JP2014013227A - 鋳造粗形材検査装置および鋳造粗形材検査方法 - Google Patents

鋳造粗形材検査装置および鋳造粗形材検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳造により形成された粗形材に対して、加工面を形成する前に、上記粗形材の後に該加工面となる領域およびその近傍に内部欠陥(例えば、鋳巣)が存在しているか否かを正確かつ高速に判別でき、上記粗形材が良品であるか不良品であるかの判別を良好に行うことが可能な鋳造粗形材検査装置および鋳造粗形材検査方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態は、粗形材にX線を照射することにより、XY座標系における、粗形材5の内部に存在する鋳巣の2次元座標情報と、YZ座標系における、粗形材5の内部に存在する鋳巣の2次元座標情報とを取得し(ステップS1、S2)、これらの2次元座標情報から、粗形材5の内部に存在する鋳巣の3次元座標情報を取得する(ステップS3)。次いで、3次元座標情報上で仮想加工面を設定し(ステップS7)、該仮想加工面近傍の所定の領域に鋳巣があるか否かを判定する(ステップS9)。
【選択図】図7

Description

本発明は、鋳造粗形材検査装置および鋳造粗形材検査方法に関し、より詳細には、X線を用いて、鋳造により形成された粗形材の内部に存在する欠陥(例えば、鋳巣)を検出する鋳造粗形材検査装置および鋳造粗形材検査方法に関するものである。
従来、鋳造品中の鋳巣等の内部欠陥を抽出するために、X線CTの断層画像群から鋳造品のポリゴン(STL)モデルを形成し、該STLモデルから鋳造品内の空洞に該当する部分を識別し、鋳造品の内部欠陥検査の助けとなる情報をユーザに提供する識別支援装置が提案されている(特許文献1参照)。具体的には、識別支援装置は、上記STLモデルをディスプレイ装置に表示し、該STLモデル上でユーザに外表面に該当するポリゴンを指定させる。すなわち、STLモデルにおいてユーザが外表面ポリゴンを指定し、その連結成分を、鋳造品の外表面として全て抽出する。識別支援装置は、上記STLモデルにおいて、ユーザによって外表面として抽出されなかったポリゴンを内部の空洞(内部欠陥)に対応するポリゴンと認識する。そして、識別支援装置は、外表面として指定されたポリゴンを半透明に設定し、空洞として認識されたポリゴンを目立ちやすい色に設定し、それら上記ディスプレイ装置に表示して、鋳造品内部にある鋳巣等の内部欠陥をユーザが明確に視認できるようにする。このようにして作成された3次元表示により、ユーザが内部欠陥の数や個々の位置、形状、大きさなどを把握する。
非特許文献1には、X線CTを用いて非破壊でワーク(測定対象物)をスキャンし、スキャン結果をCADモデルやマスタワークと形状比較することが開示されている。この非特許文献1では、上記形状比較により得られた形状誤差をフィードバックする等して、金型開発リードタイムを短縮化が提案されている。
非特許文献2には、鋳造品を切断することなく金型修正を効率良く行うために、高エネルギーX線CTスキャナにより得られたCT画像からポリゴンモデルである3Dモデルを作成することが開示されている。該非特許文献2には、3Dモデルのデータ量を実用的な範囲にとどめながら、高速処理と高精度化を同時に実現する方法として、パソコン複数台で並列にデータ処理するPCクラスタを用い、並列処理により莫大なデータを分散し、3Dモデルのデータ量を面数削減処理により低減することが提案されている。
特開2004−34144号公報
宿利 浩章、「X線CT装置による非破壊寸法計測」、型技術、2011年8月号、p.032−036 石井 博行、他2名、「X線CTを活用した3次元形状計測」、精密工学会誌、Vol.69、No.4、2003、p.473−476
上述のように、特許文献1に開示された技術は、鋳造品の内部の鋳巣(内部欠陥)をユーザが作業しやすくするために、ディスプレイ装置に表示されるSTLモデルの外表面を半透明にして、内部の鋳巣に色を付け立体的に見やすくし、ユーザの判定を支援するシステムである。判定に関しては、基本はユーザが、ディスプレイ装置に表示された3次元表示から欠陥の数や個数、形状を判定する。しかしながら、ユーザが目視で直感的に大きさ等で鋳巣を判断すると、人による良不良基準のバラツキが発生したり、鋳巣を見落としたりしてしまう恐れがある。また、禁止領域を設けて、そこに鋳巣が存在する場合を不良とすることもあるが、鋳造粗材は形状のバラツキが大きいため禁止領域の設定が返って良品を不良にしたり、逆に、不良を良品にしてしまう問題が発生する。
非特許文献1は、X線CTメーカによるX線CT装置の機能を解説するものであり、その機能例として、スキャンにより得られたデータの形状比較や金型開発リードタイム短縮の事例が記載されているのみである。また、非特許文献2は、高エネルギーX線CT装置の開発、および短時間での高精度な3Dモデルの作成がメインの解説記事であり、適用事例として金型修正においてCADとCTデータとを比較して、形状のズレなどを確認することや、CAEの精度向上に活用することが記載されているが、それらの可能性が有ると言うだけで具体的手段を示していない。このように、非特許文献1、2では、金型の修正への適用が開示されており、鋳造品内部の鋳巣を抽出し、測定対象物の良品、不良品の判定は想定されていない。
さて、粗形材の鋳巣による不良品においては、ほとんどが粗形材の内部に鋳巣が発生しているため、目視検査では検査する事ができない。従って、従来、この鋳巣不良は、粗形材の形成工程の後工程になる、加工面を形成するための加工工程により加工面が出現するまで分からない。すなわち、加工前の粗形材においては後に加工面となる領域は粗形材の内部にあり露出していないので、上記後に加工面になる領域に鋳巣が存在しても目視では分からず、加工工程により加工面が露出して初めて加工面上に鋳巣が存在していることが分かるのである。この時点で対象となる粗形材が不良であることが認識され、廃棄されることになる。よって、粗形材における、後に加工面となる領域に鋳巣がある場合、加工面が出現した時に初めて該加工面上に鋳巣があり不良であると認識されるので、加工面を形成するための加工に要した時間・エネルギー・工数がこの時点で無駄になってしまう。
なお、本明細書において、「加工面」とは、粗形材といった加工対象物の加工しろを除去して露出した面を指す。
このような無駄な労力を抑制するためには、加工面を形成する加工前に非破壊で粗形材に対して全数検査を行う必要がある。しかしながら、特許文献1の技術では、鋳造品の内部計測にX線CT装置を用いているため、計測に膨大な時間がかかる。よって、1個計測するのに何時間もかかり、インラインでの全数検査は現実的ではない。また、特許文献1、非特許文献1、および非特許文献2に開示されたX線CTによる計測の狙い・用途は、鋳造品の内部に鋳巣があるか否かの検査や金型の検査であり、粗形材の内部に存在する、後に加工面となる領域上に発生する鋳巣の検査を想定していない。従って、加工後に露出した加工面に発生する鋳巣の検査に適用できない。
また、上記加工工程で検出された鋳巣不良は、あくまで加工面に存在する鋳巣によるものであるので、加工面を露出させれば発見することができる。しかしながら、鋳巣には、加工面の僅か下に存在し、加工面が露出しても目視では発見できず、一般ユーザの使用段階でその加工面の薄皮が剥がれてから表面に露出するものもある。このような鋳巣は、加工面形成段階では発見することができず、製造者の手を離れてから製品の表面に出現することになり、上述のように薄皮が剥がれて出現するこのような鋳巣により、加工面形成時には想定されなかった機能不良が起こる可能性があり、市場クレームの原因となる。
上述のように、特許文献1に開示された技術によれば、粗形材の内部に存在する鋳巣を判別することはできるが、その判別を人が行っているため、上述のように、本来は鋳巣であるものが鋳巣と判断されなかったり、鋳巣が見落とされてしまうことがある。よって、加工面形成前において粗形材の内部の後に加工面となる領域やその僅かに下の領域に鋳巣が存在しているのにも関わらず、それら鋳巣が存在していないと判断されて、加工面の形成のための加工工程が行われてしまう。すなわち、無駄な加工工程を行ったり、加工面のわずか下に鋳巣が存在している製品の出荷に繋がったりしてしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳造により形成された粗形材に対して、加工面を形成する前に、上記粗形材の後に該加工面となる領域およびその近傍に内部欠陥(例えば、鋳巣)が存在しているか否かを正確かつ高速に判別でき、上記粗形材が良品であるか不良品であるかの判別を良好に行うことが可能な鋳造粗形材検査装置および鋳造粗形材検査方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、鋳造粗形材検査装置であって、粗形材を保持するための保持手段と、前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、前記3次元座標情報上で、後に加工面とすべき仮想加工面を設定する手段と、前記3次元座標情報において、前記仮想加工面と前記粗形材内の鋳巣とを比較して、前記粗形材の、少なくとも前記仮想加工面を含む領域に鋳巣があるか否かを判定する手段であって、前記領域に存在する前記鋳巣が許容数よりも多い場合前記粗形材を不合格と判定し、前記領域に存在する前記鋳巣が前記許容数以下である場合前記粗形材を合格と判定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、鋳造粗形材検査装置であって、粗形材を保持するための保持手段と、前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、所定の情報が格納される記憶手段と、前記第2の取得手段により取得された前記3次元座標情報を前記記憶手段に格納する