JP2014049401A - 電池状態推定装置、当該電池状態推定装置を備えた車両、及び、電池状態推定方法 - Google Patents

電池状態推定装置、当該電池状態推定装置を備えた車両、及び、電池状態推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の状態の推定精度を高めた電池状態推定装置及び電池状態推定方法を提供する。
【解決手段】外装部材の内部に発電要素が封入された電池1と、外装部材の表面に配置され、電池1内を伝播する振動波を検出する第1センサと、第1センサの検出値から電池1の硬さを測定する測定手段と、電池1の硬さと電池1の状態との関係に基づき、測定手段の測定値から電池1の状態を推定する電池状態推定手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池状態推定装置及び車両に関するものである。
劣化していない正常な二次電池の各種温度下、各種電流で充放電したときに計測されるべき電池電圧、および蓄電量もしくは放電量のデータである基礎データを予め取得した上で、使用している二次電池の電圧値もしくは電圧値と電流値を測定し、該基礎データと比較して、検知対象の二次電池が蓄電容量の低下を判定し、その判定結果に沿って、二次電池の内部状態を検出するもの知られている(特許文献1)。
特開2002−50410号公報
しかしながら、上記の二次電池の検知装置のように、予め記録された劣化していない電池の基礎データと使用している二次電池の電圧値等との比較では、使用条件が変わる二次電池の状態を、精度よく検出することができないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、電池の状態の推定精度を高めた電池状態推定装置及び電池状態推定方法を提供することである。
本発明は、電池内の振動波を検出する第1センサの検出値から、電池の硬さを測定し、電池の硬さと電池の状態との関係に基づいて、測定値から電池の状態を推定することによって上記課題を解決する。
本発明は、電池の硬さと電池の状態との関係を利用することで、電池の過去の使用条件に関わらず、電池の状態を推定することができるため、電池の状態の推定精度を高めることができる。
本発明の実施形態に係る電池状態推定装置のブロック図である。 図1の電池の平面図である。 図2のA−Aに沿う断面図である。 図1の電池及び超音波センサの平面図である。 図1の電池において、サイクル数に対する電池容量の特性を示すグラフである。 図1の電池において、電池の状態に対する電池の硬さの比率を示すグラフである。 図1の電池において、電池の状態に対する電池の硬さの比率を示すグラフである。 図1の電池において、電池内を伝播する超音波の伝播時間を説明するための図である。 図1の電池において、サイクル数に対する伝播時間の特性を示すグラフである。 図1の電池において、容量減少量に対する伝播時間の特性を示すグラフである。 図1のコントローラの制御手順を示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る電池状態推定装置の電池と超音波センサの斜視図である。 本発明の変形例に係る電池状態推定装置の送信器の斜視図である。 図13のB−B線に沿う断面図である。 本発明の他の実施形態に係る電池状態推定装置のブロック図である。 図15の電池において、周波数に対するイナータンスの特性を示すグラフである。 図15の電池において、共振周波数に対する放電容量の低下率の特性を示すグラフである。 図15のコントローラの制御手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る電池状態推定装置の電池において、周波数に対するコヒーレンスの特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る電池状態推定装置のコントローラの制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る電池状態推定装置のブロック図である。本例の電池状態推定装置は、車両等に搭載される。
電池状態推定装置は、扁平型の電池1と、超音波センサ2と、コントローラ3とを備えている。電池1の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は扁平型電池1の平面図を示し、図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。扁平型電池1は、リチウムイオン系、平板状、積層タイプのラミネート型の二次電池(薄型電池)であり、図2および図3に示すように、3枚の正極板11と、5枚のセパレータ12と、3枚の負極板13と、正極タブ14(正極端子)と、負極タブ15(負極端子)と、上部外装部材16と、下部外装部材17と、特に図示しない電解質とから構成されている。
このうちの正極板11、セパレータ12、負極板13および電解質が発電要素18を構成し、また、正極板11、負極板13が電極板を構成し、上部外装部材16および下部外装部材17が一対の外装部材を構成する。
発電要素18を構成する正極板11は、正極タブ14まで伸びている正極側集電体11aと、正極側集電体11aの一部の両主面にそれぞれ形成された正極層11b,11cとを有する。図3に示すように、正極板11、セパレータ12および負極板13を積層して発電要素18を構成する際に、正極板11においてセパレータ12に実質的に重なる部分のみに正極層11b,11cが形成されている。
正極板11の正極側集電体11aは、たとえばアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、または、ニッケル箔等の電気化学的に安定した金属箔から構成されている。また、正極板11の正極層11b,11cは、たとえば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、または、コバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物等の正極活物質と、カーボンブラック等の導電剤と、ポリ四フッ化エチレンの水性ディスパージョン等の接着剤と、溶剤とを混合したものを、正極側集電体11aの一部の両主面に塗布し、乾燥および圧延することにより形成されている。
発電要素18を構成する負極板13は、負極タブ15まで伸びている負極側集電体13aと、当該負極側集電体13aの一部の両主面にそれぞれ形成された負極層13b,13cとを有する。図3に示すように、正極板11、セパレータ12および負極板13を積層して発電要素18を構成する際に、負極板13においてセパレータ12に実質的に重なる部分のみに負極層13b,13cが形成されている。
負極板13の負極側集電体13aは、たとえばニッケル箔、銅箔、ステンレス箔、または、鉄箔等の電気化学的に安定した金属箔から構成されている。また、負極板13の負極層13b,13cは、たとえば非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、または、黒鉛等のような上記の正極活物質のリチウムイオンを吸蔵および放出する負極活物質に、有機物焼成体の前駆体材料としてのスチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンを混合し、乾燥させた後に粉砕することで、炭素粒子表面に炭化したスチレンブタジエンゴムを担持させたものを主材料とし、これにアクリル樹脂エマルジョン等の結着剤をさらに混合し、この混合物を負極側集電体13aの一部の両主面に塗布し、乾燥および圧延させることにより形成されている。
