JP2014019141A - プリプレグ製造装置及びプリプレグ製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マトリクス樹脂粉体を均一かつ効率的にシート状繊維基材に付着させて品質性能に優れたプリプレグを製造する。
【解決手段】連続的に定量供給されるマトリクス樹脂粉体30に空気を混合して供給管32の後側から高圧で押し込み、その供給管32内でマトリクス樹脂粉体30を空気とともに帯電させた後、供給管32の先端口32aから、底面37cに設けられた複数の穴を介して上昇する風が送り込まれているチャンバー37内に投入してマトリクス樹脂粉体30を浮遊させ、マトリクス樹脂粉体30を、チャンバー37の前面37aに設けられた複数の吐出穴から吐出させ、チャンバー37の前面37aとシート状繊維基材50の間に設けられた導電性網状物39に高圧電圧がかけられることによりグランド接続されたシート状繊維基材50との間に電界がかけられてなるシート状繊維基材50に付着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マトリクス樹脂粉体を炭素繊維織物や炭素繊維UDテープなどの強化材であるシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置及びプリプレグ製造方法に関するものである。
従来、プリプレグはシート状繊維基材に樹脂を溶融塗布する方法(溶融法)、溶剤に樹脂を溶かして塗布する方法(溶剤法)、フイルム状の樹脂をシート状繊維機材に加熱加圧成形する手法(フィルムスタッキング法)等がとられていた。しかし、溶融時の粘度が高い熱可塑性樹脂を使用する場合には以下の欠点が指摘されている。
溶融法では溶融時の粘度が高いため、含浸がうまくいかなく、塗布ムラも生ずる
また、溶剤法では樹脂を有機溶剤で溶かすため、乾燥時における大気汚染等の問題があり、溶剤に溶かせる樹脂の種類は限られている。フイルムスタッキング法ではフイルムとシート状繊維基材の含浸距離が長いため、十分に含浸ができない。
そのため、適用できる樹脂種類が多く、含浸距離が短く、大気汚染を生じない手法として樹脂粉体を帯電させた状態でシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
PCT WO 03/024609 A2 特開平11−189661号公報
特許文献1に記載の発明は、例えば、図7に示すように、ブロワーやコンプレッサーなどから注入口11を介して加速容器12内に入力された空気を、高圧直流電源に接続された複数のブラシ13を利用して帯電させ、その帯電させた空気に、流路の一部を狭くした圧縮部14を設けることで圧力低下を生じさせるべンチェリー効果を利用することで格納ボックス15内からチューブ16を介して吸い上げられた粉体17を混合させることにより粉体17についても帯電させるようにしている。
そして空気と粉体17を混合してなる固気二相流を加速容器12の先端部に形成された穴18から、チャンバー19内において連続的に引き上げられる炭素繊維織物20に向けて吐出することで、帯電させた粉体17を炭素繊維織物20に付着させてプリプレグを製造するものである。
しかしながら、図7で示したような従来の技術では、空気と粉体17を混合してなる固気二相流の供給中において、加速容器12の底部に粉体17が落ちないように流速を高める必要があるのに加えて、流路が狭められた穴18が設けられていることから一層流速は増加するので、粉体17の慣性エネルギーが大きくなる。すなわち、帯電された粉体17にはたらく鏡像による静電力の作用で粉体17は炭素繊維織物20に吸引されるがその吸引力よりも粉体17の慣性力のほうがかなり大きいため、粉体17は炭素繊維織物20に当接するが付着せずに跳ね返ってしまうという現像が生ずる。
また逆に、空気と粉体17を混合してなる固気二相流の流速を遅くした場合には、加速容器12の底部に粉体17が落下して少しずつ堆積していくため、これにより加速容器12内の面積がさらに狭くなりかえって流速が速くなってしまう。
さらに、従来例は、べンチェリー効果を利用してチューブ16を介して格納ボックス15内から粉体17を吸い上げるようにしているので、帯電された空気の流速によって圧力が変化することに対応して粉体17の吸い上げ量が変化して安定しない。また、粉体17の凝集性や湿度等の影響によりチューブ16の詰まりが生じやすく部分的に詰まった場合には、粉体17は不均一に分散するので、正確な粉体量を時間的,空間的に均一に供給するように制御することは困難である。仮に不均一な状態で粉体17を炭素繊維織物20に付着させようとすると付着量にむらが生じるので、安定した品質のプレプレグを製造することはできない。
