JP2013543886A - 医薬投与形態としてのポリマー−脂質ナノ粒子のポリマーマトリックス - Google Patents

医薬投与形態としてのポリマー−脂質ナノ粒子のポリマーマトリックス Download PDF

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Abstract

少なくとも1つの医薬活性成分の放出のための医薬投与形態がクレームされる。医薬投与形態は、ポリマーマトリックス、マトリックス内に組込まれるポリマー−脂質ナノ粒子、および、医薬活性成分を含む。ポリマーマトリックスは、たとえば、オイドラギット(登録商標)E100およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの、少なくとも2つの架橋したカチオン性ポリマーおよびアニオン性ポリマーから形成される。ポリマーマトリックスは、ローカストビーンに由来するものなど、中性ポリマーも含み得る。ポリマー−脂質ナノ粒子は、オイドラギット(登録商標)E100および/またはキトサンなどの少なくとも1つのポリマー、ならびに、レシチンなどの少なくとも1つのリン脂質から形成される。ポリマーおよびリン脂質は、トリポリリン酸ナトリウムなどのキレート剤により架橋される。活性成分は、任意の医薬活性化合物であり得、特に、パーキンソン病の治療のためのレボドパなど、吸収の悪い化合物であり得る。

Description

発明の分野
本発明は、医薬投与形態に関し、より特定的には、吸収の悪い医薬活性成分をヒトまたは動物に送達するための医薬投与形態に関する。
発明の背景
パーキンソン病(PD)の管理および治療の成功は、疾患の何年も前の発見にもかかわらず、難題であり続けている。抗コリン作用薬は、PDの対症療法で使用された初めの薬であった。しかしながら、1960年に、PD患者の線条体からドパミンが欠乏していることが発見された。その後、患者に経口ドパミン治療が施されたが、これは結局、血液脳関門(BBB)を超えることができないためより効力が低いことが分かった。
臨床研究により、最終的にドパミンの前駆体であるレボドパ(L−ドパ)が発見され、1961年に初めてPD患者に投与された。しかしながら、バイオアベイラビリティおよび結果的に治療の効力は、主に脱カルボキシル化、o−メチル化、アミノ基転移、および酸化を介したL−ドパの広い代謝により、著しく減少されることがわかった。カルビドパおよびベンセラジドなどの芳香族Lアミノ酸デカルボキシラーゼ阻害剤とL−ドパとを組合せることにより形成される生成物は、代謝または用量を減少させることにより、L−ドパの副作用を軽減することが示された。このようなすべての欠点、および、PDの管理のための治療剤がいくつか存在するという事実にもかかわらず、L−ドパは、未だ初期治療のための最も標準的かつ最も有効な薬剤のままである。
L−ドパの欠点およびバイオアベイラビリティを改善させるために、いくつかの薬剤送達系が開発されている。L−ドパの最初の即時放出型薬剤送達系は、カルビドパと組合せたL−ドパからなる錠剤(Sinemet(登録商標)、Merck & Co., Inc.、米国、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション)であった。カルビドパは、末梢ドパデカルボキシラーゼ(DDC)阻害剤である。ベンセラジドは、Madopar(登録商標)(Madopar(登録商標)、F. Hoffmann-La Roche Ltd、スイス、バーゼル)として、L−ドパと併用して用いられる別のデカルボキシラーゼ阻害剤である。Sinemet(登録商標)およびMadopar(登録商標)のこれらの合剤は、L−ドパの末梢代謝、ならびに、吐き気および嘔吐などの副作用を軽減し得るが、L−ドパの長期使用に関連するジスキネジアおよび運動振戦を制御するには有効でない。Stalevo(登録商標)(Orion Pharma、フィンランド、エスポー)として知られる、L−ドパ、カルビドパおよびエンタカポンの3種類を一つの錠剤とした合剤が、2003年に米国食品医薬品局(FDA)により承認された。しかしながら、エンタカポンは、ジスキネジアなどのドパミンによる副作用を増加させるため、L−ドパの用量を低減させる必要がある。
即時放出型薬剤送達系に起きる臨床応答の短縮された持続時間を補うために、2004年に口腔内崩壊錠剤が導入された。L−ドパ口腔内崩壊錠剤(ODTs)により、患者がより少ない用量をより頻繁に摂取でき、投与量を個々の患者のニーズに合わせることが可能である。市販のODTであるParcopa(登録商標)(Schwarz Pharma, Inc.、米国、ウィスコンシン州、ミルウォーキー)が2004年に米国FDAにより承認された。しかしながら、服用の頻度が高いため、患者の服用の非遵守につながり、所望の一定の送達が達成できないおそれがある。
液体L−ドパ製剤は、即効性を促すために導入されたが、これらの効果は非常に短期間しか持続しないことが観察された。患者は、5分以内に1〜2時間の持続時間しか液体L−ドパ製剤からの効果を得られないことが観察された(Stacy,2000)。したがって、L−ドパ液体製剤は、徐放型(CR)製剤により増すことが観察されている、効果の「開始(on)」状態の遅れを軽減するために与えられる。しかしながら、L−ドパ液体製剤は、胃が空になる速度には依存しないであろうが、所望の一定の送達の代わりに拍動性の送達がしばしば得られ、高い投与頻度のため、服用の非遵守の問題があることも観察されている。
徐放型製剤の投与によりL−ドパの服用間隔を短くすることは、L−ドパで遭遇する「消耗(wearing off)」の問題を解決するために利用されるアプローチの1つであった。CR製剤は、変動的なバイオアベイラビリティおよびその結果、変動的な有効性の問題としばしば関連付けられる。投与後約2〜4時間以内でピーク血漿中濃度に達し、ピーク濃度は、即時放出型(IR)製剤で得られるよりも低い可能性がある。このため、即効性を得るためには、患者は午前中にIR製剤を服用し、日中にCR製剤またはIRおよびCRの組合せを服用する必要性が生じ得る(Gasser et al., 1998)。Sinemet(登録商標)CR(L−ドパ/カルビドパ;Merck & Co., Inc.、米国、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーション)およびMadopar(登録商標)HBS(L−ドパ/ベンセラジド;F.Hoffmann-La Roche Ltd、スイス、バーゼル)は、現在市販されている2つの主要な従来のCR製剤である。
徐放型薬剤送達系の遅延作用を克服するために、二重放出型(DR)製剤が導入された(Rubin, 2000)。Madopar(登録商標)DR(SkyePharma、英国、ロンドン)は、現在市販されているL−ドパおよびベンセラジドを含有するDR製剤であり、L−ドパ/ベンセラジドの4:1の比で開発されている。Madopar(登録商標)DRは、即効性と持続的効果との利点を組合せている。DR製剤をCR製剤と比較すると、平均ジスキネジア評価尺度重症度は、いずれの製剤についても同様であり(2.8±2.5対2.7±3.1)、これは、DR製剤でもバイオアベイラビリティが変動的であり得ることを暗示している。
多ユニット徐放型浮遊性ミニ錠剤(multiple-unit sustained release floating minitabs)を含む、胃保持性薬剤送達系も開発されている。浮遊性ミニ錠剤は、12分後にインビトロで浮遊し、>13時間浮遊したままであり、8時間にわたり「突発的効果」なしで徐放が得られることが示されている。この製剤の改善により、20時間を超える徐放が得られた。しかしながら、浮遊性ミニ錠剤の有効性は、水力学的平衡系(HBS)とさほど変わらない可能性がある。
L−ドパが担持された展開性多層状送達系(unfolding multilayer delivery system)が開発され、ビーグル犬に投与された。胃内視鏡により、展開性多層状送達系は投与後15分でその拡大サイズに展開し、少なくとも2時間その拡大サイズを維持することが示された。全体として、研究により、展開性CR胃保持性薬剤送達製剤は、L−ドパの延長された吸収および持続的な血中濃度を達成できることが示された。しかしながら、展開系は人の胃領域内に必要以上に長く滞留するリスクがあり、慢性的な療法には有効でない。
L−ドパは、すべてのPD患者に結局は必要とされる最も有効な抗パーキンソン病薬剤であるが、これらの送達系は、最適な吸収および後の中枢神経系(CNS)でのバイオアベイラビリティにつながるような、延長された期間にわたる一定かつ持続的なL−ドパの送達を得ることができないため、最適な臨床応答が得られない。さらに、L−ドパの代替的な投与の経路が探求されてきた(肺、直腸、静脈内、経皮および十二指腸など)が、経口経路は、慢性的な薬剤療法のために最も簡便な投与経路のままである。
したがって、L−ドパ、カルビドパと併用されるL−ドパ、または、ベンセラジドと併用されるL−ドパの一定の治療的血漿中濃度により、吸収および後のバイオアベイラビリティを改善させる経口製剤を使用した、より簡易化された治療様式の開発が必要とされる。
発明の概要
本発明の第1の局面に従うと、少なくとも1つの医薬活性成分の放出のための医薬投与形態(医薬剤形)であって、
少なくとも2つの架橋したポリマーから形成されるポリマーマトリックスと、
マトリックス内に組込まれ、少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つのリン脂質から形成されるポリマー−脂質ナノ粒子と、
少なくとも1つの医薬活性成分とを含有する、医薬投与形態が提供される。
医薬活性成分は、ポリマー−脂質ナノ粒子中に含まれてもよく、および/または、ポリマーマトリックス中に含まれてもよい。たとえば、1つの医薬活性成分はポリマー−脂質ナノ粒子中に含まれてもよく、別の医薬活性成分は、ポリマーマトリックス中に含まれてもよい。医薬活性成分の1つは、ヒトまたは動物の小腸内での放出を目的とされてもよく、別の医薬活性成分は、胃領域内での放出を目的とされてもよい。
