JP2013505438A - アミロイドβペプチドの検出のための新規アッセイ - Google Patents
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Abstract
【選択図】なし
Description
アルツハイマー病のバイオマーカーは先行技術で既に記載されている。例えば、ADAS-cog、MMSE、DemTect、SKT、又は時計描画テストのような周知の心理テストとともに、バイオマーカーは、最初の診断の診断感度及び特異性を改善するだけでなく、疾患の進行を監視するとも考えられている。AD/MCIのバイオマーカーの開発の現状との関連で、将来の疾患を他の診断基準と関連付けることが提案された(Whitwellらの文献, 2007; Panzaらの文献, 2007; Hyman SEの文献, 2007)。バイオマーカーは、将来、古典的な神経-心理テストを支援するか又はそれに取って替わると考えられている。それらは、アルツハイマー病に対する薬剤の開発の代用マーカーとして非常に重要であるという共通の考えがある(Blennow Kの文献, 2004; Blennow Kの文献, 2005; Hampelらの文献, 2006; Lewczukらの文献, 2006; Irizarry MC, 2004)。
「磁気共鳴画像診断」(MRI)は、脳の変性萎縮の検出を可能にする画像診断過程である(Barnes Jらの文献, 2007; Vemuriらの文献, 2008)。例えば、内側側頭葉の萎縮(MTA)は、高齢患者の脳の海馬領域の変性による影響を受けやすく、これは、MRIによって非常に明確に可視化することができるが、アルツハイマー病に特異的ではない。軽度のMTAは、他の認知症でより高頻度に見られるわけではないが(Barkhofらの文献, 2007)、それは確かにMCIと相関する(Mevelらの文献, 2007)。このため、神経変性がアルツハイマー病であるのか又はアルツハイマー病の初期段階であるのかをMRIデータのみから判定するのは不可能である。さらなる画像診断法は、アミロイド沈着物上の検出器分子(PIB)の蓄積を可視化することができる陽電子放出断層撮影法(PET)である。チオフラビンT-類似体(11C)PIBが、それぞれ、MCI又は軽度アルツハイマー病を有する患者の脳の特定の領域で蓄積することが見出されている(Kemppainenらの文献, 2007; Klunkらの文献, 2004; Roweらの文献, 2007)。しかしながら、これは、認知症の症状を示さない対象でも検出可能である(Pikeらの文献, 2007)。この現象がさらなる研究で確認されることになれば、これはおそらく、PETによるアミロイド沈着物の検出によってアルツハイマー病の前臨床段階の検出が可能になることを示すであろう。最もよく利用されるプロセスである、MRI及びPETの他に、アルツハイマー病のさらなる構造バイオマーカーが知られている:CBF-SPECT、CMRg1-PET(グルコース代謝プロトン分光法(H-1 MRS)、高磁場強度の機能的MRI、ボクセルに基づく形態計測法(voxel-based morphometry)、(fMRIによって検出される)内側基底側頭葉の増強された活性化、ミクログリア細胞の検出のための(R)-[(11)C]PK11195 PET(Huangらの文献, 2007; Kantarciらの文献, 2007; Petrellaらの文献, 2007; Hamalainenらの文献, 2007; Kircherらの文献, 2007; Krophollerらの文献, 2007)。
老人斑は、アルツハイマー病の病理学的特徴の1つである。これらの斑は、主にAβ(1-42)ペプチドからなる(Attems J, 2005)。いくつかの研究では、MCI患者のCSFでの低レベルのAβ(1-42)がアルツハイマー病の進行と特異的に相関することを示すことができた(Blennow及びHampelの文献, 2003; Hanssonらの文献, 2006及び2007)。CSFでの減少は、おそらく、脳におけるAβ(1-42)の凝集の増強によるものである(Faganらの文献, 2006; Princeらの文献, 2004; Strozykらの文献, 2003)。別の考えられる説明は、CSFでのより低いレベルの検出をもたらす半可溶性Aβ(1-42)オリゴマー(Walshらの文献, 2005)の出現である。特に、アルツハイマー病の初期段階では、Aβ(1-42)の濃度の減少が検出されると同時に、CSF 中のタウタンパク質及びホスホ-タウタンパク質の量の増加がそれぞれ検出され得る(Ewersらの文献, 2007; Lewczukらの文献, 2004)。バイオマーカーのより良好な予測可能性を提供するために、通常、タウ/Aβ(1-42)比を用いて、それを認知症を有さない高齢者の認知欠陥の予測と関連付けることが試みられる(Faganらの文献, 2007; Gustafsonらの文献, 2007; Hanssonらの文献, 2007; Liらの文献, 2007; Stomrudらの文献, 2007)、及びMCI患者 (Hampelらの文献, 2004; Maccioniらの文献, 2006; Schnknechtらの文献, 2007)。Aβ(1-42)、タウ、ホスホ-タウ-Thr231の生前のCSFレベルと死後の脳の組織病理学的変化とのさらなる相関がAD患者で検出された(Clarkらの文献, 2003; Buergerらの文献, 2006)。