その上、従来例は、空気をまず、帯電させた後にその帯電された空気を粉体17にぶつけることにより粉体17を間接的に帯電させるものであるため直接的に粉体17を帯電させる場合と比較して帯電効率が悪いといった問題もある。
また特許文献2には、樹脂粉体を帯電させた状態でシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造する方法として、静電流動浸漬法や静電スプレー法が記載されているが、具体的に製造装置の構成は開示されていない。
そこで、本発明の目的とするところは、樹脂粉体を均一かつ効率的にシート状繊維基材に付着させて品質性能に優れたプリプレグを製造することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のプリプレグ製造装置は、マトリクス樹脂粉体(30)をシート状繊維基材(50)に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、
前記マトリクス樹脂粉体(30)を連続的に定量供給するフィーダー(31)と、略水平に延びる供給管(32)と、前記フィーダー(31)により供給される前記マトリクス樹脂粉体(30)に空気を混合して前記供給管(32)の後側から高圧で押し込むエアー供給装置(33,34,35)と、前記供給管(32)に設けられ前記マトリクス樹脂粉体(30)を空気とともに帯電させる帯電器(36)と、前記供給管(32)の先端口(32a)が後面(37b)に挿入され、底面(37c)に複数の穴が設けられるとともに前面(37a)には複数の吐出穴が設けられたチャンバー(37)と、前記チャンバー(37)の底面(37c)に設けられた複数の穴を介してチャンバー(37)内に風を送り前記マトリクス樹脂粉体(30)を浮遊させるブロワー(38)と、前記チャンバー(37)の前面(37a)と前記シート状繊維基材(50)の間に設けられるとともに、高圧電圧がかけられグランド接続された前記シート状繊維基材(50)との間に電界がかけられた導電性網状物(39)を備え、
前記チャンバー(37)の吐出穴から吐出される前記マトリクス樹脂粉体(30)を、前記シート状繊維基材(50)に付着させるようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記供給管(32)における前記帯電器(36)の前段に前記供給管(32)の延びる方向に略垂直に延びる円柱(41a)又は楕円柱を複数設けたことを特徴とする。
また、本発明は、前記チャンバー(37)内に設けられ、渦流を抑制して整流化する整流格子(42)を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記エアー供給装置(33,34,35)は、前記マトリクス樹脂粉体(30)と空気が混合された固気二相流を通過させ、前記供給管(32)に入力する複数のスリット部(344)を有することを特徴とする。
また、本発明のプリプレグ製造方法は、マトリクス樹脂粉体(30)をシート状繊維基材(50)に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造方法であって、
連続的に定量供給される前記マトリクス樹脂粉体(30)に空気を混合して供給管(32)の後側から高圧で押し込み、その供給管(32)内で前記マトリクス樹脂粉体(30)を空気とともに帯電させた後、前記供給管(32)の先端口(32a)から、底面(37c)に設けられた複数の穴を介して上昇する風が送り込まれているチャンバー(37)内に投入して前記マトリクス樹脂粉体(30)を浮遊させ、前記マトリクス樹脂粉体(30)を、前記チャンバー(37)の前面(37a)に設けられた複数の吐出穴から吐出させ、前記チャンバー(37)の前面(37a)と前記シート状繊維基材(50)の間に設けられた導電性網状物(39)に高圧電圧がかけられることによりグランド接続された前記シート状繊維基材(50)との間に電界がかけられてなる前記シート状繊維基材(50)に付着させるようにしたことを特徴とする。
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
