JP2014025965A5 - - Google Patents

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JP2014025965A5
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画像加熱装置
本発明は、記録材上のトナー像を加熱する画像加熱装置に関する。
この画像加熱装置は、例えば、電子写真画像形成プロセス、静電記録画像形成プロセス、磁気記録画像形成プロセスなど適宜の画像形成原理・方式を用いて記録材に画像を形成する画像形成装置において用いられ得る。具体的には、複写機、プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタなど)、ファックス、それらの複合機能、ワードプロセッサ等の画像形成装置である。
便宜上、画像加熱装置の一例である定着装置を例にして説明する。従来、電子写真複写機などの画像形成装置には、記録材に形成された未定着のトナー画像を熱及び圧を与えることによって当該記録材に固着画像として定着させる定着装置が設けられている。
この定着装置は、一対の回転体を有し、その間のニップ部において未定着のトナー画像を担持した記録材を挟持搬送しつつトナー画像を定着するものである
こで、市場において、従来以上に様々な種類の記録材に対し画像形成ができるようにすることが求められており、その中の1つに、封筒への画像形成が求められている。なお、ここで、封筒とは、郵便や手渡しなど送付する手段は何ら限定されず、手紙や写真などを封入するものを言う。
そこで、特許文献1に記載の装置では、封筒の搬送方向後端に皺が形成されてしまうのを防止するための構成が開示されている。即ち、定着ローラに対する第1加圧ローラおよび第2加圧ローラの単位面積あたりの加圧力を通常モードと封筒モードと切り換える切換機構が設けられている。封筒モードにおいて、普通紙などを定着するための通常モードよりも、定着ローラに対する第1加圧ローラ及び第2加圧ローラの単位面積あたりの加圧力をともに小さくしている。これにより、封筒発生するのを防止しようとしている。
特開2004−279702号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、封筒の幅サイズに関わらず、一律に加圧力を下げている。従って、幅広の封筒に定着処理(画像加熱処理)すると、皺が形成されてしまう恐れがある。これは、幅広の封筒に定着処理する場合であっても加圧力を下げてしまうことによりニップ部の長手方向端部での圧が低下し、長手方向端部での封筒を搬送するための力が長手方向中央部よりも低下してしまう為である。つまり、封筒の両側端部が中央部側に引っ張られることに起因して、封筒に皺が形成されてしまったものと考えられる。
本発明の目的は、幅狭の封筒とともに幅広の封筒においても良好に画像加熱処理を施すことができる画像加熱装置を提供することである。
本発明の他の目的は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、記録材上のトナー像をその間のニップ部で加熱する第1及び第2の回転体と、前記第1及び第2の回転体を互いに圧接させる加圧機構と、前記加圧機構の加圧力を記録材の種類に基づいて制御する制御部と、を有し、画像加熱処理を施す記録材として普通紙を用いる場合、前記制御部は普通紙の幅とは関係なく前記加圧力を所定の加圧力に設定し、画像加熱処理を施す記録材として封筒を用いる場合、封筒が所定の幅よりも幅広であれば前記制御部は前記加圧力を第1の加圧力に設定し封筒が所定の幅よりも幅狭あるいはその所定の幅と同幅であれば前記制御部は前記加圧力を前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力に設定することを特徴とする。
本発明によれば、幅狭の封筒とともに幅広の封筒においても良好に画像加熱処理を施すことができる画像加熱装置を提供することができる。
画像形成装置の一例の構成模型図 定着装置の斜視図 (a)と(b)は定着装置の正面図と縦断正面図 (a)と(b)は定着装置の左側面図と一部切り欠きの左側面図 (a)と(b)は定着装置の右側面図と一部切り欠きの右側面図 図3の(a)における(6)−(6)線に沿う拡大右側面図 図6においてコイルユニットの分割可動コアが上方の第2の距離位置に移動された状態を示した図 定着装置の圧力付与部材のクラウン量を説明する図 定着ベルトの層構造図 加圧ローラの逆クラウン形状を誇張して示した模型図 コイルユニット(誘導加熱装置)における励磁コイルと分割コア群の斜視図 左右一対の磁束遮蔽板と途中部分省略のシフト機構の外観斜視図 加圧力可変カム(偏心カム)を説明する図 加圧力変更方法を説明する図 定着装置の各加圧力制御モードにおけるニップ部長手の圧分布図 封筒皺の発生メカニズムを説明する図 加圧力変更制御系統の制御ブロック図 制御フローチャート 制御タイミングチャート 実施例2の制御フローチャート
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、複数ドラムを有する電子写真方式カラー複写機に適用する実施例を説明するが、これに限らず、各種方式の電子写真複写機、あるいはプリンタ、モノカラー方式、電子写真以外の画像形成装置にも適用できることは言うまでもない。
また、本文中で、封筒(envelopeもしくはmailing envelope)とは、紙材が複数枚重なり折り目がある袋状のものを指し、以下、単に封筒という。つまり、封筒とは、郵便、宅配便や手渡しなど送付する手段は何ら限定されず、手紙や写真などを封入するものを指す。また、封筒とは異なる記録とは、1枚シート状の用紙を指し、例えば、普通紙、厚紙、葉書、シール、トランスペアレンシィー等が含まれる。また、封筒を含めこれらをまとめて記録材と呼ぶ。
[実施例1]
(1)画像形成装
図1は本発明に係る画像加熱装置を定着装置500として搭載した電子写真カラー複写機である画像形成装置の一例の概略構成図である。
フルカラーの画像形成動作について説明する。リーダ部Xの原稿台ガラス302上に画像面下向きでセットされたカラー原稿Oの画像面が移動型の読取光学系ユニット300により色分解光電読取される。ユニット300はガラス302の下面に沿って、図面上、左方側のホームポジションから矢印のように右方に往動する。所定の距離について往動したら復動してはじめのホームポジションに戻る。
ユニット300の往動過程で原稿Oの下向き画像面が光源303によって照射され、光学系304を介してCCDセンサ305に結像されて色分解光電読取される。これにより原稿画像がライン毎の電気信号データ列に変換される。
センサ305により得られた画像信号は、リーダ画像処理部306を介してプリンタ部Yのプリンタ制御部(制御回路部)309に送られ、プリントにあわせた画像処理がなされる。また、制御部309は画像信号としてプリントサーバ(PC)等の外部ホスト装置400からの外部入力も受けられる。画像信号は制御部309によりPWMされたレーザービームに変換される。310はポリゴンスキャナであり、前記ビームを走査して、4つの画像形成部Pa〜Pdの電子写真感光ドラム(像担持体)200a〜200dに照射される。ドラム200a〜200dは矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ、イエロー色(Y色)、マゼンタ色(M色)、シアン色(C色)、ブラック色(Bk色)のトナー画像(未定着のトナー像)をドラム200a、200b、200c、200dに形成する電子写真画像形成部である。各画像形成部Pa〜Pdは画像形成機構・画像形成プロセスとしては略同一なので、以下にY色の画像形成部Paの詳細を説明して、他の画像形成部Pb、Pc、Pdの説明は省略する。
Y色の画像形成部Paにおいて、回転駆動されるドラム200aの表面は1次帯電器201aで所定の電位に帯電され、スキャナ310からのビームによって露光されて静電潜像が形成される。その潜像が現像器202aによりY色のトナー画像(現像剤画像)として現像される。そのトナー画像が一次転写ローラ203aにより中間転写ベルト204に一次転写される。
