JP2014035255A - 生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラム - Google Patents

生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】正確かつ迅速に生体数を計測することができる生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、正確かつ迅速に生体数を計測することができる生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラムを提供するため、生体の生死に応じて生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成し、ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた説明変数に対する各係数を用いて生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラムに関する。
従来、食品等の品質を管理するため、培養法等を用いて微生物モニタリングが行われている。培養法では、食品等の希釈液を培地に添加し、培養の結果得られたコロニーの数によって、微生物の濃度を調査している。
ここで、培養法は正確であるが結果が出るまでに数日を要するため、微生物汚染の有無が確定するまで食品等の製品を出荷できず、その間に製品品質が劣化するというジレンマを抱えている。そのため、近年、フローサイトメトリーによって迅速に微生物モニタリングを行う装置が開発されている。
非特許文献1に記載の細菌数計測装置では、自家蛍光や非特異的吸着による蛍光と区別するために、全菌用蛍光色素2種類と死菌用蛍光色素1種類を用いて染色したサンプルをマイクロ流路に流しながら蛍光を時系列に沿って検出し、時系列の検出データに基づいて、同時点において全菌用蛍光色素の蛍光が観測され且つ死菌用蛍光色素の蛍光が観察されなかった場合に生菌と判定することが開示されている。
佐々木康彦・武井三雄著 「カセット式迅速細菌数計測装置「カセットラボ(R)ONE」の紹介」月刊HACCP2012年6月号,pp.38〜45
しかしながら、従来のサイトメトリー法による生菌数の計測技術においては、迅速な細菌数の計測が可能となるものの、培養法による正確な実測値との間には未だ測定数の誤差が大きいという問題点を有していた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、正確かつ迅速に生体数を計測することができる生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラムを提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明の生体数モデル生成装置は、記憶部と制御部を少なくとも備えた生体数モデル生成装置において、上記記憶部は、生体の生死に応じて上記生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データを記憶する検出強度記憶手段、を備え、上記制御部は、上記検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、上記ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた上記説明変数に対する各係数を用いて上記生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する多変量解析手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成装置は、上記記載の生体数モデル生成装置において、上記検出強度記憶手段は、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、上記各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す上記検出強度データを記憶し、上記ヒストグラム生成手段は、上記検出強度データに基づいて、上記区分毎の頻度を示すヒストグラムを上記複数の蛍光標識において生成し、上記多変量解析手段は、上記蛍光標識の区分毎の頻度を上記説明変数とすることを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成装置は、上記記載の生体数モデル生成装置において、上記検出強度記憶手段は、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、上記各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す上記検出強度データを記憶し、上記ヒストグラム生成手段は、上記検出強度データに基づいて、上記複数の蛍光標識のうち一つの上記蛍光標識の上記検出強度が所定の範囲にある場合の、他の上記蛍光標識の上記区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成することを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成装置は、上記記載の生体数モデル生成装置において、上記検出強度記憶手段は、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、上記各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す上記検出強度データを記憶し、上記ヒストグラム生成手段は、同時に計測された上記蛍光標識の上記検出強度データ間で加減乗除し、加減乗除した値の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成することを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成装置は、上記記載の生体数モデル生成装置において、上記制御部は、上記多変量解析手段により得られた上記生体数モデルについて実測値との誤差を検証しながら、繰り返し上記ヒストグラム生成手段により生成される上記ヒストグラムの上記区分の間隔が変更されるよう制御することにより、上記生体数モデルの最適化を行うモデル最適化手段、を更に備えたことを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成装置は、上記記載の生体数モデル生成装置において、上記ヒストグラム生成手段は、上記検出強度データに基づいて、上記検出強度を対数に変換して、変換した対数の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成することを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成装置は、上記記載の生体数モデル生成装置において、上記ヒストグラム生成手段は、生成した上記ヒストグラムをスペクトルとして、中心化、尺度化、平滑化、微分、および/または標準化の処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成装置は、上記記載の生体数モデル生成装置において、上記多変量解析手段は、教師なしのパターン認識手法、教師ありの判別分析手法、または、教師ありの回帰分析手法を用いて、上記多変量解析を行うことを特徴とする。
また、本発明の生体数モデル生成方法は、記憶部と制御部を少なくとも備えたコンピュータにおいて実行される生体数モデル生成方法であって、上記記憶部は、生体の生死に応じて上記生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データを記憶する検出強度記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成ステップと、上記ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた上記説明変数に対する各係数を用いて上記生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する多変量解析ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のサイトメーターは、上記記載された生体数モデル生成方法により生成された生体数モデルを用いて、上記検出強度データから上記生体数または上記生体の有無を判定するサイトメーターであることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、記憶部と制御部を少なくとも備えたコンピュータに実行させるためのプログラムであって、上記記憶部は、生体の生死に応じて上記生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データを記憶する検出強度記憶手段、を備え、上記制御部において、上記検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成ステップと、上記ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた上記説明変数に対する各係数を用いて上記生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する多変量解析ステップと、を実行させることを特徴とする。
