JP2014039455A - 平角線とコイルの形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平角線をティース周りに巻装してコイルを形成するに当たり、平角線が損傷することなく占積率を格段に向上させることのできる平角線と、この平角線を用いてティース周りにコイルを形成するコイルの形成方法を提供する。
【解決手段】断面形状がVの字状の平角導線1と、平角導線1の周りの絶縁被膜2とから構成されている平角線10であり、この平角線10をステータのティース20a間に形成されたスロット20b内に挿入し、平角線10を加圧して断面形状を矩形状に変形させ、この平角線10のスロット内への挿入と加圧変形を繰り返してティース20a周りにコイル100を形成するコイルの形成方法である。
【選択図】図1
【解決手段】断面形状がVの字状の平角導線1と、平角導線1の周りの絶縁被膜2とから構成されている平角線10であり、この平角線10をステータのティース20a間に形成されたスロット20b内に挿入し、平角線10を加圧して断面形状を矩形状に変形させ、この平角線10のスロット内への挿入と加圧変形を繰り返してティース20a周りにコイル100を形成するコイルの形成方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、断面形状に特徴のある平角線とこの平角線を巻装してなるコイルの形成方法に関するものである。
モータを構成するステータのティース周りに形成されるコイルや、リアクトルのコア周りに形成されるコイルを構成する巻線には、従来一般の断面円形の丸線に代わって、コイルの占積率向上の観点から平角線が適用されるようになっている。なお、たとえば、特許文献1においてこの平角線に関する技術の開示がある。
平角線は、断面が略矩形(矩形には長方形、正方形が含まれるものとする)、すなわち、矩形の隅角部に曲率が付されて角が取れた断面を有した銅素材の平角導線と、この平角導線の周りに形成された絶縁被膜から構成されるのが一般的である。なお、この絶縁被膜は、平角導線の周りに熱硬化性のエナメル樹脂を溶剤に溶かして数μm厚で塗布し、熱処理して塗布層を固め、この処理を複数回繰り返して形成される所望厚のエナメル被膜から一般に構成される。
この平角線が巻装されてコイルを形成する際には、その矩形断面の短辺をモータを構成するステータコアのティースに配し、長辺をコアから立ち上げた姿勢で巻装する、いわゆるエッジワイズ巻きによってコイルの形成がおこなわれる。
ところで、平角線をティース周りに巻装するに際し、平角線の絶縁被膜がティースとの接触で損傷しないようにするために、平角線とティースの側面(もしくはスロット壁面)の間にスロット絶縁紙(もしくは絶縁フィルム)等を介層させるといった措置が一般に講じられている。なお、このスロット絶縁紙は、平角線とティースの間の絶縁を図ることを主目的として配設されることは言うまでもない。
しかしながら、占積率向上が平角線を適用する主要因の一つであることから、往々にして平角線をティース周りに密に巻装しようとする結果、絶縁紙が介層されているにも関わらず、平角線がティースと干渉して損傷する問題が依然として存在している。
そこで、この問題を解消するべく、平角線とティースの間に絶縁紙を介層するのみならず、平角線と絶縁紙の間にたとえば0.5mm程度の隙間を確保した姿勢でコイルを形成する試みがおこなわれている。
絶縁紙の介層に加えてこの絶縁紙と平角線の間に所定の隙間を確保した姿勢で平角線の巻装をおこなうことにより、平角線がティースと干渉して破損するといった問題は効果的に解消される。しかしながら、このような干渉防止措置を講じたために、今度は絶縁紙の厚みと絶縁紙−平角線間の隙間に起因してコイルの占積率を大きく向上させることができなくなってしまうという致命的な問題が生じてしまう。本発明者等の試算によれば、最大でも55%程度の占積率に留まってしまうといった結果が得られている。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、平角線をティース周りに巻装してコイルを形成するに当たり、スロットへの挿入時にティースと干渉して損傷することが解消され、ティース周りに強固に固定できるとともに占積率を格段に向上させることのできる平角線と、この平角線を用いてティース周りにコイルを形成するコイルの形成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による平角線は、断面形状がVの字状の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されているものである。
本発明の平角線は、従来の断面矩形の平角線に代わり、断面形状がVの字状をなすものである。スロット内で加圧されて最終的に矩形状に変形してスロット内固定される際の寸法を有する平角線を断面Vの字状にしてスロット内に挿入することで、平角線とティースの干渉を解消しながら、平角線をスロット内へスムーズに挿入することを可能とするものである。
