JP2014026012A - 裸眼立体(3d)映像装置及びそのアダプター - Google Patents

裸眼立体(3d)映像装置及びそのアダプター Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、通常の2D映像を特別な電子機器を使用せずに「3D疲れ」も少なく、奥行き感と立体感(ボリューム感)のある自然な3D映像を楽しめる様にする事である。
【解決手段】上記課題は本発明の極薄のフレネルレンズと同レンズを曲面と平面の2つの形状で保持することが可能でコンパクトなフレームで構成する3Dアダプターで解決される。適正な形状に設計された曲面を持つフレネルレンズで3D視に必要な遠近感と立体感を両立し、ピント調整機能も併用し自然な映像になり疲れも少ない。主に携帯映像表示器(スマートフォン、タブレットPC、携帯ゲーム機等)での3D視聴を目的としている為、携帯性は必須である。極薄(0.8mm以下)のフレネルレンズにする事で曲げ応力を小さく出来、画像歪は無くなった。視聴時はフレネルレンズを曲面状にし3D視聴を楽しみ、非視聴時は平面に出来るので携帯映像表示器でも自然な3Dを楽しめる。
【選択図】図1

Description

本発明は、裸眼でありながらあたかも立体に見える様にした裸眼立体(3D)映像装置及びそのアダプターに関するものである。
立体視用の映像は左目と右目で見える位置が違う事(視差)を利用して左目用映像と右目用映像の二つの映像を伝送し、受信側で立体視用の一つの映像に合成しつつ立体視用の特殊メガネや裸眼方式では高精度に加工されたレンズ(レンチキュラーレンズ)等を用いて立体視視聴を行っている。この方式は右目用と左目用の2画面が必ず必要で特別な電子機器や高精度に加工された光学部品が必要である。さらに左右の画面を時分割で交互に表示したり細かく分割したりする為、画面のちらつきや画素数の半減等で画質を大幅に劣化させている。本発明は普通の平面映像を電子的に左右別々の画面に分ける事なく、特別な電子機器も必要もなく、しかも裸眼で画素数の減少による劣化もない立体(3D)映像を実現するものである。
国際特許文献 特許4365435号 欧州特許出願公開第1 636 631号GB2392808(A) 特許公開 特開平07-333557号 実用新案 登実第3140743号 実用新案 登実第3147801号 特許公開 特開2000-56400号 特許3579683号
特許庁「平成21年度 特許出願技術動向調査報告書 立体テレビジョン」H22.4 (株)クエイザーテクノロジー「疑似視差よる3D映像」/山田正治/eizojoho industrial/June 2011) 「Gathering for Gardner 3(見つめるドラゴン)」/ Jerry Andrus/Jan.1998 「作ってふしぎ!?トリックアート工作」/北岡明佳/あかね書房 /2011.07
本発明が解決しようとする課題は、通常の2D映像を特別な電子機器を使用せずに「3D疲れ」も少なく、奥行き感と立体感(ボリューム感)のある自然な3D映像を楽しめる様にする事である。
人が「3D感」を感じる要素は各種ある。ここで「「3D感」とした理由は「遠近感」と「立体感」の両方が揃ってはじめて自然の風景等を見ている感じになる。両方あわせて「3D(三次元)感」とした。下記の内(1)から(8)項は「遠近感」の要素であり重複しつつ(6)から(8)項が「立体感」を感じる要素である。平面の紙であっても斜めに見れば上下左右の2D(二次元)の他に手前奥の1D(一次元)が増えて3D(三次元)になる。従って遠近感(パース)と立体感(ボリューム)を合わせて三次元感(3D感)が出る。
(1)遠近感(パース)は真っすぐ遠々続く並木路の様に手前は広く遠くに行くに従って狭くなって行き、やがて1点(消失点)に消えて行く。
(2)同じ大きさの物でも手前は大きく奥は小さく見える。
(3)列車の窓から見る風景の様に手前は速く動き遠くはゆっくり動く。
(4)重なっている物は隠している方が手前で、隠されている方が奥にある。
(5)空気で光が揺らぐので近くがはっきり遠くは霞んで見える。
(6)目の水晶体は近くの物を見る時は厚く遠くは薄くしてピントを合わせる。
(7)対象物が視線に対して斜めになるに従って実際より短く見えるようになる視角効果。二次元投影する時に短く描く事を短縮法という。両目で見た場合は左右の目で短縮度合いが変わってくる。
(8)左右の目で物を見る場合、左目と物までと右目と物までの視線同士が成す角(輻輳角)が近くは大きく遠くは小さくなる。従って近くは寄り目になり遠くは平行になる。輻輳角を合わせた距離以外の距離にある物は手前も奥も2重に見える。
(9)比較的近くの物を左右の目で見る場合、左目は物の右側面より左側面の方が広く見え、右目は逆に右側面が広く見える。遠くの物はその差が小さく、さらに遠くは判別できない。
上記の内(1)のパースから(7)の短縮法は片目でも3D感を感じる要素である。自然の風景を両目でみると3D感を感じる。その時片目をつぶっても3D感が無くなり急に風景がペタッと平面になることは無い。これは(1)から(7)の要素で3D感を感じているからである。立体感(ボリューム感)は必ずしも必要ではない。従って、2D(平面)の写真や映像機器でもこれらの要素に注意すれば3D感のある映像ができる。遠景ばかりの映像であればボリューム感は必要ないので平面の2D映像でも3D感がある場合がある。画質(画面を構成する画素のドット)が低いと見ている物がドットで構成されているのできっと表示器に映しだされている映像なので平面であろうと脳が認識してしまう可能性がある。高画質になればドット感が無くなり自然の風景を見ているのと脳が区別できなくなり、高画質になるだけで3D感が出てくる場合がある。映画やテレビ等の表示器が平面でも一般的に3D感があるものになればドット感があっても脳は3Dとして認識するようになる可能性はある。
