JP2013544348A - 時計の、接触が制御された又は非接触のパワートランスミッション - Google Patents

時計の、接触が制御された又は非接触のパワートランスミッション Download PDF

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Abstract

本発明は、時計ムーブメントの、接触が制御された若しくは削減された、又は非接触のトランスミッションを作製する方法に関する。
上記時計ムーブメントの少なくとも一対の対向する恊働表面を、上記対向する恊働表面に表面処理又はバルク処理を施すことによって帯電及び/又は帯磁させ、これにより、上記対向する構成要素は、上記対の上記もう一方の対向する表面と互いに近接するよう動かされた場合に、反発する傾向を有するように、作製又は変形し、ここで、上記表面の一方は、他方を駆動するか又は他方に対して当接している。
上記処理は、少なくとも1つの薄層を、上記恊働表面及び/又は上記対向する恊働表面の上に生成又は蒸着することからなる。
本発明はまた、 少なくとも1つの対向する構成要素を組み込んだ時計機構にも関し、これら構成要素の一方は、他方を駆動するか又は他方に支持され、上記対は、本方法を実装することによって作製又は変形される。

Description

本発明は、時計ムーブメントの、接触が制御された若しくは削減された、又は非接触のトランスミッションを作製する方法に関する。
本発明はまた、この方法を実装することにより作製又は変形される少なくとも一対の構成要素を組み込んだ、時計ムーブメントにも関する。
本発明は、時計製作の分野に関し、より詳細には、機械式ムーブメントの分野に関する。
時計機構の構成要素の摩擦挙動は、時計機構のサイズ決め、性能、動作品質、速度の統制、及び寿命に、直接的な影響を与える。
摩擦は、第一に効率のロスにつながり、これにより、ゼンマイ等のエネルギ貯蔵手段のみならず、このエネルギを機構全体の内部で伝達するための手段をも、巨大化させる必要が生じる。これは、時計の動作に必要な分よりも大きな断面及び直径につながる。当然、摩擦が大きくなるほど、時計の自律性は強く影響を受け、パワーリザーブが少なくなる。
摩擦、衝突応力、又は高接触圧を受ける全ての構成要素に、摩耗の影響がある。摩耗は、長期間にわたってムーブメントの品質、特に等時性に関して劣化を引き起こす、頻発する問題である。摩耗は、ムーブメントの全ての可動部品に関わるものであるが、主として脱進機機構及び統制部材、並びにホイール及びピニオンの歯部、並びにアーバ及びピボットに関わる。
適切な表面処理によって摩擦を最小化することが公知である。実際、時計製作の分野において、潤滑の可能性は極めて制限されており、長期間作用するよう最適に利用することができない。
接触を排除することによって、又は、接触部の長さを減少させることによって、又は接触圧を低減することによって、いずれの実際の接触を最小化することも考えられてきた。
いずれの接触の排除は、パワートランスミッションの分野において、エネルギ源で駆動され、帯磁表面を含む第2の駆動トランスミッタホイール又はピニオンによって駆動される、同様に帯磁表面を含む第1の駆動レシーバホイール又はピニオンの枢動駆動を用いる、磁力を利用するタイプの解決法によって、試みられており、ここで、第1及び第2のホイール又はピニオンデバイスは、互いに近接するように動き、Li Lingqunによる特許文献1に記載のように、隣接する平面をとる、又は特許文献1に記載のように、実質的に接する、又はShoei Engineering Co Ltdによる特許文献2に記載のように、更に複雑な、螺旋形のジオメトリをとる。
トランスミッションにおける適用又は電気機械的な動力機械のための、歯部と帯磁表面との組み合わせは、Newmanによる特許文献3や、Qian Huiによる特許文献4に記載されている。特許文献4では、ホイールの各歯は、radial lineの両側に、異なる極性の2つの区画を含み、これらは、歯部が相互作用する対向するホイールの同様の区画のうち同じ極性のものと対になるように配設される。
軸受に関しては、Nantong Industry and Commerceによる特許文献5から、径方向の磁力浮揚軸受が公知であり、又は、Seikosha KKによる特許文献6から、軸方向及び径方向両方の磁力浮揚軸受が公知である。
例えばAdam kochanskiの業績により、17世紀以来、時計製作の分野では、テンプの動作距離を制限し、ゼンマイバネを不要とするための、磁力による停止部材が非常に良く知られてきた。
しかしながら、これらの種々のアプローチでは、サイズの大きい磁石を使用するため、これが、かなりの空間要件、及び各構成要素の作製における複雑さにつながる。
中国特許第200610112953.2号 特願2007−030332号 英国特許第2397180号 中国特許第2446326号 中国特許第2041825号 特開1995−325165号
