JP2013525788A - より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー - Google Patents

より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー Download PDF

Info

Publication number
JP2013525788A
JP2013525788A JP2013506424A JP2013506424A JP2013525788A JP 2013525788 A JP2013525788 A JP 2013525788A JP 2013506424 A JP2013506424 A JP 2013506424A JP 2013506424 A JP2013506424 A JP 2013506424A JP 2013525788 A JP2013525788 A JP 2013525788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
gel
hydroxyethyl
tris
electrophoresis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2013506424A
Other languages
English (en)
Inventor
セヴィニ,ピエール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dgel Electrosystem Inc
Original Assignee
Dgel Electrosystem Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dgel Electrosystem Inc filed Critical Dgel Electrosystem Inc
Publication of JP2013525788A publication Critical patent/JP2013525788A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44747Composition of gel or of carrier mixture
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D57/00Separation, other than separation of solids, not fully covered by a single other group or subclass, e.g. B03C
    • B01D57/02Separation, other than separation of solids, not fully covered by a single other group or subclass, e.g. B03C by electrophoresis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

ゲル電気泳動の、保存期間の延長、および/または加速もしくは分解改善、またはブロット用途のための転写効率改善、または加速および分解改善、または加速および転写効率改善を目的とし、またトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、少なくとも一つの双性イオン、および水を含む電解液が提供される。電解液は、例えばウェスタンブロットのような、ゲル電気泳動のための緩衝系において、およびゲル電気泳動のためのゲルの調製において用いることができる。
【選択図】なし

