JP2014055640A - ロック機構及びこれを備えた回転工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でロック不良の発生を抑制することのできるロック機構及びこれを備えた回転工具を提供する。
【解決手段】ロック機構16は、第3キャリア24c及び出力軸6と同軸上に配置される円環状のリング体51を備える。第3キャリア24cには、リング体51の内側に挿入される複数の入力側突起52が周方向に間隔を空けて設けられる。出力軸6には、入力側突起52と周方向において対向する複数の出力側突起が設けられるとともに、各出力側突起の周方向両側にはくさび状空間56を形成するくさび面53aがそれぞれ設けられる。各くさび状空間56には、遊動位置とロック位置との間で移動可能な円柱状のロックピン57が挿入され、ロックピン57は、第3キャリア24c又はスラスト板58に接触することで軸方向移動が規制される。そして、ロックピン57の両側の軸端部には、その軸方向に突出した凸部61がそれぞれ形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロック機構及びこれを備えた回転工具に関する。
従来、同軸上に配置された入力側回転部材と出力側回転部材との間に設けられ、出力側回転部材の回転をロック(拘束)可能なロック機構がある。こうしたロック機構は、例えば電動モータ等を駆動源とする回転工具に用いられており、該回転工具を手回し式の工具としても使用できるようにしている(例えば、特許文献1)。
図7に示すように、特許文献1のロック機構71は、モータ72の回転を減速する減速機構73のキャリア74(入力側回転部材)、及び出力軸75(出力側回転部材)と同軸上に配置されるようにケース76に固定された円環状のリング体77を備えている。キャリア74は円板状に形成されるとともに、キャリア74には軸方向に突出してリング体77内に挿入される複数の入力側突起78が周方向に間隔を空けて形成されている。一方、図8(a)に示すように、出力軸75の後端部には径方向外側に突出して入力側突起78と周方向において対向する複数の出力側突起79が形成されている。また、各出力側突起79の周方向両側には、それぞれ出力側突起79側が出力軸75の中心に近接するように傾斜したくさび面75aが設けられている。これにより、出力側突起79の周方向両側には、該突起79から離間するにつれてリング体77の内周面77aとくさび面75aとの間の隙間が狭くなるくさび状空間80がそれぞれ形成されている。
各くさび状空間80には、円柱状のロックピン81が挿入されている。また、図7に示すように、ケース76内には、その底部に隣接するように円環状のスラスト板82が設けられている。これにより、各ロックピン81は、キャリア74又はスラスト板82に接触することでその軸方向移動が規制され、くさび状空間80から離脱しないようになっている。そして、図8(a)に示すように、モータ駆動によりキャリア74が回転した場合には、くさび状空間80内においてロックピン81が内周面77a及びくさび面75aのいずれか一方に接触する遊動位置に留まることで出力軸75の回転が許容される。一方、図8(b)に示すように、使用者がケース76を回転した場合には、リング体77と出力軸75との相対回転に伴って、ロックピン81が内周面77aとくさび面75aとの間に噛み込まれるロック位置に移動することで出力軸75の回転がロックされる。
ところで、減速機構73には、一般に潤滑油等のオイル(図示略)が塗布(充填)されているため、このオイルが上記くさび状空間80に漏れ出してロックピン81に付着することがある。ここで、オイルは比較的高い粘性を有するため、ロックピン81に付着すると、ケース76を回転させた際等にロックピン81が適切に遊動位置からロック位置に移動せず、出力軸75をロックできないロック不良が発生する虞がある。そこで、特許文献1には、ロックピン81を周方向に付勢する弾性体を出力側突起79に設けることで、ロックピン81をロック位置に移動し易くしてロック不良の発生を抑制することが提案されている(同文献、第11〜第13図参照)。
特開平3−251374号公報
