JP2014025030A - 変性重合体の製造方法及び分散剤 - Google Patents

変性重合体の製造方法及び分散剤 Download PDF

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Abstract

【課題】極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いた重合系において、特に分散剤として好適に用いることができる変性重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物と、第2級アミン化合物(A1)及び芳香環にメチル基が結合した構造を有する第3級アミン化合物(A2)からなる群より選択される少なくとも一種と、を混合して得られる化合物の存在下で、極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いて重合を行う工程を含む製造方法により変性重合体を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、変性重合体の製造方法及び分散剤に関する。
従来、(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリルアミド誘導体等といった、極性基を有する重合性モノマーを用いて、リビング性の高いアニオン重合を行う方法が種々提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1には、嵩高いヒドロカルビル基を有するアルカリ金属化合物と、嵩高いヒドロカルビル基を有するアルミニウム化合物とを触媒として用い、これら化合物の存在下で、メタクリル系単量体のアニオン重合を行うことが開示されている。また、特許文献2には、アニオン重合開始剤を用いて(メタ)アクリル酸エステル等のアニオン重合を行う際に、重合系に、三級有機アルミニウム化合物と、エーテル化合物や三級ポリアミン化合物などのルイス塩基とを存在させることが開示されている。これら特許文献1、2に記載の方法によれば、分子量分布が狭い重合体を得ることができるとされている。
また従来、(メタ)アクリル系などの重合体は種々の用途に使用されており、例えば固体粒子を溶媒中に均一に分散させるための高分子分散剤として使用されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3には、イミダゾリウム塩誘導体モノマーと、(メタ)アクリル酸エステル等とを用いてラジカル重合を行うことにより、分散剤として有用な重合体を製造することについて開示されている。
特開平5−5009号公報 特開2010−196068号公報 特開2010−111766号公報
上記特許文献1等には、リビングアニオン重合により(メタ)アクリル系重合体等を製造する方法については開示されているものの、その得られた重合体の用途等については開示されていない。工業的な見地からすると、リビングアニオン重合を用いて得られる重合体として、実用的な用途に適用可能な新たな重合体を開発することが求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いた重合系において、実用的な用途、特に分散剤として好適に用いることができる変性重合体の製造方法を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成すべく鋭意検討した結果、極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いた重合系において、重合開始末端及び重合終了末端の少なくともいずれかを、窒素原子含有の化合物又は酸素原子含有の化合物を用いて変性することにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を解決するに至った。具体的には、本発明により以下の変性重合体の製造方法及び分散剤が提供される。
本発明は一つの側面において、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物と、第2級アミン化合物(A1)及び芳香環と該芳香環に結合するメチル基とを有する第3級アミン化合物(A2)からなる群より選択される少なくとも一種と、を混合して得られる化合物の存在下で、極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いて重合を行う工程を含む、変性重合体の製造方法を提供する。
本発明は別の一つの側面において、アルカリ金属化合物若しくはアルカリ土類金属化合物の存在下で、又は、アルカリ金属化合物若しくはアルカリ土類金属化合物と、第2級アミン化合物(A1)及び芳香環と該芳香環に結合するメチル基とを有する第3級アミン化合物(A2)からなる群より選択される少なくとも一種と、を混合して得られる化合物の存在下で、極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いて重合を行うことにより活性末端を有する重合体を得る工程と、当該活性末端を有する重合体と、窒素原子及び酸素原子の少なくともいずれかを有しかつ前記活性末端と反応し得る化合物(B)と、を反応させる工程と、を含む、変性重合体の製造方法を提供する。
上記製造方法によれば、極性基を持つアニオン重合性モノマーに基づく構成単位を有するとともに、重合開始末端及び重合終了末端の少なくともいずれかに、窒素原子含有の官能基又は酸素原子含有の官能基を有する重合体を製造することができる。当該重合体は、溶媒中において固体粒子(特に無機系粒子)を均一に分散させることが可能であり、分散剤の用途に好適に用いることができる。
本発明は別の一つの側面において、上記製造方法により得られる重合体を含有する分散剤を提供する。
[1]変性重合体の製造方法
<重合工程>
本発明の製造方法は、重合開始剤を用いて、極性基を持つアニオン重合性モノマー(以下、特定モノマーともいう。)のアニオン重合を行う工程を含む。ここで、特定モノマーとしては、アニオン重合によって反応が進行する化合物のうち、極性基を持つものであれば特に限定せず、例えばα,β−不飽和カルボン酸エステル化合物、α,β−不飽和カルボン酸アミド化合物、α,β−不飽和カルボニル化合物、2−ビニルピリジン、(メタ)アクリロニトリル等といった、電子求引性基を有するビニル系モノマー;ε−カプロラクトン等のラクトン化合物などを挙げることができる。
より具体的には、α,β−不飽和カルボン酸エステル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸オクトキシポリエチレングリコール等の(メタ)アクリル酸エステル;α−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシアクリル酸メチル等のα−アルコキシアクリル酸エステル;3−メトキシアクリル酸エステル等の3−アルコキシアクリル酸エステル;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸エステル;などが挙げられる。
また、α,β−不飽和カルボン酸アミド化合物としては、例えば、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等などの(メタ)アクリルアミド化合物等を;α,β−不飽和カルボニル化合物としては、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルイソプロペニルケトンなどを挙げることができる。また更に、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の炭素−炭素二重結合を2つ以上有する単量体を使用してもよい。
特定モノマーとしては、上記の例示の中でも、(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド化合物であることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルであることが特に好ましい。特定モノマーとしては、上記のものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本明細書中、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルであることを示す。
