JP2014046359A - レーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】集光器を傾斜させることなく斜めにレーザー加工溝を形成することができるレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線発振手段と、集光器と、パルスレーザー光線発振手段と集光器との間に配設された1/2波長板と、通過するパルスレーザー光線の偏光ベクトルを調整する偏光ベクトル調整手段と、制御手段を具備し、制御手段は、パルスレーザー光線の照射によって被加工物Wの上面に形成されるキーホールKHの内側に次のパルスレーザー光線のスポットの中心が位置付けられるように加工送り手段による加工送り速度を制御し、キーホールの加工方向前側の壁面におけるキーホールの中心から一方の側には照射されるパルスレーザー光線のP偏光が位置付けられ他方の側には照射されるパルスレーザー光線のS偏光が位置付けられる偏光ベクトルLBBとなるように該偏光ベクトル調整手段を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物に対して吸収性を有するレーザー光線を照射し、被加工物にレーザー加工溝を形成するレーザー加工装置に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハをストリートに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々の半導体デバイスを製造している。また、サファイア基板の表面にフォトダイオード等の受光素子やレーザーダイオード等の発光素子等が積層された光デバイスウエーハもストリートに沿って切断することにより個々のフォトダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
半導体デバイスや光デバイス等のチップは、一般に直方体に加工されるが、デバイスの特性を向上させるため、またチップの表裏を揃えるために平行四辺形または台形に形成する場合がある。
ウエーハを平行四辺形または台形のデバイスに形成する方法として、レーザー光線をウエーハのレーザー光線照射面に垂直な方向に対して加工送り方向と直交する方向に所定角度をもって照射するようにした技術が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開2005−101416号公報
而して、レーザー光線をウエーハのレーザー光線照射面に垂直な方向に対して加工送り方向と直交する方向に所定角度をもって照射させるためには、レーザー光線発振手段から発振されたレーザー光線を集光してチャックテーブルに保持されたウエーハに照射する集光器を傾斜させる機構が必要となり光学系が複雑になるとともに、集光点の位置がウエーハの高さバラツキに応じてジグザグになるという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、集光器を傾斜させることなく斜めにレーザー加工溝を形成することができるレーザー加工装置を提供することである。
上記主たる技術的課題を解決するために、本発明によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向に加工送りする加工送り手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向と直交する割り出し送り方向に割り出し送りする割り出し送り手段と、を具備するレーザー加工装置において、
該レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線を発振するパルスレーザー光線発振手段と、該パルスレーザー光線発振手段が発振するパルスレーザー光線を集光して該チャックテーブルに保持された被加工物に照射する集光器と、該パルスレーザー光線発振手段と該集光器との間に配設されパルスレーザー光線の偏光ベクトルを変更する1/2波長板と、該1/2波長板を作動し通過するパルスレーザー光線の偏光ベクトルを調整する偏光ベクトル調整手段と、該パルスレーザー光線発振手段と該加工送り手段と該割り出し送り手段と該偏光ベクトル調整手段を制御する制御手段とを具備し、
該制御手段は、パルスレーザー光線の照射によって被加工物の上面に形成されるキーホールの内側に次のパルスレーザー光線のスポットの中心が位置付けられるように該加工送り手段による加工送り速度を制御し、キーホールの加工方向前側の壁面におけるキーホールの中心から一方の側には照射されるパルスレーザー光線のP偏光が位置付けられ他方の側には照射されるパルスレーザー光線のS偏光が位置付けられる偏光ベクトルとなるように該偏光ベクトル調整手段を制御する、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
本発明のレーザー加工装置においては、パルスレーザー光線の照射によって被加工物の上面に形成されるキーホールの内側に次のパルスレーザー光線のスポットの中心が位置付けられるように加工送り手段による加工送り速度を制御し、キーホールの加工方向前側の壁面におけるキーホールの中心から一方の側には照射されるパルスレーザー光線のP偏光が位置付けられ他方の側には照射されるパルスレーザー光線のS偏光が位置付けられる偏光ベクトルとなるように偏光ベクトル調整手段を制御するので、被加工物には上面から下面に向けて傾斜するキーホールが連続するレーザー加工溝を形成することができる。従って、傾斜するレーザー加工溝を形成するために集光器を斜めに傾ける機構が不要となり、光学系が複雑になるとともに集光点の位置がウエーハの高さバラツキに応じてジグザグになるという問題を解消することができる。
