JP2013541530A - プロセスおよびシステム - Google Patents

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Abstract

(a)粗芳香族ジカルボン酸固体を、少なくともろ過工程から再循環された水を用いて供給物調製領域中でスラリー化する工程、(b)気相のフラッシュ蒸気を、結晶化工程、ろ過工程および乾燥工程の内の少なくとも1つから供給物調製領域に供給する工程、(c)スラリー化された芳香族ジカルボン酸固体を、溶液を形成するために予熱する工程、(d)加熱された溶液を水素化に供する工程、(e)純芳香族ジカルボン酸を結晶化させる工程、(f)純芳香族ジカルボン酸の結晶をろ過して取り出し、単一段階ろ過プロセスで水を回収する工程、(g)回収された水の少なくとも一部を、供給物調製領域に供給する工程、および(h)ろ過された結晶を乾燥し回収する工程を含み、ここで、結晶化工程、ろ過工程または乾燥工程の内の少なくとも1つから回収されたフラッシュ蒸気は、およそ大気圧から5バールの圧力を有する気相流として回収され、相変化せずに供給物調製領域に供給される、芳香族ジカルボン酸の精製のためのプロセス。また、芳香族ジカルボン酸の精製のためのシステムおよびそのための供給物調製容器も記載される。
【選択図】図1

Description

本発明は、テレフタル酸およびイソフタル酸を含む芳香族ジカルボン酸の精製のためのプロセス、システムおよび装置に関する。より具体的には、プラントの水についての要件が、先行技術の構成のシステムよりも簡易化されている統合システムに関する。
典型的には、粗テレフタル酸はp−キシレンの酸化によって製造される。酸化は、溶媒として酢酸を用いて触媒の存在下で行われる。次いで、溶液はテレフタル酸を結晶化するために段階的に冷却される。次いで、テレフタル酸結晶を酢酸溶媒から取り出す必要があり、これは通常、ロータリー真空フィルターを使って実施され、その後、乾燥工程で残留湿分が除去される。
より具体的には、純テレフタル酸の製造のためのプラントにおいて、粗テレフタル酸固体は水と混合され、粗テレフタル酸の結晶が溶解するまで加熱される。次いで、粗テレフタル酸は不純物を除去するために水素化され、その後精製テレフタル酸が結晶化される。次いで、結晶はろ過、乾燥される。粗テレフタル酸固体を水に溶解するために、高い温度、従って高い圧力が必要とされる。非常に多くの熱がプロセスに加えられるので、必然的に、精製プラント全体にわたって排気流が発生する。これらの排気流は水蒸気を含む。それらは、再利用すれば全体のエネルギー消費の節減につながるエネルギー供給源となる。
テレフタル酸を精製するための典型的なプラントは大きいので、凝縮によって排気流を液相に変換し、得られた凝縮液を別の容器に収集後、プラントの最初の工程に戻す必要がある。例えば、純テレフタル酸の乾燥器からの水蒸気は、典型的には冷却水で凝縮され、得られた凝縮液は再利用のためにプラント内の別の場所にポンプで送られる。冷却水を用いて凝縮を行うと、排気流中のエネルギーが無駄に消費され、全体のエネルギーの削減が達成されない。
典型的な従来の精製プラントを模式的に図1に示す。このプロセスでは、粗テレフタル酸固体はライン1を通って供給物調製容器2に添加され、そこで、粗テレフタル酸固体は、ライン3を通って容器2に添加された水でスラリー化される。次いで、そのスラリーは、ライン4を通って予熱器5に送られ、そこで加熱される。予熱器5からの凝縮液は、ライン6を通ってベントスクラバー(vent scrubber)7に送られる。
次いで、粗製の水/テレフタル酸溶液は予熱器5からライン8に取り出され、水素化反応器9に送られて、そこでライン10を通って添加された水素と接触する。水素化によって不純物は除去され、純テレフタル酸はライン11を通って結晶化領域12に送られ、そこで純テレフタル酸が結晶化される。結晶化領域12からのフラッシュ流は、ライン13を通って予熱器5に戻される。予熱領域に戻す必要がない余剰のフラッシュ流はライン14に取り出され、ろ過ユニット16からの排気ガスと混合される。
純テレフタル酸の結晶スラリーは結晶化領域12から取り出され、ライン15を通って、通常遠心分離機および/またはロータリー真空フィルターを使用する二段階プロセスである分離ユニット16に送られる。分離ユニット16からの排気ガスはライン17に取り出され、そこで、ライン14からのすべての余剰フラッシュ流と混合され、ベントスクラバー7に送られる。洗浄水はライン19に添加される。水洗浄液は分離ユニット16からライン20に取り出され、ベントスクラバー7に送られる。
ろ過ユニット16で抽出された母液はライン21に取り出され、母液フィルター22に送られる。パージはベントスクラバー7からライン23に取り出され、ライン21で母液と混合されて母液フィルター22に送られる。フラッシュ流24は母液フィルター22から取り出され、ベントスクラバー7へ送られる。母液フィルター22に集められた全ての純テレフタル酸固体はライン25に回収され、ろ過母液はライン26に取り出され、システムに戻される。
湿潤純テレフタル酸結晶はろ過ユニットからライン27に取り出され、乾燥器28に供給される。次いで、乾燥された純テレフタル酸結晶はライン29に取り出され、テレフタル酸貯槽30に送られ、そこから必要に応じてライン31に取り出すことができる。
乾燥器28からの蒸気はライン32に取り出され、乾燥器の凝縮器33に送られる。凝縮液は凝縮器からライン34に取り出され、ベントスクラバー7に送られる。乾燥器の凝縮器からの排気はライン35に取り出される。
脱イオン水は、ライン36を通ってベントスクラバー7に添加される。
すなわち、従来のプロセスは排気を集めて凝縮する構成を有するが、これらの構成では典型的には、各排気流に対して別々の容器を必要とする。一般に、別々の容器が必要とされるのは、二段階分離をすることによる配置の制約からであり、その二段階分離では、分離の最初の工程で生成されるケークは、結晶を洗浄するために脱イオン水で再スラリー化され、次いで得られたスラリーは分離の第二工程で分離されて純テレフタル酸の湿潤ケークが得られ、それはさらに乾燥されてもよい。
先行技術の構成は純テレフタル酸を効果的に回収することができるが、プロセススキームはエネルギー回収およびプロセス機器の利用という点では劣っている。特に、プロセス中の様々な段階で水を凝縮し、その水をプラントの最初の工程に輸送するために、多数の機器が必要である。冷却水が凝縮媒体として利用されるので多量の熱が失われ、これを、超高圧スチーム(very high pressure steam)の使用を増やして補う必要がある。典型的には、超高圧スチームは90から110バールである。
これに関連して、プロセス全体を通して生成される流れは、高圧流または低圧流のいずれかに分類することができることが理解されよう。高圧流は、従来のプラントの設置範囲に必要な長さに渡るパイプラインのいかなる圧力損失をも克服できる十分な圧力を有するため、再循環に使える十分な圧力を有するものである。そのような高圧流は一般に、低圧流より温度が高い。これは流れの露点が流れの圧力と相関しているからである。一般に、テレフタル酸またはイソフタル酸の精製で生成される高圧流は、5バール/160℃から約50バール/265℃の範囲である。そのような流れは粗スラリーを加熱するのに利用できる有用なエネルギーを含む。
そのような高圧流を用いて粗テレフタル酸から精製テレフタル酸を製造するためのプロセスの一例が、国際特許公開第93/24441号に記載されている。このプロセスは、粗テレフタル酸を水性媒体と混合して水性粗テレフタル酸混合物を形成する工程と、実質的にすべての粗テレフタル酸を水性媒体に溶解するために、混合物より高い温度の水性媒体蒸気中に導入することにより混合物を加熱する工程と、次いで粗テレフタル酸水溶液中の不純物を化学的に低減させ、続いて結晶化プロセスで純テレフタル酸を回収する工程と、を含む。蒸気は典型的には結晶化プロセス由来のスチームである。
別のシステムでは、高圧流は予熱器の熱交換器の高温側に供給されてよい。さらに、これらの流れは推力がかなり大きいため、一般に、あらゆる圧力損失を克服するのに十分な推力が存在することになるため、粗テレフタル酸供給スラリー領域に直接注入または供給される流れは必要ない。
上記の高圧流に加えて、低圧流がプロセスで発生することになる。そのような流れとしては、純芳香族ジカルボン酸乾燥器中に放出された水蒸気、純テレフタル酸またはイソフタル酸母液ドラムからのフラッシュ流、排気蒸気および圧力フィルターからの不活性ガスが挙げられる。これらの流れの内の最初の2つはおよそ大気圧で、残りは約2から約3バールで生成されることになる。テレフタル酸精製のための従来のプラント設計では、分離工程が二段階であり、プラントのレイアウトが非常に広いので、一般にこれらの流れを別々に凝縮した後にベントスクラバーに移送する必要がある。次いで、得られた液流はプラントの最初の工程にポンプで送られ、粗スラリーの製造に必要なスラリー水の一部を形成することができるが、一般にこれらの蒸気流を運ぶ管は、圧力降下、および流れに含まれるいずれかの固体によって管が閉塞される可能性を最小限に抑えるために、できる限り短くなければならないことが要求されている。従って、こうした流れは低級熱と見なされ、通常その熱は冷却水に失われるか大気に放出される。すなわち、熱および水が共に失われる。
また、現在使われている排気システムは爆発性雰囲気を形成する可能性もある。特定の状況下では、空気がシステム中に吸引されて爆発性雰囲気を生成しうる。その上、または、別の状況下では、水素が存在することにより排気ガスが爆発の危険性を示す場合がある。システムに酸素が入った場合、排気ガスは大気への放出で引火しうる。
m−キシレンの酸化によって製造されるイソフタル酸の製造においても類似のプロセスが使用され、同じ問題に直面している。
従って、芳香族ジカルボン酸精製のための、水および/または熱の回収率が最大限に高められたプロセスシステムを提供することが望ましい。これは、プラントレイアウト、従ってその設置面積を減少させることができるように、単純化された分離システムを使用することにより実現されることが好ましい。これは、低圧のフラッシュ流の少なくとも一部が回収され、粗芳香族ジカルボン酸固体をスラリー化するために使用され、エネルギー効率の良い方法で粗芳香族ジカルボン酸のスラリーを生成するために使用されることを意味する。さらに、それらは発生したのと同じ気相で使用することができる。
好ましい態様では、フラッシュ流の熱は、システムに添加された補給水を必要な温度に加熱するために使用される。さらに、爆発の危険性を低下させることが望ましい。
本発明の第1態様に従って、
(a)供給物調製領域中で、粗芳香族ジカルボン酸固体を、少なくともろ過工程から再循環された水を含む水でスラリー化する工程、
(b)気相のフラッシュ蒸気を、結晶化工程、ろ過工程および乾燥工程の内の少なくとも1つの工程から供給物調製領域に供給する工程、
(c)スラリー化された芳香族ジカルボン酸固体を、溶液を形成するために予熱する工程、
(d)加熱された溶液を、水素化に供する工程、
(e)純芳香族ジカルボン酸を結晶化させる工程、
(f)純芳香族ジカルボン酸の結晶をろ過して取り出し、一段階ろ過プロセスで水を回収する工程、
(g)回収された水の少なくとも一部を、供給物調製領域に供給する工程、および
(h)ろ過された結晶を乾燥し回収する工程
を含み、ここで、結晶化工程、ろ過工程または乾燥工程の内の少なくとも1つの工程から回収されるフラッシュ蒸気は、およそ大気圧から5バールの圧力を有する気相流として回収され、相変化せずに供給物調製領域に供給される、芳香族ジカルボン酸の精製のためのプロセスが提供される。
図1は、従来のプロセスの概略図である。 図2は、本発明のプロセスの概略図である。 図3は、供給物調製領域の一態様である。
純芳香族ジカルボン酸は、供給物調製領域に供給された粗芳香族ジカルボン酸より純度の高い芳香族ジカルボン酸を意味する。
粗芳香族ジカルボン酸固体は一般に、粉末状の形態で供給物調製領域に供給されることになる。
工程(a)に戻される工程(f)から回収された水は、フィルターで使用される洗浄水になる。また、供給物調製領域に再循環された水には、予熱工程などの他の工程からの水も含まれる。加えて、工程(a)に供給される水は新鮮な脱イオン水を含んでいてよい。
供給物調製領域に供給されるフラッシュ蒸気は、結晶化工程、ろ過工程および乾燥工程の内の1つ以上の工程から供給されてよい。一態様ではこれらの工程の2つから、別の態様ではこれら3工程すべてから供給されることになる。1つの実施形態では、利用可能なすべてのフラッシュ蒸気が供給物調製領域に送られる。これは、必要な機器数が最小限になるので特に有利である。これは、一段階ろ過プロセスを使用することにより可能である。
回収されるフラッシュ流の圧力は一般に、大気圧から5バールの圧力である。一態様では、5バール未満である。適した圧力としては、約1バール、約2バール、約3バールまたは約4バールが挙げられる。そのような流れの温度は一般に、約160℃以下である。
これらの低圧流を元の気相に保つことは、粗芳香族ジカルボン酸スラリー領域での熱回収率が最大限に高められ、空気または水などの冷却媒体への熱損失が最小限に抑えられることを意味する。従って、粗酸のスラリー形成のために使用される水の加熱において、これらの低温の流れから最大の熱量が取り出される。その他の必要な加熱量が満たされた後の余剰分の熱だけが冷却水または大気に失われる。
任意の好適な量の水が供給源調製領域に供給されてよい。一般に、加熱によって実質的にすべての粗芳香族ジカルボン酸を溶解するのに十分な量の水が添加されることになる。
一態様では、追加的に補給水が供給物調製領域に添加される。補給水は任意の適した供給源から添加されてよく、好ましくは脱イオン水である。水はスプレーとして添加されてよい。これは、供給物調製領域に存在し得る孔から確実に粗芳香族ジカルボン酸固体を洗浄することができるという利点がある。フラッシュ蒸気からの熱は全ての補給水を必要な温度に加熱する。
