JP2014004693A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出記録装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッド内に液体フィルターが、液体を含まない状態であっても液体供給室に特別に大きな負圧を加えたり、液体フィルターに予め液体を塗布したりせずに、スムーズに液体フィルターに液体を充填できる液体吐出ヘッドの提供を目的とする。
【解決手段】液体吐出ヘッドには、液体を吐出する複数のノズルに連通するメイン液体供給室と、これに連通するサブ液体供給室とが設けられている。サブ液体供給室は、供給フィルターによって液体流動方向上流側の第1液体供給室と、液体流動方向下流側の第2液体供給室とに分割する供給フィルターとに分離されている。供給フィルターの、第2液体供給室側に位置する面には、供給フィルターよりも大きな毛管力を発生する液体導入部材が接触している。
【選択図】図4

Description

本発明は、記録のために液体を吐出する液体吐出ヘッドとそれを用いた液体吐出記録装置に関する。
液体吐出ヘッドから記録媒体に対して液体を吐出して記録を行う液体吐出記録装置(以下、単に記録装置ともいう)においては、一般に液体が吐出される複数のノズルが高密度に形成された小型の液体吐出ヘッドを用いて高精細な記録が行われる。この液体吐出ヘッドを複数配置し、各々のヘッドに異なる色のインクを供給することにより、比較的安価かつ小型な構成で、記録媒体にカラー記録を行うことができる。そのため液体吐出記録装置は、業務用、家庭用を問わず、プリンタ、ファクシミリおよび複写機など、様々な記録装置に用いられている。
上記のような液体吐出記録装置では、液体吐出ヘッドからの液体吐出動作を安定化させるために、液体吐出ヘッド内の液体に作用する圧力を所定の負圧に維持することが重要である。また、近年では液体吐出記録装置の記録速度のさらなる高速化が望まれており、特許文献1に示すように液体吐出ヘッド内の負圧を制御する形態も提案されている。
このような液体吐出記録装置に搭載する液体吐出ヘッドでは、ノズルへ供給される液体に混在する異物を除去するため、液体吐出ヘッド内にフィルターを配設する必要がある。しかし、フィルターを配設した場合には、フィルターにおける液体の流れの圧力損失が生じ、これが記録速度の高速化を妨げる原因の一つになることもある。特に高精細な記録品位が求められる液体吐出ヘッドのフィルターは、そのノズルの解像度に対応した高いろ過精度が求められるため、単位面積当たりの圧力損失が大きくなる。そこで特許文献2に開示されている液体吐出ヘッドでは、ノズルへの液体供給性能が記録速度に適したものとなるよう、大面積フィルターをヘッドの大容量液室内に配設している。そして、フィルター部に残留する気泡を、バイパス流路を設けることで効率的に除去する構造となっている。
特開2006−326855号公報 特開2007−168421号公報
しかしながら特許文献1に開示の液体吐出記録装置では、液体吐出ヘッドにインクがない初期の状態から最初にインクを注入する際に、フィルターまで到達したインクがインクの表面張力の影響でフィルターを容易に通過することができないという問題がある。そこで高い負圧をヘッドの大容量液室内に発生させることで、インクをフィルターに通過させる方法がとられている。この方法ではフィルターをインクが通過する際に細かい泡を発生させ、その泡がヘッドのノズル部に進入すると、ノズル本来の吐出の妨げになるという問題が生じている。
また、他の方法として、大面積フィルターの全面または一部に予めインク等の液体を塗っておき、当該フィルターにインクが到達すると、予め塗布されているインクと一体となり、当該フィルターを通過させる方法も考えられている。しかしながら、この場合にはフィルターにインク等の液体を塗布する工程が必要となり、また保管状態が長かった場合には塗布してあった液体の乾燥によってインクがフィルターを通過できなくなるなどの新たな問題が生じる。
本発明は、液体吐出ヘッド内に液体フィルターが、液体を含まない状態であっても液体供給室に特別に大きな負圧を加えたり、液体フィルターに予め液体を塗布したりせずに、スムーズに液体フィルターに液体を充填できる液体吐出ヘッドの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
