JP2014056565A - タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置 - Google Patents

タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014056565A
JP2014056565A JP2013131785A JP2013131785A JP2014056565A JP 2014056565 A JP2014056565 A JP 2014056565A JP 2013131785 A JP2013131785 A JP 2013131785A JP 2013131785 A JP2013131785 A JP 2013131785A JP 2014056565 A JP2014056565 A JP 2014056565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
touch panel
electrode
film
island
main surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013131785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5470489B2 (ja
Inventor
Akira Sato
彰 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WONDER FUTURE CORP
Original Assignee
WONDER FUTURE CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WONDER FUTURE CORP filed Critical WONDER FUTURE CORP
Priority to JP2013131785A priority Critical patent/JP5470489B2/ja
Publication of JP2014056565A publication Critical patent/JP2014056565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5470489B2 publication Critical patent/JP5470489B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Position Input By Displaying (AREA)

Abstract

【課題】タッチ位置を検出する電極を樹脂フィルムに形成し、入力領域を主面及び側面に有するタッチパネル及びその製造方法、並びにこのタッチパネルと表示装置を具備した入出力一体型装置を提供する。
【解決手段】主面入力領域及び側面部領域への指示体の接触又は接近が、第1の電極列の島状電極と第2の電極列の前記島状電極との間、並びに前記第1の電極列の前記島状電極と第3の電極列の前記島状電極との間及び/又は前記第2の電極列の島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間の静電容量の変化を検出することによって、前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が検知されるタッチパネル。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル、並びにこのタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置に関し、特に、タッチ位置を検出する電極を導体細線によって樹脂フィルムに形成し、入力領域を複数の面に有するタッチパネル及びその製造方法、並びにこのタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置に関する。
各種の電子機器を操作するための入力装置としてタッチパネルは、液晶表示装置等の各種表示装置の表示面側に搭載され、タッチパネルを透過して視認される表示装置の表示内容に応じて、直接的な入力が可能であり、タッチペン等の入力器具や人間の指等によりタッチ面の任意の位置を接触することにより、電子機器の各種操作、入力等を行う。このようなタッチパネルとしては、例えば、抵抗膜方式、静電容量結合方式等の種々の方式のものが知られている。
投影型の容量結合方式のタッチパネルでは、映像を表示できる表示領域(タッチ又は接近による入力領域でもある。)の2次元方向に、タッチ位置を検出する検出電極が、例えば、結晶質或は非結晶質のITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide)等からなる透明導電パターン、或いは、導電細線によって、透明ガラス又は透明樹脂フィルムからなる基材の両面又は片面に形成されている。また、非表示領域(表示領域の外側の領域であり額縁領域とも呼ばれる。)に、検出電極に接続された引出回路パターンが、透明ガラス又は透明フィルムの両面又は片面で形成されている。この引出回路パターンは検出電極が形成される面と同一の面に形成されている。
タッチパネルとこの周辺技術に関しては多数の報告があり、例えば、本発明に関連する技術としては、以下の報告がある。
「狭額縁LCD対応タッチパネル」と題する特許文献1には、「タッチパネルを表面と側面とを備えた立体形状に形成し、該タッチパネルの表面にはタッチ位置を検出するタッチ位置検出面を形成し、該タッチパネルの側面には電極と該電極を外部への取出し部に接続するリード回路とを形成し、該タッチパネルの表面をLCDの表面に、前記側面をLCDの側部に配置させることを特徴とする狭額縁対応タッチパネル」の記載がある。
また、「導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル」と題する特許文献2には、「〔16〕透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は、開口部を有することを特徴とする導電シート」の記載があり、「導電シート10を製造する方法」についての記載がある。
また、「携帯電話機及び制限解除方法」と題する特許文献3には、「側面に設けられる入力部(側面入力部)を有する携帯電話機」の記載があり、「側面入力部がフレキシブルプリント基板及び複数の検出電極によって構成され、フレキシブルプリント基板にタッチセンサの検出電極を複数設けることによって側面入力部を実装する」ことの記載がある。
なお、非特許文献1には、「タッチパネルの市場と材料技術動向」についての記載がある。
特開2010−146418号公報(段落0019、段落0024〜0042) 特開2012−53644号公報(段落0011、段落0055〜0103) 特開2011−44933号公報(段落0011〜0019、段落0035)
電気硝子工業会、「タッチパネルの市場と材料技術動向」、中谷健司、電気ガラス、45号、pp.7〜13(2011年4月)
従来のタッチパネルでは、その最大面積を有する主面のアクティブ領域(表示装置の表示領域、タッチパネルのタッチ入力領域である。)の外側の領域(表示装置の表示領域とされず、タッチパネルのタッチ入力領域とすることができず、光不透過性の意匠印刷層が形成された意匠領域(加飾領域)であり非アクティブ領域であり、額縁領域又は窓枠領域とも呼ばれる。)に取出配線(引出回路パターン)が形成されており、額縁領域の面積は無視できないものであり、また、タッチパネルの側面部はタッチ入力領域として活用されていなかった。
また、従来のタッチパネルでは、その最大の面積をもつ面であるタッチパネル主面にタッチ入力を検出するための複数の透明電極が形成され、これら電極に接続される引出回路パターンは透明電極パターンが形成される面と同一の面に形成され、引出回路パターンが形成された額縁領域は表示領域とすることはできず、表示領域(タッチ入力領域)はタッチパネル主面の額縁領域を除く領域に限定されるため、タッチパネル主面に占める表示領域(入力領域)の割合を大きくするには限界があり、大きな表示面を有する装置にタッチパネルを組合せて用いようとする場合、タッチパネル主面の面積をより大きくする必要があり、更に、入力領域がタッチパネル主面にのみ形成されているためタッチパネルを備える装置の操作性を向上させるには限界があった。
また、ITO又はIZO等からなる透明導電膜では、その高透過率化と低抵抗化とは相反しており、高透過率と低抵抗の両立は困難であり、ITO又はIZO等からなる透明導電膜は、硬く変形に弱くクラックが発生し易く、フレキブル性に欠けるので、タッチパネルの検出電極を、ITO又はIZO等からなる透明導電パターンによって樹脂フィルムに形成する場合には、検出電極を形成する基材として透明樹脂フィルムを使用しても、樹脂フィルムが本来もつフレキブル性を最大限に有効に生かすことができなかった。
従来、タッチパネルの検出電極を、導電細線によって樹脂フィルムに形成し、樹脂フィルムが本来もつフレキブル性を最大限に有効に生かして、タッチパネルの1つ面(主面)に占める表示領域(入力領域)の割合を最大限に大きくすると共に、この主面と交差する側面にも入力領域を配置して、複数面に入力領域を備えたタッチパネルを実現し、このタッチパネルを備える装置の操作性を優れるものとすることについては、配慮がなされていなかった。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、タッチ位置を検出する電極を樹脂フィルムに形成し、入力領域を主面及び側面に有するタッチパネル及びその製造方法、並びにこのタッチパネルと表示装置を具備し優れた操作性を有する入出力一体型装置を提供することにある。
即ち、本発明は、
電気絶縁性透明樹脂からなるフィルムの面に、複数の島状電極が電極間配線を介して第1の方向に配されてなる第1の電極列の複数列を前記第1の方向に略直交する第2の方向に所定間隔を置いて形成し、複数の島状電極が電極間配線を介して前記第2の方向に配されてなる第2の電極列の複数列を前記第1の方向に所定間隔を置いて形成し、前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続された引出配線を形成する第1の工程と、
前記第1の工程の終了後の前記フィルムを加熱フォーミングして、前記第1の方向と前記第2の方向がなす主面部と、前記第1の方向に略直交し前記主面部に連接する少なくとも2つの側面部と、前記第2の方向に略直交し前記主面部に連接する少なくとも2つの側面部とを備え、前記主面部と少なくとも4つの前記側面部とによって形成される中空部を内側にもつ箱状の加熱フォーミング体を形成する第2の工程とを有し、
前記主面部に前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列を形成し、
前記複数の島状電極が前記電極間配線を介して前記第1の方向及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に配されてなる第3の電極列の複数列を、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方における前記第2の方向と、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方の1つの側面部における前記第1の方向との少なくとも一方に形成し、
導電性の指示体によって前記主面部に位置が指定される主面入力領域を設けると共に、前記第1の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つ、及び/又は、前記第2の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つに、前記指示体によって位置が指定される側面入力領域を設け、
前記島状電極、前記電極間配線及び前記引出配線のうちの少なくとも前記島状電極及び前記電極間配線をそれぞれ導体細線によって網目状に形成し、
前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極との間、並びに前記第1の電極列の前記島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間及び/又は前記第2の電極列の島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間の静電容量の変化を検出することによって、前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が検知されるタッチパネルを製造する、タッチパネルの製造方法に係るものである。
また、本発明は、上記のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルと、前記中空部の内部に少なくとも一部が収容された表示装置とを有する、入出力一体型装置に係るものである。
また、本発明は、上記したタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルであって、
導電性の指示体により位置が指定される主面入力領域が第1の方向とこれに略直交する第2の方向とがなす面内に設けられた主面部と、前記第1の方向に略直交し前記主面部に連接する少なくとも2つの側面部と、前記第2の方向に略直交し前記主面部に連接する少なくとも2つの側面部とを備え、これら少なくとも4つの側面部の少なくとも1つが側面入力領域とされ、前記主面部と少なくとも4つの前記側面部とによって形成される中空部を内部にもつ箱状体が、電気絶縁性透明樹脂からなる連続したフィルムの加熱フォーミングによって形成され、
前記フィルムの面に、複数の島状電極が電極間配線を介して第1の方向に配された第1の電極列の複数列が前記第1の方向に略直交する第2の方向に所定の間隔を置いて形成され、複数の島状電極が電極間配線を介して前記第2の方向に配された第2の電極列の複数列が前記第1の方向に所定の間隔を置いて形成され、前記複数の島状電極が前記電極間配線を介して前記第1の方向及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に配された第3の電極列の複数列が第3の方向に所定の間隔を置いて形成され、前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される引出配線が形成され、
前記主面部に前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列が形成され、
前記複数の島状電極が前記電極間配線を介して前記第1の方向及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に配されてなる第3の電極列の複数列が、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方における前記第2の方向と、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方の1つの側面部における前記第1の方向との少なくとも一方に形成され、
前記第1の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つ、及び/又は、前記第2の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つに、前記指示体によって位置が指定される側面入力領域が設けられ、
前記島状電極、前記電極間配線及び前記引出配線のうちの少なくとも前記島状電極及び前記電極間配線がそれぞれ導体細線によって網目状に形成され、
前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極との間、並びに前記第1の電極列の前記島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間及び/又は前記第2の電極列の島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間の静電容量の変化を検出することによって、前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が検知される、タッチパネルに係るものである。
また、本発明は、上記のタッチパネルと、前記中空部の内部に少なくとも一部が収容された表示装置とを有する、入出力一体型装置に係るものである。
本発明のタッチパネルの製造方法によれば、その構成によって、指示体により情報が入力される入力領域を主面及び側面に備え、優れた操作性を有し、入出力一体型装置に好適に適用できるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、本発明のタッチパネルによれば、その構成によって、指示体により情報が入力される入力領域を主面及び側面に備え、優れた操作性を有し、入出力一体型装置に好適に適用できるタッチパネルを提供することができる。
また、本発明の入出力一体型装置によれば、その構成によって、優れた操作性を有する入出力一体型装置を提供することができる。
本発明のタッチパネル成型体(A)の製造工程説明図 接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(a)の平面図 接触検知電極、引出配線を説明する要部拡大図(平面図) タッチパネルフィルムに形成する意匠印刷層を説明する平面図 接触検知電極、引出配線、及び意匠印刷層が形成されたタッチパネルフィルム(a)を説明する平面図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する斜視図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する正面図、平面図、左側面図、右側面図、及び背面図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する下面図 タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(I)の説明図 タッチパネル端子部の構造の説明図 タッチパネル成型体(B)の製造工程説明図 タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(II)の説明図 タッチパネル成型体(C)の製造工程説明図 タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(III)の説明図 タッチパネル成型体(D)の製造工程説明図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)を説明する斜視図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)を説明する正面図、平面図、左側面図、右側面図、及び背面図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)を説明する下面図 意匠フィルムを説明する平面図 意匠フィルム加熱フォーミング体を説明する斜視図 意匠フィルム加熱フォーミング体を説明する正面図、平面図、左側面図、右側面図、及び背面図 タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(IV)の説明図 タッチパネル成型体の製造工程説明図 接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(b)を説明する平面図 接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(c)を説明する平面図 接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(d)を説明する平面図 接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(e)を説明する平面図 接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(f)を説明する平面図
本発明のタッチパネルの製造方法では、前記第1の工程において、前記フィルムの面に垂直な方向から見たときに、前記第1の電極列と前記第2の電極列を交差して配置し、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極とを分離して交互に2次元に格子状に配置する構成とするのがよい。このような構成によれば、表示面でもある主面入力領域において、光透過率が場所によらず一様なものとすることができ、表示面における視認性を良好なものとすることができ、主面入力領域の全域に渡って静電容量の変化を略同じ検出感度で効率よく検出することができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記第1の工程の終了後、前記第2の工程に先立って、前記第1の電極列と前記第2の電極列の少なくとも一方が形成された前記フィルムの一方の面に、可視光を遮蔽し意匠を付与する意匠印刷層を形成する工程を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、意匠印刷層を形成するための意匠フィルムを別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型によって、前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成すると共に前記透明樹脂層の面にハードコーティング層を形成する工程を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、タッチパネルを構成する筐体及びハードコート層の形成を、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型を1回で行う成型によって形成することができ製造効率の良好なタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、フィルムインサート成型によって前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成する工程を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、筐体を構成する透明樹脂層を加熱フォーミング体と一体化させることができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記透明樹脂層を形成する工程の終了後に、電気絶縁性樹脂製の環状補強枠を前記中空部の内壁に接して設ける工程を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、外力に対して十分な強度を有し、変形に強いタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記第2の工程に先立って実行され、電気絶縁性透明樹脂からなり、可視光を遮蔽し意匠を付与する意匠印刷層が不透明領域として形成され、透明な領域が前記指示体によって位置が指定される前記主面入力領域及び前記側面入力領域とされる意匠フィルムを準備する工程と、前記意匠フィルムを加熱フォーミングして、前記主面部に対応する第2の主面部と、少なくとも4つの前記側面部のそれぞれに対応する第2の側面部を有し、箱状の前記加熱フォーミング体に対応する第2の加熱フォーミング体を形成する工程とを有する構成とするのがよい。また、フィルムインサート成型によって、前記フィルムの加熱フォーミング体と前記第2の加熱フォーミング体との間に、透明樹脂層を形成する工程を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、フィルムの加熱フォーミング体に対して、目的に応じて多様な種々のパターンを有する意匠印刷層を準備することによって、筐体を構成する透明樹脂層でフィルムの加熱フォーミング体と第2の加熱フォーミング体とを一体化させ、目的とするパターンの意匠印刷層を有するタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記フィルムの一方の面に前記第1の電極列が形成され、前記フィルムの前記一方の面に対向する他方の面に前記第2の電極列が形成される構成とするのがよい。このような構成によれば、フィルムの一方の面に第1の電極列を形成し、フィルムの一方の面に対向する他方の面に第2の電極列を形成する場合に比較して、単純な工程によって、第1の電極列及び第2の電極列を形成することができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される前記引出配線に接続される端子部を、前記一方の面又は前記他方の面で前記引出配線の終端部に形成し、前記引出配線又は前記端子部にスルーホールを形成する構成とするのがよい。このような構成によれば、一方の面又は他方の面で外部回路との電気的接続が容易に可能となり、第1の電極列及び第2の電極列に対する信号の送受を行うことができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記スルーホールの内部にカーボンを充填する工程を有し、前記端子部をカーボンにより形成する工程、又は、前記引出配線を構成する導電性材料と同じ材料によって前記端子部を形成し、前記端子部を覆う保護層としてカーボン層を形成する工程を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、端子部を保護することができ、特に、端子部がAgによって形成されている場合には、Agの酸化やマイグレーションを防止することができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第1の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第2の電極列に平行に前記第2の方向に形成する構成とするのがよい。また、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第2の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第1の電極列に平行に前記第1の方向に形成する構成とするのがよい。このような構成によれば、指示体により情報が入力される側面入力領域を側面に形成することができ、主面入力領域及び側面入力領域にそれぞれ形成される電極列に対して、共通の外部回路によって信号の送受を行うことができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記第1の電極列と前記第2の電極列と前記引出配線とを、Ag、Au、Cu、Alの何れかによって形成する構成とするのがよい。このような構成によれば、加熱フォーミング体の形成において、引出配線に印加される引張り力、圧縮力による変形による断線によってこれらの引出配線に電気的接続の中断が生じないタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部と前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方との少なくとも1つに形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する構成とするのがよい。また、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、引出配線及び端子部は側面部に形成されるので、タッチパネルの主面となる領域の殆どの領域を主面入力領域とすることができ、額縁領域を最小とすることができるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
また、本発明の入出力一体型装置は、上記のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルと、前記中空部の内部に少なくとも一部が収容される表示装置とを有する入出力一体型装置である。
本発明のタッチパネルでは、前記フィルムの面に垂直な方向から見たときに、前記第1の電極列と前記第2の電極列が交差して配置され、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極とが分離して交互に2次元に格子状に配置されている構成とするのがよい。このような構成によれば、表示面でもある主面入力領域において光透過率が場所によらず一様なものとすることができ、表示面における視認性を良好なものとすることができ、主面入力領域の全域に渡って静電容量の変化を略同じ検出感度で効率よく検出することができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記フィルムはその一方の面において、前記主面部の一部がなす面、及び、少なくとも4つの前記側面部のそれぞれの面の少なくとも一部に形成され、可視光を遮蔽し意匠を付与する意匠印刷層を有し、前記フィルムの加熱フォーミング体は前記意匠印刷層を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、意匠印刷層によって、主面部に主入力領域を、側面部に側面入力領域を略透明な光透過性を有する開口部として残し、タッチパネルの残りの部分に、情報の印刷表示、装飾や意匠の表示を行うことができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記フィルムの加熱フォーミング体の外面に形成された透明樹脂層とこの透明樹脂層の面に形成されたハードコーティング層を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、タッチパネルを構成する筐体を透明樹脂層により形成しタッチパネルの内部を保護し、ハードコート層によってタッチパネルの最外部の表面を保護することができるタッチパネルを提供することができる。
また、ハードコート層を設けずに、前記フィルムの加熱フォーミング体の外面に形成された透明樹脂層を有する構成としてもよい。このような構成によれば、筐体を構成する透明樹脂層をフィルムの加熱フォーミング体と一体化させることができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記中空部の内壁に接して設けられた電気絶縁性樹脂製の環状補強枠を有する構成とするのがよい。このような構成によれば、外力に対して十分な強度を有し、変形に強いタッチパネルを提供することができる。
また、電気絶縁性透明樹脂からなり、可視光を遮蔽し意匠を付与する意匠印刷層が不透明領域として形成され、透明な領域が前記指示体によって位置が指定される前記主面入力領域及び前記側面入力領域とされる意匠フィルムを加熱フォーミングして、前記主面部に対応する第2の主面部と、少なくとも4つの前記側面部にそれぞれ対応する第2の側面部を備え、箱状の前記フィルムの加熱フォーミング体に対応する第2の加熱フォーミング体を有し、フィルムインサート成型によって形成された透明樹脂層を前記フィルムの加熱フォーミング体と前記第2の加熱フォーミング体との間に有する構成とするのがよい。このような構成によれば、上記の加熱フォーミング体に対して、目的に応じて多様な種々のパターンを有する意匠印刷層を準備することによって、筐体を構成する透明樹脂層を第2の加熱フォーミング体と一体化させ、目的とするパターンの意匠印刷層を有するタッチパネルを提供することができる。
また、前記第1の電極列が前記フィルムの一方の面に形成され、前記第2の電極列が前記フィルムの前記一方の面に対向する他方の面に形成された構成とするのがよい。このような構成によれば、フィルムの一方の面に第1の電極列を形成し、フィルムの一方の面に対向する他方の面に第2の電極列を形成する場合に比較して、単純な工程によって、第1の電極列及び第2の電極列を形成することができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される前記引出配線に接続される端子部が、前記一方の面又は前記他方の面で前記引出配線の終端部に形成され、前記引出配線又は前記端子部にスルーホールが形成された構成とするのがよい。このような構成によれば、一方の面又は他方の面で外部回路との電気的接続が容易に可能となり、第1の電極列及び第2の電極列に対する信号の送受を行うことができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記スルーホールの内部にカーボンが充填され、前記端子部がカーボン又は前記引出配線を構成する導電性材料と同じ材料によって形成され、前記端子部を覆う保護層としてカーボン層が形成された構成とするのがよい。このような構成によれば、端子部を保護することができ、特に、端子部がAgによって形成されている場合には、Agの酸化やマイグレーションを防止することができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方に、前記第3の電極列が、前記主面部の前記第1の電極列が延びる前記第3の方向に形成され、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列が前記主面部の前記第2の電極列に平行に前記第2の方向に形成された構成とするのがよい。また、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に、前記第3の電極列が、前記主面部の前記第2の電極列が延びる前記第3の方向に形成され、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第1の電極列に平行に前記第1の方向に形成された構成とするのがよい。このような構成によれば、指示体により情報が入力される側面入力領域を側面に形成することができ、主面入力領域及び側面入力領域にそれぞれ形成される電極列に対して、共通の外部回路によって信号の送受を行うことができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部と前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方との少なくとも1つに形成された前記引出配線の終端部に、端子部が形成された構成とするのがよい。また、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に形成された前記引出配線の終端部に、端子部が形成された構成とするのがよい。このような構成によれば、引出配線及び端子部は側面部に形成されるので、タッチパネルの主面となる領域の殆どの領域を主面入力領域とすることができ、額縁領域を最小とすることができるタッチパネルを提供することができる。
また、前記第1の電極列と前記第2の電極列と前記引出配線が、Ag、Au、Cu、Alの何れかによって形成される構成とするのがよい。このような構成によれば、加熱フォーミング体の形成において、引出配線に印加される引張り力、圧縮力による変形による断線によってこれらの引出配線に電気的接続の中断が生じないタッチパネルを提供することができる。
本発明の入出力一体型装置は、主面入力領域及び側面入力領域を備えるタッチパネル成型体を主要な構成要素とするタッチパネルと、その中空部の内部に少なくとも一部が収容された表示装置とを有し、操作性に優れる入出力一体型装置である。
<用語の説明>
本実施の形態に係るタッチパネルの製造方法とタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置を説明するにあたり、先ず、本願明細書で使用する用語の意味について説明する。
・「タッチパネル」:表示装置と一体に構成され得るものであり、例えば、表示装置の画像表示を妨害することなしに、ユーザによるタッチ操作を検出する装置を意味するものとし、連続したフィルムによって形成された、最大の面積をもつ主面部(単に「主面」とも言う。)とこれに連接する4つの側面部((単に「側面」とも言う。))を備え、主面部と4つの側面部によって内側に直方体状の中空構造(中空空間、中空部)をもった箱状体の立体形状を有するものを意味する。タッチパネルの主面部、側面部には、島状電極、電極間配線、引出配線、端子部、指示体による入力領域が形成され得る。