しかしながら、出力側突起79に弾性体を設ける構成では、部品点数が増加してロック機構71の構造が複雑化するため、例えば製造コストが増大するという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構成でロック不良の発生を抑制することのできるロック機構及びこれを備えた回転工具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のロック機構は、同軸上に配置された入力側回転部材と出力側回転部材との間に設けられ、該出力側回転部材の回転をロック可能なロック機構において、前記各回転部材と同軸上に配置される円環状のリング体を備え、前記入力側回転部材には、軸方向に突出して前記リング体の内側に挿入される複数の入力側突起が周方向に間隔を空けて設けられ、前記出力側回転部材には、前記入力側突起と周方向において対向する複数の出力側突起が設けられるとともに、各出力側突起の周方向両側には、前記リング体の内周面との間の隙間が該出力側突起から離間するにつれて小さくなるくさび状空間を該各出力側突起の周方向両側に形成するくさび面がそれぞれ設けられ、前記各くさび状空間には、前記内周面及び前記くさび面のいずれか一方に接触する遊動位置と、記内周面と前記くさび面との間に噛み込まれるロック位置との間で移動可能な柱状のロックピンが挿入され、前記ロックピンは、前記くさび状空間を軸方向両側から覆う被覆部材に接触することで軸方向移動が規制されるものであって、前記ロックピンの両側の軸端部の少なくとも一方には、該ロックピンの軸方向に突出した凸部が形成されたことを特徴とする。
また上記構成において、前記凸部の外表面は、凸曲面状に形成されることが好ましい。
また本発明の回転工具は、上記いずれかの構成のロック機構を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成でロック不良の発生を抑制することができる。
一実施形態の回転工具の一部を破断して内部の概略構成を示す一部断面図。 一実施形態の動力伝達部における軸方向に沿った断面図。 一実施形態のロック機構における軸方向と直交する断面図(図2のA−A断面図)。 (a)はロックピンが遊動位置にある状態のロック機構の断面図、(b)はロックピンがロック位置にある状態でのロック機構の断面図。 (a)は第3キャリアに接触したロックピンが傾倒する状態を示す模式図、(b)はスラスト板に接触したロックピンが傾倒する状態を示す模式図。 (a),(b)は別例のロックピンを示す側面図。 従来の回転工具における軸方向に沿った部分断面図。 (a)はロックピンが遊動位置にある状態のロック機構の断面図(図7のB−B断面図)、(b)はロックピンがロック位置にある状態のロック機構の断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す回転工具1は、例えば手持ち式のドリルドライバーとして使用されるものである。同図に示すように、回転工具1は、円筒状の胴部2aと、胴部2aの長手方向途中から下方に延出形成された把持部2bとを有するT字状の本体ケース2を備えている。把持部2bの下端には、電池パック装着部2cが形成され、この電池パック装着部2cには電池パック3が着脱可能に装着されている。また、把持部2bには、回転工具1のオンオフを切り換えるトリガスイッチ4が設けられている。なお、以下の説明では、胴部2aの長手方向を前後方向とする。
胴部2a内には、その後方側(図1における右側)の位置に電動モータ5が収容され、その前方側(図1における左側)の位置に電動モータ5の回転を減速して出力軸6に伝達する動力伝達部7が収容されている。なお、胴部2aの前端部には、出力軸6と一体回転可能に連結されるチャック8が設けられており、このチャック8はドライバ用先端工具(図示略)が着脱可能に構成されている。