Description

開示される発明は、全体としてゲル電気泳動に関するものである。より具体的には、開示される発明は、ゲル電気泳動の、加速もしくは分解改善、または加速および分解改善を目的とした、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、少なくとも一つの双性イオン、および水を含む電解液に関するものである。
ゲル電気泳動は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ポリペプチド、およびタンパク質などの生体分子の分離のための一般的な手法である。ゲル電気泳動において、分子は、付与される電場によって引き起こされる、濾過用ゲルを通した分子の泳動の速度にしたがって、バンドに分離される。
この技術において利用される基本的な装置は、ガラス管の中に入れられるか、ガラス製もしくはプラスチック製のプレートの間にスラブとして挟み込まれるか、またはプラスチックトレーの中に注がれるゲルから成る。ゲルは、導電性のバッファーで満たされる細孔を定める、目の粗い分子ネットワーク構造を有する。ゲルの至る所にあるこれらの細孔は、泳動する高分子を通過させるのに十分に大きい。
ゲルは、ゲルと電力供給の陰極または陽極との間を電気的に接触させるバッファーと接触して、槽の中に置かれる。高分子および追跡用染料を含むサンプルが、ゲルの頂部に置かれる。電位がゲルに加えられ、それによりサンプルの高分子および追跡用染料がゲルの底の方に泳動し始める。電気泳動は、追跡用染料がゲルの端に届く直前で停止される。
タンパク質の分離に用いられる最も一般的な緩衝系は、Laemmli緩衝系であり、該緩衝系は、分離ゲルの中の、HClを用いてpH8.8.に滴定された、0.375Mのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)から成る。濃縮ゲルは、pH6.8に滴定された、0.125Mのトリスから成る。陽極および陰極のランニングバッファーは、0.024Mのトリス、0.192Mのグリシン、0.1%のSDSを含む。異なる組成、pH特性、電圧要求などを有する、多くのさまざまなゲル分離材料が開示されている。本分野におけるほとんどの最近の技術革新の目的は、より速い、より正確な、より安定した、またはそれ故により用途の広い電気泳動を行うために利用され得る電気泳動ゲルを提供することとなっている。
多くのさまざまなゲル緩衝系が、Laemmliのトリス−HClグリシン緩衝系の使用を伴わない、中性pHでのまたは中性pH前後での使用のために提案されている。
例えば、Updykeらの米国特許第6096182号明細書は、中性pHでの電気泳動ゲルを開示している。このようなゲルを製造する利点は、このゲル系が安定であり、かつ反応性が低減しており、保存期間が増大していることである。
Hjertenらの米国特許第5464517号明細書は、高い緩衝能力および低い導電性を有する電気泳動バッファーを開示している。とりわけキャピラリー電気泳動における、このタイプのバッファーの利点は、該バッファーによって、分離がより高い電圧で、またそれ故により迅速に行われ得ることである。
技術革新の大多数は、ゲルバッファーの新しい配合を提案することによって電気泳動を改善することに注目している。
そのために、電気泳動が行われ得る速度を改善し、ゲル分解を改善し、およびゲルの保存期間を増大させる試薬が必要である。
第一の実施態様において、ゲル電気泳動の、加速もしくは分解改善、または例えばウェスタンブロットを含むブロット用途のための転写効率改善、または加速および分解改善、または加速およびウェスタン転写効率改善のための電解液であって、
・トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、
・2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、また3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−(2−(ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(3−プロパンスルホン酸)(PIPPS)から選択され得る少なくとも一つの双性イオン、ならびに
・水
を含む電解液が開示される。
上記の電解液のTRIS成分は、トリス−HClグリシン、トリス−グリシン、MOPS−ビス−トリス、EPPS−トリス−SDSなどから成るグループから選択することができる。
双性イオンは、ゲル電気泳動を加速するための、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)から選択することができる。
双性イオンは、ゲル電気泳動の分解改善のための、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)から選択することができる。
双性イオンは、ゲル電気泳動の加速および分解改善のための、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)から選択することができる。
双性イオンは、ゲル電気泳動の加速およびウェスタン転写効率改善のための、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、および3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)から選択することができる。
N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、および3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)から選択することができる双性イオンはまた、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−(2−(ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、およびピペラジン−N,N’−ビス(3−プロパンスルホン酸)(PIPPS)から成るグループの単数あるいは複数の他の双性イオンと組み合わせて用いることができ、そして電気泳動分離およびウェスタン転写における、その加速効率を維持し、また分離能の改善をもたらす。
分解を改善するための双性イオンは、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)であり得る。
電解液は、およそ8.0からおよそ8.8までのpHを有し得る。
電解液は、メタノールを最大で20%まで有し得る。
電解液は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)またはドデシル硫酸リチウム(LDS)を、最大で5%まで有し得る。
電解液は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン酢酸三ナトリウム(HEDTA三ナトリウム)、ジエチレントリアミノ酢酸五ナトリウム、またはウラミル酢酸二ナトリウムという名称のキレート剤を含み得る。
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)の濃度は、およそ10mMからおよそ500mMまで、およそ50mMからおよそ150mMまで、もしくはおよそ50mMからおよそ250mMまでであり得るか、または150mMであり得る。
双性イオンの濃度は、およそ1mMから500mMまで、およそ10mMからおよそ500mMまで、もしくはおよそ25mMからおよそ50mMまで、もしくはおよそ50mMからおよそ100mMまでであり得るか、または50mMであり得るか、または100mMであり得る。
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の濃度は、0.5%(質量/体積)以下であり得るか、または0.1%(質量/体積)以下であり得るか、または0.1%(質量/体積)であり得る。
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の濃度は、0.5%(質量/体積)以下であり得るか、または0.05%(質量/体積)以下であり得るか、または0.03%(質量/体積)であり得る。
双性イオンは、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、および(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)の組み合わせであり得る。
第二の実施態様において、本発明による電解液を含む電気泳動ゲルが開示される。ゲルは、アクリルアミドゲルであり得、アクリルアミドの濃度は、およそ4%(質量/体積)からおよそ25%(質量/体積)までであり得る。ゲルは、アガロースゲルであり得、アガロースの濃度は、およそ0.5%(質量/体積)からおよそ3%(質量/体積)までであり得る。ゲルは、アクリルアミドおよびアガロースのゲルであり得、アクリルアミドの濃度は、およそ1%未満(質量/体積)からおよそ25%(質量/体積)までであり得、またアガロースの濃度は、およそ0.5%(重さ/体積)からおよそ3%(質量/体積)までであり得る。電気泳動ゲルは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含み得る。
双性イオンは、ゲルの保存期間改善のための、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、および3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)から選択することができる。
ゲルのpHは、およそ8.0からおよそ8.8までであり得る。
さらに別の実施態様において、少なくとも一つのサンプルの電気泳動分離の、加速もしくは分解改善の方法、または加速および分解改善の方法であって、少なくとも一つのサンプルをその中に含む電気泳動ゲルと接触している本発明による電解液に電圧をかける段階を含む方法が開示される。
電気泳動ゲルは、本発明によるゲルである。
さらに別の実施態様において、少なくとも一つのサンプルの電気泳動分離の、加速もしくは分離改善の方法、または転写効率改善の方法、または加速および分解改善の方法、または加速および転写効率改善の方法であって、少なくとも一つのサンプルをその中に含む本発明による電気泳動ゲルと接触させてゲル電気泳動を行うことに適した電解液に電圧をかける段階を含む方法が開示される。
さらに別の実施態様において、少なくとも一つのサンプルの電気泳動分離の分解改善のための方法であって、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、また3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−(2−(ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(3−プロパンスルホン酸)(PIPPS)から選択される少なくとも一つの双性イオンを、電気泳動バッファーもしくは電気泳動ゲル、または電気泳動バッファーおよび電気泳動ゲルの両方に添加することを含む方法が開示される。双性イオンは、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)であり得る。