・「タッチパネルフィルム」:島状電極、電極間配線、引出配線、タッチパネル端子部、意匠印刷層が形成される電気絶縁性透明樹脂フィルムを意味する。なお、意匠印刷層が形成されない場合もある。
・「タッチパネル成型体」:熱可塑性樹脂フィルムを使用して各種の成型方法によって形成される樹脂成型体を意味する。
・「指示体」:導電性のタッチペン等の入力機器やユーザの指等であり、ユーザが、タッチパネルの主面部、側面部に形成された入力領域の任意の位置を指示するために用いるものであり、本願明細書では、指示体として指を例にとって説明する。
・「タッチ又はタッチ入力」:指示体がタッチパネルに対して接触又は接近することを意味する。
・「タッチ面」:指示体がタッチパネルに対して接触又は接近する面を意味する。
・「タッチ位置」:指示体の接触又は接近によって指示された位置を意味する。
・「主面入力領域」:タッチパネルの主面部に設けられ、指示体により位置が指定される領域を意味する。
・「側面入力領域」:タッチパネルの少なくとも1つの側面部に設けられ、指示体により位置が指定される領域を意味する。
・「意匠印刷層」:意匠印刷層は電気絶縁性透明樹脂からなる意匠フィルムに形成され、意匠印刷層の形成領域は可視光を遮蔽し意匠を付与する不透明領域として形成され、意匠印刷層が形成されない透明な領域が主面入力領域及び側面入力領域とされる。即ち、タッチパネルの主面入力領域、側面入力領域の周囲に窓枠部(額縁部)に施され、窓枠部に隠蔽性を付与したり、所望の文字情報、絵柄記号による情報等によって窓枠部に意匠性を付与しったりするために形成された印刷層である。
・「意匠フィルム」:意匠印刷層が形成されたフィルム。
・「ハードコート層」:タッチパネルの最外層となる透明樹脂ケース或いは意匠フィルムに、所定の強度(硬度)を付与し、充分な耐久性、耐候性、耐衝撃性を付与する目的で、紫外線硬化樹脂等でタッチパネルの最外層の表面に形成され設けられる保護層である。
・「島状電極」:指示体の接触又は接近による静電容量の変化を検出するための電極を意味し、「接触検知電極」、「検出電極」とも言う。島状電極の形状は、三角形、正方形、矩形、90°や90°以外の頂角をもつ菱形、5以上の多角形、円形、楕円形等の任意の形状でよい。
・「電極間配線」:隣接する島状電極を接続する導体を意味する。
・「引出配線」:島状電極とタッチパネル端子部を接続する導体を意味する。
・「網目状導体」:複数の導体細線によって網目状に形成される島状電極、電極間配線、引出配線を意味する。
・「網目状導体パターン」:複数の導体細線によって網目状に形成される島状電極、電極間配線、引出配線の形状パターンを意味する。
・「タッチパネル端子部」:タッチパネルの少なくとも1つの側面部に形成された引出配線の終端部に接続して形成された入出力用の端子部を意味する。
・「加熱フォーミング」:熱可塑性樹脂フィルムをその熱変形温度以上で加熱し軟化させては箱型状の立体形状を付与させることを意味し、例えば、金型とフィルムとの間を真空にしてフィルムを金型に密着させて成型する真空成型、フィルムを加熱軟化させ、圧縮空気の力でフィルムを金型に沿わせ成型する圧空成型等を意味する。
・「加熱フォーミング体」:加熱フォーミングによって形成された成型体を意味する。
・「タッチパネルフィルム加熱フォーミング体」:タッチパネルフィルムを加熱フォーミングして形成された成型体を意味する。
・「意匠フィルム加熱フォーミング体」:意匠フィルムを加熱フォーミングして形成された成型体を意味する。
・「フィルムインモールド成型」:
離型材(剥離材)処理された剥離性フィルムに所望の層(例えば、仮硬化されたハードコート層)が形成され、このフィルムを金型内に挿入して、溶融した流動状態の成型用樹脂を金型内に注入して固化させることにより、表面に所望の層が転写された成型体を金型内で得る成型方法を意味する。
・「第1の方向」:タッチパネルの主面入力領域が矩形である場合、主面入力領域の長辺の方向を第1の方向とする。図面が示される紙面の左右方向であり、図面ではy方向として示されている。主面入力領域が正方形である場合は、主面入力領域の何れかの辺の方向を第1の方向とする。
・「第2の方向」:タッチパネルの主面入力領域が矩形である場合、主面入力領域の短辺の方向を第2の方向とする。図面が示される紙面の上下方向であり、x方向として示されている。
・「第3の方向」:図面が示される紙面の奥行き(深さ)方向を第3の方向とする。図面ではz方向として示されている。なお、第1の方向、第2の方向、第3の方向は相互に直交しているが、厳密に直交していることは要求されるものではなく、例えば、±5度以内の範囲で略直交していてもよい。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は上述した作用、効果を満たす構成であればよく、これらの実施形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面は構成が明瞭に分かり易くなるように描いているので、縮尺は厳密に正確なものではない。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態]
先ず、実施の形態の説明に関して共通する事項について説明する。
<投影型静電容量結合方式タッチパネル>
本発明は、投影型静電容量結合方式のタッチパネル、並びにこのタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置に関するものであり、本発明によるタッチパネルは、その主要な構成要素としてタッチパネル成型体を有し、様々な電子機器を操作するための入力装置として使用され、液晶表示装置等の各種表示装置にその表示面に対向して搭載され、タッチパネル成型体のタッチ面をもつ主面を透過して視認される表示装置の表示内容に応じて、タッチペン等の入力器具や人間の指等の導電体からなる指示体によりタッチ面に接触し任意の位置を指示することにより、電子機器の各種操作、入力等を行う装置である。
投影型静電容量結合方式の本発明によるタッチパネルでは、典型的には、タッチパネルの主要な構成要素であるタッチパネル成型体の主面に配置される電気絶縁性透明フィルムの両面に検知電極が形成され配置される。このフィルムの表面にはx方向に配列する複数の検知電極が形成され、裏面にはy方向に配列する複数の検知電極が形成される。フィルムに垂直な方向から見たとき検知電極は格子状に2次元に配列され、表面に形成される検知電極と裏面に形成される検知電極が重ならないように配置されている。このような検知電極の2次元配列を使用して、複数のx方向電極列及び複数のy方向電極列で容量変化を順次検出していくことによって、マルチタッチの検出が可能である。
本発明のタッチパネルでは、x方向及びy方向に配列する複数の検知電極は、タッチパネル成型体の最大面積をもった主面とこの主面と交差する側面にも形成されており、ユーザによるタッチによって情報入力が可能である入力領域として、主面に形成された主面入力領域に加えて、側面に形成された側面入力領域が設けられており、主面と側面の両面にタッチ入力領域が形成されている。
<タッチパネルの主要な構成要素であるタッチパネル成型体(A)〜(D)に共通する事項>
本発明によるタッチパネルの主要な構成要素であり、後述するタッチパネル成型体(A)〜(D)の少なくとも1つに共通する事項について説明する。
(タッチパネル成型体)
本発明によるタッチパネルは、タッチパネルフィルムの加熱フォーミング体を用いた樹脂成型によって作製されるタッチパネル成型体を含み、タッチパネル成型体は、最大面積をもつxy主面、xy主面に略直交するxz側面、主面に略直交するyz側面を有し、内部に直方体の中空構造(中空空間、中空部)を有している。
樹脂成型に使用される透明樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。
タッチパネル成型体の主面及び側面には、複数の導体細線によって網目状にそれぞれ形成される網目状導体、即ち、接触検知電極、電極間配線、引出配線が形成されている。
タッチパネルフィルム成型体のxy主面に加えて、更にxz側面とyz側面の少なくとも一方には、島状の接触検知電極の電極列(島状電極列)が形成されている。島状電極列は、隣接する島状電極が電極間配線によって接続され、複数の島状電極の直列接続である。島状電極及び電極間配線は導体細線によって形成された網目状をなしている。
xy主面には、x方向及びy方向にそれぞれ複数の島状電極が形成され、xy主面の表面にはx方向に配列される島状電極列がy方向に複数列配列され、xy主面の裏面にはy方向に配列される島状電極列がx方向に複数列配列されている。
xz側面に島状電極列が形成される場合は、x方向に配列される島状電極列がz方向に配列され、xy主面のy方向の島状電極列が伸延してxz面に配置される。また、yz側面に島状電極列が形成される場合は、y方向に配列される島状電極列がz方向に配列され、xy主面のx方向の島状電極列が伸延してyz面に配置されている。
xy主面に垂直なz方向から見たとき、x方向に配列される島状電極列の島状電極とy方向に配列される島状電極列の島状電極は、所定の間隙を置いて隣接し対向して交互配置され、互いに重ならないように配置される。即ち、xy主面の表面と裏面に形成される島状電極は互いに重ならないように配置される。xz側面、yz側面のそれぞれの表面と裏面に形成される島状電極もまた互いに重ならないように配置される。
x方向に配列される島状電極列の端部の島状電極及びy方向に配列される島状電極列の末端部の島状電極にそれぞれ接続され、その殆どの部分がxz側面、yz側面の少なくとも1つの側面に形成される引出配線を有する。この引出配線はxz側面、yz側面の少なくとも1つの側面に伸延して形成され、この引出配線の末端部に接続されたタッチパネル端子部を有する。
タッチパネル端子部にフレキシブル印刷回路基板(FPC)がその一方のFPC接続端子で接続され、他方のFPC接続端子にタッチパネル制御・信号処理回路が接続される。
本発明によるタッチパネルは、投影型の静電容量結合方式として構成され、各種情報の入力装置として機能する装置であり、タッチパネルのxy主面に矩形状の主面入力領域が設けられ、xz側面、yz側面の少なくとも1つの側面に矩形状の側面入力領域が設けられている。タッチパネルの主面及び側面入力領域に対する指示体のタッチ(タッチ入力)によって指示されたタッチ位置を、タッチパネルの表面に形成された島状電極と、裏面に形成された島状電極との間の静電容量の変化を自己容量方式又は相互容量方式で検出することによって、検知する。
タッチパネルのxy主面は、アクティブ領域と非アクティブ領域から構成される。アクティブ領域は、タッチによって各種情報が入力されてタッチ入力が検出される透明な透光性領域である主面入力領域(タッチ入力領域)である。非アクティブ領域は、主面入力領域を取囲む枠状の領域(額縁領域)に形成され、光不透過性の意匠印刷層が形成された意匠領域(加飾領域)である。非アクティブ領域ではこの領域にタッチ入力があった場合もこのタッチ入力が検出されないようにされる。同様に、タッチパネルのxz側面、yz側面に設けられた側面入力領域にも、アクティブ領域と非アクティブ領域の少なくとも一方が設けられる。
主面入力領域に対する指示体のタッチ位置の自己容量方式、相互容量方式による検出の概要について説明する。
自己容量方式では、xy主面のx方向に配列される複数の島状電極列に対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給し、xy主面のy方向に配列される複数の島状電極列に対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給する。指示体のタッチ位置に対向するxy主面のx方向に配列される島状電極列A及びxy主面のy方向に配列される島状電極列BとGND(グランド)間の容量が増加することから、島状電極列A及び島状電極列Bからの伝達信号の波形が、x方向の島状電極列A及びy方向の島状電極列Bの組合せ以外のx方向の島状電極列A´及びy方向の島状電極列B´からの伝達信号の波形と異なった波形となる。従って、タッチパネル制御・信号処理回路では、xy主面のx方向に配列される島状電極列及びxy主面のy方向に配列される島状電極列から供給された伝達信号に基づいてタッチ位置を演算する。
相互容量方式では、例えば、xy主面のx方向に配列される島状電極列に対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給し、xy主面のy方向に配列される島状電極列に対して順番にセンシング(伝達信号の検出)を行う。指示体のタッチ位置に対向するx方向に配列される島状電極列Aとy方向に配列される島状電極列Bとの間の寄生容量に対して並列に指示体の浮遊容量が加わることから、y方向に配列される島状電極列Bからの伝達信号の波形が、y方向の島状電極列B以外のy方向の島状電極列B´からの波形と異なった波形となる。従って、タッチパネル制御・信号処理回路では、電圧信号を供給しているx方向に配列される島状電極列の順番と、供給されたy方向に配列される島状電極列からの伝達信号に基づいてタッチ位置を演算する。
このような自己容量方式又は相互容量方式のタッチ位置の検出方法を採用することによって、主面入力領域に同時に2つの指示体を接触又は接近させても、各タッチ位置を検出することが可能となる。
主面入力領域に対する指示体のタッチ位置の自己容量方式、相互容量方式による検出の概要について説明したが、同様にして、側面入力領域に対する指示体のタッチ位置の自己容量方式、相互容量方式による検出が可能である。
(網目状導体が形成されるタッチパネルフィルム、意匠印刷層が形成される意匠フィルム)
タッチパネルフィルム、意匠フィルムは、電気絶縁性透明樹脂フィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(Polyimide;PI)、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、環状オレフィン高分子(COC)、ポリウレタン(PU)、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)等の樹脂フィルムを使用することができる。
タッチパネルフィルム、意匠フィルムの代表的な例はPETであり、フィルムの厚みは、10μm〜300μmであり、フィルムの光透過率、機械的強度の点から、好ましくは30〜150μmである。
(タッチフィルムに設ける網目状導体の形成方法)
次に、高開口率(高光透過率)を有する網目状導体(メッシュ状導体)の代表的な形成方法について説明する。網目状導体は少なくとも島状電極、電極間配線を含み、引出配線を含んでもよい。
(1)導電インクの印刷により網目状導体を形成する方法:
金属微粒子やカーボン粒子等の導電性ナノ粒子とバインダを含む導電性インクで透明フィルムに網目状導体を、パターン印刷(スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ディスペンサ印刷等による。)して、導電性の網目状導体を形成する。
導電性ナノ粒子は、例えば、平均粒子径が2μm以下で好ましくは200〜500nmである、銀、金、白金、銅、カーボンであり、バインダは、例えば、ポリエステル樹脂である。
また、例えば、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセチレン又はポリフェニレンビニレン等の導電性高分子を含有する導電インキの印刷により網目状導体を形成することもできる。
(2)導体薄膜のエッチングにより網目状導体を形成する方法:
樹脂フィルムに導体薄膜を積層し、導体薄膜上に網目状のレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する導体薄膜をエッチング除去して、金導体薄膜を網目状に残し、網目状導体を形成する。エッチングされる導体薄膜は、真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング法、鍍金法によって、樹脂フィルムに形成された金属薄膜であっても、樹脂フィルムに貼り合せた金属薄膜であってもよい。導体薄膜は、例えば、Au、Ag、Cu、Alの薄膜である。
また、導体薄膜は、導電性高分子から形成される膜であってもよく、導電性高分子は、例えば、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセチレン又はポリフェニレンビニレン等である。
(3)蒸着マスクを使用して金属の蒸着薄膜によって網目状導体を形成する方法:
金属薄膜は、例えば、Au、Ag、Cu、Alの薄膜である。
(4)銀塩を利用した導電性銀形成法により網目状導体を形成する方法:
樹脂フィルムに感光性ハロゲン化銀塩とバインダを含有する感光材料をパターン露光し、現像処理を施すことによって、露光部に細線からなる金属銀部を形成し、未露光部に光透過性部を形成して、銀細線からなる網目状導体を形成する。
(網目状導体の導体細線の線幅、ピッチ、厚み寸法、)
島状電極、電極間配線を構成する導体細線の線幅、導体細線のピッチ、導体細線の厚みはそれぞれ、例えば、10μm〜50μm、100μm〜1000μm、2μm〜10μmである。このような寸法を有する網目状導体では、導体細線の線幅が細く、線幅に対するピッチが大きく目立ち難く、視認性を向上させることができる。
島状電極、電極間配線の開口率は、90%以上とするのが、表示画面の明るさを保持する点で好ましい。ここで、開口率は、導体細線による電極部分或いは配線部分の各外形全面積に対する、各外形全面積のうち導体細線の占める全面積を除く面積の割合である。
また、島状電極の最大外形の大きさは、2mm〜5mmであり、電極間配線の外形幅は島状電極の最大外形の大きさより小さいものとする。
同列に直列されておらず隣接する島状電極の間の距離は、島状電極の外形をなす辺間の距離として、例えば、20μm以上、100μm以下とする。
引出配線を構成する導体細線の寸法、ピッチ、厚みは、島状電極、電極間配線を構成する導体細線の寸法、ピッチ、厚みと同じであってもよいが、異ならせて、例えば、
導体細線の線幅、ピッチ、厚みをそれぞれ、50μm〜200μm、100μm〜1000μm、10μm〜50μmのようにしてもよい。
取出配線は、島状電極列からの信号を外部回路に伝達するものであり、高導電率を有する導電材料から形成される。引出配線は、導体細線によって形成された網目状をなしていてもよいし、網目状をなさず1本の配線内に開口部がない連続体による配線、所謂ベタ配線として形成してもよい。
また、引出配線の延長部分として形成されるタッチパネル端子部は、及び、タッチパネルフィルムの一方の面に形成される引出配線が、タッチパネルフィルムに形成されたスルーホール内の導体を介して接続される、タッチパネルフィルムの他方の面に形成される孤立配線は、及び、導体細線によって形成された網目状をなしていてもよいし、網目状をなさず連続体による配線(ベタ配線)として形成してもよい。
(意匠印刷層)
意匠印刷層は、網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムの片面の所定領域に透光性を有する透明な開口領域を表示領域、入力領域として残すために、この開口領域の周辺の領域に光不透過性の窓枠や抜き文字等の印刷を施した層である。なお、この透明な開口領域は、タッチパネルの主面、側面に形成される入力領域であり、ユーザによるタッチ入力ができるアクティブ領域であり、意匠印刷層はユーザによるタッチ入力できない非アクティブ領域である。
意匠印刷層は意匠フィルムに形成され、この意匠フィルムとして、タッチパネルフィルムとして使用される電気絶縁性透明樹脂フィルムを使用することができ、このフィルムの片面に意匠印刷層を形成する。
この意匠印刷層は、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷等によって、例えば、厚さ2μm〜10μmでフィルムに形成される。
なお、意匠印刷層が形成された意匠フィルムを使用せずに、網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムの片面に意匠印刷層を形成し、タッチパネルフィルムに形成された意匠印刷層によって決定される開口領域を表示領域、入力領域とすることもできる。
また、意匠印刷層が形成された意匠フィルムと網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムを積層した態様で使用することもでき、例えば、後述するタッチパネル成型体(D)のように使用することができる。
(ハードコート層)
タッチパネルの最外層となる透明樹脂ケース或いは意匠フィルムに形成されるハードコート層の厚さは、1μm〜20μmが好ましい。ハードコート層は、代表的には、例えば、ニデック社製の有機無機ハイブリッドハードコート剤Acier(アシェル)を用いて形成することができる。
<入出力一体型装置(I)、(II)、(III)、(IV)に共通する事項>
本発明による後述する入出力一体型装置(I)、(II)、(III)、(IV)の少なくとも1つに共通する事項について説明する。
(入出力一体型装置の構成)
本発明によるタッチパネルは、表示装置と組合せて用いられ入出力一体化装置を構成する。入出力一体化装置は、タッチパネル成型体、表示装置、タッチパネル成型体と表示装置との間を電気的に接続するフレキシブル印刷回路基板(FPC)等の接続導体、及び、タッチパネル制御・信号処理回路、表示ユニット制御・信号処理回路、入出力一体化装置制御・信号処理回路を含む。表示装置は、例えば、液晶表示装置(LCD)である。
タッチパネルの主要な構成要素であるタッチパネル成型体は、タッチパネル制御・信号処理回路は、これから送信される駆動信号によって駆動制御され、タッチパネル成型体からの信号を処理する。タッチパネル成型体からの信号或いはこの信号の処理結果は、表示装置に送信されそこで表示に必要とされる信号処理がなされ、表示ユニット制御・信号処理回路によって駆動制御される表示装置の表示面に表示される。入出力一体化装置制御・信号処理回路は、入出力一体化装置全体を制御すると共にこの装置全体に係る信号処理を実行する回路であり、タッチパネル制御・信号処理回路及び表示ユニット制御・信号処理回路へ制御信号を送信しこれらの回路の動作を制御する回路である。
タッチパネルと組合せて用いられる表示装置は、文字情報、画像情報を含む映像の出力装置であり、表示面と表示ユニット制御・信号処理回路を有している。表示面は映像を出力表示する表示領域と、この表示領域を取囲む非表示領域からなる。表示ユニット制御・信号処理回路は、出力表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示装置を駆動する。表示装置は、表示ユニット制御・信号処理回路の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面に表示する。
タッチパネルのxy主面は、表示装置の表示面の上方に表示面に対向して配置され、タッチパネルのxy主面に設けられた主面入力領域(タッチ入力領域、アクティブ領域)は、表示装置の表示面の表示領域に相対して配置される。また、タッチパネルのxy主面に設けられた非アクティブ領域は表示装置の非表示面の表示領域に相対して配置される。ユーザは、表示装置の表示面に表示される映像を透光性を有する主面入力領域を介して観察することができる。
(入出力一体型装置の大きさの例)
入出力一体型装置を備える電子機器の例として携帯電話機能を有する携帯端末をとると、その外形寸法は、横が70mm〜80mm、縦が130mm〜150mm、厚さが8mm〜100mm、表示装置の表示面の表示領域とこれに対応するタッチパネルの主面入力領域の形状は矩形であり、例えば、横方向長さが60mm〜70mm、縦方向長さが90mm〜120mmであり、側主面入力領域の形状は矩形であり、例えば、横側面では厚さ方向長さが8mm〜10mm、横方向長さが50mm〜60mm、縦側面では厚さ方向長さが8mm〜10mm、縦方向長さが80mm〜110mmである。
本発明によるタッチパネルは表示装置と組合せて用いられ、タッチパネルは、主面入力領域に加えて側面入力領域を有しタッチ入力領域を複数面にもち、しかも、引出配線の殆どを側面に形成しているので、主面の殆どを主面入力領域ことができ、大きな表示面をもつ表示装置と組合せて用いることができ、入出力情報を大きな同一の表示面に表示できる入出力一体化装置を好適に構成することができ、優れた操作性を有する電子機器を提供することができる。
(表示装置の例)
本発明によるタッチパネルは、液晶ディスプレイ装置、有機LEDディスプレイ装置、無機LEDディスプレイ装置、エレクトロクロミックディスプレイ、プラズマディスプレイ装置、電界放出ディスプレイ装置等の表示装置と組合せて、操作性に優れた入出力一体型装置を実現することができる。
(入出力一体型装置が適用される電子機器の例)
このような入出力一体型装置は、タッチパネル、出力表示画面(タッチパネルの主入力領域に一致する。)を有する表示装置を備え、例えば、洗濯機、冷蔵庫、テレビを始めとする一般家電品、携帯用電話機、カーナビゲーション装置、可搬型ナビゲーション装置、携帯型メディアプレーヤ、電子ブックリーダー装置、タブレット端末、ゲーム機、電子辞書、現金自動預け払い機、各種の理化学機器を始めとする産業用機器等々の各種の電子機器にその構成の一部を構成するように適用される。
このような入出力一体型装置では、その出力表示画面を参照しながら、同じ出力表示画面を入力面としてここに、ユーザが、タッチペン等の入力器具や指等の指示体によりタッチ入力して出力表示画面の任意の位置を指示することにより、予め設定されている各種操作条件を出力表示画面で選択したり、各種操作条件を出力表示画面に数値入力したり、各種操作条件に対応して側面入力領域に予め設定された複数のキーから目的とするキーを選択したりして、種々の電子装置にその運転条件を指示することができる。
本発明のタッチパネルを使用すれば、上述のように、主面と側面の両面にタッチ入力領域が形成されているので、各種操作条件を主面入力領域及び側面入力領域の両タッチ入力領域から指示することができるので、本発明のタッチパネルと各種の表示装置と組合せた入出力一体型装置を備える電子機器はその操作性が優れたものとなる。
以下、タッチパネル成型体からなるタッチパネルの製造方法とタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置の構成例について説明する。
<タッチパネル成型体(A)からなるタッチパネルの製造方法とタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置(I)>
<タッチパネル成型体(A)>
本発明によるタッチパネルの主要な構成要素の例であるタッチパネル成型体(A)は、図1に示す製造工程によって製造される。
図1は、本発明の実施の形態において、タッチパネル成型体(A)の製造工程を説明する図であり、図1(a)は、タッチパネルフィルムに接触検知電極と引出配線を形成する工程、次に、意匠印刷層を形成する工程を実行することにより得られたフィルムを説明する平面図であり、図1(b)は、図1(a)で得られたフィルムを加熱フォーミングする工程によって得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する斜視図(上図)とX−X断面図(下図)であり、図1(c)は、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型の工程を説明する断面図であり、図1(d)は、型開きして金型から成型体を取出しハードコート材料の仮硬化層を本硬化する工程を説明するX−X断面図であり、図1(e)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)を接続した状態のタッチパネル成型体(A)を説明するX−X断面図(上図)、Y−Y断面図(下図)である。
図1(a)に示すように、タッチパネルフィルム40にタッチ位置を検出する接触検知電極、電極間配線(図1(a)に図示せず。)、引出配線(図1(a)に図示せず。)、引出配線の末端のタッチパネル端子部18(図1(a)に図示せず。)、y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18にスルーホール19を形成する。
ここで、接触検知電極は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されるx方向に配列する接触検知電極20であり、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されるy方向に配列する接触検知電極30である。電極間配線は、接触検知電極の間を接続する配線であり、タッチパネルフィルム40の表面に形成されるx方向の電極間配線21であり、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されるy方向の電極間配線31である。引出配線は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されるx方向の引出配線22、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されるy方向の引出配線32である。
次に、意匠印刷層4をタッチパネルフィルム40の表面に形成する。この結果、接触検知電極20、30、電極間配線21、31(図1(a)に図示せず。)、引出配線22、32(図1(a)に図示せず。)、意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムを得る。このタッチパネルフィルムに関しては、後述する図2〜図5、図10によってその詳細を説明する。
図1(a)において、最終的に形成されるタッチパネルにおいて、主面入力領域10、タッチパネルの側面入力領域15a、15bとなる部分を点線で示している。
接触検知電極20、30、電極間配線21、31、引出配線22、32、意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムに対して、タッチパネル端子部18、y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18のスルーホール19を形成してもよいし、タッチパネル端子部18、y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18のスルーホール19が形成された後に、意匠印刷層43が形成されてもよい。
次に、図1(b)に示すように、図1(a)で得られたフィルムを加熱フォーミングすることによってタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αを作製する。網目状導体パターン、意匠印刷層が形成され図1(a)で得られたタッチパネルフィルムを加熱軟化させ冷却固化する前に型にセットして、真空圧や圧縮空気で目的とする箱型の形状に成型した後、不要部分をトリミング(仕上げ加工、抜き加工)し、図1(b)のX−X断面図に示すように、内部に直方体状の中空部63を有する箱型のフィルム中間品として、中空部63の外部の面に意匠印刷層43を有するタッチパネル加熱フォーミング体(α)を得る。この加熱フォーミング体(α)50αに関しては、後述する図6によってその詳細を説明する。
なお、図1(a)、図1(b)では、島状電極20、30は共に実質的に透明なものであり視認されないが、構成を明確にし且つ図示を簡略にするために、表面、裏面に形成された島状電極20、30は共に実線で示し、表面及び裏面でそれぞれ隣接する2つの島状電極を接続する電極間配線21、31は省略し、z方から見たとき表面の島状電極20と裏面の島状電極30が隣接する間の間隙も省略している(図2、図5、図6、図7、図8、図11(a)、図11(b)、図13(a)、図13(b)、図15(a)、図15(b)、図15(e)、図16、図17(b)、図18、図24〜図28に関しても同様である。)。
次に、図1(c)、図1(d)に示すように、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型によって、タッチパネル成型体(A)50Aを得る。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)とハードコート材料の仮硬化層45aが表面に形成された剥離性フィルム46を用いて、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とを同時に行うことによってタッチパネル成型体(A)50Aを得る。
即ち、図1(c)に示すように、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面を、凸状金型91aの凸状部にセットし、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面と凹状金型91bの凹状部の間に、ハードコート材料の仮硬化層45aが表面に形成された剥離性フィルム46を通過させ配置して、凸状金型91aと凹状金型91bとを型合せ(型締め、型閉じ)して、流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)を、剥離性フィルム46に形成されたハードコート材料の仮硬化層45aとタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面のなす間隙に射出し(圧力をかけて流し込み)充填すると同時に、剥離性フィルム46の面から成型樹脂材料の面に仮硬化層45aを転写し、冷却固化させ型開きして、成型体を金型から取出す。
次に、図1(d)に示すように、金型から取出した成型体のハードコート材料の仮硬化層45aを本硬化させて、ハードコート層45、成型樹脂材料による透明樹脂ケース62、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの3者が一体化され、意匠印刷層43がタッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62により挟まれ完全に封止されたタッチパネル成型体(A)50Aを得ることができる。
なお、図1(c)には金型の細部は図示していないが、凸状金型91a、凹状金型91bには、これを使用して作製される成型体の金型よりの型抜きを容易にするために抜き勾配をもたせ、加熱融解した成型樹脂材料の流れを容易とし、また、応力集中を減少させるためにコーナー(角)部に曲率半径(R)をもたせる。成型体において、肉厚がtである透明樹脂硬化体の2面が交差する角部の曲率半径(R)は、角部の内面側でR1=(1/t)、角部の外面側でR2=(1.5/t)とする。例えば、t=0.5mmとすると、R1=0.25mm、R2=0.75mmである。上述したような抜き勾配、角部の曲率半径(R)は、後述する、凸状金型93a、95a、95b、97a、凹状金型93b、95c、97bにももたせる。
次に、図1(e)に示すように、フレキシブル印刷回路基板(FPC)70はその一方のFPC端子部でタッチパネル成型体(A)50Aのzy面に露出するタッチパネル端子部18に接続されており、タッチパネル成型体(A)50Aを、後述する図9で説明するように、フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の他方のFPC端子部が、表示装置90、及び、タッチパネル制御・信号処理回路100、表示ユニット制御・信号処理回路110、入出力一体型装置制御・信号処理回120等の回路が実装される実装基板92の実装基板端子72に接続される。
なお、フレキシブル印刷回路基板(FPC)70が接続されるタッチパネル端子部18の近傍の構造の詳細については、図10を参照して詳細に後述する。
(タッチパネルフィルムへの網目状導体パターンの形成)
図2は、本発明の実施の形態において、接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(a)を説明する平面図である。
図2に示すように、タッチパネルフィルム40の表面には、x方向の電極間配線21(図2に図示せず。)により直列接続されるx方向に配列する接触検知電極20の電極列の複数列(10列)がy方向に形成され、これらの電極列の末端の接触検知電極20に接続されるx方向の引出配線22が形成される。
また、タッチパネルフィルム40の裏面には、y方向の電極間配線31(図2に図示せず。)により直列接続されるy方向に配列する接触検知電極30の電極列の複数列(6列)がx方向に形成され、これらの電極列の末端の接触検知電極30に接続されるy方向の引出配線32が形成される。