図1及び図2に示すように、動力伝達部7は、胴部2a内に固定されるギアケース11と、ギアケース11内に収容される減速機構12と、減速機構12を介して出力軸6に伝達される電動モータ5のトルクを調整するクラッチ機構13とを有している。図2に示すように、ギアケース11は、後方側が開口した有底円筒状に形成されており、その底部11aには前方側に突出する筒状の支持筒部11bが形成されている。そして、出力軸6は、支持筒部11b内に設けられたラジアル軸受14及びスラスト軸受15を介して回転可能に支持されている。また、ギアケース11内には、出力軸6をギアケース11に対してロック(拘束)可能なロック機構16が収容されている。なお、本実施形態のギアケース11は樹脂材料からなり、筒部の中央付近で軸方向に2分割されている。
減速機構12は、3段(電動モータ5(後方側)側から順に1,2,3段)の減速機構12a,12b,12cを有する遊星歯車機構にて構成されている。なお、減速機構12には、図示しない潤滑油や防錆油等のオイルが塗布(充填)されている。電動モータ5の回転軸5aには、1段目の第1減速機構12aの第1太陽ギア21aが一体回転可能に設けられている。第1減速機構12aは、第1太陽ギア21aの周囲に配置されて噛合される複数の第1遊星ギア22aと、第1遊星ギア22aと噛合される第1リングギア23aと、第1遊星ギア22aを回転可能に支持する第1キャリア24aとを有している。第1リングギア23aは、ギアケース11に対して回転軸5aの軸線回りに回転不能に固定されている。第1遊星ギア22aは、第1連結ピン25aを介して第1キャリア24aに回転可能に支持されており、回転軸5aの回転に伴って第1連結ピン25aの軸線周りに自転しつつ、第1太陽ギア21aの周囲を公転(周回)する。
第1キャリア24aの前面には、2段目の第2減速機構12bの第2太陽ギア21bが一体的に設けられている。第2減速機構12bは、第2太陽ギア21bの周囲に配置されて噛合される複数の第2遊星ギア22bと、第2遊星ギア22bと噛合される第2リングギア23bと、第2遊星ギア22bを回転可能に支持する第2キャリア24bとを有している。第2遊星ギア22bは、第2連結ピン25bを介して第2キャリア24bに回転可能に支持されている。第2リングギア23bは、軸方向に所定範囲内で移動可能となるようにギアケース11に対して保持されており、連結部材26を介して本体ケース2に前後方向にスライド可能に設けられた変速スイッチ27(図1参照)に連結されている。なお、本実施形態の連結部材26は、周方向に延びる円弧状の線バネにより構成されており、第2リングギア23bの外周面に形成された環状溝28に連結されている。また、ギアケース11内には、第2リングギア23bの外周に設けられた歯部が係合可能な係合部29が形成されている。
第2キャリア24bの前面には、3段目の第3減速機構12cの第3太陽ギア21cが一体的に設けられている。第3減速機構12cは、第3太陽ギア21cの周囲に配置されて噛合される複数の第3遊星ギア22cと、第3遊星ギア22cと噛合される第3リングギア23cと、第3遊星ギア22cを回転可能に支持する第3キャリア24cとを有している。第3遊星ギア22cは、第3連結ピン25cを介して第3キャリア24cに回転可能に支持されている。第3リングギア23cは、ギアケース11内に遊転自在に設けられている。そして、第3キャリア24cは、ロック機構16を介して出力軸6と駆動連結されている。なお、回転軸5a、出力軸6、及び第1〜第3キャリア24a〜24cは、同軸上に配置されている。
このように構成された減速機構12では、第2リングギア23bが前方側に移動し、係合部29と係合し回転不能になることで、電動モータ5の回転が第1〜第3減速機構12a〜12cにて減速されて出力軸6側に伝達される。一方、第2リングギア23bが後方側に移動し、係合部29との係合が解除されて回転可能になるとともに第1キャリア24aの外周に設けられた歯部と噛合することで、電動モータ5の回転が第1及び第3減速機構12a,12cのみで減速されて出力軸6側に伝達される。