本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。 図1に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段のブロック構成図。 図1に示すレーザー加工装置に装備される制御手段のブロック構成図。 図2に示すレーザー光線照射手段によってレーザー光線が被加工物に照射された際に被加工物に生成される集光スポットと溶融部とキーホールとの関係を示す説明図。 被加工物に形成されたキーホールとパルスレーザー光線の偏光ベクトルとの関係を示す説明図。 被加工物としての光デバイスウエーハの斜視図。 図6に示す光デバイスウエーハの裏面を環状のフレームに装着されたダイシングテープに貼着するウエーハ支持工程を示す説明図。 図1に示すレーザー加工装置によって実施する第1のレーザー加工溝形成工程の説明図。 図1に示すレーザー加工装置によって実施する第2のレーザー加工溝形成工程の説明図。 図8に示す第1のレーザー加工溝形成工程および図9に示す第2のレーザー加工溝形成工程を実施することによって分割される光デバイスの斜視図。 図8に示す第1のレーザー加工溝形成工程または図9に示す第2のレーザー加工溝形成工程を実施することによって分割される光デバイスの斜視図。
以下、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、静止基台2に上記矢印Xで示す方向と直角な矢印Yで示す割り出し方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット支持機構4と、該レーザー光線照射ユニット支持機構4に矢印Zで示す焦点位置調整方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット5とを具備している。
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上に矢印Xで示す方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上に矢印Xで示す方向に移動可能に配設された第一の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持された支持テーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成され被加工物保持面361を備えており、チャックテーブル36上に被加工物としてのウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。また、チャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面に矢印Yで示す方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第一の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられる。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、矢印Yで示す方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿って矢印Yで示す方向に移動させるための第1の割り出し送り手段38を具備している。第1の割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
上記レーザー光線照射ユニット支持機構4は、静止基台2上に矢印Yで示す方向に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、該案内レール41、41上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台42を具備している。この可動支持基台42は、案内レール41、41上に移動可能に配設された移動支持部421と、該移動支持部421に取り付けられた装着部422とからなっている。装着部422は、一側面に矢印Zで示す方向に延びる一対の案内レール423、423が平行に設けられている。図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット支持機構4は、可動支持基台42を一対の案内レール41、41に沿って矢印Yで示す方向に移動させるための第2の割り出し送り手段43を具備している。第2の割り出し送り手段43は、上記一対の案内レール41、41の間に平行に配設された雄ネジロッド431と、該雄ネジロッド431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド431は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ432の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド431は、可動支持基台42を構成する移動支持部421の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ432によって雄ネジロッド431を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台42は案内レール41、41に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられたレーザー光線照射手段6を具備している。ユニットホルダ51は、上記装着部422に設けられた一対の案内レール423、423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール423、423に嵌合することにより、矢印Zで示す方向に移動可能に支持される。