本発明によれば、マトリクス樹脂粉体が空気と混合されて供給管の後側から高圧で押し込まれるので、供給管内で帯電させられた空気とマトリクス樹脂粉体からなる固気二相流の流速は速く設定でき、従来例で示したように固気二相流の流速が遅いことが原因で供給管内にマトリクス樹脂粉体が沈殿、堆積することはない。
そして、本発明は帯電させられた空気とマトリクス樹脂粉体からなる固気二相流を供給管から吐出して速い流速の状態でシート状繊維基材に当接させるものではなく、固気二相流を供給管よりも開口面積の広いチャンバー内に一旦送り込むことでチャンバー内で固気二相流の流速を遅くしてその後にシート状繊維基材と導電性網状物の間にかけられた高圧電界に送り込むようにしたので、従来例で示したように、マトリクス樹脂粉体が静電力の作用で炭素繊維織物などのシート状繊維基材に対して吸引される力よりも樹脂粉体の流速による慣性力のほうがかなり大きくなることはない。
これにより、従来例で示したように、マトリクス樹脂粉体がシート状繊維基材に当接するが付着せずに跳ね返ってしまうことはなく、本発明では、マトリクス樹脂粉体はシート状繊維基材に均一に付着して品質性能に優れたプリプレグが得られる。
また、本発明によれば、マトリクス樹脂粉体はフィーダーによって連続的に定量供給され、その後、エアー供給装置によって空気と混合され、供給管の後側から高圧で押し込まれるので、従来例で示したようなべンチェリー効果を利用して粉体を吸い上げるものではなく、マトリクス樹脂粉体の量を正確に供給することができる。
また、帯電方法についても従来例のように、空気を帯電させた後にマトリクス樹脂粉体を間接的に帯電させるものではなく、最初から空気とマトリクス樹脂粉体とを同時に直接的に帯電させるため帯電効率を特に悪くするものではない。
また、本発明によれば、供給管における帯電器の前段に供給管の延びる方向に略垂直に延びる円柱又は楕円柱を複数設けたので、ここを固気二相流が通過することで固気二相流は均一に分散させられ、しかも凝集したマトリクス樹脂粉体は砕かれてバラバラにされる。これにより、固気二相流は空気とマトリクス樹脂粉体がより均一に混合させられたものとなる。
また、本発明によれば、チャンバー内には渦流を抑制して整流化する整流格子が設けられているので、マトリクス樹脂粉体をムラなくシート状繊維基材に付着させることができる。
また、本発明によれば、固気二相流を供給管に入力する前に複数のスリット部を通過させるので、固気二相流は均一な流れとされる。
なお、本発明のプリプレグ製造装置及びプリプレグ製造方法のように、帯電させられた空気とマトリクス樹脂粉体からなる固気二相流を供給管よりも開口面積の広いチャンバー内に一旦送り込むことでチャンバー内で固気二相流の流速を遅くしてその後にシート状繊維基材と導電性網状物の間にかけられた高圧電界に送り込むようにした点は、上述した特許文献1,2には全く記載されていない。
本発明の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す側面図である。 図1に示した空気増倍器周りの内部構成を示す拡大側面図である。 図1に示したスリットノズル周りの内部構成を示す拡大側面図である。 図1に示した分散混合部周りの内部構成を示す拡大側面図である。 図1に示した整流格子周りの内部構成を示す拡大側面図である。 本発明の実施形態に係る別のプリプレグ製造装置の構成概要を示す側面図である。 従来例に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す一部断面側面図である。
図1乃至図5を参照して本発明の実施形態に係るプリプレグ製造装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示し、図2乃至図5は、図1に示す装置構成の要部をそれぞれ示したものである。
本発明の実施形態に係るプリプレグ製造装置は、マトリクス樹脂粉体30を炭素繊維織物50やUDテープなどの強化材であるシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造する装置であって、図1に示すように、マトリクス樹脂粉体30を連続的に定量供給する二軸式の二軸フィーダー31と、略水平に延びる供給管32と、フィーダー31により供給される樹脂粉体30に空気を混合して供給管32の後側から高圧で押し込むコンプレッサ33,空気増倍器34,第一ブロワー35からなるエアー供給装置と、供給管32の下流側に設けられた筺体部(チャンバー)37と、筺体部37の底面37cから筺体部37内に風を送る第二ブロワー38と、筺体部37の前面37aに設けられた導電性網状物(網電極)39を備えている。
