JP2014018869A - ワークの表面を処理するための研磨粒子付き表面処理用シート - Google Patents

ワークの表面を処理するための研磨粒子付き表面処理用シート Download PDF

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Abstract

【課題】ワークの表面についてバーニッシュ処理とワイピング処理を効率的に行うことができる表面処理用シートを提供する。
【解決手段】ワークの表面を処理するための研磨粒子付き表面処理用シートであって、複数の単糸を含む、長繊維から成る織編物から成る基材と、該基材のワークの表面に接する部分に位置する複数の単糸の表面にバインダー樹脂により固着された研磨粒子と、を含み、複数の単糸が、表面に凹部が形成されて成る単糸を含み、研磨粒子が少なくとも凹部に固着されている、表面処理用シート。
【選択図】図8

Description

本発明は、磁気ハードディスク、磁気ヘッド、半導体ウエハ、液晶パネル、光学レンズ等のワークの表面を処理するためのシートに関する。特に、成膜等の加工が施されたワークの表面に残る不要な突起(バリ)、スクラッチ、ワークの表面に付着しているパーティクル等の異物、又はワークの表面に浮遊する汚染物等を除去して、ワークの表面をより高精度に平滑・平坦化しクリーニングするための研磨粒子付き表面処理用シートに関する。
コンピュータ、テレビジョン、カメラ、電話等の機器には常に、より高い性能が要求される。すなわち、音声、画像等の記録容量を増大し、画面(液晶パネル)、レンズ等の平滑性、清浄性を向上することにより、より高い性能を実現することが要求される。このような機器を、設計段階で予定される性能を発揮するよう製造するためには、機器を構成する各部品を設計どおりに高精度に製造することが重要である。
例えば、図1に示されている磁気ハードディスク等の磁気記録媒体1は、所定の寸法の円板に成形された基板2(ガラス製、又は表面にNi−Pめっき処理を施されたアルミニウム合金製)の上に、下地層3、磁性層4、保護層5、潤滑層6を形成されて製造される。このような磁気記録媒体1の製造工程は、大別して基板前処理工程、成膜工程、及び後処理工程から成る。各々の工程は具体的には、図2に示されているような各工程から成る。
基板前処理工程は主に、i)基板形成工程、ii)粗研磨工程、iii)内外周端面研削工程、iv)内外周端面研磨工程、v)表面仕上げ研磨工程から成る。垂直磁気記録媒体を製造する場合は、v)の表面仕上げ研磨工程において、高精度の鏡面研磨仕上げが行われる。面内磁気記録媒体を製造する場合は、v)の表面仕上げ工程の後、さらに、vi)表面テクスチャー加工が施され、基板表面が円周方向に沿って適度に粗面化される。
成膜工程は、上記のように前処理された基板の表面に、薄膜製造装置によって、vii)下地層3を形成し、順次、viii)磁性層4(垂直磁気記録媒体を製造する場合は軟磁性層の上に記録磁性層)、ix)保護層5、及びx)潤滑層6を形成する工程である。
さらに、成膜された基板の表面をクリーニングするための後処理が施される。図2に示されているように、後処理工程−Iは、xi)バーニッシュ処理工程と、xii)ワイピング処理工程とから成る。これらの工程を経て、磁気記録媒体1が製造される。
xi)のバーニッシュ処理工程は、成膜された基板の表面(例えば、潤滑層6)を軽く研磨することにより、成膜された基板の表面の微細な異常突起(バリ)や固着物等を除去する工程である(特許文献1:特開2001−67655公報)。該工程は、例えば、微細なアルミナ砥粒等と樹脂とを混合してフィルム基材の表面に塗布した研磨テープ(バーニッシュテープ)を、ゴム製のコンタクトロール等によって成膜された基板の表面に押し当てることにより行われる。
xii)のワイピング処理工程は、バーニッシュ処理を経た後、成膜された基板の表面に付着しているパーティクルなどの異物及び油分、又は表面を浮遊する塵や汚れ等を除去するための工程である(特許文献2:特開平10−106229号公報、3:特開2009−299218公報、4:特開2010−97636公報)。該工程では、付着度合いの低い(固着していない)汚染物や浮遊物を除去して表面を平坦・平滑化するために、実質的に研磨力を有さないテープ(ワイピングテープ)や編織物(ワイピングクロス)が使用される。
上記のようなバーニッシュ処理工程において、成膜工程で生じたパーティクル等の異物が、テープに付着しワーク(処理対象物)の表面との間に噛み込まれ、あるいは表面を移動してワークの表面を傷つけることがあった。このため、図3の後処理工程−IIのように、vi−a)ワイピング処理工程aが行われることがあった(特許文献5:特開2008−135091公報)。ワイピング処理工程aは、バーニッシュ処理工程でスクラッチ等が生ずることがないよう比較的大きな異物や付着物を予め拭い取るための工程である。該工程の後に改めて、xi)バーニッシュ処理工程、xii)ワイピング処理工程が行われる。このように従来、ワイピング処理工程及びバーニッシュ処理工程が(複数回)組み合わせて行われた。