発電要素18のセパレータ12は、上述した正極板11と負極板13との短絡を防止するものであり、電解質を保持する機能を備えてもよい。このセパレータ12は、たとえばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって層の空孔が閉塞され電流を遮断する機能をも有する。
以上の発電要素18は、セパレータ12を介して正極板11と負極板13とが交互に積層されてなる。そして、3枚の正極板11は、正極側集電体11aを介して、金属箔製の正極タブ14にそれぞれ接続される一方で、3枚の負極板13は、負極側集電体13aを介して、同様に金属箔製の負極タブ15にそれぞれ接続されている。
発電要素18は、上部外装部材16および下部外装部材17に収容されて封止されている。特に図示はしないが、本例の上部外装部材16および下部外装部材17は何れも、扁平型電池1の内側から外側に向かって、たとえばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、または、アイオノマー等の耐電解液性および熱融着性に優れた樹脂フィルムから構成されている内側層と、たとえばアルミニウム等の金属箔から構成されている中間層と、たとえばポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂フィルムで構成されている外側層と、の三層構造とされている。
したがって、上部外装部材16および下部外装部材17は何れも、たとえばアルミニウム箔等金属箔の一方の面(扁平型電池1の内側面)をポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、またはアイオノマー等の樹脂でラミネートし、他方の面(扁平型電池1の外側面)をポリアミド系樹脂またはポリエステル系樹脂でラミネートした、樹脂−金属薄膜ラミネート材等の可撓性を有する材料で形成されている。
これらの外装部材16,17によって、上述した発電要素18、正極タブ14の一部および負極タブ15の一部を包み込み、当該外装部材16,17により形成される内部空間に、有機液体溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウムや六フッ化リン酸リチウム等のリチウム塩を溶質とした液体電解質を注入しながら、外装部材16,17により形成される空間を吸引して真空状態とした後に、外装部材16,17の外周縁を熱プレスにより熱融着して封止する。
図1に戻り、超音波センサ2は、送信器21と受信器22とを備えている。送信器21は、電池1内に振動波として超音波を送信する。送信された超音波は、超音波センサ2が設けられていない下部外装部材17で反射して、受信器22で検出される。受信器は、電池内を伝播する超音波を受信するセンサである。
図4を用いて、超音波センサ2の取り付け位置について説明する。図4は、超音波センサ2が取り付けられた電池1の平面図である。正極板11等の発電要素18を構成する部材の積層面と平行な、上部外装部材16の表面上において、送信器21及び受信器22が対角の位置に配置されている。後述するように、本例は、電池1内を伝播する超音波の伝播時間から電池の状態を推定する。そのため、本例は、送信器21と受信器22との間の伝播距離が長くなるように、センサ2を配置されることで、電池の状態に応じた伝播時間の変化を検出し易くするように、構成している。
また、送信器21は、外装部材16の表面に対して、鋭角の方向で、電池1内に超音波を入射させるように構成されている。これにより、送信器21から発信した超音波は、外装部材16に対して対向する下側の外装部材17を反射して、受信器22に伝播する。
図1に戻り、コントローラ3は、推定部31と電池状態推定部32とを有している。コントローラ3は、超音波センサ2の検出値に基づいて、電池1の状態を推定するための制御部であって、超音波センサ2を制御する。測定部31は超音波センサ2で検出された検出値から電池1の硬さを測定する。電池状態推定部32は、測定部31に測定された測定値から、電池1の状態を推定する。
ここで、電池1の硬さと電池1の状態との関係について説明する。図5は、電池1において、サイクル数に対する電池容量の特性を示すグラフである。サイクル数は、満充電状態の電池を、所定の容量まで放電し、再び満充電状態まで充電する充放電の回数を示している。図5の横軸で示すサイクル数(N)について、N1<N2<N3<N4とし、0からN1までのサイクル数は、N1からN2までのサイクル数と等しく、N2からN3まで及びN3からN4までのサイクル数も等しい。
電池1には、リチウムイオン二次電池を使用した。そして、サイクル数がゼロの状態の電池の満充電容量に対して、各サイクルの充放電後の電池容量を評価したところ、図5に示すような特性が得られた。電池1は、充放電を繰り返すことで劣化するための、満充電時の電池容量は減少する。そのため、満充電時の電池容量は、図5に示すように、サイクル数の増加に伴って減少した。
次に、充放電を繰り返した場合の電池の硬さについて、図6を用いて、説明する。図6は、電池の状態に対する電池の硬さの比率を示すグラフである。図6では、電池1に対して、電解液を注入した直後の電池の硬さ(h0)と、電解液がセパレータ12の空孔に完全に含浸した時の電池の硬さ(h1)とを評価した。そして、電解液を電池の空孔に完全に含浸させた後に、充放電のサイクル(N)を繰り返し、図5の電池容量が規定値(Qlim)まで減少した時の電池の硬さ(h2)を評価した。なお、容量規定値(Qlim)は、電池が所定の劣化度まで劣化したことを示すための閾値である。
図6の横軸は、電池1の時系列の状態を示しており、「注液直後」は、電解液を注入した直後の状態を示しており、「含浸完了」は電解液を電池の空孔に完全に含浸させた状態を示しており、「容量規定値」は、充放電のサイクルを繰り返し、電池容量が規定値に達した状態を示している。図6の縦軸について、電池の硬さは、注入直後の硬さ(h0)に対する硬さの比率で表しており、H1=h1/h0であり、H2=h2/h0である。
電解液を注入した直後から、電解液が電池1の空孔に含浸されると、電池1は硬くなるため、硬さの比率(H)は高くなり、H1(>1)になった。比率H1の時が、電池1が劣化していない状態であって、サイクル数がゼロの時の状態となる。そして、充放電のサイクルを繰り返すと、電池の劣化に伴って、電池1の硬さは増加し、容量規定値(Qlim)に達した電池1の硬さの比率は、H1より大きく、H2となった。電池1の電解液は、電池1の劣化に伴って減少するため、電池1が硬化する。すなわち、充放電のサイクル数が多くなると電池1の硬さは増加する。また、図5に示すように、充放電のサイクル数が多くなると、容量が減少し、電池1は劣化する。そのため、図7に示すように、電池の硬さと、電池の劣化状態には相関性があることが確認できる。
図7は、電池の状態に対する電池の硬さの比率の特性を示すグラフである。劣化無しは、サイクル数がゼロの状態で、使用前の電池の状態である。Qは劣化無しの状態の満充電時の電池容量である。規定の劣化状態は、充放電のサイクルを繰り返し、電池容量が規定値(Qlim)に達するまで劣化した電池1の状態を示している。