なお、マトリクス樹脂粉体30としては、一般的にPA6,PA11,PA66,PPS,PBT,PET,PEEK,PEKK,PSU,PES,PAI,PET,PC等熱可塑性樹脂が使用されるがフェノール樹脂等の熱硬化樹脂や天然樹脂などであってもよい。また、シート状繊維基材は炭素繊維系以外の金属繊維やアルミ蒸着されたガラス繊維等の導電性を持つものからなるものであってもよい。
空気増倍器34は、図2に示すように、上方が漏斗状のダクト341とそのダクト341の周りを取り囲むように設けられたエアマルチプライヤー342を有し、エアマルチプライヤー342には外部に設けられたコンプレッサ33から高圧空気が入力される複数の小径穴343が周囲に沿って設けられ、コアンダ効果によって流速を高めつつ多量の空気を取り込むようになっている。
また、空気増倍器34の底部、すなわち、供給管32との接続位置の直前には、図3に示すように、複数のスリットノズル344が設けられ、それら複数のスリットノズル344を通過することで固気二相流を均一な流れとしている。
これにより、フィーダー31により供給されるマトリクス樹脂粉体30に空気が混合されてなる固気二相流が高圧で供給管32に対して押し込まれ、第一ブロワー35で発生した空気と混合される。なお、第一ブロワー35から送られる風も複数のスリットノズル351を通過したものである。このとき、空気増倍器34側から供給管32の途中位置に送られる固気二相流の空気圧は、供給管32の後側に配置され、供給管32の後側から前側に向かって風を送る第一ブロワー35による空気圧に比較して大きく、第一ブロワー35からの空気の流れに空気増倍器34側から送られる固気二相流が叩き込まれるようにしている。
また、供給管32において空気増倍器34との接続位置の上流側には、図4に示すように、複数の円柱41aからなる分散混合部41が設けられ、さらに上流側には、帯電器36が設けられている。
分散混合部41を構成する円柱41aは、供給管32の延びる方向に略垂直の方向(図4の紙面に直交する表裏方向)に対して延びるものであり、供給管32を流れる固気二相流を均一に分散させて、しかも凝集したマトリクス樹脂粉体30を砕いてバラバラにする。これにより、固気二相流は空気とマトリクス樹脂粉体30とがより均一に混合させてなるものとなる。また、固定二相流は隣接する円柱41a間の狭くなった流路を通過することにより流速は非常に速くなる。
帯電器36は、マトリクス樹脂粉体30を空気とともにマイナス(逆にプラスでもよい)に帯電させるもので、例えば、(株)増田研究所社製の「ボクサーチャージャー(BCS−70)」などが使用され、高い電荷量がマトリクス樹脂粉体30に与えられる。帯電させられたマトリクス樹脂粉体30の帯電器36の荷電部の壁面に付着することなく供給管32の下流側に送られる。
筺体部37は、直方体状であり、後面37bの略中央には供給管32の先端口32aが挿入されている。特に限定されるわけではないが、筺体部37の前後方向の長さは、供給管32の長さと同程度にしている。また、筺体部37の底面37cには複数の穴が開けられた網43が取付けられていて、その下部に設けられたダクト44に供給される第二ブロワー38からの風を網43を介して筺体部37内に取り込んで上昇流を発生させている。この上昇流によって、供給管32の先端口32aから投入された固定二相流内のマトリクス樹脂粉体30は筺体部37内において浮遊させられ沈殿することが防止される。
また、筺体部37内には、図5に示すような、整流格子42が設けられている。整流格子42は、絶縁体で構成されたハニカム構造で、固定二相流に渦流や旋回流が生じることを抑制して整流化を図っている。
また筺体部37の前面37aに設けられた導電性網状物39には、高圧電圧がかけられていて、導電性網状物39の前方においてグランド接続された炭素繊維織物50との間に高圧の電界がかけられている。この導電性網状物39には負の高電圧がかけられ、供給管32に設けられた帯電器36によってマイナスに帯電された状態で導電性網状物39の網の目(筺体部37の吐出穴)から吐出されるマトリクス樹脂粉体30を、炭素繊維織物50に対して強固な接着力で付着させ、仮にマトリクス樹脂粉体30が炭素繊維織物50上でバウンドしたとしても再接着させるようにしている。なお、マトリクス樹脂粉体30がプラスに帯電される場合には、導電性網状物39には正の高電圧がかけられる。
次に、このように構成されたプリプレグ製造装置を使用してプリプレグを製造する方法について説明する。