なお、上記で例示した特定モノマーは、活性末端を有するアニオン重合体を得ることが可能である点において、いずれも同様の作用を有するものである。したがって、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
上記重合により得られる重合体は、上記のうち1種の特定モノマーを用いた単独重合体であってもよいし、2種以上の特定モノマーを用いた共重合体、又は1種以上の特定モノマーと、特定モノマー以外の他のモノマーとを用いた共重合体であってもよい。当該他のモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、スチレンなどを挙げることができる。他のモノマーの使用量は、得られる重合体の分散性効果を良好に得る観点から、重合に使用するモノマーの全体量に対して、25質量%未満であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における重合体は、上記特定モノマーを少なくとも含む単量体を用いて、アニオン重合を行うことにより製造することができる。ここで、重合法としては、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれを用いてもよいが、溶液重合法が特に好ましい。溶液重合法の一例としては、有機溶媒中において、特定モノマーを含む単量体を、重合開始剤及び必要に応じて用いられる添加剤の存在下、アニオン重合を行う方法が挙げられる。このとき、重合形式は回分式及び連続式のいずれを用いてもよい。
溶液重合を用いる場合、反応溶媒中のモノマー濃度は、生産性と重合コントロールの容易性のバランスを維持する観点から、溶媒の全体量に対して、3〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
重合開始剤としては、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物のうち少なくともいずれかを用いることができる。アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、アニオン重合の開始剤として通常用いるものを使用することができ、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、1,4−ジリチオブタン、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、ナフチルリチウム、ナフチルナトリウム、ナフチルカリウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、エトキシカリウム、ステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。中でも、リチウム化合物が好ましい。重合開始剤の使用量は、必ずしも限定されるものではないが、使用するモノマーの全体量100モルに対して、0.01〜10モルとすることが好ましい。
上記重合反応は、上記例示したアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物のうち少なくともいずれかと、第2級アミン化合物(A1)及び芳香環と該芳香環に結合するメチル基とを有する第3級アミン化合物(A2)からなる群より選択される少なくとも一種のアミン化合物と、を混合して得られる化合物(R)の存在下で行ってもよい。当該化合物(R)の存在下で重合を行うことにより、特定モノマーを構成単位として有し、かつ重合開始末端に、窒素原子を有する官能基が付加された変性重合体を得ることができる。
化合物(R)の生成に用いるアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては、中でもアルキルリチウム等のリチウム化合物であることが好ましい。
第2級アミン化合物(A1)としては、窒素原子に水素原子が1つ結合されている限り、その構造は特に限定せず、例えば下記式(a−1)及び式(a−2)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2014025030
(式(a−1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のヒドロカルビル基又は3置換のヒドロカルビルシリル基である。Rは、炭素数1〜12のヒドロカルビレン基、又は当該ヒドロカルビレン基における炭素−炭素結合間に、酸素原子、硫黄原子及びリン原子のうち少なくともいずれかを有し、かつ活性水素を有さない2価の基である。iは0又は1である。)
Figure 2014025030
(式(a−2)中、Rは、炭素数3〜16のヒドロカルビレン基、又は当該ヒドロカルビレン基における炭素−炭素結合間に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子及びスズ原子のうち少なくともいずれかを有し、かつ活性水素を有さない2価の基である。)
上記式(a−1)において、R、R及びRにおける炭素数1〜20のヒドロカルビル基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香族基などを挙げることができる。これらの具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、アリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビニル基などが挙げられる。
、R及びRの3置換のヒドロカルビルシリル基としては、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、メチルジエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基などが挙げられる。Rの炭素数1〜12のヒドロカルビレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。当該Rは、活性水素を有さない限り、上記例示したヒドロカルビレン基における炭素−炭素結合間に、酸素原子、硫黄原子及びリン原子のうち少なくともいずれかを有する2価の基(例えば、「−O−」や「−S−」など)であってもよい。なお、本明細書において、「活性水素」とは、炭素原子以外の原子に結合した水素原子をいい、好ましくはポリメチレンの炭素−水素結合よりも結合エネルギが低いものを指す。
上記式(a−1)で表される化合物の具体例としては、i=0である場合として、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、ジアリルアミン、ビス(トリメチルシリル)アミン等を;i=1である場合として、例えばN,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−1,6−ジアミノエタン、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−1,6−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−1,6−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−1,6−ジアミノヘキサン等を挙げることができる。
また、上記式(a−2)において、Rの炭素数3〜16のヒドロカルビレン基としては、例えばトリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基などが挙げられる。また、Rは、上記例示したヒドロカルビレン基における炭素−炭素結合間に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子及びスズ原子のうち少なくともいずれかを有する2価の基(例えば、「−O−」や「−S−」など)であってもよい。