中間転写体であるベルト204は矢印の時計方向にドラム200aの速度と同じ速度で循環移動している。ローラ203aにはトナーと逆極性の一次転写バイアスが印加されベルト204の背面から放電を行う。これにより、ドラム200a側からベルト204側に順次に画像が転写される。ベルト204への画像転写後のドラム200aはクリーナー207aでその表面を清掃される。
また、ベルト204上のトナー画像は引き続くベルト204の移動により次の画像形成部Pb、Pc、Pdに順次に搬送されて、M色、C色、Bk色の順にトナー画像が重畳転写される。そして、画像形成部Pdを通過することで、最終的にY色+M色+C色+Bk色の4色重ね合わせの画像がベルト204上に合成形成される。そのベルト204上の画像が二次転写内ローラ205と外ローラ206で構成される二次転写部(ニップ部)T2においてベルト204側から記録材P側に一括して二次転写される。記録材Pに対する画像転写後のベルト204はクリーナー209でその表面を清掃される。
記録材Pは記録材カセット207から一枚宛分離給送されてシートパス208により所定の制御タイミングで二次転写部T2のベルト204と外ローラ206とのニップ部に導入されて挟持搬送される。ベルト204上のトナー画像はローラ205と206の間に印加されるトナーと逆極性の二次転写電界により記録材Pに静電転写される。
二次転写部T2を出た記録材Pはベルト204の面から分離されて定着装置500に導入される。この定着装置500により、記録材上の未定着のトナー画像が加熱・加圧されて固着画像として定着される。そして、記録材Pは定着装置500を出て画像形成物として排出部311に排出される。
(2)定着装置
以下の説明において、画像加熱装置として機能する定着装置500またはこれを構成している部材の長手方向(幅方向)とは、回転体の軸線方向(スラスト方向)、または記録材搬送するニップ部において記録材搬送方向に直交する方向又はその方向に平行な方向である。また、短手方向とはニップ部において記録材搬送方向に平行な方向である。なお、後述するように、定着装置(定着ベルト、ニップ部)の長手方向は、封筒の幅方向に実質平行な関係となっている。つまり、封筒の幅とは、この幅方向における長さのことである。
定着装置に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上下とは重力方向において上または下である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。記録材サイズ(紙サイズ)あるいは記録材のとは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法(幅サイズ)である。
図2は定着装置500の斜視図、図3の(a)と(b)は同装置500の正面図と縦断正面図である。図4の(a)と(b)は同装置500の左側面図と一部切り欠きの左側面図である。図5の(a)と(b)は同装置500の右側面図と一部切り欠きの右側面図である。図6は図3の(a)における(6)−(6)線に沿う拡大右側面図である。図7は、図6においてコイルユニットの分割可動コアが上方の第2の距離位置に移動された状態を示した図である。
本実施例の定着装置500は外部加熱型の電磁誘導加熱方式の画像加熱装置である。この定着装置500は、大別して、下記のような部材や機構を有している。
a:記録材Pの画像担持面と接触する回転体しての可撓性を有する無端ベルト(エンドレスベルト:以下、定着ベルトあるいはベルトと記す)41を含む加熱アセンブリ40
b:加熱アセンブリ40の定着ベルト41に対向する回転体としての弾性を有する加圧ローラ50
c:定着ベルト41と加圧ローラ50とを圧接させてニップ部Nを形成する加圧機構80
d:加圧機構80L・80Rによるニップ部Nの加圧力を変更する加圧力変更機構
e:定着ベルト41を加熱する加熱器としての励磁コイルを備えたユニット(誘導加熱装置)60
f:磁束遮蔽板(磁束遮蔽部材)10L・10Rとそのシフト機構20
上記のような部材や機構は装置シャーシ30の左右の側板30L・30R間に配設されている。
(2−1)加熱アセンブリ40
加熱アセンブリ40は、後述するコイルユニット60から発生される磁界(磁場)が存在する領域を通過したときに電磁誘導発熱する磁性部材(金属層、導電部材)を有する回転可能な像加熱部材としての可撓性を有する円筒状の定着ベルト41を有する。また、ベルト41の内部に挿入された金属製のステー42を有する。このステー42の下面には長手に沿って圧力付与部材としての加圧パッド(ニップパッド)43が取り付けられている。
パッド43は、ベルト41と加圧ローラ50との間に所定の押圧力を作用させて定着部(定着ニップ部)Nを形成する部材であり、耐熱性樹脂製である。ステー42はニップ部Nに圧力を加えるために剛性が必要であるため、本実施例では鉄製である。
パッド43は圧をかけた時の撓みを補正するために図8のようにクラウンが付けてある。即ち、記録材Pの搬送方向と直交する長手方向の中央部が端部より大きい、正クラウン形状となっている。即ち、パッド43は、長手方向の両端部から中央部に加圧ローラ50に向って徐々に突出している形状を持つ。その正クラウン量はパッド43の長手方向の中央と端部(中央から200mmの位置)で1.4〜1.8mmの範囲で、もっとも好ましいのは、1.6mmである。
また、ステー42の上面側(コイルユニット60側)には、ベルト41を効率的に加熱するために誘導磁場をベルト41に集中させるための磁性体コア(内側磁性体コア)44がステー42の長手にわたって配設されている。
ステー42の左右の両端部がそれぞれベルト41の左右の両端部から外方に突出している。その左右の両端部に対してそれぞれ左右対称形状のフランジ部材45L・45Rが嵌着されている。ベルト41は上記のステー42・パッド43・コア44の複合体に対してルーズに外嵌されている。ベルト41の長手方向(左右方向)への移動は左右のフランジ部材45L・45Rの内向き面により規制される。
ベルト41は、後述するように、基層41a(図9)が電磁誘導発熱する金属で構成されている。そのため、回転状態のベルト41の幅方向への寄りを規制するための手段としては、ベルト41の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部を有するフランジ部材45L・45Rを設ければ十分である。これにより、定着装置500の構成を簡略化できるという利点がある。
パッド43の長手中央部にはベルト41の温度を検知する温度検知手段(温度検出素子)としてのサーミスタ等の温度センサTHが弾性支持部材46を介して配設されている。センサTHはベルト41の内面に対して部材46により弾性的に当接している。これにより、回転されるベルト41のセンサ当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもセンサTHがこれに追従してベルト41の内面との良好な接触状態が維持される。
上記のアセンブリ40は左右の側板30L・30R間に左右のフランジ部材45L・45Rをそれぞれ側板30L・30Rに配設されている縦ガイドスリット部31に係合させて配設されている。したがって、アセンブリ40は左右の側板30L・30R間においてスリット部31に沿って上下方向に移動可能な自由度を有する。
図9はベルト41の層構成を示す模型図である。本実施例では、ベルト41は内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケル基層(磁性部材、金属層)41aを有している。この基層41aの厚みは40μmである。基層41aの外周には弾性層41bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。層41bの厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。