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51を一対の案内レール423、423に沿って矢印Zで示す方向に移動させるための集光点位置調整手段53を具備している。集光点位置調整手段53は、一対の案内レール423、423の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでおり、パルスモータ532によって図示しない雄ネジロッドを正転または逆転駆動することにより、ユニットホルダ51およびレーザー光線照射手段6を一対の案内レール423、423に沿って矢印Zで示す方向に移動せしめる。なお、図示の実施形態においては、パルスモータ532を正転駆動することによりレーザー光線照射手段6を上方に移動し、パルスモータ532を逆転駆動することによりレーザー光線照射手段6を下方に移動するようになっている。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射手段6は、上記ユニットホルダ51に固定され実質上水平に延出する円筒形状のケーシング61を含んでいる。このレーザー光線照射手段6について、図2を参照して説明する。
図2に示すレーザー光線照射手段6は、ケーシング61内に配設されたパルスレーザー光線発振手段62と、このパルスレーザー光線発振手段62が発振するパルスレーザー光線を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射せしめる集光器63とを含んでいる。パルスレーザー光線発振手段62は、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器621と、これに付設された繰り返し周波数設定手段622とから構成されている。パルスレーザー光線発振器621は、被加工物に対して吸収性を有する波長(例えば355nm)のパルスレーザー光線LBを発振する。
レーザー光線照射手段6を構成する集光器63は、パルスレーザー光線発振手段62から発振されたパルスレーザー光線を図2において下方即ちチャックテーブル36に向けて方向変換する方向変換ミラー631と、該方向変換ミラー631によって方向変換されるパルスレーザー光線を集光してチャックテーブル36に保持された被加工物Wに照射せしめる対物集光レンズ632とからなっている。
図2を参照して説明を続けると、図示の実施形態におけるレーザー光線照射手段6は、上記パルスレーザー光線発振手段62と集光器63との間に配設されパルスレーザー光線の偏光ベクトルを変更する1/2波長板64と、該1/2波長板64を通過するパルスレーザー光線LBの偏光ベクトルを調整する偏光ベクトル調整手段65を具備している。1/2波長板64は、偏光面を回動することによりパルスレーザー光線LBの偏光ベクトルを変更することができる。なお、1/2波長板64は、図示の実施形態においては外周に歯車が形成された回転枠640に装着されている。上記偏光ベクトル調整手段65は、図示の実施形態においてはパルスモータ651と該パルスモータ651の駆動軸に装着され上記回転枠640の外周に形成された歯車と噛み合う駆動歯車652とからなっており、パルスモータ651を作動することにより1/2波長板64を光軸を中心として回動するようになっている。
図1に戻って説明を続けると、上記レーザー光線照射手段6を構成するケーシング61の前端部には、上記レーザー光線照射手段6によってレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段7が配設されている。この撮像手段7は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、図3に示す制御手段8を具備している。制御手段8はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)81と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)82と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)83と、入力インターフェース84および出力インターフェース85とを備えている。制御手段8の入力インターフェース84には、撮像手段7や入力手段80等からの検出信号が入力される。そして、制御手段8の出力インターフェース85からは、上記パルスモータ372、パルスモータ382、パルスモータ432、パルスモータ532、パルスレーザー光線発振手段62、偏光ベクトル調整手段65等に制御信号を出力する。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
図4に示すように被加工物Wにパルスレーザー光線を例えば直径が2μmの集光スポットCSで照射すると、集光スポットCSの周囲に直径が8μm程度の溶融部Rが生成されるとともに、集光スポットCSの中心部に1.0μm程度のキーホールKHが形成される。