この発明によれば、生体の生死に応じて生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成し、ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた説明変数に対する各係数を用いて生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する。これにより、本発明は、サイトメトリーによる正確かつ迅速に生体数を計測することができる生体数モデルを提示することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、上記において、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに基づいて、区分毎の頻度を示すヒストグラムを複数の蛍光標識において生成し、蛍光標識の区分毎の頻度を説明変数として多変量解析を行う。これにより、本発明は、複数の蛍光標識を検出した検出強度によるヒストグラムを一つのスペクトルとみなして多変量解析を行うことにより、複数の連続量の検出強度データを活かしたまま解析を行って、検出率を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、上記において、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに基づいて、複数の蛍光標識のうち一つの蛍光標識の検出強度が所定の範囲にある場合の、他の蛍光標識の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成する。これにより、本発明は、死菌用の蛍光が閾値以下等である場合のデータを用いて、推定精度を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、上記において、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに基づいて、同時に計測された蛍光標識の検出強度データ間で加減乗除し、加減乗除した値の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成する。これにより、本発明は、異なるセンサ間のデータを組み合せて、推定精度を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、上記において、多変量解析により得られた生体数モデルについて実測値との誤差を検証しながら、繰り返しヒストグラムの区分の間隔が変更されるよう制御することにより、生体数モデルの最適化を行う。これにより、本発明は、細かい区分間隔のデータを用いて解析を行う場合、性質が同じ情報が違うものとみなされるリスクが高まる一方で、粗い区分間隔のデータを用いて解析を行う場合は、性質が異なる情報が同じとみなされるリスクが高まるというジレンマの間で、ヒストグラムの区分の間隔について最適化を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、上記において、検出強度データに基づいて、検出強度を対数に変換して、変換した対数の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成するので、対数表現にてヒストグラム区分の間隔を設定できるという効果を奏する。
また、本発明によれば、上記において、生成したヒストグラムをスペクトルとして、中心化、尺度化、平滑化、微分、および/または標準化の処理を行うので、スペクトルに含まれるノイズを低減したり、スペクトルに含まれる情報を強調したり、異なるサンプル間のスペクトルの尺度を合わせる等の効果を奏する。
また、本発明によれば、上記において、教師なしのパターン認識手法、教師ありの判別分析手法、または、教師ありの回帰分析手法を用いて多変量解析を行うことができ、特に、主成分分析、クラスター分析、PLS判別分析、SIMCA、SVM判別分析、重回帰分析、PLS回帰分析、SVM回帰分析、または、局所重みつき回帰により、多変量解析を行うことができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態が適用される生体数モデル生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、マイクロ流路を用いた蛍光標識済生体の蛍光検出方法を模式的に示す図である。 図3は、本実施の形態における生体数モデル生成装置100の処理の一例を示すフローチャートである。 図4は、ヒストグラム生成部102bによる検出強度データからのヒストグラムの変換処理を模式的に示す図である。 図5は、複数の蛍光標識におけるヒストグラムデータがある場合に実行される結合処理を模式的に示す図である。 図6は、本実施形態により生成された生体数モデルおよび従来法による推定値と、培養法による実測値との誤差を示す図である。 図7は、本実施例によるデータの流れの一例を示す図である。 図8は、チャンネルAの電圧値のみをヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図9は、チャンネルAの電圧値のみをヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図10は、チャンネルAおよびBにおける電圧値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図11は、チャンネルAおよびBにおける電圧値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図12は、チャンネルAおよびCにおける電圧値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図13は、チャンネルAおよびCにおける電圧値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図14は、全てのチャンネルA,B,Cにおける電圧値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図15は、全てのチャンネルA,B,Cにおける電圧値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図16は、チャンネルAおよびBの電圧値のうち、B=0(死菌の蛍光が検出されない)場合のデータをヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図17は、チャンネルAおよびBの電圧値のうち、B=0(死菌の蛍光が検出されない)場合のデータをヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図18は、チャンネルAにおける電圧値を同時に計測されたチャンネルCの電圧値で除した値(A÷C)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図19は、チャンネルAにおける電圧値を同時に計測されたチャンネルCの電圧値で除した値(A÷C)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図20は、チャンネルAにおける電圧値を同時に計測されたチャンネルBの電圧値で減じた値(A−B)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図21は、チャンネルAにおける電圧値を同時に計測されたチャンネルBの電圧値で減じた値(A−B)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図22は、チャンネルAにおける電圧値に同時に計測されたチャンネルCの電圧値を加えた値(A+C)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図23は、チャンネルAにおける電圧値に同時に計測されたチャンネルCの電圧値を加えた値(A+C)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図24は、チャンネルAにおける電圧値に同時に計測されたチャンネルCの電圧値を乗じた値(A×C)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図25は、チャンネルAにおける電圧値に同時に計測されたチャンネルCの電圧値を乗じた値(A×C)をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図26は、チャンネルA,B,Cにおける電圧値を様々に組み合わせた値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムとヒストグラムの各区分に対する係数値を示す図である。 図27は、チャンネルA,B,Cにおける電圧値を様々に組み合わせた値をヒストグラムに用いた場合のヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。 図28は、本実施例における最適化処理の一例を示すフローチャートである。 図29は、検出強度データである電圧データから細かい区分間隔でヒストグラムを生成した場合と、粗い区分間隔でヒストグラムを生成した場合の違いを模式的に示した図である。 図30は、チャンネルBの電圧が検出されない場合(B=0)の、チャンネルAおよびCの電圧値をヒストグラムに用いて本実施形態を適用した場合に得られた誤差を示す等値図である。 図31は、生菌数推定誤差が最小の場合のヒストグラムと、生菌数推定誤差が最大の場合のヒストグラムとを比較した図である。 図32は、生菌数推定誤差が最小の場合の生体数モデル、および、生菌数推定誤差が最大の場合の生体数モデルによる推定値と実測値との誤差を示すグラフ図である。 図33は、ヒストグラムの各サンプリング間隔において、モデル作成時と検証時における生菌数推定誤差を示すグラフ図である。 図34は、図33において、誤差が最も大きい場合の生体数モデルと、誤差が最も小さい場合の数理モデルのそれぞれにおいて、従来法と比較したグラフ図である。 図35は、前処理を行わなかった場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図36は、中心化(mean centering)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図37は、尺度化(scaling)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図38は、平滑化(smoothing)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図39は、一次微分(first derivative)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図40は、二次微分(second derivative)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図41は、標準化(Normalization)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図42は、標準化と二次微分と中心化と尺度化の前処理を組み合わせて行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。 図43は、主成分分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。 図44は、クラスター分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。 図45は、PLS判別分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。 図46は、SIMCAにより多変量解析を行った実施例を示す図である。 図47は、SVM回帰分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。 図48は、LWR(局所重みつき回帰)により多変量解析を行った実施例を示す図である。