本実施例では、ベルト41の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、層41bの厚みは300μmとされている。層41bのシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。更に層41bの外周には、表面離型層41cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
また、基層41aの内面側には、ベルト内面とセンサTH1との摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層(滑性層)41dを10〜50μm設けても良い。本実施例では、この層41dとしてポリイミドを20μm設けた。
ベルト41は全体的に低熱容量で可撓性(弾性)を有し、自由状態においては円筒形状を保持している。ベルト41の金属層41aにはニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などの金属を適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層41aの厚みは、ユニット60の後述する励磁コイル(磁場発生コイル)62に流す高周波電流の周波数と金属層41aの透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
(2−2)加圧ローラ50
圧ローラ50はアセンブリ40の下側において、軸線方向をアセンブリ40の長手方向にほぼ並行にして、左右の側板30L・30R間に軸受51を介して回転可能に配設されている。
本実施例において、ローラ50は、長手方向中央部の径が20mmで両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金50aに弾性層50bとしてシリコーンゴム層を設けた、外径が30mmの弾性ローラである。表面は離型層50cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。ローラ50の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70℃である。芯金50aにテーパー形状をつけているのは、加圧した時にパッド43が撓んでもベルト41とローラ50との圧接で形成される定着ニップ部N内の圧力が長手方向にわたって均一になるようにするためである。
ローラ50の外径形状は、図10の模式図のように、記録材Pの搬送方向と直交する長手方向の中央位置より両端位置に大きな外径を有する形状、所謂、逆クラウン形状となっている。逆クラウン量はローラ50の中央と端部(中央から163.5mmの位置)で150〜250μmの範囲であり、もっとも好ましいのは200μmである。
芯金50aの右側の端部には加圧ローラ駆動ギア52が固定して配設されている。このギア52に対して制御部309で制御される定着モータ53の駆動力が伝達手段(不図示)を介して伝達されて、ローラ50が図6において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
(2−3)加圧機構80
加圧機構80は、本実施例においては、加熱アセンブリ40の加圧パッド43をベルト41を介して加圧ローラ50に所定の押圧力(加圧力)で加圧してベルト41と加圧ローラ50との間に所定のニップ部Nを形成する機構(加圧機構)である。本実施例においてはこの加圧機構80の加圧力を加圧力変更機構により変更可能に構成してある。
左右の側板30L・30Rの外側の上部には、それぞれ、左右対称に加圧部材としての左右一対の前後方向に長い加圧レバー81L・81Rが配設されている。
左側の加圧レバー81Lは左側のフランジ部材45Lの被加圧部45aの上側に位置しており、後端部は左側のフランジ部材45Lよりも後方において左側の側板30Lに対して軸81aを中心に上下方向に回動可能に枢着されている。レバー81Lの前端部は左側のフランジ部材45Lよりも前側に位置している。レバー81Lは側板30Lとの間に配設された付勢部材としてのばね付きビス82Lのばね力で軸81aを中心に下方へ常時回動付勢されている。
右側の加圧レバー81Rは右側のフランジ部材45Rの被加圧部45aの上側に位置しており、後端部は右側のフランジ部材45Rよりも後方において右側の側板30Rに対して軸81aを中心に上下方向に回動可能に枢着されている。レバー81Rの前端部は右側のフランジ部材45Rよりも前側に位置している。レバー81Rは側板30Rとの間に配設された加圧機構としてのばね付きビス82Rのばね力で軸81aを中心に下方へ常時回動付勢されている。
そして、左右の加圧レバー81L・81Rの自由状態時においては、各加圧レバー81L・81Rの下面がそれぞれ左右のフランジ部材45L・45Rの被加圧部45aの上面に対してばね付きビスのばね82aで規定されたばね力で十分に押し当っている。これにより、加熱アセンブリ40において、左右のフランジ部材45L・45Rと共にステー42およびパッド43が押し下げられて、パッド43がベルト41を挟んで弾性層50bの弾性に抗してローラ50に対して圧接する。
この圧接によりベルト41とローラ50との間に記録材搬送方向aに関して所定幅のニップ部Nが形成される。パッド43はニップ部Nの圧プロフィルの形成を補助する。
また、左右の側板30L・30R間には軸受83・83を介してカム軸84が回転可能に配設されている。その軸84の左右の端部にはそれぞれ側板30L・30Rの外側において左右対称で同形状の偏心カム(加圧力可変カム)85L・85Rが同じ位相で固定して配設されている。左側の偏心カム85Lは左側の加圧レバー81Lの前端部の下側に位置している。右側の偏心カム85Rは右側の加圧レバー81Rの前端部の下側に位置している。
また、軸84の左側の端部にはカム軸駆動ギア86が固定して配設されている。このギア86に対して制御部309で制御されるカム軸駆動モータ(例えばステッピングモータ)87の駆動力が伝達手段(不図示)を介して伝達されて、軸84すなわち左右の偏心カム85L・85Rの回転駆動制御がなされる。この偏心カム85L・85Rの回転駆動制御により、左右の加圧レバー81L・81Rがばね付きビス82Lのばね力に抗して持ち上げ回動されることで、パッド43のローラ50に対する加圧力が変更される。
上記の軸受83・83、カム軸84、偏心カム85L・85R、ギア86、モータ87が、加圧機構80によるニップ部Nの加圧力を変更する加圧力変更機構としても機能する。この加圧力変更機構による加圧力の変更制御については後述する。
(2−4)コイルユニット60
ユニット60はベルト41を誘導加熱する加熱源(誘導加熱手段)であり、アセンブリ40の上面側、即ちアセンブリ40のローラ50側とはほぼ180°反対側において、左右の側板30L・30Rに対して位置が固定されて配設されている。ユニット60はベルト41に沿って長いハウジング61に対して励磁コイル(磁束を生ずるコイル)62、磁性体コア63等を組み付けたものである。
ハウジング61は左右方向を長手とする横長箱型の耐熱樹脂成型品(電気絶縁性樹脂のモールド部材)である。ハウジング61の底板61a側がベルト41に対する対向面である。底板61aは横断面においてベルト41の外周面の略半周範囲に沿うようにハウジング61の内側に湾曲している。ハウジング61は、底板61a側とは反対側が開口部として開放されている。ハウジング61は、底板61a側をベルト41の上面に対して所定のギャップ(隙間)αを存して対面させて、左右端部を左右の側板30L・30Rに対してブラケット66で固定して配設される。
コイル62は、電線として例えばリッツ線を用い、これを、図11に示すように、横長・船底状にしてベルト41の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。そして、ハウジング内側に湾曲している底板61aの内面に当てがわれてハウジング内部に収められている。コイル62には、制御部309で制御される電源装置(励磁回路)64から20〜50kHzの高周波電流が印加される。