手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、鋳造粗形材検査方法であって、粗形材に対して第1の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得工程と、前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得工程と、前記3次元座標情報上で、後に加工面とすべき仮想加工面を設定する工程と、前記3次元座標情報において、前記仮想加工面と前記粗形材内の鋳巣とを比較して、前記粗形材の、少なくとも前記仮想加工面を含む領域に鋳巣があるか否かを判定する手段であって、前記領域に存在する前記鋳巣が許容数よりも多い場合前記粗形材を不合格と判定し、前記領域に存在する前記鋳巣が前記許容数以下である場合前記粗形材を合格と判定する工程とを有することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、X線発生手段から出射され粗形材を透過してX線検出手段にて検出された情報から前記粗形材の内部に存在する鋳巣を検査する検査装置であって、前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から、前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から、前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、前記3次元座標情報上で、後に加工面とすべき仮想加工面を設定する手段と、前記3次元座標情報において、前記仮想加工面と前記粗形材内の鋳巣とを比較して、前記粗形材の、少なくとも前記仮想加工面を含む領域に鋳巣があるか否かを判定する手段であって、前記領域に存在する前記鋳巣が許容数よりも多い場合前記粗形材を不合格と判定し、前記領域に存在する前記鋳巣が前記許容数以下である場合前記粗形材を合格と判定する手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、X線発生手段から出射され粗形材を透過してX線検出手段にて検出された情報から前記粗形材の内部に存在する鋳巣を検査する検査装置であって、前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から、前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から、前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、所定の情報が格納される記憶手段と、前記第2の取得手段により取得された前記3次元座標情報を前記記憶手段に格納する手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、鋳造により形成された粗形材に対して、加工面を形成する前に、上記粗形材の後に該加工面となる領域およびその近傍に内部欠陥が存在しているか否かを正確かつ高速に判別できる。従って、多数の粗形材をインラインで全数検査することができる。また、上記粗形材が良品であるか不良品であるかの判別を良好に行うことも可能である。
本発明の一実施形態に係る粗形材の検査装置を示す図である。 本発明の一実施形態に係る回転可能に構成された粗形材を保持する保持部の斜視図である。 本発明の一実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る、想定された3次元における第1の軸および第2の軸からなる2次元における、鋳巣の2次元座標を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、想定された3次元における第2の軸および第3の軸からなる2次元における、鋳巣の2次元座標を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、想定された3次元における第3の軸および第1の軸からなる2次元における、鋳巣の2次元座標を示す図である。 本発明の一実施形態に係る粗形材の検査の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る特殊な鋳巣の判別を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る粗形材の内部に鋳巣があるか否かの判定を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る仮想加工面の再設定処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る仮想加工面の再設定を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る仮想加工面の再設定処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る仮想加工面の再設定を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る粗形材の検査装置を示す図である。 本発明の一実施形態に係る回転可能に構成された粗形材を保持する保持部の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る、粗形材の回転前後における鋳巣の2次元座標を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、粗形材の回転前後における鋳巣の位置関係を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る粗形材の検査の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る粗形材の検査装置を示す模式図である。
図1において、検査装置1は、X線発生部2aと、該X線発生部2aから発生され、粗形材5を透過したX線投影像の2次元の座標情報(X軸、Y軸からなる2次元の2次元座標情報)を検出するX線検出部2bと、X線発生部3aと、該X線発生部3aから発生され、粗形材5を透過したX線投影像の2次元の座標情報(Y軸、Z軸からなる2次元の2次元座標情報)を検出するX線検出部3bと、測定対象の粗形材5を保持し、該粗形材5の保持面をX軸を中心に90°回転可能に構成された保持部4とを備えている。
本実施形態では、図1に示すように互いに直交しているXYZ軸の3次元を想定し、Z軸方向に沿ってX線発生部2aおよびX線検出部2bが配置され、X軸方向に沿ってX線発生部3aおよびX線検出部3bが配置されている。すなわち、検査装置1は、X線発生部2aとX線検出部2bとを有する第1の透過型X線装置、およびX線発生部3aとX線検出部3bとを有する第2の透過型X線装置を互いのX線光軸が垂直になるように配置した構造であって、X線検出部2bにより、想定された3次元のうち第1の軸および第2の軸からなる2次元座標系における粗形材5内の鋳巣の2次元座標情報(図1ではXY座標系の2次元座標情報)を取得し、X線検出部3bにより、上記想定された3次元のうち第2の軸および第3の軸からなる2次元座標系における粗形材5内の鋳巣の2次元座標情報(図1ではYZ座標系の2次元座標情報)を取得する構造である。
また、本実施形態では、図2に示すように、保持部4は、粗形材5を固定可能に構成された保持面4aを有し、該保持面4aをX軸周りに90°回転可能に構成されている。従って、粗形材5の配置位置を、粗形材5の面5aがX線検出部2bの検出面と対向する第1の位置(初期の配置)から粗形材5の面5bがX線検出部2bの検出面と対向する第2の位置に変更することができる。この回転は、Z軸周りであっても良い。すなわち、保持部4は、X線検出部2b、3bに対向していない面5bを、X線検出部2bまたは3bに対向するように粗形材5を回転させる。第2の位置では、上記初期の配置状態である第1の位置状態においてはZX平面に対応する面5bをX線検出部2bに対向させて、鋳巣の2次元座標情報を取得する。第2の位置においても、図1中の座標系ではXY座標系の2次元座標情報を取得することになるが、粗形材5とX線発生部2aおよびX線検出部2bとの位置関係で言えば、X線発生部2aおよびX線検出部2bを固定し、保持部4(すなわち、粗形材5)をX軸の周りに90°回転させることは、保持部4(粗形材5)を固定し、X線発生部2aおよびX線検出部2bをX軸の周りに90°回転させることと等価である。よって、第2の位置では、X線検出部2bは、上記第1の位置状態における、上記想定された3次元のうち第3の軸および第1の軸からなる2次元座標系における粗形材5内の鋳巣の2次元座標情報(図1ではZX座標系の2次元座標情報)を取得することになる。
なお、上記第2の位置では、保持部4もX線発生部2aとX線検出部2bとの間に位置されるので、保持部4としては、X線を透過する材料を用いれば良い。
空気と粗形材とではX線の吸収率が大きく異なるため、X線検出部2b、3bは、X線の検出量が大きく異なる箇所を粗形材内部の鋳巣(内部欠陥)として検出することができる。よって、例えば、X線検出部2bは、図4に示されるように、XY座標系の2次元座標において、鋳巣の2次元座標を検出し、該検出された2次元座標情報を後述する制御装置10に送信する。同様に、X線検出部3bは、図5に示されるように、YZ座標系の2次元座標において、鋳巣の2次元座標を検出し、該検出された2次元座標情報を制御装置10に送信する。また、保持部4が回転されて面5bがX線検出部2aと対向する場合、X線検出部2aが、図6に示されるように、上記第1の位置におけるZX座標系の2次元座標において、鋳巣の2次元座標を検出し、該検出された2次元座標情報を制御装置10に送信する。
図3は、本実施形態の検査装置1における制御系の概略構成を示すブロック図である。
