JP2014022754A - 音響信号処理装置及び音響信号処理方法 - Google Patents

音響信号処理装置及び音響信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
複数のチャンネルのそれぞれのソース音信号を処理して、3次元的な拡がりを有する臨場感のある音場を効果的に創出する。
【解決手段】
残響音信号YL(t),YR(t)の次時点における信号レベルの算出に際して、正規化部112が、L,Rチャンネルのソース音信号SL(t),SR(t)の現時点における信号レベルを所定の減衰率Aで減衰させた減衰信号AL(t),AR(t)のそれぞれの絶対値の和を算出する。引き続き、正規化部112が、当該算出された和で、残響音信号YL(t),YR(t)の現時点の信号レベルのそれぞれを正規化する。そして、残響音信号レベル算出部114L,114Rが、当該正規化の結果に基づいて、正規化結果が大きな値となるほど、他の個別チャンネルのソース音信号の寄与度を高くして、次時点における残響音信号YL(t),YR(t)の信号レベルを算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、音響信号処理装置、音響信号処理方法及び音響信号処理プログラム、並びに、当該音響信号処理プログラムが記録された記録媒体に関する。
従来から、音楽や映画のコンテンツを楽しむ際に、コンテンツに含まれるソース音に残響音等の効果音を加えたサラウンド音声を生成して、3次元的な拡がりを有する臨場感のある音場を創出させるサラウンドフィールドコントロール(Surround Field Control:以下、「SFC」という)技術が知られている。こうしたSFC技術の一つとして、安定した信号レベルと拡がり感とを実現できるサラウンド信号を生成することができる技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例」という)。
かかる従来例の技術では、一のチャンネルに対応するソース音信号と、当該一のチャンネルに対応する所定時間前のサラウンド信号の信号レベルに応じて所定範囲内で変化する変数と、他のチャンネルのソース音信号とに基づいて、当該一のチャンネルに対応するサラウンド信号を生成するようになっている。例えば、所定時間前の当該サラウンド信号の信号レベルをLS(t−1)とした場合、当該変数WLを、以下の(1)式により算出する。そして、当該サラウンド信号の信号レベルLS(t)を、当該一のチャンネルのソース音信号をLi(t)とし、当該他のチャンネルのソース音信号をRi(t)として、以下の(2)式により算出する。
L(t)=cos(θ1−θ2・|LS(t−1)|) …(1)
ここで、値θ1,θ2は、予め設定された定数である。
S(t)=Li(t)+Ri(t)・WL(t) …(2)
特許第4797065号公報
上述した従来例の技術では、サラウンド信号の信号レベルLS(t)の生成に利用される変数が所定範囲内で変化する。この結果、効果音加工が施されるチャンネルのソース音信号の信号レベルによらず、当該チャンネルに対応した、ある程度一定の効果量が付与されたサラウンド信号を生成することができる。しかしながら、3次元的な拡がりを有する臨場感のある音場を創出させるためには、ソース音信号の信号レベルに応じて、付与される効果量を変化させる観点も必要である。
このため、効果音加工が施されるソース音信号の信号レベルをも考慮して、3次元的な拡がりを有する臨場感のある音場を効果的に創出できる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、複数のチャンネルのそれぞれのソース音信号を処理して、3次元的な拡がりを有する臨場感のある音場を効果的に創出できる音響信号処理装置及び音響信号処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、複数のチャンネルのそれぞれのソース音信号を処理する音響信号処理装置であって、前記複数のチャンネルにおける個別チャンネルに対応する残響音信号を生成する残響音信号生成部と;前記個別チャンネルごとのソース音信号と、前記生成された残響音信号とに基づいて出力音信号を生成する出力音信号生成部と;を備え、前記残響音信号生成部は、現時点における前記個別チャンネルに対応する前記残響音信号の信号レベルが大きな値になるほど、他の個別チャンネルのソース音信号がより多く寄与するように、次時点における前記残響音信号の信号レベルを算出する、ことを特徴とする音響信号処理装置である。
請求項10に記載の発明は、複数のチャンネルのそれぞれのソース音信号を処理する音響信号処理方法であって、前記複数のチャンネルにおける個別チャンネル対応する残響音信号を生成する残響音信号生成工程と;前記個別チャンネルごとのソース音信号と、前記生成された残響音信号とに基づいて出力音信号を生成する出力音信号生成工程と;を備え、前記残響音信号生成工程では、現時点における前記個別チャンネルに対応する前記残響音信号の信号レベルが大きな値になるほど、他の個別チャンネルのソース音信号がより多く寄与するように、次時点における前記残響音信号の信号レベルを算出する、ことを特徴とする音響信号処理方法である。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の音響信号処理方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする音響信号処理プログラムである。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の音響信号処理プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