ポリマーマトリックスを構成する2つの架橋したポリマーは、カチオン性ポリマーおよびアニオン性ポリマーであってもよい。カチオン性ポリマーは、酸可溶性であってもよく、ポリ(ブチルメタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート)1:2:1であってもよい。アニオン性ポリマーは水溶性であってもよく、カルボキシメチルセルロースナトリウムであってもよい。
ポリマーマトリックスを構成するために、中性ポリマーを用いてもよい。中性ポリマーは、ガラクトマンナンポリマーであってもよく、ローカストビーンに由来してもよい。
ポリマーの組合せにより、投与形態を胃保持性としてもよい。
ポリマー−脂質ナノ粒子を形成するために用いられるポリマーは、ポリ(ブチルメタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート)であってもよい。代替的には、ポリマーはキトサンであってもよく、さらに代替的には、ポリマーは、ポリ(ブチルメタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート)およびキトサンの組合せであってもよい。ポリマー−脂質ナノ粒子中のリン脂質は、レシチンであってもよい。
ポリマー−脂質ナノ粒子を形成するためにキレート剤を用いてもよく、キレート剤は、トリポリリン酸ナトリウムであってもよい。
医薬投与形態のポリマーマトリックスは、摂取されると、制御された態様で膨張することが可能であってもよく、この膨張により、マトリックス外への拡散による医薬活性成分の放出を引起してもよい。医薬活性成分の拡散は、ゼロ次形態で行われてもよい。ポリマーマトリックスは、マトリックスの膨張する能力をさらに増加させるために、添加剤を含んでもよい。この添加剤は多糖類ポリマーであってもよく、特に、この多糖類ポリマーはプルランであってもよい。
医薬活性成分はL−ドパであってもよく、L−ドパおよびカルビドパの組合せであってもよく、L−ドパおよびベンセラジドの組合せ、または、L−ドパ、カルビドパおよびベンセラジドの組合せであってもよい。
医薬投与形態は、パーキンソン病の治療における使用のためであってもよい。
本発明の第2の局面に従うと、実質的に上に記載したような医薬投与形態(医薬剤形)を調製する方法であって、
少なくとも2つのポリマーを架橋させることによりポリマーマトリックスを合成するステップと、
少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つのリン脂質からポリマー−脂質ナノ粒子を合成するステップと、
ポリマー−脂質ナノ粒子をポリマーマトリックス内に組込むステップと、
少なくとも1つの医薬活性成分をポリマーマトリックスまたはポリマー−脂質ナノ粒子内に組込むステップとを含む方法が提供される。
本発明の第3の局面に従うと、上に記載したような医薬投与形態(医薬剤形)の、疾患または病状を治療する方法において使用するための医薬を製造する方法における使用が提供される。医薬活性成分は、L−ドパであってもよく、L−ドパおよびカルビドパの組合せであってもよく、L−ドパおよびベンセラジドの組合せ、または、L−ドパ、カルビドパおよびベンセラジドの組合せであってもよい。疾患はパーキンソン病であってもよい。
本発明の第4の局面に従うと、パーキンソン病を治療する方法であって、実質的に上に記載したような投与形態(剤形)を、それを必要とする患者に投与するステップを含み、投与形態は、治療上有効な量のL−ドパ、L−ドパおよびカルビドパ、L−ドパおよびベンセラジド、または、L−ドパ、カルビドパおよびベンセラジドを含有する方法が提供される。
a)天然キトサン(CHT)、b)天然オイドラギット(EUD)、c)EUD/CHTナノ粒子およびd)EUDナノ粒子のFTIRスペクトルを示す図である。 レボドパが担持されたポリメタクリレートコポリマー/キトサン ポリ−リポナノ粒子の(a)拡大率×5000および(b)拡大率×5500の走査型電子顕微鏡画像である。 a)レシチンで架橋したEUD/CHTおよびb)多重架橋したEUDナノ粒子(×32)の画像を示す図であり、c)ポリマー−脂質ナノ粒子(×8000)およびd)ポリマー−脂質ナノ粒子(×2000)のTEM画像を示す図である。 マトリックス成分の顆粒およびレボドパの結晶を示す、直接圧縮されたIPBマトリックスの表面形態を示す、a)拡大率×173およびb)拡大率×10,178の図であり、c)凍結乾燥中の水分子の昇華後に残されたポアを示す、IPBマトリックスの水和化および凍結乾燥物の表面形態を示す、拡大率×168の図である。 インターポリマーブレンドの窒素吸着(+−赤色)および脱着(0−ワインレッド色)等温線である、直線等温線グラフを示す図である。 少なくとも2つのポリマーを架橋することによる本発明に従って形成されるインターポリマーブレンド(IPBs)についてのFTIRスペクトルを示し、a)天然LB、EUDおよびCMC、b)製剤E1〜E10、c)製剤E1〜E3を示す図である。 d)異なる規定度の酢酸中の製剤E1およびe)異なる規定度の酢酸中の製剤E3のIPBsについてのFTIRスペクトルを示す図である。 a)マトリックス硬度および変形エネルギ、ならびに、b)マトリックス弾性を測定するためのIPBsの典型的な力−距離プロファイルおよび力−時間プロファイルを示す図である。 溶解研究後にpHが4.5に増加するにつれて、a)インターポリマー錠剤マトリックスが(b)その三次元形状を失うことを示す図である。 ポリマーナノ粒子がインターポリマー錠剤マトリックス内に組込まれるとき、(a)インターポリマー錠剤マトリックス形状が、(b)pH4.5でその三次元形状を保持したことを示す図である。 (A)pH1.5でのインターポリマーブレンド内に組込まれたナノ粒子、(B)pH4.5でのナノ粒子を含有しないインターポリマーブレンドマトリックス、(C)0、3、6、9および12時間でのpH4.5でのインターポリマーブレンド内に組込まれたナノ粒子の、異なるpHでのマトリックスの機械的挙動変化の磁気共鳴画像を示す図である。 IPBマトリックスの典型的な胃付着性の力−距離プロファイルを示す図である。 1Nの付与力を使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E3の胃付着性プロファイル化を示す図である。 1Nの付与力を使用した、製剤E1〜E10の胃付着性プロファイル化を示す図である。 0.5Nの付与力を使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E3についての胃付着性プロファイル化を示す図である。 0.5Nの付与力を使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E1の上皮付着性プロファイル化を示す図である。 0.5Nの付与力を使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E1の上皮付着性プロファイル化を示す図である。 異なる規定度の酢酸中の製剤E3についての膨張度のプロファイルを示す図である。 溶解媒体として0.1N HClを使用した、製剤E1〜E10についての薬剤放出プロファイルを示す図である。 溶解媒体として0.1N HClを使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E1についての薬剤放出プロファイルを示す図である。 溶解媒体として0.1N HClを使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E3についての薬剤放出プロファイルを示す図である。 溶解媒体としてバッファpH1.5(標準バッファKCl/HCl)を使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E3についての薬剤放出プロファイルを示す図である。 溶解媒体としてバッファpH4.5(0.025M KHPO/HPO)を使用した、異なる規定度の酢酸中の製剤E3についての薬剤放出プロファイルを示す図である。 IPBマトリックス、Madopar(登録商標)HBSカプセル剤およびSinemet(登録商標)CRからのレボドパの比較用薬剤放出プロファイルを示す図である。 溶解媒体としてバッファpH1.5(標準バッファKCl/HCl)を使用した、IPBマトリックス内に埋込まれたポリマー−脂質ナノ粒子の薬剤放出プロファイルを示す図である。 溶解媒体としてバッファpH4.5(0.025M KHPO/HPO)を使用した、IPBマトリックス内に埋込まれたポリマー−脂質ナノ粒子の薬剤放出プロファイルを示す図である。
発明の詳細な説明
本発明は、少なくとも1つの医薬活性化合物または成分の放出のための医薬投与形態または医薬組成物を提供する。医薬投与形態は、ポリマーマトリックス、マトリックス内に組込まれたポリマー−脂質ナノ粒子および医薬活性成分を含む。
ポリマーマトリックスは、典型的には、少なくとも2つの架橋したポリマーから形成されるインターポリ電解質複合体である。ポリマーの1つは、カチオン性ポリマーであり得、典型的には、オイドラギット(登録商標)E100として市販の、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびメチルメタクリレート(たとえば、ポリ(ブチルメタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート)1:2:1を主体とするものなど、酸可溶性ポリマーである。別のポリマーは、たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど、好ましくは水溶性のアニオン性ポリマーであり得る。典型的には、ローカストビーンに由来のものなどのガラクトマンナンポリマーである中性ポリマーをポリマーマトリックス内に組込むこともできる。
カチオン性ポリマーおよびアニオン性ポリマーは、典型的には、約0.5:1の割合で配合されて、徐々に分解可能なゲル状の構造またはハイドロゲルが得られる。
