JP2014047371A - Ni基合金と、それを用いたガスタービン動翼兼ガスタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、GTD−111をベースに、溶接性と耐食性を保ちつつ、高温強度の向上を図ったNi基合金と、それを用いたガスタービン動翼を提供することにある。
【解決手段】質量%で、Al:2.5〜3.5%、Co:1.5〜5.5%、Cr:11.8〜13.8、Mo:0.4〜1.4%、Ta:3.0〜5.0%、Ti:5.1〜6.1%、W:3.3〜4.3%、B:0.01〜0.02%、C:0.08〜0.12%、残部がNi及び不可避不純物を含み、Nbを実質的に含まないことを特徴とするNi基合金。
【選択図】 図8

Description

本発明は、Ni基合金と、それを用いたガスタービン動翼に係り、特に、溶接性と耐食性を保ちつつ、高温強度の向上を図ったNi基合金と、それを用いたガスタービン動翼に関する。
ガスタービンの高効率化に伴い、さらに厳しい運転条件に耐えることができる材料に対する要求が高まってきている。特に、溶接性および耐食性を確保しつつ高温強度の向上や有害相析出の抑制が重要課題となっており、これらを併せ持つタービン材料が求められている。
GTD−111(特許文献1)という一般に知られているニッケル基合金がある。GTD−111の鋳造材は、Cr14質量%、Co10質量%、Mo1.5質量%、W3.8質量%、Ta3質量%、Al3質量%、C0.10質量%、Ti5質量%、B0.02質量%、Zr0.04質量%、残部がNiの公称組成を有する。この合金は溶接性と耐食性には優れているが、高温域での強度が低く、高効率ガスタービンに適用することが困難である。
特許文献2は、RM02Bとして知られているニッケル基超合金を開示しており、質量%にして12.0〜16.0Cr、4.0〜9.0Co、3.4〜4.6Al、0.5〜1.6Nb、0.05〜0.16C、0.005〜0.025B、及びTi、Ta、Mo、Wを含む。
この合金は高温クリープ強度と耐食性及び体酸化性がバランスよく備わっている。しかし、析出強化元素や固溶強化元素の添加により高強度化した反面、γ’相の固溶温度が高くなり溶接性が十分でない可能性がある。
US6416596 特開2004−197131号公報
本発明の目的は、GTD−111をベースに、溶接性と耐食性を保ちつつ、高温強度の向上を図ったNi基合金と、それを用いたガスタービン動翼を提供することにある。
質量%で、Al:2.5〜3.5%、Co:1.5〜5.5%、Cr:11.8〜13.8、Mo:0.4〜1.4%、Ta:3.0〜5.0%、Ti:5.1〜6.1%、W:3.3〜4.3%、B:0.01〜0.02%、C:0.08〜0.12%、残部がNi及び不可避不純物を含むことを特徴とするNi基合金。
本発明によれば、溶接性と耐食性を保ちつつ、高温強度の向上を図ったNi基合金と、それを用いたガスタービン動翼を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、質量%で、以下(Al:2.5〜3.5%、Co:1.5〜5.5%、Cr:11.8〜13.8、Mo:0.4〜1.4%、Ta:3.0〜5.0%、Ti:5.1〜6.1%、W:3.3〜4.3%、B:0.01〜0.02%、C:0.08〜0.12%)のNi基合金であり、有害相の析出を抑制し、溶接性と耐酸化性を保ったまま高温強度の向上を図っている。
上記成分以外に、実質的には添加量は0であるが、合金製造時に混入する不可避の不純物として、以下の元素(Nb:0〜0.2%以下、Hf:0〜2.0%以下、Re:0〜0.5%以下、Zr:0〜0.05%以下、O:0〜0.005%以下、N:0〜0.005%以下、Si:0〜0.01%以下、Mn:0〜0.02%以下、P:0〜0.01%以下、S:0〜0.01%以下)の混入をこの範囲で認める。
本発明のNi基合金は、γ’相析出強化型の合金であり、母相であるγ相に、金属間化合物のNi3Alを代表とするγ’相を微細かつ無数に分散析出させている。γ’相には合金組成によってTiやTaも固溶し、Ni3TiやNi3Taを形成する。
各元素について以下に述べる。組成範囲は全て質量%とする。
Al:2.5〜3.5%