クラッチ機構13は、第3リングギア23cに加わる負荷トルクが所定トルク以下の場合にはその回転を規制し、所定トルクを超える場合には第3リングギア23cを空転させるように構成されている。詳しくは、第3リングギア23cの前面には、軸方向に突出する複数の係合部41が周方向に等角度間隔で形成されており、ギアケース11の底部11aに形成された挿入孔42(図3参照)には、係合部41に係合するボール43(図3参照)が挿入されている。また、クラッチ機構13は、クラッチ板44を介してボール43を第3リングギア23c側に付勢するクラッチバネ45と、ギアケース11の支持筒部11bに螺着されてクラッチバネ45の圧縮量を調整可能な調整部材46とを有している。したがって、第3リングギア23cにかかる負荷トルクがクラッチバネ45にて付勢されるボール43と係合部41との間の係合力よりも低い状態では、クラッチ機構13によって第3リングギア23cの回転が規制される。これにより、第3キャリア24cが回転し、減速機構12の出力が出力軸6側に伝達される。これに対し、第3リングギア23cに加わる負荷トルクがクラッチバネ45にて付勢されるボール43と係合部41との間の係合力よりも高くなると、第3リングギア23cがボール43を押し戻して空転する。これにより、第3キャリア24cが回転せず、減速機構12の出力が出力軸6側に伝達されなくなる。
次に、本実施形態のロック機構の構成について説明する。
図2及び図3に示すように、ロック機構16は、第3キャリア24c及び出力軸6と同軸上に配置されるとともに、第3キャリア24c及び出力軸6の軸線周りに回転不能にギアケース11に固定された円環状のリング体51を備えている。つまり、本実施形態では、第3キャリア24cが入力側回転部材に相当し、出力軸6が出力側回転部材に相当する。第3キャリア24cは円板状に形成されている。リング体51の内周面51aは、第3キャリア24c及び出力軸6と同軸上に配置される円筒状に形成されている。また、第3キャリア24cには、軸方向に突出してリング体51内に挿入される複数の入力側突起52が周方向に間隔を空けて形成されている。なお、各入力側突起52は、扇形状に形成されている。
一方、出力軸6は、その後端部がリング体51内に挿入されるように形成されている。出力軸6の後端部には、円環状のロック体53がスナップリング等の抜け止め部材54により一体回転可能に連結されている。ロック体53には、径方向外側に突出して入力側突起52と周方向において対向する複数の出力側突起55が形成されている。なお、出力側突起55は、四角形状に形成されている。また、ロック体53の各出力側突起55の周方向両側には、それぞれ出力側突起55側が該ロック体53の中心に近接するように傾斜したくさび面53aが設けられている。これにより、出力側突起55の周方向両側には、該突起55から離間するにつれてくさび面53aとリング体51の内周面51aとの間の隙間が狭くなるくさび状空間56がそれぞれ形成されている。
各くさび状空間56には、円柱状のロックピン57が挿入されている。各ロックピン57の直径は、くさび状空間56における出力側突起55に近接した位置(ロック位置)での内周面51aとくさび面53aとの隙間よりも大きく、出力側突起55から離間した位置での同隙間よりも小さく設定されている。これにより、各ロックピン57は、出力側突起55に近接して内周面51a及びくさび面53aのいずれか一方に接触する遊動位置と、出力側突起55から離間して内周面51aとくさび面53aとの間に噛み込まれるロック位置との間で移動可能になっている。
また、図2に示すように、ギアケース11内には、円環状のスラスト板58がその底部11aに隣接するように設けられている。なお、スラスト板58は、金属材料により構成されている。そして、くさび状空間56の軸方向両側は、第3キャリア24c及びスラスト板58によってそれぞれ覆われている。これにより、各ロックピン57は、第3キャリア24c又はスラスト板58に接触することで、その軸方向移動が規制され、くさび状空間56から離脱しないようになっている。つまり、本実施形態では、第3キャリア24c及びスラスト板58がそれぞれ被覆部材に相当する。そして、リング体51とロック体53との間(くさび状空間56)には、ロックピン57及び入力側突起52のみが配置されており、弾性体や第3連結ピン25cは配置されない構成となっている。