図2に示すように、タッチパネルフィルム40の表面に形成される接触検知電極20と裏面に形成される接触検知電極30は、z方向から見たときに互いに重ならないように、間隔(図2に図示せず。)を置いて格子状に二次元に配置されている。なお、接触検知電極20,30はそれぞれ、頂角が90°をなす菱形をなしている。
更に、タッチパネルフィルム40の表面には、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18が形成され、y方向の引出配線32はスルーホール19を介してタッチパネル端子部18に接続されている。スルーホール19はタッチパネル端子部18の任意の箇所、y方向に配列する接触検知電極30の電極列の末端の接触検知電極30からタッチパネル端子部18に到るまでのy方向の引出配線32の任意の箇所に形成してもよい。
なお、タッチパネルフィルム40の裏面に、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18を形成し、x方向に配列する接触検知電極20の電極列の末端の接触検知電極20からタッチパネル端子部18に到るまでのx方向の引出配線22の任意の箇所にスルーホール19を形成し、x方向の引出配線22をスルーホール19を介してタッチパネル端子部18に接続する構成とすることもできる。
更に、接触検知電極(検出電極)20、30、及び、引出配線22、32の抵抗値を精密に調整し、タッチ位置の位置検出精度を高めるために、必要に応じて取出配線22、32の抵抗値を調整するための抵抗調整部を、例えば、タッチパネルの側面部に形成された引出配線22、32がタッチパネル端子部18に到るまでの途中の任意の箇所に設けてもよい。
図2に示す例では、最終的に形成されるタッチパネルのxy面の主面入力領域10は、タッチフィルム40の主面となる領域12の殆どを占め、タッチパネルのxz面、yx面での側面入力領域15a、15bとなる部分の接触検知電極20、30をそれぞれ、図2の左方、上方に示している。
図3は、本発明の実施の形態において、接触検知電極、電極間配線、引出配線を説明する要部拡大図(平面図)であり、図3(a)は、導体細線によって形成された網目状のx方向、y方向の接触検知電極と電極間配線の要部拡大平面図であり、図3(b)は、導体細線によって形成された網目状の引出配線の要部拡大平面図である。
図3に示すように、x方向に配列する接触検知電極20では、隣接する接触検知電極20の間はx方向の電極間配線21によって、導体細線からなる複数の接続経路で電気的に接続され、x方向に配列する末端の接触検知電極20にはx方向の引出配線22(図示せず)が接続される。
また、同様に、y方向に配列する接触検知電極30では、隣接する接触検知電極30の間はy方向の電極間配線31によって、導体細線からなる複数の接続経路で電気的に接続され、y方向に配列する末端の接触検知電極30にはy方向の引出配線32(図示せず)が接続される。
接触検知電極20、30、電極間配線21、32、引出配線22、32はのうち少なくとも接触検知電極20、30、電極間配線21、32は、導体細線により形成される網目状導体(メッシュ状導体)であり、引出配線22、32は、網目状導体をなしてもよいし、網目状導体をなさず開口部がない連続体による導体、所謂ベタ配線として形成してもよい。
また、引出配線22,32の延長部分として形成されるタッチパネル端子部18(図1、図2、及び、後述する各図に示される。)は、導体細線によって形成された網目状をなしていてもよいし、網目状をなさず連続体による配線(ベタ配線)として形成してもよい。
島状電極、電極間配線は90%以上の高開口率(高光透過率)を有するように形成すし、導体細線を視認し難くし、表示画面の視野を明るくなるようにする。
また、網目状導体によって形成される、接触検知電極20、30、電極間配線21、32、引出配線22、32は、後述する加熱フォーミング体(α)、(β)を形成する際に、その形成過程において、加熱フォーミング体の角部に接触検知電極20、30、電極間配線21、32、引出配線22、32が配置されるような場合にも、これらの電極、配線に印加される引張り力、圧縮力による変形による断線によって、これらの配線、電極に電気的接続の中断が生じないように、導体として、展性、延性に優れたAu、Ag、Cu、Al等を用いて島状電極、電極間配線、引出配線を形成し、これら電極、配線の形成条件(導体細線の幅、厚さ、ピッチ)を予め定めておくようにする。
更に、引出配線22、32が網目状導体ではなくベタ配線(連続体による配線)で形成される場合にも、後述する加熱フォーミング体(α)、(β)を形成する際に、引張り力、圧縮力による変形による断線を生じないように、導体として、展性、延性に優れたAu、Ag、Cu、Al等を用いてベタ配線を形成し、その形成条件(幅、厚さ、ピッチ)を予め定めておくようにする。
網目状導体(メッシュ状導体)は、(1)導電インクの印刷による方法、(2)導体薄膜のエッチングによる方法、(3)蒸着マスクを使用して金属の蒸着薄膜による方法
(4)銀塩を利用した導電性銀形成法による方法の何れかによって、形成することができる。
(タッチパネルフィルムへの意匠印刷層の形成)
図4は、本発明の実施の形態において、タッチパネルフィルムに形成する意匠印刷層を説明する平面図である。
図4に示すように、最終的に形成されるべくタッチパネルの主面(xy面)となる領域12の殆どを占める主面入力領域10が、光透過性を有する透明な開口領域44として形成され、意匠印刷層43が形成されない部分とされ、この開口領域44の外周部分に意匠印刷層が形成される。
図4の左方、上方にそれぞれ点線で示され、最終的に形成されるタッチパネルのxz面、yx面で側面入力領域15a、15bとなる部分には、意匠印刷層によって、例えば、各種の操作のための案内キーが透明な背景と共に示されている。開口領域44の外周部分で最終的に形成されるタッチパネルの側面入力領域とされない図4の右方、下方の領域は、意匠印刷層43として、光を遮断する光不透過性の層が印刷される。
図4に示すタッチパネル端子部開口部16は、次に説明する図5に示すタッチパネル端子部18が露出する意匠印刷層が形成されない開口部となる。
図5は、本発明の実施の形態における、接触検知電極、引出配線、及び、意匠印刷層が形成されたタッチパネルフィルム(a)を説明する平面図である。図5は、図2の上に図4を重ねた図であるので説明は省略する。
(タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の形成)
図6は、本発明の実施の形態において、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する斜視図である。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αはその内部に直方体の中空部63を有し、主面と側面に意匠印刷層を含んでいる。図6に示すように、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの主面となる領域12(xy面)には、x方向に配列する接触検知電極20、y方向に配列する接触検知電極30を含む主面入力領域10がその外周を意匠印刷層43によって囲まれて形成されている。また、xy面に直交する側面には、外周を意匠印刷層43によって囲まれた側面入力領域15a、15b(15bは図示されず)、及び、外周を意匠印刷層43によって囲まれ、タッチパネル端子部18、スルーホール19が形成されるタッチパネル端子部開口部16が設けられている。
図7は、本発明の実施の形態において、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する図であり、図7(a)は背面図であり、図7(b)は左側面図であり、図7(c)は平面図であり、図7(d)は右側面図であり、図7(e)は正面図である。
図7に示すように、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αには、その主面となる領域12(xy面)にはその殆どを占める主入力領域10が設けられ、背面、左側面にはそれぞれ側面入力領域15a、15bが設けられ、正面には、タッチパネル端子部18、スルーホール19が設けられるタッチパネル端子部開口部16と、これを取囲みx方向の引出配線32とy方向の引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43とが形成されている。右側面には、y方向の引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43が形成されている。
図8は、本発明の実施の形態において、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する下面図である。
図8に示すように、x方向に配列する接触検知電極20の電極列の10列に接続され、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの正面に形成されたx方向の引出配線22は、端子部18aに接続される。また、y方向に配列する接触検知電極30の電極列の6列に接続され、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの右側面に形成されたy方向の引出配線32は、スルーホール19が形成される端子部18bに接続される。
<入出力一体型装置(I)>
主要な構成要素としてタッチパネル成型体(A)を有するタッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(I)について説明する。
図9は、本発明の実施の形態において、タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(I)を説明する図であり、図9(a)は側面図(ハードコート層は図示せず。)であり、図9(b)はX−X断面図であり、図9(c)はY−Y断面図である。
図9に示すように、タッチパネル成型体(A)50Aを有する入出力一体型装置(I)50Iは、タッチパネル成型体(A)50Aから構成され直方体の内部空間を有する上側筐体67と、この上側筐体67と勘合させて閉鎖空間を形成するための下側筐体69を備える。
なお、図9(a)において、タッチパネル成型体(A)50Aの最外層のハードコート層45は図示を省略しており、開口領域44は、タッチパネルフィルム40に意匠印刷層が形成されていない透明な領域であり、主面入力領域10に対応しこれに含まれる実質的に透明なものであり視認されない島状電極20、30は図示していない。
図9(b)、図9(c)に示すように、上側筐体67の内部空間には、実装基板端子72の一方の面に搭載される表示装置90が収納され、上側筐体67と実装基板端子72は接合されている。実装基板端子72の他方の面には、タッチパネル制御・信号処理回路100、表示ユニット制御・信号処理回路110、入出力一体型装置制御・信号処理回120等の回路が搭載されている。
また、フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の一方のFPAC端子はタッチパネル端子部18に接続され、他方のFPAC端子は実装基板92の実装基板端子部72と接続され、実装基板端子部72とタッチパネル端子部18はフレキシブル印刷回路基板(FPC)70を介して電気的に接続されている。
また、指示体により情報が入力される主面入力領域及び側面入力領域にそれぞれ形成される電極列に対して、共通の外部回路100、110、120によって信号の送受がなされる(後述の図12、図14、図22についても同様である。)。
一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18の間、他方のFPAC端子と実装基板端子部72の間はそれぞれ、例えば、異方性導電接着剤によって接続される。
図9(b)では、一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18の間、他方のFPAC端子と実装基板端子部72の間が異方性導電接着剤によって接続される例を示しているが、図9では一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18の間の接続の詳細は図示していない(後述の図12、図14、図22についても同様である。)。
異方性導電接着剤として、市販品として入手可能な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic
conductive Paste)を使用することができる。例えば、実装基板端子部72と他方のFPAC端子との間に異方性導電フィルムを配置し、或いは、実装基板端子部72と他方のFPAC端子の一方に異方性導電ペーストを塗布した後、加圧しながら異方性導電接着剤を硬化させて、実装基板端子部72と他方のFPAC端子との間を電気的に接合すると共に、実装基板92とフレキシブル印刷回路板(FPC)70とを接合することができる。
図10は、本発明の実施の形態において、タッチパネル端子部の構造を説明する図であり、図10(a)は、タッチパネル端子部の構造を説明する拡大平面であり、図10(b)は、タッチパネル端子部の拡大W−W断面図((b1)はスルーホールの形成を説明する断面図であり、(b2)はスルーホールのカーボンによる充填、保護層の形成を説明する図である。)であり、図10(c)は、タッチパネル端子部とFPC端子部の位置関係を示す図である。
図10に示すように、先述した図1、図2、図5、図6、図7、図8に示すタッチパネル端子部18の近傍で意匠印刷層43によって被覆されず露出する部分、即ち、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32、タッチパネル端子部18、スルーホール19の位置77に形成されたスルーホール19の内部を充填する導体が外部に露出する部分、孤立配線23の面には、これらを完全に覆うように保護層34が形成され、保護層34で被覆された引出配線73及びタッチパネル端子部75が形成される(後述する図11、図13、図15〜図18、図24〜図28に示すタッチパネル端子部18においても同様である。)。
図10(b)、図10(c)では、タッチパネル端子部18は、y方向の引出配線32の延長部分でもあるので、引出配線32の断面として図示しており、孤立配線23は、x方向の引出配線22が形成された面に形成され、x方向の引出配線22に接続されず、スルーホール19の内部に充填された導体を介して、y方向の引出配線32が接続されている。
先述した図2において説明したタッチパネルフィルム40に接触検知電極22、32、引出配線22、32、タッチパネル端子部18の形成に続いて、図10(b)の(b1)に示すように、孤立配線23とy方向の引出配線32を電気的に接続するためにスルーホール19を形成する。
ここで、孤立配線23は、引出配線22、32、タッチパネル端子部18と同様に、同様に、導体細線により形成され網目状をなす網目状導体により形成してもよいし、ベタ配線で形成してもよい。
なお、接触検知電極20、30、電極間配線21、31、引出配線22、32、意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムに対して、タッチパネル端子部18、y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18のスルーホール19の形成してもよいし、タッチパネル端子部18、y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18のスルーホール19が形成された後に、意匠印刷層43が形成されてもよい。
次に、図10(b)の(b2)に示すようにスルーホール19の内部に、タッチパネルフィルム40の両面側からのカーボンインクの印刷により供給、充填し、意匠層印刷層43が先に形成されている場合には、意匠層印刷層43によって被覆されていない孤立配線23、y方向の引出配線32、スルーホール19を充填し外部に露出するカーボン33を完全に覆うように、カーボンインクの印刷により形成されたカーボンからなる保護層34を設ける。
このカーボン保護層34は、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32、タッチパネル端子部18がAgによって形成されている場合には、Ag部分を完全に被覆して、Agの酸化やマイグレーションを防止する層となる。
なお、保護層34を設けた後に、意匠層印刷層43を形成する場合には、意匠層印刷層43が保護層34と重なるように意匠層印刷層43を形成する。
図10(c)は、先述した図9(b)の説明に関連し、タッチパネル端子部18とFPAC端子78との間の接続における位置関係を示す。タッチパネル端子部18に形成されたカーボン保護層34とFPAC端子78との間が異方性導電接着剤によって電気的に接続される。
<タッチパネル成型体(B)からなるタッチパネルの製造方法とタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置(II)>
<タッチパネル成型体(B)>
本発明によるタッチパネルの主要な構成要素の他の例であるタッチパネル成型体(B)は、図11に示す製造工程によって製造される。
図11は、本発明の実施の形態において、タッチパネル成型体(B)の製造工程を説明する図であり、図11(a)は、タッチパネルフィルムに接触検知電極と引出配線を形成する工程、次に、意匠印刷を形成する工程を実行することにより得られたフィルムを説明する平面図であり、図11(b)は、図11(a)で得られたフィルムを加熱フォーミングする工程によって得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する斜視図(上図)とX−X断面図(下図)であり、図11(c)はフィルムインサート成型の工程を説明するX−X断面図であり、図11(d)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)を接続した状態のタッチパネル成型体(B)を説明するX−X断面図(上図)、Y−Y断面図(下図)である。
図11に示すタッチパネル成型体(B)は、図1に示すタッチパネル成型体(A)においてハードコート層45を設けない構造を有するものである。
図11(a)、図11(b)は、図1(a)、図1(b)と同一であり、図1(a)、図1(b)に示したものと同様にして、タッチパネルフィルム40に、網目状導体パターン20、30、18を形成し、次に、意匠印刷層43を形成し、網目状導体パターン20、30、18と意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムを作製して、これを用いてタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αを得る。
次に、図11(c)に示すように、このタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αを用いてフィルムインサート成型によってタッチパネル成型体(B)を得る。即ち、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面を、凸状金型93aの凸状部にセットし、凸状金型93aと凹状金型93bとを型合せ(型締め、型閉じ)して、流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)を、凹状金型93bの凹状部とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面のなす間隙に射出し(圧力をかけて流し込み)充填し、冷却固化させ金型を型開きして、成型体を金型から取出す。
このようにして、成型樹脂材料による透明樹脂ケース62とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αとが一体化され、意匠印刷層43がタッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62により挟まれ完全に封止されたタッチパネル成型体(B)50bを得ることができる。
図11(d)は、図1(e)において、タッチパネル成型体(A)50Aをタッチパネル成型体(B)50Bに置換えたものと同様であるので説明は省略する。
<入出力一体型装置(II)>
主要な構成要素としてタッチパネル成型体(B)を有するタッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(II)について説明する。
図12は、本発明の実施の形態において、タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(II)を説明する図であり、図12(a)はX−X断面図であり、図12(b)はY−Y断面図である。
入出力一体型装置(II)50IIは、図9に示す入出力一体型装置(I)50Iと同様であるので説明は省略する。また、図12は、図1において、タッチパネル成型体(A)50Aをタッチパネル成型体(B)50Bに置換えたものと同様であるので説明は省略する。
<タッチパネル成型体(C)からなるタッチパネルの製造方法とタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置(III)>
<タッチパネル成型体(C)>
本発明によるタッチパネルの主要な構成要素の他の例であるタッチパネル成型体(C)は、図13示す製造工程によって製造される。
図13は、本発明の実施の形態において、タッチパネル成型体(C)の製造工程を説明する図であり、図13(a)は、タッチパネルフィルムに接触検知電極と引出配線を形成する工程、次に、意匠印刷を形成する工程を実行することにより得られたフィルムを説明する平面図であり、図13(b)は、図13(a)で得られたフィルムを加熱フォーミングする工程によって得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)を説明する斜視図(上図)とX−X断面図(下図)であり、図13(c)はフィルムインサート成型の工程を説明するX−X断面図であり、図13(d)は補強材料成型の工程を説明する断面図であり、図13(e)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)を接続した状態のタッチパネル成型体(B)を説明するX−X断面図(上図)、Y−Y断面図(下図)である。
タッチパネル成型体(C)50Cは、タッチパネル成型体(B)50Bに補強枠96を付加した構造を有するものである。
図13(a)、図13(b)は、図1(a)、図1(b)と同一であり、図1(a)、図1(b)(図11(a)、図11(b))に示したものと同様にして、タッチパネルフィルム40に、網目状導体パターン20、30、18を形成し、次に、意匠印刷層43を形成し、網目状導体パターン20、30、18と意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムを作製して、これを用いてタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αを得る。
次に、このタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αを用いてフィルムインサート成型(1次成型)、補強材料成型(2次成型)の2段階成型によってタッチパネル成型体(C)50Cを得る。この2段階成型(1次成型、2次成型)では、凹状金型95cは共通の金型(共通金型)として使用される。
即ち、先ず、図13(c)に示すように、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面を、凸状金型95aの凸状部にセットし、凸状金型95aと凹状金型95cとを型合せ(型締め、型閉じ)して、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の外面を、凹状金型95cの凹状部にセットし、凹状金型95cと凸状金型95aとを型合せ(型締め、型閉じ)して、流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)を、凹状金型95cの凹状部とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面のなす間隙に射出し(圧力をかけて流し込み)充填し、冷却固化させる1次成型によって、1次成型体を得る。
次に、図13(d)に示すように、型開きしてこの1次成型体を凹状金型95cに残したままの状態で、凸状金型95aを凸状金型95bに変更して、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内面に補強枠96を形成する2次成型によって、2次成型体を得る。
この2次成型では、凸状金型95bを、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内部にセットし、凹状金型95cと凸状金型95bとを型合せ(型締め、型閉じ)して、流動化した成型樹脂材料を、凸状金型95bの凸状部の側面とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの内側面のなす間隙に射出し(圧力をかけて流し込み)充填し、冷却固化させる2次成型によって、2次成型体を得る。
或いは、2次成型では、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内部に、成型樹脂材料が仮硬化された状態(例えば、Bステージの熱硬化性樹脂)にある補強枠96をセットし、次に、この補強枠96の枠内に凸状金型95bの凸状部をセットし、仮硬化された状態にある補強枠96を、1次成型で冷却固化された透明樹脂60と凸状金型95bの凸状部の間に挟むようにした状態で、仮硬化された状態にある補強枠96を加熱して本硬化させ、2次成型体を得る。
また、2次成型では、凸状金型95bの凸状部の外面に、成型樹脂材料が仮硬化された状態にある補強枠96をセットし、次に、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内部に凸状金型95bの凸状部をセットし、仮硬化された状態にある補強枠96を透明樹脂60と凸状金型95bの凸状部の間に挟むようにした状態で仮硬化された状態にある補強枠96を加熱して本硬化させ、2次成型体を得るようにしてもよい。
なお、この2次成型で使用する成型樹脂材料は、1次成型で使用する成型樹脂材料(透明樹脂60)とは異なり、強度を高める目的で無機粒子が充填された成型用樹脂材料である。この成型用樹脂材料は、透明である必要はなく、例えば、無機粒子が充填された熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等)である。
このようにして、補強枠96、透明樹脂ケース62、タッチパネル加熱フォーミング体(α)の3者が一体化され、意匠印刷層43がタッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62により挟まれ完全に封止されたタッチパネル成型体(C)50cを得ることができる。
図13(e)は、図1(e)において、タッチパネル成型体(A)50Aをタッチパネル成型体(C)50Cに置換えたものと同様であるので説明は省略する。
<入出力一体型装置(III)>
主要な構成要素としてタッチパネル成型体(C)を有するタッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(III)について説明する。
図14は、本発明の実施の形態において、タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(III)を説明する図であり、図14(a)はX−X断面図であり、図14(b)はY−Y断面図である。
入出力一体型装置(III)50IIIは、図9に示す入出力一体型装置(I)50Iと同様であるので説明は省略する。また、図14は、図1において、タッチパネル成型体(A)50Aをタッチパネル成型体(C)50Cに置換えたものと同様であるので説明は省略する。
<タッチパネル成型体(D)からなるタッチパネルの製造方法とタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置(IV)>
<タッチパネル成型体(D)>
本発明によるタッチパネルの主要な構成要素の他の例であるタッチパネル成型体(C)は、図15に示す製造工程によって製造される。
図15は、本発明の実施の形態において、タッチパネル成型体(D)の製造工程を説明する図であり、図15(a)は、タッチパネルフィルムに接触検知電極と引出配線を形成する工程を説明する平面図であり、図15(b)は、図15(a)で得られたフィルムを加熱フォーミングする工程によって得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)を説明する斜視図であり、図15(c)は、意匠印刷層を形成した意匠フィルムを準備する工程を説明する平面図であり、図15(d)は、図15(c)で得られた意匠フィルムを加熱フォーミングする工程によって得られた意匠フィルム加熱フォーミング体を説明する斜視図であり、図15(e)は、フィルムインサート成型の工程を説明する断面図、及び、タッチパネル成型体(D)の斜視図、X−X断面図であり、図15(f)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)を接続した状態のタッチパネル成型体(D)を説明するX−X断面図(上図)、Y−Y断面図(下図)である。
図15(a)に示すように、タッチパネルフィルム40に、図1(a)に示したものと同様の網目状導体パターンを形成する。図15(b)に示すように、網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルム40を加熱軟化させ冷却固化する前に型にセットして、真空圧や圧縮空気で目的とする箱型の形状に成型した後、不要部分をトリミング(仕上げ加工、抜き加工)し、内部に直方体状の中空部を有する箱型のフィルム中間品として、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βを得る。
図15(c)に示すように、意匠フィルム42に、図1(a)に示したものと同様の意匠印刷層43を形成する。図15(d)に示すように、意匠印刷層43が形成された意匠フィルム42を加熱軟化させ冷却固化する前に型にセットして、真空圧や圧縮空気で目的とする箱型の形状に成型した後、不要部分をトリミング(仕上げ加工、抜き加工)し、内部に直方体状の中空部を有する箱型のフィルム中間品として、中空部の内部の面に意匠印刷層を有する意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γを得る。
次に、図15(e)に示すように、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βと意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γを用いてダブルフィルムインサート成型によって内部に中空部63を有するタッチパネル成型体(D)50Dを得る。
即ち、図15(e)の左図(上図)に示すように、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βの中空部の内面を、凸状金型97aの凸状部にセットし、加熱フォーミング体(γ)50γの中空部の外面を、凹状金型97bの凹状部にセットし、凸状金型97aと凹状金型97bとを型合せ(型締め、型閉じ)して、流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)を、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βの外面と意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの内面のなす間隙に射出し(圧力をかけて流し込み)充填し、冷却固化させ型開きして、図15(e)の左図(下)及び右図に示すように、内部に中空部63を有するタッチパネル成型体(D)50Dを得る。
このようにして、成型樹脂材料による透明樹脂ケース62、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50β、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの3者が一体化され、意匠印刷層が意匠フィルムと透明樹脂ケース62により挟まれ完全に封止されたタッチパネル成型体(D)50Dを得ることができる。
図15(f)は、図1(e)において、タッチパネル成型体(A)50Aをタッチパネル成型体(D)50Dに置換えたものと同様であるので説明は省略する。
図16は、本発明の実施の形態において、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)を説明する斜視図である。
図17は、本発明の実施の形態において、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)を説明する図であり、図17(a)は背面図であり、図17(b)は左側面図であり、図17(c)は平面図であり、図17(d)は右側面図であり、図17(e)は正面図である。
図18は、本発明の実施の形態において、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)を説明する下面図である。
図16に示すタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βは、図6に示すタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αにおいて意匠印刷層43を取除いたものと同じであり、また、図17、図18は、図7、図8において意匠印刷層43を取除いたものと同じであので、説明は省略する。
図19は、本発明の実施の形態において、意匠フィルムを説明する平面図である。
図19に示すように、意匠フィルム42に形成される意匠印刷層43は、図4に示すタッチパネルフィルム40に形成される意匠印刷層43と同じものであり、最終的に形成されるタッチパネルの主面(xy面)となる領域12の殆どを占める主面入力領域10が光透過性を有する透明な開口領域44として、意匠印刷層が形成されない部分とされ、この開口領域44の外周部分に意匠印刷層が形成される。
図19の左方、上方にそれぞれ点線で示され、最終的に形成されるタッチパネルのxz面、yx面で側面入力領域15a、15bとなる部分には、意匠印刷層43によって、例えば、各種の操作のための案内キーが透明な背景と共に示されている。開口領域44の外周部分で最終的に形成されるタッチパネルの側面入力領域とされない図19の右方、下方領域は、意匠印刷層として、光を遮断する光不透過性の層が印刷される。タッチパネル端子部開口部16は、タッチパネル端子部18が露出する意匠印刷層が形成されない開口部である。
図20は、本発明の実施の形態において、意匠フィルム加熱フォーミング体を説明する斜視図である。
意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γはその内部に直方体の中空部を有し、図20に示すように、意匠フィルム42に意匠印刷層43が形成されない光透過性を有する透明な領域として開口領域44が主面に残され、開口領域44の外周部に光不透過性の意匠印刷層43が形成されている。また、xy面に直交する側面には、外周を意匠印刷層43によって囲まれた側面入力領域15a、15b(15bは図示されず)、及び、外周を意匠印刷層43によって囲まれ、タッチパネル端子部18、スルーホール19が形成されるタッチパネル端子部開口部16が設けられている。
図21は、本発明の実施の形態における、意匠フィルム加熱フォーミング体を説明するであり、図21(a)は背面図であり、図21(b)は左側面図であり、図21(c)は平面図であり、図21(d)は右側面図であり、図21(e)は正面図である。
