JP2013505221A - 長時間作用性y2受容体アゴニスト - Google Patents

長時間作用性y2受容体アゴニスト Download PDF

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Abstract

本発明は、置換、挿入、欠失および修飾からなる群から選択される少なくとも1つの変更と、場合によって、少なくとも14個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む血清アルブミン結合側鎖とを含むPYY類似体またはその誘導体に関する。さらに、本発明は、その組成物およびY2受容体変調に応答する状態を治療する方法に関する。

Description

本発明は、治療用ペプチドの分野、即ち、タンパク分解性破壊に対して当該ペプチド類似体を安定化する、置換、欠失、挿入および修飾からなる群から選択される、ペプチドにおける少なくとも1つの変更を含むペプチドYY(PYY)類似体、さらにその誘導体などの新たな遷延性(protracted)ペプチド類似体に関する。
ペプチドチロシン-チロシン(PYY)は、食事中に遠位小腸および結腸のL細胞から放出される。PYYは、胃腸管において末梢効果を有し、また、満腹シグナルとして中枢的に作用することが知られている。PYYは、PYY(1-36)として放出されるが、切断されてPYY(3-36)になり、これが循環PYYの約50%を構成している。in vivoにおけるPYY(3-36)への分解を主に担っている酵素は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP IV)である。PYY(3-36)は、プロテアーゼおよび他のクリアランス機構によって迅速に除去される。PYY(3-36)の半減期は、ブタにおいて<30分であると報告されている。したがって、PYYは、最適以下の薬物動態特性を示し、治療効果を発揮するためには、少なくとも1日1回は投与しなければならない。
hPYY(1-36)は、Y1、Y2およびY5受容体を非常に低い選択率でしか活性化しないが、DPP IV処理されたhPYY(3-36)は、多少のY1およびY5親和性を保持しながらも、Y2受容体に対して高い選択性を示す。Y2受容体活性化は、食欲および食物摂取を低下させる一方で、Y1およびY5受容体活性化は食欲および食物摂取を増大させることが知られている。さらに、Y1およびY5受容体活性化は、血圧を高め得る。
Y2受容体を介するPYYシグナルおよびY2受容体に結合するための決定因子は、ペプチドのC末端部分に主に位置している。したがって、PYYのC末端部分の変化は、治療効果を喪失する危険性を伴う。
動物モデルおよびヒトにおいてこれらのペプチドのうちのある種に効果が証明されたこと、および肥満しているヒトは、低いPYY基礎レベルを有し、さらに、このペプチドの比較的低い食事応答を示すという事実に基づき、PYYを肥満および関連疾患の治療において使用することが示唆されている。さらに、Y2アゴニストは、抗分泌および吸収促進(pro-absorptive)作用を胃腸(GI)管において有することが証明されている。いくつかの胃腸管障害の治療におけるY2アゴニストの潜在的な使用が示唆されている。
肥満および腸管分泌過多などのY2受容体の変調に応答する状態を治療するためには、遷延性PYYなどの遷延性Y2受容体選択的アゴニストを使用することが望ましいであろう。PYY(3-36)の比較的短い半減期は、このペプチドの治療的使用を限定している。それというのも、定常曝露レベルのためには、頻繁な投薬が必要となるであろうし、このことは、患者にとって極めて不便であろうためである。
生理活性ペプチドは、その個々の受容体を刺激した後に不活性化されることが必要である。循環ペプチドでの不活性化経路には、細胞表面または可溶性血漿ペプチダーゼによる分解、さらに、他の種類のクリアランス機構が包含される。プロテアーゼによる前記分解は、ペプチドでの受容体選択性を調節する高度に特殊化されたペプチダーゼと、完全なペプチド不活性化を担う広い特異性のペプチダーゼとの両方を包含する一連のプロテアーゼによって達成される。前記クリアランス機構のうち、肝臓クリアランスも場合によっては、重要な役割を果たすが、腎臓クリアランスが、PYYを除去するためには最も重要であり、多くのペプチドおよびタンパク質には、発汗および呼吸によるクリアランスは存在しない。したがって、PYYのin vivo半減期を延長することが望ましい。PYYの半減期を延長するために、このペプチドを、アルブミンなどのより大きなタンパク質に結合させることができる。
Y受容体変調に起因する肥満などの状態を治療するために、Y受容体のサブタイプY2を活性化し、重要なことに、遷延性薬物動態特性も示し、そのままで、ヒトPYY(3-36)などのヒトPYYよりも低い頻度の投与の投薬計画で使用することができるPYY類似体を使用することは魅力的であろう。
WO 03/105763号 PCT/EP2009/055989号 米国特許第5,849,883号
Bowieら、Science 247、1306〜1310頁、1990 Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版(1995) Harrison's Principles of Internal Medicine、McGraw-Hill Inco、New York、12版 Eto Bら、Comparison of the antisecretory effect of endogenous forms of peptide YY on fed and fasted rat jejunum. Peptides、1997;18(8):1249〜55頁 Morris GPら、「Hapten- induced model of chronic inflammation and ulceration in the rat colon」、Gastroenterology. 1989; 96:795〜803頁 Mazelinら、「Protective role of vagal afferents in experimentally-induced colitis in rats」、Juton Nerv Syst、1998;73:38 45 Novobiochem 2002/2003またはより新刊のカタログ W.R. Sampson(1999)、J. Pep. Sci. 5、403 Asakawa Aら、Characterization of the effects of pancreatic polypeptide in the regulation of energy balance、Gastroenterology、2003、124、1325〜1336頁の1326頁
Y2受容体アゴニストでの治療に関して、ヒトにおいて、悪心および嘔吐が、用量を限定する有害事象として記載されている。何ら有害事象を伴うことなく、投与のプラスの治療効果が観察され得る治療ウィンドウは、Y2受容体アゴニストでは狭いと記載されている。さらに、動物での研究によって、最適な治療効果を得るためには、長期曝露が必要であることが示唆されている。PYY治療に関して臨床的に記載されている狭い治療ウィンドウによって、ヒトPYY(1-36)、ヒトPYY(3-36)または当該誘導体のものと同じ血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)と比較して改善された薬物動態特性を有するPYY類似体またはその誘導体を得ることが望ましい。前記改善された薬物動態特性によって、治療ウィンドウ内でより良好な用量設定が可能となり、かつ/または一日複数回の投与を回避することができるであろう。
一実施形態では、本発明は、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)と比較して、当該PYY類似体または誘導体の機能を低下させるC末端タンパク分解性破壊に対して改善された安定性を有するPYY類似体またはその誘導体に関し、前記機能は、本明細書に記載されているアッセイ(IV)、アッセイ(I)またはアッセイ(V)によって決定される。
一実施形態では、本発明は、
i. 遠位カルボン酸(distal carboxylic acid)または遠位テトラゾール基(distal tetrazolegroup)をさらに含んでもよい少なくとも14個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む少なくとも1個の血清アルブミン結合側鎖;および
ii. 下式からなる群から選択されるタンパク質構成(proteinogenic)または非タンパク質構成(non-proteinogenic)アミノ酸残基に置換された少なくとも1個のアミノ酸残基
Figure 2013505221
[式中、R1は、アミノ酸の側鎖であり、Rは、HまたはC1〜C12アルキルである]を含むPYY類似体またはその誘導体に関する。
一実施形態では、本発明は、肥満、肥満関連疾患、例えば、食物摂取の減少または糖尿病などのY受容体変調に応答する状態を治療する際に使用するための本明細書で定義されるとおりのPYY類似体または誘導体に関する。一実施形態では、本発明は、本明細書で定義されるとおりのPYY類似体またはその誘導体と、少なくとも1種の医薬添加剤とを含む組成物に関する。
痩せた絶食/再給餌(lean fasted-re-fed)C57BL/6マウスにおける食物摂取に対するペプチド配列番号3の効果を示すグラフである。食物に戻す30分前にマウスに、0.1、0.3および1.0μmol/kgのペプチド用量、さらにビヒクルのみを皮下投与し、累積食物摂取量を48時間にわたって測定した。
一実施形態では、本発明は、in vivoにおけるタンパク分解性破壊に対して当該類似体または誘導体を安定させる、ペプチド主鎖での置換、欠失および修飾からなる群から選択される少なくとも1つの変更を含有するPYY類似体またはその誘導体に関する。一実施形態では、前記類似体または誘導体は、C末端タンパク分解性破壊に対して安定化されている。
上述のとおり、PYY(1-36)は、DPP IVによって迅速に分解されて、3-36になる。さらなるN末端分解は、ポリプロリンヘリックスによって妨げられる。本発明者らは、in vitroおよびin vivo調査によって、PYY(3-36)はC末端で切断されて、Y2受容体効力を完全に失うことを見出した。したがって、PYY(3-36)(PYY(1-36)も)は、短い半減期で最適以下の薬物動態プロファイルを示し、治療効果を得るためには、少なくとも1日1回または少なくとも1日2回などの頻繁な投与を必要とするであろう。
一実施形態では、本発明は、遷延性薬物動態特性を有するPYY類似体またはその誘導体に関する。一実施形態では、本発明は、Y2受容体のアゴニストであり、遷延性薬物動態特性を有するPYY類似体またはその誘導体に関する。「アゴニスト」という用語は、標的受容体を活性化し、前記受容体の内生アゴニストによって誘発されるin vivoまたはin vitro作用の少なくとも1つを誘発する任意の化合物を意味する。一実施形態では、本発明によるPYY類似体の誘導体は、意外にも良好な遷延性薬物動態特性を示す。
ペプチドの「遷延特性」は、比較的低い頻度、例えば、1日1回、1週間に1回または1週間に一度未満の投薬計画をもたらすペプチドの長期の作用持続時間である。本発明によるPYY類似体またはその誘導体の遷延特性は、ヒトPYY(1-36)、ヒトPYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)と比較して、血漿における長期半減期または長期生物学的活性として現れ得るであろう。一実施形態では、本明細書に記載されているアッセイ(V)などの本明細書に記載されている方法、ミニブタでの静脈内PKを使用して、PYY類似体またはその誘導体の遷延を、健康なブタなどの動物への投与後の血漿中でのその濃度を監視することによって決定する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の遷延を、本明細書に記載されているアッセイ(V)、アッセイ(VII)、アッセイ(VI)、アッセイ(VIII)またはアッセイ(IX)などの少なくとも1つの生物学的アッセイにおいて前記類似体または誘導体の作用の持続を監視することによって決定する。
「ヒトPYY」および「hPYY」という用語は、PYY(1-36)を意味することが意図されている。一実施形態では、ヒトPYYは、配列番号1によって定義されるとおりであり、1および2位にN末端アミノ酸Tyr-Proが加わっている。一実施形態では、ヒトPYYは、配列番号1によって定義されるとおりのPYY(3-36)である。一実施形態では、本明細書に述べられている少なくとも1つの形態の組合せを達成している。
PYY(3-36)の薬効は、Y2受容体に媒介されると考えられるが、Y1およびY5受容体の活性化は、有害作用をもたらすか、または治療効果を打ち消し得る。したがって、Y1および/またはY5受容体よりもY2受容体に高い選択性を有するPYY類似体またはその誘導体を開発することが望ましい。Y2受容体選択性の増大は、Y2受容体効力と比較した場合のY1および/またはY5受容体効力の相対的な低減か、またはY1および/またはY5受容体効力と比較した場合のY2受容体効力の相対的な増大を意味することが意図されている。したがって、アッセイ(II)および/または(III)および(I)によってそれぞれ決定した場合に、hPYY(3-36)と比較して、Y2受容体に対してよりも、Y1および/またはY5受容体に対する効力において比較的大きな低下を示すPYY(3-36)類似体またはその誘導体は、高いY2受容体選択性を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、hPYY(3-36)と比較して、Y1および/またはY5受容体よりもY2受容体に高い選択性を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、hPYY(3-36)と比較して、Y1受容体よりもY2受容体に高い選択性を有する、即ち高いY1/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、hPYY(3-36)と比較して、Y5受容体よりもY2受容体に高い選択性を有する、即ち高いY5/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、Y1および/またはY5受容体よりもY2受容体に高い選択性を有し、C末端分解に対して安定化されている。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、Y1および/またはY5受容体よりもY2受容体に高い選択性を有し、より長い半減期などの遷延性薬物動態を有する。
PYY類似体
一実施形態では、置換、欠失および修飾からなる群から選択される変更を、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)であってよいPYYペプチドに組み込むことによって、PYY類似体または誘導体に遷延性薬物動態特性を獲得させる。PYY類似体またはその誘導体のタンパク質分解を予防することは、アミノ酸残基の置換、欠失および修飾からなる群から選択される変更を該当する切断部位に、またはその近くに、切断プロテアーゼ中の活性部位によって許容されない残基を用いて組み込むことによって可能である。
PYY類似体またはその誘導体を得るために使用し得るであろうコンセプトは、イミノ酸プロリンを、ペプチド構造を中断する切断部位の近傍に組み込み、ペプチド主鎖の柔軟性を低下させて、ペプチドを安定化させることに基づくが、しかしながら、この置換は、前記類似体または誘導体の治療効果を混乱させる危険性を持つ。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、該当するアミノ酸残基の少なくとも1つのN-メチルアミノ酸類似体を含む。N-メチルアミノ酸類似体は、PYY類似体またはその誘導体の治療効果を保存する潜在能力を有する。それというのも、アミノ酸側鎖は変わらず、ペプチド結合の周囲におけるプロリンと類似の構造によって、PYY類似体またはその誘導体のタンパク質分解安定性を増大するはずであるためである。他のタンパク質分解安定化コンセプトには、炭化水素安定化(stabling)の使用またはペプチド結合還元ペプチド結合への変更が包含される。
ペプチドに関して本明細書で使用される場合、「類似体」という用語は、ペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されており、かつ/または少なくとも1つのアミノ酸残基がペプチドから欠失されており、かつ/または少なくとも1つのアミノ酸残基がペプチドに加えられており、かつ/またはペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が修飾されているペプチドを意味する。アミノ酸残基のそのような付加または欠失は、ペプチドのN末端および/またはペプチドのC末端で行うことができる。簡単な命名法を使用して、本発明によるペプチドを記載するが、その際、例えば、[N-メチルArg35]hPYY(3-36)は、35位に元々生じているアルギニンが、N-メチル化アルギニンで置換されており、1および2位に元々生じているチロシンおよびプロリンがそれぞれ欠失されているヒトPYYの類似体を表している。
一実施形態では、ペプチドまたはPYY類似体もしくはその誘導体の位置に関する本明細書での言及は、ヒトPYY(3-36)などのヒトPYY(1-36)における位置を指している。一実施形態では、PYY(3-36)のN末端位は、3位と言及される。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒト、マウス、ヒツジ、ヤギ、ウシまたはウマを包含する哺乳動物などの脊椎動物に由来してよい。
本明細書で使用される場合、「ペプチド」という用語は、ペプチド結合によって結合している少なくとも5個の構成アミノ酸からなる化合物を意味する。一実施形態では、ペプチドのN末端は、アミノ基であり、かつ/または前記C末端は、カルボン酸基である。一実施形態では、光学異性体が述べられていないPYY類似体またはその誘導体中の全てのアミノ酸は、L-異性体を意味すると理解すべきである。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体中の少なくとも1つのアミノ酸は、D-アミノ酸である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の構成アミノ酸は、遺伝コードによってコードされるタンパク質構成アミノ酸および遺伝コードによってコードされない天然アミノ酸などの非タンパク質構成アミノ酸および合成アミノ酸の群からの少なくとも1種から選択することができる。一実施形態では、タンパク質構成アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、セレノシステインおよびピロリシンを含む。非タンパク質構成アミノ酸は、遺伝コードによってコードされない天然アミノ酸、例えばこれらに限られないが、D-アラニン、D-ロイシンまたはD-グルタミンなどの遺伝コードによってコードされるアミノ酸のD-異性体;これらに限られないがγ-カルボキシグルタメート、オルニチン、ヒドロキシプロリンまたはホスホセリンなどの他の天然アミノ酸;これらに限られないが、β-アラニンなどのアミノ酸のβ類似体などの合成化学的に製造されたアミノ酸;これらに限られないが、Aib(α-アミノイソ酪酸)、C-αメチルPheまたはC-α-メチルTyrなどのC-αメチル化アミノ酸;これらに限られないが、N-メチルAsn、N-メチルHis、N-メチルArgまたはN-メチルTyrなどのN-メチルアミノ酸;これらに限られないがホモヒスチジン、ホモグルタミン、ホモアルギニン(2-アミノ-6-グアニジノ-ヘキサン酸、HomoArg)、ホモロイシンまたはホモフェニルアラニン、これらに限られないがβ-ホモGlnなどのβホモアミノ酸などのホモアミノ酸;これらに限られないが、ノルロイシンなどの
ノルアミノ酸(nor amino acid)、これらに限られないがジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸またはオルニチンなどのジアミノ酸;これらに限られないが(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸(NGIn)または(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸(NArg)などのN-置換グリシン;これらに限られないがN-ε-N-メチルリシン、(N-ε,N-ε)ジメチルリシン、(N-ε,N-ε,N-ε)トリメチルリシン、N-ω-メチルアルギニンまたは(N-ω,N-ω)-ジメチルアルギニンなど、メチル化側鎖官能基を有するアミノ酸; これらに限られないが2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸(Agp)、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸(Agb)などの、短縮側鎖を有するアミノ酸;これらに限られないが(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸などの他のアルギニン模倣アミノ酸;またはこれらに限られないが3-ピリジルアラニン、(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸、Abu(a-アミノ酪酸)、Tie(tert-ブチルグリシン)、3-アミノメチル安息香酸、アントラニル酸、ピリジルアラニン、2-ピリジルアラニン、4-ピリジルアラニン、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘプチル)カルボン酸、(1-アミノシクロオクチル)カルボン酸、チオチロシン、3-メルカプトフェニルアラニン、3-または4-アミノフェニルアラニン、3-または4-アセチルフェニルアラニン、2-または3-ヒドロキシフェニルアラニン(o-またはm-チロシン)、ヒドロキシメチルグリシン、アミノエチルグリシン、1-メチル-1-メルカプトエチルグリシン、アミノエチルチオエチルグリシン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジンまたはメルカプトエチルグリシンなどの他の合成アミノ酸を含む。本発明で有用な多くの非タンパク質構成アミノ酸は、市販されている。他のものは、当分野で公知の方法によって製造することができる。一実施形態では、非タンパク質構成アミノ酸は、ペプチド結合を介してペプチドに組み込むことができる部分ではあるが、タンパク質構成アミノ酸ではない。一実施形態では、本発明によるPYY類似体またはその誘導体の構成アミノ酸は、遺伝コードによってコードされるアミノ酸、遺伝コードによってコードされないタンパク質構成アミノ酸および合成アミノ酸の群の少なくとも1種から選択することができる。
一実施形態では、本発明は、ペプチド模倣物質の特殊なサブクラスであるN-置換グリシンの使用を伴う。N-置換グリシンは、タンパク質構成または非タンパク質構成アミノ酸対応物と密接に関連しているが、その側鎖に、分子の主鎖に沿ってα-炭素(アミノ酸においてのとおりの)ではなく窒素原子が付加されていることにおいて化学的に異なる。簡便に、N-置換グリシンのモノマーには、類似の機能を有するアミノ酸に接頭辞Nを付した対応する名称を与えている。例として、NArgは、アルギニン側鎖を有するN-置換グリシンを意味することが意図されており、NGlnは、グルタミン側鎖を有するN-置換グリシンを意味することが意図されている。下記のNArgおよびNGlnの式を参照されたい。
Figure 2013505221
一実施形態では、本発明は、タンパク質構成または非タンパク質構成アミノ酸対応物と密接に関連しているが、その側鎖が、延長または短縮されていることにおいて化学的に異なるアルギニン模倣物質の使用を伴う。簡便に、アルギニン模倣物質のモノマーには、次の名称を与えている:Agpは、グアニジノ基を含有する側鎖が炭素原子2個ぶん短縮されている2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸を意味することが意図されており;Agbは、グアニジノ基を含有する側鎖が炭素原子1個ぶん短縮されている2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸を意味することが意図されており;かつホモアルギニンまたはHomoArgは、グアニジノ基を含有する側鎖が炭素原子1個ぶん延長されている2-アミノ-6-グアニジノ-ヘキサン酸を意味することが意図されている。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、非タンパク質構成アミノ酸残基を包含しない。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、L-アミノ酸残基および/または修飾されたタンパク質構成L-アミノ酸残基のみを包含する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、これらに限られないが下記を包含する(D-およびL-配置の両方が企図されるが、しかしながら、簡便にL-配置のみが示されている)、タンパク質構成および非タンパク質構成アミノ酸で置換されている少なくとも1つのアミノ酸残基を含む:
Figure 2013505221
[式中、R1は、下式からなる群から選択される機能性アミノ酸側鎖を意味することが意図されており:
Figure 2013505221
破線は、機能性側鎖とアミノ酸主鎖との間の断絶を表しており、
Rは、HおよびC1〜C12アルキルを含む群から選択される]。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、前記類似体または誘導体のペプチド主鎖の少なくとも1つの位置に式(C)によって表されるアミノ酸残基を含む。一実施形態では、式(C)のアミノ酸残基は、33、34、35および36位からなる群から選択される少なくとも1つの位置に見出される。一実施形態では、式(C)のアミノ酸残基は、35位に見出される。式(C)のアミノ酸残基が35位に見出される一実施形態では、Rは、Argのアミノ酸側鎖であり、Rは、H、アルキル(C1〜C12アルキルなど)、ベンジルまたはフェニルからなる群から選択される。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、テトラゾール、スルホンアミドおよびアジドからなる群からの少なくとも1つから選択される還元ペプチド結合またはペプチド結合同配体に変えられている少なくとも1つのペプチド結合を含む。
一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では最大8個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または修飾されている。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では最大7個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または修飾されている。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では最大6個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または修飾されている。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では最大5個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または修飾されている。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では最大4個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または修飾されている。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では最大3個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または修飾されている。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では最大2個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または修飾されている。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)と比較した場合に、PYY類似体またはその誘導体では1個のアミノ酸が、置換、欠失、挿入および/または修飾されている。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれPYY(1-36)またはPYY(3-36)の全長にわたって、PYY(1-36)またはPYY(3-36)に対して少なくとも60%、65%、70%、80%または90%の配列同一率を示す。2種の類似体の間での配列同一率を決定するための方法の例としては、2種のペプチド[Ala34]PYY(1-36)およびPYY(1-36)をアラインメントさせる。PYY(1-36)に対するAla34類似体の配列同一率は、アラインメントさせた同一の残基の数から、異なる残基の数を引き、PYY(1-36)中の残基の全数で割ると得られる。したがって前記の例では、配列同一率は、(36-l)/36である。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、置換、挿入、欠失および修飾のうちの少なくとも1つなど、少なくとも1つの変更を含む。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、「非必須」アミノ酸残基の少なくとも1つの置換、挿入、欠失および修飾を包含する。「非必須」アミノ酸残基は、前記ペプチドの活性を打ち消すか、または実質的に低減することなく、ペプチド配列中で変更、即ち、欠失または置換され得る残基を意味することが意図されている。一実施形態では、本発明のPYY類似体またはその誘導体の「活性」は、本明細書に記載されているアッセイ(I)、Y2受容体ACTOneアッセイなどのY2受容体効力アッセイによって決定されるとおりのY2受容体効力である。「置換」という用語は、本来の配列中のあるアミノ酸を他のアミノ酸に変えることを意味することが意図されている。「欠失」という用語は、本来の配列から1個または複数のアミノ酸を除去することを意味することが意図されている。「挿入」という用語は、1個または複数のアミノ酸を本来の配列に加えることを意味することが意図されている。「修飾」という用語は、本来のペプチド配列中の1個もしくは複数のアミノ酸の側鎖または1個もしくは複数アミノ酸のα窒素原子に共有結合された変更を意味することが意図されている。
一実施形態では、本発明による誘導体のC末端は、酸またはアミドとして終了していてよい。一実施形態では、本発明の誘導体のC末端は、アミドである。
置換
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)と比較して、アミノ酸配列中に少なくとも1つの置換を単独で、または少なくとも1つの挿入もしくは欠失と組み合わせて有する。一実施形態では、置換は、PYY類似体またはその誘導体の活性を打ち消さないか、または実質的に低減させない。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)のアミノ酸配列と比較して、1個より多いアミノ酸残基の単一の置換または連続もしくは非連続の置換を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)のアミノ酸配列と比較して、1個、2個または3個のアミノ酸置換を包含する。
一実施形態では、PYYのヘリックスC末端領域のアミノ酸残基(例えば、残基20、24、25、27および29)、末端残基(32〜36)および/または5および8位のN末端プロリンは置換されていない。一実施形態では、アミノ酸残基は、PYYの32から36位では置換されていない。一実施形態では、PYYのアミノ酸残基は、5、7、8、20、24、25、27、29、32、33、34、35、36およびそれらの任意の組合せから選択される少なくとも1つのアミノ酸配列位置では置換されていない。
一実施形態では、アミノ酸は、保存的置換によって置換されている。「保存的置換」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つのアミノ酸が、少なくとも1つの生物学的に類似の残基によって置き換えられることを示す。例には、アミノ酸残基を類似の特性で、例えば、小さなアミノ酸、酸性アミノ酸、極性アミノ酸、塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸および芳香族アミノ酸で置換することが包含される。例えば、一実施形態では、Met残基を、Metとは逆に、容易には酸化されないノルロイシン(Nle)またはロイシン、イソロイシンもしくはバリンで置換する。内生の哺乳動物ペプチドおよびタンパク質中に通常は見出されない残基での保存的置換の他の例は、ArgまたはLysを、例えば、オルニチン、カナバニン、アミノエチルシステインまたは他の塩基性アミノ酸で保存的に置換することであろう。ペプチドおよびタンパク質中における表現型的にサイレントな置換に関するさらなる情報については例えば、Bowieら、Science 247、1306〜1310頁、1990を参照されたい。保存的に置換された本発明の類似体は例えば、5個まで、または3個以下の保存的置換など、10個までの保存的置換を有してよい。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、PYY配列中への少なくとも1つの非タンパク質構成および/または非アミノ酸、例えば、アミノ酸模倣物質の置換を包含する。一実施形態では、PYYの配列に挿入される非アミノ酸は、-NH-X-CO-(式中、X=(CH2)n(ここで、nは2〜20であってよい))または-NH-CH2CH2(-0-CH2CH2-0-)m-CH2-CO-(ここで、m=1〜5)などのβターン模倣物質または分子である。一実施形態では、PYYの配列に挿入される分子は、アミノカプロイル(「Aca」)、βアラニルおよび8-アミノ-3,6-ジオキサオクタノイルから選択することができる。βターン模倣物質は市販されている(BioQuadrant Inc、Quebec、Canada)。
欠失
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)のアミノ酸配列から欠失した少なくとも1つのアミノ酸残基を単独で、または少なくとも1つの挿入または置換と組み合わせて有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、PYYの4から35位のアミノ酸に欠失した少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。そのような欠失は、PYYの4から35位のアミノ酸での少なくとも1つの連続的または非連続的欠失を包含し得る。一実施形態では、PYYの24から36位のアミノ酸残基は、欠失していない。
一実施形態では、ヒトPYY(1-36)の少なくとも1つの生物学的活性が保持される限り、PYY類似体またはその誘導体は、N末端もしくはC末端短縮またはアミノ酸4から35位での内部欠失を包含する。一実施形態では、PYYの1および2位が欠失している。一実施形態では、PYYの5から8および24から26位、さらに特に5から8位および32から35位のアミノ酸残基は欠失していない。
挿入
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)のアミノ酸配列に挿入された少なくとも1つのアミノ酸残基を単独で、または少なくとも1つの欠失および/または置換と組み合わせて有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)のアミノ酸配列に単一の挿入または1個より多いアミノ酸残基の連続的もしくは非連続的挿入を有する。一実施形態では、少なくとも1つのアミノ酸を、PYY類似体またはその誘導体のN末端またはC末端に挿入する。一実施形態では、アミノ酸残基は、PYYの24から36位には挿入されていない。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、少なくとも1つのアミノ酸残基に化学的変更を含む。そのような化学的変更には、アミド化、糖鎖形成、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化および/または環化が包含される。化学的変更は、PYY類似体またはその誘導体の配列内のアミノ酸残基のN末端もしくはC末端で、または側鎖で単独で生じていてよい。一実施形態では、これらのペプチドのC末端は、遊離の-OHまたは-NH2基を有してよい。一実施形態では、ペプチドのN末端は、イソブチルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、N-ブチルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソカプロイル基(イソキャップ)、オクタニル基、オクチルグリシン基(G(Oct))、8-アミノオクタン酸(aminooctanic acid)基またはFmoc基でキャップされていてよい。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体のペプチドの途中の多数の部位に、化学的変更が存在する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)の配列への少なくとも1つの非タンパク質構成アミノ酸および/または非アミノ酸の挿入を包含する。一実施形態では、ヒトPYY(1-36)の配列に挿入される非タンパク質構成アミノ酸は、PYYの配列に挿入されるβターン模倣物質または分子であってよい。PYYの配列に挿入される分子の例には、アミノカプロイル(「Aca」)、βアラニルおよび8-アミノ-3,6-ジオキサオクタノイルが包含される。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、欠失、挿入および置換からなる群から選択される2つ以上の変化の組合せを含む。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、1、2または3個のアミノ酸置換を含む。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、1、2または3つのアミノ酸修飾を含む。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、前記類似体または誘導体のものと同じ血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)またはヒトPYY(3-36)と比較して改善された酵素安定性を有する。一実施形態では、酵素安定性は、本明細書に記載されている血漿中でのin vitro半減期に関するアッセイ(IV)によって決定される。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、式(I)のアミノ酸配列を含む:
Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36 式(I)
[式中、
Xaa1は、Tyr、Phe、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、Lysであるか、または存在せず;
Xaa2は、Pro、Ala、Leu、Phe、ヒドロキシプロリン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、Lysであるか、または存在せず;
Xaa3は、Ile、Val、Leu(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、Lysであり;
Xaa4は、Lys、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、またはLysであり;
Xaa5は、Pro、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、またはLysであり;
Xaa6は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、またはLysであり;
Xaa7は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、またはLysであり;
Xaa8は、Pro、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、またはLysであり;
Xaa9は、Gly、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa10は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa11は、Asp、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa12は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa13は、Ser、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa14は、Proまたはヒドロキシプロリンであり;
Xaa15は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa16は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa17は、Leu、Val、Ile、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸または1-アミノ酪酸であり;
Xaa18は、Asn、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa19は、Arg、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa20は、Tyr、Ala、Phe、3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa21は、Tyr、Ala、Phe、3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa22は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa23は、Ser、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa24は、Leu、Ile、Val、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa25は、Arg、Ala、His、アミノイソ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa26は、His、Arg、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa27は、Tyr、Ala、Phe、ホモPheまたは3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa28は、Ile、Val、Leu、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、アミノイソ酪酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa29は、Asn、Gln、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa30は、Met、Leu、Val、Ile、ホモロイシン、アミノイソ酪酸、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa31は、Leu、Val、Ile、アミノイソ酪酸、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa32は、Ser、Thr、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa33は、Arg、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸(Apg)、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸(Abg)、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸(NArg)、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸、またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
Xaa34は、Gln、Asn、His、Pro、N-メチルGln、β-ホモGln、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸(NGln)、N-メチルAsnまたはN-メチルHisであり;
Xaa35は、Arg、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸(Agp)、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸(Agb)、ホモアルギニン(2-アミノ-6-グアニジノ-ヘキサン酸、ホモArg)、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸(NArg)、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
Xaa36は、Tyr、Phe、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニン、(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸(NTyr)である]。
一実施形態では、Xaa1は、Tyrである。一実施形態では、Xaa1は、Lysである。
一実施形態では、Xaa2は、Proである。
一実施形態では、Xaa3は、Ileである。一実施形態では、Xaa3は、Lysである。
一実施形態では、Xaa4は、Lysである。一実施形態では、Xaa4は、Lysである。一実施形態では、Xaa4は、Argである。一実施形態では、Xaa4は、Aspである。一実施形態では、Xaa4は、Gluである。
一実施形態では、Xaa5は、Proである。一実施形態では、Xaa5は、Lysである。
一実施形態では、Xaa6は、Gluである。一実施形態では、Xaa6は、Lysである。
一実施形態では、Xaa7は、Alaである。一実施形態では、Xaa7は、Lysである。
一実施形態では、Xaa8は、Proである。一実施形態では、Xaa8は、Lysである。
一実施形態では、Xaa9は、Glyである。一実施形態では、Xaa9は、Lysである。
一実施形態では、Xaa10は、Gluである。一実施形態では、Xaa10は、Lysである。
一実施形態では、Xaa11は、Aspである。一実施形態では、Xaa11は、Lysである。一実施形態では、Xaa11は、Gluである。
一実施形態では、Xaa12は、Alaである。一実施形態では、Xaa12は、Lysである。
一実施形態では、Xaa13は、Serである。一実施形態では、Xaa13は、Lysである。
一実施形態では、Xaa14は、Proである。一実施形態では、Xaa15は、Lysである。
一実施形態では、Xaa15は、Gluである。一実施形態では、Xaa16は、Lysである。
一実施形態では、Xaa16は、Gluである。一実施形態では、Xaa17は、Lysである。
一実施形態では、Xaa17は、Leuである。一実施形態では、Xaa18は、Lysである。
一実施形態では、Xaa18は、Alaである。一実施形態では、Xaa18は、Lysである。一実施形態では、Xaa18は、Alaである。一実施形態では、Xaa18は、Gluである。一実施形態では、Xaa18は、Glnである。
一実施形態では、Xaa19は、Argである。一実施形態では、Xaa19は、Lysである。
一実施形態では、Xaa20は、Tyrである。一実施形態では、Xaa20は、Lysである。一実施形態では、Xaa20は、Alaである。
一実施形態では、Xaa21は、Tyrである。一実施形態では、Xaa21は、Lysである。
一実施形態では、Xaa22は、Alaである。一実施形態では、Xaa22は、Lysである。一実施形態では、Xaa22は、Aspである。一実施形態では、Xaa22は、Gluである。
一実施形態では、Xaa23は、Serである。一実施形態では、Xaa23は、Lysである。
一実施形態では、Xaa24は、Leuである。一実施形態では、Xaa24は、Lysである。
一実施形態では、Xaa25は、Argである。一実施形態では、Xaa25は、Lysである。一実施形態では、Xaa25は、Aibである。一実施形態では、Xaa25は、Hisである。一実施形態では、Xaa25は、Aibである。一実施形態では、Xaa25は、Tyrである。
一実施形態では、Xaa26は、Hisである。一実施形態では、Xaa26は、Lysである。
一実施形態では、Xaa27は、Tyrである。一実施形態では、Xaa27は、Lysである。一実施形態では、Xaa27は、Alaである。
一実施形態では、Xaa28は、Leuである。一実施形態では、Xaa28は、Lysである。
一実施形態では、Xaa29は、Asnである。一実施形態では、Xaa29は、Lysである。一実施形態では、Xaa29は、Glnである。
一実施形態では、Xaa30は、Leuである。一実施形態では、Xaa30は、Lysである。
一実施形態では、Xaa31は、Valである。一実施形態では、Xaa31は、Lysである。
一実施形態では、Xaa32は、Thrである。一実施形態では、Xaa32は、Lysである。
一実施形態では、Xaa33は、Argである。一実施形態では、Xaa33は、Lysである。一実施形態では、Xaa33は、N-メチルArgである。一実施形態では、Xaa33は、メチルリシンである。一実施形態では、Xaa33は、ジメチルリシンである。一実施形態では、Xaa33は、トリメチルリシンである。一実施形態では、Xaa33は、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸(Apg)である。一実施形態では、Xaa33は、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸(Abg)である。一実施形態では、Xaa33は、モノメチルアルギニンである。一実施形態では、Xaa33は、ジメチルアルギニンである。一実施形態では、Xaa33は、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸である。一実施形態では、Xaa33は、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸(NArg)である。一実施形態では、Xaa33は、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸である。一実施形態では、Xaa33は、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸である。一実施形態では、Xaa33は、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸である。一実施形態では、Xaa33は、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸である。一実施形態では、Xaa33は、アミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸である。
一実施形態では、Xaa34は、Glnである。一実施形態では、Xaa34は、Asnである。一実施形態では、Xaa34は、Hisである。一実施形態では、Xaa34は、Proである。一実施形態では、Xaa34は、Lysである。一実施形態では、Xaa34は、N-メチルGlnである。一実施形態では、Xaa34は、β-ホモGlnである。一実施形態では、Xaa34は、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸(NGln)である。一実施形態では、Xaa34は、N-メチルAsnである。一実施形態では、Xaa34は、N-メチルHisである。
一実施形態では、Xaa35は、Argである。一実施形態では、Xaa35は、Lysである。一実施形態では、Xaa35は、N-メチルArgである。一実施形態では、Xaa35は、メチルリシンである。一実施形態では、Xaa35は、ジメチルリシンである。一実施形態では、Xaa35は、トリメチルリシンである。一実施形態では、Xaa35は、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸(Agp)である。一実施形態では、Xaa35は、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸(Agb)である。一実施形態では、Xaa35は、ホモアルギニン(2-アミノ-6-グアニジノ-ヘキサン酸、ホモArg)である。一実施形態では、Xaa35は、モノメチルアルギニンである。一実施形態では、Xaa35は、ジメチルアルギニンである。一実施形態では、Xaa35は、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸である。一実施形態では、Xaa35は、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸(NArg)である。一実施形態では、Xaa35は、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸である。一実施形態では、Xaa35は、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸である。一実施形態では、Xaa35は、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸である。一実施形態では、Xaa35は、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸である。一実施形態では、Xaa35は、アミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸である。
一実施形態では、Xaa36は、Tyrである。一実施形態では、Xaa36は、Pheである。一実施形態では、Xaa36は、N-メチルTyrである。一実施形態では、Xaa36は、C-α-メチルPheである。一実施形態では、Xaa36は、3-ピリジルアラニンである。一実施形態では、Xaa36は、(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸(NTyr)である。
一実施形態では、Xaa1およびXaa2は、存在しない。一実施形態では、Xaa1、Xaa2、Xaa3およびXaa4は、存在しない。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、[N-メチルArg33]PYY(3-36)、[N-メチルGln34]PYY(3-36)、[N-メチルArg35]PYY(3-36)、[N-メチルTyr36]PYY(1-36)または[N-メチルTyr36]PYY(3-36)ではない。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、33、34、35および36位からなる群から選択される少なくとも1つの位置にアミノ酸置換を含む。
PYY類似体の誘導体
一実施形態では、PYY類似体または誘導体は、前記類似体または誘導体が血清アルブミンにin vivoで結合することによって、遷延性薬物動態特性を獲得する。前記結合は、共有または非共有であってよい。一実施形態では、脂肪酸をPYY類似体または誘導体に結合させて、これを、アルブミンに共有結合するようにする。一実施形態では、本発明は、アルブミンに固く結合して、ペプチド薬物の作用持続時間を延長する血清アルブミン結合側鎖の結合を含み、ペプチド薬物を1日1回または、例えばヒトPYY(3-36)よりも僅かな回数など、より少ない回数で投薬すればよいという結果を伴うペプチドの設計を記載する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、アルブミンに固く結合する少なくとも1つの側鎖、即ち、血清アルブミン結合側鎖の結合を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、遠位カルボン酸基または遠位テトラゾール基を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、脂肪二酸を含む。「血清アルブミン結合側鎖」、「血清アルブミン結合基」および「アルブミン結合基」という用語は、本明細書において互換的に使用される。一実施形態では、「アルブミン」という用語は、「血清アルブミン」を意味することが意図されている。
一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、少なくとも14個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、16、18または20個の炭素原子などの少なくとも14個の炭素原子を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、アミドを含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、遠位カルボン酸基または遠位テトラゾール基を含む。一実施形態では、アルキル鎖は、遠位カルボン酸基または遠位テトラゾール基を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、少なくとも14個の炭素原子を有するアルキル鎖を含み、その際、前記アルキル鎖は、遠位カルボン酸または遠位テトラゾール基を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、C18ジカルボン酸またはC16ジカルボン酸を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、C16カルボン酸を含む。
「誘導体」という用語ならびに「誘導体化される」および「誘導体化」という関連用語は、ペプチドに関連して本明細書で使用される場合、少なくとも1つの置換基が非変更ペプチドには存在しない化学的に変更されたペプチド、即ち共有で変更されたペプチドを意味する。典型的な変更は、アミド、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステルなどである。一実施形態では、少なくとも1つの血清アルブミン結合側鎖が、PYY類似体またはその誘導体の配列中のアミノ酸残基のN末端、C末端または側鎖に存在する。一実施形態では、誘導体化のための追加的部位を、少なくとも1つのアミノ酸をリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはシステインで置換することによって得る。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、1、2または3個の血清アルブミン結合側鎖分子に結合している。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体中の任意のアミノ酸位を誘導体化することができる。一実施形態では、誘導体化されるアミノ酸残基は、アミノ基を含む。一実施形態では、誘導体化されるアミノ酸残基は、第一級アミノ基を側鎖に含む。一実施形態では、誘導体化されるアミノ酸残基はリシンである。一実施形態では、誘導体化されるアミノ酸残基はシステインである。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体を、1つの位置でのみ誘導体化し、例えば1個のアミノ酸残基のみを誘導体化する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体のN末端位を誘導体化する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体のN末端位をアシル化する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体のN末端位を、CH3(CH2)rCO-(式中、rは16または18である)を含むアルブミン結合基で誘導体化する。一実施形態では、ヒトPYY(3-36)またはその類似体もしくはその誘導体のN末端位を、CH3(CH2)rCO-(式中、rは16または18である)を含むアルブミン結合基で誘導体化する。
アミノ基を含むアミノ酸残基の例は、リシン、オルニチン、ε-Nメチルリシンなどのε-N-アルキル化リシン、O-アミノエチルセリン、O-アミノプロピルセリンまたは側鎖中に第一級もしくは第二球アミノ基を含有するより長いO-アルキル化セリンである。一実施形態では、誘導体化されたアミノ酸残基は、側鎖中に第一級アミノ基を含む。第一級アミノ基を含むアミノ酸残基の例は、リシン オルニチン、O-アミノエチルセリン、O-アミノプロピルセリンまたは側鎖中に第一級アミノ基を含有するより長いO-アルキル化セリンである。
一実施形態では、「血清アルブミン結合側鎖」という用語は、血清アルブミン結合特性を有する部分を意味することが意図されている。一実施形態では、「血清アルブミン結合」という用語は、循環血清アルブミンに化合物が結合する固有の能力を指し、前記結合は、場合によって非共有である。一実施形態では、「血清アルブミン結合」において、様々な化合物が、アルブミンに結合する異なる能力を示す。血清アルブミンに結合する能力が高い化合物は、高い割合の結合化合物をもたらし、対応して血清中の未結合割合は低くなるであろう。
アルブミン結合を決定する方法の例は、次のとおりである:ヒトまたは他の種からの固定化血清アルブミンを有するカラムを使用することによって、血清アルブミン結合を測定することができる。カラムからの溶離時間の変更によって、所定のペプチドの親和性を測定することができ、溶離時間プロファイルを比較することによって、異なるアルブミン結合性ペプチドの間の相対的親和性を確立することができる。一方法では、血清アルブミンペプチドをビオチン化することができ、固定化アルブミンを有するマイクロタイタープレートを使用する酵素結合免疫測定法(ELISA)技術によって、ペプチドの結合を決定することができる。結合の可視化は、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼのいずれかに結合させたアビジンまたはストレプトアビジンを使用して行う。種々のアルブミン結合ペプチドの相対的親和性を測定することができる。アルブミン結合の測定において使用することができる他の親和性実験には、Biacore分析およびマイクロカロリメトリーが包含される。
一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、親油性である。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖を、場合によってアルキル化、アシル化、エステル形成またはアミド形成などの結合化学作用によってスペーサーを介してリシン残基に、またはマレイミドカップリングによってシステイン残基に結合する。「スペーサー」という用語は本明細書で使用される場合、ペプチドと血清アルブミン結合側鎖を分離する分子単位を意味する。一実施形態では、「スペーサー」という用語は本明細書で使用される場合、ペプチドとアルブミン結合側鎖とを分離する、少なくとも5個の非水素原子を含み、それらのうちの30〜50%がNまたはOのいずれかである化学的部分を備えたスペーサーを意味する。
一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、生理学的pHで負に帯電している。一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、負に帯電し得る基を含む。一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、カルボン酸基を含む。
一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、直鎖アルキル基、分枝アルキル基、ω-カルボン酸基および部分的または完全に水素化されたシクロペンタノフェナントレン骨格を有する基からなる群から選択される。
一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、シバクロニル(cibacronyl)残基である。
一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、6から40個の炭素原子、8から26個の炭素原子または8から20個の炭素原子を有する。
一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、CH3(CH2)rCO-(式中、rは4から38の整数、特に4から24の整数である)を含む群から選択され、より好ましくは、CH3(CH2)6CO-、CH3(CH2)8CO-、CH3(CH2)10CO-、CH3(CH2)12CO-、CH3(CH2)14CO-、CH3(CH2)16CO-、CH3(CH2)18CO-、CH3(CH2)20CO-およびCH3(CH2)22CO-を含む群から選択されるアシル基である。
一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、直鎖または分枝アルカンα,ω-ジカルボン酸のアシル基である。
一実施形態では、アルブミン結合側鎖は、A-B-C-D-またはA-C-D-またはA-B-C-またはA-C-であり、
ここで、A-は、
Figure 2013505221
[式中、pは、10、11、12、13および14からなる群から選択され、dは、0、1、2、3、4および5からなる群から選択される]であり、
-B-は、下式からなる群から選択されるか
Figure 2013505221
[式中、xは、0、1、2、3および4からなる群から選択され、yは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および12からなる群から選択される]、または
A-は、下式であり
Figure 2013505221
[式中、nは、12、13、14、15、16、17、18および19からなる群から選択される]、
Bは、下式からなる群から選択され
Figure 2013505221
[式中、xは、0、1、2、3および4からなる群から選択される]、
-C-は、下式からなる群から選択され
Figure 2013505221
[式中、bおよびeは、0、1および2からなる群からそれぞれ独立に選択され、cおよびfは、0、1および2からなる群からそれぞれ独立に選択されるが、但し、cが0である場合、bは1または2であるか、またはcが1または2である場合、bは0であり、fが0である場合、eは1または2であるか、またはfが1または2である場合、eは0である]、
-D-は、前記アミノ酸残基に結合していて、スペーサーである。
一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖を、N末端アミノ基、アミド化C末端のアミノ基または2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンもしくはLysの側鎖などのアミノ酸の側鎖に結合させる。
一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、当該脂肪酸の遠位端における負の電荷によって、血清アルブミンに対するPYY類似体またはその誘導体の親和性を高めるヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸またはドデカン二酸などの少なくとも1つの脂肪二酸を含む。一実施形態では、脂肪二酸またはテトラゾールを、これらに限られないが、負に荷電したアミノ酸、例えばL-γ-グルタメートなどのスペーサーに結合させることができる。一実施形態では、脂肪二酸またはテトラゾールを、これらに限られないが、トラネキサム酸およびイソニペコチン酸などの疎水性スペーサーに結合させることができる。一実施形態では、組み合わせた脂肪酸二酸またはテトラゾールおよびスペーサーを、これらに限られないが、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(Oeg)または複数のOegスペーサーなどのスペーサーで分離することができる。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、1個のOeg分子を含む。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、2個のOeg分子を含む。
一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリル-アミノ]-エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルである。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-アミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルである。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-アミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルである。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-アミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルである。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル-アミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルである。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリル]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
一実施形態では、-D-は、ペプチドにアルブミンハンドルの距離をもたらすスペーサーであり、少なくとも2個の連続するPEG分子などの少なくとも1個のPEG分子、少なくとも2個の連続するグリシンなどの少なくとも1個のグリシンまたは他の小さな極性残基からなる群から選択され得る。一実施形態では、前記スペーサーは、少なくとも2個の連続するOeg分子などの少なくとも1個の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(Oeg)分子または他のPEGタイプのスペーサーを含んでよい。一実施形態では、前記スペーサーは、ペプチドであってよく、グリシンポリマーを形成する少なくとも2個の連続するGly分子を含むかこれらからなってよい。一実施形態では、スペーサーは、いくつかの極性または親水性アミノ酸、例えば、これらに限られないが、(Ser-Gly)n(式中、nは整数であり;n=1〜20または1〜10または1〜5である)から構成される。一実施形態では、スペーサーは、β-アラニンもしくは8-アミノ-カプリル酸またはその組合せなどの非α-アミノ酸から構成されてよい。
一実施形態では、-D-は、下式である
Figure 2013505221
[式中、kは、0、1、2、3、4、5、11および27からなる群から選択され、mは、0、1、2、3、4、5および6からなる群から選択される]。
一実施形態では、A-B-C-D-は、下式のいずれか1つから選択されるか、それらの組合せである:
Figure 2013505221
一実施形態では、A-B-C-D-は、下式のいずれか1つから選択されるか、それらの組合せである:
Figure 2013505221
一実施形態では、A-B-C-D-は、下式からなる群から選択される:
Figure 2013505221
一実施形態では、A-B-C-D-は、アルブミン結合断片A-B-C-および親水性スペーサーDから構成される。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、アミノ、カルボキシルまたはチオール基に結合していてよく、NもしくはC末端によって、またはリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはシステインの側鎖に結合していてよい。一実施形態では、血清アルブミン結合側鎖は、ジアミンおよびジカルボン酸基と結合していてよい。遠位酸性基を有する4〜40個の炭素原子を含有する直鎖および分岐親油性部分のうち、多くのアルブミン結合側鎖が公知である。一実施形態では、本明細書中の式において示されている結合基A、B、CおよびDからの末端の破線結合は、付加結合(attachment bond)と見なされるべきであり、他に述べられていない限り、メチレン基では終わっていない。一実施形態では、基A、B、Cおよび/またはDは、アミド結合によって互いに結合している。
本発明によるPYY類似体またはその誘導体(配列番号3から配列番号30および配列番号32から配列番号35)、さらにPYY(3-36)(配列番号1)およびその誘導体 (配列番号2および配列番号31)をTable 1(表1)に示す。
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号3である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号4である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号5である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号6である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号7である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号8である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号9である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号10である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号20である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号21である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号22である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号25である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号26である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号29である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号30である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号33である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号35である。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号11である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号13である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号16である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号17である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号18である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号19である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号23である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号24である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号28である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号32である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、配列番号34である。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)の生物学的活性の少なくとも約25%、特に約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%パーセントを保持している。一実施形態では、PYYの「生物学的活性」という用語は、本明細書に記載されているマウスにおける急性食物摂取に関するアッセイなどのin vivoモデルにおいて効果を誘発する能力を意味することが意図されている。一実施形態では、PYYの「生物学的活性」は、食物摂取の減少、体重への効果、胃内容排出、呼吸商の変化および/または腸管電解質分泌に対する効果を意味することが意図されている。前記生物学的効果を決定する方法は、本明細書に、例えば、アッセイ(V)、アッセイ(VII)、アッセイ(VI)、アッセイ(VIII)およびアッセイ(IX)に記載されている。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)と比較して改善された生物学的活性を示す。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)の生物学的活性の少なくとも約110%、125%、130%、140%、150%、200%以上を示す。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、アッセイ(V)、アッセイ(VII)、アッセイ(VI)、アッセイ(VIII)およびアッセイ(IX)など本明細書に記載されているアッセイの少なくとも1つにおいて、同じアッセイにおけるヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)の効力以上である食物摂取、体重への効果、胃内容排出、呼吸商の変化、腸管電解質分泌に対する効果などの効果を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)と比較して、改善された製造の容易さ、安定性および/または製剤の容易さを示す。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)、ヒトPYY(3-36)または前記誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)と比較して、改善された薬物動態プロファイルを有する。一実施形態では、本発明による血清アルブミン結合側鎖を含むPYY類似体またはその誘導体は、週に1回、月に2回または月に1回の投与計画などの1日1回または1日1回よりも低い頻度での投与に適した遷延特性を示す。一実施形態では、前記薬物動態プロファイルまたは前記遷延特性を、PYY類似体またはその誘導体の半減期を測定することによって決定する。
一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体に高親和性アルブミン結合効果を与える。一実施形態では、高親和性アルブミン結合効果は、ヒトPYY(1-36)、ヒトPYY(3-36)または当該類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)に対して、本発明によるPYY類似体またはその誘導体の少なくとも20倍、少なくとも50倍または少なくとも100倍など、少なくとも10倍高いアルブミン結合と規定される。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)に対してかなり改善された半減期を有する。一実施形態では、げっ歯類または非げっ歯類モデルにおけるPYY類似体またはその誘導体の半減期は、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)に対して少なくとも6倍、10倍または50倍など、少なくとも3倍改善される。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、非げっ歯類モデルを使用してin vivoで決定して10〜500倍、20〜500倍、50〜500倍、10〜400倍、20〜400倍、50〜400倍、100〜500倍、100〜400倍または200〜500倍など、5〜500倍の範囲のヒトPYY(3-36)と比較しての半減期の改善を示す。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、非げっ歯類モデルを使用してin vivoで決定して1.2〜4倍の範囲のヒトPYY(3-36)と比較しての半減期の改善を示す。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)に対して、非げっ歯類モデルにおいてかなり改善された半減期を有し、その際、前記類似体または誘導体は、Y2受容体の活性化に関して、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)と少なくとも同じレベルの効力を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)に対して、非げっ歯類モデルにおいてかなり改善された半減期を有し、その際、前記類似体または誘導体は、Y2受容体の活性に関してヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)の60%、70%、80%または80%など、少なくとも50%の効力を有する。一実施形態では、半減期を、ヒトPYY(1-36)、ヒトPYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)に対して決定する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ミニブタに静脈内投与した後、少なくとも20時間、少なくとも30時間、少なくとも40時間、少なくとも50時間、少なくとも100時間、少なくとも150時間、少なくとも200時間、少なくとも250時間、少なくとも300時間または少なくとも350時間など、少なくとも10時間のin vivo半減期を有するか、別法ではミニブタに静脈内投与した後に少なくとも80時間のin vivo半減期を有する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の半減期は、ヒトPYY(3-36)の半減期よりも長い。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の半減期は、ヒトPYY(3-36)の半減期の少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍または少なくとも1.5倍など、少なくとも1.1倍である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の半減期は、ヒトPYY(3-36)の半減期の少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍または少なくとも10倍である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の半減期は、ヒトPYY(3-36)の半減期の少なくとも0.8倍、少なくとも0.85倍、少なくとも0.90倍、少なくとも0.95倍または1倍である。一実施形態では、半減期を、本明細書に記載されているアッセイ(IV)によって、血漿中でのin vitro半減期で決定する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の半減期は、ヒトPYY(3-36)の半減期よりも長い。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の半減期は、ヒトPYY(3-36)の半減期の少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも60倍、少なくとも75倍、少なくとも100倍、少なくとも150倍、少なくとも200倍、少なくとも250倍、少なくとも300倍、少なくとも350倍または少なくとも400倍など、少なくとも10倍である。一実施形態では、本発明によるPYY誘導体の半減期は、前記類似体または誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)の半減期よりも長い。一実施形態では、本発明によるPYY誘導体の半減期は、前記類似体または誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)の半減期の少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも12倍、少なくとも15倍または少なくとも20倍など、少なくとも2倍である。一実施形態では、半減期を、本明細書に記載されているアッセイ(V)、ミニブタでの静脈内PKによって決定する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、少なくとも1つの血清アルブミン結合側鎖と、タンパク分解性破壊に対して安定化する置換、挿入、欠失および修飾からなる群から選択される少なくとも1つの変更とを含み、この際、前記血清アルブミン結合側鎖および前記少なくとも1つの変更が相乗的に作用して、ヒトPYY(3-36)とin vivoで比較して、前記類似体または誘導体の半減期を延長する。「タンパク分解性破壊」という用語は、プロテアーゼおよびペプチダーゼによるin vivoまたはin vitroでのペプチドの分解を意味することが意図されている。一態様では、「タンパク分解性破壊に対する安定性」という用語は、ペプチドがプロテアーゼおよびペプチダーゼによる分解に対して抵抗性を有することを意味することが意図されている。タンパク分解性破壊も、タンパク分解性破壊に対する安定性も、本明細書に記載されているアッセイ(I)を使用して決定することができる。
一実施形態では、PYY類似体または誘導体のY2受容体効力は、ヒトPYY(3-36)のY2受容体効力の2倍未満である。一実施形態では、PYY類似体または誘導体のY2受容体効力は、ヒトPYY(3-36)のY2受容体効力の10倍、20倍、50倍、100倍または150倍未満など、5倍未満である。一実施形態では、PYY類似体または誘導体のY2受容体効力は、ヒトPYY(3-36)のY2受容体効力未満である。一実施形態では、PYY類似体または誘導体のY2受容体効力は、ヒトPYY(3-36)のY2受容体効力の0.5から5倍である。一実施形態では、Y2受容体効力を、アッセイ(I)、Y2受容体ACTOneアッセイによって決定する。一実施形態では、より低い受容体効力は、より高いEC50値に対応する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、アッセイ(II)によって決定した場合に、hPYY(3-36)のY1受容体効力よりも高いY1受容体効力を有する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、アッセイ(III)によって決定した場合に、hPYY(3-36)のY5受容体効力よりも高いY5受容体効力を有する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれアッセイ(III)およびアッセイ(I)によって決定した場合に少なくとも5であるY5/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれアッセイ(III)およびアッセイ(I)によって決定した場合にhPYY(3-36)のY5/Y2受容体効力比に対して少なくとも等しいか、またはそれを超えるY5/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれアッセイ(III)およびアッセイ(I)によって決定した場合に少なくとも15または少なくとも20であるY5/Y2受容体効力比を有する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれアッセイ(II)およびアッセイ(I)によって決定した場合に少なくとも2であるY1/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれアッセイ(II)およびアッセイ(I)によって決定した場合にhPYY(3-36)のY1/Y2受容体効力比を超えるY1/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれアッセイ(II)およびアッセイ(I)によって決定した場合に少なくとも15または少なくとも20であるY1/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、それぞれアッセイ(II)およびアッセイ(I)によって決定した場合に少なくとも30または少なくとも50であるY1/Y2受容体効力比を有する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、アッセイ(IV)によって決定した場合に少なくとも8時間の半減期およびアッセイ(I)によって決定した場合に10nm未満のY2受容体効力を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、アッセイ(IV)によって決定した場合に少なくとも8時間の半減期、アッセイ(I)によって決定した場合に10nm未満のY2受容体効力、およびそれぞれアッセイ(III)およびアッセイ(I)によって決定した場合に少なくとも5であるY5/Y2受容体効力比を有する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、アッセイ(IV)によって決定した場合に少なくとも8時間の半減期、アッセイ(I)によって決定した場合に10nm未満のY2受容体効力、およびそれぞれアッセイ(III)およびアッセイ(I)によって決定した場合に少なくとも2であるY1/Y2受容体効力比を有する。
Y2受容体選択率は、Y1および/またはY5受容体に対して、Y2受容体を選択的に活性化させる能力を意味することが意図されている。Y1またはY5受容体に対するY2受容体への選択率は、それぞれY1/Y2効力の比またはY5/Y2効力比によって決定される。Y2、Y1およびY5受容体効力は、それぞれアッセイ(I)、アッセイ(II)およびアッセイ(III)によって決定される。
一実施形態では、本明細書に記載されているPYY類似体またはその誘導体の効果は、前記誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するhPYY(3-36)に対して決定する。
医薬組成物
本発明はまた、本発明のペプチドもしくは誘導体;または薬学的に許容されるその塩、アミドもしくはエステルと、薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物に関する。
本発明の1つの目的は、0.1mg/mlから25mg/mlの濃度で存在しているPYY類似体またはその誘導体を含む医薬製剤を提供することであり、前記製剤は3.0から9.0のpHを有する。製剤は、緩衝系、防腐剤、等張化剤、キレート化剤、安定剤および界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含んでよい。本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、緩衝剤、防腐剤および場合によっては張性調節剤および/または安定剤からなる群から選択される医薬添加剤と共に、本発明による活性な類似体または誘導体を含む製品を意味する。PYY類似体またはその誘導体およびそれらを含有する組成物はまた、本明細書に述べられている治療用途のための医薬品を製造する際に有用である。
「添加剤」という用語は、活性な治療成分以外の任意の成分を広く指す。特定の実施形態では、添加剤は、不活性な物質である。他の実施形態では、これは、非活性な物質である。なおさらなる実施形態では、これは、医薬的に活性でない物質である。
添加剤は、様々な目的のために、例えば担体、ビヒクル、希釈剤、成形助剤として、および/または活性物質の投与および/または吸収を改善するために役立ち得る。
薬学的活性成分を様々な添加剤を用いて製剤化することは、当分野で公知であり、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy(例えば19版(1995)および任意の以降の版)を参照されたい。
本発明の組成物中で使用され得る添加剤の非限定的例は:溶媒、希釈剤、緩衝剤、防腐剤、張性調節剤、キレート化剤および安定剤である。これらのうちの任意の1種または複数を、本発明の医薬組成物中に組み込むことができる。
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、液体製剤である。液体製剤の好ましい例は、水性製剤、即ち、水を含む製剤である。液体製剤は、液剤または懸濁剤であってよい。水性製剤は典型的には、水少なくとも50%w/wまたは水少なくとも60%、70%、80%またはなお少なくとも90%w/wを含む。
他の実施形態では、医薬組成物は、そのまま使用することができるか、または使用前に医師または患者が溶媒および/または希釈剤をそれに加える固体製剤、例えば凍結乾燥または噴霧乾燥組成物である。
水性製剤のpHは、pH3からpH10の間のいずれかでよい。本発明の一実施形態では、製剤のpHは、約7.0から約9.5である。本発明の他の実施形態では、製剤のpHは、約3.0から約7.0である。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は緩衝剤を含む。緩衝剤は例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リシン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウムおよびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸塩、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸またはそれらの混合物からなる群から選択することができる。これらの特定の緩衝剤のうちのそれぞれ1種が、本発明の別の実施形態を構成する。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、防腐剤を含む。防腐剤は例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノールおよびチオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)ならびにそれらの混合物からなる群から選択することができる。防腐剤は、0.1mg/mlから20mg/mlの濃度で存在し得る。これらの特定の防腐剤のうちのそれぞれ1種が、本発明の別の実施形態を構成する。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、等張化剤を含む。等張化剤は例えば、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖または糖アルコール、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)ポリエチレングリコール(例えばPEG400)およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、αおよびβHPCD、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプンおよびカルボキシメチルセルロース-Naを包含する、単糖類、二糖類もしくは多糖類などの任意の糖または水溶性グルカンを使用することができる。糖アルコールは、少なくとも1個の-OH基を有するC4〜C8炭化水素と定義され、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトールおよびアラビトールが包含される。一実施形態では、糖アルコール添加剤はマンニトールである。これらの特定の等張化剤のうちのそれぞれ1種が、本発明の別の実施形態を構成する。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、キレート化剤を含む。キレート化剤は例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸およびアスパラギン酸の塩ならびにそれらの混合物から選択することができる。これらの特定のキレート化剤のうちのそれぞれ1種が、本発明の別の実施形態を構成する。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は安定剤を含む。安定剤は例えば、1種または複数の酸化防止剤、凝集防止剤、界面活性剤および/または1種または複数のプロテアーゼ阻害剤であってよい。これら様々な種類の安定剤の非限定的例は、下記で開示する。
「凝集体形成」という用語は、溶解したままか、または溶液から沈殿する可視の大きな凝集体であり得るオリゴマーの形成をもたらすペプチド分子同士の物理的相互作用を指す。液体医薬組成物を貯蔵している間のペプチドによる凝集体の形成は、そのポリペプチドの生物学的活性に悪影響を及ぼして、医薬組成物の治療効果を失わせ得る。さらに、ポリペプチド含有医薬組成物が点滴系を使用して投与される場合に、凝集体形成は、配管、膜またはポンプの詰まりなどの他の問題を引き起こすこともある。
本発明の医薬組成物は、組成物を貯蔵している間のポリペプチドの凝集体形成を軽減するために十分な量のアミノ酸塩基を含んでよい。「アミノ酸塩基」という用語は、1種または複数のアミノ酸(メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニンなど)またはそれらの類似体を指す。任意のアミノ酸が、その遊離塩基の形態で、またはその塩の形態で存在してよい。アミノ酸塩基の任意の立体異性体(即ち、L、Dまたはそれらの混合物)が存在してよい。