ポリマー−脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つのリン脂質から形成される。好適なポリマーは、ポリ(ブチルメタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート)1:2:1(オイドラギットE100)などのカチオン性アクリレート型ポリマーであるか、または、キトサンなどのカチオン性多糖類型ポリマーであるか、またはこれらの組合せである。好適なリン脂質は、レシチンである。ナノ粒子は、ポリマーおよびリン脂質を混合し、トリポリリン酸ナトリウムなどのキレート剤によりそれらを架橋することにより形成される。塩または捕捉剤(sequestrator)などの他の架橋剤も使用することができる。形成されるポリマー−脂質ナノ粒子は、一般的には、内側コアおよび外側コアを有する球状である。ナノ粒子は、中空球状ナノカプセル剤であり得る。
1以上の医薬活性成分をポリマーおよびリン脂質溶液内に組込み、活性成分を担持したナノ粒子を生成することができる。
ナノ粒子および/または医薬活性成分は、ポリマーマトリックスと混合させるか、または、マトリックスが形成する前に、少なくとも2つのポリマーの混合物に添加することができる。同様に、1以上の医薬活性化合物、組成物または成分は、ポリマーマトリックスと混合させるか、または、マトリックスが形成する前に、2以上のポリマーの混合物に添加することもできる。特に、投与形態が、異なる速度または異なる部位での放出のために2つ以上の医薬活性成分を含有する場合、ナノ粒子に1つの活性成分を担持し、ポリマーマトリックスに別の活性成分を担持することができる。たとえば、ポリマー−脂質ナノ粒子内に組込まれる活性医薬成分は、対象の小腸内に放出されることを目的とする化合物であり得、ポリマーマトリックス内に組込まれる別の活性医薬成分は、対象の胃領域内で放出されることを目的とする化合物であり得る。
活性成分は、任意の医薬活性化合物であり得、典型的には、狭い窓の吸収の薬剤など、ヒトまたは動物の体による吸収の悪い化合物である。
医薬投与形態は、さまざまな活性医薬成分の、速度調節され、かつ部位特異的な送達のために、経口、皮下、膣、直腸または経皮経路のいずれか1つを介して投与可能であるように形成することができる。
特定の実施形態では、投与形態は、ポリマーマトリックス、ナノ粒子、ならびに、随意に賦形剤および添加剤などの追加の活性成分を混合し、配合して、混合物を圧縮することにより調製され得、高密度、膨張性および生体付着性の、ポリマー−脂質ナノ粒子が担持された徐放型胃保持性薬剤送達系(CR−GRDDS)が製造される。
本発明の同一または異なる実施形態では、投与形態は、パーキンソン病の治療のための抗パーキンソン病薬剤の放出を制御し、標的とする薬剤送達系であり得る。薬剤は、レボドパ(L−ドパ)、L−ドパおよびカルビドパ、L−ドパおよびベンセラジド、または、L−ドパ、カルビドパおよびベンセラジドであり得る。
一実施形態では、投与形態は、活性成分としてL−ドパを含有し、PDの治療用である。別の実施形態では、投与形態は、カルビドパと併用してL−ドパを含有する。さらに別の実施形態では、投与形態は、ベンセラジドと併用してL−ドパを含有する。CR−GRDDSは、本発明のためには、L−ドパなどの吸収の部位が制限される薬剤用の従来の投与形態に好ましい。吸収についての部位特異性は、下部消化管(GIT)に存在するpHでの薬剤の低溶解性、酵素分解、大腸内のミクロフローラによる薬剤分解、薬剤の化学的不安定性、および、GITの内容物への薬剤の結合による。本発明のCR−GRDDSは、これらの薬剤の吸収窓を超える延長された期間にわたり胃中に当該薬剤を保持することが可能であり、好適な吸収およびバイオアベイラビリティを確保し、胃または近接する小腸で必要とされる薬剤を標的とし、薬剤の不規則な濃度または悪影響を減少させ、治療の有効性を向上させる。したがって、服用頻度を減らすことができ、患者の治療計画に対する遵守がより起きやすい。
ポリマーマトリックスは、変更可能な物理化学特性および物理機械特性を有することができ、これにより、ナノ粒子の速度調節された拡散、機械的導入および放出が可能となり、その中に封入された医薬活性成分が放出される。ポリマーマトリックスは、膨張調節などのメカニズムにより、延長された期間にわたり、速度調節された動態で、好ましくはゼロ次放出動態で、活性医薬成分の放出を制御することが可能である。ポリマーマトリックスは、頑強な機械的強度により、その三次元ネットワークおよび形状を保持することも可能である。
ポリマーマトリックスは、摂取されると、制御された態様で膨張することができ、この膨張により、ナノ粒子のマトリックスの外への拡散による放出が行なわれた後、医薬活性成分が放出される。マトリックスは、元のサイズの4倍より大きなサイズに膨張することができ、たとえば、1時間後に>100重量%、12時間後に>350%、24時間後に>450%まで膨張できる。
マトリックス中のポリマーナノ粒子は、さもなければ三次元ネットワークが失われてしまう4.5および6.8などのより高いpH値で、マトリックスの機械的強度を向上させる。
本発明の投与形態の物理化学的特性および物理機械的特性の解明を以下の実施例で記載する。一定速度の送達で延長された期間にわたりL−ドパの吸収およびバイオアベイラビリティを改善させるために、出願人は、三重のメカニズムのアプローチにより新規のポリマー−脂質ナノ粒子がその中に組込まれた、新規のCR−GRDDSを開発した。脂質成分としてのリン脂質との相互作用において混合可能なポリマーが、第1の架橋剤、および随意に、第2の架橋剤としての捕捉剤により多重架橋されて、ポリマー−脂質ナノ粒子が作製される。ポリマー−脂質ナノ粒子は、2つのポリマーを含有し、随意に、第3のポリマーが組込まれてもよいインターポリ電解質複合体を合成することにより生成されたインターポリマーブレンド(IPB)中に埋込まれる。IPBは、塩生成により促進される均質な混合の後に、凍結乾燥および粉砕を伴う、簡便かつ効率的かつ複製可能な技術により生成される。ポリマー−脂質ナノ粒子は、IPB内に組込まれ、他の添加剤または賦形剤とともに直接圧縮されて、高密度、膨張性および生体付着性の、ポリ−リポナノ粒子担持CR−GRDDSが生成される。
本発明の投与形態は、膨張のため胃保持性である、ゼロ次放出を有する、リポナノ粒子のために優先的な吸収を有する、という三重の作用メカニズムを有する。
マトリックスは、ナノ粒子も保護する。
本発明に従って調製される投与形態の物理化学特性および物理機械特性を研究した。
以下の実施例では、一定速度の送達で延長された期間にわたり活性成分の吸収およびバイオアベイラビリティが得られるCR−GRDDSを設計するために、好適な活性成分の一例としてL−ドパを使用した。しかしながら、本発明の投与形態では、他の活性化合物を用いることができ、L−ドパ、L−ドパ/カルビドパ、L−ドパ/ベンセラジドおよびL−ドパ/カルビドパ/ベンセラジドは、ここの一例に過ぎないことが当業者には明らかとなるであろう。ポリマー−マトリックスおよびポリマー−脂質ナノ粒子を形成するために、他のポリマーおよびリン脂質を使用することも可能であり、ここに示されるもののみに限定されない。
材料および方法
材料
オイドラギットE100(登録商標)(EUD)(Evonik Rohm GmbH & Co. KG、ドイツ、ダルムシュタット)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)(Sigma-Aldrich Chemie GmbH、スイス、ブーフス(Buchs))、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン(Sigma-Aldrich Inc、ドイツ、シュタインハイム)、氷酢酸(Rochelle Chemicals、南アフリカ)、塩酸(HCl)(Rochelle Chemicals、南アフリカ)、Ceratonia siliqua種子由来のローカストビーン(Sigma-Aldrich Inc、ドイツ、シュタインハイム)、硫酸バリウム(BaSO)、一塩基性リン酸カリウム(KHPO)、Aureobasidium pullulans由来のプルラン(Sigma-Aldrich Inc、ドイツ、シュタインハイム)、水酸化ナトリウム(NaOH)、クロロホルム(Rochelle Chemicals、南アフリカ)、シリカ、塩化カリウム(KCl)(Saarchem、南アフリカ)、ステアリン酸マグネシウム(Merck Chemicals (Pty) Ltd.、南アフリカ)、オルトリン酸(BDH Chemicals、英国、プール)、キトサン(CHT)(食品グレード Wellable group、中国、福建省)、トリポリリン酸ナトリウム(TPP)(Sigma-Aldrich Inc、ドイツ、シュタインハイム)、および、レシチン(リポイドEPCS、リポイドAG、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)。
ポリマー−脂質ナノ粒子の合成
秤量した量のEUDおよび異なる量のCHT含有EUDを10mLの0.2N HClに溶解し、100mgのL−ドパをポリマー溶液中に添加した。リポイドEPCS(100mg)を1mLのクロロホルムに溶解し、10分間の機械的撹拌下でL−ドパを担持したポリマー溶液に添加した。0.2N酢酸に溶解した異なる濃度のTPPをさらに10分間の撹拌下で添加し、その後48時間凍結乾燥した。
ポリマー−脂質ナノ粒子の粒子径および表面電荷の分析
173°の角度に設置した非侵入性後方散乱技術を備えるZetaSizer NanoZS(Malvern Instruments、英国、マルバーン)機器を用いて、ナノ粒子径、粒子分布プロファイルおよびゼータ電位を発生させた。ナノ粒子径およびゼータ電位は、レシチンの添加後、次にTPPの添加後、最後に凍結乾燥後にプロファイル化した。
ポリマー−脂質ナノ粒子の化学構造変異の分析
PerkinElmer分光計(PerkinElmer Spectrum 100、英国、ビーコンズフィールド)を用いて、使用した天然ポリマーおよびポリマー−脂質ナノ粒子について、4000〜650cm-1の範囲にわたるFTIRスペクトルを得て、ナノ形成中に生じた化学構造遷移を解明した。
ポリ−リポナノ粒子の形成中のpHおよび吸光度変化の計算モデル化、測定
