JP2014008156A - 人工関節用コンポーネント - Google Patents

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Abstract

【課題】損傷が生じ難い構造を実現して破損のリスクを低減でき、且つ、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させることができる、人工関節用コンポーネントを提供する。
【解決手段】内側構造部13は、本体部分12における窪み面11側である内側の部分であってボール状コンポーネント4が摺動するライナー2が取り付けられる部分を少なくとも有する。外側構造部16は、内側構造部13の外側に設けられる。内側構造部13は、緻密体として構成され、外側構造部16は、内側構造部13の緻密体よりも疎な構造体であるポーラス体として構成されたポーラス部18を有する。内側構造部13と外側構造部16とは、一体成形されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ボール状コンポーネントが摺動し、或いはボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる、人工関節用コンポーネントに関する。
従来より、関節に異常が認められた患者に対して、関節の一部又は全部を人工関節に置換する人工関節置換術が行われている。そして、人工関節としての人工股関節或いは人工肩関節等は、ボール状コンポーネントと、ボール状コンポーネントが固定され或いは一体に設けられるステム状のコンポーネントと、シェル状の本体部分を有する人工関節用コンポーネントとを備えて構成されている。また、上記の人工関節用コンポーネントにおけるシェル状の本体部分には、ボール状コンポーネントが摺動し、或いはボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる、曲面状の窪み面が設けられる。
特許文献1においては、ボール状コンポーネントが摺動する二重ソケット構造の人工股関節ソケットが開示されている。この人工股関節ソケットは、チタンの深絞り薄板から成る外側ソケットと、硬化した高分子のポリエチレンから成る内側ソケットと、を有している。内側ソケットは、ボール状コンポーネントが摺動するライナーとして設けられている。外側ソケットは、ライナーである内側ソケットが取り付けられる。
また、この人工股関節ソケットには、チタンから成る旋削部品として設けられて、外側ソケットから外方に向かって突出するように外側ソケットに対して取り付けられるアンカーピンが更に備えられている。このアンカーピンは、外側ソケットとは別体の部品として設けられている。そして、このアンカーピンは、外側ソケットに対して、リベット接合によって固定されている。また、アンカーピンは、外側ソケットから突出する先端側の端部が、半球状の曲面形状に形成されている。更に、アンカーピンの外周には、骨内に錨着し易くするための切欠き溝が設けられている。
また、特許文献1においては、段落0009において、骨組織を良好に固着させるために、予め変形させた金属織製物「メッシュ」を外側ソケット上の例えばアンカーピンの範囲に設けることも可能である旨が記載されている。
特開平10−323360号公報
前述したように、特許文献1に開示された人工股関節ソケットの外側ソケットと、骨に対して良好に固定させるためのアンカーピンとは、別体の部材として設けられている。このため、上記の外側ソケット及びアンカーピンで構成される人工関節用コンポーネントは、アンカーピンに対してその側方から作用する圧力である側方圧が繰り返し作用した際に、リベット接合によるアンカーピンと外側ソケットとの接合部において損傷が生じ易くなる虞がある。よって、この人工関節用コンポーネントは、破損のリスクが増大し易くなる虞がある。
更に、特許文献1の人工股関節ソケットにおける人工関節用コンポーネント(外側ソケット及びアンカーピン)は、骨に錨着させるための切欠き溝がアンカーピンに設けられている。このため、この人工関節用コンポーネントは、アンカーピンに上記の側方圧が繰り返し作用した際に、応力集中によって、切欠き溝において損傷が生じ易く、破損のリスクが増大し易くなる虞がある。
また、特許文献1では、上記の人工関節用コンポーネントのアンカーピンに対して金属織物製のメッシュをが取り付けられることが記載されている。しかし、アンカーピンに上記の側方圧が繰り返し作用すると、金属織物製のメッシュとアンカーピンとの接合部において、損傷が生じ易くなる虞がある。よって、この人工関節用コンポーネントは、破損のリスクが増大し易くなる虞がある。
また、特許文献1に開示された上記の人工関節用コンポーネントは、外側ソケットが、チタンの深絞り薄板によって形成されている。このため、人工股関節置換術が行われ、上記の人工関節用コンポーネントが、骨盤に対して寛骨臼にて固定される際に、外側ソケットの滑らかな表面と骨盤の寛骨臼との間の摩擦によっては、骨に対する固定力を得るための十分な固定性能を確保することが難しい。
また、特許文献1に開示された上記の人工関節用コンポーネントは、骨に対する固定力を得るために、切欠き部が形成されたアンカーピンが設けられている。しかし、アンカーピンの先端側の端部は、半球状の曲面形状に形成されている。このため、上記の人工関節用コンポーネントが、骨盤に固定される際に、アンカーピンにおける切欠き部以外の部分によっては、骨に対する固定力を得るための十分な固定性能を確保することが難しい。とくに、人工股関節置換術が行われ、上記の人工関節用コンポーネントが骨盤に固定される初期状態において、十分な固定性能を確保することが難しい。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、損傷が生じ難い構造を実現して破損のリスクを低減でき、且つ、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させることができる、人工関節用コンポーネントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る人工関節用コンポーネントは、ボール状コンポーネントが摺動し、或いは前記ボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる、曲面状の窪み面が設けられたシェル状の本体部分を有する人工関節用コンポーネントに関する。そして、第1発明に係る人工関節用コンポーネントは、前記本体部分における前記窪み面側である内側の部分であって前記ボール状コンポーネントが摺動し又は前記ライナーが取り付けられる部分を少なくとも有する内側構造部と、前記内側構造部の外側に設けられる外側構造部と、を備え、前記内側構造部は、緻密体として構成され、前記外側構造部は、前記内側構造部の緻密体よりも疎な構造体であるポーラス体として構成されたポーラス部を有し、前記内側構造部と前記外側構造部とは、一体成形されていることを特徴とする。
この構成によると、緻密体として構成された内側構造部と、ポーラス部を有する外側構造部とが、一体成形されている。このため、内側構造部と外側構造部との間に境界となる接合部が存在せず、応力集中が生じ難く、繰り返し生じるような応力が作用しても損傷が生じ難い構造を実現することができる。これにより、破損のリスクを低減することができる。そして、上記の構成によると、外側構造部にポーラス部が設けられるため、骨との間で大きな摩擦力を確保でき、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させ、十分な固定性能を確保することができる。更に、外側構造部にポーラス部が設けられていることで、長期的には、ポーラス部の気孔に骨が侵入するように成長することになる。これにより、骨との癒合を促進し易く、骨に対する長期の固定性能も向上させることができる。
