JP2014002074A - き裂進展予測システム及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラント構造物に生じたき裂の進展を高精度に予測できること。
【解決手段】原子炉一次系配管21のき裂付近の電位差をプラント運転中に計測する電位差法計測系31と、前記配管のき裂付近のひずみ値をプラント運転中に計測するひずみ計測系32と、残留応力値算出部34、評価用残留応力分布作成部35、応力拡大係数算出部36及びき裂進展量予測演算部37を備える演算装置33とを有し、残留応力値算出部は、計測された電位差データにより算出したき裂形状、計測されたひずみ値データ等に基づいてき裂先端の残留応力値を算出し、評価用残留応力分布作成は、前記残留応力値を用いて評価用残留応力分布を求め、応力拡大係数算出部は、評価用残留応力分布等に基づいてき裂の任意の位置の応力拡大係数を算出し、き裂進展量予測演算部は、応力拡大係数との相関で決定されるき裂進展速度を求めて、プラントの供用期間中のき裂進展量を演算して予測する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、プラント構造物に生じたき裂の進展を予測するき裂進展予測システム及び方法に関する。
沸騰水型原子炉や加圧水型原子炉のような原子力プラントにおいては、高温水である原子炉一次系水に接する原子炉一次系配管などのプラント構造物に、高温水という使用環境に晒されて応力腐食割れ(SCC)が発生する場合がある。万一、このようなプラント構造物に応力腐食割れ等によるき裂が発生した場合、その健全性を評価するために、原子力プラントの供用期間中にそのき裂の進展を監視し、き裂進展量の予測を行うことが、原子力プラントの健全性維持の観点から重要である。
配管などのプラント構造物のき裂進展量を算定する方法や装置としては、特許文献1〜4に提案されている。特許文献1及び2には、内圧、熱及び機械的荷重を受ける配管において、圧力、温度、軸力をリアルタイムで検出し、配管に発生する応力を算出して、き裂伝播曲線との関係からき裂進展量を算出する装置が開示されている。
また、特許文献3には、非定常な荷重を受ける場合の簡易的なき裂進展量予測を行う方法とシステムが開示されている。更に、特許文献4には、各種手法により測定した表面や内部の残留応力測定結果を基に残留応力データベースを構築し、それを基にき裂進展評価を行う方法が開示されている。
特開平9−145578号公報 特開平10−38829号公報 特開2003−172673号公報 特開2005−351644号公報
W. Cheng, I. Finnie, "The Crack Compliance Method for Residual Stress Management," Welding in The World, Vol.28,No.5/6, p.103(1990)
原子力プラントのプラント構造物にき裂が発生している場合、プラントの供用期間中のき裂進展量を予測する精度を向上させるためには、プラント運転中の評価対象部位の残留応力分布を把握することが有効である。しかしながら、上述の特許文献1〜4に記載の技術は、プラントの定期点検中にプラント構造物の残留応力を検出するものであり、き裂を有する配管溶接部などにおけるプラント運転中の残留応力分布を十分に考慮したものではない。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、プラント構造物に生じたき裂の進展を高精度に予測して、プラントの信頼性及び安全性を向上させることができるき裂進展予測システム及び方法を提供することにある。
本発明に係るき裂進展予測システムは、プラント構造物に生じたき裂の進展を予測するき裂進展予測システムにおいて、前記プラント構造物の前記き裂付近の電位差をプラント運転中に計測する電位差法計測系と、前記プラント構造物の前記き裂付近のひずみ値をプラント運転中に計測するひずみ計測系と、前記電位差法計測系及び前記ひずみ計測系からのデータに基づき前記き裂の進展量を予測する演算装置とを有し、この演算装置は、残留応力値算出部、評価用残留応力分布作成部、応力拡大係数算出部及びき裂進展量予測演算部を備えてなり、前記残留応力値算出部は、前記電位差法計測系からの電位差データにより算出されたき裂形状、及び前記ひずみ計測系からのひずみ値データ等に基づいて、前記き裂の任意の位置における残留応力値を算出し、前記評価用残留応力分布作成部は、前記残留応力値算出部にて算出された残留応力値を用いて、前記プラント構造物の対象部位において予め想定される残留応力分布プロファイルを補正することで評価用残留応力分布を求め、前記応力拡大係数算出部は、前記評価用残留応力分布及び前記き裂形状等に基づいて、前記き裂の任意の位置における応力拡大係数を算出し、前記き裂進展量予測演算部は、前記応力拡大係数との相関で決定されるき