ベルト41とコイル62は0.5mmのモールドにより電気絶縁状態を保ち、ベルト41とこいる62との間隔は1.5mm(モールド表面とベルト表面の距離は1.0mm)で一定であり、ベルト41は均一に加熱される。
コア63は、コイル62によって発生した磁界がベルト41の金属層(導電層)以外に実質漏れないようにコイル62を覆わせた外側磁性体コアである。そして、コア63はベルト41の長手方向に沿って配設されており、かつ、記録材搬送方向aに直交する方向に複数に分割されて並んで配置されており、コイル62の巻き中心部と周囲を囲むように構成されている。
即ち、記録材搬送方向aに直交する方向を長手方向とした場合に、コア63は、ベルト41の長手方向に沿って配設されている。かつ、コア63は、種々の記録材サイズ、例えばハガキ、A5、B4、A4、A3、A3ノビサイズの小サイズ記録材を導入した場合の非通過部昇温の回避に対応できるように、図11のように長手方向で複数に分割されている。そして、個々にベルト41との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コア63aを有している。
そして、制御部309で制御されて、個々のコア63aをベルト41に対して所定に近接している第1の距離位置D(図6)と、位置Dよりもベルト41から離れた第2の距離位置E(図7)とに移動させるコア移動手段(コア移動機構)65を有する。コア移動手段65の具体的な構成は図の煩雑を避けるために省略したけれども、特開2011−053597号公報に記載のコア移動手段を適用することが出来る。本実施例においては、第1の距離位置Dがコア63aのホームポジションである。
本実施例において、コア63aの記録材搬送方向aに交差する方向の幅寸法(隣接コアとの隙間寸法も含む)は10mmとしている。ここで、本実施例の装置500においては、装置500に使用可能な最小幅サイズの記録材の幅に対応する最小幅領域Wminに対応するコア63aについては移動させる必要のないコアとして第1の距離位置Dに位置させてハウジング61に固定されている。上記の幅領域Wmin以外の領域Woutのコア63aについて個々にコア移動手段65により第1の距離位置Dと第2の距離位置Eとに移動制御する構成としている。
コア63aはコイル62より発生した交流磁束を効率よくベルト41に導く役割をする。すなわち、磁気回路(磁路)の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。コア63aの材質として、フェライト等の高透磁率残留磁束密度の低いものを用いると良い。
装置に使用可能な最大幅サイズの記録材よりも幅狭の幅サイズの記録材が導入されたときの非通過部に対応する領域におけるコア63aについては第1の距離位置Dから第2の距離位置Eに移動制御される。これにより、ベルト1の非通過部に対応する部分に対する磁束密度が弱められて非通過部昇温が抑制される。
(2−5)磁束遮蔽板及びそのシフト機
磁束遮蔽板10L・10Rは、アセンブリ60のコイル62とベルト41との間の磁界が存在する領域において、コイル62からベルト41に作用する磁束を低減させるための部材である。即ち、記録材の搬送方向と直交する幅方向において、使用可能な最大サイズの幅よりも幅狭の記録材を導入する際にベルト1の非通過部領域に作用する磁束を減らす調整位置に移動させて磁束を調整するための磁束調整手段である。
この板10L・10Rは磁束遮蔽部材移動手段としてのシフト機構20により位置移動制御される。即ち、板10L・10Rは上記の磁界が存在する領域に位置しない退避位置(ホームポジション)と、装置500に使用可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅狭の小サイズ記録材を導入した際の非通過部の温度を低下させるための有効位置とに移動される。
板10L・10Rとしては、アルミニウム、銅、銀、金、真鍮などの非磁性金属やその合金でも良いし、高透磁率部材であるフェライトやパーマロイなどの材料でもよい。本実施例では銅板を用いた。板10L・10Rの配設位置としては、コイル62とコア63aの間、コイル62とベルト41の間、もしくはベルト41とコア44の間などが考えられる。
本実施例の装置500においては、板10L・10Rはアセンブリ40とベルト41との間に形成されている隙間αにおいてベルト41の左右両端部側に一対配設されている。図12はその左右一対の磁束遮蔽板10L・10Rと途中部分省略のシフト機構20の外観斜視図である。
本実施例において左右一対の板10L・10Rは共に帯板状の銅板をベルト41の外周面の略半周範囲に沿うように略半円弧状に曲げ加工した部材である。この板10L・10Rの基部(キャリッジ)11にはそれぞれネジ穴12と被ガイド凹部13を具備させてある。また、装置シャーシ30の左右の側板30L・30R間には軸受22・22を介してスクリュー軸21が回転可能に配設されている。この軸21は左半部側のネジ部21Lと右半部側のネジ部21Rを互いに逆ネジにしてある。また、この軸21に並行に配列してさせて左右の側板30L・30R間にガイド軸23を配設してある。
そして、左側の板10Lは、基部11のネジ穴12を軸21の左半部側のネジ部21Lに螺合させて、また凹部13を軸23に係合させて、アセンブリ40とベルト41との間の隙間αにおいてベルト41の左側に配設されている。右側の板10Rは、基部11のネジ穴12を軸21の右半部側のネジ部21Rに螺合させて、また凹部13をガイド軸23に係合させて、アセンブリ40とベルト41との間の隙間αにおいてベルト41の右側に配設されている。
また、軸21の右側の端部にはスクリュー軸駆動ギア24が固定して配設されている。このギア24に対して制御部309で制御されるスクリュー軸駆動モータ(例えばステッピングモータ)25の駆動力が伝達手段(不図示)を介して伝達されて、軸21の正逆回転駆動制御がなされる。左右の板10L・10Rは、それぞれ、ベルト41の左端部側の所定の位置と右端部側所定の位置とを退避位置であるホームポジションとしている。
左右の板10L・10Rがホームポジションに位置している状態において、軸21がモータ24により正回転駆動されると、左右の板10L・10Rはそれぞれベルト41の中央部に向って同じ移動量をもって移動して両者の間隔が中央基準で狭められる。軸21の正回転量が制御されることで、板10L・10Rが、装置500に使用可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅狭の小サイズ記録材を導入した際の非通過部の温度を低下させるための有効位置に移動される。この左右の板10L・10Rの移動は隙間α内においてベルト41にもハウジング61の底板61aにも非接触でなされる。
また、左右の板10L・10Rの間隔が狭められている状態において、軸21がモータ25により逆回転駆動されると、左右の板10L・10Rはそれぞれベルト41の左右両端部側のホームポジションに向って同じ移動量をもって移動する。即ち、左右の板10L・10Rの間隔の間隔が中央基準で広げられる。この左右の板10L・10Rの移動は隙間α内においてベルト41にもハウジング61の底板61aにも非接触でなされる。
上記の部材21〜24が板10L・10Rを退避位置と有効位置とに移動させる磁束遮蔽部材移動手段としてのシフト機構20を構成している。板10L・10Rの挿入の効果としては、コア63aの移動より磁束を弱めベルト41の発熱量を低下する効果が大きく、また、コア63aの移動機構65と連動して移動することで、コア63aの分割幅よりも細かく長手発熱分布を制御できることにある。板10L・10Rの厚みとしては表皮深さ以上である0.5mmのものを用いる。
板10L・10Rは上記のように長手方向においてベルト41の両端部に配置される。それぞれの端部に配置される板10L・10Rの長手幅(記録材搬送方向と交差する方向の幅)は、磁束遮蔽効果を発揮する十分な幅を持つことが望ましい。また、最大サイズの記録材に対応する最大発熱幅を低減しない幅であることが望ましい。そして、装置500の長手幅も拡大することなく配置出来る幅であることが望ましい。具体的には、本実施例においては20mmとした。