従って、上記の構成によると、損傷が生じ難い構造を実現して破損のリスクを低減でき、且つ、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させることができる、人工関節用コンポーネントを提供することができる。
第2発明に係る人工関節用コンポーネントは、第1発明の人工関節用コンポーネントにおいて、前記内側構造部と前記外側構造部とは、生体親和性を有する金属粉末が順次積層されて一旦溶融されることで一体化された状態で形成されていることを特徴とする。
この構成によると、内側構造部及び外側構造部は、金属粉末が順次積層されて一旦溶融されることで一体化された状態で形成される。即ち、内側構造部及び外側構造部は、金属粉末積層造形法によって、一体成形される。このため、金属に対して複雑な切削加工等を施してポーラス部を有する人工関節用コンポーネントを形成する必要が無い。また、医療用器具の材料として多く流通しているチタン合金等の難切削材であっても、複雑な形状の切削加工が不要なため、容易に、人工関節用コンポーネントを形成することができる。よって、緻密体として構成された内側構造部と、ポーラス部を有する外側構造部とを備えた人工関節用コンポーネントを容易に一体成形することができる。
第3発明に係る人工関節用コンポーネントは、第1発明又は第2発明の人工関節用コンポーネントにおいて、前記ポーラス部が、前記外側構造部における前記本体部分に含まれる部分の外周面の全体に亘って設けられていることを特徴とする。
この構成によると、ポーラス部が本体部分における外側構造部の外周面全体に設けられるため、骨との間で更に大きな摩擦力を確保でき、骨に対する固定性能を更に向上させることができる。また、長期的な骨との癒合が促進される領域が増大するため、骨に対する長期の固定性能も更に向上させることができる。
第4発明に係る人工関節用コンポーネントは、第1発明乃至第3発明のいずれかの人工関節用コンポーネントにおいて、前記外側構造部における前記本体部分に含まれる部分は、前記内側構造部に隣接する内側の部分から外周面側の部分にかけて前記ポーラス部の気孔率が大きくなるように変化するよう構成されていることを特徴とする。
この構成によると、本体部分における外側構造部のポーラス部の気孔率が、内側構造部に隣接する内側の部分から外周面側の部分にかけて大きくなるように変化する。よって、外側構造部において、気孔率が大きくなるようにポーラス部の組織構造が傾斜的に変化することになる。このため、緻密体として構成された内側構造部からポーラス部を有する外側構造部の外周面側にかけて、組織構造が急激に変化することを抑制し、応力集中を更に生じ難い構造を実現でき、より損傷が生じ難い構造を実現することができる。
第5発明に係る人工関節用コンポーネントは、第1発明乃至第4発明のいずれかの人工関節用コンポーネントにおいて、前記外側構造部は、前記本体部分から外側に向かって突出するとともに当該本体部分に一体に形成された突出部を有し、前記突出部は、前記本体部分から突出する先端側が尖った形状に形成され、或いは尖った稜線部分を有する形状に形成されていることを特徴とする。
この構成によると、外側構造部において、先端側が尖った形状或いは稜線部分が尖った形状の突出部が設けられる。このため、突出部における尖った部分が骨に食い込むように固定されることになる。これにより、骨に対する固定性能を更に向上させることができる。とくに、人工関節置換術が行われ、人工関節用コンポーネントが骨に固定される初期状態において、更に固定性能を向上させることができる。また、突出部は、本体部分に一体に形成されるため、本体部分と突出部との間に境界となる接合部が存在しない。このため、本体部分と突出部との間の領域において、応力集中が生じ難く、突出部に対してその側方から作用するような側方圧が繰り返し作用しても損傷が生じ難い構造を実現することができる。
第6発明に係る人工関節用コンポーネントは、第5発明の人工関節用コンポーネントにおいて、前記突出部は、前記ポーラス部を含むことを特徴とする。
この構成によると、突出部にポーラス部が含まれるため、骨に食い込んだ突出部とその骨との間において、長期的な骨との癒合が促進される。このため、骨に対する初期の固定性能に加え、骨に対する長期の固定性能も更に向上させることができる。
第7発明に係る人工関節用コンポーネントは、第5発明又は第6発明の人工関節用コンポーネントにおいて、前記突出部は、前記本体部分の外側に向かって突出する先端側に緻密体として構成された部分が設けられ、前記本体部分から突出する根本側に前記ポーラス部が設けられていることを特徴とする。
この構成によると、突出部の先端側に緻密体が設けられるため、突出部の先端側の剛性を大きくすることができる。これにより、突出部の先端側が骨に対して食い込みやすくなり、骨に対する初期の固定性能の更なる向上を図ることができる。そして、突出部の根本側にポーラス部が設けられるため、突出部の根本側においては、長期的な骨との癒合が促進される。このため、突出部において、骨に対する初期の固定性能と長期の固定性能とを効率よく両立させることができる。
第8発明に係る人工関節用コンポーネントは、第5発明乃至第7発明のいずれかの人工関節用コンポーネントにおいて、前記突出部は、前記本体部分から突出する根本側から前記本体部分の外側に向かって突出する先端側にかけて前記ポーラス部の気孔率が変化するように構成されていることを特徴とする。
この構成によると、突出部のポーラス部の気孔率が、根本側から先端側にかけて変化する。このため、突出部において、ポーラス部の組織構造が急激に変化することを抑制し、応力集中を更に生じ難い構造を実現できる。これにより、突出部における損傷が更に生じ難い構造を実現することができる。
本発明によると、損傷が生じ難い構造を実現して破損のリスクを低減でき、且つ、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させることができる、人工関節用コンポーネントを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る人工関節用コンポーネントを含む人工股関節を示す断面図である。 図1に示す人工関節用コンポーネントの断面を模式的に示す断面図である。 図2に示す人工関節用コンポーネントの平面図である。 図2に示す人工関節用コンポーネントの断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。 図2に示す人工関節用コンポーネントを製造するための製造システムを模式的に示す模式図である。 図4に示す製造システムによる処理を説明するための図であって、1つのレイヤー画像の一部における各部のレーザー光線の照射量の設定値を示す模式図である。 図2に示す人工関節用コンポーネントの製造工程について説明するためのフローチャートである。 図2に示す人工関節用コンポーネントの製造工程を模式的に示す模式図である。 変形例に係る人工関節用コンポーネントの断面を模式的に示す断面図である。 変形例に係る人工関節用コンポーネントの断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。 変形例に係る人工関節用コンポーネントの断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。 変形例に係る人工関節用コンポーネントの断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。 変形例に係る人工関節用コンポーネントを含む人工肩関節を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、ボール状コンポーネントが摺動し、或いはボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる、人工関節用コンポーネントとして広く適用することができる。