裂進展速度を求めて、プラントの供用期間中におけるき裂進展量を演算して予測するよう構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係るき裂進展予測方法は、プラント構造物に生じたき裂の進展を予測するき裂進展予測方法において、前記プラント構造物の前記き裂付近の電位差及びひずみ値をプラント運転中に計測する第1ステップと、前記第1ステップにて計測された電位差データにより算出されたき裂形状、及び前記第1ステップにて計測されたひずみ値データ等に基づいて、前記き裂の任意の位置における残留応力値を算出する第2ステップと、前記第2ステップにて算出された残留応力値を用いて、前記プラント構造物の対象部位において予め想定される残留応力分布プロファイルを補正することで評価用残留応力分布を求める第3ステップと、前記き裂形状、及び前記第3ステップにて求められた前記評価用残留応力分布等に基づいて、前記き裂の任意の位置における応力拡大係数を算出する第4ステップと、前記第4ステップにて算出された前記応力拡大係数との相関で決定されるき裂進展速度を求めて、プラントの供用期間中におけるき裂進展量を演算して予測する第5ステップと、を有することを特徴とするものである。
本発明に係るき裂進展予測システム及び方法によれば、プラント構造物のき裂付近のひずみ値等をプラント運転中に計測し、この計測データに基づいて評価用残留応力分布を精度良く求めることができるので、この評価用残留応力分布等により、プラント構造物に生じたき裂の進展を高精度に予測して、プラントの信頼性及び安全性を向上させることができる。
本発明に係るき裂進展予測システムの一実施形態の評価対象となる原子力プラントの系統構成図。 図1の原子炉一次系配管への計測状況を示し、(A)は側断面図、(B)は図2(A)のIIB拡大図、(C)は図2(B)のIIC−IIC線に沿う断面図。 図2(B)のIII矢視からの原子炉一次系配管と、この原子炉一次系配管に適用されたき裂進展予測システムの一実施形態を示す構成図。 図3のき裂進展予測システムの一実施形態が実行するき裂進展量の予測手順を示すフローチャート。 計測データから算出した残留応力値から評価用残留応力分布を求める求め方を説明する説明図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るき裂進展予測システムの一実施形態の評価対象となる原子力プラントの系統構成図である。この図1に示す原子力プラントは、沸騰水型原子炉であり、この沸騰水型原子炉は一般的に以下のように構成される。
即ち、原子炉建屋内に原子炉格納容器(共に図示せず)は設置され、この原子炉格納容器内に原子炉圧力容器10が設置されている。原子炉圧力容器10内には炉心11及び冷却水が収容され、この冷却水は炉心11の下方から上方に流通する際に、炉心11の核反応熱を奪い昇温する。昇温した冷却水は蒸気と水の二相流状態になり、炉心11の上方に設けられた気水分離器12内に流入する。
冷却水は、気水分離器12で水と蒸気に分離され、分離された蒸気は、気水分離器12の上方に設けられた蒸気乾燥器13で湿分が除去されて乾燥蒸気となる。この乾燥蒸気は、原子炉圧力容器10に接続された主蒸気配管14を通ってタービン系に供され、このタービン系で仕事に供給される。一方、気水分離器12で分離された水は、ジェットポンプ15の作用で炉心11の下方に流下し、再度炉心11の下方から上方に向かって流通する。以下、同様のサイクルを繰り返す。
原子炉圧力容器10は、容器本体16と、この容器本体16の上部開口を閉塞するように設けられた蓋体17とを有して構成される。容器本体16は円筒状の胴体16Aと、この胴体16Aの下端に接続された下鏡16Bとから構成される。原子炉圧力容器10の胴体16Aの内部には、炉心シュラウド18、ジェットポンプ15等の炉内構造物が収納され、下鏡16Bには制御棒駆動機構19や炉内計装管20を通過させる貫通孔(不図示)が設けられている。
原子炉圧力容器10の外部には、原子炉再循環系配管21A、冷却材浄化系配管21B、ボトムドレンライン21Cなどの原子炉一次系配管21が、プラント構造物として接続されている。この原子炉一次系配管21は、内部に原子炉一次系水が流れ、従って、図2に示す原子炉一次系配管21の内表面22が原子炉一次系水に接する。
この原子炉一次系配管21の溶接部23近傍の内表面22に生じたき裂24の進展を、本実施形態のき裂進展予測システム30(図3)は予測する。このき裂進展予測システム30は、電位差法計測系31と、ひずみ計測系32と、き裂進展量を演算する演算装置33と、を有して構成される。
電位差法計測系31は、図2及び図3に示すように、原子炉一次系配管21のき裂24付近の電位差を原子力プラントの運転中に計測するものであり、複数の電位差法計測点38、複数本の電流印加線39、複数本の電圧計測線40及び電位差法計測装置41を有して構成される。
電位差法計測点38は、原子炉一次系配管21の外表面25であってき裂24付近、即ち原子炉一次系配管21の外表面25であってき裂24に対し原子炉一次系配管21の厚さ方向反対側に設置される。この電位差法計測点38は、原子炉一次系配管21のき裂24付近に電流を印加し、または原子炉一次系配管21のき裂24付近の電位差を計測するための接点である。
電流印加線39及び電圧計測線40は、電位差法計測点38に例えばスポット溶接などにより取り付けられる。電位差法計測点38のうち、き裂24に略対向する複数対の電位差法計測点38に電圧計測線40が接続して取り付けられ、この電圧計測線40が取り付けられた電位差法計測点38の外側の一対の電位差法計測点38に電流印加線39が接続して取り付けられる。これらの電流印加線39及び電圧計測線40は電位差法計測装置41に接続される。
電位差法計測装置41は、電流印加線39を経て原子炉一次系配管21のき裂24付近に電流を印加し、電圧計測線40を経て原子炉一次系配管21のき裂24付近の電位差を取り込み、この電位差データを処理(例えばデジタル処理)して、演算装置33の残留応力値算出部34(後述)へ出力する。この電位差法計測系31による電位差データの計測は、原子力プラントの運転中に連続的または間欠的に実施される。
ひずみ計測系32は、原子炉一次系配管21のき裂24付近のひずみ値を原子力プラント(BWR)の運転中に計測するものであり、ひずみ計測センサ43及びひずみ計測装置44を有して構成される。ひずみ計測センサ43は、原子炉一次系配管21の外表面25であってき裂24付近、即ち原子炉一次系配管21の外表面25であって、き裂24に対し原子炉一次系配管21の厚さ方向反対側で、電圧計測線40が取り付けられた複数対の電位差法計測点38の内側に、き裂24に対向してスポット溶接などにより取り付けられる。このひずみ計測センサ43は、原子力プラントの供用期間中における原子炉一次系配管21の外表面25の温度(約270〜280℃)に対し耐熱性を有するひずみゲージまたは光ファイバである。
ひずみ計測装置44は、ひずみ計測センサ43に信号線45を用いて接続される。このひずみ計測装置44は、ひずみ計測センサ43にて計測された原子炉一次系配管21のき裂24近傍のひずみ値を取り込み、このひずみ値データを処理(例えばデジタル処理)して、演算装置33の残留応力値算出部34(後述)へ出力する。このひずみ計測系32によるひずみ値データの計測は、原子力プラントの運転中に連続的または間欠的に実施される。
演算装置33は、電位差法計測系31からの電位差データと、ひずみ計測系32からのひずみ値データとに基づいて、原子炉一次系配管21の溶接部23近傍の内表面22に生じたき裂24の進展量を予測するものである。この演算装置33は、残留応力値算出部34、評価用残留応力分布作成部35、応力拡大係数算出部36及びき裂進展量予測演算部37を備えて構成される。この演算装置33によるき裂進展量の予測手順を図4に示す。
図4では、電位差法計測系31による電位差計測手順及びひずみ計測系32によるひずみ値計測手順を第1ステップS1として示し、演算装置33の残留応力値算出部34による残留応力値の算出を第2ステップS2−1及びS2−2として示す。また、演算装置33の評価用残留応力分布作成部35による評価用残留応力分布の作成を第3ステップS3として示し、演算装置33の応力拡大係数算出部36による応力拡大係数の算出を第4ステップS4として示し、演算装置33のき裂進展量予測演算部37によるき裂進展量の予測を第5ステップS5として示す。
演算装置33の残留応力値算出部34は、まず、電位差法計測系31からの電位差データを演算することで、き裂24のき裂形状(き裂長さ及びき裂深さ)を算出して決定する(S2−1)。次に、残留応力値算出部34は、上述のき裂形状、ひずみ計測系32からのひずみ値データ、及び原子炉一次系配管21の構造データ(例えば配管の肉厚、内径、外径など)に基づいて、き裂コンプライアンス法によりき裂24の任意の位置(本実施形態ではき裂先端)における残留応力値を、電位差法計測系31及びひずみ計測系32による計測時点毎に算出する(S2−2)。
ここで、き裂コンプライアンス法は、対象物の溶接部における残留応力場にき裂が導入されたときに開放されるひずみから、対象物の内部の残留応力を評価する方法であり、プラント運転中のプラント構造物への適応や、オンラインモニタリングが可能である。このき裂コンプライアンス法の詳細は、例えば非特許文献1に記載されている。
演算装置33の評価用残留応力分布作成部35は、図4及び図5に示すように、残留応力値算出部34にて連続的または間欠的に算出された残留応力値の変化データ46を用いて、原子炉一次系配管21の対象部位である溶接部23において予め想定される残留応力分布プロファイル47の該当領域を、残留応力値の変化データ46と一致するように補正することで、き裂24のき裂先端から原子炉一次系配管21の厚さ方向に沿う評価用残留応力分布48を求める(S3)。