8)の輻輳角は現在の3D映画や3Dテレビが使っている要素である。2つの映像を作り左右の目で見える映像の間隔を変える事で遠近感を得られる。2つの映像を左目用の画像は左目だけに右目用は右目だけに見える様にするには3D用メガネ等が必要になる。左右2つの画像を一つに重なっている場合はその画像が表示器までの距離と等しいところに見える。表示器を基準として右目用の画像を右へ、左目用の画像を左へ離して行くと左右の視線が合わさるところは表示器よりも奥で一つに合わさるので映像は奥にある様に見える。逆に右目用の映像を左へ左目用の映像を右へ離すと左右の視線が合わさるところは表示器よりも手前で一つに合わさるので映像は手前にある様に見える。しかし表示器は平面なのでピント調整する(6)の水晶体を動かす要素が無くなり3D感も減ってしまうばかりか、人が経験したことがない「水晶体の厚さを変えずに輻輳角を頻繁に変える(頻繁に寄り目にする)。」ことになる。その為、「3D疲労」の原因にもなり長時間見ると疲れる。
さらに、遠景は左右の画像が離れて行くが人の目の距離約6cmを超えると人類史上経験したことがない目の動きをする事になる。人は近い物を見る時は寄り目で遠くの物を見る時は視線が平行に近くなり一番遠くにある夜空の星を見る場合でも視線が平行になるところまでしか動かしたことが無い。表示器の画面の大きさを考えて最遠方の星空でも目の間隔である6cm、子供は狭くなり5cmなのでその5cm以下になる様に映像は作っているはずだが、予想外の大きい画面に映した場合左右の視線は平行を超え広角になってしまうので目に悪影響があるかないかも判っていない。
要素(8)のは目の間隔と同じだけ離した2台のカメラか2眼のカメラで撮影すると得られる。しかし(7)の輻輳角はどこかの位置に固定される為、ある距離は表現できるが、他の距離は違和感のある映像になる。2つのカメラや2眼の輻輳角に相当する角度を撮影しながら調整する方法もあるが、視聴者が必ずしもその方向をみるとは限らないので、余計に不自然な映像になる可能性がある。また、この場合でも表示器は平面であり要素(6)のピント調整は行わないので違和感がある。要素(1)から(8)を同時に満足する為に期待されているのがインテグラルフォトグラフィー方式だが、先に述べた様にまだ実験段階であり複雑で高価な特別な電子機器が必要になる。
普通の2D映像の動画を変換ソフトも特別な電子機器も必要とせず裸眼で3D感を感じる要素(1)〜(8)の全てを満たす課題を、本発明の裸眼立体(3D)映像アダプターによって解決される。本発明は従来の「輻輳角(寄り目の度合い)」に頼った3D映像と違い、「輻輳角」に加え視角によって見える面積を変え、目ピント調整動作も行う事で脳が3D感を認識する能力を使って、今までに無い自然な3D感を実現している。
本発明の裸眼立体(3D)映像装置及びアダプターによって、普通の2D表示を疑似3D表示として楽しむ事が出来る。また従来のTV、パソコン、タブレット端末等の映像機器にも、本発明のアダプターを取り付ければ普通の2D映像を自然な3D映像として安価で手軽に楽しむ事が出来る。高価な3D専用の映像ソフトや電子機器及び3D対応機器もメガネも要らない。
本発明機器の構成説明図である。 本発明機器の非視聴時や持ち運び時および操作時の形態の一例である。 本発明機器の非視聴時や持ち運び時および操作時の形態のもう一例である。 遠近法の説明図である。 視差による立体感の説明図である。 視角による遠近感の説明図である。 本発明の映像の光の行路を上面から見た説明図である。 本発明で遠近感が出る原理の説明図である。 本発明で映像の中央付近で立体感(ボリューム感)が出る原理の説明図である。 本発明で映像の両端付近で立体感(ボリューム感)が出る原理の説明図である。 本発明で2D映像が自然な3D映像に見える総合的な説明図である。 本発明の比較的均一な厚みの1枚ものフレネルレンズを使用した実施例である。 本発明の片面がフラットで反対面が半円筒形のかまぼこ型の曲面部にフレネルレンズが配置された実施例である。 本発明のかまぼこ型の反対の凹レンズ形状の曲面部にフレネルレンズを配置した実施例である。 本発明の複数のフレネルレンズを設置した実施例である。 本発明の表示器とフレネルレンズを相対的に傾け、上下の曲率も変えて設置した実施例である。 本発明の表示器とフレネルレンズを相対的に傾け、上下の曲率も変えて設置した場合の光の行路を側面から見た説明図である。 表示器とフレネルレンズを相対的に傾けて設置した実施の寸法例である。
人間は通常2D映像(ディスプレイ上の映像)を見る時は映像のどの部分を見る場合でも左右の目は同じ距離、同じ形で見ている。厳密に言えば右目は中央より目の幅の半分に相当する約3cm右よりから見て、左目は同じく約3cm左よりから見ている。この為、表示されている映像を左右の視差から立体として認識することも出来るはずである。しかし、ディスプレイは平面なので映し出される映像は左右の視差があっても脳は、画像はあくまで平面として認識する。同様に、ディスプレイ上の奥行き感のある映像や立体感のある映像でも脳は平面であると認識する。立体と認識してしまう事は「錯覚」である。従って平面のディスプレイで脳をいかに立体と「錯覚」させるかがキーポイントになる。
本発明はフレネルレンズを使用する。フレネルレンズの通常の使い方は画面の前に焦点距離以下の数センチから数十センチの距離に配置し、目から物がはっきり見える距離(明視距離とよばれ25cmと定義されている)以上から画面を見ると画面が拡大されて見える。しかし2D映像はそのまま大きくなった2D映像として見えるだけである。3D映像には見えない。フレネルレンズは単焦点レンズ(平行光線を当てると1点に集まる)である。横手方向が長い長方形のフレネルレンズを横手方向に狭め、凸型に半円筒形近くまで曲げる。フレネルレンズ各点からの焦点の距離は同じままなのでフレネルレンズの焦点の位置はフレネルレンズの変形に従う。このフレネルレンズを平面ディスプレイの前に配置すると映像とフレネルレンズの距離は、中央付近が遠く左右の端付近では近くなる。この配置でフレネルレンズを通して映像を見ると映像の大きさ、相対位置、形状等が左右の目で異なる映像となる。