制御装置10は、検査装置1全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御装置20は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU11、およびこのCPU11によって実行される様々な制御プログラム(例えば、図7、10に示すプログラム)などを格納するROM12を有する。また、制御装置10は、CPU11の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM13、およびフラッシュメモリやSRAM等の不揮発性メモリ14などを有する。制御装置10には、入力操作部15および表示部16が接続されている。入力操作部15は、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む。表示部16は、検査装置1の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う。さらに、制御装置10には、X線発生部2a、3a、およびX線検出部2b、3bが電気的に接続されているので、制御装置10と、X線発生部2a、3a、およびX線検出部2b、3bとの間で所定の情報のやり取りが可能である。
図7は、本実施形態に係る粗形材の検査の処理手順を示すフローチャートである。
まずは、測定対象となる粗形材5を保持部4上に配置する。ステップS1では、ユーザが入力操作部15を介して検査開始の指示および測定対象の粗形材を特定する特定情報(例えば、粗形材の種類(サイズ、形状など))を入力すると、制御装置10は、該入力された特定情報をRAM13に格納する。なお、本実施形態では、測定対象の粗形材の形状は直方体であり、該直方体の一面に加工面を形成する外面加工について例示する。よって、特定情報によって、検査装置1は、測定対象の粗形材が直方体であり、外面加工であることを認識できる。
ステップS1では、制御装置10は、X線発生部2aにX線を出射させるためのコマンドを送信し、X線発生部2aに第1の位置にある粗形材5に対してX線を照射させ、X線検出部2bからXY座標系における鋳巣の2次元座標情報(例えば、図4に示す2次元座標情報)を取得する。上記コマンドにより、X線発生部2aは粗形材5に対してX線を照射し、該粗形材5を透過したX線は、X線検出部2bに入射する。該入射により、X線検出部2bは、粗形材5のXY座標系における鋳巣の2次元座標を検出し、該2次元座標情報を制御装置10に送信する。制御装置10は、X線検出部2bから受信した2次元座標情報から、粗形材の内部に存在する各鋳巣の、XY座標系における2次元位置(2次元座標)を特定することができる。
ステップS2では、制御装置10は、X線発生部3aにX線を出射させるためのコマンドを送信し、X線発生部3aに粗形材5に対してX線を照射させ、X線検出部3bからYZ座標系における鋳巣の2次元座標情報(例えば、図5に示す2次元座標情報)を取得する。上記コマンドにより、X線発生部3aは粗形材5に対してX線を照射し、該粗形材5を透過したX線は、X線検出部3bに入射する。該入射により、X線検出部3bは、粗形材5のYZ座標系における鋳巣の2次元座標を検出し、該2次元座標情報を制御装置10に送信する。制御装置10は、X線検出部3bから受信した2次元座標情報から、粗形材の内部に存在する各鋳巣の、YZ座標系における2次元位置(2次元座標)を特定することができる。
ステップS3では、制御装置10は、ステップS1にて取得したXY座標系の鋳巣の2次元座標情報およびステップS2にて取得したYZ座標系の鋳巣の2次元座標情報に基づいて、XYZ座標系における各鋳巣の3次元座標情報を取得する。すなわち、制御装置10は、XY座標系の鋳巣の2次元座標情報およびYZ座標系における鋳巣の2次元座標情報に基づいて、XY座標系における各鋳巣の2次元座標(x、y)からY軸の座標値yと、YZ座標系における各鋳巣の2次元座標(y、z)からY軸の座標値yとが同一になる2次元座標(x、y)、(y、z)を抽出し、該抽出された各軸に対応する座標値x、y、zを3次元座標系の座標値とすることで3次元座標(x、y、z)を取得する。このようにすることで、制御装置10は、粗形材の内部に存在する各鋳巣の、XYZ座標系における3次元位置(3次元座標)を特定することができる。
例えば、図4における鋳巣41と、図5における鋳巣51とが同一の鋳巣であり、鋳巣41の2次元座標が(x1、y1)であり、鋳巣51の2次元座標が(y1、z1)であるとする。制御装置10は、XY座標系における2次元座標情報およびYZ座標系における2次元座標情報からY軸の座標値が同一である鋳巣41および鋳巣51を抽出し、それらの座標値であるx1、y1、z1をこの鋳巣の3次元座標値として設定する。これにより、XY座標軸では鋳巣41で特定され、YZ座標軸では鋳巣51で特定された鋳巣の3次元座標(x1、y1、z1)を取得する。このように、本実施形態では、制御装置10は、取得された2次元座標情報において、2次元座標情報の取得対象の2つの2次元座標系(本実施形態では、XY座標系およびYZ座標系)において重複する軸(本実施形態ではY軸)の座標値を比較し、上記2つの2次元座標系において、上記重複する軸の同一の座標値を有する2次元座標を抽出し、該抽出された2次元座標の各軸の座標値を対応する鋳巣の3次元座標に設定する。
ステップS4では、制御装置10は、ステップS1にて取得したXY座標系の鋳巣の2次元座標情報およびステップS2にて取得したYZ座標系の鋳巣の2次元座標情報に基づいて、全ての鋳巣の3次元座標情報が取得できたか否かを判定する。
本実施形態では、ステップS1やステップS2で取得された2次元座標情報において、Y座標値が同じ鋳巣がある場合、このままでは3次元座標を取得できない。例えば、図8(a)に示すように、XY座標系の鋳巣の2次元座標として、該XY座標系における鋳巣81(x2、y2)、鋳巣82(x3(x2<x3)、y2)が特定された場合、YZ座標系における座標値y2に対応する鋳巣は、YZ座標系における鋳巣83(z2、y2)および鋳巣84(z3(z2<z3)、y2)と2つ存在しており、鋳巣81、82がそれぞれ、鋳巣83、84のどちらに対応するのか判別できない。よって、制御装置10は、ステップS1にて取得したXY座標系の鋳巣の2次元座標情報にて特定される鋳巣の2次元座標(x、y)において、Y軸の座標値が同一となる鋳巣の2次元座標があるか否かを判定する。この判定では、ステップS2にて取得したYZ座標系の鋳巣の2次元座標情報にて特定される鋳巣の2次元座標(y、z)について行っても良い。制御装置10は、Y軸の座標値が同一となる鋳巣の2次元座標がある場合は、ステップS5に進み、無い場合は、ステップS7に進む。
なお、ステップS4では、制御装置10は、XY座標系における鋳巣の2次元座標情報において、Y軸の座標が同一であると判定された鋳巣の2次元座標(“要特殊処理2次元座標”とも呼ぶ)を抽出し、RAM13に保持しておく。
ステップS5では、制御装置10は、保持部4に対して保持面4aをX軸周りに90°回転させるコマンドを送信し、かつX線発生部2aにX線を出射させるためのコマンドを送信し、X線発生部2aに、回転して第2の位置にある粗形材5に対してX線を照射させ、X線検出部2bからZX座標系における鋳巣の2次元座標情報(例えば、図6に示す2次元座標情報)を取得する。上記コマンドにより、X線発生部2aは、第1の位置における粗形材5のZX面がX線検出部2bに対向した粗形材5に対してX線を照射し、該粗形材5を透過したX線は、X線検出部2bに入射する。該入射により、X線検出部2bは、粗形材5の、第1の位置におけるZX座標系における鋳巣の2次元座標を検出し、該2次元座標情報を制御装置10に送信する。制御装置10は、X線検出部2bから受信した2次元座標情報から、粗形材の内部に存在する各鋳巣の、ZX座標系における2次元位置(2次元座標(例えば、図6の符号61))を特定することができる。
ステップS6では、制御装置10は、ステップS1にて取得したXY座標系の鋳巣の2次元座標情報およびステップS2にて取得したYZ座標系の鋳巣の2次元座標情報に加えて、ステップS5にて取得したZX座標系の鋳巣の2次元座標情報に基づいて、ステップステップS4にて3次元座標情報が得られなかった鋳巣の3次元座標情報を取得する。
制御装置10は、RAM13に保持された要特殊処理2次元座標を読み出し、ステップS5にて取得されたZX座標系における2次元座標情報から、要特殊処理2次元座標(x、y)のx座標値と一致するx座標値を有する2次元座標(x、z)を抽出し、該抽出された各軸に対応する座標値x、y、zを3次元座標系の座標値とすることで3次元座標(x、y、z)を取得する。このようにすることで、制御装置10は、S4にて3次元座標が得られなかった鋳巣の、XYZ座標系における3次元位置(3次元座標)を特定する。
例えば、図8(c)の、ZX座標系における鋳巣85の2次元座標が(x2、z2)であり、鋳巣86の2次元座標が(x3、z3)である場合、制御装置10は、ステップS5にて取得されたZX座標系における鋳巣の2次元座標の各々から、図8(a)に示すXY座標系における、Y軸の座標値が同一となる鋳巣の2次元座標を有する鋳巣81、82(要特殊処理2次元座標)の各々のx座標値を有するZX座標系における2次元座標(ZX座標系における鋳巣)を抽出する。すなわち、制御装置10は、ステップS5にて取得されたZX座標系における鋳巣の2次元座標の各々から、鋳巣81のx座標値であるx2を有する鋳巣85を抽出し、鋳巣81、85の座標値から(x2、y2、z2)を対応する鋳巣の3次元座標として設定する。同様に、制御装置10は、ステップS5にて取得されたZX座標系における鋳巣の2次元座標の各々から、鋳巣82のx座標値であるx3を有する鋳巣86を抽出し、鋳巣82、86の座標値から(x3、y2、z3)を対応する鋳巣の3次元座標として設定する。このようにして、要特殊処理2次元座標であった鋳巣81、82についても、改めて取得されたZX座標系の2次元座標情報を考慮することにより、3次元座標を設定することができる。