以下に、本発明にかかる生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
特に以下の実施の形態においては、本発明を食品等の製品の品質管理分野に適用した例について説明する場合があるが、この場合に限られず、医療や臨床検査など全ての技術分野において、同様に適用することができる。
[本実施の形態の概要]
以下、本発明にかかる実施形態の概要について説明し、その後、本実施形態の構成および処理等について詳細に説明する。
本実施の形態は、概略的に、以下の基本的特徴を有する。まず、本実施形態は、生体の生死に応じて生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データを取得する。ここで、本実施形態において、「生体」とは、細菌や真菌等の菌類や微生物の個体、単細胞生物、ならびに、多細胞生物における個々の細胞等のほか、ミトコンドリアやクロロフィルなどの準生物的生体をも含み、サイトメトリーによって検出可能なあらゆる生体をいう。また、「蛍光標識」は、生体の生死に応じて生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる標識である。ここで、蛍光標識は、複数の蛍光標識によって、生体の生死が判定できるような組み合せであってもよく、例えば、特開2011−92104号公報に記載の多重染色法を用いて細胞または微生物(生菌)を標識してもよい。一例として、全菌(生菌および死菌)を染色する色素としてDAPI(4´,6−diamidino−2−phenylindole)等を用いてもよく、死菌を染色する色素としてPI(Propidium Iodide)等を用いてもよい。また、「サイトメトリー」は、フローサイトメトリーやイメージングサイトメトリー等のように個々の生体を検出可能な手法であり、フローサイトメーターやイメージングサイトメーター等により実施される。
そして、本実施形態は、検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成する。ヒストグラムの作成方法については詳細を後述する。
そして、本実施形態は、ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた説明変数に対する各係数を用いて生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する。なお、「生体数モデル」との用語は、生体数を判定するモデルに限定されるものではなく、生体の有無を判定するモデルを意味してもよいものである。ここで、本実施形態は、多変量解析手段により得られた生体数モデルについて実測値との誤差を検証しながら、繰り返し、上記のヒストグラムの区分の間隔を変更することにより、生体数モデルの最適化を行ってもよい。
以上が本実施形態の概要である。なお、以下に本実施形態をコンピュータ等の制御部を備えた装置によって実施する例について説明するが、本発明は、これに限られず、本実施形態の方法を人によって実施してもよいものである。
[生体数モデル生成装置の構成]
次に、本発明にかかる本実施形態の生体数モデル生成装置の構成について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態が適用される生体数モデル生成装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
図1において生体数モデル生成装置100は、概略的に、制御部102と通信制御インターフェース部104と入出力制御インターフェース部108と記憶部106を備えて構成される。ここで、制御部102は、生体数モデル生成装置100の全体を統括的に制御するCPU等である。また、入出力制御インターフェース部108は、測定部110や入力部112や出力部114等に接続されるインターフェースである。また、記憶部106は、各種のデータベースやテーブルなどを格納する装置である。これら生体数モデル生成装置100の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
記憶部106に格納される各種のデータベースやファイル(検出強度ファイル106a、ヒストグラムファイル106b、および、生体数モデルファイル106c等)は、固定ディスク装置等のストレージ手段である。例えば、記憶部106は、各種処理に用いる各種のプログラムやテーブルやファイルやデータベース等を格納する。
これら記憶部106の各構成要素のうち、検出強度ファイル106aは、生体の生死に応じて生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を行ったサンプルに対してサイトメトリーにより得られた検出強度データを記憶する検出強度記憶手段である。例えば、検出強度ファイル106aは、測定部110により取得された生データを検出強度データとして記憶してもよく、ネットワーク300を介して外部機器200より受信した検出強度データを記憶してもよい。一例として、検出強度ファイル106aに記憶される検出強度データは、検出手段の性質に従って時系列の時間順や走査された順等の検出順に並べられた、蛍光強度の検出データである。例えば、フローサイトメーターにより得られた検出強度データは、一例として、検出する波長の範囲が予め設定された各チャンネルにおける、時刻に対応付けられた電圧データ(光の強さに比例した電気パルスに応じた強度データ等)であってもよい。また、イメージングサイトメーターにより得られた検出強度データは、一例として、二次元平面上で走査した座標(x座標,y座標)に対応付けた所望の波長範囲の検出値データであってもよい。
また、ヒストグラムファイル106bは、後述するヒストグラム生成部102bにより生成されたヒストグラムのデータを記憶するヒストグラムデータ記憶手段である。例えば、ヒストグラムファイル106bに記憶されるヒストグラムデータは、ヒストグラムの各区分に対応付けた頻度値のデータである。
また、生体数モデルファイル106cは、後述する多変量解析部102cにより生成された生体数モデルを記憶する生体数モデル記憶手段である。ここで、生体数モデルファイル106cに記憶される生体数モデルを示すデータは、ヒストグラムの区分(チャンネル種別や幅や範囲等)に対応する係数を定義付けたデータであってもよい。
また、図1において、入出力制御インターフェース部108は、測定部110や入力部112や出力部114等の制御を行う。ここで、出力部114としては、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカを用いることができる(なお、以下においては出力部114をモニタとして記載する場合がある)。また、入力部112としては、キーボードや、マウス、マイク等を用いることができる。
また、測定部110は、所定の波長範囲の光の強度を検出する光強度検出手段である。例えば、測定部110は、蛍光標識により発せられる蛍光の波長を含む範囲の強度を検出してもよい。なお、測定部110は、光の強度を光電効果によって電圧パルスとして検出してもよく、例えば、蛍光標識された生体が検出領域を通過したことにより検出された電圧パルスのピーク値やパルス面積を検出強度として検出してもよい。一例として、測定部110は、フローサイトメーターであってもよく、イメージングサイトメーターであってもよい。例えば、イメージングサイトメーターとしての測定部110は、生体が含まれうるサンプルが散布された平面に対してレーザー光を照射しつつ平面上を走査し、サンプルが発する蛍光の強度データを走査線に沿って取得してもよい。また、フローサイトメーターとしての測定部110は、個々の生体を浮遊させた浮遊液を筒状のシース液中に流してレーザー光上に通過させることにより、レーザー光により励起された蛍光の強度を時系列に検出してもよい。このほか、フローサイトメーターとしての測定部110は、生体の浮遊液をマイクロ流路に流して励起光上を通過させて蛍光の強度を検出してもよい。ここで、図2は、マイクロ流路を用いた蛍光標識済生体の蛍光検出方法を模式的に示す図である。
マイクロキャピラリー方式のフローサイトメトリーでは、シース液を用いるフローサイトメトリーとは異なり、シーケンス制御された空気圧によって、図2に示すように、マイクロキャピラリー中のマイクロ流路に浮遊液を送り込むことによりフロー(流れ)を形成させる。ここで、一例として、励起光は2波長同時に照射し、蛍光は3波長を同時に各チャンネルで検出してもよい。マイクロキャピラリー方式のフローサイトメーターの一例として、非特許文献1に記載の日立エンジニアリング・アンド・サービス社製カセットラボ(R)ONEを測定部110として用いてもよい。
また、図1において、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、データ取得部102a、ヒストグラム生成部102b、多変量解析部102c、最適化部102d、および、生体数判定部102fを備える。
このうち、データ取得部102aは、検出強度データを取得する検出強度データ取得手段である。例えば、データ取得部102aは、測定部110を介して測定された検出強度データを取得してもよい。なお、測定部110を介して測定された生データにアナログ/デジタル変換等のデータ処理が必要な場合は、データ取得部102aは、公知のデータ加工手法を用いて、測定部110を介して測定された生データを検出強度データに変換してもよい。また、データ取得部102aは、ネットワーク300を介して外部機器200から検出強度データを受信してもよい。なお、本実施形態において、データ取得部102aは、取得した検出強度データを検出強度ファイル106aに格納する。