つまり、原子炉一次系配管21の溶接部23において想定される残留応力分布プロファイル47を例えば6次式などの近似式で表し、この残留応力分布プロファイル47が、残留応力値算出部34にて算出された残留応力値の変化データ46の範囲で数値的に重なるように、演算により上記近似式の係数を決定する。これにより、残留応力値算出部34にて算出された残留応力値の変化データ46に対応した新たな関係式が求まり、この関係式を評価用残留応力分布48とする。この評価用残留応力分布48は、原子炉一次系配管21におけるき裂24のき裂先端から原子炉一次系配管21の厚さ方向に沿う残留応力分布を示す。
ここで、原子炉一次系配管21の溶接部23において想定される残留応力分布プロファイル47は、原子炉一次系配管21の構造データ(配管の厚さ、内径、外径など)及び溶接条件等を基にした有限要素法による解析結果から求められたもの、または溶接部23を有する原子炉一次系配管21と同一の材料及び同一の製法で製作したモックアップ試験体で実測された結果から求められたものである。
図3及び図4に示すように、演算装置33の応力拡大係数算出部36は、評価用残留応力分布作成部35にて求められた評価用残留応力分布48と、残留応力値算出部34にて算出されたき裂24のき裂形状と、原子炉一次系配管21に作用する内圧による応力や熱応力などの外部応力を用いて、き裂24の任意の位置(本実施形態ではき裂24のき裂先端)における応力拡大係数を算出する(S4)。
演算装置33のき裂進展量予測演算部37は、まず、き裂24のき裂進展速度を算出する。このき裂進展速度は、原子炉一次系配管21の使用材料と原子炉一次系配管21の使用環境とき裂先端の応力拡大係数との相関で決定される。従って、き裂進展量予測演算部37は、応力拡大係数算出部36にて算出されたき裂先端の応力拡大係数と、原子炉一次系配管21の使用材料及び使用環境等を用い、き裂進展速度データベースを参照することでき裂24のき裂進展速度を求める。次に、き裂進展量予測演算部37は、この求めたき裂進展速度と、原子力プラントにおける任意に設定された供用期間(例えば1年または10年など)とから、この供用期間中に予測されるき裂24のき裂進展量を算出する(S5)。
尚、上述のき裂進展速度データベースは、対象配管に作用する力学因子に依存して、応力腐食割れ(SCC)と腐食疲労を考慮し、応力腐食割れによるき裂進展速度、腐食疲労によるき裂進展速度、応力腐食割れ及び腐食疲労によるき裂進展速度を準備している。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果を奏する。
原子炉一次系配管21の内表面22に生じたき裂24付近の電位差を電位差法計測系31が、ひずみ値をひずみ計測系32がそれぞれプラント運転中に計測するので、演算装置33は、これらの電位差データ及びひずみ値データに基づき、き裂24のき裂先端から配管厚さ方向に沿う評価用残留応力分布48(図5)を精度良く求めることができる。この結果、演算装置33は、この評価用残留応力分布48を用いて、原子炉一次系配管21に生じたき裂24の進展量を高精度に予測して、原子力プラント(BWR)の信頼性及び安全性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、本実施形態では、プラント構造物は、原子力プラント(特に沸騰水型原子炉)の原子炉一次系配管21の場合を述べたが、加圧水型原子炉を備えた原子力プラント、火力プラントまたは化学プラントなどにおける配管などの構造物であってもよい。
21 原子炉一次系配管(プラント構造物)
22 内表面
23 溶接部
24 き裂
25 外表面
30 き裂進展予測システム
31 電位差法計測系
32 ひずみ計測系
33 演算装置
34 残留応力値算出部
35 評価用残留応力分布作成部
36 応力拡大係数算出部
37 き裂進展量予測演算部
38 電位差法計測点
43 ひずみ計測センサ
47 想定される残留応力分布プロファイル
48 評価用残留応力分布

Claims (10)

  1. プラント構造物に生じたき裂の進展を予測するき裂進展予測システムにおいて、
    前記プラント構造物の前記き裂付近の電位差をプラント運転中に計測する電位差法計測系と、
    前記プラント構造物の前記き裂付近のひずみ値をプラント運転中に計測するひずみ計測系と、
    前記電位差法計測系及び前記ひずみ計測系からのデータに基づき前記き裂の進展量を予測する演算装置とを有し、
    この演算装置は、残留応力値算出部、評価用残留応力分布作成部、応力拡大係数算出部及びき裂進展量予測演算部を備えてなり、
    前記残留応力値算出部は、前記電位差法計測系からの電位差データにより算出されたき裂形状、及び前記ひずみ計測系からのひずみ値データ等に基づいて、前記き裂の任意の位置における残留応力値を算出し、