この大きくなった左右の視差が脳に達すると脳は表示されている映像は平面として認識出来なくなる。左右の視差は僅かなので2個の物であるとも脳は認識出来ない。脳は辻褄を合わす為に、「左右の映像が異なっているのできっと遠近があるか立体物なのだ。」と認識してしまう。「トリックアート」や「だまし絵」などを見るときに遠近や凹凸が逆転していても過去の経験や見ていて楽な方向で脳が認識し納得してしまう。これが「錯覚」である。その為2D映像にも関わらず、奥行き感やボリューム感のある3D映像と捉えてしまう。人口的に加工されて過度に誇張された従来の3D映像とは異なり、本発明は僅かな視差なのでごく自然な遠近感およびボリューム感がある3D映像として見える。自然な3D感でメガネも不要なので「3D疲れ」と言われる疲労感も少なく、非常に見やすい映像で楽しめる。
本発明のアダプターは、普通に普及している2D映像用のTV、パソコン、タブレットPC、スマートフォン等の表示機器の画面前面にアダプターが取りつくフレームを設けアダプターを配置すると自然な3D映像を楽しめる。アダプターは光学的な機構で出来ているので、取り付けるだけで手持ちの映像表示機器で安価に手軽に3D映像を楽しめる。
フレキシブルなフレネルレンズを使用しているので非視聴時や持ち運び時は半円筒形から平らに変形できるので、かさ張らない。スマートフォンやタブレットPCのタッチパネル操作も問題ない。
近年、3D関係の伸び悩みの原因の一つに特別な3D撮影や特別な3D視聴機器が必要で別途製作費用がかかり、力を入れ難い点があげられる。現状のままで3Dになれば2Dと3Dの互換性が生まれ、3Dを期待したコンテンツを作る費用的なリスクも無くなる。かつて白黒テレビしかない時代にカラー放送が始まったが、白黒テレビの家はそのまま白黒で、カラーテレビを買った家はカラーで両家共同じコンテンツを見られた、素晴らしい上下互換であった。本発明も同じで同じコンテンツを3Dアダプター有り無しの両方で楽しめる。最近の製品で特にハードとソフトの関係はお互い新製品で旧バージョンは動くが旧製品で新バージョンは動かない。上位互換だけを考えていて、テレビの様な上下互換を考えていない。買い替えを消費者に迫っている。それを考えると本発明は、コンテンツを変えることなく世界中のテレビが白黒からカラーに移行出来た様に世界中の映像表示機器を3Dに変える力を持っていると考えられる。古いテレビが見えなくなる地デジ移行の時に何年も前から広報だけでも多額の費用をかけた様な事を行う必要がない。
近年スーパーマーケットの売り場も各コーナーに小型のディスプレイを置いて商品の宣伝ビデオを常時流している。このディスプレイに本発明の裸眼立体(3D)映像アダプターを取り付けるだけで2D映像が3D映像になり集客効果や販売効果が格段に上がる。もちろんお客さんは3D映像を見る為のメガネをかける必要はない。
本発明の裸眼立体(3D)映像アダプターは従来の映像表示器の殆どすべてに取り付け可能なので、人間がテレビなどのディスプレイに映り出される映像は2Dが普通としてきた事を「3Dが普通」と言う世の中に変えるものとなる。
図1は、本発明機器の機構である。映像表示機器13の正面に本アダプター11を設置する。本アダプターは横方向に曲率を持ち視聴者側に凸の半円筒形状の片面平面で反対面がレンズ溝で同心円状に形成された拡大用フレネルレンズ12と表示器およびフレネルレンズ保持用のフレーム14で構成される。視聴者はフレネルレンズの溝が無い平らな側から映像を視聴する。フレネルレンズのレンズ形状(溝側)は表示器側になる。元の映像は2D映像だがフレネルレンズを通過する事で拡大と同時に半円筒形状の曲率の効果で左右の目に届く映像の形および距離が異なって見える。その左右で異なった映像を見る事であたかも立体物や遠近がある映像を見ているものと脳が認識してしまうことを利用して3Dで映像を視聴出来る様にしている。
このときフレネルレンズで左右の目に到達する映像は分離できているので、メガネ等の左右分離用機器は必要ない。従来の左右用に2画面を作る映像は人間の目の幅と同じ6センチから7センチにレンズを配置した2台のカメラで撮影したり、2D映像をコンピューター処理で左右違いう映像を作ったりするが、人工的な加工が施され過度に誇張された映像になっている。さらに遠近処理する場合も円滑に処理する事が難しく段階的に深さを変化させる為、立体と言うよりは遠近方向に何枚も紙芝居の絵が並んでいる様な映像(レイヤー的映像)になってしまう。その為、不自然な映像に感じられ「3D疲れ」と呼ばれる疲労感が感じられ長時間視聴には向かない。本発明機器は脳の自然な認識力を利用するので3D映像も自然で立体感や遠近感も円滑に感じられる為疲労感が少ない。従来のメガネ方式や裸眼方式にある左右の映像が2重に見えてしまう(クロストーク)現象が原理上全くない。メガネも不要なので煩わしさもなく視聴できる。
図2は、本発明機器の非視聴時や持ち運び時およびスマートフォンやタブレットPCでのタッチパネル操作時の形状の一例である。半円筒形状のフレネルレンズ22は平面形状を成し表示画面21に平行に配置される。全体にフラットな形状になり、かさ張らない
図3は、本発明機器の非視聴時や持ち運び時およびスマートフォンやタブレットPCでのタッチパネル操作時の形状のもう一つの例である。半円筒形状のフレネルレンズ32は平面形状を成し表示器31の背面に平行に配置される。全体にフラットな形状になり、かさ張らない。
図4は、遠近法の説明図である。樹木に模した小さい図柄41や大きい図柄42を画面の1点43から放射状に伸ばした線上に配置する。図柄の頂点を結んだ線も点43(消失点)に集まる。このようなものの大小と配置を使った遠近法で描かれた絵や画像は平面にも関わらず点44は近くに点43は近くに見え、樹木は一直線の道の両側に並ぶ並木道に見える。