図7に示すように、電池の硬さと電池の劣化には相間があることが確認できた。そのため、電池の硬さを測定することができれば、図7の関係から、電池の1の劣化の状態を推定することができる。しかしながら、電池1を車両等に使用している状況下で、電池1の堅さを直接測定することは困難ではあるが、本例では、以下に説明するように、電池1内を伝播する振動波の特性を測定することで、電池の硬さを間接的に測定することを可能とした。
図8は、電池1の劣化状態及び電池1内を伝播する超音波の状態を説明するための概要図である。図8において、初期は、電池1を使用する前の状態を示し、劣化は、電池1を使用し、ある程度まで劣化した状態を示している。時間(0)の時に、送信器21から超音波が発信している。時間(0)で発信された超音波は、電池1内の伝播することで減衰しつつ、初期の状態の電池では、時間(T1)の時に受信器22で受信される。一方、劣化の状態の電池では、受信器22は時間(T2)の時に超音波を受信し、劣化の状態における伝播時間(T2)は、初期の状態における伝播時間(T1)より短くなっている。すなわち、電池1が劣化すると、電池1内を伝播する超音波の伝播時間は短くなる。
次に、サイクル数と超音波の伝播時間との関係を図9に示す。図9は、サイクル数毎で評価した伝播時間を表すグラフである。電池1において、サイクル数がN1、N2、N3に達した時に、電池1内を伝播する伝播時間をそれぞれ評価した。図9に示すように、サイクル数の増加に伴い、伝播時間が短くなっていることが確認できる。そして、
そして、サイクル数の増加により、電池1は硬化するため、伝播時間と、電池の硬化には相関があることが確認できる。電池1は硬化すると、電池1内の媒体密度が大きくなるため、電池1が硬化するほど、電池1内の振動波の伝播時間は短くなり、振動波の伝播速度は大きくなる。これにより、本例では、超音波センサ2を用いて、電池内を伝播する超音波を検出し、検出した超音波の伝播時間を測定することができるため、伝播時間を電池の硬さを示す指標として用いて、電池1の劣化の状態を推定する。
以下、本例のコントローラ3の制御について、説明する。コントローラ3は、超音波センサ2を制御し、送信器21から超音波2を電池内に発信させる。コントローラ3は、受信器22により、送信器21から発信された超音波を受信する。測定部31は、送信器21から送信した超音波の送信時間と、受信器22の検出値に相当する、超音波の受信タイミングから受信時間を計測することで、超音波の伝播時間を計測する。これにより、測定部31は、電池の硬さの指標となる、振動波の伝播時間を測定する。
また測定部31は、電池1の容量減少量を計測する。容量減少量は、電池1が使用していない状態の満充電の時の容量に対して、電池を使用することで、減少した電池容量を示している。測定部31は、電池1の電流、電圧を計測するセンサ(図示しない)の検出値を用いて、電池1の満充電時の電池容量を測定する。そして、測定部31には、未使用時の電池1の満充電容量が記録されているため、測定部は、当該満充電容量及び測定した電池容量から、電池1の容量減少量を測定する。
電池状態推定部32は、測定部31で測定された伝播時間(T)と、劣化領域判定時間(T)、停止領域判定時間(T)とを比較して、電池の状態を推定する。劣化領域判定時間(T)は、電池の劣化が過度に進んでいることを示す伝播時間の閾値であって、容量減少率に応じて設定される値である。劣化領域判定時間(T)は、容量減少率の増加に伴って、小さくなるように設定される。
図5に示したように、電池1の充放電を繰り返し、サイクル数を重ねることで、電池容量は減少するため、容量減少量は増加する。そして、容量減少量の増加に伴って、電池の劣化も進むため、超音波の伝播時間が短くなる。この時、容量減少量に対する電池の劣化度は、電池の使用履歴や使用環境によって異なる。例えば、車両の運転により、電池1に対して大きな負荷がかかる場合には、電池1の劣化速度は、通常の電池1の劣化速度よりも早く進む。通常の電池1は、電池1に対して、負荷が平均的にかかった状態の電池1であって、劣化が平均的に進んでいる電池である。そのため、測定された伝播時間(T)が、劣化領域判定時間(T)より小さい場合には、測定された電池1の劣化度は、通常の電池における劣化度より高いことになる。
停止領域判定時間(T)は、電池機能が停止していることを示す伝播時間の閾値であって、劣化領域判定閾値(T)より大きい値が設定されている。何らの原因で、電池の機能が停止した場合には、送信器21から送信された超音波は、電池1内を伝搬しない、あるいは、超音波が受信器22まで伝播しても、伝播時間がかなり長くなる。そのため、測定された伝播時間(T)が、停止領域判定閾値(T)より大きい場合には、測定された電池1について、電池機能が停止していることになる。
図10を用いて、容量減少量、伝播時間、劣化領域判定閾値(T)及び停止領域判定時間(T)の関係について説明する。図10は、容量減少量に対する伝播時間の特性において、劣化領域及び停止領域を説明するためのグラフである。劣化領域は、劣化が過度に進んでいることを示す領域である。停止領域は、電池機能が停止していることを示す領域である。また、QsLは、電池の使用回数が限界数に達した時の、通常の電池1における容量減少量を示している。
劣化領域判定閾値(T)について、通常の電池1であっても、充放電を繰り返すことで、電池1の劣化は進んでいる。そして、劣化領域判定閾値(T)で示される伝播時間は、容量減少率の増加に伴って減少する。そのため、劣化領域判定閾値(T)は、グラフAに示されるように、容量減少率に比例して減少するように設定される。
一方、停止領域判定時間(T)は、電池1の機能停止を判定するための閾値であって、電池1を使用する際の制限値に対応するため、一定の値に設定されている。
伝播時間が、劣化領域判定閾値(T)より小さい範囲が、劣化領域に設定されている。劣化領域において、伝播時間(T)が小さくなるほど、劣化度が大きいことになる。また、伝播時間が停止領域判定時間(T)より大きい範囲が、停止領域となる。
本例では、劣化領域判定閾値(Ta)を中心とした、所定の範囲(Ta+からTa−の間の範囲)内を、正常領域として設定している。電池1内を伝播する超音波の伝播時間は、電池1の充電状態(SOC:State of Charge)等で変わる。そのため、本例は、劣化領域判定閾値(T)に対して、所定の幅をもたせることで、電池状態の推定精度を高めている。
すなわち、本例では、劣化領域判定閾値(T)を中心とする所定の範囲内で、下限値となる劣化判定領域閾値(Ta−)を、正常領域と劣化判定領域との間の判定閾値として設定している。そして、伝播時間が劣化判定領域閾値(Ta−)以下である場合には、電池状態推定部32は、電池1の状態が過度に劣化している状態であると判定する。また、伝播時間が劣化判定領域閾値(Ta−)より大きく、かつ、停止領域判定時間(T)未満である場合には、電池状態推定部32は、電池1の状態が正常な状態であると判定する。そして、伝播時間が停止領域判定時間(T)以上である場合には、電池状態推定部32は、電池1の状態が機能停止の状態であると判定する。