本発明の目的は、対向する部品の動作を確保しながら、これらの間のいずれの接触を制限又は排除するための、時計ムーブメントの構成要素を作製する方法又はこのような構成要素を変形する方法を提案することで、上述の欠点の全て又は一部を克服することである。
従って、本発明は、時計ムーブメントの、接触が制御された若しくは削減された、又は非接触のトランスミッションを作製する方法に関し、上記時計ムーブメントの同一の構成要素又は一対の対向する構成要素の、恊働表面と呼ばれる少なくとも一対の対向する表面を、上記少なくとも一対の対向する表面に表面処理又はバルク処理を施すことによって帯電及び/又は帯磁させ、これにより、上記表面は、上記対の上記もう一方の対向する表面と互いに近接するよう動かされた場合に、反発する傾向を有するように、作製又は変形することを特徴とし、ここで、上記表面の一方は、他方を駆動するか又は他方に対して当接している。
本発明の1つの特徴によると、同一の構成要素又は一対の対向する構成要素の、上記一対の対向する恊働表面の少なくとも1つは、表面処理又はバルク処理を施して、上記対向する恊働表面を同一の極性及び/又は磁性に帯電及び/又は帯磁させ、これにより、上記対向する表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有するように、作製又は変形される。
本発明のある特徴によると、上記一対の対向する表面を作成又は変形する際、上記対向する恊働表面の各々に、表面処理又はバルク処理を施す。
本発明のある特徴によると、上記表面処理中、この表面を、互いに同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)でコーティングし、これにより、上記対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有するか、又は、少なくとも1つのこのような活性化薄層が生成される。
本発明の別の特徴によると、上記表面処理又はバルク処理は、2つずつ同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子の複数の薄層を、上記対向する恊働表面それぞれの上に生成又は蒸着することからなり、これにより、上記対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有する。
有利には、この方法によると、この一対の対向する構成要素を形成する、互いに恊働する構成要素の間のいずれの摩擦も、一方の構成要素の少なくとも1つの恊働表面、及び他方の構成要素の少なくとも1つの対向する恊働表面において、低減又は排除される。
本発明のある特徴によると、上記薄層は、0.1〜50mC/m2の表面電荷密度を発生するよう配設されるエレクトレット層である。
本発明のある特徴によると、上記表面処理又はバルク処理は、上記恊働表面又は上記対向する恊働表面上に、1T以上の残留磁束密度Brと、100kA/m以上の保磁力Hcを有する、少なくとも1つの磁性的に活性の薄層を生成又は蒸着することからなる。
本発明の別の特徴によると、上記薄層は、少なくとも1つのフッ素ポリマーフィルムを含む。
本発明の別の特徴によると、上記薄層の厚さは、20μm以下である。
本発明はまた、少なくとも一対の対向する構成要素を組み込んだ時計機構にも関し、この構成要素の少なくとも一方は、他方を駆動するか又は他方に対して当接しており、上記対は、本方法を実装することによって作製又は変形される。
この薄層の厚さは、動力学を変化させない程度に十分に小さいため、本方法は、各構成要素のサイズを保持することができるようにするという利点をもたらす。
摩擦学的設計を有する層を備える、対向する表面の摩擦を、これらの間の斥力又は引力によって制御するための、この対向する表面の特定の配置の組み合わせは、摩擦の良好な制御及び機構の効率性を提供し、摩耗を最小にする。
その他の特徴及び利点は、非限定的な説明を目的とする以下の記載によって明らかとなるであろう。
本発明は、時計製作の分野に関し、より詳細には、機械式ムーブメントの分野に関する。
従って、本発明は、時計ムーブメントの、接触が制御されたトランスミッション、特に、接触が削減された、又は非接触のトランスミッションを作製する方法に関する。
本発明の好ましい実装形態によると、上記時計ムーブメントの同一の構成要素又は一対の対向する構成要素の、恊働表面と呼ばれる少なくとも一対の対向する表面を、上記対を形成する上記対向する表面の少なくとも1つに表面処理又はバルク処理を施すことによって帯電及び/又は帯磁させ、これにより、上記表面は、上記対のもう一方の対向する表面と互いに近接するよう動かされた場合に、反発する傾向を有するように、作製又は変形し、ここで、上記表面の一方は、他方を駆動するか又は他方に対して当接している。