過剰のフラッシュ蒸気は凝縮されてよく、一態様では、凝縮液は供給物調製領域のスラリー混合部分に供給されることになる。この好ましい態様の利点のひとつは、比較的きれいな水蒸気流が、結晶化またはろ過工程から取り出される比較的汚れたプロセス流から分離されていることである。このことにより、「汚れた」プロセス流から、より濃縮されたパージを取り出すことが可能となり、補給水の所要量が最小限に抑えられる。
予熱工程のための熱は、任意の適した供給源から供給されてよい。一態様では、プロセスの後続の工程、例えば、結晶化工程からのフラッシュ蒸気によって供給される。
凝縮液は予熱器から凝縮液取り出されてよく、取り出された場合、それは供給物調製ゾーンに再循環されてよい。パージは予熱器から取り出されてよく、取り出された場合、それは母液フィルターに送られてよい。
ろ過は任意の適した手段で実施されてよい。一態様では、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願PCT/GB2010/051170号に記載されているようなロータリー圧力フィルターが使用されてよい。洗浄水は一般にフィルターに供給され、使用済み洗浄液は供給物調製領域に再循環されてよい。不活性ガスは圧力フィルターに供給されてよく、フィルター排気ガスが供給源調製領域に供給されることが好ましい。
排気ガスが存在する場合、それをロータリー圧力フィルターから取り出し供給物調製領域に供給することで、供給物調製領域が常にわずかな正圧になることが保証され、爆発性雰囲気が形成される危険性を最小限に抑えられる。また、供給物調製領域に不活性ガスが存在すると、この領域に存在する全ての水素が、確実に、引火限界よりも十分低く希釈され、爆発混合物の生成を防ぐことができる。
すなわち、好ましい態様に従えば、供給物調製領域中の圧力は決して大気圧より低くならず、空気がシステムに侵入できないことが保証される。
ロータリー圧力フィルターの使用によりフィルターケークを洗浄するのに必要な水の量は低減され、従って、供給物調製領域に添加する必要がある補給水の全体の要水量は増加しない。
ろ過工程で抽出された母液は一般に、母液フィルターに送られる。
次いで、芳香族ジカルボン酸の純粋結晶は、任意の適したプロセスに従って乾燥されることになる。一態様では、乾燥は、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願PCT/GB2011/050944号に記載のプロセスおよび装置に従って実施される。
芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸またはイソフタル酸が好ましい。
本発明の第2態様に従って、
(a)粗芳香族ジカルボン酸固体のための入口、少なくともフィルターから再循環された水のための1つ以上の入口、および大気圧から5バールの圧力の気相のフラッシュ蒸気のための1つ以上の入口を有し、前記フラッシュ流は、結晶化領域、フィルターおよび乾燥器の内の少なくとも1つから回収される、供給物精製領域、
(b)スラリー化された芳香族ジカルボン酸固体が溶液を形成する予熱器、
(c)水素化反応器、
(d)結晶化領域、
(e)純芳香族ジカルボン酸の結晶を取り出すための単一段階フィルター、
(f)フィルターから水を回収し、少なくともその一部を供給物調製領域に供給する手段、
(g)ろ過された結晶のための乾燥器、および
(h)結晶化領域、フィルターおよび乾燥器の内の少なくとも1つからの気相のフラッシュ蒸気を回収するための手段
を含む、芳香族ジカルボン酸を精製するためのシステムが提供される。
任意の適したフィルターが使用されてよい。一態様では、フィルターはロータリー圧力フィルターであり、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願PCT/GB2011/051170号に記載されているようなロータリー圧力フィルターが使用されてよい。
任意の適した乾燥器が使用されてよい。一態様では、乾燥器は、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願PCT/GB2011/050944号に記載のものである。
芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸またはイソフタル酸であることが好ましい。
供給物調製領域の容器は、任意の適した構造であってよい。しかしながら、好ましい態様では、
(a)(i)粗芳香族ジカルボン酸固体のための入口、