ステップS7では、上述のようにして得られた鋳巣の3次元座標情報において、後に加工面とすべき仮想加工面を設定する。図9において、加工前の粗形材5は、加工面形成後の本体となる領域(“加工後粗形材”とも呼ぶ)91と、加工面形成時に除去される領域である加工しろ92とを含む。符号93が加工前の粗形材5の内部に仮想的に設定させる仮想加工面である。本実施形態では、様々な特定情報に対応する、仮想加工面の3次元座標系における3次元座標情報(仮想加工面情報)を各々の特定情報に関連付けて、テーブル化し、該仮想加工面テーブルを不揮発性メモリ14に格納している。制御装置10は、仮想加工面テーブルを参照して特定情報に対応する仮想加工面情報を読み出し、該仮想加工面情報に基づいて、取得された鋳巣の3次元座標情報において仮想加工面93を設定する。
ステップS8では、制御装置10は、ステップS7にて設定された仮想加工面93近傍の所定の領域内(少なくとも仮想加工面93を含む領域内)に存在する鋳巣を抽出する。すなわち、制御装置10は、上記ステップにより取得された各鋳巣の3次元座標値と、ステップS7にて設定された仮想加工面93の3次元座標値とに基づいて、仮想加工面93上および該仮想加工面93近傍の所定の領域に存在する鋳巣を抽出する。
なお、本実施形態では、上記仮想加工面93の近傍の所定の領域は、加工しろ92側は任意の領域で良いが(何故ならば、この領域に鋳巣があっても加工面の形成工程で除去されるので)、仮想加工面93の加工しろ92と反対側(加工後粗形材91側)については、仮想加工面93から加工後粗形材91の内部方向に距離Δh離れた鋳巣存在禁止ライン94までの領域とする。本実施形態では、様々な特定情報に対応する、鋳巣存在禁止ラインの3次元座標系における3次元座標の情報(鋳巣存在禁止ライン情報)を各々の特定情報に関連付けてテーブル化し、該鋳巣存在禁止ラインテーブルを不揮発性メモリ24に格納している。よって、制御装置10は、鋳巣存在禁止ラインテーブルを参照して特定情報に対応する鋳巣存在禁止ライン情報を読み出し、取得された鋳巣の3次元座標情報において鋳巣存在禁止ライン94を設定して、上記近傍の所定の領域のうち、仮想加工面93の加工しろ92と反対側を設定する。上記近傍の所定の領域のうち、仮想加工面93の加工しろ92側については任意に設定すれば良い。
ステップS9では、制御装置10は、ステップS8にて仮想加工面93近傍の所定の領域内に存在する鋳巣が抽出されたか否かを判定する。ステップS9において、仮想加工面93近傍の所定の領域内に存在する鋳巣が抽出されない場合は、制御装置10は、測定対象の粗形材は合格であると判定し、ステップS10に進む。一方、仮想加工面93近傍の所定の領域内に存在する鋳巣が抽出される場合は、制御装置10は、現在設定されている仮想加工面による加工では不合格になると判定し、仮想加工面を再設定すべくステップS11に進む。
なお、上記仮想加工面近傍の所定の領域内においてある程度の鋳巣の存在は許容できる場合は、ステップS9において、制御装置10は、ステップS8にて仮想加工面93近傍の所定の領域内に存在する鋳巣が許容数よりも多いか否かを判定し、許容数よりも多い場合はステップS11に進み、許容数以下である場合はステップS10に進めば良い。
このように、粗形材5の、少なくとも仮想加工面93を含む領域(仮想加工面93上、あるいは仮想加工面93および該仮想加工面93と鋳巣存在禁止ライン94との間の領域の双方を含む領域)に鋳巣があるか否かを判定しているので、粗形材5から加工面を形成した際に問題となる鋳巣(粗形材5の段階では該粗形材5の内部にある、加工面形成後に露出する領域(加工面)上の鋳巣、およびその僅か下(加工後粗形材91側)の鋳巣)を、加工面を形成する前に正確に検出することができる。すなわち、ユーザによる鋳巣判定を必要とせず、3次元座標にて特定された鋳巣の3次元座標情報と仮想加工面情報とに基づいて検出を行うので、上記粗形材の加工前の段階で非破壊により、鋳巣を存在させたくない領域内に鋳巣が存在しているか否かを正確に判別することができる。よって、判別するユーザ間の鋳巣認定基準のバラツキやユーザによる鋳巣の見落としを防ぐことができ、本来良品であるものを不良としたり、不良であるものを良品と判定してしまうことを抑制することができ、粗形材が良品であるか不良品であるかの判別の精度を向上させることができる。
ステップS10では、制御装置10は、ステップS9にて合格と判定された仮想加工面の3次元座標情報を、制御装置10に電気的に接続された、粗形材において加工面を形成する加工を行うための加工装置(不図示)に送信する。該加工装置は、加工面形成の加工工程において、検査装置1から受信した仮想加工面の3次元座標情報に従って加工動作を行うことにより、測定対象の粗形材に対して検査装置1にて判定された合格に対応する仮想加工面が露出するように加工を行うことができる。
なお、本実施形態では、合格に対応する仮想加工面の3次元座標情報を制御装置10が加工装置に送信する形態について説明したが、加工装置が、検査装置1にて合格と判定された仮想加工面に関する情報を共有でき、加工装置が該合格と判定された仮想加工面が加工面となるような加工を行えれば、どのような形態を採用しても構わない。例えば、合格と判定された仮想加工面に関する情報(例えば、3次元座標情報)を表示部16に表示してユーザに提示し、ユーザが該情報を加工装置に入力しても良い。
図10は、本実施形態に係る仮想加工面再設定処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS21では、制御装置10は、ステップS8にて抽出された鋳巣を、以下に示す3つのグループに分ける。グループ1には、仮想加工面93上に存在する鋳巣(図9中の符号95a)が含められ、グループ2には、仮想加工面93に対して加工しろと反対側の所定の領域内(仮想加工面93から鋳巣存在禁止ライン94までの領域内)に存在する鋳巣(図9中の符号95b)が含められ、グループ3には、仮想加工面93に対して加工しろ側に存在する鋳巣(図9中の符号95c)が含められる。制御装置10は、ステップ8にて抽出された各鋳巣の座標値と、仮想加工面93の座標値と、鋳巣存在禁止ライン94の座標値とに基づいて、仮想加工面93近傍の所定の領域に存在する各鋳巣をグループ1〜3にグループ分けする。
ステップS22では、制御装置10は、ステップS21にてグループ分けされた鋳巣が、グループ3に含まれる鋳巣のみか否かを判定する。グループ3の鋳巣95cは、加工面形成の際に除去される加工しろに含まれる鋳巣である。よって、加工前の粗形材5に含まれていたとしても、加工面の形成工程にて除去されるので無害と言える。よって、仮想加工面93近傍の所定の領域に存在する鋳巣がグループ3に属する鋳巣のみである場合は、制御装置10は、測定対象の粗形材は合格であると判定し、ステップS26に進む。
ステップS26では、制御装置10は、ステップS22にて合格と判定された仮想加工面の3次元座標情報を加工装置に送信する。本検査処理が終了すると、上記ステップS26にて検査装置1から加工装置に送信された合格に対応する仮想加工面の3次元位置情報に基づいて、加工装置による加工面形成の形成工程を実施すれば良い。
ステップS23では、制御装置10は、仮想加工面93に、加工面形成のための図面規格の公差(製品規格の公差)を設定し、グループ1、2の鋳巣と設定された公差の上限(加工しろと反対側の限界値)との位置関係を抽出する。本実施形態では、様々な特定情報に対応する加工対象の製品規格の公差の上限および下限の、3次元座標系における3次元座標の情報(公差情報)を各々の特定情報に関連付けてテーブル化し、該公差テーブルを不揮発性メモリ24に格納している。ここで、公差の上限とは、加工しろを公差で許容される限界まで増加させた状態の加工面をいう。また、公差の下限とは、加工しろを公差で許容される限界まで減少させた状態の加工面をいう。制御装置10は、公差テーブルを参照して特定情報に対応する公差情報を読み出し、該公差情報に基づいて、取得された鋳巣の3次元座標情報において上記公差の上限(図11中の符号111)を設定する。このように、3次元座標において公差の上限が設定されたので、制御装置10は、グループ1、2の鋳巣について、上記公差の上限との位置関係を抽出することができる。
ステップS24では、制御装置10は、ステップS23における抽出結果に基づいて、グループ1、2の鋳巣が全て、公差の上限111よりも加工しろ92側であるか(公差の上限111に含まれるか)否かを判定する。すなわち、制御装置10は、再設定候補の仮想加工面として公差の上限111を一旦設定し、該一旦設定された仮想加工面111に基づいて上記判定を行う。例えば、図11において、鋳巣112aのみが存在する場合、該鋳巣112aは公差の上限111よりも加工しろ92側の鋳巣であるので、この場合はグループ1、2の鋳巣は公差の上限111よりも加工しろ92側であると判定される。すなわち、制御装置10は、再設定候補として一旦設定された仮想加工面111上、および該一旦設定された仮想加工面111から加工しろと反対側に向かった所定の距離Δh(加工後に露出した加工面から薄皮が剥がれても問題無いと想定される任意の距離)の領域内に鋳巣が無い(別の形態として、ある程度の鋳巣を許容できる場合は、存在している鋳巣が許容数以下である)と判定し、ステップS27に進む。また、例えば、図11において、鋳巣112cが存在する場合は、該鋳巣112cは公差の上限111に対して加工しろ92と反対側に存在しているので、ステップS25に進む。また、例えば、公差の上限111上に存在する鋳巣112bがある場合も、ステップS25に進む。
ステップS27では、制御装置10は、仮想加工面を初期値として設定された仮想加工面93から、公差の上限111に変更し、制御装置10は、該変更された仮想加工面111の3次元座標情報を加工装置に送信する。本検査処理が終了すると、上記ステップS27にて検査装置1から加工装置に送信された変更された仮想加工面の3次元位置情報に基づいて、加工装置による加工面形成の形成工程を実施すれば良い。このように変更された仮想加工面111を露出するように加工することにより、製品規格上の許容範囲内で、最初に設定された仮想加工面93では問題となる鋳巣(該仮想加工面93による加工により露出した面に存在する鋳巣95aや、該露出した面の僅か下に存在する鋳巣95b(薄皮が剥がれた際に露出する恐れがある鋳巣))を除去することができる。
ステップS25では、制御装置10は、グループ2の鋳巣のうち、公差の上限111上に存在する鋳巣112bがあるか否かを判定する。これと共に、制御装置10は、グループ2の鋳巣のうち、公差の上限111に対して加工しろ92と反対側に存在する鋳巣112cの各々と、公差の上限111との間の距離Hを算出し、該距離Hが所定の距離Δh以上であるかを判定する。制御装置10は、公差の上限111上に鋳巣112bが存在せず、かつ公差の上限111に対して加工しろ92と反対側に存在する鋳巣112cの各々が公差の上限111から所定の距離Δh以上離れている場合、ステップS28に進む。一方、公差の上限111上に鋳巣112bが存在する場合、およびいずれかの鋳巣112cの距離Hが所定の距離Δh未満の場合の少なくとも一方が判定される場合は、仮想加工面を公差の上限111に変更しても、問題となる鋳巣が存在すると判断し、ステップS29に進む。すなわち、制御装置10は、この場合、仮想加工面を初期に設定された仮想加工面から候補となる面(すなわち、公差の上限)に再設定しても問題となる鋳巣が存在するので、不合格と判定し、ステップS29に進む。
本実施形態では、公差の上限111上に鋳巣が存在しない場合、かつ公差の上限111から本体側に存在する各鋳巣について距離Hが所定の距離Δh以上である場合に仮想加工面を公差の上限111に設定している。すなわち、制御装置10は、再設定候補として一旦設定された仮想加工面111上、および該一旦設定された仮想加工面111から加工しろと反対側に向かった所定の距離Δhの領域内に鋳巣が無い(別の形態として、ある程度の鋳巣を許容できる場合は、存在している鋳巣が許容数以下である)と判定し、ステップS28に進む。
ステップS28では、制御装置10は、仮想加工面を初期値として設定された仮想加工面93から、公差の上限111に変更し、制御装置10は、該変更された仮想加工面111の3次元座標情報を加工装置に送信する。本検査処理が終了すると、上記ステップS28にて検査装置1から加工装置に送信された変更された仮想加工面の3次元位置情報に基づいて、加工装置による加工面形成の形成工程を実施すれば良い。
ステップS29では、制御装置10は、初期に設定された仮想加工面を候補となる仮想加工面に変更しても問題となる鋳巣が存在している旨を表示するユーザ通知指示を表示部16に送信する。表示部16は、該ユーザ通知指示を表示部16に表示する。この表示をユーザが見ることにより、ユーザは、上記仮想加工面再設定によっても問題となる鋳巣が存在していることを認識することができ、該粗形材を廃棄する処理に進むことができる。
このように、本実施形態では、3次元座標系(XYZ座標系)を想定し、該3次元座標系を構成する3つの2次元座標系(XY座標系、YZ座標系、ZX座標系)のうち、2つの2次元座標系(XY座標系、YZ座標系)の、X線照射による粗形材中の鋳巣の2次元座標情報を取得し、該2つの2次元座標系に対応する2次元座標情報により上記粗形材中の鋳巣の3次元座標を取得している。よって、従来のようにCTスキャンを行わなくても、粗形材の内部の鋳巣の位置を特定することができる。従って、1つの粗形材の内部の鋳巣検査に要する時間を短縮することができ、インラインでの全数検査を行うことができる。
また、本実施形態では、制御装置10が、取得された3次元座標情報と適宜設定された仮想加工面とに基づいて、問題となる鋳巣が存在しているか、あるいは問題となる鋳巣が許容数よりも多く存在しているか否かを判定している。従って、粗形材を加工する前において非破壊で、コンピュータ等の装置に鋳巣が存在して欲しく無い領域に鋳巣があるか否かを判定させることができるので、正確に検出することができる。また、ユーザによる判定ではなく、上記制御装置10により一定の基準で検出を行うことができるので、粗形材毎に判定基準がばらつくことも低減することができる。よって、良品、不良品の判定を正確に行うことができる。
また、本実施形態では、上記2つの2次元座標系に対応する2つの2次元座標情報において、上記2つの2次元座標系において重複する座標軸(本実施形態では、Y軸)の座標値が同じ鋳巣の2次元座標が存在する場合は、ステップS4〜S6により、保持部4を回転する等して、残りの1つの2次元座標系(ZX座標系)に対応する2次元座標情報を新たに取得し、該新たに取得された残りの1つの2次元座標系に対応する2次元座標情報も考慮して、鋳巣の3次元座標情報を取得する。すなわち、上記2つの2次元座標系に対応する2つの2次元座標情報のいずれか一方(例えば、XY座標系の2次元座標情報)と、上記新たに取得された2次元座標情報(例えば、ZX座標系の2次元座標情報)とを比較し、該いずれか一方の2次元座標情報に対応する2次元座標系(例えば、XY座標系)および新たに取得された2次元座標情報に対応する2次元座標系(例えば、ZX座標系)において重複する第2の座標軸(例えば、X軸)の座標値において同一の値となる鋳巣の2次元座標を抽出する。そして、抽出された2つの2次元座標の各座標値を対応する鋳巣の3次元座標とする。従って、上記2つの2次元座標系から得られた2次元座標情報のみでは鋳巣の3次元座標が得られない場合であっても、上記処理により3次元座標を取得することができる。
さらに、本実施形態では、制御装置10は、初期に設定された仮想加工面では問題となる鋳巣が存在する場合、取得された鋳巣の3次元座標情報において、仮想加工面の位置を初期に設定された位置から別の位置(例えば、公差の上限)に一旦設定している。すなわち、制御装置10は、測定対象の粗形材から加工面を形成する際の規格(該加工面の形成に係る規格)の公差により許容される範囲内で、仮の仮想加工面を一旦設定している。そして、制御装置10は、一旦設定された仮想加工面上、および該一旦設定された仮想加工面から加工しろ側と反対側に向かった所定の距離Δhの領域に存在する鋳巣が許容数以下である場合(許容数をゼロと設定すれば、上記一旦設定された仮想加工面上、および上記所定の距離Δhの領域に鋳巣が無い場合)は、仮想加工面を該一旦設定された仮想加工面に変更する。よって、一度不合格と判定された粗形材であっても、合格基準を満たすように加工することができ、廃棄対象物を加工対象物にすることができる。すなわち、廃棄対象物から加工対象物となり得るものを救うことができるので、不良品の数を低減することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、X線発生部とX線検出部とのセットを2つ設けているが、1つであっても良いし、3つであっても良い。上記セットが1つの場合は、例えば、図1に示す構成からX線発生部3aおよびX線検出部3bを除き、保持部4をさらにY軸を中心に90°回転可能に構成すれば良い。また、上記セットが3つの場合は、例えば、図1に示す構成において、Y軸方向に沿ってX線発生部およびX線検出部を設け、該X線発生部およびX線検出部の間に保持部4を位置させれば良い。
本発明では、第1の軸、第2の軸、第3の軸からなる3次元座標系を想定し、第1の軸および第2の軸からなる第1の2次元座標系における、測定対象の粗形材内部の鋳巣の第1の2次元座標情報、および第2の軸および第3の軸からなる第2の2次元座標系における、測定対象の粗形材内部の鋳巣の第2の2次元座標情報を取得し、かつ場合によっては、第3の軸および第1の軸からなる第3の2次元座標系における、測定対象の粗形材の鋳巣の第3の2次元座標情報を取得することが本質であり、これを達成できれば、X線発生部やX線検出部の配置や構成などはいずれであっても良い。すなわち、上述の実施形態における、X線発生部2a、3a、X線検出部2b、3b等は、上記第1〜第3の2次元座標情報を取得する手段の一例に過ぎないのである。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、想定された3次元座標系における3つの2次元座標系のうち2つの2次元座標系における鋳巣の2つの2次元座標情報を取得し、該2つの2次元座標系に対応する2つの2次元座標情報から、測定対象の粗形材の内部の鋳巣の各々の3次元座標を示す3次元座標情報を取得している。そして、上記2つの2次元座標系に対応する2つの2次元座標情報から3次元座標が特定できない鋳巣がある場合は、上記3つの2次元座標系の残りの2次元座標系における鋳巣の2次元座標情報を取得し、上記すでに取得されている2つの2次元座標情報の少なくとも一方に加えて、該残りの2次元座標情報も考慮して3次元座標情報を取得している。第1および第2の実施形態では、制御装置10は、このように取得された3次元座標情報において仮想加工面を設定し、該仮想加工面との位置関係から合格、不合格を判定している。
上述のように、本発明では、想定された3次元座標系から得られる3つの2次元座標系のうち少なくとも2つの2次元座標系における測定対象の粗形材内部の鋳巣の2次元座標情報に基づいて、制御装置10に該鋳巣の3次元座標情報を求めさせることにより、制御装置10または他のコンピュータといった演算部が、上記3次元座標情報に基づいて、所定の判断基準により、測定対象の粗形材が合格か不合格かを決定することができる。あるいは、上記3次元座標情報が取得された時点で、表示部16に上記鋳巣の3次元座標情報を表示して、ユーザに上記合格、不合格の判定を行わせても良い。