また、断面形状がVの字状でスロット内への挿入が容易であることから、従来の平角線に比して大きめの寸法に平角線を形成しておき、最終的にスロット内で変形して断面矩形状となった際に、スロット壁面(ティース側面)に対して直接的もしくは間接的(絶縁紙が介在するケース)に強固に固定することが可能となる。このことにより、平角線からなるコイルのティースへの強固な固定を実現できるとともに、コイル占積率を従来の平角線からなるコイルに比して格段に向上させることができる。
また、断面矩形の平角線をスロット内へ挿入する従来の方法では、平角線とティースの干渉を回避するべく、介層される絶縁紙から所定の隙間を有するようにして平角線をスロット内に挿入していたため、スロット内への平角線の挿入を繰り返しながらティース周りに平角線を巻装してコイルを形成した後には、平角線と絶縁紙の間の隙間を埋めるべく、ワニスを隙間に含浸させてティース周りに対するコイルの固定を図っていた。これに対し、上記する本発明の平角線を用いることにより、コイル固定用のワニスの含浸を不要としながら、平角線からなるコイルのティースへの強固な固定が実現できる。
ここで、「断面形状がVの字状をなす」とは、断面の中央位置を境界として文字通りVの字状となるように左右をテーパー状に屈曲させた形状のほか、断面形状の一部にVの字状の部分を含む形態、断面が湾曲状のものもVの字状に含まれるものとする(この形状の場合には、略Vの字状とするのが正しく、この略Vの字状もVの字状に含まれるものとする)。たとえば「断面形状の一部にVの字状の部分を含む形態」としては、断面形状が六角形をなす形態(2つの隣接する辺でVの字の部分を形成することから、2つのVの字状の部分が存在する)、断面形状が八角形をなす形態(この場合は、4つのVの字状の部分が存在する)などがある。
また、本発明による平角線の他の実施の形態として、Vの字状の断面がその中央に位置する屈曲領域とその外側の2つの外側領域を有しており、屈曲領域と外側領域は異種の導電性金属素材から形成され、かつ、外側領域に比して屈曲領域が軟らかくなっている形態を挙げることができる。
たとえば、断面形状がVの字状の平角線がその中央に位置する屈曲領域とその外側の2つの外側領域を有していて、屈曲領域と外側領域は異種の導電性金属素材から形成され、しかも外側領域に比して屈曲領域が軟らかい金属素材から形成されていることで、スロット内に断面Vの字状の平角線を挿入した後、この相対的に軟らかい屈曲領域を加圧することで平角線を容易に変形させることができ、変形後の断面形状を所望する矩形状もしくはこれに近似した形状に形成することが可能となる。
なお、このように導電性を有して硬さの異なる金属の組み合わせとして、平角線の全断面のうちで面積比率の高い2つの外側領域には導電性に優れたCuを使用し、その場合に、Cuの硬さHvが46であることより、導電性を有してこれよりも硬さの軟らかいAl(Hv25)やAg(Hv26)、Au(Hv26)などを使用することができる。尤も、材料コストの観点で言えば、CuとAlの組み合わせが好ましい。また、同じ材質でも焼鈍などの熱処理によって硬さを変えたものを組み合わせることもでき、このような場合も硬さの異なる異種の金属の組み合わせに含むものとする。このように異種の金属からなるクラッド材で平角線を構成することで、平角線の変形性能と剛性(硬さ)を多様に変化させることができ、平角線全体の剛性を保証しながら所望箇所を変形し易くすることが可能となる。このようなクラッド材の使用に際しては、異種金属それぞれの物理的特性と材料コストを勘案して、最適な異種金属素材の組み合わせを設定するのがよい。
また、本発明による平角線の他の実施の形態として、Vの字状の断面うち、その中央に位置する屈曲領域に溝が形成されている形態を挙げることができる。
本実施の形態の平角線は、屈曲領域を相対的に軟らかい金属素材から形成する代わりに、たとえば平角導線のすべてがCuからなり、その中央に位置する屈曲領域に溝(Vカット、Uカットされた溝など)を設けておくことで、この溝によって中央位置の剛性が相対的に弱くなり、この構造弱部である屈曲領域を加圧することで平角線を容易に変形させることができ、変形後の断面形状を所望する矩形状もしくはこれに近似した形状に形成することが可能となる。
なお、この溝は、断面Vの字状の屈曲部の内側と外側のうち、いずれか一方に形成されている形態のほか、内側と外側の双方に溝が形成されている形態がある。
また、本発明による平角線の他の実施の形態として、前記平角導線は、断面形状の一部にVの字状の部分を有し、かつ、異種の導電性金属素材からなる複数の領域から形成されており、相対的に硬い導電性金属素材からなる外側領域の内部に相対的に軟らかい導電性金属素材からなる内側領域が配設されている形態を挙げることができる。
本実施の形態の平角線は、たとえば2種の異種金属からなるクラッド材(既述するように同種の金属素材で熱処理の温度条件を変更して形成された硬さの異なる2種の金属からなるクラッド材を含む)から構成されるものであるが、2種の金属素材のうち、相対的に硬い金属素材から外側領域を構成し、その内側に相対的に軟らかい金属素材から内側領域を構成したものである。平角線を変形させて外側領域が変形した際に、内側にある内側領域は相対的に軟らかいことから外側領域の変形に容易に追随して同様に変形することとなる。すなわち、内側に相対的に軟らかい金属素材からなる領域が形成されたクラッド材からなる平角線を使用することで、変形性能が高まる(変形し易くなる)。しかも、平角線の外側領域は相対的に硬い金属素材からなる領域となっていることから、平角線全体の剛性も保証される。