図5には、被加工物Wに形成されたキーホールKHとパルスレーザー光線の偏光ベクトルとの関係が示されている。図5の(a)に示すようにキーホールKHに対してパルスレーザー光線の偏光ベクトルLBBが設定されている場合には、偏光ベクトルLBBがキーホールKHの加工方向前側の壁面KHWと交わる点Aにおいてはパルスレーザー光線はP偏光となり、キーホールKHの加工方向中心CLに対して点Aと線対称な点Bにおいてはパルスレーザー光線はS偏光となる。従って、次に照射されるパルスレーザー光線のパルスがキーホールKHの加工方向前側の壁面KHWの内側に照射されると、点Aにおいてはパルスレーザー光線はP偏光となるため大部分が溶融部Rに吸収され残りが反射する。一方、点Bにおいてはパルスレーザー光線はS偏光となるため大部分が反射し残りが溶融部Rに吸収される。このため、図5の(b)に示すようS偏光は被加工物Wの溶融部Rを上面から下面に向けてP偏光となって吸収される側に進行し、図示の実施形態においては左下に向けて傾斜するキーホールKHを形成する。従って、パルスレーザー光線を連続して照射するとともに被加工物Wを加工送り方向に移動することによりキーホールKHが連続するレーザー加工溝が形成されるとともにレーザー加工溝の両側に溶融部Rが形成される。なお、上記P偏光とS偏光の吸収率と反射率は、点Aと点Bにおけるレーザー光線の入射角によって異なる。従って、パルスレーザー光線の偏光ベクトルを適宜選択することによって点BにおけるS偏光の反射率を高い値に設定することができる。このパルスレーザー光線の偏光ベクトルは、上記1/2波長板64の回動位置によって調整でき、1/2波長板64の回動位置は被加工物の材料に対応して実験によって求められる。
次に、ウエーハとしての光デバイスウエーハに分割予定ラインに沿って傾斜したレーザー加工溝を形成する方法について説明する。
図6には、上記レーザー加工装置によって加工されるウエーハとしての光デバイスウエーハの斜視図が示されている。図6に示す光デバイスウエーハ10は、サファイアウエーハからなり、表面10aに格子状に配列された複数の分割予定ライン101によって複数の領域が区画され、この区画された領域に発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイス102が形成されている。このように形成された光デバイスウエーハ10は、図7に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に裏面10bを貼着する(ウエーハ支持工程)。
上述したウエーハ支持工程を実施したならば、図1に示すレーザー加工装置のチャックテーブル36上に光デバイスウエーハ10のダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、ダイシングテープTを介して光デバイスウエーハ10をチャックテーブル36上に吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル36に保持された光デバイスウエーハ10は、表面10aが上側となる。なお、ダイシングテープTが装着されている環状のフレームFは、チャックテーブル36に配設されたクランプ362によって固定される。
上述したように光デバイスウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル36は、加工送り手段37を作動することによって撮像手段7の直下に位置付けられる。チャックテーブル36が撮像手段7の直下に位置付けられると、撮像手段7および図示しない制御手段によって光デバイスウエーハ10のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段7および図示しない制御手段は、光デバイスウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン101と、分割予定ライン101に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段6の集光器63との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、光デバイスウエーハ10に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びる分割予定ライン101に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル36上に保持された光デバイスウエーハ10に形成されている分割予定ライン101を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、図8の(a)で示すようにチャックテーブル36をレーザー光線照射手段6の集光器63が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン101を集光器63の直下に位置付ける。なお、制御手段8は、1/2波長板64の回動位置を調整する偏光ベクトル調整手段65を作動して集光器63から照射されるパルスレーザー光線の偏光ベクトルLBBが例えば図5の(a)に示す方向となるように調整する。そして、集光器63から照射されるパルスレーザー光線の集光スポットCSを光デバイスウエーハ10の表面10aに位置付ける。
次に、レーザー光線照射手段6を作動して集光器63からパルスレーザー光線を照射するとともに、加工送り手段37を作動してチャックテーブル36を、図8の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる(第1のレーザー加工溝形成工程)。なお、チャックテーブル36を矢印X1で示す方向に移動する加工送り速度は、パルスレーザー光線の繰り返し周波数との関連で上述したキーホールの内側に次のパルスレーザー光線のスポットの中心が位置付けられるように設定される。そして、図8の(b)で示すように集光器63の照射位置が分割予定ライン101の他端(図8の(b)において右端)に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともに、チャックテーブル36の移動を停止する。この結果、光デバイスウエーハ10には、図8の(c)に示すように表面10a(上面)から左下に向けて傾斜するキーホールKHが連続する第1のレーザー加工溝111が形成されるとともに第1のレーザー加工溝111の両側に溶融部Rが形成される。