上記式(a−2)で表される化合物の具体例としては、例えばピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ドデカメチレンイミン、3−メチルピペリジン、3,3,5−トリメチルヘキサメチレンイミン、ヘキサデカメチレンイミン、2−(2−エチルヘキシル)ピロリジン、3,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピペリジン、4−フェニルピペリジン、モルホリン等のモノアミン;4−プロピルピペラジン、N−トリメチルシリルピペラジン、N−(tert−ブチルジメチルシリル)ピペラジン等のジアミン;1,3−ジトリメチルシリル−1,3,5−トリアジナン等のトリアミン;1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−プロピル−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナンなどの多環アミン化合物;などが挙げられる。
一方、第3級アミン化合物(A2)は、芳香環にメチル基が結合した構造を有し、例えばトルイジン構造、メチルベンジルアミン構造などを有する第3級アミンを挙げることができる。上記のアルカリ金属化合物等と第3級アミン化合物(A2)との反応によれば、第3級アミン化合物(A2)において、芳香環に直接結合するメチル基(例えばベンジル位)がリチオ化等され、その結果、化合物(R)を得ることができると考えられる。第3級アミン化合物(A2)の好ましい具体例としては、例えば下記式(a−3)及び式(a−4)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2014025030
(式(a−3)中、Aは、芳香環又は置換基を有する芳香環である。Rは、下記式(n−1)又は式(n−2)で表される1価の窒素含有基である。nは、1〜3の整数である。但し、nが2又は3の場合、複数のRは、それぞれ独立して上記定義を有する。)
Figure 2014025030
(式(a−4)中、A及びAは、それぞれ独立に、芳香環又は置換基を有する芳香環である。Xは、単結合、酸素原子又は炭素数1〜3のヒドロカルビレン基である。Rは、下記式(n−1)又は式(n−2)で表される1価の窒素含有基である。mは1又は2であり、kは0〜2の整数である。但し、m+kが2以上の場合、複数のRは、それぞれ独立して上記定義を有する。)
Figure 2014025030
(R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のヒドロカルビル基である。jは、4〜6の整数である。*は、芳香環との結合手を示す。)
上記式(a−3)及び式(a−4)において、A及びAの芳香環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。但し、上記式(a−4)において、A及びAは、互いに同じでも異なっていてもよい。また、A及びAの芳香環は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香族基などを挙げることができる。これら置換基の具体例としては、例えば上記R〜Rの炭素数1〜20のヒドロカルビル基として例示した基などが挙げられる。
は、上記式(n−1)又は式(n−2)で表される1価の窒素含有基である。ここで、上記式(n−1)において、R及びRの炭素数1〜20のヒドロカルビル基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基、炭素数3〜20の脂環式基、炭素数6〜20の芳香族基などを挙げることができ、その具体例としては、例えば上記R〜Rの炭素数1〜20のヒドロカルビル基として例示した基などが挙げられる。また、上記式(n−2)で表される1価の窒素含有基の具体例としては、例えばピロリジノ基、ピペリジノ基等を挙げることができる。なお、分子中に複数のRが存在する場合、それら複数のRは、互いに同じでも異なっていてもよい。
の結合位置は特に限定せず、例えばAに結合するRは、芳香環が有するメチル基に対して、オルト位、メタ位及びパラ位のいずれであってもよく、Aに結合するRは、Xに対して、オルト位、メタ位及びパラ位のいずれであってもよい。また、上記式(a−4)において、Xに対するメチル基の結合位置についても特に限定しない。
上記式(a−3)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えばN,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジプロピル−o−トルイジン、N,N−ジプロピル−m−トルイジン、N,N−ジプロピル−p−トルイジン、N,N−ジブチル−o−トルイジン、N,N−ジブチル−m−トルイジン、N,N−ジブチル−p−トルイジン、o−ピペリジノトルエン、p−ピペリジノトルエン、o−ピロリジノトルエン、p−ピロリジノトルエン、N,N,N’,N’−テトラメチルトルイレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルトルイレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピルトルイレンジアミン、N,N−ジメチルキシリジン、N,N−ジエチルキシリジン、N,N−ジプロピルキシリジン、N,N−ジメチルメシジン、N,N−ジエチルメシジン、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセン等を挙げることができる。
一方、上記式(a−4)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えば3−メチル−4−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、N,N,N’,N’−テトラメチル−3−メチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス−〔4−(N,N−ジメチル−3−メチルアニリノ)〕プロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等を挙げることができる。なお、第3級アミン化合物(A2)としては、上記例示したものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
第2級アミン化合物(A1)及び第3級アミン化合物(A2)の使用量は、必ずしも限定されるものではないが、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の合計の使用量1モルに対して、0.1〜10モルであることが好ましく、0.5〜5モルであることがより好ましい。なお、化合物(R)の存在下で重合を行う場合、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかと、上記アミン化合物とを予め混合することにより化合物(R)を調製し、その調製した化合物(R)を重合系中に添加してもよい。あるいは、重合系中に、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の少なくともいずれかと、上記アミン化合物とを添加し、重合系中で両者を混合することにより化合物(R)を調製してもよい。
上記で例示した第2級アミン化合物(A1)及び第3級アミン化合物(A2)は、重合開始末端に含窒素官能基を導入することが可能である点において、いずれも同様の作用を有するものである。したがって、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
上記の重合開始剤を用いて本発明における重合体を製造する方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば第1の方法として、(i)非極性又は低極性の有機溶媒中において、重合開始剤及び必要に応じて用いられる添加剤の存在下、例えば−60℃〜100℃の温度条件でアニオン重合を行う方法;第2の方法として、(ii)極性の有機溶媒中において、重合開始剤及び必要に応じて用いられる添加剤の存在下、例えば−100℃〜50℃の温度条件でアニオン重合を行う方法;等を挙げることができる。