本実施形態では、各ロックピン57の両側の軸端部には、それぞれ軸方向に突出する凸部61が形成されている。そして、凸部61の外表面61aは、凸曲面状となるように形成されている。なお、外表面61aの任意の位置での曲率が一定となる形状(半球状)であっても、曲率が一定とならない形状であってもよい。
次に、回転工具(ロック機構)の作用について説明する。
図4(a)に示すように、モータ駆動により第3キャリア24cが回転すると、入力側突起52が出力側突起55の回転方向と反対側に配置されたロックピン57を介して出力側突起55を押圧することにより、出力軸6に回転が伝達される。このとき、出力側突起55は、回転方向側に配置されたロックピン57を押圧するため、出力側突起55の両側に配置されたロックピン57は、それぞれ遊動位置に留まることになり、出力軸6の回転が許容される。これにより、回転工具1の先端に装着される先端工具によってネジ等が締め付けられる。
これに対し、図4(b)に示すように、本体ケース2(ギアケース11)を回転させると、リング体51と出力軸6との間に相対回転が生じる。そして、出力側突起55の回転方向側に配置されたロックピン57は、この相対回転に伴って転動し、出力側突起55から離間してロック位置に移動する。これにより、出力軸6(先端工具)の回転がロックされるため、回転工具1を手回し式のドライバとして用いることが可能になる。なお、外部から出力軸6を回転させた場合にも、同様にロックピン57は遊動位置からロック位置に移動する。
ここで、上記のように減速機構12には、オイルが塗布されているため、このオイルが上記くさび状空間56に漏れ出してロックピン57に付着することがある。一方、回転工具1を出力軸6(先端工具)が上向き又は下向きになる姿勢で使用すると、ロックピン57は自重で下方に移動して第3キャリア24c又はスラスト板58との間にオイルを介在させて接触することがある。そして、オイルは比較的高い粘性を有するため、ロックピン57に付着すると、ギアケース11を回転させた際等に、ロックピン57が第3キャリア24c又はスラスト板58と連れ回りすることで遊動位置からロック位置に移動し難くなる。
この点、本実施形態では、各ロックピン57の両側の軸端部には、凸部61がそれぞれ形成されているため、軸端部をその軸方向と直交する平坦な形状とする場合に比べ、ロックピン57の第3キャリア24c又はスラスト板58に対する接触面積が小さくなる。これにより、ロックピン57と第3キャリア24c又はスラスト板58との間に作用する係合力(摩擦力)が小さくなり、連れ回りすることが抑制されている。
さらに、凸部61の外表面61aは、凸曲面状に形成されているため、ロックピン57の第3キャリア24c又はスラスト板58に対して点接触する。そのため、ロックピン57が第3キャリア24cに接触した場合には、図5(a)に示すように、ロックピン57がくさび状空間56内で傾倒し易くなる。また、ロックピン57がスラスト板58に接触した場合には、図5(b)に示すように、ロックピン57がくさび状空間56内で傾倒し易くなる。なお、図5では、説明の便宜上、手前側の2個のロックピン57が傾倒する態様を二点鎖線で示している。そして、ロックピン57が傾倒することで、第3キャリア24c又はスラスト板58と接触している軸端部と反対側の軸端部が、リング体51の内周面51aとくさび面53aとの間に噛み込まれる。これにより、ロックピン57が遊動位置からロック位置に完全に移動しなくても、出力軸6の回転がロックされる。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)ロックピン57の両側の軸端部に凸部61をそれぞれ形成することでその接触面が小さくなって、ロックピン57の第3キャリア24c又はスラスト板58との連れ回りが抑制されるため、ロック不良が発生することを抑制できる。つまり、弾性体等を用いることなく、ロックピン57の軸端部に凸部61を形成するのみの簡易な構成で、ロックピン57の第3キャリア24c又はスラスト板58との連れ回りに起因するロック不良の発生を抑制できる。これにより、ロックに関する信頼性の高い回転工具1を低コストで提供することができる。