図21に示すように、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γには、その主面となる領域12(xy面)にはその殆どを占める主入力領域10が開口領域44として設けられ、背面、左側面にはそれぞれ側面入力領域15a、15bが設けられ、正面には、タッチパネル端子部18、スルーホール19が設けられるタッチパネル端子部開口部16と、これを取囲みx方向の引出配線32とy方向の引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43とが形成されている。右側面には、y方向の引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43が形成されている。
なお、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの下面図(図21に図示しない)は、先述した図8に示したタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の下面図において、タッチパネルフィルム40を意匠フィルム42に置換えて、x方向に配列する接触検知電極20、y方向に配列する接触検知電極30、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32、スルーホール19、タッチパネル端子部18(18a、18b)を取除いたものと同じであるので説明は省略する。
<入出力一体型装置(IV)>
主要な構成要素としてタッチパネル成型体(D)を有するタッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(IV)について説明する。
図22は、本発明の実施の形態において、タッチパネル、表示装置を備えた入出力一体型装置(IV)を説明する図であり、図22(a)はX−X断面図であり、図22(b)はY−Y断面図である。
入出力一体型装置(IV)50IVは、図9に示す入出力一体型装置(I)50Iと同様であるので説明は省略する。また、図22は、図1において、タッチパネル成型体(A)50Aをタッチパネル成型体(D)50Dに置換えたものと同様であるので説明は省略する。
<タッチパネル成型体(A)〜(D)の工程比較>
図23は、本発明の実施の形態における、タッチパネル成型体の製造工程を説明する図であり、図23(a)は、タッチパネル成型体(A)〜(D)の工程を比較して説明する図であり、図23(b)は、タッチパネル成型体(A)〜(D)と入出力装置の関係を説明する図である。
図23は、図1〜図8、図11、図13、図15〜図21で説明したタッチパネル成型体の製造方法を比較した図であり、図23(a)に示すように、タッチパネル成型体(A)〜(C)の製造では、タッチパネルフィルム40に、接触検知電極20、30、電極間配線21、31、引出配線22、32を形成し、次に、意匠印刷層43を形成した後に、加熱フォーミングによってタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αを作製する。このタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αを用いて、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型によってタッチパネル成型体(A)50Aを、フィルムインサート成型によってタッチパネル成型体(B)50Bを、フィルムインサート成型と補強成型によってタッチパネル成型体(C)50Cをそれぞれ作製することができる。
また、タッチパネルフィルム40に、接触検知電極20、30、電極間配線21、31、引出配線22、32を形成した後に、加熱フォーミングによってタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βを作製し、また、意匠フィルム42に意匠印刷層43を形成した後に、加熱フォーミングによって意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γを作製し、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βと意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γを用いて、フィルムインサート成型によってタッチパネル成型体(D)50Dを作製することができる。
図23(b)に示すように、入出力一体型装置(I)50Iはタッチパネル成型体(A)50Aを、入出力一体型装置(II)50IIはタッチパネル成型体(B)50Bを、入出力一体型装置(III)50IIIはタッチパネル成型体(C)50Cを、入出力一体型装置(IV)50IVはタッチパネル成型体(D)50Dをそれぞれ構成要素として有する。
<タッチパネル成型体の製造工程の変形例>
図23(c)は、タッチパネル成型体の製造工程の変形例を説明する図である。
タッチパネル成型体の製造工程の変形例として、図23(c1)に示すように、タッチパネル成型体(B)、(C)、(D)の製造工程のフィルムインサート工程を、タッチパネル成型体(A)の製造工程と同じように、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とすることによって、タッチパネル成型体(B)、(C)、(D)の最外層にそれぞれハードコート層45が形成されたタッチパネル成型体(B’)、(C’)、(D’)を製造することができる。
また、図23(c2)に示すように、図23(a)に従って製造されたタッチパネル成型体(B)、(C)、(D)に対して、フィルムインモールド成型の工程を適用することによって、図23(c1)に示す例と同じように、タッチパネル成型体(B)、(C)、(D)の最外層にそれぞれハードコート層45が形成されたタッチパネル成型体(B’)、(C’)、(D’)を製造することができる。
なお、以上で説明したタッチパネル成型体(A)〜(D)の形成において、タッチパネル加熱フォーミング体(α)、タッチパネル加熱フォーミング体(β)、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)の形成では、これの加熱フォーミング体のベースとなっている樹脂フィルムの加熱温度は、樹脂の軟化温度とする。樹脂の軟化温度の300℃以下であることが好ましく、このような樹脂を例示すれば、PET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やTAC(融点:290℃)等である。
また、タッチパネル成型体(A)〜(D)の形成において、成型樹脂材料を流動化させる加熱温度(成型樹脂材料の射出温度)は、樹脂の溶融温度であり、例えば、アクリル系では240℃前後、ポリエステル系では280℃前後、ポリアミド系では200℃前後、その他、ABS、ポリスチレン、ポリカーボネート等では270℃前後である。
<タッチパネルフィルムに形成する接触検知電極、引出配線のパターンの変形例>
図2に平面図によって示した、網目状導体パターン(x方向、y方向に配列する接触検知電極20、30及び電極間配線21、31(21、31は図2には図示されない)、x方向、y方向の引出配線22、32、タッチパネル端子部18の各パターン)がタッチパネルフィルム40に形成されてなるタッチパネルフィルム(a)では、y方向の引出配線32が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面(xz面)となるべく主面となる領域12の右方に形成され、x方向、y方向の引出配線22、32、タッチパネル端子部18が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面(yz面)となるべく主面となる領域12の下方に形成されている。
なお、図2に示すタッチパネルフィルム(a)、後述する、図24に示すタッチパネルフィルム(b)、図25に示すタッチパネルフィルム(c)では、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な他方の側面(xz面)となるべく、x方向に垂直な他方の側面(yz面)となるべく、x方向、y方向に配列する接触検知電極20、30等の網目状導体パターンがそれぞれ、主面となる領域12の左方、主面となる領域12の上方に形成されている。
即ち、図2に示すタッチパネルフィルム(a)を用いたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)に形成されている。
x方向の一部の引出配線22は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、x方向の引出配線22、y方向の一部の引出配線32は、主面(xy面)とx方向に垂直な一方の側面(yz面)の2面のなす角部を通過しており、y方向の一部を除く他の引出配線32は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過することになる。
タッチパネルフィルム40にx方向、y方向に配列する接触検知電極20、30等の網目状導体パターンが形成されてなるタッチパネルフィルムは、図2に示すタッチパネルフィルム(a)に限定されるものではなく、次にいくつかの例を示す(図24〜図28)が、これらの網目状導体パターンであっても、先述のタッチパネル成型体(A)〜(D)と同様にして、タッチパネル成型体を作製することができる。
図24は、本発明の実施の形態において、接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(b)を説明する平面図である。
図24に平面図によって示した網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されてなるタッチパネルフィルム(b)では、y方向の引出配線32が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面(xz面)となるべく主面となる領域12の右方に形成され、x方向の引出配線22、タッチパネル端子部18が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面(yz面)となるべく主面となる領域12の下方に形成されている。
即ち、図24に示すタッチパネルフィルム(b)を用いたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、x方向の引出配線22が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)に形成され、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、y方向に垂直な一方の側面(xz面)に形成されている。
x方向の一部の引出配線22は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、x方向の引出配線22は、主面(xy面)とx方向に垂直な一方の側面(yz面)の2面のなす角部を通過し、y方向の引出配線32は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過することになる。
図25は、本発明の実施の形態において、接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(c)を説明する平面図である。
図25に平面図によって示した網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されてなるタッチパネルフィルム(c)では、y方向の引出配線32が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面(xz面)となるべく主面となる領域12の右方に形成され、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32、タッチパネル端子部18が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面(yz面)となるべく主面となる領域12の下方に形成されている。
即ち、図25に示すタッチパネルフィルム(c)を用いたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)に形成されている。
x方向の一部の引出配線22は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、y方向の一部の引出配線32は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、x方向の引出配線22、y方向の一部を除く引出配線32は、主面(xy面)とx方向に垂直な一方の側面(yz面)の2面のなす角部を通過することになる。
図26は、本発明の実施の形態における、接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(d)を説明する平面図である。
図26に平面図によって示した網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されてなるタッチパネルフィルム(d)では、y方向の引出配線32が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面(xz面)となるべく主面となる領域12の右方に形成され、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32、タッチパネル端子部18が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面(yz面)となるべく主面となる領域12の下方に形成されている。
図26に示すタッチパネルフィルム(d)では、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な他方の側面(yz面)となるべく、x方向、y方向に配列する接触検知電極20、30等の網目状導体パターンが主面となる領域12の上方に形成されている。
即ち、図26に示すタッチパネルフィルム(d)を用いたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)に形成されている。
y方向の一部の引出配線32は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、y方向の一部の引出配線32は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、x方向の引出配線22、y方向の一部を除く引出配線32は、主面(xy面)とx方向に垂直な一方の側面(yz面)の2面のなす角部を通過することになる。
図27は、本発明の実施の形態において、接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(e)を説明する平面図である。
図27に平面図によって示した網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されてなるタッチパネルフィルム(e)では、y方向の引出配線32が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面(xz面)となるべく主面となる領域12の右方に形成され、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32、タッチパネル端子部18が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面(yz面)となるべく主面となる領域12の下方に形成されている。
図27に示すタッチパネルフィルム(e)では、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な他方の側面(xz面)となるべく、x方向、y方向に配列する接触検知電極20、30等の網目状導体パターンが主面となる領域12の左方に形成されている。
即ち、図27に示すタッチパネルフィルム(e)を用いたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)に形成されている。
x方向の一部の引出配線22は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、y方向の一部の引出配線32は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、y方向の一部の引出配線32は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、x方向の引出配線22、y方向の一部を除く引出配線32は、主面(xy面)とx方向に垂直な一方の側面(yz面)の2面のなす角部を通過することになる。
図28は、本発明の実施の形態において、接触検知電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(f)を説明する平面図である。
図28に平面図によって示した網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されてなるタッチパネルフィルム(f)では、y方向の引出配線32が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面(xz面)となるべく主面となる領域12の右方に形成され、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32、タッチパネル端子部18が、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面(yz面)となるべく主面となる領域12の下方に形成されている。
図28に示すタッチパネルフィルム(f)では、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な他方の側面(yz面)となるべく、x方向、y方向に配列する接触検知電極20、30等の網目状導体パターンが主面となる領域12の上方に形成されている。
また、最終的に作製されるタッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面及び他方の側面(xz面)となるべく、x方向、y方向に配列する接触検知電極20、30等の網目状導体パターンが主面となる領域12の左方及び右方に形成されている。
即ち、図28に示すタッチパネルフィルム(f)を用いたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)に形成されている。
y方向の一部を除く引出配線32は、主面(xy面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、y方向の一部を除く他の引出配線32は、x方向に垂直な一方の側面(yz面)とy方向に垂直な一方の側面(xz面)の2面のなす角部を通過し、x方向の引出配線22、y方向の引出配線32は、主面(xy面)とx方向に垂直な一方の側面(yz面)の2面のなす角部を通過することになる。
本発明では、図2、図24、図25に示すタッチパネルフィルムのように、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な側面の一方に、y方向に垂直な側面の一方にそれぞれ側面入力領域を形成すべく、接触検知電極20、30、電極間配線21、31(図示せず)の網目状導体パターンが形成され、最終的に作製されるタッチパネル成型体の側面となるが側面入力領域とならない領域に引出配線22、32が形成されている。
また、図26、図27に示すタッチパネルフィルムのように、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向又はy方向に垂直な側面の一方に側面入力領域を形成すべく、接触検知電極20、30、電極間配線21、31(図示せず)の網目状導体パターンが形成され、最終的に作製されるタッチパネル成型体の側面となるが側面入力領域とならない領域に引出配線22、32が形成されている。
また、図28に示すタッチパネルフィルムのように、最終的に作製されるタッチパネル成型体のx方向に垂直な側面の一方に、y方向に垂直な2つの側面(一方及び他方の側面)にそれぞれ側面入力領域を形成すべく、接触検知電極20、30、電極間配線21、31(図示せず)の網目状導体パターンが形成され、最終的に作製されるタッチパネル成型体に側面入力領域を形成すべく、接触検知電極20、30、電極間配線21、31(図示せず)の網目状導体パターンが形成された領域に引出配線22、32が形成され、最終的に作製されるタッチパネル成型体の側面となるが側面入力領域とならない領域に引出配線22、32が形成されている。
本発明では、図2、図24〜図28に示すタッチパネルフィルムのようなタッチパネルフィルムを用いて、タッチパネル成型体を作製するので、最終的に作製されるタッチパネルの主面に接触検知電極20、30、電極間配線21、31(図示せず)の網目状導体パターンが形成され主面入力領域とされ、タッチパネル成型体の主面と垂直な側面として、(イ)側面入力領域となる側面、(ロ)引出配線22、32が形成され側面、(ハ)側面入力領域となる面であり引出配線22、32が形成される側面、(ニ)面入力領域とならず引出配線22、32も形成されない側面の少なくとも1つの側面を有しているので、タッチパネルの主面に引出配線22、32を形成する必要がなく、タッチパネルの主面となる領域12の殆どの領域を、主面入力領域とすることができ、額縁領域を最小とすることができ、主面入力領域(表示装置の表示面となる領域でもある。)を拡大させることができる。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、島状電極、主面入力領域、側面入力領域、タッチパネル成型体等の形状、寸法は例示したものであり、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の改良、修正、変形が可能であることは言うまでもない。
本発明によれば、入力領域を主面及び側面に有するタッチパネル及びその製造方法、並びにこのタッチパネルと表示装置を具備し優れた操作性を有する入出力一体型装置を提供することができる。
10…主面入力領域、12…主面となる領域、15a、15b…側面入力領域、
16…タッチパネル端子部開口部、18…タッチパネル端子部、
18a…x方向に配列する接触検知電極が接続される端子部、
18b…y方向に配列する接触検知電極が接続される端子部、
19…スルーホール、20…x方向に配列する接触検知電極、
21…x方向の電極間配線、22…x方向の引出配線、
23…x方向の引出配線の形成面の孤立配線、30…y方向に配列する接触検知電極、
31…y方向の電極間配線、32…y方向の引出配線、33…カーボン、34…保護層、
40…タッチパネルフィルム、42…意匠フィルム、43…意匠印刷層、
44…開口領域、45…ハードコート層、45a…ハードコート材料の仮硬化層、
46…剥離性フィルム、50α…タッチパネル加熱フォーミング体(α)、
50β…タッチパネル加熱フォーミング体(β)、
50γ…意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)、
50A…タッチパネル成型体(A)、50B…タッチパネル成型体(B)、
50C…タッチパネル成型体(C)、50D…タッチパネル成型体(D)、
50I…入出力一体型装置(I)、50II…入出力一体型装置(II)、
50III…入出力一体型装置(III)、50IV…入出力一体型装置(IV)、
60…透明樹脂、62…透明樹脂ケース、
63…中空部、67…上側筐体、69…下側筐体、
70…フレキシブル印刷回路基板(FPC)、72…実装基板端子、
73…保護層で被覆された引出配線、74…異方性導電膜(AFC)、
75…保護層で被覆されたタッチパネル端子部、76…絶縁層、77…配線導体層、
78…FPC端子部、79…スルーホールの位置、90…表示装置、
91a、93a、95a、95b、97a…凸状金型、
91b、93b、95c、97b…凹状金型、92…実装基板、96…補強枠、
100…タッチパネル制御・信号処理回路、110…表示ユニット制御・信号処理回路、
120…入出力一体型装置制御・信号処理回
本発明はタッチパネルに関する。
タッチパネルは入力装置として用いられている。前記入力装置は、各種の電子機器を操作する為の装置である。前記タッチパネルは、例えば液晶表示装置の表示面側に搭載されている。前記タッチパネルを透過して視認される表示装置の表示内容に応じて、入力が行われる。例えば、入力器具(例えば、タッチペン等)や人間の指などによって、タッチ面の任意の位置が指定(接触または接近)される。これにより、入力が行われる。このようなタッチパネルとして、例えば抵抗膜方式のタッチパネルや、静電容量結合方式のタッチパネルが知られている。
前記静電容量結合方式のタッチパネルには、タッチ位置を検出する検出電極が、映像表示領域(タッチ又は接近による入力領域)の二次元(x,y)方向に沿って、設けられている。前記検出電極は、例えば結晶質(又は、非結晶質)のITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等で構成されている。或いは、導電細線で構成されている。前記電極は、透明ガラス(又は、透明樹脂フィルム)からなる基材の両面(又は、片面)に設けられている。映像非表示領域(表示領域の外側の領域(額縁領域))に、前記検出電極に接続された引出回路パターンが、形成されている。前記引出回路パターンは、前記検出電極が形成される面に、形成されている。
タッチパネルに関する多数の報告が有る。例えば、下記の先行技術文献が挙げられる。
特許文献1には、「タッチパネルを表面と側面とを備えた立体形状に形成し、該タッチパネルの表面にはタッチ位置を検出するタッチ位置検出面を形成し、該タッチパネルの側面には電極と該電極を外部への取出し部に接続するリード回路とを形成し、該タッチパネルの表面をLCDの表面に、前記側面をLCDの側部に配置させることを特徴とする狭額縁対応タッチパネル」の記載がある。
特許文献2には、「透明基体と、前記透明基体の一方の主面に形成された第一導電部と、前記透明基体の他方の主面に接する第二導電部とを有する導電シートであり、前記第一導電部は、それぞれ第一の方向に延在し、かつ前記第一の方向と直交する第二の方向に配列された2以上の第一細線導電性パターンを有し、前記第二導電部は、それぞれ第三の方向に延在し、かつ前記第三の方向と直交する第四の方向に配列された2以上の第二細線導電性パターンを有し、前記第一細線導電性パターンは、導電性の細線部とその細線上に所定間隔で形成された第一静電容量感知部を有しており、前記第二細線導電性パターンは、導電性の細線部と該細線上に所定間隔で形成された第二静電容量感知部を有しており、前記第一細線導電性パターンと前記第二細線導電性パターンとは、前記導電シートを透視したときに交差するように配置されており、前記第一及び第二の細線導電性パターンは略線状であり、かつその細線部の線幅aは0.1〜25μmであり、前記第一及び第二の静電容量感知部は、開口部を有することを特徴とする導電シート」の記載がある。「導電シートを製造する方法」についての記載もある。
特許文献3には、「側面に設けられる入力部(側面入力部)を有する携帯電話機」「側面入力部がフレキシブルプリント基板及び複数の検出電極によって構成され、フレキシブルプリント基板にタッチセンサの検出電極を複数設けることによって側面入力部を実装」の記載がある。
非特許文献1には、「タッチパネルの市場と材料技術動向」についての記載がある。
特開2010−146418号公報 特開2012−53644号公報 特開2011−44933号公報 特開2007−72902号公報 特開2012−88683号公報 特開2011−3169号公報 特開2012−174190号公報 特開2012−146297号公報 特開2012−141690号公報 特開2011−175335号公報 特開2011−154561号公報 特開2010−262557号公報
電気硝子工業会、「タッチパネルの市場と材料技術動向」、中谷健司、電気ガラス、45号、pp.7〜13(2011年4月)
従来のタッチパネルは、その最大面積を有する主面(アクティブ領域:表示装置の表示領域:タッチパネルのタッチ入力領域)の外側の領域(非アクティブ領域:表示装置における非表示領域:タッチパネルのタッチ入力領域外:光不透過性の意匠印刷層が形成された意匠領域:加飾領域:額縁領域:窓枠領域)に、引出配線が形成されている。前記非アクティブ領域(額縁領域)の面積は無視できない。タッチパネルの側面部が、タッチ入力領域として、活用されていない。
従来のタッチパネルにあっては、タッチ位置(入力)を検出する複数の透明電極が、最大面積を持つ面(タッチパネル主面)に、形成されている。前記主面に引出回路パターンが形成されている。前記引出回路パターンは前記透明電極パターンが形成される面に形成されている。前記引出回路パターンが形成された額縁領域は、表示領域ではない。前記表示領域(タッチ入力領域)は、前記タッチパネル主面の額縁領域を除く領域に限定される。従って、タッチパネル主面に占める表示領域(入力領域)の割合を大きくするには限界がある。大きな表示面を必要とする場合、タッチパネル主面の面積を大きくする必要がある。入力領域がタッチパネル主面のみに形成されている為、タッチパネルの操作性に限界があった。
ITO(IZO)等からなる透明導電膜にあっては、高光透過率化と低抵抗化とは、相反する特性である。高光透過率と低抵抗との両立は困難である。ITO(IZO)等からなる透明導電膜は、硬く、変形に弱く、クラックが発生し易い。前記透明導電膜は、フレキブル性に欠ける。すなわち、前記ITO(IZO)製の透明導電膜が用いられた場合、基材に透明樹脂フィルムが用いられても、フレキブル性に劣る。
従来、タッチパネルの検出電極を、導電細線(特に、導電線を網目状に形成したパターン)で構成することは考えられてなかった。このようにすることで、フレキシブル性の向上および光透過性の向上は、考えられて無かった。タッチパネルの一つの面(主面)に占める表示領域(入力領域)の割合を大きくすると共に、前記主面と交差する側面にも入力領域が設けられたタッチパネルは、考えられてなかった。すなわち、複数面に入力領域を備えたタッチパネルは、考えられてなかった。
本発明は前記課題を解決する為になされた。特に、本発明は主面及び側面に入力領域を有するタッチパネルを提案する。
本発明は、
電気絶縁性透明樹脂フィルムで構成されたケース体を具備し、
前記ケース体は、主面部と、側面部と、中空部とを具備し、
前記中空部は、前記主面部と前記側面部とで形成される領域に存在し、
前記側面部は、
前記主面部に連接しており、
前記主面部に対して略直交しており、
前記略直交する側面部は四つ以上有り、
前記側面部の中の少なくとも二つの側面部は、前記主面部における第1の方向に対して、略直交しており、
前記側面部の中の少なくとも二つの側面部は、前記主面部における第2の方向に対して、略直交しており、
前記主面部は、主面入力領域を具備し、
前記四つ以上の側面部の中の少なくとも一つの側面部は、側面入力領域を具備し、
前記主面部には、二つ以上の第1の電極列と、二つ以上の第2の電極列とが、設けられ、
前記二つ以上の第1の電極列は、
所定の間隔を開けて、設けられてなり、
前記第1の方向に沿って、設けられてなり、
前記二つ以上の第2の電極列は、
所定の間隔を開けて、設けられてなり、
前記第2の方向に沿って、設けられてなり、
前記第1の電極列および前記第2の電極列は、各々、二つ以上の島状電極と、前記島状電極が電気的に接続された電極間配線とで構成されてなり、
前記側面入力領域を具備する側面部には、一つ又は二つ以上の第3の電極列と、一つ又は二つ以上の第4の電極列とが、設けられ、
前記第3の電極列は、前記第1の電極列(及び/又は前記第2の電極列)の延長上に、設けられてなり、
前記第4の電極列は、前記第2の電極列(及び/又は前記第1の電極列)の方向に沿って、設けられてなり、
前記第1の電極列の端部または前記第3の電極列の端部に、第1の引出配線の一端部が、電気的に接続されてなり、
前記第1の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されてなり、
前記第2の電極列の端部および前記第4の電極列の端部に、第2の引出配線の一端部が、電気的に接続されてなり、
前記第2の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されてなり、
前記第1の引出配線および前記第2の引出配線の少なくとも一方は、互に隣接している側面部の境界である稜線部を通っている
ことを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記第1の電極列は、前記主面部の一方の面側に、設けられてなり、前記第2の電極列は、前記主面部の他方の面側に、設けられてなり、前記第3の電極列は、前記第3の電極列の元になっている前記電極列が設けられている面側に、設けられてなり、前記第4の電極列は、前記第4の電極列が沿っている前記電極列が設けられている面側に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、前記主面部の一面側に、設けられ、電気絶縁性スペーサが、前記第1の電極列と前記第2の電極列との交差部において、その間に、設けられてなり、前記第3の電極列と前記第4の電極列とは、前記側面部の一面側に、設けられ、電気絶縁性スペーサが、前記第3の電極列と前記第4の電極列との交差部において、その間に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記稜線部を通っている前記引出配線は、前記ケース体の内面側に位置していることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記第1の電極列の島状電極の中心位置と、前記第2の電極列の島状電極の中心位置とは、前記主面部に対して直交する方向から眺めた場合、異なる位置に在ることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記第1の電極列の島状電極と、前記第2の電極列の島状電極とは、前記主面部に対して直交する方向から眺めた場合、実質上、重なっていないことを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、可視光遮蔽層が、前記主面入力領域の外の主面部および/または前記側面入力領域の外の側面部に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、透明樹脂層が、前記ケース体表面に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、ハードコート層が、前記ケース体表面に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、透明樹脂層が、前記ケース体表面に、設けられてなり、ハードコート層が、前記透明樹脂層表面に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、補強枠が、前記ケース体の側面部の内側に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記主面入力領域における前記島状電極は、網目状の導体によって、構成されてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記主面入力領域における前記電極列は、網目状の導体によって、構成されてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記主面入力領域および前記側面入力領域における前記電極列は、網目状の導体によって、構成されてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記導体は、Ag,Au,Cu,Alの群の中から選ばれる一つ又は二つ以上の金属によって、構成されてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、外部接続端子が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されてなり、前記第1の引出配線の他端部および前記第2の引出配線の他端部の一方は、スルーホールを介して、前記外部接続端子に接続され、前記第1の引出配線の他端部および前記第2の引出配線の他端部の他方は、スルーホールを介さずに、前記外部接続端子に接続されてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルであって、前記外部接続端子の表面はカーボンで覆われてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルを提案する。