また、バーニッシュ処理工程において、使用される研磨テープに固着された砥粒が脱落し、又は砥粒の表面がわずかに破砕されることにより、その脱粒物や破砕した砥粒粉がワークの表面に付着しワークを汚染することがあったため、従来、研磨テープの砥粒層の表面を厚さが0.5μm〜10μmの範囲内の固体の樹脂層で被覆し、該樹脂層の表面を液体の潤滑層で覆った研磨テープが提案された(特許文献6:特開2010−12530公報)。
あるいは、磁気記録媒体等のワークの表面を機械的に研磨処理するための研磨テープとして、基体表面に非導電性材料からなる砥粒付きの多数の研磨毛が設けられたテープが提案された(特許文献7:特許第3598115号公報)。
特開2001−67655公報 特開平10−106229号公報 特開2009−299218公報 特開2010−97636公報 特開2008−135091公報 特開2010−12530公報 特許第3598115号公報 特開2001−162504公報
上記したように、バーニッシュ処理工程でスクラッチ等を生ずることがないよう複数回のワイピング処理工程及びバーニッシュ処理工程を組み合わせる等する場合、工程数が増加し製造コストが高くなるという問題があった。
また、バーニッシュ処理工程において、砥粒層が樹脂等により被覆された従来の研磨テープを使用した場合、脱粒等による磁気記録媒体の表面の汚染は抑制されても、成膜工程で生じた突起や固着物等を、高密度記録のために要求される高い加工精度で除去することは困難であった。
研磨テープとして特許文献7に係る植毛シートを使用した場合、研磨粒子が植毛先端に固定されているため、植毛先端が歯ブラシのようにワークの表面に接触し、スクラッチを発生させるという問題があった。上記特許文献7に係る植毛シートは、ハードディスク基板等の表面に微細且つ均一なテクスチャー加工を施すためのものであるため、後処理工程(クリーニング工程)には適さなかった。
本発明は、上記問題に鑑み、成膜された基板等のワークの表面に新たに微細な傷等を生じさせることなく、ワークの表面に形成されている不要な突起や固着物を高精度に除去し、且つ表面に付着、浮遊している異物や汚れを除去することができる研磨粒子付き表面処理用シートを提供することを目的とする。すなわち、ワークの表面を削り過ぎないよう適度に研磨して固着物を除去しながら研磨粒子の脱粒等がなく、さらに付着物や浮遊物を払拭することができる、バーニッシュ作用とワイピング作用とを兼ね備えた研磨粒子付きシートを提供することを目的とする。
また、上記のような研磨粒子付き表面処理用シートを使用することにより、短縮された効率的な後処理(クリーニング)工程を行うことを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明のひとつの態様に係る研磨粒子付き表面処理用シートは、長繊維から成る織物を基材とする。該織物を構成する経糸、緯糸のいずれか一方の織物の表面における被覆率が他方よりも高く、少なくとも経糸、緯糸のうちの表面における被覆率が高い経糸又は緯糸を構成する長繊維が複数の単糸から成る。基材のワークの表面に接する部分に位置する複数の単糸の表面に、バインダー樹脂により研磨粒子が固着される。複数の単糸は、表面に凹部が形成されて成る単糸を含み、研磨粒子が少なくとも凹部に固着される。このような構成とすることにより、バーニッシュ作用とワイピング作用とを兼ね備えた表面処理用シートが得られる。
本発明の他の態様に係る研磨粒子付き表面処理用シートは、複数の単糸から成る長繊維から構成される編物を基材とする。該基材のワークの表面に接する部分に位置する複数の単糸の表面に、バインダー樹脂により研磨粒子が固着される。複数の単糸は、表面に凹部が形成されて成る単糸を含み、研磨粒子が少なくとも該凹部に固着されている。編物(ニット)は、緯編(ヨコメリヤス)から成ってもよく、経編(タテメリヤス)から成ってもよい。
凹部は、単糸の横断面形状が、頂点を三個以上有する多角形、または突出部を三個以上有する多葉形であり、多角形の各々の頂点の間、又は多葉形の各々の突出部の間が凹むことにより、形成されたものであってよい。
好適に、長繊維を構成する複数の単糸は、断面形状が円形でない異形断面繊維を含んで成る。横断面形状は、3〜10葉形であってよく、星形等であってもよい。
このような単糸の表面に形成された凹部に研磨粒子が固着されていることが好ましい。研磨粒子の付着強度が高くなり、脱落を防止しながら、ワークの表面に微細な傷を付けないように研磨粒子を作用させることができるからである。
凹部は、単糸が所定の横断面形状を有することにより、単糸の長手方向に沿ってひと続きに形成されて良い。また凹部は、単糸の長手方向の軸の周りを取り囲んで規則的に形成されてよい。あるいは、凹部は、長手方向の軸の周りに不規則に形成されてもよい。
研磨粒子は凹部のみに固着されていてよく、主に凹部に固着されていてもよく、または、凹部を含む単糸の表面全体に固着されていてもよい。
本発明に係る表面処理用シートは、研磨粒子を固着した複数の単糸の各々が互いに固着されておらず、独立して動くことができることを特徴とする。このようにすることで、シートのワークに接する表面が十分なクッション性を有し、ワークの表面にスクラッチ等を形成することがない。