本発明の一実施形態に係る音響信号処理装置100の構成を概略的に示すブロック図である。 図1の残響音信号生成部110の構成を示すブロック図である。 正規化結果の変化に伴う係数W2L(t)(W2R(t))の変化の様子を示す図である。 正規化結果の変化に伴う係数W1L(t)(W1R(t))の変化の様子を示す図である。 図1の個別出力音信号生成部121FLの構成を示すブロック図である。 図5の帯域制限フィルタ部221の特性を示す図である。 図1の個別出力音信号生成部121RLの構成を示すブロック図である。 図7の帯域制限フィルタ部261の特性を示す図である。 図7のLPF部271の特性を示す図である。 図7のHPF部272の特性を示す図である。 図1の個別出力音信号生成部121FRの構成を示すブロック図である。 図1の個別出力音信号生成部121RRの構成を示すブロック図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図12を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る音響信号処理装置100の構成が、ブロック図にて示されている。
この図1に示されるように、音響信号処理装置100は、音源ユニット510と接続されている。また、音響信号処理装置100は、音出力ユニット520FL,520RL,520FR,520RRと接続される。
上記の音源ユニット510は、2チャンネルステレオ方式におけるレフトチャンネル(以下、「Lチャンネル」と呼ぶ)のソース音信号SL(t)(t:時刻)と、ライトチャンネル(以下、「Rチャンネル」と呼ぶ)のソース音信号SR(t)を出力するようになっている。音源ユニット510から出力されたソース音信号SL(t),SR(t)は、音響信号処理装置100に供給される。
なお、音源ユニット510としては、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録された2チャンネルステレオ方式の音声コンテンツのデータを読み取るユニットや、ステレオ放送波の受信結果から音声コンテンツのデータを抽出するユニット等が挙げられる。
上記の音出力ユニット520j(j=FL,RL,FR,RR)は、音響信号処理装置100から送られた出力音信号Dj(t)を受ける。そして、音出力ユニット520jは、出力音信号Dj(t)に対応する音を、スピーカSPjから再生出力する。
なお、本実施形態においては、スピーカSPFLは想定聴取位置の左前方に配置され、スピーカSPRLは想定聴取位置の左後方に配置されるようになっている。また、スピーカSPFRは想定聴取位置の右前方に配置され、スピーカSPRRは想定聴取位置の右後方に配置されるようになっている。
<音響信号処理装置100の構成>
次に、上記の音響信号処理装置100の構成について説明する。
図1に示されるように、音響信号処理装置100は、残響音信号生成部110を備えている。また、音響信号処理装置100は、出力音信号生成部120を備えている。
上記の残響音信号生成部110は、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t),SR(t)を受ける。そして、残響音信号生成部110は、ソース音信号SL(t),SR(t)に基づいて、残響音信号YL(t),YR(t)及び重み係数W2L(t),W2R(t)を生成する。こうして生成された残響音信号YL(t),YR(t)及び重み係数W2L(t),W2R(t)は、出力音信号生成部120へ送られる。
なお、残響音信号生成部110の構成の詳細については、後述する。
上記の出力音信号生成部120は、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t),SR(t)、並びに、残響音信号生成部110から送られた残響音信号YL(t),YR(t)及び重み係数W2L(t),W2R(t)を受ける。そして、出力音信号生成部120は、ソース音信号SL(t),SR(t)、残響音信号YL(t),YR(t)及び重み係数W2L(t),W2R(t)に基づいて、残響音効果のための加工が施された出力音信号DFL(t),DRL(t),DFR(t),DRR(t)を生成する。
かかる機能を有する出力音信号生成部120は、個別出力音信号生成部121FL,121RLを備えている。また、出力音信号生成部120は、個別出力音信号生成部121FR,121RRを備えている。
上記の個別出力音信号生成部121FLは、ソース音信号SL(t)、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)を受ける。そして、個別出力音信号生成部121FLは、ソース音信号SL(t)、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)に基づいて、出力音信号DFL(t)を生成する。こうして生成された出力音信号DFL(t)は、音出力ユニット520FLへ送られる。
上記の個別出力音信号生成部121RLは、ソース音信号SL(t)、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)を受ける。そして、個別出力音信号生成部121RLは、ソース音信号SL(t)、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)に基づいて、出力音信号DRL(t)を生成する。こうして生成された出力音信号DRL(t)は、音出力ユニット520RLへ送られる。
上記の個別出力音信号生成部121FRは、ソース音信号SR(t)、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)を受ける。そして、個別出力音信号生成部121FRは、ソース音信号SR(t)、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)に基づいて、出力音信号DFR(t)を生成する。こうして生成された出力音信号DFR(t)は、音出力ユニット520FRへ送られる。
上記の個別出力音信号生成部121RRは、ソース音信号SR(t)、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)を受ける。そして、個別出力音信号生成部121RRは、ソース音信号SR(t)、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)に基づいて、出力音信号DRR(t)を生成する。こうして生成された出力音信号DRR(t)は、音出力ユニット520RRへ送られる。
