前段で規定されたようなデバイスの良く知られた例は、水を殺菌するためのデバイスであり、このデバイスにおいて、ハウジングの内側に設けられた要素は、特にUV−Cと通常呼ばれるタイプの、紫外線を放射するためのランプのような供給源である。紫外線にさらされ影響を受けた水は、UV−C光が殺菌可能であるという事実に基づいて水に対する浄化作用をもつ。家庭用器具に関して、紫外線供給源は、通常、放射線非透過性の保持構造体内に囲まれ、供給源に対する水の所望の暴露を可能にする。
十分な殺菌動作のために、紫外線殺菌源は、J/cm2で表される特定の紫外線線量を生成しなければならない。この線量は、デバイス中のバクテリアの滞留時間で乗算された照度(W/cm2)により与えられる。述べられた滞留時間は、水の流路により決定され、照射レベルは、適用される紫外線供給源のタイプにより決定される。
述べられた水殺菌デバイスを設計するときには、紫外線供給源の照度が、線形的に、又は、吸収が供給源までの半径方向距離で線形的及び指数関数的に生じる程度に依存して、低下することに留意しなければならない。この事実に関して、デバイスの所望の有効性を実現するために、これは、水要素の半径方向の混合が生じることを保証する手段がとられる場合に有利である。半径方向の混合を与えることにより、全ての水要素が幾つかのポイントで非常に短い距離で紫外線供給源を通ることが意図される。供給源に近い照射レベルは、供給源の近傍のバクテリアの短い暴露がこれらを除去するのに十分なほど大きい。
それ故、水殺菌デバイスの分野において直面する一般的な問題は、半径方向の混合が、制限された暴露時間において要求された線量を達成すること又はコンパクトなデザインが要求されることである。
半径方向の混合を強化する既知の可能性によれば、紫外線供給源の上流にミキサを導入することにより、又は、らせん状の動作が生じるように入口を設計することにより、渦巻状のフローが生成される。この可能性は、欧州特許第803472号明細書、米国特許出願公開第2008/0095661号明細書及び欧州特許第616975号明細書から知られている。しかしながら、回転が入口側の水に対してのみ与えられる場合には、これは、下流を減衰させるだろう。結果として、混合の程度は、紫外線供給源の長さに渡って一定ではなく、線量出力は最適なものではない。
半径方向の混合を強化する他の既知の可能性によれば、ハウジングの内壁が、この壁を通る水の混合効果を生成可能なように変更される。これに関して、米国特許第5503800号明細書は、軸方向における溝の生成を教示している。しかしながら、これらの溝の間に"デッドゾーン"、即ち、所望の混合効果が生じないゾーン、及び、水が紫外線供給源と多かれ少なかれ平行である軸方向に流れるゾーンがあるかもしれない。斯様な流路が供給源から比較的遠い距離にある場合には、必要とされる線量は満たされない。欧州特許第202820号明細書は、水要素の半径方向変位を強化する他の手法、即ち、軸方向の流れを制限する***を付与する手法を開示している。しかしながら、この場合においては、水がより速い速度及びそれ故により短い滞留時間を犠牲にして紫外線供給源に向かって流れるように強いるので、混合は最適なものではない。
水殺菌デバイスの分野において直面される他の問題は、いわゆるショートカットが存在し得ることである。ショートカットは、入口から出口に直接もたらす流路である。これらのショートカットを辿るバクテリアは、非常に短い滞留時間をもつ。特に、紫外線供給源が設けられる部分の外半径にショートカットが広がるときには、照射レベルが最も低くなる場所で、非常に低い線量レベルが生ずる。ショートカットは、一般に、特定の流入条件及び/又は不適切な混合によりもたらされる。
ショートカットを除去する既知の手法は、紫外線供給源が設けられた部分にらせん形状のコンポーネントを配置することを含み、紫外線供給源に対するコンポーネントのポジショニングは、供給源がコンポーネントの中心に延在するようになされる。米国特許出願公開第2003/0049809号明細書は、斯様なコンポーネントの一例を開示している。このコンポーネントが適用されたときには、水は、らせん形状を辿るように強いられ、従って、ショートカットが回避される。しかしながら、水が、完全にらせん形である、紫外線供給源の周りの経路を辿るときには、供給源に対するバクテリアの半径方向距離は、供給源が設けられた部分を通っている間、変化しない。それ故、実際には半径方向の混合はなく、線量出力の増大は期待されない。
本発明の目的は、前述した問題の解決策を提供することにある。詳細には、本発明の目的は、流体の半径方向の混合が強化され、同時にショートカットが回避されるデバイスを提供することにある。