図2に示したように、二軸フィーダー31から空気増倍器34のダクト341上部からマトリクス樹脂粉体30が連続的に定量供給されると、コンプレッサ33から高圧空気が入力されコアンダ効果によって流速を高めつつ多量の空気を取り込むエアマルチプライヤー342のはたらきによって、マトリクス樹脂粉体30は空気と混合された固定二相流として供給管32側に向って送られる。
このとき、供給管32にはその後側から前側に向かって第一ブロワー35からの風が送られているが、その風の空気圧よりも空気増倍器34側から供給管32の途中位置に送られる固気二相流の空気圧の方が大きく、第一ブロワー35からの空気の流れに空気増倍器34側からの固気二相流が叩き込まれて供給管32の前側に送られる。
供給管32に押し込まれた固気二相流は、先ず分散混合部41を通過することで均一に分散されるとともに凝集したマトリクス樹脂粉体30が砕かれてバラバラにされる。また、固気二相流は、分散混合部41において隣接する円柱41a間の狭くなった流路を通過することにより流速が高められる。
次に固気二相流は、供給管32内に設けられた帯電器36によってマトリクス樹脂粉体30と空気がともにマイナスに帯電させられた後に、供給管32の先端口32aから筺体部37内に投入される。
供給管32から開口面積が広い筺体部37内に投入された固気二相流は流速が遅くなるので、マトリクス樹脂粉体30が自重によって落下して筺体部37の底面37cに沈殿する可能性があるが、筺体部37の底面37cからは複数の穴を有する網43を介して上昇する風が送り込まれているので、マトリクス樹脂粉体30は筺体部37の内部で浮遊させられ沈殿が防止される。
筺体部37内のマトリクス樹脂粉体30はマイナスに帯電されているため互いに斥力を生じて反発しながら均一に分散しながら筺体部37の前面37a側に進んでいくが、その途中に設けられた整流格子42を通過することで渦流や旋回流が除去され整流化され、さらに筺体部37の前面37a側に進んでいく。このとき、筺体部37の底面37cからは整流格子42を挟んで前側及び後側のいずれからも上昇する風が送り込まれているので、マトリクス樹脂粉体30は浮遊状態で導電性網状物39の網の目から吐出される。
そして、正の高電圧がかけられた導電性網状物39の網の目から吐出されたマイナスに帯電されたマトリクス樹脂粉体30は、グランドに接地された炭素繊維織物50に対して強固な接着力で付着され、プリプレグが製造される。なお、本発明でいうプリプレグには炭素繊維織物50に付着するマトリクス樹脂粉体30の量を抑えたいわゆるセミプレグも含まれる。
これによれば、空気とマトリクス樹脂粉体30が混合されて、供給管32の後側から高圧で押し込まれるので、供給管32内で帯電させられた空気とマトリクス樹脂粉体30からなる固気二相流の流速は速く、従来例で示したように固気二相流の流速が遅いことが原因で供給管内に樹脂粉体が沈殿、堆積することはない。
そして、帯電させられた空気とマトリクス樹脂粉体30からなる固気二相流を供給管32から吐出して速い流速の状態で炭素繊維織物50に当接させるものではなく、固気二相流を供給管32よりも開口面積の広い筺体部37内に一旦送り込むことで筺体部37内で固気二相流の流速を遅くしてその後に炭素繊維織物50と導電性網状物39の間にかけられた高圧電界に送り込むようにしたので、従来例で示したように、樹脂粉体が静電力の作用で炭素繊維織物に対して吸引される力よりも樹脂粉体の流速による慣性力のほうがかなり大きくなることはない。
これにより、従来例で示したように、マトリクス樹脂粉体30が炭素繊維織物50に当接するが付着せずに跳ね返ってしまうことはなく、炭素繊維織物50に均一に付着して品質性能に優れたプリプレグが得られる。
なお、本発明の実施形態では、筺体部37内に整流格子42を一つ設けたが、多段状に設けて固定二相流に渦流や旋回流が生じることを一層抑制するようにしてもよい。
図6は、整流格子42を筺体部37内に離間させて二つ設けた例を示している。また、整流格子42を設ける位置も様々考えることができ、図6に示す整流格子42Bのように、筺体部37の底面37cから第二ブロワー38から送られる風の影響を受けないような筺体部37内の前側に配置することもできる。
また、導電性網状物39を筺体部37の前面37aに設けたが、筺体部37の前面37aにマトリクス樹脂粉体30を吐出させるための複数の吐出穴を設けるとともに導電性網状物39を筺体部37の前面37aから離間した位置に設けるようにしてもよい。