(2−6)定着動作
画像形成装置のスタンバイ状態においては、定着装置500は、定着モータ53がOFFにされていて加圧ローラ50の回転は停止している。加圧機構80は加圧解除状態にされていてニップ部Nの加圧は解除されている。コイルユニット60のコイル62に対する給電はOFFにされている。磁束遮蔽板10L・10Rは退避位置であるホームポジションに位置している。
制御部(コントローラ)309は、プリントジョブ開始信号(画像形成ジョブ開始信号)の入力に基づいて所定の制御タイミングにて機構80を加圧状態にする。これによりニップ部Nが加圧状態になる。またモータ53をONする。これにより、ローラ50が図6において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
この加圧ローラ50の回転により、ニップ部Nを通じて定着ベルト41に駆動力(摩擦力)が伝達されて定着ベルト41が従動回転する。ベルト41はその内面がパッド43の下面に密着して摺動しながらステー42・パッド43・コア44の外周りを矢印の時計方向にローラ50の回転速度と同じ速度で従動回転する。ベルト41の回転に伴うスラスト方向への移動は左右のフランジ部材45L・45Rのフランジ部により規制される。
ベルト41は、少なくとも画像形成実行時には、制御部309で制御されるモータ53によってローラ50が回転駆動されることで上記のように従動回転する。この回転は、二次転写部T2側から搬送されてくる、未定着トナー画像tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度でなされる。本実施例の場合、ベルト41の表面回転速度が300mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズの記録材で80枚、A4Rサイズの記録材で58枚定着することが可能である。
制御部309は電源装置64からコイル62に対して、例えば20kHz〜500kHzの交番電流(高周波電流)を供給する。コイル62は交番電流の供給により交番磁束(磁場)を発生する。その交番磁束がコア63により回転しているベルト41の上面側においてベルト41の金属層41aに導かれる。そうすると、金属層41aに渦電流が発生して、その渦電流によるジュール熱により金属層1aが自己発熱(電磁誘導発熱)してベルト41が昇温していく。
即ち、回転するベルト41はユニット60から発生される磁界が存在する領域を通過したときに金属層41aが電磁誘導発熱して全周的に加熱されて昇温する。本実施例において、ベルト41とユニット60のコイル62は厚さ0.5mmのハウジング底板(モールド)61aにより電気絶縁の状態を保つ。そして、ベルト41とコイル62との間隔は1.5mm(底板61aの表面とベルト表面の距離(隙間α)は1.0mm)で一定であり、ベルト41は均一に加熱される。
このベルト41の温度が温度センサTHにより検知される。センサTHはベルト41の通過域になる部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御部309にフィードバックされる。制御部(温度制御手段)309はこのセンサTHから入力する検知温度(検知される温度に関する情報)が所定の目標温度(定着温度:所定の温度に対応する情報)に維持されるように電源装置64からコイル62に対する供給電力を制御している。
すなわち、ベルト41の検出温度が所定温度に昇温した場合、コイル62への通電が遮断される。本実施例では、ベルト41の目標温度である180℃で一定になるように、センサTHの検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させてコイル62に入力する電力を制御して温度調節を行っている。
上記のようにローラ50が駆動され、ベルト41が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、ニップ部Nに未定着トナー画像tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側をベルト41側に向けてガイド部材33で案内されて導入される。記録材Pはニップ部Nにおいてベルト41の外周面に密着し、ベルト41と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。
これにより、主にベルト41の熱が付与され、またニップ部Nの加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録材Pの表面に熱圧定着される。ニップ部Nを通った記録材Pはベルト41の外周面からベルト41の表面がニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離(曲率分離)して定着装置外へ搬送される。
ユニット60が、高温になるベルト41の内部ではなく外部に配置されているので、コイル62の温度が高温になりにくく、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また、コイル62を外部に配置したことでベルト41の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、ひいては省エネルギー性にも優れていると言える。
本実施例の定着装置500のウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えばコイル62に1200W入力すると約15秒で目標温度である180℃に到達できる。スタンバイ中の加熱動作が不要であるため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
(2−7)昇温現象の抑制
図3の(a)において、Wmaxは装置500に使用可能な最大幅の大サイズ記録材の幅サイズ(記録材の通過域)である。本実施例においては、大サイズ記録材は13インチ×19インチ紙で、縦送りである。従って、Wmaxは13インチ(330mm)である。
ここで、本実施例においては、ベルト41の幅(長手寸法)は390mm、加圧ローラ50の幅は370mmとしている。ベルト41を加熱するコイルユニット60の有効加熱幅は最大通過幅Wmax(330mm)をカバーするように設定されている。
ベルト41の幅(390mm)は最大通過幅Wmax(330mm)よりも大きいから、ベルト41の最大通過幅領域Wmaxの左右外側にそれぞれ幅30mmずつの延長幅部がある。このベルト41の左右の延長幅部をそれぞれ前述した左右の磁束遮蔽板10L・10R(幅20mm)の退避位置としてのホームポジションとしている。
領域AはWmaxよりも幅狭の小サイズ記録材(装置500に使用可能な最小幅サイズの記録材の幅に対応する幅領域Wmin(図11)の幅以上)の通過域である。本実施例の装置500においては記録材Pの搬送は中央基準搬送にてなされるものとする。Qはその中央基準線(仮想線)である。領域Bは小サイズ記録材を搬送したときに生じるベルト41とローラ50における非通過域である。つまり、非通過域(長手方向両端部の領域)は、大サイズ記録材の通過域Wmaxと、導入した小サイズ記録材の通過域Aの差領域((Wmax−A)/2)であり、通過域Aの両側に生じる。
小サイズ記録材を連続的に導入すると、ベルト41の非通過域Bは記録材Pの加熱に熱エネルギーが消費されないにも拘わらず、通過域Aに対応する部分と同様に単位長さ当りの所定の発熱量をもって発熱するので蓄熱を生じる。そのため非通過域Bに対応するベルト41部分が通過域Aに対応する部分よりも温度が上がる昇温現象を生じる。そして、このベルト41の昇温現象によりベルト41に当接する加圧ローラ50も非通過域に対応する部分が通過域に対応する部分よりも昇温する。
ここで、加熱部材41を高速昇温させるために、加熱部材41の肉厚を薄くして熱容量を小さくすると、加熱部材41の軸直角断面の断面積がきわめて小さくなるために、軸方向への熱伝導が良好でない。この傾向は薄肉なほど顕著であり、熱伝導率の低い樹脂等の材質ではさらに低くなる。これは、熱伝導率をλ、2点間の温度差をθ1−θ2、長さをLとしたとき、単位時間に伝わる熱量Qは、Q=λ・f(θ1ーθ2)/L、で表されるというフーリエの法則からも明らかである。