(2)凸部61の外表面61aを凸曲面状に形成することで、ロックピン57がくさび状空間56内で傾倒し易くした。これにより、ロックピン57が遊動位置からロック位置に完全に移動しなくても、上記のようにくさび状空間56内で傾倒することで、出力軸6の回転がロックされるため、より確実にロック不良が発生することを抑制できる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、第3キャリア24cに入力側突起52を一体的に形成したが、入力側突起となる部材を第3キャリア24cに別途固定してもよい。また、出力軸6に出力側突起55を有するロック体53を固定したが、出力軸6に出力側突起55及びくさび面53aを一体的に形成してもよい。
・上記実施形態では、各ロックピン57がスラスト板58に接触することでその軸方向一方側(前方側)への移動を規制するようにしたが、スラスト板58を設けず、ギアケース11の底部11aに接触することで軸方向一方側への移動を規制するようにしてもよい。同様に、各ロックピン57が第3キャリア24c以外の部材に接触することでその軸方向他方側(後方側)への移動を規制するようにしてもよい。
・上記実施形態では、ロックピン57を円柱状に形成したが、これに限らず、六角柱状等の多角柱状や楕円柱状に形成してもよい。
・上記実施形態では、凸部61を第3キャリア24c又はスラスト板58に対して点接触する凸曲面状に形成した。しかし、これに限らず、例えば図6(a)に示すように、凸部61を円柱状としたり、図6(b)に示すように、凸部61を円環状としてたりしてもよい。このように構成しても、ロックピン57の軸端部を軸方向と直交する平坦な形状とする場合に比べ、ロックピン57の第3キャリア24c又はスラスト板58に対する接触面積が小さくなるため、上記実施形態の(1)と同様の効果を奏することができる。
・上記実施形態では、各ロックピン57の両側の軸端部に凸部61をそれぞれ形成したが、いずれか一方の軸端部にのみ凸部61を形成してもよい。
・上記実施形態では、本発明を電動モータ5を駆動源とする回転工具1に適用したが、これに限らず、例えば油圧式や空圧式のモータ等を駆動源する回転工具に適用してもよい。また、本実施形態のロック機構16を回転工具1以外の装置に適用してもよい。
1…回転工具、2…本体ケース、6…出力軸、7…動力伝達部、11…ギアケース、12…減速機構、13…クラッチ機構、16…ロック機構、51…リング体、51a…内周面、52…入力側突起、53…ロック体、53a…くさび面、55…出力側突起、56…くさび状空間、57…ロックピン、58…スラスト板、61…凸部、61a…外表面。

Claims (3)

  1. 同軸上に配置された入力側回転部材と出力側回転部材との間に設けられ、該出力側回転部材の回転をロック可能なロック機構において、
    前記各回転部材と同軸上に配置される円環状のリング体を備え、
    前記入力側回転部材には、軸方向に突出して前記リング体の内側に挿入される複数の入力側突起が周方向に間隔を空けて設けられ、
    前記出力側回転部材には、前記入力側突起と周方向において対向する複数の出力側突起が設けられるとともに、各出力側突起の周方向両側には、前記リング体の内周面との間の隙間が該出力側突起から離間するにつれて小さくなるくさび状空間を該各出力側突起の周方向両側に形成するくさび面がそれぞれ設けられ、
    前記各くさび状空間には、前記内周面及び前記くさび面のいずれか一方に接触する遊動位置と、記内周面と前記くさび面との間に噛み込まれるロック位置との間で移動可能な柱状のロックピンが挿入され、
    前記ロックピンは、前記くさび状空間を軸方向両側から覆う被覆部材に接触することで軸方向移動が規制されるものであって、
    前記ロックピンの両側の軸端部の少なくとも一方には、該ロックピンの軸方向に突出した凸部が形成されたことを特徴とするロック機構。
  2. 請求項1に記載のロック機構において、
    前記凸部の外表面は、凸曲面状に形成されたことを特徴とするロック機構。
  3. 請求項1又は2に記載のロック機構を備えたことを特徴とする回転工具。
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