しかしながら、他の研究では、CSFバイオマーカーと、Aβ(1-42)、APOE ε4-アレルの場合の総タウ及びホスホ-タウ、剖検後の斑及びもつれの量(tangle load)との間に相関を検出することはできなかった(Engelborghsらの文献, 2007; Buergerらの文献, 2007)。興味深い側面が多施設研究で見出された。総タウ及びホスホ-タウ(181)のレベルの増加は、Aβ(1-42)/Aβ(1-40)の比の低下と相関するが、Aβ(1-42)レベル単独とは相関しないようである(Wiltfangらの文献, 2007)。しかしながら、CSFタウのレベルの増加は、どれもニューロンの喪失と関連するクロイツヘルト-ヤコブ病、脳梗塞、及び脳血管認知症のような他のCNS疾患でも検出された(Buergerらの文献, 2006(2); Biblらの文献, 2008)。さらなる可能なバイオマーカーは、MCIの指標としてのCSF中のBACE 1活性の増加である(Zhongらの文献, 2007)。BACE 1活性の増加が、Aβ産生の増加、したがって、ペプチドの凝集の増加をもたらすことも論じられている。アルツハイマー病は、神経炎症過程を伴うと考えられる。したがって、CSF中の抗ミクログリア細胞抗体は、ADにおけるこれらの炎症過程の可能なバイオマーカーである(McReaらの文献, 2007)。
頻繁に用いられる血漿バイオマーカー、すなわち、Aβペプチドの他に、さらなる炎症血漿マーカーが、認知症(Ravagliaらの文献, 2007; Engelhartらの文献, 2004)、及び特にアルツハイマー病(Mottaらの文献, 2007)の早期診断に用いられる。アルツハイマー病の診断に対するこれらの炎症マーカーの好適性及び特異性は今なお議論されている。さらなる可能なバイオマーカーは、AD患者及び健康対象由来の血漿の比較プロテオミクス解析によっても発見された (Germanらの文献, 2007; Rayらの文献, 2007)。前述のバイオマーカーのいずれかについての説得力のある又は好適なデータは、今のところ入手できない。
さらに、本発明は、信頼できる方法を用いて判定することができ、かつアルツハイマー病の信頼できる明確な予測に用いることができる診断マーカーを提供する。
本発明はさらに、生物学的試料を様々な測定サイクルで解析する多患者研究での使用に特に好適な信頼できる方法を提供する。
さらに好ましい実施態様では、生物学的試料は血漿である。
上述の「Aβ標的ペプチド」は、全てのその機能的等価物を含むAβ(1-40)及びAβ(1-42)を包含する。
本出願の意味における「捕捉抗体」は、標的Aβペプチドに結合する抗体を包含することが意図される。
本明細書で使用される用語「ある(a、an及びthe)」は、「1以上」を意味するように定義され、かつ文脈が不適切でない限りは、複数を含む。
本発明は、生物学的試料中のAβペプチドの検出及び測定のための方法を提供する。本方法は、生物学的試料を免疫沈降工程で少なくとも2つの異なる捕捉抗体と接触させることを特徴とする。得られる複合体を単離し、破壊し、その後、捕捉されたAβペプチドをAβ特異的ELISAで解析する。このAβ特異的ELISAはサンドイッチ-ELISAであることが好ましい。
i)生物学的試料を免疫沈降工程で少なくとも2つの異なる捕捉抗体と接触させること。
該生物学的試料を前述の少なくとも2つの異なる捕捉抗体と接触させた後、該少なくとも2つの異なる捕捉抗体とAβペプチドとの間で免疫複合体が形成される。この工程は、全長Aβ(1-40)及び/又はAβ(1-42)を特異的に単離する役割を果たすのではなく、むしろ、特に、位置40及び/又は位置42で終わる、全てのAβ種を捕捉し、分離する役割を果たす。
ii)次に、この複合体を二次抗体によって検出する。該二次抗体は、磁気ビーズに固定されていることが好適である。該磁気ビーズとともに、該免疫複合体は、磁気分離装置を用いて、体液(血漿/血清、CSFなど)から容易に分離することができる。
iii)該免疫複合体を該ビーズから溶出させる。溶出工程は、該免疫複合体を担持する該ビーズを、50%メタノール/0.5%ギ酸を含む溶液中、室温で1時間インキュベートすることによって行なわれることが好適である。それによって、全ての分子間相互作用が破壊され、該生物学的試料から単離された全てのAβペプチド分子が、該溶液中の該ビーズから放出される。
iv)放出され、単離されたAβペプチドを、次の工程で、例えば、全長Aβ(1-40)及び/又はAβ(1-42)を特異的に検出するサンドイッチELISAによって定量する。
3D6、エピトープ:1-5(Elan Pharmaceuticals, Innogenetics)
pAb-EL16、エピトープ:1-7
2H4、エピトープ:1-8(Covance)
1E11、エピトープ:1-8(Covance)
20.1、エピトープ:1-10(Covance, Santa Cruz Biotechnology)
ウサギ抗-Aβポリクローナル抗体、エピトープ:1-14(Abcam)
AB10、エピトープ:1-16(Chemicon/Upstate - Milliporeの1部門)
82E1、エピトープ:1-16(IBL)
pAb1-42、エピトープ:1-11
NAB228、エピトープ:1-11(Covance, Sigma-Aldrich, Cell Signaling, Santa Cruz Biotechnology, Zymed/Invitrogen)
DE2、エピトープ:1-16(Chemicon/Upstate - Milliporeの1部門)
DE2B4、エピトープ:1-17(Novus Biologicals, Abcam, Accurate, AbD Serotec)
6E10、エピトープ:1-17(Signet Covance, Sigma-Aldrich)