なお、個別出力音信号生成部121FL,121RL,121FR,121RRの構成の詳細については、後述する。
<残響音信号生成部110の構成>
次いで、残響音信号生成部110構成について説明する。
残響音信号生成部110は、図2に示されるように、減衰部111L,111Rと、正規化部112とを備えている。また、残響音信号生成部110は、重み係数算出部113L,113Rと、残響音信号レベル算出部114L,114Rとを備えている。
上記の減衰部111Lは、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)を受ける。そして、減衰部111Lは、ソース音信号SL(t)に定数A(<1)を乗じ、減衰信号AL(t)を算出する。こうして算出された減衰信号AL(t)は、正規化部112及び残響音信号レベル算出部114L,114Rへ送られる。
上記の減衰部111Rは、音源ユニット510から送られたソース音信号SR(t)を受ける。そして、減衰部111Rは、ソース音信号SR(t)に定数A(<1)を乗じ、減衰信号AR(t)を算出する。こうして算出された減衰信号AR(t)は、正規化部112及び残響音信号レベル算出部114L,114Rへ送られる。
なお、本実施形態では、A=1/2となっている。
上記の正規化部112は、減衰部111L,111から送られた減衰信号AL(t),AR(t)を受ける。また、正規化部112は、残響音信号レベル算出部114L,114Rから送られた残響音信号YL(t),YR(t)を受ける。そして、正規化部112は、次の(3),(4)式により、正規化信号NL(t),NR(t)を算出する。
L(t)=|YL(t)|/(|AL(t)|+|AR(t)|) …(3)
R(t)=|YR(t)|/(|AL(t)|+|AR(t)|) …(4)
こうして算出された正規化信号NL(t)は、重み係数算出部113Lへ送られる。また、算出された正規化信号NR(t)は、重み係数算出部113Rへ送られる。
上記の重み係数算出部113Lは、正規化部112から送られた正規化信号NL(t)を受ける。そして、重み係数算出部113Lは、定数a,b,cを用いて、次の(5),(6)式により重み係数W2L(t),W1L(t)を算出する。
2L(t)=((1−a)/b)・NL(t)+a …(5)
ここで、0<a<1であり、0<b<1である。また、(5)式による算出結果が1を超える場合には、重み係数算出部113Lは、重み係数W2L(t)を1とする。
1L(t)=−(W2L(t)−c) …(6)
ここで、0<c<aである
こうして算出された重み係数W1L(t)は、残響音信号レベル算出部114Lへ送られる。また、算出された重み係数W2L(t)は、出力音信号生成部120へ送られる。
上記の重み係数算出部113Rは、正規化部112から送られた正規化信号NR(t)を受ける。そして、重み係数算出部113Rは、定数a,b,cを用いて、次の(7),(8)式により重み係数W2R(t),W1R(t)を算出する。
2R(t)=((1−a)/b)・NR(t)+a …(7)
1R(t)=−(W2R(t)−c) …(8)
ここで、(7)式による算出結果が1を超える場合には、重み係数算出部113Rは、重み係数W2R(t)を1とする。
こうして算出された重み係数W1R(t)は、残響音信号レベル算出部114Rへ送られる。また、算出された重み係数W2R(t)は、出力音信号生成部120へ送られる。
上記の残響音信号レベル算出部114Lは、減衰部111L,111から送られた減衰信号AL(t),AR(t)、及び、重み係数算出部113Lから送られた重み係数W1L(t)を受ける。そして、残響音信号レベル算出部114Lは、次の(9)式により、次時点の残響音信号YL(t)の信号レベルを算出する。
L(t)=AL(t)+W1L(t)・AR(t) …(9)
上記の残響音信号レベル算出部114Rは、減衰部111L,111から送られた減衰信号AL(t),AR(t)、及び、重み係数算出部113Rから送られた重み係数W1R(t)を受ける。そして、残響音信号レベル算出部114Rは、次の(10)式により、次時点の残響音信号YR(t)の信号レベルを算出する。
R(t)=AR(t)+W1R(t)・AL(t) …(10)
こうして信号レベルが順次算出される残響音信号YL(t),YR(t)が、出力音信号生成部120及び正規化部112へ送られる。
なお、正規化信号NL(t),NR(t)の変化に応じた重み係数W2L(t),W2R(t)の変化の様子が、図3に示されている。また、正規化信号NL(t),NR(t)の変化に応じた重み係数W1L(t),W1R(t)の変化の様子が、図4に示されている。
<個別出力音信号生成部121FLの構成>
次に、上記の個別出力音信号生成部121FLの構成について説明する。
個別出力音信号生成部121FLは、図5に示されるように、第1フィルタ部としてのフィルタ部210Lと、残響音成分算出部220Lとを備えている。また、個別出力音信号生成部121FLは、加算部230Lを備えている。
上記のフィルタ部210Lは、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)に対して、上方への音場拡大感と前方への奥行き感とを、重み係数W2L(t)に対応する度合いで創出させるための加工を施す。かかる機能を有するフィルタ部210Lは、上方音場拡大フィルタ部211と、乗算部212,213と、加算部214とを備えている。
上記の上方音場拡大フィルタ部211は、中音域における所定周波数FU近傍の信号成分を選択的に減衰させることを、主な特性として有している。この上方音場拡大フィルタ部211は、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)を受ける。そして、上方音場拡大フィルタ部211は、ソース音信号SL(t)に対して、上方への音場拡大感と前方への奥行き感とを創出させるための加工を施す。上方音場拡大フィルタ部211による加工結果は、乗算部212へ送られる。
上記の乗算部212は、上方音場拡大フィルタ部211から送られた加工結果を受ける。また、乗算部212は、残響音信号生成部110から送られた重み係数W2L(t)を受ける。そして、乗算部212は、上方音場拡大フィルタ部211による加工結果に重み係数W2L(t)を乗算する。乗算部212による乗算結果は、加算部214へ送られる。
