JP2014017071A - 二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器 - Google Patents

二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた電池特性を得ることが可能な二次電池を提供する。
【解決手段】正極はリチウム含有化合物を含む。リチウム含有化合物はLiM1PO4 およびLi1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 のうちの少なくとも一方を含むと共に、そのリチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmである。セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含む。高分子化合物層は、基材層のうちの正極と対向する面および負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、その無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである。
【選択図】図1

Description

本技術は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に電解液を備えた二次電池、ならびにその二次電池を用いた電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器に関する。
近年、携帯電話機または携帯情報端末機器(PDA)などの多様な電子機器が広く普及しており、その電気機器のさらなる小型化、軽量化および長寿命化が要望されている。これに伴い、電源として、電池、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、最近では、上記した電子機器に限らず、多様な他の用途への適用も検討されている。他の用途の代表例は、電子機器などに着脱可能に搭載される電池パック、電気自動車などの電動車両、家庭用電力サーバなどの電力貯蔵システム、または電動ドリルなどの電動工具である。
電池容量を得るためにさまざまな充放電原理を利用する二次電池が提案されており、中でも、電極反応物質の吸蔵放出を利用する二次電池、または電極反応物質の析出溶解を利用する二次電池などが注目されている。鉛電池およびニッケルカドミウム電池などよりも高いエネルギー密度が得られるからである。
二次電池は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に電解液を備えており、その正極は、充放電反応に関与する正極活物質を含んでいる。この二次電池の構成は電池特性に大きな影響を及ぼすため、その構成についてはさまざまな検討がなされている。
具体的には、大電流充放電による寿命の長期化を図るために、カーボンブラック複合体(繊維状炭素およびカーボンブラック)と共にオリビン形リン酸鉄リチウム(粒径=10nm〜150nm)を用いている(例えば、特許文献1参照。)。優れた充放電特性を得るために、一般式Lix y PO4 で表される薄片状のリチウム金属リン酸塩化合物(厚さ=10nm〜500nm)を用いている(例えば、特許文献2参照。)。式中、AはMn等であり、0<x<2および0<y≦1を満たす。
また、高電圧で充放電しても優れた信頼性を得るために、正極と樹脂層との間に、フッ化アルミニウムを含有する絶縁層を設けている(例えば、特許文献3参照。)。4.2Vを超える充電電圧を設定しても電池特性を向上させるために、正極と対向する側にポリフッ化ビニリデンなどの表面層を含むセパレータを用いている(例えば、特許文献4参照。)。電池特性の劣化を抑制するために、無機物を含有する樹脂層が基材層の表面に塗布形成されたセパレータを用いている(例えば、特許文献5参照。)。高温環境下において優れた安全性を得るために、耐熱性微粒子および熱可塑性樹脂を含むセパレータを用いている(例えば、特許文献6参照。)。この耐熱性微粒子は、粒子径が0.2μm以下である粒子と、粒子径が2μm以上である粒子とを含んでおり、それらの粒子の割合は、いずれも10体積%以下である。
特開2010−108889号公報 特許第4190930号明細書 国際公開第WO2009/078159号パンフレット 特開2006−286531号公報 特開2007−188777号公報 国際公開第WO2009/044741号パンフレット
近年、二次電池が適用される電子機器などは益々高性能化および多機能化しており、その電子機器などの使用頻度も高まっているため、二次電池の電池特性についてさらなる改善が求められている。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた電池特性を得ることが可能な二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器を提供することにある。
本技術の二次電池は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に電解液を備えたものである。正極はリチウム含有化合物を含む。このリチウム含有化合物は下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含むと共に、そのリチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmである。セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含む。この高分子化合物層は、基材層のうちの正極と対向する面および負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、その無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである。
LiM1PO4 ・・・(1)
(M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
(M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
また、本技術の電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具または電子機器は、上記した二次電池を備えたものである。
ここで、リチウム含有化合物の「平均一次粒子径」とは、いわゆる一次粒子の平均粒径であり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて以下の手順により算出される。最初に、粒子状(一次粒子)のリチウム含有化合物を観察して、その一次粒子の粒径(長径)を測定する。この測定時の観察倍率は、各一次粒子の外縁(輪郭)を特定可能であると共に一次粒子間の境界を識別可能である倍率であれば、任意でよい。続いて、複数の一次粒子について、上記した粒径の測定作業を繰り返す。この測定作業の回数(n数)は、統計学的な観点から300以上であることが好ましい。最後に、複数の測定値の平均値を算出して、その平均値を平均一次粒子径とする。なお、無機酸化物の「平均一次粒子径」の算出手順は、上記したリチウム含有化合物の平均一次粒子径の算出手順と同様である。
また、「塗布形成」とは、高分子化合物層の形成工程において、その高分子化合物層の形成材料(高分子材料および無機酸化物)が有機溶剤などに分散または溶解されたのち、その溶液が基材層の表面に塗布されてから乾燥されることを意味している。ただし、溶液中に基材層が浸漬されたのち、その基材層が溶液中から引き上げられてから乾燥されてもよい。
本技術の二次電池によれば、正極は、上記した組成および平均一次粒子径を有するリチウム含有化合物を含んでいる。また、セパレータは、多孔質の基材層とその基材層に塗布形成された高分子化合物層とを含んでいると共に、その高分子化合物層は、上記した平均一次粒子径を有する無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含んでいる。よって、優れた電池特性を得ることができる。また、本技術の二次電池を用いた電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器においても同様の効果を得ることができる。
本技術の一実施形態の二次電池の構成を表す斜視図である。 図1に示した巻回電極体のII−II線に沿った断面図である。 図2に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 二次電池の適用例(電池パック)の構成を表すブロック図である。 二次電池の適用例(電動車両)の構成を表すブロック図である。 二次電池の適用例(電力貯蔵システム)の構成を表すブロック図である。 二次電池の適用例(電動工具)の構成を表すブロック図である。
以下、本技術の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.二次電池
1−1.リチウムイオン二次電池
1−2.リチウム金属二次電池
2.二次電池の用途
2−1.電池パック
2−2.電動車両
2−3.電力貯蔵システム
2−4.電動工具
<1.二次電池>
<1−1.リチウムイオン二次電池>
図1は、本技術の一実施形態の二次電池の分解斜視構成を表している。図2は、図1に示した巻回電極体10のII−II線に沿った断面を表しており、図3は、図2に示した巻回電極体10の一部を拡大している。
[二次電池の全体構成]
ここで説明する二次電池は、電極反応物質であるLi(リチウムイオン)の吸蔵放出により負極14の容量が得られるリチウム二次電池(リチウムイオン二次電池)である。
この二次電池は、例えば、図1に示したように、いわゆるラミネートフィルム型であり、フィルム状の外装部材20の内部に巻回電極体10が収納されている。巻回電極体10は、例えば、図2および図3に示したように、セパレータ15および電解質層16を介して正極13と負極14とが積層(対向)されてから巻回されたものである。この巻回電極体10では、正極13に正極リード11が取り付けられていると共に、負極14に負極リード12が取り付けられている。なお、巻回電極体10の最外周部は、保護テープ17により保護されている。
正極リード11および負極リード12は、例えば、外装部材20の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード11は、例えば、アルミニウムなどの導電性材料により形成されていると共に、負極リード12は、例えば、銅、ニッケルまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。これらの導電性材料は、例えば、薄板状または網目状になっている。
外装部材20は、例えば、融着層、金属層および表面保護層がこの順に積層されたラミネートフィルムである。このラミネートフィルムでは、例えば、融着層が巻回電極体10と対向するように、2枚のフィルムの融着層における外周縁部同士が融着されている。ただし、2枚のフィルムは、接着剤などにより貼り合わされていてもよい。融着層は、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのフィルムである。金属層は、例えば、アルミニウム箔などである。表面保護層は、例えば、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレートなどのフィルムである。
中でも、外装部材20は、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔およびナイロンフィルムがこの順に積層されたアルミラミネートフィルムであることが好ましい。ただし、外装部材20は、他の積層構造を有するラミネートフィルムでもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルムでもよいし、金属フィルムでもよい。
外装部材20と正極リード11および負極リード12との間には、外気の侵入を防止するために密着フィルム21が挿入されている。この密着フィルム21は、正極リード11および負極リード12に対して密着性を有する材料により形成されている。この密着性の材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂である。