以下、図10を参照しつつ、コントローラ3による電池1の状態の推定制御について説明する。上記のように、測定部31により、超音波の伝播時間(T)及び容量減少量(Q)が測定された後、電池状態推定部32は、容量減少量(Q)に基づいて劣化領域判定閾値(T)を設定する。
図10に示すように、測定部31で測定された容量減少量(Q)が容量減少量(Qs1)であったとすると、電池状態推定部32は、グラフAにおいて、容量減少量(Qs1)に対応する閾値(Ta1)を、劣化領域判定閾値(T)に設定する。また、電池状態推定部32は、劣化領域判定閾値(Ta1)を含む所定の領域を、正常領域に設定し、当該所定の領域の下限値の劣化領域判定閾値(Ta−)を設定する。
次に、電池状態推定部32は、測定部31の測定値である伝播時間(T)と、劣化領域判定閾値(Ta−)とを比較し、伝播時間(T)と停止領域判定時間(T)とを比較する。
伝播時間(T)が、劣化領域判定閾値(Ta−)より大きく、停止領域判定時間(T)より小さい場合には、電池状態推定部32は、電池1の状態を、正常な劣化状態であると判定する。一方、伝播時間(T)が、劣化領域判定閾値(Ta−)以下である場合には、電池状態判定部32は、電池1の状態が劣化領域内にあり、電池1が過度に劣化している状態である、と判定する。また、伝播時間(T)が停止領域判定時間(T)以上である場合には、電池状態判定部32は、電池1の状態が停止領域内にあり、電池1が機能停止の状態である、と判定する。
そして、電池1の状態が機能停止の状態であると判定した場合には、コントローラ3は、機能停止状態であることをランプの表示等で、ユーザに注意を喚起する。また、電池1の状態が過度に劣化している状態であると判定した場合には、または、電池1の状態が正常であると判定した場合には、コントローラ3は、ランプの表示等をしない、あるいは、電池1の状態の判定結果を報知する。
次に、図11を用いて、コントローラ3の制御手順について説明する。図11は、コントローラ3の制御手順を示すフローチャートである。
ステップS1にて、コントローラ3は、超音波センサ2を制御して、送信器21から超音波を発信させて、受信器22により超音波を受信することで、電池1内を伝播する超音波を検出する。ステップS2にて、測定部31は、送信器21の送信時間と、受信器22の受信時間から、超音波の伝播時間(T)を測定する。測定部31は、電流、電圧センサの検出値から、電池1の容量減少量を測定する(ステップS3)。
電池状態推定部32は、測定された容量減少量から劣化領域判定閾値(Ta−)を設定し、正常領域を設定する(ステップS4)。ステップS5にて、電池状態推定部32は、測定された伝播時間(T)と劣化領域判定閾値(Ta−)とを比較する。
伝播時間(T)が劣化領域判定閾値(Ta−)以下である場合には、ステップS6にて、電池状態推定部32は、電池1が過度な劣化状態である、と判定し、本例の制御を終了する。なお、超音波が電池1内で伝播されず、受信器22で受信されない場合には、伝播時間(T)が停止領域判定閾値(T)以上になったと判定すればよい。
ステップS5に戻り、伝播時間(T)が劣化領域判定閾値(Ta−)より大きい場合には、電池状態推定部32は、伝播時間(T)と、停止領域判定閾値(T)を比較する(ステップS7)。伝播時間(T)が停止領域判定閾値(T)以上である場合には、ステップS8にて、電池状態推定部32は、電池1が電池機能の停止にあると判定する。なお、超音波が電池1内で伝播されず、受信器22で受信されない場合には、伝播時間(T)が停止領域判定閾値(T)以上になったと判定すればよい。ステップS9にて、コントローラ3は、警告ランプの表示し、本例の制御を終了する。
ステップS7に戻り、伝播時間(T)が停止領域判定閾値(T)より小さい場合には、ステップS10にて、電池状態推定部32は、電池1が正常の状態である、と判定し、本例の制御を終了する。
上記のように、本例は、超音波センサ2により、電池1内を伝播する超音波を検出し、測定部31により超音波センサ2の検出値から電池1の硬さを測定し、電池1の硬さと電池1の状態との関係に基づき、測定部31の測定値から電池1の状態を推定する。これにより、本例は、現在の電池1の硬さによって、電池1の状態を推定する為、電池1の劣化の状態や、電池1の機能停止の状態等を、高い精度で推定することができる。
ところで、本例とは異なり、従来においては、予めメモリ等に記録している電池の基礎データ(劣化してない状態の電池の初期データ)を参照して、電池1の劣化状態を検出していた。そのため、車両等の電池1の使用環境や使用履歴が異なる場合には、電池1の実際の劣化状態が検出結果と異なり、劣化の検出精度が低いという問題があった。
また、従来では、車両の走行中等により負荷が電池1にかかっている状況の電池状態の検出精度が、充放電時における電池状態の検出精度より低い、という問題もあった。
本発明では、電池の硬さを測定し、電池の硬さと電池の状態との関係に基づいて、電池の状態を推定しているため、過去の電池の使用状況、使用履歴に関わらず、測定時点の電池状態から、劣化や機能停止等の状態を推定することができ、電池1の状態の推定精度を高めることができる。また、本例は、電池の硬さを測定しているため、車両の走行中等により負荷が電池1にかかっている状況でも、電池1の状態を推定することができる。
また本例は、送信器21及び受信器22で送受信される超音波から、電池1内の超音波の伝播時間を、電池1の硬さの指標として測定し、電池1の状態を推定する。これにより、電池1の硬さを把握することができるため、電池1の状態の推定精度を高めることができる。
また、本例は、外装部材16の表面上で、対角の位置に、送信器21及び受信器22をそれぞれ配置している。これにより、超音波の伝播距離を長くすることができるため、超音波の音速変化に対する、測定精度を高めることができる。
また、本例は、外装部材16の表面に対して鋭角に超音波が入射されるように、送信器21を配置している。これにより、超音波の伝播距離を長くすることができるため、超音波の音速変化に対する測定精度を高めることができる。
また、本例は、測定部31で測定された伝播時間(T)が劣化領域判定閾値より小さい場合には、電池1の劣化が過度に進んでいる、と推定する。これにより、電池1の使用履歴、使用環境により、電池1の劣化状態が過度に進んだ場合でも、電池1の劣化の状態を精度よく推定することができる。
また、本例は、測定部31で測定された伝播時間(T)が停止領域判定閾値(Tb)より大きい場合には、電池1の機能停止している、と推定する。これにより、何らかの原因で、電池1の機能が停止した場合でも、電池1の状態を精度よく推定することできる。
また本例において、電池1の外装部材16、17は、発電要素を覆ったラミネート材で形成されている。これにより、電池1をラミネート型(扁平型)にすることで、外部から電池1の硬さを測定することができる。またラミネート構造の電池1は缶型構造の電池と比較すると、ある箇所の変位(振動)を検出し易いため、振動の特性の変化を把握することができる。また外装部材16、17に薄く柔軟性のあるラミネートを使用している為、電池の特性を直接取得することができる。
なお、本発明の変形例として、図12に示すように、上部外装部材16に送信器21を設け、下部外装部材17に受信器22を設けてもよい。図12は、本発明の変形例に係る電池状態判定装置の電池1と超音波センサ2の構成を示す斜視図である。上部外装部材16における送信器21の取り付け位置は、下部外装部材17における受信器22の取り付け位置と対向する位置に設けられている。そして、送信器21から送信される超音波は、上部外装部材16の表面に沿った方向に対して、垂直方向に送信され、電池1内を伝播し、受信器22により受信される。