10D5、エピトープ:3-7(Elan Pharmaceuticals)
WO-2、エピトープ:4-10(The Genetics Company)
1A3、エピトープ5-9(Abbiotec)
pAb-EL21、エピトープ5-11
310-03、エピトープ5-16(Abcam, Santa Cruz Biotechnology)
ニワトリ抗ヒトAβポリクローナル抗体、エピトープ12-28(Abcam)
ニワトリ抗ヒトAβポリクローナル抗体、エピトープ25-35(Abcam)
ウサギ抗ヒトAβポリクローナル抗体、エピトープ:N-末端(ABR)
ウサギ抗ヒトAβポリクローナル抗体(Anaspec)
12C3、エピトープ10-16(Abbiotec, Santa Cruz Biotechnology)
16C9、エピトープ10-16(Abbiotec, Santa Cruz Biotechnology)
19B8、エピトープ9-10(Abbiotec, Santa Cruz Biotechnology)
pAb-EL26、エピトープ:11-26
BAM90.1、エピトープ:13-28(Sigma-Aldrich)
ウサギ抗β-アミロイド(汎)ポリクローナル抗体、エピトープ:15-30(MBL)
22D12、エピトープ:18-21(Santa Cruz Biotechnology)
266、エピトープ:16-24(Elan Pharmaceuticals)
pAb-EL17;エピトープ:15-24
4G8、エピトープ:17-24(Covance)
ウサギ抗Aβポリクローナル抗体, エピトープ:22-35(Abcam)
G2-10;エピトープ:31-40(The Genetics Company)
ウサギ抗-Aβ、aa 32-40ポリクローナル抗体(GenScript Corporation)
EP1876Y、エピトープ:x-40(Novus Biologicals)
G2-11、エピトープ:33-42(The Genetics Company)
16C11、エピトープ:33-42(Santa Cruz Biotechnology)
21F12、エピトープ:34-42(Elan Pharmaceuticals, Innogenetics)
1A10、エピトープ:35-40(IBL)
D-17ヤギ抗Aβ抗体、エピトープ:C-末端(Santa Cruz Biotechnology)
であるが、本発明は、それらの特定の実施例(working example)に限定されない。
4G8及び11A5-B10、3D6及び4G8、6E10及び4G8、82E1及び4G8、4G8及び12F4、4G8及び21F12、3D6及び21F12、6E10及び21F12、BAN50及び4G8、3D6及び11A5-B10、3D6及び1A10、3D6及びBA27、6E10及び11A5-B10、6E10及び1A10、6E10及びBA27、4G8及び11A5-B10、4G8及び1A10、4G8及びBA27、4G8及び12F4、4G8及び21F12である。
- 10mg/ml サイクロフィリン18(Cyp 18)及び0.05% Tween-20を含むD-PBS、
- PBS + 0.05% Tween-20、
- TBS + 0.05% Tween-20、
- PBS + 1%(w/v) BSA + 0.05% Tween-20、
- TBS + 1%(w/v) BSA + 0.05% Tween-20、並びに
- Pierce ELISA Blocker(Tween-20を含む)。
- EIAバッファー(IBL 1-40(N) ELISAキットの希釈バッファー)、
- PBS + 1%(w/v) BSA + 0.05% Tween-20、
- TBS + 1%(w/v) BSA + 0.05% Tween-20、及び
- Pierce ELISA Blocker(Tween-20を含む)。
(a)放射性同位体、例えば、35S、14C、125I、3H、及び131I。抗体は、例えば、「免疫学最新プロトコル(Current Protocols in Immunology)」, 第1巻及び第2巻, Gtigenら編, Wiley-Interscience. New York, New York. Pubs.,(1991)に記載されている技術を用いて放射性同位体で標識することができ、放射能は、シンチレーションカウンティングを用いて測定することができる。
(b)蛍光標識、例えば、希土類キレート(ユーロピウムキレート)又はフルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、リサミン、フィコエリスリン、並びにテキサスレッドが利用可能である。蛍光標識は、例えば、「免疫学最新プロトコル(Current Protocols in Immunology)」(前掲)に開示されている技術を用いて、抗体にコンジュゲートすることができる。蛍光は、蛍光光度計を用いて定量することができる。