さらに別の実施態様において、ゲル電気泳動を加速するための、本発明による電解液の使用が開示される。
さらに別の実施態様において、ゲル電気泳動の分解改善のための、本発明による電解液の使用が開示される。
さらに別の実施態様において、ゲル電気泳動の加速および分解改善のための、本発明による電解液の使用が開示される。
さらに別の実施態様において、ゲル電気泳動の加速もしくは分解改善、または加速および分解改善のための、本発明によるゲルの使用が開示される。
さらに別の実施態様において、電気泳動ゲルを調製するための、本発明による電解液の使用であって、双性イオンが、ゲルの保存期間改善のための、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、または3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)の式の化合物である使用が開示される。
次の用語が、以下に定義される。
用語「改善した分解」は、より広い、またはより太いバンドを有する他の分離手段とは対照的に、互いに距離があるかまたは間隔のあいた、分子の、より鮮明な、またはより狭いバンドの分離を可能にする、より良好な分解を意味することを目的としている。これによって、分子量の全範囲にわたってこれらのバンドを生じさせるさまざまな分子の物理的分離または分子量同定が容易になる。
本発明の特徴および利点は、付属の図面に示されるような、選択された実施態様の以下の詳細な説明に鑑みて、より明らかになるであろう。当然のことながら、開示される、および特許請求の範囲に記載される発明は、特許請求の範囲から逸脱することなく、さまざまな点において変更が可能である。したがって、図面および明細書は、本質的に説明のためのものであって制限的なものではないと見なされるべきであり、また本発明の全範囲は、特許請求の範囲の中で説明されている。
本発明の実施態様による電解液の中で電気泳動され、またトリス−グリシン−SDS(ベースライン)溶液で電気泳動されたゲルと比較された、ポリアクリルアミドゲルを示す図である。 本発明の実施態様による電解液の中で電気泳動されたポリアクリルアミドゲルを示す図である。 本発明の実施態様による電解液を用いて調製され、また熟成させるために4℃で360日間維持された、ポリアクリルアミドゲルを示す図である。毎月、ゲルは、分解、泳動経路、および泳動速度における変化を測定するためにランを行った。 275mAで15分間ランを行った、(A)ウェット式転写、(B)セミドライ式転写、(C)「ドライ式」転写のための非対称バッファー、および(D)従来のTowbinバッファーを用いる対照群セミドライ式転写によってポリアクリルアミドゲルから転写された、プレステインドタンパク質マーカーを含む膜を示す図である。Dにおける転写は効率的ではない。ランを行ったプレステインドタンパク質マーカーは、6KDaから245KDaまでの範囲である。 本発明によるEPPS(またはHEPPS)含有バッファーの5倍溶液を用いてeStain(商標)装置においてポリアクリルアミドゲルから転写された、プレステインドタンパク質マーカーを示す図である。 (A〜L)本発明による電解液におけるMOPSベースのゲルの泳動分解と、MOPSベースのゲルのための通常のランニングバッファーとにおけるMOPSベースのゲルの泳動分解との比較を示す図である。 (A〜C)本発明による電解液における、10%アクリルアミドのトリス−グリシンベースのゲル(A)、4〜20%アクリルアミドのトリス−グリシンベースのゲル(B)、および10%アクリルアミドのEPPSベースのゲルの泳動分解の比較を示す図である。
本発明者らは、驚くべきことに、ゲル電気泳動で用いる電解液の調製に特定の双性イオンを選択することによって、電気泳動の速度が予想外に増大し得るか、ゲル分解が改善し得るか、またはその両方であり得ることを見出した。これらの改善は、電解液を電気泳動装置のランニングバッファー(「貯液槽(reservoir)」バッファーとも呼ばれる)として用いる場合、および電気泳動ゲルの調製のための緩衝系として(すなわちゲルの中で)用いる場合に、観察することができる。さらに、電気泳動ゲルの調製で用いる場合、これらの双性イオンのうちのいくつかは、これらの電解液を用いて調製されたゲルの保存期間を増大させる。
実施態様において、ゲル電気泳動を行うための電解液が開示される。電解液は、特定の成分を含む。
双性イオン
双性イオンは、0の正味荷電を有し、したがって電気的に中性であるが、さまざまな原子の形式電荷を有する化合物である。双性イオンは極性であり、通常非常に水溶性であるが、ほとんどの有機溶媒には溶解しにくい。双性イオンは、大抵は、特定のpH範囲内の双性イオンとして存在する。平均電荷がゼロとなるpHは、分子の等電点として知られている。
本発明において着目される双性イオンは、生物学実験室において緩衝剤として通常用いられる緩衝液である、一般に生物学的緩衝液と呼ばれるカテゴリーに属する。引用され得る生物学的緩衝液の例は、ビス−TRIS(2−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール)、ADA(N−[2−アセトアミド]−2−イミノ二酢酸)、ACES(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)、MOPSO(3−[N−モルホリノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、ビス−TRIS PROPANE(1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノプロパン])、BES(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸)、MOPS(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)、TES(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)、HEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン)酸)、DIPSO(3−N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、MOBS(4−N−モルホリノブタンスルホン酸)、TAPSO(3[N−トリス−ヒドロキシメチル−メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TRIS(2−アミノ−2−[ヒドロキシメチル]−1,3−プロパンジオール)、HEPPSO(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−ヒドロキシプロパンスルホン]酸)、POPSO(ピペラジン−N,N’−ビス[2−ヒドロキシプロパンスルホン]酸)、TEA(トリエタノールアミン)、EPPS(またはHEPPS)(N−[2−ヒドロキシエチル]−ピペラジン−N’−[3−プロパンスルホン]酸)、TRICINE(N−トリス[ヒドロキシメチル]メチルグリシン)、GLY−GLY(ジグリシン)、BICINE(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン)、HEPBS(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[4−ブタンスルホン]酸)、TAPS(N−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−3−アミノプロパンスルホン酸)、AMPD(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール)、TABS(N−トリス[ヒドロキシメチル]メチル−4−アミノブタンスルホン酸)、AMPSO(3−[(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、CHES(2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸)、CAPSO(3−[シクロヘキシルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸)、AMP(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール)、CAPS(3−シクロヘキシルアミノ−1−プロパンスルホン酸)、およびCABS(4−[シクロヘキシルアミノ]−1−ブタンスルホン酸)として知られるものである。
これらの双性イオンの生物学的緩衝特性は認められているが、これらの双性イオンの選ばれたグループの、ゲル電気泳動の性能およびゲル電気泳動のためのゲルの保存期間にプラスの影響を与える能力は、認められなかった。
好ましくは、双性イオンには、ACES(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)、MOPS(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、また3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、N−(2−(ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(3−プロパンスルホン酸)(PIPPS)が含まれる。これらの双性イオンは、電気泳動が行われ得る速度、ゲル分解、または両方を、著しく改善する。双性イオンは、分離された分子のより細いまたは狭いバンドを提供することにより明確さ(または鮮明さ)を改善することによって、分子間の分離(すなわち個々のバンドの間の距離)を改善することによって、または明確さ(または鮮明さ)および分子の分離の両方を改善することによって、分解を改善し得る。また該双性イオンは、ゲルの調製に用いられる場合、これらの電解液を用いて調製されたゲルの保存期間を増大させる。
これらの双性イオンを本発明による電解液の調製に用いることができる、濃度の範囲は、本明細書において議論されるゲル電気泳動の加速および/またはゲル分解改善のためには、およそ1mMからおよそ500mMまで、またはおよそ10mMからおよそ500mMまで、またはおよそ25mMからおよそ50mMまで、またはおよそ25mMからおよそ100mMまで、またはおよそ10mMからおよそ100mMまで、またはおよそ1mMからおよそ100mMまで、またはおよそ1mMからおよそ75mMまで、またはおよそ10mMからおよそ75mMまで、またはおよそ1mMからおよそ10mMまで、またはおよそ1mMからおよそ50mMまで、またはおよそ10mMからおよそ50mMまでである。
これらの双性イオンを本発明によって調製されるゲルの保存期間を改善するために用いることができる、濃度の範囲は、およそ1mMからおよそ500mMまで、またはおよそ10mMからおよそ500mMまで、またはおよそ10mMからおよそ100mMまで、またはおよそ1mMからおよそ100mMまで、またはおよそ1mMからおよそ75mMまで、またはおよそ10mMからおよそ75mMまで、またはおよそ1mMからおよそ10mMまで、またはおよそ1mMからおよそ50mMまで、またはおよそ10mMからおよそ50mMまで、またはおよそ25mMからおよそ375mMまでであり、好ましくは100mMである。