複数の単糸の単糸繊度は、0.01デシテックス以上、4.5デシテックス以下の範囲にあることが好ましい。また、研磨粒子の平均粒径は10μm以下であることが好ましい。
複数の単糸の単糸繊維径は、1μm以上、20μm以下の範囲にあることが好ましい。繊維径は、横断面形状が円形ではないもの(三角形、星形等の異形)では、断面積が同じ円に換算した円の平均直径(円換算径)である。
また、研磨粒子は、無機物、有機物、又は無機物と有機物との混合物から成り、平均粒径が10μm以下であり、単糸繊維径の1/2以下であることが好ましい。微細な単糸の表面に微細な砥粒が固着される構成により、ワークの表面を高精度に処理することができるシートが得られる。
さらに、本発明に係る表面処理用シートにおいて、基材となる織物の表面における経糸又は緯糸の被覆率が70パーセント以上であり、ワークの表面を処理するときに、ワークの表面に接する基材の部分が、経糸及び緯糸のうち被覆率が高いいずれか一方であるように構成されていることを特徴とする。
織物の組織は三原組織(平織、朱子織、斜文織)であり、特に、斜文織又は朱子織であることが好ましい。
ワークの表面に接する基材の部分が経糸又は緯糸の揃った配列によって構成されることにより、適度なクッション性を有し、均一にワークの表面に作用して、効果的に突起や付着物を除去・払拭できる。
上記のように、本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートは、基材のワークの表面に接する部分に位置する微細な単糸の各々の表面に研磨粒子がバインダー樹脂によって付着された構造になっている。研磨粒子が固着された単糸同士が互いに固着していないため、シートはクッション性を有し、ワークの表面を過度に削ることなく、又はワークの表面にスクラッチを形成することなく、ワークの表面を高精度にクリーニングすることができる。すなわち、軽い研磨力でワークの表面に作用して、不要な突起などの固着物や付着物を除去するバーニッシュ作用を発揮しながら、複数の単糸が異物や汚れ等の付着物や浮遊物を拭い去り、ワイピング作用もまた発揮することができる。
基材に使用される織編物が長繊維から成るため、基材のワークに接する部分を構成する単糸の繊維屑が脱落しワークの表面を汚染することがない。また、ワークの表面に接する複数の単糸の表面の形状により、研磨粒子を安定して保持しながら、弾力的にワークの表面に接することができる。研磨粒子の脱落や破砕に由来したスクラッチの発生も防止され、高精度な後処理を行うことができる。
本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートを実施することにより、後処理工程を効率よく行うことができる。例えば、本発明に係るシートを使用した1回の後処理工程によって、磁気記録媒体等のワークの表面を高精度に平坦化、清浄化し、設計どおりの高密度記録を実現し得る。また、従来のバーニッシュ処理工程及び/又はワイピング処理工程を複数回行う工程を短縮し、歩留まりを向上し、製品の信頼性を向上することができる。
図1は、磁気記録媒体の模式的な断面図である。 図2は、磁気記録媒体の製造プロセスを示す図である。 図3は、磁気記録媒体の製造プロセスのうち後処理工程の他の例を示す図である。 図4は、本発明のシートの基材に使用されるひとつの態様の織物の(a)平面図、(b)組織図、(c)W−W断面図である。 図5は、本発明のシートの基材に使用されるひとつの態様の織物の表面のSEM写真である。 図6は、本発明のシートの基材に使用されるひとつの態様の織物の(a)図5におけるX−X断面の拡大SEM写真、(b)図5におけるY−Y断面の拡大SEM写真である。 図7(a)は本発明に係る織物の緯糸を構成する複数の単糸のひとつの態様を模式的に示す図であり、図7(b)は単糸のひとつの態様を模式的に示す図である。 図8(a)、(b)は各々、本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートのワークの表面に接する部分の2000倍(左)、5000倍(右)の拡大SEM写真である。 図9は、本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートを使用して後処理工程を行う両面クリーニング装置を模式的に示す図である。 図10は、本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートの製造に使用されるグラビア塗工装置を模式的に示す図である。
以下、本発明の特徴が、本発明の限定を意図するものではない好適実施例とともに説明される。なお、図面は説明の目的で単純化され、尺度も必ずしも一致しない。
基材
本発明の基材に使用される織物は、長繊維から成る経糸と緯糸とを直角に配列し上下に交差させて形成される。編物は、長繊維でループを作りそのループにまた糸をくぐらせてループを作ることを繰り返して形成される。