[人工関節]
図1は、本発明の一実施の形態に係る人工関節用コンポーネント1を含む人工股関節10を示す断面図である。図1では、人工股関節10が患者に設置された状態を、骨盤101の一部及び大腿骨102の一部とともに示している。図1に示すように、人工股関節10は、骨盤101の寛骨臼101aに対する大腿骨102の相対変位を許容するための人工関節として設けられている。
人工股関節10は、人工関節用コンポーネント1、ライナー2、ステム3、骨頭ボール4、を備えて構成されている。尚、本実施形態では、人工関節の例示として、人工股関節を例にとって説明する。
人工関節用コンポーネント1は、骨盤101の寛骨臼101aに設置されて、骨盤101に対して固定される。そして、人工関節用コンポーネント1は、ライナー2が取り付けられて固定される、曲面状の窪み面11が設けられたシェル状の本体部分12を備えて構成されている。本実施形態では、本体部分12は、半球殻状の部分として設けられている。
人工関節用コンポーネント1の材料としては、生体埋植用に医療機器としての認可承認を得たチタン、チタン合金、コバルトクロム合金、及びステンレス鋼等の金属材料を例示することができる。人工関節用コンポーネント1の材料は、上記例示した金属材料のうちの1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよいし、上記例示した以外の、生体親和性を有する1種類又は複数種類の金属材料であってもよい。
ライナー2は、半球殻状のコンポーネントとして設けられ、例えば、ポリエチレン等の高分子材料により形成されている。そして、ライナー2は、その内側に、骨頭ボール4が摺動する半球曲面状に窪んだ摺動面2aが設けられている。上記により、人工関節用コンポーネント1及びライナー2は、骨盤101に保持され、且つ、骨頭ボール4と協働して球面継手を形成しており、骨盤101に対する大腿骨102の運動を許容するように構成されている。
ステム3は、骨頭ボール4を支持し、且つ、患者の大腿骨102に固定される部分として設けられている。ステム3は、細長い棒状或いは板状に形成されている。そして、ステム3の中途部分に屈曲した形状の部分が設けられている。ステム3は、ステム本体3a及びネック部3bを備えて構成されている。ステム本体3aは、大腿骨102の髄腔部102aに挿入されており、大腿骨102に固定されている。
ステム3の材料としては、生体埋植用に医療機器としての認可承認を得たチタン、チタン合金、コバルトクロム合金、及びステンレス鋼等の金属材料を例示することができる。ステム3の材料は、上記例示した金属材料のうちの1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよいし、上記例示した以外の、生体親和性を有する1種類又は複数種類の金属材料であってもよい。
骨頭ボール4は、ボール状コンポーネントとして設けられ、略球状に形成されている。骨頭ボール4には、嵌合用孔4aが形成されている。嵌合用孔4aは、骨頭ボール4における略球状の曲面部分と反対側の端部で開口するとともに、骨頭ボール4の内部に向かって延びている。この嵌合用孔4aにステム3のネック部3bの先端側が挿入されて嵌合することで、骨頭ボール4がステム3に支持されて固定される。
骨頭ボール4の材料としては、生体埋植用に医療機器としての認可承認を得たコバルトクロム合金、ステンレス鋼等の金属材料、ポリエチレン等の高分子材料、及びアルミナ、ジルコニア等のセラミックス材料を例示することができる。
尚、本実施形態では、骨頭ボール4がステム3に連結される構成を例にとって人工股関節10を説明しているが、この通りでなくてもよい。例えば、骨頭ボール4がステム3に一体に成形されていてもよい。
[人工関節用コンポーネントの詳細]
次に、本実施形態の人工関節用コンポーネント1について、更に詳しく説明する。図2は、人工関節用コンポーネント1の断面を模式的に示す断面図である。図3は、人工関節用コンポーネント1の平面図であって、図2のA線矢視方向から見た人工関節用コンポーネント1を示す図である。
図1及び図2に示す人工関節用コンポーネント1は、内側シェル構造部13、外側シェル構造部14、突出部15、を備えて構成されている。そして、窪み面11が設けられたシェル状の本体部分12は、内側シェル構造部13と外側シェル構造部14とによって構成されている。
内側シェル構造部13は、本体部分12における窪み面11側であってライナー2が取り付けられる部分を有する本実施形態における内側構造部を構成している。尚、以下の説明では、内側シェル構造部13について、内側構造部13とも称する。内側シェル構造部13は、緻密体によって構成された構造体である緻密部17として設けられている。本実施形態において、緻密体とは、内部に実質的に気孔が設けられていない部分をいい、例えば、気孔率が数%未満(ゼロ%を含む)である部分をいう。上記のように、内側シェル構造部13は、緻密体で構成された緻密部17として設けられており、緻密体よりも疎な構造体であるポーラス体は設けられていない。
外側シェル構造部14及び突出部15は、内側構造部13の外側に設けられる外側構造部16を構成している。即ち、外側構造部16は、外側シェル構造部14及び突出部15を備えて構成されている。そして、外側構造部16は、内側構造部13の緻密体よりも疎な構造体であるポーラス体として構成されたポーラス部18を有している。
内側構造部13及び外側構造部16は、一体成形されている。そして、本実施形態では、内側構造部13及び外側構造部16は、生体親和性を有する金属粉末が順次積層されて一旦溶融されることで一体化された状態で形成されている。即ち、内側構造部13及び外側構造部16は、選択的レーザ溶融法(Selective laser melting)などの金属粉末積層造形法によって、一体成形される。
上記により、内側構造部13及び外側構造部16は、それらの間に境界となる接合部が存在せず、一体に設けられている。即ち、人工関節用コンポーネント1は、単一の部品として構成されており、人工関節用コンポーネント1の全体が一体に形成されている。そして、前述のように、人工関節用コンポーネント1は、緻密体と、ポーラス体とを有しており、人工関節用コンポーネント1の材料としての金属粉末の溶融量を異ならせることにより、人工関節用コンポーネント1に、緻密体と、ポーラス体とが形成されている。
また、ポーラス部18は、外側構造部16における本体部分12に含まれる部分である外側シェル構造部14の外周面14aの全体に亘って設けられている。ポーラス部18は、金属粉末積層造形法によって人工関節用コンポーネント1の材料である金属粉末の溶融量を所定量以下にすることで形成されており、多数の気孔を有している。本実施形態では、気孔率は、単位体積Aにおける気孔(空間)の体積Bを、単位体積Aで除した値に100を乗じた値として定義される。即ち、気孔率=(B/A)×100として表すことができる。
図4は、人工関節用コンポーネント1の断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。図4においてハッチングの濃淡によって模式的に示すように、外側構造部16における本体部分12に含まれる部分である外側シェル構造部14は、内側構造部13に隣接する内側の部分から外周面14a側の部分にかけてポーラス部18の気孔率が大きくなるように変化するよう構成されている。即ち、外側シェル構造部14は、外周面14aに向かうに従い密度が小さくなるように構成されている。尚、外側シェル構造部14における気孔率は、外周面14aに向かうに従い連続的に大きくなるように設定されていてもよいし、段階的に大きくなるように設定されていてもよい。