たとえば、外側領域を形成する金属素材にCu(Hv46)を適用し、内側領域を形成する金属素材にAl(Hv25)やAg(Hv26)、Au(Hv26)などを適用することができ、あるいは、Cuのみを使用して熱処理時の温度条件を変化させ、外側領域を相対的に硬くなるように形成することもできる。
ここで、「断面形状の一部にVの字状の部分を有し」た形状に関しては、既述するように、平角線の断面形状がVの字状のほか、断面形状が六角形や八角形などの形状であって、それらの外郭線の一部にVの字の部分が含まれる断面形状を含む意味である。
また、本発明はコイルの形成方法にも及ぶものであり、この形成方法は、断面形状がVの字状の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線をステータのティース間に形成されたスロット内に挿入し、前記平角線を加圧して断面形状を矩形状に変形させ、この平角線のスロット内への挿入と加圧変形を繰り返してティース周りにコイルを形成するものである。
本発明のコイルの形成方法によれば、既述する本発明の平角線を適用することにより、平角線をスロット内へ挿入する際の双方の干渉を解消しながらスムーズに平角線の挿入をおこなうことができる。
また、断面形状がVの字状の平角線をスロット内で加圧して変形させ、断面矩形状に変形して側方に広がった際に、スロット壁面と平角線が直接的もしくは間接的に当接するように平角線の寸法を調整しておくことで、平角線からなるコイルとティースの強固な固定を実現することができ、このことによって高いコイル占積率も実現することができる。さらに、このようなコイルの固定が可能であることから、コイル固定用のワニスの含浸を不要とでき、コイルの形成効率が高く、形成の際のコストも安価なものとなる。
また、本発明によるコイルの形成方法の他の実施の形態は、断面形状がVの字状の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線を、ステータのティース間に形成されたスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形状に変形させてティース周りにコイルを形成するものである。
本実施の形態の形成方法は、スロット内への平角線の挿入と加圧を繰り返す方法に代わり、断面Vの字状の平角線のスロット内挿入を連続的におこなった後、スロット内に挿入された全ての平角線を一度に加圧して同時に断面矩形状に変形させるものである。
この方法によれば、一層高いコイル形成効率を実現することができる。
また、本発明によるコイルの形成方法の他の実施の形態として、断面形状が矩形をなす前記平角線は、中央に位置して屈曲されるべき領域とその外側の2つの外側領域を有しており、屈曲されるべき領域と外側領域は異種の導電性金属素材から形成され、かつ、外側領域に比して屈曲されるべき領域が軟らかくなっており、この屈曲されるべき領域を加圧して平角線の断面形状をVの字状から矩形状に変形させる形態を挙げることができる。なお、Vの字状から矩形状に変形させるために押圧する部位がVの字状の両端部であっても、押圧の際の反力によって結果として屈曲されるべき領域が加圧されることから、このような加工方法の場合も、ここでいう「屈曲されるべき領域を加圧」することに含まれるものである。
外側領域に比して屈曲領域が軟らかい金属素材から形成されていることで、スロット内に断面Vの字状の平角線を挿入した後、この相対的に軟らかい屈曲領域を加圧することで平角線を容易に変形させることができ、変形後の断面形状を所望する矩形状もしくはこれに近似した形状に形成することが可能となるため、形成効率の向上とコイルの形状品質の向上を同時に図ることができる。
また、本発明によるコイルの形成方法の他の実施の形態として、断面形状が矩形をなす前記平角線は、中央に位置して屈曲されるべき領域とその外側の2つの外側領域を有しており、この屈曲されるべき領域には溝が形成されており、この屈曲されるべき領域を加圧し、該溝を起点として平角線の断面形状をVの字状から矩形状に変形させる形態を挙げることができる。なお、本実施の形態においても、Vの字状から矩形状に変形させるために押圧する部位がVの字状の両端部の場合に、押圧の際の反力によって結果として屈曲されるべき領域が加圧されることから、このような加工方法の場合も、ここでいう「屈曲されるべき領域を加圧」することに含まれるものである。
中央に位置する屈曲領域に溝を設けておくことで、この溝によって中央位置の剛性が相対的に弱くなり、この構造弱部である屈曲領域を加圧することで平角線を容易に変形させることができ、変形後の断面形状を所望する矩形状もしくはこれに近似した形状に形成することが可能となるため、形成効率の向上とコイルの形状品質の向上を同時に図ることができる。
