JP2014006421A - 光学フィルム、3d画像表示装置及び3d画像表示システム - Google Patents

光学フィルム、3d画像表示装置及び3d画像表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】3D画像表示装置の視野角特性の改善に寄与する新規な光学フィルム、及びそれを利用した3D画像表示装置、及び3D画像表示システムの提供。
【解決手段】透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含み、
パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである光学フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、高精細な配向パターンの光学異方性層を有し、かつ製造が容易で輝度低下率などの表示性能や耐光性が改善された光学フィルム、3D画像表示装置及び3D画像表示システムに関する。
立体画像を表示する3D画像表示装置には、右眼用画像及び左眼用画像を、例えば、互いに反対方向の円偏光画像とするための光学部材が必要である。例えば、かかる光学部材には、遅相軸やレターデーション等が互いに異なる領域が規則的に面内に配置されたパターン位相差膜が利用されている。
従来、液晶性化合物を利用して形成されるパターン光学補償膜等が提案されている(例えば特許文献1及び2)。これらは液晶セルの内部に配置される、いわゆるインセルタイプの光学補償膜等であり、液晶セルを正確に補償するための部材である。したがって、利用する液晶性化合物の配向形態も光学補償に適する形態であり、3D画像表示装置の上記光学部材に用いるのに適するものではない。
また、特許文献3には、パターン化位相差板を有する2D/3D切替型液晶表示装置が開示され、パターン化位相差板の材料としてUV硬化型液晶性化合物溶液を利用することが開示されている。しかし、その液晶性化合物材料の詳細については記載がなく、棒状液晶性化合物を利用することについては開示されていない。また、特許文献3では、パターン化位相差板は視差バリア手段として利用されているのであって、右眼用及び左眼用円偏光画像等を形成するための上記光学部材として用いられているのではない。また、特許文献4には、配向規制力が異なる第1及び第2配向膜を利用して形成された光学異方性層を有する液晶装置が開示されている。前記光学異方性層の形成に液晶性高分子材料を利用することについて開示されているが、その詳細については記載されておらず、棒状液晶性化合物を利用することについては開示されていない。また、特許文献5には、立体画像表示装置用の光学フィルタの光配向膜を利用する製造方法が提案されており、実施例では、配向膜としてポリシンナメートポリマーを使用し、棒状液晶性化合物を利用してパターン位相差膜を得る製造方法が開示されている。
特開2006−276849号公報 特開2007−71952号公報 特開2004−302409号公報 特開2007−163722号公報 WO2010/090429号A2公報
引用文献5のように、従来のパターン位相差膜を作製する方法では、光配向膜に対してパターン分割された露光マスクを介して偏光照射を複数回行う必要があり、この場合、操作が煩雑になる上、偏光板透過による露光エネルギーの減少による製造効率の低下が避けられないことが明らかとなった。また、露光マスクには、パターン化された偏光子を高精度に付与することが要求され、マスク製造コストも高くなることが明らかとなった。
本発明は、新規な光学フィルム、従来のパターン位相差膜の製造方法より簡便かつ効率的な新規な光学フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題の解決を目的として本発明者らが、鋭意検討を行った結果、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種含む組成物から形成された膜に、ラビング処理と、一部の領域に対するエネルギーを付与する処理を行うことにより得られたパターン配向膜を用いることにより、エネルギーを付与した領域とエネルギーを付与していない領域とで棒状液晶性化合物の配向方向及び、配向状態、及び面内レターデーションReの少なくともいずれかが異なる位相差領域が作製できることを見出した。本発明は、新規な光学フィルム、従来のパターン位相差膜の製造方法より簡便かつ効率的な新規な光学フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的な手段は、下記[1]の手段であり、好ましくは、下記[2]〜[20]の手段である。[1]透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含み、
パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである光学フィルム。
[2]エネルギーが、非偏光紫外線である、[1]の光学フィルム。
[3]重合性基を有する棒状液晶性化合物が、水平配向状態に固定されている、[1]又は[2]の光学フィルム。
[4]エネルギーの付与により反応する化合物が、光反応性化合物である、[1]〜[3]のいずれかの光学フィルム。
[5]光反応性化合物が、光酸発生剤である、[4]の光学フィルム。
[6]光反応性化合物が、ポリビニルシンナメートである、[4]の光学フィルム。
[7]偏光膜をさらに有し、第1及び第2位相差領域の面内遅相軸と、偏光膜の吸収軸とがそれぞれ±45°の角度をなす、[1]〜[6]のいずれかの光学フィルム。
[8]偏光膜の一方の面上に配置されている光学異方性層を含む全ての部材の波長550nmの面内レターデーションRe(550)の合計値が、110〜160nmである、[7]の光学フィルム。
[9]透明支持体が、紫外線吸収剤を含有する、[1]〜[8]のいずれかの光学フィルム。
[10]機能層をさらに有する、[1]〜[9]のいずれかの光学フィルム。
[11]機能層が、紫外線吸収剤を含有する、[10]の光学フィルム。
[12]画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルの視認側に配置される、[1]〜[11]のいずれかの光学フィルムとを少なくとも有する3D画像表示装置。
[13]表示パネルが液晶セルを有する、[12]の3D画像表示装置。
[14][12]または[13]の3D用画像表示装置と、3D用画像表示装置の視認側に配置される偏光板とを少なくとも備え、偏光板を通じて立体画像を視認させる3D画像表示システム。
[15]透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含む光学フィルムの製造方法であって、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種含む組成物を適用し、膜を作成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域にエネルギーを付与する工程
4)膜に対し、ラビング処理およびエネルギー付与を行うことで得られたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を適用する工程
5)加熱して面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を形成する工程
6)エネルギーを付与して重合性基を有する棒状液晶性化合物を固定化する工程
を含む光学フィルムの製造方法。
[16]第1及び第2配向制御領域を含み、
第1及び第2配向制御領域は、面内において交互に配置されており、それぞれ異なる含有量でエネルギーの付与により反応する化合物を含む、パターン配向膜。
[17]第1及び第2配向制御領域がラビング処理とエネルギーを付与する処理とにより形成されている、[16]のパターン配向膜。
[18]第1及び第2配向制御領域が、面内において交互に配置されているパターン配向膜の製造方法であって、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程
を含むパターン配向膜の製造方法。
[19]エネルギーが、1回の非偏光紫外線照射である、[18]のパターン配向膜の製造方法。
[20]エネルギーを付与する工程が、膜に対して垂直に非偏光を照射する工程である、[18]及び[19]のパターン配向膜の製造方法。
本発明によれば、3D画像表示装置の視野角特性の改善に寄与する新規な光学フィルム、その簡便な製造法、及びそれを利用した3D画像表示装置、及び3D画像表示システムを提供することができる。
本発明の光学フィルムの一例の断面模式図である。 偏光膜と光学異方性層との関係の一例の概略図である。 偏光膜と光学異方性層との関係の一例の概略図である。 本発明に係わるパターン光学異方性層の一例の上面模式図である。 本発明の光学フィルムの他の例の断面模式図である。 本発明の3D画像表示装置の構成例の一例の断面模式図である。 実施例で作製した光学フィルムの光学特性の評価結果を示す図である。 露光マスクの一例を示した模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、及び厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸又は2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(B)よりRthを算出することもできる。
Figure 2014006421
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・・・・式(B)
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
また、本明細書でレターデーションの総和とは、複数層のフィルムを上記測定法にて測定した値のことを表す。
また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。なお、本明細書では、「可視光」とは、380nm〜780nmのことをいい、紫外領域は10nm〜400nmのことをいう。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、及びその関係(例えば「直交」、「平行」、「垂直」、及び「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
1.光学フィルム
本発明の光学フィルムは、透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含み、パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである。
本発明の光学フィルムの一例の断面模式図を図1に示す。なお、図中、各層の厚みの相対的関係は、実際の液晶表示装置の各層の厚みの相対的関係と必ずしも一致しているものではない。図1に示す光学フィルム10は、透明支持体16、配向膜14及びパターン光学異方性層12を有する。
本発明者が鋭意検討した結果、透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用した膜をラビング処理し、エネルギーを付与する処理を行うことで、膜中に含まれるエネルギーの付与により反応する化合物が分解、あるいは反応し、ラビング処理により形成された配向処理方向に対し、棒状液晶性化合物の配向方向、配向状態、及び面内レターデーションReの少なくともいずれかが変化することを見出した。また、エネルギーを付与する処理を前記膜の一部の領域に対して行うことで、エネルギーを付与する処理を複数回行わなくても、棒状液晶性化合物の配向方向、配向状態、及び面内レターデーションReの少なくともいずれかが異なるパターン光学異方性層が作製できることを見出した。これにより、工程数を減らすことができる。
(配向膜)
配向膜14は、支持体16とパターン光学異方性層12との間に配置される。
また、パターン光学異方性層を形成するための配向膜をパターン配向膜と呼ぶことがあるが、本願明細書におけるパターン配向膜とは、第1及び第2配向制御領域を含み、第1及び第2配向制御領域は、面内において交互に配置されており、それぞれ異なる含有量でエネルギーの付与により反応する化合物を含む配向膜であり、通常、1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程、2)前記膜を一方向にラビング処理する工程、3)前記膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程を経て製造される配向膜である。一方、本発明の光学フィルムに含まれる配向膜14は、かかるパターン配向膜であってもよいし、例えば、棒状液晶性化合物を固定化する際のエネルギーの付与により、パターンが消失した配向膜であってもよい。
ラビング処理は、一般にはポリマーを主成分とし、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができる。ラビング処理の一般的な方法については、例えば、「液晶便覧」(丸善社発行、平成12年10月30日)に記載されている。
長尺状の偏光膜であって、吸収軸が長手方向の偏光膜と貼り合わせるには、長尺のポリマーフィルムからなる支持体上に膜を形成し、長手方向に対して45°の方向に連続的にラビング処理して、形成するのが好ましい。
エネルギーを付与する処理は、透明支持体上に適用したエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜上にエネルギーを付与し、エネルギーの付与により反応する化合物が分解あるいは反応させる。
エネルギーとは、40〜200℃の熱によるエネルギー、波長が190〜1200nmの光等のエネルギー(好ましくは60〜150℃の熱によるエネルギー、波長が190〜400nmの光等のエネルギー)を含めたものであり、エネルギーとしては具体的に、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、紫外線が挙げられ、中でも紫外線が好ましい。本発明においては、従来のような光反応性化合物が偏光に沿って配向をする光配向反応を用いないこと、また偏光を得るための偏光フィルターが光エネルギーを損失することから、非偏光紫外線であることが好ましい。
エネルギーの付与により反応する化合物は、熱反応性化合物、光反応性化合物などが挙げられ、中でも、光反応性化合物が好ましい。光反応性化合物としては、光酸発生剤、ポリビニルシンナメートなどが挙げられる。