本発明は、
電気絶縁性透明樹脂フィルムで構成されたケース体を具備し、
前記ケース体は、主面部と、側面部と、中空部とを具備し、
前記中空部は、前記主面部と前記側面部とで形成される領域に存在し、
前記側面部は、
前記主面部に連接しており、
前記主面部に対して略直交しており、
前記略直交する側面部は四つ以上有り、
前記側面部の中の少なくとも二つの側面部は、前記主面部における第1の方向に対して、略直交しており、
前記側面部の中の少なくとも二つの側面部は、前記主面部における第2の方向に対して、略直交しており、
前記主面部は、主面入力領域を具備し、
前記四つ以上の側面部の中の少なくとも一つの側面部は、側面入力領域を具備し、
前記主面部には、二つ以上の第1の電極列と、二つ以上の第2の電極列とが、設けられ、
前記二つ以上の第1の電極列は、
所定の間隔を開けて、設けられてなり、
前記第1の方向に沿って、設けられてなり、
前記二つ以上の第2の電極列は、
所定の間隔を開けて、設けられてなり、
前記第2の方向に沿って、設けられてなり、
前記第1の電極列および前記第2の電極列は、各々、二つ以上の島状電極と、前記島状電極が電気的に接続された電極間配線とで構成されてなり、
前記側面入力領域を具備する側面部には、一つ又は二つ以上の第3の電極列と、一つ又は二つ以上の第4の電極列とが、設けられ、
前記第3の電極列は、前記第1の電極列(及び/又は前記第2の電極列)の延長上に、設けられてなり、
前記第4の電極列は、前記第2の電極列(及び/又は前記第1の電極列)の方向に沿って、設けられてなり、
前記第1の電極列の端部または前記第3の電極列の端部に、第1の引出配線の一端部が、電気的に接続されてなり、
前記第1の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されてなり、
前記第2の電極列の端部および前記第4の電極列の端部に、第2の引出配線の一端部が、電気的に接続されてなり、
前記第2の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されてなり、
前記第1の引出配線および前記第2の引出配線の少なくとも一方は、互に隣接している側面部の境界である稜線部を通っている静電容量型タッチパネルの製造方法であって、
前記第1の電極列、前記第2の電極列、前記第3の電極列、前記第4の電極列、前記第1の引出配線、及び前記第2の引出配線を構成する導体パターンが、前記電気絶縁性透明樹脂フィルムに、形成される導体パターン形成工程と、
前記導体パターン形成工程の後、前記電気絶縁性透明樹脂フィルムが、前記ケース体に、成形される成形工程
とを具備することを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、
前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、
前記第1の電極列、前記第2の電極列、前記第3の電極列、前記第4の電極列、前記第1の引出配線、及び前記第2の引出配線を構成する導体パターンが、前記電気絶縁性透明樹脂フィルムに、形成される導体パターン形成工程と、
前記導体パターン形成工程の後、前記電気絶縁性透明樹脂フィルムが、前記ケース体に、成形される成形工程
とを具備することを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記第1の電極列は、前記主面部の一方の面側に、設けられてなり、前記第2の電極列は、前記主面部の他方の面側に、設けられてなり、前記第3の電極列は、前記第3の電極列の元になっている前記電極列が設けられている面側に、設けられてなり、前記第4の電極列は、前記第4の電極列が沿っている前記電極列が設けられている面側に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、前記主面部の一面側に、設けられ、電気絶縁性スペーサが、前記第1の電極列と前記第2の電極列との交差部において、その間に、設けられてなり、前記第3の電極列と前記第4の電極列とは、前記側面部の一面側に、設けられ、電気絶縁性スペーサが、前記第3の電極列と前記第4の電極列との交差部において、その間に、設けられてなることを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記稜線部を通っている前記引出配線は、前記ケース体の内面側に位置していることを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記第1の電極列の島状電極の中心位置と、前記第2の電極列の島状電極の中心位置とは、前記主面部に対して直交する方向から眺めた場合、異なる位置に在ることを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記第1の電極列の島状電極と、前記第2の電極列の島状電極とは、前記主面部に対して直交する方向から眺めた場合、実質上、重なっていないことを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記導体パターン形成工程の後で、前記成形工程の前において、可視光遮蔽層が、前記主面入力領域の外の主面部および/または前記側面入力領域の外の側面部に対応した位置に、設けられる工程を更に具備することを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記透明樹脂層が、前記ケース体表面に対応した位置に、設けられる工程を更に具備することを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、前記静電容量型タッチパネルの製造方法であって、前記ハードコート層が、前記ケース体表面に対応した位置に、設けられる工程を更に具備することを特徴とする静電容量型タッチパネルの製造方法を提案する。
本発明は、
表示装置と、
前記表示装置の表示部上に配設された前記静電容量型タッチパネル
とを具備することを特徴とするタッチパネル一体型表示装置を提案する。
情報入力領域が主面及び側面に有り、優れた操作性を有し、入出力一体型装置に好適に適用できるタッチパネルが得られる。
タッチパネル成型体(A)の製造工程説明図 タッチパネルフィルム(a)の平面図 島状電極および引出配線の要部拡大図(平面図) 意匠印刷層の平面図 タッチパネルフィルム(a)の平面図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の斜視図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の正面図、平面図、左側面図、右側面図、及び背面図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の下面図 入出力一体型装置(I)の説明図 タッチパネル端子部の説明図 タッチパネル成型体(B)の製造工程説明図 入出力一体型装置(II)の説明図 タッチパネル成型体(C)の製造工程説明図 入出力一体型装置(III)の説明図 タッチパネル成型体(D)の製造工程説明図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の斜視図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の正面図、平面図、左側面図、右側面図、及び背面図 タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の下面図 意匠フィルムの平面図 意匠フィルム加熱フォーミング体の斜視図 意匠フィルム加熱フォーミング体の正面図、平面図、左側面図、右側面図、及び背面図 入出力一体型装置(IV)の説明図 タッチパネル成型体の製造工程説明図 タッチパネルフィルム(b)の平面図 タッチパネルフィルム(c)の平面図 タッチパネルフィルム(d)の平面図 タッチパネルフィルム(e)の平面図 タッチパネルフィルム(f)の平面図
第1の本発明は静電容量型タッチパネルである。第1の実施形態になるタッチパネルはケース体を具備する。前記ケース体は、電気絶縁性透明樹脂フィルムで構成されている。前記ケース体は、主面部と、側面部と、中空部とを具備する。前記中空部は、前記主面部と前記側面部とで形成される(囲まれる)領域に存在する。前記側面部は、前記主面部に連接している。前記側面部は、前記主面部に対して略直交している。前記略直交する側面部は四つ以上有る。前記四つ以上の側面部の中の少なくとも二つの側面部は、前記主面部における第1の方向に対して、略直交している。前記四つ以上の側面部の中の少なくとも二つの側面部は、前記主面部における第2の方向に対して、略直交している。前記第1の方向と前記第2の方向とは異なる。前記第1の方向と前記第2の方向とは、例えば略直交している。前記主面部は、主面入力領域を具備する。前記四つ以上の側面部の中の少なくとも一つの側面部は、側面入力領域を具備する。全ての側面部が側面入力領域を具備しても良い。好ましくは、側面部の数がN(4以上の整数)であるとすると、(N−1)個または(N−2)個以下の数の側面部が側面入力領域を具備する。前記主面部には、二つ以上の第1の電極列と、二つ以上の第2の電極列とが、設けられている。前記二つ以上の第1の電極列は、所定の間隔を開けて、設けられている。前記第1の電極列は、前記第1の方向に沿って、設けられている。前記二つ以上の第2の電極列は、所定の間隔を開けて、設けられている。前記第2の電極列は、前記第2の方向に沿って、設けられている。前記第1の電極列および前記第2の電極列は、各々、二つ以上の島状電極を具備する。前記島状電極間は、電極間配線で接続されている。前記側面入力領域を具備する側面部には、一つ又は二つ以上の第3の電極列と、一つ又は二つ以上の第4の電極列とが、設けられている。前記第3の電極列は、前記第1の電極列(及び/又は前記第2の電極列)の延長上に、設けられている。延長上とは、主面部(前記第1,2の電極列の形成面)と側面部(前記第3,4の電極列の形成面)とが同一平面上に在るとした場合(例えば、ケース成形前であるフィルム状態の場合)、前記電極列が同一線上(例えば、一直線上)に在ると言うことである。前記第4の電極列は、前記第2の電極列(及び/又は前記第1の電極列)の方向に沿って、設けられている。前記第3の電極列は、その電極列において、一つ又は二つ以上の島状電極を具備する。島状電極が一つの場合でも、この島状電極は前記第1の電極列に電気的に接続されている。従って、前記第3の電極列は、前記島状電極および前記電気的接続部分を有するから、電極列の言葉で表現されている。前記島状電極が二つ以上の場合は、前記島状電極間は、電極間配線で接続されている。前記第1の電極列と前記第3の電極列とは、電気的に、接続されている。前記第4の電極列は、二つ以上の島状電極を具備する。前記島状電極間は、電極間配線で接続されている。第1の引出配線の一端部が、前記第1の電極列(又は、前記第3の電極列)の端部に、電気的に接続されている。前記第1の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されている。第2の引出配線の一端部が、前記第2の電極列の端部および前記第4の電極列の端部に、電気的に接続されている。前記第2の引出配線の他端部が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成されている。前記第1の引出配線および前記第2の引出配線の少なくとも一方は、互に隣接している側面部の境界である稜線部を通っている。
前記第1の電極列は、前記主面部の一方の面側に、設けられている。前記第2の電極列は、前記主面部の他方の面側に、設けられている。前記第3の電極列は、前記第3の電極列の元になっている前記電極列が設けられている面側に、設けられている。前記第4の電極列は、前記第4の電極列が沿っている前記電極列が設けられている面側に、設けられている。これは、次のようにも説明される。前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、前記主面部(前記フィルム)の互いに異なる面に設けられている。前記異なる面は表面と裏面である。前記第3の電極列および前記第4の電極列は、これ等の電極列の基礎となる電極列が前記第1の電極列である場合、前記第1の電極列が形成されている面と同じ側の面に形成される。前記第3の電極列および前記第4の電極列は、これ等の電極列の基礎となる電極列が前記第2の電極列である場合、前記第2の電極列が形成されている面と同じ側の面に形成される。例えば、次の(1)(2)の場合が考えられる。(1) 前記第1の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第2の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第1の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第2の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第1の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第2の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。(2) 前記第1の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第2の電極列は、前記主面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第1の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第2の電極列の延長上に在る前記第3の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。前記第1の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の裏面側に、設けられている。前記第2の電極列に沿っている前記第4の電極列は、前記側面部(前記フィルム)の表面側に、設けられている。
前記第1の電極列および前記第2の電極列が、共に、前記主面部の一方の面側に、設けられる場合が有る。前記第3の電極列および前記第4の電極列が、共に、前記側面部の一方の面側に、設けられる場合が有る。この場合、電気絶縁性スペーサが、前記第1の電極列と前記第2の電極列との交差部において、その間に、設けられる。電気絶縁性スペーサが、前記第3の電極列と前記第4の電極列との交差部において、その間に、設けられる。前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、互いに、電気的に非接触でなければならない。前記第3の電極列と前記第4の電極列とは、互いに、電気的に非接触でなければならない。この為、電気絶縁性スペーサが、両者の交差部に、設けられる。前記前記第1の電極列、前記第2の電極列、前記第3の電極列、及び前記第4の電極列は、全てが、前記フィルムの一面側に設けられていても良い。前記前記第1の電極列と前記第2の電極列とが設けられた面と、前記第3の電極列と前記第4の電極列とが設けられた面とは、互いに、異なっていても良い。しかし、本例にあっては、前記電気絶縁性スペーサが必須である。従って、電気絶縁性スペーサが必須要件でない前記実施形態(前記第1の電極列と前記第2の電極列とは、互いに、異なる面に設けられている。)の場合が、好ましい。
前記第1の電極列の島状電極の中心位置と、前記第2の電極列の島状電極の中心位置とは、前記主面部に対して直交する方向から眺めた場合、異なる位置に在ることが好ましい。特に、前記第1の電極列の島状電極と、前記第2の電極列の島状電極とは、互いに、実質上、重なっていないことが好ましい。このようにすることで、主面入力領域において、光透過率が、場所によらず、一様になる。表示面における視認性が良好になる。静電容量の変化が、略同じ検出感度で、効率良く、検出される。前記第3の電極列の島状電極と前記第4の電極列の島状電極との関係は、前記第1の電極列の島状電極と前記第2の電極列の島状電極との関係と、同様である。しかしながら、前記第3の電極列および前記第4の電極列は側面部に形成される。側面部における透光性は、主面部における透光性の如くには、要求されないかと思われる。従って、前記第3の電極列の島状電極と前記第4の電極列の島状電極とは、その一部または全部が、重なる場もある。勿論、重なっていない場合が好ましい。
好ましくは、可視光遮蔽層が、前記主面入力領域の外の主面部(および/または前記側面入力領域の外の側面部)に、設けられる。
好ましくは、透明樹脂層が、前記ケース体表面に、設けられる。
好ましくは、ハードコート層が、前記ケース体表面に、設けられる。
好ましくは、透明樹脂層が前記ケース体表面に設けられ、ハードコート層が前記透明樹脂層表面に設けられる。
好ましくは、補強枠が、前記ケース体の側面部の内側に、設けられる。
好ましくは、前記主面部の前記島状電極は、網目状の導体によって、構成される。更に好ましくは、前記側面部の前記島状電極は、網目状の導体によって、構成される。好ましくは、前記主面部の前記電極間配線も、網目状の導体によって、構成される。更に好ましくは、前記側面部の前記電極間配線も、網目状の導体によって、構成される。中でも、好ましくは、前記主面部の前記電極列は、網目状の導体によって、構成される。導体部が網目状であると、それだけ、光透過率が高い。すなわち、視認性が良い。前記導体は、Ag,Au,Cu,Alの群の中から選ばれる一つ又は二つ以上の金属によって、構成される。二つ以上の金属とは合金である。
好ましくは、外部接続端子が、前記側面入力領域を具備しない側面部に、形成される。前記第1の引出配線の他端部および前記第2の引出配線の他端部の一方は、スルーホールを介して、前記外部接続端子に接続される。前記第1の引出配線の他端部および前記第2の引出配線の他端部の他方は、スルーホールを介さずに、前記外部接続端子に接続される。前記外部接続端子の表面は、好ましくは、カーボンで覆われる。前記稜線部を通っている前記引出配線は、好ましくは、前記ケース体の内面側に位置している。従って、前記フィルムをケース体に成形した場合、前記引出配線の引き伸ばしが起き難い。前記引出配線の断線が起き難い。
第2の本発明は静電容量型タッチパネルの製造方法である。本実施形態の製造方法は上記実施形態の静電容量型タッチパネルの製造方法である。前記方法は導体パターン形成工程を具備する。前記導体パターン形成工程は、前記第1の電極列、前記第2の電極列、前記第3の電極列、前記第4の電極列、前記第1の引出配線、及び前記第2の引出配線が、電気絶縁性透明樹脂フィルムに、形成される工程である。各々の導体パターンは同時(又は、順番)に形成される。前記方法は成形工程を具備する。前記成形工程は、前記導体パターンが形成された前記電気絶縁性透明樹脂フィルムが、前記ケース体に、成形される工程である。
好ましくは、前記方法は、前記導体パターン形成工程の後で、前記成形工程の前において、可視光遮蔽層が、前記主面入力領域の外の主面部および/または前記側面入力領域の外の側面部に対応した位置に、設けられる工程を更に具備する。
好ましくは、前記方法は、透明樹脂層が、前記ケース体表面に対応した位置に、設けられる工程を更に具備する。
好ましくは、前記方法は、ハードコート層が、前記ケース体表面に対応した位置に、設けられる工程を更に具備する。
第3の本発明はタッチパネル一体型表示装置である。前記装置は、表示装置を具備する。前記装置は前記静電容量型タッチパネルを具備する。前記静電容量型タッチパネルは前記表示装置の表示部上に配設されている。
前記導体パターン形成工程(第1の工程)の終了後、前記成形工程(第2の工程)に先立って、前記第1の電極列と前記第2の電極列の少なくとも一方が形成された前記フィルムの一方の面に、可視光を遮蔽し、かつ、意匠を付与する意匠印刷層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、意匠印刷層を形成する為の意匠フィルムを別に用意する必要がない。部品点数が少なくなる。
フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とによって、前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成すると共に、前記透明樹脂層の面にハードコーティング層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、タッチパネルを構成する箱体及びハードコート層の形成を、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とを、1回で行う成型によって形成できる。製造効率が良好である。
フィルムインサート成型によって前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、箱体を構成する透明樹脂層を加熱フォーミング体と一体化させることが出来る。
前記透明樹脂層を形成する工程の終了後に、電気絶縁性樹脂製の環状補強枠を前記中空部の内壁に接して設ける工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、外力に対して十分な強度を有し、変形に強いタッチパネルが得られる。
前記第2の工程に先立って実行され、電気絶縁性透明樹脂からなり、可視光を遮蔽し、かつ、意匠を付与する意匠印刷層が不透明領域として形成され、透明な領域が前記指示体によって位置が指定される前記主面入力領域及び前記側面入力領域とされる意匠フィルムを準備する工程と、前記意匠フィルムを加熱フォーミングして、前記主面部に対応する第2の主面部と、少なくとも4つの前記側面部のそれぞれに対応する第2の側面部を有し、箱状の前記加熱フォーミング体に対応する第2の加熱フォーミング体を形成する工程とを有する構成にすることが出来る。フィルムインサート成型によって、前記フィルムの加熱フォーミング体と前記第2の加熱フォーミング体との間に、透明樹脂層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、フィルムの加熱フォーミング体に対して、目的に応じて多様な種々のパターンを有する意匠印刷層を準備することによって、箱体を構成する透明樹脂層でフィルムの加熱フォーミング体と第2の加熱フォーミング体とを一体化させ、目的とするパターンの意匠印刷層を有するタッチパネルが得られる。
前記フィルムの一方の面に前記第1の電極列が形成され、前記フィルムの前記一方の面に対向する他方の面に前記第2の電極列が形成される構成にすることが出来る。これによれば、フィルムの一方の面に第1の電極列及び第2の電極列を形成する場合に比較して、単純な工程によって、第1の電極列及び第2の電極列を形成することが出来る。
前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される前記引出配線に接続される端子部を、前記一方の面又は前記他方の面で前記引出配線の終端部に形成し、前記引出配線又は前記端子部にスルーホールを形成する構成にすることが出来る。これによれば、一方の面又は他方の面で外部回路との電気的接続が容易に可能となる。第1の電極列及び第2の電極列に対する信号の送受を行うことができるタッチパネルが得られる。
前記スルーホールの内部にカーボンを充填する工程を有し、前記端子部をカーボンにより形成する工程、又は、前記引出配線を構成する導電性材料と同じ材料によって前記端子部を形成し、前記端子部を覆う保護層としてカーボン層を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、端子部を保護することが出来る。特に、端子部がAgによって形成されている場合には、Agの酸化やマイグレーションを防止することが出来る。
前記第1の方向に略直交する前記二つの側面部の一方又は双方に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第1の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第2の電極列に平行に前記第2の方向に形成する構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第2の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第1の電極列に平行に前記第1の方向に形成する構成にすることが出来る。これによれば、指示体により情報が入力される側面入力領域を側面に形成することが出来る。主面入力領域及び側面入力領域に、各々、形成される電極列に対して、共通の外部回路によって信号の送受を行うことが出来る。
前記第1の電極列と前記第2の電極列と前記引出配線とを、Ag,Au,Cu,Alの何れかによって形成する構成にすることが出来る。これによれば、加熱フォーミング体の形成において、引出配線に印加される引張り力、圧縮力による変形によって、これらの引出配線に電気的接続の中断が生じ難い。
前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部と前記第2の方向に略直交する前記二つの側面部の一方との少なくとも1つに形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する構成にすることが出来る。これによれば、引出配線及び端子部は側面部に形成される。タッチパネルの主面部の殆どの領域を主面入力領域とすることが出来る。額縁領域を最小とすることが出来る。
本発明の入出力一体型装置は、上記のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルと、前記中空部の内部に少なくとも一部が収容される表示装置とを有する。
本発明のタッチパネルでは、前記フィルムの面に垂直な方向から見た場合、前記第1の電極列と前記第2の電極列が交差して配置され、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極とが、分離して、交互に、2次元に、格子状に配置されている。これによれば、表示面でもある主面入力領域において、光透過率が場所によらず一様なものとなる。表示面における視認性が良好になる。主面入力領域の全域に亘って、静電容量の変化が、略同じ検出感度で、効率よく検出できる。
前記フィルムは、その一方の面において、前記主面部の一部がなす面、及び、少なくとも四つの前記側面部の各々の面の少なくとも一部に形成され、可視光を遮蔽し、意匠を付与する意匠印刷層を有し、前記フィルムの加熱フォーミング体は前記意匠印刷層を有する構成にすることが出来る。これによれば、意匠印刷層によって、主面部に主面入力領域を、側面部に側面入力領域を略透明な光透過性を有する開口部として残し、タッチパネルの残りの部分に、情報の印刷表示、装飾や意匠の表示を行うことが出来る。
前記フィルムの加熱フォーミング体の外面に形成された透明樹脂層と、この透明樹脂層の面に形成されたハードコーティング層とを有する構成にすることが出来る。これによれば、タッチパネルを構成する箱体を透明樹脂層により形成し、タッチパネルの内部を保護し、ハードコート層によってタッチパネルの最外部の表面を保護することが出来る。
ハードコート層を設けずに、前記フィルムの加熱フォーミング体の外面に形成された透明樹脂層を有する構成にすることが出来る。これによれば、箱体を構成する透明樹脂層をフィルムの加熱フォーミング体と一体化させることが出来る。
前記中空部の内壁に接して設けられた電気絶縁性樹脂製の環状補強枠を有する構成にすることが出来る。これによれば、外力に対して十分な強度を有し、変形に強いタッチパネルが得られる。
電気絶縁性透明樹脂からなり、可視光を遮蔽し、意匠を付与する意匠印刷層が不透明領域として形成され、透明な領域が前記指示体によって位置が指定される前記主面入力領域及び前記側面入力領域とされる意匠フィルムを加熱フォーミングして、前記主面部に対応する第2の主面部と、少なくとも四つの前記側面部に各々対応する第2の側面部を備え、箱状の前記フィルムの加熱フォーミング体に対応する第2の加熱フォーミング体を有し、フィルムインサート成型によって形成された透明樹脂層を前記フィルムの加熱フォーミング体と前記第2の加熱フォーミング体との間に有する構成にすることが出来る。これによれば、上記の加熱フォーミング体に対して、目的に応じて多様な種々のパターンを有する意匠印刷層を準備することによって、箱体を構成する透明樹脂層を第2の加熱フォーミング体と一体化させ、目的とするパターンの意匠印刷層を有するタッチパネルが得られる。
前記第1の電極列が前記フィルムの一方の面に形成され、前記第2の電極列が前記フィルムの前記一方の面に対向する他方の面に形成された構成にすることが出来る。これによれば、フィルムの一方の面に第1の電極列を形成し、フィルムの一方の面に対向する他方の面に第2の電極列を形成する場合に比較して、単純な工程によって、第1の電極列及び第2の電極列を形成することが出来る。
前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される前記引出配線に接続される端子部が、前記一方の面又は前記他方の面で前記引出配線の終端部に形成され、前記引出配線又は前記端子部にスルーホールが形成された構成にすることが出来る。これによれば、一方の面又は他方の面で外部回路との電気的接続が容易に可能となり、第1の電極列及び第2の電極列に対する信号の送受を行うことが出来る。
前記スルーホールの内部にカーボンが充填され、前記端子部がカーボン又は前記引出配線を構成する導電性材料と同じ材料によって形成され、前記端子部を覆う保護層としてカーボン層が形成された構成にすることが出来る。これによれば、端子部を保護することが出来る。特に、端子部がAgによって形成されている場合には、Agの酸化やマイグレーションを防止することが出来る。
前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方に、前記第3の電極列が、前記主面部の前記第1の電極列が延びる前記第3の方向に形成され、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列が前記主面部の前記第2の電極列に平行に前記第2の方向に形成された構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に、前記第3の電極列が、前記主面部の前記第2の電極列が延びる前記第3の方向に形成され、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第1の電極列に平行に前記第1の方向に形成された構成にすることが出来る。これによれば、指示体により情報が入力される側面入力領域を側面に形成することが出来る。主面入力領域及び側面入力領域に各々形成される電極列に対して、共通の外部回路によって信号の送受を行うことが出来る。
前記第1の方向に略直交する前記二つの側面部と前記第2の方向に略直交する前記二つ側面部の一方との少なくとも1つに形成された前記引出配線の終端部に、端子部が形成された構成にすることが出来る。前記第2の方向に略直交する前記二つの側面部の一方に形成された前記引出配線の終端部に、端子部が形成された構成にすることが出来る。これによれば、引出配線及び端子部は側面部に形成される。タッチパネルの主面部の殆どの領域を主面入力領域とすることが出来る。額縁領域を最小とすることが出来る。
前記第1の電極列と前記第2の電極列と前記引出配線が、Ag,Au,Cu,Alの何れかによって形成される構成にすることが出来る。これによれば、加熱フォーミング体の形成において、引出配線に印加される引張り力、圧縮力による変形によって、これらの引出配線に断線が生じ難い。
本発明の入出力一体型装置は、主面入力領域及び側面入力領域を備えるタッチパネル成型体を主要な構成要素とするタッチパネルと、その中空部の内部に少なくとも一部が収容された表示装置とを有する。操作性に優れている。
<用語の説明>
本実施形態における用語が説明される。
・「タッチパネル」:タッチパネルは表示装置に一体的に構成される。タッチパネルは、例えば表示装置の画像表示が妨害されることなく、ユーザによるタッチ操作が検出される装置である。タッチパネルは、最大面積部(主面部:主面)と、これに連接する側面部(側面)とを備える。前記側面部は、好ましくは、例えば四つ有る。前記タッチパネルは、前記主面部と前記側面部(四つの側面部)とによって、その内側に、直方体状の中空構造(中空空間、中空部)を持つ。従って、前記タッチパネルは、ケース状(箱状)の立体形状である。前記主面部および側面部には、島状電極、電極間配線、引出配線、端子部が、必要に応じて、形成されている。タッチパネルには入力領域が形成されている。
・「タッチパネルフィルム」:タッチパネルフィルムは電気絶縁性透明樹脂フィルムで構成される。電気絶縁性透明樹脂フィルムには、島状電極、電極間配線、引出配線、端子部、意匠印刷層が、必要に応じて、形成されている。意匠印刷層が形成されない場合もある。
・「タッチパネル成型体」:島状電極などが形成された電気絶縁性透明樹脂フィルムが、各種の成型方法によって、形成された樹脂成型体である。
・「指示体」:例えば、導電性のタッチペン等の入力機器である。或いは、ユーザの指である。ユーザが、タッチパネルの主面部(側面部)における入力領域の任意の位置を指示する為に用いる。
・「タッチ(タッチ入力)」:指示体がタッチパネルに対して接触(又は、接近)することである。
・「タッチ面」:前記指示体が前記タッチパネルに対して接触(又は、接近)する面である。
・「タッチ位置」:前記指示体の接触(又は、接近)によって指示された位置である。
・「主面入力領域」:前記指示体により位置が指定される前記主面部における領域である。
・「側面入力領域」:前記指示体により位置が指定される前記側面部における領域である。
・「意匠印刷層」:意匠印刷層は、電気絶縁性透明樹脂フィルムに形成される。意匠印刷層が形成された領域は不透明領域である。不透明領域は可視光を遮蔽する。不透明領域には意匠が形成されている。意匠印刷層が形成されない透明な領域が入力領域である。意匠印刷層は、タッチパネルの主面入力領域や側面入力領域の外側(周囲:窓枠部:額縁部)に形成される。意匠印刷層には、所望の文字情報、絵柄記号による情報が表示される。
・「意匠フィルム」:前記意匠印刷層が形成されたフィルムである。
・「ハードコート層」:タッチパネルの最外層(透明樹脂ケース、或いは意匠フィルム)に、所定の強度(硬度)を付与する保護層である。前記保護層により、耐久性、耐候性、耐衝撃性が確保される。例えば、紫外線硬化樹脂等で構成される。
・「島状電極」:指示体の接触(又は、接近)による静電容量の変化を検出する為の電極である。接触検知電極と言われる。検出電極とも言われる。島状電極の形状は、例えば三角形、正方形、矩形、菱形(頂角は、90°でも、90°以外でも良い)、N(Nは5以上の整数)角形、円形、楕円形などが挙げられる。
・「電極間配線」:隣接する島状電極が電気的に接続される導体(配線)である。
・「引出配線」:島状電極とタッチパネル端子部とが電気的に接続される導体(配線)である。
・「網目状導体」:形が網目状の導体(配線)である。前記島状電極は網目状導体である。前記電極間配線も、好ましくは、網目状導体である。前記引出配線も網目状導体であっても良い。
・「網目状導体パターン」:網目状に形成された導体パターンである。
・「タッチパネル端子部」:タッチパネルの側面部に形成された引出配線の終端部に接続して形成された入出力用の端子部である。
・「加熱フォーミング」:フィルムを加熱・軟化させて、ケース(箱型)状にすることである。例えば、真空成型(金型とフィルムとの間を真空にしてフィルムを金型に密着させて成型する真空成型)、圧空成型(フィルムを加熱軟化させ、圧縮空気の力でフィルムを金型に沿わせ成型する圧空成型)などによる。
・「加熱フォーミング体」:加熱フォーミングによって形成された成型体である。
・「タッチパネルフィルム加熱フォーミング体」:タッチパネルフィルムが加熱フォーミングされて形成された成型体である。
・「意匠フィルム加熱フォーミング体」:意匠フィルムが加熱フォーミングされて形成された成型体である。