また、本発明によるコイルの形成方法の他の実施の形態として、断面形状が矩形をなす前記平角線は、相対的に硬い導電性金属素材からなる外側領域の内部に相対的に軟らかい導電性金属素材からなる内側領域が配設されており、断面形状の一部にVの字状の部分を有する形状に加工された平角線を加圧した際に、外側領域が変形し、この変形によって内側領域も変形して平角線の断面形状を矩形状に変形させる形態を挙げることができる。この実施の形態では、変形前の平角線の前記断面形状がVの字状のほか、六角形や八角形などの多角形で外郭線の中にVの字の部分を含む形状形態が含まれ、たとえば対向する2つのVの字の部分の屈曲点を通るラインが「屈曲されるべき領域」となる。
また、本発明によるコイルの形成方法の他の実施の形態として、ステータのティース間のスロットの壁面を構成するヨーク壁面がスロット内に突出する突起を備えており、断面形状が矩形の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線をスロット内に挿入し、断面形状が矩形の前記平角線を加圧することで前記突起によって平角線の断面形状を矩形からVの字状に変形させ、Vの字状の平角線の端部をティース壁面に係合させ、この平角線のスロット内への挿入と加圧変形を繰り返してティース周りにコイルを形成する形態を挙げることができる。
本実施の形態は、矩形断面の平角線をスロット内で加圧してVの字状に変形させ、Vの字状の平角線の端部をティース壁面に係合させるものであり、この方法では、スロットに対して幅の狭い平角線をスロット内に挿入した後にVの字状に変形させてその端部エッジを挿入前よりも側方に張り出させてティース壁面と係合させることにより、スムーズに平角線の挿入をおこないながら平角線からなるコイルとティースの強固な固定を実現することができるものである。
また、本発明によるコイルの形成方法の他の実施の形態として、ステータのティース間のスロットの壁面を構成するヨーク壁面がスロット内に突出する突起を備えており、断面形状が矩形の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線をスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形からVの字状に変形させ、Vの字状の平角線の端部をティース壁面に係合させてティース周りにコイルを形成する形態を挙げることができる。
ここで、前記突起は、ヨークをスロット内に突出させた形態、もしくはヨークのスロット壁面に突起を形成するスペーサを配設した形態のいずれかを適用できる。
また、平角線を加圧する加圧部材の先端面がVの字状を呈していること、より具体的には突起と相補的形状の加圧部材を適用することで、断面矩形の平角線を容易にVの字状に変形することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の平角線とこれをステータコアのスロット内に挿入しながらティース周りに巻装してなるコイルの形成方法によれば、断面形状がVの字状の平角線を使用し、これをスロット内に挿入しながらティース周りに巻装し、平角線を加圧して断面矩形状に変形させてスロット内固定を図ることができるため、スロット内への平角線の挿入から固定に亘る製造工程の間で平角線とティースが干渉するといった問題は生じ得ず、スロット内への平角線のスムーズな挿入を実現することができる。また、コイル固定用のワニスの含浸を省略しながら平角線のスロットへの強固な固定を実現することができる。さらに、コイル占積率を従来の平角線からなるコイルに比して格段に向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の平角線とこの平角線をステータコアのティースの周りに巻装してなるコイルの形成方法の実施の形態を説明する。
(平角線の実施の形態1,2,3,4,5)
図1a,b、図2a,b、および図3はいずれも、本発明の平角線の実施の形態を説明した斜視図である。
図1a,b、図2a,b、および図3はいずれも、本発明の平角線の実施の形態を説明した斜視図である。
図1aで示す平角線10(実施の形態1)は、Cu素材で断面形状がVの字状の平角導線1の周りに、エナメル被膜等の絶縁被膜2が形成されてその全体が構成されている。
図示する平角線10は、従来一般の平角線のように断面形状が矩形状に製作した後、中央位置で屈曲させる曲げ加工をおこなって製作してもよいし、当初から図示する断面Vの字状の平角導線1を製作し、この周囲に絶縁被膜2を形成して製作してもよい。
一方、図1bで示す平角線10A(実施の形態2)は、断面形状が湾曲状を呈した平角導線1Aの周りに絶縁被膜2Aが形成されたものであり、この形状も、「断面形状がVの字状」に含むものである。
また、図2aで示す平角線10B(実施の形態3)は、図1aと同じ断面形状を有するものであるが、その中央位置の屈曲領域1Bとその外側の2つの外側領域1B’が異種の導電性金属素材からなるクラッド材で形成され、かつ、外側領域1B’に比して屈曲領域1Bが軟らかくなっているものであり、それらの周りに絶縁被膜2Bが形成されているものである。なお、外側領域1B’と屈曲領域1Bは接着剤によって接続されたり、あるいは、双方を単に当接させた姿勢でその周囲の絶縁被膜2Bによって一体化することができる。