エネルギーを付与する処理の一例は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜に40〜200℃の熱をかける熱処理である。具体的には、後述する棒状液晶性化合物の配向制御に影響を与える複数の作用を利用し、その後、外部刺激(熱処理等)によりいずれかの作用を消失させて、所定の配向制御作用を支配的にする方法である。例えば、上記膜に対するラビング処理による配向制御能と、棒状液晶性化合物を含む組成物に含まれる配向制御剤の配向制御能との複合作用により、棒状液晶性化合物を所定の配向状態とし、それを固定して一方の位相差領域を形成した後、外部刺激(熱処理等)により、いずれかの作用(例えば配向制御剤による作用)を消失させて、他の配向制御作用(ラビング処理による作用)を支配的にし、それによって他の配向状態を実現し、それを固定して他方の位相差領域を形成する。例えば、ピリジニウム化合物又はイミダゾリウム化合物であるオニウム塩は、ピリジニウム基又はイミダリウム基が親水的であるため前記親水的なポリビニルアルコールのパターン配向膜表面に偏在する。特に、ピリジニウム基に、さらに、水素原子のアクセプターの置換基であるアミノ基が置換されていると、ポリビニルアルコールとの間に分子間水素結合が発生し、より高密度にパターン配向膜表面に偏在すると共に、水素結合の効果により、ピリジニウム誘導体がポリビニルアルコールの主鎖と直交する方向に配向するため、垂直配向を促進する。前記ピリジニウム誘導体は、分子内に複数個の芳香環を有しているため、前述した、棒状液晶性化合物との間に強い分子間π−π相互作用が起こり、棒状液晶性化合物のパターン配向膜界面近傍における垂直配向を誘起する。特に、親水的なピリジニウム基に疎水的な芳香環が連結されていると、その疎水性の効果により垂直配向を誘起する効果も有する。しかし、その効果は、ある温度を超えて加熱すると、水素結合が切断され、前記ピリジニウム化合物等のパターン配向膜表面における密度が低下し、その作用を消失する。その結果、パターン配向膜そのものの規制力により液晶性化合物が配向し、液晶性化合物は水平配向状態になる。
エネルギーを付与する処理の他の一例は、波長が190〜1200nmの光照射である。エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜にフォトマスクを用いてパターン露光し、第1及び第2配向制御領域を形成する態様である。第1及び第2配向制御領域は、第1及び第2の位相差領域の互いの短辺の長さとほぼ等しい帯状であり、かつ交互に繰り返しパターニングされていることが好ましい。
パターン配向膜の一態様は、エネルギーの付与により反応する化合物が光酸発生剤であり、ポリビニルアルコールもしくは変性ポリビニルアルコール等のポリマーとともに、光酸発生剤を少なくとも含有し、その表面に一方向のラビング処理による配向処理と一部の領域へのエネルギー付与による配向制御能が異なる第1及び第2配向制御領域の2つ領域が形成されている態様である。一方の領域が、光酸発生剤の含有率が他方の領域よりも多い領域であり、前記第1及び第2配向制御領域が、面内において交互に配置されているパターン配向膜である。光酸発生剤は、エネルギーの付与により分解し、そのために第1及び第2配向制御領域で含有率が異なる。光酸発生剤の分解の程度は、光酸発生剤が分解することによって生じる酸性化合物の、各配向制御領域中における含有量を定量することで知ることができる。
パターン配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。パターン配向膜は、公知の配向膜用ポリマー材料を広く採用でき、公知の配向膜ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明において利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましい。特に変性又は未変性のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールは、種々の鹸化度のものが存在する。本発明では、鹸化度85〜99程度のものを用いるのが好ましい。市販品を用いてもよく、例えば、「PVA103」、「PVA203」(クラレ社製)等は、上記鹸化度のPVAである。ラビング配向膜については、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。
[光酸発生剤]
光酸発生剤とは、紫外線等の光照射により分解し酸性化合物を発生する化合物である。前記光酸発生剤が、光照射により分解して酸性化合物を発生すると、エネルギーの付与により反応する化合物(光酸発生剤)を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜の配向制御能に変化が生じる。ここでいう配向制御能の変化は、パターン配向膜単独の配向制御能の変化として特定されるものであっても、パターン配向膜とその上に配置される光学異方性層形成用組成物中に含まれる添加剤等とによって達成される配向制御能の変化として特定されるものであってもよいし、またこれらの組み合わせとして特定されるものであってもよい。
後述する棒状液晶性化合物は、オニウム塩を添加することで、垂直配向状態になる場合がある。分解により発生した酸と、該オニウム塩とが、アニオン交換すると、該オニウム塩のパターン配向膜界面における偏在性が低下し、垂直配向効果を低下させ、水平配向状態を形成させてもよい。また、例えば、パターン配向膜がポリビニルアルコール系配向膜である場合には、そのエステル部分が発生した酸により分解し、その結果、前記オニウム塩の配向膜界面偏在性を変化させてもよい。
パターン配向膜の形成に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。使用可能な光酸発生剤の例には、Prog. Polym. Sci., 23巻、1485頁(1998年)や、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)に記載の化合物が含まれる。
具体的には、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム塩、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体を挙げることができる。
この中でも、前記光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩の好ましい例としては、下記の一般式で表される塩をそれぞれ挙げることができる。
Figure 2014006421
Figure 2014006421
Figure 2014006421
式中、Rはそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜6の直鎖アルキル基もしくは分岐アルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖アルコキシ基もしくは分岐アルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、又はハロゲン原子である。Yは、炭素原子数1〜6の直鎖アルキル基もしくは分岐アルキル基、炭素原子数1〜6の直鎖アルコキシ基もしくは分岐アルコキシ基である。X―は、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩又はスルホニウム塩の対アニオンを表し、分解により生じる酸性化合物のアニオンになる。好ましくはPF6 -、BF4 -、又はCn2n+1SO3 -(但し、nは1〜5の整数)である。例えば、X―がBF4 -である光酸発生剤からは、分解により酸HBF4が発生し、X―がPF6 -である光酸発生剤からは、HPF6が発生し、X―がCn2n+1SO3 -である光酸発生剤からは、Cn2n+1SO3Hが発生する。
以下に、本発明に利用可能な光酸発生剤の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。また、以下の具体例では、アニオンが特定された塩を例示するが、当該アニオンを他のアニオンに置き換えた具体例も、使用可能な光酸発生剤の具体例として例示される。
Figure 2014006421
Figure 2014006421
Figure 2014006421
上記具体例の中でも、I−16、17、34〜37が好ましく、I−35がより好ましい。これらの光酸発生剤は、一種又は二種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
光酸発生剤を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜における該光酸発生剤の含有量としては、該組成物に含まれる高分子化合物の全固形分の1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
また、他の一態様は、エネルギーの付与により反応する化合物が、エネルギーの付与により反応する光反応性部位(光反応性基)を有する化合物である態様である。エネルギーの付与により反応する化合物(光反応性基を有する化合物)を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜に一方向のラビング処理及びエネルギーの付与により配向処理を行うことで第1及び第2配向制御領域を形成し、一方の領域が、光反応性部位を含む化合物の主鎖と側鎖とがラビング方向に配向した領域であり、他方の領域が、ラビング方向に配向している主鎖に対して側鎖が直交方向に配向した領域であり、前記第1及び第2配向制御領域が、面内において交互に配置されているパターン配向膜である。即ち、一方の領域の光反応性部位の残存率が他方の領域よりも多く含む領域である。
「光反応性基」とは、光の照射によって官能基の化学構造または該官能基を有する分子の配向状態に変化が起こり、これによりパターン配向膜表面に配置された液晶性化合物の分子を所定の方向に配向させることができる官能基を意味する。具体的には、アゾベンゼン誘導体、桂皮酸誘導体、カルコン誘導体、スチルベン類、スチリルピリジン誘導体、α-ヒドラゾノ-β-ケトエステル類、クマリン誘導体、ベンジリデンフタルイミジン類、レチノイン酸誘導体、スピロピラン類、スピロオキサジン類、アントラセン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ポリイミドなどが知られているが、好ましいのはアゾベンゼン誘導体、桂皮酸誘導体(ポリビニルシンナメート)であり、特に好ましいのは桂皮酸誘導体である。
[ポリビニルシンナメート]
ポリビニルシンナメートは、エネルギーの付与により二量化反応を起こす化合物であり、具体的には、光照射により光二量化反応を起こす化合物である。ポリビニルシンナメートは、光反応性基を含むことが好ましく、光照射に応じて配向する光配向素材であるのが好ましく、光反応性基を有する光配向性ポリマーであるのが好ましい。ポリビニルシンナメートは、ラビングにより主鎖(ポリビニルビニル鎖)と共同的に側鎖のメソゲン鎖(シンナメート鎖)が配向するため、これに準じ棒状液晶性化合物もラビングと平行方向に水平配向する。一方、ラビング処理した後、紫外線処理すると、側鎖部分が2+2型のシクロブタン環を形成するため、主鎖に対して直交方向にメソゲン鎖が配向し棒状液晶性化合物がラビングに対して直交方向に水平配向する。
ポリビニルシンナメートとしては、以下の一般式(1)で表される光配向性ポリマーが特に好ましい。
Figure 2014006421
前記一般式(1)中のR1で表される置換基は、下記に例示した置換基群Aから選ばれる置換基を表す。R2は、下記に例示した置換基群Bから選ばれる置換基を表す。nは、0〜5の整数を表す。
(置換基群A)
上記置換基群Aとしては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
上記一般式(1)においてR1は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基がさらに好ましい。
上記一般式(1)中、R2はそれぞれ独立に、下記に例示した置換基群Bから選ばれる置換基を表す。
(置換基群B)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基を二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アミド基、アシル基、−SO2NR(Rは炭素数1〜3のアルキル基)であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、塩素原子、アミド基、アシル基、−SO2NR(Rは炭素数1〜3のアルキル基)であることが特に好ましい。
nは、0〜5の整数を表し、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。nが2以上の整数を表す場合、複数個のR2は同一であっても異なっていてもよい。
前記ポリビニルシンナメートは、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を1種含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。また、前記ポリビニルシンナメートは、上記各繰り返し単位以外の他の繰り返し単位を1種または2種以上有していてもよい。前記他の繰り返し単位については特に制限されず、通常のラジカル重合反応可能なモノマーから誘導される繰り返し単位が好ましい例として挙げられる。以下、他の繰り返し単位を誘導するモノマーの具体例を挙げる。前記光配向性ポリマーは、下記モノマー群から選ばれる1種または2種以上のモノマーから誘導される繰り返し単位を含有していてもよい。
モノマー群
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
(3)α,β−不飽和カルボン酸の誘導体
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);
(3b)アルキルメタクリレート類
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
(3c)不飽和多価カルボン酸のジエステル類
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
(3d)α、β−不飽和カルボン酸のアミド類
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
(4)不飽和ニトリル類
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレンおよびその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
(7)ビニルエーテル類
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;および
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
前記ポリビニルシンナメート中、一般式(1)で表される繰り返し単位の量は、該ポリマーの構成モノマー総量の50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのがより好ましく、70質量%以上であるのが特に好ましい。
前記ポリビニルシンナメート、好ましくは前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーの質量平均分子量は1000以上1,000,000以下であるのが好ましく、1000以上500,000以下であるのがより好ましく、1000以上100,000以下であるのがさらに好ましい。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリスチレン(PS)換算の値として測定可能である。
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーの製造方法については、特に限定されるものではなく、例えば特開2007−025203号公報の段落[0047]〜[0051]に記載の方法を利用することができる。