・「フィルムインモールド成型」:離型材(剥離材)処理された剥離性フィルムに、所望の層(例えば、仮硬化されたハードコート層)が形成される。このフィルムが金型内に挿入され、溶融流動状態の成型用樹脂が金型内に注入されて固化する。これによって、表面に所望の層が転写された成型体が得られる。
・「第1の方向」:タッチパネルの主面入力領域が矩形である場合、主面入力領域の長辺方向が第1の方向である。図面ではy方向(左右方向)である。主面入力領域が正方形である場合は、主面入力領域の何れかの辺の方向が第1の方向である。
・「第2の方向」:タッチパネルの主面入力領域が矩形である場合、主面入力領域の短辺方向が第2の方向である。図面ではx方向(上下方向)である。
・「第3の方向」:図面が示される紙面に垂直方向(奥行き)方向が第3の方向である。図面ではz方向である。第1の方向、第2の方向、第3の方向は、例えば、互に、直交している。しかし、厳格な直交は要求されない。例えば、交差角度が85°〜95°の略直交であっても良い。
以下、図面が参照されながら、本発明の実施形態が説明される。但し、本発明は、上述した作用・効果が満たされる構成であれば良い。以下の実施形態に限定されない。以下の図面は判り易いように描かれている。縮尺は厳密に正確とは言えない。
[実施の形態]
先ず、共通事項が説明される。
<投影型静電容量結合方式タッチパネル>
本発明は、特に、投影型静電容量結合方式のタッチパネルに関する。更には、このタッチパネルが表示装置に組み込まれた装置(入出力一体型装置)に関する。前記タッチパネルは、電子機器を操作する為の入力装置として使用される。前記タッチパネルは、表示装置(例えば、液晶表示装置など)の表示面に搭載される。前記タッチパネルはタッチパネル成型体である。前記タッチパネルは、前記成型体のタッチ面(例えば、主面)を透過して視認される表示装置の表示内容に応じて、指示体(例えば、タッチペンや指などの導電体)のタッチ面への接触(接近:位置指示)により、電子機器の各種操作(例えば、入力など)が行われる装置である。
前記タッチパネルには、島状電極が、電気絶縁性透明フィルムに設けられている。例えば、前記フィルムの両面(表面と裏面)に、設けられている。前記フィルム表面に、二つ以上の島状電極が、x方向(又は、y方向)に沿って、設けられている。前記フィルム裏面に、二つ以上の島状電極が、y方向(又は、x方向)に沿って、設けられている。前記フィルムに垂直な方向から見た場合、前記島状電極は、格子状(二次元的)に、配置されている。フィルム表面に形成された島状電極と、フィルム裏面に形成された島状電極とは、互に、実質上、重ならないように配置されている。このような配置の島状電極により、(x,y)位置での容量変化が順次検出されると、マルチタッチの検出が可能である。
前記島状電極は、タッチパネル成型体の主面と、この主面と交差する側面に形成されている。ユーザタッチによる情報入力領域として、主面に形成された主面入力領域と、側面に形成された側面入力領域とがある。タッチ入力領域は主面と側面との両面に形成されている。
<タッチパネルの主要な構成要素[タッチパネル成型体(A)〜(D)]の共通事項>
タッチパネル[後述のタッチパネル成型体(A)〜(D)]の共通事項が説明される。
(タッチパネル成型体)
タッチパネルは、タッチパネルフィルムの加熱フォーミング体(タッチパネル成型体)である。前記タッチパネル成型体は、最大面積部である主面(x-y-z座標系における(xy)面)、前記主面に略直交する側面(前記座標系における(xz)面)、前記主面に略直交する側面(前記座標系における(yz)面)を持つ。前記(xy)面は、例えば一つである。前記(xz)面は、例えば二つである。前記(yz)面は、例えば二つである。前記主面と前記側面とで構成される領域は中空部(中空空間)である。
前記タッチパネルを構成する透明樹脂は熱可塑性樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂など)、又は熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂など)である。
(xz)面及び(yz)面の少なくとも一つの面、及び前記(xy)面には、島状電極が形成されている。隣接する島状電極は、電極間配線によって、直列状に、接続されている。
前記(xy)面の表面には、y方向に配列された島状電極列が、x方向に、複数、形成されている。前記(xy)面の裏面には、x方向に配列された島状電極列が、y方向に、複数、形成されている。この配列は、表面と裏面とで、逆であっても良い。
前記(xz)面に島状電極列が形成される場合、前記(xz)面の島状電極列は、例えば前記y方向配列の島状電極列が形成されたフィルムが90°折り曲げられることによって、形成される。前記(yz)面に島状電極列が形成される場合、前記(yz)面の島状電極列は、例えば前記x方向配列の島状電極列が形成されたフィルムが90°折り曲げられることによって、形成される。前記(xy)面の島状電極列は前記フィルム面に形成された島状電極列の一部である。前記(xz)面の島状電極列は前記フィルム面に形成された島状電極列の一部である。前記(xz)面の島状電極列は、例えば前記(xy)面の島状電極列の延長上に、存在する。前記(yz)面の島状電極列は前記フィルム面に形成された島状電極列の一部である。前記(yz)面の島状電極列は、例えば前記(xy)面の島状電極列の延長上に、存在する。
前記フィルムの表面側に形成された島状電極列の島状電極と、前記フィルムの裏面側に形成された島状電極列の島状電極とは、互に、実質上、重なっていない。光透過性(視認性)の観点から、表面側の島状電極と裏面側の島状電極との重なり合う領域(面積)は少ない方が好ましい。重なり合う領域(面積)は零である。静電容量の観点から、前記島状電極が重ならない領域(面積)は少ない方が好ましい。重なっていない領域(面積)は、僅かに、存在する。
前記(xz)面および前記(yz)面の少なくとも一つの面に、引出配線が形成されている。好ましくは、一つの(xz)面と一つの(yz)面(前記二つの面は、隣接し、かつ、繋がっている。)の双方に跨って形成されている。前記引出配線は、例えば前記(xz)面の島状電極列に接続されている。前記引出配線は、例えば前記(yz)裏面の島状電極列に接続されている。前記引出配線の末端部には端子部が形成されている。
前記端子部とフレキシブル印刷回路基板(FPC)の一方のFPC接続端子が接続されている。他方のFPC接続端子はタッチパネル制御・信号処理回路に接続されている。
前記タッチパネルは、投影型の静電容量結合方式として構成される。前記タッチパネルは、各種情報の入力装置として機能する装置である。タッチパネルの主面に、例えば矩形状の主面入力領域が設けられている。側面((xz)面、(yz)面)の少なくとも一つの側面に、矩形状の側面入力領域が設けられている。主面入力領域および側面入力領域に対する指示体のタッチによって指示されたタッチ位置が、タッチパネルの表面側に形成された島状電極と、タッチパネルの裏面側に形成された島状電極との間の静電容量の変化を自己容量方式又は相互容量方式で検出することによって、検知される。
タッチパネルの主面には、アクティブ領域が構成されている。場合によっては、非アクティブ領域が構成されている。前記アクティブ領域は、タッチによって各種情報が入力される領域である。前記アクティブ領域は、タッチ入力が検出される透明な透光性領域(主面入力領域:タッチ入力領域)である。前記非アクティブ領域は、主面入力領域を取囲む枠状の領域(額縁領域)に形成されている。前記非アクティブ領域は、光不透過性の意匠印刷層が形成された意匠領域(加飾領域)である。非アクティブ領域にタッチ入力があっても、このタッチ入力は検出されない。タッチパネルの側面には、アクティブ領域と非アクティブ領域が構成されている。前記側面のアクティブ領域は側面入力領域である。
主面入力領域に対する指示体のタッチ位置の自己容量方式(相互容量方式)による検出の説明がなされる。
自己容量方式では、主面((xy)面)のx方向に配列された島状電極列に対して、順番に、タッチ位置検出の為の電圧信号が供給される。主面((xy)面)のy方向に配列された島状電極列に対して、順番に、タッチ位置検出の為の電圧信号が供給される。タッチ位置に対向する主面のx方向に配列された島状電極列A、及び主面のy方向に配列された島状電極列Bと、GND(グランド)との間の容量が増加することから、島状電極列A及び島状電極列Bからの伝達信号の波形が、x方向の島状電極列A及びy方向の島状電極列Bの組合せ以外のx方向の島状電極列A’及びy方向の島状電極列B’からの伝達信号の波形と異なった波形となる。タッチパネル制御・信号処理回路は、島状電極列(主面のx方向に配列された島状電極列及び主面のy方向に配列された島状電極列)から供給された伝達信号に基づいて、タッチ位置を、演算する。
相互容量方式では、例えば主面のx方向に配列された島状電極列に対して、順番に、タッチ位置検出の為の電圧信号が供給され、主面のy方向に配列された島状電極列に対して、順番に、センシング(伝達信号の検出)が行われる。タッチ位置に対向するx方向に配列された島状電極列Aとy方向に配列された島状電極列Bとの間の寄生容量に対して、並列に、指示体の浮遊容量が加わる。y方向に配列された島状電極列Bからの伝達信号の波形は、y方向の島状電極列B以外のy方向の島状電極列B’からの波形とは異なった波形である。従って、タッチパネル制御・信号処理回路は、電圧信号を供給しているx方向に配列された島状電極列の順番と、供給されたy方向に配列された島状電極列からの伝達信号に基づいて、タッチ位置を、演算する。
前記自己容量方式(又は、相互容量方式)のタッチ位置検出方法が採用されることによって、主面入力領域に、同時に、二つの指示体が接触(又は接近)しても、タッチ位置の検出が可能になる。
同様にして、側面入力領域に対する指示体のタッチ位置の検出が可能である。
(網目状導体が形成されるタッチパネルフィルム、意匠印刷層が形成される意匠フィルム)
タッチパネルフィルム(意匠フィルム)は、電気絶縁性透明樹脂フィルムである。このフィルム素材としては、例えばエステル系樹脂類(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂(例えば、EVA等)、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、環状オレフィン高分子(COC)、ポリウレタン(PU)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。代表的な例としてPETが挙げられる。
前記フィルムの厚みは、例えば10μm〜300μmである。但し、これに限られない。光透過率、機械的強度の点から、好ましくは30〜150μmである。
(網目状導体の形成方法)
網目状導体(メッシュ状導体)の代表的な形成方法が説明される。島状電極や電極間配線は、好ましくは、前記網目状導体で構成される。前記引出配線も前記網目状導体で構成されても良い。網目(高開口率)であると、光透過率が高い。
(1)導電性インクの印刷による方法
導電性ナノ粒子とバインダとを含む導電性インクが、透明フィルム面上に、網目状に形成される。例えば、印刷(スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、ディスペンサ印刷等)の手法が用いられる。
導電性ナノ粒子は、例えば平均粒子径が2μm以下(好ましくは、200〜500nm)の導電性粒子である。前記粒子の材料は、例えばAg,Au,Pt,Cu,Al、又はカーボンである。バインダは、例えばポリエステル樹脂である。
網目状導体は、導電性高分子を含有する導電インキの印刷によっても、形成できる。前記導電性高分子としては、例えばポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン等が挙げられる。
(2)導体薄膜のエッチングによる方法
樹脂フィルム面上に導体薄膜が形成される。前記導体薄膜上に網目状のレジストパターンが形成される。レジストパターンから露出する導体薄膜がエッチング除去される。これにより、網目状導体が得られる。前記薄膜は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法により、形成される。樹脂フィルムに貼り合せられた金属薄膜でも良い。導体薄膜は、例えばAu,Ag,Cu,Al等の薄膜である。
導体薄膜は、導電性高分子から形成される膜であっても良い。前記導電性高分子としては、前記高分子が挙げられる。
(3)マスクを使用した金属蒸着薄膜による方法
金属薄膜は、例えば、Au,Ag,Cu又はAl薄膜である。
(4)銀塩を用いた導電性銀形成法による方法
樹脂フィルム面上に感光性ハロゲン化銀塩とバインダとを含有する感光材料が塗布される。パターン露光および現像が行われる。露光部に細線からなる銀が形成され、未露光部に光透過性部が形成される。これにより、網目状導体(Ag)が形成される。
(網目状導体(導体細線)の線幅、ピッチ、厚み寸法)
島状電極や電極間配線を構成する導体細線の線幅、導体細線のピッチ、導体細線の厚みは、各々、例えば10μm〜50μm、100μm〜1000μm、2μm〜10μmである。このような網目状導体は、導体細線の線幅が細く、線幅に対するピッチが大きく、目立ち難く、視認性が向上する。
網目状導体(島状電極、電極間配線)の開口率は、表示画面の明るさの観点から、好ましくは、90%以上である。開口率は、(網目状導体の外形全面積−導体部分の面積)/(網目状導体の外形全面積)である。
前記島状電極の外形の大きさは、例えば2mm〜5mmである。前記電極間配線の外形幅は前記島状電極の外形より小さい。
隣接する島状電極(前記電極間配線で接続される島状電極)の間の距離(島状電極の外形をなす辺間の距離)は、例えば20μm〜100μmである。
引出配線(導体細線)の寸法、ピッチ、厚みは、前記島状電極の寸法、ピッチ、厚みと同じであっても良く、異なっていても良い。例えば、導体細線の線幅、ピッチ、厚みは、各々、50μm〜200μm、100μm〜1000μm、10μm〜50μmであっても良い。
引出配線は、島状電極列からの信号が外部回路に伝達される配線である。引出配線は、高導電率を有する導電材料から構成される。引出配線は、網目状である。しかし、網目状に限られない。非網目(ベタ)配線であっても良い。
引出配線の延長部分として形成されるタッチパネル端子部、及び孤立配線(タッチパネルフィルムの一方の面に形成される引出配線が、タッチパネルフィルムに形成されたスルーホール内の導体を介して接続される、タッチパネルフィルムの他方の面に形成される孤立配線)は、網目状である。しかし、網目状に限られない。所謂、ベタ配線であっても良い。
(意匠印刷層)
意匠印刷層は、光不透過性の窓枠や、抜き文字等の印刷が施された層である。前記意匠印刷層は、前記入力領域(アクティブ領域:タッチ入力領域)の外側の領域(非アクティブ領域)に設けられている。
意匠印刷層は意匠フィルムに形成される。意匠フィルムとして、タッチパネルフィルムとして使用される電気絶縁性透明樹脂フィルムが使用される。このフィルムの片面に意匠印刷層が形成される。
前記意匠印刷層は、印刷(例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷など)によって、形成される。印刷厚さは、例えば2μm〜10μmである。
網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムに、直接、意匠印刷層が形成されても良い。この意匠印刷層の内側の領域が表示領域(入力領域)である。この場合、意匠フィルムは用いられない。
意匠印刷層が形成された意匠フィルムと、網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムとが積層された態様であっても良い。例えば、後述するタッチパネル成型体(D)であっても良い。
(ハードコート層)
タッチパネル(透明樹脂ケース(或いは、意匠フィルム))の最外層に、ハードコート層が設けられても良い。このハードコート層は、好ましくは、厚さが1μm〜20μmである。ハードコート層の材料には、例えばニデック社製の有機無機ハイブリッドハードコート剤Acierが挙げられる。
<入出力一体型装置(I),(II),(III),(IV)の共通事項>
入出力一体型装置(I),(II),(III),(IV)の共通事項が説明される。
(入出力一体型装置)
前記タッチパネルと前記表示装置とが組み合され、入出力一体化装置が構成される。前記入出力一体化装置は、タッチパネル成型体、表示装置、タッチパネル成型体と表示装置との間を電気的に接続するフレキシブル印刷回路基板(FPC)等の接続導体、タッチパネル制御・信号処理回路、表示ユニット制御・信号処理回路、入出力一体化装置制御・信号処理回路などを具備する。表示装置は、例えば液晶表示装置(LCD)である。
タッチパネル制御・信号処理回路は、これから送信される駆動信号によって駆動制御され、タッチパネル成型体からの信号を処理する。タッチパネル成型体からの信号或いはこの信号の処理結果は、表示装置に送信される。表示に必要とされる信号処理がなされる。処理結果は、表示ユニット制御・信号処理回路によって駆動制御される表示装置(表示面)に表示される。入出力一体化装置制御・信号処理回路は、入出力一体化装置全体を制御する。前記入出力一体化装置制御・信号処理回路は、装置全体に係る信号処理を実行する回路である。前記入出力一体化装置制御・信号処理回路は、タッチパネル制御・信号処理回路及び表示ユニット制御・信号処理回路へ制御信号を送信し、前記回路の動作を制御する。
タッチパネルと組み合される表示装置は、文字情報、画像情報を含む映像の出力装置である。前記表示装置は、表示面と表示ユニット制御・信号処理回路を具備する。表示面は、映像を出力表示する表示領域と、この表示領域を取囲む非表示領域とを具備する。表示ユニット制御・信号処理回路は、出力表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示装置を駆動する。表示装置は、表示ユニット制御・信号処理回路の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面に表示する。
タッチパネルの主面は、表示装置(表示面)上方に対向して、配置される。タッチパネルの主面に設けられた主面入力領域(タッチ入力領域、アクティブ領域)は、表示装置(表示面)の表示領域に相対して、配置される。タッチパネルの主面に設けられた非アクティブ領域は、表示装置の非表示面の表示領域に相対して、配置される。ユーザは、表示装置の表示面に表示される映像を、透光性の主面入力領域を介して、観察する。
(入出力一体型装置の大きさ)
入出力一体型装置を備える電子機器の一例として、電話機能を有する携帯端末が挙げられる。この端末の外形寸法は、横70mm〜80mm、縦130mm〜150mm、厚さ8mm〜100mmである。表示装置(表示面)の表示領域の形状、及び前記表示装置(表示面)に対応するタッチパネルの主面入力領域の形状は、矩形である。例えば、横方向長さが60mm〜70mm、縦方向長さが90mm〜120mmである。側面入力領域の形状は矩形である。例えば、横側面では、厚さ方向長さが8mm〜10mm、横方向長さが50mm〜60mmである。縦側面では、厚さ方向長さが8mm〜10mm、縦方向長さが80mm〜110mmである。
タッチパネルは表示装置と組み合されて用いられる。タッチパネルは、主面入力領域と側面入力領域とを具備する。タッチ入力領域は複数面に有る。引出配線の殆どは側面に形成されている。主面の殆どは、主面入力領域となる。従って、主面入力領域は大きな表示面を持つ。前記タッチパネルは、大きな表示面を持つ表示装置に用いられる。大きな表示面を持つ入出力一体化装置に好適である。これ等の装置の操作性は優れている。
(表示装置の例)
前記タッチパネルが組み合わされる表示装置として、例えば液晶ディスプレイ装置、有機LEDディスプレイ装置、無機LEDディスプレイ装置、エレクトロクロミックディスプレイ、プラズマディスプレイ装置、電界放出ディスプレイ装置などが挙げられる。
(入出力一体型装置が適用される電子機器の例)
前記入出力一体型装置は、例えば一般家電品(洗濯機、冷蔵庫、テレビ等)、携帯電話機、カーナビゲーション装置、可搬型ナビゲーション装置、携帯型メディアプレーヤ、電子ブックリーダー装置、タブレット端末、ゲーム機、電子辞書、現金自動預け払い機、各種の理化学機器を始めとする産業用機器に用いられる。
ユーザは、前記入出力一体型装置の出力表示画面を参照しながら、同じ出力表示画面を入力面とし、ここに、指示体(タッチペン等の入力器具や指等)でタッチする。前記タッチによって、出力表示画面の任意の位置が指示される。これにより、予め、設定されている各種操作条件が出力表示画面で選択される。或いは、各種操作条件が出力表示画面に数値入力される。各種操作条件に対応して側面入力領域に予め設定された複数のキーから、目的とするキーが選択され、種々の電子装置にその運転条件が指示される。
前記タッチパネルは、主面と側面との両面にタッチ入力領域が形成されている。従って、操作条件の指示に、主面入力領域と側面入力領域の何れかの面を用いることが出来る。これは操作性が高いことを意味する。
以下、タッチパネル、タッチパネルの製造方法、入出力一体型装置が説明される。
<タッチパネル成型体(A)からなるタッチパネルの製造方法、タッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置とを具備する入出力一体型装置(I)>
<タッチパネル成型体(A)>
タッチパネル(タッチパネル成型体(A))は、次の製造工程を経て、製造される(図1参照)。
図1は、タッチパネル成型体(A)の製造工程図である。図1(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程と、意匠印刷層が形成される工程とを経て得られたフィルムの平面図である。図1(b1)は、図1(a)のフィルムが加熱フォーミングされる工程を経て得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(タッチパネル成型体)(α)の斜視図である。図1(b2)は、図1(b1)のX−X線断面図である。図1(c)は、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型の工程での断面図である。図1(d)は、金型から成型体が取り出された後のハードコート材料本硬化工程でのX−X線断面図である。図1(e1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(A)のX−X線断面図である。図1(e2)はY−Y線断面図である。
タッチパネルフィルム40の表面および裏面に、島状電極、電極間配線、引出配線、引出配線の末端のタッチパネル端子部18、スルーホール19が、所定のパターンで、形成された(図1(a)参照)。前記電極間配線、前記引出配線、及び前記スルーホールは、図1(a)には示されていない。前記スルーホール19は、y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18に形成された。前記島状電極によって、タッチ位置が検出される。
20は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されたx方向に配列した島状電極である。30は、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されたy方向に配列した島状電極である。21,31は島状電極の間を接続する配線(電極間配線)である。21は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されたx方向の電極間配線である。31は、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されたy方向の電極間配線である。電極列1,2,3,4は、前記島状電極と前記電極間配線とで、構成される。電極列1は、前記タッチパネルフィルム40の中央位置(図1(b1)においては、(xy)面)の表面に形成されている。電極列2は、前記タッチパネルフィルム40の中央位置(図1(b1)においては、(xy)面)の裏面に形成されている。電極列3は、前記タッチパネルフィルム40の左方位置(図1(b1)においては、(xz)面)及び上方位置(図1(b1)においては、(yz)面)の表面に形成されている。電極列4は、前記タッチパネルフィルム40の左方位置(図1(b1)においては、(xz)面)及び上方位置(図1(b1)においては、(yz)面)の裏面に形成されている。22,32は引出配線である。22は、タッチパネルフィルム40の表面に形成されたx方向の引出配線である。32は、タッチパネルフィルム40の裏面に形成されたy方向の引出配線である。10は主面入力領域である。15a,15bは側面入力領域である。12は主面(主面領域)である。43は意匠印刷層である。18はタッチパネル端子部である。
意匠印刷層43がタッチパネルフィルム40の表面に形成された。島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムが得られた。このタッチパネルフィルムは、後述の図2〜図5、図10によって、説明される。
最終的に形成されたタッチパネルにおいて、主面入力領域10、側面入力領域15a,15bは、点線で示されている(図1(a)参照)。
島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムに対して、タッチパネル端子部18(y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18)に、スルーホール19が、形成されても良い。タッチパネル端子部18(y方向の引出配線32の端部のタッチパネル端子部18)にスルーホール19が形成された後に、意匠印刷層43が形成されても良い。
図1(a)で得られたフィルムが加熱フォーミングされた。これによって、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αが得られた(図1(b1)(b2)参照)。網目状導体パターンや意匠印刷層が形成されたタッチパネルフィルム(図1(a)参照)が、加熱軟化・冷却固化される前に、型にセットされた。真空圧や圧縮空気によって、目的とする箱(ケース)が成型された。この後、不要部分がトリミング(仕上げ加工、抜き加工)された。これにより、内部に直方体状の中空部63を有する箱型のフィルム中間品(中空部63の外部の面に意匠印刷層43を有するタッチパネル加熱フォーミング体(α))が得られた(図1(b1)(b2)参照)。この加熱フォーミング体(α)50αが説明される(後述の図6参照)。
図1(a)、図1(b)では、島状電極20,30は、実質的に透明であり、視認されない。しかし、構成を明確にする為、表面や裏面に形成された島状電極20,30は実線で示されている。島状電極を接続する電極間配線21,31は省略されている。z方向から眺めた場合、表面の島状電極20と裏面の島状電極30とが隣接する間の間隙も省略されている(図2、図5、図6、図7、図8、図11(a)、図11(b)、図13(a)、図13(b)、図15(a)、図15(b)、図15(e)、図16、図17(b)、図18、図24〜図28においても、同様)。
フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とによって、タッチパネル成型体(A)50Aが得られた(図1(c)及び図1(d)参照)。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)とハードコート材料の仮硬化層45aが表面に形成された剥離性フィルム46とが用いられ、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とが行われた。これにより、タッチパネル成型体(A)50Aが得られた。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面が、凸状金型91aの凸状部に、セットされた。タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面と凹状金型91bの凹状部との間に、ハードコート材料の仮硬化層45aが表面に形成された剥離性フィルム46が、セットされた。この後、凸状金型91aと凹状金型91bとが型合せ(型締め、型閉じ)された(図1(c)参照)。流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、剥離性フィルム46に形成されたハードコート材料の仮硬化層45aとタッチパネル加熱フォーミング体(α)50α外面との間に、射出充填された。同時に、剥離性フィルム46の面から成型樹脂材料の面に仮硬化層45aが転写された。冷却固化後、金型の型開きが行われ、成型体が取り出された。
金型から取り出された成型体のハードコート材料の仮硬化層45aが本硬化させられた。ハードコート層45、成型樹脂材料による透明樹脂ケース62、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの三者が一体化された。意匠印刷層43がタッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62とで挟まれたタッチパネル成型体(A)50Aが得られた(図1(d)参照)。
図1(c)では金型の細部は図示されていない。しかし、凸状金型91a、凹状金型91bには、成型体の金型よりの型抜きを容易にする為、抜き勾配が構成されている。加熱溶融した成型樹脂材料の流れを容易にする為、又、応力集中を減少させる為、コーナー(角)部は曲面である。成型体において、肉厚がtである透明樹脂硬化体の二面が交差する角部の曲率半径(R)は、角部の内面側でR1=(1/t)、角部の外面側でR2=(1.5/t)である。例えば、t=0.5mmとすると、R1=0.25mm、R2=0.75mmである。前記抜き勾配、角部の曲率半径(R)は、凸状金型93a,95a,95b,97a及び凹状金型93b,95c,97bにも、形成されている。
フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の一方のFPC端子部は、タッチパネル成型体(A)50Aの(zy)面に露出するタッチパネル端子部18に、接続されている(図1(e)参照)。フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の他方のFPC端子部は、表示装置90、タッチパネル制御・信号処理回路100、表示ユニット制御・信号処理回路110、入出力一体型装置制御・信号処理回120等の回路が実装される実装基板92の実装基板端子72に、接続されている(後述の図9参照)。
フレキシブル印刷回路基板(FPC)70が接続されるタッチパネル端子部18の近傍部分の構造は、後述される(図10参照)。
(タッチパネルフィルムへの網目状導体パターンの形成)
図2は、島状電極、引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(a)の平面図である。
タッチパネルフィルム40の表面には、x方向に配列した島状電極20の電極列が形成された。前記島状電極20と前記島状電極20とは、x方向の電極間配線21によって、接続された。前記電極列は、y方向に、複数列(例えば、10列)が、形成された。x方向の引出配線22が、前記島状電極20の電極列の末端位置に接続された。
タッチパネルフィルム40の裏面には、y方向に配列した島状電極30の電極列が形成された。前記島状電極30と前記島状電極30とは、y方向の電極間配線31によって、接続された。前記電極列は、x方向に、複数列(例えば、6列)が、形成された。y方向の引出配線32が、前記島状電極30の電極列の末端位置に接続された。
タッチパネルフィルム40の表面に形成された島状電極20と、裏面に形成された島状電極30とは、z方向から眺めた場合、互いに、重ならない。すなわち、間隔を置いて、格子状に、二次元的に配置されている(図2参照)。島状電極20,30の形は、各々、頂角が90°の菱形である。
タッチパネルフィルム40の表面に、x方向の引出配線22(及び、y方向の引出配線32)が接続されるタッチパネル端子部18が形成されている。y方向の引出配線32は、スルーホール19を介して、タッチパネル端子部18に接続されている。スルーホール19は、タッチパネル端子部18の任意の箇所(又は、y方向に配列する島状電極30の電極列の末端の島状電極30からタッチパネル端子部18に到るまでのy方向の引出配線32の任意の箇所)に形成されている。
タッチパネルフィルム40の裏面に、x方向の引出配線22(及び、y方向の引出配線32)が接続されるタッチパネル端子部18が形成されても良い。スルーホール19が、任意の個所(x方向に配列する島状電極20の電極列の末端の島状電極20からタッチパネル端子部18に到るまでのx方向の引出配線22の任意の箇所)に、形成されても良い。x方向の引出配線22が、スルーホール19を介して、タッチパネル端子部18に接続されても良い。
島状電極(検出電極)20,30及び引出配線22,32の抵抗値が精密に調整され、タッチ位置の位置検出精度を高める為、必要に応じて、取出配線22,32の抵抗値を調整する為の抵抗調整部が、任意の個所(例えば、タッチパネルの側面部に形成された引出配線22、32がタッチパネル端子部18に到るまでの途中の任意の箇所)に設けられてもよい。
最終的に形成されたタッチパネルの主面入力領域10は、フィルム40の主面部12の殆どである。タッチパネルの側面入力領域15aの島状電極20は、フィルム40の上方に位置している。タッチパネルの側面入力領域15bの島状電極30は、フィルム40の左方に位置している(図2参照)。
図3は、網目状導体(島状電極、電極間配線、引出配線)の一部拡大平面図である。図3(a1)は、y方向の電極間配線31−島状電極30−電極間配線31−島状電極30−電極間配線31の拡大平面図である。図3(a2)は、x方向の電極間配線21−島状電極20−電極間配線21−島状電極20−電極間配線21の拡大平面図である。図3(b1)は、y方向の引出配線32の一部拡大平面図である。図3(b2)は、x方向の引出配線22の一部拡大平面図である。
島状電極20と島状電極20とは、電極間配線21によって、電気的に接続されている。x方向における末端(端部)の島状電極20に、引出配線22が、接続されている。
島状電極30と島状電極30とは、電極間配線31によって、電気的に接続されている。y方向における末端(端部)の島状電極30に、引出配線32が、接続されている。
島状電極20,30及び電極間配線21,32は前記網目状導体で構成されている。本実施形態においては、引出配線22,32も、前記網目状導体で構成されている。しかし、引出配線22,32は、網目状でなくても良い。所謂、ベタ配線であっても良い。
引出配線22,32の延長部分であるタッチパネル端子部18も、網目状であっても、網目状でなくても良い。
島状電極および電極間配線は、光透過率の観点から、好ましくは、網目状である。特に、開口率が90%以上の網目であるのが好ましい。これにより、細線が視認され難く、表示画面の視野が明るくなる。
島状電極20,30、電極間配線21,31、及び引出配線22,32は、好ましくは、網目状導体である。その理由は、フィルムをケース(箱型)に成形するに際して、網目状導体に断線が起き難かったからに寄る。加熱フォーミング体(α)(β)は、島状電極、電極間配線および引出配線が形成されたタッチパネルフィルムが加熱フォーミングされることによって、得られる。この時、網目状導体(島状電極、電極間配線、引出配線)が加熱フォーミング体の角部(稜線部)に位置していても、かつ、加熱フォーミング時に起きる引張力や圧縮力が前記網目状導体に作用しても、前記網目状導体には断線が起き難かった。特に、網目状導体がAu,Ag,Cu,Al等で構成されていた場合には、断線が起き難かった。
引出配線がベタ配線の場合でも、引出配線はAu,Ag,Cu,Al等で構成されていることが好ましい。その理由は、Au,Ag,Cu,Al等は、展性や延性に優れているからである。従って、断線が起き難い。
網目状導体は、前記方法[例えば、(1)導電インクの印刷による方法、(2)導体薄膜のエッチングによる方法、(3)蒸着マスクを使用した金属蒸着方法、(4)銀塩を利用した導電性銀形成法による方法]によって、形成できる。
(タッチパネルフィルムへの意匠印刷層の形成)