好ましくは、ゲル電気泳動を(従来のLaemmliのpH8.3のトリス−グリシン−SDSと比べて)加速するための双性イオンは、2−アミノ−2メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、ACES(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)、MOPS(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)、および(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)である。電気泳動ゲルをランおよび/または調製するために、本発明による電解液において上記双性イオンを用いる場合、ゲルの泳動速度は、およそ30%以上増大し得る。双性イオンは、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)を用いての最良の結果は、およそpH8.0から8.8までのpHで得られる。
好ましくは、電気泳動中のゲルの分解を(従来のLaemmliのpH8.3のトリス−グリシン−SDSと比べて)改善するための双性イオンは、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)、ACES(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)、MOPS(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)、およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)である。電気泳動ゲルをランおよび/または調製するために、本発明による電解液において上記双性イオンを用いる場合、ゲルの分解は、40%以上増大し得る。もっとも好ましくは、電気泳動中のゲルの分解を改善するための双性イオンは、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)である。分解は、分離した分子のより細いまたは狭いバンドを提供することにより明確さ(または鮮明さ)を改善することによって、分子間の分離(すなわち個々のバンドの間の距離)を改善することによって、または明確さ(または鮮明さ)および分子の分離の両方を改善することによって、改善され得る。本発明の一つの実施態様によると、分解の改善によって、アクリルアミドゲルの濃度勾配に類似した特徴を示す、標準的な連続的アクリルアミド濃縮ゲルがもたらされる。分解におけるこれらの勾配様の改善は、タンパク質バンドの鮮明さを維持または改善しながら、分子のバンド間のより優れた、かつより大きな分離を提供する。
好ましくは、(従来のLaemmliのpH8.3のトリス−グリシン−SDSと比べて)ゲル電気泳動を加速するためおよび電気泳動中のゲルの分解を改善するための双性イオンは、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、ACES(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)、MOPS(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)、および4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)である。電気泳動ゲルをランおよび/または調製するために、本発明による電解液において上記双性イオンを用いる場合、ゲルの分解は、40%以上増大し得、またゲルの泳動速度は、およそ30%以上増大し得る。もっとも好ましくは、ゲル電気泳動を加速するためおよび電気泳動中のゲル分解を改善するための双性イオンは、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)である。分解は、分離した分子のより細いまたは狭いバンドを提供することにより明確さ(または鮮明さ)を改善することによって、分子間の分離(すなわち個々のバンドの間の距離)を改善することによって、または明確さ(または鮮明さ)および分子の分離の両方を改善することによって、改善され得る。
好ましくは、ゲルの保存期間を(従来のLaemmliのトリス−グリシン−SDSゲルと比べて)改善するための双性イオンは、2−アミノ−2メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、および3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)である。
4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)を用いての最良の結果は、およそpH8.0から8.8までのpHで得られる。
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩基(TRIS)
トリスは、(HOCH23CNH2の式を伴う、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとして既知の有機化合物の略語である。トリスは、生化学および分子生物学において幅広く利用される。生化学において、トリスは、とりわけ核酸の溶液のために、緩衝液の成分として、例えばTAEおよびTBEバッファーにおいて、広く利用される。
トリスによってまた、本発明の電解液のpHを、より塩基性のpH値に設定することができる。トリスはまた、好ましい濃度域における泳動速度にプラスの影響を与える。
トリス塩基を本発明による電解液の調製に用いることができる、濃度の範囲は、本明細書において議論されるゲル電気泳動の加速および/またはゲル分解の改善のためには、およそ10mMからおよそ500mMまでである。トリスの濃度は、溶液のpHに直接影響を与える。トリスの量が増えると、pHも上昇する。これによって、本発明の電解液を異なるゲルの化学的性質に適合させる際の細かな調節、ならびにゲルおよびバッファーに適合する適切なpH比率の維持が可能になる。好ましくは、トリスの濃度は、およそ50mMからおよそ150mMまで、またはおよそ50mMからおよそ250mMまでであり、もっとも好ましくは、およそ150mMである。
トリス塩基を用いることができる濃度の範囲は、本発明によって調製されるゲルの保存期間を改善するためには、およそ50mMからおよそ375mMまでであり、好ましくは150mMである。
ドデシル硫酸ナトリウムまたは他の陰イオン界面活性剤
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(C1225SO4Na)は、SDS−PAGE技術における電気泳動のためのタンパク質の調製に一般に利用される、陰イオン界面活性剤である。分子は、硫酸基に付着した、12の炭素原子からなる尾部を有し、これによって、洗剤に所要の両親媒性が分子に付与される。
SDSは、本発明の電解液に任意で添加することができる。本発明による電解液を用いて得られる優れた結果は、SDSの存在に関係なく得られる。SDSを本発明による電解液の調製に用いることができる、濃度の範囲は、本明細書において議論される全ての応用例のためには、0.5%以下である。好ましくは、およそ0.1%以下であり、もっとも好ましくは0.1%である。
他の陰イオン界面活性剤が本発明の電解液に含まれ得るが、それは例えば、任意に限定はしないが、バッファーにタンパク質分析のための変性特性を付与するための一つの陰イオン界面活性剤:SDS、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate)(SLS)、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium laurilsulfate)またはナトリウム、NaDSである。これらを本発明による電解液の調製に用いることができる、濃度の範囲は、本明細書において議論される全ての応用例のためには、1.0%以下である。好ましくは、およそ0.1%以下であり、もっとも好ましくはおよそ0.1%である。
キレート剤
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、キレート剤としての役割、すなわちCa2+およびFe3+などの金属イオンを「封鎖する」能力を有する。EDTAが結合した後、金属イオンは溶液の中にとどまるが、減少した反応性を示す。他のキレート剤には、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン酢酸三ナトリウム(HEDTA三ナトリウム)、ジエチレントリアミノ酢酸五ナトリウム、またはウラミル酢酸二ナトリウムが含まれ得る。
EDTAは、本発明の電解液に任意で添加することができる。EDTAを本発明による電解液の調製に用いることができる、濃度の範囲は、本明細書において議論される全ての応用例のためには、0.5%以下である。好ましくは、およそ0.05%以下であり、もっとも好ましくは0.03%である。
メタノール
膜の上に転写するための電気泳動において、メタノールは通常、タンパク質の泳動の速度を落とすために転写バッファーに添加され、そして通常、高分子タンパク質と低分子タンパク質との間での、より均等なタンパク質転写を可能にする。標準的なプロトコルでは、メタノールは、メタノール10%またはメタノール20%として用いられる。0%から20%のメタノールを含む本発明による電解液を用いた高速転写の効率は、全てのこれらの条件下での転写において、100%の効率まで、等しく良好に機能する。
電解液の使用
使用にあたって、本発明の電解液は、非常に広い範囲の他の緩衝系と適合する。本発明の電解液は、適切な条件下で、本発明の緩衝系と同じ緩衝系または本発明と異なる緩衝系を用いて調製されたいかなるタイプのゲルの電気泳動を行うためにも用いることができるが、前記ゲルは、例えばバッファーとしてのMOPS(例えば米国特許出願公開第2006/0118418号明細書において記載されるバッファー)などの異なる化学を用いるゲルさえも含む。
一つの実施態様によると、トリス、ならびに双性イオンEPPS(例えばおよそ10mMからおよそ100mMまで)、ACES(例えばおよそ10mMからおよそ75mMまで)、MOPS(例えばおよそ10mMからおよそ50mMまで)、およびPIPES(例えばおよそ1mMからおよそ10mMまで)を含む、本発明による電解液を、Laemmli法とは異なる化学に基づくゲルの分解および泳動速度を改善するために用いることができる。陰イオン界面活性剤(例えばおよそ0%からおよそ1%までのSDS)を、変性特性を付与するためにこのようなバッファーに含めることができる。分解は、分離された分子のより細いまたは狭いバンドを提供することにより明確さ(または鮮明さ)を改善することによって、分子間の分離(すなわち個々のバンドの間の距離)を改善することによって、または明確さ(または鮮明さ)および分子の分離の両方を改善することによって、改善され得る。
本発明によると、電気泳動は、DNAまたはタンパク質または結果的に分離され得る他のいかなるタイプの分子のサンプルの分離、ならびに、膜、または他の適切な固体担体、例えばニトロセルロース、ナイロン、PVDF、またはウェスタン転写およびウェスタンブロッティングなどの用途に通常利用される他のタイプの膜の上への、それらの転写を含む。