[正極]
正極13は、正極集電体13Aの片面または両面に正極活物質層13Bを有している。なお、図2および図3では、正極活物質層13Bが正極集電体13Aの両面に設けられている場合を示している。
正極集電体13Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。
正極活物質層13Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能である正極材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、必要に応じて、正極結着剤または正極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
正極材料は、リチウム含有化合物であることが好ましく、より具体的には、リチウム遷移金属複合酸化物またはリチウム遷移金属リン酸化合物であることが好ましい。エネルギー密度が向上するため、高い電池容量が得られるからである。リチウム遷移金属複合酸化物とは、Liと1または2以上の遷移金属元素とを構成元素として含む酸化物であると共に、リチウム遷移金属リン酸化合物は、Liと1または2以上の遷移金属元素とを構成元素として含むリン酸化合物である。
このリチウム含有化合物は、下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のいずれか一方または双方を含んでいる。他の化学的構造を有するリチウム含有化合物とは異なり、後述する平均一次粒子径の条件を満たしていることで、優れた電池特性が得られるからである。
LiM1PO4 ・・・(1)
(M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
(M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
式(1)に示したリチウム含有化合物は、Liと遷移金属元素(M1)とを構成元素として含むリチウム遷移金属リン酸化合物であり、いわゆるオリビン型の結晶構造を有している。M1の種類は、Fe、MnおよびCoのうちのいずれか1種類または2種類以上であれば、特に限定されない。このリチウム遷移金属リン酸化合物の具体例は、LiFePO4 、LiMnPO4 、LiCoPO4 またはLiFe0.5 Mn0.5 PO4 などであり、他の化合物でもよい。
式(2)に示したリチウム含有化合物は、Liと遷移金属元素(Mn、NiおよびCo)と他の元素(M2)とを構成元素として含むリチウム遷移金属複合酸化物であり、いわゆる層状岩塩型の結晶構造を有している。このリチウム遷移金属複合酸化物は、特に、aが取り得る値の範囲から明らかなように、いわゆるリチウムリッチである。なお、b〜dが取り得る値の範囲から明らかように、MnおよびNiは必須の構成元素であるが、Coは必須の構成元素でない。このため、リチウム含有化合物は、必ずMnおよびNiを構成元素として含んでいるが、CoおよびM2を構成元素として含んでいてもいなくてもよい。M2の種類は、Mg、Al、Zn、TiおよびVのうちのいずれか1種類または2種類以上であれば、特に限定されない。このリチウム遷移金属複合酸化物の具体例は、Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Al0.012 、Li1.13(Mn0.5 Ni0.2 Co0.3 0.87Al0.012 、Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Mg0.012 、Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Zn0.012 、Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Ti0.012 またはLi1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.870.012 などであり、他の化合物でもよい。
なお、上記した「他の化学的構造を有するリチウム含有化合物」とは、例えば、式(1)および式(2)に示した化学的構造を有していないリチウム含有化合物である。具体的には、例えば、スピネル型の結晶構造を有するリチウム含有化合物、または層状岩塩型の結晶構造を有するがリチウムリッチでないリチウム含有化合物などである。前者のリチウム含有化合物の具体例は、LiMn2 4 などであると共に、後者のリチウム含有化合物の具体例は、LiCoO2 、LiNiO2 またはLiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 などである。
このリチウム含有化合物の一次粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は、一般的なリチウム含有化合物の平均一次粒子径と比較して微細であり、具体的には、約0.05μm〜1μmである。リチウム含有化合物の平均一次粒子径が適正化されるため、優れた電池特性が得られるからである。詳細には、平均一次粒子径が0.05μmよりも小さいと、表面積の増加に起因してリチウム含有化合物の反応性が高くなるため、サイクル特性が低下すると共に、二次電池が膨れやすくなる。一方、平均一次粒子径が1μmよりも大きいと、リチウムの反応速度が著しく低下するため、負荷特性が低下する。このリチウム含有化合物の「平均一次粒子径」とは、上記したように、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察結果(複数の粒径の測定結果)に基づいて算出される一次粒子の粒径(長径)の平均値である。この平均値を算出するための測定数は、300以上であることが好ましく、ここでは300とする。
なお、正極活物質層13Bは、正極活物質として上記したリチウム含有化合物を含んでいれば、必要に応じて、さらに他の種類のリチウム含有化合物を含んでいてもよい。このような他のリチウム含有化合物は、例えば、上記したスピネル型の結晶構造有するリチウム含有化合物、または層状岩塩型の結晶構造を有するがリチウムリッチでないリチウム含有化合物などである。また、他の種類のリチウム含有化合物は、例えば、酸化物、二硫化物、カルコゲン化物または導電性高分子などでもよい。酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムまたは二酸化マンガンなどである。二硫化物は、例えば、二硫化チタンまたは硫化モリブデンなどである。カルコゲン化物は、例えば、セレン化ニオブなどである。導電性高分子は、例えば、硫黄、ポリアニリンまたはポリチオフェンなどである。
正極結着剤は、例えば、合成ゴムまたは高分子材料などのいずれか1種類または2種類以上である。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンなどである。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデンまたはポリイミドなどである。
正極導電剤は、例えば、炭素材料などのいずれか1種類または2種類以上である。この炭素材料は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックまたはケチェンブラックなどである。なお、正極導電剤は、導電性の材料であれば、金属材料または導電性高分子などでもよい。
[負極]
負極14は、負極集電体14Aの片面または両面に負極活物質層14Bを有している。なお、図2および図3では、負極活物質層14Bが負極集電体14Aの両面に設けられている場合を示している。
負極集電体14Aは、例えば、銅、ニッケルまたはステンレスなどの導電性材料により形成されている。この負極集電体14Aの表面は、粗面化されていることが好ましい。いわゆるアンカー効果により、負極集電体14Aに対する負極活物質層14Bの密着性が向上するからである。この場合には、少なくとも負極活物質層14Bと対向する領域において、負極集電体14Aの表面が粗面化されていればよい。粗面化の方法は、例えば、電解処理を利用して微粒子を形成する方法などである。この電解処理とは、電解槽中において電解法を用いて負極集電体14Aの表面に微粒子を形成して凹凸を設ける方法である。電解法により作製された銅箔は、一般的に、電解銅箔と呼ばれている。
負極活物質層14Bは、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能である負極材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、必要に応じて、負極結着剤または負極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。負極結着剤および負極導電剤に関する詳細は、例えば、正極結着剤および正極導電剤と同様である。ただし、充電途中において負極14にリチウム金属が意図せずに析出することを防止するために、負極材料の充電可能な容量は、正極13の放電容量よりも大きいことが好ましい。すなわち、リチウムイオンを吸蔵放出可能である負極材料の電気化学当量は、正極13の電気化学当量よりも大きくなっていることが好ましい。
負極材料は、例えば、炭素材料である。リチウムイオンの吸蔵放出時における結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度および優れたサイクル特性が得られるからである。また、炭素材料は負極導電剤としても機能するからである。この炭素材料は、例えば、易黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が約0.37nm以上の難黒鉛化性炭素、または(002)面の面間隔が約0.34nm以下の黒鉛などである。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭またはカーボンブラック類などである。このコークス類は、ピッチコークス、ニードルコークスまたは石油コークスなどを含む。有機高分子化合物焼成体は、フェノール樹脂またはフラン樹脂などの高分子化合物が適当な温度で焼成(炭素化)されたものである。この他、炭素材料は、約1000℃以下の温度で熱処理された低結晶性炭素または非晶質炭素でもよい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状または鱗片状のいずれでもよい。
また、負極材料は、例えば、金属元素または半金属元素のいずれか1種類または2種類を構成元素として含む材料(金属系材料)である。高いエネルギー密度が得られるからである。この金属系材料は、単体、合金または化合物でもよいし、それらの2種類以上でもよいし、それらの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に有するものでもよい。なお、合金には、2種類以上の金属元素からなる材料に加えて、1種類以上の金属元素と1種類以上の半金属元素とを含む材料も含まれる。また、合金は、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、またはそれらの2種類以上の共存物などがある。
上記した金属元素または半金属元素は、例えば、Liと合金を形成可能である金属元素または半金属元素のいずれか1種類または2種類以上である。具体的には、例えば、Mg、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Bi、Cd、Ag、Zn、Hf、Zr、Y、PdまたはPtなどである。中でも、SiおよびSnのうちの少なくとも一方が好ましい。リチウムイオンを吸蔵放出する能力が優れているため、高いエネルギー密度が得られるからである。
SiおよびSnのうちの少なくとも一方を構成元素として含む材料は、SiまたはSnの単体、合金または化合物でもよいし、それらの2種類以上でもよいし、それらの1種類または2種類以上の相を少なくとも一部に有するものでもよい。なお、単体とは、あくまで一般的な意味合いでの単体(微量の不純物を含んでいてもよい)であり、必ずしも純度100%を意味しているわけではない。