図5は視差による立体感の説明図である。比較的近くにある立方体52を左目51Lおよび右目51Rで見たとき、左目51Lには立方体52のL面がR面より広く見え立方体53Lの様に見える。反対に右目51Rには立方体53Rの様に見える。左右の目は元々別々に見ているので、見ている対象が同じものであるか、違うものであるかは脳が判断する事になる。ここで無理に寄り目にしたり遠目にしたりすると立方体52は2個に見えてしまう。寄り目の場合左側の像は立方体53Lに見え、右側は53Rに見える。遠目に見る場合は逆になる。普通脳は立方体を一つの物として認識する。ここで左右の目で違う立方体が見えるのでこの立方体は平面では無く立体であると認識し、その視差の大きさから立体の度合いを認識する。近い物は視差が大きいので立体感は得られやすいが人間の目の幅は6cm〜7cmなので数m以上離れた物では視差が極僅かになり視差による立体感は得られにくくなる。この立体感は次に説明する遠近感とは違い物を見たときの視差で違い形状を目が見て脳が立体として認識する事である。
図6は視角(輻輳角)による遠近感の説明図である。遠くの距離m1の点64を見る時、視角(輻輳角)θ1は小さくなると同時に目61L/Rの水晶体62L/Rの厚さは薄くt1になり網膜63L/Rに点64の像を結像する。このm1の最長距離は星等のほぼ無限遠を見たときでθ1は零度に近似する。両目のθ1を作る両直線はほぼ平行になる。人間は通常平行以上に開いた目の動きをする事は無い。近くの距離m2の点68を見る時、視角(輻輳角)θ2は大きくなると同時に目65L/Rの水晶体66L/Rの厚さは厚くt2になり網膜67L/Rに点68の像を結像する。このm2の最短距離は物がはっきり見える距離として明視の距離と呼ばれ25cmと慣習的に定義されている。通常裸眼の人や近視をメガネで矯正した人は25cm以上が明視の距離になる。ここでm1、m2、θ1、θ2、t1、t2の関係はm1>m2かつθ1<θ2かつt1<t2になる。この同時の関係で遠近を認識している。これは先に説明した遠近法と違い物の大きさや形に依存しない為、点光源の様な小さな物や向きに判らない球体でも遠近感を認識できる。
先の立体感で説明した通り、物までの距離が数m以上の場合視差により立体感は小さくなるが、視角および視角と連動する水晶体の動作で遠近を認識することが出来る。従来の3D映像はこの視角(輻輳角)の差を利用したものが多い。2台のカメラや2眼カメラで撮影すれば視差による左右で見る方向の違う映像が撮影できるが、対象物の距離によって2台のカメラやレンズの角度(視角)も変化させないと不自然なる。しかし視聴者の視点が必ずしもそこにあるとは限らない。従って対象物が複数ある場面での2眼撮影は大変難しい。さらにt1<t2の動作を行うと片目であっても脳は点64より点68が近くにあると認識できる。映像表示器でこの水晶体の動作が出来れば遠近感を感じる重要な要素に成る。
図7は本発明の映像の光の行路を上面から見た説明図である。映像表示器の画面71の前に配置された半円筒形状の拡大フレネルレンズ72があり、画面71から明視の距離s以上離れたところから左目73Lおよび右目73Rで見ている。ここで明視の距離sは慣習的に25cmと定義され、左目73Lと右目73Rの間隔D1は大人で6cm〜7cm子供は約5cmである。拡大フレネルレンズが平面形状の場合の焦点はレンズの両面にある。通常のカメラや虫眼鏡は焦点f0は各面に1点ずつしか存在しない単焦点であるが、半円筒形状の拡大フレネルレンズの焦点は半円筒形状に曲率半径rにf0を加えた半径(r+f0)の円周上74に存在する。また円周74から円周72に降ろした垂線を伸ばした直線上の円周72から点Oを通る距離f0に反対面の焦点が円周上に存在する。点Oの位置はフレネルレンズの中央から端にかけて変化する場合もあるので円周と表現している部分は楕円周となる場合もある。
図7で画面71の中央部分の光の行路で点a0からの行路の説明を行う。点a0から出た光はフレネルレンズ面72の点a1Lを屈折および拡大されながら通り直線L1上の目73Lに到達する。片や点a0から出た光はフレネルレンズ面72の点a1Rを屈折および拡大されながら通り直線R1上の目73Rに到達する。左右各映像はそれぞれ倍率は同じだが屈折された分各目の方向に向く様に表示される。映像が正面を向いている場合に片目を閉じるとどちらもこちらを向いている映像になる。これは図9で説明する。拡大された虚像の位置を目からの行路で説明する。左目73Lから直線L1でフレネルレンズ面72の点a1Lを通りさらに破線の様に延長し点a2Lまで行き拡大された虚像が出来る。目の水晶体はこの点a2Lでピント調整を行う。同様に右目73Rから見た虚像は点a2Rに出来でピントもここに調整する。しかし左右の目でa2Lとa2Rは距離δだけ離れているので両目で見える映像位置は直線L1と直線R1の延長線上の交点a3になる。この点a3は表示器の映像の点a0より奥になる。
図7で画面71の映像が表示されている幅はD2である。映像左右端部分の光の行路で左端の点b0および右端の点c0からの行路の説明を行う。まず、左端の点b0から出た光はフレネルレンズ面72の点b1Lを屈折および拡大されながら通り直線L2上の目73Lに到達する。また、点b0から出た光はフレネルレンズ面72の点b1Rを屈折および拡大されながら通り直線R2上の目73Rに到達する。左右各映像のそれぞれの倍率は表示器とフレネルレンズまでの距離が遠い方が若干大きくなり、フレネルレンズに入射する角度が浅い(斜め)な程、映像は若干縦長に歪む。中央部分の点a0の映像よりは画面71からフレネルレンズ面72までの距離が小さいので映像の拡大率は小さく入射角が大きいので映像の歪みは大きくなる。これは図10で説明する。拡大された虚像の位置を目からの行路で説明する。左目73Lから直線L2でフレネルレンズ面72の点b1Lを通りさらに破線の様に延長し点b2Lまで行き拡大された虚像が出来る。目の水晶体はこの点b2Lでピント調整を行う。同様に右目73Rから見た虚像は点b2Rに出来でピントもここに調整する。点b2Lは点b2Rより若干左でかつ若干手前にある。点b2Lとb2Rは離れている距離分、両目で見える映像位置は直線L2と直線R2の延長線上の交点b3になる。この点b3は表示器の映像の点b0より奥でかつ外側になる。表示器71の映像の右端の点c0も同様に両目で見える映像は交点c3になる。
