JP2014043047A - シボ付き樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】商品性を維持しつつ、樹脂成形品の艶消し性や低光沢性を高めることができるシボ付き樹脂成形品を提供する。
【解決手段】表面部2aより所定高さ高く形成された上面部2bとこの上面部2bの外周から表面部2aに亙って延びる外周傾斜部2cとからなるシボ2が表面部2aに複数形成されたインストルメントパネル1において、入射した光が前記上面部から反射するのを減衰する少なくとも1以上のピンホール4を上面部2bに設け、シボ2周囲の表面部2aに複数の山状部3を形成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、表面部より所定高さ高く形成された上面部とこの上面部の外周から表面部に亙って延びる外周傾斜部とからなる幾何学シボが表面部に複数形成されたシボ付き樹脂成形品に関する。
従来より、車両のインストルメントパネルやドアトリム等の内装部品に使用される樹脂成形品の表面に梨地模様、皮シボ模様、幾何学模様等のシボ柄を転写することによって、艶消し性や低光沢性を高め、内装部品に高級感を付与することが知られている。
通常、シボ付き樹脂成形品は、金型の成形面にシボ柄を化学腐食(エッチング)によって再現するシボ加工を施し、この金型に熱可塑性樹脂を射出することによって樹脂成形品の表面に立体状のシボ柄を転写している。
ポリオレフィン樹脂やゴム強化スチレン系樹脂は、金型の成形面にシボ加工を施しても成形面に対して転写性が乏しく、光沢を抑えた成形品表面を得ることが難しく、また、艶の状態が射出成形条件に依存するため、期待する艶を安定して得ることが難しかった。
そこで、シボの構成を変更することで、樹脂成形品の表面のシボ柄を維持しつつ、樹脂成形品の表面に生じる光沢や過度の艶を防止する技術が種々提案されている。
特許文献1の車両の内装用樹脂成形品は、表面部より所定高さ高く形成された上面部とこの上面部の外周から表面部に亙って延びる外周傾斜部とからなる幾何学シボが表面部に複数形成されたポリプロピレン製シボ付き樹脂成形品であって、外周傾斜部に表面部方向へ鉛直状に延びるピンホールを形成している。これにより、外周傾斜部に入射した光の一部がピンホールに入射し、入射光がピンホールの内壁面にて反射を繰り返すことによって減衰されるため、外周傾斜部からの光の反射を抑制でき、艶消し性や低光沢性を高めることができる。
車両の内装用樹脂成形品に多用される幾何学シボは、網目状の凹部と、この凹部内において突出した凸部とからなり、特に、幾何学シボに分類される粒シボは、前記特許文献1にも記載されているように、網目状部の幅を広げることにより円錐台状の凸部同士の離隔間隔が広くなるように構成されている。
特開2010−215065号公報
特許文献1の車両の内装用樹脂成形品では、反射光抑制機構としてのピンホールを外周傾斜部に設けているため、外周傾斜部に入射した光をピンホールを用いて減衰することができ、外周傾斜部からの光の反射を効果的に抑えることができる。
しかし、この反射光抑制機構としてのピンホールを外周傾斜部に設ける場合、ピンホールを形成するための金型のピン部の延設方向と反対方向(金型の離型方向)とシボ形状の外周傾斜部とが傾斜状に交差しているため、金型から樹脂成形品を離型するとき、不均一な剪断力がピン部周りの外周傾斜部に作用する。即ち、樹脂成形品の離型時、ピン部によって発生する剪断力により外周傾斜部の形状が部分的に崩れ、樹脂成形品表面のシボ形状にばらつきが生じる虞がある。
また、特許文献1では、ピンホールの直径が100μm以上150μm以下の範囲内に設定されているため、金型のピン部の直径も略同様の範囲内に設定されている。
それ故、前記設定範囲内のピン部を金型の成形面に立設した場合、溶融樹脂の射出圧に対してピン部の直立性を維持することが難しく、離型時の外周傾斜部の形状崩れに加えてピン部の変形に伴う外周傾斜部の形状崩れが発生する虞もある。このような樹脂成形品表面のシボ形状のばらつきは、内装部品の質感の低下や品質の不安定化を招き、結果的に、商品性の低下に繋がる虞がある。
本発明の目的は、樹脂成形品の商品性を維持しつつ、艶消し性や低光沢性を高めることができるシボ付き樹脂成形品を提供することである。