Siの合金は、例えば、Si以外の構成元素として、Sn、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、SbまたはCrなどのいずれか1種類または2種類以上の元素を含んでいる。Siの化合物は、例えば、Si以外の構成元素として、CまたはOなどのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、Siの化合物は、例えば、Si以外の構成元素として、Siの合金について説明した元素のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
Siの合金または化合物は、例えば、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、Si2 2 O、SiOv (0<v≦2)、またはLiSiOなどである。なお、SiOv におけるvは、0.2<v<1.4でもよい。
Snの合金は、例えば、Sn以外の構成元素として、Si、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、SbまたはCrなどの元素のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。Snの化合物は、例えば、Sn以外の構成元素として、CまたはOなどのいずれか1種類または2種類以上の構成元素として含んでいる。なお、Snの化合物は、例えば、Sn以外の構成元素として、Snの合金について説明した元素のいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。Snの合金または化合物は、例えば、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSnOまたはMg2 Snなどである。
また、Snを含む材料は、例えば、Snを第1構成元素とし、それに加えて第2および第3構成元素を含む材料であることが好ましい。第2構成元素は、例えば、Co、Fe、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Ce、Hf、Ta、W、BiまたはSiなどのいずれか1種類または2種類以上である。第3構成元素は、例えば、B、C、AlおよびPなどのいずれか1種類または2種類以上である。第2および第3構成元素を含むことで、高い電池容量および優れたサイクル特性などが得られるからである。
中でも、Sn、CoおよびCを構成元素として含む材料(SnCoC含有材料)が好ましい。SnCoC含有材料の組成としては、例えば、Cの含有量が9.9質量%〜29.7質量%、SnおよびCoの含有量の割合(Co/(Sn+Co))が20質量%〜70質量%である。高いエネルギー密度が得られるからである。
このSnCoC含有材料は、Sn、CoおよびCを含む相を有しており、その相は、低結晶性または非晶質であることが好ましい。この相は、Liと反応可能な反応相であり、その反応相の存在により優れた特性が得られる。この相のX線回折により得られる回折ピークの半値幅は、特定X線としてCuKα線を用いると共に挿引速度を1°/minとした場合、回折角2θで1°以上であることが好ましい。リチウムイオンがより円滑に吸蔵放出されると共に、電解液に対する反応性が低減するからである。なお、SnCoC含有材料は、低結晶性または非晶質の相に加えて、各構成元素の単体または一部を含む相を含んでいる場合もある。
X線回折により得られた回折ピークがLiと反応可能な反応相に対応するものであるか否かは、Liとの電気化学的反応の前後におけるX線回折チャートを比較すれば容易に判断できる。例えば、Liとの電気化学的反応の前後で回折ピークの位置が変化すれば、Liと反応可能な反応相に対応するものである。この場合には、例えば、低結晶性または非晶質の反応相の回折ピークが2θ=20°〜50°の間に見られる。このような反応相は、例えば、上記した各構成元素を有しており、主に、Cの存在に起因して低結晶化または非晶質化しているものと考えられる。
SnCoC含有材料では、構成元素であるCの少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。Snなどの凝集または結晶化が抑制されるからである。元素の結合状態については、例えば、X線光電子分光法(XPS)で確認できる。市販の装置では、例えば、軟X線としてAl−Kα線またはMg−Kα線などが用いられる。Cの少なくとも一部が金属元素または半金属元素などと結合している場合には、Cの1s軌道(C1s)の合成波のピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。なお、Au原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正されているものとする。この際、通常、物質表面には表面汚染炭素が存在しているため、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、それをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形が表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形で得られるため、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析して、両者のピークを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
なお、SnCoC含有材料は、構成元素がSn、CoおよびCだけである材料(SnCoC)に限られない。すなわち、SnCoC含有材料は、例えば、必要に応じて、さらにSi、Fe、Ni、Cr、In、Nb、Ge、Ti、Mo、Al、P、GaまたはBiなどのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでいてもよい。
このSnCoC含有材料の他、Sn、Co、FeおよびCを構成元素として含む材料(SnCoFeC含有材料)も好ましい。このSnCoFeC含有材料の組成は、任意である。一例を挙げると、Feの含有量を少なめに設定する場合の組成は、以下の通りである。Cの含有量は9.9質量%〜29.7質量%、Feの含有量は0.3質量%〜5.9質量%、SnおよびCoの含有量の割合(Co/(Sn+Co))は30質量%〜70質量%である。また、Feの含有量を多めに設定する場合の組成は、以下の通りである。Cの含有量は11.9質量%〜29.7質量%、Sn、CoおよびFeの含有量の割合((Co+Fe)/(Sn+Co+Fe))は26.4質量%〜48.5質量%、CoおよびFeの含有量の割合(Co/(Co+Fe))は9.9質量%〜79.5質量%である。このような組成範囲で高いエネルギー密度が得られるからである。このSnCoFeC含有材料の物性(半値幅など)は、上記したSnCoC含有材料と同様である。
この他、負極材料は、例えば、金属酸化物または高分子化合物などでもよい。金属酸化物は、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデンなどである。高分子化合物は、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロールなどである。
負極活物質層14Bは、例えば、塗布法、気相法、液相法、溶射法または焼成法(焼結法)、あるいはそれらの2種類以上の方法により形成されている。塗布法とは、例えば、粒子(粉末)状の負極活物質を負極結着剤などと混合したのち、有機溶剤などの溶媒に分散させてから負極集電体14Aに塗布する方法である。気相法は、例えば、物理堆積法または化学堆積法などである。より具体的には、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長、化学気相成長(CVD)法またはプラズマ化学気相成長法などである。液相法は、例えば、電解鍍金法または無電解鍍金法などである。溶射法とは、溶融状態または半溶融状態の負極活物質を負極集電体14Aに噴き付ける方法である。焼成法とは、例えば、塗布法を用いて負極集電体14Aに塗布したのち、負極結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。この焼成法としては、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法またはホットプレス焼成法などの公知の手法を用いることができる。
この二次電池では、上記したように、充電途中において負極14にリチウム金属が意図せずに析出することを防止するために、リチウムイオンを吸蔵放出可能である負極材料の電気化学当量は正極の電気化学当量よりも大きくなっていることが好ましい。また、完全充電時の開回路電圧(すなわち電池電圧)が4.25V以上であると、4.2Vである場合と比較して、同じ正極活物質を用いても単位質量当たりのリチウムイオンの放出量が多くなるため、それに応じて正極活物質と負極活物質との量が調整されている。これにより、高いエネルギー密度が得られるようになっている。
[セパレータ]
セパレータ15は、正極13と負極14とを隔離して、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ15は、図3に示したように、多孔質の基材層15Aと、その基材層15Aの片面または両面に塗布形成された高分子化合物層15Bとを含んでいる。正極13および負極14に対するセパレータ15の密着性が向上するため、巻回電極体10の歪みが抑制されるからである。これにより、電解液の分解反応が抑制されると共に、基材層15Aに含浸された電解液の漏液も抑制されるため、充放電を繰り返しても抵抗が上昇しにくくなると共に、二次電池が膨れにくくなる。
上記した「片面」とは、基材層15Aのうちの正極13と対向する面、または負極14と対向する面のうちのいずれか一方であり、「両面」とは、正極13と対向する面、および負極14と対向する面の双方である。なお、図3では、高分子化合物層15Bが基材層15Aの両面に設けられている場合を示している。
基材層15Aは、例えば、合成樹脂またはセラミックなどの多孔質膜であり、2種類以上の多孔質膜が積層された積層膜でもよい。合成樹脂の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィンなどの高分子材料のいずれか1種類または2種類以上である。このポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリテトラフルオロエチレンなどであり、他の高分子材料でもよい。
高分子化合物層15Bは、上記したように、基材層15Aの表面に塗布形成されている。高分子化合物層15Bの形成工程において、溶解状態または分散状態にある高分子化合物層15Bの形成材料(後述する高分子材料)が多孔質の基材層15Aに含浸するため、基材層15Aに対する高分子化合物層15Bの密着性などが向上するからである。この「塗布形成」とは、上記したように、高分子化合物層15Bの形成材料(後述する高分子材料および無機酸化物)が有機溶剤などに分散または溶解されたのち、その溶液が基材層15Aの表面に塗布されてから乾燥されることを意味している。ただし、溶液中に基材層15Aが浸漬されたのち、その基材層15Aが溶液中から引き上げられてから乾燥されてもよい。
この高分子化合物層15Bは、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含んでいる。無機酸化物の粒子が分散されていない場合と比較して、サイクル特性および電池膨れ特性などがより向上するからである。
高分子材料の種類は、特に限定されないが、中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルホルマール、ポリアクリル酸エステルまたはメタクリル酸メチルなどのいずれか1種類または2種類以上であることが好ましい。物理的強度に優れていると共に、電気化学的に安定だからである。ただし、高分子材料は、上記以外の材料でもよい。