すなわち、本発明の第1の形態は、液体を吐出する複数のノズルに連通するメイン液体供給室と、前記メイン液体供給室と連通するサブ液体供給室と、前記サブ液体供給室を、液体流動方向上流側の第1液体供給室と前記液体流動方向下流側の第2液体供給室とに分割する供給フィルターと、前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面に接触すると共に、前記供給フィルターよりも大きな毛管力を発生する液体導入部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の形態は、色材を含んだ液体を液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送手段とを備えた液体吐出記録装置であって、前記液体吐出ヘッドは、液体を吐出する複数のノズルに連通するメイン液体供給室と、前記メイン液体供給室に連通するサブ液体供給室と、前記サブ液体供給室を、液体流動方向上流側の第1液体供給室と前記液体流動方向下流側の第2液体供給室とに分割する供給フィルターと、前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面に接触すると共に、前記供給フィルターよりも大きな毛管力を発生する液体導入部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッド内に配置された液体フィルターが、液体を含まない初期状態にあったとしても、特別に大きな負圧を共通液室内に加えたり、液体フィルターに予め液体を塗布したりせずに、スムーズに液体の充填を行うことが可能になる。
本発明に係る液体吐出記録装置を模式的に示す正面図である。 (a)は、本発明を適用可能な液体吐出ヘッドを示す側面図であり、(b)は、同図(a)に示した液体吐出ヘッドの正面図である。 液体タンクから液体吐出ヘッドに至る液体供給系および回復系を模式的に示した図である。 (a)は本実施形態の液体吐出ヘッドの構造例を説明するための正面図であり、(b)は同図(a)のIV−IV線断面図であり、(c)は同図(a)のIII−III線断面図である。 本実施形態における液体吐出ヘッドに設けられた供給フィルター前後の液体の挙動を示すV−V線断面図である。 本実施形態における液体吐出ヘッドに設けられた供給フィルターに対する液体の挙動を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態を適用可能な液体吐出記録装置(以下、単に記録装置ともいう)を模式的に示した正面図である。記録装置100はホストPC110と接続されている。記録装置100は、ホストPC110から送信される記録情報に基づいて4つの液体吐出ヘッド(以下、単にヘッドともいう)22K、22C、22M、22Yから記録媒体(以下、ロール紙ともいう)Pに色材を含んだ液体としてのインクを吐出して記録を行う。4つの液体吐出ヘッド22K、22C、22M、22Yは、記録媒体Pの搬送方向(矢印A方向)に沿って配置されている。各液体吐出ヘッドは搬送方向に黒インクを吐出する液体吐出ヘッド22K、シアンインク用の液体吐出ヘッド22C、マゼンタインク用の液体吐出ヘッド22M、イエローインク用の液体吐出ヘッド22Yの順で互いに平行に配置されている。
液体吐出ヘッド22K、22C、22M、22Yは、いわゆるラインヘッドであり、記録媒体搬送方向と交差する方向(幅方向)に沿ってノズルを所定の密度で配置したものとなっている。ノズルの配置幅(幅方向におけるノズルの配列範囲)は、使用する記録媒体の最大記録幅以上の幅となっている。記録装置が記録を行う際は、各ヘッドを移動させることなく、液体吐出ヘッドに設けられたヒーターを駆動することによってノズルから液体を吐出して記録を行う。
液体吐出ヘッドは、記録に伴って、ノズルの開口部である吐出口が形成された面(以下、吐出口面ともいう)22Ks、22Cs、22Ms、22Ysに塵埃やインク滴等の異物が付着することで吐出状態が変わり、記録に影響を与えることがある。そのため、各ヘッド22K、22C、22M、22Yから安定して液体を吐出できるように、記録装置100には回復ユニット40が組み込まれている。この回復ユニット40による吐出口面のクリーニングを定期的に行うことによって、液体吐出ヘッド22K、22C、22M、22Yのノズルからの液体吐出状態を良好な吐出状態に回復させることができる。回復ユニット40には、クリ−ニング動作のときに4つの液体吐出ヘッド22K、22C、22M、22Yの吐出口面22Ks、22Cs、22Ms、22Ysから液体および微細な気泡を除去する際に使用されるキャップ50が備えられている。このキャップ50は各液体吐出ヘッド22K、22C、22M、22Yに独立して設けられている。
記録媒体Pは、ロール紙供給ユニット24から供給され、記録装置100に組み込まれた搬送機構26によって矢印A方向に搬送される。搬送機構26は、ロ−ル紙Pを保持しつつ搬送する搬送ベルト26a、この搬送ベルト26aを回転させる搬送モータ26b、および搬送ベルト26aに張力を与えるローラ26cなどを備える。記録動作において、搬送中のロール紙Pがブラックの液体吐出ヘッド22Kの下に到達すると、ホストPC110から送られた記録情報に基づいて、液体吐出ヘッド22Kからブラックインクが吐出される。同様に液体吐出ヘッド22C、液体吐出ヘッド22M、液体吐出ヘッド22Yの順に、各色のインクが吐出される。これにより、ロール紙Pに対しカラー記録が形成される。
本実施形態では、記録用紙Pの記録領域の幅方向の全域に亘って延在する長尺な液体吐出ヘッド22を用いた記録装置に本発明を適用した例を示している。しかし本発明は、液体吐出ヘッドの主走査方向の記録走査と、その主走査方向と交差する副走査方向における記録用紙の所定量の搬送と、を繰り返す、所謂シリアルスキャン方式の記録装置にも適用することができる。
次に図2を用いて、記録装置に組み込まれる液体吐出ヘッドの形態について説明する。図2(a)は、本実施形態を適用可能な液体吐出ヘッドを示す正面図であり、(b)は、4本組の液体吐出ヘッドを示す側面図である。本実施形態を適用可能な記録装置には各色のインクに対応した液体吐出ヘッドが4本搭載されるが、それらの液体吐出ヘッドは各々のノズル列が精密に位置決めされた状態で一体化されている(以下、この状態の4本組のヘッド形態を組みヘッドという)。すなわち、各液体吐出ヘッドのノズル列間ピッチ、ノズル列方向ずれ、ノズル列高さずれ及びノズル列間平行度が規定の精度内で組みヘッド化されるよう結合されている。本実施形態において4つの液体吐出ヘッド22K、22C、22M、22Y間は連結されている。ノズル列が形成された吐出チップ(図示せず)を接着しているベースプレート22Kb、22Cb、22Mb、22Ybの両端部に形成された貫通穴を同軸上に配列し、2本のシャフト50を貫通させでストッパー52にて固定することで組ヘッドを構成している。各液体吐出ヘッドのノズル列22Kn、22Cn、22Mn、22Ynは、別途用意した組みヘッド化冶具により互いに高精度に位置決めされている。
図3は、本実施形態の記録装置における液体タンク28から液体吐出ヘッド22までの液体供給系および回復系を模式的に示した図である。各液体吐出ヘッドは同じ構造であるため、以下、1つの液体吐出ヘッド22について説明を行う。
記録装置100は、液体吐出ヘッド22、記録装置本体に対して着脱自在な液体タンク28、液体タンク28と液体吐出ヘッド22とをつなぐ液体流路40、液体吐出ヘッド22の内部に連通するエア流路41、エア流路41に連結されたポンプ42を有する。ポンプ42がエア流路41及び液体吐出ヘッド22内を減圧するように駆動することによって、液体タンク28より液体流路40を介して液体吐出ヘッド22内に液体が供給される。液体吐出ヘッド22内には供給フィルター18が配設されており、液体吐出ヘッド22に供給された液体は、供給フィルター18を介してメイン液体供給室26に流入する。メイン液体供給室26内の液体はやがてノズル内に供給されて吐出されるが、液体吐出ヘッド内の液体供給系の詳細については後述する。
メイン液体供給室26の一部には液面検知センサ21が取り付けられており、その測定結果で液体供給の制御が行われる。すなわち、メイン液体供給室26の液面が一定レベル以下であると検知された時は、ポンプ42を駆動させて液体タンク28から液体を吸引する。そして、吸引した液体が液面検知センサ21により一定レベル以上であると検知された時は、ポンプ42が停止し、液体の供給が停止される。
一方、各液体吐出ヘッドが安定して液体を吐出するためのクリーニング動作には、ポンプ44が使用される。クリーニング動作とはノズル内に残留した微細な気泡や塵埃を除去し、ノズル内を記録に適した新鮮な液体で満たす動作である。液体吐出ヘッドの吐出口が形成されている面(吐出口面)との対向位置には回復キャップ43(以下、キャップともいう)が設けられている。このキャップ43は回復流路49に連結されており、回復流路49内にはポンプ44が挿入されている。回復流路49の下流端にはクリーニング動作によって発生した廃液を貯留するための廃液タンク46が接続されている。
上記構成において、クリーニング時には、キャップ43が液体吐出ヘッド22の吐出口面を密閉するように覆う。その後、ポンプ44を駆動させることによってキャップ43内および回復流路49が減圧され、液体吐出ヘッド22のノズル面から液体とともに残留気泡および塵埃を吸引する。吸引した液体や気泡等は廃液タンク46に導かれる。
図4(a)は、本実施形態の液体吐出ヘッドの内部構造の一例を示す側面図である。また、図4(b)は同図(a)のIV−IV線断面図であり、図4(c)は同図(a)のIII−III線断面図である。なお、説明の都合上、同図(a)の側面図において液体供給ケースカバーは省略している。
各図において、セラミック製のベースプレート10はシリコンにより形成されるヒーター基板11を支持している。ヒーター基板11には、液体の吐出エネルギー発生素子としての複数の電気熱変換体(ヒーターまたはエネルギー発生部)とこれらの電気熱変換体に対応する流路(ノズル)を構成するための複数の流路壁とが形成されている。また、ヒーター基板11には各ノズルに連通する共通液体供給室12を囲む液室枠も形成されている。このように形成されたノズルの側壁および液室枠の上には、共通液室12を形成する天板13が接合されている。したがって、ヒーター基板11と天板13とは互いに一体化された状態でベースプレート10に積層接着されている。このような積層接着は、銀ペーストなどの熱伝導率のよい接着剤によって行われる。ベースプレート10におけるヒーター基板11の後方には、実装済みのPCB(電気配線基板)14が両面テープ(図示せず)によりベースプレート10に固定されている。ヒーター基板11上の各吐出エネルギー発生素子とPCB14とは、各々の配線に対応するワイヤボンディングにより電気的に接続されている。
天板13上面には、液体供給部材15が接合されている。液体供給部材15は液体供給ケース16(第1ケース)と液体供給ケースカバー17(第2ケース)より構成されている。すなわち液体供給ケースカバー17が液体供給ケース16の側面を塞ぐことにより、後述する液体供給室や液体供給路が形成される。本実施形態においては、液体供給ケース16と液体供給ケースカバー17の接合は、熱硬化型の接着剤により行われる。また、液体供給ケース16には供給フィルター18および排出フィルター19が配設されている。なお、供給フィルター18および排出フィルター19は、その液体の通過面が重力方向と略平行になるように配置されている。
供給フィルター18は液体供給部材15に供給された液体中の異物の除去を目的とし、排出フィルター19は液体吐出ヘッド外部からの異物の侵入を防止することを目的とする。各々のフィルターは熱溶着によって液体供給ケース16に固定されている。さらに液体供給ケース16の一部には、メイン液体供給室26に流入する液体と空気とを分割するスペースとしての気液分離部20が形成されている。この気液分離部20に外部に突出する形で液面検知センサ21が実装されており、上述したようなメイン液体供給室26内の液体量の制御を行う。
ここで、液体供給ケース16と液体供給ケースカバー17の2つの部品の接合により形成される液体供給室および液体供給路等の構成について説明する。液体供給ケース16と天板13との接合面には、ノズルの配列方向と略平行かつノズル列の幅に亘って矩形状の開口部(以下、液体供給口という)27が形成されており、液体供給口27の延長上にはメイン液体供給室26が形成されている。すなわち、メイン液体供給室26はノズル列と略平行かつノズル列の幅に亘って形成されている。また、液体供給口27と上部の天面は、ほぼ全域に亘って気液分離部20を最上部としたメイン液体供給室傾斜部29(以下、単に傾斜部29ともいう)を成している。傾斜部29には2つの開口部が形成されており、1つの開口は液体連通部31、他方の開口は気液分離部20である。
気液分離部20はメイン液体供給室26の一部を成し、メイン液体供給室26の他の部分よりも深さが大きくなっている。これは、後述するように液体供給室内の液体に混在する気泡を破泡する効果を高めるためである。本実施形態においては、気液分離部20の内部にステンレスの電極を3本実装しており、図中左側より上限検知電極23、グランド電極24、下限電極25である。グランド電極24と上限検知電極23との間の通電、グランド電極24と下限検知電極25との間の通電により、メイン液体供給室26内の液面を上限と下限の間に維持する構成となっている。本実施形態の液体吐出ヘッドにおいては、気液分離がなされた液体の液面を検知することで、検知の信頼性を向上させることが可能になっている。
気液分離部20の延長上にはエア連通部30があり、その先にはエア流路(空気室)41がある。さらに先には前述した排出フィルター19が配設されており、排出ジョイント33に連通する。排出フィルター19は撥水性を有する材質によって構成されている。このため、万が一、エア流路41に液体が流入し、排出フィルター19にインクが付着したとしても、その撥水性によってフィルター部の毛管力を低減することができ、インクを容易に除去することができる。
一方、傾斜部29に設けられた液体連通部31を介して液体供給路37が設けられている。液体供給路37は、液体連通部31から供給フィルター18近傍まで延出する管状を成しており、メイン液体供給室26と略同一平行平面上に形成される。供給フィルター18もまた、メイン液体供給室26と略同一平行平面上に配置されている。供給フィルター18はサブ液体供給室を二室に分離するように配設されている。ここで、分離された二室のうち、供給ジョイント32に連通する側の室、すなわち液体吐出ヘッド内における液体流動方向上流側の室が第1液体供給室34、液体流動方向下流側の室が第2液体供給室35となっている。また、供給フィルター18は、メイン液体供給室26と略同一平行平面上に配置されている。このため、供給フィルター18の両面に隣接する第1液体供給室34および第2液体供給室35もまた、メイン液体供給室26やノズル配列面39と略同一平行平面上に配置されることとなる。
第1液体供給室34は供給フィルター18の上方にある開口部27を介して液体供給路37に連通している。また、第1液体供給室34の天面は開口部27を最上部(供給フィルターから最も離れた部分)とする第2液体供給室傾斜部38((以下、単に第2傾斜部38という)が形成されている。
さらに、液体導入部材50が、供給フィルター18の両面のうち、第2液体供給室側の面(下流側の面)に当接するように配設されている。具体的には、液体供給ケースカバー17の内面、つまり供給フィルター18との向い合う面にリブを突設し、そのリブで囲むように液体導入部材50の一端部を保持し、液体導入部材50の他端部を供給フィルター18の一方の側面に直接当接させている。この液体導入部材50は、多孔質体等の毛管力を発生させる素材によって構成され、その毛管力は供給フィルター18が発生する毛管力よりも大きなものとなっている。このため、液体吐出ヘッド22が、その内部に液体が供給されていない初期の状態であり、供給フィルター18がインクを含んでいない状態にある場合にも、供給フィルター18を介して液体をスムーズにノズルへと供給することができる。つまり、供給ファルター18が液体を含まない初期状態であっても、液体供給室内に格別に大きな負圧を付与することなく、供給フィルター18に対してスムーズに液体を通過させることができる。
次に、図3ないし図6を参照しつつ、本実施形態における液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置の作用を、液体の流れに沿って説明する。
図3に示すポンプ42の吸引動作によって、液体吐出ヘッド22内の空気は図4に示す排出ジョイント33を介して吸引・排出され、液体吐出ヘッド22内の圧力は所定の負圧に達する。これにより、液体は、液体タンク28から液体吐出ヘッド22の供給ジョイント32を通って第1液体供給室34へと供給される。ここで、供給フィルター18の前後の液体の流れについては図5のおよび図6を参照して説明する。なお、図5は、図4(a)のV−V線断面図あり、図中、B方向は重力方向(上下方向)を示している。また図6は図5の一部を拡大して示す模式図である。