方法(i)において、重合に使用する有機溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;などが挙げられ、これら例示の中でもトルエンを用いることが特に好ましい。なお、有機溶媒としては、上記のものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機溶媒の使用量は、生産性と重合コントロールの容易性とのバランスを維持する観点から、重合に使用するモノマーの全体量100質量部に対して、200〜3,000質量部とすることが好ましい。
重合反応に際しては、重合体の分子量分布の調整等を目的として、添加剤としてルイス酸及びルイス塩基の少なくともいずれかを用いることが好ましく、ルイス酸及びルイス塩基を用いることがより好ましい。
ここで、ルイス酸としては、金属原子としてアルミニウム、ホウ素、亜鉛などを有する有機金属化合物であることが好ましく、中でも有機アルミニウム化合物であることが特に好ましい。有機アルミニウム化合物としては、第3級アルミニウム化合物を用いることができ、その具体例としては、例えばトリt−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチル(ジフェニルアミノ)アルミニウム等のジアルキル(ジフェニルアミノ)アルミニウム;イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、イソブチル[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ)]アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジエチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム、ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)アルミニウム、ジ−n−オクチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム等のアリールオキシ構造又はアリーレンジオキシ構造を有するアルミニウム化合物;などを挙げることができる。なお、ルイス酸は、これらのものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ルイス酸の使用量は、使用するルイス酸の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば有機アルミニウム化合物の場合、重合に使用する重合開始剤の全体1モルに対して、0.5〜100モルであることが好ましく、1〜50モルであることがより好ましい。
ルイス塩基としては、例えばエーテル化合物、第3級アミノ基を2つ以上有する化合物(三級ポリアミン化合物)などを好ましく使用することができる。これらの具体例としては、エーテル化合物として、例えば12−クラウン−4,15−クラウン−5,18−クラウン−6等の環状エーテル;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール等の非環状モノエーテル;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジイソプロポキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジエトキシプロパン、1,3−ジメトキシプロパン、1,3−ジエトキシプロパン、1,4−ジメトキシブタン、1,4−ジエトキシブタン等の非環状ジエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジメチルエーテル等の非環状トリエーテル;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリブチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のポリアルキレングリコール構造を有するジアルキルエーテルなどを;
三級ポリアミン化合物として、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン等の鎖状化合物;1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、2,2’−ビピリジル、2,2’:6’,2”−テルピリジン等の複素環式化合物などを;それぞれ挙げることができる。ルイス塩基としては、これらのものを1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
使用するルイス塩基としては、上記の中でも、分子量分布をより狭くできる点等において、エーテル化合物であることが好ましく、非環状エーテル化合物であることがより好ましく、ジエチルエーテル又は1,2−ジメトキシエタンであることが特に好ましい。
ルイス塩基の使用量は、重合に使用する重合開始剤の使用量1モルに対して、0.1モル以上であることが好ましく、0.5モル以上であることがより好ましい。また、ルイス塩基の使用量の上限値は、特に制限されるものではないが、重合開始効率の低下を抑える点において、重合系の全体量(反応モノマー、重合開始剤、添加剤及び溶媒の合計量)に対して、95質量%以下とすることが好ましい。
ルイス酸及びルイス塩基を重合系に添加する方法は特に限定せず、例えばルイス酸とルイス塩基とを予め混合した後、この混合物を重合系中に添加してもよく、ルイス酸とルイス塩基とを別々に重合系中に添加してもよい。また、ルイス酸及びルイス塩基は、反応に使用するモノマーの添加前に重合系中に添加してもよく、該モノマーと同時に重合系中に添加してもよい。
上記重合反応では、必要に応じて、上記以外のその他の添加剤を共存させてもよい。当該その他の添加剤としては、例えば塩化リチウム等の無機塩類;リチウムメトキシエトキシエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルホスホニウムブロミド等の有機塩等が挙げられる。
重合反応の温度は、特に制限されず、反応に使用するモノマーの種類及び量などに応じて適宜設定すればよいが、例えば−60℃〜100℃であることが好ましく、−30〜50℃であることがより好ましい。また、重合反応は、モノマーを実質的に液相に保つのに十分な圧力の下で行うことが好ましい。このような圧力は、重合反応に対して不活性なガスによって反応器内を加圧する等の方法によって確保することができる。
次に、本発明における重合体を製造する第2の方法について説明する。方法(ii)において、重合に使用する有機溶媒としては極性溶媒を使用することができ、具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等のエーテル系溶媒;テトラエチレンジアミン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の第3級アミン系溶媒;などが挙げられる。有機溶媒としては、これらの例示の中でも、特にテトラヒドロフランを用いることが好ましい。なお、有機溶媒は、上記のものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、有機溶媒としては、得られる重合体と相溶である限り、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素などの非極性又は低極性の溶媒を、上記溶媒と組み合わせて使用することができる。
有機溶媒の使用量は、生産性と重合コントロールの容易性とのバランスを維持する観点から、重合に使用するモノマーの全体量100質量部に対して、200〜3,000質量部とすることが好ましい。
重合反応に際しては、重合体の分子量分布の調整等を目的として、添加剤としてルイス塩基を重合系に存在させることが好ましい。