無機酸化物の種類は、特に限定されないが、中でも、酸化アルミニウム、酸化ケイ素または酸化チタンなどのいずれか1種類または2種類以上であることが好ましい。より高い効果が得られるからである。この無機酸化物の粒子を含む高分子化合物層15Bを形成するためには、例えば、上記した塗布用または浸漬用の溶液中に無機酸化物の粒子を分散させればよい。なお、高分子化合物層15B中における無機酸化物の含有量は、任意でよい。
この無機酸化物の一次粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は、約0.01μm〜5μmである。平均一次粒子径が範囲外である場合と比較して、電池膨れ特性がより向上するからである。なお、無機酸化物の「平均一次粒子径」とは、いわゆる一次粒子の平均粒径であり、その測定手順は、上記したリチウム含有化合物の平均一次粒子径の測定手順と同様である。
[電解質層]
電解質層16は、高分子化合物により電解液が保持されたものであり、いわゆるゲル状の電解質である。高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に、電解液の漏液が防止されるからである。この電解質層16は、必要に応じて、添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。
高分子化合物は、高分子材料のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この高分子材料は、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリフッ化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、またはポリカーボネートなどであり、この他、共重合体でもよい。この共重合体は、例えば、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体などである。中でも、ポリフッ化ビニリデン、またはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体が好ましく、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。電気化学的に安定だからである。
電解液は、溶媒および電解質塩を含んでおり、必要に応じて、添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。
溶媒は、有機溶媒などの非水溶媒のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この非水溶媒は、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、ラクトン、鎖状カルボン酸エステルまたはニトリルなどである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。環状炭酸エステルは、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレンまたは炭酸ブチレンなどであり、鎖状炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸メチルプロピルなどである。ラクトンは、例えば、γ−ブチロラクトンまたはγ−バレロラクトンなどである。カルボン酸エステルは、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルまたはトリメチル酢酸エチルなどである。ニトリルは、例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリルまたは3−メトキシプロピオニトリルなどである。
この他、非水溶媒は、例えば、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチル、またはジメチルスルホキシドなどでもよい。同様の利点が得られるからである。
中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種が好ましい。より優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。この場合には、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルまたは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
特に、溶媒は、不飽和環状炭酸エステルのいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。充放電時において主に負極14の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。この不飽和環状炭酸エステルとは、1または2以上の不飽和炭素結合(炭素間二重結合)を有する環状炭酸エステルである。不飽和環状炭酸エステルの具体例は、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレンまたは炭酸メチレンエチレンなどであり、これ以外の化合物でもよい。溶媒中における不飽和環状炭酸エステルの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%〜10重量%である。
また、溶媒は、ハロゲン化炭酸エステルのいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。充放電時において主に負極14の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。このハロゲン化炭酸エステルは、1または2以上のハロゲンを構成元素として含む環状または鎖状の炭酸エステルである。環状のハロゲン化炭酸エステルは、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。鎖状のハロゲン化炭酸エステルは、例えば、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)または炭酸ジフルオロメチルメチルなどである。ただし、ハロゲン化炭酸エステルの具体例は、上記以外の化合物でもよい。溶媒中におけるハロゲン化炭酸エステルの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.01重量%〜50重量%である。
また、溶媒は、スルトン(環状スルホン酸エステル)を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。このスルトンは、例えば、プロパンスルトンまたはプロペンスルトンなどであり、これ以外の化合物でもよい。溶媒中におけるスルトンの含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。
さらに、溶媒は、酸無水物を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。この酸無水物は、例えば、例えば、カルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、またはカルボン酸スルホン酸無水物などである。カルボン酸無水物は、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸または無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物は、例えば、無水エタンジスルホン酸または無水プロパンジスルホン酸などである。カルボン酸スルホン酸無水物は、例えば、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸または無水スルホ酪酸などである。ただし、酸無水物の具体例は、上記以外の化合物でもよい。溶媒中における酸無水物の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.5重量%〜5重量%である。
ここで、ゲル状の電解質である電解質層16において、電解液の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有する材料まで含む広い概念である。よって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの塩のいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、電解質塩は、例えば、リチウム塩以外の他の塩(例えばリチウム塩以外の軽金属塩)を含んでいてもよい。
このリチウム塩は、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6 5 4 )、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3 SO3 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4 )、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2 SiF6 )、塩化リチウム(LiCl)、または臭化リチウム(LiBr)であり、これ以外の化合物でもよい。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 およびLiAsF6 のうちの少なくとも1種類が好ましく、LiPF6 がより好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。
電解質塩の含有量は、特に限定されないが、中でも、溶媒に対して0.3mol/kg〜3.0mol/kgであることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
なお、ゲル状の電解質層16に代えて、電解液をそのまま用いてもよい。この場合には、電解液がセパレータ15に含浸される。
[二次電池の動作]
この二次電池では、例えば、充電時において、正極13から放出されたリチウムイオンが電解質層16を介して負極14に吸蔵されると共に、放電時において、負極14から放出されたリチウムイオンが電解質層16を介して正極13に吸蔵される。
[二次電池の製造方法]
ゲル状の電解質層16を備えた二次電池は、例えば、以下の3種類の手順により製造される。
第1手順では、最初に、正極13を作製する。上記した組成および平均一次粒子径を有するリチウム含有化合物を含む正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合して、正極合剤とする。続いて、有機溶剤などに正極合剤を分散させて、ペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、正極集電体13Aの両面に正極合剤スラリーを塗布してから乾燥させて、正極活物質層13Bを形成する。続いて、必要に応じて加熱しながら、ロールプレス機などを用いて正極活物質層13Bを圧縮成型する。この場合には、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。
また、上記した正極13と同様の手順により、負極14を作製する。負極活物質と、必要に応じて負極結着剤および負極導電剤などとが混合された負極合剤を有機溶剤などに分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、負極集電体14Aの両面に負極合剤スラリーを塗布してから乾燥させて負極活物質層14Bを形成したのち、必要に応じて負極活物質層14Bを圧縮成型する。
また、セパレータ15を形成する。高分子材料を有機溶剤などに溶解させたのち、その溶液中に無機酸化物の粒子を分散させて、ペースト状の高分子スラリーとする。続いて、基材層15Aの両面に高分子スラリーを塗布してから乾燥させて、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含む高分子化合物層15Bを形成する。