本発明の特定の実装形態では、同一の構成要素又は一対の対向する構成要素の、少なくとも一対の上記対向する恊働表面を、上記対向する恊働表面に表面処理又はバルク処理を施すことによって帯電及び/又は帯磁させ、これにより、上記対向する表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、反発する傾向を有するように、作製又は変形する。
本発明の実装中、この一対の対向する構成要素を形成する構成要素の間のいずれの摩擦も、低減又は排除される。これらの構成要素は、一方の構成要素の少なくとも1つの恊働表面と、他方の構成要素の少なくとも1つの対向する恊働表面とを介して、互いに恊働する。
即ち、この一対の対向する構成要素は、摩擦の低減によって保護され、これは時計ムーブメント全体に関しても同様である。
本方法は、構成要素の作成中にも、構成要素の変形中にも適用可能である。これ以降、用語「作製」を、この両方の場合を表すために区別無く用いる。
例えば、好ましい非限定的な応用例では、対になった対向する表面又は対向する構成要素は、以下からなってよい:
−2つの歯付きホイール;
−2つのカム;
−1つのカム及び1つのレバー;
−2つのレバー;
−1つのアーバ又は軸及び1つのピボット;
−アンクル及びガンギ車;
−アンクルフォーク及びテンプローラ;
−ホイール及びウィップ;
−ハートカム及びハンマー;
−同一のバネ、特にゼンマイバネ又はヒゲゼンマイの2つの連続したコイル;
−星形車及びフィンガ。
本発明の特徴によると、好ましくは、一対の対向する表面を作製又は変形する際、対向する恊働表面の各々に、表面処理及び/又はバルク処理を施す。
この一対の対向する表面に表面処理を施す場合、各対向する表面を、互いに同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)でコーティングし、これにより、上記対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有するか、又は、少なくとも1つのこのような活性化薄層が生成される。
この一対の対向する表面にバルク処理を施す場合、各構成要素の構造の一部に、少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)上において帯電及び/又は帯磁処理を施し、この層は、この処理の後、互いに同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子を含み、これにより、これら対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有するか、又は、少なくとも1つのこのような活性化薄層が生成される。
当然、本発明によると、対向する表面の1つを表面処理して他方をバルク処理してよく、又は、対向する表面の両方を表面処理することができ、又は、対向する表面の両方をバルク処理することができる。
帯電及び/又は帯磁粒子の概念は、少なくとも2つの要素からなる結晶の成長にも適用され、これらの要素は別個に帯電及び/又は帯磁してはおらず、結晶成長時に帯電及び/又は帯磁される。熱活性化又は固定による、帯電及び/又は帯磁粒子の蒸着にも適用される。
この活性化層は、特に帯磁層として既に活性であるか、又は、活性化可能である、即ち、生成又は蒸着の後で、以下に説明するように、特にエレクトレットとして活性化される。
特に、この表面処理は、2つずつ同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子の複数の薄層を、対向する恊働表面それぞれの上に生成又は蒸着することからなり、これにより、これら対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有する。
特に、これと同様に、バルク処理は、これらの薄層を構成要素全体にわたって生成することからなる。このバルク処理は、対象の各構成要素の構造の一部に、複数の薄層上において帯電及び/又は帯磁処理を施し、これらの層は、この処理の後、2つずつ同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子を含み、これにより、これら対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有する。
本発明の好ましい実施形態は、対向する恊働表面の全て又は一部の表面処理に関わるものであるが、バルク処理によっても所望の効果を達成できることは明らかである。しかし、バルク処理は、時計ムーブメントの他の構成要素との望ましくない相互干渉のせいで、常に可能なわけではなく、これが、ここで表面処理の場合をより詳細に述べる理由である。この表面処理は、対象の構成要素の1つ又は複数の周辺層に関してよい。複数層処理は、より均一な力を発生させることができ、これは長時間にわたってより安定であり、電荷又は磁化密度のわずかな局所的変化に影響されにくい。