ここで、重合反応に使用するルイス塩基としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩等といったアルカリ金属鉱酸塩;バリウム、マグネシウム等の硫酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩等といったアルカリ土類金属鉱酸塩;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のハロゲン化物;バリウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の鉱酸塩;などが挙げられ、具体的には、例えば塩化リチウム、塩化バリウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化バリウム、フッ化リチウム、ホウ酸リチウム、硝酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、リチウムのハロゲン化物が好ましく、塩化リチウムが特に好ましい。
ルイス塩基の使用量は、重合に使用する重合開始剤の使用量1モルに対して、0.1モル以上であることが好ましく、0.5モル以上であることがより好ましい。
ルイス塩基を重合系に添加する方法は特に限定せず、重合開始剤の添加前であってもよく、重合開始剤の添加後であってもよい。また、上記重合反応では、ルイス塩基に限らず、必要に応じてその他の添加剤を共存させてもよい。
重合反応の温度は、特に制限されず、反応に使用するモノマーの種類及び量などに応じて適宜設定すればよいが、移動反応や停止反応等の副反応を抑制する観点から、−100℃〜50℃であることが好ましく、−90〜20℃であることがより好ましい。また、重合反応は、モノマーを実質的に液相に保つのに十分な圧力の下で行うことが好ましい。
上記重合反応によれば、活性末端を有する重合体を得ることができる。本発明の製造方法においては、上記重合反応により目的とする分子量の重合体鎖が形成された時点で、例えばメタノール等の重合停止剤を重合系に添加することにより重合反応を停止させることができる。あるいは、目的とする分子量の重合体鎖が形成された時点で、下記に示す末端変性剤を重合系に添加する工程により重合反応を停止させてもよい。
<変性工程>
本発明の製造方法は、上記重合反応により得られた活性末端を有する重合体と、末端変性剤として、窒素原子及び酸素原子の少なくともいずれかを有しかつ当該活性末端と反応し得る化合物(B)と、を反応させる工程を含んでいてもよい。同工程により、重合体の重合終了末端に、窒素原子を含有する官能基(含窒素官能基)及び酸素原子を含有する官能基(含酸素官能基)を導入することができる。
変性工程における変性反応(以下、末端変性反応ともいう。)に用いる重合体は、活性末端を有している限り、重合開始末端が未変性のものでもよく、第2級アミン化合物(A1)又は第3級アミン化合物(A2)を用いて末端変性したものでもよい。また、化合物(B)としては、含窒素官能基及び含酸素官能基の少なくともいずれかを有し、活性水素を有しておらず、かつアニオン活性末端と反応し得るものであればその構造は特に限定されない。
重合体末端に含窒素官能基を導入する際に使用する化合物(B)としては、例えば含窒素官能基を有するハロゲン化物、(チオ)カルボニル基含有化合物、炭素−炭素二重結合を有する化合物、イミノ基含有化合物、エポキシ基含有化合物、シラン化合物などを挙げることができる。より具体的には、化合物(B)としては、含窒素官能基するハロゲン化物として、例えばN−(3−ブロモプロピル)フタルイミド、N−(8−ブロモオクチル)フタルイミドなどを;
含窒素官能基を有する(チオ)カルボニル基含有化合物として、例えば4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、フェニルイソシアネート、フェニルチオイソシアネートなどを;
含窒素官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物として、例えば1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン、1,1−ビス(4−エチルアミノフェニル)エチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジンなどを;
含窒素官能基を有するイミノ基含有化合物として、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどを;
含窒素官能基を有するエポキシ基含有化合物として、例えばテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサンなどを;
含窒素官能基を有するシラン化合物として、例えばN,N−ビス(トリエチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N−〔3−(トリメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−〔3−(トリエトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミン、N−トリメチルシリル−N−メチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルトリエトキシシラン、N−[2−(トリメトキシシリル)−エチル]−N,N’,N’−トリメチルエタン−1,2−ジアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、2−(トリメトキシシリル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、2−(3−トリメトキシシリル−プロピル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン等のアミノ基含有のシラン化合物、及び、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール等のイミノ基又はピリジル基含有のシラン化合物などを;それぞれ挙げることができる。
重合体末端に含酸素官能基を導入する際に使用する化合物(B)としては、例えばエポキシ基含有化合物などを挙げることができ、具体的には、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、上記の含窒素官能基を有するエポキシ基含有化合物の具体例などを挙げることができる。なお、上記で例示した末端変性剤は、重合終了末端に含窒素官能基又は含酸素官能基を導入することが可能である点において、いずれも同様の作用を有するものである。したがって、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
末端変性反応は、例えば溶液反応として行うことができる。この溶液反応は、例えば上記重合反応の終了後の未反応モノマーを含む溶液を用いて行うことができる。また、末端変性反応は、回分式及び連続式のいずれを用いて行ってもよい。
末端変性反応に使用する化合物(B)の量は、アニオン重合により得られた共役ジエン系重合体の活性部位に対して、好ましくは0.1モル当量以上、より好ましくは0.3モル当量以上である。0.1モル当量以上とすることにより、変性反応を十分に進行させることができ、重合体に対して所望の特性を好適に付与することができる。
末端変性反応の温度は、通常、上記重合反応の好ましい温度範囲内で行うことができる。但し、変性反応の温度が低いと、重合体の粘度が上昇する傾向がある。一方、変性反応の温度が高いと、重合活性末端が失活しやすくなる。末端変性反応の反応時間は、好ましくは1分〜5時間であり、より好ましくは2分〜1時間である。
重合反応の停止後において、反応溶液中に含まれる重合体を単離するには、従来公知の方法により行うことができる。例えば、重合体の貧溶媒(メタノールなど)を反応溶液中に添加して重合体を沈殿させる方法などにより、重合体を単離することができる。また、得られた重合体の末端において保護基を有する官能基が導入されている場合、反応溶液中から重合体を単離した後、その単離した重合体に対し、従来公知の方法により脱保護処理を行ってもよい。
上記製造方法によれば、極性を持つアニオン重合性モノマーに基づく構成単位を有し、かつ一末端又は両末端に、窒素原子及び酸素原子のうち少なくともいずれかを含有する官能基を有する変性重合体を得ることができる。当該変性重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は、使用用途に応じて適宜調整すればよいが、好ましくは2,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000である。また、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量Mnに対するMwの比(Mw/Mn)は、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.5以下である。