また、電解液と、高分子化合物と、有機溶剤などとを含む前駆溶液を調製したのち、その前駆溶液を正極13および負極14に塗布して、ゲル状の電解質層16を形成する。続いて、溶接法などを用いて正極集電体13Aに正極リード11を取り付けると共に、同様に溶接法などを用いて負極集電体14Aに負極リード12を取り付ける。続いて、正極13と負極14とをセパレータ15を介して積層してから巻回させて巻回電極体10を作製したのち、その最外周部に保護テープ17を貼り付ける。続いて、2枚のフィルム状の外装部材20の間に巻回電極体10を挟み込んだのち、熱融着法などを用いて外装部材20の外周縁部同士を接着させて、その外装部材20の内部に巻回電極体10を封入する。この場合には、正極リード11および負極リード12と外装部材20との間に密着フィルム21を挿入する。
第2手順では、正極13に正極リード11を取り付けると共に、負極14に負極リード12を取り付ける。続いて、セパレータ15を介して正極13および負極14を積層してから巻回させて、巻回電極体10の前駆体である巻回体を作製したのち、その最外周部に保護テープ17を貼り付ける。続いて、2枚のフィルム状の外装部材20の間に巻回体を挟み込んだのち、熱融着法などを用いて一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を接着させて、袋状の外装部材20の内部に巻回体を収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製して袋状の外装部材20の内部に注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材20を密封する。続いて、モノマーを熱重合させて、高分子化合物を形成する。これにより、ゲル状の電解質層16が形成される。
第3手順では、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ15を用いることを除き、上記した第2手順と同様に、巻回体を作製して袋状の外装部材20の内部に収納する。このセパレータ15に塗布する高分子化合物は、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体(単独重合体、共重合体または多元共重合体)などである。具体的には、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体、またはフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。なお、フッ化ビニリデンを成分とする重合体と一緒に、他の1種類または2種類以上の高分子化合物を用いてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材20の内部に注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材20の開口部を密封する。続いて、外装部材20に加重をかけながら加熱して、高分子化合物を介してセパレータ15を正極13および負極14に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸するため、その高分子化合物がゲル化して電解質層16が形成される。
[二次電池の作用および効果]
このリチウムイオン二次電池によれば、正極13は、上記した組成および平均一次粒子径を有するリチウム含有化合物を含んでいる。また、セパレータ15は、多孔質の基材層15Aと、その基材層15Aに塗布形成された高分子化合物層15Bとを含んでおり、その高分子化合物層15Bは、上記した平均一次粒子径を有する無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含んでいる。この場合には、上記したように、リチウム含有化合物の組成および平均一次粒子径が適正化されると共に、無機酸化物の平均一次粒子径が適正化されるため、高いエネルギー密度が得られると共に、サイクル特性および負荷特性が向上する。しかも、基材層15Aに対する高分子化合物層15Bの密着性が向上するため、サイクル特性などがより向上すると共に、充放電を繰り返しても二次電池が膨れにくくなる。よって、優れた電池特性を得ることができる。
特に、高分子化合物層15Bの高分子材料がポリフッ化ビニリデンなどであり、または無機酸化物が酸化アルミニウムなどであれば、より高い効果を得ることができる。
なお、正極13、負極14、セパレータ15および電解液がフィルム状の外装部材20の内部に収納されているラミネートフィルム型の二次電池では、電解液の分解反応時などに発生するガスに起因して、電池膨れがより顕在化しやすい傾向にある。よって、電池膨れ特性が向上する観点において、ラミネートフィルム型の二次電池ではより高い効果を得ることができる。
<1−2.リチウム金属二次電池>
ここで説明する二次電池は、負極の容量がリチウム金属の析出および溶解により表されるリチウム二次電池(リチウム金属二次電池)である。この二次電池は、負極活物質層14Bがリチウム金属により構成されていることを除き、上記したリチウムイオン二次電池と同様の構成を有していると共に、同様の手順により製造される。ただし、セパレータ15には、液状の電解質である電解液が含浸されている。
この二次電池は、負極活物質としてリチウム金属を用いているため、高いエネルギー密度が得られるようになっている。負極活物質層14Bは、組み立て時から既に存在するようにしてもよいが、組み立て時には存在せず、充電時に析出したリチウム金属により構成されるようにしてもよい。また、負極活物質層14Bを集電体としても利用して、負極集電体14Aを省略してもよい。
この二次電池では、例えば、充電時において、正極13からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極集電体14Aの表面にリチウム金属となって析出する。また、例えば、放電時において、負極活物質層14Bからリチウム金属がリチウムイオンとなって溶出し、電解液を介して正極13に吸蔵される。
このリチウム金属二次電池によれば、正極13およびセパレータ15が上記したリチウムイオン二次電池と同様の構成を有しているので、そのリチウムイオン二次電池と同様の理由により、優れた電池特性を得ることができる。これ以外の作用および効果は、リチウムイオン二次電池と同様である。
<2.二次電池の用途>
次に、上記した二次電池の適用例について説明する。
二次電池の用途は、その二次電池を駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして使用可能な機械、機器、器具、装置またはシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。なお、電源として使用される二次電池は、主電源(優先的に使用される電源)でもよいし、補助電源(主電源に代えて、または主電源から切り換えて使用される電源)でもよい。二次電池を補助電源として使用する場合、主電源の種類は二次電池に限られない。
二次電池の用途は、例えば、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビまたは携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源またはメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルまたは電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに用いられる電池パックである。ペースメーカまたは補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。もちろん、上記以外の用途でもよい。
中でも、二次電池は、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具または電子機器などに適用されることが有効である。優れた電池特性が要求されるため、本技術の二次電池を用いることで、有効に性能向上を図ることができるからである。なお、電池パックは、二次電池を用いた電源であり、いわゆる組電池などである。電動車両は、二次電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、二次電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。例えば、家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されており、その電力が必要に応じて消費されるため、家庭用の電気製品などが使用可能になる。電動工具は、二次電池を駆動用の電源として可動部(例えばドリルなど)が可動する工具である。電子機器は、二次電池を駆動用の電源(電力供給源)として各種機能を発揮する機器である。
ここで、二次電池のいくつかの適用例について具体的に説明する。なお、以下で説明する各適用例の構成はあくまで一例であるため、適宜変更可能である。
<2−1.電池パック>
図4は、電池パックのブロック構成を表している。この電池パックは、例えば、プラスチック材料などにより形成された筐体60の内部に、制御部61と、電源62と、スイッチ部63と、電流測定部64と、温度検出部65と、電圧検出部66と、スイッチ制御部67と、メモリ68と、温度検出素子69と、電流検出抵抗70と、正極端子71および負極端子72とを備えている。
制御部61は、電池パック全体の動作(電源62の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、中央演算処理装置(CPU)などを含んでいる。電源62は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。この電源62は、例えば、2以上の二次電池を含む組電池であり、それらの二次電池の接続形式は、直列でもよいし、並列でもよいし、双方の混合型でもよい。一例を挙げると、電源62は、2並列3直列となるように接続された6つの二次電池を含んでいる。
スイッチ部63は、制御部61の指示に応じて電源62の使用状態(電源62と外部機器との接続の可否)を切り換えるものである。このスイッチ部63は、例えば、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオード(いずれも図示せず)などを含んでいる。充電制御スイッチおよび放電制御スイッチは、例えば、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体スイッチである。
電流測定部64は、電流検出抵抗70を用いて電流を測定して、その測定結果を制御部61に出力するものである。温度検出部65は、温度検出素子69を用いて温度を測定して、その測定結果を制御部61に出力するようになっている。この温度測定結果は、例えば、異常発熱時に制御部61が充放電制御を行う場合や、制御部61が残容量の算出時に補正処理を行うために用いられる。電圧検出部66は、電源62中における二次電池の電圧を測定して、その測定電圧アナログ−デジタル(AD)変換して制御部61に供給するものである。
スイッチ制御部67は、電流測定部64および電圧測定部66から入力される信号に応じて、スイッチ部63の動作を制御するものである。
このスイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過充電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(充電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に充電電流が流れないように制御する。これにより、電源62では、放電用ダイオードを介して放電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、充電時に大電流が流れた場合に、充電電流を遮断するようになっている。
また、スイッチ制御部67は、例えば、電池電圧が過放電検出電圧に到達した場合に、スイッチ部63(放電制御スイッチ)を切断して、電源62の電流経路に放電電流が流れないように制御する。これにより、電源62では、充電用ダイオードを介して充電のみが可能になる。なお、スイッチ制御部67は、例えば、放電時に大電流が流れた場合に、放電電流を遮断するようになっている。