(c)様々な酵素-基質標識が利用可能である。酵素は一般に、様々な技術を用いて測定することができる発色基質の化学的変化を触媒する。例えば、酵素は、基質の色の変化を触媒することができ、この変化は、分光光度法によって測定することができる。あるいは、酵素は、基質の蛍光又は化学発光を変化させることができる。蛍光の変化を定量するための技術は上に記載されている。化学発光基質は、化学反応によって電子的に励起されるようになり、その後 (例えば、化学発光計を用いて)測定可能な光を放出することができるか、又は蛍光受容体にエネルギーを供与することができる。酵素的標識の例は、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRPO)などのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、0-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、サッカライドオキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環オキシダーゼ(例えば、ウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどを含む。酵素を抗体にコンジュゲートさせるための技術は、O'Sullivanらの文献,「酵素イムノアッセイにおける使用のための酵素-抗体コンジュゲートの調製方法(Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay)」,Methods in Enzym.(Langone & H. Van Vunakis編), Academic Press, New York, 73:147-166(1981)に記載されている。
(i)セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRPO)と、基質としての水素ペルオキシダーゼ、ここで、この水素ペルオキシダーゼは、色素前駆体(例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)又は3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン塩酸塩(TMB))を酸化する;
(ii)アルカリホスファターゼ(AP)と、発色基質としてのパラ-ニトロフェニルホスフェート;及び
(iii)β-D-ガラクトシダーゼ(β-D-Gal)と、発色基質 (例えば、p-ニトロフェニル-β-D-ガラクトシダーゼ)又は蛍光基質4-メチルウンベリフェリル-β-D-ガラクトシダーゼ。
(d)検出抗体用の別の考えられる標識は、短いヌクレオチド配列である。その場合は、濃度をRT-PCRシステム(Imperacer(商標), Chimera Biotech)で決定する。
アッセイ原理はTR-FRETをベースにしている。これは、時間分解蛍光とフェルスター共鳴エネルギー転移を組み合わせたものである。通常のサンドイッチELISAと同様に、Aβ(1-40)は2つの抗体によって結合される。しかしながら、これらの抗体は、この場合は、表面に結合されず、相互作用は溶液中で生じる。両方の抗体は蛍光団で標識されている。これら2つの蛍光団が生体分子相互作用によって集合したとき、励起中に供与体蛍光団によって捕捉されたエネルギーの一部がFRETを介して受容体蛍光団に転移され、それが結果として励起される。この受容体蛍光団の蛍光が測定される。計測シグナルは、FRETの量、したがって、溶液中のAβ(1-40)に量と相関する。
マルチプレックスアッセイシステムはいくつかの製造業者から入手可能であり、かつ本分野において周知で、広く用いられている。本発明の方法における使用の好適な例は、INNO-BIA 血漿Aβ形態アッセイ(Innogenetics)である。このアッセイは、xMAP(登録商標)技術(xMAPはLuminex社の登録商標である)を用いる、血漿中のヒトβ-アミロイド形態Aβ(1-42)及びAβ(1-40)又はAβ(X-42)及びAβ(X-40)の同時定量のための多重パラメータビーズに基づく十分に標準化されたイムノアッセイである。
- Aβ(1-40)の定量のために、SELDI-TOF質量分析も用いた (Simonsenらの文献, 2007(2))。
- 免疫沈降及びMALDI-TOF質量分析を用いたAβペプチドの定量的解析。15N標識標準Aβペプチドを較正に用いる。(Gelfanovaらの文献, 2007)。
ウェスタンブロット解析を伴う2D-ゲル電気泳動法は、Aβペプチドを定量するための好適な方法であり得る(Sergeantらの文献, 2003; Casasらの文献, 2004)。
便宜上、本発明の抗体を、キット、すなわち、所定の量の試薬と診断アッセイを実施するための指示書とを包装して組み合わせたものとして提供することができる。抗体が酵素で標識されている場合、キットは、その酵素が必要とする基質及び補因子 (例えば、検出可能な発色団又は蛍光団を提供する基質前駆体)を含む。さらに、他の添加剤、例えば、安定化剤、バッファー(例えば、ブロックバッファー又は溶解バッファー)などが含まれていてもよい。アッセイの感度を実質的に最適化する試薬の溶液中濃度を提供するために、様々な試薬の相対量を幅広く変化させることができる。特に、試薬は、溶解時に適切な濃度を有する試薬溶液を提供する賦形剤を含む、通常凍結乾燥された乾燥粉末として提供することができる。
本発明の方法は、Aβペプチド、特に、Aβ(1-40)、又はその機能的等価物を信頼できる形で検出し、定量することを初めて可能にする。特に、本発明は、特に、疾患の初期段階でのアルツハイマー病の鑑別診断に好適な血漿バイオマーカーとしてのAβ(1-40)を提供する。
(1.材料及び方法)
(1.1 患者及び健康対照)
ADの臨床診断を有する患者及び健康対照を採用した。研究前の検査で、研究の参加者全員の神経心理学的機能をいくつかの心理テスト(DemTect、ミニメンタルステートテスト、時計描画テスト)で試験した。
DemTectスケールは、5つの短い下位テスト(10単語のリストの反復、数字の変換、意味的単語の流暢性課題、逆方向数唱、単語リストの遅延再生)を含む認知症についての簡易スクリーニングテストである(Kesslerらの文献, 2000)。素点を変換して年齢及び教育に依存しない得点を出し、「認知症が疑われる」(8点以下)、「軽度認知障害」(9〜12点)、及び「年齢相応」(13〜18点)に分類する。