[2]分散剤
本発明の変性重合体は、種々の使用用途に適用することができ、例えばリチウムイオン電池の負極用バインダ樹脂、分散剤等として使用することができる。中でも、分散剤として好ましく使用することができ、特に無機系粒子の分散剤として好ましく使用することができる。また、分散剤は、本発明の変性重合体をそれ単独で高分子分散剤として使用するものであってもよく、本発明の変性重合体の他に、分散助剤、界面活性剤などの添加剤を含む重合体組成物として使用するものであってもよい。
本発明の分散剤によって分散させる対象の具体例としては、例えば、銅、銀、ニッケル、パラジウム、アルミナ、チタン等の金属粉;ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、CaO・Al・SiO系無機ガラス等のガラス粉;石英粉、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、セラミックス粒子、無機顔料、有機顔料;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子;アンチモン含有酸化スズ、スズ含有酸化インジウム、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム含有酸化亜鉛等の複合酸化物粒子;ジンクピリチオン等の金属錯体などを;挙げることができる。本発明の分散剤の用途は、特に限定しないが、例えばインクジェットインキなどの各種インキ、着色レジスト、非水系又は水系のコーティング剤、塗料、織物、化粧品、合成樹脂、製紙等の用途に適用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、重合体の質量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定方法は以下のとおりである。
・以下の条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(商品名「HLC−8120GPC」、東ソー社製)を使用して、下記の条件によりポリスチレン換算で求めた。
カラム:商品名「TSKgel Multipore HXL-M」(東ソー社製)2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン(以下、THFともいう。)
流速;0.4mL/分
サンプル濃度;10mg/10mL
<重合体の合成>
[合成例1]
(開始剤溶液aの調製)
マグネチック撹拌子の入った100mLシュレンク管を窒素置換し、1,1−ジフェニルエチレン2.0g、THF28g、1.0Mのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液11.4mLを加え、室温で3時間撹拌した。これにより、濃度0.25Mの1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム(DPMPLi)のTHF溶液を得た。
(重合体1の合成)
十分に窒素置換され、撹拌子を入れた内容積500mLの三口フラスコに、THF100g、十分に乾燥させた塩化リチウム0.064g(1.5mmol)、メタクリル酸メチル6.0g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(商品名「PME200」、日油社製を使用した。以下同じ。)4.0gを仕込んだ。反応容器の内容物の温度を−70℃に調整した後、溶液を激しく撹拌しながら、上記で調製したDPMPLiのTHF溶液3mLを添加して重合を開始した。開始剤溶液を添加してから1時間後に、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド0.75mmolを添加して30分間反応させた。その後、反応溶液の温度を25℃にし、更に10分間撹拌した。
得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体を回収した。この重合体の収率はほぼ100%であり、Mwは15,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。また、回収した重合体をH−NMRで分析したところ、重合末端の92%にフタルイミド基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は69mmol/kgであった。
次いで、得られた重合体を、1,4−ジオキサン/メタノール(2:1/v:v)に溶解し、ヒドラジン一水和物7.5mmolを添加して3時間還流させた。次いで、濃縮して溶媒を除去した後、0.5Nの塩酸7.5mLを加えて激しく撹拌しながら15分間還流させた。蒸留水を30mL添加して、更に45分間加熱した後、濾過することで、1級アミノ基を末端に有する重合体1を得た。
[合成例2]
(重合体2の合成)
重合の開始時に、反応モノマーとしてメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートを仕込まなかった点以外は、上記合成例1と同様にして重合を開始した。開始剤溶液を添加してから30分後に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート4.0gを添加して30分間重合させた。次いで、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド0.75mmolを添加して30分間反応させた。その後、反応溶液の温度を25℃にし、更に10分間撹拌した。
得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体を回収した。この重合体の収率はほぼ100%であり、Mwは16,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.07であった。また、回収した重合体をH−NMRで分析したところ、重合末端の93%にフタルイミド基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は70mmol/kgであった。
次いで、上記合成例1と同様の方法により、フタルイミド基の脱保護処理を行い、1級アミノ基を末端に有する重合体2を得た。
[合成例3]
(開始剤溶液bの調製)
マグネチック撹拌子の入った100mLシュレンク管を窒素置換し、ピペリジン2.0g、THF57.8gを加えて0℃に冷却した。次いで、1.0Mのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液24.7mLを加え、15分間撹拌した。これにより、濃度0.25Mの官能基開始剤を含むTHF溶液を得た。
(重合体3の合成)
開始剤溶液として、DPMPLiのTHF溶液の代わりに、上記で調製した開始剤溶液b3.0mLを使用した点以外は、上記合成例1と同様にして重合を開始した。開始剤溶液を添加してから1時間後に、メタノール0.5mLを添加して重合反応をさせ、重合体3を含む溶液を得た。
次いで、得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体3を回収した。得られた重合体3の収率はほぼ100%であり、Mwは15,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。また、重合転化率が3%のときに重合体溶液を一部取り出し、重合体を単離してH−NMRで分析したところ、重合開始末端の89%にピペリジニル基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は67mmol/kgであった。
[合成例4]
(開始剤溶液cの調製)
マグネチック撹拌子の入った100mLシュレンク管を窒素置換し、シクロヘキサン2.9g、THF0.73g、N,N−ジメチル−o−トルイジン0.75mmolを加え、攪拌しながら50℃で30分間反応させた。次いで、0℃まで冷却することにより開始剤溶液cを得た。