本発明による電解液は、商業的製造の転写系(例えばウェット式、セミドライ式、またはドライ式転写系)において用いることができる。例えば、本発明による電解液は、Invitrogen XCell II(商標)Blot Module、Pierce(商標)Fast Western System、Bio−RadのTrans−Blot SD(商標)Semi−Dry Electrophoretic Transfer Cell、および同等の機器などの、セミドライ式あるいはドライ式転写系において用いることができる。液体(すなわちウェット式)系は、例えば、Bio−Rad Mini Trans−Blot(登録商標)Module、GE MiniVe Blotモジュール、および他の同等物などである。電気泳動ユニットおよび電力供給装置の両方を有する、例えばGenScript社のeSTain(商標)Protein Staining Systemのような電気泳動系もまた、本発明による電解液を用いて動作し得る。他の同等の系もまた、同様に機能する。
本発明による電解液は、以下のような従来の参考文献において記載されるように、分子生物学および生化学で利用されるゲルの大部分において緩衝系として用いることができる:Uriel 1966,Bull.Soc.Chem.Biol.48:969;Peacock & Dingman 1967,Biochem 6(6),1818−1827;Peacock & Dingman 1968,Biochem 7(2),668−674;Gaal,Electrophoresis in the separation of biological macromolecules,p422,Wiley,1980。本発明による電解液は、およそ4%からおよそ25%までのアクリルアミド濃度で典型的には調製される、非変性条件下(SDSを伴わない)または変性条件下(SDSを伴う)のアクリルアミドゲル(ポリアクリルアミドゲル)の中に含めることができる。本発明による電解液は、およそ0.5%からおよそ3%までのアガロース濃度で典型的には調製されるアガロースゲルの中に含めることができる。
EPPS(またはHEPPS)、TAPS,TES、BES、またはGlyglyを、25mMから150mM、好ましくは50mMの作用濃度で、Laemmliバッファートリス−グリシン−SDSに添加して、Laemmliバッファーの泳動効率をおよそ30%速めることができる。膜の上に転写するための電気泳動において、メタノールは通常、タンパク質の泳動の速度を落とすために転写バッファーに添加され、そして通常、高分子タンパク質と低分子タンパク質との間での、より均等なタンパク質転写を可能にする。標準的なプロトコルでは、メタノールは、メタノール10%またはメタノール20%として用いられる。0%から20%のメタノールを含む本発明による電解液を用いた高速転写の効率は、全てのこれらの条件下での転写において、100%の効率まで、等しく良好に機能する。
代替的な実施態様
代表的な電解液組成物を調製して、例えばLaemmliバッファーシステム(トリス−グリシン−SDS)のような従来の配合を用いて作製されたポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲルとともに用いた。代表的な電解液は、一般的な基本的配合を用いて調製し、試験した。
上記配合とは、双性イオン50mM、トリス(塩基)100mM、SDS0.1%、およびEDTA0.03%である。調製された溶液それぞれについて、pHを測定し、もし値がpH7.9から8.6の範囲外であった場合、値は、HClを用いて調整して酸性にするか、またはNaOHを用いて調整してさらに塩基性にした。
500mlのランニングバッファーをそれぞれの双性イオンのために調製し、そしてプレキャストIDGel(商標)(緩衝液としてpH8.3のトリスを用いて作製された)に対してランを行った。電気泳動のランの後、泳動の最前部がゲルの底に到達するまでの泳動速度、および、15KDaから175KDaの間の質量である10本のバンドを含むプレステインド分子量マーカーの分解を測定した。これらの各バンドの分解を、標準的なLaemmliランニングバッファー(トリス−グリシン−SDS)を用いてランした対照IDGel(商標)と比較した。得られた結果は、表1の通りである。
Figure 2013525788
分解を、試験ゲルにおける泳動後の、30KDa、21KDA、15KDA、および14.3KDaのタンパク質バンドの太さを測定することによって比較した。バンドの太さの少なくとも50%の減少は、「+++」の記号として記される。より太いタンパク質バンドは、より低い分解を表すものであって、より少ない「+」記号で表示される。ベースラインは「++」で、これは、トリス−グリシン−SDSゲルによって得られる結果であり、そしてより少ない数の「+」記号は、ベースラインよりも太いバンドであること、したがって最も悪い平均分解能であることを示す。
ここで、図2を参照する。四つの低分子量タンパク質のバンドの太さおよび分解における変化が測定された。図2は、バッファー内のEPPS(またはHEPPS)の存在が、分解の少なくとも50%の改善に役立つことを示している。同様に、これらの各ゲルの完全な泳動は、EPPS(またはHEPPS)を用いて30%加速された。
上記でランニングバッファーとして試験した同一の電解液を、アクリルアミドゲル組成物またはアガロースゲル組成物を調製するために用いることができ、これは分解を増大させるが、分離速度は必ずしも増大させない。
Figure 2013525788
これらの化合物のいくつかは、ゲルマトリクスを安定させることおよび保管の延長またはより安定した熟成を可能にすることに対してプラスの影響を有し、4℃または室温でのより長い保存期間を提供することが確認されている。ここで図3を参照する。この図は、熟成の影響を検出するために、ゲルを4℃で保存し、30日ごとに試験した様子を示す。結果は、360日後に、ゲルの泳動が新鮮な一日目のプレキャストゲルに類似していることを示している。これらの結果は、EPPS(またはHEPPS)を緩衝剤として用いる場合のゲルマトリクスの安定性を裏付けるものである。
本発明によるバッファーはまた、例えばアクリルアミドゲルからのタンパク質転写(ウェスタン転写)のような用途において、転写用バッファーとして用いることができる。代表的なバッファーを、以下の表3にしたがって調製した。
Figure 2013525788
プレキャストIDGel(商標)(緩衝液としてpH8.3のトリスを用いて作製された)からのタンパク質マーカーの転写。転写は、バッファーT4の配合で最も効率的であった。
本発明による複数のバッファーを試験する。試験した双性イオンを表4に記載する。
Figure 2013525788
さまざまな試験した双性イオンの転写効率は以下の通りである。
Figure 2013525788
本発明による複数のバッファーを、表5に示すように、非対称的な構成で試験する。
Figure 2013525788
それぞれのケースにおいて、Gly−GlyまたはEPPS(またはHEPPS)バッファーを用いた、表示した非対称的な構成で、転写は100%効率的であり、電気泳動の15分以内に生じる。
本発明によるトリス/Gly−Glyバッファー(実施例5参照)は、追加的な変更は一切することなく、ウェスタン転写に用いることができる。バッファーはまた、分離/転写の加速も後押しする。275mAの電流は15分以内の完全な転写をもたらす。メタノールは通常、タンパク質の泳動の速度を落とすために転写バッファーに添加され、そして通常、高分子タンパク質と低分子タンパク質との間での、より均等なタンパク質転写を可能にする。標準的なプロトコルでは、メタノールは、メタノール10%またはメタノール20%として用いられる。0%から20%のメタノールを含む本発明による電解液を用いた高速転写の効率は、全てのこれらの条件下での転写において、100%の効率まで、等しく良好に機能する。
セミドライ式および/またはウェット式転写を行うために、本発明による電解液を用いることができる。EPPS(またはHEPPS)を含む溶液を、0.3倍溶液:全体積1Lの蒸留水の中に、6gのトリス、4gのEPPS(またはHEPPS)として調製した。電解液は、高分子タンパク質の転写を改善するために、0%から20%の間のメタノール、好ましくは10%と20%の間のメタノールを含み得る。275mAでのゲルからのサンプルの転写は、典型的には10分から15分で完了する。
eStain(商標)などの電気泳動転写システムにおける使用では、所要の電解液体積が小さいため、二枚のブロッティングペーパーを本発明による5倍電解液(90gのトリス、60gのEPPS(またはHEPPS)、および水を含めて1Lまでの全体積)に浸し、そしてタンパク質が転写される元であるゲルの各側に置く。転写は、およそ80mAからおよそ300mAまでで10分以内に完了し、サンプルの100%が、用いたPVDF膜に転写される。
MOPSベースのゲルのための改善されたバッファー
MOPSベースのゲルおよび他のゲルの分離速度を加速し、また分解を増す、タンパク質電気泳動ランニングバッファー。このバッファーは、ACES、MOPS、およびPIPES双性イオンと組み合わされた、トリス−EPPS−SDSバッファーに基づくものである。このバッファーは、Laemmli法とは異なる化学に基づくゲル、例えばInvitroge社のNuPage(商標)およびAmresco社が化学的所有者であるThermoFisher社のEZ−Run(商標)のようなMOPSベースのゲルに対して有利となる。
バッファーの基本的な配合は、pH8.5以下での、トリス+SDS+EPPS+ACES+MOPS+PIPESの組み合わせであり、またバッファーにタンパク質分析のための変性特性を付与するための一つの陰イオン界面活性剤を任意に含み得る(例えばSDS、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(Sodium lauryl sulfate)(SLS)、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium laurilsulfate)、またはナトリウム、NaDS)。
この電解液の割合は、表6に示される通りである。
Figure 2013525788
そのような割合の下、バッファーは7.4のpHを有し、これは7.0のpHを有するMOPSベースのゲルに適合するものである。
MOPSベースのゲルのための改善されたバッファー
この研究は、Amresco(商標)社によって開発された製品である、ThermoFisher(商標)社の液体ゲルマトリクスEZ−Run(商標)を用いて行った。この液体ゲルマトリックスは、室温で一年を超えて安定しているという利点を有し、また電気泳動ゲルを迅速に成形することを可能にする。ゲルマトリクスには、それと共に利用されるべき、その特定のランニングバッファーが付随する。推奨されるラン条件は、150Vである。
この液体ゲルマトリクスに関する主な問題は、通常のゲル分離を行うために、通常のLaemmliゲルまたは市販されている他のプレキャストゲルに比べて、時間がかかることである。したがって、本発明のEPPSベースのランニングバッファーが、このMOPSベースのゲルマトリクスに適合する(米国特許出願公開第2006/0118418号明細書参照)。
新規のバッファーの性能を以下の表に示す。「長いゲル」=10×10cmであり、「短いゲル」=10×8.2cmである。
表7− EZ−Runおよび汎用IDFastの性能比較