本発明の基材に使用される織物は、経糸と緯糸とが配列された組織から成る。組織は三原組織、すなわち、平織(プレーン)、斜文織(綾織、ツイル)、朱子織(サテン)であってよく、好適には、斜文織又は朱子織である。斜文織の組織は、経糸又は緯糸が二本以上並んで緯糸又は経糸に交錯するものであり、斜めの方向に畦が現われる特徴を有する。朱子織は、経糸と緯糸とが交わる点(交錯点、組織点)が飛び飛びに離れて配置されるもので、経糸又は緯糸のどちらか一方が表面に長く浮いて現われ、組織点がほとんど表面に現れないという特徴を有する。
本発明に係る織物は、好適に、経糸又は緯糸のうち一方の表面に対する被覆率(織物を平面で見た際の織物面積に対する、経糸又は緯糸が表面に現われている割合)が他方よりも高い(70パーセント以上、80パーセント以上、90パーセント以上等、70パーセントから100パーセントの間の任意の値)。また、織物の表面に現われる経糸又は緯糸の配列が、直交するX軸Y軸に関して、X方向又はY方向に揃っていることが好ましい。本発明に係る織物の組織は、上記のような特徴を備える三原組織に限定されず、三原組織を変化させた変化組織、またはこれらを混合した混合組織等であってもよい。
図4(a)〜(c)に、本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートの基材に使用されるひとつの態様の織物10が示されている。図4(a)に示されているように、織物10は、緯糸12が長く浮いて表面に現われ、図4(b)に示されているように、斜文織の組織を有する。図4(c)に織物10の断面が模式的に示されているように、経糸11よりも緯糸12が厚さ方向に膨らんでいる。経糸11と緯糸12を構成する単糸の種類は等しくてよく、異なっていてもよい。
図5に、織物10の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真が示されている。図4(b)の斜文織の組織を有する織物10の表面において、経糸11(組織点)はわずかしか現れず、緯糸12が表面のほぼ全体(90パーセント)を被覆している。織物10のワークに接する部分が緯糸12で均一に構成されているため、研磨粒子を均一に分散して保持することができる。
図6(a)、(b)に、織物10の断面の拡大SEM写真が示され、X−X断面においても、Y−Y断面においても、緯糸12が経糸11よりも表面側に膨らんでいる。また、経糸11、緯糸12は各々、複数の単糸から成っている。このように織物の表面部分で緯糸12が長く浮いた状態になっており、経糸12が複数の単糸で構成されているため、織物10はクッション性(弾力性)を有する。ワークの表面を処理するとき、このような織物10の緯糸12からなる部分(組織点の経糸11より表面側に位置する部分)が、ワークの表面に弾力的に接し、表面処理に適した研磨作用を発揮する。
織物10のワークの表面に接する部分を緯糸12のみで構成するために、織物10を構成する緯糸12の総繊度(dtex)が、経糸11の総繊度(dtex)の2〜10倍となるようにすることが好ましい。このようにすることで、織物10の表面を緯糸12の配列でほぼ隙間の無い状態にすることができる。このような織物10のワークの表面に接する部分は、研磨粒子を均一に保持しワークに均一に作用させ得る。さらに、長く浮いた緯糸12で構成されることによりクッション性を有し、研磨粒子をワークの表面にソフトに接触させることができるため、スクラッチなどの傷の発生を防止できる。なお、上記において、経糸11と緯糸12を相互に読み替えることも可能である。
図7に緯糸12(及び/又は経糸11)を構成する複数の単糸13a、13bが模式的に示されている。緯糸12を構成する単糸の種類、形状は様々なものを使用することができる。好適に、緯糸12は、表面に凹部を形成されて成る単糸13aを含む。単糸13aは断面形状が円形でない異形断面繊維であり、複合繊維の割繊糸から成ってよい。例えば、単糸13aの断面形状は、これに限定されないが、図7に示されているような、任意の数の頂点を有する星形であってよい。このような凹部を有する単糸の表面に、研磨粒子をバインダー樹脂で固定することにより、研磨粒子の固定強度が増し、脱粒を防止することができる。
緯糸12に含まれる単糸の単糸繊度は、0.01dtex以上、4.5dtex以下の範囲にあることが好ましい。または、単糸繊維径が、直径50μm以下、好ましくは、1μm以上、20μm以下の範囲にあることが好ましい。単糸繊維径が1μm未満であると、研磨粒子を十分の単糸の表面に固定するのが困難となり、研磨粒子の脱落が起こりやすくなる。その結果、脱粒した研磨粒子によってワークの表面にスクラッチを生ずることがある。また、単糸繊維径が50μmを越えると、織布シートの剛性が高くなりクッション性が低下し、ワークの表面に均一に織布シートの表面が接触しない場合が起こり、クリーニングむらを生ずることがある。単糸繊度(繊維径)を上記範囲とすることにより、ワークの表面の汚染物を高精度に除去することができる。
単糸として、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系樹脂(ナイロン)、又はポリプロピレン系繊維等の合成繊維が使用されてよい。織物10を構成する緯糸12は、1種類の単糸(例えば、13a)から成ってよく、複数種類の単糸(例えば、13a、13b等)から成ってもよい。
