JP2014034592A - エレクトレットシート - Google Patents

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Shunichi Kobayashi
俊一 小林
Bungo Hatta
文吾 八田
Takazumi Okabayashi
賞純 岡林
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Abstract

【課題】高温下での使用にあっても高い圧電性を保持するエレクトレットシートを提供する。
【解決手段】合成樹脂と、ケイ素微粒子及び/又は炭化ケイ素微粒子を含む無機微粒子とを含有する合成樹脂シートに電荷を注入して上記合成樹脂シートを帯電させてなるエレクトレットシート。
【選択図】なし

Description

本発明は、高温下での使用であっても高い圧電性を保持するエレクトレットシートを提供する。
エレクトレットは絶縁性の高分子材料に電荷を注入することにより、内部に帯電を付与した材料である。エレクトレットは繊維状に成形して集塵フィルターなどとして広く用いられている。
また、合成樹脂シートはこれを帯電させることによってセラミックスに匹敵する非常に高い圧電性を示すことが知られている。このような合成樹脂シートを用いたエレクトレットは、その優れた感度を利用して音響ピックアップや各種圧力センサーなどへの応用が提案されている。
エレクトレットシートとして、特許文献1には、塩素化ポリオレフィンが付与されているシートであって、かつ、該シートが1×10-10クーロン/cm2以上の表面電荷密度を有するエレクトレットシートが開示されている。
しかしながら、上記エレクトレットシートは、高温下にて使用すると経時的に圧電性が低下するという問題点を有している。
特開平8−284063号公報
本発明は、高温下での使用にあっても高い圧電性を保持するエレクトレットシートを提供する。
本発明のエレクトレットシートは、合成樹脂と、ケイ素微粒子及び/又は炭化ケイ素微粒子を含む無機微粒子とを含有する合成樹脂シートに電荷を注入して上記合成樹脂シートを帯電させてなることを特徴とする。
[合成樹脂]
合成樹脂としては、吸湿性が低くて絶縁性に優れており、電荷保持力が高いことから、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレンゴムなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などのジエン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンなどの塩素系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、ポリシアン化ビニル、ポリシアン化ビニリデンなどのシアノ系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11などのポリアミド系樹脂、及びアクリル系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性樹脂としては、絶縁性に優れており電荷保持力が高いことから、ポリオレフィン系樹脂、及びポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、及びスチレン系樹脂がより好ましい。
(ポリエチレン系樹脂)
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、又は、エチレン成分を50重量%を超えて含有するエチレンと少なくとも1種のエチレン以外の炭素数が3〜20のα―オレフィンとの共重合体を挙げることができる。エチレン単独重合体としては、高圧下でラジカル重合させた低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中低圧で触媒存在下で重合させた中低圧法高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)などを挙げることができる。エチレンとα―オレフィンを共重合させることで直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を得ることができ、上記α―オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。なお、直鎖状低密度ポリエチレン中におけるα−オレフィンの含有量は通常、1〜15重量%である。
(ポリプロピレン系樹脂)
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン成分を50重量%以上含有しておれば、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数3〜20のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。なお、ポリプロピレン系樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数3〜20のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。
(ポリスチレン系樹脂)
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン成分を50重量%超えて含有していれば、特に限定されず、例えば、スチレン単独重合体(ホモポリスチレン)、スチレン系共重合体などが挙げられる。
スチレン系共重合体における共重合成分としては、ブタジエン、イソプレン、及びクロロプレンなどの共役ジエン系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、無水マレイン酸、及び(メタ)アクリルアミドなどのビニル系単量体などが挙げられる。なお、(メタ)アクリとは、メタクリ又はアクリを意味する。これらの共重合成分は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。スチレン系共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、又はグラフト重合体の何れであってもよい。