以下に、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらの具体例によってなんら限定されるものではない。ここで式中の数値は、それぞれ各モノマーの組成比を示す質量百分率であり、MwはGPCにより測定されたPS換算の質量平均分子量である。a、bの数値は質量比を表す。式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Acはアセチル基を表す。
Figure 2014006421
パターン配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがさらに好ましい。
(パターン配向膜の製造方法)
本発明は、パターン配向膜の製造方法にも関する。本発明のパターン配向膜の製造方法の一例は、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程
2)前記膜を一方向にラビング処理する工程
3)前記膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程
を含む。
2)工程及び3)工程は、順序を逆にしてもよい。
エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を有機溶剤に溶解させ、透明支持体上に適用する。エネルギーの付与により反応する化合物が光酸発生剤の場合、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物は、パターン配向膜用ポリマー材料を主成分とした組成物であり、エネルギーの付与により反応する化合物がポリビニルシンナメートの場合、ポリビニルシンナメートを主成分とした組成物である。
エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を溶解させる有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
一般的に配向膜は、ラビング処理によって配向制御能を発現する。通常、一方向にラビング処理された膜上で液晶性化合物を配向させると、液晶性化合物は、ラビング方向に対して、その遅相軸を平行にして、又は直交にして配向する。いずれの配向状態になるかは、配向膜構成材料、液晶性化合物、及び配向制御剤の1以上の種類等によって決定される。
本発明では、さらにエネルギーをエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜に付与し、パターン状に該膜をエネルギー処理する。エネルギーの付与は1回でよい。パターン状に該膜をエネルギー処理する方法の一例は、フォトマスクを用いてパターン露光し、第1及び第2配向制御領域を形成する態様である。第1及び第2配向制御領域は、第1及び第2の位相差領域の互いの短辺の長さとほぼ等しい帯状であり、かつ交互に繰り返しパターニングされていることが好ましい。
エネルギーの付与により反応する化合物が光酸発生剤である場合、エネルギーの付与により光酸発生剤が分解し、光照射部と光未照射部とでは、光酸発生剤が分解して酸性化合物が発生した領域と、発生していない領域とを形成し、それによってパターン配向膜の配向制御能にも差を持たせる。
具体的には、光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、パターン配向膜構成材料、液晶性化合物、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、棒状液晶性化合物を垂直配向させる。光酸発生剤を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング処理による配向制御能が配向状態を支配し、棒状液晶性化合物は水平配向する。パターン配向膜の形成に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。
エネルギーの付与により反応する化合物がポリビニルシンナメートである場合、エネルギーの付与により、ポリビニルシンナメートの配向状態に変化が起こり、光照射部と光未照射部との間で配向制御能にも差を持たせる。
具体的には、未照射部分では、ポリビニルシンナメートの側鎖は配向状態が変化せず、ポリビニルシンナメートの主鎖とともにラビング方向に配向するため、棒状液晶性化合物もラビング方向と平行方向に水平配向する。光照射部では、ポリビニルシンナメートの配向状態に変化が起こり、主鎖に対して直交方向に配向するため、棒状液晶性化合物がラビング方向に対して直交方向に水平配向する。
フォトマスク下でのエネルギーの付与には、紫外線を用いるのが好ましく、非偏光紫外線を用いるのがより好ましい。照射波長としては200〜250nmにピークを有することが好ましく、UV−C光源を用いることが好ましく、その露光量は、5〜1000mJ/cm2程度であることが好ましく、5〜100mJ/cm2程度であることがさらに好ましく、5〜50mJ/cm2程度であることが特に好ましい。露光量が少なすぎるとパターンが形成できない。一方、露光量が多すぎると酸性化合物の拡散によりパターン解像度が低下する。パターン解像度を向上させるためには、室温で露光することが好ましい。
なお、光照射の条件は、パターン配向膜を構成する材料の組成等に応じて適宜設定することができ、上記条件に限定されるものではない。
2)工程及び3)工程の順序は特に制限はなく、2)工程後に3)工程を行ってもよく、3)工程後に2)工程を行ってもよい。
2)工程後に3)工程を行うと、即ちラビング処理後にエネルギーを付与すると、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜表面の分子がラビング方向に沿って並んでおり、この配向した分子にエネルギーを付与することで光異性化反応などの光反応が発生し、光照射部と未照射部で液晶性化合物に対する配向制御能を区別することができる。
3)工程後に2)工程を行うと、即ちエネルギーを付与後にラビング処理すると、光照射部は前記光反応が発生し、未照射部はエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜表面の分子がランダムに配向している状態となる。この状態でラビング処理を行うと、分子がラビング方向に配向するが、光照射部と未照射部との間で配向する分子の構造が異なるので光照射部と未照射部との間の配向制御能を区別することができる。
(光学異方性層)
光学異方性層12は、画像表示装置内に、第1及び第2位相差領域12a及び12bが、均等且つ対称に配置されたパターン光学異方性層である。一例は、第1及び第2位相差領域12a及び12bの面内レターデーションがそれぞれλ/4程度であり、互いに直交する面内遅相軸a及びbをそれぞれ有する光学異方性層である。
光学異方性層は単独でReがλ/4程度であってもよく、その場合はRe(550)が、110〜165nmであることが好ましく、120〜150nmであることがより好ましく、125〜145nmであることが特に好ましい。
第1及び第2位相差領域12a及び12bの一方の面内レターデーションがλ/4であり、且つ他方の面内レターデーションが3λ/4である光学異方性層を利用しても同様に円偏光画像を分離することができる。また、第1及び第2位相差領域12a及び12bの一方の面内レターデーションがλ/4であり、且つ他方の面内レターデーションが3λ/4である光学異方性層を利用することで、右眼用及び左眼用の直線偏光画像を分離してもよい。
さらに、第1及び第2位相差領域12a及び12bの一方の面内レターデーションがλ/2であり、且つ他方の面内レターデーションが0である光学異方性層を利用し、これを面内レターデーションがλ/4の支持体と各々の遅相軸を平行又は直交して積層しても同様に円偏光画像を分離することができる。
また、第1及び第2位相差領域12a及び12bの形状及び配置パターンは、図2及び3に示すストライプ状のパターンを交互に配置した態様に限定されるものではない。図4に示す様に、矩形状のパターンを格子状に配置してもよい。
第1及び第2位相差領域12a及び12bの面内レターデーションがそれぞれλ/4程度である態様では、面内遅相軸a及びbは、偏光膜の吸収軸とそれぞれ±45°の角度をなすことが好ましい。本明細書では、厳密に±45°であることを要求するものではなく、第1及び第2位相差領域12a及び12bのいずれか一方については、40〜50°であることが好ましく、他方は、−50〜−40°であることが好ましい。
なお、光学異方性層12のReが単独でλ/4である必要はなく、偏光膜18の一方の表面上に配置される光学異方性層12を含む全ての部材のReの総和、例えば、図6(a)の態様では、偏光膜保護フィルム、支持体、光学異方性層及び基材フィルム全てのReの総和、図6(b)の態様では、偏光膜保護フィルム、光学異方性層、及び支持体のReの総和が、図6(c)の態様では、支持体、光学異方性層及び基材フィルム全てのReの総和、図6(d)の態様では、偏光膜保護フィルム、支持体、及び光学異方性層のReの総和が、110〜160nmであるのが好ましく、120〜150nmであるのがより好ましく、125〜145nmであることが特に好ましい。
光学異方性層12は、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物から形成され、棒状液晶性化合物は、水平配向、及び垂直配向の少なくとも一方に配向させるのが好ましい。なお、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶性化合物の長軸方向と層面が水平であることをいう。厳密に水平であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度以下の配向を意味するものとする。傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が特に好ましい。また、本明細書において「垂直配向」とは、棒状液晶性化合物の長軸方向と層面が垂直であることをいう。厳密に垂直であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が70度以上の配向を意味するものとする。傾斜角は85〜90度が好ましく、87〜90度がより好ましく、88〜90度がさらに好ましく、89〜90度が特に好ましい。
本発明では、棒状液晶性化合物を水平配向させた状態で重合させ、その配向状態を固定化して形成することが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019や特開2007−279688号に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
また、前記棒状液晶性化合物は、重合条件の異なる2種類以上の反応性基を有していてもよい。この場合、条件を選択して複数種類の反応性基の一部種類のみを重合させることにより、未反応の反応性基を有する高分子を含む光学異方性層を作製することが可能となる。用いる重合条件としては重合固定化に用いる電離放射線の波長域でもよいし、用いる重合機構の違いでもよいが、好ましくは用いる開始剤の種類によって制御可能な、ラジカル性の反応基とカチオン性の反応基の組み合わせがよい。前記ラジカル性の反応性基がアクリル基および/またはメタクリル基であり、かつ前記カチオン性基がビニルエーテル基、オキセタン基および/またはエポキシ基である組み合わせが反応性を制御しやすく特に好ましい。
通常、棒状液晶性化合物は波長が長くなるほどレターデーションが小さくなるので、波長G(550nm)におけるレターデーションがλ/4の137.5nmのものを使用する場合、波長R(600nm)に対してはそれより小さく、逆に波長B(450nm)に対してはそれよりも大きくなってしまう。この問題を解決するためには、△nd(450nm)<△nd(550nm)<△nd(650nm)を満足する、即ち、可視光域において、位相差が波長に対して逆分散特性(波長が長いほど位相差が大きくなる性質)の棒状液晶性化合物を用いることも好ましい。このような棒状液晶性化合物の例には、特開2007−279688号公報記載の一般式(I)、一般式(II)の化合物が含まれる。
なお、前記組成物中には、棒状液晶性化合物の垂直配向を促進する添加剤を添加していてもよく、該添加剤の例には、特開2009−223001号公報の[0055]〜[0063]に記載の化合物が含まれる。
また、本発明では、重合性基を有する棒状液晶性化合物の垂直配向を実現するために、オニウム塩を添加することが好ましい。オニウム塩は配向膜界面に偏在し、液晶分子の配向膜界面近傍におけるチルト角を増加させる作用をする。本発明において使用できるオニウム塩としては、例えば特開2012−042530号公報の段落[0212]〜[0239]、特開2012−008170号公報の段落[0098]〜[0125]に記載のオニウム塩を使用することができる。
また、棒状液晶性化合物の空気界面における配向を制御することを目的として、フルオロ脂肪族基含有共重合体を添加してもよい。本発明において使用できるフルオロ脂肪族基含有共重合体としては、例えば特開2012−042530号公報の段落[0240]〜[0242]、特開2012−008170号公報の段落[0126]〜[0127]に記載のフルオロ脂肪族基含有共重合体を使用することができる。
この他にも、重合開始剤、増感剤などその他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤としては、例えば、特開2012−042530号公報の段落[0243]〜[0244]、特開2012−008170号公報の段落[0128]〜[0131]に記載の添加剤を使用することができる。
なお、棒状液晶性化合物の配向状態は、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)や、AXOMETRIX社製のAxoScanのTip−Tiltモードにて液晶分子の傾斜角度を測定することによって確認できる。ここで、水平とは棒状液晶性化合物の長軸方向が、フィルム面に平行な方向に0°〜20°であることを表し、垂直とは70°〜90°であることを表す
この様にして形成する光学異方性層の厚みについては特に制限されないが、0.1〜10μmであるのが好ましく、0.5〜5μmであるのがより好ましい。
(透明支持体)
本発明の光学フィルムは、前記光学異方性層を支持する透明支持体を有する。
透明支持体は、公知の種々の材料を特に制限なく使用することができる。透明支持体のRe(550)は、特に制限はないが、機能層が支持体を有さない場合、もしくは機能層が配置されていない場合、0〜10nmが好ましく、0〜7nmがより好ましく、0〜5nmが特に好ましい。
なお、機能層が支持体を有する場合、透明支持体16のRe(550)は、0〜10nmが好ましく、0〜7nmがより好ましく、0〜5nmが特に好ましい。
本発明に使用可能な透明支持体を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、又は前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の高分子フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、前記透明支持体を形成する材料としては、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を好ましく用いることが出来る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等があげられる。
また、前記透明支持体を形成する材料としては、従来偏光板の透明保護フィルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)を好ましく用いることが出来る。
[紫外線吸収剤]
上記セルロースアシレートフィルム等の透明支持体には、フィルム自身の耐光性向上、或いは偏光板、液晶表示装置の液晶性化合物等の画像表示部材の劣化防止のために、更に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な画像表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものを用いることが好ましい。特に、波長370nmでの透過率が、20%以下であることが望ましく、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。このような紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、前記のような紫外線吸収性基を含有する高分子紫外線吸収化合物等があげられるが、これらに限定されない。紫外線吸収剤は2種以上用いてもよい。
紫外線吸収剤のドープへの添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に溶解してから添加してもよいし、また直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶媒に溶解しないものは、有機溶媒とセルロースアシレート中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
本発明において紫外線吸収剤の使用量は、セルロースアシレート100質量部に対し0.1〜5.0質量部、好ましくは0.5〜2.0質量部、より好ましくは0.8〜2.0質量部である。
(偏光膜)
光学フィルムは、図5(a)〜(d)に一例を示すように、偏光膜18をさらに有していてもよい。また、偏光膜18を保護する偏光膜保護フィルム19をさらに有していてもよい。なお、図5及び図6中、配向膜は省略している。
本発明の光学フィルムは偏光膜とともに表示パネルの視認側外側(表示パネルが視認側に偏光膜を有する場合には、表示パネルの視認側偏光膜のさらに外側)に配置され、当該光学フィルムの第1及び第2位相差領域のそれぞれを通過した偏光画像が、偏光眼鏡等を介して右眼用又は左眼用の画像として、認識される。従って、左右画像が不均一とならないように、第1及び第2位相差領域は、互いに等しい形状であるのが好ましく、またそれぞれの配置は、均等且つ対称的であるのが好ましい。
光学フィルムが偏光膜を有する場合、図2及び図3に示す通り、光学異方性層12を、第1及び第2位相差領域12a及び12bの面内遅相軸a及びbをそれぞれ、偏光膜の吸収軸Pと±45°にして配置する。この構成により右眼用及び左眼用の円偏光画像を分離することができる。また、λ/2板をさらに積層することで、視野角をより拡大してもよい。また、偏光膜の少なくとも一方の面には、さらに保護フィルムをさらに有していてもよい。
偏光膜は、一般的な偏光膜を用いることができる。例えば、ヨウ素や二色性色素によって染色されたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子膜を用いることができる。
また、透明支持体14と偏光膜18との間に、偏光膜の保護フィルム19が配置されていてもよい。また、上記した通り、表示パネルが視認側表面に偏光膜を有する場合は、本発明の光学フィルムは偏光膜を有さず、表示パネルの偏光膜と組み合わされることで、円偏光画像等の分離機能を示す態様であってもよい。また、液晶セルと偏光膜との間には、光学補償膜4、又は保護フィルム19が配置されていてもよい。
(機能層)
光学フィルムは、図5(a)〜(d)に一例を示すように、機能層20をさらに有していてもよい。また、機能層20を支持する透明フィルム21をさらに有していてもよい。
機能層の一例は、ハードコート層、反射防止層、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層、防眩層である。機能層は2層以上配置してもよい。また、機能層は、機能層の支持体として透明フィルムを有していてもよい。
本発明の光学フィルムは、目的に応じて必要な機能層を単独又は複数層設けてもよい。好ましい態様としては、光学異方性層の上にハードコート層が積層された態様、光学異方性層の上に反射防止層が積層された態様、光学異方性層の上にハードコート層が積層され、その上に更に反射防止層が積層された態様、光学異方性層の上に防眩層が積層された態様等が挙げられる。該反射防止層は、光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して設計された、少なくとも一層以上の層からなる層である。
反射防止層は、最も単純な構成では、フィルムの最表面に低屈折率層のみを塗設した構成である。更に反射率を低下させるには、屈折率の高い高屈折率層と、屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて反射防止層を構成することが好ましい。構成例としては、下側から順に、高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(下層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に有することが好ましく、例えば、特開平8−122504号公報、特開平8−110401号公報、特開平10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等に記載の構成が挙げられる。また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層、帯電防止性のハードコート層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報等)等が挙げられる。
ハードコート層や反射防止層を有する本発明の光学フィルムの具体的な層構成の例を下記に示す。
支持体/パターン光学異方性層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層
パターン光学異方性層/支持体/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層
支持体/パターン光学異方性層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
上記の各構成において、パターン光学異方性層の上にハードコート層、防眩層、反射防止層等の機能層を直接形成することが好ましい。また、パターン光学異方性層を含む光学フィルムと、別途、透明フィルム(機能層の支持体)上にハードコート層、防眩層、反射防止層等の層を設けた光学フィルムとを積層して製造してもよい。低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層、及び防眩層などの詳細は、特開2012−018395号公報の段落[0235]〜[0256]、特開2012−018396号公報の段落[0225]〜[0245]に記載されているものを参照することができ、使用することができる。
本発明の光学フィルムの反射防止層などの層構成の好ましい態様は、特開2012−018396号公報の段落[0205]〜[0218]、特開2012−018395号公報の段落[0214]〜[0228]などの記載を参照することができる。
(ハードコート層)
本発明の光学フィルムは、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を設けることができる。本発明においては、ハードコート層を設けなくてもよいが、ハードコート層を設けた方が鉛筆引掻き試験などの耐擦傷性面が強くなり、好ましい。
好ましくは、ハードコート層上に低屈折率層が設けられ、更に好ましくはハードコート層と低屈折率層の間に中屈折率層、高屈折率層が設けられ、反射防止フィルムを構成する。ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
ハードコート層の屈折率は、反射防止性のフィルムを得るための光学設計から、屈折率が1.48〜2.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.48〜1.70である。本発明では、ハードコート層の上に低屈折率層が少なくとも1層あるので、屈折率がこの範囲より小さ過ぎると反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
ハードコート層の膜厚は、フィルムに充分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、通常0.5μm〜50μm程度とし、好ましくは1μm〜20μm、更に好ましくは5μm〜20μmである。
ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。更に、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。具体的には前記(重合性不飽和基を有する多官能モノマー)で挙げた化合物を好ましく用いることができる。
ハードコート層には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜10.0μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子を含有してもよい。
ハードコート層のバインダーには、ハードコート層の屈折率を制御する目的で、各種屈折率モノマー又は無機粒子、或いは両者を加えることができる。無機粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。本発明では、ハードコート層形成後において、前記多官能モノマー及び/又は高屈折率モノマー等が重合して生成した重合体、その中に分散された無機粒子を含んでバインダーと称する。
ハードコート層は、前記無機化合物の粒子など以外に紫外線吸収剤などを添加することができる。紫外線吸収剤としては、透明支持体に添加する紫外線吸収剤の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
紫外線吸収剤の含有量は、求める紫外線透過率や紫外線吸収剤の吸光度にもよるが、ハードコート層形成用組成物(但し塗布液として調製される場合は溶媒を除いた固形分)100質量部に対して、通常20質量部以下、好ましくは1〜20質量部である。紫外線吸収剤の含有量が20質量部よりも多い場合には、硬化性組成物の紫外線による硬化性が低下する傾向があると共に、ハードコート層の可視光線透過率が低下するおそれもある。一方、1質量部より少ない場合には、ハードコート層の紫外線吸収性を十分に発揮することができなくなる。
[無機微粒子]
上記無機微粒子としては、金属の酸化物を含有する無機微粒子が好ましく、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Al及びSbから選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物を含有する無機微粒子がより好ましい。また、中屈折率層及び高屈折率層のうち少なくともいずれかが、導電性の無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子の詳細は、特開2012−018395号公報の段落[0239]〜[0244]を参照することができる。
[硬化性化合物]
硬化性化合物としては、重合性化合物が好ましく、重合性化合物としては電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーが好ましく用いられる。これらの化合物中の官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。硬化性化合物の詳細は、特開2012−018395号公報の段落[0245]を参照することができる。
[粘着剤層]
各層の貼り合わせに用いる粘着剤又は接着剤としては、粘着剤でもUV接着剤でもよく、粘着剤層や接着剤層などを介して貼り合わせてもよく、特に限定されない。本発明に使用可能な粘着剤又は接着剤としては、例えば特開2011−037140号公報の段落[0100]〜[0115]、特開2009−292870号公報の段落[0155]〜[0171]などに記載されている粘着剤を使用することができる。
前記透明フィルム(支持体)は、パターン光学異方性層の透明支持体を兼ねていてもよい。透明フィルムとして利用可能なポリマーフィルムの例については、前記パターン光学異方性層の透明支持体の例と同様であり、好ましい範囲も同様である。
粘着層:
パターン光学異方性層と偏光膜との間には、粘着層が配置されていてもよい。パターン光学異方性層と偏光膜との積層のために用いられる粘着層とは、例えば、動的粘弾性測定装置で測定したG’とG”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。粘着剤については特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤を用いることができる。
2.光学フィルムの製造方法:
本発明は、光学フィルムの製造方法にも関する。本発明の光学フィルムの製造方法の一例は、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種含む組成物を適用し、膜を作成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域にエネルギーを付与する工程
4)膜に対し、ラビング処理およびエネルギー付与を行うことで得られたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を適用する工程
5)加熱して面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を形成する工程
6)エネルギーを付与して重合性基を有する棒状液晶性化合物を固定化する工程
を含む。
1)工程〜6)工程は、この順で含むことが好ましく、2)工程及び3)工程は、順序を逆にしてもよい。
1)〜3)工程は、パターン配向膜の製造方法と同様である。
ラビング処理及びエネルギーの付与によりパターン配向膜を形成後、パターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を塗布し、温度T1℃で加熱して第1位相差領域及び第2位相差領域を形成する。
その後、エネルギーを付与して棒状液晶性化合物を固定化する。6)工程における配向状態の固定は、温度T2℃であって、5)工程の液晶性化合物の配向温度T1℃との関係で、T1>T2を満足する温度で行う。この条件を満足すると、配向状態の乱れを抑制しつつ、配向状態の固定が可能となる。T1℃及びT2℃それぞれの好ましい温度範囲は、選択する材料等に応じて変動する。一般的には、T1℃は約50〜約150℃であり、T2℃は約20〜約120℃である。またT1とT2との差は、約10〜約100℃であるのが好ましい。
3.3D画像表示装置及び3D画像表示システム
本発明は、本発明の光学フィルムを有する3D画像表示装置及び3D画像表示システムにも関する。本発明の光学フィルムは、表示パネルの視認側に配置され、表示パネルが表示する画像を右眼用及び左眼用の円偏光画像又は直線偏光画像等の偏光画像に変換する機能を有する。観察者は、これらの画像を円偏光又は直線偏光眼鏡等の偏光板を介して観察し、立体画像として認識する。
本発明では、表示パネルについてはなんら制限はない。例えば、液晶層を含む液晶パネルであっても、有機EL層を含む有機EL表示パネルであっても、プラズマディスプレイパネルであってもよい。いずれの態様についても、種々の可能な構成を採用することができる。また、透過モードの液晶パネル等は、視認側表面に画像表示のための偏光膜を有する態様では、本発明の光学フィルムは、当該偏光膜との組み合わせによって、上記機能を達成してもよい。勿論、本発明の光学フィルムは、液晶パネルとは別に偏光膜を有していてもよいが、その場合は、光学フィルムの偏光膜の吸収軸と、液晶パネルの偏光膜の吸収軸とを一致させて配置する。
図6(a)〜(d)に示す態様では、液晶セル1の後方には、バックライトが配置され、バックライトと液晶セル1との間に偏光膜2、必要に応じて偏光膜保護フィルム3や光学補償膜4が配置された、透過モードとして構成されている。
液晶セルの構成については特に制限はなく、一般的な構成の液晶セルを採用することができる。液晶セルは、例えば、図示しない対向配置された一対の基板と、該一対の基板間に挟持された液晶層とを含み、必要に応じて、カラーフィルタ層などを含んでいてもよい。液晶セルの駆動モードについても特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。
TNモードでは、一般的に、偏光膜の吸収軸は、表示面左右方向0°に対して45°又は135°に配置されるので、TNモード液晶パネルとは、図2に示す態様の光学フィルムと組み合わせるのが好ましい。TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
また、VAモード及びIPSモードでは、一般的に、偏光膜の吸収軸は、表示面左右方向0°に対して0°又は90°に配置されるので、VAモード及びIPSモード液晶パネルとは、図3に示す態様の光学フィルムと組み合わせるのが好ましい。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer-Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
[3D画像表示システム用偏光板]
本発明の立体画像表示システムでは、特に3D映像とよばれる立体画像を視認者に認識させるため、偏光板を通して画像を認識する。偏光板の一態様は、偏光眼鏡である。前記位相差板によって右眼用及び左眼用の円偏光画像を形成する態様では、円偏光眼鏡が用いられ、直線偏光画像を形成する態様では、直線眼鏡が用いられる。パターン光学異方性層の前記第1及び第2の位相差領域のいずれか一方から出射された右眼用画像光が右眼鏡を透過し、且つ左眼鏡で遮光され、前記第1及び第2位相差領域の他方から出射された左眼用画像光が左眼鏡を透過し、且つ右眼鏡で遮光されるように構成されていることが好ましい。
前記偏光眼鏡は、位相差機能層と直線偏光子を含むことで偏光眼鏡を形成している。なお、直線偏光子と同等の機能を有するその他の部材を用いてもよい。
偏光眼鏡を含め、本発明の3D用画像表示システムの具体的な構成について説明する。まず、位相差膜は、映像表示パネルの交互に繰り返されている複数の第一ライン上と複数の第二ライン上(例えば、ラインが水平方向であれば水平方向の奇数ライン上と偶数ライン上であり、ラインが垂直方向であれば垂直方向の奇数ライン上と偶数ライン上でもよい)に偏光変換機能が異なる前記第1位相差領域と前記第2位相差領域が設けられている。円偏光を表示に利用する場合には、上述の前記第1位相差領域と前記第2位相差領域の位相差は、ともにλ/4であることが好ましく、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域は遅相軸が直交していることがより好ましい。
円偏光を利用する場合、前記第1位相差領域と前記第2位相差領域の位相差値をともにλ/4とし、映像表示パネルの奇数ラインに右眼用画像を表示し、奇数ライン位相差領域の遅相軸が45度方向であるならば、偏光眼鏡の右眼鏡と左眼鏡にともにλ/4板を配置することが好ましく、偏光眼鏡の右眼鏡のλ/4板の遅相軸は具体的には略45度に固定すればよい。また、上記の状況であれば、同様に、映像表示パネルの偶数ラインに左眼用画像を表示し、偶数ライン位相差領域の遅相軸が135度方向であるならば、偏光眼鏡の左眼鏡の遅相軸は具体的には略135度に固定すればよい。
更に、一度前記パターニング位相差膜において円偏光として画像光を出射し、偏光眼鏡により偏光状態を元に戻す観点からは、上記の例の場合の右眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平方向45度に近いほど好ましい。また、左眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平135度(又は−45度)に近いほど好ましい。
また、例えば前記映像表示パネルが液晶表示パネルである場合、液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向が通常、水平方向であり、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸が該フロント側偏光板の吸収軸方向に直交する方向であることが好ましく、前記偏光眼鏡の直線偏光子の吸収軸は鉛直方向であることがより好ましい。
また、前記液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向と、前記パターニング位相差膜の奇数ライン位相差領域と偶数ライン位相差領域の各遅相軸は、偏光変換の効率上、45度をなすことが好ましい。
なお、このような偏光眼鏡と、パターニング位相差膜及び液晶表示装置の好ましい配置については、例えば特開2004−170693号公報に開示がある。
偏光眼鏡の例としては、特開2004−170693号公報に記載のものや、市販品として、Zalman製、ZM−M220Wの付属品を挙げることができる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
<透明支持体Aの作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
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セルロースアシレート溶液Aの組成
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置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール 11質量部
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別のミキシングタンクに、下記の組成物を投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液Bを調製した。
────────────────────────────────────
添加剤溶液Bの組成
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下記化合物B1(Re低下剤) 40質量部
下記化合物B2(波長分散制御剤) 4質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
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Figure 2014006421
<<セルロースアセテート透明支持体の作製>>
セルロースアシレート溶液Aを477質量部に、添加剤溶液Bの40質量部を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の場外で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3乃至5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み60μmのセルロースアセテート保護フィルム(透明支持体A)を作製した。透明支持体Aは紫外線吸収剤を含有しておらず、Re(550)は0nmであり、Rth(550)は12.3nmであった。
<<アルカリ鹸化処理>>
セルロースアセテート透明支持体Aを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアセテート透明支持体Aを作製した。
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アルカリ溶液の組成(質量部)
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水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
────────────────────────────────────
<パターン配向膜付透明支持体Aの作製>
実施例1で作製した透明支持体Aの鹸化処理を施した面に、ポリビニルシンナメート(シグマアルドリッチ社製)10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液を塗布後100℃で1分間乾燥した。得られた膜の膜厚は、0.5μmであった。得られた膜に、フィルムの搬送方向に対して45度の角度で1000rpmで1往復ラビング処理を行った。次いで、ストライプマスクを、ストライプが搬送方向と平行になるように膜上に配置し、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射した。このとき、透過部のストライプ幅285μm、遮蔽部のストライプ幅285μmのストライプマスクを使用し露光を行い、パターン配向膜を形成した。露光マスク面と膜の間の距離を200μmに設定した。用いる紫外線の照度はUV−A領域(波長320nm〜380nmの積算)において100mW/cm2、照射量はUV−A領域において1000mJ/cm2とした。
<パターン光学異方性層Aの作製>
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、塗布液として用いた。パターン配向膜付透明支持体A上に該塗布液を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、75℃まで冷却して、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン光学異方性層Aの作製を試みた。パターン光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
──────────────────────────────────────
光学異方性層用組成
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棒状液晶性化合物(LC242、BASF(株)製) 100質量部
水平配向剤A 0.3質量部
光重合開始剤 3.3質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
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Figure 2014006421
(パターン光学異方性層の評価)
作製したパターン光学異方性層を透明支持体Aから剥離した後、第1位相差領域又は第2位相差領域のいずれか一方の遅相軸が、直交位に組合された2枚の偏光板のいずれか一方の偏光軸と平行になるように、偏光板の間に入れ、さらに、位相差530nmの鋭敏色板を、その遅相軸が偏光板の偏光軸と45°の角度をなすように、光学異方性層の上においた。次に、光学異方性層を+45°回転させた状態を偏光顕微鏡(NIKON製 ECLIPE E600W POL)で観察した。図7に示す観察結果から明らかなように、+45°回転させた場合、第1位相差領域(未露光部)の遅相軸と鋭敏色板の遅相軸が平行になっているため、位相差は530nmよりも大きくなり、その色は青色(白黒図面では濃淡の濃い部分)に変化している。一方、第2位相差領域(露光部)の遅相軸は鋭敏色板の遅相軸と直交しているため、位相差は530nmよりも小さくなり、その色は白色(白黒図面では濃淡の淡い部分)に変化する。表1に、光学異方性層の遅相軸とパターン配向膜の露光方向の方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物をパターン配向膜上で配向させて露光することによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1の位相差領域と第2の位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
次に、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。下記表中、水平とは、棒状液晶性化合物の長軸方向が、フィルム面に平行な方向に0°〜20°であることを表す。
<機能層Aの作製>
<<反射防止膜の作製>>
[ハードコート層用塗布液の調製]
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液とした。
メチルエチルケトン900質量部に対して、シクロヘキサノン100質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA−20、日本化薬(株)製)750質量部、シリカゾル(MIBK−ST、日産化学工業(株)製)200質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50質量部、を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過してハードコート層用の塗布液を調製した。
[中屈折率層用塗布液Aの調製]
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])5.1質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)1.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.05質量部、メチルエチルケトン66.6質量部、メチルイソブチルケトン7.7質量部及びシクロヘキサノン19.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して中屈折率層用塗布液Aを調製した。
[中屈折率層用塗布液Bの調製]
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)4.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.14質量部、メチルエチルケトン66.5質量部、メチルイソブチルケトン9.5質量部及びシクロヘキサノン19.0質量部を添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して中屈折率層用塗布液Bを調製した。
屈折率1.36、膜厚90μmとなるように、中屈折率用塗布液Aと中屈折率用塗布液Bとを適量混合し、中屈折率塗布液を調製した。
[高屈折率層用塗布液の調製]
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、光重合開始剤含有、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])14.4質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)0.75質量部、メチルエチルケトン62.0質量部、メチルイソブチルケトン3.4質量部、シクロヘキサノン1.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して高屈折率層用塗布液Cを調製した。
[低屈折率層用塗布液の調製]
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
Figure 2014006421
内容量100mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブに酢酸エチル40ml、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7g及び過酸化ジラウロイル0.55gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。更にヘキサフルオロプロピレン(HFP)25gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は、0.53MPa(5.4kg/cm2)であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が0.31MPa(3.2kg/cm2)に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶剤を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。更にこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー28gを得た。次に該ポリマーの20gをN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解、氷冷下アクリル酸クロライド11.4gを滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え水洗、有機層を抽出後濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることによりパーフルオロオレフィン共重合体(1)を19g得た。得られたポリマーの屈折率は1.422、質量平均分子量は50000であった。
[中空シリカ粒子分散液Aの調製]
中空シリカ粒子微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シエル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31)500質量部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン30質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.51質量部加え混合した後に、イオン交換水9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加し、分散液を得た。その後、シリカの含率がほぼ一定になるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力30Torrで減圧蒸留による溶媒置換を行い、最後に濃度調整により固形分濃度18.2質量%の分散液Aを得た。得られた分散液AのIPA残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ0.5質量%以下であった。
[低屈折率層用塗布液の調製]
各成分を下記のように混合し、メチルエチルケトンに溶解して固形分濃度5質量%の低屈折率層用塗布液Ln6を作製した。下記各成分の質量%は、塗布液の全固形分に対する、各成分の固形分の比率である。
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・P−1:パーフルオロオレフィン共重合体(1) 15質量%
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製) 7質量%
・MF1:国際公開第2003/022906号パンフレットの実施例記載の下
記含フッ素不飽和化合物(重量平均分子量1600) 5質量%
・M−1:日本化薬(株)製KAYARAD DPHA 20質量%
・分散液A:前記中空シリカ粒子分散液A(アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシランで表面修飾した中空シリカ粒子ゾル、固形分濃度18.2%)50質量%
・Irg127:光重合開始剤イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ(株)製) 3質量%
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Figure 2014006421
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)を機能層用支持体Aとして使用し、機能層用支持体A上に、前記組成のハードコート層用塗布液Aをグラビアコーターを用いて塗布した。なお、TD80ULは、紫外線吸収剤を含んでいる。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ12μmのハードコート層Aを形成した。
更に中屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液Aをグラビアコーターを用いて塗布した。中屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
高屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
低屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。このようにして、機能層Aを作製した。
<光学フィルムAの作製>
上記作製した機能層AのTD80UL面とパターン光学異方性層Aの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムAを作製した。
<偏光板Aの作製>
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)を偏光板A用保護フィルムAとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULと、同様のアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50/125)を、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の間に挟んで貼り合せ、TD80ULとVA用位相差フィルムが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Aを作製した。このとき位相差フィルムの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が垂直になるようにした。
<光学フィルムA付偏光板Aの作製>
上記作製した光学フィルムAの透明支持体A面と偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムA付偏光板Aを作製した。このときパターン光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Aの作製>
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した
光学フィルムA付偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(a)の構成の立体表示装置Aを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図3と同様である。
(実施例2)
<透明支持体B>
TD80UL(富士フイルム社製)を用意し、透明支持体Bとして使用した。また、TD80ULの膜厚は80μm、面内レターデーションRe(550)は2nm、厚み方向のレターデーションRth(550)は40nmであった。
<パターン光学異方性層Bの作製>
透明支持体Aを上記透明支持体Bに変更した以外は実施例1と同様の操作にてパターン光学異方性層Bの作製を行った。なお、光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
(光学異方性層Bの評価)
作製した光学異方性層Bを透明支持体Bから剥離した後、実施例1と同様にして、光学異方性層の遅相軸の方向を決定した。表1に、光学異方性層の遅相軸とパターン配向膜のラビング方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物を、水平配向剤の存在下で、パターン配向膜上で配向させることによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
<光学フィルムBの作製>
パターン光学異方性層BのTD80ULの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムBを作製した。
<光学フィルムB付偏光板Bの作製>
上記作製した光学フィルムBのパターン光学異方性層B面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムB付偏光板Bを作製した。このときパターン光学異方性層Bの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Bの作製>
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した
光学フィルムB付偏光板BのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(b)の構成の立体表示装置Bを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
(実施例3)
<透明支持体C>
下記の組成でセルロースアシレート溶液(ドープ)を調整した。
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メチレンクロライド 435質量部
メタノール 65質量部
セルロースアシレートベンゾエート(CBZ) 100質量部
(アセチル置換度2.45、ベンゾイル置換度0.55、質量平均分子量180000)
二酸化ケイ素微粒子(平均粒径20nm、モース硬度 約7) 0.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
得られたドープを、製膜バンド上に流延し、室温で1分間乾燥後、45℃で5分間乾燥させた。乾燥後の溶剤残留量は30質量%であった。セルロースアシレートフィルムをバンドから剥離し、100℃で10分間乾燥した後、130℃で20分間乾燥し、透明支持体Cを得た。溶剤残留量は0.1質量%であった。透明支持体Cは紫外線吸収剤を含有しておらず、膜厚は45μmであり、Re(550)は0nmであり、Rth(550)は−75nmであった。
<パターン光学異方性層Cの作製>
透明支持体Aを上記透明支持体Cに変更し、フィルムの搬送方向に対して0度の角度で1000rpmで1往復ラビング処理を行った以外は実施例1と同様の操作にてパターン光学異方性層Cの作製を行った。なお、光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
(光学異方性層Cの評価)
作製した光学異方性層Cを透明支持体Cから剥離した後、実施例1と同様にして、光学異方性層の遅相軸の方向を決定した。表1に、光学異方性層の遅相軸とパターン配向膜のラビング方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物を、水平配向剤の存在下で、パターン配向膜上で配向させることによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
<光学フィルムCの作製>
パターン光学異方性層Cの透明支持体Cの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムCを作製した。
<偏光板Cの作製>
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)を偏光板C用保護フィルムCとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULの鹸化した面と同様にアルカリ鹸化処理したWV−EA(富士フイルム社製)の支持体面とを、偏光膜の間に挟んで貼り合せ、偏光板Cを作製した。
<光学フィルムC付偏光板Cの作製>
上記作製した光学フィルムCのパターン光学異方性層C面と偏光板CのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムC付偏光板Cを作製した。このときパターン光学異方性層Cの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Cの作製>
円偏光眼鏡方式の3Dモニター(ZALMAN製、TNモード)に使用されているパターン位相差板とフロント偏光板をはがし、上記で作製した偏光板を貼合し、図6(b)の構成の立体表示装置Cを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図2と同様であった。
(実施例4)
<パターン配向膜付ピュアエース支持体の作製>
Re(550)が138nm、Rth(550)が69nmの帝人化成社製ピュアエースフィルムを使用した。下記パターン配向膜用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、パターン配向膜用塗布液を作製した。該塗布液をピュアエースの表面に、14番バーで塗布を行い、100℃で1分間乾燥させた。次いで、ストライプマスクを、ストライプが搬送方向と平行に、且、ピュアエースの遅相軸と45°になるように膜上に配置し、空気下にて365nmにおける照度50mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を2秒間照射して、光酸発生剤を分解し酸性化合物を発生させることにより第1の位相差領域用配向層を形成した。このとき、透過部のストライプ幅285μm、遮蔽部のストライプ幅285μmのストライプマスクを使用し露光を行った。露光マスク面とパターン配向膜の間の距離は200μmに設定した。マスク露光した後、フィルムの搬送方向に対して45度、及び、ピュアエースの遅相軸と90°になる角度で1000rpmで1往復ラビング処理を行った。なお、パターン配向膜の膜厚は、0.5μmであった。
<パターン配向膜用組成物>
ポリマー材料 2.4質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−5) 0.11質量部
メタノール 16.7質量部
イソプロパノール 7.4質量部
水 73.4質量部