なお、二次電池では、例えば、過充電検出電圧は4.20V±0.05Vであり、過放電検出電圧は2.4V±0.1Vである。
メモリ68は、例えば、不揮発性メモリであるEEPROMなどである。このメモリ68には、例えば、制御部61により演算された数値や、製造工程段階で測定された二次電池の情報(例えば、初期状態の内部抵抗など)が記憶されている。なお、メモリ68に二次電池の満充電容量を記憶させておけば、制御部10が残容量などの情報を把握できる。
温度検出素子69は、電源62の温度を測定して、その測定結果を制御部61に出力するものであり、例えば、サーミスタなどである。
正極端子71および負極端子72は、電池パックを用いて稼働される外部機器(例えばノート型のパーソナルコンピュータなど)や、電池パックを充電するために用いられる外部機器(例えば充電器など)に接続される端子である。電源62の充放電は、正極端子71および負極端子72を介して行われる。
<2−2.電動車両>
図5は、電動車両の一例であるハイブリッド自動車のブロック構成を表している。この電動車両は、例えば、金属製の筐体73の内部に、制御部74と、エンジン75と、電源76と、駆動用のモータ77と、差動装置78と、発電機79と、トランスミッション80およびクラッチ81と、インバータ82,83と、各種センサ84とを備えている。この他、電動車両は、例えば、差動装置78およびトランスミッション80に接続された前輪用駆動軸85および前輪86と、後輪用駆動軸87および後輪88とを備えている。
この電動車両は、エンジン75またはモータ77のいずれか一方を駆動源として走行可能である。エンジン75は、主要な動力源であり、例えば、ガソリンエンジンなどである。エンジン75を動力源とする場合、エンジン75の駆動力(回転力)は、例えば、駆動部である差動装置78、トランスミッション80およびクラッチ81を介して前輪86または後輪88に伝達される。なお、エンジン75の回転力は発電機79にも伝達され、その回転力により発電機79が交流電力を発生させると共に、その交流電力はインバータ83を介して直流電力に変換され、電源76に蓄積される。一方、変換部であるモータ77を動力源とする場合、電源76から供給された電力(直流電力)がインバータ82を介して交流電力に変換され、その交流電力によりモータ77が駆動する。このモータ77により電力から変換された駆動力(回転力)は、例えば、駆動部である差動装置78、トランスミッション80およびクラッチ81を介して前輪86または後輪88に伝達される。
なお、図示しない制動機構を介して電動車両が減速すると、その減速時の抵抗力がモータ77に回転力として伝達され、その回転力によりモータ77が交流電力を発生させるようにしてもよい。この交流電力はインバータ82を介して直流電力に変換され、その直流回生電力は電源76に蓄積されることが好ましい。
制御部74は、電動車両全体の動作を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源76は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。この電源76は、外部電源と接続され、その外部電源から電力供給を受けることで電力を蓄積可能になっていてもよい。各種センサ84は、例えば、エンジン75の回転数を制御したり、図示しないスロットルバルブの開度(スロットル開度)を制御するために用いられる。この各種センサ84は、例えば、速度センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサなどを含んでいる。
なお、上記では電動車両としてハイブリッド自動車について説明したが、電動車両は、エンジン75を用いずに電源76およびモータ77だけを用いて作動する車両(電気自動車)でもよい。
<2−3.電力貯蔵システム>
図6は、電力貯蔵システムのブロック構成を表している。この電力貯蔵システムは、例えば、一般住宅または商業用ビルなどの家屋89の内部に、制御部90と、電源91と、スマートメータ92と、パワーハブ93とを備えている。
ここでは、電源91は、例えば、家屋89の内部に設置された電気機器94に接続されていると共に、家屋89の外部に停車された電動車両96に接続可能になっている。また、電源91は、例えば、家屋89に設置された自家発電機95にパワーハブ93を介して接続されていると共に、スマートメータ92およびパワーハブ93を介して外部の集中型電力系統97に接続可能になっている。
なお、電気機器94は、例えば、1または2以上の家電製品を含んでおり、その家電製品は、例えば、冷蔵庫、エアコン、テレビまたは給湯器などである。自家発電機95は、例えば、太陽光発電機または風力発電機などの1種類または2種類以上である。電動車両96は、例えば、電気自動車、電気バイクまたはハイブリッド自動車などの1種類または2種類以上である。集中型電力系統97は、例えば、火力発電所、原子力発電所、水力発電所または風力発電所などの1種類または2種類以上である。
制御部90は、電力貯蔵システム全体の動作(電源91の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源91は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。スマートメータ92は、例えば、電力需要側の家屋89に設置されるネットワーク対応型の電力計であり、電力供給側と通信可能になっている。これに伴い、スマートメータ92は、例えば、必要に応じて外部と通信しながら、家屋89における需要・供給のバランスを制御し、効率的で安定したエネルギー供給を可能にするようになっている。
この電力貯蔵システムでは、例えば、外部電源である集中型電力系統97からスマートメータ92およびパワーハブ93を介して電源91に電力が蓄積されると共に、独立電源である太陽光発電機95からパワーハブ93を介して電源91に電力が蓄積される。この電源91に蓄積された電力は、制御部90の指示に応じて、必要に応じて電気機器94または電動車両96に供給されるため、その電気機器94が稼働可能になると共に、電動車両96が充電可能になる。すなわち、電力貯蔵システムは、電源91を用いて、家屋89内における電力の蓄積および供給を可能にするシステムである。
電源91に蓄積された電力は、任意に利用可能である。このため、例えば、電気使用量が安い深夜に集中型電力系統97から電源91に電力を蓄積しておき、その電源91に蓄積しておいた電力を電気使用量が高い日中に用いることができる。
なお、上記した電力貯蔵システムは、1戸(1世帯)ごとに設置されていてもよいし、複数戸(複数世帯)ごとに設置されていてもよい。
<2−4.電動工具>
図7は、電動工具のブロック構成を表している。この電動工具は、例えば、電動ドリルであり、プラスチック材料などにより形成された工具本体98の内部に、制御部99と、電源100とを備えている。この工具本体98には、例えば、可動部であるドリル部101が稼働(回転)可能に取り付けられている。
制御部99は、電動工具全体の動作(電源100の使用状態を含む)を制御するものであり、例えば、CPUなどを含んでいる。電源100は、1または2以上の二次電池(図示せず)を含んでいる。この制御物99は、図示しない動作スイッチの操作に応じて、必要に応じて電源100からドリル部101に電力を供給して可動させるようになっている。
本技術の具体的な実施例について、詳細に説明する。
(実験例1〜43)
以下の手順により、図1〜図3に示したラミネートフィルム型のリチウムイオン二次電池を作製した。
正極13を作製する場合には、最初に、後述する合成手順により、表1〜表3に示した組成および平均一次粒子径(μm)を有するリチウム含有化合物を準備した。このリチウム含有化合物の平均一次粒子径の算出手順(n数=300)は、上記した通りである。続いて、正極活物質(リチウム含有化合物)90質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン(PVDF))5質量部と、正極導電剤(黒鉛)5質量部とを混練(混練時間=1時間)して、正極合剤とした。続いて、正極合剤を有機溶剤(N−メチル−2−ピロリドン(NMP))に分散させて、ペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体13A(20μm厚のアルミニウム箔)の両面に正極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、正極活物質層13Bを形成した。最後に、正極活物質層13Bが形成された正極集電体13Aを帯状に切断したのち、真空乾燥(乾燥温度=100℃)した。
負極14を作製する場合には、最初に、負極活物質(黒鉛)97質量部と、負極結着剤(PVDF)3質量部とを混合して、負極合剤とした。続いて、負極合剤を有機溶剤(NMP)に分散させて、ペースト状の負極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体14A(15μm厚の電解銅箔)の両面に負極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて、負極活物質層14Bを形成した。最後に、負極活物質層14Bが形成された負極集電体14Aを帯状に切断したのち、真空乾燥(乾燥温度=100℃)した。
電解液を調製する場合には、溶媒に電解質塩(LiPF6 )を溶解させた。この溶媒は、炭酸エチレン(EC)と、炭酸エチルメチル(EMC)と、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)とを混合した混合溶媒である。この場合には、溶媒の混合比(質量比)をEC:EMC:FEC=39:60:1、溶媒と電解質塩との混合比(質量比)を溶媒:電解質塩=86:14とした。
セパレータ15を作製する場合には、最初に、表1〜表3に示した高分子材料(平均分子量=150000)を有機溶剤(NMP)に溶解させて、高分子スラリーとした。この高分子材料は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルホルマール(PVF)、ポリアクリル酸エステル(PMA)またはメタクリル酸メチル(MM)である。この場合には、混合比(質量比)を高分子材料:有機溶剤=10:90とした。なお、必要に応じて、表1〜表3に示した平均一次粒子径を有する無機酸化物の粒子を高分子スラリー中に分散させた。この無機酸化物は、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化ケイ素(SiO2 )または酸化チタン(TiO2 )である。この場合には、混合比(質量比)を高分子材料:無機酸化物=1:2とした。この無機酸化物の平均一次粒子径(μm)の算出手順(n数=300)は、上記した通りである。続いて、卓上コータを用いて、基材層15A(9μm厚の多孔質ポリエチレン(PE))の両面に高分子スラリーを塗布(塗布厚さ=2μm)した。最後に、水浴を用いて塗布膜を相分離させたのち、熱風乾燥して、多孔質の高分子化合物層15B(厚さ=4μm)を形成した。なお、比較のために、基材層15Aの両面に高分子化合物層15Bを形成せずに、その基材層15Aをそのままセパレータ15の代わりに用いた。また、基材層15Aの両面に、無機酸化物の粒子が分散されていない高分子化合物層15Bを形成した。
二次電池を組み立てる場合には、最初に、正極集電体13Aの一端にアルミニウム製の正極リード11を溶接すると共に、負極集電体14Aの一端にニッケル製の負極リード12を溶接した。続いて、正極13と、セパレータ15と、負極14と、セパレータ15とをこの順に積層してから長手方向に巻回させたのち、保護テープ17(粘着テープ)で巻き終わり部分を固定して、巻回電極体10の前駆体である巻回体を形成した。続いて、外装部材20の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺を除く外縁部同士を熱融着して、袋状の外装部材20の内部に巻回体を収納した。この外装部材20は、外側から、ナイロンフィルム(厚さ=30μm)と、Al箔(厚さ=40μm)と、無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ=30μm)とが積層された3層構造のラミネートフィルム(総厚=100μm)である。最後に、外装部材20の開口部から電解液2gを注入してセパレータ15に含浸させた。これにより、ラミネートフィルム型の二次電池が完成した。なお、二次電池を作製する場合には、満充電時においてリチウム金属が負極14に析出しないように正極活物質層13Bの厚さを調節した。