本実施形態では、図7のステップS1〜S6を終了して3次元座標情報を取得したら、制御装置10は、該取得された3次元座標情報を、記憶手段としてのRAM13に格納する。制御装置10は、該RAM13に格納された鋳巣の3次元座標情報を表示部16に表示させる。この表示により、ユーザは、測定対象の粗形材の内部の鋳巣の3次元の位置を正確かつ高速に知ることができる。すなわち、ユーザは、正確に特定された上記鋳巣の3次元位置を知ることができるので、上記合格、不合格の判定をより正確に行うことができる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態に係る図10のフローチャートでは、ステップS25で仮想加工面を公差の上限に変更しても問題となる鋳巣があると判断する場合に、ユーザ通知を行って粗形材の廃棄処理に進む。しかしながら、公差の上限において問題となると判断された鋳巣であっても、仮想加工面を公差の下限に変更すると問題にならなくなる場合がある。本実施形態では、仮想加工面再設定処理の追加工程として、仮想加工面を公差の下限に変更して再度鋳巣の判定を行うため、不良品の数をさらに低減することができる。
図12は、本実施形態に係る追加の仮想加工面再設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係る追加の仮想加工面再設定処理は、第1の実施形態に係る図10のフローチャートにおいて、ステップS25で公差の上限に変更しても問題となる鋳巣があると判断された場合(ステップS25でNOの場合)であって、ステップS29のユーザ通知を行う前に、実行される。
ステップS31では、制御装置10は、仮想加工面93に公差の下限を設定し、全ての鋳巣と設定された公差の下限との位置関係を抽出する。公差の下限は、第1の実施形態と同等に、公差テーブルとして不揮発性メモリ24に格納されている。制御装置10は、公差テーブルを参照して特定情報に対応する公差情報を読み出し、該公差情報に基づいて、取得された鋳巣の3次元座標情報において上記公差の下限(図13中の符号131)を設定する。このように、3次元座標において公差の下限が設定されたので、制御装置10は、全ての鋳巣について、上記公差の下限との位置関係を抽出することができる。
ステップS32では、制御装置10は、公差の下限131上に存在する鋳巣132bがあるか否かを判定する。これと共に、制御装置10は、鋳巣のうち、公差の下限131に対して加工しろ92と反対側に存在する鋳巣132cの各々と、公差の下限131との間の距離Hを算出し、該距離Hが所定の距離Δh以上であるかを判定する。なお、公差の下限131より加工しろ92側にある鋳巣132aのみが存在するパターンは、図10のステップS22で除外されるため、考慮しないで良い。
制御装置10は、公差の下限131上に鋳巣132bが存在せず、かつ公差の下限131に対して加工しろ92と反対側に存在する鋳巣132cの各々が公差の下限131から所定の距離Δh以上離れている場合、ステップS33に進む。一方、公差の下限131上に鋳巣132bが存在する場合、およびいずれかの鋳巣132cの距離Hが所定の距離Δh未満の場合の少なくとも一方が判定される場合は、仮想加工面を公差の下限131に変更しても、問題となる鋳巣が存在すると判断し、図10のステップS29に進む。すなわち、制御装置10は、この場合、仮想加工面を初期に設定された仮想加工面から候補となる面(すなわち、公差の上限および公差の下限)に再設定しても問題となる鋳巣が存在するので、不合格と判定し、図10のステップS29に進む。
本実施形態では、公差の下限131上に鋳巣が存在しない場合、かつ公差の下限131から本体側に存在する各鋳巣について距離Hが所定の距離Δh以上である場合に、仮想加工面を公差の下限131に設定している。すなわち、制御装置10は、再設定候補として一旦設定された仮想加工面131上、および該一旦設定された仮想加工面131から加工しろと反対側に向かった所定の距離Δhの領域内に鋳巣が無い(別の形態として、ある程度の鋳巣を許容できる場合は、存在している鋳巣が許容数以下である)と判定し、ステップS33に進む。
ステップS33では、制御装置10は、仮想加工面を初期値として設定された仮想加工面93から、公差の下限131に変更し、制御装置10は、該変更された仮想加工面131の3次元座標情報を加工装置に送信する。本検査処理が終了すると、上記ステップS33にて検査装置1から加工装置に送信された変更された仮想加工面の3次元位置情報に基づいて、加工装置による加工面形成の形成工程を実施すれば良い。このように変更された仮想加工面131を露出するように加工することにより、製品規格上の許容範囲内で、最初に設定された仮想加工面93では問題となる鋳巣(該仮想加工面93による加工により露出した面に存在する鋳巣95aや、該露出した面の僅か下に存在する鋳巣95b(薄皮が剥がれた際に露出する恐れがある鋳巣))が除去される、または問題にならない程度に十分に深く位置するようになる。
本実施形態では仮想加工面に公差の上限を設定して判定を行った後に、追加で公差の下限を設定して判定を行っているが、仮想加工面に公差の下限のみを設定して判定を行っても良い。
本実施形態では、制御装置10は、初期に設定された仮想加工面および公差の上限に設定された仮想加工面では問題となる鋳巣が存在する場合、取得された鋳巣の3次元座標情報において、仮想加工面の位置を公差の下限に一旦設定している。すなわち、制御装置10は、測定対象の粗形材から加工面を形成する際の規格(該加工面の形成に係る規格)の公差により許容される範囲内で、加工しろが最小になる仮想加工面を一旦設定している。そして、制御装置10は、一旦設定された仮想加工面上、および該一旦設定された仮想加工面から加工しろ側と反対側に向かった所定の距離Δhの領域に存在する鋳巣が許容数以下である場合(許容数をゼロと設定すれば、上記一旦設定された仮想加工面上、および上記所定の距離Δhの領域に鋳巣が無い場合)は、仮想加工面を該一旦設定された仮想加工面に変更する。よって、初期に設定された仮想加工面および公差の上限に設定された仮想加工面では一度不合格と判定された粗形材であっても、合格基準を満たすように加工することができ、廃棄対象物を加工対象物にすることができる。すなわち、廃棄対象物から加工対象物となり得るものを救うことができるので、不良品の数を低減することができる。
(第5の実施形態)
X線は物質を透過する際に減衰するため、X線が物質中を透過する距離が大きくなると、十分な強度の投影像を得られず、鋳巣の検出ができない場合がある。前述の第1、第2および第3の実施形態においては、図2の粗形材5の面5bに対してX線を照射する必要があるが、この方向ではX線が粗形材5を長手方向に透過するためX線の透過距離が大きくなる。そのため、長手方向の厚さが大きい部材を用いると、鋳巣の検出が難しい場合がある。投影像の強度を上げるためにはX線の出力を上げることが考えられるが、そのためには設備に掛かるコストが大きくなる。また、X線の出力には限界があるため、それによって粗形材の大きさが制限される。例えば、225kVの大出力X線光源を用いた場合に、Alの粗形材に対する透過距離は150mm程度が限界となる。それに対して、本実施形態では、粗形材を傾斜させた状態でX線照射を行うことによってX線の透過距離を低減することができるため、X線の出力を上げなくとも大きな部材に対して検査が可能となる。
図14は、本実施形態に係る粗形材の検査装置を示す模式図である。図14において、検査装置6は、X線発生部2aと、該X線発生部2aから発生され、粗形材5を透過したX線投影像の2次元の座標情報(X軸、Y軸からなる2次元の2次元座標情報)を検出するX線検出部2bと、測定対象の粗形材5を保持し、該粗形材5の保持面をX軸周りに所望の角度に回転可能に構成された保持部4と、保持部4を回転させるための駆動部7を備えている。保持部4には、X線を透過する材料、例えばカーボンが用いられる。本実施形態では、図14に示すように互いに直交しているXYZ軸の3次元を想定し、Z軸方向に沿ってX線発生部2aおよびX線検出部2bが配置されている。
本実施形態では、図15に示すように、保持部4は、粗形材5を固定可能に構成された保持面4aを有し、該保持面4aを駆動部7によってX軸周りに所望の角度に回転可能に構成されている。従って、粗形材5の配置位置を、粗形材5の面5aがX線検出部2bの検出面に対して第1の角度で傾斜する第1の位置(初期の配置)から、粗形材5の面5aがX線検出部2bの検出面に対して該第1の角度と異なる第2の角度で傾斜する第2の位置に変更することができる。この回転は、Y軸周りであっても良い。本実施形態は、粗形材5の回転前の第1の位置における鋳巣の2次元座標情報と、粗形材5の回転後の第2の位置における鋳巣の2次元座標情報から、鋳巣の3次元座標情報を算出する。X線の透過距離を低減するために、粗形材5は、保持面4aからの厚みが小さくなるように、保持部4に固定される。
本実施形態の本質は、粗形材5に対してX線が照射される方向(角度)を相対的に変えて、2つの2次元座標情報を取得することにある。したがって、本実施形態では保持部4が回転することによって粗形材5にX線が照射される方向を変えているが、X線発生部2aおよびX線検出部2bの位置を変化させることによって粗形材5にX線が照射される方向を変えても良い。
本実施形態における鋳巣の3次元座標情報の算出方法を以下に説明する。図16(a)は、回転前の位置Aにおける、粗形材5のXY平面(X線検出部2bの検出面)への投影像を示す図である。回転前の位置Aでは、粗形材5の表面がXY平面に対して平行に維持されている。回転前の位置Aにおいては、鋳巣161の座標を(X1,Y1)とし、粗形材5の一方の端面における鋳巣161と同じX座標の端点162の座標を(X1,Y0)とする。また、図16(b)は、回転後の位置A’における、粗形材5のXY平面への投影像を示す図である。回転後の位置A’は、X軸周りに粗形材5をθ度(0°<θ<90°)回転させた状態であるため、鋳巣161および端点162のY座標が回転前から変化している。その結果、鋳巣161の座標は(X1,Y1’)となり、端点162の座標を(X1,Y0’)となる。なお、本実施形態では、説明のために、粗形材5の重心を通るX軸に平行な軸に関して回転させているが、回転軸の位置は任意である。