このことは、加熱部材41の長手方向長さいっぱいの記録材、すなわち最大幅の記録材(大サイズ記録材)を導入して定着させる場合には問題ない。しかし、それよりも幅狭の小サイズの記録材を連続で導入させる場合には、加熱部材41の非通過域における温度が温調温度よりも上昇し、通過域における温度と非通過域における温度との温度差が極めて大きくなってしまう(昇温現象)。
したがって、このような加熱部材41の昇温現象のために、樹脂材料からなる周辺部材の耐熱寿命が低下したり、熱的損傷を被ったりするおそれがある。さらには、小サイズの記録材を連続で導入させた直後にそれよりも大きい幅サイズの記録材を導入したときに、部分的な温度ムラによるシワが記録材に形成されたり、定着ムラが生じるおそれがある。
このような通過域と非通過域との温度差は、搬送される記録材の熱容量が大きく、スループット(単位時間あたりのプリント枚数)を高くするほど広がることになる。このため、薄肉で低熱容量の加熱部材により加熱装置を構成する場合に、スループットの高い複写機などへの適用を困難にしていた。
本実施例においては、小サイズ記録材を導入する場合における昇温現象を下記a)、bの2つの制御により適切に抑制するようにしている。
a)分割可動コア63aの移動制御による昇温現象の抑制
前述のように、ユニット60のコア63は、ベルト41の長手方向に沿って配設されている。そして、各種幅サイズの小サイズ記録材の昇温現象の回避に対応できるように長手方向で複数に分割されて個々にベルト41との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コア63aを有している。そして、制御部309で制御されて、個々のコア63aを移動させるコア移動機構65を有する。
制御部309は、装置に導入される記録材Pが、小サイズ記録材である場合には、複数の分割可動コア63aのうち、導入される小サイズ記録材の通過域Aに対応するコア63aについては第1の距離位置D(図6)に位置させる。それ以外のコア63aについては第2の距離位置E(図7)に位置させるようにコア移動機構65を制御する。
本実施例においては、個々のコア63aは機構65により、コイル41に対して間隔0.5mmで接近している第1の距離位置Dと、コイル41に対して間隔10mmと離れている第2の距離位置Eとに移動可能である。コア63aが第1の距離位置Dにあるときはそのコアが対応しているベルト41部分の発熱効率は非常に高い。これに対して、コア63aが第2の距離位置Eにあるときはそのコアが対応しているベルト41部分の発熱効率は低下する。
制御部309は、プリントジョブ(定着処理)が開始すると、導入される記録材のサイズ入力値を読み取る。記録材が大サイズ記録材である場合には、コア63aの全てを第1の距離位置Dに位置させるように機構65を制御する。小サイズ記録材である場合には、コア63aのうち、小サイズ記録材の通過域Aに対応するコア63aについては第1の距離位置Dに位置させ、それ以外のコア63aについては第2の距離位置Eに位置させるように機構65を制御する。
これにより、ベルト41の非通過域Bに対応する部分の発熱効率が通過域Aに対応する部分よりも低下することにより、ベルト41およびローラ50の昇温現象が抑制される。
b)磁束遮蔽板の移動制御による昇温現象の抑制
制御部309は、プリントジョブが開始すると、記録材のサイズ入力値を読み取る。記録材が大サイズ記録材である場合には、板10L・10Rを退避位置であるホームポジションに保持させたままとする。小サイズ記録材である場合には、駆動手段25により軸22を正回転駆動させて、板10L・10Rをそれぞれベルト41の中央部に向う方向に移動させる。そして、板10L・10Rを両者の間隔が小サイズ記録材の幅にほぼ対応する間隔になる位置まで移動させて軸22の駆動を停止させる。
この板10L・10Rをコア63aの移動機構64と連動して移動することで、コア63aの分割幅よりも細かくベルト41の長手発熱分布を制御してベルト41およびローラ50の昇温現象が抑制される。
(2−8)加圧力の変更制御
加圧機構80によるニップ部Nの加圧力を変更する加圧力変更機構について説明する。本実施例においては、加圧機構80における軸受83・83、カム軸84、偏心カム85L・85R、ギア86、モータ87が、ニップ部Nの加圧力を変更する加圧力変更機構として機能している。加圧力変更機構の動作は制御部(コントローラ)309により制御される構成となっている。以下、詳細に説明する。
左右の偏心カム85L・85Rは制御部309で制御されるモータ87が駆動されることで、その駆動力が駆動伝達ギア等の伝達手段(不図示)を介してギア86に伝達されて軸84が回転することで同じ位相で回転する。このカム85L・85Rの回転角が制御されることで左右の加圧レバー81L・81Rがそれぞれ軸81aを中心に所定に上下動されることでニップ部Nの加圧力が変更される。
本実施例においては、カム85(85L・85R)はカムプロフィルとして、図13のように、低***平面部、およびピーク1、2、3の3つのピーク形状を有している。ピーク1、2、3はこの順に低***平面部よりも***量が大きい。低***平面部が通常圧モード対応部、ピーク1が圧ダウンモード1対応部、ピーク2が圧ダウンモード2対応部、ピーク3が加圧解除モード対応部である。
図14によりカム85による加圧力の変更制御を説明する。図14は左側の加圧機構80を示しているが、右側の加圧機構80も左側の加圧機構80と左右対称の動作をする。
図14の(a)は通常圧モードの時の機構状態を示している。この状態時においては、カム85Lは低***平面部が上向きとなっている回転角で停止されており、カム85Lは加圧レバー81Lの前端部の下面に対して非接触である。そのため、加圧レバー81Lの下面がフランジ部材45Lの被加圧部45aの上面に対してばね付きビス82Lのばね82aで規定されたばね力で十分に押し当っている。これにより、ニップ部Nの加圧力は通常時の加圧力(全圧)にされている。
(b)は圧ダウンモード1の時の機構状態を示している。この状態時においては、カム85Lはピーク1が上向きとなっている回転角で停止されており、カム85Lは加圧レバー81Lを通常加圧モード時の位置よりもばね付きビス82Lのばね82aのばね力に抗して所定量押し上げる。これにより、フランジ部材45Lへの加圧力は低減し、フランジ部材45Lの位置はΔY1だけ上に上がり、ニップ部Nの加圧力が通常の加圧力よりも所定に低減される。
(c)は圧ダウンモード2の時の機構状態を示している。この状態時においては、カム85Lはピーク2が上向きとなっている回転角で停止されており、カム85Lは加圧レバー81Lを圧ダウンモード1の時の位置よりもばね付きビス82Lのばね82aのばね力に抗して更に所定量押し上げる。これにより、フランジ部材45Lへの加圧力は更に低減し、フランジ部材45Lの位置はΔY2だけ上に上がり、ニップ部Nの加圧力が圧ダウンモード1の時の加圧力よりも所定に低減される。
(d)は加圧解除モードの時の機構状態を示している。この状態時においては、カム85Lはピーク3が上向きとなっている回転角で停止されており、カム85Lは加圧レバー81Lを圧ダウンモード2の時の位置よりもばね付きビス82Lのばね82aのばね力に抗して更に所定量押し上げる。これにより、ばね付きビス82Lによるフランジ部材45Lへの積極的な加圧力は無効にされて、フランジ部材45Lの位置はΔY3だけ上に上がり、ニップ部Nの加圧力が実質的に解除される。画像形成装置のスタンバイ時には定着装置500はこの加圧解除状態に保持されている。
本実施例における定着装置500の通常圧モード、圧ダウンモード1、圧ダウンモード2の圧分布を図15に示す。圧分布は、面圧力測定分布システムI−SCAN(ニッタ(株)製)により測定した。図15の縦軸は、紙(記録材)の長手幅(紙の搬送方向に直交する方向)7[mm]分(I−SCANのセンサー1個分)を、紙の搬送方向に積算した時の圧である。