図4は、タッチパネルフィルムに形成する意匠印刷層の平面図である。
タッチパネルの主面((xy)面)となる領域12の殆どを占める主面入力領域10が、光透過性の透明な開口領域44として形成される。この領域は意匠印刷層43が形成されない部分である。前記開口領域44の外周部分に意匠印刷層が形成される(図4参照)。
例えば、各種の操作の為の案内キー7や透明な背景が、側面入力領域15a,15bとなる部分(点線で示される部分)に、印刷によって、形成されている。開口領域44の外周部分で、かつ、側面入力領域とならない領域(図4の右方および下方の領域)は、意匠印刷層43として、光不透過性の層が印刷される(図4参照)。
タッチパネル端子部開口部16は開口部である(図4参照)。タッチパネル端子部18(図5参照)は、前記開口部16から、露出する。意匠印刷層は前記開口部16に設けられない(図4参照)。
図5はタッチパネルフィルム(a)の平面図である。前記タッチパネルフィルム(a)には、島状電極、引出配線、及び意匠印刷層が形成されている。図5は、図4が図2の上に重ねられた図である。従って、説明は省略される。
(タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の形成)
図6は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の斜視図である。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αは、その内部に、直方体状中空部63を具備する。意匠印刷層が、主面と側面とに、設けられている。主面入力領域(x方向に配列した島状電極20、及びy方向に配列した島状電極30が形成)10が、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの主面部((xy)面)12に、形成されている。意匠印刷層43が、主面入力領域10の外周域に、形成されている。側面入力領域15a,15bが、主面((xy)面)に直交する側面に、形成されている。意匠印刷層43が、側面入力領域15a,15bの外周域に、形成されている。タッチパネル端子部18、及びタッチパネル端子部開口部16が、前記側面に形成されている。スルーホール19が前記タッチパネル端子部開口部16に形成されている(図6参照)。
図7は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の説明図である、図7(a)は背面図である。図7(b)は左側面図である。図7(c)は平面図である。図7(d)は右側面図である。図7(e)は正面図である。
タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αは主面部12((xy)面)を具備する。主面入力領域10が主面部12に形成されている。主面入力領域10は主面部12の殆どを占める。側面入力領域15aが背面(側面)に形成されている。側面入力領域15bが左側面に形成されている。タッチパネル端子部18およびタッチパネル端子部開口部16が、正面(側面)に、形成されている。スルーホール19がタッチパネル端子部開口部16に形成されている。x方向の引出配線22とy方向の引出配線32とを遮蔽する意匠印刷層43が形成されている。右側面には、y方向の引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43が形成されている(図7参照)。
図8は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の下面図である。
x方向の引出配線22が端子部18aに接続されている。前記引出配線22は、x方向に配列した電極列の端部(第6列目)の島状電極20に接続されている。前記引出配線22は、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの正面に形成されている。y方向の引出配線32が端子部18bに接続されている。前記引出配線32は、y方向に配列した電極列の端部(第10列目)の島状電極30に接続されている。前記引出配線32は、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの右側面に形成されている(図8参照)。
<入出力一体型装置(I)>
入出力一体型装置(I)(タッチパネル(タッチパネル成型体(A))および表示装置を具備)が説明される。
図9は入出力一体型装置(I)の説明図である。図9(a)は斜視図(ハードコート層は図示せず。)である。図9(b)はX−X線断面図である。図9(c)はY−Y線断面図である。
入出力一体型装置(I)50Iは、タッチパネル成型体(A)50Aから構成された上側箱体67と、前記上側箱体67と嵌合する下側箱体69とを具備する。前記上側箱体67と下側箱体69とで、内部に、閉鎖空間が形成される(図9参照)。
タッチパネル成型体(A)50Aの最外層のハードコート層45は図示されていない(図9(a)参照)。開口領域44は、タッチパネルフィルム40に意匠印刷層が形成されていない透明な領域である。開口領域44は主面入力領域10に対応する。島状電極20,30は図示されていない。
実装基板端子72の一方の面に搭載された表示装置90が、上側箱体67の内部空間に、収納されている(図9(b),図9(c)参照)。上側箱体67と実装基板端子72とは接合されている。タッチパネル制御・信号処理回路100、表示ユニット制御・信号処理回路110、及び入出力一体型装置制御・信号処理回120等の回路が、実装基板端子72の他方の面に、搭載されている。
一方のFPAC端子(フレキシブル印刷回路基板(FPC)70の端子)が、タッチパネル端子部18に、接続されている。他方のFPAC端子が、実装基板92の実装基板端子部72に、接続されている。実装基板端子部72とタッチパネル端子部18とは、フレキシブル印刷回路基板(FPC)70を介して、電気的に接続されている。
主面入力領域および側面入力領域に形成された電極列に対して、共通の外部回路100,110,120によって、信号の送受がされる(後述の図12、図14、図22についても同様)。
一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18との間は、例えば異方性導電接着剤によって、接続される。他方のFPAC端子と実装基板端子部72の間は、例えば異方性導電接着剤によって、接続される。
一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18との間、及び他方のFPAC端子と実装基板端子部72との間は、異方性導電接着剤によって接続されている(図9(b)参照)。一方のFPAC端子とタッチパネル端子部18との間の接続の詳細は図示されていない(図12、図14、図22についても同様)。
異方性導電接着剤としては、市販品として入手可能な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic
conductive Paste)が挙げられる。例えば、実装基板端子部72と他方のFPAC端子との間に異方性導電フィルムが配置される。又は、実装基板端子部72と他方のFPAC端子との一方に異方性導電ペーストが塗布された後、加圧しながら異方性導電接着剤が硬化させられる。実装基板端子部72と他方のFPAC端子との間が電気的に接合されると共に、実装基板92とフレキシブル印刷回路板(FPC)70とが接合される。
図10はタッチパネル端子部の説明図である。図10(a)はタッチパネル端子部の拡大平面である。図10(b)はW−W線拡大断面図である。図10(b1)はスルーホール形成時の断面図である。図10(b2)は保護層形成後の断面図である。図10(c)は、タッチパネル端子部とFPC端子部との位置関係の説明図である。
保護層34が形成されている。この保護層34は、意匠印刷層43で被覆されていない露出部分、及び孤立配線23部分を、覆っている。前記露出部分は、タッチパネル端子部18近傍での露出部分である。前記露出部分は、スルーホール19に充填された導体が外部に露出している部分である。引出配線73及びタッチパネル端子部75は、保護層34で被覆されている(図10参照)。後述する図11、図13、図15〜図18、図24〜図28に示されるタッチパネル端子部18も同様である。
タッチパネル端子部18は引出配線32の延長部分である。従って、タッチパネル端子部18は引出配線32の断面として図示されている。孤立配線23は引出配線22が形成された面に形成されている。孤立配線23は引出配線22に接続されていない。孤立配線23は、スルーホール19に充填された導体を介して、引出配線32に接続されている(図10(b),図10(c)参照)。
島状電極20,30、引出配線22,32、タッチパネル端子部18が、タッチパネルフィルム40に形成された後、スルーホール19が形成される。前記スルーホール19は、孤立配線23と引出配線32との電気的接続に用いられる(図10(b1)参照)。
孤立配線23は、引出配線22,32、タッチパネル端子部18と同様に、網目状導体であっても、ベタ配線であっても良い。
島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、意匠印刷層43が、タッチパネルフィルム40に形成された後、タッチパネル端子部18、スルーホール19が形成されても良い。タッチパネル端子部18、スルーホール19が形成された後に、意匠印刷層43が形成されても良い。
カーボンインクが、タッチパネルフィルム40の両面側から、スルーホール19に供給・充填され、意匠層印刷層43が形成されている場合、保護層34が設けられる。前記保護層34は、意匠層印刷層43によって被覆されていない孤立配線23、引出配線32、スルーホール19充填表面露出カーボン33を完全に覆っている。前記保護層は、カーボンインクの印刷により形成される(図10(b2)参照)。
引出配線22,32およびタッチパネル端子部18がAgによって構成されている場合、カーボン保護層34はAg部分を完全に被覆している。従って、Agの酸化やマイグレーションが防止される。
保護層34が設けられた後、意匠層印刷層43が形成される場合、意匠層印刷層43は保護層34に重なるように設けられる。
図10(c)と図9(b)とは関連している。図10(c)は、タッチパネル端子部18とFPAC端子部78との間の接続における位置関係を示す。タッチパネル端子部18に形成されたカーボン保護層34とFPAC端子78との間が、異方性導電接着剤によって、電気的に接続される。
<入出力一体型装置(II)(タッチパネル成型体(B)からなるタッチパネルと表示装置を具備)>
<タッチパネル成型体(B)>
タッチパネル成型体(B)は次の製造工程(図11参照)を経て製造される。
図11は、タッチパネル成型体(B)の製造工程説明図である。図11(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程と、意匠印刷層が形成される工程とを経て得られたフィルムの平面図である。図11(b1)は、図11(a)のフィルムが加熱フォーミングされる工程を経て得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の斜視図である。図11(b2)は、図11(b1)のX−X線断面図である。図11(c)は、フィルムインサート成型工程におけるX−X線断面図である。図11(d1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(B)のX−X線断面図である。図11(d2)はY−Y線断面図である。
図1のタッチパネル成型体(A)はハードコート層45を具備する。図11のタッチパネル成型体(B)はハードコート層45を具備しない。
図11(a)及び図11(b)は、図1(a)及び図1(b)と同様である。本実施形態は、図1(a)及び図1(b)と同様に行われた。先ず、タッチパネルフィルム40に、網目状導体パターン20,30,18が形成された。次に、意匠印刷層43が形成された。すなわち、網目状導体パターン20,30,18及び意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムが作製された。このタッチパネルフィルムが加熱フォーミングされ、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが得られた。
フィルムインサート成型が前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αに対して行われ、タッチパネル成型体(B)が得られた(図11(c)参照)。すなわち、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面が、凸状金型93aの凸状部にセットされた。凸状金型93aと凹状金型93bとが型合せ(型締め、型閉じ)された。流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、凹状金型93bの凹状部とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面との間に射出・充填された。冷却固化後、金型の型開きが行われた。成型体(B)50bが金型から取り出された。
前記タッチパネル成型体(B)50bは、透明樹脂ケース62と、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αとが一体化されたものである。意匠印刷層43が、タッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62とで挟まれている。意匠印刷層43は、完全に、封止されている。
図11(d)は、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(B)50Bに置き換えられた図である(図1(e)参照)。従って、詳細は省略される。
<入出力一体型装置(II)>
入出力一体型装置(II)(タッチパネル成型体(B)を有するタッチパネルと表示装置とを具備)が説明される。
図12は入出力一体型装置(II)の説明図である。図12(a)は、X−X線(前記X−X線位置と同様位置)断面図である。図12(b)はY−Y線(前記Y−Y線位置位置と同様位置)断面図である。
図12の入出力一体型装置(II)50IIは、図9の入出力一体型装置(I)50Iと同様である。図12は、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(B)50Bに置き換えられた図である(図1参照)。従って、詳細は省略される。
<入出力一体型装置(III)(タッチパネル成型体(C)からなるタッチパネルと表示装置とを具備)>
<タッチパネル成型体(C)>
タッチパネル成型体(C)は次の製造工程(図13参照)を経て製造される。
図13は、タッチパネル成型体(C)の製造工程説明図である。図13(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程と、意匠印刷層が形成される工程とを経て得られたフィルムの平面図である。図13(b1)は、図13(a)のフィルムが加熱フォーミングされる工程を経て得られたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の斜視図である。図13(b2)は、図13(b1)のX−X線断面図である。図13(c)は、フィルムインサート成型工程におけるX−X線断面図である。図13(d1)及び図13(d2)は補強材料成型工程での断面図である。図13(e1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(B)のX−X線断面図である。図13(e2)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(B)のY−Y線断面図である。
タッチパネル成型体(C)50Cは、補強枠96を具備する。しかし、タッチパネル成型体(B)50Bは補強枠96を具備しない。
図13(a)及び図13(b)と図1(a)及び図1(b)とは同様である。タッチパネル成型体(C)50Cは、タッチパネル成型体(B)50Bと同様にして得られる。先ず、網目状導体パターン20,30,18が、タッチパネルフィルム40に形成された。次に、意匠印刷層43が形成された。網目状導体パターン20,30,18及び意匠印刷層43が形成されたタッチパネルフィルムが得られた。このフィルムが加熱フォーミングされた。これにより、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが得られた。
フィルムインサート成型(1次成型)が、前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αを用いて、行われた。この後、補強材料成型(2次成型)が行われた。前記2段階成型によって、タッチパネル成型体(C)50Cが得られた。前記2段階成型(1次成型、2次成型)では、凹状金型95cが共通金型として用いられる。
先ず、タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の内面が、凸状金型95aの凸状部に、セットされた(図13(c)参照)。タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの中空部63の外面が、凹状金型95cの凹状部に、セットされた。凸状金型95aと凹状金型95cとの型合せが行われた。
流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、凹状金型95cの凹状部とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの外面との間に、射出・充填された。冷却固化(1次成型)によって、1次成型体が得られた。
次に、型開きが行われた。前記1次成型体が凹状金型95cに残された状態で、凸状金型95aが凸状金型95bに変更された。2次成型が行われた。この2次成型によって、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内面に補強枠96が形成された(図13(d)参照)。
前記2次成型では、凸状金型95bが、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内部に、セットされた。凹状金型95cと凸状金型95bとの型合せが行われた。流動化した成型樹脂材料が、凸状金型95bの凸状部の側面とタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αの内側面との間に射出・充填された。冷却固化(2次成型)によって、2次成型体が得られた。
又は、2次成型で、仮硬化状態(例えば、Bステージの熱硬化性樹脂)の補強枠96が、1次成型で冷却固化された透明樹脂60の中空部63の内部に、セットされた。凸状金型95bの凸状部が、前記補強枠96の枠内に、セットされた。仮硬化された状態の補強枠96が、1次成型で冷却固化された透明樹脂60と凸状金型95bの凸状部との間に挟まれた状態である。前記仮硬化補強枠96が、加熱により、本硬化した。これによっても、2次成型体が得られた。
又は、2次成型で、仮硬化状態の補強枠96が、凸状金型95bの凸状部の外面に、セットされた。凸状金型95bの凸状部が、1次成型で冷却固化した透明樹脂60の中空部63の内部に、セットされた。仮硬化状態の補強枠96が、透明樹脂60と凸状金型95bの凸状部との間に挟まれる。この状態で、仮硬化状態の補強枠96が、加熱・本硬化した。これによっても、2次成型体が得られた。
前記2次成型における成型樹脂材料は、1次成型における成型樹脂材料(透明樹脂60)とは異なる。例えば、強度を高める為、無機粒子が充填された成型用樹脂材料である。この成型用樹脂材料は、透明である必要はない。例えば、無機粒子が充填された熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等)である。
このようにして、タッチパネル成型体(C)50cが得られた。タッチパネル成型体(C)50cは、補強枠96、透明樹脂ケース62、タッチパネル加熱フォーミング体(α)を具備する。前記三者が一体化されている。意匠印刷層43は、タッチパネルフィルム40と透明樹脂ケース62との間に挟まれている。意匠印刷層43は、完全に、封止されている。
タッチパネル成型体(A)50Aとタッチパネル成型体(C)50Cとは同様である(図13(e)及び図1(e)参照)。従って、説明は省略される。
<入出力一体型装置(III)>
入出力一体型装置(III)(タッチパネル成型体(C)を有するタッチパネルと表示装置とを具備)が説明される。
図14は入出力一体型装置(III)の説明図である。図14(a)はX−X線(前記X−X線位置と同様位置)断面図である。図14(b)はY−Y線(前記Y−Y線位置と同様位置)断面図である。
図14の入出力一体型装置(III)50IIIは、図9の入出力一体型装置(I)50Iと同様である。図14は、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(C)50Cに置き換えられた図である(図1参照)。従って、説明は省略される。
<入出力一体型装置(IV)(タッチパネル成型体(D)からなるタッチパネルと表示装置とを具備)>
<タッチパネル成型体(D)>
タッチパネル成型体(D)は次の製造工程(図15参照)を経て製造される。
図15は、タッチパネル成型体(D)の製造工程説明図である。図15(a)は、タッチパネルフィルムに島状電極と引出配線とが形成される工程を経て得られたフィルムの平面図である。図15(b)は、図15(a)のフィルムが加熱フォーミングされたタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の斜視図である。図15(c)は、意匠印刷層が形成された意匠フィルムの平面図である。図15(d)は、図15(c)の意匠フィルムが加熱フォーミングされた意匠フィルム加熱フォーミング体の斜視図である。図15(e1)は、フィルムインサート成型工程における断面図である。図15(e2)は、タッチパネル成型体(D)の斜視図である。図15(e3)は、X−X線断面図である。図15(f1)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(D)のX−X線断面図である。図15(f2)は、フレキシブル印刷回路板(FPC)接続タッチパネル成型体(D)のY−Y線断面図である。
図1(a)と同様な網目状導体パターンが、タッチパネルフィルム40に、形成された(図15(a)参照)。網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルム40が、加熱軟化・冷却固化の前に、型に、セットされた。真空圧や圧縮空気により、ケース(箱型)形状に成型された。この後、不要部分がトリミング(仕上げ加工、抜き加工)された。これにより、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βが得られた(図15(b)参照)。タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βは、内部に、直方体状の中空部を有する。
図1(a)と同様な意匠印刷層43が、意匠フィルム42に、形成された(図15(c)参照)。意匠印刷層43が形成された意匠フィルム42が、加熱軟化・冷却固化する前に、型に、セットされた。真空圧や圧縮空気により、ケース(箱型)形状に成型された。この後、不要部分がトリミング(仕上げ加工、抜き加工)された。これにより、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γが得られた(図15(d)参照)。意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γは、内部に、直方体状の中空部を有する。
タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βと意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γとが用いられ、ダブルフィルムインサート成型によって、タッチパネル成型体(D)50Dが得られた(図15(e)参照)。タッチパネル成型体(D)50Dは、内部に、中空部63を具備する。
タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βの中空部の内面が、凸状金型97aの凸状部に、セットされた。加熱フォーミング体(γ)50γの中空部の外面が、凹状金型97bの凹状部に、セットされた。凸状金型97aと凹状金型97bとの型合せが行われた。流動化した成型樹脂材料(透明樹脂60)が、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βの外面と、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの内面との間に、射出・充填された。冷却固化後、型開きが行われた。タッチパネル成型体(D)50Dが得られた(図15(e)参照)。タッチパネル成型体(D)50Dは、内部に、中空部63を具備する。
タッチパネル成型体(D)50Dは、透明樹脂ケース62と、タッチパネル加熱フォーミング体(β)50βと、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γとの一体化物である。意匠印刷層は意匠フィルムと透明樹脂ケース62とで挟まれている。意匠印刷層は、完全に、封止されている。
タッチパネル成型体(A)50Aとタッチパネル成型体(D)50Dとは同様である(図15(f)及び図1(e)参照)。従って、説明は省略される。
図16は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の斜視図である。図17は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の説明図である。図17(a)は背面図である。図17(b)は左側面図である。図17(c)は平面図である。図17(d)は右側面図である。図17(e)は正面図である。図18は、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)の下面図である。
図6のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αは意匠印刷層43を具備する。本実施形態のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βは、前記意匠印刷層43が設けられなかった例である。すなわち、本実施形態のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βは、意匠印刷層を具備しない。従って、説明は省略される。
図19は、意匠フィルムの平面図である。
本実施形態の意匠フィルム42に形成された意匠印刷層43(図19参照)と、図4のタッチパネルフィルム40に形成された意匠印刷層43とは、同じである。主面入力領域10(タッチパネルの主面となる領域12の殆どの領域)には、意匠印刷層が形成されない。前記領域は光透過性を有する透明な開口領域44である。前記開口領域44の外周部分に意匠印刷層が形成された。
例えば、各種の操作の為の案内キーや透明な背景が、側面入力領域15a,15bとなる部分(点線で示される部分)に、意匠印刷層43によって、形成されている。開口領域44の外周部分で、かつ、側面入力領域とならない領域(図19の右方および下方の領域)には、光不透過性の層(意匠印刷層43)が印刷された(図19参照)。タッチパネル端子部開口部16は、タッチパネル端子部18が露出する意匠印刷層が形成されない開口部である。
図20は、意匠フィルム加熱フォーミング体の斜視図である。
意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γは、その内部に、直方体状の中空部を具備する。開口領域44が、意匠フィルム42の主面に、形成されている。開口領域44は、意匠印刷層43が形成されない光透過性を有する透明領域である。光不透過性の意匠印刷層43が、開口領域44の外周部に、形成されている。側面入力領域15a,15bが、側面に、形成されている。側面入力領域15a,15bの外周は、意匠印刷層43によって、囲まれている。タッチパネル端子部開口部16が設けられている。
図21は意匠フィルム加熱フォーミング体の説明図である。図21(a)は背面図である。図21(b)は左側面図である。図21(c)は平面図である。図21(d)は右側面図である。図21(e)は正面図である。
主面入力領域10が、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの主面部((xy)面)12に、開口領域44として、設けられている。主面入力領域10は主面部((xy)面)12の殆どを占めている。側面入力領域15aが、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの背面(側面)に、設けられている。側面入力領域15bが、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの左側面に、設けられている。タッチパネル端子部開口部16及び意匠印刷層43が、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの正面(側面)に、設けられている。タッチパネル端子部18及びスルーホール19が、タッチパネル端子部開口部16に、設けられている。意匠印刷層43は、引出配線22及び引出配線32を遮蔽する。引出配線32を遮蔽する意匠印刷層43が、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの右側面に、設けられている(図21参照)。
意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γの下面図は、図8のタッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)の下面図(但し、タッチパネルフィルム40が意匠フィルム42に置き換えられる。島状電極20,30、引出配線22,32、スルーホール19、タッチパネル端子部18(18a,18b)が取り除かれる。)に相当する。従って、説明は省略される。
<入出力一体型装置(IV)>
入出力一体型装置(IV)(タッチパネル成型体(D)を有するタッチパネルと表示装置とを具備)が説明される。
図22は入出力一体型装置(IV)の説明図である。図22(a)はX−X線(前記X−X線位置と同様位置)断面図である。図22(b)はY−Y線(前記Y−Y線位置と同様位置)断面図である。
本実施形態の入出力一体型装置(IV)50IVは、図9の入出力一体型装置(I)50Iと同様である。図22は、図1(但し、タッチパネル成型体(A)50Aがタッチパネル成型体(D)50Dに置き換えられる。)と同様である。従って、説明は省略される。
<タッチパネル成型体(A)〜(D)の製造工程>
図23は、タッチパネル成型体の製造工程説明図である。タッチパネル成型体(A)〜(D)の製造工程が、比較して、説明される。
図1〜図8、図11、図13、図15〜図21のタッチパネル成型体の製造工程が、図23に、比較して、示されている。先ず、タッチパネルフィルム40に、島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32が形成された。次に、意匠印刷層43が形成された。この後、加熱フォーミングによって、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)50αが作製された。このタッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが用いられ、フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型とによって、タッチパネル成型体(A)50Aが得られた。前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが用いられ、フィルムインサート成型によって、タッチパネル成型体(B)50Bが得られた。前記タッチパネル加熱フォーミング体(α)50αが用いられ、フィルムインサート成型と補強成型とによって、タッチパネル成型体(C)50Cが得られた。
タッチパネルフィルム40に、島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32が形成された。この後、加熱フォーミングによって、タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βが作製された。意匠フィルム42に意匠印刷層43が形成された。この後、加熱フォーミングによって、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γが作製された。前記タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)50βと前記意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)50γとが用いられ、フィルムインサート成型によって、タッチパネル成型体(D)50Dが作製された。
入出力一体型装置(I)50Iは、タッチパネル成型体(A)50Aを具備する。入出力一体型装置(II)50IIは、タッチパネル成型体(B)50Bを具備する。入出力一体型装置(III)50IIIは、タッチパネル成型体(C)50Cを具備する。入出力一体型装置(IV)50IVは、タッチパネル成型体(D)50Dを具備する。
<タッチパネル成型体の製造工程の変形例>
タッチパネル成型体の製造工程の変形例が説明される。
次の工程が、タッチパネル成型体製造工程の変形例として挙げられる。タッチパネル成型体(B)(C)(D)製造工程のフィルムインサート工程が、フィルムインサート成型工程とフィルムインモールド成型工程(タッチパネル成型体(A)の製造工程と同様)に置換された。これによって、タッチパネル成型体(B’)(C’)(D’)が得られた。タッチパネル成型体(B’)(C’)(D’)は、タッチパネル成型体(B)(C)(D)の最外層にハードコート層45が設けられたものである。
タッチパネル成型体(B)(C)(D)に対して、フィルムインモールド成型工程が適用された。これによって、タッチパネル成型体(B)(C)(D)の最外層にハードコート層45が設けられたタッチパネル成型体(B’)(C’)(D’)が得られた。
タッチパネル成型体(A)〜(D)製造工程において、タッチパネル加熱フォーミング体(α)、タッチパネル加熱フォーミング体(β)、意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)の形成時における樹脂フィルムの加熱温度は、好ましくは、樹脂の軟化温度である。前記軟化温度は、好ましくは、300℃以下である。このような樹脂は、例えばPET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)、TAC(融点:290℃)等である。
タッチパネル成型体(A)〜(D)製造工程において、成型樹脂材料を流動化させる加熱温度(成型樹脂材料の射出温度)は、樹脂の溶融温度である。例えば、アクリル系樹脂では240℃前後、ポリエステル系樹脂では280℃前後、ポリアミド系樹脂では200℃前後、ABS、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂では270℃前後である。
<タッチパネルフィルムに形成される島状電極、引出配線のパターンの変形例>
網目状導体(島状電極20,30、電極間配線21,31、引出配線22,32、タッチパネル端子部18)パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(a)(図2参照)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体では、y方向に垂直な一方の側面((xz)面)が対応)に、形成されている。引出配線22,32及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体では、x方向に垂直な一方の側面((yz)面)が対応)に、形成されている。