また、本発明の実施形態では、分散混合部41を複数の同一形状の円柱41aで構成したが、これに代えて複数の同一形状の楕円柱で構成してもよい。
また、本発明の実施形態では、分散混合部41及び整流格子42を設けて固気二相流の均一化を一層図るようにしたが省略することも可能であり、また、空気増倍器34の底部に複数のスリットノズル344を設けることで固気二相流を一層均一な流れとしたがこれについても省略することは可能である。さらに、空気増倍器34としてエアマルチプライヤー342を設けてコアンダ効果によって流速を高めつつ多量の空気を取り込むようにしたが、コンプレッサ33及び第一ブロワー35による圧力を大きく設定することで固気二相流の流速を高くすることができるものであればエアマルチプライヤー342を省略することもできる。
11 注入口
12 加速容器
13 ブラジ
14 圧縮部
15 格納ボックス
16 チューブ
17 粉体
18 穴
19 チャンバー
20 炭素繊維織物
30 マトリクス樹脂粉体
31 フィーダー
32 供給管
32a 先端口
33 コンプレッサ
34 空気増倍器
341 ダクト
342 エアマルチプライヤー
343 小径穴
344 スリットノズル
35 第一ブロワー
351 スリットノズル
36 帯電器
37 筺体部
37a 前面
37b 後面
37c 底面
38 第二ブロワー
39 導電性網状物
41 分散混合部
41a 円柱
42 整流格子
42A 整流格子
42B 整流格子
43 網
44 ダクト
50 炭素繊維織物

Claims (5)

  1. マトリクス樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置であって、
    前記マトリクス樹脂粉体を連続的に定量供給するフィーダーと、
    略水平に延びる供給管と、
    前記フィーダーにより供給される前記マトリクス樹脂粉体に空気を混合して前記供給管の後側から高圧で押し込むエアー供給装置と、
    前記供給管に設けられ前記マトリクス樹脂粉体を空気とともに帯電させる帯電器と、
    前記供給管の先端口が後面に挿入され、底面に複数の穴が設けられるとともに前面には複数の吐出穴が設けられたチャンバーと、
    前記チャンバーの底面に設けられた複数の穴を介してチャンバー内に風を送り前記マトリクス樹脂粉体を浮遊させるブロワーと、
    前記チャンバーの前面と前記シート状繊維基材の間に設けられるとともに、高圧電圧がかけられグランド接続された前記シート状繊維基材との間に電界がかけられた導電性網状物を備え、
    前記チャンバーの吐出穴から吐出される前記マトリクス樹脂粉体を、前記シート状繊維基材に付着させるようにしたことを特徴とするプリプレグ製造装置。
  2. 前記供給管における前記帯電器の前段に前記供給管の延びる方向に略垂直に延びる円柱又は楕円柱を複数設けたことを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ製造装置。
  3. 前記チャンバー内に設けられ、渦流を抑制して整流化する整流格子を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ製造装置。
  4. 前記エアー供給装置は、前記マトリクス樹脂粉体と空気が混合された固気二相流を通過させ、前記供給管に入力する複数のスリット部を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のプリプレグ製造装置。
  5. マトリクス樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造方法であって、
    連続的に定量供給される前記マトリクス樹脂粉体に空気を混合して供給管の後側から高圧で押し込み、その供給管内で前記マトリクス樹脂粉体を空気とともに帯電させた後、
    前記供給管の先端口から、底面に設けられた複数の穴を介して上昇する風が送り込まれているチャンバー内に投入して前記マトリクス樹脂粉体を浮遊させ、
    前記マトリクス樹脂粉体を、前記チャンバーの前面に設けられた複数の吐出穴から吐出させ、
    前記チャンバーの前面と前記シート状繊維基材の間に設けられた導電性網状物に高圧電圧がかけられることによりグランド接続された前記シート状繊維基材との間に電界がかけられてなる前記シート状繊維基材に付着させるようにしたことを特徴とするプリプレグ製造方法。
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