本発明のさらなる実施形態では、治療薬として作用するポリペプチドが酸化などを受けやすい少なくとも1個のメチオニン残基を含むポリペプチドである場合、メチオニン(または他の硫黄含有アミノ酸またはアミノ酸類似体)を、メチオニン残基のメチオニンスルホキシドへの酸化を阻害するために添加することができる。メチオニン(LまたはD)の任意の立体異性体またはそれらの組合せを使用することができる。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、高分子量のポリマーまたは低分子量の化合物からなる群から選択される安定剤を含む。安定剤は例えば、ポリエチレングリコール(例えばPEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロースまたはその誘導体(例えばHPC、HPC-SL、HPC-LおよびHPMC)、シクロデキストリン、モノチオグリセロール、チオグリコール酸および2-メチルチオエタノールなどの硫黄含有物質ならびに種々の塩(例えば塩化ナトリウム)から選択することができる。これらの特定の安定剤のうちのそれぞれ1種が、本発明の別の実施形態を構成する。
本発明の医薬組成物は、これらに限られないが、メチオニンの酸化からポリペプチドを保護するメチオニンおよびEDTAなどの追加の安定剤と、凍結融解または機械的剪断に伴う凝集からポリペプチドを保護する非イオン性界面活性剤とを含んでよい。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、1種または複数の界面活性剤、好ましくは1種の界面活性剤、少なくとも1種の界面活性剤または2種の界面活性剤を含む。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分および油溶性(親油性)部分から構成される任意の分子またはイオンを指す。界面活性剤は例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および/または双性イオン性界面活性剤からなる群から選択することができる。
本発明のさらなる実施形態では、医薬組成物は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)および/またはベンズアミジンHClなどの1種または複数のプロテアーゼ阻害剤を含む。
本発明の医薬組成物の追加的な、場合による成分には例えば、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン)および/または双性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リシン、およびヒスチジンなどのアミノ酸)が包含される。
本発明の一実施形態では、投与される用量はそれぞれ、誘導体0.01mg〜10mgを含有する。
本発明の誘導体を好ましくは、医薬組成物の形態で投与する。これを、それを必要とする患者にいくつかの部位で、例えば皮膚または粘膜部位などの局所的部位;動脈、静脈、心臓へなど、吸収をバイパスする部位;および皮膚、皮下、筋肉または腹部へなど、吸収を伴う部位で投与することができる。
投与経路は例えば、舌;舌下;頬側;口中;経口;胃内;小腸内;経鼻;細気管支、肺胞またはそれらの組合せを介してなどの肺;非経口、表皮;皮膚;経皮;結膜;尿管(uretal);膣;直腸;および/または眼であってよい。特定の実施形態では、組成物は、経口組成物であり、投与経路は経口である。
本発明の組成物は、いくつかの投薬形態で、例えば液剤;懸濁剤;乳剤;マイクロエマルション剤;多相エマルション剤;泡剤;膏薬;ペースト剤;プラスター剤;軟膏剤;錠剤;コーティング錠剤;チューインガム剤;リンス剤;硬質ゼラチンカプセルおよび軟質ゼラチンカプセルなどのカプセル剤;坐剤;直腸用カプセル剤;滴剤;ゲル剤;噴霧剤;散剤;エアゾール剤;吸入剤;点眼剤;眼軟膏剤;眼用リンス剤;膣用ペッサリー剤;膣用リング;膣用軟膏剤;注射液;インサイツゲル化、硬化、沈殿およびインサイツ結晶化など、インサイツ形状変換液剤(in situ transforming solution);輸液または埋込剤として投与することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物は、場合によってコーティングされている錠剤、カプセル剤またはチューイングガム剤である。
本発明の組成物を、例えば安定性、生物学的利用能および/または溶解性を改善するために、薬物担体または薬物送達系にさらに混合することができる。特定の実施形態では、本発明の組成物を、共有結合、疎水的および/または静電的相互作用を介してそのような系に結合させることができる。そのような混合物の目的は例えば、有害作用を軽減し、時間治療を達成し、かつ/または患者の投薬遵守を高めることであってよい。
本発明の組成物はまた、制御、持続、遷延性、遅延性および/または遅効性薬物送達系の製剤において使用することもできる。
非経口投与は、シリンジ、場合によってペン型シリンジを用いて、または注入ポンプを用いて、皮下、筋肉内、腹腔内または静脈内注射によって行うことができる。
本発明の組成物は、液剤、懸濁剤もしくは散剤の形態で経鼻投与することができるか;または液体もしくは粉末噴霧剤の形態で肺投与することができる。
例えば、無針注射によるか、イオン泳動パッチなどのパッチからか、または経粘膜経路、例えば頬側を介しての経皮投与も、また別の選択肢である。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、安定化された製剤である。「安定化された製剤」という用語は、物理的および/または化学的安定性、好ましくはそれら両方が高い製剤を指す。一般に、製剤は、有効期限に達するまでは、使用および貯蔵している間(推奨されている使用および貯蔵条件を遵守した状態で)、安定でなければならない。
「物理的安定性」という用語は、熱-機械的ストレスへの曝露および/または不安定な表面と界面(疎水性表面など)との相互作用の結果として、生物学的に非活性で、かつ/または不溶性の凝集体を形成するポリペプチドの傾向を指す。水性ポリペプチド製剤の物理的安定性は、種々の温度で、様々な期間にわたって機械的/物理的ストレス(例えば攪拌)に曝露した後に、視覚検査および/または濁度測定によって評価することができる。別法では、「チオフラビンT」または「疎水性パッチ」プローブなどのポリペプチドの立体配座状態の分光学的作用物質(spectroscopic agent)またはプローブを使用して、物理的安定性を評価することができる。
「化学的安定性」という用語は、無傷のポリペプチドと比較した場合に、生物学的効力の低下および/または免疫原性効果の増大を潜在的に有する化学的分解産物の形成をもたらすポリペプチド構造における化学的(特に共有)変化を指す。化学的安定性は、種々の環境条件に曝露した後の様々な時点で、化学的分解産物の量を例えばSEC-HPLCおよび/またはRP-HPLCによって測定することによって評価することができる。
本発明に従った誘導体での治療はまた、胃緊縛または胃バイパスなど、グルコースレベルおよび/または脂質ホメオスターシスに影響を及ぼす外科手術と組み合わせることができる。
本発明による誘導体と、1種または複数の上記の化合物および場合によって1種または複数のさらなる薬理学的活性物質との任意の適切な組合せも、本発明の範囲内と考えられることを理解すべきである。
臨床的適応症
一実施形態では、本発明は、少なくとも1種のPYY類似体またはその誘導体を、医薬品を調製するために使用することに関する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体を使用することによって、Y2受容体アゴニストによって変調される疾患、状態または障害を治療する方法を提供する。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体を、静脈内、皮下または経口などで末梢投与する。一実施形態では、本発明の方法によって治療される対象は、ヒト、ネコまたはイヌなどの哺乳動物である。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体の治療的有効量を使用する。PYY類似体またはその誘導体は単独で、または該疾患、状態もしくは障害または該疾患、状態もしくは障害の共存症を治療する際に有用な少なくとも1種の追加の薬剤と組み合わせて使用することができる。哺乳動物においてY2受容体アゴニストによって変調される疾患、状態または障害には、肥満および体重過大が包含される。そのような疾患、状態または障害の共存症は、そのような疾患、状態または障害を治療することで付随的に改善されるであろう。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体を使用して肥満を治療する方法を提供する。
本明細書で使用される場合、化合物の「治療的有効量」という用語は、治療前またはビヒクル処置群において決定された適切な対照値に対して、所定の疾患および/またはその合併症の臨床的症状発現を治癒するか、緩和するか、または部分的に抑止するのに十分な量を指す。これを達成するために十分な量を「治療的有効量」と定義する。それぞれの目的での有効量は、疾患または損傷の重症度、さらに対象の体重および全身状況に左右されるはずである。適切な投薬量の決定は、常套的な実験を使用して、値のマトリックスを作成し、マトリックス中の種々の点を試験することによって達成することができ、これは全て、経験ある医師または獣医の通常の技量の範囲内であると理解される。
本明細書で使用される場合、「治療」、「治療する」という用語およびその他の変化形は、疾患または障害などの状態と闘う目的での、患者の管理およびケアを指す。一実施形態では、それらの用語は、症状もしくは合併症を緩和するため、病気、障害もしくは状態の進行を遅らせるため、疾患、障害もしくは状態を治癒もしくは除くため、かつ/または状態を予防するための該当するPYY類似体またはその誘導体の投与など、患者が罹患している所定の状態を治療する全範囲を包含することが意図されており、ここで予防は、疾患、状態または障害と闘う目的での患者の管理およびケアであると理解されるべきであり、症状または合併症の発症を防ぐための該当するPYY類似体またはその誘導体の投与が包含される。「治療している」、「治療する」または「治療」という用語は、防止的、即ち予防的および対症的治療の両方を包含する。一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体の体重管理または体重減少量を哺乳動物に末梢投与することを含む、哺乳動物における体重を減少させるか、または体重減量を促進する(体重増加の予防または抑制を包含する)方法に関する。
一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、食物摂取を減らす方法に関する。一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、対象において満腹を誘導する方法に関する。一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、対象においてカロリー摂取を低減する方法に関する。
一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、栄養分利用能を低減する方法に関する。一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、食物摂取を抑制し、胃内容排出を遷延化し、胃酸分泌を阻害し、かつ膵臓酵素分泌を阻害する方法に関する。一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、1型、2型または妊娠性糖尿病、肥満および他のインスリン抵抗性症候群(X症候群)の症状発現などの代謝疾患を治療または予防する方法に関する。
一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、対象におけるエネルギー代謝を変更する方法に関する。一実施形態では、対象においてエネルギー代謝を変更する方法は、PYY類似体またはその誘導体を投与することを含む。一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、対象におけるエネルギー消費を増大させ、かつカロリー利用の効率を低下させる方法に関する。一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、エネルギー消費を増大させる方法に関する。
一実施形態では、本発明は、肥満を治療および/または予防するための方法に関し、ここで、その方法は、治療的または予防的有効量のPYY類似体またはその誘導体をそれを必要とする対象に投与することを含む。一実施形態では、対象は肥満であるか、または体重過大の対象である。「肥満」は、本開示の目的では30を超える肥満指数として一般に定義されるが、体重を減少させる必要があるか、またはそれを望む30未満の肥満指数の者を包含する任意の対象が「肥満」の範囲に包含される。インスリン抵抗性、グルコース不耐性であるか、またはいずれかの型の糖尿病(例えば1型、2型または妊娠性糖尿病)を有する対象であれば、本明細書に開示されている方法から恩恵を受け得る。一実施形態では、本発明は、食物摂取を減少させ、栄養分利用能を減少させ、体重減少を生じさせ、体組成に影響を及ぼし、かつ体エネルギー量を変更するか、またはエネルギー消費を増加させ、糖尿病を治療し、かつ/または脂質プロファイルを改善する(LDLコレステロールおよびトリグリセリドレベルの低下および/またはHDLコレステロールレベルの変化を包含する)方法に関し、ここで、この方法は、PYY類似体またはその誘導体の投与を含む。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体を対象に投与することを含む本発明の方法を使用して、前記対象における栄養分利用能の減少によって緩和され得る状態または障害を治療または予防するが、その際、そのような状態および障害には、これらに限られないが、高血圧、脂質異常症、心臓血管疾患、摂食障害、インスリン抵抗性、肥満および任意の種類の糖尿病が包含される。
一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、食物摂取の減少、X症候群(代謝症候群)、糖尿病、2型糖尿病または非インスリン依存型糖尿病(NIDDM)、高血糖症、インスリン抵抗性、耐糖能障害、心臓血管疾患、高血圧、アテローム硬化症、冠動脈疾患、心筋梗塞、末梢血管疾患、脳卒中、血栓閉栓疾患、高コレステロール血症、高脂血症、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸、多嚢胞性卵巣症候群などの生殖障害または***、前立腺もしくは結腸の癌などの肥満関連疾患を治療および/または予防する方法に関する。
一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ビヒクルと比較して、少なくとも10%、15%、20%、25%または30%など、少なくとも5%の食物摂取の減少をもたらす。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ビヒクルと比較して、少なくとも5〜20%、5〜15%または10〜20%など、5〜30%の範囲の食物摂取の減少をもたらす。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ビヒクルと比較して、少なくとも10%、15%、20%、25%または30%など、少なくとも5%の体重減少をもたらす。一実施形態では、PYY類似体またはその誘導体は、ビヒクルと比較して、少なくとも5〜20%、5〜15%または10〜20%など、5〜30%の範囲の体重減少をもたらす。
胃腸関連適応症
一実施形態では、本発明は、過剰な腸管電解質および水分泌、吸収低下または腸管炎症状態に関連する疾患、例えば感染性下痢、炎症性下痢、短腸症候群または外科手術、例えば回腸造瘻術の後に典型的に起こる下痢を治療および/または予防する方法に関する。感染性の下痢の例には、限定ではないが、急性ウイルス性下痢、急性細菌性下痢(例えばサルモネラ、カンピロバクターおよびクロストリジウムまたは原虫感染による)または旅行者の下痢(例えばノーウォークウイルスまたはロタウイルス)が包含される。炎症性の下痢の例には、PYY類似体またはその誘導体の投与による、限定ではないが、吸収不良症候群、熱帯性スプルー、慢性膵臓炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、下痢および過敏性腸症候群が包含される。
PYY類似体またはその誘導体は、広範囲の生物学的活性を示し、一部は、その抗分泌性および腸運動抑制特性に関連している。PYY類似体またはその誘導体は、上皮細胞との直接の相互作用によって、またはおそらくは腸分泌を刺激するホルモンまたは神経伝達物質の分泌を阻害することによって、胃腸分泌を抑制し得る。抗分泌特性は、胃および/または膵臓分泌の阻害を包含し、胃炎、急性膵炎、バレット食道および胃食道逆流症を包含する疾患および障害を治療または予防する際に有用であり得る。
PYY類似体またはその誘導体は、過剰な腸電解質および水分泌、さらには吸収の減少に関連する任意の数の胃腸障害(例えば Harrison's Principles of Internal Medicine、McGraw-Hill Inco、New York、12版を参照されたい)を治療する際に有用であり得る。腸電解質分泌を測定する方法は、(Eto Bら、Comparison of the antisecretory effect of endogenous forms of peptide YY on fed and fasted rat jejunum. Peptides、1997;18(8):1249〜55頁)の1250頁に記載されている。
一実施形態では、本発明は、PYY類似体またはその誘導体を投与することによって、化学療法誘発下痢、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、腸萎縮症、腸粘膜喪失および/または腸粘膜機能喪失など、小腸に対する損傷によって特徴付けられる状態(その全体が参照によって本明細書に組み込まれるWO 03/105763を参照されたい)を治療および/または予防する方法に関する。WO 03/105763号に記載されているとおり、そのような活性のアッセイは、12:12昼夜サイクルで飼育され、標準的な齧歯類食餌(Teklad LM 485、Madison, WI)および水に自由にアクセスできる250〜300グラムの範囲の11週齢の雄HSDラットを包含する。動物を、実験前の24時間絶食させた。慢性結腸炎症の簡単で再現可能なラットモデルは以前に、Morris GPらによって「Hapten- induced model of chronic inflammation and ulceration in the rat colon」、Gastroenterology. 1989; 96:795〜803頁に記載されている。それは、比較的長期間の炎症および潰瘍を示し、特に制御された様式で結腸炎症性疾患の病態生理を研究し、ヒトにおける炎症性腸疾患に応用可能であるかもしれない新たな治療を評価する機会をもたらす。ラットに3%のイソフルオランで麻酔をかけ、37℃に設定された調節加熱パッド上に配した。経管栄養針を結腸に7cm直腸挿入した。50%のエタノール(v/v)に溶解させたハプテントリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を、Mazelinら、「Protective role of vagal afferents in experimentally-induced colitis in rats」、Juton Nerv Syst、1998;73:38 45に記載されているとおり、30mg/kgの用量、0.4〜0.6mLの全体積で、経管栄養針を介して結腸管腔中に送達させた。対照群には結腸内的に食塩水(0.9%NaCl)を受けさせた。結腸炎の誘導から4日後に、麻酔をかけたラットから結腸を摘出し、次いで、ラットを断頭によって安楽死させた。切除した結腸および脾臓の重さを測定し、結腸の写真を撮って、肉眼的形態的損傷のスコア化した。炎症は、充血および腸壁肥厚の領域として定義した。
PYY類似体またはその誘導体を使用することができるさらなる適応症、さらに、前記適応症に関連して前記類似体または誘導体の効果を決定する方法は、国際出願第PCT/EP2009/055989号に記載されている。特に、国際出願第PCT/EP2009/055989号に記載されているとおり、膵島または膵臓細胞におけるグルコース応答性の強化、誘発、増大または回復、代謝障害、不安、低血圧、鼻炎に関連する状態の治療または予防、創傷治癒の促進、外科手術後の休養時間の短縮、動脈形成の促進からなる群から選択される適応症を治療および/または予防するために、PYY類似体またはその誘導体は有用であり得、その際、前記適応症のうちの少なくとも1つにおいて前記類似体または誘導体の効果を決定する方法も記載されている。
一実施形態では、長期治療を開始する前に、PYY類似体またはその誘導体を投与する緊急試験を行って、前記類似体または誘導体が、治療される対象において所定の効果を有することを保証することができる。これらの手段を介して、PYY類似体またはその誘導体での治療を受け入れ得る対象だけを、前記類似体または誘導体で治療することを保証する。
合成
本発明のPYY類似体またはその誘導体は、自動化ペプチド合成機または伝統的なベンチ合成のいずれかを使用する標準的な固相ペプチド合成(SPPS)によって合成することができる。固体支持体は、例えばTentagel S RAM、クロロトリチル(Cl)またはWang(OH)樹脂であってよく、これらは全て、直ぐに商業的に入手可能である。それらの樹脂の活性なアミノまたはヒドロキシル基はN-Fmocアミノ酸のカルボキシル基と容易に反応し、それによって、樹脂に結合したリンカーへの結合を介して、それをポリマーに共有結合させる。樹脂結合Fmocアミノ酸は、Fmoc基を容易に切断するN-メチルピロリジノン(NMP)中の20%ピペリジンの混合物に曝露することによって脱保護することができる。続くアミノ酸は、カップリング試薬を使用してカップリングさせ、Fmoc基の別の脱保護を続ける。生じるアミノ酸の樹脂結合アミノ酸鎖へのカップリングを容易にする試薬の例は、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、テトラ-メチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N'N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、1H-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)である。
所望の配列が得られるまで、SPPSを段階的に継続する。合成の終了時に、樹脂結合され保護されたペプチドを脱保護し、側鎖上の保護基を切断し、また樹脂からペプチドを切断する。これは、トリイソプロピルシラン(TIPS)などの捕捉剤を含有するトリフルオロ酢酸(TFA)で行う。次いで、ペプチドをジエチルエーテル中で沈殿させ、単離する。固相化学よりもむしろ溶液化学によるペプチド合成もまた実行可能である。
本発明によって生産されるPYY類似体およびその誘導体を精製することが望ましい場合がある。ペプチド精製技術は当業者に周知である。これらの技術は、あるレベルでは、ペプチドおよび非ペプチド画分への細胞環境の粗い分画を伴う。ペプチドを他のタンパク質から分離し、該当するペプチドを、クロマトグラフィーおよび電気泳動技術を使用してさらに精製して、部分的なまたは完全な精製(または均一性を達成するまでの精製)を達成することができる。純粋なペプチドを調製するのに特に適した分析方法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動および等電点電気泳動である。ペプチドを精製する特に効率的な方法は逆相HPLC、それに続く液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析法による精製生成物の特性決定である。追加的な純度の確認を、アミノ酸分析によって得る。
本発明のある種の実施形態は、精製、特定の実施形態では、本発明によるPYY類似体またはその誘導体を包含するペプチドの実質的な精製に関する。本明細書で使用される場合の「精製ペプチド」という用語は、他の成分から単離可能な組成物を指すことが意図されており、ここで、ペプチドはその元々得ることができた状態から任意の度合いまで精製されている。したがって、精製ペプチドはまた、それが元々生じ得る環境から離したペプチドも指す。一般に、「精製された」とは、様々な他の成分を除去するための分画に掛けられ、その発現される生物学的活性を実質的に保持するペプチド組成物を指すであろう。「実質的に精製された」という用語が使用されている場合、この表示は、組成物中の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%またはそれ以上をペプチドが構成しているような、ペプチドが組成物の主要な成分を形成している組成物を指すであろう。