また、本例は、扁平型の電池1に対して、超音波センサ2を設けて電池1の状態を推定したが、扁平型の電池1に限らず、例えば円筒型の電池に超音波センサ2を設けて、上記と同様に、電池1の状態を推定してもよい。図14は送信器21の斜視図を、図15は図のB−B線に沿った断面図を示す。図14、15に示すように、送信器2の表面のうち、円筒状の電池1と接触する面(超音波が送信される面)が曲面に形成され、円筒状の電池の側面に沿うように形成されている。受信器22の受信面も同様に、円筒状の電池の側面に沿うよう曲面に形成される。これにより、本例の電池状態推定装置は、円形状の電池1にも適用することができる。
なお、本例は、測定部31で測定された伝播時間に応じて、電池1の劣化度を推定してもよい。図6に示すように、電池1の硬さと電池の劣化の状態は相関をもっており、図6の関係から、電池の劣化度は、電池の硬さが大きくなるほど、大きくなる。そして、本例では、電池の硬さの指標として、伝播時間を用いており、伝播時間と電池の硬さとの間にも相関がある。
そのため、電池状態推定部32は、電池1の硬さに対応する伝播時間と、電池1の劣化度との関係を示すマップを予め記録する。そして、電池状態推定部32は、測定部31で測定された伝播時間から、当該マップを参照することで、マップ上で対応する劣化度を、電池1の劣化状態として推定する。これにより、本例は、伝播時間と劣化度とのマップを用いて、電池1の劣化状態を推定することができる。
なお、本例は、電池1の硬さの指標として伝播時間を用いたが、測定部31で測定した伝播時間から伝播速度を算出し、伝播速度から電池1の状態を推定してもよい。
また、本例では、正常領域と劣化領域との判定閾値として、劣化領域判定閾値(Ta−)を用いたが、劣化領域判定閾値(Ta+)又は劣化領域判定閾値(T)であってもよい。
上記の超音波センサ2が本発明の「第1センサ」に相当し、測定部31が本発明の「測定手段」に、電池状態推定部32が本発明の「電池状態推定手段」に、送信器21が「送信手段」に、受信器22が「受信手段」に相当する。
《第2実施形態》
図15は、発明の他の実施形態に係る電池状態推定装置のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、センサの構成と、コントローラ3の制御の一部が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
電池状態推定装置は、電池1と、コントローラ3と、ピックアップセンサ4と、取り付け板51と、支持部材52、53とを備えている。ピックアップセンサ4は、電池1及び取り付け板51の振動を検出するためのセンサである。ピックアップセンサ4は、電池1の表面に設けられたピックアップセンサ41、及び、取り付け板51の表面に設けられたピックアップセンサ42により構成されている。
電池1は、取り付け板51を介して車体4に設けられている。取り付け板51は、電池1を車体4に取り付けるための板状の部材であって、電池1及び車体4よりも剛性の高い材料により形成されている。取り付け板51は、支持部材52により、車体4に固定されている。また、電池1は、支持部材53により取り付け板51に固定されている。支持部材52、53はビス等により、電池1と取り付け板51との間、及び、取り付け板51と車体4との間に、それぞれ間隔を空けつつ、電池1、取り付け板51及び車両を締結させる部材である。この構成により、車体4の剛性によらず、電池1と支持部材53との締結部分に、車両1の振動に基づく一定の加振力を加えることができる。
ピックアップセンサ41の、電池1の表面上における取り付け位置について、説明する。Kを電池1の硬さによるバネ定数をK、電池1に加わる加浸力をP、電池1の変位をδとすると、K、P及びδの間には、K=P/δの関係式が成立する。
ピックアップセンサ41の取り付け位置は、取り付け板51との間で可能な限り距離を取るように取り付けられている。これにより、電池1に加振力が加わったときの変位を大きく取ることができる。
車体4のロードノイズやエンジン10の振動等により、電池1及び取り付け板51が振動すると、ピックアップセンサ41、42は、当該振動による電池1及び取り付け板51の振動加速度を検出し、検出した値を、電気信号によりコントローラ3に出力する。これにより、ピックアップセンサ41、42は、外部からの加振力による電池1及び取り付け板51の振動波を検出し、コントローラ3に出力する。
すなわち、第1実施形態では、超音波センサ2の送信器21により、電池1内に振動波を発生させたが、本例では、送信器21のような発信器を用いることなく、電池1の外部で発生した振動を利用して、電池1内の振動波を検出する構成になっている。
測定部31は、ピックアップセンサ41の検出値とピックアップセンサ42の検出値との差分をとることで、電池1の振動の周波数特性を測定する。本例では、電池の硬さを表す指標として、電池1の振動波の振動周波数を用いている。
ここで、電池1の振動周波数の特性について説明する。図16は、振動周波数に対するイナータンスの特性を示すグラフである。イナータンスは、ピックアップセンサ4の測定点における、加速度と加振力との比を表している。
グラフaは、サイクル数が少なく、電池1が殆ど劣化していない状態の特性を示している。グラブbは、グラフaと比較して、サイクル数が多く、ある程度劣化が進んだ電池1の状態の特性を示している。グラフcは、グラフa、bと比較して、サイクル数がさらに多く、電池1の劣化が最も進んだ状態の特性を示している。
また、グラフa、b、cの特性で、最もイナータンスの高い周波数、fa、fb、fcが、電池1の振動波の共振周波数である。グラフa〜cに示すように、電池1の劣化が進むと、電池の1の振動波の周波数特性は変化し、共振周波数が高くなる(fa<fb<fc)。
正常な劣化傾向を示す実際の電池において、劣化状態と、共振周波数との関係を示すデータを、表1に示す。電池劣化量は、放電容量の減少量を割合で示している。放電容量は、電池1が完全に放電状態となる(SOCが0%)までに、放電された電池の容量とした。
Figure 2014049401
表1により、電池1の劣化度が高くなるほど、共振周波数が高くなることが確認できる。
そして、第1実施形態の記載のとおり、電池1の劣化と電池の硬さには相関がある。そのため、本例では、電池の硬さを表す指標として、電池1内の振動波の共振周波数を用いることで、電池の劣化状態を推定している。
次に、コントローラ3の制御について説明する。まず、コントローラ3は、ピックアップセンサ4を制御して、電池1の振動の加速度及び取り付け板51の振動の加速度を検出する。測定部31は、ピックアップセンサ41、42の検出値の差分をとり、電池1の振動波の周波数特性を測定する。そして、測定部31は、測定した周波数特性から、最も出力値の高い周波数を、共振周波数として特定する。
また、測定部31は、電池1に接続された電圧、電流センサ6の検出値から、電池1の電池特性を測定する。本例では、電池1の電気的な劣化特性として、電池1から放電可能な容量(放電容量)を演算しており、表1の電池劣化量に対応する。放電容量の演算は、例えば電流センサの検出値から放電電流値を積算することで演算すればよい。そして、測定部31は、未使用状態の電池1の放電容量に対する、測定された放電容量を、放電容量の低下率として演算する。なお、電池特性としては、放電容量の他に、レート特性や直流抵抗値(DCR)を用いてもよい。