ここで、正極13を作製するために用いたリチウム含有化合物の合成手順は、以下の通りである。正極13を作製する場合には、比較のために、層状岩塩型の結晶構造を有するがリチウムリッチでないリチウム遷移金属リン酸化合物であるLiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 を用いた。また、層状岩塩型以外の結晶構造(スピネル型の結晶構造)を有するリチウム遷移金属複合酸化物であるLiMn2 4 も用いた。なお、表3では、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 を「LinRiO」と示している。
LiFePO4 を合成する場合には、最初に、リン酸リチウム(Li3 PO4 )の粉末とリン酸鉄(II)・8水和物(Fe3 (PO4 2 ・8H2 O)の粉末とを50g秤量した。この場合には、モル比がLi:Fe:P=1:1:1となるように原料粉末の配合比を調整した。続いて、混合物を純水200ccに投入してから攪拌して原料スラリーとした。続いて、原料スラリーにマルトース5gを加えてタンク内で攪拌したのち、メカノケミカル(MC)法を用いて十分に混合粉砕(粉砕時間=12時間)して粉砕スラリーを得た。このMC法では、遊星ボールミルを用いた。続いて、スプレードライ法(吸気温度=200℃)を用いて粉砕スラリーを乾燥造粒して前駆体の粉末を得た。最後に、不活性ガス雰囲気中(100%N2 )において前駆体を焼成(焼成温度=600℃,焼成時間=3時間)して、LiFePO4 を得た。
LiFe0.5 Mn0.5 PO4 を合成する場合には、Li3 PO4 の粉末と、リン酸マンガン(II)・3水和物(Mn3 (PO4 2 ・3H2 O)の粉末と、Fe3 (PO4 2 ・8H2 Oの粉末とをモル比でLi:Mn:Fe:P=1:0.5:0.5:1となるように混合したことを除き、LiFePO4 を合成する場合と同様の手順を経た。
LiMnPO4 を合成する場合には、Li3 PO4 の粉末と、Mn3 (PO4 2 ・3H2 Oの粉末とをモル比でLi:Mn:P=1:1:1となるように混合したことを除き、LiFePO4 を合成する場合と同様の手順を経た。
Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Al0.012 を合成する場合には、硫酸ニッケル(NiSO4 )の粉末と、硫酸コバルト(CoSO4 )の粉末と、硫酸マンガン(MnSO4 )の粉末と、アルミン酸ナトリウム(NaAlO2 )の粉末とを混合してから水に溶解させた。続いて、十分に攪拌しながら水溶液に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えて、共沈物(Mn−Ni−Co−Al複合共沈水酸化物)を得た。この場合には、モル比がMn:Ni:Co=60:20:20になると共にAl:(Mn+Ni+Co)=1:86となるように原料粉末の配合比を調整した。続いて、共沈物を水洗してから乾燥させたのち、水酸化リチウム・1水和塩を(LiOH・H2 O)加えて前駆体を得た。この場合には、モル比がLi:(Mn+Ni+Co+Al)=113:87となるように配合比を調整した。続いて、大気中において前駆体を焼成(焼成温度=800℃,焼成時間=10時間)してから室温まで冷却して、Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Al0.012 を得た。なお、表1〜表3では、Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Al0.012 を「LiRiO1」と示している。
Li1.13(Mn0.5 Ni0.2 Co0.3 0.87Al0.012 を合成する場合には、モル比がMn:Ni:Co=50:20:30となるように原料粉末の配合比を調整したことを除き、Li1.13(Mn0.6 Ni0.2 Co0.2 0.87Al0.012 を合成する場合と同様の手順を経た。なお、表1および表2では、Li1.13(Mn0.5 Ni0.2 Co0.3 0.87Al0.012 を「LiRiO2」と示している。
二次電池の電池特性(電池容量、サイクル特性、負荷特性、保存特性および電池膨れ特性)を調べたところ、表1〜表3に示した結果が得られた。
電池容量および負荷特性を調べる場合には、常温環境中(環境温度=23℃、以下同様)において二次電池を1サイクル充電させたのち、同環境中において二次電池を放電させて初期放電容量(mAh)を測定した。この場合には、充電時において、1Cの電流で上限電圧4.2Vまで3時間充電すると共に、放電時において、0.2Cの電流で終止電圧2.5Vまで放電した。続いて、同環境中において二次電池を充放電させて、負荷放電容量(mAh)を測定した。この場合には、充電時において、1Cの電流で上限電圧4.2Vまで3時間充電すると共に、放電時には、3Cの電流で終止電圧2.5Vまで放電した。なお、0.2C、1Cまたは3Cとは、それぞれ電池容量(理論容量)を5時間、1時間または10/3時間で放電しきる電流値である。
サイクル特性を調べる場合には、常温環境中において二次電池を1サイクル充放電させて放電容量を測定したのち、サイクル数の合計が500サイクルになるまで充放電を繰り返してから放電容量を測定した。この測定結果から、容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100を算出した。充電時には、1Cの電流で上限電圧4.2Vまで3時間充電すると共に、放電時には、1Cの電流で終止電圧2.5Vまで放電した。
保存特性および電池膨れ特性を調べる場合には、常温環境中において二次電池を充電させて電池厚さ(mm)を測定したのち、その充電状態の二次電池を高温環境中(環境温度=80℃)に12時間保存してから再び電池厚さ(mm)を測定した。この測定結果から、膨れ(mm)=保存後の電池厚さ−保存前の電池厚さを算出した。続いて、保存後の二次電池を常温環境中(23℃)に12時間静置したのち、同環境中において二次電池を放電させてから再び充放電させて保存放電容量(mAh)を測定した。放電時には、0.2Cの電流で終止電圧2.5Vまで放電すると共に、その後の充放電時には、1Cの電流で上限電圧4.2Vまで3時間充電したのち、0.2Cの電流で終止電圧2.5Vまで放電した。
Figure 2014017071
Figure 2014017071
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正極活物質として用いるリチウム含有化合物の構成(種類、組成および平均一次粒子径など)およびセパレータ15の構成(高分子化合物層の有無、無機酸化物の有無およびその無機酸化物の平均一次粒子径など)に応じて、電池特性が特異的な傾向を示した。
詳細には、リチウム含有化合物がオリビン型の結晶構造を有する場合(LiFePO4 など)には、スピネル型の結晶構造を有する場合(LiMn2 4 )と比較して、初期放電容量および負荷放電容量が高くなった。このような傾向は、リチウム含有化合物がリチウムリッチである層状岩塩型の結晶構造を有する場合(LiRiO1など)と、層状岩塩型の結晶構造を有するがリチウムリッチでない場合(LinRiO)との比較においても同様であった。
また、オリビン型の結晶構造を有するリチウム含有化合物などを用いた場合には、平均一次粒子径が0.05μm〜1μmであると、その範囲外である場合と比較して、負荷放電容量が高くなると共に、膨れが小さくなった。この場合には、セパレータ15が基材層15Aと共に高分子化合物層15Bを含んでいると、その高分子化合物層15Bを含んでいない場合と比較して、容量維持率および保存放電容量が高くなると共に、膨れが小さくなった。
しかも、セパレータ15が高分子化合物層15Bを含む場合には、その高分子化合物層15Bが無機酸化物の粒子を含んでいると共に平均一次粒子径が0.01μm〜5μmであると、その無機酸化物の粒子を含んでいない場合と比較して、膨れがより小さくなった。
特に、高分子材料がPVDF、PVF、PMAまたはMMであると共に、無機酸化物がAl2 3 、SiO2 またはTiO2 であると、良好な結果が得られた。
表1〜表3の結果から、正極がリチウム含有化合物を含むと共に、セパレータが基材層およびそれに塗布形成された高分子化合物層を含み、そのリチウム含有化合物および高分子化合物層が上記した条件を満たしていると、優れた電池特性が得られた。
以上、実施形態および実施例を挙げて本技術について説明したが、本技術は実施形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、電池構造がラミネートフィルム型であると共に、電池素子が巻回構造を有する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。本技術の二次電池は、円筒型、角型、コイン型またはボタン型などの他の電池構造を有する場合や、電池素子が積層構造などの他の構造を有する場合についても、同様に適用可能である。
また、電極反応物質としてLiを用いる場合について説明したが、これに限られない。この電極反応物質は、例えば、NaまたはKなどの他の1族元素でもよいし、MgまたはCaなどの2族元素でもよいし、Alなどの他の軽金属でもよい。本技術の効果は、電極反応物質の種類に依存せずに得られるはずであるため、その電極反応物質の種類を変更しても同様の効果を得ることができる。
また、リチウム含有化合物の平均一次粒子径について、実施例の結果から導き出された適正範囲を説明している。しかしながら、その説明は、平均一次粒子径が上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまで本技術の効果を得る上で特に好ましい範囲であるため、本技術の効果が得られるのであれば、上記した範囲から平均一次粒子径が多少外れてもよい。このことは、無機酸化物の平均一次粒子径についても同様である。
なお、本技術は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
セパレータを介して対向された正極および負極と共に、電解液を備え、
前記正極は、下記の式(1)および式(2)で表されるリチウム含有化合物のうちの少なくとも一方を含み、
前記リチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmであり、
前記セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含み、
前記高分子化合物層は、前記基材層のうちの前記正極と対向する面および前記負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、
前記無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである、
二次電池。
LiM1PO4 ・・・(1)
(M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
(M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
(2)
前記基材層はポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレンのうちの少なくとも1種を含み、
前記高分子材料はポリフッ化ビニリデン、ポリビニルホルマール、ポリアクリル酸エステルおよびメタクリル酸メチルのうちの少なくとも1種を含み、
前記無機酸化物は酸化アルミニウム、酸化ケイ素および酸化チタンのうちの少なくとも1種を含む、
上記(1)に記載の二次電池。
(3)
前記正極、負極、セパレータおよび電解液はフィルム状の外装部材の内部に収納されている、
上記(1)または(2)に記載の二次電池。
(4)
リチウム二次電池である、