ミニメンタルステート検査(MMSE)又はFolsteinテストは、認知を評価するために用いられる30点の簡易アンケートテストである。それは、認知症についてスクリーニングするために医療で一般に用いられる。約10分間で、それは、計算力、記憶、及び見当識を含む様々な機能を試験する。それは、Folsteinらの文献, 1975によって導入され、少し修正されて広く用いられている。
時計の採点は、Shulmannらの文献, 1986が用いた尺度の変法をベースにした。円は全て予め描かれており、対象に対する指示は、「11時10分を正しい位置に配置する」ことであった。採点システム(表2参照)の範囲は1点〜6点であり、より高い得点は、より多くの間違いとより多くの障害を反映する。この採点システムは、経験的に導かれ、臨床診療に基づいて修正される。必然的に、このシステムには個々の判断に任される余地がかなり残されるが、高水準の評価者間の信頼度を有するのに十分な簡易さがある。本発明者らの研究は、3つの主要な要素の分析に役立つ。これらは、時計描画テストと認知機能の他の評価基準との横断的比較;時計描画テストの経時的な長期的記載、及び時計描画テストの悪化と施設への収容決定との関係性を含む。
(1.2.1 被験試料)
研究前の検査の後、研究を開始し、2週間後に参加者全員から採血した。
ADバイオマーカーの決定用の全血液試料を、それぞれ、以下の3本のポリプロピレンチューブに回収した:
1.EDTA血漿用のカリウム-EDTAを含むもの(Sarstedt Monovette, 02.1066.001)
2.ヘパリン血漿用のLi-ヘパリンを含むもの(Sartstedt Monovette, 02.1065.001)
3.血清用のブランク(Sarstedt Monovette, 02.1063.001)。
静脈穿刺によるか、又は挿入された前腕静脈留置カニューレからEDTA血漿用のカリウム-EDTA(Sarstedt Monovette, 02.1066.001)を含む5本のポリプロピレンチューブへの反復採血によって、十分に特徴付けられた対照者から血液試料(45ml)を採取した。5本全てのチューブを1550 g(3000 rpm)にて4℃で10分間遠心分離して、血漿を得た。血漿を2mlポリプロピレンチューブ(Eppendorf, 0030120.094)に移して、1mlのアリコートにした。この内部血漿標準のアリコートを-80℃で保存した。試料は採血後1時間以内に遠心分離した。対照血漿には「内部EDTA血漿標準対照」(ITS)とラベルした。他の体液(脳脊髄液、尿、リンパ液、唾液、汗、胸水、滑液、房水、涙液、胆汁、膵分泌物)を本発明の方法で用いる場合、これらの流体は、血漿試料について本明細書で示されたような、十分に特徴付けられた対照者から採取しなければならない。
(1.3.1 被験試料)
免疫沈降
(4mlの血漿を含む)EDTA血漿試料(ここで、本発明は、EDTA 血漿に限定されるものではなく、例えば、ヘパリン血漿、又は血清を用いることもできる)を融解し、2mlポリプロピレンチューブ(Eppendorf, 0030120.094)に1mlずつ分注した。1錠のプロテアーゼ阻害剤(Roche, コンプリートミニプロテアーゼ阻害剤カクテル, 11836153001)を1mlのD-PBS(Invitrogen, 14190-094)に溶解させた。25μlのプロテアーゼ阻害剤溶液を1mlのEDTA血漿に添加した。各試料の1本のチューブを除く、全てのアリコートを凍結させ、80℃で再び保存した。これらの残りの血漿試料のチューブに10μlの10% Tween-20を添加した(spiked)。各チューブに、2.5μgの抗アミロイドβ(17-24)抗体4G8(Millipore, MAB1561)、2.5μgの抗アミロイドβ(x-42)抗体12F4(Millipore, 05-831)、及び2.5μgの抗アミロイドβ(x-40)抗体11A5-B10(Millipore, 05-799)を添加した。
最後の洗浄工程の後、溶液を完全に取り除き、チューブを磁気分離装置から取り外し、100μlの50%(v/v)メタノール/0.5%(v/v)ギ酸を各チューブに添加し、軽く振ってビーズを再懸濁した。全てのチューブを室温で1時間インキュベートした。その後、チューブを再び磁気分離装置内に置き、各チューブからの40μlを440μlのEIA緩衝液(IBL 1-40(N)ELISAキットの希釈緩衝液)と混合した。希釈した試料のpHを、16μlの400mM Na2HPO4、400mM KH2PO4 pH 8.0を用いて、EIA緩衝液のpHに合わせた。
ペプチド濃度の測定は、IBL 1-40(N)ELISAキット(IBL, JP27714)を用いて実施した。
上記のAβ(1-40)ELISAの代わりに、全長Aβ1-40を検出することができる他の全ての市販ELISAキットを用いることができる。
Aβ(1-40)の血漿濃度とアルツハイマー病の陽性の臨床診断の存在との相関を、スチューデントのt-検定を用いて検討した。
免疫沈降
ITS試料の免疫沈降は、通常、上記の被験試料に用いたのと同じ方法に従って実施した。
ITS試料を上記の被験試料に用いたのと同じ方法に従って処理した。
ITS試料中の溶出されたアミロイドβペプチドの定量を上記の被験試料に用いたのと同じ方法に従って実施した。
1回の測定で、ITS試料及び試験血漿試料のAβ(1-40)濃度を1枚のELISAプレート上で一緒に決定した。その後、被験試料の決定された血漿Aβ(1-40)濃度を、方程式3に従って、ITS試料の決定された濃度に対して正規化した。:
(2.1 人口統計学的特徴)
全体で、30名の健康対照及び15名のAD患者(AD患者を以下「患者」と表記する)の、45名の人が本研究に参加した。血漿Aβに対する年齢の影響の可能性を観察するために、対照の人を幅広い年齢にわたって選択し、3つの群に亜分類した。第I群は、18〜30歳の対象を含み、第II群は、31〜45歳の対象を含み、第III群は、46〜65歳の対象を含む。人口統計学的特徴を表3に示す。
神経心理学的機能の評価のために、参加者全員が、上に記載したようなDemTect、ミニメンタルステートテスト、及び時計描画テストを実施した。これらのテストは、研究前、並びに研究の開始から3カ月後、6カ月後、9カ月後、及び12カ月後に行なわれた。
素点を変換して年齢及び教育に依存しない得点を出し、「認知症が疑われる」(8点以下)、「軽度認知障害」(9〜12点)、及び「年齢相応」(13〜18点)に分類する。全往診についてのテスト結果を図2に示す。
MMSテストでは、(30点中)27点以上の得点はいずれも事実上正常である。これ未満では、20〜26点は軽度の認知症を示し、10〜19点は中等度の認知症を示し、10点未満は重度の認知症を示す。正常値も教育の程度及び年齢について補正される。低い得点から極めて低い得点は、認知症の存在と密接に相関するが、他の精神障害もMMST検査での異常所見をもたらすことがある。テスト結果を図3に示す。同じ健康対照及びAD患者がこのテストに参加した。
時計描画テストの採点システムの範囲は1点〜6点であり、より高い得点は、より多くの間違いとより多くの障害を反映する。この採点システムは、経験的に導かれ、臨床診療に基づいて修正される。必然的に、このシステムには個々の判断に任される余地がかなり残されるが、高水準の評価者間の信頼度を有するのに十分な簡易さがある。この場合にも、上記の2つのテストの場合と同じ健康対照及びAD患者の群が参加した。
テスト結果を図4に示す。
患者と比較すると健康対象の3つの群との間に明確な違いがある。結果を、図2及び3と同様の様式で図4に示す。
Aβ(1-40)濃度を、上に記載したように、T0 + 9カ月シリーズのEDTA血漿中で決定した。T0 + 9シリーズのさらなる試料を用いて、新しい免疫沈降法を最適化し、確立した。全体では、最適化された最終的な方法を10個のAD試料及び26個の対照試料を用いて試験した。決定された血漿Aβ(1-40)濃度を表4に示す。
EDTA血漿試料の第2シリーズの測定(T0 + 6カ月)で相対的なAβ(1-40)濃度の比較を行なった。最初の工程で、対照対象及びAD患者由来の被験試料を1枚のELISAプレート上で一緒に解析した。決定された血漿Aβ(1-40)レベルを、この測定サイクルで解析される対照対象由来の全試料の平均値に対して正規化した。Aβレベルの正規化を方程式4に従って行なった:
本発明者らは、Aβ(1-40)の高い血漿濃度がアルツハイマー病の陽性臨床診断と関連することを示すことができた。以前の研究(van Oijenらの文献, 2006; Mayeuxらの文献, 2003; Mehtaらの文献, 2000)で、この相関を示そうと試みられたが、統計的有意性に説得力がなかった。これは、統計的に有意な相関を確立することができず、好適な決定法がないことも考慮されて、Aβ(1-40)がADのマーカーとして適さないという考えにつながった。本研究では、Aβ(1-40)濃度を二重抗体決定法で直接決定した。Rotterdamの研究(van Oijenらの文献, 2006)では、全試料の平均濃度値は192.0pg/mlであった。Mayeux及び共同研究者らは、ベースライン時のADで153.6pg/ml、及び非認知症高齢者で133.3pg/mlを見出し、Mehta及び共同研究者らは、孤発性ADを有する患者及び健康対照で、それぞれ、272pg/ml及び219pg/mlを得た。本研究では、本発明者らは、それぞれ、385pg/ml(AD患者)及び304pg/ml(健康対照)の平均血漿 Aβ(1-40)濃度を得た。検出された血漿Aβ(1-40)の増加は、新規の二価捕捉システムを使用した結果である。このシステムに関して上で詳細に説明したように、Aβペプチド1分子は、2つの異なるエピトープを認識する2つの抗体分子によって結合される。第1の(捕捉)抗体は、Aβ(1-40)のアミノ酸17-24と相互作用する。第2の捕捉抗体はAβ(1-40)のC-末端に結合する。好ましい実施態様では、両方の抗体を1種の抗マウス抗体によって磁気ビーズ上に固定した。この仮説に束縛されることを望むものではないが、ヒト血漿中で2つの捕捉抗体とAβペプチドとの協調的結合を達成することができると考えられる。この結合は、特に強力でかつ特異的であることが証明されているが、これにより、所与の試料、例えば、血漿に由来する全てのAβ(1-40)ペプチド分子が捕捉され、ELISAによる定量を妨げる他の血漿タンパク質の除去がさらに保証される。AD患者と対照の間の有意差は、所与の試料のAβ(1-40)ペプチド分子を定量的に検出することができる本研究によって明らかになった。
Claims (46)
- 生物学的試料中のAβ標的ペプチドの検出のための方法であって、以下の工程:
i)生物学的試料を少なくとも2つの異なる捕捉抗体と接触させること、
ii)得られる免疫複合体の検出、
iii)前記免疫複合体の破壊、及び
iv)捕捉されたAβペプチドを定量すること
を含む、前記方法。 - 前記方法が内部標準試料の存在下で実施される、請求項1記載の方法。