前記タッチパネルフィルム(a)(図2参照)、前記タッチパネルフィルム(b)(図24参照)、前記タッチパネルフィルム(c)(図25参照)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の左方(タッチパネル成型体では、y方向に垂直な他方の側面((xz)面)が対応)、及び主面部12の上方(タッチパネル成型体では、x方向に垂直な他方の側面((yz)面)が対応)に、形成されている。
タッチパネルフィルム(a)が用いられたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、引出配線22及び引出配線32が接続されるタッチパネル端子部18は、x方向に垂直な一方の側面((yz)面)に形成されている。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との二面の交差角部(稜線部)を通過する。引出配線22及び引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との二面の交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、一方の側面((yz)面)と一方の側面((xz)面)との二面の交差角部(稜線部)を通過する。
タッチパネルフィルム40に島状電極20,30等の網目状導体パターンが形成されたタッチパネルフィルムは、図2のタッチパネルフィルム(a)に限定されない。幾つかの例が図24〜図28に示される。これらの網目状導体パターンであっても、前記タッチパネル成型体(A)〜(D)と同様にして、タッチパネル成型体が作製される。
図24は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(b)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(b)では、引出配線32及びタッチパネル端子部18並びにスルーホール19が、主面部12の右方(タッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面((xz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。島状電極20、30等の網目状導体パターンが、主面部12の上方(タッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている(図24参照)。電極列1は、前記フィルムの表面の中央位置(前記(xy)面)に形成されている。電極列2は、前記フィルムの裏面の中央位置(前記(xy)面)に形成されている。電極列3は、前記フィルムの表面の左方位置(前記(xz)面)及び上方位置(前記(yz)面)に形成されている。電極列4は、前記フィルムの裏面の左方位置(前記(xz)面)及び上方位置(前記(yz)面)に形成されている。
タッチパネルフィルム(b)が用いられたタッチパネル成型体(A)〜(D)では、引出配線22が接続されたタッチパネル端子部18は、一方の側面((yz)面)に形成されている。引出配線32が接続されたタッチパネル端子部18は、一方の側面((xz)面)に形成されている。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。
図25は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(c)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(c)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体のy方向に垂直な一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図25参照)。
タッチパネルフィルム(c)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の上方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。図25における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、前記側面と前記側面との交差角部(稜線部)を通過する。
図26は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(d)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(d)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図26参照)。
タッチパネルフィルム(d)では、島状電極20、30等の網目状導体パターンが、主面部12の上方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。電極列が(xz)面に形成されていない点を除けば、図26における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
図27は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(e)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(e)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図27参照)。
タッチパネルフィルム(e)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の左方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)に、形成されている。電極列が(yz)面に形成されていない点を除けば、図27における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、前記側面と前記側面との交差角部(稜線部)を通過する。
図28は、島状電極および引出配線が形成されたタッチパネルフィルム(f)の平面図である。
網目状導体パターンがタッチパネルフィルム40に形成されたタッチパネルフィルム(f)では、引出配線32が、主面部12の右方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)及び主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22及びタッチパネル端子部18が、主面部12の下方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。引出配線22,32はタッチパネル端子部18に接続されている(図28参照)。
タッチパネルフィルム(f)では、島状電極20,30等の網目状導体パターンが、主面部12の左方(タッチパネル成型体の一方の側面((xz)面)に該当)、主面部12の右方(タッチパネル成型体の他方の側面((xz)面)に該当)、及び主面部12の上方(タッチパネル成型体の一方の側面((yz)面)に該当)に、形成されている。電極列が右側の(xz)面にも形成されている点を除けば、図28における電極列1,2,3,4の形成箇所と、図24における電極列1,2,3,4の形成箇所とは、殆ど、同じである。
引出配線22は、主面((xy)面)と一方の側面((yz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線32は、主面((xy)面)と一方の側面((xz)面)との交差角部(稜線部)を通過する。引出配線22,32は、前記側面と前記側面との交差角部(稜線部)を通過する。
タッチパネル成型体のx方向に垂直な側面の一方、かつ、y方向に垂直な側面の一方、各々に、網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)が形成されている。これによって、側面入力領域が形成される。側面入力領域とならない領域の側面に、引出配線22,32が、形成されている(図2、図24、図25参照)。
タッチパネル成型体のx方向(又は、y方向)に垂直な側面の一方に、網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)が形成されている。これによって、側面入力領域が形成される。側面入力領域とならない領域の側面に、引出配線22、32が、形成されている(図26、図27参照)。
タッチパネル成型体のx方向に垂直な一方の側面、かつ、y方向に垂直な二つの側面、各々に、網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)が形成されている。これによって、側面入力領域が形成される。側面入力領域とならない領域の側面に、引出配線22,32が、形成されている(図28参照)。
図2、図24〜図28に示されるタッチパネルフィルムが所定形状に成形される。これによって、タッチパネル成型体が得られる。網目状導体パターン(島状電極20,30、電極間配線21,31)がタッチパネルフィネムの中央部に形成されているので、主面入力領域が形成される。網目状導体パターンがタッチパネルフィルムの周辺部に形成されているので、側面入力領域が形成される。タッチパネル成型体は、タッチパネル成型体の主面に垂直な側面(例えば、(イ)側面入力領域となる側面、(ロ)引出配線22,32が形成される側面、(ハ)側面入力領域となる面で、かつ、引出配線22,32が形成される側面、(ニ)側面入力領域とならず、引出配線22、32も形成されない側面の中の少なくとも一つ)を、具備している。従って、引出配線22,32が、タッチパネル成型体の主面に、形成されなくても済む。このことは、タッチパネルの主面部12の殆どの領域が主面入力領域となり得る。額縁領域は、出来るだけ、小さくなる。主面入力領域が、それだけ、大きくなる。
上記にあっては、島状電極、主面入力領域、側面入力領域、タッチパネル成型体などの形状、寸法は、例示に過ぎない。本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明の技術的思想に基づいた各種の改良、修正、変形が可能である。
本発明によれば、入力領域が主面及び側面に存在するタッチパネルが得られた。前記タッチパネルと表示装置とを具備した入出力一体型装置が得られた。この装置は操作性が良い。
1 第1の電極列
2 第2の電極列
3 第3の電極列
4 第4の電極列
10 主面入力領域
12 主面部
15a,15b 側面入力領域
16 タッチパネル端子部開口部
18 タッチパネル端子部
18a x方向に配列する島状電極が接続される端子部
18b y方向に配列する島状電極が接続される端子部
19 スルーホール
20 x方向に配列する島状電極
21 x方向の電極間配線
22 x方向の引出配線
23 x方向の引出配線の形成面の孤立配線
30 y方向に配列する島状電極
31 y方向の電極間配線
32 y方向の引出配線
33 カーボン
34 保護層
40 タッチパネルフィルム
42 意匠フィルム
43 意匠印刷層
44 開口領域
45 ハードコート層
45a ハードコート材料の仮硬化層
46 剥離性フィルム
50α タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(α)
50β タッチパネルフィルム加熱フォーミング体(β)
50γ 意匠フィルム加熱フォーミング体(γ)
50A タッチパネル成型体(A)
50B タッチパネル成型体(B)
50C タッチパネル成型体(C)
50D タッチパネル成型体(D)
50I 入出力一体型装置(I)
50II 入出力一体型装置(II)
50III 入出力一体型装置(III)
50IV 入出力一体型装置(IV)
60 透明樹脂
62 透明樹脂ケース
63 中空部
67 上側箱体
69 下側箱体
70 フレキシブル印刷回路基板(FPC)
72 実装基板端子
73 保護層で被覆された引出配線
74 異方性導電膜(AFC)
75 保護層で被覆されたタッチパネル端子部
76 絶縁層
77 配線導体層
78 FPC端子部
79 スルーホールの位置
90 表示装置
91a,93a,95a,95b,97a 凸状金型
91b,93b,95c,97b 凹状金型
92 実装基板
96 補強枠
100 タッチパネル制御・信号処理回路
110 表示ユニット制御・信号処理回路
120 入出力一体型装置制御・信号処理回

Claims (19)

  1. 電気絶縁性透明樹脂からなるフィルムの面に、複数の島状電極が電極間配線を介して
    第1の方向に配されてなる第1の電極列の複数列を前記第1の方向に略直交する第2の
    方向に所定間隔を置いて形成し、複数の島状電極が電極間配線を介して前記第2の方向
    に配されてなる第2の電極列の複数列を前記第1の方向に所定間隔を置いて形成し、前
    記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞ
    れ接続された引出配線を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程の終了後の前記フィルムを加熱フォーミングして、前記第1の方向と
    前記第2の方向がなす主面部と、前記第1の方向に略直交し前記主面部に連接する少な
    くとも2つの側面部と、前記第2の方向に略直交し前記主面部に連接する少なくとも2
    つの側面部とを備え、前記主面部と少なくとも4つの前記側面部とによって形成される
    中空部を内側にもつ箱状の加熱フォーミング体を形成する第2の工程と
    を有し、
    前記主面部に前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列を形成し、
    前記複数の島状電極が前記電極間配線を介して前記第1の方向及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に配されてなる第3の電極列の複数列を、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方における前記第2の方向と、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方の1つの側面部における前記第1の方向との少なくとも一方に形成し、
    導電性の指示体によって前記主面部に位置が指定される主面入力領域を設けると共に、前記第1の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つ、及び/又は、前記第2の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つに、前記指示体によって位置が指定される側面入力領域を設け、
    前記島状電極、前記電極間配線及び前記引出配線のうちの少なくとも前記島状電極及び前記電極間配線をそれぞれ導体細線によって網目状に形成し、
    前記第1の電極列の複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続された前記引出配線を、前記第1の方向に略直交する第1の前記側面部とこれに連接し前記第2の方向に略直交する第2の前記側面部と共に第1の前記側面部と第2の前記側面部の連接部にも形成し、
    前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極との間、並びに前記第1の電極列の前記島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間及び/又は前記第2の電極列の島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間の静電容量の変化を検出することによって、前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が検知されるタッチパネルを製造する、タッチパネルの製造方法。
  2. 前記第1の工程において、前記フィルムの面に垂直な方向から見たときに、前記第1の電極列と前記第2の電極列を交差して配置し、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極とを分離して交互に2次元に格子状に配置する、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
  3. 前記第1の工程の終了後、前記第2の工程に先立って、前記第1の電極列と前記第2の電極列の少なくとも一方が形成された前記フィルムの一方の面に、可視光を遮蔽し意匠を付与する意匠印刷層を形成する工程を有する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  4. フィルムインサート成型とフィルムインモールド成型によって、前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成すると共に前記透明樹脂層の面にハードコーティング層を形成する工程を有する、請求項3に記載のタッチパネルの製造方法。
  5. フィルムインサート成型によって前記加熱フォーミング体の外面に透明樹脂層を形成する工程を有する、請求項3に記載のタッチパネルの製造方法。
  6. 前記透明樹脂層を形成する工程の終了後に、電気絶縁性樹脂製の環状補強枠を前記中空部の内壁に接して設ける工程を有する、請求項5に記載のタッチパネルの製造方法。
  7. 電気絶縁性透明樹脂からなり、可視光を遮蔽し意匠を付与する意匠印刷層が不透明領域として形成され、透明な領域が前記指示体によって位置が指定される前記主面入力領域及び前記側面入力領域とされる意匠フィルムを準備する工程と、前記意匠フィルムを加熱フォーミングして、前記主面部に対応する第2の主面部と、少なくとも4つの前記側面部のそれぞれに対応する第2の側面部を有し、箱状の前記加熱フォーミング体に対応する第2の加熱フォーミング体を形成する工程とを有する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  8. フィルムインサート成型によって、前記フィルムの加熱フォーミング体と前記第2の加熱フォーミング体との間に、透明樹脂層を形成する工程を有する、請求項7に記載のタッチパネルの製造方法。
  9. 前記フィルムの一方の面に前記第1の電極列を形成し、前記フィルムの前記一方の面に対向する他方の面に前記第2の電極列を形成する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  10. 前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される前記引出配線に接続される端子部を、前記一方の面又は前記他方の面で前記引出配線の終端部に形成し、前記引出配線又は前記端子部にスルーホールを形成する、請求項9に記載のタッチパネルの製造方法。
  11. 前記スルーホールの内部にカーボンを充填する工程を有し、前記端子部をカーボンにより形成する工程、又は、前記引出配線を構成する導電性材料と同じ材料によって前記端子部を形成し、前記端子部を覆う保護層としてカーボン層を形成する工程を有する、請求項10に記載のタッチパネルの製造方法。
  12. 前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第1の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第2の電極列に平行に前記第2の方向に形成する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  13. 前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に、前記第3の電極列を、前記主面部の前記第2の電極列が延びる前記第3の方向に形成し、前記島状電極が前記電極間配線を介してなる電極列を前記主面部の前記第1の電極列に平行に前記第1の方向に形成する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  14. 前記第1の電極列と前記第2の電極列と前記引出配線とを、Ag、Au、Cu、Alの何れかによって形成する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  15. 前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部と前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方との少なくとも1つに形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  16. 前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方に形成された前記引出配線の終端部に、端子部を形成する工程を有する、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  17. 請求項1から請求項16の何れか1項に記載のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルであって、
    導電性の指示体により位置が指定される主面入力領域が第1の方向とこれに略直交する第2の方向とがなす面内に設けられた主面部と、前記第1の方向に略直交し前記主面部に連接する少なくとも2つの側面部と、前記第2の方向に略直交し前記主面部に連接する少なくとも2つの側面部とを備え、これら少なくとも4つの側面部の少なくとも1つが側面入力領域とされ、前記主面部と少なくとも4つの前記側面部とによって形成される中空部を内部にもつ箱状体が、電気絶縁性透明樹脂からなる連続したフィルムの加熱フォーミングによって形成され、
    前記フィルムの面に、複数の島状電極が電極間配線を介して第1の方向に配された第1の電極列の複数列が前記第1の方向に略直交する第2の方向に所定の間隔を置いて形成され、複数の島状電極が電極間配線を介して前記第2の方向に配された第2の電極列の複数列が前記第1の方向に所定の間隔を置いて形成され、前記複数の島状電極が前記電極間配線を介して前記第1の方向及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に配された第3の電極列の複数列が第3の方向に所定の間隔を置いて形成され、前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続される引出配線が形成され、
    前記主面部に前記第1の電極列及び前記第2の電極列の各複数列が形成され、
    前記複数の島状電極が前記電極間配線を介して前記第1の方向及び前記第2の方向に略直交する第3の方向に配されてなる第3の電極列の複数列が、前記第1の方向に略直交する前記2つの側面部の一方又は双方における前記第2の方向と、前記第2の方向に略直交する前記2つの側面部の一方の1つの側面部における前記第1の方向との少なくとも一方に形成され、
    前記第1の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つ、及び/又は、前記第2の方向に略直交する前記少なくとも2つの側面部の少なくとも1つに、前記指示体によって位置が指定される側面入力領域が設けられ、
    前記島状電極、前記電極間配線及び前記引出配線のうちの少なくとも前記島状電極及び前記電極間配線がそれぞれ導体細線によって網目状に形成され、
    前記第1の電極列の複数列の各列の末端の前記島状電極にそれぞれ接続された前記引出配線が、前記第1の方向に略直交する第1の前記側面部とこれに連接し前記第2の方向に略直交する第2の前記側面部と共に第1の前記側面部と第2の前記側面部の連接部にも形成され、
    前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が、前記第1の電極列の前記島状電極と前記第2の電極列の前記島状電極との間、並びに前記第1の電極列の前記島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間及び/又は前記第2の電極列の島状電極と前記第3の電極列の前記島状電極との間の静電容量の変化を検出することによって、前記主面入力領域及び前記側面部領域への前記指示体の接触又は接近が検知される、タッチパネル。
  18. 請求項17に記載のタッチパネルと、前記中空部の内部に少なくとも一部が収容された表示装置とを有する、入出力一体型装置。
  19. 請求項1から請求項16の何れか1項に記載のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルと、前記中空部の内部に少なくとも一部が収容された表示装置とを有する、入出力一体型装置。


JP2013131785A 2013-06-24 2013-06-24 タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置 Expired - Fee Related JP5470489B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013131785A JP5470489B2 (ja) 2013-06-24 2013-06-24 タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013131785A JP5470489B2 (ja) 2013-06-24 2013-06-24 タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012201339A Division JP5347096B1 (ja) 2012-09-13 2012-09-13 タッチパネルの製造方法及びタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014014571A Division JP5739554B2 (ja) 2014-01-29 2014-01-29 タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014056565A true JP2014056565A (ja) 2014-03-27
JP5470489B2 JP5470489B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=50613792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013131785A Expired - Fee Related JP5470489B2 (ja) 2013-06-24 2013-06-24 タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5470489B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160014941A (ko) * 2014-07-30 2016-02-12 엘지이노텍 주식회사 터치 패널
KR101613773B1 (ko) 2013-11-04 2016-04-19 주식회사 동부하이텍 터치 패널 및 그 제조 방법
JP2016081533A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド タッチパネル及び三次元カバープレート
JP2016126674A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 三菱製紙株式会社 導電性シート
JPWO2015174133A1 (ja) * 2014-05-16 2017-04-20 富士フイルム株式会社 タッチパネル及びその製造方法
KR101923072B1 (ko) 2015-09-18 2018-11-28 주식회사 엘지화학 전도성 기판 및 이의 제조방법
CN111488071A (zh) * 2019-01-25 2020-08-04 株式会社和冠 用于检测笔发送出的笔信号的传感器面板
CN113647118A (zh) * 2019-03-28 2021-11-12 住友理工株式会社 静电型换能器以及静电型换能器单元

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5739554B2 (ja) * 2014-01-29 2015-06-24 株式会社ワンダーフューチャーコーポレーション タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007072902A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Sony Corp 入力装置、その製造方法及び電子機器
JP2010262557A (ja) * 2009-05-11 2010-11-18 Sony Corp 情報処理装置および方法
JP2011003169A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Toyo Label:Kk 静電容量式タッチパネル
JP2011175335A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Panasonic Corp タッチパネル装置
JP2012146297A (ja) * 2010-12-21 2012-08-02 Dainippon Printing Co Ltd 透明シート付タッチパネルセンサ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007072902A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Sony Corp 入力装置、その製造方法及び電子機器
JP2010262557A (ja) * 2009-05-11 2010-11-18 Sony Corp 情報処理装置および方法
JP2011003169A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Toyo Label:Kk 静電容量式タッチパネル
JP2011175335A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Panasonic Corp タッチパネル装置
JP2012146297A (ja) * 2010-12-21 2012-08-02 Dainippon Printing Co Ltd 透明シート付タッチパネルセンサ

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101613773B1 (ko) 2013-11-04 2016-04-19 주식회사 동부하이텍 터치 패널 및 그 제조 방법
JPWO2015174133A1 (ja) * 2014-05-16 2017-04-20 富士フイルム株式会社 タッチパネル及びその製造方法
US10303311B2 (en) 2014-05-16 2019-05-28 Fujifilm Corporation Touch panel and method for manufacturing the same
KR20160014941A (ko) * 2014-07-30 2016-02-12 엘지이노텍 주식회사 터치 패널
KR102262513B1 (ko) * 2014-07-30 2021-06-09 엘지이노텍 주식회사 터치 패널
JP2016081533A (ja) * 2014-10-21 2016-05-16 ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド タッチパネル及び三次元カバープレート
JP2016126674A (ja) * 2015-01-08 2016-07-11 三菱製紙株式会社 導電性シート
KR101923072B1 (ko) 2015-09-18 2018-11-28 주식회사 엘지화학 전도성 기판 및 이의 제조방법
CN111488071A (zh) * 2019-01-25 2020-08-04 株式会社和冠 用于检测笔发送出的笔信号的传感器面板
CN111488071B (zh) * 2019-01-25 2023-09-26 株式会社和冠 用于检测笔发送出的笔信号的传感器面板
CN113647118A (zh) * 2019-03-28 2021-11-12 住友理工株式会社 静电型换能器以及静电型换能器单元
CN113647118B (zh) * 2019-03-28 2024-03-08 住友理工株式会社 静电型换能器以及静电型换能器单元

Also Published As

Publication number Publication date
JP5470489B2 (ja) 2014-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5347096B1 (ja) タッチパネルの製造方法及びタッチパネル、並びにタッチパネルと表示装置を具備する入出力一体型装置
JP5739554B2 (ja) タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置
JP5470489B2 (ja) タッチパネル、タッチパネルの製造方法、及びタッチパネル一体型表示装置
KR101873177B1 (ko) 적층 구조체, 터치 패널, 터치 패널 부착 표시 장치 및 그 제조 방법
US10325732B2 (en) Touch window having improved electrode pattern structure
CN102736780B (zh) 输入装置
US9501187B2 (en) Touch sensing apparatus using single layer pattern and method for manufacturing the same
US10248268B2 (en) OGS capacitive touch screen and manufacturing method thereof
US20150227170A1 (en) Touch sensor and method for manufacturing the same
CN108646946A (zh) 柔性触控面板及其制造方法和柔性触控显示器
CN108139832B (zh) 输入装置以及输入装置的制造方法
KR20150051490A (ko) 표시 장치 및 그 제조방법
US20140340595A1 (en) Touch sensing apparatus using touch pattern without insulation and method for manufacturing the same
KR102281616B1 (ko) 터치 스크린 패널 및 터치 스크린 패널 제조 방법
EP3364276A1 (en) Input device and method for producing input device
JP6435901B2 (ja) タッチパネルセンサ、タッチパネル装置および導電性パターン基板
TW201721386A (zh) 觸控面板
CN104978067A (zh) 一种触控面板
CN106502483B (zh) 一种电容式触摸面板的制作方法
JP2015053017A (ja) タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサの製造方法およびタッチ位置検出機能付き表示装置
US20180143719A1 (en) Touch panel and display device using same
JP2018055360A (ja) タッチパネル

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5470489

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees