JP2014006421A - 光学フィルム、3d画像表示装置及び3d画像表示システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含み、
パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである光学フィルム。
【選択図】図1
Description
本発明は、新規な光学フィルム、従来のパターン位相差膜の製造方法より簡便かつ効率的な新規な光学フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである光学フィルム。
[2]エネルギーが、非偏光紫外線である、[1]の光学フィルム。
[3]重合性基を有する棒状液晶性化合物が、水平配向状態に固定されている、[1]又は[2]の光学フィルム。
[4]エネルギーの付与により反応する化合物が、光反応性化合物である、[1]〜[3]のいずれかの光学フィルム。
[5]光反応性化合物が、光酸発生剤である、[4]の光学フィルム。
[6]光反応性化合物が、ポリビニルシンナメートである、[4]の光学フィルム。
[7]偏光膜をさらに有し、第1及び第2位相差領域の面内遅相軸と、偏光膜の吸収軸とがそれぞれ±45°の角度をなす、[1]〜[6]のいずれかの光学フィルム。
[8]偏光膜の一方の面上に配置されている光学異方性層を含む全ての部材の波長550nmの面内レターデーションRe(550)の合計値が、110〜160nmである、[7]の光学フィルム。
[9]透明支持体が、紫外線吸収剤を含有する、[1]〜[8]のいずれかの光学フィルム。
[10]機能層をさらに有する、[1]〜[9]のいずれかの光学フィルム。
[11]機能層が、紫外線吸収剤を含有する、[10]の光学フィルム。
[12]画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルの視認側に配置される、[1]〜[11]のいずれかの光学フィルムとを少なくとも有する3D画像表示装置。
[13]表示パネルが液晶セルを有する、[12]の3D画像表示装置。
[14][12]または[13]の3D用画像表示装置と、3D用画像表示装置の視認側に配置される偏光板とを少なくとも備え、偏光板を通じて立体画像を視認させる3D画像表示システム。
[15]透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含む光学フィルムの製造方法であって、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種含む組成物を適用し、膜を作成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域にエネルギーを付与する工程
4)膜に対し、ラビング処理およびエネルギー付与を行うことで得られたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を適用する工程
5)加熱して面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を形成する工程
6)エネルギーを付与して重合性基を有する棒状液晶性化合物を固定化する工程
を含む光学フィルムの製造方法。
[16]第1及び第2配向制御領域を含み、
第1及び第2配向制御領域は、面内において交互に配置されており、それぞれ異なる含有量でエネルギーの付与により反応する化合物を含む、パターン配向膜。
[17]第1及び第2配向制御領域がラビング処理とエネルギーを付与する処理とにより形成されている、[16]のパターン配向膜。
[18]第1及び第2配向制御領域が、面内において交互に配置されているパターン配向膜の製造方法であって、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程
を含むパターン配向膜の製造方法。
[19]エネルギーが、1回の非偏光紫外線照射である、[18]のパターン配向膜の製造方法。
[20]エネルギーを付与する工程が、膜に対して垂直に非偏光を照射する工程である、[18]及び[19]のパターン配向膜の製造方法。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、又はWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、及び入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、及び式(B)よりRthを算出することもできる。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・・・・式(B)
また、本明細書でレターデーションの総和とは、複数層のフィルムを上記測定法にて測定した値のことを表す。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、及びその関係(例えば「直交」、「平行」、「垂直」、及び「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本発明の光学フィルムは、透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含み、パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである。
配向膜14は、支持体16とパターン光学異方性層12との間に配置される。
また、パターン光学異方性層を形成するための配向膜をパターン配向膜と呼ぶことがあるが、本願明細書におけるパターン配向膜とは、第1及び第2配向制御領域を含み、第1及び第2配向制御領域は、面内において交互に配置されており、それぞれ異なる含有量でエネルギーの付与により反応する化合物を含む配向膜であり、通常、1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程、2)前記膜を一方向にラビング処理する工程、3)前記膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程を経て製造される配向膜である。一方、本発明の光学フィルムに含まれる配向膜14は、かかるパターン配向膜であってもよいし、例えば、棒状液晶性化合物を固定化する際のエネルギーの付与により、パターンが消失した配向膜であってもよい。
長尺状の偏光膜であって、吸収軸が長手方向の偏光膜と貼り合わせるには、長尺のポリマーフィルムからなる支持体上に膜を形成し、長手方向に対して45°の方向に連続的にラビング処理して、形成するのが好ましい。
エネルギーとは、40〜200℃の熱によるエネルギー、波長が190〜1200nmの光等のエネルギー(好ましくは60〜150℃の熱によるエネルギー、波長が190〜400nmの光等のエネルギー)を含めたものであり、エネルギーとしては具体的に、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、紫外線が挙げられ、中でも紫外線が好ましい。本発明においては、従来のような光反応性化合物が偏光に沿って配向をする光配向反応を用いないこと、また偏光を得るための偏光フィルターが光エネルギーを損失することから、非偏光紫外線であることが好ましい。
光酸発生剤とは、紫外線等の光照射により分解し酸性化合物を発生する化合物である。前記光酸発生剤が、光照射により分解して酸性化合物を発生すると、エネルギーの付与により反応する化合物(光酸発生剤)を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜の配向制御能に変化が生じる。ここでいう配向制御能の変化は、パターン配向膜単独の配向制御能の変化として特定されるものであっても、パターン配向膜とその上に配置される光学異方性層形成用組成物中に含まれる添加剤等とによって達成される配向制御能の変化として特定されるものであってもよいし、またこれらの組み合わせとして特定されるものであってもよい。
後述する棒状液晶性化合物は、オニウム塩を添加することで、垂直配向状態になる場合がある。分解により発生した酸と、該オニウム塩とが、アニオン交換すると、該オニウム塩のパターン配向膜界面における偏在性が低下し、垂直配向効果を低下させ、水平配向状態を形成させてもよい。また、例えば、パターン配向膜がポリビニルアルコール系配向膜である場合には、そのエステル部分が発生した酸により分解し、その結果、前記オニウム塩の配向膜界面偏在性を変化させてもよい。
具体的には、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム塩、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体を挙げることができる。
この中でも、前記光酸発生剤としては、ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が特に好ましく用いられる。ピリジニウム塩、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩の好ましい例としては、下記の一般式で表される塩をそれぞれ挙げることができる。
ポリビニルシンナメートは、エネルギーの付与により二量化反応を起こす化合物であり、具体的には、光照射により光二量化反応を起こす化合物である。ポリビニルシンナメートは、光反応性基を含むことが好ましく、光照射に応じて配向する光配向素材であるのが好ましく、光反応性基を有する光配向性ポリマーであるのが好ましい。ポリビニルシンナメートは、ラビングにより主鎖(ポリビニルビニル鎖)と共同的に側鎖のメソゲン鎖(シンナメート鎖)が配向するため、これに準じ棒状液晶性化合物もラビングと平行方向に水平配向する。一方、ラビング処理した後、紫外線処理すると、側鎖部分が2+2型のシクロブタン環を形成するため、主鎖に対して直交方向にメソゲン鎖が配向し棒状液晶性化合物がラビングに対して直交方向に水平配向する。
上記置換基群Aとしては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエン及び2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレンおよびその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;および
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
本発明は、パターン配向膜の製造方法にも関する。本発明のパターン配向膜の製造方法の一例は、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程
2)前記膜を一方向にラビング処理する工程
3)前記膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程
を含む。
2)工程及び3)工程は、順序を逆にしてもよい。
塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
具体的には、光未照射部分では光酸発生剤はほぼ未分解のままであり、パターン配向膜構成材料、液晶性化合物、及び所望により添加される配向制御剤の相互作用が配向状態を支配し、棒状液晶性化合物を垂直配向させる。光酸発生剤を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜へ光照射し、酸性化合物が発生すると、その相互作用はもはや支配的ではなくなり、ラビング処理による配向制御能が配向状態を支配し、棒状液晶性化合物は水平配向する。パターン配向膜の形成に用いられる光酸発生剤としては、水溶性の化合物が好ましく用いられる。
具体的には、未照射部分では、ポリビニルシンナメートの側鎖は配向状態が変化せず、ポリビニルシンナメートの主鎖とともにラビング方向に配向するため、棒状液晶性化合物もラビング方向と平行方向に水平配向する。光照射部では、ポリビニルシンナメートの配向状態に変化が起こり、主鎖に対して直交方向に配向するため、棒状液晶性化合物がラビング方向に対して直交方向に水平配向する。
なお、光照射の条件は、パターン配向膜を構成する材料の組成等に応じて適宜設定することができ、上記条件に限定されるものではない。
2)工程後に3)工程を行うと、即ちラビング処理後にエネルギーを付与すると、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜表面の分子がラビング方向に沿って並んでおり、この配向した分子にエネルギーを付与することで光異性化反応などの光反応が発生し、光照射部と未照射部で液晶性化合物に対する配向制御能を区別することができる。
3)工程後に2)工程を行うと、即ちエネルギーを付与後にラビング処理すると、光照射部は前記光反応が発生し、未照射部はエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物から形成された膜表面の分子がランダムに配向している状態となる。この状態でラビング処理を行うと、分子がラビング方向に配向するが、光照射部と未照射部との間で配向する分子の構造が異なるので光照射部と未照射部との間の配向制御能を区別することができる。
光学異方性層12は、画像表示装置内に、第1及び第2位相差領域12a及び12bが、均等且つ対称に配置されたパターン光学異方性層である。一例は、第1及び第2位相差領域12a及び12bの面内レターデーションがそれぞれλ/4程度であり、互いに直交する面内遅相軸a及びbをそれぞれ有する光学異方性層である。
また、第1及び第2位相差領域12a及び12bの形状及び配置パターンは、図2及び3に示すストライプ状のパターンを交互に配置した態様に限定されるものではない。図4に示す様に、矩形状のパターンを格子状に配置してもよい。
なお、光学異方性層12のReが単独でλ/4である必要はなく、偏光膜18の一方の表面上に配置される光学異方性層12を含む全ての部材のReの総和、例えば、図6(a)の態様では、偏光膜保護フィルム、支持体、光学異方性層及び基材フィルム全てのReの総和、図6(b)の態様では、偏光膜保護フィルム、光学異方性層、及び支持体のReの総和が、図6(c)の態様では、支持体、光学異方性層及び基材フィルム全てのReの総和、図6(d)の態様では、偏光膜保護フィルム、支持体、及び光学異方性層のReの総和が、110〜160nmであるのが好ましく、120〜150nmであるのがより好ましく、125〜145nmであることが特に好ましい。
棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019や特開2007−279688号に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
また、棒状液晶性化合物の空気界面における配向を制御することを目的として、フルオロ脂肪族基含有共重合体を添加してもよい。本発明において使用できるフルオロ脂肪族基含有共重合体としては、例えば特開2012−042530号公報の段落[0240]〜[0242]、特開2012−008170号公報の段落[0126]〜[0127]に記載のフルオロ脂肪族基含有共重合体を使用することができる。
この他にも、重合開始剤、増感剤などその他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤としては、例えば、特開2012−042530号公報の段落[0243]〜[0244]、特開2012−008170号公報の段落[0128]〜[0131]に記載の添加剤を使用することができる。
本発明の光学フィルムは、前記光学異方性層を支持する透明支持体を有する。
透明支持体は、公知の種々の材料を特に制限なく使用することができる。透明支持体のRe(550)は、特に制限はないが、機能層が支持体を有さない場合、もしくは機能層が配置されていない場合、0〜10nmが好ましく、0〜7nmがより好ましく、0〜5nmが特に好ましい。
なお、機能層が支持体を有する場合、透明支持体16のRe(550)は、0〜10nmが好ましく、0〜7nmがより好ましく、0〜5nmが特に好ましい。
上記セルロースアシレートフィルム等の透明支持体には、フィルム自身の耐光性向上、或いは偏光板、液晶表示装置の液晶性化合物等の画像表示部材の劣化防止のために、更に紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
光学フィルムは、図5(a)〜(d)に一例を示すように、偏光膜18をさらに有していてもよい。また、偏光膜18を保護する偏光膜保護フィルム19をさらに有していてもよい。なお、図5及び図6中、配向膜は省略している。
光学フィルムは、図5(a)〜(d)に一例を示すように、機能層20をさらに有していてもよい。また、機能層20を支持する透明フィルム21をさらに有していてもよい。
機能層の一例は、ハードコート層、反射防止層、低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層、防眩層である。機能層は2層以上配置してもよい。また、機能層は、機能層の支持体として透明フィルムを有していてもよい。
支持体/パターン光学異方性層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/透明フィルム/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層
パターン光学異方性層/支持体/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
パターン光学異方性層/支持体/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層
支持体/パターン光学異方性層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/防眩層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/防眩層/低屈折率層
支持体/パターン光学異方性層/ハードコート層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
本発明の光学フィルムは、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を設けることができる。本発明においては、ハードコート層を設けなくてもよいが、ハードコート層を設けた方が鉛筆引掻き試験などの耐擦傷性面が強くなり、好ましい。
好ましくは、ハードコート層上に低屈折率層が設けられ、更に好ましくはハードコート層と低屈折率層の間に中屈折率層、高屈折率層が設けられ、反射防止フィルムを構成する。ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが更に好ましく、3H以上であることが最も好ましい。更に、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
上記無機微粒子としては、金属の酸化物を含有する無機微粒子が好ましく、Ti、Zr、In、Zn、Sn、Al及びSbから選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物を含有する無機微粒子がより好ましい。また、中屈折率層及び高屈折率層のうち少なくともいずれかが、導電性の無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子の詳細は、特開2012−018395号公報の段落[0239]〜[0244]を参照することができる。
硬化性化合物としては、重合性化合物が好ましく、重合性化合物としては電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーが好ましく用いられる。これらの化合物中の官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。硬化性化合物の詳細は、特開2012−018395号公報の段落[0245]を参照することができる。
各層の貼り合わせに用いる粘着剤又は接着剤としては、粘着剤でもUV接着剤でもよく、粘着剤層や接着剤層などを介して貼り合わせてもよく、特に限定されない。本発明に使用可能な粘着剤又は接着剤としては、例えば特開2011−037140号公報の段落[0100]〜[0115]、特開2009−292870号公報の段落[0155]〜[0171]などに記載されている粘着剤を使用することができる。
パターン光学異方性層と偏光膜との間には、粘着層が配置されていてもよい。パターン光学異方性層と偏光膜との積層のために用いられる粘着層とは、例えば、動的粘弾性測定装置で測定したG’とG”との比(tanδ=G”/G’)が0.001〜1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。粘着剤については特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤を用いることができる。
本発明は、光学フィルムの製造方法にも関する。本発明の光学フィルムの製造方法の一例は、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種含む組成物を適用し、膜を作成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域にエネルギーを付与する工程
4)膜に対し、ラビング処理およびエネルギー付与を行うことで得られたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を適用する工程
5)加熱して面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を形成する工程
6)エネルギーを付与して重合性基を有する棒状液晶性化合物を固定化する工程
を含む。
1)工程〜6)工程は、この順で含むことが好ましく、2)工程及び3)工程は、順序を逆にしてもよい。
その後、エネルギーを付与して棒状液晶性化合物を固定化する。6)工程における配向状態の固定は、温度T2℃であって、5)工程の液晶性化合物の配向温度T1℃との関係で、T1>T2を満足する温度で行う。この条件を満足すると、配向状態の乱れを抑制しつつ、配向状態の固定が可能となる。T1℃及びT2℃それぞれの好ましい温度範囲は、選択する材料等に応じて変動する。一般的には、T1℃は約50〜約150℃であり、T2℃は約20〜約120℃である。またT1とT2との差は、約10〜約100℃であるのが好ましい。
本発明は、本発明の光学フィルムを有する3D画像表示装置及び3D画像表示システムにも関する。本発明の光学フィルムは、表示パネルの視認側に配置され、表示パネルが表示する画像を右眼用及び左眼用の円偏光画像又は直線偏光画像等の偏光画像に変換する機能を有する。観察者は、これらの画像を円偏光又は直線偏光眼鏡等の偏光板を介して観察し、立体画像として認識する。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer-Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
本発明の立体画像表示システムでは、特に3D映像とよばれる立体画像を視認者に認識させるため、偏光板を通して画像を認識する。偏光板の一態様は、偏光眼鏡である。前記位相差板によって右眼用及び左眼用の円偏光画像を形成する態様では、円偏光眼鏡が用いられ、直線偏光画像を形成する態様では、直線眼鏡が用いられる。パターン光学異方性層の前記第1及び第2の位相差領域のいずれか一方から出射された右眼用画像光が右眼鏡を透過し、且つ左眼鏡で遮光され、前記第1及び第2位相差領域の他方から出射された左眼用画像光が左眼鏡を透過し、且つ右眼鏡で遮光されるように構成されていることが好ましい。
前記偏光眼鏡は、位相差機能層と直線偏光子を含むことで偏光眼鏡を形成している。なお、直線偏光子と同等の機能を有するその他の部材を用いてもよい。
更に、一度前記パターニング位相差膜において円偏光として画像光を出射し、偏光眼鏡により偏光状態を元に戻す観点からは、上記の例の場合の右眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平方向45度に近いほど好ましい。また、左眼鏡の固定する遅相軸の角度は正確に水平135度(又は−45度)に近いほど好ましい。
また、前記液晶表示パネルのフロント側偏光板の吸収軸方向と、前記パターニング位相差膜の奇数ライン位相差領域と偶数ライン位相差領域の各遅相軸は、偏光変換の効率上、45度をなすことが好ましい。
なお、このような偏光眼鏡と、パターニング位相差膜及び液晶表示装置の好ましい配置については、例えば特開2004−170693号公報に開示がある。
<透明支持体Aの作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液Aを調製した。
────────────────────────────────────
セルロースアシレート溶液Aの組成
────────────────────────────────────
置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 300質量部
メタノール(第2溶媒) 54質量部
1−ブタノール 11質量部
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添加剤溶液Bの組成
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下記化合物B1(Re低下剤) 40質量部
下記化合物B2(波長分散制御剤) 4質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 80質量部
メタノール(第2溶媒) 20質量部
────────────────────────────────────
セルロースアシレート溶液Aを477質量部に、添加剤溶液Bの40質量部を添加し、充分に攪拌して、ドープを調製した。ドープを流延口から0℃に冷却したドラム上に流延した。溶媒含有率70質量%の場外で剥ぎ取り、フィルムの巾方向の両端をピンテンター(特開平4−1009号の図3に記載のピンテンター)で固定し、溶媒含有率が3乃至5質量%の状態で、横方向(機械方向に垂直な方向)の延伸率が3%となる間隔を保ちつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み60μmのセルロースアセテート保護フィルム(透明支持体A)を作製した。透明支持体Aは紫外線吸収剤を含有しておらず、Re(550)は0nmであり、Rth(550)は12.3nmであった。
セルロースアセテート透明支持体Aを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱し、(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアセテート透明支持体Aを作製した。
アルカリ溶液の組成(質量部)
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水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤
SF−1:C14H29O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
────────────────────────────────────
実施例1で作製した透明支持体Aの鹸化処理を施した面に、ポリビニルシンナメート(シグマアルドリッチ社製)10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液を塗布後100℃で1分間乾燥した。得られた膜の膜厚は、0.5μmであった。得られた膜に、フィルムの搬送方向に対して45度の角度で1000rpmで1往復ラビング処理を行った。次いで、ストライプマスクを、ストライプが搬送方向と平行になるように膜上に配置し、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射した。このとき、透過部のストライプ幅285μm、遮蔽部のストライプ幅285μmのストライプマスクを使用し露光を行い、パターン配向膜を形成した。露光マスク面と膜の間の距離を200μmに設定した。用いる紫外線の照度はUV−A領域(波長320nm〜380nmの積算)において100mW/cm2、照射量はUV−A領域において1000mJ/cm2とした。
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、塗布液として用いた。パターン配向膜付透明支持体A上に該塗布液を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、75℃まで冷却して、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン光学異方性層Aの作製を試みた。パターン光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
光学異方性層用組成
──────────────────────────────────────
棒状液晶性化合物(LC242、BASF(株)製) 100質量部
水平配向剤A 0.3質量部
光重合開始剤 3.3質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
──────────────────────────────────────
作製したパターン光学異方性層を透明支持体Aから剥離した後、第1位相差領域又は第2位相差領域のいずれか一方の遅相軸が、直交位に組合された2枚の偏光板のいずれか一方の偏光軸と平行になるように、偏光板の間に入れ、さらに、位相差530nmの鋭敏色板を、その遅相軸が偏光板の偏光軸と45°の角度をなすように、光学異方性層の上においた。次に、光学異方性層を+45°回転させた状態を偏光顕微鏡(NIKON製 ECLIPE E600W POL)で観察した。図7に示す観察結果から明らかなように、+45°回転させた場合、第1位相差領域(未露光部)の遅相軸と鋭敏色板の遅相軸が平行になっているため、位相差は530nmよりも大きくなり、その色は青色(白黒図面では濃淡の濃い部分)に変化している。一方、第2位相差領域(露光部)の遅相軸は鋭敏色板の遅相軸と直交しているため、位相差は530nmよりも小さくなり、その色は白色(白黒図面では濃淡の淡い部分)に変化する。表1に、光学異方性層の遅相軸とパターン配向膜の露光方向の方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物をパターン配向膜上で配向させて露光することによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1の位相差領域と第2の位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
<<反射防止膜の作製>>
[ハードコート層用塗布液の調製]
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液とした。
メチルエチルケトン900質量部に対して、シクロヘキサノン100質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA−20、日本化薬(株)製)750質量部、シリカゾル(MIBK−ST、日産化学工業(株)製)200質量部、光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50質量部、を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過してハードコート層用の塗布液を調製した。
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])5.1質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)1.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.05質量部、メチルエチルケトン66.6質量部、メチルイソブチルケトン7.7質量部及びシクロヘキサノン19.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して中屈折率層用塗布液Aを調製した。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)4.5質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.14質量部、メチルエチルケトン66.5質量部、メチルイソブチルケトン9.5質量部及びシクロヘキサノン19.0質量部を添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して中屈折率層用塗布液Bを調製した。
ZrO2微粒子含有ハードコート剤(デソライトZ7404[屈折率1.72、固形分濃度:60質量%、酸化ジルコニウム微粒子含量:70質量%(対固形分)、酸化ジルコニウム微粒子の平均粒子径:約20nm、光重合開始剤含有、溶剤組成:メチルイソブチルケトン/メチルエチルケトン=9/1、JSR(株)製])14.4質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)0.75質量部、メチルエチルケトン62.0質量部、メチルイソブチルケトン3.4質量部、シクロヘキサノン1.1質量部を添加して攪拌した。充分に攪拌の後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して高屈折率層用塗布液Cを調製した。
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
中空シリカ粒子微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シエル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31)500質量部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン30質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.51質量部加え混合した後に、イオン交換水9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8質量部を添加し、分散液を得た。その後、シリカの含率がほぼ一定になるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力30Torrで減圧蒸留による溶媒置換を行い、最後に濃度調整により固形分濃度18.2質量%の分散液Aを得た。得られた分散液AのIPA残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ0.5質量%以下であった。
各成分を下記のように混合し、メチルエチルケトンに溶解して固形分濃度5質量%の低屈折率層用塗布液Ln6を作製した。下記各成分の質量%は、塗布液の全固形分に対する、各成分の固形分の比率である。
・P−1:パーフルオロオレフィン共重合体(1) 15質量%
・DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製) 7質量%
・MF1:国際公開第2003/022906号パンフレットの実施例記載の下
記含フッ素不飽和化合物(重量平均分子量1600) 5質量%
・M−1:日本化薬(株)製KAYARAD DPHA 20質量%
・分散液A:前記中空シリカ粒子分散液A(アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシランで表面修飾した中空シリカ粒子ゾル、固形分濃度18.2%)50質量%
・Irg127:光重合開始剤イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・
ケミカルズ(株)製) 3質量%
──────────────────────────────────────
更に中屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液Aをグラビアコーターを用いて塗布した。中屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら180W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
高屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量240mJ/cm2の照射量とした。
低屈折率層の乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。このようにして、機能層Aを作製した。
上記作製した機能層AのTD80UL面とパターン光学異方性層Aの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムAを作製した。
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)を偏光板A用保護フィルムAとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULと、同様のアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50/125)を、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の間に挟んで貼り合せ、TD80ULとVA用位相差フィルムが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Aを作製した。このとき位相差フィルムの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が垂直になるようにした。
上記作製した光学フィルムAの透明支持体A面と偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムA付偏光板Aを作製した。このときパターン光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した
光学フィルムA付偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(a)の構成の立体表示装置Aを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図3と同様である。
<透明支持体B>
TD80UL(富士フイルム社製)を用意し、透明支持体Bとして使用した。また、TD80ULの膜厚は80μm、面内レターデーションRe(550)は2nm、厚み方向のレターデーションRth(550)は40nmであった。
透明支持体Aを上記透明支持体Bに変更した以外は実施例1と同様の操作にてパターン光学異方性層Bの作製を行った。なお、光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
作製した光学異方性層Bを透明支持体Bから剥離した後、実施例1と同様にして、光学異方性層の遅相軸の方向を決定した。表1に、光学異方性層の遅相軸とパターン配向膜のラビング方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物を、水平配向剤の存在下で、パターン配向膜上で配向させることによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
パターン光学異方性層BのTD80ULの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムBを作製した。
上記作製した光学フィルムBのパターン光学異方性層B面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムB付偏光板Bを作製した。このときパターン光学異方性層Bの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した
光学フィルムB付偏光板BのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(b)の構成の立体表示装置Bを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
<透明支持体C>
下記の組成でセルロースアシレート溶液(ドープ)を調整した。
メチレンクロライド 435質量部
メタノール 65質量部
セルロースアシレートベンゾエート(CBZ) 100質量部
(アセチル置換度2.45、ベンゾイル置換度0.55、質量平均分子量180000)
二酸化ケイ素微粒子(平均粒径20nm、モース硬度 約7) 0.25質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
透明支持体Aを上記透明支持体Cに変更し、フィルムの搬送方向に対して0度の角度で1000rpmで1往復ラビング処理を行った以外は実施例1と同様の操作にてパターン光学異方性層Cの作製を行った。なお、光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
作製した光学異方性層Cを透明支持体Cから剥離した後、実施例1と同様にして、光学異方性層の遅相軸の方向を決定した。表1に、光学異方性層の遅相軸とパターン配向膜のラビング方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物を、水平配向剤の存在下で、パターン配向膜上で配向させることによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1位相差領域と第2位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
パターン光学異方性層Cの透明支持体Cの表面に、実施例1と同様の方法にて反射防止膜を形成し、光学フィルムCを作製した。
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)を偏光板C用保護フィルムCとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULの鹸化した面と同様にアルカリ鹸化処理したWV−EA(富士フイルム社製)の支持体面とを、偏光膜の間に挟んで貼り合せ、偏光板Cを作製した。
上記作製した光学フィルムCのパターン光学異方性層C面と偏光板CのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムC付偏光板Cを作製した。このときパターン光学異方性層Cの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
円偏光眼鏡方式の3Dモニター(ZALMAN製、TNモード)に使用されているパターン位相差板とフロント偏光板をはがし、上記で作製した偏光板を貼合し、図6(b)の構成の立体表示装置Cを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図2と同様であった。
<パターン配向膜付ピュアエース支持体の作製>
Re(550)が138nm、Rth(550)が69nmの帝人化成社製ピュアエースフィルムを使用した。下記パターン配向膜用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、パターン配向膜用塗布液を作製した。該塗布液をピュアエースの表面に、14番バーで塗布を行い、100℃で1分間乾燥させた。次いで、ストライプマスクを、ストライプが搬送方向と平行に、且、ピュアエースの遅相軸と45°になるように膜上に配置し、空気下にて365nmにおける照度50mW/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を2秒間照射して、光酸発生剤を分解し酸性化合物を発生させることにより第1の位相差領域用配向層を形成した。このとき、透過部のストライプ幅285μm、遮蔽部のストライプ幅285μmのストライプマスクを使用し露光を行った。露光マスク面とパターン配向膜の間の距離は200μmに設定した。マスク露光した後、フィルムの搬送方向に対して45度、及び、ピュアエースの遅相軸と90°になる角度で1000rpmで1往復ラビング処理を行った。なお、パターン配向膜の膜厚は、0.5μmであった。
ポリマー材料 2.4質量部
(PVA103、クラレ(株)製ポリビニルアルコール)
光酸発生剤(S−5) 0.11質量部
メタノール 16.7質量部
イソプロパノール 7.4質量部
水 73.4質量部
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、塗布液として用いた。パターン配向膜付透明支持体D上に該塗布液を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、75℃まで冷却して、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン光学異方性層Dの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、2.8μmであった。
光学異方性層用組成
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前記棒状液晶性化合物(LC242、BASF(株)製) 100質量部
垂直配向剤A 0.5質量部
光重合開始剤 3.3質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
──────────────────────────────────────
次に、KOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。下記表中、水平とは、棒状液晶性化合物の長軸方向が、フィルム面に平行な方向に0°〜20°であることを表し、垂直とは70°〜90°であることを表す。
実施例3で作製した透明支持体Cを機能層用支持体Dとして使用し、機能層用支持体D上に、実施例1と同様な方法にて機能層Dを作製した。
上記作製した機能層Dの透明支持体Dとパターン光学異方性層Dの光学異方性層面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムDを作製した。
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)を偏光板D用保護フィルムDとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULと、同様のアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50/125)を、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の間に挟んで貼り合せ、TD80ULとVA用位相差フィルムが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Dを作製した。このとき位相差フィルムの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が垂直になるようにした。
上記作製した光学フィルムDのピュアエース支持体面と偏光板DのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムD付偏光板Dを作製した。このときパターン光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムD付偏光板DのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板DのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(a)の構成の立体表示装置Dを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは、図3と同様である。
<ハードコート層用塗布液Eの調製>
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液Eとした。
メチルエチルケトン900質量部に対して、シクロヘキサノン100質量部、部分カプロラクトン変性の多官能アクリレート(DPCA−20、日本化薬(株)製)750質量部、シリカゾル(MIBK−ST、日産化学工業(株)製)200質量部、光重合開始剤(イルガキュア819、チバ・ジャパン(株)製)50質量部、下記のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(TINUVIN 384−2、チバ・ジャパン(株)製)100質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液Eを調製した。
各成分を下記のように混合し、MEK(メチルエチルケトン)に溶解して固形分5質量%の低屈折率層塗布液を作製した。
低屈折率層塗布液Eの組成
下記のパーフルオロオレフィン共重合体 15質量部
DPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、日本化薬(株)製) 7質量部
ディフェンサMCF−323(フッ素系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製)
5質量部
下記の含フッ素重合性化合物 20質量部
中空シリカ粒子分散液A(固形分濃度18.2質量%) 50質量部
イルガキュア127(光重合開始剤、チバ・ジャパン(株)製) 3質量部
上記実施例2で作製した光学異方性層Bの光学異方性層面の上に、上記ハードコート層用塗布液Eをグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量150mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ12μmのハードコート層Eを形成した。
ハードコート層Eの上に、上記の低屈折率層用塗布液Eをグラビアコーターを用いて塗布した。乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。低屈折率層の屈折率は1.36、膜厚は90nmであった。
以上のようにして、光学異方性層Bの上にハードコート層E及び低屈折率層Eを積層した光学フィルムEを作製した。
上記作製した光学フィルムEの透明支持体Bと実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムE付偏光板Eを作製した。このときパターン光学異方性層Eの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムE付偏光板EのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(d)の構成の立体表示装置Eを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
<機能層の作製>
(ゾル液aの調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120質量部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3質量部を加え混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液aを得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(PET−30、日本化薬(株)製)31gをメチルイソブチルケトン38gで希釈した。更に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を1.5g添加し、混合攪拌した。続いてフッ素系表面改質剤(FP−148)0.04g、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を6.2gを加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.520であった。最後に、この溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(共重合組成比=50/50、屈折率1.540)の30%シクロヘキサノン分散液を39.0g加え、完成液とした。前記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層用塗布液Fを調製した。
ポリシロキサンおよび水酸基を含有する屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー(JTA113、固形分濃度6%、JSR(株)製)13g、コロイダルシリカ分散液MEK−ST−L(商品名、平均粒径45nm、固形分濃度30%、日産化学(株)製)1.3g、前記ゾル液a 0.6g、およびメチルエチルケトン5g、シクロヘキサノン0.6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、低屈折率層塗布液Fを調製した。この塗布液により形成される層の屈折率は、1.45であった。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フイルム(株)製、Re/Rth=2/40)をロール形態で巻き出して、特開2007−41495号公報の[0172]に記載の装置構成および塗布条件で示されるダイコート法によって防眩層用塗布液Fを塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの防眩性を有する防眩層を形成した。
上記防眩層用塗布液Fを塗布して防眩層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムを再び巻き出して、前記低屈折率層用塗布液Fを特開2007−41495号公報の[0172]に記載の基本条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージにより酸素濃度0.1体積%の雰囲気下で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、機能層を得た。
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。実施例1と同様の方法にてアルカリ鹸化処理したVA用位相差フィルム(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=50/125)及び光学フィルムFの透明支持体A面を、偏光膜の間に挟んで接着剤で貼り合せ、VA用位相差フィルムと光学フィルムFの透明支持体Aが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Fを作製した。このとき位相差膜の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が45度になるようにした。
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した偏光板FのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板FのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(c)の構成の立体表示装置Fを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
<防眩層付光学異方性層の形成>
上記実施例6の防眩層用塗布液Fを、上記実施例2で作製した光学異方性層Bの透明支持体Bの上に、グラビアコーターを用いて塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの防眩性を有する光学異方性層を作製した。
上記防眩層付光学異方性層の上に、上記の低屈折率層用塗布液Fをグラビアコーターを用いて塗布した。乾燥条件は90℃、30秒とし、紫外線硬化条件は酸素濃度が0.1体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度600mW/cm2、照射量600mJ/cm2の照射量とした。低屈折率層の屈折率は1.36、膜厚は90nmであった。
以上のようにして、光学異方性層Bの透明支持体上に防眩層及び低屈折率層を積層した光学フィルムGを作製した。
上記作製した光学フィルムGのパターン光学異方性層Bと実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムG付偏光板Gを作製した。このときパターン光学異方性層Bの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムG付偏光板GのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(b)の構成の立体表示装置Gを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
<光配向膜付透明支持体Bの作製>
国際公開2010/090429号パンフレットに記載の棒状液晶性化合物及び配向膜を使用して立体表示装置Hを作製した。
実施例2で使用した透明支持体Bの鹸化処理を施した面に、下記構造の光配向材料E−1 1%水溶液を塗布し、100℃で1分間乾燥した。得られた塗布膜に、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射した。このとき、ワイヤーグリッド偏光子(Moxtek社製, ProFlux PPL02)を図8(a)に示すように、方向1にセットして、さらにマスクA(透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク)を通して、露光を行った。その後、図8(b)に示すように、ワイヤーグリッド偏光子を方向2にセットして、さらにマスクB(透過部の横ストライプ幅285μm、遮蔽部の横ストライプ幅285μmのストライプマスク)を通して、露光を行った。露光マスク面と光配向膜の間の距離を200μmに設定した。この際用いる紫外線の照度はUV−A領域(波長380nm〜320nmの積算)において100mW/cm2、照射量はUV−A領域において1000mJ/cm2とした。
下記の光学異方性層用組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、塗布液として用いた。光配向膜付透明支持体A上に該塗布液を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥して液晶相状態とした後、75℃まで冷却して、空気下にて160W/cm2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射して、その配向状態を固定化して、パターン光学異方性層Gの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
光学異方性層用組成
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棒状液晶性化合物(LC242、BASF(株)製) 100質量部
水平配向剤A 0.3質量部
光重合開始剤 3.3質量部
(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製) 1.1質量部
メチルエチルケトン 300質量部
──────────────────────────────────────
作製した光学異方性層を透明支持体Bから剥離した後、実施例1と同様にして、光学異方性層の遅相軸の方向を決定した。表1に、光学異方性層の遅相軸と配向膜の露光方向の方向との関係を示す。表1に示す結果から、棒状液晶性化合物を光配向膜上で配向させて露光することによって、水平配向であるとともに、遅相軸が直交した第1の位相差領域と第2の位相差領域を有するパターン光学異方性層が得られることが理解できる。
パターン光学異方性層Hの透明支持体Bの表面に、実施例1で作製した機能層AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムHを作製した。
上記作製した光学フィルムHのパターン光学異方性層H面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムH付偏光板Aを作製した。このときパターン光学異方性層Hの遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
ナナオ社製FlexScan S2231Wの視認側の偏光板をはがし、上記作製した光学フィルムH付偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。続いて、光源側の偏光板をはがし、偏光板AのVA用位相差フィルムとLCセルを接着剤を介して貼り合せた。このような手順で、図6(b)の構成の立体表示装置Hを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図3と同様であった。
<光配向膜付透明支持体Bの作製>
透明支持体Bの、鹸化処理を施した面に、比較例1と同様の方法にて光配向膜付透明支持体Bを作製した。
比較例1と同様の方法にて、透明支持体B上にパターン光学異方性層Iの作製を試みた。光学異方性層の膜厚は、1.3μmであった。
実施例1で作製した機能層AのTD80UL面とパターン光学異方性層Iの透明支持体Bを接着剤で貼り合せ、光学フィルムIを作製した。
TD80UL(富士フイルム社製 550nmにおけるRe/Rth=2/40)とWV‐EA(富士フイルム社製)を偏光板I用保護フィルムIとして使用し、この表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理したTD80ULと支持体面に前記のアルカリ鹸化処理を施したWV‐EAとを、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようして偏光膜の間に挟んで貼り合せ、TD80ULとWV‐EAが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板Iを作製した。
上記作製した光学フィルムIのパターン光学異方性層I面と実施例1で作製した偏光板AのTD80UL面を接着剤で貼り合せ、光学フィルムI付偏光板Iを作製した。このときパターン光学異方性層の遅相軸と偏光膜の吸収軸のなす角度が±45度になるようにした。
円偏光眼鏡方式の3Dモニター(ZALMAN製、TNモード)に使用されているパターン位相差板とフロント偏光板をはがし、上記で作製した偏光板Iを貼合し、図6(a)の構成の立体表示装置Iを作製した。なお、偏光膜の吸収軸の向きは図2と同様であった。
実施例1において、棒状液晶(LC242)を例示化合物I−1に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−1を作製し、立体表示装置Jを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、棒状液晶性化合物(LC242)を例示化合物I−8に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−2を作製し、立体表示装置Kを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、ポリビニルシンナメート(シグマアルドリッチ社製)10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液を例示化合物a−3の10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−3を作製し、立体表示装置Lを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。下記表中、水平とは、棒状液晶性化合物の長軸方向が、フィルム面に平行な方向に0°〜20°であることを表す。
実施例1において、ポリビニルシンナメート(シグマアルドリッチ社製)10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液を例示化合物a−6の10%メチルエチルケトン・メタノール混合溶液に変更した以外は実施例1と同様にして光学異方層A1−4を作製し、立体表示装置Lを作製した。また、実施例1と同様にKOBRA−21ADH(王子計測器(株)製)を用いて前記方法に従って、棒状液晶性化合物の配向状態、遅相軸の方向、及びRe、Rthをそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
<立体表示装置の評価>
作製した各立体表示装置について、W220S(Hyundai製)に付属の3Dメガネを用いて以下の評価を行った。なお、基準形態については、VA型液晶表示装置では比較例1の立体表示装置Hとし、TN型液晶表示装置では比較例2の立体表示装置Iとした。結果を表3に示す。
上下方向に白と黒が交互に並んだストライプ画像を表示した液晶表示装置の正面に3Dメガネと測定器(BM−5A トプコン製)を配置し、白のストライプが視認できる方のメガネを通した位置に測定器をおいて白表示における正面輝度Aを測定した。続いて、白と黒の位置を入れ替えたストライプ画像を表示し、同様に白のストライプが視認できる方のメガネを通した位置に測定器をおいて正面輝度Bを測定し、正面輝度Aと正面輝度Bの平均値を立体表示装置の正面輝度とした。
(1−a)正面輝度比
正面輝度比は3Dメガネと地面が平行の場合の正面輝度の相対値であり、次の式で算出した。
各立体表示装置の正面輝度比(%)=各立体表示装置の正面輝度/基準形態の正面輝度(1−b)正面平均輝度比
正面平均輝度比は3Dメガネを回転させたときの正面輝度平均値の相対値であり、次の式で算出した。
各立体表示装置の正面平均輝度比(%)
=各立体表示装置の正面輝度平均値/基準形態の正面輝度平均値
耐光性試験装置(スーパーキセノンウェザーメーターSX120型(ロングライフキセノンランプ)、スガ試験機(株)製)を用い、放射照度100±25W/m2(波長310nm〜400nm)、試験槽内温度35±5℃、ブラックパネル温度50±5℃、相対湿度65±15%の条件で、JIS K 5600−7−5に準じて耐光性試験25hrを実施した前後に、位相差膜のRe(550)の変化を調べた。変化率が10%以内である場合をA、それより大きい場合をBとした。
12 パターン光学異方性層
14 配向膜
16 透明支持体
18 偏光膜
19 偏光膜保護フィルム
20 機能層
21 透明フィルム
1 液晶セル
2 偏光膜(バックライト側)
3 偏光膜保護フィルム(バックライト側)
4 光学補償膜
12a 第1位相差領域
12b 第2位相差領域
p 吸収軸
Claims (20)
- 透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含み、
パターン光学異方性層は、エネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を用い、ラビング処理と一部の領域に対しエネルギーを付与する処理により形成されたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を用いて形成されたものである光学フィルム。 - エネルギーが、非偏光紫外線である、請求項1の光学フィルム。
- 重合性基を有する棒状液晶性化合物が、水平配向状態に固定されている、請求項1又は2の光学フィルム。
- エネルギーの付与により反応する化合物が、光反応性化合物である、請求項1〜3のいずれか1項の光学フィルム。
- 光反応性化合物が、光酸発生剤である、請求項4の光学フィルム。
- 光反応性化合物が、ポリビニルシンナメートである、請求項4の光学フィルム。
- 偏光膜をさらに有し、第1及び第2位相差領域の面内遅相軸と、偏光膜の吸収軸とがそれぞれ±45°の角度をなす、請求項1〜6のいずれか1項の光学フィルム。
- 偏光膜の一方の面上に配置されている光学異方性層を含む全ての部材の波長550nmの面内レターデーションRe(550)の合計値が、110〜160nmである、請求項7の光学フィルム。
- 透明支持体が、紫外線吸収剤を含有する、請求項1〜8のいずれか1項の光学フィルム。
- 機能層をさらに有する、請求項1〜9のいずれか1項の光学フィルム。
- 機能層が、紫外線吸収剤を含有する、請求項10の光学フィルム。
- 画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルの視認側に配置される、請求項1〜11のいずれか1項の光学フィルムとを少なくとも有する3D画像表示装置。
- 表示パネルが液晶セルを有する、請求項12の3D画像表示装置。
- 請求項12または13の3D用画像表示装置と、3D用画像表示装置の視認側に配置される偏光板とを少なくとも備え、偏光板を通じて立体画像を視認させる3D画像表示システム。
- 透明支持体と、配向膜と、面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なり、面内において交互に配置されている第1位相差領域及び第2位相差領域を含むパターン光学異方性層と、を含む光学フィルムの製造方法であって、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種含む組成物を適用し、膜を作成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域にエネルギーを付与する工程
4)膜に対し、ラビング処理およびエネルギー付与を行うことで得られたパターン配向膜上に、重合性基を有する棒状液晶性化合物を主成分とする組成物を適用する工程
5)加熱して面内遅相軸方向及び面内レターデーションの少なくとも一方が互いに異なる第1位相差領域及び第2位相差領域を形成する工程
6)エネルギーを付与して重合性基を有する棒状液晶性化合物を固定化する工程
を含む光学フィルムの製造方法。 - 第1及び第2配向制御領域を含み、
第1及び第2配向制御領域は、面内において交互に配置されており、それぞれ異なる含有量でエネルギーの付与により反応する化合物を含む、パターン配向膜。 - 第1及び第2配向制御領域がラビング処理とエネルギーを付与する処理とにより形成されている、請求項16のパターン配向膜。
- 第1及び第2配向制御領域が、面内において交互に配置されているパターン配向膜の製造方法であって、
1)透明支持体上にエネルギーの付与により反応する化合物を少なくとも一種を含む組成物を適用し、膜を形成する工程
2)膜を一方向にラビング処理する工程
3)膜の一部の領域に対し、エネルギーを付与する工程
を含むパターン配向膜の製造方法。 - エネルギーが、1回の非偏光紫外線照射である、請求項18のパターン配向膜の製造方法。
- エネルギーを付与する工程が、膜に対して垂直に非偏光を照射する工程である、請求項18及び19のパターン配向膜の製造方法。
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