Figure 2014006421
<パターン光学異方性層Dの作製>
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、塗布液として用いた。パターン配向膜付透明支持体D上に該塗布液を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、75℃まで冷却して、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン光学異方性層Dの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、2.8μmであった。
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光学異方性層用組成
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前記棒状液晶性化合物(LC242、BASF(株)製) 100質量部
垂直配向剤A 0.5質量部
光重合開始剤 3.3質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
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Figure 2014006421
形成されたパターン光学異方性層Dの第1位相差領域(露光部)及び第2位相差領域(未露光部)をそれぞれTOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法、ION−TOF社製TOF−SIMS V)により分析したところ、第1位相差領域と第2位相差領域では、対応する配向層中における光酸発生剤S−5の存在比が10対90であり、第1位相差領域ではS−5がほとんど分解していることがわかった。また、光学異方性層Dにおいては、第1位相差領域の配向膜界面に垂直配向剤Aのカチオン及びアニオンがほとんど観測されず、第2位相差領域の配向膜界面には、これらのイオンが観測され、未露光部では垂直配向剤Aが配向膜界面近傍に存在していることがわかった。このことから、第2位相差領域(未露光部)では、垂直配向剤Aは配向膜界面に偏在しているが、第1位相差領域(露光部)では偏在性が減少し拡散していること、及び第1位相差領域(露光部)においては、発生した酸CF3SO3Hと垂直配向剤がアニオン交換することによって垂直配向剤Aのカチオンの拡散が促進されていることが理解できる。
(光学異方性層の評価)
次に、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。下記表中、水平とは、棒状液晶性化合物の長軸方向が、フィルム面に平行な方向に0°〜20°であることを表し、垂直とは70°〜90°であることを表す。
表1に示す結果から、棒状液晶性化合物を、垂直配向剤の存在下でパターン配向膜上で配向させることによって、第1位相差領域(露光部)では棒状液晶性化合物が水平配向し第2位相差領域(未露光部)では棒状液晶性化合物が垂直配向したパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
<機能層Dの作製>
実施例3で作製した透明支持体Cを機能層用支持体Dとして使用し、機能層用支持体D上に、実施例1と同様な方法にて機能層Dを作製した。
<光学フィルムDの作製>
上記作製した機能層Dの透明支持体Dとパターン光学異方性層Dの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムDを作製した。
<偏光板Dの作製>
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)を偏光板D用保護フィルムDとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULと、同様のアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50/125)を、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の間に挟んで貼り合せ、TD80ULとVA用位相差フィルムが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Dを作製した。このとき位相差フィルムの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が垂直になるようにした。
<光学フィルムD付偏光板Dの作製>
上記作製した光学フィルムDのピュアエース支持体面と偏光板DのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムD付偏光板Dを作製した。このときパターン光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Dの作製>
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムD付偏光板DのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板DのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(a)の構成の立体表示装置Dを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図3と同様である。
(実施例5)
<ハードコート層用塗布液Eの調製>
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液Eとした。
メチルエチルケトン900質量部に対して、シクロヘキサノン100質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA−20、日本化薬(株)製)750質量部、シリカゾル(MIBK−ST、日産化学工業(株)製)200質量部、光重合開始剤(イルガキュア819、チバ・ジャパン(株)製)50質量部、下記のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN 384−2、チバ・ジャパン(株)製)100質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液Eを調製した。
Figure 2014006421
<低屈折率層用塗布液Eの調製>
各成分を下記のように混合し、MEK(メチルエチルケトン)に溶解して固形分5質量%の低屈折率層塗布液を作製した。
低屈折率層塗布液Eの組成
下記のパーフルオロオレフィン共重合体 15質量部
DPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、日本化薬(株)製) 7質量部
ディフェンサMCF−323(フッ素系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製)
5質量部
下記の含フッ素重合性化合物 20質量部
中空シリカ粒子分散液A(固形分濃度18.2質量%) 50質量部
イルガキュア127(光重合開始剤、チバ・ジャパン(株)製) 3質量部
Figure 2014006421
Figure 2014006421
<ハードコート層Eの形成>
上記実施例2で作製した光学異方性層Bの光学異方性層面の上に、上記ハードコート層用塗布液Eをグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ12μmのハードコート層Eを形成した。
<低屈折率層Eの形成>
ハードコート層Eの上に、上記の低屈折率層用塗布液Eをグラビアコーターを用いて塗布した。乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。低屈折率層の屈折率は1.36、膜厚は90nmであった。
以上のようにして、光学異方性層Bの上にハードコート層E及び低屈折率層Eを積層した光学フィルムEを作製した。
<光学フィルムE付偏光板Eの作製>
上記作製した光学フィルムEの透明支持体Bと実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムE付偏光板Eを作製した。このときパターン光学異方性層Eの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Eの作製>
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムE付偏光板EのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(d)の構成の立体表示装置Eを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
(実施例6)
<機能層の作製>
(ゾル液aの調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120質量部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3質量部を加え混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液aを得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
(防眩層用塗布液Fの調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(PET−30、日本化薬(株)製)31gをメチルイソブチルケトン38gで希釈した。更に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を1.5g添加し、混合攪拌した。続いてフッ素系表面改質剤(FP−148)0.04g、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を6.2gを加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.520であった。最後に、この溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(共重合組成比=50/50、屈折率1.540)の30%シクロヘキサノン分散液を39.0g加え、完成液とした。前記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層用塗布液Fを調製した。
Figure 2014006421
(低屈折率層用塗布液Fの調製)
ポリシロキサンおよび水酸基を含有する屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー(JTA113、固形分濃度6%、JSR(株)製)13g、コロイダルシリカ分散液MEK−ST−L(商品名、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)1.3g、前記ゾル液a 0.6g、およびメチルエチルケトン5g、シクロヘキサノン0.6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層塗布液Fを調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.45であった。
(1)防眩層の塗設
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製、Re/Rth=2/40)をロール形態で巻き出して、特開2007−41495号公報の[0172]に記載の装置構成および塗布条件で示されるダイコート法によって防眩層用塗布液Fを塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの防眩性を有する防眩層を形成した。
(2)低屈折率層の塗設
上記防眩層用塗布液Fを塗布して防眩層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムを再び巻き出して、前記低屈折率層用塗布液Fを特開2007−41495号公報の[0172]に記載の基本条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージにより酸素濃度0.1体積%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、機能層を得た。
上記実施例1で作製した光学異方性層の表面(パターン光学異方性層が形成されている側の面)と、上記で作製した機能層の裏面(防眩層及び低屈折率層が形成されていない側の面)とを、光学的に等方性の粘着剤(綜研化学株式会社製SK−2057)により貼合した。以上のようにして、光学異方性層Aの上に粘着剤、支持体、防眩層及び低屈折率層を積層した光学フィルムFを作製した。
<偏光板Fの作製>
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。実施例1と同様の方法にてアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50/125)及び光学フィルムFの透明支持体A面を、偏光膜の間に挟んで接着剤で貼り合せ、VA用位相差フィルムと光学フィルムFの透明支持体Aが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Fを作製した。このとき位相差膜の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が45度になるようにした。
<立体表示装置Fの作製>
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した偏光板FのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板FのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(c)の構成の立体表示装置Fを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
(実施例7)
<防眩層付光学異方性層の形成>
上記実施例6の防眩層用塗布液Fを、上記実施例2で作製した光学異方性層Bの透明支持体Bの上に、グラビアコーターを用いて塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの防眩性を有する光学異方性層を作製した。
<低屈折率層の形成>
上記防眩層付光学異方性層の上に、上記の低屈折率層用塗布液Fをグラビアコーターを用いて塗布した。乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。低屈折率層の屈折率は1.36、膜厚は90nmであった。
以上のようにして、光学異方性層Bの透明支持体上に防眩層及び低屈折率層を積層した光学フィルムGを作製した。
<光学フィルムG付偏光板Gの作製>
上記作製した光学フィルムGのパターン光学異方性層Bと実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムG付偏光板Gを作製した。このときパターン光学異方性層Bの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Gの作製>