請求項1のシボ付き樹脂成形品は、表面部より所定高さ高く形成された上面部とこの上面部の外周から前記表面部に亙って延びる外周傾斜部とからなる幾何学シボが前記表面部に複数形成されたシボ付き樹脂成形品において、入射した光が前記上面部から反射するのを減衰する少なくとも1以上のピンホールを前記上面部に設け、前記シボ周囲の表面部に複数の山状部を形成したことを特長としている。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記山状部の高さ位置は前記上面部の高さよりも低く設定されていることを特長としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記ピンホールの平均直径をDa、前記ピンホールの平均深さをHaとしたとき、前記ピンホールが、Da/Ha≦8の関係式を満たすように構成されたことを特長としている。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記上面部に2以上のピンホールを設けたことを特長としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記シボ付き樹脂成形品が車両用内装部材であることを特長としている。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記シボ付き樹脂成形品の材料がスチレン系エラストマーであることを特長としている。
請求項1の発明によれば、幾何学シボの上面部に入射した光の一部がピンホールに入射し、この入射光がピンホールの内壁面にて反射を繰り返すことによって減衰すると共に、表面部に入射する光の一部が山状部に入射し、この入射光が山状部と外周傾斜部と表面部との間にて反射を繰り返すことによって減衰するため、上面部及び表面部からの光の反射を抑制でき、樹脂成形品の艶消し性や低光沢性を高めることができる。
金型から樹脂成形品を離型するとき、シボ形状の外周傾斜部に対して不均一な剪断力を作用させないため、樹脂成形品表面のシボ形状の形状崩れを防止することができる。
それ故、シボ付き樹脂成形品の商品性を維持しつつ、艶消し性や低光沢性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、光の反射効率を高くすることによって表面部に入射する光の減衰効率を高くできるため、意匠性を維持しつつ、表面部からの光の反射を抑制でき、樹脂成形品の艶消し性や低光沢性を一層高めることができる。
請求項3の発明によれば、金型の製造コストを抑えつつ、幾何学シボの上面部の反射抑制効果を高くすることができる。
請求項4の発明によれば、ピンホールを増加することによって上面部に入射する光の減衰効率を高くできるため、上面部からの光の反射を抑制でき、樹脂成形品の艶消し性や低光沢性を一層高めることができる。
請求項5の発明によれば、車両の乗員が目に付き易い車両用内装部材の艶消し性や低光沢性を高めることができる。
請求項6の発明によれば、樹脂成形品に対する幾何学シボの転写性を高くすることができる。
本発明の実施例1に係るインストルメントパネルの斜視図である。 ピンホールと山状部とを備えたシボ周辺部分の縦断面図である。 インストルメントパネルの意匠面の拡大写真である。 シボ付き樹脂成形品を形成するための金型の要部縦断面図である。 実施例2に係る図2相当図である。 実施例2に係る図3相当図である。 比較例1に係る図2相当図である。 比較例2に係る図2相当図である。 比較例3に係る図2相当図である。 艶度合とギラツキ度合(光沢度合)との測定結果を示す表である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の実施例1について図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例1では、車両の内装部材としてインストルメントパネル1を例として説明する。尚、車両用内装部材は、インストルメントパネル1に限られず、サイドドアのドアトリムやピラートリム等の各種トリム部材にも適用でき、また、他の分野において、合成樹脂製の部材であれば何れの部材にも適用可能である。
インストルメントパネル1は、MFR(流動性指数)が60(g/10分)以上270(g/10分)以下の熱可塑性樹脂を材料とした一体成型品である。本実施例1では、MFRが100(g/10分)であるスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)の1つであるSEBSを用いている。
図2,図3に示すように、インストルメントパネル1の車室側意匠面には、複数の幾何学シボ2と、複数の山状部3とが意匠面の略全面に亙って形成されている。
幾何学シボ(以下、シボと略す)2は、円錐台状の粒シボに形成され、インストルメントパネル1の基部に相当する表面部2aより所定高さ高く形成された上面部2bと、この上面部2bの外周から表面部2aに亙って拡径状に延びる外周傾斜部2c等によって構成されている。上面部2bは、表面部2aと略平行状になるように構成され、その高さTは53.8〜98.9μmの範囲内になるように形成され、平均高さTaは83.7μmである(図10参照)。