突出部15は、本体部分12の外側シェル構造部14から外側に向かって突出するとともに本体部分12に一体に形成されている。本実施形態では、突出部15は、複数設けられ、外側シェル構造部14の縁部分に沿って配置されている。尚、本実施形態では、突出部15が4つ設けられた形態を例示しており、4つの突出部15が外側シェル構造部14の縁部分の周方向に沿って等間隔で設けられている。即ち、4つの突出部15は、外側シェル構造部14の縁部分の円周に沿って、その中心位置を中心とする円周方向の角度において等角度間隔(即ち、90°間隔)で配置されている。
また、各突出部15は、外側シェル構造部14から突出する先端側が尖った形状に形成されている。本実施形態では、各突出部15は、三角柱状に先端側が尖った形状に形成されるとともに、フィン状に尖った稜線部分を有する形状に形成されている。人工関節用コンポーネント1が寛骨臼101aに嵌め込まれるようにして設置される際には、骨盤101に対して、上記のフィン状に尖った稜線部分が食い込むことになる。尚、各突出部15の表面は、稜線部分を除く全体に亘って、溝形状或いは凹み形状の部分が設けられていない平坦な面として形成されている。
また、各突出部15は、ポーラス部18を含んで構成されている。突出部15におけるポーラス部18は、突出部15の外側(内側シェル構造部13側と反対側)に設けられており、外側シェル構造部14におけるポーラス部18と連続して設けられている。また、図4においてハッチングの濃淡によって模式的に示すように、各突出部15は、本体部分12から突出する根本側から本体部分12の外側に向かって突出する先端側にかけてポーラス部18の気孔率が大きくなるように変化するよう構成されている。即ち、各突出部15は、本体部分12からの距離が大きくなるに従い密度が小さくなるように構成されている。尚、各突出部15には、本体部分12から突出する根本側に、内側シェル構造部13の緻密部17に連続する緻密部17が設けられている。
また、人工関節用コンポーネント1は、前述のように、金属粉末積層造形法によって形成されているが、内側シェル構造部13の内周面である窪み面11には、表面仕上げ処理が施されている。即ち、緻密部17が露出した窪み面11には、機械加工としての表面仕上げ処理が施されている。上記の機械加工としては、旋削加工、研削加工、及び研磨加工の少なくとも1つを例示することができる。例えば、このような機械加工が行われることにより、緻密部17の表面としての窪み面11に、鏡面加工処理が施されてもよい。
[人工関節用コンポーネントの製造システム]
図5は、人工関節用コンポーネント1を製造するための製造システム20の模式図である。図5に示すように、製造システム20は、CAD(Computer Aided Design)装置21と、データ変換装置22と、製造装置23と、を備えて構成されている。
CAD装置21は、例えば、画面上で画像を3次元的に表示することが可能な3D−CAD装置である。本実施形態では、CAD装置21は、コンピュータと、当該コンピュータにインストールされたソフトウェアと、を含んでいる。人工関節用コンポーネント1の設計者は、CAD装置21を操作することにより、人工関節用コンポーネント1を作成するためのCADデータ(画像データ)を作成する。CAD装置21で作成されたCADデータは、データ変換装置22へ出力される。
データ変換装置22は、CADデータを、製造装置23を動作させるためのデータに変換する装置として設けられている。本実施形態では、データ変換装置22は、コンピュータと、当該コンピュータにインストールされたソフトウェアとを含んでいる。データ変換装置22は、例えば、CADデータによって特定される人工関節用コンポーネント1の3次元画像を、所定の方向に沿って所定の間隔毎にスライスして得られる複数のレイヤー画像(2次元画像)に分割し、当該複数のレイヤー画像のデータを保持する。上記の所定の方向は、例えば、図2において両端矢印Bで示すように、半球殻状の本体部分12における内側シェル構造部13側の端面12aに対して垂直な方向として設定される。また、上記所定の間隔は、製造装置23において、積層される金属粉末一層分の厚みに相当し、例えば、30μm程度である。上記複数のレイヤー画像のデータは、製造装置23へ与えられる。
製造装置23は、金属粉末を一旦溶融させた後に凝固させて固体として一体化させるための装置である。本実施形態では、製造装置23は、選択的レーザー溶融法(Selective Laser Melting)としての金属粉末積層造形法によって、人工関節用コンポーネント1を形成する。本実施形態では、製造装置23は、レーザー光源24と、制御部25と、可動台26と、粉末供給部27と、を備えて構成されている。
レーザー光源24は、金属粉末に熱エネルギーを与えるために設けられている。本実施形態では、レーザー光源24は、Yb(イッテルビウム)ファイバーレーザー光源である。尚、レーザー光源24からのレーザー光線は、レーザー光源24自体が図示しない駆動装置を用いて変位させられることにより、金属粉末の所望の位置に照射されてもよいし、レーザー光源24は固定された状態で、ガルバノメーターミラーを用いて所望の位置に照射されてもよい。レーザー光源24は、制御部25によって制御される。
制御部25は、CPU、RAM及びROM等を含んでおり、データ変換装置22からデータを与えられる。制御部25は、レーザー光源24、可動台26及び粉末供給部27を制御する。より具体的には、制御部25は、データ変換装置22から与えられた画像データを基に、金属粉末の所定箇所へのレーザー光線の照射量を決定し、決定した照射量に基づいて、金属粉末の所定箇所へレーザー光線を照射する。尚、レーザー光線の照射量は、データ変換装置22で設定されてもよい。
図6は、金属粉末の所定箇所へのレーザー光線の照射量を設定する制御部25による処理を説明するための図であって、1つのレイヤー画像の一部における各部のレーザー光線の照射量の設定値を示す模式図である。図6は、人工関節用コンポーネント1の本体部分12のある断面を示すレイヤー画像の一部を示している。より具体的には、図6は、本体部分12における図2のC−C線矢視位置の断面のレイヤー画像のうち、端面12aに平行な本体部分12のリング状の断面の周方向における一部を示している。
図6に示すように、レイヤー画像は、複数の画素によって構成されている。各画素は、例えば、レーザー光線で一度に照射することのできる最小単位面積に相当する大きさに設定されている。尚、図6では、画素の大きさと人工関節用コンポーネント1の大きさとの関係については、模式的に示されている。前述したように、人工関節用コンポーネント1は、金属粉末の溶融量を場所によって異ならせることで形成される。このため、レイヤー画像のデータにおいては、画素毎に、レーザー光線の照射量が設定されている。
本実施形態では、内側シェル構造部13及び各突出部15の根本側の部分に亘って設けられる緻密部17は、緻密体によって形成されており、実質的に気孔が形成されていない。したがって、緻密部17を形成するためには、金属粉末を、気孔が形成されない程度に十分に溶融する必要がある。このため、図6に示すレイヤー画像では、緻密部17に相当する領域31へのレーザー光線の照射量(単位時間当たりの照射エネルギー)が、レイヤー画像中で最も大きい値に設定されている。なお、図6に示すレイヤー画像中においては、レーザー光線が照射される画素に斜線のハッチングを付しており、斜線のハッチングの間隔が短いほど、レーザー光線の照射量の設定値が大きいことを示している。
また、ポーラス部18は、緻密部17に隣接する部分から本体部分12の外側にかけて気孔率が大きくなるように設定される。このため、図6では、ポーラス部18が、気孔率が異なる3つの領域(32、33、34)の部分によって構成される形態が例示されている。緻密部17である領域31の部分に隣接するポーラス部18における領域32の部分は、ポーラス部18において最も気孔率が小さい部分として構成されている。このため、領域32の部分を形成する際の金属粉末の溶融量は、領域31の部分を形成する際の金属粉末の溶融量に次いで大きく設定される。よって、図6に示すレイヤー画像では、領域32へのレーザー光線の照射量の設定値は、領域31に次いで大きく設定される。