また、ヒストグラム生成部102bは、検出強度ファイル106aに記憶された検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムのデータをヒストグラムファイル106bに格納するヒストグラム生成手段である。ここで、ヒストグラム生成部102bは、複数の蛍光標識に対応する検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを複数の蛍光標識において生成してもよい。例えば、ヒストグラム生成部102bは、全菌用蛍光色素および死菌用蛍光色素に対応する2波長の検出強度データに基づいて、それぞれの検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成して、生成したヒストグラムを結合させてもよい。例えば、5つあるフローサイトメーターのチャンネルは、それぞれ1024に区分されたヒストグラムデータが得られるので、ヒストグラム生成部102bは、それらを一列につなげて1サンプルあたり5120の変数となる頻度値を得てもよい。ここで、ヒストグラム生成部102bは、サイトメーターのチャンネル毎に、すなわち、複数の蛍光標識による検出強度毎に、ヒストグラムの区分の間隔を変更してもよい。
また、ヒストグラム生成部102bは、複数の蛍光標識に対応する検出強度データに基づいて、複数の蛍光標識のうち一つの蛍光標識の検出強度が所定の範囲にある場合の、他の蛍光標識の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。例えば、ヒストグラム生成部102bは、複数の蛍光標識に対応する検出強度データに基づいて、一方の蛍光標識の検出強度が所定の閾値以下である場合の、他方の蛍光標識の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。例えば、生体が生の状態で相互作用し易い蛍光標識と、生体が死の状態で相互作用し易い蛍光標識と、を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データについて、ヒストグラム生成部102bは、後者の蛍光標識の検出強度が所定の閾値以下である場合の、前者の蛍光標識の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。他の例として、ヒストグラム生成部102bは、全菌用蛍光標識および死菌蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに基づいて、死菌用蛍光標識の検出強度が所定の閾値以下である場合の、全菌用蛍光標識の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。
また、ヒストグラム生成部102bは、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに基づいて、同時に計測された蛍光標識の検出強度データ間で加減乗除し、加減乗除した値の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。例えば、全菌用蛍光標識および死菌蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに、ヒストグラム生成部102bは、全菌用蛍光標識の検出強度を、同時刻に検出された死菌用蛍光標識の検出強度で減算ないし除算した値の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。
ここで、ヒストグラム生成部102bは、検出強度データに基づいて、検出強度を対数に変換して、変換した対数の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。例えば、ヒストグラム生成部102bは、検出強度に対して等間隔に区分わけしてヒストグラムを生成するのではなく、検出強度の対数(常用対数や自然対数等)に対して等間隔に区分わけしてヒストグラムを生成してもよい。また、片対数のみならず、両対数としてもよい。例えば、ヒストグラム生成部102bは、検出強度データに基づいて、横軸を検出強度の対数に、縦軸を頻度値の対数にして両対数のヒストグラムを生成してもよい。
また、ヒストグラム生成部102bは、生成したヒストグラムに対して、後述する多変量解析部102cによる多変量解析処理を実行する前に、前処理を行ってもよい。例えば、ヒストグラム生成部102bは、生成したヒストグラムをスペクトルとして、中心化、尺度化、平滑化、微分、および/または標準化などの前処理を行ってもよい。
また、多変量解析部102cは、ヒストグラム生成部102bにより生成されたヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた説明変数に対する各係数を用いて生体の有無(生菌の存在有無など)または生体数(生菌数など)を判定する数式である生体数モデルを生成する多変量解析手段である。例えば、多変量解析部102cは、ヒストグラムファイル106bに記憶されたヒストグラムデータの各区分の頻度値を説明変数として多変量解析を行い、その結果得られた各説明変数の係数を、区分番号等に対応付けて生体数モデルファイル106cに格納してもよい。
ここで、多変量解析部102cは、以下の数式(理論式)を用いて生体数モデルを生成してもよい。そして、多変量解析部102cは、生体数が既知のサンプルの希釈系列による各生体数(実測値)を、上記の理論式にあてはめて、理論式のフィッティングを行ってもよい。すなわち、多変量解析部102cは、各実測値の生体数に、理論式が最も適合(フィッティング)するように、最小二乗法等を用いて理論式の係数の値を調整して決定してもよい。
ここで、多変量解析部102cは、教師なしのパターン認識手法、教師ありの判別分析手法、または、教師ありの回帰分析手法を用いて、多変量解析を行ってもよい。例えば、多変量解析部102cは、主成分分析、クラスター分析、PLS(Partial Least Squares)判別分析、SIMCA(Soft Independent Modeling of Class Analogy)、SVM(Support Vector Machine)判別分析、重回帰分析、PLS回帰分析、SVM回帰分析、および、局所重みつき回帰等により、多変量解析を行ってもよい。このほか、多変量解析部102cは、特開2010−185719号公報や、特開2004−294337号公報、特開2010−266380号公報、『JMPによる多変量データ活用術』(URL:http://goo.gl/NjF32)、『Rによるデータサイエンス − データ解析の基礎から最新手法まで』(URL:http://goo.gl/LszNv)等に記載の公知の多変量解析手法を用いて多変量解析を実施してもよい。このように、多変量解析部102bは、上述した手法を採用することにより、回帰式や多項式や検量線や判別式等の数式やグラフで表現された生体数モデルを生成してもよい。
また、最適化部102dは、多変量解析部102cにより得られた生体数モデルによる推定値と実測値との誤差を検証しながら繰り返し、ヒストグラム生成部102bによりヒストグラムの区分の間隔が変更されるよう制御することにより、生体数モデルの最適化を行うモデル最適化手段である。ここで、最適化部102dは、クロスバリデーションやダブルクロスバリデーション等の手法に基づいて、ヒストグラム間隔の最適化を行ってもよい。なお、最適化部102dは、ヒストグラム間隔の最適化処理を、全チャンネル(全蛍光標識の検出強度)一括で行ってもよく、各々のチャンネル(各蛍光標識の検出強度)個別に最適化してもよい。
また、生体数判定部102fは、多変量解析部102cにより生成された生体数モデルに基づいて、検出強度データから生体の有無(生菌の存在の有無など)または生体数(生菌数など)を判定する生体数判定手段である。
以上が、本生体数モデル生成装置100の構成の一例である。ここで、生体数モデル生成装置100は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、ネットワーク300に通信可能に接続されてもよい。この場合、通信制御インターフェース部104は、通信回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、生体数モデル生成装置100とネットワーク300(またはルータ等の通信装置)との間における通信制御を行う。すなわち、通信制御インターフェース部104は、他の端末と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。図1において、ネットワーク300は、生体数モデル生成装置100と外部機器200とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット等である。
また、生体数モデル生成装置100は、測定データやパラメータ等に関する外部データベースや、生体数モデル生成装置として機能させるための外部プログラム等を提供する外部機器200に、ネットワーク300を介して通信可能に接続されてもよい。
図1において、外部機器200は、ネットワーク300を介して、生体数モデル生成装置100と相互に接続され、利用者に対して測定データや理論式やパラメータの値等に関する外部データベースや、情報処理装置を生体数モデル生成装置として機能させるための標的核酸測定プログラム等の外部プログラム等を提供する機能を有する。ここで、外部機器200は、WEBサーバやASPサーバ等として構成してもよい。また、外部機器200のハードウェア構成は、一般に市販されるワークステーション、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置およびその付属装置により構成してもよい。また、外部機器200の各機能は、外部機器200のハードウェア構成中のCPU、ディスク装置、メモリ装置、入力装置、出力装置、通信制御装置等およびそれらを制御するプログラム等により実現される。
[生体数モデル生成装置100の処理]
次に、このように構成された本実施の形態における生体数モデル生成装置100の処理の一例について、以下に図3〜図6を参照して詳細に説明する。ここで、図3は、本実施の形態における生体数モデル生成装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、ヒストグラム生成部102bは、検出強度ファイル106aに記憶された検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムのデータをヒストグラムファイル106bに格納する(ステップSA−1)。ここで、図4は、ヒストグラム生成部102bによる検出強度データからのヒストグラムの変換処理を模式的に示す図である。なお、図4の検出強度データは、時刻tにおいて検出された、全菌用蛍光標識用の全菌チャンネルにおける電圧値と、死菌用蛍光標識用の死菌チャンネルにおける電圧値を示す。なお、検出強度データにおける判定項目は、死菌チャンネルにおける電圧値が0において全菌チャンネルにおける電圧値が正の値ならば生菌1個と判定する従来法の例を示したものであり、本実施形態を実施するために必須の項目ではない。