長いゲル 150V
EZ−Run 110分
EPPS混合物 80分 27% より速い

長いゲル 200V
EZ−Run 80分
EPPS混合物 50分 38% より速い

短いゲル 150V
EZ−Run 65分
EPPS混合物 45分 31% より速い

短いゲル 200V
EZ−Run 50分
EPPS混合物 pH7.4 35分 30% より速い
EPPS混合物2 pH8 30分 40% より速い

Laemmliゲル(短いゲル 200V)とも混合可能
EZ−Run 50分
EPPSのみのバッファー 35分
EPPS混合物 29分 17% より速い
EPPS混合物 pH7.4 29分
EZ−Runゲルマトリクスを用いて調製し、EZ−Run特異的なランニングバッファーを用いて泳動させたゲルは、実施例9で記載されるような本発明のEPPSベースのバッファーと比べると、分解の損失を伴わずに、本発明の電解液での泳動速度における利点を明らかに示す(図6参照)。
電解液のpHもまた速度に影響を及ぼす。EZ−Runゲルマトリクスは、7.0のpHを有する。EZ−Runランニングバッファーは、8.0のpHを有する。(実施例9による)本発明の電解液は、一度混合されると7.4のpHを有するが、NaOHを用いてpHを8.0に調整することが、速度に重大な影響を与える。
本発明の電解液は、単独で用いることも、このゲルマトリクスのために特異的に設計されたバッファー(この実施例においてはEZ−Runランニングバッファー)と組み合わせて用いることもできる。割合は、必要に応じて変えることができ、そして分解の適合性および泳動の比例的速度を示す。上記の結果に基づき、EZ−Runバッファーが泳動の速度を落とすと考えられる。
EPPSベースのゲルの改善された分解および勾配効果
本発明による電解液は、ゲル上で分離されるタンパク質バンドの分解にプラスの影響を与えることが確認されている。電解液は、分離されるタンパク質バンドの明確さ(鮮明さ)および分離の両方を改善する。ここで図7A、B、およびCを参照するが、三つのポリアクリルアミドゲルを調製した。ゲルAは、10%のアクリルアミドを有するプレキャストIDGel(商標)トリス−グリシンゲルであり、ゲルBは、4%から20%のアクリルアミドの勾配を有するIDGel(商標)トリス−グリシンゲルであり、ゲルCは、本発明による、10%のアクリルアミドを有する50mMのEPPSを含むゲルである。全てのゲルを、50mMのEPPSおよび50mMのトリスを含む本発明によるバッファー(IDFast)内でランした。図7は、トリス−グリシンゲルに比べて、EPPSの分解が大きく改善されていることを示している。線によって繋がれたバンドは、25kDaに相当する。
例えば、EPPSを含むゲル(図7C)は、同一のアクリルアミド比率のトリス−グリシンゲルと比べて、より良好にタンパク質を分解し得る(図7AおよびC、レーン1および9、レーン2および10、ならびにレーン3および8を比較)。比較的低分子のタンパク質(例えば、レーン3および8における6kDa、レーン1および9における10kDaおよび17kDa、ならびにレーン2および10における19kDaおよび15kDa)が、EPPSを含むゲルでは十分に距離が開き区別しやすいが、一方、トリス−グリシンゲルにおいては分離が不十分で染料の先端と融合してしまうことが観察され得る。さらに、比較的高分子のバンドは、ある程度さらに鮮明である。
また、EPPSを含むゲル(図7C)はまた、トリス−グリシン勾配(4から20%のアクリルアミド)ゲル(図7B)よりも優れた分解をもたらし得る。図7Bの勾配ゲルは、トリス−グリシン10%ゲルの分解よりも明らかに優れた分解をもたらし、比較的低分子のタンパク質を分離する(レーン1および5、2および6、ならびに3から4および7を比較)。それにもかかわらず、勾配ゲルと比較すると、EPPSを含むゲルは(図7BおよびCを比較)、分子量の全範囲にわたって、とりわけ比較的低分子のタンパク質で、タンパク質バンド間のより広い距離をもたらす。EPPSを含むゲルによって、タンパク質の分子量におけるわずかな差が生じることが可能になる(例えば、レーン4〜5および8〜9を比較)。興味深いことに、EPPSを含むゲルは、例えば図7Bのような勾配ゲルにおいてさらに一般的に観察される、類似の「勾配様」様式で泳動すると考えられるが、これは、EPPSを含むゲルにおける勾配を有しておらず、固定した10%のアクリルアミド濃度を有するものである。ここで留意すべきは、EPPSを含むゲル(図7C)の染料泳動の最前部が既にゲルから消えているにもかかわらず、他のゲルにおいてはそれが依然として残っていることである。
本明細書で示される実施態様および実施例は、特許請求の範囲に記載される本発明の全体的性質を説明するためのものであり、限定するものではない。当業者には、いかにしてこれらの実施態様が、特許請求の範囲に開示される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな適用のためにかつさまざまな方法で容易に変更および/または適合され得るかが理解されるであろう。特許請求の範囲は、当然のことながら、本発明の全ての代替的な実施態様および同等物を制限なく含む。ここで使用される表現、単語、および専門用語は、説明するためのものであり、制限するものではない。法律で容認される場合には、本明細書において引用される全ての参考文献は、参照することによりその全体が組み込まれる。本明細書において開示されるさまざまな実施態様のいかなる態様も、可能な代替的実施態様の範囲内で組み合わされ得ることが理解され、その全てが特徴の組み合わせを変化させたものである、特徴の代替的な組み合わせは、当然のことながら、特許請求の範囲に記載される本発明の一部を形成するものである。
米国特許第6096182号明細書 米国特許第5464517号明細書

Claims (43)