図7で画面71の映像の各位置で両目で見える像の位置を結ぶと点a3、点b3および点c3を結ぶ曲線76上になる。まとめると画面の中央は両端よりも拡大率が高く奥に入った映像が両目で見えることになる。水晶体のピント位置も中央ほど奥になる。
具体的に行った実施例の数値的な範囲は下記の様になる。
<画面に大きさに依存しない(定数)>
D1:目の間隔で約50mm〜約70mm。子供や大人、性別、国籍で多少違う。
<画面の大きさに依存する(変数)>
s:明視の距離。慣習的に人が物をはっきり見える距離で250mm以上。D2が500mm以上ではD2x約2以上が見やすい距離となる。
D2:表示画面71の幅寸法。代表的なスマートフォンや携帯ゲーム機で約70mm〜約150mm、タブレットPCで約100mm〜約250mm、パソコンで約200mm〜350mm、テレビで約70mm〜1500mm、高さは幅よりも狭く表示画面の比(4:3や16:9など)による。
f0:フレネルレンズ72の焦点距離。D2x約1〜約10
t:フレネルレンズ72の厚さ。D2/約150〜約400かつ最大2mm。
k1:画面71とフレネルレンズ72の最大距離。D2/約1.5〜約10
k2:画面71とフレネルレンズ72の最小距離。k1x約0.01〜約0.9
r:フレネルレンズ72の曲率半径。円の場合もあるが楕円や球や非球面の場合もある。D2x約0.5〜約10
代表的なスマートフォンの場合の実施例の一つである。自然な3Dに見える構造を実現できる。
D1:目の間隔約60mm
s:明視の距離250mm
D2:画面幅75mm(高さは50mm)
f0:フレネルレンズの焦点距離。D2x1.7=約125mm
t:フレネルレンズの厚さ。D2/250=0.3mm。
k1:画面とフレネルレンズの最大距離。D2/2.5=30mm
k2:画面とフレネルレンズの最小距離。k1x0.3=9mm
r:曲率半径。円の場合もあるが楕円や球や非球面の場合もある。D2x0.9=約70mm
画面の幅D2が2倍になればf0、t、k1、k2、rは約2倍になると考えて良い。tは最大2mmである。sはD2が500mm以上ではD2x約2以上が見やすい距離となる。しかし、自然な3D感を得るには調整が必要である。理由は目の間隔が唯一の定数である為である。画面の大きさが大きいからと言って目の間隔を広げる訳にはいかない。例外的に幅を広げたと同じ効果の特殊メガネをかければ画面の大きさに依存しない自然な3D感を得る事が出来るが、本発明は裸眼をコンセプトに置いているので、近視や遠視の矯正メガネやコンタクトレンズ以外の装着は考えない。従って目の間隔は変えられないので、必然的に自然な3D感を得る為の寸法上の調整は必要である。これは同じ画面の大きさであっても個人差により調整しても良い。もっとも調整し易いのは曲率半径rとなる。
本発明は大画面も対応可能だが画面の対角寸法3から7インチ程度(画面幅50mmから150mm程度)の手の平サイズのスマートフォンや大きくても12インチ程度(画面幅250mm程度)までのタブレットPCやモバイルパソコンを主な対象にしている。従来の特許技術は一つの画面を2つの画面に分離して画面の中央と左右両端で2つの画面のずれ幅が違う事で相対的に遠近感(奥行き感)がある3D映像を得ている。しかし、ボリュームのある立体感は得られていない。
これは左右2つに分かれた画面が平面を水平移動している事が理由である。立体感を得るにはトリック立体アートである「見つめるドラゴン」(非特許文献3)に見られる様に立体を構成する要素が平面であっても少なくとも角度を持っていなければならない。これはフレネルレンズの曲率によって出来る目からの法線に入射角の大きさに依存する。この角度が大きい程、2つの平面映像が平行移動かつ互いに外側に向く角度が大きくなる。この角度が大きくなると脳は立体物を見ていると錯覚してボリューム感(立体感)のある3D映像が得られる。遠近感(奥行き感)とボリューム感(立体感)の二つが共存して初めて自然な3D感が得られる。目の間隔が一定なので画面幅が大きくなるとこの角度が小さくなってしまう。従って小さい画面程自然な3D感が得られることになる。理想的には目の間隔を約60mmとするとその幅の3倍の画面幅180mmまでである。
大きい画面でボリューム感を得ようとして画面中央部の曲率を大きくすると中央での画面とレンズまでの距離が大変大きくなり画面の両端との差も大きく成る為、超広角や魚眼レンズに見られる異常に中央が拡大された映像になってしまう。従って大画面では奥行き感はあるがボリューム感に乏しい3D画面に甘んじるしかない。実験的には凸レンズ効果による虚像の拡大率は両端の画像に対して中央の画像が約1.1倍以下ならば自然な3D感が得られる。画面の両端においても小さな画面では視聴距離sも短く相対的に目から画面端までの距離と角度の差を大きくとることが出来る。画面の両端では左右の目で映像の拡大率と歪率を異なって見えることで立体を角度を変えて見ているものとして脳が認識している。目の間隔は変わらないので大きな画面では左右の目から画面の両端までの距離と角度の差が少なくなってしまう。従ってボリューム感も小さくなってしまう。画面の両端においても理想的には目の間隔を約60mmとするとその幅の3倍の画面幅180mmまでである。