図17は、回転前の位置Aおよび回転後の位置A’の粗形材5を、YZ平面に投影した図である。なお、本図は回転角度θを45°として図示されている。本図を用いて、鋳巣161の粗形材5中の深さ方向の位置を算出する方法を説明する。まず、端点162から鋳巣161までの距離Lは式(1)により表される。距離Lは回転前後で不変である。
Figure 2014013227
鋳巣161の粗形材5の底面からの距離をZ1とすると、LおよびZ1と鋳巣161および端点162のY座標との関係は式(2)により表される。
Figure 2014013227
式(1)および(2)より、Z1は、回転前後の鋳巣161および端点162のY座標および回転角度θを用いて、式(3)により表される。鋳巣161の粗形材5の上面からの距離が必要な場合には、粗形材5の厚さTからZ1を減算すれば良い。
Figure 2014013227
以上の算出方法を用いれば、鋳巣161のZ方向の位置を特定できるため、鋳巣161の2次元座標から3次元座標情報を取得することができる。なお、ここでは粗形材5の長さとX線検出部2b上の投影像の長さとが等倍であると仮定しているが、粗形材5の長さとX線検出部2b上の投影像の長さとの間に所定の倍率がある場合には、該倍率で投影像の長さを補正すれば良い。
図18は、本実施形態に係る粗形材の検査の処理手順を示すフローチャートである。
まずは、測定対象となる粗形材5を保持部4上に配置する。ステップS41では、ユーザが入力操作部15を介して検査開始の指示および測定対象の粗形材を特定する特定情報(例えば、粗形材の種類(サイズ、形状など))を入力すると、制御装置10は、該入力された特定情報をRAM13に格納する。なお、本実施形態では、測定対象の粗形材の形状は直方体であり、該直方体の一面に加工面を形成する外面加工について例示する。よって、特定情報によって、検査装置6は、測定対象の粗形材が直方体であり、外面加工であることを認識できる。
ステップS41では、制御装置10は、X線発生部2aにX線を出射させるためのコマンドを送信し、X線発生部2aに回転前の第1の位置にある粗形材5に対してX線を照射させ、X線検出部2bからXY座標系における鋳巣の2次元座標情報(例えば、図16(a)に示す2次元座標情報)を取得する。上記コマンドにより、X線発生部2aは粗形材5に対してX線を照射し、該粗形材5を透過したX線は、X線検出部2bに入射する。該入射により、X線検出部2bは、粗形材5のXY座標系における鋳巣の2次元座標を検出し、該2次元座標情報を制御装置10に送信する。制御装置10は、X線検出部2bから受信した2次元座標情報から、粗形材の内部に存在する各鋳巣の、XY座標系における2次元位置(2次元座標)を特定することができる。
ステップS42では、制御装置10は、駆動部7に保持部4を回転させるためのコマンドを送信し、駆動部7に保持部4を所定の角度θだけ回転させる。制御装置10が所定の角度θを取得するために、ユーザが入力操作部15から所定の角度θの値を入力してもよく、また不揮発性メモリ14に予め記録されている所定の角度θを制御装置10が読み出しても良い。
ステップS43では、制御装置10は、X線発生部2aにX線を出射させるためのコマンドを送信し、X線発生部2aに回転後の第2の位置にある粗形材5に対してX線を照射させ、ステップS41と同様にX線検出部2bからXY座標系における鋳巣の2次元座標情報(例えば、図16(b)に示す2次元座標情報)を取得する。
ステップS44では、制御装置10は、ステップS41にて取得した回転前の鋳巣の2次元座標情報およびステップS43にて取得した回転後の鋳巣の2次元座標情報に基づいて、XYZ座標系における各鋳巣の3次元座標情報を取得する。各鋳巣の3次元座標情報は、前述の式(1)〜(3)に基づく算出方法により求めることができる。これにより、制御装置10は、粗形材の内部に存在する各鋳巣の、XYZ座標系における3次元位置(3次元座標)を特定することができる。
各鋳巣の3次元座標情報を取得した後は、第1の実施形態に係る図7のフローチャートにおけるステップS7以降の処理が適用され、仮想加工面の設定および鋳巣の判定が行われる。さらに、第4の実施形態に係る図12のフローチャートの処理が適用されても良い。
本実施形態と第1、第2および第3の実施形態とは、粗形材5に対するX線の相対的な照射方向を変化させて2回以上X線照射を行い、それにより取得された2つ以上の2次元座標情報から鋳巣の3次元座標情報を算出する点で共通する。
本実施形態では、特に少なくとも一方向に厚さが小さい粗形材に対して、所定の角度θ(0°<θ<90°)傾斜させてX線を照射するため、粗形材中のX線透過距離を低減することができ、X線の減衰を低減することができる。その結果、第1、第2および第3の実施形態では鋳巣の検出が難しいような大きな粗形材に対して、X線の出力を上げなくとも鋳巣の検査を行うことができる。
(その他の実施形態)
前述した実施形態の機能を実現するように前述した実施形態の構成を動作させるプログラム(例えば、図7、10に示す処理を行うプログラム)を記憶媒体に記憶させ、該記憶媒体に記憶されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も上述の実施形態の範疇に含まれる。即ちコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も実施例の範囲に含まれる。また、前述のコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体はもちろんそのコンピュータプログラム自体も上述の実施形態に含まれる。
かかる記憶媒体としてはたとえばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD―ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。
また前述の記憶媒体に記憶されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウエア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作し前述の実施形態の動作を実行するものも前述した実施形態の範疇に含まれる。
1、6 検査装置
2a、3a X線発生部
2b、3b X線検出部
4 保持部
5 粗形材
7 駆動部

Claims (24)

  1. 粗形材を保持するための保持手段と、
    前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、
    前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、
    前記3次元座標情報上で、後に加工面とすべき仮想加工面を設定する手段と、
    前記3次元座標情報において、前記仮想加工面と前記粗形材内の鋳巣とを比較して、前記粗形材の、少なくとも前記仮想加工面を含む領域に鋳巣があるか否かを判定する手段であって、前記領域に存在する前記鋳巣が許容数よりも多い場合前記粗形材を不合格と判定し、前記領域に存在する前記鋳巣が前記許容数以下である場合前記粗形材を合格と判定する手段と
    を備えることを特徴とする鋳造粗形材検査装置。
  2. 前記第1の取得手段は、想定された3次元座標系の第1の軸および第2の軸からなる第1の2次元座標系における前記第1の2次元座標情報と、前記3次元座標系の前記第2の軸および第3の軸からなる第2の2次元座標系における前記第2の2次元座標情報とを取得することを特徴とする請求項1に記載の鋳造粗形材検査装置。
  3. 前記第1の取得手段は、前記粗形材にX線を照射することにより、前記3次元座標系の前記第3の軸および前記第1の軸からなる第3の2次元座標系における、前記粗形材の投影像の第3の2次元座標情報をさらに取得し、
    前記第2の取得手段は、前記第1、前記第2および前記第3の2次元座標情報に基づいて、前記3次元座標情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の鋳造粗形材検査装置。
  4. 前記第1の取得手段は、
    前記第1の軸に沿って配置された第1のX線発生部と、
    前記第1の軸に沿って、前記第1のX線発生部から出射されたX線を入射するように配置された第1のX線検出部と、
    前記第3の軸に沿って配置された第2のX線発生部と、
    前記第3の軸に沿って、前記第2のX線発生部から出射されたX線を入射するように配置された第2のX線検出部と
    を有することを特徴とする請求項2に記載の鋳造粗形材検査装置。
    材検査装置。
  5. 前記第1の取得手段は、前記保持手段を挟んで対向するX線発生部とX線検出部とを備え、
    前記第1の取得手段は、前記X線検出部に対して前記保持手段が第1の角度に配置された状態で前記第1の2次元座標情報を取得し、前記X線検出部に対して前記保持手段が該第1の角度とは異なる第2の角度に配置された状態で前記第2の2次元座標情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の鋳造粗形材検査装置。
  6. 前記判定手段により不合格と判定された場合、前記3次元座標情報上で、前記仮想加工面の位置を他の位置に一旦設定する手段と、
    前記3次元座標情報において、前記一旦設定された仮想加工面上、および該一旦設定された仮想加工面から加工しろ側と反対側に向かった所定の距離の領域に存在する鋳巣が許容数以下である場合、前記仮想加工面を前記一旦設定された仮想加工面に変更する手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鋳造粗形材検査装置。
  7. 前記一旦設定する手段は、前記粗形材から加工面の形成に係る規格の公差により許容される範囲内で、前記仮想加工面の位置を他の位置に一旦設定することを特徴とする請求項7に記載の鋳造粗形材検査装置。