ポリスチレン系樹脂は、スチレン成分を50重量%以上含んでいることが好ましい。ポリスチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体、及びスチレン−ブタジエン共重合体などが好ましく挙げられる。
[無機微粒子]
本発明のエレクトレットシートは、ケイ素微粒子又は炭化ケイ素微粒子からなる無機微粒子を含有していることによって、高温条件下でも優れた圧電性を維持することができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下の理由が考えられる。
ケイ素微粒子又は炭化ケイ素微粒子からなる無機微粒子の表面には、無機微粒子を製造する工程において熱処理などを受けることによって、様々な格子欠陥が発生している。したがって、格子欠陥が発生している無機微粒子は、格子欠陥の種類に応じて正又は負に電荷の偏りが生じる。
エレクトレットシートは、後述するように、合成樹脂シートに電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させることにより得られる。合成樹脂シートに正又は負に電荷の偏りが生じ無機微粒子を含有させておくことによって、合成樹脂シートに注入された電荷を無機微粒子がトラップするために、無機微粒子と合成樹脂との界面に電荷がたまりやすく、エレクトレットシート中において無機微粒子と合成樹脂との界面に電荷が見掛け上、正電荷と負電荷に分極した状態でたまることが可能となる。このようにして無機微粒子と合成樹脂との界面に分極した状態でたまっている正電荷と負電荷とを相対に変動させることによって電気応答を生じ、エレクトレットシートが優れた圧電性を発揮することができる。
そして、無機微粒子と合成樹脂との界面にたまった電荷は、エレクトレットシートを高温条件下にて使用した場合にも放電され難くいため、エレクトレットシートは、高温条件下でも優れた圧電性を維持することができる。
無機微粒子としては、ケイ素微粒子又は炭化ケイ素微粒子が用いられる。無機微粒子は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、高温条件下でも優れた圧電性をより維持することができるエレクトレットシートを提供することができることから、炭化ケイ素微粒子が好ましい。
無機微粒子の平均粒子径は、0.01〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.1〜5μmが特に好ましい。無機微粒子の平均粒子径が小さ過ぎると、無機微粒子が凝集し易くなり、微分散させることが困難となる虞れがある。また、無機微粒子の平均粒子径が大き過ぎると、エレクトレットシート中で無機微粒子同士の距離が短くなり、合成樹脂と無機微粒子との間にトラップされた電荷が他の無機微粒子を通じて容易に拡散して、エレクトレットシートの外部へ放電され易くなり、エレクトレットシートの圧電性が低下する虞れがある。
なお、本発明において、無機微粒子の粒子径とは、無機微粒子を包囲し得る最小径の真円の直径を意味する。無機微粒子の平均粒子径は、無機微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、少なくとも100個以上の無機微粒子の粒子径を測定して、得られた値を相加平均することにより算出することができる。
合成樹脂シート中における無機微粒子の含有量は、合成樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましく、0.1〜5重量部が特に好ましい。合成樹脂シート中における無機微粒子の含有量が低過ぎると、高温下においてエレクトレットシートの圧電性が経時的に低下する虞れがある。また、合成樹脂シート中における無機微粒子の含有量が高過ぎると、エレクトレットシート中に注入させた電荷が無機微粒子を伝って拡散し、エレクトレットシートの圧電性が低下する虞れがある。
(合成樹脂シート)
合成樹脂シートは、その物性を損なわない範囲内において、酸化防止剤、金属害防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、ブロッキング防止剤などの他の添加剤を含んでいてもよい。
合成樹脂シートは、合成樹脂非発泡シートであっても合成樹脂発泡シートであってもよい。なかでも、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供することができることから、合成樹脂発泡シートが好ましい。また、合成樹脂シートは、汎用の要領で一軸延伸又は二軸延伸されていてもよい。
合成樹脂非発泡シートの製造方法としては、例えば、(1)合成樹脂及び無機微粒子を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたTダイからシート状に押出して合成樹脂非発泡シートを製造する方法、(2)合成樹脂及び無機微粒子を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたサーキュラダイから円筒状体を押出し、この円筒状体を押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して円筒状体を展開し合成樹脂非発泡シートを製造する方法が挙げられる。
また、合成樹脂発泡シートの製造方法としては、合成樹脂、無機微粒子及び熱分解型発泡剤を押出機に供給して熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度にて溶融混練し押出機に取り付けたTダイから発泡性合成樹脂シートを押出し、この発泡性合成樹脂シートを必要に応じて架橋した上で、発泡性合成樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させて合成樹脂発泡シートを製造する方法が挙げられる。