従って、薄いことを特徴とする層は、既に存在する構成要素に、許容差の範囲内において直接的に適応可能であるため、有利であることは明らかであり、この薄層は好ましい解決法であるが、本発明を実装するにあたって使用可能な唯一のものではない。
実施方法に応じて、この薄層は、電気力を受けてエレクトレットと呼ばれる、帯電層であるか、磁力を受ける薄い帯磁層であるか、帯電及び帯磁の両方を受ける薄層である。この薄層が帯磁している場合、この層を、ネオジム−鉄−ボロン等の固体の磁性材料の形態で作製することが好ましい。「帯磁」とは、点状ではないが小さな寸法であり得る、磁性的な双極子を意味する。
本発明の実装において、このタイプの少なくとも1つの薄層を活性化して、所望の極性又は磁性を得る。エレクトレットの場合、層又は構成要素は、高電場で帯電され、これは、好ましくは熱処理及び/又は液体との接触と組み合わせる。
磁気層に関しては、いくつかは恊働表面への蒸着方法の最後に既に極性付与され、その他はこの方法の終了後に極性付与されるべきである。1つの特定の極性付与方法は、構成要素をレーザ場に供することからなり、これによって干渉を生成して、外部電場の作用の下で粒子を容易に配向できる。
特定の実施形態では、このタイプの少なくとも1つの薄層を、恊働表面への蒸着の後に活性化して、所望の極性又は磁性を得る。
この活性化に関しては、当業者は、薄層を用いるセンサ、アクティベータ、メモリディスク、又はアンテナ産業に関連する教示を参照することができ、これらの処理は、ここに直接適用可能な刊行物の主題である。
帯電された薄い膜又はエレクトレットについて、特に「コロナ」タイプの活性化に関する、以下の論文を引用することができる:
−「Non-contact electrostatic micro-bearing using polymer electret(ポリマーエレクトレットを用いた非接触静電微小軸受)」Yukinori Tsurumi、Yuji Suzuki及びNobuhide Kasagi(東京大学機械工学科)著、“Proc”IEEE Int. Conf. MEMS 2008、Tucson、2008、pp.511-514;
−「Low-resonant-frequency micro electret generator for energy harvesting application(エネルギ採取用応用のための、低共鳴周波数の微小エレクトレット発生器)」M.Edamoto、Y.Suzuki、N.Kasagi(東京大学機械工学科)、K.Kashiwagi、Y.Morizawa(旭硝子株式会社研究所(神奈川))、T.Yokohama、T.Seki及びM.Oba(オムロン株式会社コアテクノロジーセンター(京都))著、978-1-4244-2978-3/09 (C)2009 IEEE、pp.1059-1062;
−「A 2D electret-based resonant micro energy harvester(二次元エレクトレットベースの共鳴微小エネルギ採取器)」U.Bartsch、J.Gaspar及びO.Paul(フライブルク大学(ドイツ)、マイクロシステム工学科(MTEK))著、978-1-4244-2978-3/09 (C)2009 IEEE、pp.1043-1046。
帯磁された薄い膜については、特に以下の論文を引用することができる:
−「High performance thin film magnets(高性能薄膜磁石)」S.Faehler、V.Neu、M.Weisheit、U.Hannemann、S.Leinert、A.Singh、A.Kwon、S.Melcher、B.Holzapfel及びL.Schultz(IFW(ドレスデン))著、18th Workshop on High Performance Magnets and their Applications、Annecy France 2004、pp.566-576;
−「Exchange coupled nanocomposite hard magnetic alloys(交換結合したナノ複合体の硬質磁性金属)」I.Betancourt及びH.A.Davies(シェフィールド大学(イギリス)、材料工学科)著、Materials Science and Technology、2010、Vol.26、No.1、pp.5-19、 (C)2010 Institute of Materials, Minerals and Mining。
好ましくは、(イオン又はエレクトレット導入、「コロナ」方法、液体接触等によって)薄いエレクトレット層が帯電する第1の実施形態では、この薄層を、10mC/m2程度、有利には0.1〜50 mC/m2の範囲内の表面電荷密度を発生させるように配設し、例えば10mC/m2の表面電荷密度の値では、100μm以上の距離で10μN/mm2以上の静電気力を得ることができる。