上記の乗算部213は、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)を受ける。また、乗算部213は、残響音信号生成部110から送られた重み係数W2L(t)を受ける。そして、乗算部213は、ソース音信号SL(t)に定数(1−W2L(t))を乗算する。乗算部213による乗算結果は、加算部214へ送られる。
上記の加算部214は、乗算部212から送られた乗算結果、及び、乗算部213から送られた乗算結果を受ける。そして、加算部214は、両乗算結果を加算する。加算部214による加算結果は、加算部230Lへ送られる。
以上のように構成されたフィルタ部210Lは、重み係数W2L(t)が大きくなるほど、所定周波数FU近傍の信号成分の選択的な減衰の仕方が激しくなる特性を有するようになっている。
上記の残響音成分算出部220Lは、残響音信号生成部110で生成された残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)に基づいて、フィルタ部210Lによる加工結果に重畳すべき残響音成分を算出する。かかる機能を有する残響音成分算出部220Lは、帯域制限フィルタ部221と、遅延部222と、乗算部223とを備えている。
上記の帯域制限フィルタ部221は、残響音信号生成部110から送られた残響音信号YL(t)を受ける。そして、帯域制限フィルタ部221は、残響音信号YL(t)から、上方音場拡大フィルタ部211による主な加工対象の周波数帯域よりも低い周波数帯域(すなわち、低音域)における所定周波数範囲の信号成分を抽出する。帯域制限フィルタ部221による抽出結果は、遅延部222へ送られる。
なお、上述の所定周波数範囲は、残響音効果の発揮の観点から、実験、経験等に基いて、予め定められる。
上記の遅延部222は、帯域制限フィルタ部221から送られた抽出結果を受ける。そして、遅延部222は、当該抽出結果に対して時間Δt1の遅延を付与する。遅延部222による遅延結果は、乗算部223へ送られる。
なお、上述の時間Δt1は、残響音効果の発揮の観点から、実験、経験等に基づいて、予め定められる。
上記の乗算部223は、遅延部222から送られた遅延結果を受ける。また、乗算部223は、残響音信号生成部110から送られた重み係数W2L(t)を受ける。そして、乗算部223は、当該遅延結果に重み係数W2L(t)を乗算する。乗算部223による乗算結果は、加算部230Lへ送られる。
上記の加算部230Lは、フィルタ部210Lの加算部214による加算結果、及び、残響音成分算出部220Lの乗算部223から送られた乗算結果を受ける。そして、加算部230Lは、当該加算結果と当該乗算結果とを加算する。加算部230Lによる加算結果は、出力音信号DFL(t)として、音出力ユニット520FLへ送られる。
なお、図6には、本実施形態における帯域制限フィルタ部221の特性が示されている。この図6に示されるように、帯域制限フィルタ部221は、低音域の周波数FF1から周波数FF2までの周波数範囲の信号成分を抽出するバンドパスフィルタ(BPF)としての特性を有している。
<個別出力音信号生成部121RLの構成>
次に、上記の個別出力音信号生成部121RLの構成について説明する。
個別出力音信号生成部121RLは、図7に示されるように、第2フィルタ部の一部としてのフィルタ部260Lと、効果音重畳部270Lとを備えている。また、個別出力音信号生成部121RLは、乗算部280Lを備えている。
上記のフィルタ部260Lは、残響音信号生成部110から送られた残響音信号YL(t)に対して、後横方向及び後方への音場拡大感を、重み係数W2L(t)に対応する度合いで創出させるための加工を施す。かかる機能を有するフィルタ部260Lは、帯域制限フィルタ部261と、後方音場拡大フィルタ部262と、遅延部263とを備えている。
上記の帯域制限フィルタ部261は、残響音信号生成部110から送られた残響音信号YL(t)を受ける。そして、帯域制限フィルタ部261は、残響音信号YL(t)から、低音域から高音域までの広い所定帯域(周波数FR1から周波数FR2まで:後述する図8参照)の信号成分を抽出する。帯域制限フィルタ部261による抽出結果は、後方音場拡大フィルタ部262へ送られる。
上記の後方音場拡大フィルタ部262は、周波数FR3(FR1<FR3<FR2)以下の周波数範囲の信号成分については、そのまま透過させる特性を有している。また、後方音場拡大限フィルタ部262は、周波数FR3以上の周波数範囲においては、周波数が増加するに従って、透過率が一度減少した後に増加し、その後に再度減少する特性を有している。
この後方音場拡大フィルタ部262は、帯域制限フィルタ部261から送られた抽出結果を受ける。そして、後方音場拡大フィルタ部262は、当該抽出結果に、後横方向及び後方への音場拡大感を創出させるための加工を施す。後方音場拡大フィルタ部262による加工結果は、遅延部263へ送られる。
上記の遅延部263は、後方音場拡大フィルタ部262から送られた加工結果を受ける。そして、遅延部263は、当該加工結果に対して時間Δt2の遅延を付与する。遅延部263による遅延結果は、効果音重畳部270Lへ送られる。
なお、上述の時間Δt2は、残響音効果の発揮の観点から、実験、経験等に基づいて、予め定められる。
上記の効果音重畳部270Lは、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)に、フィルタ部260Lによる加工結果を重畳させる。かかる機能を有する効果音重畳部270Lは、ローパスフィルタ(LPF)部271と、ハイパスフィルタ(HPF)部272とを備えている。また、効果音重畳部270は、加算部273と、遅延部274と、加算部275とを備えている。
上記のLPF部271は、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)を受ける。そして、LPF部271は、ソース音信号SL(t)における所定閾値周波数未満の信号成分を抽出する。LPF部271による抽出結果は、加算部275へ送られる。