本発明によれば、流体を含めるための内部空間をもつハウジングと、前記ハウジングに流体を入れるための入口と、前記ハウジングから流体を出すための出口と、前記ハウジングの内側に設けられた要素と、前記ハウジングの内側に同じように設けられ、前記要素のまわりに前記ハウジングの入口側から前記ハウジングの出口側まで流体をガイドするのに役立つ手段とを有するデバイスであって、前記流体ガイド手段は、組み合わせとして、前記要素の少なくとも一部に沿って延在する2つのジグザグ状のコンポーネントを有し、円周方向、即ち、前記要素の軸方向における前記ジグザグ状のコンポーネントの全長に沿って見て、前記要素の周りの方向において前記要素の完全な被覆を与え、前記ジグザグ状のコンポーネントのそれぞれは、前記要素を部分的に囲むとともに、前記要素と前記ハウジングの内壁との間の空間を埋め、前記要素の軸方向において、前記2つのジグザグ状のコンポーネントは、ずらされた態様で設けられ、前記2つのジグザグ状のコンポーネントは、前記円周方向において部分的にオーバーラップする、デバイスが提供される。
本発明のデバイスにおいて、ハウジングの内側に設けられるとともに中心要素として後述される要素の周りの半径方向の混合は、2つのジグザグ状のコンポーネントを適用することにより生成される。水又は他の流体がジグザグ状のコンポーネントを辿るときには、水は、半径方向、即ち中心要素の軸方向と直角をなす方向に中心要素を横断するように強いられ、斯様な横断が実現される回数は、ジグザグ状のコンポーネントのステップの数に依存する。中心要素を囲む単一のらせん形のコンポーネントを用いるのではなく、軸方向において相互にずらされた位置にある2つのジグザグ状のコンポーネントを用いることにより、2つの対流方向が水に適用されることが実現される。この手法において、混合は強化される。更に、本発明のデバイス上で実行されたテストは、再循環ゾーンがジグザグ状のコンポーネント間で得られることを示した。これらのゾーンは、更に混合を強化する。
更に、軸方向における相互にずらされた位置に設けられた2つのジグザグ状のコンポーネントにより、紫外線供給源から全体的に保護されるゾーンがなくなり得る。ショートカットは、ジグザグ状のコンポーネントが中心要素とハウジングの内壁との間のデバイスの直径全体に渡って延在しているという事実、及び、円周方向におけるジグザグ状のコンポーネントのオーバーラップが存在するという事実に基づいて回避される。
ジグザグ状のコンポーネントの製造プロセスは、これらのコンポーネントが単一のシートに適切な切り込みを入れてこの態様で実現されるベーシックな製品を曲げることにより得られ得るので、比較的単純である。これは、らせん状構造物が必要とされるときには、斯様な場合においては3次元フライス技術のような複雑な技術が適用される必要があるので、不可能である。それ故、製造コストのような要因が考慮されるときには、ジグザグ形状は、らせん形状よりも好ましい。
述べられたようなオーバーラップに関する限りは、これは、ジグザグ状のコンポーネントのそれぞれが中心要素の周りに180°よりも大きい角度で広がるようになり得る。実際には、双方のジグザグ状のコンポーネントは等しくなり得る。これは、円周方向のオーバーラップ角度が5°〜45°の範囲内にある場合に好ましく、円周方向のオーバーラップ角度が5°〜15°の範囲内にある場合により好ましい。オーバーラップの存在に基づいて、2つのジグザグ状のコンポーネント間のショートカットが回避され、水は、一方のジグザグ状のコンポーネントから他方及び後方に常に流れるように強いられ、これらのコンポーネントをバイパスする通路は存在しない。
中心要素は、紫外線を放射するための供給源であってもよく、従って、本発明のデバイスは、水殺菌デバイスとして適用されるのに適している。
本発明のデバイスの実際の実施形態において、ハウジングは、円形の外周をもつ円柱状に形成され、ジグザグ状のコンポーネントの各ステップは、中心穴をもつ楕円形の一部のように形成される。中心穴は、中心要素がジグザグ状のコンポーネント間に延在することを可能にするためのものであるのに対し、楕円形は、各ステップが円柱状のハウジングの中心軸に対して傾けられた方向をもつという事実に基づいて説明されることが理解されるだろう。
好ましくは、ジグザグ状のコンポーネントは、中心要素とハウジングの内壁との双方に接触する。水殺菌デバイスにおいて、ジグザグ状のコンポーネントとハウジングの内壁との間にショートカットが生じ得ないことが特に重要である。斯様なショートカットは、中心に配置された紫外線供給源に対して最も長い半径方向距離で存在するためである。これに関して、これは、ジグザグ状のコンポーネントがハウジングの内壁に接続される場合により好ましく、この場合において、これは、前述したようなバクテリアがコンポーネントと壁との間を通り得る状況が生じ得ないことを確実にすることに留意されたい。