通常圧モードは、中央部の圧が1.1[kg]、最端部(165mm)の位置で、圧が、0.75[kg]である。圧ダウンモード1は、中央部の圧が0.8[kg]、最端部(165mm)の位置で、圧が、0.3[kg]である。圧ダウンモード2は、中央部の圧が0.5[kg]、最端部(165mm)の位置で、圧が0[kg]である。
記録材Pとして角型2号サイズ(幅240mm×332mm)の封筒を流す場合、通常圧モードなので、封筒の中央部の位置に相当する圧力値が1.1[kg]である。これに対して、封筒の端部の位置に相当する圧力値は、0.85[kg]なので、中央の圧に対して端部の圧は0.2[kg]以上、低くなっている。
また、本実施例におけるベルト41と加圧ローラ50とのニップ部Nの回転方向の幅は、ニップ圧が500Nにおいては、中央が8.5mm、端部(中央から145mmの位置)が8.0mmである。
加圧力は、通常圧モードが500[N]、圧ダウンモード1が250[N]、圧ダウンモード2が150[N]である。
即ち、記録材Pの搬送方向にニップ部Nのニップ内の圧を積算した時、導入する封筒の幅の中央部の位置に相当する圧をP1とし、端部の位置に相当する圧をP2とした場合、両者の圧差(P1−P2)は0.2[kg]以上ある。
(2−9)封筒に皺が発生するメカニズム
封筒は2枚の紙(上面の紙と下面の紙)が袋状に繋がっており、その2枚の紙(上面と下面)の送り速度が異なってしまうと、ニップ部での封筒送り方向後端において皺が発生する恐れがある。ニップ部N内で封筒の上面と下面で送り速度が異なる要因として、まず第1に、ニップ部内での紙の屈曲変形量が上面と下面で異なることが考えられる(図16参照)。
封筒の長手方向(幅方向)の両端部の圧が強いと、封筒が下向きに屈曲され、紙の上面と下面で屈曲量が異なり、紙の上面と下面で送り速度が異なり、皺が発生する。皺の発生を防止するためには、紙の上面と下面での屈曲量を少なくするのが好ましく、そのためには、封筒の長手方向(幅方向)の両端部の圧を低くするのが好ましい
封筒の屈曲以外に、封筒の上面と下面での送り速度が異なる理由として、ベルト41と加圧ローラ50の回転速度が実際に異なると、封筒の上面と下面で送り速度が異なってしまう。皺が発生し難くするためには、定着装置はベルト41、加圧ローラ50にそれぞれ駆動源を持ち、封筒の上面と下面が同じ速度になるように制御して駆動させる構成が、封筒皺が発生しにくい。しかし、独立に駆動を持つ構成にすることにより、定着装置全体の熱容量が大きくなり、省エネ性が低下する。
本実施例の定着装置500の通常圧モードの長手の圧分布は図15に示した様に、幅サイズが13インチまでの記録材導入した時、記録材両側端部の定着性を良くするために、端部まで圧がかかっている状態になっている。その状態で、幅サイズが小さい封筒を導入すると、封筒の端部の圧が強く、封筒が屈曲し、封筒皺が発生しやすい。
(2−10)封筒皺の防止対策
前記のように本実施例の定着装置500はニップ部Nの加圧力を低下させる圧ダウンモード1、2を備えており、圧ダウンモードは図15に示した様に、長手方向最端部の圧が通常圧モードに比べ低くなっている。そのため、長手方向の幅の狭い封筒を導入した時でも、封筒の端部の圧を弱くすることができ、封筒皺の発生を防止することが可能となる
圧ダウンモード1、2で幅の広い(大きい封筒を導入すると、封筒の両側端部の圧が低下しすぎて、封筒の両側端部の搬送力が中央部での搬送力より低下し、封筒の両側端部が中央部に引っ張られて、が発生してしまう。そのため、封筒の幅サイズに応じて、ニップでの加圧力を変えている。また、通常の記録材は、袋状にはなっていないことから、上面と下面との速度差が生まれ得ないので、端部の圧が高くても、が発生することはない。
そこで、本実施例では、封筒を導入するとき、長手方向の幅サイズに応じて加圧力を変更し、封筒皺の発生を抑える。即ち、制御部309は、定着装置500に導入する記録材が封筒である場合において、封筒の幅に応じて、ニップ部Nの加圧力を変化させる制御シーケンスを実行する。
本実施例の制御を図17に示す制御系のブロック図を使って説明する。操作部301またはPC等の外部ホスト装置400から、使用者(ユーザ)が出力する記録材種の情報(サイズおよび種類)が記録材情報処理部1002に送られ、記録材情報処理部1002の情報が、CPU1000に転送される。CPU1000は、メモリ1001を参照し、記録材情報処理部1002の情報によって、定着装置500の加圧力を所定の値にするように加圧力制御部1003に命令する。加圧力制御部1003は加圧力変更機構として機能するモータ87を制御して定着装置500のニップ部Nの加圧力を所定の圧に制御する。
制御部309による制御フローについて、図18に示したフローチャートを使って説明する。まず、画像形成装置の制御部309は画像形成ジョブを受け付ける(S1)。その後、その画像形成ジョブで導入する記録材Pが封筒か(普通紙)かを制御部309内のCPU1000が判断する(S2)。導入する記録材が封筒で無ければ、幅は関係なく加圧力を通常圧モード(全圧)に設定して定着装置500を立ち上げ(S5)、画像形成動作と定着動作を行う(S8)。設定枚数分のプリントが実行されたら、プリント終了となり(S9、S10)、画像形成装置は次の画像形成ジョブが入力されるまでスタンバイ状態に保持される。
S2において、導入する記録材が封筒であれば、封筒の幅が220mm以下(所定の幅よりも幅狭あるいは同幅)か否かをCPU1000が判断する(S3)。導入する封筒の幅が220mmより幅広であれば、加圧力を通常圧モード(全圧)に設定して定着装置500を立ち上げ(S5)、画像形成動作と定着動作を行う(S8)。
S3において、導入する封筒の幅が120mmより大きく220mm以下であれば(S4)、加圧力を圧ダウンモード1に設定して、定着装置500を立ち上げ(S6)、画像形成動作&定着動作(S8)を行う。
S4において、導入する封筒の幅が120mm以下の場合には、加圧力を圧ダウンモード2に設定して(S7)、定着装置500を立ち上げ、画像形成動作と定着動作を行う(S8)。
即ち、制御部309は、ニップ部Nで挟持搬送される記録材が封筒である場合において、所定幅よりも幅広の封筒に定着処理(画像加熱処理)する場合と所定幅以下の封筒に定着処理する場合とで加圧力が変更されるように加圧力変更機構85L・85Rを制御する。制御部309は、封筒の幅が小さくなるにつれて加圧力を低くする方向に制御する。制御部309は、封筒の幅が120mm以下の場合には、加圧力を、封筒とは異なる記録材の場合の加圧力である通常圧の半分以下に制御する(圧ダウンモード2)。
換言すれば、制御部309は、画像加熱処理される封筒の幅に応じて加圧力を制御する。
本実施例の制御を図19に示したタイミングチャートを使って説明する。制御部309は、加圧力変更機構のモータ87を駆動させて、定着装置500のニップ部Nを加圧解除状態から、所定の加圧力(通常圧モードまたは圧ダウンモード1または圧ダウンモード2)に調整する。次に加圧ローラ50をモータ53により駆動させ、加圧ローラ50とベルト41を回転駆動させる。励磁コイル62に電圧を印加し、ベルト41を加熱し所定の温度に温調する。そして、画像成形を開始し、記録材上に画像を形成して出力する。
画像形成が終了したら、温調を停止し、加圧ローラ50の駆動を停止し、ニップ部Nを加圧解除状態に戻す。
表1に封筒の送り方向後端に皺が発生するか否かについて検証実験を行った結果を示す。実験は23℃50%の雰囲気環境下において、山櫻社製角型2号(240×332)、山櫻社製角型6号(162×229)、山櫻社製長形3号(120×235)、を10枚連続して導入させた時、10枚中皺が出なかったら○、1枚でも皺が出たら×とした。
表1より、封筒の幅に対して、ニップ部Nの加圧力を変えて導入させることにより封筒に皺が発生するのを防止することができた。加圧力を切り替える封筒の幅、加圧力の数値は、最適となるように適宜変えてもよい。また、封筒の幅に対して加圧力をリニアに変化させてもよい。
以上説明したように、本実施例の定着装置500を用いると、封筒の送り方向後端に皺が発生してしまうのを防止することができる。