Alは高強度化に寄与するγ’相に多く含まれ、金属間化合物であるNi3Alを構成する。この効果を十分に得ようとするには、2.5%以上の含有量が必要である。しかし、3.5%を超えると強度を低下させるσ相やα―Crなどの有害相が析出してしまい、耐食性も低下する。このことから、Alの成分範囲は2.5〜3.5%とする。γ’の析出量や有害相の固溶温度のバランス、他の元素との成分比を考慮すると、好ましくは2.7〜3.3%の範囲である。
Co:1.5〜5.5%
Coはγ相を固溶強化し、高温での耐食性を向上させる効果を持つ。これらの効果は、含有量が1.5%以上の添加が必要であるが、本発明の合金においては、Co量の増加に伴いγ’相の固溶温度が上昇するため、添加しすぎると溶接性が低下してしまう。そのため、上限は5.5%とし、好ましくは3.0〜4.0%の成分範囲である。
Cr:11.8〜13.8
Crはγ相に固溶して、高温における耐食性を向上させる効果がある。含有量が11.8%以上で十分な効果を発揮するが、γ相へのCrの固溶量には上限があり、それを超えると、余剰分のCrがα―Crなどの有害相として安定化してしまう可能性がある。この有害相は高温強度を低下させてしまうため、γ相の相分率とのバランスを考慮して、Crの含有量は11.8〜13.8%とする。好ましい範囲は、12.3〜13.3%である。
Mo:0.4〜1.4%
Moはγ相とγ’そうの両方に固溶し、高温強度に寄与する元素である。この効果が得られるのは、含有率が0.4%以上のときであるが、添加しすぎると耐酸化性や耐食性が著しく低下してしまうため、上限は1.4%とする。これらの特性のバランスを考慮した場合、好ましい範囲は0.6〜1.2%の範囲である。
Ti:5.1〜6.1%
Tiはγ’相にNi3(Al、Ti)の形で固溶し、固溶強化する。また、高温における耐食性改善の効果もあることから、5.1%以上の添加とする。しかし、過剰な添加は耐酸化性の低下を招くため、Ti量は6.1%を上限とする。高温強度と耐食性、耐酸化性のバランスをとって、好ましい範囲は5.3〜5.9%の範囲である。
Ta:3.0〜5.0%
Taは析出強化相であるγ’相にNi3(Al、Ti、Ta)の形で固溶し、高温強度に寄与する。この効果が十分に得られるのは3.0〜5.0%の成分範囲である。しかし、γ’相の形成に大きく寄与するAl、Ti、Taの総量が増加しすぎると、γ’相と有害相の固溶温度が著しく上昇してしまう。これらは溶接性や高温強度を低下させるため、他の合金元素のバランスを考慮して、Taの含有量は3.5〜4.5%とするのが好ましい。
W:3.3〜4.3%
Wは母相であるγ相と析出相であるγ’相に固溶し、固溶強化によりクリープ強度を高める。このような効果が十分に発揮されるには、3.3%以上の含有量が必要であるが、Wは比重が大きいので合金の質量が増大する。また、添加しすぎると高温における耐食性の低下や、有害相であるα―Wの析出による強度と靭性の低下を招くため、上限は4.3%とする。高温強度、耐食性及び組織安定性を考慮すると、好ましい範囲は3.6〜4.0%の範囲である。
B:0.01〜0.02%
Bは結晶粒界に偏析して粒界強度を向上させるとともに、一部は(Cr、Ni、Ti、Mo)32等のホウ化物を形成し、合金の粒界に析出する。粒界強化の効果が得られるには0.01%以上の添加が必要であるが、生成するホウ化物は融点が合金の融点よりも低く、合金の融点温度を低下させ、溶体化処理温度範囲を狭くする。そのため、上限は0.02%とし、強度と溶体化熱処理性のバランスを考慮すると、好ましい範囲は0.012〜0.018%の範囲である。
C:0.08〜0.12%
Cは結晶粒界に偏析して粒界強度を向上させ、一部はTiC、TaC等の炭化物を形成して塊状に析出する。結晶粒界に偏析して粒界強度を上げるには、0.08以上の添加が必要である。しかし、0.12%を超えて添加すると過剰の炭化物が形成され、高温強度や延性が低下し、耐食性も低下する。また、凝固時における炭化物の晶出温度が高くなることから、デンドライト間に炭化物がピニングされ、鋳造欠陥であるポロシティの生成を招きうる。好ましくは成分範囲を0.09〜0.11%の範囲とするのが好ましい。
以下の成分元素は不可避の不純物である。
Nb:0〜0.2%以下
NbはTiと同様にγ’相にNi3Nbの形で固溶し、固溶強化する。しかし、本発明合金のようにTi量の多い合金では、少量の添加でもσ相など有害相の固溶温度が著しく上昇し、脆化相であるη相も析出することから、添加せず実質的には0%とする。混入する場合には0.2%以下に抑える。
Hf:0〜2.0%以下