このように導電性を有して硬さの異なる金属の組み合わせとして、平角線10Bの全断面のうちで面積比率の高い2つの外側領域1B’には導電性に優れたCuを使用し、その場合に、Cuの硬さHvが46であることより、導電性を有してこれよりも硬さの軟らかいAl(Hv25)やAg(Hv26)、Au(Hv26)などを使用することができる。
また、図2bで示す平角線10C(実施の形態4)は、図1aとほぼ同じ断面形状を有するとともにその全体がCu素材からなるものであるが、中央位置にある屈曲部の内側および外側の2箇所に溝10Caが設けられたものである。
さらに、図3で示す平角線10D(実施の形態5)は、断面形状が六角形を呈し、六角形状の輪郭をなす絶縁被膜2Dと、その内側にある2種の金属素材から形成された平角導線から構成されている。図示する平角線10Dでは、六角形の外郭線の上下2箇所にVの字の部分2Daが形成されている。
平角導線は、外側領域1Dとこの内部にある内側領域1D’から構成されたクラッド材からなり、内側領域1D’を形成する金属素材に比して外側領域1Dを形成する金属素材が相対的に硬い金属素材の組み合わせから構成されている。たとえば、外側領域1Dを形成する金属素材にCu(Hv46)を適用し、内側領域1D’を形成する金属素材にAl(Hv25)やAg(Hv26)、Au(Hv26)などを適用することができる。なお、図示する平角線10Dは、製作初期の段階では断面円形の内側領域の外側に断面リング状の外側領域が配設された円柱状の前駆体が最初に成形され、これを圧延処理もしくは伸線処理等することによって六角形の断面形状をなす平角線10Dに製作することができる。
2種の金属素材のうち、相対的に硬い金属素材から外側領域1Dを構成し、その内側に相対的に軟らかい金属素材から内側領域1D’を構成したことにより、平角線10Dを変形させて外側領域1Dが変形した際に、内側にある内側領域1D’は相対的に軟らかいことから外側領域1Dの変形に容易に追随して同様に変形することとなり、平角線10Dは全体として高い変形性能を有したものとなる。しかも、平角線10Dの外側領域1Dは相対的に硬い金属素材からなる領域となっているため、平角線10D全体の剛性も保証される。なお、図示する平角線10Dでは、上下2つのVの字の部分2Daの屈曲点を通るラインに沿う方向で平角線10Dが押圧された際に、全体として矩形の平角線に変形することができる。
なお、図示する六角形のクラッド材からなる平角線10Dの変形例として、断面形状が平角線10と同様にVの字状の形態、八角形(Vの字の部分が4箇所形成される)や十角形などの六角形以外の多角形断面の形態などを挙げることができる。
以上で説明した平角線10,10A,10B,10C,10Dは、後述するコイルの形成方法に適用されることにより、様々な効果を奏することができるものである。以下、本発明のコイルの形成方法の実施の形態を説明する。
(コイルの形成方法の実施の形態1)
図4〜6はその順に、本発明のコイルの形成方法の実施の形態1のフロー図となっている。なお、図ではステータコアの2つのティース箇所のみを取り出し、その間にあるスロット内に平角線を挿入することが示されているが、ステータコアに形成された全てのティース周りに平角線が配設され、対応するスロット内で図示例のような平角線の挿入がおこなわれることは勿論のことである。また、図示例はコイルの形成に当たって図1で示す平角線10を使用している。
図4〜6はその順に、本発明のコイルの形成方法の実施の形態1のフロー図となっている。なお、図ではステータコアの2つのティース箇所のみを取り出し、その間にあるスロット内に平角線を挿入することが示されているが、ステータコアに形成された全てのティース周りに平角線が配設され、対応するスロット内で図示例のような平角線の挿入がおこなわれることは勿論のことである。また、図示例はコイルの形成に当たって図1で示す平角線10を使用している。
図4で示すように、ステータコア20を構成する環状のヨークからその径方向に突出するティース20a,20aの間にはスロット20bが画成されている。
まず、後工程で挿入される平角線10とステータコア20との絶縁を確保するためにスロット20bの壁面にスロット絶縁紙30を配し、次いで、スロット20bに断面形状がVの字状の平角線10を挿入していく(同図のX方向)。
ここで、対向するスロット壁面間の幅、より厳密には、その内側に配されたスロット絶縁紙30の対向片間の幅はt1であり、スロット内に挿入される平角線10の幅、より厳密には、断面Vの字状の端辺間の水平方向で測った幅はt2であり、t2<t1となるように設定されている。
そのため、スロット20b内への平角線10の挿入に当たり、平角線10とティース20aが干渉して平角線10が破損するといった問題は生じ得ない。