上記のHPF部272は、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)を受ける。そして、HPF部272は、ソース音信号SL(t)における所定閾値周波数以上の信号成分を抽出する。HPF部272による抽出結果は、加算部273へ送られる。
上記の加算部273は、HPF部272から送られた抽出結果、及び、フィルタ部260Lから送られた加工結果を受ける。そして、加算部273は、当該抽出結果と当該加工結果とを加算する。加算部273による加算結果は、遅延部274へ送られる。
上記の遅延部274は、加算部273から送られた加算結果を受ける。そして、遅延部274は、当該加算結果に対して時間Δt3の遅延を付与する。遅延部273による遅延結果は、加算部275へ送られる。
なお、上述の時間Δt3は、残響音効果の発揮の観点から、実験、経験等に基づいて、予め定められる。
上記の加算部275は、LPF部271から送られた抽出結果、及び、遅延部274から送られた遅延結果を受ける。そして、加算部275は、当該抽出結果と当該遅延結果とを加算する。加算部275による加算結果は、乗算部280Lへ送られる。
上記の乗算部280Lは、効果音重畳部270Lの加算部275から送られた加算結果を受ける。また、乗算部280Lは、残響音信号生成部110から送られた重み係数W2L(t)を受ける。そして、乗算部280Lは、加算部275による加算結果に重み係数W2L(t)を乗算する。乗算部280Lによる乗算結果は、出力音信号DRL(t)として、音出力ユニット520RLへ送られる。
なお、図8には、本実施形態における帯域制限フィルタ部261の特性の例が示されている。この図8に示されるように、帯域制限フィルタ部261は、低音域から高音域までの所定の周波数帯域(周波数FR1から周波数FR2まで)の信号成分を抽出するBPFの特性を有している。
また、図9には、本実施形態におけるLPF部271の特性の例が示されている。この図9に示されるように、LPF部271は、周波数FT以下の周波数範囲の信号成分を選択的に透過させる特性を有している。
また、図10には、本実施形態におけるHPF部272の特性の例が示されている。この図10に示されるように、HPF部272は、周波数FT以上の周波数範囲の信号成分を選択的に透過させる特性を有している。
<個別出力音信号生成部121FRの構成>
次に、上記の個別出力音信号生成部121FRの構成について説明する。
個別出力音信号生成部121FRは、図11に示されるように、第1フィルタ部としてのフィルタ部210Rと、残響音成分算出部220Rとを備えている。また、個別出力音信号生成部121FRは、加算部230Rを備えている。
ここで、上記のフィルタ部210Rは、上述したフィルタ部210Lと同様に構成されている。このフィルタ部210Rは、音源ユニット510から送られたソース音信号SR(t)に対して、上方への音場拡大感と前方への奥行き感とを、重み係数W2R(t)に対応する度合いで創出させるための加工を施す。フィルタ部210Rによる加工結果は、加算部230Rへ送られる。
上記の残響音成分算出部220Rは、上述した残響音成分算出部220Lと同様に構成されている。この残響音成分算出部220Rは、残響音信号生成部110から送られた残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)に基づいて、フィルタ部210Rによる加工結果に重畳すべき残響音成分を算出する。残響音成分算出部220Rによる算出結果は、加算部230Rへ送られる。
上記の加算部230Rは、フィルタ部210Rの加算部214による加算結果、及び、残響音成分算出部220Rの乗算部223から送られた乗算結果を受ける。そして、加算部230Rは、当該加算結果と当該乗算結果とを加算する。加算部230Rによる加算結果は、出力音信号DFR(t)として、音出力ユニット520FRへ送られる。
<個別出力音信号生成部121RRの構成>
次に、上記の個別出力音信号生成部121RRの構成について説明する。
個別出力音信号生成部121RRは、図12に示されるように、第2フィルタ部の一部としてのフィルタ部260Rと、効果音重畳部270Rとを備えている。また、個別出力音信号生成部121RRは、乗算部280Rを備えている。
上記のフィルタ部260Rは、上述したフィルタ部260Lと同様に構成されている。このフィルタ部260Rは、残響音信号生成部110から送られた残響音信号YR(t)に対して、後横方向及び後方への音場拡大感を、重み係数W2R(t)に対応する度合いで創出させるための加工を施す。フィルタ部260Rによる加工結果は、効果音重畳部270Rへ送られる。
上記の効果音重畳部270Rは、上述した効果音重畳部270Lと同様に構成されている。この効果音重畳部270Rは、音源ユニット510から送られたソース音信号SR(t)に、フィルタ部260Rによる加工結果を重畳させる。効果音重畳部270Rによる重畳結果は、乗算部280Rへ送られる。
上記の乗算部280Rは、効果音重畳部270Rから送られた重畳結果を受ける。また、乗算部280Rは、残響音信号生成部110から送られた重み係数W2R(t)を受ける。そして、乗算部280Rは、当該重畳結果に重み係数W2R(t)を乗算する。乗算部280Rによる乗算結果は、出力音信号DRR(t)として、音出力ユニット520RRへ送られる。
[動作]
次に、上記のように構成された音響信号処理装置100の動作について説明する。なお、音源ユニット510からは、ソース音信号SL(t),SR(t)が音響信号処理装置100へ供給されているものとする。
音響信号処理装置100では、音源ユニット510から送られたソース音信号SL(t)を、残響音信号生成部110、並びに、出力音信号生成部120の個別出力音信号生成部121FL,121RLで受ける。また、音響信号処理装置100では、音源ユニット510から送られたソース音信号SR(t)を、残響音信号生成部110、並びに、出力音信号生成部120の個別出力音信号生成部121FR,121RRで受ける(図1参照)。