そして、ポーラス部18における領域32の部分に隣接する領域33の部分は、ポーラス部18において領域32の部分よりも気孔率が大きい部分として構成されている。このため、領域33の部分を形成する際の金属粉末の溶融量は、領域32の部分を形成する際の金属粉末の溶融量よりも小さく設定される。よって、図6に示すレイヤー画像では、領域33へのレーザー光線の照射量の設定値は、領域32よりも小さく設定される。
更に、ポーラス部18における領域33の部分に隣接する領域34の部分は、本体部分12における最も外側の部分であって、ポーラス部18において最も気孔率が大きい部分として構成されている。このため、この領域34の部分を形成する際の金属粉末の溶融量は、ポーラス部18において最も小さく設定される。よって、図6に示すレイヤー画像では、領域34へのレーザー光線の照射量の設定値は、最も小さく設定される。
図6に示すレイヤー画像において、ハッチングが付されていない画素は、レーザー光線が照射されない領域を示している。図6では、1つのレイヤーについて説明したが、各レイヤー画像においても、上記と同様に、画素毎にレーザー光線の照射量が適宜設定されている。
上記においては、ポーラス部18が、気孔率が異なる3つの領域(32、33、34)の部分によって構成される形態を例示したが、この通りでなくてもよい。ポーラス部18が、気孔率が異なる2つ以下の領域の部分或いは4つ以上の領域の部分によって構成される形態が実施されてもよい。また、ポーラス部18において、気孔率が異なる領域の部分の大きさ及び配置が種々変更される形態が実施されてもよい。
レーザー光線が照射される金属粉末は、可動台26に載置される(図5を参照)。可動台26は、金属粉末を保持するために設けられている。可動台26は、例えば、略水平な上面を有しており、当該上面に金属粉末が載置される。また、可動台26は、図示しない駆動機構を有しており、上面と直交する上下方向に沿って変位することが可能である。可動台26には、粉末供給部27から金属粉末が供給される。
粉末供給部27は、金属粉末を収容する収容部と、金属粉末を可動台26上に供給する供給部と、を有している。粉末供給部27は、前述した所定の間隔に相当する厚み(本実施形態において、30μm)の金属粉末層を可動台26上に形成する。
[人工関節用コンポーネントの製造工程]
次に、人工関節用コンポーネント1を製造する工程について、図7等を参照しながら説明する。図7は、人工関節用コンポーネント1の製造工程について説明するためのフローチャートである。人工関節用コンポーネント1を製造する際には、まず、設計者が、CAD装置21を用いて、人工関節用コンポーネント1のCADデータを作成する(ステップS1)。
人工関節用コンポーネント1のCADデータは、例えば、設計者がCAD装置21を操作することに応じて、データ変換装置22へ出力される(ステップS2)。データ変換装置22は、CADデータによって特定される人工関節用コンポーネント1の画像を、所定の厚み毎に複数のレイヤーに分割し、各レイヤーの画像データを、製造装置23の制御部25へ出力する(ステップS3)。制御部25は、各レイヤーの画像データを読み込み、各レイヤーの各画素に、レーザー光線の照射量を設定する(ステップS4)。
次に、制御部25は、粉末供給部27を駆動させる。これにより、粉末供給部27は、図8(a)に示すように、可動台26の上面に、前述した所定厚み(本実施形態において、30μm)の金属粉末層41を形成する(ステップS5)。即ち、金属粉末が準備される。次いで、制御部25は、レーザー光源24を駆動させる。これにより、レーザー光源24は、制御部25で設定されたレーザー光線の照射量に従って、金属粉末層41の所定箇所に、レーザー光線を所定量照射する(ステップS6)。これにより、図8(b)に示すように、金属粉末層41の一部が一旦溶融され、その溶融した一部が凝固して一体化される。
次に、制御部25は、全てのレイヤーに対応して上記のように金属粉末を一旦溶融させて一体化する作業が行われたか否かを判定する(ステップS7)。この作業が完了していない場合(ステップS7でNo)、制御部25は、可動台26を駆動させ、金属粉末層41の厚みと同じ値だけ、可動台26を下方に変位させる(ステップS8)。
制御部25は、再び、粉末供給部27を駆動させる。これにより、粉末供給部27は、再び金属粉末層を形成する(ステップS5)。次いで、制御部25は、レーザー光源24を駆動させる。これにより、レーザー光源24は、制御部25で設定されたレーザー光線の照射量に従って、金属粉末層の所定箇所に、レーザー光線を所定量照射する(ステップS6)。これにより、金属粉末層の一部が一旦溶融され、その溶融した一部が凝固して一体化される。このように、金属粉末の溶融量を場所によって異ならせることで、人工関節用コンポーネント1を形成する。
製造装置23では、金属粉末を一旦溶融させて一体化する作業が全てのレイヤーに対応して行われるまで、ステップS5〜ステップS8が繰り返される。これにより、図8(c)に示すように、金属粉末層n、n+1、n+2、…、(nは正の整数)が積層され、人工関節用コンポーネント1が形成されていくこととなる。そして、人工関節用コンポーネント1のうち、図6のレイヤー画像における領域31に対応する緻密部17が形成される。また、人工関節用コンポーネント1のうち、図6のレイヤー画像における領域(32、33、34)に対応するポーラス部18が形成される。尚、図8(c)では、領域(31〜34)の符号についても、模式的に示している。
金属粉末を一旦溶融させて一体化する作業が全てのレイヤーについて行われたと制御部25で判定された場合(ステップS7でYes)、その作業が完了し、後処理が行われる(ステップS9)。本実施形態では、後処理は、可動台26上に形成された人工関節用コンポーネント1を可動台26から取り外し、人工関節用コンポーネント1に付着している不要な金属粉末を人工関節用コンポーネント1から除去する処理を含む。この除去処理は、例えば、2−プロパノール及び純水等を用いて人工関節用コンポーネント1を超音波洗浄する処理を含む。また、本実施形態では、後処理工程は、上記の除去処理の後に行われる機械加工工程を含む。この機械加工工程では、人工関節用コンポーネント1の緻密部17のうち外部に露出している部分が、研削又は研磨される。即ち、本体部分12の端面12a、及び窪み面11が、研削又は研磨される。これらの後処理工程を経ることにより、人工関節用コンポーネント1が完成する。
[効果]
以上説明したように、人工関節用コンポーネント1は、緻密体として構成された内側構造部13と、ポーラス部18を有する外側構造部16とが、一体成形されている。このため、内側構造部13と外側構造部16との間に境界となる接合部が存在せず、応力集中が生じ難く、繰り返し生じるような応力が作用しても損傷が生じ難い構造を実現することができる。これにより、破損のリスクを低減することができる。そして、人工関節用コンポーネント1によると、外側構造部16にポーラス部18が設けられるため、骨との間で大きな摩擦力を確保でき、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させ、十分な固定性能を確保することができる。更に、外側構造部16にポーラス部18が設けられていることで、長期的には、ポーラス部18の気孔に骨が侵入するように成長することになる。これにより、骨との癒合を促進し易く、骨に対する長期の固定性能も向上させることができる。
従って、本実施形態によると、損傷が生じ難い構造を実現して破損のリスクを低減でき、且つ、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させることができる、人工関節用コンポーネント1を提供することができる。