  1. ゲル電気泳動の、加速もしくは分解改善、または転写効率改善、または加速および分解改善、または加速および転写効率改善のための電解液であって、
    ・トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、
    ・2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、また3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−(2−(ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(3−プロパンスルホン酸)(PIPPS)から選択される少なくとも一つの双性イオン、ならびに
    ・水
    を含む電解液。
  2. 双性イオンが、ゲル電気泳動を加速するための、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)から選択される、請求項1に記載の電解液。
  3. 双性イオンが、ゲル電気泳動の分解改善のための、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)から選択される、請求項1に記載の電解液。
  4. 双性イオンが、ゲル電気泳動の加速および分解改善のための、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)から選択される、請求項1に記載の電解液。
  5. 双性イオンが、ゲル電気泳動の加速および転写効率改善のための、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、および3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)から選択される、請求項1に記載の電解液。
  6. 双性イオンが、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)である、請求項1から4のいずれか一つに記載の電解液。
  7. 電解液のpHが、およそ8.0からおよそ8.8までである、請求項1から5のいずれか一つに記載の電解液。
  8. さらにメタノールを有する、請求項5に記載の電解液。
  9. 前記メタノールが最大で20%までである、請求項8に記載の電解液。
  10. さらにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を有する、請求項1に記載の電解液。
  11. エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン酢酸三ナトリウム(HEDTA三ナトリウム)、ジエチレントリアミノ酢酸五ナトリウム、またはウラミル酢酸二ナトリウムという名称のキレート剤をさらに有する、請求項1から10のいずれか一つに記載の電解液。
  12. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)の濃度が、およそ10mMからおよそ500mMまでである、請求項1から11のいずれか一つに記載の電解液。
  13. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)の濃度が、およそ50mMからおよそ150mMまでである、請求項12に記載の電解液。
  14. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)の濃度が、およそ50mMからおよそ250mMまでである、請求項12に記載の電解液。
  15. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)の濃度が、150mMである、請求項13に記載の電解液。
  16. 双性イオンの濃度が、およそ1mMからおよそ500mMまでである、請求項1から15のいずれか一つに記載の電解液。
  17. 双性イオンの濃度が、およそ10mMからおよそ500mMまでである、請求項16に記載の電解液。
  18. 双性イオンの濃度が、およそ25mMからおよそ50mMまでである、請求項16に記載の電解液。
  19. 双性イオンの濃度が、およそ50mMからおよそ100mMまでである、請求項16に記載の電解液。
  20. 双性イオンの濃度が、50mMである、請求項19に記載の電解液。
  21. 双性イオンの濃度が、100mMである、請求項19に記載の電解液。
  22. ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の濃度が、0.5%(質量/体積)以下である、請求項10から20のいずれか一つに記載の電解液。
  23. ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の濃度が、0.1%(質量/体積)以下である、請求項22に記載の電解液。
  24. ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の濃度が、0.1%(質量/体積)である、請求項22に記載の電解液。
  25. エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の濃度が、0.5%(質量/体積)以下である、請求項11から20のいずれか一つに記載の電解液。
  26. エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の濃度が、0.05%(質量/体積)以下である、請求項25に記載の電解液。
  27. エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の濃度が、0.03%(質量/体積)である、請求項26に記載の電解液。
  28. 前記双性イオンが、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、および(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)の組み合わせである、請求項1から4のいずれか一つに記載の電解液。
  29. 請求項1から28のいずれか一つに記載の電解液を有する、電気泳動ゲル。
  30. ゲルがアクリルアミドゲルである、請求項29に記載の電気泳動ゲル。
  31. アクリルアミドの濃度が、およそ4%(質量/体積)からおよそ25%(質量/体積)までである、請求項30に記載の電気泳動ゲル。
  32. ゲルがアガロースゲルである、請求項29に記載の電気泳動ゲル。
  33. アガロースの濃度が、およそ0.5%(質量/体積)からおよそ3%(質量/体積)までである、請求項32に記載の電気泳動ゲル。
  34. ゲルがアクリルアミドおよびアガロースのゲルである、請求項29に記載の電気泳動ゲル。
  35. アクリルアミドの濃度が、およそ1%未満(質量/体積)からおよそ25%(質量/体積)までであり、またアガロースの濃度が、およそ0.5%(重さ/体積)からおよそ3%(質量/体積)までである、請求項34に記載の電気泳動ゲル。
  36. さらにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を有する、請求項30、31、34、および35のいずれか一つに記載の電気泳動ゲル。
  37. 双性イオンが、ゲルの保存期間改善のための、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、および3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)から選択される、請求項29から36のいずれか一つに記載の電気泳動ゲル。
  38. pHが、およそ8.0からおよそ8.8までである、請求項29から37のいずれか一つに記載の電気泳動ゲル。
  39. 少なくとも一つのサンプルの電気泳動分離の、加速もしくは分解改善の方法、または転写効率改善の方法、または加速および分解改善の方法、または加速および転写効率改善の方法であって、
    ・少なくとも一つのサンプルをその中に含む電気泳動ゲルと接触している請求項1から28のいずれか一つに記載の電解液に電圧をかける段階
    を含む方法。
  40. 電気泳動ゲルが、請求項29から38のいずれか一つに記載のゲルである、請求項39に記載の方法。
  41. 少なくとも一つのサンプルの電気泳動分離の、加速もしくは分解改善の方法、または転写効率改善の方法、または加速および分解改善の方法、または加速および転写効率改善の方法であって、
    ・少なくとも一つのサンプルをその中に含む請求項29から38のいずれか一つに記載の電気泳動ゲルと接触させてゲル電気泳動を行うことに適した電解液に電圧をかける段階
    を含む方法。
  42. 少なくとも一つのサンプルの電気泳動分離の分解改善のための方法であって、
    ・2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−グリシルグリシン(Gly−Gly)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)、また3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CAPSO)、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(AMPSO)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−(2−(ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(4−ブタンスルホン酸)(HEPBS)、4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸(MOBS)、3−N−モルホリノプロパンスルホン酸(POPSO)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−4−アミノブタンスルホン酸(TABS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、(2−[2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチルアミノ]エタンスルホン酸)(TES)、(2−[2−アセトアミノ]−2−アミノエタンスルホン酸)(ACES)、(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)(PIPES)、(3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸)(MOPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(3−プロパンスルホン酸)(PIPPS)から選択される少なくとも一つの双性イオンを、電気泳動バッファーもしくは電気泳動ゲル、または電気泳動バッファーおよび電気泳動ゲルの両方に添加することを含む方法。
  43. 前記双性イオンが、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPSまたはHEPPS)である、請求項42に記載の方法。
JP2013506424A 2010-04-27 2011-04-21 より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー Ceased JP2013525788A (ja)

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32820810P 2010-04-27 2010-04-27
US61/328,208 2010-04-27
US37331510P 2010-08-13 2010-08-13
US61/373,315 2010-08-13
US201161431757P 2011-01-11 2011-01-11
US61/431,757 2011-01-11
US201161440096P 2011-02-07 2011-02-07
US61/440,096 2011-02-07
PCT/CA2011/000500 WO2011134072A1 (en) 2010-04-27 2011-04-21 Electrophoresis buffer for faster migration, improved resolution and extended shelf-life

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016019737A Division JP2016105107A (ja) 2010-04-27 2016-02-04 より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013525788A true JP2013525788A (ja) 2013-06-20

Family

ID=44860708

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013506424A Ceased JP2013525788A (ja) 2010-04-27 2011-04-21 より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー
JP2016019737A Pending JP2016105107A (ja) 2010-04-27 2016-02-04 より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016019737A Pending JP2016105107A (ja) 2010-04-27 2016-02-04 より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー

Country Status (6)

Country Link
US (3) US9103779B2 (ja)
EP (1) EP2564187A4 (ja)
JP (2) JP2013525788A (ja)
AU (1) AU2011245047B2 (ja)
CA (1) CA2796530A1 (ja)
WO (1) WO2011134072A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013006961A1 (en) * 2011-07-14 2013-01-17 Dgel Electrosystem Inc. Electrophoresis buffer for extending the useful electrophoresis life of an electrophoresis gel
EP2865685A1 (en) 2013-10-24 2015-04-29 Westfälische Wilhelms-Universität Münster Electrophoretic analysis of a sample using N-Lauroylsarcosine
CN112649488B (zh) * 2020-11-30 2022-08-23 深圳市人民医院 一种低背景银染聚丙烯酰胺凝胶中蛋白质的方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09512907A (ja) * 1994-03-31 1997-12-22 ノーベル エクスペアリメンタル テクノロジー 中性pH長寿命プレキャスト電気泳動ゲルのためのシステム
JP2002277438A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Hymo Corp 電気泳動ゲル、その製法及びその使用法
JP2004509343A (ja) * 2000-09-25 2004-03-25 アプレラ コーポレイション キャピラリー電気泳動のための高速高分解能組成物、方法、およびキット
JP2004527739A (ja) * 2001-03-08 2004-09-09 エスログ・バイオテクノロジー・リミテッド 電気泳動のための装置及び方法
JP2009522554A (ja) * 2005-12-29 2009-06-11 ライフ テクノロジーズ コーポレーション ポリアクリルアミドゲル上で分離される生体分子の分解能を改善するための組成物および方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4139440A (en) 1977-06-20 1979-02-13 Government Of The United States Electrofocusing in buffers
US4246084A (en) * 1979-05-29 1981-01-20 Beckman Instruments, Inc. Electrophoretic technique for assaying the relative distribution of lactate dehydrogenase isoenztimes and buffers for use therein
US5665216A (en) * 1986-10-21 1997-09-09 Northeastern University Capillary column for high performance electrophoretic separation and detection of SDS proteins and system and using the same
US5055517A (en) * 1988-04-29 1991-10-08 At Biochem Electrophoretic media
US5354442A (en) * 1992-05-21 1994-10-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Commerce Matrix modification in the electrophoretic separation of nucleic acids
US6783651B1 (en) 1994-03-31 2004-08-31 Invitrogen Corporation System for pH-neutral stable electrophoresis gel
US5464517A (en) 1995-01-30 1995-11-07 Bio-Rad Laboratories Electrophoresis in low conductivity buffers
EP1151287A1 (en) * 1999-01-12 2001-11-07 Spectrumedix Corporation Copolymers for capillary gel electrophoresis
WO2000067009A1 (en) * 1999-04-30 2000-11-09 Applied Hydrogel Technology Corporation Mixed buffers in gel electrophoresis systems
AUPQ571400A0 (en) 2000-02-18 2000-03-16 Life Therapeutics Limited Improved electrophoresis gels
EP2196799A3 (en) * 2001-07-19 2010-08-25 Applera Corporation Buffers for electrophoresis and use thereof
EP1680665A4 (en) * 2003-09-19 2010-06-16 Life Technologies Corp COMPOSITE COMPOSITIONS FOR ELECTROPHORESIS
WO2005092013A2 (en) * 2004-03-19 2005-10-06 Perkinelmer Las, Inc. Separations platform based upon electroosmosis-driven planar chromatography
US20060118418A1 (en) 2004-12-02 2006-06-08 Mathoor Sivaram Electrophoresis gels and buffers and methods of performing electrophoresis
US20090211907A1 (en) * 2005-02-25 2009-08-27 Japan Science And Technology Agency Separation Medium for Biochemical Analysis
ATE511641T1 (de) 2007-08-30 2011-06-15 Gene Bio Applic Ltd Puffersystem für ein langlebiges fertig gegossenes elektrophoresegel
WO2011028535A2 (en) * 2009-08-24 2011-03-10 Life Technologies Corporation System for rapid high-resolution gel electrophoresis
WO2013006961A1 (en) 2011-07-14 2013-01-17 Dgel Electrosystem Inc. Electrophoresis buffer for extending the useful electrophoresis life of an electrophoresis gel

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09512907A (ja) * 1994-03-31 1997-12-22 ノーベル エクスペアリメンタル テクノロジー 中性pH長寿命プレキャスト電気泳動ゲルのためのシステム
JP2004509343A (ja) * 2000-09-25 2004-03-25 アプレラ コーポレイション キャピラリー電気泳動のための高速高分解能組成物、方法、およびキット
JP2004527739A (ja) * 2001-03-08 2004-09-09 エスログ・バイオテクノロジー・リミテッド 電気泳動のための装置及び方法
JP2002277438A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Hymo Corp 電気泳動ゲル、その製法及びその使用法
JP2009522554A (ja) * 2005-12-29 2009-06-11 ライフ テクノロジーズ コーポレーション ポリアクリルアミドゲル上で分離される生体分子の分解能を改善するための組成物および方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20160216232A1 (en) 2016-07-28
US20150185183A1 (en) 2015-07-02
WO2011134072A1 (en) 2011-11-03
CA2796530A1 (en) 2011-11-03
AU2011245047B2 (en) 2016-01-28
EP2564187A4 (en) 2014-12-10
JP2016105107A (ja) 2016-06-09
US9103779B2 (en) 2015-08-11
US9267916B2 (en) 2016-02-23
EP2564187A1 (en) 2013-03-06
US20130048497A1 (en) 2013-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210063346A1 (en) Electro-blotting devices, systems, and kits and methods for their use
US11105769B2 (en) System for rapid high-resolution gel electrophoresis
Sanderson et al. Modification of gel architecture and TBE/TAE buffer composition to minimize heating during agarose gel electrophoresis
JP2016105107A (ja) より速い泳動、分解の改善、および保存期間の延長を目的とした電気泳動バッファー
JP4216598B2 (ja) キャピラリー電気泳動によるタンパク質の分離法およびキャピラリー電気泳動用の緩衝組成物
US9448202B2 (en) Electrophoresis buffer for extending the useful electrophoresis life of an electrophoresis gel
JP4814216B2 (ja) 電気泳動用バリヤー構造体及び電気泳動装置
AU2011245047A1 (en) Electrophoresis buffer for faster migration, improved resolution and extended shelf-life
EP3362786A1 (en) Electrophoresis gel with extended shelf life and high performance

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20131126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20131126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141125

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20150224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150317

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160204

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160318

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160610

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170411

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20180130