従来の液体吐出ヘッドでは、図6(a)において模式的に示すように、第1液体供給室34を満たした液体は供給フィルター18のメッシュに表面張力により膜を張った状態となる。この第1液体供給室34を満した液体を供給フィルター18の反対側、すなわち第2液体供給室35側へと通り抜けさせるには、前記の表面張力以上の負圧をメイン液体供給室26内に発生させなければならない。また、供給フィルター18の通過時の流速が高まるため、細かい泡の発生し易いという問題も生じる。
これに対し、本実施形態における液体吐出ヘッドでは、図6(b)に示すように液体導入部材50が供給フィルター18の第2液体供給室35側の面に接触している。このため、供給フィルター18と液体導入部材50とが接触している部分では液体が膜を張ることはなく、メイン液体供給室26に高い負圧を発生させなくとも、液体導入部材50の毛管力により液体はスムーズに第2液体供給室35側へと吸い出されることとなる。
次に、図5を用いて液体が供給フィルター18を通過する過程を説明する。図5(a)は液体が第1液体供給室34にまだ到達していない初期の状態を示している。次に液体が第1液体供給室34に入り始めるが、まだ液体導入部材50が供給フィルター18に当接している位置まで到達していない状態が図5(b)である。この時点では、まだ供給フィルター18には液体の表面張力による膜が張っており、液体は供給フィルター18を通過できていない状態である。図5(c)は、液面が液体導入部材50と供給フィルター18との当接位置を超えた状態を示している。この状態において液体は、液体導入部材50の毛管力により供給フィルター18を通過して液体導入部材50側に吸い出される。図5(d)は、さらに液面が上がり、液体導入部材50も液体で飽和し、液体導入部材50から溢れた液体が第2液体供給室35側に溜まり始めた状態を示している。
液体導入部材50から溢れた液体の一部は供給フィルター18の第2液体供給室35側の面に触れて、供給フィルター18の第1液体供給室34側の液体と連通し、供給ファルター18に形成されていた膜は破壊される。これにより、液体は供給フィルター18を通過することとなる。この後、供給フィルター18における膜の破壊が進み、供給フィルター18において液体が通過する領域は、図5(e)および図5(f)に示すように拡大されて行く。そして、最終的に供給フィルター18の全域に亘って第1液体供給室34側から第2液体供給室35側への液体の連通が生じる。これにより、供給フィルター18前後の液体充填プロセスは完了した状態となる。
上記の液体充填プロセスにおいて、第2液体供給室35内に存在していた空気は、液体の流入に伴って上方へ移動するが、供給フィルター18の上端部を越えると、第2液体供給室傾斜38に沿って液体供給路37の方へ導かれる。このため、液体が液体供給路37へ供給されるときには第2液体供給室35は液体で満たされた状態となる。液体供給路37へ供給された液体は、その後、メイン液体供給室26へと流出する。そして、メイン液体供給室26内にあった空気は液体の供給に伴って上方へ移動し、やがてメイン液体供給室傾斜29に沿って気液分離部20へ導かれる。気液分離部20に気泡の混在した液体が到達すると、液室の厚みが深くなっているため気泡が消滅する。さらに液体の供給が進むと、気液分離部20に設置された液面検知センサ21により、メイン液体供給室26内の液体量が上限に達したと判定される。その時点でポンプの吸引動作が停止され、液体の供給が止まる。
次に記録動作中における液体吐出ヘッド内の液体の流れと気泡の挙動、および液体吐出ヘッドの機能に関して説明する。記録中、ノズル内の液体を使用して吐出面から液体滴が吐出されるが、吐出により液体吐出ヘッド内の内圧が下がり、ノズル内の毛細管現象により液体タンクから液体が補給される(以下、リフィルという)。この際、液体タンクから液体流路、供給室、供給フィルター、液体供給室、共通液体供給室等、ノズルに液体が達するまでの流路抵抗によりリフィル性能が決まる。特に供給フィルター18の圧損が支配的となるが、本実施形態においては供給フィルター18を大面積に設定可能な配置としているため、高速記録が可能となる。また、III−III線断面からわかるように、ノズル列全体に亘ってメイン液体供給室26から液体供給口27、共通液体供給室12、ノズルに至るまで略直線的に液体が供給される構成としているため、スムーズにノズルに向かって液体が供給される。
ところで、本実施形態の液体吐出ヘッドは、液体の吐出に発熱エネルギーを必要とする。すなわち、ヒーター基板上の電気熱変換体が発生する熱エネルギーにより液体を発泡させ、その発泡エネルギーを利用してノズルから液体を吐出させるように構成されている。そのため、記録動作が長時間連続した場合には、熱エネルギーが液体に蓄積され、液体の温度が上昇して液体中に溶存する気体が液体吐出ヘッド内に溜まってしまうおそれがある。この液体吐出ヘッド内の気泡を除去しなければ、液体の吐出が適正に行われなくなる。そのため、本実施形態の液体吐出ヘッドのような構成であれば、液体吐出ヘッド内に生じた気泡を効率的に除去することができる。なお、液体を吐出させるための吐出エネルギー発生手段は、電気熱変換体を用いる構成のみに特定されず任意であり、例えば、ピエゾ素子などを用いて液体吐出させる構成であってもよい。
本実施形態における液体吐出ヘッドは、ノズル列全体にわたってノズルから共通液体供給室12、メイン液体供給室26まで略直線的に連通する構成である。そのため、ノズルに気泡が残っても気泡自体の浮力によって気泡がノズルから除去され、メイン液体供給室26に導かれる。さらにメイン液体供給室26に導かれた気泡は、メイン液体供給室傾斜29にそって気泡が移動し、気液分離部20に達すると消滅するようになっている。そのため、気泡が液体のスムーズな供給を妨げることがない。すなわち、長時間安定した記録動作が可能である。
このように、液体吐出ヘッドにおいて、メイン液体供給室26、気液分離部20、液体供給路37、供給フィルター18、第1液体供給室34a、第2液体供給室34bは各々ノズル配列面39と略平行平面上に設定する。そして、メイン液体供給室26、液体供給路37、供給フィルター18、気液分離部20は互いに交差する方向に重ならないように配置する。このように液体吐出ヘッドの構成を有することで、液体吐出ヘッド内におけるノズルに対する液体の供給速度を高め、液体吐出ヘッド内の気泡を効率的に除去することができると共に、液体吐出ヘッドの小型化、特に薄型化を向上させることが可能となる。なお、本実施形態では、ポンプによる吸引動作によって液体を液体吐出ヘッドに満す今回は吸引形態を例に記載したが、本発明は吸引形態に限定したものではない。例えば、ポンプによる加圧動作によって液体を吐出ヘッドに満たすようにすることも可能である。
以上の液体吐出ヘッドにおいて、供給フィルター18の第2液体供給室35側の面に液体導入部材50を当接させておく構成とすることで、ヘッド内に液体がない初期の状態から液体をヘッド内に充填する際に、供給フィルター18を液体が容易に通過可能となる。また、供給フィルター18を初期に液体が通過する際に発生する微細の泡の発生を抑制し、安定した液体の充填が可能となる。
このため、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えた液体吐出記録装置によれば、液体供給室から液体吐出ヘッドのノズルへの液体の供給をスムーズに行うことができ、記録速度の高速化を図ることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、液体導入部材50を供給フィルター18の中間部に設けた場合を例に採り説明したが、液体導入部材50は、供給フィルター18の中間部以外の部分に設けることも可能である。例えば液体導入部材50を、供給フィルター18の上部に接触するように設けてもよく、さらには、供給フィルター18の下部に接触するように設けても良い。但し、供給フィルター18の上端部に接触するようにすれば、供給フィルター18全体が液体連通可能な状態になるまでの時間あるいは供給フィルター18前後の液体充填プロセスは完了した状態となるまでの時間を最も短縮することができる。これに対し、供給フィルター18の下端部に液体導入部材50を設けた場合には、供給フィルター18全体が連通可能な状態になるまでの時間が最も長くなる。
さらに、上記実施形態では、液体供給ケースカバー17に突設したリブ50によって液体導入部材50を設けた例を示したが、液体導入部材50は必ずしも上記実施形態に限定されない。液体導入部材50を接着剤などによって液体供給ケースカバー17に固定しても良い。