ジグザグ状のコンポーネントの上流の流入条件は、ハウジングの入口側及び出口側の少なくとも一方での流体フローを矯正するための手段を適用することにより制御され得る。好ましい実施形態において、これらの手段は、一方側で流体を入れるための入口開口部と、他方側で流体を出すための出口開口部とをもつ要素を有し、各入口開口部は、複数の出口開口部と連通している。斯様な要素の実際の例は、泡状の材料を有する要素の一実施形態、及び、要素が編物メッシュ状、例えばステンレス鋼の編物メッシュ状に形成される要素の実施形態を含む。一般に、要素は、網(clew)状の外観をもち、述べられた例に基づいて結論付けられ得るように、高価なものである必要はない。更に、要素は、中心要素の端部を囲むように設けられ、換言すると、中心要素の端部は、フロー矯正手段の内側に収容され得る。フロー矯正手段は、中心要素を支持する機能をもち、従って、コストが更に削減され得る。更に、フロー矯正手段は、保護機能をもってもよく、即ち、デバイスの特定のエリアが紫外線の影響から保護されるように設けられてもよい。
本発明の前述した及び他の態様は、本発明の水殺菌デバイスの以下の詳細な説明から明らかになり、これを参照して説明されるだろう。
本発明は、図面を参照してより詳細に説明されるだろう。図面において、同一又は類似の部分は、同一の参照符号で示される。
図1は、本発明の水殺菌デバイス1のハウジング10を示している。示された例において、ハウジング10は、円形の外周をもつ円柱状に形成される。ハウジング10は、水を入れるのに適した内部空間11をもつ。実際には、デバイス1の動作の間、水は、ハウジング10を介して流れ、水は、入口12を介してハウジング10に供給され、水は、出口13からハウジングを出る。入口12及び出口13のそれぞれは、ハウジング10の他端に設けられる。
ハウジング10の内側には、紫外線を放射するための供給源20と2つのジグザグ状のコンポーネント31,32とが設けられる。この例において、供給源はランプ20であり、特にランプ20は長尺でチューブ状の外観をもつ。更に、ランプ20は、ハウジング10の中心位置をもち、ハウジング10及びランプ20の長手軸は実質的に一致する。ジグザグ状のコンポーネント31,32は、ランプ20の一方側から他方に水の流れを指向し、全ての水要素が、ハウジング10中のこれらの存在の間、幾つかのポイントでランプ20の近傍に来ることを確実にするのに役立つ。
示された例において、ジグザグ状のコンポーネント31,32は同一であり、ジグザグ状のコンポーネント31,32のそれぞれは、中心穴をもつ楕円の一部のように形成される多数のステップ33を有する。ジグザグ状のコンポーネント31,32の形状及びサイズは、ハウジング10の内壁14とランプ20との間に存在する空間に一致するように適合され、ジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33の楕円形の中心穴は、ランプ20を密接に囲むように形成され、ジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33の楕円形の外周は、ハウジング10の内壁14に密接に接触するように形成される。
軸方向、即ち、ハウジング10及びランプ20の長手軸が延在している方向において、ジグザグ状のコンポーネント31,32の位置は、互いに対してずらされている。これは、ジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33が中心領域において(即ちランプ20で)互いに横断し、ランプ20の長さの同一部分での2つのステップ33がX形状の脚部を構成し、言わば、各脚部がランプ20の他方側に存在することを意味する。ジグザグ状のコンポーネント31,32が軸方向においてずらされた態様で設けられない場合には、水殺菌プロセスの間にハウジング10に存在する必要がある水の流れの妨害を回避するために、ジグザグ状のコンポーネント31,32と内壁14との間の空間が必要とされるだろう。しかしながら、斯様な空間は、ランプ20により放射された紫外線照射から遮蔽され、これは極めて好ましくない。更に、ずらされたポジショニングに基づいて、対流フローが得られ、これは混合を強化する。
各ジグザグ状のコンポーネント31,32は、ランプ20を部分的に囲むが、組み合わせとして、ジグザグ状のコンポーネント31,32は、ランプ20の軸方向におけるジグザグ状のコンポーネント31,32の長さ全体に沿って見られるように、円周方向においてランプ20の完全な被覆を与える。それ故、ランプ20及びジグザグ状のコンポーネント31,32の全体が軸方向において見られるときには、ランプ20の周りのリング形状構造体が識別され、これは、如何なる場所でも遮られない。