  8. 粗形材を保持するための保持手段と、
    前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、
    前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、
    情報を格納可能な記憶手段と、
    前記第2の取得手段により取得された前記3次元座標情報を前記記憶手段に格納する手段と
    を備えることを特徴とする鋳造粗形材検査装置。
  9. 粗形材に対して第1の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射することにより前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得工程と、
    前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得工程と、
    前記3次元座標情報上で、後に加工面とすべき仮想加工面を設定する工程と、
    前記3次元座標情報において、前記仮想加工面と前記粗形材内の鋳巣とを比較して、前記粗形材の、少なくとも前記仮想加工面を含む領域に鋳巣があるか否かを判定する手段であって、前記領域に存在する前記鋳巣が許容数よりも多い場合前記粗形材を不合格と判定し、前記領域に存在する前記鋳巣が前記許容数以下である場合前記粗形材を合格と判定する工程と
    を有することを特徴とする鋳造粗形材検査方法。
  10. 前記第1の取得工程は、想定された3次元座標系の第1の軸および第2の軸からなる第1の2次元座標系における前記第1の2次元座標情報と、前記3次元座標系の前記第2の軸および第3の軸からなる第2の2次元座標系における前記第2の2次元座標情報とを取得することを特徴とする請求項9に記載の鋳造粗形材検査方法。
  11. 前記第1の取得工程は、前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報において、前記第1の2次元座標系および前記第2の2次元座標系において重複する座標軸の座標値を比較して、前記重複する座標軸の座標値について同一の座標値がある場合、前記粗形材にX線を照射することにより、前記3次元座標系の前記第3の軸および前記第1の軸からなる第3の2次元座標系における、前記粗形材の投影像の第3の2次元座標情報をさらに取得し、
    前記第2の取得工程は、前記第1、前記第2および前記第3の2次元座標情報に基づいて、前記3次元座標情報を取得することを特徴とする請求項10に記載の鋳造粗形材検査方法。
  12. 前記第1の取得工程は、
    前記第1の軸に沿って配置された第1のX線発生部から出射されたX線を前記粗形材を透過させて、前記第1の軸に沿って配置された第1のX線検出部に入射させることにより、前記第1の2次元座標情報を取得し、
    前記第3の軸に沿って配置された第2のX線発生部から出射されたX線を前記粗形材を透過させて、前記第3の軸に沿って配置された第2のX線検出部に入射させることにより、前記第2の2次元座標情報を取得することを特徴とする請求項10に記載の鋳造粗形材検査方法。
  13. 前記第1の取得工程は、X線を検出するためのX線検出部に対して前記粗形材が第1の角度に配置された状態で前記第1の2次元座標情報を取得し、前記X線検出部に対して前記粗形材が該第1の角度とは異なる第2の角度に配置された状態で前記第2の2次元座標情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の鋳造粗形材検査方法。
  14. 前記判定手段により不合格と判定された場合、前記3次元座標情報上で、前記仮想加工面の位置を他の位置に一旦設定する工程と、
    前記3次元座標情報において、前記一旦設定された仮想加工面上、および該一旦設定された仮想加工面から加工しろ側と反対側に向かった所定の距離の領域に存在する鋳巣が許容数以下である場合、前記仮想加工面を前記一旦設定された仮想加工面に変更する工程と
    をさらに有することを特徴とする請求項9乃至13のいずれか一項に記載の鋳造粗形材検査方法。
  15. 前記一旦設定する工程は、前記粗形材から加工面の形成に係る規格の公差により許容される範囲内で、前記仮想加工面の位置を他の位置に一旦設定することを特徴とする請求項14に記載の鋳造粗形材検査方法。
  16. X線発生手段から出射され粗形材を透過してX線検出手段にて検出された情報から前記粗形材の内部に存在する鋳巣を検査する検査装置であって、
    前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、
    前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、
    前記3次元座標情報上で、後に加工面とすべき仮想加工面を設定する手段と、
    前記3次元座標情報において、前記仮想加工面と前記粗形材内の鋳巣とを比較して、前記粗形材の、少なくとも前記仮想加工面を含む領域に鋳巣があるか否かを判定する手段であって、前記領域に存在する前記鋳巣が許容数よりも多い場合前記粗形材を不合格と判定し、前記領域に存在する前記鋳巣が前記許容数以下である場合前記粗形材を合格と判定する手段と
    を備えることを特徴とする検査装置。
  17. 前記第1の取得手段は、前記X線発生手段を制御して、前記X線検出手段から、想定された3次元座標系の第1の軸および第2の軸からなる第1の2次元座標系における前記第1の2次元座標情報と、前記3次元座標系の前記第2の軸および第3の軸からなる第2の2次元座標系における前記第2の2次元座標情報とを取得することを特徴とする請求項16に記載の検査装置。
  18. 前記第1の取得手段は、
    前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報において、前記第1の2次元座標系および前記第2の2次元座標系において重複する座標軸の座標値を比較して、前記重複する座標軸の座標値について同一の座標値があるか否かを判定する手段と、
    前記同一の座標値があると判定される場合は、前記X線発生手段を制御して、前記X線検出手段から、前記3次元座標系の前記第3の軸および前記第1の軸からなる第3の2次元座標系における、前記粗形材の投影像の第3の2次元座標情報を取得する手段とをさらに有し、
    前記第2の取得手段は、前記第1、前記第2および前記第3の2次元座標情報に基づいて、前記3次元座標情報を取得することを特徴とする請求項17に記載の検査装置。
  19. 前記第1の取得手段は、前記X線検出手段に対して前記粗形材が第1の角度に配置された状態で前記第1の2次元座標情報を取得し、前記X線検出手段に対して前記粗形材が該第1の角度とは異なる第2の角度に配置された状態で前記第2の2次元座標情報を取得することを特徴とする請求項16に記載の検査装置。
  20. 前記判定手段により不合格と判定された場合、前記3次元座標情報上で、前記仮想加工面の位置を他の位置に一旦設定する手段と、
    前記3次元座標情報において、前記一旦設定された仮想加工面上、および該一旦設定された仮想加工面から加工しろ側と反対側に向かった所定の距離の領域に存在する鋳巣が許容数以下である場合、前記仮想加工面を前記一旦設定された仮想加工面に変更する手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項16乃至19のいずれか一項に記載の検査装置。
  21. 前記一旦設定する手段は、前記粗形材から加工面の形成に係る規格の公差により許容される範囲内で、前記仮想加工面の位置を他の位置に一旦設定することを特徴とする請求項20に記載の検査装置。
  22. X線発生手段から出射され粗形材を透過してX線検出手段にて検出された情報から前記粗形材の内部に存在する鋳巣を検査する検査装置であって、
    前記粗形材に対して第1の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から前記粗形材の投影像の第1の2次元座標情報を取得し、前記粗形材に対して該第1の方向とは異なる第2の方向からX線を照射するように前記X線発生手段を制御することによって、前記X線検出手段から前記粗形材の投影像の第2の2次元座標情報を取得する第1の取得手段と、
    前記第1の2次元座標情報および前記第2の2次元座標情報から、前記粗形材の内部に存在する鋳巣の3次元座標を示す3次元座標情報を取得する第2の取得手段と、
    情報を格納可能な記憶手段と、
    前記第2の取得手段により取得された前記3次元座標情報を前記記憶手段に格納する手段と
    を備えることを特徴とする検査装置。
  23. コンピュータを請求項16乃至22のいずれか一項に記載の検査装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  24. コンピュータにより読み出し可能なプログラムを格納した記憶媒体であって、請求項23に記載のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
JP2012255347A 2012-06-06 2012-11-21 鋳造粗形材検査装置および鋳造粗形材検査方法 Pending JP2014013227A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107843606A (zh) * 2016-09-20 2018-03-27 欧姆龙株式会社 X线检查装置及其控制方法、记录介质
CN115213736A (zh) * 2022-07-22 2022-10-21 昆山西诺巴精密模具有限公司 基于视觉检测的铸造零件毛坯余量均匀化加工方法

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