図4に示すように、一例として、ヒストグラム生成部102bは、サイトメーターのチャンネル毎に(すなわち、複数の蛍光標識による検出強度毎に)、電圧値の区分ごとに頻度値を示すヒストグラムを生成してもよい。なお、ヒストグラム生成部102bは、複数の蛍光標識に対応する検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを複数の蛍光標識において生成することに限られない。例えば、ヒストグラム生成部102bは、複数の蛍光標識に対応する検出強度データに基づいて、一つの蛍光標識の検出強度が所定の範囲にある場合(例えば、所定の閾値以下である場合や、所定の閾値以上である場合)の、他の蛍光標識の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。例えば、図4の検出データの例において、ヒストグラム生成部102bは、全菌用蛍光標識および死菌蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに基づいて、死菌用蛍光標識の検出強度が所定の閾値以下である場合の(例えば電圧値が0である場合の)、全菌用蛍光標識の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。また、ヒストグラム生成部102bは、複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに基づいて、同時に計測された蛍光標識の検出強度データ間で加減乗除し、加減乗除した値の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。例えば、全菌用蛍光標識および死菌蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す検出強度データに、ヒストグラム生成部102bは、全菌用蛍光標識の検出強度を、同時刻に検出された死菌用蛍光標識の検出強度で減算ないし除算した値の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。
なお、ヒストグラム生成部102bは、検出強度データに基づいて、検出強度を対数に変換して、変換した対数の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成してもよい。また、ヒストグラム生成部102bは、生成したヒストグラムに対して、次のステップSA−2の多変量解析処理の前に、前処理を行ってもよい。例えば、ヒストグラム生成部102bは、生成したヒストグラムをスペクトルとして、中心化、尺度化、平滑化、微分、および/または標準化などの前処理を行ってもよい。
つづいて、多変量解析部102cは、ヒストグラム生成部102bにより生成されヒストグラムファイル106bに格納されたデータによるヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行う(ステップSA−2)。ここで、図5は、複数の蛍光標識におけるヒストグラムデータがある場合に実行される結合処理を模式的に示す図である。
図5に示すように、複数の蛍光標識におけるヒストグラムデータがある場合、多変量解析部102cは、複数のヒストグラムを結合させて、結合させたヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行ってもよい。ここで、多変量解析部102cは、教師なしのパターン認識手法、教師ありの判別分析手法、または、教師ありの回帰分析手法を用いて、多変量解析を行ってもよい。例えば、多変量解析部102cは、主成分分析、クラスター分析、PLS(Partial Least Squares)判別分析、SIMCA(Soft Independent Modeling of Class Analogy)、SVM(Support Vector Machine)判別分析、重回帰分析、PLS回帰分析、SVM回帰分析、および、局所重みつき回帰等により、多変量解析を行ってもよい。このほか、多変量解析部102cは、特開2010−185719号公報や、特開2004−294337号公報、特開2010−266380号公報、『JMPによる多変量データ活用術』(URL:http://goo.gl/NjF32)、『Rによるデータサイエンス − データ解析の基礎から最新手法まで』(URL:http://goo.gl/LszNv)等に記載の公知の多変量解析手法を用いて多変量解析を実施してもよい。一例として、多変量解析部102cは、以下の数式(理論式)を用いて生体数モデルを生成してもよい。そして、多変量解析部102cは、生体数が既知のサンプルの希釈系列による各生体数(実測値)を、上記の理論式にあてはめて、理論式のフィッティングを行ってもよい。すなわち、多変量解析部102cは、各実測値の生体数に、理論式が最も適合(フィッティング)するように、最小二乗法等を用いて理論式の係数の値を調整して決定してもよい。
そして、多変量解析部102cは、多変量解析処理により、説明変数に対する各係数を用いて生体の有無(生菌の存在有無など)または生体数(生菌数など)を判定する数式である生体数モデルを生成し、生成した生体数モデルを生体数モデルファイル106cに格納する(ステップSA−3)。例えば、多変量解析部102cは、ヒストグラムファイル106bに記憶されたヒストグラムデータの各区分の頻度値を説明変数とした多変量解析の結果、得られた各説明変数の係数を、区分番号等に対応付けて生体数モデルファイル106cに格納してもよい。
そして、最適化部102dは、多変量解析部102cにより得られた生体数モデルによる推定値と実測値との誤差を検証し、ステップSA−1に処理を戻してヒストグラム生成部102bによりヒストグラムの区分の間隔が変更されるよう制御する(ステップSA−4)。このように、最適化部102dは、多変量解析部102cにより生成された生体数モデルの検証を行い、繰り返しヒストグラム区分が変更されるよう制御することにより、実測値との誤差が少なくなるように生体数モデルの最適化を行う。ここで、最適化部102dは、クロスバリデーションやダブルクロスバリデーション等の手法に基づいて、ヒストグラム間隔の最適化を行ってもよい。なお、最適化部102dは、ヒストグラム間隔の最適化処理を、全チャンネル(全蛍光標識の検出強度)一括で行ってもよく、各々のチャンネル(各蛍光標識の検出強度)個別に最適化してもよい。
以上が、本実施の形態における生体数モデル生成装置100の処理の一例である。このように生成された生体数モデルを用いて、生体数モデル生成装置100は、生体数判定部102fの処理により、検出強度データから生体の有無(生菌の存在の有無など)または生体数(生菌数など)を正確かつ迅速に判定することができる。ここで、図6は、本実施形態により生成された生体数モデルおよび従来法による推定値と、培養法による実測値との誤差を示す図である。図6の横軸は、培養法における実測値を示し、縦軸は、各手法による推定値を示しており、傾き1の直線上にあるほど誤差が少ない。図中の菱形は、蛍光の検出感度が高い場合における従来のサイトメトリー法によるプロット、図中の正方形は、蛍光の検出感度が低い場合における従来のサイトメトリー法によるプロット、図中の三角形は、本実施形態によるプロットを示す。
図6に示すように、従来のサイトメトリー法では、生菌数が少ない場合に、擬陽性が多く、検出限界は、10個を超える。そのため、生菌の有無を正しく判定できない。また、生菌数が多い場合にも、実測値よりも1〜2桁程度、低く見積もってしまうため、正確な生菌数が推定できない。本実施形態によれば、生菌数が多い場合にも少ない場合にも、プロットは、ほぼ傾き1の直線上にあり、実測値との誤差の少ない正確な生菌数を推定することが可能である。従来のサイトメトリー法においては、図4の判定項目にて示したように、連続量である蛍光強度データ(電圧値)から、生菌か死菌かという離散値の判別を行うために誤差や擬陽性が生じ易かった。本実施形態によれば、ヒストグラムをスペクトルとみなして多変量解析を行うことにより、連続量のデータを活かしたまま解析を行うので、従来のサイトメトリー法よりも誤差や擬陽性が少なく正確な生体数の判定や生体の有無の判定を行うことができ、検出率(推定値/実測値)を向上させることができる。
る。
[実施例]
つづいて、本実施の形態にかかる実施例について、以下に図7〜図48を参照して説明する。ここで、図7は、本実施例によるデータの流れの一例を示す図である。
図7に示すように、サイトメトリーにより得られた元データMA−1は、検出強度データである電圧値データMA−2に変換される。つづいて、電圧値を対数に変換することにより(MA−3)、電圧値データMA−2は、対数の電圧値データMA−4に変換される。そして、本実施例によりヒストグラム変換され(MA−5)、電圧値データMA−4は、ヒストグラムMA−6に変換される。
一方、実測値側としては、取り纏め表MA−7に基づいて、CSVデータに含まれる生菌数(個)データMA−8を抽出し、実測値としてカウント数MA−9を準備する。
本実施例において、ヒストグラムMA−6もカウント数MA−9も対数変換を行い(MA−10)、それぞれ対数表現のヒストグラムMA−11とカウント数MA−12に変換する。
そして、本実施例において、ヒストグラムMA−11の各区分における頻度値を説明変数として、実測値のカウント数MA−12を目的変数として、多変量解析を行う(MA−13)。
そして、本実施例において、多変量解析によって得られた生体数モデルによる推定値と実測値との誤差を計算することにより、生体数モデルの検証を行う(MA−14)。例えば、クロスバリデーション法に従って、実測値であるカウント数データMA−12のうち、多変量解析の教師データとするデータセットと、モデル検証用のデータセットとを、シャッフルしながら複数回、多変量解析とモデル検証を繰り返し行ってもよい。
そして、本実施例において、多変量解析の結果生成された生体数モデルの推定結果(実測値との誤差評価結果等)を得る(MA−15)。
そして、本実施例において、ヒストグラムの区分の間隔を再設定し(MA−16)、上述した処理を繰り返すことにより、生体数モデルの最適化を図る。
以上が、本実施例によるデータの流れの一例を示す図である。つづいて、以下に、本実施形態おける、ヒストグラム生成処理、最適化処理、前処理、および、多変量解析処理の詳細について説明する。なお、以下の実施例において特記しない場合は、多変量解析手法として、PLS回帰分析を用いている。
[ヒストグラム生成処理]
本実施形態におけるヒストグラム生成処理の実施例について、図8〜図27を参照して説明する。