[実施例2]
実施例1では、封筒の幅に応じて定着装置500のニップ部Nの加圧力を制御した。本実施例2では、封筒の幅に加え、封筒の坪量を考慮して加圧力を制御する。封筒の坪量が大きい場合、剛性が高く、ニップ部N内で封筒が屈曲変形しにくい。そのため封筒の上下の面での送り速度に差が生まれにくく、皺が発生しにくい。
本実施例のブロックチャートは実施例1と同様なので省略する。本実施例のフローチャートを図20に示す。
まず、画像形成装置の制御部309は画像形成ジョブの受け付ける(S1)。その後、その画像形成に用いられる記録材Pが封筒か否かをCPU100が判断する(S2)。記録材が封筒で無ければ、加圧力を通常圧モード(全圧)に設定して定着装置500を立ち上げ(S6)、画像形成動作と定着動作を行う(S9)。設定枚数分のプリントが実行されたら、プリント終了となり(S10、S11)、画像形成装置は次の画像形成ジョブが入力されるまでスタンバイ状態に保持される。
S2において、導入される記録材が封筒であれば、封筒の幅が220mm以下か否かをCPU1000が判断する(S3)。封筒の幅が220mmより大きければ、加圧力を通常圧モード(全圧)に設定して定着装置500を立ち上げ(S6)、画像形成動作と定着動作(S9)を行う。
S4において、導入される封筒の坪量が180[g/m]より大きければ、剛性が高く、封筒の上下面での送り速度に差が生じにくいので、加圧力を通常圧モード(全圧)に設定して定着装置500を立ち上げ(S6)、画像形成動作と定着動作(S9)を行う。
S4において、導入される封筒の坪量が180[g/m]以下であれば、封筒の幅が120[mm]以下か、120[mm]より大きいかに応じて、加圧力を圧ダウンモード1または圧ダウンモード2に設定する。そして、定着装置500を立ち上げ(S7、S8)画像形成動作と定着動作(S9)を行う。
即ち、制御部309は、封筒の坪量が180[g/m]以下の場合には、加圧力を、封筒とは異なる記録材の場合の加圧力である通常圧より低く制御する。つまり、制御部309は、ニップ部Nで挟持搬送される記録材が封筒である場合において、封筒の坪量に応じて加圧力が変更されるように加圧力変更機構85L・85Rを制御する。
本実施例を使うことにより、封筒以外の通常の記録材と坪量の大きい封筒を連続して導入させる場合に、圧を切り替える時間が必要なくなり、成果物の生産性の向上につながる。
[その他の装置構成]
(1)本発明の画像加熱装置は、上記実施例のように、記録材に形成された未定着のトナー画像を固着画像として定着する定着装置としての使用に限られない。例えば、記録材に定着されたトナー画像を再加熱加圧あるいは再加圧することで画像の光沢度を向上させる光沢付与装置としても有効である。
(2)記録材の画像担持面と接触する回転体は実施例のような無端ベルトの形態に限られない。ローラ体の形態にすることもできる。
(3)記録材の画像担持面と接触する回転体に対向してニップ部を形成する対向部材は回転可能なローラ体以外にも回転可能な無端ベルトの形態にすることもできる
(4)記録材の画像担持面と接触する回転体を加熱する加熱は実施例の電磁誘導加熱に限られない。ハロゲンヒータ、赤外線ランプ、セラミックヒータなど他の手段を用いることもできる。内部加熱方式の構成にすることもできる。
(5)本発明の画像加熱装置は、上記実施例のように、一対の回転体によりニップ部において記録材を加熱及び加圧する方式の装置となっているが、このような例に限られない。例えば、一対の回転体によりニップ部において記録材に対して加圧のみ行う方式の装置であってもよい。
(6)加圧機構は、記録材の画像担持面である表側と接触する回転体に対し、記録材の裏側と接触する回転体を加圧する構成(加圧力を変更する構成)にすることもできる。また、一対の回転体の双方を加圧する構成(加圧力を変更する構成)にすることもできる。
(7)画像形成装置の画像形成方式は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式などの画像形成方式であってもよい。また、中間転写体を経由させずに、感光体から記録材に対して直接方式で画像を転写する構成のものであってもよい。
500・・画像加熱装置(定着装置)、P・・記録材、41・・記録材の画像担持面と接触する回転体(定着ベルト)、50・・加圧ローラ、N・・ニップ部、80・・加圧機構、85L・85R・・加圧力変更機構、309・・制御部

Claims (10)

  1. 記録材上のトナー像をその間のニップ部で加熱する第1及び第2の回転体と、
    前記第1及び第2の回転体を互いに圧接させる加圧機構と、
    前記加圧機構の加圧力を記録材の種類に基づいて制御する制御部と、を有し、
    画像加熱処理を施す記録材として普通紙を用いる場合、前記制御部は普通紙の幅とは関係なく前記加圧力を所定の加圧力に設定し、画像加熱処理を施す記録材として封筒を用いる場合、封筒が所定の幅よりも幅広であれば前記制御部は前記加圧力を第1の加圧力に設定し封筒が所定の幅よりも幅狭あるいはその所定の幅と同幅であれば前記制御部は前記加圧力を前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力に設定することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 封筒が前記所定の幅よりも狭い別の所定の幅よりも幅狭あるいはその別の所定の幅と同幅であれば、前記制御部は前記加圧力を前記第2の加圧力よりも低い第3の加圧力に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記加圧機構は、前記第1の回転体と前記第2の回転体との間に、前記ニップ部の長手方向の両端部における加圧力よりも中央部における加圧力が大きくなるように加圧力を適用することを特徴とする請求項1または2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記加圧機構は、前記第1の回転体を前記第2の回転体に向って第1の回転体の内側から加圧する加圧パッドを含み、前記加圧パッドは、長手方向の両端部から中央部に前記第2の回転体に向って徐々に突出している形状を持つことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記加圧機構は、前記加圧パッドの長手方向の両端部を前記第2の回転体に向って押すことを特徴とする請求項4に記載の画像加熱装置。
  6. 前記第2の回転体はローラであり、長手方向の両端部の外径が長手方向の中央部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の画像加熱装置。
  7. 更に、前記第1の回転体を加熱する加熱器を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  8. 前記第1の回転体が記録材の未定着のトナー像の担持している側に対応しており、前記第2の回転体により駆動されて回転するエンドレスベルトであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像加熱装置。
  9. 前記加熱器は前記第1の回転体を電磁誘導加熱によって加熱する励磁コイルを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の画像加熱装置。
  10. 封筒が所定の幅よりも幅広もしくは所定の幅と同幅の幅であり、かつ坪量が所定の坪量よりも大きい場合には、前記制御部は前記加圧力を第3の加圧力に設定し、封筒が所定の幅よりも幅狭もしくは所定の幅と同幅の幅であり、かつ坪量が所定の坪量よりも小さいもしくは所定の坪量と同じ場合には、前記制御部は前記加圧力を前記第3の加圧力よりも低い第4の加圧力に設定することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の画像加熱装置。
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