(ii)再循環液のための入口、
(iii)プロセスフラッシュ蒸気のための入口、
(iv)補給水のための入口、および
(v)粗芳香族ジカルボン酸スラリーのための出口
を有する混合領域、ならびに
(b)前記混合領域の上に設置されたベント凝縮器
を含む容器である。
ベント凝縮器は一般に、冷却媒体の出入りのための手段を含む。ベント凝縮器は、混合領域に直接または適した配管によって接続されてよい。
容器は、補給水のための入口部位に配置された熱回収コイルを備えていることが好ましい。補給水入口は水スプレーの形状であってよい。粗芳香族ジカルボン酸粉末が一緒に運ばれることがないように、追加の水スプレーが備えられてよい。
一態様では、容器はさらに混合手段を備えていてよい。これらは任意の適した構造であってよい。一態様では、それは底入式撹拌器(bottom entry
agitator)である。
本発明を、添付する図面を参照して、ここに例として説明する。
図面は略図であり、商業プラントにおいては、さらに還流ドラム、ポンプ、真空ポンプ、コンプレッサー、ガスリサイクルコンプレッサー、温度センサー、圧力センサー、圧力安全弁、制御弁、フローコントローラ、レベル制御器などの機器が必要な場合があることは、当業者には理解されるであろう。そのような付属の機器を設けることは本発明の一部ではなく、従来の化学エンジニアリングの通例に従う。
参照を簡単にするため、テレフタル酸の精製を参照してプロセスを説明する。しかしながら、記載されたプロセスをイソフタル酸のような他の芳香族ジカルボン酸の精製のためのプロセスに応用できることは理解されるであろう。
本発明のプロセスおよびシステムの好ましい態様を図2に示す。粗テレフタル酸粉末はライン50を通って供給物調製領域51に送られる。そこで、粗テレフタル酸粉末は水中でスラリー化される。この水には、ライン52に添加された補給脱イオン水と、結晶化領域55、ろ過ユニット56および乾燥器57からライン58に添加されたフラッシュ流と、ろ過ユニット56からライン59に添加された洗浄液と、母液フィルター61からライン60に添加されたフラッシュ流と、が含まれる。ライン58、59および60を通って供給物調製領域51に添加された流れに含まれる熱は、ライン52を通って添加された補給水を加熱するために利用される。排気口62は供給物調製領域51に設けられている。
粗テレフタル酸は水中でスラリー化され、次いでライン63を通って予熱領域53に送られ、そこでテレフタル酸が水に溶解するように加熱される。凝縮液パージはライン64に取り出され、母液フィルター61に送られる。しかしながら、大部分の凝縮液はライン65に取り出され、ライン59中に供給され、その後供給物調製領域51に送られる。結晶化ユニット55からのフラッシュ流もまた、ライン66を通って予熱領域53に送られる。
溶解した粗テレフタル酸はライン67を通って反応器54に送られ、そこでライン68を通って添加された水素の存在下で水素化される。この水素化によって、流れの中の不純物が除去される。生成物流はライン69を通って結晶化領域55に送られる。フラッシュ流の一部は結晶化領域55から取り出され、上記のとおり、ライン66を通って予熱領域53に送られる。過剰のフラッシュ流は結晶化領域55からライン70に取り出され、流れ58中に添加されて供給物調製領域51に戻される。
結晶化された純テレフタル酸のスラリーはライン71を通ってろ過ユニット56に送られる。任意の適したろ過装置が使用されてよい。一態様では、それは圧力フィルターデバイスである。不活性ガスはろ過ユニット56に供給される。不活性ガスはライン72に添加され、洗浄水はライン73に添加される。使用された洗浄液はライン59に取り出され、供給物調製領域51に戻される。純テレフタル酸母液はライン73中に取り出され、母液フィルター61に送られる。母液フィルターに到達する全ての純テレフタル酸固体が収集され、ライン74に取り出される。母液はライン75に取り出される。
ろ過ユニット56からの排気ガスはライン76に取り出され、ライン58中で他の流れと混合され、供給物調製領域に戻される。湿潤純テレフタル酸はろ過ユニット56から取り出され、ライン74を通って乾燥器57に送られる。乾燥器57からの蒸気はライン77に取り出され、他の流れと混合され、ライン58を通って供給物調製領域に戻される。
乾燥した純テレフタル酸は乾燥器からライン78に取り出され、純テレフタル酸貯蔵容器79に送られ、そこからライン80に取り出すことができる。
適した供給物調製領域の1例を図3に示す。容器81は粗テレフタル酸粉末のための入口82を有する。補給水はライン83に添加される。熱回収コイル84が具備される。再循環液はライン85に添加される。粉末が液体中でスラリー化されるように混合手段86が具備される。スラリーはライン87に取り出される。プロセス中の下流からのフラッシュ蒸気はライン88に添加される。
