子6に接続して、電圧入力端子4Hからハイ側電圧ライン5Hに供給されるハイ側電圧VHを第1スイッチ素子11を介して出力端子6に出力し、電圧入力端子4Lからロー側電圧ライン5Lに供給されるロー側電圧VLを第2スイッチ素子12を介して出力端子6に出力する構成を採用しているが、図3に示すスキャナ1Aに使用されるスイッチ回路2(同図では、スイッチ回路21のみを図示している)のように、1つの第1スイッチ素子11のみで構成して、その出力端子(ドレイン端子)を外部出力端子としての出力端子6に接続して、出力端子6からハイ側電圧VHを出力させる構成を採用することもできる。また、図4に示すスキャナ1Bに使用されるスイッチ回路2(同図では、スイッチ回路21のみを図示している)のように、1つの第2スイッチ素子12のみで構成して、その出力端子(ドレイン端子)を外部出力端子としての出力端子6に接続して、出力端子6からロー側電圧VLを出力させる構成を採用することもできる。なお、スキャナ1A,1Bにおいて、上記したスキャナ1の構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
この図3,4に示すいずれの構成のスイッチ回路2においても、各スイッチ素子11,12のソース端子側には電圧降下用素子13,14が配設されているため、電圧入力端子4H,4L間への電圧(ハイ側電圧VHおよびロー側電圧VL)の印加直後に発生するパルス状の電流Iのピーク電流値を各電圧降下用素子13,14において発生する電圧降下Vda,Vdbによって抑制することができ、この結果、このパルス状の電流Iによって、各スイッチ素子11,12が劣化したり、損傷したりする事態の発生を確実に回避することができる。
なお、上記の例では、スイッチ回路2をスキャナ1に適用した例を挙げて説明したが、絶縁抵抗計や耐圧試験器などの装置への適用も可能である。
1,1A,1B スキャナ
2 スイッチ回路
3 駆動回路3
4 電圧入力端子
6 出力端子
7 制御入力端子
11 第1スイッチ素子
12 第2スイッチ素子
13,14 電圧降下用素子
Va,Vb 駆動電圧
2 スイッチ回路
3 駆動回路3
4 電圧入力端子
6 出力端子
7 制御入力端子
11 第1スイッチ素子
12 第2スイッチ素子
13,14 電圧降下用素子
Va,Vb 駆動電圧
Claims (3)
- 入力端子が電圧降下用素子を介して外部入力端子に接続されると共に、出力端子が外部出力端子に接続された電圧制御型のスイッチ素子と、
制御入力端子への制御信号の入力に基づいて前記外部入力端子の電位を基準とした一定電圧値の駆動電圧を生成して前記スイッチ素子の制御端子に出力する駆動回路とを備えている半導体スイッチ回路。 - 入力端子が電圧降下用素子を介して第1外部入力端子に接続されると共に、出力端子が外部出力端子に接続された電圧制御型の第1スイッチ素子と、
第1制御入力端子への第1制御信号の入力に基づいて前記第1外部入力端子の電位を基準とした一定電圧値の第1駆動電圧を生成して前記第1スイッチ素子の制御端子に出力する第1駆動回路と、
入力端子が電圧降下用素子を介して第2外部入力端子に接続されると共に、出力端子が前記外部出力端子に接続された電圧制御型の第2スイッチ素子と、
第2制御入力端子への第2制御信号の入力に基づいて前記第2外部入力端子の電位を基準とした一定電圧値の第2駆動電圧を生成して前記第2スイッチ素子の制御端子に出力する第2駆動回路とを備えている半導体スイッチ回路。 - 前記電圧降下用素子はインダクタで構成されている請求項1または2記載の半導体スイッチ回路。
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