ポリマーと架橋剤との間の相互作用およびナノ粒子形成のメカニズムを解説するために、計算モデル化を行なった。ACD/l-Lab, V5.11(アドオン)ソフトウェア(Advanced Chemistry Development Inc.、カナダ、トロント、2000)を用いて、相互作用のメカニズムを描写するモデルおよびグラフィックスを得た一方で、いくつかの一般的な化学的概念および計量化学的モデル化概念を用いることにより、可能な相互作用を評価した。HyberChem(登録商標)8.0.8分子モデル化システム(Hypercube Inc.、米国、フロリダ州、ゲインズビル)およびChemBio3T Ultra 11.0(CambridgeSoft Corporation、英国、ケンブリッジ)を用いて、真空内での分子力学計算を行なった。pHおよび吸光度の変化は、ポリ−リポナノ粒子の形成のための方法論に記載されるように、物質の組込みの各段階で測定した。pHおよび吸光度は、ポリマーを0.2N HClに添加し、その後、レシチンおよびTPPを添加したときに測定した。吸光度はL−ドパの不在下で得られた。
ポリマー−脂質ナノ粒子の表面形態の評価
ポリマー−脂質ナノ粒子の表面形態分析は、デジタル顕微鏡観察を行なうことにより行なった。合成後のポリマー−脂質ナノ粒子のデジタル顕微鏡画像は、オリンパス製デジタル顕微鏡、オリンパスSZX−ILLD2−200(Olympus Corporation、日本、東京)を用いて得られた。粒子形状は、より高い精度および解像度を得るために、透過型電子顕微鏡(TEM)(Jeol 1200 Ex, 120 keV TEM、日本、東京)でさらに観察した。
ポリマー−脂質ナノ粒子の薬剤担持効率および薬剤封入効率の測定
百分率での薬剤担持効率を重量測定により求め、ナノ粒子中に担持される薬剤の量についてナノ粒子の能力を評価した。薬剤担持率は、式1を用いて、組込まれた薬剤およびナノ粒子の重量に基づき計算した。
薬剤封入効率は、ポリマー−脂質ナノ粒子を0.1N HCl中に分散させることにより測定し、媒体中の薬剤の量は分光測定により評価し、式2を使用して、製剤中で用いた薬剤の量に対するポリマー−脂質ナノ粒子中の薬剤の量を求めた。
レボドパを担持したポリ−リポナノ粒子の顕微鏡分析
凍結乾燥させたポリ−リポナノ粒子をカーボンテープ上に薄く広げて、金−パラジウムでコーティングした。電圧15KeVおよび電流6×10-10AmpでSEM(JEOL-JEM 840走査型電子顕微鏡、日本、東京)下でナノ粒子を観察した。
胃保持性薬剤送達系のポリマーマトリックス用のインターポリマーブレンド(IPB)の合成
EUDを粉砕して、50mLの0.1N酢酸中に溶解し、CMCを50mLの蒸留水に溶解した。透明なEUD溶液を透明なCMC溶液中に添加し、環境温度で3時間激しい撹拌下で撹拌した。3時間後、LBを添加し、15〜20分間撹拌した。形成されたインターポリマーブレンド(IPB)を48時間凍結乾燥させ、粉砕し、直接的圧縮に使用した。IPB内のポリマーの比を表1に示す。EUD−CMCを1:0.5および0.5:1の比でそれぞれ含有するIPB E1およびE3を、0.2N、0.4N、0.6N、0.8Nおよび1.0Nの酢酸中でさらに合成した。
インターポリマーブレンド(IPB)の化学構造変異の分析
PerkinElmer分光計(PerkinElmer Spectrum 100、英国、ビーコンズフィールド)を用いて、天然ポリマーおよびIPBについて、4000〜650cm-1の範囲にわたりFTIRスペクトルを得、天然ポリマーからのIPBの構造変化を解明した。
インターポリマーブレンドのマトリックスへの直接的圧縮
3トンでCarverプレス機(Carver Industries、米国)を用いて、表2に列挙するような添加剤および賦形剤とともにIPBを直接圧縮した。成分の混合は、次の順序で行なった。1)一定量のIPBを添加し、賦形剤と交互に混合した。2)まず、二酸化ケイ素をある量のIPBと混合し、次にL−ドパと混合し、その後プルランおよびBaSO4と混合し、ステアリン酸マグネシウムを最後に添加し、その後2分間連続的に混合した。
マトリックスの密度の測定
0〜150mmの電子デジタルノギスを用いて直径および厚さを求めることにより、各マトリックスの体積を求め、重量を重量測定により確認した。このように重量および体積を得て、各マトリックスについての密度を計算した。
マトリックスの物理機械的強度の評価
テクスチャ分析器(TA)(TA.XTplus、Stable Microsystems、英国)を用いて、力−距離プロファイルによりマトリックスの物理機械的強度を測定した。2mmの先端が平坦なスチール製プローブを用いてマトリックス硬度および変形エネルギを測定し、TAに取付けた36mmの円筒状プローブを用いてマトリックス弾性を測定した。データは、Texture Exponent Software(V3.2)により組込んだ。使用したパラメータ設定を表3に示す。
磁気共鳴画像法によるマトリックスの機械的挙動の評価
37℃に安定化させた小型0.5テスラ永久磁石および溶解フロースルーセルを備えたデジタルMARAN DRXコンソール(Oxford Instruments、英国、オックスフォードシャー)を有する磁気共鳴システム(MARAN−IP)を用いて、マトリックスの機械的挙動を観察した。ガラスビーズを用いてセルの円錐状下部を満たし、使用した溶媒の16mL/分の層流を得た。マトリックスをセル内に設置し、次に、セルをシステムの磁気孔内に配置した。磁気共鳴画像の取得は、別々に行われたバッファpH1.5およびpH4.5による連続的な溶媒フロー条件下で、Maran−iソフトウェアにより12時間にわたり1時間毎に行なった。画像取得パラメータを表4に示す。
IPBマトリックスの表面形態分析
IPBマトリックスの表面形態を評価するために、マトリックスサンプルをカーボンペーストを用いてアルミニウムスタブ上に設置した。その後、マトリックスに金−パラジウムをスパッタリングによりコーティングし、次に、Quanta(登録商標)走査型電子顕微鏡(FEI Quanta 400 FEG (ESEM) FEI Company、オランダ、アイントホーフェン)下で観察した。非水和化および水和化IPBマトリックスを顕微鏡下で見た。水和化IPBマトリックスをバッファpH1.5中に24時間放置し、−70℃でさらに1日冷凍し、凍結乾燥させた後、Quanta(登録商標)走査型電子顕微鏡下で見た。
IPBマトリックスの多孔度測定分析
多孔度測定分析器(ASAP 2020、Micromeritics、米国、ジョージア州、ノークロス)を用いてIPBマトリックスの表面積および多孔度分析を行なった。サンプル管(内径=9.53mm)内に嵌まるサイズを秤量し、脱気のためにサンプル管内に挿入した。サンプル管内へのガラスフィラーロッドの挿入は、全フリースペース体積を減少させることにより脱気時間の短縮を助けるために行なった。脱気条件は、排気期および加熱期を含むように設定した。使用したパラメータを表5に示す。脱気の約21時間後、サンプル管を分析口に移動し、BETおよびBJH分析に従って、表面積、多孔径および体積を測定した。分析は約5時間かかり、分析条件を表6に示す。
マトリックスの胃付着性試験
屠殺した豚から切除したばかりの胃組織を得て、0.1N HClで平衡化した。テクスチャ分析器(TA.XTplus、Stable Microsystems、英国)を用いて胃付着性強度を測定した。パラメータ設定を表7に示す。データはTexture Exponent Software(V3.2)により組込んだ。ピーク力および付着仕事量を用いてマトリックスの胃付着性を評価した。ピーク力は、マトリックスから組織を除去するために必要な最大力であり、付着仕事量は、力−距離プロファイルから測定した。
マトリックスの膨張の測定
マトリックスの膨張を0.1N HClで行なった。マトリックスを秤量し、ワイヤバスケットに入れ、100mLの媒体に沈ませ、37℃の振とう槽(オービタルシェーカーインキュベータ、LM-530、Laboratory and Scientific Equipment Co、南アフリカ)に入れた。質量の増加を24時間にわたり間隔をおいて重量測定により求めた。膨張度を式3を用いて求めた。
式中、Wtはt時点でのマトリックスの重量であり、Woはゼロ時点でのマトリックスの重量である。
インビトロでの薬剤放出研究
USP32装置II溶解システム(Erweka DT 700、Erweka GmbH、ドイツ、ホイゼンシュタム)を用いて薬剤放出を評価した。温度および撹拌速度をそれぞれ37±0.5℃および50rpmとし、溶解媒体を0.1N HCl、バッファpH1.5および4.5とした。サンプルを一定間隔で取出し、同量の新たな媒体と交換し、UV分光器を用いて放出されたL−ドパの量を定量化した。異なる規定度の酢酸中のIPBから製剤化されたE3マトリックスについてもインビトロの薬剤放出研究を行なった。バッファpH1.5(標準バッファKCl/HCl)、pH4.5(0.025N KH2PO4/H2PO4)およびpH6.8(標準バッファKH2PO4/NaOH)を使用して、マトリックスの挙動を観察したが、モデル薬剤であるL−ドパは、このようなpH値では不安定であるため、薬剤放出については使用しなかった。
比較用インビトロ薬剤放出研究および分析法
IPB、ならびに、従来の製品であるSinemet(登録商標)CRおよびMadopar(登録商標)HBSについて、900mLのバッファpH1.5中で、37±0.5℃および50rpmでUSP装置II溶解システム(Erweka DT 700、Erweka GmbH、ドイツ、ホイゼンシュタム)を用いて、比較用インビトロ薬剤放出研究を行なった。サンプルを24時間にわたり間隔をおいて取出した。取出す度に同量の新たな媒体を各容器に加えてシンク条件を維持し、メチル−ドパを内部標準として用いて、Acquity(登録商標)超高速液体クロマトグラフィ(UPLC、Waters(登録商標)、英国、マンチェスター)を用いて、L−ドパ、ベンセラジドおよびカルビドパの濃度を定量化した。水およびアセトニトリルを移動相として、0.500mL/分の流量で、98%A(水)、95%Aで0.50分、5%Aで0.70分、95%で1.00分で流して、勾配法を使用した。L−ドパ/ベンセラジドの操作時間は1.00分、L−ドパ/カルビドパの操作時間は1.20分であった。カラムは、Acquity UPLC(登録商標) BEH shield RP18 1.7 mm, 2.1 x l00 mmであった。使用した波長は210nm、注入量は1.2μl、温度は25℃であった。
ポリマー−脂質ナノ粒子のインターポリマーブレンド内への組込み
IPB内へのポリマー−脂質ナノ粒子の組込みは、先に記載したように、直接的圧縮を介して行なった。しかしながら、L−ドパ単独の代わりに、L−ドパを担持したポリマー−脂質ナノ粒子を組込み、先に記載したように、インビトロでの薬剤放出を評価した。IPB内への組込みに利用したナノ粒子の典型的な組成を表8に示す。
結果および考察
ポリマー−脂質ナノ粒子の調製
レシチンおよびTPPの存在下で、白色EUDナノ粒子およびクリーム状EUD/CHTを形成した。EUDとCHTとの間にポリマー混和性が観察されたが、これは、EUDおよびCHTがともにカチオン性ポリマーであるため、相互作用がまったく観察されなかったことによるためであり得る。しかしながら、配合を介したポリマーの個々の特性の向上が予想される。EUDはCHTほど粘稠性はなく、EUD単独ではL−ドパのカプセル化はより低いであろうと予想された。表面吸着は、EUD単独ではより高く、L−ドパの急速な放出につながる可能性がある。しかしながら、混合によりナノ粒子からの薬剤放出が調節されることが予測された。レシチンの添加の際、色変化(コロイド状分散)が観察され、レシチン(リン脂質)とポリマー溶液との間の相互作用の存在が示された。レシチンは、アニオン性リン脂質であり、カチオン性EUDとEUD/CHTポリマー溶液とを架橋させて、ポリマー−脂質ナノ粒子を生成する表面活性剤である。TPPを添加することにより、架橋度が増加し、ポリマー−脂質ナノ粒子からの薬剤放出速度に影響が及ぼされる。
ポリマー−脂質ナノ粒子のサイズおよび表面電荷の評価
レシチンの添加後のナノ粒子についての平均粒子径は、EUD単独では152nm〜EUD/CHTブレンドについては321nmの範囲であり、ゼータ電位は、15.8〜43.3mVの範囲であった。CHTの量が増加するにつれ、粒子径が増加した。さらに、架橋度がTPPの添加により増加するにつれ、粒子径は424nmに増加した。多分散指数は、0.19〜0.61の範囲であった。
ポリマー−脂質ナノ粒子の化学構造変位の評価
図1に示すようなFTIRスペクトルは、多重架橋によるナノ形成の間に生じた化学構造遷移を示した。天然ポリマーのスペクトルと比較して、ナノ粒子のスペクトルは、たとえば、EUDについての2769.74cm-1および1268.73cm-1でのピーク;CHTについての3357.51cm-1、1590.66cm-1および1024.66cm-1でのピークなど、天然ポリマーに見られたいくつかのピークの不在を示し、たとえば、EUDナノ粒子およびブレンド(EUD/CHT)で見られた1605cm-1でのピーク;各ナノ粒子製剤における架橋度により決定されると想定される、ブレンドにおいて1518.75〜1522.24cm-1に若干移行したEUDにおける1519cm-1でのピークなど、架橋後に新たなピークの出現を示した。さらに、たとえば、EUDにおける2949.11cm-1が2923.91cm-1に移行し、1722.39cm-1が1724.86cm-1に移行し、CHTにおける891.80cm-1が889.79cm-1に移行したなど、未だ存在すると考えられ得る天然ポリマーにおけるピークが若干移行した。
レボドパを担持したポリ−リポナノ粒子の顕微鏡分析
走査型電子顕微鏡法により、中空カプセル剤が、予想かつモデル化されたように(図2)確認される。
インシリコのモデル化、ポリ−リポナノ粒子の形成中のpHおよび吸光度変化
メタクリレートコポリマー(オイドラギットE100)の化学構造は、混入される物質に対してキトサンよりも多くの余地を所有するため、TPP架橋をより必要とする。(混入される物質である、ポリマーマトリックス内に組込まれるレシチン、レボドパおよびTPPによる)ナノ粒子合成が追従し得るパターンは、空間、初めに形成される粒子のサイズ、および、乱流の存在の有無に依存して、7つのうちいずれかが存在する。これらのパターンは、木の枝分かれ、節点空間充填、円錐アレイ形成、混合三角形形成、直線パターン、カオス状パターンおよび混合パターンである。本研究で起きたナノ粒子形成は、混合三角形形成または混合パターンであったと想定される。7つのパターンの説明は、本発明者らにより公表された論文で説明されている(Ngwuluka et al, 2011)。刊行物にはさらに、ポリ−リポナノ粒子の合成中に起きた相互作用メカニズムの予測のための静力格子原子シミュレーション(インシリコ)が記載されている。レシチンはアニオン性リン脂質であり、静電気的相互作用によりカチオン性メタクリレートコポリマーまたはメタクリレートコポリマー/キトサンポリマー溶液と架橋し、ポリマー−脂質(ポリ−リポ)ナノ粒子を生成する表面活性剤である。他の研究により、キトサンとリン脂質(レシチン)との間の相互作用が確認された(Grant et al. 2005, Hafner et al. 2009, Ho et al. 2005, Lim Soo et al. 2008, Sonvico et al. 2006, Zahedi et al. 2009)一方で、本研究では、メタクリレートコポリマーとレシチンとの間の相互作用が観察された。TPPの捕捉および架橋の機能は、さらに成分をナノ粒子状複合体に結合させる。TPPの添加により架橋度が増加し、ポリ−リポナノ粒子からの薬剤放出速度に影響が及ぼされた。ポリマーおよびTPPの濃度の増加により、ナノ懸濁液のpHが増加した(表9)。ポリメタクリレートコポリマー/キトサンブレンドについては、より多くの成分が添加されるにつれpHが増加した。しかしながら、pHの増加は、TPPが添加されたときにより顕著であった。さらに、メタクリレートコポリマー単独、すなわち、B9では、L−ドパの添加からレシチンの添加まで、pHの変化はなかった。
ポリマー溶液へのレシチンの添加の際、色変化(コロイド状分散)が観察され、レシチン(リン酸脂質)とポリマー溶液との間の相互作用の可能性が示された。色変化は、カプセル状の壁の形成または表面活性によるものであり得るとも想定された。さらに、色変化は、インシリコのモデル化によって裏付けられたエネルギ撹乱を表わし得る。酸素励起により色変化が生じ、すなわち、プロトンが吸収されて、残りの可視スペクトル波長は反射し返される。配合されたポリマー溶液(メタクリレートコポリマーおよびキトサン)へのTPPの添加により、酸素関連機能(より高い度合いの励起可能な酸素原子、共役化酸素を含有する基が、キトサンおよびTPPに存在する)のため、よりクリーム状の色が生じた。吸光度により示されるような可視光の強度は、レシチンおよびTPPがポリマー溶液に添加されるにつれて増加する(表10)が、これは、色変化、および、ポリマー溶液とイオン剤(レシチンおよびTPP)との間のその後の相互作用も示している。しかしながら、メタクリレートコポリマー−レシチンブレンドへのTPPの添加により、吸光度が減少することが観察される。これは、十分な粒子状複合体形成を達成するために、利用されたよりも多い量のTPPを必要とする、メタクリレートコポリマーの化学的基盤のためである。
ポリマー−脂質ナノ粒子の表面形態
凍結乾燥前にデジタル顕微鏡およびTEM下で見ると、球状構造のナノ粒子が観察された。図3は、レシチン単独で架橋したEUD/CHTおよび多重架橋したEUDナノ粒子のデジタル画像を示す。
CHTとのブレンドと比較してEUDナノ粒子のより小さなサイズが、デジタル画像によりさらに確認された。TEM画像により、粒子の球状な性質がさらに確認され、粒子がナノカプセル状であることも示され、拡大(×20000)TEM画像は、内側コアと外側コアとを示した。
IPBマトリックスの表面形態分析
非水和化および水和化IPBポリマーマトリックスのQuanta(登録商標)走査型電子顕微鏡画像を図4a、図4bおよび図4cに示す。ポアは非水和化マトリックスでは不可視である。ポアは、溶媒浸透および薬剤溶解により形成され、可視となっている。溶解媒体またはバッファがマトリックス中の初期の空隙を埋めるにつれ、L−ドパが溶解し、溶媒のマトリックス内への浸透により形成されたポアを介して外に拡散する。ポアの形成は、プルランなどの他の成分の溶解にも関与すると想定される。図4cの顕微鏡画像により、IPBマトリックスは、多孔性かつ膨張可能な放出系であることが確認される。他のメカニズムの中でも、ポアは、マトリックスからのL−ドパの拡散、および、放出の拡散制御されたメカニズムに寄与する。図4cに示すようなポアは均一でなく、さらに、マトリックスからのL−ドパの放出は、ポアを介する薬剤溶解および拡散ならびにマトリックスの膨張のためであり得る。
IPBマトリックスの多孔度測定分析
図5は、得られた直線等温線グラフを示し、これは、ヒステリシスループ(おそらくH2)が、通常メソポアで生じる毛管凝縮に関連する、物理吸着等温線型IVに特有の等温線である。脱着分岐に沿って吸着された体積の急激な低下のため、吸着および脱着等温線の強制的な閉鎖(引張り強度効果)が0.30〜0.35のP/Poの範囲で起きた。表11は、直線等温線グラフを裏付ける、得られた結果の概要であり、IPBマトリックスが主にメソポアであることを示している。ポアの約92%がメソポアである。ミクロポアの不在がt−プロットにより確認された。t−プロットは、ミクロポア径を求めるためには使用されないが、ミクロポア体積に関する情報を提供する。IPBのミクロポア体積はマイナス(−0.000673cm3/g)であり、その結果、ミクロポア面積は測定され得なかった。したがって、IPBマトリックスは主にメソポア状であり、IPBからの薬剤放出の可能なメカニズムの1つが拡散であることを示している。
ポリマー−脂質ナノ粒子の薬剤担持効率
薬剤担持効率は93%であることがわかった。ポリマー−脂質ナノ粒子は、85%の高い薬剤封入効果を有していた。形成は段階的であったが、洗浄、遠心分離またはデカンテーションはなかった。ナノ粒子内への薬剤の組込みは、カプセル封入および表面吸着の組合せであることが想定される。
インターポリマーブレンドの合成
透明なEUDのCMC溶液への添加の際、EUDおよびCMCそれぞれの1:0.5および1:1の混合比について、CMCゲル内で白色筋(white strands)が見られ、このような比での不完全な相互作用が示された。したがって、3時間後に、生成物は白色筋を有する縺れたゲルとして出現した。しかしながら、EUDおよびCMCそれぞれの0.5:1の比では、不溶性の均質な白色ブレンドが形成された。0.5:1の比では、EUD、カチオン性ポリマーおよびCMC、アニオン性ポリマーは相互作用し、インターポリ電解質複合体を形成した。この複合体形成に関与した相互作用は、強いイオン会合、水素結合および親水性相互作用であった。EUDは酢酸イオンと相互作用することにより、ポリマーのアンモニウムカチオンを安定化させる。EUDがCMCに添加されるにつれて、2つのポリマー間の架橋を向上させる酢酸ナトリウムが生成された。撹拌が起きるにつれて、水の存在下で、酢酸分子および水が親水性相互作用により保持されて、酢酸ナトリウムが生成された。EUDおよびCMCが完全に中和化するには、閾架橋を得るために十分な塩を生成するのに、過剰なCMCが必要とされた。白色の不溶性インターポリ電解質複合体が、より粘度の低いブレンドでは明確な0.5:1の比(EUD:CMC)で形成された。インターポリ電解質複合体の最終粘度は、CMCの初期粘度および酢酸の規定度に依存していた。酢酸の規定度が0.1〜1.0Nに移行するにつれて、インターポリ電解質複合体の粘度は低下した。粘度の増加以外に、LBの添加により観察されるブレンドの大幅な変化はなかった。これは、LBが中性ガラクトマンナンポリマーであるためと予想された(Alves et al. 1999; Camacho et al. 2005; Sittikijyothin et al. 2005)。LBの親水性基は、存在する水分子と会合し、LBが膨張するにつれて粘度はさらに増加する。IPB内に保持された水分子は、凍結乾燥中に昇華され、乾燥した多孔IPBが得られる。しかしながら、多孔度は、酢酸の規定度の増加とともに増加した。
インターポリマーブレンドの化学構造変異の分析
天然ポリマーのスペクトルを図6A(a)に示し、製剤についての化学構造遷移を図6A(b−c)および6B(d−e)に示す。
EUDについて特徴的なピークは、2821.42cm−1、2769.84cm−1、1725cm−1、1270.38cm−1、1239.56cm−1、1143.69cm−1、962.05cm−1、842.49cm−1、および747.81cm−1で見られ、CMCの特徴的なピークは、3210.04cm−1、1587.18cm−1、1411.77cm−1、1321.86cm−1、および1019.59cm−1に存在していた。EUDとCMCとのブレンドは化学的相互作用であったが、LBの組込みは物理的相互作用であると予想された。EUDとCMCとの間の化学的相互作用は、製剤E3に見られるような、0.5:1の均質な比でのEUDの特徴的ピークの消失または衰弱につながった。2821.42cm-1および2769.84cm-1でのEUDの脂肪族アルデヒドピークは、製剤E3では消失していたが、製剤E1(比1:0.5)およびE2(1:1)には未だ存在していた。他の製剤は、EUD:CMCそれぞれの同じ比1:0.5、1:1、0.5:1を主体としていた。したがって、注目されるのは、初めの3つのE1、E2およびE3であろう。E1およびE2に存在していた747cm-1でのEUDのピークは、E3では消失した。しかしながら、1725cm-1での明らかなカルボニルピークは、E3では衰弱していたが、E2およびE3では未だ顕著であった。これは、いくつかのカルボニル基が相互作用に関与していたであろうが、脂肪族アルデヒド基は、凍結乾燥中に昇華した脂肪族アルコールに変換されていたであろうことが示され得る。EUDの1143.69cm-1のピークは、1145.59cm-1と些細に移行したが、E1およびE2では明確なままであり、E3では、1019.59cm-1から移行した1019.12cm-1のCMCの特徴的なピークへの肩ピークとして出現した。図6bでは、青色スペクトルはE10であり、CMCのより高い濃度を有しているため、CMCの特徴的ピークは、1587.18cm-1、1411.77cm-1、1321.86cm-1および1019.59cm-1でより顕著であった。化学的構造変化に対するLBの影響力は、LBに特徴的な868.06cm-1でのピークを有していたE1のスペクトルを除いて、スペクトルからは見られなかった。これも、E1がより異種性のブレンドであることによる。さらに、E3の均質性により、さまざまな周波数またはピークでの吸光度に若干の差異しかないほぼ重なり合ったスペクトルが得られ(図6e)、1.0N酢酸中のE3は、1725cm-1、1589cm-1、1408cm-1、1268.50cm-1および1019cm-1のピークに最も高い吸光度を有していた。しかしながら、E1スペクトルは、各スペクトルの吸光度の差異が明確であったため、重なり合っていなかった。
インターポリマーブレンドのマトリックスへの直接的圧縮
IPBは直接的に圧縮可能であり、脆弱ではなかったが、これは、緻密性を向上させるために賦形剤が必要ないであろうことを示している。本研究で添加された賦形剤は、密度向上剤(BaSO4)、流動特性を向上させるための滑剤(シリカ)および潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム)であり、プルランを生体付着剤として用いた。直接的圧縮は、必要とされる賦形剤および操作工程がより少ないため、費用効果が高い。直接的圧縮は、湿度に敏感なL−ドパなどの安定性が課題の薬剤に好適である。実際、それは、熱不安定性かつ湿度敏感性薬剤用に選択される錠剤化方法として見なされる(Jivraj, et al. 2000)。IPBは、2および3トンの圧縮で優れた適合性を示し、脆弱性、キャップ形成または積層形成は一切見られず、モデル薬剤のL−ドパと適合可能であることがわかった。
マトリックスの密度の評価
表12に示される、各製剤からのマトリックスの密度間の差異はわずかであった。密度は1.43〜1.54g/cm3の間の範囲であった。得られた密度は、胃の胃内容物よりも著しく密度が高いため、マトリックスの胃腔に沈む能力を示していた。延長された胃滞留時間を確保するために、2.4g/cm3を超える密度が高密度送達系のために提唱されているが、IPBマトリックスは、高密度、膨張性および胃付着性の3つの胃保持のアプローチを使用しているため、推奨されるより低い密度でも胃滞留が得られると予想される。過去の生理学的研究から、非崩壊性単一ユニット薬剤送達系は、摂食期において胃内に残留し、ハウスキーピング波により空になるであろうことが言える(Davis et al. 1986)。送達系は、ハウスキーピング波のため、摂食状態よりも絶食状態での方が胃からなくなりやすい。したがって、1.4g/cm3の密度を有し、胃pHで非崩壊性のIPBマトリックスは、摂取されると、胃腔に沈み、ハウスキーピング波の間のみ空になるであろう。さらに、延長された胃滞留時間を確保するためには、摂食状態の間に服用され得る。
マトリックスの物理機械的強度分析
マトリックス硬度(MH)およびマトリックス弾性(MR)は、マトリックスの安定性、および、圧縮中に圧力に耐える能力、および、テクスチャ分析中に加えられる圧縮応力後に元の寸法に回復する能力を示すため、物理機械的強度分析が行なわれた。MRは、薬剤放出動態にも影響を及ぼす。MHおよびMRは、溶解媒体のマトリックス内への浸透速度に影響を及ぼすことによりマトリックスからの薬剤放出プロファイルに影響を及ぼす、マトリックスの密度および多孔度を示す(Nur, 2000)。より少ないMHおよびMRは、応力を加えると崩壊する空隙の存在を示し得る。多孔度も、必要となる変形エネルギの量を決定する。マトリックスが硬いほど、吸収されるエネルギはより少なく、変形エネルギがより多いため、MRにも影響が及ぼされる。マトリックスの製剤化に利用されるポリマー固有の特性もMHの度合を決定する。本研究では、凍結乾燥はポリマーの物理機械的特性も強化し得、天然ポリマーにその三次元ネットワークを保持させることが観察された。表13に示されるような異なる製剤は、34.720〜39.707N/mmの範囲のより優れたMHを示し、変形エネルギは0.012〜0.014Nmの範囲であり、MRは44.25〜47.65%の範囲であった。したがって、すべての製剤は、より優れた物理機械的強度を有し、処理ストレス要因に耐えることが可能であろう。得られた典型的な力−距離プロファイルおよび力−時間プロファイルを図7に示す。図7aは、マトリックス硬度および変形エネルギを示し、図7bは、IPBのマトリックス弾性を示す。
ポリマーナノ粒子はマトリックスの機械的強度を向上させる
インターポリマーブレンドは、pH1.5ではその三次元ネットワークを維持するpH反応性材料であるが、4.5などのより高いpHでは表面侵食が起こる。しかしながら、ポリ−リポナノ粒子は、ポリマーブレンド内に組込まれ、圧縮され、三次元ネットワークは、24時間の薬剤放出研究にわたりいずれのバッファ型でも維持される。研究により、マトリックスの機械的強度を向上させるためにナノ粒子を使用できることが分かった(Beun et al. 2007, Gojny et al. 2005, Gomoll et al. 2008, Park, Jana 2003, Rapoport et al. 2004, Saha, Kabir & Jeelani 2008, Zhang et al. 2003)。これらの研究では、機械的特性を向上させるために無機ナノ粒子を用いた。しかしながら、本研究では、ポリマーナノ粒子がポリマーマトリックスの機械的強度を向上させ、より高いpHでのポリマーマトリックスの侵食性応答を防止した。インターポリマーブレンドマトリックスの機械的強度に対するナノ粒子の影響力の画像図を図8および図9に示す。