次に、第1の割り出し送り手段38を作動してチャックテーブル36を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)に分割予定ライン101の間隔に相当する距離だけ移動する。そして、レーザー光線照射手段6を作動して集光器63からパルスレーザー光線を照射するとともに、加工送り手段37を作動してチャックテーブル36を、図9の(a)において矢印X2で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる(第2のレーザー加工溝形成工程)。チャックテーブル36を矢印X2で示す方向に移動する加工送り速度も、上記チャックテーブル36を矢印X1で示す方向に移動する加工送り速度と同様にパルスレーザー光線の繰り返し周波数との関連で上述したキーホールの内側に次のパルスレーザー光線のスポットの中心が位置付けられるように設定される。そして、図9の(b)で示すように集光器63の照射位置が分割予定ライン101の他端(図9の(b)において左端)に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともに、チャックテーブル36の移動を停止する。この結果、光デバイスウエーハ10には、図9の(c)に示すように表面10a(上面)から右下に向けて傾斜するキーホールKHが連続する第2のレーザー加工溝112が形成されるとともに第2のレーザー加工溝112の両側に溶融部Rが形成される。
なお、上記第1のレーザー加工溝形成工程および第2のレーザー加工溝形成工程の加工条件は、例えば次のように設定されている。
波長 :355nm
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :1.5W
集光スポット径 :φ2μm
加工送り速度 :100mm/秒
上述した第1のレーザー加工溝形成工程および第2のレーザー加工溝形成工程を光デバイスウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン101に沿って実施することにより、第1のレーザー加工溝111と第2のレーザー加工溝112が交互に形成される。この第1のレーザー加工溝111および第2のレーザー加工溝112が形成された分割予定ライン101に沿って光デバイスウエーハ10を破断することにより、図10に示すように台形の光デバイス102が得られる。
また、上述した第1のレーザー加工溝形成工程または第2のレーザー加工溝形成工程を光デバイスウエーハ10に形成された全ての分割予定ライン101に沿って実施することにより、光デバイスウエーハ10には全ての分割予定ライン101に沿って第1のレーザー加工溝111または第2のレーザー加工溝112が形成される。この第1のレーザー加工溝111または第2のレーザー加工溝112が形成された分割予定ライン101に沿って光デバイスウエーハ10を破断することにより、図11に示すように平行四辺形の光デバイス102が得られる。
以上のように、図示の実施形態におけるレーザー光線照射手段6を備えたレーザー加工装置においては、1/2波長板64の回動位置を調整する偏光ベクトル調整手段65を作動して集光器63から照射されるパルスレーザー光線の偏光ベクトルLBBが所定の方向となるように調整することにより、光デバイスウエーハ10には表面10a(上面)から裏面(下面)に向けて傾斜するキーホールKHが連続するレーザー加工溝を形成することができるので、集光器を斜めに傾ける機構が不要となり、光学系が複雑になるとともに集光点の位置がウエーハの高さバラツキに応じてジグザグになるという問題を解消することができる。
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
38:第1の割り出し送り手段
4:レーザー光線照射ユニット支持機構
42:可動支持基台
43:第2の割り出し送り手段
5:レーザー光線照射ユニット
53:集光点位置調整手段
6:レーザー光線照射手段
62:パルスレーザー光線発振手段
63:集光器
64:1/2波長板
65:偏光ベクトル調整手段
7:撮像手段
8:制御手段
10:光デバイスウエーハ

Claims (1)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向に加工送りする加工送り手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送り方向と直交する割り出し送り方向に割り出し送りする割り出し送り手段と、を具備するレーザー加工装置において、
    該レーザー光線照射手段は、パルスレーザー光線を発振するパルスレーザー光線発振手段と、該パルスレーザー光線発振手段が発振するパルスレーザー光線を集光して該チャックテーブルに保持された被加工物に照射する集光器と、該パルスレーザー光線発振手段と該集光器との間に配設されパルスレーザー光線の偏光ベクトルを変更する1/2波長板と、該1/2波長板を作動し通過するパルスレーザー光線の偏光ベクトルを調整する偏光ベクトル調整手段と、該パルスレーザー光線発振手段と該加工送り手段と該割り出し送り手段と該偏光ベクトル調整手段を制御する制御手段とを具備し、
    該制御手段は、パルスレーザー光線の照射によって被加工物の上面に形成されるキーホールの内側に次のパルスレーザー光線のスポットの中心が位置付けられるように該加工送り手段による加工送り速度を制御し、キーホールの加工方向前側の壁面におけるキーホールの中心から一方の側には照射されるパルスレーザー光線のP偏光が位置付けられ他方の側には照射されるパルスレーザー光線のS偏光が位置付けられる偏光ベクトルとなるように該偏光ベクトル調整手段を制御する、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
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