織物10の厚さは、概して、50μm〜550μmの範囲にある。
研磨粒子
本発明の研磨粒子付き表面処理用シートは、基材である織物10のワークの表面に接する部分に位置する単糸の各々(一本、一本)の表面に、研磨粒子がバインダー樹脂によって、固着されて成ることを特徴とする。
図8に、基材のワークの表面に接する部分に位置する単糸の各々に、研磨粒子がバインダー樹脂により固着された本発明に係る表面処理用シートの拡大SEM写真が示されている。図8(a)はアルミナ(Al)の研磨粒子が固着されたものである。該研磨粒子は破砕粒であり、単糸の凹部を含む表面全体に分散して固着されている。
図8(b)は、シリカ(SiO)の研磨粒子が固着されたものである。該研磨粒子は析出粒(結晶成長粒)であり、各々の研磨粒子は(真)球状を呈する。研磨粒子は単糸の表面の主に凹部に固着されている。
研磨粒子として、無機物から成る粒子を使用することができる。無機粒子としては、上記のアルミナ(Al)、シリカ(SiO)の他に、炭化珪素(SiC)、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(cBN)等を使用することができる。これらの無機粒子は破砕粒でも析出粒でもよく、球状を有していても有していなくてもよい。このような研磨粒子を使用することにより、バーニッシュ処理に適した研磨力を有するシートとすることができる。
研磨粒子として、有機物から成る粒子を使用してもよい。このような研磨粒子は、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等から成ってよい。または、研磨粒子は、無機物と有機物との任意の混合物から成ってもよい。
研磨粒子の平均粒径は、10μm以下が好ましく、好適に、0.05μm以上、5.0μm以下の範囲にある。10μmを越えると研磨作用が強くなり、スクラッチや傷の発生の原因となるため好ましくない。また、粒径が大きすぎると、上述した繊度(繊維径)を有する微細な単糸の表面への研磨粒子の固定強度が弱くなり、脱粒の原因となるため好ましくない。固定強度を高めるためにバインダー樹脂の量を増加させると、シートの表面のクッション性が低下してしまうため好ましくない。研磨粒子の平均粒径を10μm以下(好ましくは0.05μm以上、5.0μm以下)とすることにより、シートのワークの表面に作用する部分が十分なクッション性を有し、後処理工程に適したシートとすることができる。
上記の研磨粒子の材料、形状等は、処理の対象物であるワークの材料や表面の汚染状態等によって選択され得る。研磨粒子の材料、形状等を選択することにより、バーニッシュ作用とワイピング作用のうち、所望の作用を選択的に強め、又は弱めることができる。
本発明の研磨粒子付き表面処理用シートのワークの表面に接する部分には、単糸の形状や織り目(組織点)によって起伏(ウエーブ)が形成されている。該ウエーブもまた、クリーニングに適したクッション性をシートに与え、各々の単糸に固着された研磨粒子を適度にワークの表面に作用させて突起を除去し、パーティクル等を払拭するために有効である。すなわち、クッション性のあるシートのワークの表面に接する部分が、適度な(弱い)研磨力でワーク表面に作用し、スクラッチを形成せずに突起や付着物を除去することができる。さらに、単糸同士が固着されていないため、シート側に移行した汚染物質をシートの内側に取り込むことができ、汚染物質がワークに再び付着することを防ぐことができる。また、基材が長繊維から構成された織編物から成り、表面にバインダー樹脂が含浸されているため、繊維屑の脱落や研磨粒子の脱落がなく、シート由来のワークの汚染がないため、効果的なクリーニング処理を行うことができる。
研磨粒子付き表面処理用シートの製造
本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートは、基材となる織編物の表面に研磨粒子、バインダー樹脂からなる塗料を塗布し、乾燥させてリールに巻き取り、所定のサイズにカットすることにより製造される。具体的な製造方法を、織物を例に以下で説明する。
・基材
織物の原反(例えば、厚さ50μm〜550μm、幅500mm、長さ600m)を用意する。織物の組織及び経糸、緯糸を構成する単糸の種類等は適宜選択され得る。
・研磨粒子
研磨粒子としては、アルミナ、炭化珪素、二酸化珪素(シリカ)、ジルコニア、ダイヤモンド又は立方晶窒化硼素等からなる(球状)無機粒子、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等から成る(球状)有機粒子、又は無機物と有機物の(球状)混合粒子を使用することができる。研磨粒子の平均粒径は、0.05μm以上、10μm以下の範囲にある。
・バインダー樹脂
研磨粒子を単糸の表面に固定するバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、共重合ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などから選択される一種又は二種以上の樹脂を溶剤で溶解したものが使用される。溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アセトン、アルコール等を使用することができる。これに、イソシアネート系等の硬化剤が付加される。