Hfは強度の向上にはほとんど寄与しないが、合金表面に形成されるCr2O3やAl2O3などの保護皮膜の密着性を向上させることで、高温での耐食性、体酸化性を向上させ、Hf添加量が多くなると保護皮膜の密着性は向上する。しかし、Ti量が多い本発明においては、Hfの添加量が2、0%を超えると多量のNi3(Hf、Ti)の共晶を作り、Ni基合金の融点を著しく下げてしまい、溶体化熱処理を困難にするため、その上限を2.0%にする必要がある。好ましくは0.1%以下とし、実質的に添加しないことである。
Re:0〜0.5%以下
Reは必要に応じてWの一部と代替えすることが可能であり、γ相に固溶し、固溶強化するとともに、耐食性を改善するのに有効な元素である。しかし、Reは高価であり、比重が大きく合金の比重を増大させる。そのため、その上限を0.5%とする必要があり、好ましくは0.1%以下である。
Zr:0〜0.05%以下
Zrは結晶粒界に偏析し、粒界強度を高める効果があるが、ほとんどは合金の主成分であるニッケルと金属間化合物Ni3Zrを形成する。この化合物は合金の延性を低下させ、また著しく低融点であるため、合金の溶体化処理を困難にするなど、有害な作用が多い。
そのため、上限を0.05%とし、好ましくは0.01%以下として実質的に添加しないことである。
O:0〜0.005%以下、N:0〜0.005%以下
OとNは不純物であり、いずれも合金原料から混入することが多く、Oはるつぼからも入り、合金中には酸化物Al23や窒化物TiN、AlNとして塊状に存在する。鋳物中にこれらが存在すると、クリープ変形中のクラックの起点となり、クリープは断寿命を低下させたり、疲労亀裂発生の起点となって疲労寿命を低下させたりする。これら元素の含有量は少ないほど良いが、実際のインゴットを作る場合に0には出来ないことから、特性を大きく劣化させない範囲として、両元素の上限をいずれも0、005%とした。
Si:0〜0.01%以下
Siは合金原料から持ち込まれる。本発明においては、特に有効な元素ではないので、含有しないことが望ましく、混入する場合は0.01%以下に抑える。
Mn:0〜0.02%以下
Mnも合金原料から持ち込まれる。Siと同様に、本発明においては特に有効な元素ではないので含有しないことが望ましく、混入する場合は0.02%以下に抑える。
P:0〜0.01%以下
Pは不純物である。出来るだけ少ない方がよく、0.01%以下に抑える必要がある。
S:0〜0.01%以下
Sも不純物である。Pと同様に出来るだけ少ない方がよく、0.01%以下に抑える必要がある。
以上の構成元素(Al、Co、Cr、Mo、Ti、Ta、W、B、C)を含むNi基合金により鋳造されるガスタービン動翼を図1に示す。図1左が第一段動翼、右が第二段動翼の斜視図である。最も高温に加熱される第一段動翼は、一方向凝固合金や単結晶合金により形成され、第二第三となるに連れ加熱温度が低下し、普通鋳造合金により形成されるようになる。翼部の長さは低温側になる程長い。図7はNi基合金により鋳造された第一段動翼から第四段動翼までが組み込まれたガスタービンを示している。
以下の実験データは、Ni基合金のデータベースから熱平衡状態の計算シミュレーションを行った結果に基づくものである。
表1には、本発明合金(A1〜A28)と、比較としての既存合金(GTD−111:B1〜B5、RM02B:C1〜C5)の化学組成を示した。数値単位は全て質量%である。
表2、図3、図4、図5、図6、図7及び図8には、表1の組成における熱平衡状態の計算結果の数値とグラフを示した。表2は結果の一覧である。高温強度の評価はγ’相の相分率を指標とした。図3と図4はそれぞれ800℃と1000℃におけるγ’相の析出量を表している。図5はγ’相の固溶温度を表している。図6はσ相やα―Cr、α―Wなど有害相の固溶温度を表している。図7は800℃におけるγ相中のCr量を表している。図8はγ’相の固溶温度と800℃におけるγ’相の析出量の関係を表している。