エレクトレットの場合、活性化層は、電気的に分極されており、SiO2、As23、PET等のポリマー、テフロン(登録商標)等のフッ化ポリマー、旭硝子(登録商標)製の「CYTOP(登録商標)」、Speciality Coating Systems製のパリレン「HT(登録商標)」で形成してよい。パリレンを蒸着して、雰囲気温度等において表面に調和するようにすることができる。
特定の実施形態では、少なくとも1つの薄層は、シリコンベースのSiO2エレクトレットである。
SiO2層は、シリコンを酸素雰囲気炉内で酸化することで、又は蒸着の形態で作製することができる。
場合に応じて、帯電/帯磁された活性化層を、それぞれ10〜1000nmの厚さの2つの金属層の間に封止するか、又は10〜1000nmの厚さの単一の金属層の上で構成要素の周囲に配設することができ、活性化層と、1つ又は複数の金属層との合計の厚さは、いずれの場合でも、好ましくは20μm未満である。構成要素自体もまた伝導性を有してよい。
静電荷は、EEPROMタイプの電子メモリと同様の様式でSiO2等の絶縁体に埋め込まれたポリシリコンにtransferしてよい。マイクロエレクトロニクス等において使用されるフォトリソグラフィー法によって、任意のサイズの島を形成してよい。
薄層が帯磁する本発明の第2の実施形態では、表面処理又はバルク処理は、好ましくは、恊働表面及び/又は対向する恊働表面、並びに好ましくはその両方上に、1T程度、特に1T以上の残留磁束密度Brと、数百kA/m、特に100kA/m以上の保磁力Hcを有する、少なくとも1つの磁性的に活性の薄層を生成又は蒸着することからなる。
特定の場合によると、分極は、平面と平行又は平面と垂直に行われる。接線トルク効果は、本発明を実装するにあたって必要な斥力、又は反対に引力の効果を生成する。平面に垂直な分極においては、磁石が対極の磁石である場合は斥力が、逆の場合には引力が存在する。平面に平行な分極においては、磁石が同一方向の場合には斥力及びトルクが、反対方向の場合には引力が存在する。
磁石の場合、層は、FePt及び/又はCoPt及び/又はSmCo及び/又はNdFeB等の磁性材料で形成してよく、これらは、そのまま、又は磁場内に、又は続いて分極するように蒸着してよく、特に、電気メッキ、物理的蒸着(三極スパッタリング、パルスレーザ、若しくは別の方法)、又は他の手段でそして、蒸着時に直接磁化しても、例えば熱アニーリングによって、又は磁場内でレーザービームによって、又は他の手段によって、続いて磁化してもよい。分極は、主として層の平面内、又はこれに垂直であってよい。
実装がより複雑である第3の実施形態では、薄層は、帯電及び帯磁の両方を施される。
有利な変形例では、活性化層、つまり電気的及び/又は磁性的に活性化された層を、摩擦学的な層でコーティングしてよい。この変形例は、接触は完全に排除されないものの、極めて低いレベルの接触力に保たれる点で有利である。特に時計の脱進機機構の場合、このアプローチを用いると、摩擦の減少によって、脱進機の効率は通常の実施形態に比べて相当に向上する。例えば、有利かつ適切な摩擦学的性質を有する、例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)等の材料でコーティングされた、酸化シリコン製の脱進機は、完全に満足できる挙動を有し、効率が向上している。
恊働表面の1つの最外面である、帯電及び/又は帯磁した活性化層を配置する深さは、好ましくは小さく、典型的には0.1〜5μmであり、これによって、力が効率よく働くが、この深さは、自然発生する摩耗に耐えるための摩擦学的な層にとって十分なものでなければならない。
この薄層の厚さは100μm未満であり、好ましくは0.1〜20μmである。当然、2つの対向する構成要素間のこの薄層の合計の厚さは、動力学に関して無矛盾を保たなければならず、これらの構成要素間の動作における遊びを超えてはならず、また、好ましくは、最も好ましくない状況において、この遊びの半分未満の値を保たなければならない。
この層の表面積は、処理が行われる構成要素と、蒸着のタイプに当然依存する。特定の場合によると、この層は有利には、島に分割されていてよい。例えば、埋め込まれたポリシリコンシステムに関しては、ポリシリコンの島で形成されたエネルギリザーバを横方向に分割することで、リザーバの一部が漏れた場合(エネルギのロス)の効率を向上することができる。時計への応用においては、活性化層の表面領域の最大寸法、又は、この層がこのように島に分割されている場合は島の最大寸法は、好ましくは0.01mm〜1mmである。実際、島の寸法は0.01mm〜数ミリメートルであるのが一般には適切であり、ここで、斥力は、対象となる表面積に当然比例する。