・塗料
研磨粒子とバインダー樹脂とを混合することにより塗料が製造される。塗料の粘度は、50cp以上、300cp以下の範囲にすることが好ましい。塗料の粘度が50cp未満になると、塗料が基材の表面から下層側に落ちてしまい、ワークに接する部分に位置する単糸の表面に十分な量の研磨粒子を固定することができず、ワークの表面に研磨粒子を十分に作用させることができないため、固着している異物等を十分に除去することができない。塗料の粘度が300cpを越えると、塗料が基材の表面の上層に停滞し、ワークの表面に接する部分に、バインダー樹脂と研磨粒子を固定した層が、隣接する単糸同士を固着するように形成され、シートの表面部分におけるクッション性が低下し、ワークの表面にスクラッチを生ずる原因となる。
塗料中の固形分配合比(重量比)は、研磨粒子を30重量%以上、90重量%以下の範囲とするのが好ましい。研磨粒子の割合を30重量%未満にするとバインダー樹脂等の配合比が増加し、シートのワークの表面に作用する表面部分で、隣接する微細な単糸同士が互いに接着した面積が増加してしまうため好ましくない。研磨粒子の割合が90重量%を超えると、研磨粒子とバインダー樹脂の接着が十分でないものが増加し、クリーニング中に研磨粒子の脱粒が起こり、スクラッチ増加の原因となるため好ましくない。以下の表1に塗料の組成が示されている。
アルミナ(Al)、シリカ(SiO)等から成る研磨粒子30重量%〜90重量%を、飽和ポリエステル樹脂をトルエン、メチルエチルケトン及び酢酸エチルの混合溶媒に溶解した樹脂溶液5重量%〜40重量%と混合攪拌し、研磨粒子を樹脂溶液中に分散させ、ろ過したものに、基材(織物)の表面に塗布する直前、イソシアネート系の硬化剤1重量%〜10重量%を添加することにより、粘度が50cp〜300cpの範囲に調整された塗料が製造される。
・塗布方法
塗料を基材に塗布する方法には、好適にグラビア塗工が使用されるが、代わりに、スプレー塗工、又は電着塗工が使用されてもよい。グラビア塗工は、グラビアローラに研磨粒子を分散した塗料を塗布し、これを、バックアップローラに巻かれた基材の表面に転写する方法である。塗料を塗布された基材は乾燥されてリールに巻き取られ、研磨粒子付きの表面処理用シートの原反が得られる。
図10に、本発明に係る表面処理用シートを製造するためのグラビア塗工装置30が模式的に示されている。グラビア塗工装置30は、グラビアローラ31及びグラビアローラ31に近接して配置されるバックアップローラ32を有する。基材の原反Bは、塗料が塗布される表面を外側にしてバックアップローラ32に配置され、バックアップローラ32の円周方向R2(反時計回り)の回転に従い、略U字型に湾曲しながらR方向に走行する。グラビアローラ31は、研磨粒子とバインダー樹脂とを混練した塗料33に部分的に浸され、方向R1(時計回り)に回転される。グラビアローラ31に付着した塗料33’はドクターブレード34によって所定の量の塗料33’’に調整される。このような塗料33’’が、基材の原反BがR方向へ搬送されるに従って原反Bの表面に塗布され、各々の単糸の表面に研磨粒子が付着される。塗布される塗料の厚みは、グラビアローラ31とバックアップローラ32との間の距離で調整されてよい。
塗料を塗布された基材の原反は、乾燥炉を通して樹脂バインダーが固化され、ワークの表面に作用する部分に位置する単糸の各々の表面に研磨粒子が固着される。これをリールに巻取り、本発明に係る研磨粒子付き表面処理用シートの原反が得られる。表面処理用シートの原反は、用途に従って所定の長さ、幅に切断され、クリーニングテープとして使用されてよい。クリーニングテープの幅は、処理の対象物であるワークが磁気ハードディスクである場合、磁気ハードディスクの径、あるいはクリーニング装置の構造によってさまざまであってよい。例えば表面処理用シートの原反は、6.3mm、12.6mm、38mm等の幅に切断されてよく、長さは、10〜20m単位を一巻としてよい。
本発明のシートを使用した後処理(クリーニング)方法
図9に、磁気ハードディスク等の円板状のワークWの両面を同時にクリーニングする両面クリーニング装置20(特許文献8:特開2001−162504)が模式的に示されている。両面クリーニング装置20では、上記のように製造した原反を、所定の幅(例えば、12.6mm)にカットした研磨粒子付きクリーニングテープT、T’(破線)が使用される。
両面クリーニング装置20は、円板状のワークWの両面をクリーニングするためのクリーニングヘッド22、及びクリーニングヘッド22を矢印Xの方向へ往復運動させるための手段(図示せず)から構成される。クリーニングヘッド22は、互いに向き合って配置された一対のアーム23、23を有し、これらアーム23、23の先端に、ゴム等から成る弾性を有する裏当て(弾性パッド)24、24が互いに向き合って固定されている。