表2に示す結果より、既存合金であるGTD−111(B〜B)に比べ、本発明合金(A〜A)のγ’相の析出量は800℃と1000℃の両温度において増大している。Ni基合金においてγ’相の析出量は析出強化に寄与するため、本発明合金では析出強化による強度が大幅に向上している。これはTaとTiの添加量を増加させたことによるものである。γ’相の固溶温度は同等か多少低く、γ相中のCr量はほぼ同等である。γ’相の固溶温度は低いほど溶接が容易になり、溶接後の溶体化処理温度も低く設定できるため、再結晶や割れの抑制になる。Tiの大幅な添加でγ’相が増大するに伴いその固溶温度も上昇するが、本発明合金では、Coの添加量を減少させることで、固溶温度の上昇を抑制し、溶接性を確保している。一方、γ相中のCr量は耐食性に寄与しており、その効果はCrの含有率で決まる。本発明合金においては、全体でのCrは減らしているが、γ’相の増加分γ相も減少したため、γ相中のCr含有量はGTD−111とほぼ同等の値をとり、耐食性を保持している。また、高温で析出する主な有害相は、GTD−111ではσ相、本発明合金ではα―Crと種類は異なるが、それらの固溶温度は僅かに低下しており、有害相の析出を抑制している。
もう一つの既存合金であるRM02B(C〜C)と比較すると、1000℃におけるγ’相の析出量はほぼ同等であるが、800℃においては僅かに増加している。本発明合金のほうがAl量は少ないが、TaとTiを大幅に増加させγ’相に固溶させることで高温強度を上げている。γ相中のCr量はほぼ同等であるが、γ’相の固溶温度は明らかにRM02Bが高い。これらはGTD−111との比較と同じ原理であり、本発明合金ではCoを減らすことでγ’相の固溶温度の低下を図った。RM02Bの有害相は主にσ相とα―Wの2種類あり固溶温度はα―Wのほうが高い。析出する有害相の種類や温度は合金組成に大きく依存するため、本発明合金ではCr量とW量の調整により固溶温度を約50℃低下させた。
一般的にNi基合金において高温強度を向上させるためにはAl、Ti、Ta、Nb等を添加してγ’相の析出量を増加させることが有効である。しかし、これらの元素の添加はγ’相の固溶温度を上げてしまい、溶接性は低下する。そのため、従来合金は図8のように、強度を抑えて優れた溶接性を得る、若しくは強度は高いが溶接性は少し低いという特徴がある。
本発明合金はGTD−111と同等の溶接性、耐食性を備えつつ、高温強度が向上している。RM02Bと比較すると、高温におけるγ’相の析出量は同等以上、耐食性はほぼ同等であり、溶接性は改善されている。また、有害相の固溶温度は大幅に低下し、有害相の析出を抑制している。
ガスタービン動翼の斜視図。 ガスタービンの外観を示した側面図。 γ’相の析出量(800℃)を示した図。 γ’相の析出量(1000℃)を示した図。 γ’相の固溶温度を示した図。 有害相の固溶温度を示した図。 γ相中のCr量を示した図。 γ’相の固溶温度と800℃におけるγ’相の析出量の関係を示した図。
1…シュラウドカバー部、2…翼部、3…プラットホーム部、4…シャンク部、5…ダブテイル部。
11…第一段動翼、12…第二段動翼、13…第三段動翼、14…第四段動翼。

Claims (8)

  1. 質量%で、Al:2.5〜3.5%、Co:1.5〜5.5%、Cr:11.8〜13.8、Mo:0.4〜1.4%、Ta:3.0〜5.0%、Ti:5.1〜6.1%、W:3.3〜4.3%、B:0.01〜0.02%、C:0.08〜0.12%、残部がNi及び不可避不純物を含むことを特徴とするNi基合金。
  2. 請求項1において、不可避の不純物が、質量%で、Nb:0〜0.2%以下、Hf:0〜2.0%以下、Re:0〜0.5%以下、Zr:0〜0.05%以下、O:0〜0.005%以下、N:0〜0.005%以下、Si:0〜0.01%以下、Mn:0〜0.02%以下、P:0〜0.01%以下、S:0〜0.01%以下であることを特徴とするNi基合金。
  3. 請求項1において、Nbを実質的に含まないことを特徴とするNi基合金。
  4. 請求項1において、前記Ni基合金が、母相であるγ相に、金属間化合物のNi3Alを代表とするγ’相を、析出させていることを特徴とする析出強化型のNi基合金。
  5. 請求項1に記載されたNi基合金であって、質量%で、Al:2.7〜3.3%、Co:3.0〜4.0%、Cr:12.3〜13.3、Mo:0.6〜1.2%、Ta:3.5〜4.5%、Ti:5.3〜5.9%、W:3.6〜4.0%、B:0.012〜0.018%、C:0.09〜0.11%であることを特徴とする析出強化型のNi基合金。
  6. 請求項1に記載のNi基合金を用いたことを特徴とする鋳造品。
  7. 請求項6に記載の鋳造品を用いたことを特徴とするガスタービン動翼。
  8. 請求項7に記載のガスタービン動翼を用いたことを特徴とするガスタービン。
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