ペプチド精製において使用するために適した様々な技術は、当業者に周知である。これらには例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体等を用いた沈殿;熱変性、それに続く遠心分離;イオン交換、ゲル濾過、逆相、ヒドロキシアパタイトおよびアフィニティクロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーステップ;等電点電気泳動;ゲル電気泳動;ならびにこのような技術と他の技術との組合せが包含される。当分野で一般に知られているとおり、様々な精製ステップを行う順序は変えることができるか、またはあるステップを省略することができると考えられ、それでも実質的に精製されたタンパク質またはペプチドの適切な調製方法が生じる。
ペプチドは常にその最も精製された状態で提供されるべきであるという一般的な要求はない。実際、実質的に精製度がより低い製品も、ある種の実施形態において有用性を有するであろうと企図される。部分的な精製はより少ない精製ステップを組み合わせて使用することによって、または同じ一般的精製スキームの異なるフォピン(fopins)を利用することによって、達成することができる。例えば、HPLC装置を利用して行われるカチオン交換カラムクロマトグラフィーは一般に、低圧クロマトグラフィーシステムを利用する同じ技術よりも「数倍」高い精製をもたらすであろうことが認められる。低い度合いの相対的精製を示す方法はタンパク質生成物の回収全体において、または発現されたタンパク質の活性を維持することにおいて利点を有する場合がある。
プロセスで得られた他の成分から、本発明のPYY類似体およびその誘導体を場合によっては精製および単離することができる。ペプチドを精製するための方法は米国特許第5,849,883号に見出すことができる。これらの文献は、本発明のPYY類似体およびその誘導体を単離および精製するのに有用であり得るG-CSF組成物を単離および精製するための特定の例示的方法を記載している。これらの特許の開示を考慮すれば、当業者であれば本発明のPYY類似体およびその誘導体を所定の供給源から精製するために使用することができる数多くの精製技術が十分に分かるであろうことは明らかである。
また、PYY類似体またはその誘導体の精製組成物を製造するために、アニオン交換および免疫親和性クロマトグラフィーの組合せを用いることができることも企図される。
本発明の実施形態
類似体
1. ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)と比較した場合に、当該類似体または誘導体の機能を低下させるC末端タンパク分解性破壊に対して改善された安定性を有するPYY類似体またはその誘導体。
2. PYY(1-36)、PYY(2-36)、PYY(3-36)、PYY(4-36)またはPYY(5-36)のいずれかにおいて[N-メチルTyr36]または[D-Ala3]を含まない、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
3. 前記機能が、血漿中でのin vitro半減期に関する本明細書に記載されているアッセイ(IV)によって決定される、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
4. 式(I)のアミノ酸配列を含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体:
Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36 式(I)
[式中、
Xaa1は、Tyr、Phe、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、Lysであるか、または存在せず;
Xaa2は、Pro、Ala、Leu、Phe、ヒドロキシプロリン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、Lysであるか、または存在せず;
Xaa3は、Ile、Val、Leu(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa4は、Lys、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa5は、Pro、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa6は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa7は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa8は、Pro、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa9は、Gly、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa10は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa11は、Asp、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa12は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa13は、Ser、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa14は、Proまたはヒドロキシプロリンであり;
Xaa15は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa16は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa17は、Leu、Val、Ile、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸または1-アミノ酪酸であり;
Xaa18は、Asn、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa19は、Arg、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa20は、Tyr、Ala、Phe、3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa21は、Tyr、Ala、Phe、3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa22は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa23は、Ser、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa24は、Leu、Ile、Val、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa25は、Arg、Ala、His、Tyr、アミノイソ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa26は、His、Arg、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa27は、Tyr、Ala、Phe、ホモPheまたは3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa28は、Ile、Val、Leu、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、アミノイソ酪酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa29は、Asn、Gln、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa30は、Met、Leu、Val、Ile、ホモロイシン、アミノイソ酪酸、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa31は、Leu、Val、Ile、アミノイソ酪酸、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa32は、Ser、Thr、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
Xaa33は、Arg、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
Xaa34は、Gln、Asn、His、Pro、N-メチルGln、β-ホモGln、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸、N-メチルAsnまたはN-メチルHisであり;
Xaa35は、Arg、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
Xaa36は、Tyr、Phe、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニンまたは(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸である]。
5. ペプチドが哺乳動物、例えばヒトなどの脊椎動物に由来する、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
6. 下式からなる群から選択されるタンパク質構成または非タンパク質構成アミノ酸残基へと置換された少なくとも1つのアミノ酸残基を含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体
Figure 2013505221
[式中、R1は、アミノ酸の側鎖であり;Rは、HまたはC1〜C12アルキルである]。
7. 式(C)によって表されるアミノ酸残基を含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体
Figure 2013505221
[式中、
R1は、アミノ酸の側鎖であり、
Rは、アルキル、ベンジルまたはフェニルからなる群から選択される]。
8. 式(C)によって表されるアミノ酸残基を35位に含む、実施形態7によるPYY類似体またはその誘導体。
9. 還元ペプチド結合またはテトラゾール、スルホンアミドもしくはアジドなどのペプチド同配体に変更されている少なくとも1つのペプチド結合を含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
10. N-メチルアミノ酸、N-置換グリシン、ホモアミノ酸、β-アミノ酸、β-ホモアミノ酸、C-α-メチルアミノ、短縮された側鎖を有するアミノ酸、メチル化された側鎖を有するアミノ酸、α-メチルアミノ酸、ペプトイドまたはβ-アミノ酸での少なくとも1つの置換を含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
11. 少なくとも1つの置換を36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、21、20、19および4位からなる群から選択される位に含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
12. Xaa20が、Alaである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
13. Xaa25が、His、アミノイソ酪酸(Aib)およびTyrからなる群から選択される、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
14. Xaa27が、Alaである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
15. Xaa33が、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸である、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
16. Xaa33が、N-メチルArgである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
17. Xaa34が、Pro、N-メチルGln、β-ホモGln、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸、N-メチルAsnまたはN-メチルHisである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
18. Xaa34が、N-メチルGlnである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
19. Xaa34が、β-ホモGlnである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
20. Xaa35が、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸、またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸である、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
21. Xaa35が、N-メチルArgである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
22. Xaa35が、N-メチルGlnである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
23. Xaa36が、Phe、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニンまたは(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸である、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
24. Xaa36が、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニンまたは(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸である、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
25. Xaa36が、α-メチルPheである、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
26. Xaa33、Xaa34、Xaa35およびXaa36のうちの少なくとも1個が、下記からなる群から選択される
[Xaa33は、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
Xaa34は、N-メチルGln、β-ホモGln、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸、N-メチルAsnまたはN-メチルHisであり;
Xaa35は、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
Xaa36は、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニンまたは(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸である]先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
27. Xaa1およびXaa2が存在しないか、またはXaa1、Xaa2、Xaa3およびXaa4が存在しない、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
28. 配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号23、配列番号24、配列番号27および配列番号28からなる群から選択される、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
29. 配列番号32または配列番号34である、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
30. 配列番号11、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号23、配列番号24、配列番号28、配列番号32および配列番号34からなる群から選択される、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
31. 誘導体化基を含まず、
[N-メチルArg33]PYY(3-36)、
[N-メチルGln34]PYY(3-36)、
[N-メチルArg35]PYY(3-36)、
[N-メチルTyr36]PYY(1-36)または
[N-メチルTyr36]PYY(3-36)
ではない、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
誘導体
32. 遠位カルボン酸または遠位テトラゾール基を含む血清アルブミン結合側鎖での少なくとも1つの誘導体化を含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
33. 前記タンパク質構成または非タンパク質構成アミノ酸残基が、33、34、35および36位からなる群から選択される少なくとも1つの位置に存在する、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
34. A-B-C-D-またはA-C-D-またはA-B-C-またはA-C-のいずれかでの少なくとも1つの誘導体化を含む、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体
(ここで、A-は、
Figure 2013505221
[式中、pは、10、11、12、13および14からなる群から選択され、dは、0、1、2、3、4および5からなる群から選択される]であり、
-B-は、下式からなる群から選択されるか
Figure 2013505221
[式中、xは、0、1、2、3および4からなる群から選択され、yは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および12からなる群から選択される]、または
A-は、下式であり
Figure 2013505221
[式中、nは、12、13、14、15、16、17、18および19からなる群から選択される]、
Bは、下式からなる群から選択され
Figure 2013505221
[式中、xは、0、1、2、3および4からなる群から選択される]、
-C-は、下式からなる群から選択され
Figure 2013505221
[式中、bおよびeは、0、1および2からなる群からそれぞれ独立に選択され、cおよびfは、0、1および2からなる群からそれぞれ独立に選択されるが、但し、cが0である場合、bは1または2であるか、またはcが1または2である場合、bは0であり、fが0である場合、eは1または2であるか、またはfが1または2である場合、eは0である]、
-D-は、前記アミノ酸残基に結合していて、スペーサーである)。
35. A-B-C-D-またはA-C-D-またはA-B-C-またはA-C-での前記誘導体化が、リシンなどのアミノ酸残基および/またはN末端アミノ基および/またはC末端アミノ基に結合している、実施形態34によるPYY類似体またはその誘導体。
36. 血清アルブミン結合側鎖が、ペプチド主鎖のアミノ酸の側鎖のアミノ基に結合している、実施形態33〜35のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
37. 血清アルブミン結合側鎖が、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンおよびLysからなる群から選択されるペプチド主鎖のアミノ酸の側鎖のアミノ基に結合している、実施形態33〜36のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
38. スペーサーである-D-が、少なくとも1つの8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(Oeg)分子を含む、実施形態33〜37のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
39. 血清アルブミン結合側鎖が、16、18または20個の炭素原子など、少なくとも14個の炭素原子を含む、実施形態33〜38のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
40. 血清アルブミン結合側鎖がアミドを含む、実施形態33〜39のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
41. 血清アルブミン結合側鎖が、遠位カルボン酸基または遠位テトラゾール基を含む、実施形態33から40のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
42. 血清アルブミン結合側鎖が、遠位カルボン酸または遠位テトラゾール基を含む少なくとも14個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む、実施形態33〜41のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
43. 血清アルブミン結合側鎖が、C18ジカルボン酸またはC16ジカルボン酸を含む、実施形態33〜42のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
44. 血清アルブミン結合側鎖がC16カルボン酸を含む、実施形態33〜43のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
45. 前記誘導体化が、2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]-エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルまたは2-(2-{2-[2-(2-{2-[4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}-エトキシ)アセチルアミノ]-エトキシ}エトキシ)アセチルである、実施形態33〜44のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
46. 配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号25、配列番号26、配列番号29、配列番号30、および配列番号31からなる群から選択される、実施形態33〜45のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
47. 配列番号33または配列番号35である、実施形態33〜46のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
機能の決定
48. 前記機能が、本明細書に記載されているアッセイ(IV)、アッセイ(I)、アッセイ(V)、アッセイ(VII)、アッセイ(VI)、アッセイ(VIII)およびアッセイ(IX)からなる群から選択されるアッセイによって決定されている、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
49. 前記機能が、本明細書に記載されているアッセイ(II)およびアッセイ(III)からなる群から選択されるアッセイによって決定されている、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
官能実施形態
50. ヒトPYY(3-36)と比較して遷延特性を有する、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
51. 半減期が、PYY(3-36)の半減期の少なくとも3倍、4倍、5倍または8倍など、少なくとも2倍である、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
52. 半減期が、PYY(3-36)の半減期の少なくとも75倍、100倍、200倍または300倍など、少なくとも50倍である、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
53. 半減期が、本明細書に記載されているアッセイ(IV)またはアッセイ(V)によって決定されている、実施形態36または37によるPYY類似体またはその誘導体。
54. 1日1回、週に1回、月に2回および月に1回の投与計画からなる群から選択される投与計画での投与に適している、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
55. ヒトPYY、ヒトPYY(3-36)または当該類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合基を有するヒトPYY(3-36)と比較して、改善されたPKプロファイルを示す、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