ライン83中の補給水の一部は、加熱後、ライン94によって容器81に供給され、残りはライン93を通ってプロセス中の他の場所で使用される。
ベント凝縮器89は容器81の上に設置される。冷却媒体はライン90に添加され、ライン91に取り出される。非凝縮排気はライン92に取り出される。

Claims (11)

  1. (a)粗芳香族ジカルボン酸固体を、少なくともろ過工程から再循環された水を用いて供給物調製領域でスラリー化する工程、
    (b)気相のフラッシュ蒸気を、結晶化工程、ろ過工程、および乾燥工程の内の少なくとも1つから、供給物調製領域に供給する工程、
    (c)スラリー化された芳香族ジカルボン酸固体を、溶液を形成するために予熱する工程、
    (d)加熱された溶液を水素化に供する工程、
    (e)純芳香族ジカルボン酸を結晶化させる工程、
    (f)純芳香族ジカルボン酸の結晶をろ過して取り出し、一段階ろ過プロセスで水を回収する工程、
    (g)回収された水の少なくとも一部を、供給物調製領域に供給する工程、および
    (h)ろ過された結晶を乾燥し、回収する工程
    を含み、ここで、結晶化工程、ろ過工程または乾燥工程の内の少なくとも1つの工程から回収されるフラッシュ蒸気は、およそ大気圧から5バールの圧力を有する気相流として回収され、相変化せずに供給物調製領域に供給される、芳香族ジカルボン酸の精製のためのプロセス。
  2. 供給物調製領域に再循環された水は、予熱工程からの水を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 供給物調製領域に供給されたフラッシュ蒸気は、結晶化工程、ろ過工程および乾燥工程の内の2つ以上の工程からのものである、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 供給物調製領域に供給されたフラッシュ蒸気は、結晶化工程、ろ過工程および乾燥工程からのものである、請求項3に記載のプロセス。
  5. 補給水が供給物調製領域に添加される、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. ろ過がロータリー圧力フィルターを用いて実施される、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸またはイソフタル酸である、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. (a)粗芳香族ジカルボン酸固体のための入口、少なくともフィルターから再循環された水のための1つ以上の入口、ならびに、結晶化領域、フィルターおよび乾燥器の内の少なくとも1つから回収され、大気圧から5バールの圧力の気相のフラッシュ蒸気のための1つ以上の入口を有する供給物精製領域、
    (b)スラリー化された芳香族ジカルボン酸固体が溶液を形成する予熱器、
    (c)水素化反応器、
    (d)結晶化領域、
    (e)純芳香族ジカルボン酸の結晶を取り出すための単一段階フィルター、
    (f)フィルターから水を回収し、少なくともその一部を供給物調製領域に供給する手段、
    (g)ろ過された結晶のための乾燥器、および
    (h)結晶化領域、フィルターおよび乾燥器の内の少なくとも1つから、気相のフラッシュ蒸気を回収するための手段
    を含む、芳香族ジカルボン酸の精製のためのシステム。
  9. 芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸またはイソフタル酸である、請求項8に記載のシステム。
  10. (a)(i)粗芳香族ジカルボン酸固体のための入口、
    (ii)再循環液のための入口、
    (iii)大気圧から5バールの圧力の気相のプロセスフラッシュ蒸気のための入口、
    (iv)補給水のための入口、および
    (v)粗芳香族ジカルボン酸スラリーのための出口
    を有する混合領域、ならびに
    (b)混合領域の上に設置されたベント凝縮器
    を含む、供給物調製容器。
  11. 芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸またはイソフタル酸である、請求項10に記載の供給物調製容器。
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