従来のフローサイトメトリー法(以下「従来法」と呼ぶ。)では、生菌用蛍光染色剤aおよびcの蛍光を捉えるセンサ(A,Cチャンネル)において電圧が生じ、かつ、死菌用蛍光染色剤bの蛍光を捉えるセンサ(Bチャンネル)に電圧が生じていない場合に(すなわち「A and C not B」の場合に)、1つの生菌と判定していた(非特許文献1参照)。
本実施例では、フローサイトメトリーにおいて計測される各チャンネル(A〜Cチャンネル)の電圧値をヒストグラム化して、各チャンネルのヒストグラムを結合する。ここで、図8、図10、図12、図14、図16、図18、図20、図22、図24、および、図26の上図は、各ヒストグラム生成処理により得られた結合後のヒストグラムを示す図である。本実施例では、つづいて、結合したヒストグラムにPLS回帰を適用し、ヒストグラムから生菌数を算出する数式である生体数モデルを構築する。ここで、本実施例において基本とする生体数モデル(理論式)は、ヒストグラムの各区分における頻度値に係数を乗じて足し合わせる以下の多項式とした。ここで、図8、図10、図12、図14、図16、図18、図20、図22、図24、および、図26の下図は、PLS回帰の結果得られた、ヒストグラムの各区分(区分番号i=1〜n、対象チャンネルA〜C、範囲)に対する係数値(回帰係数)を示す図である。
係数
ここで、図9、図11、図13、図15、図17、図19、図21、図23、図25、および、図27は、各ヒストグラム生成処理により得られた生体数モデルまたは従来法による推定値と実測値とを比較したグラフ図である。なお、生体数モデルの生菌数推定精度は以下の指標で評価した。決定係数は、相関係数を二乗した値であって、実測値(培養法によりカウントした生菌数)と推定値の間に、どれだけ直線性があるかを示しており、値が大きければ大きいほど良い(最大値は1)。誤差の標準偏差は、各サンプルの推定誤差を集計した値であって、以下の式で求められ、値は小さければ小さいほど良い。
ここで、図8および図9は、チャンネルAの電圧値のみをヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.611,誤差の標準偏差=2.53log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.694,誤差の標準偏差=1.15log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図10および図11は、チャンネルAおよびBにおける電圧値をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.872,誤差の標準偏差=1.15log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.751,誤差の標準偏差=1.05log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図12および図13は、チャンネルAおよびCにおける電圧値をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.404,誤差の標準偏差=2.54log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.696,誤差の標準偏差=1.15log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図14および図15は、全てのチャンネルA,B,Cにおける電圧値をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.872,誤差の標準偏差=1.15log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.752,誤差の標準偏差=1.04log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図16および図17は、チャンネルAおよびBの電圧値のうち、B=0(死菌の蛍光が検出されない)場合のデータをヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.872,誤差の標準偏差=1.15log(個/ ml)であることろ、本実施例では、決定係数=0.958,誤差の標準偏差=0.45log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図18および図19は、チャンネルAにおける電圧値を同時に計測されたチャンネルCの電圧値で除した値(A÷C)をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.404,誤差の標準偏差=2.54log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.815,誤差の標準偏差=0.91log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図20および図21は、チャンネルAにおける電圧値を同時に計測されたチャンネルBの電圧値で減じた値(A−B)をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.872,誤差の標準偏差=1.15log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.842,誤差の標準偏差=0.83log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図22および図23は、チャンネルAにおける電圧値に同時に計測されたチャンネルCの電圧値を加えた値(A+C)をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.404,誤差の標準偏差=2.54log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.587,誤差の標準偏差=1.34log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図24および図25は、チャンネルAにおける電圧値に同時に計測されたチャンネルCの電圧値を乗じた値(A×C)をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。このデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.404,誤差の標準偏差=2.54log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.812,誤差の標準偏差=0.90log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図26および図27は、チャンネルA,B,Cにおける電圧値を様々に組み合わせた値をヒストグラムに用いて本実施例を適用した例を示す図である。なお、図26下図の対象チャンネルの項目に、チャンネルA,B,Cにおける電圧値の組み合わせ計算方法を示す。この合計21チャンネルのデータセットを用いた場合、従来法では、決定係数=0.872,誤差の標準偏差=1.15log(個/ml)であるところ、本実施例では、決定係数=0.961,誤差の標準偏差=0.43log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
以上で、本実施形態におけるヒストグラム生成処理の実施例の説明を終える。このように、一つまたは複数のセンサで捉えられた蛍光の輝度情報をヒストグラムに用いて本実施の形態を適用することができる。特に、特定のセンサで蛍光が捉えられていない場合のデータのみを対象にして処理を行うことで精度向上を図ることができる。また、異なるセンサ間の蛍光輝度値(電圧値)を加減乗除した値をヒストグラム化することで精度向上を図ることも可能となる。
[最適化処理]
本実施形態における最適化処理の実施例について、図28〜図34を参照して説明する。ここで、図28は、本実施例における最適化処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示すように、まず、本実施例では、検出強度データのチャンネル毎に区分間隔を設定する(ステップSB−1)。そして、得られたデータサンプルを、キャリブレーションセットと、バリデーションセットに二分割する(ステップSB−2)。
そして、キャリブレーションセットに多変量解析を適用し(ステップSB−3)、生菌数を推定する生体数モデルを生成する(ステップSB−4)。
そして、得られた生体数モデルをバリデーションセットに適用することにより、推定値の誤差の標準偏差を算出する(ステップSB−5)。
そして、ステップSB−2に処理を戻し、データサンプルを別の組み合わせで、キャリブレーションセットと、バリデーションセットに再分割し、上述したステップSB−2〜SB−6の処理を繰り返し、交差検定を行う(ステップSB−6)。
そして、交差検定が終了すると(ステップSB−6,Yes)、ステップSB−1に処理を戻し、検出強度データのチャンネル毎の区分間隔を再設定し、上述したステップSB−1以降の処理を繰り返し、最適な生体数モデルとなるための区分間隔を最適化する(ステップSB−7)。ここで、図29は、検出強度データである電圧データから細かい区分間隔でヒストグラムを生成した場合と、粗い区分間隔でヒストグラムを生成した場合の違いを模式的に示した図である。なお、多変量解析手法として、PLS回帰分析を用いた。
図29に示すように、一般的に、細かい区分間隔のデータを用いて解析を行う場合、性質が同じ情報が違うものとみなされるリスクが高まる一方で、粗い区分間隔のデータを用いて解析を行う場合は、性質が異なる情報が同じとみなされるリスクが高まる。前者の例では、色素Aに染色された菌のシグナルでも、わずかでも明るさが異なるものと判定されてしまい、後者の例では、色素Cに染色された菌とクロロフィル蛍光も一緒のものと判定されてしまう。これら両極端の間で、ヒストグラムの区分(階級)の間隔を最適化する必要がある。
本実施例では、以上のステップSB−1〜SB−7の処理により、誤差の標準偏差が最小となる最適な各チャンネルの区分間隔と生体数モデルを決定する(ステップSB−8)。ここで、図30は、チャンネルBの電圧が検出されない場合(B=0)の、チャンネルAおよびCの電圧値をヒストグラムに用いて本実施形態を適用した場合に得られた誤差を示す等値図である。図中の横軸は、チャンネルAのヒストグラム区分の間隔を示し、縦軸は、チャンネルCのヒストグラム区分の間隔を示している。