図2に示すように、シボ2の上面部2bには、中央部に単一のピンホール4がシボ2の軸心に対して略平行状に形成されている。このピンホール4は、奥側に行く程、即ち表面部2aに接近する程、小径化するようにテーパ状に構成されている。ピンホール4は、上面部2bのみに設けられ、外周傾斜部2cには形成されていない。尚、図示していないが、ピンホール4は奥側に行く程、小径化することは必須ではなく、略円柱状のピンホール形状であってもよい。
ピンホール4は、上面部2bにおける平均直径Daと、表面部2a方向の平均深さHaとが次式(1),(2)の関係式を満たすように構成されている。
310μm≦Da≦450μm …(1)
56μm≦Ha≦78μm …(2)
また、これら平均直径Daと平均深さHaとの関係が次式(3)の関係式を満たすように構成されている。
4≦Da/Ha≦8 …(3)
尚、ピンホール4(後述のピンホール4Aも同じ)の平均直径Daは、シボの上面部2bに開口した直径を複数箇所で測定した平均値である。
本実施例1では、上面部2bにおけるピンホール4の直径Dが342.4〜550.8μmの範囲内に形成され、平均直径Daが446.6μmに設定されている。ピンホール4の深さHが27.6〜84.6μmの範囲内に形成され、平均深さHaが56.1μmに設定されている。平均直径Daと平均深さHaとの関係(Da/Ha)は7.96である(図10参照)。これにより、上面部2bに入射した光の一部がピンホール4に入射し、この入射光がピンホール4の内壁面にて反射を繰り返すことによって減衰されるため、上面部2bからの光の反射が抑制される。
図2に示すように、山状部3は、シボ2周囲の表面部2aに上方へ突出するように略円錐状に形成されている。この山状部3の高さ位置は、上面部2bの高さTよりも低くなるように設定されている。本実施例1では、表面部2aにおける山状部3の直径dが98.0〜270.0μmの範囲内に形成され、その高さhが7.6〜11.7μmの範囲内に形成されている(図10参照)。これにより、表面部2aに入射する光の一部が山状部3に入射し、この入射光が山状部3と表面部2aと外周傾斜部2cとの間にて反射を繰り返すことによって減衰されるため、表面部2aからの光の反射が抑制される。尚、図示していないが、山状部3は図2,図5に示す頂上部が鋭角をなす必要はなく、円錐台状断面をなす形状であっても良い。この場合、図4に示す第2凹部5cを円錐台状の凹部にすることで得ることができる。
次に、図4に基づき、インストルメントパネル1の製造方法について簡単に説明する。
金型5の成形面によって形成されたキャビティ内へ加熱流動化されたSEBSを射出し、その後、キャビティ内に充填されたSEBSを冷却固化することで複数のシボ2を備えた樹脂成形品(インストルメントパネル1)が形成される。
図4に示すように、金型5は、下面部5aと、この下面部5aから金型4内部へ凹入した複数の第1凹部5bと、下面部5aから金型4内部へ凹入した複数の第2凹部5c等を備えている。複数の第1凹部5bは、円錐台状に構成され、それらの上面部の中央部に下方へ延びる円錐状のピン部6が夫々設けられている。複数の第2凹部5cは、第1凹部5b周囲に配設され、円錐状に形成されている。
それ故、所定温度、例えば30〜80℃に加熱された金型4のキャビティ内に加熱流動化されたSEBSが所定の射出条件にて射出され、この射出されたSEBSの表面部分に下面部5aと複数の第1凹部5bと複数の第2凹部5cと複数のピン部6との形状が転写されるため、インストルメントパネル1の意匠面には表面部2aと複数のシボ2(上面部2b及び外周傾斜部2c)と複数の山状部3とピンホール4とが形成される。
次に、実施例2に係るシボ付き樹脂成形品について図5,図6に基づいて説明する。尚、前記実施例1のシボ付き樹脂成形品と異なる構成についてのみ説明し、前記実施例1と同一の部材には、同一符号を付して説明を省略する。
インストルメントパネル1Aは、MFRが100(g/10分)であるSEBSを用いている。尚、射出成形条件は実施例1と同様である。
図5,図6に示すように、インストルメントパネル1Aの車室側意匠面には、略全面に亙って円錐台状のシボ2Aとこのシボ2A周囲の表面部2aに複数の山状部3とが複数形成されている。上面部2bの周縁部近傍位置に複数のピンホール4Aがシボ2Aの軸心に対して略平行状に形成されている。これらピンホール4Aは、奥に行く程、小径化するように構成されている。ピンホール4Aは、上面部2bのみに設けられ、外周傾斜部2cには形成されていない。尚、当該実施例2においても実施例1と同様、ピンホール4Aは奥側に行く程、小径化することは必須ではなく、略円柱状のピンホール形状であってもよい。