平角線10がスロット20bの端部まで挿入されたら、図5で示すようにスロット20bの先端側からプレス具Pを挿入し、断面Vの字状の平角線10の屈曲領域を加圧することにより(加圧力Q)、断面Vの字状の平角線10が変形して側方に広がり(変形δ)、断面形状が矩形状をなす平角線10’がスロット20b内で形成される。
そして、断面形状が矩形状の平角線10’が形成された際に、その端辺間の幅が当初のスロット間(にあるスロット絶縁紙の対向片間)の幅t1と同じになるように当初の平角線10を製作しておくことで、断面矩形状に変形して形成された平角線10’はスロット壁面間においてスロット絶縁紙30を介して強固に固定されることになる。なお、当初の平角線10を幅t1よりも長い幅で製作しておくこともでき、その場合には、加圧されて断面矩形状に変形した際に平角線10’はスロット壁面から押圧力を受け、したがってより一層強固に平角線10’をスロット壁面間に固定することができる。
このように、平角線10のスロット内挿入と、挿入後の加圧による断面矩形状の平角線10’への変形によるスロット壁面間固定をおこないながら、平角線10をティース20a周りに巻装してティース20aを挟んだ別途のスロット20b内において同様に、平角線10のスロット内挿入と、挿入後の加圧による断面矩形状の平角線10’への変形によるスロット壁面間固定をおこなう。そして、これをティース20aの先端付近まで順次繰り返していき、スロット先端にウェッジ紙40を配設することにより、図6で示すように、ティース20aの周りに複数の断面矩形状の平角線10’が巻装されてなるコイル100が形成される。
同図からも明らかなように、平角線10’とスロット壁面がスロット絶縁紙30を介して密着した構造を形成できるため、コイル占積率も従来の平角線からなるコイルに比して格段に向上する。なお、このコイル占積率に関し、本発明者等の試算によれば、従来構造の平角線からなるコイル、すなわち、既述するように、スロット内への絶縁紙の介層に加えてこの絶縁紙と平角線の間に0.5mm程度の隙間を確保した姿勢で平角線の巻装をおこなって形成されたコイルの占積率が55%程度であったのに対して、本発明の形成方法で形成されたコイルの占積率は65%程度と、10%程度も向上することが試算されている。
また、図示する形成方法によれば、ティース周りに平角線からなるコイルを固定するためのコイル固定用ワニスの含浸が不要となるため、そのための材料コストやワニス含浸工程を不要とでき、コイル形成に要するコストの削減に繋がる。
また、図2aで示す平角線10Bを使用する場合には、平角導線を構成する外側領域1B’に比して屈曲領域1Bが軟らかい金属素材から形成されていることで、スロット20b内に断面Vの字状の平角線10Bを挿入した後、この相対的に軟らかい屈曲領域1Bを加圧することで平角線10Bを容易に変形させることができ、変形後の断面形状を所望する矩形状もしくはこれに近似した形状に形成することが可能となり、形成効率の向上とコイルの形状品質の向上を同時に図ることができる。
また、図2bで示す平角線10Cを使用する場合には、中央に位置する屈曲領域に溝10Caを設けておくことで、この溝10Caによって中央位置の剛性が相対的に弱くなり、この構造弱部である屈曲領域を加圧することで平角線10Cを容易に変形させることができ、変形後の断面形状を所望する矩形状もしくはこれに近似した形状に形成することが可能となり、やはり、形成効率の向上とコイルの形状品質の向上を同時に図ることができる。
さらに、図3で示す平角線10Dを使用する場合には、平角線10DのVの字の部分2aを中心に押圧して外側領域1Dが変形した際に、内側にある内側領域1D’は相対的に軟らかいことから外側領域1Dの変形に容易に追随して同様に変形することとなり、平角線10Dは全体として容易に変形して図5で示すような断面矩形の状態となる。そして、平角線10Dの外側領域1Dは相対的に硬い金属素材からなる領域となっているために平角線10D全体の剛性が保証され、平角線10Dが変形してできる断面矩形のコイルの形状保持性が向上する。
(コイルの形成方法の実施の形態2)
図示を省略するが、コイルの形成方法の実施の形態2は、断面形状がVの字状の平角線10等をスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形状に変形させてティース周りにコイルを形成する方法である。
図示を省略するが、コイルの形成方法の実施の形態2は、断面形状がVの字状の平角線10等をスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形状に変形させてティース周りにコイルを形成する方法である。
この方法によれば、形成方法の実施の形態1よりも加圧工程に要する時間を大幅に短縮することができ(スロット内に配設される平角線の基数の増加に伴って時間短縮効果は顕著になる)、したがってより一層高い形成効率の下でコイルを形成することが可能となる。なお、上記実施の形態1,2に共通するものとして、平角線の挿入方向は、Vの字状の凸部を先にすることなく、凹部を先にすることもでき、この加工方法の場合には、挿入後の変形のための押圧に際してVの字の両端部を加圧すればよい。
(コイルの形成方法の実施の形態3)