図30に示すように、チャンネルAおよびCのヒストグラム区分の間隔の組み合せにより、得られる生体数モデルの誤差の標準偏差は大きく変動する。本実施例の最適化処理によって、誤差が最も小さくなるような区分間隔の組み合わせが見出される。ここで、図31は、生菌数推定誤差が最小の場合のヒストグラムと、生菌数推定誤差が最大の場合のヒストグラムとを比較した図である。また、図32は、生菌数推定誤差が最小の場合の生体数モデル、および、生菌数推定誤差が最大の場合の生体数モデルによる推定値と実測値との誤差を示すグラフ図である。グラフの横軸は、培養法による生菌数の実測値を示しており、縦軸は各生体数モデルによる推定値を示している。
図31および図32に示すように、最適なヒストグラム区分間隔の組み合せで生体数モデルを生成した場合、実測値と推定値のプロットが傾き1の直線上に近くなり、誤差が少なくなることが確認された。ここで、図33は、ヒストグラムの各サンプリング間隔において、モデル作成時と検証時における生菌数推定誤差を示すグラフ図である。なお、モデル検証時の誤差は、検証100回における平均値である。
図33に示すように、本実施例において、クロスバリデーション法によりモデル検証を100回繰り返し行うことにより、正確な生体数モデルの評価を行うことができる。図33において、モデル検証時の誤差が最も小さい場合(間隔1.15付近)に理想的な生体数モデルが得られると期待できる。ここで、図34は、図33において、誤差が最も大きい場合の生体数モデルと、誤差が最も小さい場合の数理モデルのそれぞれにおいて、従来法と比較したグラフ図である。
図34の左図に示すように、誤差が最も大きい場合の生体数モデルでは、生菌数が少ない場合に、擬陽性が多くなる。すなわち、ヒストグラム間隔が細かすぎても、擬陽性が多くなってしまう。図34の右図に示すように、適度なヒストグラム間隔で生成された生体数モデルでは、生菌数が少ない場合でも擬陽性が少なく、傾き1の理想的な直線に近い場所にプロットされることが確認された。
以上で、本実施例における最適化処理の一例の説明を終える。
[前処理]
本実施形態における前処理の実施例について、図35〜図42を参照して説明する。
本実施例において、スペクトルの前処理とは、近赤外分光法などで用いられるスペクトル形状の変換手法であって、例えば、ヒストグラムをスペクトルとみなして、中心化、尺度化、平滑化、微分、標準化などの処理を行うことをいう。この前処理には、スペクトルに含まれるノイズを低減したり、スペクトルに含まれる情報を強調したり、異なるサンプル間のスペクトルの尺度を合わせるといった効果がある。本実施例では、複数チャンネルの電圧値をヒストグラム化し、それを結合して繋ぎ合わせたものをスペクトルとみなし、このスペクトルに前処理を適用する。なお、以下の実施例では、チャンネルBの電圧が検出されない場合(B=0の時)の、チャンネルAおよびCの電圧値をヒストグラムに用いて、PLS回帰にて生菌数を推定した。
図35は、前処理を行わなかった場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図35に示すように、前処理を行わない場合、決定係数=0.957,誤差の標準偏差=0.35log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図36は、中心化(mean centering)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図36に示すように、中心化の前処理を行った結果、決定係数=0.975,誤差の標準偏差=0.26log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図37は、尺度化(scaling)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図37に示すように、尺度化の前処理を行った結果、決定係数=0.975,誤差の標準偏差=0.28log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図38は、平滑化(smoothing)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図38に示すように、平滑化の前処理を行った結果、決定係数=0.978,誤差の標準偏差=0.26log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図39は、一次微分(first derivative)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図39に示すように、一次微分の前処理を行った結果、決定係数=0.975,誤差の標準偏差=0.28log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図40は、二次微分(second derivative)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図40に示すように、二次微分の前処理を行った結果、決定係数=0.976,誤差の標準偏差=0.28log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図41は、標準化(Normalization)の前処理を行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図41に示すように、標準化の前処理を行った結果、決定係数=0.977,誤差の標準偏差=0.27log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
図42は、標準化と二次微分と中心化と尺度化の前処理を組み合わせて行った場合のヒストグラム(左図)と生成した生体数モデルによる推定値の誤差を示すグラフ図(右図)である。図42に示すように、標準化と二次微分と中心化と尺度化の前処理を組み合わせて行った結果、決定係数=0.983,誤差の標準偏差=0.23log(個/ml)という生菌数推定精度が得られた。
以上で、本実施形態における前処理の実施例の説明を終える。
[多変量解析処理]
本実施形態における多変量解析処理の実施例について、図43〜図48を参照して説明する。
本実施例においては、お茶飲料にて大腸菌を培養した溶液を添加したサンプルをデータに用いた。大腸菌溶液の濃度を、1/10〜1/10に希釈することで、生菌数の希釈系列を調製した。そして、培養法により実測の生菌数をカウントするとともに、フローサイトメーターによって全68サンプルを計測した。なお、本実施例では、チャンネルBの電圧が検出されない場合(B=0の時)の、チャンネルAおよびCの電圧値をヒストグラムに用いた。
ここで、本実施形態においては、様々な多変量解析手法を用いることができる(多変量解析手法について特開2010−185719参照)。一例として、教師なしのパターン認識手法としては、主成分分析や、クラスター分析、自己組織化マップなどのパターン分類方法が挙げられる。なお、この教師なしのパターン認識手法は、説明変数(今回の場合はヒストグラムをスペクトル化したデータ)の持つ特徴を可視化する手法であり、目的変数(生菌数など)は用いない。ここで、図43は、主成分分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。
図43に示すように、大腸菌添加濃度毎にクラスターが形成されており、判別分析や定量分析による生菌添加濃度の判別や生菌数の定量が可能となることが確認された。また、図44は、クラスター分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。
図44に示すように、大腸菌添加濃度が1/10以下のグループ(低濃度)とそれ以外(高濃度)が明確に異なるクラスターを形成しており、両者を判別できることが確認された。
本実施形態に用いることができる多変量解析手法の他の例では、教師ありの判別手法として、線形判別分析や、Partial Least Squares (PLS)判別分析、Soft Independent Modeling of Class Analogy (SIMCA), Support Vector Machine (SVM)判別分析などを適用することができる。なお、この教師ありの判別手法は、説明変数から定性的な目的変数(生菌の有無)を判別するモデルを構築する手法である。SVM判別分析により得られた生体数モデルによる判別結果のクロス集計では、実測値で低濃度の場合(30サンプル)に、100%の精度で低濃度と推定でき、実測値で高濃度の場合(38サンプル)に、100%の精度で高濃度と推定することができた。ここで、図45は、PLS判別分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。
PLS判別分析により得られた生体数モデルによる判別結果のクロス集計では、実測値で低濃度の場合(30サンプル)に、100%の精度で低濃度と推定でき、実測値で高濃度の場合(38サンプル)に、100%の精度で高濃度と推定することができた。また、図46は、SIMCAにより多変量解析を行った実施例を示す図である。
SIMCAにより得られた生体数モデルによる判別結果のクロス集計では、実測値で低濃度の場合(30サンプル)に、100%の精度で低濃度と推定でき、実測値で高濃度の場合(38サンプル)に、100%の精度で高濃度と推定することができた。
本実施形態に用いることができる多変量解析手法の他の例では、教師ありの回帰分析手法として、重回帰分析や、PLS回帰分析、SVM回帰分析、Locally Weighted Regression(局所重みつき回帰)などを適用することができる。なお、この教師ありの回帰分析手法は、説明変数から定量的な目的変数(生菌数)を定量推定するモデルを構築する手法である。ここで、図47は、SVM回帰分析により多変量解析を行った実施例を示す図である。
図47に示すように、SVM回帰分析により、低濃度においても高濃度においても実測値との誤差の少ない生体数モデルが得られた(決定係数=0.980, 誤差の標準偏差=0.19log(個/ml))。また、図48は、LWR(局所重みつき回帰)により多変量解析を行った実施例を示す図である。
図48に示すように、LWR(局所重みつき回帰)により、低濃度においても高濃度においても実測値との誤差の少ない生体数モデルが得られた決定係数=0.975,誤差の標準偏差=0.04log(個/ml)。