ソース音信号SL(t),SR(t)を受けた残響音信号生成部100では、まず、減衰部111L,111Rが、ソース音信号SL(t),SR(t)を減衰させた減衰信号AL(t),AR(t)を算出する。引き続き、正規化部112が、減衰信号AL(t),AR(t)の現時点の信号レベル、及び、残響音信号YL(t),YR(t)の現時点の信号レベルに基づいて、上述した(3),(4)式により、正規化信号NL(t),NR(t)を算出する。
そして、正規化部112は、算出された正規化信号NL(t)を、重み係数算出部113Lへ送る。また、正規化部112は、算出された正規化信号NR(t)を、重み係数算出部113Rへ送る(図2参照)。
正規化信号NL(t)を受けた重み係数算出部113Lは、正規化信号NL(t)に基づいて、(5),(6)式により、重み係数W2L(t),W1L(t)を算出する。そして、重み係数算出部113Lは、算出された重み係数W1L(t)を、残響音信号レベル算出部114Lへ送るとともに、算出された重み係数W2L(t)を、出力音信号生成部120(より詳しくは、個別出力音信号生成部121FL,121RL)へ送る(図1,2参照)。
また、正規化信号NR(t)を受けた重み係数算出部113Rは、正規化信号NR(t)に基づいて、(7),(8)式により、重み係数W2R(t),W1R(t)を算出する。そして、重み係数算出部113Rは、算出された重み係数W1R(t)を、残響音信号レベル算出部114Rへ送るとともに、算出された重み係数W2R(t)を、出力音信号生成部120(より詳しくは、個別出力音信号生成部121FR,121RR)へ送る(図1,2参照)。
重み係数W1L(t)を受けた残響音信号レベル算出部114Lは、減衰信号AL(t),AR(t)、及び、重み係数W1L(t)に基づいて、上述した(9)式により、次時点の残響音信号YL(t)の信号レベルを算出する。そして、残響音信号レベル算出部114Lは、新たな信号レベルが算出された残響音信号YL(t)を、出力音信号生成部120(より詳しくは、個別出力音信号生成部121FL,121RL)及び正規化部112へ送る(図1,2参照)。
また、重み係数W1R(t)を受けた残響音信号レベル算出部114Rは、減衰信号AL(t),AR(t)、及び、重み係数W1R(t)に基づいて、上述した(10)式により、次時点の残響音信号YR(t)の信号レベルを算出する。そして、残響音信号レベル算出部114Rは、新たな信号レベルが算出された残響音信号YR(t)を、出力音信号生成部120(より詳しくは、個別出力音信号生成部121FR,121RR)及び正規化部112へ送る(図1,2参照)。
ソース音信号SL(t)、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)を受けた個別出力音信号生成部121FLは、出力音信号DFL(t)の生成処理を実行する。かかる出力音信号DFL(t)の生成処理に際して、個別出力音信号生成部121FLでは、フィルタ部210Lが、ソース音信号SL(t)に対して、上方への音場拡大感と前方への奥行き感とを、重み係数W2L(t)に対応する度合いで創出させるための加工を、上述のようにして施す。そして、フィルタ部210Lは、加工結果を加算部230Lへ送る(図5参照)。
かかるフィルタ部210Lによる加工処理と並行して、残響音成分算出部220Lが、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)に基づいて、フィルタ部210Lによる加工結果に重畳すべき残響音成分を、上述のようにして算出する。そして、残響音成分算出部220Lは、算出結果を加算部230Lへ送る(図5参照)。
フィルタ部210Lによる加工結果及び残響音成分算出部220Lによる算出結果を受けた加算部230Lは、当該加工結果と当該算出結果とを加算する。そして、加算部230Lは、加算結果を、出力音信号DFL(t)として、音出力ユニット520FLへ送る。
また、ソース音信号SL(t)、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)を受けた個別出力音信号生成部121RLは、上記の個別出力音信号生成部121FLにおける処理と並行して、出力音信号DRL(t)の生成処理を実行する。かかる出力音信号DRL(t)の生成処理に際して、個別出力音信号生成部121RLでは、フィルタ部260Lが、残響音信号YL(t)に対して、後横方向及び後方への音場拡大感を、重み係数W2L(t)に対応する度合いで創出させるための加工を、上述のようにして施す。そして、フィルタ部260Lは、加工結果を効果音重畳部270Lへ送る(図7参照)。
フィルタ部260Lによる加工結果を受けた効果音重畳部270Lは、ソース音信号SL(t)に、フィルタ部260Lによる加工結果を、上述のようにして重畳させる。そして、効果音重畳部270Lは、重畳結果を乗算部280Lへ送る(図7参照)。
効果音重畳部270Lによる重畳結果を受けた乗算部280Lは、当該重畳結果に重み係数W2L(t)を乗算する。そして、乗算部280Lは、乗算結果を、出力音信号DRL(t)として、音出力ユニット520RLへ送る(図7参照)。
更に、ソース音信号SR(t)、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)を受けた個別出力音信号生成部121FRは、上記の個別出力音信号生成部121FL,121RLにおける処理と並行して、出力音信号DFR(t)の生成処理を実行する。かかる出力音信号DFR(t)の生成処理に際して、個別出力音信号生成部121FRでは、フィルタ部210Rが、ソース音信号SR(t)に対して、上方への音場拡大感と前方への奥行き感とを、重み係数W2R(t)に対応する度合いで創出させるための加工を、上述のようにして施す。そして、フィルタ部210Rは、加工結果を加算部230Rへ送る(図11参照)。
かかるフィルタ部210Rによる加工処理と並行して、残響音成分算出部220Rが、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)に基づいて、フィルタ部210Rによる加工結果に重畳すべき残響音成分を、上述のようにして算出する。そして、残響音成分算出部220Rは、算出結果を加算部230Rへ送る(図11参照)。