図2は、ハウジング10、並びに、ハウジング10の内側に設けられたランプ20及びジグザグ状のコンポーネント31,32の他の図を示している。矢印により、水が動作の間にハウジング10を介して流れる方向が図2において示されている。更に、図2は、ジグザグ状のコンポーネント31,32の直径d、ジグザグ状のコンポーネント31,32の2つのステップ33の高さλ、及び、ジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33間の角度αがどのように測定されるかを示している。本発明のデバイス1の実際の実施形態において、これは、2つのステップ33の高さλと直径dとの割合λ/dが0.1〜5の範囲内にある場合に好ましく、この割合が0.5〜3の範囲内にある場合により好ましく、これは、ステップ33間の角度αが5°〜80°の範囲内にある場合に好ましく、この角度αが20°〜60°の範囲内にある場合により好ましい。
図3は、本発明の注目すべき態様、即ち円周方向においてジグザグ状のコンポーネント31,32の部分的オーバーラップが存在するという事実を示している。特に、ジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33のエッジ領域は、図3において丸く囲まれているもののように、オーバーラップしている。図3においても示されているオーバーラップ角度βは、好ましくは5°〜45°の範囲内にあり、より好ましくは、5°〜15°の範囲内にある。
ジグザグ状のコンポーネント31,32の特別なデザインにより、水殺菌プロセスは、最も効果的になり得る。水がハウジング10の入口12から出口13に流れるときには、ショートカットが現れることは不可能である。全ての水要素は、幾つかのポイントでランプ20の近くの位置に移動し、従って、これらの要素中に存在するバクテリアが除去され得る。2つのジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33間に存在するオーバーラップにより、水は、ジグザグ状のコンポーネント31,32間の通路を見出すことはできない。代わりに、ジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33は、水により辿られる必要があり、水は、或るポイントでランプ20の一方側から他方側に流れるように強いられる。ショートカットを回避する役割を果たす他の要因は、ジグザグ状のコンポーネント31,32がランプ20とハウジング10の内壁14との間の空間を埋めるという事実である。好ましくは、ジグザグ状のコンポーネント31,32は、ハウジング10の内壁14に接続され、従って、これは、紫外線照射レベルが最も低い位置でバクテリアにより通過され得るギャップが存在しないことを確実にする。
ジグザグ状のコンポーネント31,32は、金属のような電流伝導材料から作られ得る。任意の場合において、これは、ジグザグ状のコンポーネント31,32が紫外線照射に対して耐性を示す材料から作られる場合に有利であることが理解されるだろう。金属又は他の光反射材料の利点は、紫外線の反射がバクテリアにより受けられる紫外線を強化することである。また、金属の使用は、ジグザグ状のコンポーネント31,32がランプ20を給電するための電気回路の部分になることを可能にする。これが有利になる状況の例は、欧州特許第697374号明細書で述べられたエキシマーランプが用いられたときである。一方、ジグザグ状のコンポーネント31,32がガラスのような透明材料から作られることも可能である。この手法において、ジグザグ状のコンポーネント31,32による紫外線の非常に多くの吸収が回避され、ランプ20の紫外線出力がより効率的に使用される。
ジグザグ状のコンポーネント31,32の表面は、平坦又はテクスチャであり得る。テクスチャが適用されたときには、水の流動作用は、再循環ゾーンにより強化され、これは、ジグザグ状のコンポーネント31,32の表面粗度に基づいて得られる。ジグザグ状のコンポーネント31,32のステップ33の厚さは、好ましくは0.1mm〜5mmの範囲内にあり、より好ましくは0.1mm〜2mmの範囲内にある。
図4は、水の流入及び/又は流出を矯正するための手段を適用する可能性を示している。詳細には、泡状要素40が示され、これは、流入条件の所望の制御を実現するために非常に役立ち得る。ほとんどの入口の状況は面積の急激な変化を含むので、ジグザグ状のコンポーネント31,32の上流のフローはあまり知られていない。そして、異なる流速又はフロー循環(渦状構造)をもつエリアが生成されるというリスクが存在し、これは、その流れを指向することについてジグザグ状のコンポーネント31,32の有効性に悪影響を与え得る。出口条件に関しても同じである。それ故、ハウジング10の出口側にフロー矯正要素40をもつことも有利である。