電池状態推定部32は、正常な劣化傾向を示す電池1における振動波の共振周波数と放電容量劣化率との対応関係を示す特性を、正常時の電池1の劣化特性として、マップにより予め記録している。上記のとおり、電池1の劣化が正常に進んだ場合には、共振周波数は徐々に高くなり、放電容量の低下率は徐々に高くなる。
共振周波数に対する放電容量の低下率の関係を図17に示す。図17は、共振周波数に対する放電容量の低下率の特性を示すグラフである。グラフdが、正常な劣化傾向を示す電池1の特性である。測定対象となる電池1が正常に劣化している場合には、測定部31で測定された共振周波数及び放電容量劣化率は、グラフd上の値、又は、グラフdに近い値をとることになる。
電池1の硬さは、電池1の充電状態(SOC)に応じて変化するため、正常な劣化傾向の電池1の特性(グラフdの特性)も変化する。そのため、本例では、SOCに応じた、振動波の共振周波数と放電劣化量との対応関係を、マップで記録している。すなわち、図17に示すように、正常な劣化傾向の電池の特性は、グラフdを中心とした帯状の領域Dで示される。
電池状態推定部32は、図17の領域Dで示される範囲を、電池1の正常領域として、マップにより予め記録している。そして、電池状態推定部32は、測定部31で測定された振動波の共振周波数及び放電容量低下率が正常領域内に含まれるか否かを判定する。
測定部31で測定された振動波の共振周波数及び放電容量低下率が正常領域内に含まれる場合には、電池状態推定部32は、電池1の状態が正常であると判定する。一方、測定部31で測定された振動波の共振周波数及び放電容量低下率が正常領域外である場合には、電池状態推定部32は、電池1の電池機能が停止している、と判定する。
図17を用いて、上記の判定制御を説明すると、例えば、サンプル1、2(図17のS、S)では、測定部31で測定された振動波の共振周波数及び放電容量低下率が正常領域D内にあるため、電池状態推定部32は、電池1が正常であると判定する。
一方、サンプル3(図17のS)では、測定された共振周波数に対して、測定された放電容量の低下率が、正常な電池1の放電容量の低下率より高くなっており、測定部31の測定値は正常領域D外にある。また、サンプル4(図17のS)では、測定された共振周波数に対して、測定された放電容量の低下率が、正常な電池1の放電容量の低下率より低くなっており、測定部31の測定値は正常領域D外にある。電池状態推定部32は、サンプル3、4では、電池1の機能が停止していると、判定する。
なお、実際の電池1に対して、共振周波数を測定したところ、正常な劣化傾向を示す電池1では、電池劣化量(2.2%)の時に、共振周波数は181Hzとなった。一方、過度な劣化傾向を示す電池では、同じ電池劣化量(2.2%)の時に、共振周波数は183Hzとなった。これにより、正常な劣化度よりも、劣化度が進むと、共振周波数が高くなることが確認できため、本例では上記のように、電池の特性を、正常な電池の特性とを比較することで、電池の状態を推定できることが分かる。
次に、図18を用いて、コントローラ3の制御手順について説明する。図18は、コントローラ3の制御手順を示すフローチャートである。
ステップS21にて、コントローラ3は、ピックアップセンサ4を制御して、電池1内を伝播する振動波を検出する。ステップS22にて、測定部31は、ピックアップセンサ4の検出値から電池1内の振動波の周波数特性を測定する。ステップS23にて、測定部31は、測定した周波数特性から、共振周波数を測定する。
ステップS24にて、測定部31は、電流、電圧センサ6の検出値から、電池1の放電容量を測定する。ステップS25にて、電池状態推定部32は、ステップS23、24で測定された、共振周波数及び放電容量の測定値で示される電池1の特性が正常領域内にあるか否かを判定する。測定された電池1の特性が正常領域内にない場合には、電池状態推定部32は、電池1の電池機能が停止している、と判定する。ステップS27にて、コントローラ3は、警告ランプ(図示しない)を表示し、本例の制御を終了する。
ステップS25に戻り、測定された電池1の特性が正常領域内にある場合には、電池状態推定部32は、電池1が正常である、と判定し(ステップS28)、本例の制御を終了する。
上記のように、本例は、ピックアップセンサ4により、電池1内を伝播する振動波を検出し、測定部31によりピックアップセンサ4の検出値から電池1の硬さを測定し、電池1の硬さと電池1の状態との関係に基づき、測定部31の測定値から電池1の状態を推定する。これにより、本例は、現在の電池1の硬さによって、電池1の状態を推定する為、電池1の劣化の状態や、電池1の機能停止の状態等を、高い精度で推定することができる。
また本例は、振動波の振動周波数を、電池1の硬さを表す指標として測定する。これにより、電池1の硬さを把握することができるため、電池1の状態の推定精度を高めることができる。
また、本例は、電池の硬さを測定するセンサとして、ピックアップセンサ4を有する。これにより、コストを抑えることができる。
また本例は、電池1の振動周波数の特性から電池1の共振周波数を測定し、当該共振周波数から電池1の状態を推定する。これにより、電池1の硬さを把握することができるため、電池1の状態の推定精度を高めることができる。また、共振周波数を、振動周波数の特性とすることで、使用履歴の代用特性として使用することができる。
また本例は、電流、電圧センサの検出値から、電池1の特性を測定し、測定されて特性と、正常時の電池の劣化特性を示す電池特性とを比較し、その比較結果から、電池1の状態を推定する。電池1の使用履歴(使用期間、使用条件)により、電池1の硬さが変化し、また電池特性も変化する。そして、電池の使用履歴に対する電池の硬さと電池特性との関係は一義的である。そのため、ある時点における、電池の特性と、電池の硬さを示す振動周波数特性とを比較することで、電池1の使用履歴を把握することなく、電池1の状態を推定することができる。またシステムを簡素化させることができる。
また、本例は、測定部31で測定した電池特性が、正常時の電池の劣化特性を含んだ正常領域Dの範囲外の特性を示す場合には、電池1の機能が停止していると推定する。これにより、電池1のSOCによる硬さの違いに対応して、電池1の状態を推定することできため、電池1の推定精度を高めることができる。
なお、本例は、測定部31で測定された振動波の振動周波数に応じて、電池1の劣化度を推定してもよい。第1実施形態の図6に示すように、電池1の硬さと電池の劣化の状態は相関をもっており、図6の関係から、電池の劣化度は、電池の硬さが大きくなるほど、大きくなる。そして、本例では、電池の硬さの指標として、振動周波数を用いており、振動周波数と電池の硬さとの間にも相関がある。
そのため、電池状態推定部32は、電池1の硬さに対応する振動周波数と、電池1の劣化度との関係を示すマップを予め記録する。そして、電池状態推定部32は、測定部31で測定された振動周波数から、当該マップを参照することで、マップ上で対応する劣化度を、電池1の劣化状態として推定する。これにより、本例は、振動周波数と劣化度とのマップを用いて、電池1の劣化状態を推定することができる。