発泡性合成樹脂シートを架橋させる場合、発泡性合成樹脂シートが多官能モノマーをさらに含んでいることが好ましい。合成樹脂、無機微粒子、熱分解型発泡剤、及び多官能モノマーを含む合成樹脂組成物を押出機に供給して熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度にて溶融混練し押出機に取り付けたTダイから発泡性合成樹脂シートを押出し、この発泡性合成樹脂シートを架橋した上で、発泡性合成樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させて合成樹脂発泡シートを得ることができる。
多官能モノマーとしては、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、シアノエチルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。発泡性合成樹脂シートの架橋は、発泡性合成樹脂シートに電子線などの活性エネルギー線を照射することにより行うことができる。
熱分解型発泡剤としては、分解によってガスを発生させればよく、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。
合成樹脂シートの厚みは、薄いと、エレクトレットシートの強度が低下することがあり、厚いと、エレクトレットシートの取扱い性が低下することがあるので、1μm〜3mmが好ましく、1μm〜1mmがより好ましく、10μm〜300μmが特に好ましい。
(エレクトレットシート)
本発明のエレクトレットシートは、上述した合成樹脂シートに汎用の要領で電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させることにより、製造することができる。合成樹脂シートに電荷を注入する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)合成樹脂シートを一対の平板電極で挟持し、一方の平板電極をアースすると共に他方の平板電極を高圧直流電源に接続して、合成樹脂シートに直流又はパルス状の高電圧を印加して合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法、(2)合成樹脂シートの一面にアースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、針状電極の先端又はワイヤー電極の表面近傍への電界集中によりコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極又はワイヤー電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂シートに電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法、(3)電子線、X線などの電離性放射線や紫外線を合成樹脂シートに照射して、合成樹脂シートの近傍部の空気分子をイオン化することによって合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法などが挙げられる。上記方法の中で合成樹脂シートに容易に電荷を注入することができるので、上記(1)及び(2)の方法が好ましく、上記(2)の方法がより好ましい。
上記(1)及び(2)の方法において、合成樹脂シートに印加する電圧の絶対値は、小さいと、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあり、大きいと、アーク放電してしまい、却って、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあるので、3〜100kVが好ましく、5〜50kVより好ましい。
上記(3)の方法において、合成樹脂シートに照射する電離性放射線の加速電圧の絶対値は、小さいと、空気中の分子を十分に電離することができず、合成樹脂シートに十分な電荷を注入することができず、圧電性の高いエレクトレットシートを得ることができないことがあり、多いと、電離性放射線が空気を透過するので、空気中の分子を電離させることができないことがあるので、5〜15kVが好ましい。
エレクトレットシートの厚みは、薄いと、エレクトレットシートの強度が不十分となることがあり、厚いと、エレクトレットシートの取扱い性が低下することがあるので、1μm〜3mmが好ましく、1μm〜1mmがより好ましく、10μm〜300μmが特に好ましい。
なお、合成樹脂シート及びエレクトレットシートの厚みは、膜厚測定機(例えば、NIKON社製 DIGMICRO MFC−101)を用いて、合成樹脂シート又はエレクトレットシートの厚みを12箇所以上測定し、その相加平均値を算出することにより得られた値とする。
本発明の方法により得られるエレクトレットシートでは、高温下における電荷の放電が防止されており、よって、高温下の使用においても経時的に圧電性が低下することはなく、長期間に亘って優れた圧電性を有する。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[実施例1〜12及び比較例1〜3]
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン成分含有量:95重量%以上含有、日本ポリプロ社製 商品名「EG8B」)、ポリエチレン系樹脂(エチレン単独重合体、プライムポリマー社製 商品名「0138CN」)、ポリスチレン系樹脂(スチレン単独重合体、重量平均分子量(Mw)260,000)、ケイ素微粒子(平均粒子径:5μm、高純度化学社製 商品名「SIE23PB」)、及び炭化ケイ素微粒子(平均粒子径:0.5μm、高純度化学社製 商品名「SII08PB」)を、それぞれ表1に示した配合量で、押出機に供給して170℃で溶融混錬した後、上記押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより、シート状の合成樹脂非発泡シート(厚み100μm)を得た。