    前記評価用残留応力分布作成部は、前記残留応力値算出部にて算出された残留応力値を用いて、前記プラント構造物の対象部位において予め想定される残留応力分布プロファイルを補正することで評価用残留応力分布を求め、
    前記応力拡大係数算出部は、前記評価用残留応力分布及び前記き裂形状等に基づいて、前記き裂の任意の位置における応力拡大係数を算出し、
    前記き裂進展量予測演算部は、前記応力拡大係数との相関で決定されるき裂進展速度を求めて、プラントの供用期間中におけるき裂進展量を演算して予測するよう構成されたことを特徴とするき裂進展予測システム。
  2. 前記プラント構造物は、原子力プラントの原子炉一次系水に接する原子炉一次系配管であり、前記き裂は、前記原子炉一次系配管の溶接部近傍の内表面に生じたき裂であることを特徴とする請求項1に記載のき裂進展予測システム。
  3. 前記ひずみ計測系は、き裂付近のひずみ値を計測するひずみ計測センサとしてひずみゲージまたは光ファイバを備え、前記ひずみ計測センサが、原子炉一次系配管の外表面であって前記き裂付近に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のき裂進展予測システム。
  4. 前記電位差法計測系は、電流を印加しまたは電位差を計測するための電位差法計測点を備え、前記電位差法計測点が、原子炉一次系配管の外表面であってき裂付近に設けられたことを特徴とする請求項2または3に記載のき裂進展予測システム。
  5. 前記演算装置の残留応力値算出部は、電位差法計測系からの電位差データにより算出されたき裂形状、前記ひずみ計測系からのひずみ値データ、及びプラント構造物の構造データに基づいて、き裂コンプライアンス法により前記き裂の任意の位置における残留応力値を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のき裂進展予測システム。
  6. 前記演算装置の評価用残留応力分布作成部で使用される想定される残留応力分布プロファイルは、プラント構造物の構造データ及び溶接条件等を基にした有限要素法による解析結果、または前記プラント構造物と同一の材料及び同一の製法で製作したモップアップ試験体で実測された結果により、それぞれ求められたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のき裂進展予測システム。
  7. プラント構造物に生じたき裂の進展を予測するき裂進展予測方法において、
    前記プラント構造物の前記き裂付近の電位差及びひずみ値をプラント運転中に計測する第1ステップと、
    前記第1ステップにて計測された電位差データにより算出されたき裂形状、及び前記第1ステップにて計測されたひずみ値データ等に基づいて、前記き裂の任意の位置における残留応力値を算出する第2ステップと、
    前記第2ステップにて算出された残留応力値を用いて、前記プラント構造物の対象部位において予め想定される残留応力分布プロファイルを補正することで評価用残留応力分布を求める第3ステップと、
    前記き裂形状、及び前記第3ステップにて求められた前記評価用残留応力分布等に基づいて、前記き裂の任意の位置における応力拡大係数を算出する第4ステップと、
    前記第4ステップにて算出された前記応力拡大係数との相関で決定されるき裂進展速度を求めて、プラントの供用期間中におけるき裂進展量を演算して予測する第5ステップと、を有することを特徴とするき裂進展予測方法。
  8. 前記プラント構造物は、原子力プラントの原子炉一次系水に接する原子炉一次系配管であり、前記き裂は、前記原子炉一次系配管の溶接部近傍の内表面に生じたき裂であることを特徴とする請求項7に記載のき裂進展予測方法。
  9. 前記第2ステップは、前記第1ステップにて計測された電位差データにより算出されたき裂形状、前記第1ステップにて計測されたひずみ値データ、及びプラント構造物の構造データに基づいて、き裂コンプライアンス法により前記き裂の任意の位置における残留応力値を算出することを特徴とする請求項7または8に記載のき裂進展予測方法。
  10. 前記第3ステップで使用される想定される残留応力分布プロファイルは、プラント構造物の構造データ及び溶接条件等を基にした有限要素法による解析結果、または前記プラント構造物と同一の材料及び同一の製法で製作したモップアップ試験体で実測された結果により、それぞれ求められたものであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のき裂進展予測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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