図7a、8,9はその順に、本発明のコイルの形成方法の実施の形態3のフロー図となっている。また、図7bは図7aの変形例を示している。
図7a、8,9はその順に、本発明のコイルの形成方法の実施の形態3のフロー図となっている。また、図7bは図7aの変形例を示している。
図7aで示すように、ステータコア20を構成する環状のヨークからその径方向に突出するティース20a,20aの間にはスロット20bが画成されており、さらに、スロット20bの壁面を構成するヨーク壁面はスロット20b内に突出する突起20cを備えている。
なお、図7aで示すようにステータコア20のヨークが突起20cを具備するように予め形成されている形態の他にも、図7bで示すように突起を具備しない一般的なステータコアのヨークの内側に突起を構成するスペーサ5を配設してもよい。以下、図7aの形態に基づいてコイルの形成方法の実施の形態3を説明する。
まず、後工程で挿入される断面形状が矩形の平角線10E(断面形状が矩形の平角導線3の周囲に絶縁被膜4が形成されたもの)とステータコア20との絶縁を確保するためにスロット20bの壁面にスロット絶縁紙30を配し、次いで、スロット20bに断面形状が矩形の平角線10Eを挿入していく(同図のX方向)。
ここで、スロット20bに臨むヨーク壁面が突起20cを具備していることで、突起20cの表面にあるスロット絶縁紙30もスロット内側に突状を呈している。そして、対向するティース20a、20aに対応したスロット壁面間の内側に配されたスロット絶縁紙30,30の対向片間の幅はt1であり、スロット内に挿入される断面矩形の平角線10Eの幅はt2であり、t2<t1となるように設定されている。
そのため、スロット20b内への平角線10Eの挿入に当たり、平角線10Eとティース20aが干渉して平角線10Eが破損するといった問題は生じ得ない。
平角線10Eがスロット20bを構成する突起20cを備えたヨーク壁面まで挿入されたら、図8で示すようにスロット20bの先端側からプレス具P’を挿入し、断面矩形の平角線10Eを加圧することにより(加圧力Q)、断面矩形の平角線10Eが断面Vの字状に変形し、変形後の断面Vの字状の平角線10E’の端部エッジ10E’aがティース20aと係合される。
ここで、プレス具P’の先端面を突起20cと相補的形状のVの字状に形成しておくことで、プレス具P’にて断面矩形の平角線10Eを押圧した際に精緻かつ容易に断面Vの字状の平角線10E’に変形させることができる。
このように、平角線10Eのスロット内挿入と、挿入後の加圧による断面Vの字状の平角線10E’への変形によるスロット壁面間固定をおこないながら、平角線10Eをティース20a周りに巻装してティース20aを挟んだ別途のスロット20b内において同様に、平角線10Eのスロット内挿入と、挿入後の加圧による断面Vの字状の平角線10E’への変形によるスロット壁面間固定をおこなう。そして、これをティース20aの先端付近まで順次繰り返していき、スロット先端にウェッジ紙40を配設することにより、図9で示すように、ティース20aの周りに複数の断面Vの字状の平角線10E’が巻装されてなるコイル100’が形成される。
図示する形成方法によっても、ティース周りに平角線からなるコイルを固定するためのコイル固定用ワニスの含浸が不要となるため、そのための材料コストやワニス含浸工程を不要とでき、コイル形成に要するコストの削減に繋がる。また、図示するように当初断面が矩形の平角線10Eとして、図2aで示す平角線10Bのように中央に軟らかい金属素材から形成されている屈曲領域を備えたものを適用したり、図2bで示す平角線10Cのように中央に位置する屈曲領域に溝を設けておくことで、平角線10Eの中央の屈曲領域を容易に変形させることができ、変形後の断面形状を所望するVの字状もしくはこれに近似した形状に形成することが可能となり、やはり、形成効率の向上とコイルの形状品質の向上を同時に図ることができる。
(コイルの形成方法の実施の形態4)
図示を省略するが、コイルの形成方法の実施の形態4は、断面形状が矩形の平角線10E等をスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形Vの字状に変形させてティース周りにコイルを形成する方法である。
図示を省略するが、コイルの形成方法の実施の形態4は、断面形状が矩形の平角線10E等をスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形Vの字状に変形させてティース周りにコイルを形成する方法である。
この方法によれば、形成方法の実施の形態3よりも加圧工程に要する時間を大幅に短縮することができ、したがってより一層高い形成効率の下でコイルを形成することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1,1A,1C…平角導線、1B…平角導線(屈曲領域)、1B’…平角導線(外側領域)、1D…平角導線(外側領域)、1D’…平角導線(内側領域)、2,2A,2B,2C,2D…絶縁被膜、2Da…Vの字状の部分、3…平角導線、4…絶縁被膜、5…スペーサ、10,10A,10B,10C,10D,10E…平角線、10Ca…溝、10E’a…端部エッジ、20…ステータコア、20a…ティース、20b…スロット、20c…突起、30…スロット絶縁紙、40…ウェッジ紙、100,100’…コイル、P,P’…プレス具(加圧部材)、P’a…先端面