(重合体4の合成)
十分に窒素置換され、撹拌子を入れた内容積500mLの三口フラスコにTHF100g、十分に乾燥させた塩化リチウム0.064g(1.5mmol)、メタクリル酸メチル6.0g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート4.0gを仕込んだ。反応容器の内容物の温度を−70℃に調整した後、溶液を激しく撹拌しながら、上記で調製した開始剤溶液cの全量を添加して重合を開始した。開始剤溶液cを添加してから30分後にメタノール0.5mLを添加することにより、重合反応を停止させた。
得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体4を回収した。この重合体4の収率はほぼ100%であり、Mwは17,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。また、重合転化率が3%のときに重合体溶液を一部取り出し、重合体を単離してH−NMRで分析したところ、重合開始末端の92%に第3級芳香族アミノ基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は69mmol/kgであった。
[合成例5]
(開始剤溶液dの調製)
マグネチック撹拌子の入った100mLシュレンク管を窒素置換し、ピペリジン2.0g、トルエン45.1g、1,2−ジメトキシエタン11.3gを加えて0℃に冷却した。次いで、1.0Mのsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液24.7mLを加え、15分間撹拌した。これにより、濃度0.25Mの官能基開始剤を含むトルエン溶液を得た。
(重合体5の合成)
充分にチッ素で置換され、攪拌子を入れた内容積500mLの三口フラスコにトルエン100g、1,2−ジメトキシエタン2.0g、および0.5Mジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム トルエン溶液3.0mLを加えた。反応容器内容物の温度を0℃に調整したのち、上記で調製した開始剤溶液dの3mLを加えて20分間撹拌した。
溶液を激しく撹拌しながら、これにメタクリル酸メチル6.0gとメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート4.0gとの混合物を添加して重合を開始した。モノマーを添加してから15分後に、メタノール0.5mLを添加して重合反応を停止させ、重合体5を含む溶液を得た。
次いで、得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体5を回収した。得られた重合体5の収率はほぼ100%であり、Mwは16,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。また、重合転化率が3%のときに重合体溶液を一部取り出し、重合体を単離してH−NMRで分析したところ、重合開始末端の90%にピペリジニル基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は68mmol/kgであった。
[合成例6]
(重合体6の合成)
開始剤溶液dに代えてビス(トリメチルシリル)アミノリチウム0.75mmolを用いた以外は、合成例5と同様の操作を行うことにより重合体6を得た。得られた重合体6の収率はほぼ100%であり、Mwは16,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.07であった。また、重合転化率が3%のときに重合体溶液を一部取り出し、重合体を単離してH−NMRで分析したところ、重合開始末端の90%にビス(トリメチルシリル)アミノ基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は68mmol/kgであった。
[合成例7]
(重合体7の合成)
充分にチッ素で置換され、攪拌子を入れた内容積500mLの三口フラスコにトルエン100g、1,2−ジメトキシエタン2.0g、及び0.5Mジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム トルエン溶液3.0mLを加えた。反応容器内容物の温度を0℃に調整したのち、sec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液0.75mmolを加えて20分間撹拌した。
溶液を激しく撹拌しながら、これにメタクリル酸メチル6.0gとメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート4.0gとの混合物を添加して重合を開始した。モノマーを添加してから15分後に、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド0.75mmolを添加して30分間反応させた。その後、反応溶液の温度を25℃にして更に10分間撹拌した。
得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体を回収した。この重合体の収率はほぼ100%であり、Mwは16,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。また、回収した重合体をH−NMRで分析したところ、重合末端の87%にフタルイミド基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は65mmol/kgであった。
次いで、上記合成例1と同様の方法により、フタルイミド基の脱保護処理を行い、1級アミノ基を重合末端に有する重合体7を得た。
[合成例8]
充分にチッ素で置換され、攪拌子を入れた内容積500mLの三口フラスコにトルエン100g、1,2−ジメトキシエタン2.0g、及び0.5Mジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム トルエン溶液3.0mLを加えた。反応容器内容物の温度を0℃に調整したのち、sec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液0.75mmolを加えて20分間撹拌した。
溶液を激しく撹拌しながら、これにメタクリル酸メチル6.0gを添加して重合を開始した。モノマーを添加してから5分後に、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート4.0gを添加して10分間重合させた後、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド0.75mmolを添加して30分間反応させた。その後、反応溶液の温度を25℃にして更に10分間撹拌した。
得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体を回収した。この重合体の収率はほぼ100%であり、Mwは16,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.07であった。また、回収した重合体をH−NMRで分析したところ、重合末端の92%にフタルイミド基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は69mmol/kgであった。
次いで、上記合成例1と同様の方法により、フタルイミド基の脱保護処理を行い、1級アミノ基を重合末端に有する重合体8を得た。
[合成例9]
(開始剤溶液eの調製)
マグネチック撹拌子の入った100mLシュレンク管を窒素置換し、トルエン2.9g、1,2−ジメトキシエタン0.73g、N,N−ジメチル−o−トルイジン0.75mmolを加え、攪拌しながら50℃で30分間反応させた。次いで、0℃まで冷却することにより開始剤溶液eを得た。
(重合体9の合成)
十分に窒素置換され、撹拌子を入れた内容積500mLの三口フラスコにトルエン115mL、1,2−ジメトキシエタン3.0g、及びジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム2.0mmolを含有するトルエン溶液4.0mLを仕込んだ。反応容器の内容物の温度を15℃に調整した後、上記で調製した開始剤溶液eの全量を添加して20分間撹拌した。