図8は本発明で遠近感が出る原理の説明図である。図7で説明した詳細を図8で説明すると画面81の中央部分の映像の虚像は曲面84L/R上に出来左右の目83Lおよび83Rで見える虚像の間隔δは中央付近ほど大きい、従って両目で見える映像は左右両端から中央へ行くほど遠くに見える。映像の多くは中央が遠景の場合が多いので図4の遠近法との相乗効果で自然な遠近感が感じられる映像になる。中央付近の拡大率は高くなるが映像内の遠近が逆転しない様にフレネルレンズの半円筒形状の半径を調整している。
図9は本発明で映像の中央付近で立体感(ボリューム感)が出る原理の説明図である。図7で説明した詳細を図9で説明すると画面91の中央部分の映像で左目93Lの虚像は面94L上にあり、方や右目93Rの虚像は面94R上に出来る。2つの虚像は距離δ分離れている。さらに面94Lは目93Lの方向を向き面94Rは目93Rの方向を向いている。面94Lと面94Rの垂線は角θを成している。この状態では脳は平面として認識出来ず、辻褄を合わす為に立体であると認識する。立体が凸面であるか凹面であるかは対象物によって経験上判断している。
経験上の判断で顕著な例が「見つめるドラゴン」(非特許文献3)のペーパークラフトの立体物がある。これを組み立てると体は直方体の立体だが、頭は中央が凹んだ凹面になっていてそこに目、鼻、口が描かれている。人は経験上、頭は立体物で顔は凸形状と思い込む。そのドラゴンを見ながら左右にドラゴンを回転させると体はその方向に回転するが顔はいつもこちらを見ている様に首を振っている様に見えてしまう。これは凹面なのに経験上凸面と認識してしまうこと(錯覚)で起こる現象である。図9に戻ると凹凸がはっきりしなくても対象物によって脳が判断する為、両目で見ると自然な立体感がある像95が見える。図8で中央付近は遠くに見えると説明したが、中央付近に左右の視差で判断出来る様な大きな対象物がある場合はフレネルレンズの拡大の相乗効果と相殺されて立体感が優先される。
左右に分離した画像を両目で見ると虚像の位置が奥まって見える事で3D感を得ている。本発明は曲率を適切にする事で中央付近の映像は左右各目に対して正面に見えることで「見つめるドラゴン」(非特許文献3)の様な立体3Dトリックアート(非特許文献4)的なボリューム感を生みだしている。左右端付近の画像は立体物を見たとき左目には左側面が広く見え右目には右側面が広く見える事を再現する為、曲率を適切にすることで像を良い意味で歪ませている。この歪は左右で差があり脳は映像を立体物として認識する。
図10は本発明で映像の両端付近で立体感(ボリューム感)が出る原理の説明図である。図7で説明した詳細を図10で説明すると画面101の左右端部分の映像の内、左端の映像で左目103Lの虚像は面104L1に出来、右目103Rの虚像は面104L1の若干右後ろの面104R1に出来る。左目103Lの虚像106L1は右目103Rの虚像106R1より距離δだけ左にあり、左目103Lの虚像の幅方向の圧縮歪WL1は103rの虚像のWR1より小さい。両目で見ると面105に像が出来、左右の形に差があるので脳は平面として認識出来ず、辻褄を合わす為に立体であると認識する。立体が凸面であるか凹面であるかは対象物によって経験上判断して立体感のある像105Lが見える。右端も同様に像105Rが見える。
図11は本発明で2D映像が自然な3D映像に見える総合的な説明図である。殆どの映像は中央付近に、一番見て欲しい対象物を近距離で配置している。さらに背景は中央付近が遠景の場合が多い。これらは自然な画面構成からくるものである。本発明はこの画面構成の時に最も遠近感と立体感を感じることができる。動きのある映像でも上記のような構成を通過する場合が多いので、その時の印象で遠近感や立体感を感じることが出来て構成が変化しても脳が遠近感や立体感を保ったまま見る事ができる。従来の平面映像を水晶体のピントを一定にしたまま、視差による両目の視角だけ変化させて視聴するのとは違い、普通の景色を見るときと同じ様に両目の視角と水晶体のピント調整を連動させて視聴するので「3D疲れ」も殆ど無い。過度に誇張され立体感(ボリューム感)の無い紙芝居が何枚も重なったレイヤー的な従来の3Dとは全く異なり、本発明は平面映像から元の立体映像を認識する脳の認識力を利用しているので、普通の2D映像のままで極自然な3D映像を特別な機器やメガネなしで楽しむ事が出来る、従来に無い画期的な発明である。
フレネルレンズの種類と形状は下記の様なバリエーションが考えられる。
(1)-1-1矩形の凸フレネルレンズで画面中央が視聴者の凸の横方向曲面或いは縦横両方向曲面を持つ形状
-2矩形の凸フレネルレンズで画面中央が視聴者の凹の横方向曲面或いは縦横両方向曲面を持つ形状
-3矩形の凸フレネルレンズで平面形状
-2-1矩形の凹フレネルレンズで画面中央が視聴者の凸の横方向曲面或いは縦横両方向曲面を持つ形状
-2矩形の凹フレネルレンズで画面中央が視聴者の凹の横方向曲面或いは縦横両方向曲面を持つ形状
-3矩形の凹フレネルレンズで平面形状
(2)上記(1)の俵型のフレネルレンズにした形状
(3)上記(1)の鼓型のフレネルレンズにした形状
(4)上記(1)、(2)および(3)のフレネルレンズの厚さを横方向で連続的に変化させた形状
フレネルレンズの構成は下記の様なバリエーションが考えられる。
(1)フレネルレンズを1枚使用した構成。
(2)フレネルレンズを同種或いは異種を2枚使用した構成
(3)フレネルレンズを同種或いは異種を3枚使用した構成
(4)フレネルレンズを同種或いは異種を複数枚使用した構成
実施例1、図12は比較的均一な厚みの1枚ものの俵型フレネルレンズ122を使用した実施例である。フレネルレンズの曲面形状は画面の大きさで変化する為、理想的な曲面に調整する必要がある。もっとも簡単な方法としてはその形状でリジッドに製作してしまうかフレキシブルであれば周囲を目的の形状のガイドを設置してはめ込む方法がある。これは簡単ではあるが、モバイル性を考えるとかさ張ってしまう。