なお、本例では、電池の硬さの指標として共振周波数を用いたが、電池1の振動波の周波数特定において、共振周波数以外の周波数を用いてもよい。
また本例は、電池1の振動波を検出するセンサとして、ピックアップセンサ4を用いたが、他のセンサであってもよい。
上記のピックアップセンサ4が本発明の「第1センサ」に相当し、電流、電圧センサ6が本発明の「第2センサ」に相当する。
《第3実施形態》
発明の他の実施形態に係る電池状態推定装置を説明する。本例では上述した第2実施形態に対して、電池1の硬さを表す指標として、コヒーレンスを用いている点が異なる。これ以外の構成は上述した第2実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
まず、電池1のコヒーレンスの特性について説明する。図19は、電池1の振動波の周波数に対するコヒーレンスの特性を示すグラフである。コヒーレンスは、複数回測定した振動波の周波数特性の一致率を示しており、複数回の周波数特性が完全に一致した場合には、周波数に対するコヒーレンスは、1となる。
グラフaは、サイクル数が少なく、電池1が殆ど劣化していない状態の特性を示している。グラブbは、グラフaと比較して、サイクル数が多く、ある程度劣化が進んだ電池1の状態の特性を示している。グラフcは、グラフa、bと比較して、サイクル数がさらに多く、電池1の劣化が最も進んだ状態の特性を示している。fa、fb、fcは、各グラフa〜cの所定の周波数帯域において、コヒーレンスが所定の値(L<1)より低くなった時の周波数を示している。
図19に示すように、電池1のサイクル数が多くなると、高周波側でもコヒーレンスが高い状態となり、コヒーレンスがLより低くなる周波数が高くなっていることが分かる。
正常な劣化傾向を示す実際の電池において、劣化状態と、共振周波数との関係を示すデータを、表2に示す。電池劣化量は、放電容量の減少率を割合で示している。放電容量は、電池1が完全に放電状態となる(SOCが0%)までに、放電された電池の容量とした。放電容量は、第2実施形態の放電容量と同様である。表2において、共振周波数は、コヒーレンスがLになったときの周波数を示している。
Figure 2014049401
この結果から、電池1の劣化度が高くなるほど、コヒーレンスが高い状態である周波数が高くなることが確認できる。
第1実施形態に記載したとおり、電池1の劣化が進むと、電解液が分解、消費して、電解液の量が減少する。一般的に、ある物体中に液体が存在している場合には当該物体内における伝達特性が不規則になる。そのため、電解液が多い場合には、伝達特性が不安定になり、コヒーレンスをとったときに、高周波帯域のコヒーレンスは低く、コヒーレンスがLより低くなる周波数が低い周波数帯域で表れる。そして、電解液の液量の減少に伴って、伝達特性が安定するため、高周波側のコヒーレンスも高くなり、コヒーレンスがLより低くなる周波数が高周波側に徐々に遷る。
図19に示すように、電池1が殆ど劣化していない場合には、グラフaに示すように、コヒーレンスがLより低くなる周波数(fa)が存在する。そして、電池1の劣化が進むと、グラフbに示すように、高周波側のコヒーレンスが高くなり、コヒーレンスがLより低くなる周波数(fb)は、faよりも高くなる。さらに劣化が進むと、グラフcに示すように、高周波側のコヒーレンスがさらに高くなり、コヒーレンスがLより低くなる周波数(fc)は、fbよりも高くなる。
そして、電解液の低下は、電池1の硬さが増すことになるため、振動波のコヒーレンスと電池1の硬さとの間に相関があることが分かる。そのため、本例では、電池の硬さを表す指標として、電池1内の振動波のコヒーレンスを用いることで、電池の劣化状態を推定している。
次に、コントローラ3の制御について説明する。まず、コントローラ3は、ピックアップセンサ4を制御して、電池1の振動波の周波数特性を測定する。そして、測定部31は、所定の時間内で測定された複数の周波数特性を合成し、合成特性を測定する。この合成特性がコヒーレンスの特性となる。
また、測定部31は、電池1に接続された電圧、電流センサ6の検出値から、電池1の電池特性を測定する。電池特性は、第2実施形態と同様に、放電容量の低下率を用いればよい。
電池状態推定部32は、正常な劣化傾向を示す電池1における振動波のコヒーレンスと放電容量低下率との対応関係を示す特性を、正常時の電池1の劣化特性として、マップにより予め記録している。コヒーレンスの特性は、コヒーレンスがLより低くなる周波数(図19のfa、fb、fcに相当)に対する放電劣化量の特性とすればよい。
また、電池1の硬さは、電池1の充電状態(SOC)に応じて変化するため、電池状態推定部32は、正常な劣化傾向を示す電池1の上記特性を中心に、所定の範囲内の特性を正常領域の特性として、予め記録している。そして、電池状態推定部32は、測定部31で測定された振動波のコヒーレンスの特性が正常領域内に含まれるか否かを判定する。
測定部31で測定された振動波のコヒーレンスの特性が正常領域内に含まれる場合には、電池状態推定部32は、電池1の状態が正常であると判定する。一方、測定部31で測定された振動波のコヒーレンスの特性が正常領域外である場合には、電池状態推定部32は、電池1の電池機能が停止している、と判定する。
次に、図20を用いて、コントローラ3の制御手順について説明する。図20は、コントローラ3の制御手順を示すフローチャートである。ステップS31〜32、S34〜38の制御処理は、第2実施形態の図18のステップS21〜22、S24〜38の制御処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS32の後、測定部31は、所定の時間内で測定された複数の周波数特性を合成し、周波数に対するコヒーレンスの特性を測定する。そして、測定部31当該特性から、コヒーレンスがLより低くなる周波数(共振周波数)を測定し(ステップS33)、ステップS34に遷る。
上記のように、本例は、振動波の複数の周波数特性を合成した合成特性を測定し、当該合成特性から電池の状態を推定する。電解液の量が多い場合には、コヒーレンスの高い周波数は低周波側の周波数となる、電解液の量が少ない場合には、高周波側の周波数も、コヒーレンスの高い周波数となる。そして、電池を使用し劣化すると、電解液が減少し、電池1が硬くなる。そのため、本例は、電池1の硬さをコヒーレンスから把握することができるため、電池1の状態の推定精度を高めることができる。また、コヒーレンス特性を用いることで、使用履歴の代用特性として使用することができる。
1…電池
11…正極板
11a…正極側集電体
11b、11c…正極層
12…セパレータ
13…負極板
13a…負極側集電体
13b、13c…負極層
14…正極タブ(電極タブ)
15…負極タブ(電極タブ)
16…上部外装部材
17…下部外装部材
18…発電要素
2…超音波センサ
21…送信器
22…受信器
3…コントローラ
31…測定部
32…電池状態推定部
4…車体
6…電流、電圧センサ
51…取り付け板
52、53…支持部材

Claims (23)

  1. 外装部材の内部に発電要素が封入された電池と、
    前記外装部材の表面に配置され、前記電池内を伝播する振動波を検出する第1センサと、
    前記第1センサの検出値から前記電池の硬さを測定する測定手段と、