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムG付偏光板GのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(b)の構成の立体表示装置Gを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
(比較例1)
<光配向膜付透明支持体Bの作製>
国際公開2010/090429号パンフレットに記載の棒状液晶性化合物及び配向膜を使用して立体表示装置Hを作製した。
実施例2で使用した透明支持体Bの鹸化処理を施した面に、下記構造の光配向材料E−1 1%水溶液を塗布し、100℃で1分間乾燥した。得られた塗布膜に、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射した。このとき、ワイヤーグリッド偏光子(Moxtek社製, ProFlux PPL02)を図8(a)に示すように、方向1にセットして、さらにマスクA(透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク)を通して、露光を行った。その後、図8(b)に示すように、ワイヤーグリッド偏光子を方向2にセットして、さらにマスクB(透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク)を通して、露光を行った。露光マスク面と光配向膜の間の距離を200μmに設定した。この際用いる紫外線の照度はUV−A領域(波長380nm〜320nmの積算)において100mW/cm2、照射量はUV−A領域において1000mJ/cm2とした。
Figure 2014006421
<パターン光学異方性層Hの作製>
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、塗布液として用いた。光配向膜付透明支持体A上に該塗布液を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、75℃まで冷却して、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン光学異方性層Gの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
──────────────────────────────────────
光学異方性層用組成
──────────────────────────────────────
棒状液晶性化合物(LC242、BASF(株)製) 100質量部
水平配向剤A 0.3質量部
光重合開始剤 3.3質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
──────────────────────────────────────
(光学異方性層の評価)
作製した光学異方性層を透明支持体Bから剥離した後、実施例1と同様にして、光学異方性層の遅相軸の方向を決定した。表1に、光学異方性層の遅相軸と配向膜の露光方向の方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物を光配向膜上で配向させて露光することによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1の位相差領域と第2の位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
<光学フィルムHの作製>
パターン光学異方性層Hの透明支持体Bの表面に、実施例1で作製した機能層AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムHを作製した。
<光学フィルムH付偏光板Aの作製>
上記作製した光学フィルムHのパターン光学異方性層H面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムH付偏光板Aを作製した。このときパターン光学異方性層Hの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Hの作製>
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムH付偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(b)の構成の立体表示装置Hを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
(比較例2)
<光配向膜付透明支持体Bの作製>
透明支持体Bの、鹸化処理を施した面に、比較例1と同様の方法にて光配向膜付透明支持体Bを作製した。
<パターン光学異方性層Iの作製>
比較例1と同様の方法にて、透明支持体B上にパターン光学異方性層Iの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
<光学フィルムIの作製>
実施例1で作製した機能層AのTD80UL面とパターン光学異方性層Iの透明支持体Bを接着剤で貼り合せ、光学フィルムIを作製した。
<偏光板Iの作製>
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)とWV‐EA(富士フイルム社製)を偏光板I用保護フィルムIとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULと支持体面に前記のアルカリ鹸化処理を施したWV‐EAとを、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の間に挟んで貼り合せ、TD80ULとWV‐EAが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Iを作製した。
<光学フィルムI付偏光板Iの作製>
上記作製した光学フィルムIのパターン光学異方性層I面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムI付偏光板Iを作製した。このときパターン光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
<立体表示装置Iの作製>
円偏光眼鏡方式の3Dモニター(ZALMAN製、TNモード)に使用されているパターン位相差板とフロント偏光板をはがし、上記で作製した偏光板Iを貼合し、図6(a)の構成の立体表示装置Iを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図2と同様であった。
(実施例8)
実施例1において、棒状液晶(LC242)を例示化合物I−1に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−1を作製し、立体表示装置Jを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、棒状液晶性化合物(LC242)を例示化合物I−8に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−2を作製し、立体表示装置Kを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、ポリビニルシンナメート(シグマアルドリッチ社製)10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液を例示化合物a−3の10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−3を作製し、立体表示装置Lを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。下記表中、水平とは、棒状液晶性化合物の長軸方向が、フィルム面に平行な方向に0°〜20°であることを表す。
(実施例11)
実施例1において、ポリビニルシンナメート(シグマアルドリッチ社製)10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液を例示化合物a−6の10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−4を作製し、立体表示装置Lを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
表1に実施例1〜11及び比較例1〜2の光学異方性層の物性値、表2に偏光膜よりも視認側に配置された部材のレターデーションをまとめた。
Figure 2014006421
Figure 2014006421
(評価)
<立体表示装置の評価>
作製した各立体表示装置について、W220S(Hyundai製)に付属の3Dメガネを用いて以下の評価を行った。なお、基準形態については、VA型液晶表示装置では比較例1の立体表示装置Hとし、TN型液晶表示装置では比較例2の立体表示装置Iとした。結果を表3に示す。
(1)正面輝度比および正面平均輝度比の測定
上下方向に白と黒が交互に並んだストライプ画像を表示した液晶表示装置の正面に3Dメガネと測定器(BM−5A トプコン製)を配置し、白のストライプが視認できる方のメガネを通した位置に測定器をおいて白表示における正面輝度Aを測定した。続いて、白と黒の位置を入れ替えたストライプ画像を表示し、同様に白のストライプが視認できる方のメガネを通した位置に測定器をおいて正面輝度Bを測定し、正面輝度Aと正面輝度Bの平均値を立体表示装置の正面輝度とした。
(1−a)正面輝度比
正面輝度比は3Dメガネと地面が平行の場合の正面輝度の相対値であり、次の式で算出した。
各立体表示装置の正面輝度比(%)=各立体表示装置の正面輝度/基準形態の正面輝度(1−b)正面平均輝度比
正面平均輝度比は3Dメガネを回転させたときの正面輝度平均値の相対値であり、次の式で算出した。
各立体表示装置の正面平均輝度比(%)
=各立体表示装置の正面輝度平均値/基準形態の正面輝度平均値
(2)耐光性
耐光性試験装置(スーパーキセノンウェザーメーターSX120型(ロングライフキセノンランプ)、スガ試験機(株)製)を用い、放射照度100±25W/m2(波長310nm〜400nm)、試験槽内温度35±5℃、ブラックパネル温度50±5℃、相対湿度65±15%の条件で、JIS K 5600−7−5に準じて耐光性試験25hrを実施した前後に、位相差膜のRe(550)の変化を調べた。変化率が10%以内である場合をA、それより大きい場合をBとした。
Figure 2014006421
上記表から、棒状液晶性化合物を使用した比較例1及び比較例2はフィルタを入れて直線偏光とした紫外線を2度露光する必要があることが分かる。一方、本発明では非偏光の紫外線を一度露光することで、所望のパターン位相差膜が作製することが出来ることは明らかである。このことから本発明はパターン位相差膜作製において、従来の技術に比べ、少ない工程数で同等以上のものが作製できることは明らかである。
10 光学フィルム
12 パターン光学異方性層
14 配向膜
16 透明支持体
18 偏光膜
19 偏光膜保護フィルム
20 機能層
21 透明フィルム
1 液晶セル
2 偏光膜(バックライト側)
3 偏光膜保護フィルム(バックライト側)
4 光学補償膜
12a 第1位相差領域
12b 第2位相差領域
p 吸収軸

Claims (20)

  1. 透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含み、
    パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである光学フィルム。
  2. エネルギーが、非偏光紫外線である、請求項1の光学フィルム。
  3. 重合性基を有する棒状液晶性化合物が、水平配向状態に固定されている、請求項1又は2の光学フィルム。
  4. エネルギーの付与により反応する化合物が、光反応性化合物である、請求項1〜3のいずれか1項の光学フィルム。
  5. 光反応性化合物が、光酸発生剤である、請求項4の光学フィルム。
  6. 光反応性化合物が、ポリビニルシンナメートである、請求項4の光学フィルム。
  7. 偏光膜をさらに有し、第1及び第2位相差領域の面内遅相軸と、偏光膜の吸収軸とがそれぞれ±45°の角度をなす、請求項1〜6のいずれか1項の光学フィルム。
  8. 偏光膜の一方の面上に配置されている光学異方性層を含む全ての部材の波長550nmの面内レターデーションRe(550)の合計値が、110〜160nmである、請求項7の光学フィルム。
  9. 透明支持体が、紫外線吸収剤を含有する、請求項1〜8のいずれか1項の光学フィルム。
  10. 機能層をさらに有する、請求項1〜9のいずれか1項の光学フィルム。
  11. 機能層が、紫外線吸収剤を含有する、請求項10の光学フィルム。
  12. 画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルの視認側に配置される、請求項1〜11のいずれか1項の光学フィルムとを少なくとも有する3D画像表示装置。
  13. 表示パネルが液晶セルを有する、請求項12の3D画像表示装置。
  14. 請求項12または13の3D用画像表示装置と、3D用画像表示装置の視認側に配置される偏光板とを少なくとも備え、偏光板を通じて立体画像を視認させる3D画像表示システム。
  15. 透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含む光学フィルムの製造方法であって、
    1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種含む組成物を適用し、膜を作成する工程
    2)膜を一方向にラビング処理する工程
    3)膜の一部の領域にエネルギーを付与する工程
    4)膜に対し、ラビング処理およびエネルギー付与を行うことで得られたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を適用する工程
    5)加熱して面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を形成する工程
    6)エネルギーを付与して重合性基を有する棒状液晶性化合物を固定化する工程
    を含む光学フィルムの製造方法。
  16. 第1及び第2配向制御領域を含み、
    第1及び第2配向制御領域は、面内において交互に配置されており、それぞれ異なる含有量でエネルギーの付与により反応する化合物を含む、パターン配向膜。
  17. 第1及び第2配向制御領域がラビング処理とエネルギーを付与する処理とにより形成されている、請求項16のパターン配向膜。
  18. 第1及び第2配向制御領域が、面内において交互に配置されているパターン配向膜の製造方法であって、
    1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程
    2)膜を一方向にラビング処理する工程
    3)膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程
    を含むパターン配向膜の製造方法。
  19. エネルギーが、1回の非偏光紫外線照射である、請求項18のパターン配向膜の製造方法。
  20. エネルギーを付与する工程が、膜に対して垂直に非偏光を照射する工程である、請求項18及び19のパターン配向膜の製造方法。
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