場合によってはそれ自体が周縁の摩擦学的な層でコーティングされる帯電及び/又は帯磁された薄層を適用する、構成要素の基本材料は、時計への応用においては、時計製作業界で使用又は開発中である材料の1つであってよい:単結晶シリコン、単結晶水晶、ポリシリコン、金属、合金、セラミック、プラスチック、ガラス、非晶質材料、非晶質金属、「LIGA」。このリストは限定的なものではない。
薄層は、例えばエレクトレットの場合、構成要素に局所的に配設してよく、これによって製品の寿命が改善される。
2つの対向する構成要素の一方が反磁性状態である場合、及び、2つの対向する構成要素の他方のみが少なくとも1つの帯磁層を有する場合にも、磁性的な斥力は存在し得る。従って、時計ムーブメントの、接触が削減された又は非接触のトランスミッションを作製する方法は、上記時計ムーブメントの少なくとも一対の対向する表面を、対向する恊働表面の一方に表面処理又はバルク処理を施すことによって帯電及び/又は帯磁させ、上記対向する表面の他方を反磁性状態とし、これにより、上記対向する構成要素は、上記対の上記もう一方の対向する表面と互いに近接するよう動かされた場合に、反発する傾向を有するように、作製又は変形することを特徴とし、ここで、上記表面の一方は、他方を駆動するか又は他方に対して当接している。
特定の実施形態では、酸化物に埋め込まれたポリシリコンの層を、EEPROMタイプの電子メモリと同様の様式で帯電及び/又は帯磁させる。
好ましくは、本発明は一対の対向する構成要素に適用するよう考案されるものであるが、帯電又は帯磁された薄層を使用する処理の性質からして、単一の絶縁された構成要素にも適用可能であり、この単一の絶縁された構成要素は、この帯電又は帯磁された薄層としての処理を受けないものの、その全体が従来法で帯電されるか、それを電流が通過するか、その全体が帯磁されるか、又は磁石若しくは電流によって生成される磁場の影響下にあるような、対向部品と恊働する。
例えば、上記のケースは、より詳細には、本発明による帯電又は帯磁薄層を用いる処理方法が適用された、電位及び/又は磁化にさらされたプレート又はブリッジのような大きな固体部品と恊働する、シャフト又はアーバに関する。好ましくは、ムーブメントの速度や安定性に干渉する磁場の影響を受けやすい数多くの構成要素を包含する時計において、この固体部品に磁性的極性よりも電気的極性を付与することが好ましく、従って、対象のシャフト又はアーバとして、帯磁された薄層を選択することが好ましい。
対になったアーバ及び穿孔に対して本発明を適用すると、本発明によって残留接触応力が極めて低くなることから、ピボットを削除するか、より小さいサイズで作製することができるため、特に有利である。電磁性材料で作製した構成要素にブラインド機械加工又は貫通機械加工を含む、数多くの時計機構は、有利には、その寸法を変化させることなく変形してよく、分極及び/又は帯磁させて、これにより、同じ極性又は磁性のアーバに対して、アーバの端部において径方向と軸方向の両方に反発し、アーバをハウジング内で浮揚した状態で保持することができる。
有利には、対向する表面を含む構成要素又は一対の構成要素は、MEMS技術に基づく精密機械加工可能な材料、又はシリコン若しくは水晶、又はLIGA法で製造される材料で作製してよい。実際、これらの材料の使用は、その慣性が鋼鉄又はその他の合金より小さく、更に、これら支持材料は、本発明による薄層を固定するのに特に適していることから、有効である。
有利な変形例では、微細磁石は、フォトリソグラフィー法によって、又はフォトリソグラフィー法によって作製される構造内で作製される。
とりわけ、1つの構成要素又は一対の対向する構成要素の、少なくとも一対の対向する恊働表面を、20μm以下の厚さにわたって表面処理を施すことによって変形又は作製する。
本発明はまた、少なくとも1つの対向する構成要素を組み込んだ時計機構にも関し、この構成要素の少なくとも一方は、他方を駆動するか又は他方に対して当接しており、上記対は、本方法を実装することによって作製又は変形される。
本発明は、薄層の厚さが極めて小さく、好ましくは、表面間又は対向する構成要素間の動作における遊びの値より極めて小さい場合、各構成要素の初期寸法を不変に保持することができるようにするという利点を提供する。本発明の実装により、時計ムーブメント全体の効率が改善され、また、ムーブメントのパワーリザーブが増大し、香箱又はエネルギ貯蔵手段をより小さいサイズに適合させることができ、これによって、特に女性用腕時計に適用するにあたり、よりコンパクトなムーブメントを得ることができる。
薄層の寸法に応じて、並びに、薄層の電気的及び/又は磁性的活性化のレベルによって、対象の一対の対向する構成要素それぞれにおける、ムーブメント内での応力のトランスミッションを、理想的な場合には完全に非接触で、又は、本発明の方法が適用されていない、同一の動力学を有する同一のムーブメントと比較して、接触を驚くほど最小化した状態で、達成することができるのは明らかである。全ての場合において、本発明の結果として、摩擦、エネルギ及び摩耗を有意に改善することができる。