- 前記内部標準試料が、血漿試料、脳脊髄液試料、尿試料、リンパ液試料、唾液試料、汗試料、胸水試料、滑液試料、房水試料、涙液試料、胆汁試料、膵分泌物試料から選択される、請求項1又は2記載の方法。
- 前記内部標準試料が内部標準血漿試料(ITS)である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
- 前記方法が、さらなる工程として、生物学的試料の前記Aβ標的ペプチド濃度、例えば、Aβ(1-40)又はAβ(1-42)濃度を、前記内部標準試料中で決定されたそれぞれのAβ標的ペプチドの濃度に対して正規化し、各々の生物学的試料の相対的なAβ標的ペプチドレベルを生じさせることを含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
- 前記Aβ標的ペプチドが、その機能的等価物を含むAβ(1-40)である、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 前記Aβ標的ペプチドが、その機能的等価物を含む配列番号:1のAβ(1-40)である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
- 前記Aβ標的ペプチドが、その機能的等価物を含むAβ(1-42)である、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 前記Aβ標的ペプチドが、その機能的等価物を含む配列番号:2のAβ(1-42)である、請求項1〜5又は8のいずれか一項記載の方法。
- 前記生物学的試料が、血液、血清、尿、脳脊髄液(CSF)、血漿、リンパ液、唾液、汗、胸水、滑液、涙液、胆汁、及び膵分泌物からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
- 前記生物学的試料が血漿である、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
- 前記少なくとも2つの異なる捕捉抗体が各々、前記Aβ標的ペプチド上の異なるエピトープに特異的である、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
- 前記捕捉抗体が、
3D6、エピトープ:1-5、
pAb-EL16、エピトープ:1-7、
2H4、エピトープ:1-8、
1E11、エピトープ:1-8、
20.1、エピトープ:1-10、
ウサギ抗Aβポリクローナル抗体、エピトープ:1-14(Abcam)、
AB10、エピトープ:1-16、
82E1、エピトープ:1-16、
pAb1-42、エピトープ:1-11、
NAB228、エピトープ:1-11、
DE2、エピトープ:1-16、
DE2B4、エピトープ:1-17、
6E10、エピトープ:1-17、
10D5、エピトープ:3-7、
WO-2、エピトープ:4-10、
1A3、エピトープ5-9、
pAb-EL21、エピトープ5-11、
310-03、エピトープ5-16、
ニワトリ抗ヒトAβポリクローナル抗体、エピトープ12-28(Abcam)、
ニワトリ抗ヒトAβポリクローナル抗体、エピトープ25-35(Abcam)、
ウサギ抗ヒトAβポリクローナル抗体、エピトープ:N-末端(ABR)、
ウサギ抗ヒトAβポリクローナル抗体(Anaspec)、
12C3、エピトープ10-16、
16C9、エピトープ10-16、
19B8、エピトープ9-10、
pAb-EL26、エピトープ:11-26、
BAM90.1、エピトープ:13-28、
ウサギ抗β-アミロイド(汎)ポリクローナル抗体、エピトープ:15-30(MBL)、
22D12、エピトープ:18-21、
266、エピトープ:16-24、
pAb-EL17;エピトープ:15-24、
4G8、エピトープ:17-24、
ウサギ抗Aβポリクローナル抗体、エピトープ:22-35(Abcam)
G2-10;エピトープ:31-40、
ウサギ抗Aβ、aa 32-40ポリクローナル抗体(GenScript Corporation)、
EP1876Y、エピトープ:x-40、
G2-11、エピトープ:33-42、
16C11、エピトープ:33-42、
21F12、エピトープ:34-42、
1A10、エピトープ:35-40、及び
D-17ヤギ抗Aβ抗体、エピトープ:C-末端
からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。 - 前記捕捉抗体が、3D6、BAN50、82E1、6E10、WO-2、266、BAM90.1、4G8、G2-10、1A10、BA27、11A5-B10、12F4、及び21F12からなる群から選択される、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
- 以下の抗体ペア:
4G8及び11A5-B10、
3D6及び4G8、
6E10及び4G8、
82E1及び4G8、
4G8及び12F4、
4G8及び21F12、
3D6及び21F12、
6E10及び21F12、
BAN50及び4G8、
3D6及び11A5-B10、
3D6及び1A10、
3D6及びBA27、
6E10及び11A5-B10、
6E10及び1A10、
6E10及びBA27、
4G8及び11A5-B10、
4G8及び1A10、
4G8及びBA27、
4G8及び12F4、並びに
4G8及び21F12
が捕捉抗体として用いられる、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。 - 前記複合体の検出が、各捕捉抗体と特異的に反応する二次抗体を用いることによって実施される、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