56. ヒトPYY、PYY(3-36)または当該類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するPYY(3-36)と比較して、遷延特性を示す、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
57. ヒトPYY、PYY(3-36)または当該類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するPYY(3-36)と比較して、改善されたin vivo半減期を示す、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
58. 治療的有効用量の当該PYY類似体または誘導体が、ヒトPYY、PYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合基を有するPYY(3-36)と比較して、少ない副作用をもたらす、先行する実施形態のいずれかによる類似体またはその誘導体。
59. hPYY(3-36)と比較して、高いY1/Y2受容体効力比を有する、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
60. hPYY(3-36)と比較して、高いY5/Y2受容体効力比を有する、先行する実施形態のいずれか1つによるPYY類似体またはその誘導体。
組成物
61. 先行する実施形態のいずれかに定義されたPYY類似体またはその誘導体と、少なくとも1種の医薬添加剤とを含む組成物。
適応症
62. Y受容体の変調に応答する状態を治療する際に使用するための、先行する実施形態のいずれかによるPYY類似体またはその誘導体。
63. Y受容体の変調に応答する状態が肥満である、実施形態62によるPYY類似体またはその誘導体。
64. 1日1回、週に2回または週に1回投与される、実施形態62または63によるPYY類似体またはその誘導体。
65. 肥満または肥満関連疾患、例えば、食物摂取の減少などのY受容体変調に応答する状態を治療するための医薬品を調製するための、実施形態1から60のいずれかに定義されたPYY類似体またはその誘導体の使用。
66. 当該類似体または誘導体が、ヒトPYY、PYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合基を有するPYY(3-36)と比較して遷延特性を示す、哺乳動物に投与するための実施形態1〜60のいずれかに定義されたPYY類似体またはその誘導体の使用。
67. 実施形態1〜60のいずれかに定義されたPYY類似体またはその誘導体を投与することによって、Y受容体の変調に応答する状態を治療する方法。
68. Y受容体の変調に応答する前記状態が肥満である、実施形態67に記載の方法。
69. 前記類似体または誘導体を1日1回、週2回または週に1回投与する、実施形態67または68による方法。
70. Y受容体の変調に応答する状態が、食物摂取の減少、X症候群(代謝症候群)、糖尿病、2型糖尿病または非インスリン依存型糖尿病(NIDDM)、高血糖症、インスリン耐性または耐糖能障害などの肥満関連疾患である、実施形態67〜69のいずれか1つによる治療方法。
71. Y受容体の変調に応答する状態が、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの肥満関連疾患である、実施形態67〜70のいずれか1つによる治療方法。
72. Y受容体の変調に応答する状態が、高血圧、アテローム硬化症、冠状動脈疾患、心筋梗塞、末梢血管疾患、脳卒中、血栓塞栓性疾患、高コレステロール血症または高脂血症などの肥満関連心臓血管疾患である、実施形態67〜71のいずれか1つによる治療方法。
73. Y受容体の変調に応答する状態が、感染性下痢、炎症性下痢、化学療法誘発の下痢、短腸症候群または外科手術、例えば回腸造瘻術後に典型的に起こる下痢などの下痢である、実施形態67〜72のいずれか1つによる治療方法。
74. Y受容体の変調に応答する状態が、化学療法誘発下痢、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸萎縮症、腸粘膜喪失および/または腸粘膜機能喪失など、小腸に対する損傷によって特徴付けられる状態である、実施形態67〜73のいずれか1つによる治療方法。
75. Y受容体の変調に応答する状態が、潰瘍性大腸炎またはクローン病などの腸管炎症性状態である、実施形態67〜74のいずれか1つによる治療方法。
76. Y受容体の変調に応答する状態が、アレルギー性または非アレルギー性鼻炎である、実施形態67〜75のいずれか1つによる治療方法。
77. Y受容体の変調に応答する状態が不安である、実施形態67〜76のいずれか1つによる治療方法。
78. 前記類似体または誘導体が、ヒトPYY、PYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合基を有するPYY(3-36)と比較して、改善されたPKプロファイルを示す、実施形態67〜77のいずれか1つによる治療方法。
79. 前記類似体または誘導体が、ヒトPYY、PYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合基を有するPYY(3-36)と比較して、遷延特性を示す、実施形態67〜78のいずれか1つによる治療方法。
80. 前記類似体または誘導体が、ヒトPYY、PYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合基を有するPYY(3-36)と比較して、改善されたin vivo半減期を示す、実施形態67〜79のいずれか1つによる治療方法。
81. 治療的有効用量の前記類似体または誘導体が、ヒトPYY、PYY(3-36)または前記類似体もしくは誘導体のものと同一の血清アルブミン結合基を有するPYY(3-36)と比較して、少ない副作用をもたらす、実施形態67〜80のいずれか1つによる治療方法。
(実施例)
使用されている略語:
略語 意味
r.t: 室温
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン
H2O: 水
CH3CN: アセトニトリル
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
HBTU: 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
Fmoc: 9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル
Boc: tert-ブチルオキシカルボニル
OtBu: tert-ブチルエステル
tBu: tert-ブチル
Trt: トリフェニルメチル
Pmc: 2,2,5,7,8-ペンタメチル-クロマン-6-スルホニル
Dde: 1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル
ivDde: 1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル
Mtt: 4-メチルトリチル
Mmt: 4-メトキシトリチル
DCM: ジクロロメタン
TIPS: トリイソプロピルシラン
TFA: トリフルオロ酢酸
Et20: ジエチルエーテル
NMP: 1-メチル-ピロリジン-2-オン
DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン
HOAt: 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
DIC: ジイソプロピルカルボジイミド
MW: 分子量
(実施例1)
樹脂結合ペプチドの合成、SPPS法:
保護されたペプチジル樹脂を、NMP中でDICおよびHOAt媒介カップリングを用いて、0.25mmolスケールで、Protein Technologies製のPrelude Solid Phase Peptide SynthesizerでFmoc法に従って合成した。ペプチドアミドを合成するために使用される出発樹脂は、Rink-アミド樹脂であった。使用される保護されたアミノ酸誘導体は、標準Fmoc-アミノ酸(例えばAnaspec、Bachem、Iris Biotech、WatanabeまたはNovabiochemから供給)であった。場合によって、Fmoc-アミノ酸を、当分野で公知の方法を使用してカスタム合成した。アシル化されるリシンのεアミノ基をMttで保護した。場合によって、ペプチドの合成を、ジペプチド、例えばNovabiochemからの疑似プロリン、Fmoc-Ser(tbu)-ΨSer(Me,Me)-OHの使用によって改善できる(例えば、Novobiochem 2002/2003またはより新刊のカタログ、またはW.R. Sampson(1999)、J. Pep. Sci. 5、403を参照されたい)。
樹脂からペプチドを切断する手順:
合成の後に、樹脂をDCMで洗浄し、乾燥させ、TFA/TIPS/水(92.5/5/2.5)またはTFA/TIPS(95/5)で2時間処理することによって、ペプチドを樹脂から切断し、ジエチルエーテルで沈殿させた。ペプチドを30%酢酸または類似の溶媒に再び溶かし、標準的なRP-HPLCによってC18カラムで、アセトニトリル/TFAを使用して精製した。ペプチドのアイデンティティをMALDI-MSによって確認した。
Mtt-保護を除去する手順:
樹脂をシリンジに入れ、ヘキサフルオロイソプロパノールで2×10分間処理して、Mtt基を除去した。次いで、樹脂をDCMおよびNMPで上記のとおり洗浄した。
側鎖をリシン残基に結合させる方法:
これらに限られないが、DIC、HOBt/DIC、HOAt/DICまたはHBTUなどの標準的なアシル化試薬を使用して、樹脂結合ペプチドへのアシル化によって、または保護されていないペプチドへの溶液中でのアシル化によって、アルブミン結合側鎖A-B-C-D、A-C-D、A-B-CまたはA-Bをペプチドに結合させることができる。
Fmoc保護を除去する手順:
樹脂(0.25mmol)を、手動振盪型装置中のフィルターフラスコに入れ、N-メチルピロリドン/塩化メチレン(1:1)(2×20ml)で、かつN-メチルピロリドン(1×20ml)、N-メチルピロリドン(3×20ml、それぞれ10分)中20%のピペリジン溶液で処理した。樹脂をN-メチルピロリドン(2×20ml)、N-メチルピロリドン/塩化メチレン(1:1)(2×20ml)および塩化メチレン(2×20ml)で洗浄した。
生成物を分析する手順
MALDI-MS:ペプチドの分子量を、マトリックス支援レーザー脱離飛行時間質量分析(MALDI-MS)を使用して決定して、Microflex(Bruker)で記録した。α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸のマトリックスを使用した。生成物の分子量は、MALDI-MS分析の結果に基づいて算出した。
UPLC(方法04 A3 1):UPLC-分析を、Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μm、2.1×150mmカラムを備えたWaters Ac-quity UPLCシステムを使用して行った。UV検出を214および254nmで集めた。炉温度は30℃であった。次の溶離液を使用した;溶離液A)水/アセトニトリル(90:10)中0.25Mの重炭酸アンモニウム、および溶離液B)アセトニトリル/水(70:30)。カラムを、次の溶離液組成物と平衡させた:溶離液A75%、溶離液B25%。注入の後に、0.4ml/分で16分かけて、溶離液A中25%から55%の溶離液Bの勾配を用いて、試料を溶離した。
UPLC(方法04 A4 1):UPLC-分析を、Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μm、2.1×150mmカラムを備えたWaters Ac-quity UPLCシステムを使用して行った。UV検出を214および254nmで集めた。炉温度は30℃であった。次の溶離液を使用した;溶離液A)水/アセトニトリル(90:10)中0.25Mの重炭酸アンモニウム、および溶離液B)アセトニトリル/水(70:30)。カラムを、次の溶離液組成物と平衡させた:溶離液A65%、溶離液B35%。注入の後に、0.4ml/分で16分かけて、溶離液A中35%から65%の溶離液Bの勾配を用いて、試料を溶離した。
UPLC(方法 04 A6 1):デュアルバンド検出器を備えたWaters UPLCシステムを使用して、RP-分析を行った。ACQUITY UPLC BEH130、C18、130Å、1.7μm、2.1mm×150mmカラム、40℃を使用して、214nmおよび254nmでのUV検出を集めた。A:10mMのトリス、15mMの硫酸アンモニウム、80%のH20、20%、pH7.3;B:80%のCH3CN、20%のH20を含有する2つの溶離液レザバーに、UPLCシステムを接続した。次の線状勾配を使用した:0.35ml/分で16分かけてA95%、B5%からA10%、B90%へ。
UPLC(方法 07 B4 1): UPLC-分析を、Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm、2.1×150mmカラムを備えたWaters Ac-quity UPLCシステムを使用して行った。UV検出を214および254nmで集めた。炉温度は40℃であった。次の溶離液を使用した;溶離液A)水中0.05%のトリフルオロ酢酸および溶離液B)アセトニトリル中0.0%のトリフルオロ酢酸。カラムを、次の溶離液組成物と平衡させた:溶離液A95%、溶離液B5%。注入の後に、0.4ml/分で16分かけて、溶離液A中5%から95%の溶離液Bの勾配を用いて、試料を溶離した。
UPLC(方法 07 B4 2): UPLC-分析を、Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm、2.1×50mmカラムを備えたWaters Ac-quity UPLCシステムを使用して行った。UV検出を214および254nmで集めた。炉温度は40℃であった。次の溶離液を使用した;溶離液A)水中0.05%のトリフルオロ酢酸および溶離液B)アセトニトリル中0.0%のトリフルオロ酢酸。カラムを、次の溶離液組成物と平衡させた:溶離液A95%、溶離液B5%。注入の後に、0.4ml/分で16分かけて、溶離液A中5%から95%の溶離液Bの勾配を用いて、試料を溶離した。
UPLC(方法 07 B4 3): UPLC-分析を、Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm、2.1×150mmカラムを備えたWaters Ac-quity UPLCシステムを使用して行った。UV検出を214および254nmで集めた。炉温度は40℃であった。次の溶離液を使用した;溶離液A)水中0.05%のトリフルオロ酢酸および溶離液B)アセトニトリル中0.0%のトリフルオロ酢酸。カラムを、次の溶離液組成物と平衡させた:溶離液A95%、溶離液B5%。注入の後に、0.4ml/分で16分かけて、溶離液A中5%から95%の溶離液Bの勾配を用いて、試料を溶離した。
UPLC(方法 07 B2 1): UPLC-分析を、Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm、2.1×150mmカラムを備えたWaters Ac-quity UPLCシステムを使用して行った。UV検出を214および254nmで集めた。炉温度は40℃であった。次の溶離液を使用した;溶離液A)水中0.05%のトリフルオロ酢酸および溶離液B)アセトニトリル中0.0%のトリフルオロ酢酸。カラムを、次の溶離液組成物と平衡させた:溶離液A95%、溶離液B5%。注入の後に、0.4ml/分で16分かけて、溶離液A中5%から60%の溶離液Bの勾配を用いて、試料を溶離した。
UPLC(方法 07 B2 2): UPLC-分析を、Waters Acquity UPLC BEH 1.7μm、2.1×50mmカラムを備えたWaters Ac-quity UPLCシステムを使用して行った。UV検出を214および254nmで集めた。炉温度は40℃であった。次の溶離液を使用した;溶離液A)水中0.05%のトリフルオロ酢酸および溶離液B)アセトニトリル中0.0%のトリフルオロ酢酸。カラムを、次の溶離液組成物と平衡させた:溶離液A95%、溶離液B5%。注入の後に、0.4ml/分で16分かけて、溶離液A中5%から60%の溶離液Bの勾配を用いて、試料を溶離した。
保持時間(RT)を、UPLC分析の結果に基づき算出した。
Figure 2013505221
生物学的アッセイ
哺乳動物(ヒトなど)において体重増加を低減させ、肥満を治療する際の薬学的活性剤としての本発明のPYY類似体またはその誘導体の有用性を、従来のアッセイならびに下記のin vitroおよびin vivoアッセイにおけるアゴニストの活性によって証明することができる。
そのようなアッセイはまた、本発明のPYY類似体またはその誘導体の活性を、ヒトPYY(1-36)、ヒトPYY(3-36)または前記誘導体のものと同一の血清アルブミン結合側鎖を有するヒトPYY(3-36)などの既知の化合物の活性と比較することができる手段を提供する。
アッセイ(I):Y2受容体ACTOne効力アッセイ
このアッセイは、ACTOneベースのFLIPRアッセイを使用するY2受容体活性に対するペプチドのin vitro効果を決定する方法を提供する。ACTOne(商標)は、BD Biosciences(San Jose, CA)製で、GsおよびGiカップリング7TM受容体シグナル伝達を測定するために容易にスケールアップ可能なcAMPバイオセンサーHTSプラットホームである。細胞は、cAMPおよびcGMPに応答するかなり非特徴的イオンチャネルである、修飾されたラット嗅覚環状ヌクレオチドゲート型(CNG)カルシウムチャネルの周りに生じるバイオセンサーを発現する。CNGはcAMP選択性であるように操作されているので、カルシウムまたは膜電位応答性染料を介してシグナル伝達するcAMP応答性バイオセンサーとして機能する。Y2受容体を発現するACTOne HEK-293細胞はBD Biosciencesから得られる。細胞に、細胞質中にだけ分散するカルシウム応答性染料を負荷する。有機アニオントランスポーターの阻害剤であるプロベネシドを加えて、染料が細胞から離れるのを防止する。ホスホジエステラーゼ阻害剤を加えて、フォーマットされたcAMPが分解するのを防止する。イソプロテレノール(β1/β2アゴニスト)を加えて、アデニル酸シクラーゼを活性化させる。Y2またはY4受容体アゴニストを加えると、アデニル酸シクラーゼが不活化される。次いで、細胞質中のカルシウム濃度の低下を蛍光の低下として検出する。試験物質と共に、EC80に一致する濃度のイソプロテレノールを全てのウェルに加える。アッセイを次のとおり実施する:細胞をGreiner384-ウェルプレートで平板培養する。1μl当たり560細胞を含む細胞懸濁液25μlを、Multidrop(商標)(384-Multidrop、Labsystems製、Finland)を使用して全てのウェルに加える。次いで、細胞プレートを9枚まで重ねて5%CO2、37℃のインキュベーター中で一晩インキュベートする。Multidrop(商標)を使用して細胞プレートに、FLIPRカルシウム4キット(Molecular Devices、CA、USA)からのプローブ25μlを負荷する。細胞プレートをインキュベーターに戻し、プレートを9枚まで重ねて37℃で60分間インキュベートする。次いで、細胞プレートを、プレートを積み重ねないで使用前に60分間、室温に放置する。プレートをスズ箔で覆って光を遮断する(染料は昼光によって励起されて、より高い基線および変動をもたらし得る)。FLIPR(FLIPRtetra、Molecular Devices製、CA、USA)は、試料1μlとイソプロテレノール1μl(0.05μMの最終濃度)とを同時に加える。ウェルからの蛍光シグナルを、FLIPRでの試料添加から330秒後に測定する。蛍光シグナルの50%低下をもたらすY2受容体アゴニストの濃度として、EC50を算出する。報告されている1000nMという値は、この値がアッセイの検出限界であるので、少なくとも1000nMを意味することが意図されている。
アッセイ(II)-Y1受容体ACTOne効力アッセイ
このアッセイは、ACTOneベースのFLIPRアッセイを使用して、Y1受容体活性に対するペプチドのin vitro効果を決定する方法を提供する。アッセイを、Y2受容体ACTOne効力アッセイ(アッセイ(I)に関して記載されたとおりに実施したが、但し、Y1受容体を発現するACTOne HEK-293細胞を使用した。報告されている1000nMという値は、この値がアッセイの検出限界であるので、少なくとも1000nMを意味することが意図されている。
アッセイ(III)-Y5受容体IPOne効力アッセイ
IPOne-Tbアッセイ(Cisbio、Bagnols-sur-Ceze Cedex、France)は、均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイであり、これは、クリプテート標識抗IP1モノクローナル抗体およびd2標識IP1を使用してIP1レベルを測定する競合イムノアッセイとして機能し、その際、IP1は、Gq経路に連結している7回膜貫通型受容体の活性化に従って蓄積する。hY5 IPOneアッセイでは、ヒトY5受容体およびキメラGタンパク質Gqi5の両方を安定発現するHEK293細胞系を使用したが、ここで、Gqi5は、Gi結合Y5受容体のGqシグナル伝達を保証する。アッセイのための緩衝液および試薬は、IPOne-Tbキット(Cisbio、Bagnols-sur-Ceze Cedex、France)と共に供給された。アッセイを次のとおり実施した:アッセイの前日に、細胞を40000細胞/ウェルの密度、20μlで、384ウェル小容量の白色の組織培養プレートであるGreiner # 784080に播種し、5% C02、37℃で一晩インキュベートした。アッセイの当日に、培地を除去し、Tween-20 0.005%を補充された刺激緩衝液10μlを、アゴニスト連続希釈5μlと共に加えた。次いで、プレートを37℃で1時間インキュベートした。IP1-d2およびIP1-クリプテートを、IPOne-Tbキットプロトコルに従って溶解緩衝液中で再構成する。IP1-d2およびIP1-クリプテート作業溶液をそれぞれ3μl、各ウェルに加える。プレートを室温で1時間インキュベートした。プレートを、Mithras LB 940 HTRF互換リーダー(compatible reader)(Berthold Technologies、Bad Wildbad、Germany)で、665nmおよび620nm発光フィルターを用いて読み取り、シグナルを蛍光比665nm/620nmとして算出した。報告されている1000nMという値は、この値がアッセイの検出限界であるので、少なくとも1000nMを意味することが意図されている。
アッセイ(IV):血漿中でのin vitro半減期
試験化合物1μMを、リン酸緩衝液(0.2M、pH7.4)20%を加えたヘパリンで安定化させたミニブタ由来の血漿と共に37℃でインキュベートした。アリコットを予め規定された時点で採取し、血漿試料を有機溶媒で沈殿させ、分解されていない試験化合物を定量化するために、生じた上澄みをLC-MSによって分析した。in vitro半減期を、一次速度としてフィットさせた時間プロファイルから決定した。
アッセイ(V):ミニブタでの静脈内PK
PP類似体またはその誘導体の薬物動態(PK)プロファイルを測定するために有用なアッセイは、次のミニブタPKアッセイである。
Ellegaard Gottingen Minipigs A/S、Denmarkからの体重約18から30kgの雄のGottingenミニブタ5匹が研究に包含される。ミニブタには静脈内(i.v.)投薬および採血に使用される2つの中心静脈カテーテルが挿入されている。試験化合物を100〜180nmol/mlの濃度まで、50mMのK2HPO4、0.05%のtween80(pH=8.0)に、または50mMのNaHP04、145mMのNaCl、0.05%のTween 80(pH7.4)に溶解させた。
比較のために、ヒトPP(1-36)などの対象化合物を投与することができる。ブタに、6〜10nmolの試験化合物/体重kgを投与する。次の時点で血液試料を採取する:投与前、投薬後30分、1、2、4、8、24、48、72、96、120、168および240時間。血液試料を、安定化のためにEDTA緩衝液を含有する試験管に集め、遠心分離の前に最大20分間、氷上に維持した。血漿を分離するための遠心分離手順は、4℃、約2500g、10分間であってよい。血漿を集め、直ぐにMicronic管に移し、アッセイするまで-20℃で貯蔵した。
血漿試料の定量アッセイ
液体クロマトグラフィーに接続されていて、その後に質量分析検出が続く乱流クロマトグラフィー(TFC/LC/MS)によって、試験物質を血漿中でアッセイした。方法の選択性によって、一試料中で様々な化合物を定量することができ、例えば動物1匹当たり4種の化合物のカセット投薬が可能である。