また、人工関節用コンポーネント1によると、内側構造部13及び外側構造部16は、金属粉末が順次積層されて一旦溶融されることで一体化された状態で形成される。即ち、内側構造部13及び外側構造部16は、金属粉末積層造形法によって、一体成形される。このため、金属に対して複雑な切削加工等を施してポーラス部を有する人工関節用コンポーネントを形成する必要が無い。また、医療用器具の材料として多く流通しているチタン合金等の難切削材であっても、複雑な形状の切削加工が不要なため、容易に、人工関節用コンポーネント1を形成することができる。よって、緻密体として構成された内側構造部13と、ポーラス部18を有する外側構造部16とを備えた人工関節用コンポーネント1を容易に一体成形することができる。
また、人工関節用コンポーネント1によると、ポーラス部18が本体部分12における外側構造部16の外周面14a全体に設けられるため、骨との間で更に大きな摩擦力を確保でき、骨に対する固定性能を更に向上させることができる。また、長期的な骨との癒合が促進される領域が増大するため、骨に対する長期の固定性能も更に向上させることができる。
また、人工関節用コンポーネント1によると、本体部分12における外側構造部16のポーラス部18の気孔率が、内側構造部13に隣接する内側の部分から外周面14a側の部分にかけて大きくなるように変化する。よって、外側構造部16において、気孔率が大きくなるようにポーラス部18の組織構造が傾斜的に変化することになる。このため、緻密体として構成された内側構造部13からポーラス部18を有する外側構造部16の外周面14a側にかけて、組織構造が急激に変化することを抑制し、応力集中を更に生じ難い構造を実現でき、より損傷が生じ難い構造を実現することができる。
また、人工関節用コンポーネント1によると、外側構造部16において、先端側が尖るとともに稜線部分が尖った形状の突出部15が設けられる。このため、突出部15における尖った部分が骨に食い込むように固定されることになる。これにより、骨に対する固定性能を更に向上させることができる。とくに、人工関節置換術が行われ、人工関節用コンポーネント1が骨に固定される初期状態において、更に固定性能を向上させることができる。また、突出部15は、本体部分12に一体に形成されるため、本体部分12と突出部15との間に境界となる接合部が存在しない。このため、本体部分12と突出部15との間の領域において、応力集中が生じ難く、突出部15に対してその側方から作用するような側方圧が繰り返し作用しても損傷が生じ難い構造を実現することができる。
また、人工関節用コンポーネント1によると、突出部15にポーラス部18が含まれるため、骨に食い込んだ突出部15とその骨との間において、長期的な骨との癒合が促進される。このため、骨に対する初期の固定性能に加え、骨に対する長期の固定性能も更に向上させることができる。
また、人工関節用コンポーネント1によると、突出部15のポーラス部18の気孔率が、根本側から先端側にかけて変化する。このため、突出部15において、ポーラス部18の組織構造が急激に変化することを抑制し、応力集中を更に生じ難い構造を実現できる。これにより、突出部15における損傷が更に生じ難い構造を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
[変形例]
(1)前述の実施形態では、人工関節用コンポーネントの本体部分に設けられた窪み面に対して、ボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。人工関節用コンポーネントの本体部分の窪み面に対して、ライナーが取り付けられず、ボール状コンポーネントが直接に摺動する形態が実施されてもよい。
(2)前述の実施形態では、金属粉末積層造形法によって人工関節用コンポーネントが一体成形される形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、生体親和性を有する金属粉末が焼結されることによって、人工関節用コンポーネントが一体成形されてもよい。
(2)前述の実施形態では、本体部分において内側構造部の外側のシェル状の部分として設けられる外側シェル構造部と、外側シェル構造部から突出する突出部とが、内側構造部の外側に設けられる外側構造部を構成する形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。本体部分の全体が内側構造部を構成し、本体部分から突出する突出部が外側構造部を構成する形態が実施されてもよい。この場合、内側構造部である本体部分は、緻密体として構成され、外側構造部である突出部がポーラス部を備えて構成されることになる。
(3)前述の実施形態では、フィン状に尖った稜線部分を有する形状に形成された突出部を例にとって説明したが、突出部の形態は、この通りでなくてもよい。突出部の形状、数、配置については、種々変更されてもよい。図9は、変形例に係る人工関節用コンポーネン51の断面を模式的に示す断面図である。人工関節用コンポーネント51は、人工関節用コンポーネント1と同様に、人工股関節において用いられる。そして、人工関節用コンポーネント51は、、内側シェル構造部13、外側シェル構造部14、突出部52、を備えて構成され、金属粉末積層造形法によって一体成形されている。但し、人工関節用コンポーネント51は、突出部52の構成において、人工関節用コンポーネント1と異なっている。以下、人工関節用コンポーネント51について、前述の実施形態と異なる点について主に説明し、前述の実施形態と同様の構成の説明については、図面において同一の符号を付すことで又は同一の符号を引用して説明することで、省略する。
図9に示すように、突出部52は、本体部分12の外側シェル構造部14から外側に向かって突出するとともに本体部分12に一体に形成されている。尚、人工関節用コンポーネント51では、外側シェル構造部14及び突出部52は、内側構造部13の外側に設けられる外側構造部53を構成している。そして、外側構造部53は、内側構造部13の緻密体(緻密部17)よりも疎な構造体であるポーラス体として構成されたポーラス部18を有している。
人工関節用コンポーネント51では、突出部52は、複数設けられ、外側シェル構造部14の外周面14aに沿って配置されている。尚、外周面14aから外側に向かって突出する突出部52の配置形態は、種々変更して実施することができる。また、各突出部52は、外側シェル構造部14から突出する先端側が尖った略円錐状の形状に形成されている。そして、各突出部52は、先端側が、半球殻状の本体部分12における内側シェル構造部13側の端面12aに対して垂直な方向に沿って延びるように設けられている。人工関節用コンポーネント51が寛骨臼101aに嵌め込まれるようにして設置される際には、骨盤101に対して、上記の円錐状に尖った先端側が食い込むことになる。尚、各突出部52の表面は、先端の尖った部分を除く全体に亘って、溝形状或いは凹み形状の部分が設けられていない滑らかな曲面として形成されている。なお、各突出部52は、先端側が、内側シェル構造部13側の端面12aに対して垂直な方向に沿っていなくても良い。
また、各突出部52は、ポーラス部18を含んで構成されている。突出部52におけるポーラス部18は、突出部52の全体に亘って設けられており、外側シェル構造部14におけるポーラス部18と連続して設けられている。尚、各突出部52は、例えば、本体部分12から突出する根本側から本体部分12の外側に向かって突出する先端側にかけてポーラス部18の気孔率が変化するよう構成されていてもよい。この場合、各突出部52におけるポーラス部18の気孔率が、根本側から先端側にかけて、大きくなるように変化していてもよく、小さくなるように変化していてもよい。また、各突出部52におけるポーラス部18の気孔率が一定であってもよい。