磁気共鳴画像法を用いて、ポリ−リポナノ粒子の不在下および存在下で、インターポリマーブレンドの機械的挙動を確認した。図10Aは、ナノ粒子がポリマーブレンド内に組込まれたときにpH1.5で得られた画像を示す。図10Bは、pH4.5でのナノ粒子を含まないインターポリマーブレンドの漸進的な侵食を示し、図10Cは、pH4.5でのナノ粒子の組込みの際のマトリックスの向上を示す。0、3、6、9および12時間で得られた画像を図10に示す。マトリックスの周りを囲んでいるのは溶解媒体であり(灰色部分)、錠剤マトリックス内の黒色部分は、錠剤の非水和化部分であり、白色部分は、水和化、膨張化およびゲル化部分を示す。マトリックスが水和化するにつれ、マトリックスが完全に水和化されるまで白色部分の厚みが時間とともに増加する。pH4.5でのインターポリマーブレンド中のナノ粒子の存在により表面侵食が防止された。図10Aの画像と比較して、白色部分の厚みがより小さくなるにつれて、マトリックス内への溶媒のより少ない浸透が図10Cで観察され、したがって、膨張およびゲル化はより少ない。より少ない水の浸透は、インターポリマーブレンドのpH応答性にも一部原因がある。錠剤マトリックス中のナノ粒子の存在により、侵食が防止され、ナノ粒子とインターポリマーブレンドとの間の静電気的相互作用のため、マトリックスの三次元ネットワークが保持されたと予想される。
マトリックスの胃付着性試験
さまざまな濃度のポリマーおよび規定度の酢酸のIPBマトリックスは、図12〜図16に示されるように、胃付着性であることがわかり、図11は、得られた典型的な胃付着性の力−距離プロファイルを示す。胃粘膜表面と、生体付着性ポリマーから製剤化された薬剤送達系との間の相互作用は、共有結合、水素結合、ファンデルワールス力などの静電気力、鎖連結および疎水性相互作用を含み(Lee et al., 2000; Thirawong et al., 2008; Woodley 2001)、これらの相互作用は、pHおよびイオン条件により規制される。ポリマーと粘膜との間の相互作用の度合は、粘膜粘度、縺れ度合および水含有率にも依存する(Lee et al., 2000)。付与力が0.5N〜1Nに増加するにつれ、ピーク付着力および付着仕事量は増加した。付与力が増加すると、粘膜と薬剤送達系との間の界面に粘弾性変形が生じることにより、密着性が増加する(Lee et al., 2000)。使用した接触時間は5秒であったが、胃付着性の結果は胃付着性強度と釣り合っており、胃付着性強度は、接触時間が増加するにつれて増加し、その後、ポリマー鎖の相互浸透を増加させる。ピーク付着力および付着仕事量は、IPBマトリックスが胃上皮に付着するとより高くなることがわかった。これは、マトリックス中のAureobasidium pullulansに由来するプルランである微生物付着剤の存在により向上された可能性がある。微生物付着は、上皮への粘膜付着を増加させる能力を有すると仮定される(Vasir et al. 2003)。
マトリックス膨張の評価
ポリマーマトリックスからの薬剤放出動態は、ネットワークの構造的特徴、水和化のプロセス、ポリマーの膨張および分解により影響される(O'Brien et al., 2009)。溶解媒体がマトリックスにより吸収されるにつれ、膨張が生じ、組込まれた薬剤は溶解し、ポアを介してマトリックスの外部に拡散する。拡散速度は膨張度に依存することにより、時間とともに放出される薬剤の量に影響を及ぼす。膨張は、ポリマー−溶媒相互作用、薬剤の存在、および架橋度に影響される(Kim, Bae et al., 1992)。架橋度を増加させると、膨張度が低下することにより、水分含有率および、後のハイドロゲルからの薬剤の拡散が減少する(Wise, 1995)。EUD単独により製剤化されたマトリックスは、酸性媒体に溶解し、CMC単独では、その三次元ネットワークが失われるとともに、元のサイズの384%に膨張する。しかしながら、形成されたEUD/CMCブレンドは、CMCよりもずっと大きく膨張する。LBの添加の際、その親水性基は、EUD/CMCブレンドの水分保持能力と関連することにより、ブレンドの膨張度を300%未満に低下させる。表14は、t=24時間でのさまざまな製剤の膨張度を示す。しかしながら、日中に時間間隔をおいた膨張度を測定するためには、E3が選ばれた。製剤E3が選ばれたのは、インター−ポリ電解質複合体が(0.5EUD:1.0CMC)の比で得られたためであり、図17は、24時間にわたる膨張度のプロファイルを図示する。酢酸の規定度が229%の0.1N酢酸〜202%の1.0N酢酸に増加するにつれて、膨張度が減少することが観察された。
インビトロの薬剤放出研究
薬剤放出プロファイルが得られ、マトリックスの三次元ネットワークが24時間の期間にわたり保持された。しかしながら、水和化マトリックスの物理的接触の際の溶解後、E5が最も軟らかいことが観察された。これは、より強い相互作用を得るためにより多くのCMCが必要とされたため、弱い会合を有するCMCの濃度よりも3倍より高い、EUDのより高い濃度のためである。崩壊するのに接触の際圧力が少し必要であったのは、E3、E7、およびE10であり、これは、EUDよりもCMCが製剤中により多く存在するためである。図18において、製剤E3、E7およびE10の薬剤放出プロファイルは異なっていた。弱い相互作用およびIPBの合成中の最小限の塩生成のため、並んだプロファイルにおける架橋度はほとんどないか全くなかった可能性がある。マトリックスはその三次元ネットワークを保持していたため、薬剤放出のメカニズムは明らかに膨張および拡散によるものであった。E1を選び、異なる規定度の酢酸で合成した。しかしながら、図19に示されるように、プロファイルは実質的に互いに並びあっていたため、それほど大きな差異は観察されなかった。規定度が増加するにつれて酢酸イオンはより増加したが、CMCのより低い濃度のため、閾架橋のために必要な塩は生成されなかった。しかしながら、E3を選んだとき(図20)には、薬剤放出に差異が見られた。プロファイルの差異は、酢酸の規定度が異なると架橋度も異なることを示す。溶解媒体0.1N HClおよびバッファpH1.5(標準バッファKCl/HCl)中のマトリックスは、それぞれ図20および図21の薬剤放出プロファイルを生成し、それでもなお三次元ネットワークを保持した。したがって、これらの媒体に関与する薬剤放出のメカニズムは、マトリックスの膨張、溶解、次に、マトリックスからの薬剤の同時の拡散であった。興味深いことに、pHが4.5に増加するにつれ、マトリックスは時間とともに膨張したが、24時間の期間を通して漸進的な表面侵食があった。これは、IPBからの薬剤放出パターンのパターンが、pH依存的であり得ることを示す。結果的に、図22に示されるようなpH4.5での薬剤放出プロファイルは、pH1.5または0.1N HClで得られる薬剤放出プロファイルとは異なっていた。侵食速度が水和化速度よりも大きいとき、表面侵食が起き、マトリックスの膨張(溶解媒体の吸収の速度)が一定速度で起き、侵食の再現可能な動態、および、通常ゼロ次である薬剤放出が得られる(Pillai, 2001; Faisant et al., 2002; Burkersroda et al., 2002; Siepmann, 2001)。したがって、pH4.5での薬剤放出のメカニズムは、主に、表面侵食、次にマトリックスの膨張、溶解、そして後のマトリックスからの薬剤の拡散であり、ゼロ次放出動態が得られる。マトリックスは、24時間後完全に侵食しないことが分かった。しかしながら、酢酸の規定度が増加するとともに侵食の度合が減少し、これにより、図22に示されるように、薬剤放出プロファイルに影響が及ぼされた。他の製剤よりも大きく侵食した0.1N酢酸中のE3について、より直線的な薬剤放出プロファイル(ゼロ次)が得られ、これは、侵食が放出の主要なメカニズムであったであろうことを示す。pH6.8で溶解が行なわれたが、注目すべきは薬剤放出ではなく、pH6.8でのマトリックスの挙動であった。これは、使用されたモデル薬剤がpH6.8で不安定であるため、薬剤放出率が得られなかったためである。しかしながら、マトリックスには表面侵食も起きたことが分かった。
比較用インビトロ薬剤放出研究
図23は、IPBマトリックス、ならびに、従来の投与形態であるMadopar(登録商標)HPSおよびSinemet(登録商標)CRの比較用薬剤放出プロファイルを示す。IPBマトリックスでは、より直線的なプロファイルが得られた。従来の投与形態と比較して、インターポリマーブレンドは、一定の治療的血中濃度により、L−ドパ/カルビドパの吸収および後のバイオアベイラビリティを改善させ得る経口送達系としての見込みを示す。
密度およびインターポリマーブレンド中に埋込まれたポリマー−脂質ナノ粒子からのインビトロでの薬剤放出
L−ドパが担持されたIPBの薬剤放出プロファイルと比較して、IPBマトリックス内に埋込まれた、L−ドパが担持されたポリマー−脂質ナノ粒子は、24時間の期間にわたり薬剤放出率を減少させた。図24および図25に図示する。L−ドパが担持されたIPBからの溶解媒体pH1.5中での最も低い薬剤放出率は、0.8911であり、IPBマトリックス内に埋込まれたL−ドパ ポリマー−脂質ナノ粒子の最も低い薬剤放出率は、0.6896であった。pH4.5での減少した水和率のため、L−ドパ担持IPBからの最も低い薬剤放出率は、0.6445であった。しかしながら、IPBマトリックス内に埋込まれたL−ドパ担持ポリマー−脂質ナノ粒子からの薬剤放出は、pH4.5ではずっと低かった。これは、ナノ粒子の存在による、IPBのさらに低下した水和率および膨張率によるものであった。IPBは、pH4.5でのポリマー−脂質ナノ粒子の存在下では侵食しないことも観察された。ナノ粒子とIPBとの間の相互作用は、pH4.5で生じ、マトリックスの表面侵食を予防した可能性があることが予想される。したがって、表面侵食、より低い水和化率および膨張率の不在下では、およそ50%のL−ドパが、24時間後に、IPBマトリックス内に埋込まれたL−ドパ担持ポリマー−脂質ナノ粒子から放出された。しかしながら、架橋度によりL−ドパの放出率が低下した可能性があることも観察された。さらに、ポリマーの量および架橋剤の量を減少させることにより薬剤担持効率を改善させると、IPBマトリックス内のポリマー−脂質ナノ粒子からの薬剤放出率が増加し得る。
結論
高い薬剤封入が可能であり、薬剤放出率を調節することの可能な、多重架橋したポリマー−脂質ナノ粒子が合成された。インター−ポリ電解質複合体は、0.5:1(EUD:CMC)の化学量論比で形成された。L−ドパなどの狭い吸収窓の薬剤の吸収およびバイオアベイラビリティを改善させる潜在性を有する、三重メカニズムの胃保持性薬剤送達系が設計、開発された。さらに、胃腔で保持されて、連続的な放出を促進し、延長された期間にわたって一定かつ持続的な速度でのL−ドパの放出を調節し、吸収およびその後のバイオアベイラビリティを向上させることにより、効果的な治療予後を達成するポリマー−脂質ナノ粒子状胃保持性マトリックスが設計された。