フィルタ部210Rによる加工結果及び残響音成分算出部220Rによる算出結果を受けた加算部230Rは、当該加工結果と当該算出結果とを加算する。そして、加算部230Rは、加算結果を、出力音信号DFR(t)として、音出力ユニット520FRへ送る。
また、ソース音信号SR(t)、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)を受けた個別出力音信号生成部121RRは、上記の個別出力音信号生成部121FL,121RL,121FRにおける処理と並行して、出力音信号DRR(t)の生成処理を実行する。かかる出力音信号DRR(t)の生成処理に際して、個別出力音信号生成部121RRでは、フィルタ部260Rが、残響音信号YR(t)に対して、後横方向及び後方への音場拡大感を、重み係数W2R(t)に対応する度合いで創出させるための加工を、上述のようにして施す。そして、フィルタ部260Rは、加工結果を効果音重畳部270Rへ送る(図12参照)。
フィルタ部260Rによる加工結果を受けた効果音重畳部270Rは、ソース音信号SR(t)に、フィルタ部260Rによる加工結果を、上述のようにして重畳させる。そして、効果音重畳部270Rは、重畳結果を乗算部280Rへ送る(図12参照)。
効果音重畳部270Rによる重畳結果を受けた乗算部280Rは、当該重畳結果に重み係数W2R(t)を乗算する。そして、乗算部280Rは、乗算結果を、出力音信号DRR(t)として、音出力ユニット520RRへ送る。
上記のようにして生成された出力音信号Dj(t)(j=FL,RL,FR,RR)を受けた音出力ユニット520j(j=FL,RL,FR,RR)は、出力音信号Dj(t)に対応する音を、スピーカSPjから再生出力する。この結果、スピーカSPjからは、3次元的な拡がりを有する臨場感のある音場を効果的に創出する音が出力される。
以上説明したように、本実施形態では、残響音信号YL(t),YR(t)の次時点における信号レベルの算出に際して、正規化部112が、L,Rチャンネルのソース音信号SL(t),SR(t)の現時点における信号レベルを所定の減衰率Aで減衰させた減衰信号AL(t),AR(t)のそれぞれの絶対値の和で、残響音信号YL(t),YR(t)の現時点の信号レベルのそれぞれを正規化する。そして、残響音信号レベル算出部114L,114Rが、当該正規化の結果に基づいて、正規化結果が大きな値となるほど、他の個別チャンネルのソース音信号の寄与度を高くして、次時点における残響音信号YL(t),YR(t)の信号レベルを算出する。
したがって、本実施形態によれば、ソース音信号SL(t),SR(t)の信号レベルの変化に追従しつつ、3次元的な拡がりを有する臨場感のある音場を効果的に創出できる出力音信号DFL(t),DRL(t),DFR(t),DRR(t)を生成することができる。
また、本実施形態では、出力音信号DFL(t),DFR(t)の生成に際して、上方音場拡大フィルタ211による上方への音場拡大感と前方への奥行き感の付与の度合いが、正規化部112による正規化結果が大きくなるほど大きくなる加工を施す。このため、音場拡大感と前方への奥行き感が適切となる出力音信号DFL(t),DFR(t)を生成することができる。
また、本実施形態では、出力音信号DRL(t),DRR(t)の生成に際して、後方音場拡大フィルタ262により後横方向及び後方への音場拡大感を付与する加工を行ったうえで、正規化部112による正規化結果が大きくなるほど信号レベルを大きくする。このため、後横方向及び後方への音場拡大感が適切となる出力音信号DRL(t),DRR(t)を生成することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、Lチャンネル及びRチャンネルという2チャンネルステレオ構成のソース音信号から、残響音効果を付与した4チャンネルマルチサラウンド構成の出力音信号を生成するようにした。これに対し、2チャンネルステレオ構成のソース音信号から、残響音効果を付与した2チャンネルステレオ構成の出力音信号を生成するようにしてもよいし、6チャンネル以上のマルチサラウンド構成の出力音信号を生成するようにしてもよい。なお、2チャンネルステレオ構成の出力音信号を生成する場合には、個別出力音信号生成部520RL,520RRを省略することができる。
また、上記の実施形態では、個別のチャンネルごとに、当該個別のチャンネルに対応する残響音信号を生成することにした。これに対し、複数のチャンネルに共通した残響音信号を生成するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、出力音信号DFL(t),DFR(t)の生成に際して、上方音場拡大フィルタ211による上方への音場拡大感と前方への奥行き感の付与の度合いが、正規化部112による正規化結果が大きくなるほど大きくなる加工を施すようにした。これに対し、加工処理を省略して、出力音信号DFL(t),DFR(t)の生成を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、ソース音信号SL(t)、残響音信号YL(t)及び重み係数W2L(t)に基づいて出力音信号DFL(t)を生成するとともに、ソース音信号SR(t)、残響音信号YR(t)及び重み係数W2R(t)に基づいて出力音信号DFR(t)を生成するようにした。これに対し、出力音信号DFL(t)の生成に際して、フィルタ部260Rによる加工結果を更に重畳させるとともに、出力音信号DFR(t)の生成に際して、フィルタ部260Lによる加工結果を更に重畳させるようにしてもよい。
なお、上記の実施形態における音響信号処理装置を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算部としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、音響信号処理装置における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
100 … 音響信号処理装置
110 … 残響音信号生成部
112 … 正規化部
113L,113R … 重み係数算出部
114L,114R … 残響音信号レベル算出部