次いで、溶液を激しく撹拌しながら、15℃で、溶液中にメタクリル酸メチル4.0gを添加した。添加終了から30分後にメタノール0.5mLを添加することにより、重合反応を停止させた。
得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、これを回収し、重合体9とした。この重合体9の収率はほぼ100%であり、Mwは17,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。また、重合転化率が3%のときに重合体溶液を一部取り出し、重合体を単離してH−NMRで分析したところ、重合開始末端の92%に第3級芳香族アミノ基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子含有量)は69mmol/kgであった。
[合成例10]
メタノールを添加する代わりに、メタクリル酸メチルの添加終了から15分後にプロピレンオキシド0.058g(1mmol)を添加し、15分間反応させた点以外は、合成例9と同様の方法を行うことにより重合体10を得た。この重合体10の収率はほぼ100%であり、Mwは18,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.14であった。また、得られた変性重合体10における末端水酸基数をHPLCにより測定したところ、1分子当たり0.91個であり、末端に水酸基が導入されていることを確認した。重合体の官能基含有量(窒素原子及び酸素原子の含有量)は68mmol/kgであった。
[比較合成例1]
重合停止時にN−(3−ブロモプロピル)フタルイミドを添加する代わりにメタノール0.5mLを添加して重合反応を停止させた点以外は、合成例1と同様の方法により重合操作を行った。次いで、得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体を回収し、これを重合体11とした。得られた重合体11の収率はほぼ100%であり、Mwは15,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
[比較合成例2]
重合停止時にN−(3−ブロモプロピル)フタルイミドを添加する代わりにメタノール0.5mLを添加して重合反応を停止させた点以外は、合成例2と同様の方法により重合操作を行った。次いで、得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体を回収し、これを重合体12とした。得られた重合体12の収率はほぼ100%であり、Mwは15,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。
[比較合成例3]
重合停止時にN−(3−ブロモプロピル)フタルイミドを添加する代わりにメタノール0.5mLを添加して重合反応を停止させた点以外は、合成例7と同様の方法により重合操作を行った。次いで、得られた重合体溶液を1.5Lのメタノール中に注ぎ、沈殿した重合体を回収し、これを重合体13とした。得られた重合体13の収率はほぼ100%であり、Mnは15,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
合成例1〜10及び比較合成例1〜3における重合体合成の原料及び得られた重合体の特性をそれぞれ下記表1に示す。
Figure 2014025030
表1における略称は、以下の通りである。
・アミノリチウム化合物A;ビス(トリメチルシリル)アミノリチウム
・トルイジンB;N,N−ジメチル−o−トルイジン
・アルミニウム化合物C;ジイソブチル(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)アルミニウム
・フタルイミド化合物D;N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド
[分散性の評価]
(実施例1)
無機固体粒子としてカーボンブラック(三菱化学製、商品名「MA100」)を20質量部、上記で得られた重合体1を8質量部、N−メチルピロリドン(NMP)を72質量部加え、カーボンブラック含有溶液を調製した。該溶液を0.5mmφジルコニアビーズ120gと共に金属円筒容器に入れ、ペイントシェーカーにて8時間分散し、カーボンブラック分散液を調製した。得られた分散液の粘度、ポリマー抽出量及び分散液の安定性について下記方法により測定・観察した。各結果を下記表2に示す。
(1)溶液粘度の測定
分散液溶液の粘度(mPa・sec)は、回転粘度計(ブルックフィールド社製DV−III+)を用いて、回転数20rpm、標準ローターにより25℃で測定した。なお、合成した分散剤ポリマーのカーボンブラックへの付着量が多く強固であるほど、カーボンブラックに付着していないフリーの分散剤ポリマーが少なくなり、分散液の粘度が低下すると推測される。したがって、分散液の粘度が低いことは、分散剤ポリマーのカーボンブラックへの付着量が多く、強固であることを示唆していると言える。
(2)ポリマー抽出量
カーボンブラック分散液50gをホットプレート上で溶剤を揮発させ、乾燥固化させた。乾燥固化により得られた固化物14gに対し、アセトン200gを用いてソックスレー抽出を行った。抽出液をエバポレーターで乾燥固化させて得られた重合体を、60℃で12時間、真空乾燥させた後、重合体の質量を測定した。なお、ソックスレー抽出によって抽出された分散剤ポリマー量が少ないほど、分散剤ポリマーのカーボンブラックへの付着量が多く、両者の結合が強固であることを示す。したがって、ソックスレー抽出によって抽出されたポリマー量が少ないほど、カーボンブラックの分散性が良好であることを示唆していると言える。また、同ポリマー量が少ないほど、表面改質の効率も優れており、カーボンブラック分散液の安定性が高いと言える。
(3)分散液の安定性
カーボンブラック分散液を1日間放置して、分散液の安定性を目視で観察した。なお、評価は、分散液中においてカーボンブラックが均一に分散されている場合を安定性「良好」、カーボンブラックの分散が不均一である場合や、カーボンブラックの沈殿が見られた場合を安定性「不良」として行った。
(実施例2〜10、比較例1〜3)
重合体1に代えて重合体2〜13をそれぞれ使用した以外は、実施例と同様にして重合体によるカーボンブラック(CB)の分散性を調べた。その結果を下記表2に示す。
Figure 2014025030
表2に示すように、実施例1〜13では、比較例1〜3に比べて、カーボンブラックの分散性及び分散安定性に優れていた。中でも、実施例1,5,6では分散性及び分散安定性が特に優れていた。

Claims (3)

  1. アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物と、第2級アミン化合物(A1)及び芳香環にメチル基が結合した構造を有する第3級アミン化合物(A2)からなる群より選択される少なくとも一種と、を混合して得られる化合物の存在下で、極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いて重合を行う工程を含む、変性重合体の製造方法。
  2. アルカリ金属化合物若しくはアルカリ土類金属化合物の存在下で、又は、アルカリ金属化合物若しくはアルカリ土類金属化合物と、第2級アミン化合物(A1)及び芳香環にメチル基が結合した構造を有する第3級アミン化合物(A2)からなる群より選択される少なくとも一種と、を混合して得られる化合物の存在下で、極性基を持つアニオン重合性モノマーを用いて重合を行うことにより、活性末端を有する重合体を得る工程と、
    当該活性末端を有する重合体と、窒素原子及び酸素原子の少なくともいずれかを有しかつ前記活性末端と反応し得る化合物(B)と、を反応させる工程と、を含む、変性重合体の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる変性重合体を含有する、分散剤。
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