未知の試料中での試験物質の濃度を、量の関数としてピーク面積を使用して算出した。分析物でスパイクした血漿試料に基づく検量グラフを回帰分析によって構築した。標準アッセイに対する典型的なダイナミックレンジは1〜2000nmol/lであった。3つの濃度レベルで二重に品質管理(QC)試料を同時アッセイすることによって、方法の性能を保証した。
分析物のストックおよび作業溶液を血漿中で調製し、37℃で1時間、インキュベートした。
試料調製:EDTA-血漿40.0μlに50%メタノール160μl、ギ酸1%を加え、次いでボルテックス処理し、14300rpm(16457g)、4℃で20分間遠心分離した。上澄みを96ウェルプレートに移し、次いで、プレートをBSA0.4%と共に37℃で1/2時間インキュベートした。注入体積は25μlであった。
試料のクリーンアップのために、両方ともThermo Scientific(Franklin、MA、USA)製のTurboFlow C8カラム(0.5×50mm)またはCycloneカラム(0.5×50mm)を使用し、LC分離を、両方ともPhenomenex(Torrance、CA、USA)製のProteo4μmカラム(2.0×50mm)またはOnyx C18カラム(2.0×50mm)で行った。溶離液は定組成であり、メタノール、アセトニトリル、Milli-Q水およびギ酸の勾配組合せであった。ポジティブモードイオン化で操作される質量分析法によって、選択的検出を行った。
非コンパートメント解析(NCA):血漿濃度-時間プロファイルを、WinNonlin Professional 5.0 (Pharsight Inc.、Mountain View、CA、USA)を使用して非コンパートメント薬物動態解析(NCA)によって分析する。NCAを、各動物からの個々の血漿濃度-時間プロファイルを使用して行う。
アッセイ(VI):急性食物摂取に対する効果を決定するためのアッセイ
痩せたマウスへの1回投与後の平均累積食物摂取量を、食物摂取を自動監視するBioDaqシステムで決定した。8週齢の32匹の痩せたC57Bl6Jマウスを研究では使用した。ケージ1個当たり2匹でマウスを飼育したが、マウスを分けるために多孔性の仕切壁を備え付けた。逆の日周リズムで飼育し、食餌および水を自由に摂らせた。研究開始前に2週間、マウスをシステムに順応させた。システムは32個の個別のボックスからなり、各ボックスには秤が接続されていて、この秤が、マウスが食べることができる食物を自動的に登録する。マウスが食餌するたびに、食物の重量低下が登録され、データがコンピューターに集められる。データを継続して集めた。GraphPadPrismソフトウェアを使用して、集めたデータを分析した。
研究の開始前に約18時間、マウスを絶食させた。マウスを、50mMのNa2HP04、0.145MのNaCl、0.05%のTween 80(pH7.4)に溶かした類似体(10ml/kg)で皮下処置した。処置を、消灯する30分前に行った。投薬の後48時間まで、データを集めた。
アッセイ(VII):体重および/または体組成に対する効果の決定
本発明に使用可能な追加のアッセイには、体重および/または体組成に対するPYY類似体またはその誘導体の効果を決定し得るアッセイが包含される。例示的なアッセイは、代謝病のためのob/obマウスモデルの利用を伴う次のアッセイであり;逆転昼夜サイクルで、通常の食餌(Altromin 1324、Brogaarden、Denmark)を摂らせてob/obマウス(Taconic、Hudson、NY)を使用した。マウスを1週間ベースで体重測定した。少なくとも40グラムの体重に達したら、マウスを研究で使用する。研究を開始する前に、全てのマウスを体組成についてスキャンする(NMRスキャン)。研究開始前の一週間は、マウスの体重を毎日測定して安定した基線を得、この手順に順応させる。マウスをビヒクルの皮下投与を受ける1つの群(n=10)と、種々の用量の皮下投薬または投薬間隔によってPYY類似体またはその誘導体を受けるn=動物10匹の複数の群とに分ける。少なくとも1種のPYY類似体またはその誘導体および場合によって、ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)などの少なくとも1種の対照化合物を50mMのNaH2P04、165mMのNaCl(pH=7.4)に溶かす。投薬を消灯の直前に、毎日同じ時点で1日1回行う。皮下投与に対する代替として、PYY類似体またはその誘導体の一部または全部をAlzet浸透圧ミニポンプを介して送達することができる。ポンプは、PYY類似体またはその誘導体の任意の量、例えば1μmol/kg/24時間を送達するように設定することができる。マウスに3週間投薬する。全マウスの体重を、投薬と組合せて毎日記録する。治療の1週間および3週間後に、QNMRシステム(Echo Medical Systems(Houston, Texas)を使用してマウスの体組成をスキャンする。その後、マウスを頸椎脱臼で安楽死させる。データをGraph Pad Prismで解析する。統計的有意性を、ANOVAで、続いてTukeyの事後検定で群を比較することによって評価する。<0.05のp値を統計的に有意とみなす。
呼吸商(RQ、O2消費で割ったCO2生産と定義)および代謝速度は、全動物間接熱量測定法(Oxymax、Columbus Instruments、Columbus、OH)を使用して決定することができる。マウスをイソフルランの過量投与によって安楽死させることができ、肥満指数(両側性精巣上体脂肪パッド重量)を測定する。本発明の方法において、PYY類似体またはその誘導体は、食物摂取、胃内容排出、膵臓分泌、体重減少を決定するためのアッセイまたは体組成アッセイなど、本明細書に記載のアッセイのいずれかにおいて効力を有するものである。
アッセイ(VIII):胃内容排出の測定
胃内容排出を測定するための例示的なアッセイは、Asakawa Aら、Characterization of the effects of pancreatic polypeptide in the regulation of energy balance、Gastroenterology、2003、124、1325〜1336頁)の1326頁の材料および方法のセクションに「Gastric emptying」という見出しで記載されている。
アッセイ(IX):食欲の測定
食欲は当業者に公知の任意の手段によって測定することができる。例えばヒトでは、食欲低下を生理学的評価によって評価することができる。そのような実施態様では、受容体アゴニストの投与は、主観的空腹、満腹および/または膨満の変化をもたらす。空腹は当業者に公知の任意の手段によって評価することができる。一実施形態では、例えば質問表を使用する空腹感および知覚の評価などによる生物心理学的アッセイを使用して、空腹を評価する。
(実施例2)
PYY(3-36)類似体のミニブタ血漿で決定されるin vitro半減期の比較(アッセイ(IV))およびY2、Y1およびY5受容体効力(それぞれアッセイ(I)、(II)および(III))をTable 2(表3)に示す。この実験は、ある種の修飾をPYYに組み込むと、PYYの半減期がin vitroで延長されることを示している。
Figure 2013505221
(実施例3)
Y2、Y1およびY5受容体効力(それぞれアッセイ(I)、(II)および(III))を、PYY類似体の誘導体およびヒトPYY(3-36)で決定し、結果をTable 3(表4)に示す。
Figure 2013505221
(実施例4)
本明細書に記載されているとおりに、PYY類似体またはその誘導体およびhPYY(3-36)の半減期を、アッセイ(V)、ミニブタでの静脈内PKに従って決定した。結果をTable 4(表5)に示す。この実験は、ある種の修飾をPYYに組み込むと、PYYの半減期がin vivoで延長されることを示している。
Figure 2013505221
(実施例5)
アッセイ(VI)に従って、食物摂取に対するPYY誘導体の効果を、痩せた絶食-再給餌C57BL/6マウスで決定した。食物に戻す30分前に、マウスに0.1、0.3および1.0μmol/kgのペプチドの用量を、さらに、ビヒクルのみを皮下投与し、累積食物摂取量を48時間にわたって測定した。結果をTable 5(表6)および配列番号3についての図1に示す。
Figure 2013505221
(実施例6)
平均累積食物摂取量に対するPYY誘導体の効果を、アッセイ(VI)に従って決定した。結果をTable 6〜8(表7〜9)に示す。
Figure 2013505221
Figure 2013505221
Figure 2013505221
本明細書に引用された刊行物、特許出願および特許を包含する全ての参照文献は、あたかも各文献が個々に、かつ特に参照によって組み込まれると明示され、その全内容が本明細書に記載されているのと同じ程度で(法によって許容される最大の範囲まで)、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
全ての表題および副題は、本明細書において単に便宜的に使用されており、本発明を何ら限定するものとは解釈されるべきでない。
本明細書において提供されている任意かつ全ての実施例または例示的言語(例えば「など」)の使用は、単に本発明をより分かりやすく説明することを意図したものであり、他に示されていない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中のいずれの語句も、任意の請求項に記載していない要素が本発明の実施に必須であることを示していると解釈されるべきではない。
本明細書における特許文献の引用および組み込みは単に便宜上なされているもので、そのような特許文献の有効性、特許性および/または権利行使性についての見解を何ら反映するものではない。
本発明は、適用される法律によって容認されるとおり、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載された主題事項の全ての変更形態および同等形態を包含する。

Claims (16)

  1. i. 遠位カルボン酸または遠位テトラゾール基をさらに含んでもよい少なくとも14個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む少なくとも1個の血清アルブミン結合側鎖;および
    ii. 下式からなる群から選択されるタンパク質構成または非タンパク質構成アミノ酸残基に置換された少なくとも1個のアミノ酸残基
    Figure 2013505221
    [式中、R1は、アミノ酸の側鎖であり、Rは、HまたはC1〜C12アルキルである]を含むPYY類似体またはその誘導体。
  2. 前記タンパク質構成または非タンパク質構成アミノ酸残基が、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、21、20、19および4位からなる群または33、34、35および36位からなる群から選択される少なくとも1つの位置にある、請求項1に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  3. 前記血清アルブミン結合側鎖が、A-B-C-D-、A-C-D-、A-B-C-およびA-C-からなる群から選択され、
    ここで、A-は、
    Figure 2013505221
    [式中、pは、10、11、12、13および14からなる群から選択され、dは、0、1、2、3、4および5からなる群から選択される]であり、
    -B-は、下式からなる群から選択されるか
    Figure 2013505221
    [式中、xは、0、1、2、3および4からなる群から選択され、yは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11および12からなる群から選択される]、または
    A-は、下式であり
    Figure 2013505221
    [式中、nは、12、13、14、15、16、17、18および19からなる群から選択される]、
    Bは、下式からなる群から選択され
    Figure 2013505221
    [式中、xは、0、1、2、3および4からなる群から選択される]、
    -C-は、下式からなる群から選択され
    Figure 2013505221
    [式中、bおよびeは、0、1および2からなる群からそれぞれ独立に選択され、cおよびfは、0、1および2からなる群からそれぞれ独立に選択されるが、但し、cが0である場合、bは1または2であるか、またはcが1または2である場合、bは0であり、fが0である場合、eは1または2であるか、またはfが1または2である場合、eは0である]、
    -D-は、前記アミノ酸残基に結合していて、少なくとも1個の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(Oeg)分子などのスペーサーである、請求項1または2のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  4. 前記血清アルブミン結合側鎖が、
    2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]-エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルまたは
    2-(2-{2-[2-(2-{2-[4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}-エトキシ)アセチルアミノ]-エトキシ}エトキシ)アセチルである、請求項1から3のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  5. 式(I)のアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体:
    Xaa1-Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Xaa36 式(I)
    [式中、
    Xaa1は、Tyr、Phe、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、Lysであるか、または存在せず;
    Xaa2は、Pro、Ala、Leu、Phe、ヒドロキシプロリン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチン、Lysであるか、または存在せず;
    Xaa3は、Ile、Val、Leu(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa4は、Lys、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa5は、Pro、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa6は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa7は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa8は、Pro、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa9は、Gly、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa10は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa11は、Asp、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa12は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa13は、Ser、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa14は、Proまたはヒドロキシプロリンであり;
    Xaa15は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa16は、Glu、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa17は、Leu、Val、Ile、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸または1-アミノ酪酸であり;
    Xaa18は、Asn、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa19は、Arg、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa20は、Tyr、Ala、Phe、3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa21は、Tyr、Ala、Phe、3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa22は、Ala、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa23は、Ser、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa24は、Leu、Ile、Val、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa25は、Arg、Ala、His、Tyr、アミノイソ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa26は、His、Arg、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa27は、Tyr、Ala、Phe、ホモPheまたは3-ピリジルアラニン、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa28は、Ile、Val、Leu、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、アミノイソ酪酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa29は、Asn、Gln、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa30は、Met、Leu、Val、Ile、ホモロイシン、アミノイソ酪酸、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa31は、Leu、Val、Ile、アミノイソ酪酸、ホモロイシン、ノルロイシン、(1-アミノシクロペンチル)カルボン酸、(1-アミノシクロヘキシル)カルボン酸、1-アミノ酪酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa32は、Ser、Thr、2,3-ジアミノプロピオン酸、2,4-ジアミノ酪酸、オルニチンまたはLysであり;
    Xaa33は、Arg、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
    Xaa34は、Gln、Asn、His、Pro、N-メチルGln、β-ホモGln、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸、N-メチルAsnまたはN-メチルHisであり;
    Xaa35は、Arg、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
    Xaa36は、Tyr、Phe、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニンまたは(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸であり;
    ここで、Xaa33、Xaa34、Xaa35およびXaa36のうちの少なくとも1個は、下記からなる群から選択される;
    Xaa33は、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
    Xaa34は、N-メチルGln、β-ホモGln、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸、N-メチルAsnまたはN-メチルHisであり;
    Xaa35は、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸であり;
    Xaa36は、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニンまたは(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸である]。
  6. Xaa33が、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸である、請求項1から5のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  7. Xaa34が、Pro、N-メチルGln、β-ホモGln、(2-カルバモイル-エチルアミノ)-酢酸、N-メチルAsnまたはN-メチルHisである、請求項1から6のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  8. Xaa35が、N-メチルArg、メチルリシン、ジメチルリシン、トリメチルリシン、2-アミノ-3-グアニジノ-プロピオン酸、2-アミノ-4-グアニジノ-酪酸、モノメチルアルギニン、ジメチルアルギニン、(2-グアニジノ-エチルアミノ)-酢酸、(3-グアニジノ-プロピルアミノ)-酢酸、(4-グアニジノ-ブチルアミノ)-酢酸、2-アミノ-3-(1-カルバムイミドイル-ピロリジン-2-イル)-プロピオン酸、2-アミノ-4-(2-アミノ-ピリミジン-4-イル)-酪酸、2-アミノ-3-(4-グアニジノ-フェニル)-プロピオン酸またはアミノ-(1-カルバムイミドイル-ピペリジン-4-イル)-酢酸である、請求項1から7のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  9. Xaa36が、N-メチルTyr、C-α-メチルPhe、3-ピリジルアラニンまたは(4-ヒドロキシ-ベンジルアミノ)-酢酸である、請求項1から8のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその類似体。
  10. Xaa1およびXaa2が存在しないか、またはXaa1、Xaa2、Xaa3およびXaa4が存在しない、請求項1から9のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  11. 配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号25、配列番号26、配列番号29、配列番号30、配列番号33および配列番号35からなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  12. ヒトPYY(1-36)またはヒトPYY(3-36)と比較した場合に、前記類似体または誘導体の機能を低下させるC末端タンパク分解性破壊に対して改善された安定性を有し、前記機能は、本明細書に記載されているアッセイ(IV)、アッセイ(I)またはアッセイ(V)によって決定されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  13. 誘導体化基を含まず、
    [N-メチルArg33]PYY(3-36)、
    [N-メチルGln34]PYY(3-36)、
    [N-メチルArg35]PYY(3-36)、
    [N-メチルTyr36]PYY(1-36)または
    [N-メチルTyr36]PYY(3-36)
    ではない、請求項1から12のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  14. 配列番号11、配列番号13、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号23、配列番号24、配列番号28、配列番号32および配列番号34からなる群から選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  15. 肥満、肥満関連疾患、例えば、食物摂取の減少または糖尿病などのY受容体の変調に応答する状態を治療する際に使用するための請求項1から14のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体。
  16. 請求項1から15のいずれか一項に記載のPYY類似体またはその誘導体と、少なくとも1種の医薬添加剤とを含む組成物。
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