Claims (16)
- 断面形状がVの字状の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線。
- 前記平角導線は、Vの字状の断面がその中央に位置する屈曲領域とその外側の2つの外側領域を有しており、屈曲領域と外側領域は異種の導電性金属素材から形成され、かつ、外側領域に比して屈曲領域が軟らかくなっている請求項1に記載の平角線。
- 前記平角導線は、Vの字状の断面うち、その中央に位置する屈曲領域に溝が形成されている請求項1に記載の平角線。
- 前記平角導線は、断面形状の一部にVの字状の部分を有し、かつ、異種の導電性金属素材からなる複数の領域から形成されており、
相対的に硬い導電性金属素材からなる外側領域の内部に相対的に軟らかい導電性金属素材からなる内側領域が配設されている請求項1に記載の平角線。 - 平角線の前記断面形状が、Vの字状、六角形、八角形のうちのいずれか一種からなる請求項4に記載の平角線。
- 断面形状がVの字状の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線をステータのティース間に形成されたスロット内に挿入し、前記平角線を加圧して断面形状を矩形状に変形させ、この平角線のスロット内への挿入と加圧変形を繰り返してティース周りにコイルを形成するコイルの形成方法。
- 断面形状がVの字状の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線を、ステータのティース間に形成されたスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形状に変形させてティース周りにコイルを形成するコイルの形成方法。
- 断面形状がVの字状の平角線がスロット内で加圧されて変形し、断面形状が矩形状に変形することによって平角線が側方に広がり、スロット壁面に固定される請求項6または7に記載のコイルの形成方法。
- ステータのティース間のスロットの壁面を構成するステータのヨーク壁面がスロット内に突出する突起を備えており、
断面形状が矩形の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線をスロット内に挿入し、該平角線を加圧することで前記突起によって平角線の断面形状を矩形からVの字状に変形させ、Vの字状の平角線の端部をティース壁面に係合させ、この平角線のスロット内への挿入と加圧変形を繰り返してティース周りにコイルを形成するコイルの形成方法。 - ステータのティース間のスロットの壁面を構成するステータのヨーク壁面がスロット内に突出する突起を備えており、
断面形状が矩形の平角導線と、該平角導線の周りの絶縁被膜とから構成されている平角線をスロット内に挿入しながらティース周りに巻装した後、スロット内にある全ての平角線を一度に加圧して全ての平角線の断面形状を矩形からVの字状に変形させ、Vの字状の平角線の端部をティース壁面に係合させてティース周りにコイルを形成するコイルの形成方法。 - 前記突起は、ヨークをスロット内に突出させた形態、もしくはヨークのスロット壁面に突起を形成するスペーサを配設した形態のいずれかである請求項9または10に記載のコイルの形成方法。
- 平角線を加圧する加圧部材の先端面がVの字状を呈している請求項9〜11のいずれかに記載のコイルの形成方法。
- 前記平角線は、中央に位置して屈曲されるべき領域とその外側の2つの外側領域を有しており、この屈曲されるべき領域には溝が形成されており、この屈曲されるべき領域を加圧し、該溝を起点として平角線の断面形状をVの字状から矩形状に変形させる、もしくは矩形状からVの字状に変形させる請求項6〜12のいずれかに記載のコイルの形成方法。
- 断面形状が矩形をなす前記平角線は、中央に位置して屈曲されるべき領域とその外側の2つの外側領域を有しており、屈曲されるべき領域と外側領域は異種の導電性金属素材から形成され、かつ、外側領域に比して屈曲されるべき領域が軟らかくなっており、この屈曲されるべき領域を加圧して平角線の断面形状をVの字状から矩形状に変形させる請求項6〜8のいずれかに記載のコイルの形成方法。
- 断面形状が矩形をなす前記平角線は、相対的に硬い導電性金属素材からなる外側領域の内部に相対的に軟らかい導電性金属素材からなる内側領域が配設されており、断面形状の一部にVの字状の部分を有する形状に加工された平角線を加圧した際に、外側領域が変形し、この変形によって内側領域も変形して平角線の断面形状を矩形状に変形させる請求項6〜8のいずれかに記載のコイルの形成方法。
- 変形前の平角線の前記断面形状が、Vの字状、六角形、八角形のうちのいずれか一種からなる請求項15に記載のコイルの形成方法。
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