第2の方法はフレキシブルなフレネルレンズを半円筒形に近い曲率で曲げる為、画面の両端の外側に加工した溝がありフレネルレンズの両端をその溝にはめ込む構造である。溝は目的の曲率になる様に角度が付けられている。タッチパネルの操作時や非視聴時、カバンやポケットに入れる時などは溝から外してフレネルレンズを平面にして持ち歩くか、表示器本体に外したフレネルレンズを収納するポケット部を設けそのポケットに収納するか、片側は取りついたまま、もう片方を外して画面と一体で平面にする方法もある。若干の欠点は溝の角度で曲率を決めている為、溝に挿し込んだ部分は力学的に固定端になりフレネルレンズの他の個所に比較して応力が大きくなり破損のリスクが高い事があげられる。
第3の方法はフレネルレンズを中央と両端で縦方向の幅変化させた俵型や鼓型にカットする方法がある。溝に挿し込むのは第2の方法と同じだが、幅の広いところは曲率が小さく狭いところは曲率が大きくなるので目的の曲率になる様にカットを加えた。挿し込んだ部分は力学的に自由端になるので応力の集中が無い。しかし画面サイズによっては部分的に大きく幅が広いところが出来てしまい、視聴時は良いが平面にしても幅が広くてモバイル性が悪くなる場合がある。その場合は第4の方法として曲率によって大きくしたいところは若干厚く、曲率を小さくしたい場合は薄くしたフレネルレンズを用意すれば俵型や鼓型にしなくて矩形のままで曲率を変えられた。両端の挿し込み部も自由端にでき応力集中も無かった。容易さや調整の自由度、コスト等で方法は選ぶ事ができる。
実施例2、図13は片面がフラットで反対面が半円筒形のかまぼこ型の曲面部にフレネルレンズが配置された実施例である。
実施例3、図14はかまぼこ型の反対の凹レンズ形状の曲面部にフレネルレンズを配置した実施例である。
実施例4、図15は複数のフレネルレンズを設置した実施例である。
実施例5、図16は表示器とフレネルレンズを相対的に傾けて設置した実施例である。上が遠く、下が近い場合とその逆の場合がある。また、上下の曲率が同じ場合と異なる場合がある。特許第3579683号(P3579683)「立体視用印刷物の製造方法、立体視用印刷物」(特許文献7)は印刷物を3D用に特殊補正し印刷された写真を赤青メガネをかけて斜め上方から見る事で立体視している。斜め上方から見る事で写真の上側は遠く、下側は近くなるので上下に目が追うとピント調整を行う事を特徴としている。従来の3Dは画面位置が目に対して正対(垂直)な為、ピント調整を行っていなかったので違和感のある立体視になっていたとしている。
また、写真のパース(遠近感)を3D用に特殊補正している。写真を斜めにすることで写真の上が狭く、下が広いバースが出てしまう。このパースおよび右目と左目で違ってくるパースも考慮してソフト的な画像処理で補正をかけて3D感をUPさせる事を特徴としている。本発明も画面を斜めに配置して目のピント調整量を多くして自然な3D感を表現している。違う点はパース補正をソフト的な画像処理(事前処理)で行っているのに対して本発明はフレネルレンズを円または楕円錐平面を利用して光学処理を行っている。光学処理なのでリアルタイムで行える。また、フレネルレンズの中心位置を適正位置にすることでプリズムディオプター効果を有効に利用して画像の余計な歪を防いでいる。中心位置が悪いと画像の下側の歪が大きくなったり、暗く見えなくなったりする場合がある。左右に分かれた2画面が一つに見えない場合もある。
図17は表示器とフレネルレンズを相対的に傾け、上下の曲率も変えて設置した図16の場合の光の行路を側面から見た説明図である。右図は画面中央の断面で画面173の映像の上部分の画像は行路T1からフレネルレンズ172を通過するときに屈折し行路T2を通り目171に到達する。下部分も同様に行路B3、B2を通り目171に到達する。目171に見える虚像は光の行路のT2とT3およびB2とB3を通り面174に虚像が出来る。目171の水晶体の厚さtは上部分を見る時は距離s1に成る為遠い分厚くなる。下部分を見る時は距離s2に成る為近い分薄くなる。従って水晶体は自然に近いピント調整を伴う為疲れにくい。また特許3579683号(特許文献7)では画面173が傾きパースが出ることで画面自体は左図の正面図の用に台形になる事をソフト計算処理で画像補正しているのでリアルタイムでの表示は出来ず動画は困難である。本発明では適切な焦点距離のフレネルレンズ172で上下の曲率を滑らかに変化させパースを光学的に補正し目に見える映像176は普通に正対して見ている様に見える。本発明は光学的に補正を行っているのでリアルタイムで補正処理が可能なのでソフト的な処理も必要無く、写真でも動画でも自然な3D映像が視聴できる。
図18は表示器とフレネルレンズを相対的に傾けて設置した実施の寸法例である。表示器の画面183の幅W1に対してフレネルレンズ182の上部のフレームへの取り付け幅W21はW1より広く設置する。フレネルレンズ182の下部のフレームへの取り付け幅W22はW1より広く設置する。また、W21はW22より広い。フレネルレンズ182は曲面形状の為、取り付け高さH2はH1より若干小さくする事が出来る。画面は目に対して傾いているので画面の高さH1は見かけ上低くなっている。フレネルレンズ182のプリズムオプティダー効果で拡大および角度補正されるのでフレネルレンズの中央の高さH3は目で見える画面の高さ以上になるになり画面高さH1より大きくなる。画面183からフレネルレンズ182までの距離は曲率に関係し上部の距離D1が下部の距離D2より大きくなる。フレネルレンズ182外形形状を両目で見た映像に合わせてカットする事により上下淵無しの映像が得られ、かつフレネルレンズ182を平面にして持ち歩く時の幅を最小限に出来る。
代表的なスマートフォンの場合の実寸法の一つである。画面を斜めにして水晶体の動きが大きくなった分、さらに自然な3Dに見える構造を実現できる。
W1=75、H1=50、W21=100、W22=85、H2=50、H3=65、D1=40、D2=15(単位はmm)