    前記電池の硬さと前記電池の状態との関係に基づき、前記測定手段の測定値から前記電池の状態を推定する電池状態推定手段とを備える
    ことを特徴とする電池状態推定装置。
  2. 前記第1センサは、
    前記電池内に前記振動波として超音波を送信する送信手段と、
    前記電池内を伝播した前記超音波を受信する受信手段とを有し、
    前記測定手段は、
    前記送信手段及び前記受信手段により送受信される前記超音波から、前記電池内の前記超音波の伝播時間を、前記電池の硬さを表す指標として測定する
    ことを特徴とする請求項1記載の電池状態推定装置。
  3. 前記電池の硬さに対応する前記伝播時間と、前記電池の状態を表す前記電池の劣化状態との関係を示す第1マップをさらに備え、
    前期電池状態推定手段は、前記第1マップを参照し、前記測定手段により測定された前記伝播時間から前記劣化状態を推定する
    ことを特徴とする請求項2記載の電池状態推定装置。
  4. 前記送信手段及び前記受信手段は、前記電池の表面上で、対角の位置にそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の電池状態推定装置。
  5. 前記送信手段は、前記電池の表面に対して鋭角の方向に前記超音波を入射する
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  6. 前記電池状態推定手段は、
    前記測定手段により測定された前記伝播時間が、予め設定された第1伝播時間閾値より小さい場合には、前記電池の劣化が過度に進んでいると推定する
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  7. 前記電池状態推定手段は、
    前記測定手段により測定された前記伝播時間が、予め設定された第2伝播時間閾値より大きい場合には、前記電池の電気機能が停止していると推定する
    ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  8. 前記測定手段は、前記第1センサで検出される振動波の振動周波数を、前記電池の硬さを表す指標として測定する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  9. 前記電池の硬さに対応する前記振動周波数の特性と、前記電池の状態を表す前記電池の劣化状態との関係を示す第2マップをさらに備え、
    前記電池状態推定手段は、前記第2マップを参照し、前記測定手段により測定された前記振動周波数から前記劣化状態を推定する
    ことを特徴とする請求項8記載の電池状態推定装置。
  10. 前記第1センサは、ピックアップセンサを有する
    ことを特徴とする請求項8又は9記載の電池状態推定装置。
  11. 前記測定手段は、前記振動周波数の特性から前記電池の共振周波数を測定し、
    前記電池状態推定手段は、前記共振周波数から前記電池の状態を推定する
    ことを特徴とする
    請求項8〜10のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  12. 前記測定手段は、振動波の複数の周波数特性を合成した合成特性を測定し、
    前記電池状態推定手段は、前記合成特性から前記電池の状態を推定する
    ことを特徴とする
    請求項8〜10のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  13. 前記電池の電圧または電流を検出する第2センサをさらに備え、
    前記測定手段は、前記第2センサの検出値から、前記振動周波数に対する前記電池の特性を示す第1電池特性を測定し、
    前記電池状態推定手段は、
    前記振動周波数に対する正常時の前記電池の特性を第2電池特性として予め記録し、
    前記第1電池特性と前記第2電池特性とを比較し、その比較結果から、前記電池の状態を推定する
    ことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  14. 前記電池状態推定手段は、
    前記第1電池特性が、前記第2電池特性を含む所定の範囲より外側の特性を示す場合には、前記電池の機能が停止していると推定する
    ことを特徴とする請求項13に記載の電池状態推定装置。
  15. 前記外装部材は、前記発電要素を覆うラミネート材である
    ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の電池状態推定装置を備えた車両。
  17. 外装部材の内部に発電要素が封入された電池の状態を推定する電池状態推定方法において、
    前記電池内を伝播する振動波を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップで検出された検出値から前記電池の硬さを測定する測定ステップと、
    前記電池の硬さと前記電池の状態との関係に基づき、前記測定ステップで測定された測定値から前記電池の状態を推定する推定ステップとを含む
    ことを特徴とする電池状態推定方法。
  18. 前記検出ステップは、
    前記電池内に前記振動波として超音波を送信するステップと、
    前記電池内を伝播した前記超音波を受信するステップとを含み、
    前記測定ステップは、前記電池内の前記超音波の伝播時間を、前記電池の硬さを表す指標として測定する
    ことを特徴とする請求項17に記載の電池状態推定方法。
  19. 前記推定ステップは、
    前記電池の硬さに対応する前記伝播時間と、前記電池の状態を表す前記電池の劣化状態との関係を示す第1マップを参照し、前記測定ステップにより測定された前記伝播時間から前記劣化状態を推定する
    ことを特徴とする請求項18に記載の電池状態推定方法。
  20. 前記測定ステップは、
    前記振動波の振動周波数を、前記電池の硬さを表す指標として測定する
    ことを特徴とする請求項17〜19のいずれか一項に記載の電池状態推定装置。
  21. 前記推定ステップは、
    前記電池の硬さに対応する前記振動周波数の特性と、前記電池の状態を表す前記電池の劣化状態との関係を示す第2マップを参照し、前記測定手段により測定された前記振動周波数から前記劣化状態を推定する
    ことを特徴とする請求項20に記載の電池状態推定方法。
  22. 前記検出ステップは、前記電池の電圧または電流を検出するステップを含み、
    前記測定ステップは、前記検出ステップで検出された前記電流値又は前記電圧値から、前記振動周波数に対する前記電池の特性を示す第1電池特性を測定し、
    前記推定ステップは、
    前記振動周波数に対する正常時の前記電池の特性である第2電池特性と、前記第1電池特性とを比較し、その比較結果から、前記電池の状態を推定する
    ことを特徴とする請求項20又は21に記載の電池状態推定方法。
  23. 前記推定ステップは
    前記第1電池特性が、前記第2電池特性を含む所定の許容範囲より外側の特性を示す場合には、前記電池の電気機能が停止していると推定する
    ことを特徴とする請求項22に記載の電池状態推定方法。
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