人工関節用コンポーネント51によると、外側構造部53において、先端側が尖った形状の突出部52が設けられる。このため、突出部52における尖った部分が骨に食い込むように固定されることになる。これにより、骨に対する固定性能を更に向上させることができる。とくに、人工関節置換術が行われ、人工関節用コンポーネント51が骨に固定される初期状態において、更に固定性能を向上させることができる。また、突出部52は、本体部分12に一体に形成されるため、本体部分12と突出部52との間に境界となる接合部が存在しない。このため、本体部分12と突出部52との間の領域において、応力集中が生じ難く、突出部52に対してその側方から作用するような側方圧が繰り返し作用しても損傷が生じ難い構造を実現することができる。
(4)図10乃至図12は、図9の変形例に係る人工関節用コンポーネント51の突出部52の更なる変形例を示す図である。尚、図10乃至図12は、変形例に係る人工関節用コンポーネントにおける突出部の断面の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。図10乃至図12に示す変形例に係る突出部(54、55、56)は、いずれも、外側シェル構造部14から突出する先端側が尖った略円錐状の形状に形成されている。尚、以下の説明においては、突出部(54、55、56)について、前述の実施形態或いは図9に示す変形例と異なる点について主に説明し、前述の実施形態或いは図9に示す変形例と同様の構成の説明については、図面において同一の符号を付すことで又は同一の符号を引用して説明することで、省略する。
図10に示す突出部54は、本体部分12の外側に向かって突出する先端側に緻密体として構成された部分である緻密部17が設けられ、本体部分12から突出する根本側にポーラス体としてのポーラス部18が設けられている。尚、突出部54では、外部に露出するように設けられた先端側の緻密部17が、本体部分12の内側シェル構造部13における緻密部17にまで亘って連続するように設けられている。また、突出部54では、根本側に設けられたポーラス部18は、外部に露出するように設けられている。
上記の変形例に係る構成によると、突出部54の先端側に緻密体(緻密部17)が設けられるため、突出部54の先端側の剛性を大きくすることができる。これにより、突出部54の先端側が骨に対して食い込みやすくなり、骨に対する初期の固定性能の更なる向上を図ることができる。そして、突出部54の根本側にポーラス18部が設けられるため、突出部54の根本側においては、長期的な骨との癒合が促進される。このため、突出部54において、骨に対する初期の固定性能と長期の固定性能とを効率よく両立させることができる。
図11に示す突出部55は、外部に露出する表層の部分の全体に亘って、ポーラス体としてのポーラス部18が設けられている。そして、突出部55における内部は、緻密体としての緻密部17によって構成されている。突出部55におけるポーラス部18は、外側シェル構造部14の外周面14aのポーラス部18と連続するように設けられている。また、突出部55における緻密部17は、内側シェル構造部13における緻密部17にまで亘って連続するように設けられている。この構成によると、突出部55の表面の全体に亘ってポーラス18部が設けられるため、長期的な骨との癒合を更に促進させることができる。また、突出部55の内部の大部分が緻密部17によって構成されるため、突出部55の剛性を全体として増大させ、骨に対して更に食い込み易い構造を実現して、初期の固定性能を更に向上させることもできる。
図12に示す突出部56は、外部に露出する表層の部分において、部分的に設けられたポーラス体としてのポーラス部18が複数、離散した状態で配置されている。即ち、突出部56の表面には、複数のポーラス部18が分散して設けられている。そして、突出部56は、表面に分散して設けられた複数のポーラス部18以外の部分が、緻密体としての緻密部17によって構成されている。また、突出部56における緻密部17は、内側シェル構造部13における緻密部17にまで亘って連続するように設けられている。この構成によると、突出部56の表面に分散してポーラス部18が設けられるため、長期的な骨との癒合を促進させることができる。また、突出部56の大部分が緻密部17によって構成されるため、突出部56の剛性を増大させ、骨に対して更に食い込み易い構造を実現して、初期の固定性能を更に向上させることもできる。
(5)前述の実施形態では、人工股関節に対して適用される人工関節用コンポーネントを例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。本発明は、ボール状コンポーネントが摺動し、或いはボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる、人工関節用コンポーネントに対して、広く適用することができる。例えば、人工肩関節に対して適用される人工関節用コンポーネントが実施されてもよい。
図13は、変形例に係る人工関節用コンポーネント61を含む人工肩関節60を示す図である。人工肩関節60は、人工関節用コンポーネント61、ステム62、骨頭63を備えて構成されている。尚、図13では、ステム62及び骨頭63については、外形が図示され、人工関節用コンポーネント61については、断面が図示されている。人工関節用コンポーネント61は、図示が省略された患者の肩甲骨に対して固定される。そして、人工関節用コンポーネント61は、骨頭63が摺動する、曲面状の窪み面64が設けられたシェル状の本体部分65を備えて構成されている。
人工関節用コンポーネント61の材料としては、生体埋植用に医療機器としての認可承認を得たチタン、チタン合金、コバルトクロム合金、及びステンレス鋼等の金属材料を例示することができる。人工関節用コンポーネント61の材料は、上記例示した金属材料のうちの1種類のみであってもよいし、複数種類であってもよいし、上記例示した以外の、生体親和性を有する1種類又は複数種類の金属材料であってもよい。
ステム62は、骨頭63を支持し、且つ、図示が省略された患者の上腕骨に固定される部分として設けられている。ステム62は、細長い棒状或いは板状に形成されている。ステム62の材料としては、生体埋植用に医療機器としての認可承認を得たチタン、チタン合金、コバルトクロム合金、及びステンレス鋼等の金属材料を例示することができる。
骨頭63は、半楕円球状に形成されたボール状コンポーネントとして設けられ、半楕円球体の一部を構成するような形状に形成されている。骨頭63は、例えば、ステム62に対して嵌合により固定される。尚、骨頭63は、ステム62と一体に成形されていてもよい。骨頭63の材料としては、生体埋植用に医療機器としての認可承認を得たコバルトクロム合金、ステンレス鋼等の金属材料、ポリエチレン等の高分子材料、及びアルミナ、ジルコニア等のセラミックス材料を例示することができる。
ここで、人工関節用コンポーネント61について更に詳しく説明する。人工関節用コンポーネント61は、内側シェル構造部66、外側シェル構造部67、突出部68、を備えて構成されている。そして、窪み面64が設けられたシェル状の本体部分65は、内側シェル構造部66と外側シェル構造部67とによって構成されている。
内側シェル構造部66は、本体部分65における窪み面64側であって骨頭63が摺動する部分を有する本実施形態における内側構造部を構成している。尚、以下の説明では、内側シェル構造部66について、内側構造部66とも称する。内側シェル構造部66は、緻密体によって構成された構造体である緻密部70として設けられている。そして、内側シェル構造部66には、緻密体よりも疎な構造体であるポーラス体は設けられていない。