120 … 出力音信号生成部
210L,210R … フィルタ部(第1フィルタ部)
230L,230R … 加算部
260L,260R … フィルタ部(第2フィルタ部)
270L,270R … 効果音重畳部
280L,280R … 乗算部(別出力音信号算出部)

Claims (12)

  1. 複数のチャンネルのそれぞれのソース音信号を処理する音響信号処理装置であって、
    前記複数のチャンネルにおける個別チャンネルに対応する残響音信号を生成する残響音信号生成部と;
    前記個別チャンネルごとのソース音信号と、前記生成された残響音信号とに基づいて出力音信号を生成する出力音信号生成部と;を備え、
    前記残響音信号生成部は、現時点における前記個別チャンネルに対応する前記残響音信号の信号レベルが大きな値になるほど、他の個別チャンネルのソース音信号がより多く寄与するように、次時点における前記残響音信号の信号レベルを算出する、
    ことを特徴とする音響信号処理装置。
  2. 前記残響音信号生成部は、前記複数のチャンネルにおける個別チャンネルごとに、
    前記個別チャンネルに対応する残響音信号の現時点における信号レベルの絶対値に対して、前記個別チャンネルのソース音信号を第1所定減衰率で減衰させた第1減衰信号の現時点における信号レベルの絶対値と、前記他の個別チャンネルのソース音信号を第2所定減衰率で減衰させた第2減衰信号の現時点における信号レベルの絶対値との和に基づく正規化を行う正規化部を備えるとともに、
    前記正規化部による正規化結果が大きな値となるほど、前記他の個別チャンネルのソース音信号の寄与度を高くして、前記次時点における前記個別チャンネルに対応する残響音信号の信号レベルを算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  3. 前記複数のチャンネルは、2つの個別チャンネルであり、
    前記第1所定減衰率と前記第2所定減衰率とは同一である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の音響信号処理装置。
  4. 前記残響音信号生成部は、前記複数のチャンネルにおける個別チャンネルごとに、
    前記正規化部による正規化結果に基づいて、非負の値を有し、前記正規化結果が所定値以下の場合には、前記正規化結果が大きくなるほど大きな値となる第1重み係数を算出し、前記算出された第1重み係数を、所定オフセット値だけ変化させた後に符号反転させた第2重み係数を算出する重み係数算出部と;
    前記第2減衰信号の現時点の信号レベルに前記第2重み係数を乗じた結果に前記第1減衰信号の現時点の信号レベルを加えて、前記次時点における前記個別チャンネルに対応する残響音信号の信号レベルを算出する残響音信号レベル算出部と;を備える、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の音響信号処理装置。
  5. 前記出力音信号生成部は、前記個別チャンネルごとに配置され、前記個別チャンネルのソース音信号に、前記個別チャンネルに対応する残響音信号に前記第1重み係数を乗じた結果を加算する加算部を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の音響信号処理装置。
  6. 前記出力音信号生成部は、前記個別チャンネルごとに配置され、前記個別チャンネルのソース音信号に対して、前記第1重み係数に対応した度合いの上方への音場拡大感の効果を付与する第1フィルタ部を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の音響信号処理装置。
  7. 前記出力音信号生成部は、前記個別チャンネルごとに配置され、前記第1フィルタ部により効果が付与された信号に、前記個別チャンネルに対応する残響音信号に前記第1重み係数を乗じた結果を加算する加算部を更に備える、ことを特徴とする請求項6に記載の音響信号処理装置。
  8. 前記出力音信号生成部は、前記個別チャンネルごとに配置された、
    前記個別チャンネルに対応するソース音信号に、前記個別チャンネルに対応する残響音信号を重畳させる効果音重畳部と;
    前記効果音重畳部による重畳結果に前記第1重み係数を乗じて、前記出力音信号とは異なる別出力音信号を算出する別出力信号算出部と;
    を更に備える請求項4〜7のいずれか一項に記載の音響信号処理装置。
  9. 前記出力音信号生成部は、前記個別チャンネルごとに配置された、
    前記個別チャンネルに対応する残響音信号に対して、後横方向及び後方への音場拡大感の効果を付与する第2フィルタ部と;
    前記第2フィルタ部により効果が付与された信号を、前記個別チャンネルのソース音信号に重畳させる効果音重畳部と;
    前記効果音重畳部により生成された信号に前記第1重み係数を乗じて、前記出力音信号とは異なる別出力信号を算出する別出力信号算出部と;
    を更に備える請求項4〜7のいずれか一項に記載の音響信号処理装置。
  10. 複数のチャンネルのそれぞれのソース音信号を処理する音響信号処理方法であって、
    前記複数のチャンネルにおける個別チャンネルに対応する残響音信号を生成する残響音信号生成工程と;
    前記個別チャンネルごとのソース音信号と、前記生成された残響音信号とに基づいて出力音信号を生成する出力音信号生成工程と;を備え、
    前記残響音信号生成工程では、現時点における前記個別チャンネルに対応する前記残響音信号の信号レベルが大きな値になるほど、他の個別チャンネルのソース音信号がより多く寄与するように、次時点における前記残響音信号の信号レベルを算出する、
    ことを特徴とする音響信号処理方法。
  11. 請求項10に記載の音響信号処理方法を演算部に実行させる、ことを特徴とする音響信号処理プログラム。
  12. 請求項11に記載の音響信号処理プログラムが、演算部により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
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