得られた合成樹脂非発泡シートの一面にアースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂非発泡シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極を配設し、針状電極の表面近傍への電界集中により、電圧−10kV、放電距離10mm及び電圧印可時間1分の条件下にてコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂非発泡シートに電荷を注入して合成樹脂非発泡シートを帯電させた。その後、電荷を注入した合成樹脂非発泡シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持することで合成樹脂非発泡シート表面に存在する静電気を除去してエレクトレットシートを得た。
[実施例13〜24及び比較例4〜6]
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン成分含有量:95重量%以上含有、日本ポリプロ社製 商品名「EG8B」)、ポリエチレン系樹脂(エチレン単独重合体、プライムポリマー社製 商品名「0138CN」)、ポリスチレン系樹脂(スチレン単独重合体、重量平均分子量(Mw)260,000)、ケイ素微粒子(平均粒子径:5μm、高純度化学社製 商品名「SIE23PB」)、炭化ケイ素微粒子(平均粒子径:0.5μm、高純度化学社製 商品名「SII08PB」)、多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド、酸化防止剤として2,6−ジブチル−p−クレゾール及びジラウリルチオプロピオネート、及び金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾールを、それぞれ表2に示した配合量で、押出機に供給して170℃で溶融混練し、Tダイからシート状に押出すことにより、発泡性合成樹脂シート(厚み0.3mm)を製造した。
次に、発泡性合成樹脂シートに電子線を加速電圧300kVの条件下にて25kGy照射して発泡性合成樹脂シートを架橋させた。この架橋させた発泡性合成樹脂シートを250℃の熱風オーブンに投入して、熱分解型発泡剤を分解させて発泡性合成樹脂シートを発泡させた後に冷却させることにより、合成樹脂発泡シート(厚み0.5mm)を得た。
次に、合成樹脂発泡シートを150℃の熱風オーブン中に供給して、合成樹脂発泡シートの表面温度が130℃になるようにしながら合成樹脂発泡シートをその押出方向(長さ方向)のみに一軸延伸することにより、合成樹脂発泡シート(厚み150μm)を得た。
そして、得られた合成樹脂発泡シートの一面にアースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂発泡シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極を配設し、針状電極の表面近傍への電界集中により、電圧−10kV、放電距離10mm及び電圧印可時間1分の条件下にてコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂発泡シートに電荷を注入して合成樹脂発泡シートを帯電させた。その後、電荷を注入した合成樹脂発泡シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持することで合成樹脂発泡シート表面に存在する静電気を除去してエレクトレットシートを得た。
[評価]
得られたエレクトレットシートの圧電性能を、下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(電荷発生量)
エレクトレットシートから一辺が5cmの平面正方形状の試験片を切り出し、試験片の両面に、一辺が5cmの平面正方形状のアルミ箔(厚み300μm)を密着状態に配設することにより試験体を作製した。試験体に加振機を用いて荷重Fが2N、動的荷重が±0.25N、周波数が110Hzの条件下にて押圧力を加え、その時に発生する電荷Q(クーロン)を計測した。電荷Q(クーロン)を荷重F(N)で除することによって電荷発生量(pC/N)を算出した
製造直後のエレクトレットシートを23℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽内に1時間に亘って放置した後に、エレクトレットシートの単位力当りの電荷発生量を測定し、結果を表1及び2の電荷発生量における「初期」の欄に記載した。
さらに、エレクトレットシートを60℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽内に7日間に亘って放置した後、エレクトレットシートを23℃、相対湿度50%の恒温恒湿槽内に1時間に亘って放置した。このエレクトレットシートの単位力当りの電荷発生量を測定し、結果を表1及び2の電荷発生量における「60℃耐久」の欄に記載した。
Figure 2014034592
Figure 2014034592

Claims (6)

  1. 合成樹脂と、ケイ素微粒子及び/又は炭化ケイ素微粒子を含む無機微粒子とを含有する合成樹脂シートに電荷を注入して上記合成樹脂シートを帯電させてなることを特徴とするエレクトレットシート。
  2. 合成樹脂が、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレットシート。
  3. 合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂及び/又はポリスチレン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトレットシート。
  4. 合成樹脂シートが、合成樹脂100重量部に対して、無機微粒子を0.01〜20重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトレットシート。
  5. 合成樹脂シートが、合成樹脂発泡シートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトレットシート。
  6. コロナ放電処理によって電荷を注入してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエレクトレットシート。
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