- 前記二次抗体が、抗マウス抗体又は抗ウサギ抗体である、請求項1〜16のいずれか一項記載の方法。
- 前記二次抗体が標識されている、請求項16又は17記載の方法。
- 前記二次抗体が磁気ビーズ上に固定されている、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
- 前記免疫複合体を担持する前記磁気ビーズが、磁気分離装置を用いて前記生物学的試料から分離される、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
- 前記免疫複合体の破壊が、50%(v/v)メタノール/0.5%(v/v)ギ酸の存在下で行なわれる、請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。
- 前記検出された免疫複合体が定量される、請求項1〜21のいずれか一項記載の方法。
- 前記捕捉されたAβペプチドが、サンドイッチELISA、アミロイドβ1-40 HTRF(登録商標)アッセイ、Alphascreen(商標)アッセイ、マルチプレックスアッセイシステム、質量分析、及びウェスタンブロット解析からなる群から選択される定量手段によって定量される、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
- 前記捕捉されたAβペプチドが、定量手段としてのサンドイッチELISAによって定量される、請求項1〜23のいずれか一項記載の方法。
- 前記サンドイッチELISAが、Aβ(1-40)の完全なN-末端に特異的である第1の抗体;及びAβ(1-40)のアミノ酸40で終わるC-末端に特異的である検出抗体を含む、請求項24記載の方法。
- 前記サンドイッチELISAが、Aβ(1-42)の完全なN-末端に特異的である第1の抗体;及びAβ(1-42)のアミノ酸42で終わるC-末端に特異的である検出抗体を含む、請求項24記載の方法。
- 前記サンドイッチELISAが、Aβ(1-40)のC-末端に特異的である第1の抗体;及びAβ(1-40)のAsp-Ala-Gluで始まる完全なN-末端に特異的である検出抗体を含む、請求項24記載の方法。
- 前記サンドイッチELISAが、Aβ(1-42)のC-末端に特異的である第1の抗体;及びAβ(1-42)のAsp-Ala-Gluで始まる完全なN-末端に特異的である検出抗体を含む、請求項24記載の方法。
- 前記第1の抗体が固定されている、請求項25〜28のいずれか一項記載の方法。
- 前記検出抗体が標識されている、請求項25〜28のいずれか一項記載の方法。
- Aβ(1-40)の定量のためのELISAキットが用いられる、請求項24記載の方法。
- 前記ELISAキットが、アミロイド-β(1-40)(N)ELISA(IBL, JP27714); Aβ[1-40]ヒトELISAキット(Invitrogen);ヒトアミロイドベータ(アミロイド-b)、aa 1-40 ELISAキット(Wako Chemicals USA, Inc.);及びアミロイドベータ1-40 ELISAキット(The Genetics Company)からなる群から選択される、請求項31記載の方法。
- Aβ(1-42)の定量のためのELISAキットが用いられる、請求項24記載の方法。
- 前記ELISAキットが、アミロイド-β(1-42)(N)ELISA(IBL, JP27712); Aβ[1-42]ヒトELISAキット(Invitrogen)、ヒトアミロイドベータ(アミロイド-β)、aa 1-42 ELISAキット(Wako Chemicals USA, Inc.)、アミロイドベータ1-40 ELISAキット(The Genetics Company)、INNOTEST(登録商標)β-アミロイド(1-42)(Innogenetics)からなる群から選択される、請求項33記載の方法。
- 前記生物学的試料のドナーである対象の神経変性疾患の状態が、1以上の心理テストで特徴付けられる、請求項1〜34のいずれか一項記載の方法。
- 前記心理テストが、DemTectテスト、ミニメンタルステートテスト(Mini-Mental-State Test)、時計描画テスト、ADAS-Cog、聖なるテスト(Blessed Test)、CANTAB、Cognistat、NPI、BEHAVE-AD、CERAD、CSDD、GDS、及び7分間スクリーニング(The 7 Minute Screen)から選択される、請求項1〜35のいずれか一項記載の方法。
- アルツハイマー病の診断のための、請求項1〜36のいずれか一項記載のAβ標的ペプチドの検出のための方法の使用。
- アルツハイマー病の鑑別診断のための請求項37記載の使用。
- アルツハイマー病の初期段階の診断のための請求項37又は38記載の使用。
- 軽度認知障害の診断のための請求項38又は39記載の使用。
- 請求項1〜36のいずれか一項記載のAβ標的ペプチドの検出のための方法が用いられる、アルツハイマー病の診断のためのインビトロ法。
- アルツハイマー病の診断のためのAβ標的ペプチドの使用。
- アルツハイマー病の鑑別診断のための請求項42記載の使用。
- アルツハイマー病の初期段階の診断のための請求項40又は41記載の使用。
- 軽度認知障害の診断のための請求項43又は44記載の使用。
- 前記Aβ標的ペプチドが、その機能的等価物を含むAβ(1-40)である、請求項37〜45のいずれか一項記載の使用。
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