フロー矯正要素40は、任意の適切な形状をもち、任意の適切な材料を有し得る。図4は、フロー矯正要素40が形成され、ランプ20の端部を囲むように配置され得るという事実を示している。フロー矯正要素40は、ハウジング10の内側のランプ20を支持することについて追加の機能をもち、追加の支持要素を用いる必要がないか、又は、少なくとも支持要素があまり必要とされない。フロー矯正要素40の他の追加機能は、紫外線をブロックし、これにより、紫外線の有害な影響から水殺菌デバイス1のコンポーネントを保護することができる。
本発明の範囲は、前述した例に限定されるものではなく、その幾つかの補正及び変更が、特許請求の範囲において規定された本発明の範囲から逸脱することなく可能であることが当業者にとって明らかであるだろう。本発明が図面及び前記の説明において詳細に示され述べられた一方で、斯様な図示及び説明は、例示又は単なる例であり、限定するものではないものと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。
開示された実施形態に対するバリエーションは、図面、前記の説明及び特許請求の範囲の研究から、当業者により理解され、もたらされ得る。請求項において、"有する"という用語は、他のステップ又は要素を除外するものではなく、単数表記は、複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に用いられ得ないことを示すものではない。請求項中の如何なる参照符号も、本発明の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。
一般に、本発明は、流体が或る時間期間の間に特定の要素にさらされる必要があり、全ての流体要素が特定のポイントで前記要素の近傍に置かれるように、その要素に向かって指向される必要があるデバイスに適用可能である。この要素は、示された例の場合と同様に、放射線を放出するための供給源20であるが、これは、本発明の範囲内において必須というわけではない。完全を期すために、水が流体の例として述べられるという事実は、本発明がこのタイプの流体に限定されることを意味するように理解されるべきではないことに留意されたい。更に、この説明において、"紫外線"及び"紫外線照射線"という用語は、全く同一の現象、即ち紫外線領域の波長をもつ波を示すために用いられることに留意されたい。
完全を期すために、示された例においてジグザグ状のコンポーネント31,32が同一であるという事実は、これが必須であることを意味するように理解されるべきではないことに留意されたい。重要なのは、ジグザグ状のコンポーネント31,32が、流体の紫外線処理が効果的になり得るように、十分な混合を実現し、ショートカットを回避することを可能とすることである。
本発明のデバイス1において図4に示されたようなフロー矯正要素40をもつことが有利であるが、この要素40は、デバイス1の必須の要素を構成するものではないことが理解されるべきである。
本発明は以下のように要約され得る。デバイス1は、流体を含めるための内部空間11をもつハウジング10と、前記ハウジング10に流体を入れるための入口12と、前記ハウジング10から流体を出すための出口13と、前記ハウジング10の内側に設けられた要素20と、前記ハウジング10の内側に同じように設けられ、前記要素20のまわりに前記ハウジング10の入口側から前記ハウジング10の出口側まで流体をガイドするのに役立つ手段31,32とを有する。前記流体ガイド手段は、組み合わせとして、前記要素20の少なくとも一部に沿って延在する2つのジグザグ状のコンポーネント31,32を有し、円周方向、即ち、前記要素20の軸方向における前記ジグザグ状のコンポーネント31,32の全長に沿って見て、前記要素20の周りの方向において前記要素20の完全な被覆を与え、前記2つのジグザグ状のコンポーネント31,32は、前記円周方向において部分的にオーバーラップする。
ジグザグ状のコンポーネント31,32は、ハウジング10の入口側と出口側との間のショートカットが存在しないようにサイズ化され形成される。前記要素が例えば紫外線を放射するための供給源20であるときには、流体要素は、多かれ少なかれ入口側から出口側までの真っ直ぐで速い経路を辿ることができず、光源20の一方側から他方側に繰り返し移動するように強いられ、従って、ハウジング10の内壁14の、照射レベルが最も低いエリアに常にいることが不可能となるので、ハウジング10を流れる流体の全ての流体要素が、流体内に存在するバクテリアが除去されるほどに光にさらされることが保証される。一般的に言えば、ジグザグ状のコンポーネント31,32の形状は、紫外線又は同様のプロセスでの流体の処理の有効性が最適になるように選択される。