本発明の裸眼立体(3D)映像装置及びアダプターによって、普通の2D表示を疑似3D表示として楽しむ事が出来る。また従来のTV、パソコン、タブレット端末等の映像機器にも、本発明のアダプターを取り付ければ普通の2D映像を自然な3D映像として安価で手軽に楽しむ事が出来る。高価な3D専用の映像ソフトや電子機器及び3D対応機器もメガネも要らない。
図1
11 本発明であるアダプター
12 フレネルレンズ
13 映像表示器
14 フレーム
図2
21 映像表示器
22 フレネルレンズ
23 フレーム
図3
31 映像表示器
32 フレネルレンズ
33 フレーム
図4
41、42 並木
43 消失点
44 並木道
図5
51L/R 目
52 立体物
53L 左目で見える画像
53R 右目で見える画像
図6
61L/R、65L/R 目
62L/R、66L/R 水晶体
63L/R、67L/R 網膜
64 遠点
68 近点
m1、m2 距離
θ1、θ2 輻輳角
t1、t2 水晶体の厚さ
図7
71 映像表示器の画面
72 フレネルレンズ
74 曲面フレネルレンズの線状焦点位置
73L/R 目
75L/R 左右の目で見える虚像面
76 両目で見える映像面
t フレネルレンズの厚さ
L1、R1、L2、R2、L3、R3 光の行路
a0、b0、c0 表示器の画像
a1L/R、b1L/R、c1L/R 屈折点
a2L/R、b2L/R、c2L/R 虚像
a3、b3、c3 両目で見える映像
k1、k2 フレネルレンズまでの距離
δ 左目の虚像と右目の間隔
r 曲率半径
f0 焦点距離
s 目までの距離
D1 両目の間隔
D2 映像表示器の画面の幅
図8
81 映像表示器の画面
82 フレネルレンズ
83L/R 目
84L/R 虚像面
85 両目で見た映像面
86L/R 左右各目で見た映像位置
δL1/2/3、δR1/2/3 左右各目で見た映像の間隔
図9
91 映像表示器の画面
92 フレネルレンズ
93L/R 目
94L,R 左右各目で見える虚像の位置と向き
δ 左右の虚像に間隔
95 両目で見た映像面
96L/R 左右各目で見える虚像
θ 左右の虚像の垂線が成す角度
図10
101 映像表示器の画面
102 フレネルレンズ
103L/R 目
104L1/R1 左右各目で見える虚像の位置と角度
105 両目で見た映像面
105L/R 両目で見た映像
106L/R、107L/R 左右各目で見た虚像の位置と歪
wL1/R1、wL2/R2 左右各目で見た虚像の幅
δ 左右各目で見た虚像の距離
図11
111 映像表示器の画面
112 フレネルレンズ
113L/R 目
図12、図13、図14
121、131、141 本発明であるアダプター
122、132、142 フレネルレンズ
123、133、143 映像表示器
124、134、144 フレーム
図15
151 本発明であるアダプター
152、155、156 フレネルレンズ
153 映像表示器
154 フレーム
図16
161 本発明であるアダプター
162 フレネルレンズ
163 映像表示器
164 フレーム
図17
171 目
172、175 映像表示器の画面
173 虚像面
174、176 両目で見た映像面
t 水晶体の厚さ
T1、T2、T3、B1、B2、B3 光の行路
s1、s2 目で見える映像までの距離
図18
181 本発明であるアダプター
182 フレネルレンズ
183 映像表示器
184 フレーム
W1、H1 画面寸法
W21、W22、H2 フレネルレンズの取付け寸法
H3 フレネルレンズの中央部んの幅
D1、D2 画面とフレネルレンズの距離

Claims (11)

  1. 平面映像に疑似的に左右の視差をつくり裸眼で立体映像に見える事を特徴とする裸眼立体(3D)映像装置であり、フレネルレンズが曲面上に配置されている事を特徴とする映像装置。
  2. 上記請求項1の裸眼立体(3D)映像装置及びアダプターにおいて、フレネルレンズが半円筒形、半楕円筒形、球面状、非球面状に配置されている事を特徴とする映像装置。
  3. 上記請求項1の裸眼立体(3D)映像装置及びアダプターにおいて、一枚のフレネルレンズが配置されている事を特徴とする請求項2の裸眼立体(3D)映像装置。
  4. 上記請求項1の裸眼立体(3D)映像装置及びアダプターにおいて、複数枚のフレネルレンズが配置されている事を特徴とする請求項2の裸眼立体(3D)映像装置。
  5. 上記裸眼立体(3D)映像装置及びアダプターにおいて、3Dアダプターに使用されているフレネルレンズがフレキシブルである事を特徴とする請求項1の裸眼立体(3D)映像装置及びアダプター
  6. 上記裸眼立体(3D)映像装置及びアダプターにおいて、3Dアダプターがフレキシブルなフレネルレンズで視聴時はフレネルレンズが半円筒形状の曲面となり、非視聴時や持ち運び時に平面になる事が出来るようなフレームを有する映像装置である事を特徴とする請求項5の裸眼立体(3D)映像装置及
  7. 上記請求項1〜6のアダプターにおいて、フレネルレンズシートの厚みが0.8mm以下であることを特徴とする裸眼立体(3D)映像装置及びアダプター。
  8. 上記裸眼3D化アダプターが、視聴時は曲面を持ちタブレット端末やスマートフォン等のタッチパネル操作時や非視聴時の持ち運び時に本体の裏面に収納する事が出来る事を特徴とする3Dアダプター。
  9. 上記裸眼3D化アダプターにおいて、映像画面の長い軸の長さとフレネルレンズの厚みの比が長い軸の長さ:フレネルレンズの厚み=100:1以上である事を特徴とする映像装置とアダプター
  10. 上記裸眼3D化アダプターにおいて、映像機器の画面を視聴者に対して上を遠ざける方向で斜めに配置し、画面の遠い側である上部が下部よりも縮小されてしまうパースペクティブを改善する傾きで配置された円錐または楕円円錐の表面形状を持つフレネルレンズを特徴とする3Dアダプター。
  11. 上記裸眼3D化アダプターにおいて平面状態の時の形状が矩形、俵型、鼓型または扇型になる事を特徴とする3Dアダプター。
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