本実施例2では、上面部2bにおけるピンホール4Aの直径Dが342.0〜525.2μmの範囲内に形成され、平均直径Daが433.6μmに設定されている。ピンホール4Aの深さHが63.7〜91.5μmの範囲内に形成され、平均深さHaが77.6μmに設定されている。平均直径Daと平均深さHaとの関係(Da/Ha)は5.59である(図10参照)。
次に、図7〜図10に基づき、本実施例に係るシボ付き樹脂成形品の艶度合とギラツキ度合(光沢度合)の測定結果について説明する。
まず、測定対象部材について説明する。
測定対象のシボ付き樹脂成形品として、実施例1,2と、従来技術に相当する比較例1と、実施例1から山状部3を省略した比較例2と、実施例2から山状部3を省略した比較例3の5種類の測定対象部材を準備し、これら測定対象部材の艶度合とギラツキ度合(光沢度合)について測定を行った。尚、射出成形条件は、何れの測定対象部材も実施例1,2と同様である。
比較例1は、図7に示すように、MFRが100(g/10分)であるSEBSを材料としたインストルメントパネル1Bである。
シボ2Bは、基部に相当する表面部2aより所定高さ高く形成され且つピンホールを設けていない上面部2bと、この上面部2bの外周から表面部2aに亙って拡径状に延びる外周傾斜部2c等によって構成されている。上面部2bは、表面部2aと略平行状になるように構成され、その高さTは53.8〜98.9μmの範囲内に形成され、平均高さTaが83.7μmである。
比較例2は、図8に示すように、MFRが100(g/10分)であるSEBSを材料としたインストルメントパネル1Cであり、山状部3以外の構成は、実施例1と基本的に同じである。比較例3は、図9に示すように、MFRが100(g/10分)であるSEBSを材料としたインストルメントパネル1Cであり、山状部3以外の構成は、実施例2と基本的に同じである。
次に、測定装置について説明する。
艶度合は、日本電色工業株式会社のハンディー光沢計(PG−1M)を用いて、各測定対象部材の測定範囲内をトラバースさせて複数ポイントの光沢度を基に測定した。このときの光沢計は、入射角及び反射角が60°の測定条件に設定されている。
ギラツキ度合(光沢度合)は、日本電色工業株式会社の微小面光度計(MMP)を用いて、各測定対象部材の測定範囲内をトラバースさせて複数ポイントの光沢度を基に測定した。このときの微小面光度計は、入射角及び反射角が45°の測定条件に設定されている。
これら測定装置によって測定された測定値に基づいて、比較例1の測定値から比較例2,3及び実施例1,2の測定値を差分して艶度合及びギラツキ度合(光沢度合)の低下量を夫々算出した。
図10に基づき、夫々の測定結果について説明する。
ピンホールを設けていない比較例1に比べて、比較例2,3は、艶度合及びギラツキ度合(光沢度合)が低下している。これは、上面部2bに入射した入射光の一部が、反射光抑制機構としてのピンホール4,4Aの内壁面によって繰り返し反射して減衰されることにより、上面部2bからの反射抑制効果が高くなることが原因と推測される。また、同一の条件の場合、ピンホールの数が多い程、反射抑制効果が高くなることが分かる。
山状部3を省略した比較例1〜3に比べて、実施例1,2は、艶度合及びギラツキ度合(光沢度合)が低下している。これは、表面部2aに入射した入射光の一部が、反射光抑制機構としての山状部3等によって繰り返し反射して減衰されることにより、上面部2bからの反射抑制効果が高くなることが原因と推測される。
このシボ付き樹脂成形品によれば、シボ2,2Aの上面部2bに入射した光の一部がピンホール4,4Aに入射し、この入射光がピンホール4,4Aの内壁面にて反射を繰り返すことによって減衰すると共に、表面部2aに入射する光の一部が山状部3に入射し、この入射光が山状部3と外周傾斜部2cと表面部2aとの間にて反射を繰り返すことによって減衰するため、上面部2b及び表面部2aからの光の反射を抑制でき、シボ付き樹脂成形品としてのインストルメントパネル1,1Aの艶消し性や低光沢性を高めることができる。金型5から樹脂成形品を離型するとき、シボ形状の外周傾斜部2cに対して不均一な剪断力を作用させないため、インストルメントパネル1,1A表面のシボ形状の形状崩れを防止することができる。それ故、シボ付き樹脂成形品の商品性を維持しつつ、艶消し性や低光沢性を高めることができる。
山状部3の高さhは上面部2bの高さTよりも低く設定されているため、光の反射効率を高くすることによって表面部2aに入射する光の減衰効率を高くできるため、意匠性を維持しつつ、表面部2aからの光の反射を抑制でき、インストルメントパネル1,1Aの艶消し性や低光沢性を一層高めることができる。
ピンホール4,4Aの平均直径をDa、ピンホール4,4Aの平均深さをHaとしたとき、ピンホール4,4Aが、Da/Ha≦8の関係式を満たすように構成されているため、金型5の製造コストを抑えつつ、シボ2,2Aの上面部2bの反射抑制効果を高くすることができる。