引用文献

Claims (50)

  1. 少なくとも1つの医薬活性成分の放出のための医薬投与形態であって、前記医薬投与形態は、
    少なくとも2つの架橋したポリマーから形成されるポリマーマトリックスと、
    少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つのリン脂質から形成され、前記ポリマーマトリックス内に組込まれるポリマー−脂質ナノ粒子と、
    少なくとも1つの医薬活性成分とを含有する、医薬投与形態。
  2. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子は、前記医薬活性成分を含む、請求項1に記載の医薬投与形態。
  3. 前記ポリマーマトリックスは、前記医薬活性成分を含む、請求項1に記載の医薬投与形態。
  4. 前記2つの架橋したポリマーは、カチオン性ポリマーおよびアニオン性ポリマーである、請求項1から3のいずれかに記載の医薬投与形態。
  5. 前記カチオン性ポリマーは、ポリ(ブチルメタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート)1:2:1である、請求項4に記載の医薬投与形態。
  6. 前記アニオン性ポリマーは、カルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項4または5のいずれかに記載の医薬投与形態。
  7. 前記ポリマーマトリックスは、追加的に、中性ポリマーである第3のポリマーから形成される、請求項1から6のいずれかに記載の医薬投与形態。
  8. 前記ポリマーの組合せにより、前記医薬投与形態が胃保持性となる、請求項7に記載の医薬投与形態。
  9. 前記中性ポリマーは、ガラクトマンナンポリマーである、請求項7または8に記載の医薬投与形態。
  10. 前記中性ガラクトマンナンポリマーは、ローカストビーンに由来する、請求項9に記載の医薬投与形態。
  11. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子中の前記ポリマーは、メタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート 1:2:1である、請求項1から10のいずれかに記載の医薬投与形態。
  12. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子中の前記ポリマーは、キトサンである、請求項1から10のいずれかに記載の医薬投与形態。
  13. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子中の前記ポリマーは、メタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート 1:2:1およびキトサンである、請求項1から10のいずれかに記載の医薬投与形態。
  14. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子中の前記リン脂質は、レシチンである、請求項1から13のいずれかに記載の医薬投与形態。
  15. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子は、前記ポリマーおよび前記リン脂質をキレート剤により架橋することにより形成される、請求項1から14のいずれかに記載の医薬投与形態。
  16. 前記キレート剤は、トリポリリン酸ナトリウムである、請求項15に記載の医薬投与形態。
  17. 前記ポリマーマトリックスは、摂取されると、制御された態様で膨張し、前記医薬活性成分を放出する、請求項1から16のいずれかに記載の医薬投与形態。
  18. 前記ポリマーマトリックスは、前記マトリックスの膨張する能力を増加させる少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1から17のいずれかに記載の医薬投与形態。
  19. 前記添加剤は、多糖類ポリマーである、請求項18に記載の医薬投与形態。
  20. 前記多糖類ポリマーは、プルランである、請求項19に記載の医薬投与形態。
  21. 前記ポリマーマトリックスは、少なくとも1つの賦形剤をさらに含む、請求項1から20のいずれかに記載の医薬投与形態。
  22. 前記医薬活性成分は、レボドパである、請求項1から21のいずれかに記載の医薬投与形態。
  23. 2つの医薬活性成分を含み、第1の医薬活性成分は、前記ポリマー−脂質ナノ粒子内に組込まれ、第2の医薬活性成分は、前記ポリマーマトリックス内に組込まれる、請求項1から22のいずれかに記載の医薬投与形態。
  24. パーキンソン病の治療における使用のための、請求項1から23のいずれかに記載の医薬投与形態。
  25. 医薬活性成分の放出のための医薬投与形態を調製する方法であって、前記方法は、
    少なくとも2つのポリマーを架橋することによりポリマーマトリックスを合成するステップと、
    少なくとも1つのポリマーおよび少なくとも1つのリン脂質からポリマー−脂質ナノ粒子を合成するステップと、
    前記ポリマー−脂質ナノ粒子を前記ポリマーマトリックス内に組込むステップとを含み、
    前記医薬活性成分は、前記ポリマーマトリックスおよび/または前記ポリマー−脂質ナノ粒子のいずれかに添加される、方法。
  26. 前記医薬活性成分は、前記ポリマー−脂質ナノ粒子に添加される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記医薬活性成分は、前記ポリマーマトリックスに添加される、請求項25に記載の方法。
  28. 前記2つの架橋したポリマーは、カチオン性ポリマーおよびアニオン性ポリマーである、請求項25から27のいずれかに記載の方法。
  29. 前記カチオン性ポリマーは、メタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート 1:2:1である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記アニオン性ポリマーは、カルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項28または29に記載の方法。
  31. 前記メタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート 1:2:1:カルボキシメチルセルロースナトリウムの比は、0.5:1である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記ポリマーマトリックスを合成するために、中性ポリマーも用いられる、請求項25から31のいずれかに記載の方法。
  33. 前記中性ポリマーは、ガラクトマンナンポリマーである、請求項32に記載の方法。
  34. 前記中性ガラクトマンナンポリマーは、ローカストビーンに由来する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子を合成するために用いられる前記ポリマーは、メタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート 1:2:1である、請求項25から34のいずれかに記載の方法。
  36. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子を合成するために用いられる前記ポリマーは、キトサンである、請求項25から34のいずれかに記載の方法。
  37. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子を合成するために用いられる前記ポリマーは、メタクリレート−co−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリレート−co−メチルメタクリレート 1:2:1およびキトサンである、請求項25から34のいずれかに記載の方法。
  38. 前記ポリマー−脂質ナノ粒子を合成するために用いられる前記リン脂質は、レシチンである、請求項25から37のいずれかに記載の方法。
  39. 前記ポリマーおよび前記リン脂質を架橋するために、キレート剤が用いられる、請求項25から38のいずれかに記載の方法。
  40. 前記キレート剤は、トリポリリン酸ナトリウムである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記マトリックスの膨張を増加させる能力を有する少なくとも1つの添加剤が、前記ポリマーマトリックス内に組込まれる、請求項25から40のいずれかに記載の方法。
  42. 前記添加剤は、多糖類ポリマーである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記多糖類ポリマーは、プルランである、請求項42に記載の方法。
  44. 少なくとも1つの賦形剤が、前記ポリマーマトリックス内にさらに組込まれる、請求項25から43のいずれかに記載の方法。
  45. 前記医薬活性成分は、レボドパである、請求項25から44のいずれかに記載の方法。
  46. 少なくとも2つの医薬活性成分が前記医薬投与形態内に組込まれ、第1の医薬活性成分は、前記ポリマー−脂質ナノ粒子内に組込まれ、第2の医薬活性成分は、前記ポリマーマトリックス内に組込まれる、請求項25から45のいずれかに記載の方法。
  47. 請求項1から24のいずれかに記載の医薬投与形態を含有し、前記医薬活性成分は、治療上有効な量で含まれる、医薬組成物。
  48. 前記医薬活性成分は、レボドパである、請求項47に記載の医薬組成物。
  49. 治療上有効な量の少なくとも1つの医薬活性成分を、それを必要とする患者に投与するステップを含み、前記医薬活性成分は、請求項1から24のいずれかに記載の医薬投与形態の一部である、パーキンソン病を治療する方法。
  50. 前記医薬活性成分は、レボドパである、請求項49に記載の方法。
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