なお、前述のように液体導入部材50は、供給フィルター18よりも高い毛管力を発生し得る素材で形成されていれば良い。例えば、弾性部材などを用いることも可能であり、特定の材質には限定されない。
また、液体吐出ヘッドから液体を吐出させるためのエネルギーを発生させるエネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた場合を例に採り説明したが、エネルギー発生素子としては、他のもの、例えば電気機械変換体などを用いることも可能である。
12 共通液室
14 PCB
17 液体供給ケースカバー
17a リブ
18 供給フィルター
22 液体吐出ヘッド
26 メイン液体供給室
34 第一液体供給室
35 第二液体供給室
37 液体供給路
39 ノズル配列面
50 液体導入部材

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数のノズルに連通するメイン液体供給室と、
    前記メイン液体供給室と連通するサブ液体供給室と、
    前記サブ液体供給室を、液体流動方向上流側の第1液体供給室と前記液体流動方向下流側の第2液体供給室とに分割する供給フィルターと、
    前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面に接触すると共に、前記供給フィルターよりも大きな毛管力を発生する液体導入部材と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体導入部材は、前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面の中の重力方向における中間部に接触していることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記液体導入部材は、前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面の中の重力方向における上部に接触していることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記液体導入部材は、前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面の中の重力方向における下部に接触していることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記液体導入部材は、多孔質体によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記液体導入部材は、弾性部材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記液体導入部材は、一端部が前記サブ液体供給室に突設されたリブによって保持されることを特徴とする他端部が前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面に接触すると共に、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 色材を含んだ液体を液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する搬送手段とを備えた液体吐出記録装置であって、
    前記液体吐出ヘッドは、
    液体を吐出する複数のノズルに連通するメイン液体供給室と、
    前記メイン液体供給室に連通するサブ液体供給室と、
    前記サブ液体供給室を、液体流動方向上流側の第1液体供給室と前記液体流動方向下流側の第2液体供給室とに分割する供給フィルターと、
    前記供給フィルターにおいて前記第2液体供給室側に位置する面に接触すると共に、前記供給フィルターよりも大きな毛管力を発生する液体導入部材と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015223827A (ja) * 2014-05-30 2015-12-14 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドとそれを用いた液体吐出装置

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