ワークWの両面(A面、B面)のクリーニングは、スピンドル21に取り付けられたワークWを回転させ、裏当て24、24上にクリーニングテープT、T’を送り出し、加圧手段25、25を駆動して裏当て24、24を介しクリーニングテープT、T’をワークWの両面A、Bに押付けながら、ワークWの半径方向(矢印Xで示す方向)に沿ってクリーニングヘッド22を往復移動させることにより行われる。クリーニング中、クリーニングテープT、T’は、連続的、又は間欠的に送りだされてよく、停止(すなわち、クリーニング中、クリーニングテープT、T’を送り出さない)していてもよい。
本発明の研磨粒子付き表面処理用シート(研磨粒子付きクリーニングテープ)は、他のクリーニング装置、クリーニング方法により実施されてもよい。例えば、研磨粒子付き表面処理用シートの原反を所望の形状にカットし、研磨粒子付きクリーニングパッドとして使用してもよい。定盤の表面に該クリーニングパッドを貼り付けた後に、定盤を回転させながら、クリーニングパッドの表面に洗浄液を供給し、クリーニングパッドの表面にワークの表面を押し付けることによって、ワークの表面の平坦仕上げ又はクリーニング等の処理を行うことができる。
実施例1
実施例1の研磨粒子付きクリーニングシートが製造された。基材として、ツイルの織物((株)東レ製、#14185、図5、図6参照)が使用された。該織物を構成する長繊維は、単糸繊度が約0.12デシテックス(単糸繊維径:約4μm)の三角断面形状ポリエステル繊維、及び単糸繊度が約0.55デシテックス(単糸繊維径:約10μm)の星型断面形状ナイロン繊維から成り、タテ密度約136本/インチ、ヨコ密度約170本/インチであった。織物の厚みは約300μmであった。
研磨粒子として、Al(AWA#10000)、平均粒径0.5μmが使用され、これを結合剤(バインダー)樹脂A(東洋紡績(株)製、バイロン10SS(溶液))、結合剤(バインダー)樹脂B(東洋紡績(株)製、バイロンGK680(溶液))、有機溶剤(市販のメチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル)、及び硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製、バーノック D750)と混合することにより、塗布溶液(塗料)が製造された。塗料の配合量及び固形分配合比が表2に示されている。
まず、結合剤樹脂A、結合剤樹脂Bを計量し、有機溶剤を加えてタンクに入れ、攪拌しながら、アルミナ研磨粒子を加え、約30分間攪拌することにより、アルミナ粒子を含有した混合溶液が製造された。次に、分散機を使用して、混合溶液中にアルミナ粒子を十分に分散させた後に、フィルターを使用して、濾過し、混合溶液から異物が除去された。さらに混合溶液を攪拌しながら、硬化剤を添加し、所定濃度になるまで有機溶剤をさらに加えることにより塗布溶液が製造された。このようにして製造された塗料の粘度は、約190cpであった。固形分の結合剤樹脂に対する研磨粒子の配合比率は76重量%であった。
上記の塗料が織布の表面に塗布された。塗料の塗布は、図10を参照して上述したグラビア塗工により行われた。
次に、乾燥炉を通して、織布の表面に塗布した塗布溶液を100℃で乾燥させ、塗布溶液を固化させ、織布の表面の単繊維にアルミナ研磨粒子が固着された。最後に、所定の幅、長さにカットされ、実施例1の研磨粒子付きクリーニングシートが製造された。
図8(a)は実施例1のシートのSEM写真である。アルミナ粒子が単糸の各々について、凹部を含む表面全体に固着されている。
実施例2
実施例2の研磨粒子付きクリーニングシートが製造された。実施例2の研磨粒子付きクリーニングシートは、研磨粒子として平均粒径1.0μmの真球状シリカ粒子が使用された。また、塗料は、実施例1と同じ材料を使用し、以下の表3のように配合比を変更して製造された。その他の条件は実施例1と同様であった。
図8(b)は実施例2のシートのSEM写真である。真球状シリカ粒子が単糸の表面の各々について、主に凹部に固着されている。
比較例1
比較例1のクリーニングシートは、実施例1と同じ織物を使用し、研磨粒子を含む塗料を塗布せずそのままの状態でクリーニングシートとした。
比較例2
比較例2のクリーニングシートとして、研磨粒子付き植毛シートが製造された。比較例2の研磨粒子付き植毛シートは、厚さ50μmのPET基材シートに、平均繊維径10μm、平均長さ500μm(500μm±100μm)のポリエステルからなる多数の繊維を植毛し、これに実施例1と同じ塗料を、同じ塗布方法を使用して塗布することにより製造された。
クリーニング試験
上記実施例1、2と比較例1、2のクリーニングシートをそれぞれカットしてクリーニングテープに加工し、これらを使用して、磁気ハードディスクの両面をクリーニングし、クリーニング前後の表面状態を調べることによりクリーニング試験が行われた。
クリーニング試験に使用された磁気ハードディスクは、2.5インチのガラス基板の表面を鏡面研磨した後、この鏡面研磨面に、下地層、磁性層、保護層、潤滑層を形成したものであった。試験用ハードディスクは、実施例1、2と比較例1、2の各々について一枚準備された。試験用ハードディスクの両面(A面、B面)のクリーニング試験は、図9を参照して上述した両面クリーニング装置を使用して行われた。クリーニング条件は下記の表4に示すとおりであった。