外側シェル構造部67及び突出部68は、内側構造部66の外側に設けられる外側構造部69を構成している。即ち、外側構造部69は、外側シェル構造部67及び突出部68を備えて構成されている。そして、外側構造部69は、内側構造部64の緻密体よりも疎な構造体であるポーラス体として構成されたポーラス部71を有している。
内側構造部66及び外側構造部69は、一体成形されている。そして、人工関節用コンポーネント61では、内側構造部66及び外側構造部69は、生体親和性を有する金属粉末が順次積層されて一旦溶融されることで一体化された状態で形成されている。即ち、内側構造部66及び外側構造部69は、選択的レーザ溶融法などの金属粉末積層造形法によって、一体成形される。尚、金属粉末積層造形法による人工関節用コンポーネント61の製造システム及び製造工程は、前述の実施形態と同様に構成される。
上記により、内側構造部66及び外側構造部69は、それらの間に境界となる接合部が存在せず、一体に設けられている。即ち、人工関節用コンポーネント61は、単一の部品として構成されており、人工関節用コンポーネント61の全体が一体に形成されている。そして、前述のように、人工関節用コンポーネント61は、緻密体と、ポーラス体とを有しており、人工関節用コンポーネント61の材料としての金属粉末の溶融量を異ならせることにより、人工関節用コンポーネント61に、緻密体と、ポーラス体とが形成されている。
また、ポーラス部71は、外側構造部69における本体部分65に含まれる部分である外側シェル構造部67の外周面67aの全体に亘って設けられている。ポーラス部71は、前述の実施形態におけるポーラス部18と同様に、金属粉末積層造形法によって人工関節用コンポーネント61の材料である金属粉末の溶融量を所定量以下にすることで形成されており、多数の気孔を有している。尚、外側構造部69における本体部分65に含まれる部分である外側シェル構造部67は、内側構造部66に隣接する内側の部分から外周面67a側の部分にかけてポーラス部71の気孔率が変化するよう構成されていてもよい。また、外側シェル構造部67は、ポーラス部71の気孔率が一定となるように構成されていてもよい。
突出部68は、本体部分65の外側シェル構造部67から外側に向かって突出するとともに本体部分65に一体に形成されている。本実施形態では、突出部68は、複数設けられ、外側シェル構造部67の外周面67aに沿って配置されている。尚、外周面67aから外側に向かって突出する突出部68の配置形態は、種々変更して実施することができる。
また、各突出部68は、例えば、外側シェル構造部67から突出する先端側が尖った略円錐状の形状に形成されている。そして、各突出部68は、人工関節用コンポーネント61が肩甲骨に嵌め込まれる際における嵌め込み方向と平行な方向に沿って延びるように設けられている。これにより、人工関節用コンポーネント61が肩甲骨に嵌め込まれて設置される際に、肩甲骨に対して、上記の円錐状に尖った先端側が食い込むことになる。尚、各突出部68の表面は、先端の尖った部分を除く全体に亘って、溝形状或いは凹み形状の部分が設けられていない滑らかな曲面として形成されている。
また、各突出部68は、ポーラス部71を含んで構成されている。突出部68におけるポーラス部71は、突出部68の全体に亘って設けられており、外側シェル構造部67におけるポーラス部71と連続して設けられている。尚、各突出部68は、例えば、、本体部分65から突出する根本側から本体部分65の外側に向かって突出する先端側にかけてポーラス部71の気孔率が変化するよう構成されていてもよい。この場合、各突出部68におけるポーラス部71の気孔率が、根本側から先端側にかけて、大きくなるように変化していてもよく、小さくなるように変化していてもよい。また、各突出部68におけるポーラス部71の気孔率が一定であってもよい。
上記の変形例によると、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。即ち、上記の変形例によると、損傷が生じ難い構造を実現して破損のリスクを低減でき、且つ、骨に対する固定力を得るための固定性能を向上させることができる、人工関節用コンポーネント61を提供することができる。
本発明は、ボール状コンポーネントが摺動し、或いはボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる、人工関節用コンポーネントとして、広く適用することができる。
1 人工関節用コンポーネント
2 ライナー
4 骨頭ボール(ボール状コンポーネント)
11 窪み面
12 本体部分
13 内側シェル構造部(内側構造部)
16 外側構造部
17 緻密部
18 ポーラス部

Claims (8)

  1. ボール状コンポーネントが摺動し、或いは前記ボール状コンポーネントが摺動するライナーが取り付けられる、曲面状の窪み面が設けられたシェル状の本体部分を有する人工関節用コンポーネントであって、
    前記本体部分における前記窪み面側である内側の部分であって前記ボール状コンポーネントが摺動し又は前記ライナーが取り付けられる部分を少なくとも有する内側構造部と、前記内側構造部の外側に設けられる外側構造部と、を備え、
    前記内側構造部は、緻密体として構成され、前記外側構造部は、前記内側構造部の緻密体よりも疎な構造体であるポーラス体として構成されたポーラス部を有し、
    前記内側構造部と前記外側構造部とは、一体成形されていることを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
  2. 請求項1に記載の人工関節用コンポーネントであって、
    前記内側構造部と前記外側構造部とは、生体親和性を有する金属粉末が順次積層されて一旦溶融されることで一体化された状態で形成されていることを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の人工関節用コンポーネントであって、
    前記ポーラス部が、前記外側構造部における前記本体部分に含まれる部分の外周面の全体に亘って設けられていることを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の人工関節用コンポーネントであって、
    前記外側構造部における前記本体部分に含まれる部分は、前記内側構造部に隣接する内側の部分から外周面側の部分にかけて前記ポーラス部の気孔率が大きくなるように変化するよう構成されていることを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の人工関節用コンポーネントであって、
    前記外側構造部は、前記本体部分から外側に向かって突出するとともに当該本体部分に一体に形成された突出部を有し、
    前記突出部は、前記本体部分から突出する先端側が尖った形状に形成され、或いは尖った稜線部分を有する形状に形成されていることを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
  6. 請求項5に記載の人工関節用コンポーネントであって、
    前記突出部は、前記ポーラス部を含むことを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の人工関節用コンポーネントであって、
    前記突出部は、前記本体部分の外側に向かって突出する先端側に緻密体として構成された部分が設けられ、前記本体部分から突出する根本側に前記ポーラス部が設けられていることを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の人工関節用コンポーネントであって、
    前記突出部は、前記本体部分から突出する根本側から前記本体部分の外側に向かって突出する先端側にかけて前記ポーラス部の気孔率が変化するように構成されていることを特徴とする、人工関節用コンポーネント。
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