構成要素間の反発現象によって、衝撃や衝突をある程度吸収することもでき、これも、摩耗の減少やムーブメントの寿命の改善、とりわけ、長期間にわたって一貫した性能につながる。
当然、上に記載した特徴は、逆の問題、即ち、対向する表面を互いに引き寄せることが必要な場合にも適用可能である。
特に、トランスミッション又は同様の機構における機械的遊びを、対向する表面を互いに引き寄せられるように配設することによって減らすことができる。
機構の動作が、例えばハートカムに対するハンマーの衝突、星形車若しくは日付表示ディスクに対するジャンパの衝突、又は時報機構における衝突などを必要とする場合、及び、上記衝突の後に、対象の構成要素が、エレクトレット又は帯磁表面によって生成された引力により、特にいかなる遊びも無く、元の位置に戻る場合、このような配置が有利となり得る。従って、本出願は、非限定的であるが、ある機構内の遊び及び摩擦力の制御に関する。
従って、本発明により、摩擦力の制御を得ることができ、これは、上記力を削減若しくは排除するという意味でも、これを安定化若しくは増大させるという意味でもある。
当然のことであるが、本発明は、説明した実施例に限定されるものではなく、当業者に明らかであろう様々な変形及び改変が可能である。

Claims (21)

  1. 時計ムーブメントの、接触が制御された若しくは削減された、又は非接触のトランスミッションを作製する方法であって、
    前記時計ムーブメントの同一の構成要素又は一対の対向する構成要素の、恊働表面と呼ばれる少なくとも一対の対向する表面を、前記少なくとも一対の対向する表面に表面処理又はバルク処理を施すことによって帯電及び/又は帯磁させ、これにより、前記表面は、前記対の前記もう一方の対向する表面と互いに近接するよう動かされた場合に、反発する傾向を有するように、作製又は変形し、ここで、前記表面の一方は、他方を駆動するか又は他方に対して当接していることを特徴とする、方法。
  2. 前記時計ムーブメントの同一の構成要素又は一対の対向する構成要素の、前記少なくとも一対の対向する恊働表面を、前記少なくとも一対の対向する表面に表面処理又はバルク処理を施すことによって、前記対向する恊働表面と同一の極性及び/又は磁性に帯電及び/又は帯磁させ、これにより、前記表面は、前記対の前記もう一方の対向する表面と互いに近接するよう動かされた場合に、反発する傾向を有するように、作製又は変形することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一対の対向する構成要素を作製又は変形する際、前記対向する恊働表面のそれぞれに表面処理又はバルク処理を施すことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記一対の対向する表面に表面処理を施し、前記対向する表面をそれぞれ、互いに同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)でコーティングし、これにより、前記対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有するか、又は、少なくとも1つのこのような活性化薄層が生成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記一対の対向する表面にバルク処理を施し、各前記構成要素の構造の一部に、少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)上において帯電処理を施し、前記層は、前記処理の後、互いに同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子を含み、これにより、前記対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有するか、又は、少なくとも1つのこのような活性化薄層が生成されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  6. 前記対向する表面の一方に、表面処理を施してよく、前記対向する表面の他方に、バルク処理を施すことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  7. 前記表面処理は、2つずつ同一の極性に帯電した粒子の複数の薄層を、前記対向する恊働表面それぞれの上に生成又は蒸着することからなり、これにより、前記対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記バルク処理は、対象の各前記構成要素の構造の一部に、複数の薄層上において帯電処理を施すことからなり、前記層は、前記処理の後、2つずつ同一の極性又は同一の磁性にそれぞれ帯電又は帯磁した粒子を含み、これにより、前記対向する恊働表面は、互いに近接するよう動かされた場合に、互いに反発する傾向を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    前記対向する表面の少なくとも1つの前記薄層は、前記恊働表面への蒸着の後に活性化され、これによって所望の極性又は磁性を得ること