上記クリーニング条件において、クリーニング前後の試験用ハードディスクの表面に存在する異物(パーティクル)、突起及びスクラッチの個数と、表面粗さ(Ra、Rmax)がどのように変化したかについて試験された。異物(パーティクル)及び突起物の個数とスクラッチの個数は、光学表面解析装置(Candela Instruments社製、OSA5100)を使用し、5000rpmで回転する試験用ハードディスクの表面にレーザーを径方向に照射することにより計測された。平均表面粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax:突起部と谷部の高低差の最大値)は、白色光顕微鏡(Zygo社製、New View 5020)を使用し、試験用ハードディスクの表面の任意の0.87mm×0.87mmの範囲において計測された。
実施例1、2、及び比較例1、2のクリーニングシート(テープ)を使用して行ったクリーニング試験の結果が以下の表5〜8に示されている。表の左側がクリーニング前の試験用ハードディスクの両面の状態、表の右側がクリーニング後の試験用ハードディスクの該当する両面の状態である。
表5、表6に示されているとおり、本発明に係る実施例1、2のクリーニングシート(テープ)は、ハードディスクの表面を高度に平坦化しながら(例えば、クリーニング後の平均表面粗さが0.4nm)パーティクルや突起を除去することができ、高精度なバーニッシュ作用とワイピング作用とを兼ね備えるものであった。
比較例1のクリーニングシート(テープ)は研磨粒子を有しないため、表7に示されているとおり、突起や付着物を十分除去できないものであった。また、比較例2のクリーニングシート(テープ)は、最大高さ(Rmax)を減少させたが、スクラッチを増加させるものであるため、クリーニング工程(バーニッシュ工程、ワイピング工程)には適さなかった。
本発明の思想及び態様から離れることなく多くのさまざまな修正が可能であることは当業者の知るところである。したがって、言うまでもなく、本発明の態様は例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
10 織物
11 経糸
12 緯糸
13a 単糸1
13b 単糸2

Claims (8)

  1. ワークの表面を処理するための研磨粒子付き表面処理用シートであって、
    長繊維の織物から成る基材であって、前記織物を構成する経糸、緯糸のいずれか一方の前記織物の表面における被覆率が他方よりも高く、前記経糸、緯糸のうちの少なくとも前記表面における被覆率が高い経糸又は緯糸を構成する長繊維が複数の単糸から成る、ところの基材と、
    前記基材のワークの表面に接する部分に位置する複数の単糸の表面にバインダー樹脂により固着された研磨粒子と、
    から成り、
    前記複数の単糸が、表面に凹部が形成されて成る単糸を含み、前記研磨粒子が少なくとも前記凹部に固着されている、
    表面処理用シート。
  2. ワークの表面を処理するための研磨粒子付き表面処理用シートであって、
    長繊維の編物から成る基材であって、前記長繊維が複数の単糸から成る、ところの基材と、
    前記基材のワークの表面に接する部分に位置する複数の単糸の表面にバインダー樹脂により固着された研磨粒子と、
    から成り、
    前記複数の単糸が、表面に凹部が形成されて成る単糸を含み、前記研磨粒子が少なくとも前記凹部に固着されている、
    表面処理用シート。
  3. 前記凹部が、前記複数の単糸に含まれる単糸の横断面形状が頂点を三個以上有する多角形、又は突出部を三個以上有する多葉形であり、前記多角形の各々の頂点の間、又は前記多葉形の各々の突出部の間が凹むことにより形成されている、
    請求項1又は2に記載された表面処理用シート。
  4. 前記研磨粒子を固着された前記複数の単糸の各々が互いに固着されておらず、独立して動くことができる、
    請求項1ないし3のいずれかに記載された表面処理用シート。
  5. 前記複数の単糸の単糸繊度が0.01デシテックス以上、4.5デシテックス以下の範囲にあり、
    前記研磨粒子の平均粒径が10μm以下である、
    請求項1ないし4のいずれかに記載された表面処理用シート。
  6. 前記織物の表面における前記経糸又は前記緯糸の被覆率が70パーセント以上であり、
    前記ワークの表面を処理するときに、前記基材の前記ワークの表面に接する部分が、前記経糸及び前記緯糸のうち被覆率が高いいずれか一方であるように構成されている、
    請求項1に記載された表面処理用シート。
  7. 前記織物の組織が三原組織である、
    請求項1に記載された表面処理用シート。
  8. 前記織物の組織が斜文織又は朱子織である、
    請求項1に記載された表面処理用シート。

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