以上のように、主成分分析や、クラスター分析などのパターン認識手法により多変量解析を行うことで、データが持つ生菌数あるいは生菌数の多少に関する情報を可視化することができることが確認された。また、線形判別分析や、PLS判別分析、SIMCA,SVM判別分析などの判別分析により多変量解析を行うことで、生菌数の多少を判定できることが確認された。また、重回帰分析や、PLS回帰分析、SVM回帰分析、LWR(局所重みつき回帰)などの回帰分析により多変量解析を行うことで、生菌数を推定することができることが確認された。
以上で、本実施形態における実施例の説明を終える。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
例えば、生体数モデル生成装置100がスタンドアローンの形態で処理を行う場合を一例に説明したが、生体数モデル生成装置100は、クライアント端末(生体数モデル生成装置100とは別筐体である)からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するようにしてもよい。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、生体数モデル生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、生体数モデル生成装置100の各装置が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OS(Operating System)と協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、生体数モデル生成装置100に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等(検出強度ファイル106a〜生体数モデルファイル106c)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、生体数モデル生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、生体数モデル生成装置100は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
以上詳述に説明したように、本実施形態によれば、正確かつ迅速に生体数を計測することができる、生体数モデル生成装置、生体数モデル生成方法、サイトメーター、および、プログラム、並びに、記録媒体を提供することができる。したがって、茶飲料製造工場など食品製造現場での品質管理や、ミネラルウオーター、動物性タンパクを含む食品等の検査に極めて有用である。特に、本発明は、市販されるフローサイトメトリー装置に実装可能であり、データは市販機(カセットラボONE、日立エンジニアリング・アンド・サービス)にて取得可能である。そのほか、フローサイトメトリー装置やイメージングサイトメトリー装置等を用いた品質管理や医療や製薬や創薬や生物学研究や臨床検査などの様々な分野において極めて有用である。
100 生体数モデル生成装置
102 制御部
102a データ取得部
102b ヒストグラム生成部
102c 多変量解析部
102d 最適化部
102f 生体数判定部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a 検出強度ファイル
106b ヒストグラムファイル
106c 生体数モデルファイル
108 入出力制御インターフェース部
110 測定部
112 入力部
114 出力部
200 外部機器
300 ネットワーク

Claims (11)

  1. 記憶部と制御部を少なくとも備えた生体数モデル生成装置において、
    上記記憶部は、
    生体の生死に応じて上記生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データを記憶する検出強度記憶手段、
    を備え、
    上記制御部は、
    上記検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、
    上記ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた上記説明変数に対する各係数を用いて上記生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する多変量解析手段と、
    を備えたことを特徴とする生体数モデル生成装置。
  2. 請求項1に記載の生体数モデル生成装置において、
    上記検出強度記憶手段は、
    複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、上記各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す上記検出強度データを記憶し、
    上記ヒストグラム生成手段は、
    上記検出強度データに基づいて、上記区分毎の頻度を示すヒストグラムを上記複数の蛍光標識において生成し、
    上記多変量解析手段は、
    上記蛍光標識の区分毎の頻度を上記説明変数とすること、
    を特徴とする生体数モデル生成装置。
  3. 請求項1または2に記載の生体数モデル生成装置において、
    上記検出強度記憶手段は、
    複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、上記各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す上記検出強度データを記憶し、
    上記ヒストグラム生成手段は、
    上記検出強度データに基づいて、上記複数の蛍光標識のうち一つの上記蛍光標識の上記検出強度が所定の範囲にある場合の、他の上記蛍光標識の上記区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成すること、
    を特徴とする生体数モデル生成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の生体数モデル生成装置において、
    上記検出強度記憶手段は、
    複数の蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、上記各蛍光標識が発する蛍光の検出強度を示す上記検出強度データを記憶し、
    上記ヒストグラム生成手段は、
    同時に計測された上記蛍光標識の上記検出強度データ間で加減乗除し、加減乗除した値の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成すること、
    を特徴とする生体数モデル生成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の生体数モデル生成装置において、
    上記制御部は、
    上記多変量解析手段により得られた上記生体数モデルについて実測値との誤差を検証しながら、繰り返し上記ヒストグラム生成手段により生成される上記ヒストグラムの上記区分の間隔が変更されるよう制御することにより、上記生体数モデルの最適化を行うモデル最適化手段、
    を更に備えたことを特徴とする生体数モデル生成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の生体数モデル生成装置において、
    上記ヒストグラム生成手段は、
    上記検出強度データに基づいて、上記検出強度を対数に変換して、変換した対数の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成すること、
    を特徴とする生体数モデル生成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の生体数モデル生成装置において、
    上記ヒストグラム生成手段は、
    生成した上記ヒストグラムをスペクトルとして、中心化、尺度化、平滑化、微分、および/または標準化の処理を行うこと、
    を特徴とする生体数モデル生成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の生体数モデル生成装置において、
    上記多変量解析手段は、
    教師なしのパターン認識手法、教師ありの判別分析手法、または、教師ありの回帰分析手法を用いて、上記多変量解析を行うこと、
    を特徴とする生体数モデル生成装置。
  9. 記憶部と制御部を少なくとも備えたコンピュータにおいて実行される生体数モデル生成方法であって、
    上記記憶部は、
    生体の生死に応じて上記生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データを記憶する検出強度記憶手段、
    を備え、
    上記制御部において実行される、
    上記検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成ステップと、
    上記ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた上記説明変数に対する各係数を用いて上記生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する多変量解析ステップと、
    を含むことを特徴とする生体数モデル生成方法。
  10. 請求項9に記載された生体数モデル生成方法により生成された生体数モデルを用いて、上記検出強度データから上記生体数または上記生体の有無を判定するサイトメーター。
  11. 記憶部と制御部を少なくとも備えたコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    上記記憶部は、
    生体の生死に応じて上記生体との相互作用の程度とそれに応じた発光強度が異なる蛍光標識を用いたサイトメトリーにより得られた、検出強度データを記憶する検出強度記憶手段、
    を備え、
    上記制御部において、
    上記検出強度データに基づいて、検出強度の区分毎の頻度を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成ステップと、
    上記ヒストグラムの各区分における頻度値を説明変数として多変量解析を行い、得られた上記説明変数に対する各係数を用いて上記生体の有無または生体数を判定する数式である生体数モデルを生成する多変量解析ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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