上面部2bに2以上のピンホール4,4Aを設けたため、ピンホールを増加することによって上面部2bに入射する光の減衰効率を高くでき、上面部2bからの光の反射を抑制でき、インストルメントパネル1,1Aの艶消し性や低光沢性を一層高めることができる。
シボ付き樹脂成形品が車両用内装部材であるため、車両の乗員が目に付き易い車両用内装部材の艶消し性や低光沢性を高めることができる。
シボ付き樹脂成形品の材料がスチレン系エラストマーであるため、樹脂成形品に対する幾何学シボの転写性を高くすることができる。
また、この実施例のシボ付き樹脂成形品によれば、ピンホール4,4Aが奥に行く程小径化するように構成されたため、シボ付き樹脂成形品の離型性能を高めつつ、上面部2bからの光の反射を効率的に抑制でき、樹脂成形品の艶消し性や低光沢性を一層高めることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、幾何学シボのうち円錐台状の粒シボを備えたシボ付き樹脂成形品の例を説明したが、少なくともプラトー状、所謂上面部を備えたシボ形状であれば良く、種々のシボ付き樹脂成形品に適用可能である。また、実施例においては、単一の射出工程でシボ付き樹脂成形品を成形する例を説明したが、始めにピンホールの形成されないシボ付き中間成形体を成形し、次工程以降で上面部、ピンホール及び山状部等を形成してシボ付き樹脂成形品を形成しても良い。
2〕前記実施例においては、シボ付き樹脂成形品の材料がスチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)のうちSEBSの例を説明したが、SEPS等他のTPEを用いても良い。
また、樹脂成形品の要求性能や使用環境等に応じて、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)や塩ビ系熱可塑性エラストマー(TPVC)等を使用することも可能であり、熱可塑性エラストマー以外の材料としてポリプロピレン(PP)を使用することも可能である。
3〕前記実施例においては、インストルメントパネルの車室側意匠面の略全域にピンホールを備えたシボを一様に形成した例を説明したが、領域や位置によって、シボの上面部に形成するピンホールの数を変更しても良く、また、シボやピンホールの有無を調整することができる。
4〕前記実施例においては、ピンホールの平面視形状が円形であったが、多角形であってもよい。この場合、シボ上面部に開口した多角形面積を円形面積に換算するとともに、その直径をもって平均直径Daを算出することとする。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、表面部より所定高さ高く形成された上面部とこの上面部の外周から表面部に亙って延びる外周傾斜部とからなる幾何学シボが表面部に複数形成されたシボ付き樹脂成形品において、シボ周囲の表面部に複数の山状部を形成したことにより、商品性を維持しつつ、樹脂成形品の艶消し性や低光沢性を高めることができる。
1 インストルメントパネル
2 シボ
2a 表面部
2b 上面部
2c 外周傾斜部
3 山状部
4 ピンホール
h (山状部)高さ
H (シボ)高さ
d (山状部)直径
Da (シボ)平均直径
Ha (シボ)平均深さ

Claims (6)

  1. 表面部より所定高さ高く形成された上面部とこの上面部の外周から前記表面部に亙って延びる外周傾斜部とからなる幾何学シボが前記表面部に複数形成されたシボ付き樹脂成形品において、
    入射した光が前記上面部から反射するのを減衰する少なくとも1以上のピンホールを前記上面部に設け、
    前記シボ周囲の表面部に複数の山状部を形成したことを特長とするシボ付き樹脂成形品。
  2. 前記山状部の高さ位置は前記上面部の高さよりも低く設定されていることを特長とする請求項1に記載のシボ付き樹脂成形品。
  3. 前記ピンホールの平均直径をDa、前記ピンホールの平均深さをHaとしたとき、前記ピンホールが、Da/Ha≦8の関係式を満たすように構成されたことを特長とする請求項1又は2に記載のシボ付き樹脂成形品。
  4. 前記上面部に2以上のピンホールを設けたことを特長とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシボ付き樹脂成形品。
  5. 前記シボ付き樹脂成形品が車両用内装部材であることを特長とする請求項1〜4の何れか1項に記載のシボ付き樹脂成形品。
  6. 前記シボ付き樹脂成形品の材料がスチレン系エラストマーであることを特長とする請求項1〜5の何れか1項に記載のシボ付き樹脂成形品。
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