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の二次電池。
(5)
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の二次電池と、
その二次電池の使用状態を制御する制御部と、
その制御部の指示に応じて前記二次電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と
を備えた、電池パック。
(6)
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の二次電池と、
その二次電池から供給された電力を駆動力に変換する変換部と、
その駆動力に応じて駆動する駆動部と、
前記二次電池の使用状態を制御する制御部と
を備えた、電動車両。
(7)
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の二次電池と、
その二次電池から電力を供給される1または2以上の電気機器と、
前記二次電池からの前記電気機器に対する電力供給を制御する制御部と
を備えた、電力貯蔵システム。
(8)
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の二次電池と、
その二次電池から電力を供給される可動部と
を備えた、電動工具。
(9)
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の二次電池を電力供給源として備えた、電子機器。
10…巻回電極体、11…正極リード、12…負極リード、13…正極、13A…正極集電体、13B…正極活物質層、14…負極、14A…負極集電体、14B…負極活物質層、15…セパレータ、15A…基材層、15B…高分子化合物層、16…電解質層、20…外装部材。

Claims (9)

  1. セパレータを介して対向された正極および負極と共に、電解液を備え、
    前記正極はリチウム含有化合物を含み、
    前記リチウム含有化合物は、下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
    前記リチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmであり、
    前記セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含み、
    前記高分子化合物層は、前記基材層のうちの前記正極と対向する面および前記負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、
    前記無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである、
    二次電池。
    LiM1PO4 ・・・(1)
    (M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
    Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
    (M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
  2. 前記基材層はポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレンのうちの少なくとも1種を含み、
    前記高分子材料はポリフッ化ビニリデン、ポリビニルホルマール、ポリアクリル酸エステルおよびメタクリル酸メチルのうちの少なくとも1種を含み、
    前記無機酸化物は酸化アルミニウム、酸化ケイ素および酸化チタンのうちの少なくとも1種を含む、
    請求項1記載の二次電池。
  3. 前記正極、前記負極、前記セパレータおよび前記電解液はフィルム状の外装部材の内部に収納されている、
    請求項1記載の二次電池。
  4. リチウム二次電池である、
    請求項1記載の二次電池。
  5. 二次電池と、
    その二次電池の使用状態を制御する制御部と、
    その制御部の指示に応じて前記二次電池の使用状態を切り換えるスイッチ部と
    を備え、
    前記二次電池は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に、電解液を備え、
    前記正極はリチウム含有化合物を含み、
    前記リチウム含有化合物は、下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
    前記リチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmであり、
    前記セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含み、
    前記高分子化合物層は、前記基材層のうちの前記正極と対向する面および前記負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、
    前記無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである、
    電池パック。
    LiM1PO4 ・・・(1)
    (M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
    Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
    (M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
  6. 二次電池と、
    その二次電池から供給された電力を駆動力に変換する変換部と、
    その駆動力に応じて駆動する駆動部と、
    前記二次電池の使用状態を制御する制御部と
    を備え、
    前記二次電池は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に、電解液を備え、
    前記正極はリチウム含有化合物を含み、
    前記リチウム含有化合物は、下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
    前記リチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmであり、
    前記セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含み、
    前記高分子化合物層は、前記基材層のうちの前記正極と対向する面および前記負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、
    前記無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである、
    電動車両。
    LiM1PO4 ・・・(1)
    (M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
    Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
    (M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
  7. 二次電池と、
    その二次電池から電力を供給される1または2以上の電気機器と、
    前記二次電池からの前記電気機器に対する電力供給を制御する制御部と
    を備え、
    前記二次電池は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に、電解液を備え、
    前記正極はリチウム含有化合物を含み、
    前記リチウム含有化合物は、下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
    前記リチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmであり、
    前記セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含み、
    前記高分子化合物層は、前記基材層のうちの前記正極と対向する面および前記負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、
    前記無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである、
    電力貯蔵システム。
    LiM1PO4 ・・・(1)
    (M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
    Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
    (M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
  8. 二次電池と、
    その二次電池から電力を供給される可動部と
    を備え、
    前記二次電池は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に、電解液を備え、
    前記正極はリチウム含有化合物を含み、
    前記リチウム含有化合物は、下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
    前記リチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmであり、
    前記セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含み、
    前記高分子化合物層は、前記基材層のうちの前記正極と対向する面および前記負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、
    前記無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである、
    電動工具。
    LiM1PO4 ・・・(1)
    (M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
    Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
    (M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
  9. 二次電池を電力供給源として備え、
    前記二次電池は、セパレータを介して対向された正極および負極と共に、電解液を備え、
    前記正極はリチウム含有化合物を含み、
    前記リチウム含有化合物は、下記の式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
    前記リチウム含有化合物の平均一次粒子径は0.05μm〜1μmであり、
    前記セパレータは、多孔質の基材層と、高分子化合物層とを含み、
    前記高分子化合物層は、前記基材層のうちの前記正極と対向する面および前記負極と対向する面のうちの少なくとも一方に塗布形成されていると共に、無機酸化物の粒子が分散された高分子材料を含み、
    前記無機酸化物の平均一次粒子径は0.01μm〜5μmである、
    電子機器。
    LiM1PO4 ・・・(1)
    (M1はFe、MnおよびCoのうちの少なくとも1種である。)
    Li1+a (Mnb Nic Co1-b-c-d M2d 1-e 2 ・・・(2)
    (M2はMg、Al、Zn、TiおよびVのうちの少なくとも1種であり、a〜eは0.05≦a<0.25、0.5≦b<0.7、0≦c<1−b、0.001≦d<0.05および−0.1≦e≦0.2を満たす。)
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