    を特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    前記少なくとも1つの薄層は、シリコンベースのSiO2エレクトレットであること
    を特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    前記恊働表面の1つの最外面である、前記帯電又は帯磁した活性化層は、0.1〜5μmの深さだけ、摩擦学的な表面層の下に配置されること
    を特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    前記活性化層の表面領域の最大寸法、又は、前記層が島に分割されている場合は前記島の最大寸法は、0.01mm〜1mmであること
    を特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    少なくとも1つの前記薄層の厚さは、20μm以下であること
    を特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    少なくとも1つの前記薄層は、電場を印加して帯磁させることによって、又はイオン若しくはエレクトレットを埋め込むことによって、または「コロナ」方法によって配設及び活性化され、0.1〜50mC/m2の範囲内の表面電荷密度を発生させること
    を特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    前記活性化層は、SiO2又はAs23又はフッ化ポリマー又はテフロン又はCYTOP(登録商標)又はHT(登録商標)で形成されること
    を特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    少なくとも1つの前記活性化層は、帯電され、電荷は、フォトリソグラフィー法を用いて絶縁体又はSiO2に任意のサイズの島の形状で埋め込まれたポリシリコン層に位置すること
    を特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に方法。
  17. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    前記表面処理又はバルク処理は、前記恊働表面又は前記対向する恊働表面上に、1T以上の残留磁束密度Brと、100kA/m以上の保磁力Hcを有する、少なくとも1つの磁性的に活性の薄層を生成又は蒸着することからなる
    を特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記対向する表面の少なくとも1つは、帯電又は帯磁した粒子の少なくとも1つの薄層(活性化層と呼ばれる)を含むこと、及び
    少なくとも1つの前記活性化層は、帯磁され、FePt及び/又はCoPt及び/又はSmCo及び/又はNdFeB等の磁性材料で形成され、前記磁性材料は、その初期状態のまま、又は磁場内に、又は続いて分極するように蒸着されること
    を特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記対向する表面を含む、前記構成要素又は前記一対の構成要素は、MEMS技術に基づく精密機械加工可能な材料、又は単結晶シリコン若しくは単結晶水晶、又はポリシリコン、又はLIGA法で製造される材料で作製されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 同一の前記構成要素又は前記一対の対向する構成要素の、少なくとも1つの前記一対の恊働する対向表面は、厚さ20μm以下の表面処理を施すことによって変形又は作製されることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 少なくとも1つの対向する構成要素を組み込んだ時計機構であって、
    前記構成要素の一方は、他方を駆動するか又は他方によって支持され、前記対は、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法を実装することによって作製又は変形されることを特徴とする、時計機構。
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