JP2013258313A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
保存安定性に優れる特定の導電性接着剤組成物を用い、該導電性接着剤組成物を印刷法により塗布することで、接続後も良好な接続外観を維持でき、接続後のピール強度が良好である、太陽電池モジュールの製造方法を提供すること。
【解決手段】
所定の導電性接着剤組成物を印刷法により塗布する工程と、(B)塗布した導電性接着剤組成物の上に、半導体基板の電極と相対向するように配線部材を配置し、配線部材付半導体基板を得る工程と、(C)(B)工程で得られた配線部材付半導体基板を加熱する工程と、(D)(C)工程で得られた配線部材付半導体基板の両面に封止部材を積層し、さらに半導体基板の受光面に保護ガラスを、半導体基板の裏面に保護フィルムを積層して加熱する工程を備える太陽電池モジュールの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に関する。
深刻化する地球温暖化や化石エネルギー枯渇問題を解決する手段として、太陽光を用いた発電システムである太陽電池が注目されている。現在、主流の太陽電池は、単結晶又は多結晶のSiウェハ上に電極が形成された太陽電池セルを金属配線部材を介して直列又は並列に接続した構造である。通常、太陽電池セルの電極と金属配線部材の接続には、良好な導電性を示し、かつ安価なはんだが用いられてきた(特許文献1)。また最近では、環境問題を考慮し、Pbを含まないSn−Ag−Cuはんだを配線部材である銅線に被覆し、前記はんだの融点を超える温度で加熱し、太陽電池セルの電極と配線部材を接続する方法が知られている(特許文献1、2)。
また、太陽電池セルの電極と配線部材を接続する方法としては、低温で電気的な接続が可能な導電性接着剤組成物の使用が提案されている(特許文献3)。この導電性接着剤組成物は、熱硬化性樹脂中に銀粒子に代表される金属粒子が混合、分散された組成物であり、この金属粒子が太陽電池セルの電極及び配線部材と物理的に接触することで電気的な接続が発現する。しかしながら、特許文献3等に記載の導電性接着剤組成物における導電性発現機構が金属粒子同士の接触によるものであるため、良好な導電性を確保するためには金属粒子の含有量を増加させる必要がある。しかし金属粒子の含有量を増加させると、導電性接着剤組成物中のバインダ成分の割合が減少するため、接着剤の接着力が低下してしまう。
特開2002−263880号公報 特開2004−204256号公報 特開2005−243935号公報 特開2011−023577号公報
このような問題を解決する方法として、低融点の金属と熱硬化性樹脂を含有する導電性接着剤組成物を用いた方法が提案されている(特許文献4)。
一方、導電性接着剤組成物を太陽電池セルの電極上に塗布する方法としては、印刷法又はディスペンサでの塗布法が挙げられる。
特許文献4に記載の導電性接着剤組成物をディスペンサでの塗布法する場合、導電性接着剤組成物が、ディスペンサの吐出口で詰まってしまうため、液を吐出することができなくなるというおそれがある。そこで、塗布法としては導電性接着剤組成物が詰まることがない印刷法が適していると考えられる。しかし、特許文献4に記載の導電性接着剤組成物を印刷法により太陽電池セルの電極上に塗布した場合、太陽電池セルの電極及び配線部材を接続するための加熱工程により、電極及び配線部材から接着剤がはみ出し、接続後(加熱工程により、電極及び配線部材が接続後)のモジュール外観が悪化する傾向があった。
しかし、接着剤のはみ出しをなくすために、単に粘度を高くすると、太陽電池セルの電極と導電性接着剤組成物、又は、配線部材と導電性接着剤組成物のピール強度が低下する問題があった。また、導電性接着剤組成物の保存安定性が悪化するという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、保存安定性に優れる特定の導電性接着剤組成物を用い、該導電性接着剤組成物を印刷法により塗布することで、接続後も良好な接続外観を維持でき、接続後のピール強度が良好である、太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のものに関する。
<1>(A)半導体基板の電極上に(a)金属を含有する導電性粒子、(b)熱硬化性樹脂及び(c)フラックス活性剤を含有する、導電性接着剤組成物を印刷法により塗布する工程(以下、「(A)工程」ともいう。)と、(B)塗布した導電性接着剤組成物の上に、前記半導体基板の電極と相対向するように配線部材を配置し、配線部材付半導体基板を得る工程(以下、「(B)工程」ともいう。)と、(C)(B)工程で得られた配線部材付半導体基板を加熱する工程(以下、「(C)工程」ともいう。)と、(D)(C)工程で得られた配線部材付半導体基板の両面に封止部材を積層し、さらに前記半導体基板の受光面に保護ガラスを、前記半導体基板の裏面に保護フィルムを積層して加熱する工程(以下、「(D)工程」ともいう。)を備える太陽電池モジュールの製造方法であって、前記導電性接着剤組成物は、25℃における粘度が20〜250Pa・sであり、(a)導電性粒子の含有量が前記導電性接着剤組成物の全量に対して70〜95質量%であり、(a)導電性粒子の平均粒子径が2〜85μmであり、(a)導電性粒子に含まれる金属の融点が(C)工程における加熱温度以下である、太陽電池モジュールの製造方法。
<2>(a)導電性粒子の平均粒子径が2〜50μmである、前記太陽電池モジュールの製造方法。
<3>(a)導電性粒子における金属が、ビスマス、インジウム、スズ及び亜鉛から選ばれる1種以上を含有する、前記太陽電池モジュールの製造方法。
<4>(b)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂又は(メタ)アクリル樹脂を含有する、前記太陽電池モジュールの製造方法。
<5>(c)フラックス活性剤が、分子内にカルボキシル基を含有する化合物である、前記太陽電池モジュールの製造方法。
本発明によれば、保存安定性に優れる特定の導電性接着剤組成物を提供し、かつ、該導電性接着剤組成物を印刷法により塗布することで、接続後も良好な接続外観を維持でき、接続後のピール強度が良好である、太陽電池モジュールの製造方法を提供することができる。
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法により製造される太陽電池モジュールの要部を示す模式図である。 本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態を説明するための図である。 本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態を説明するための図である。 本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態を説明するための図である。 本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態を説明するための図である。 本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[太陽電池モジュールの製造方法]
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法について図を用いて説明する。図1は、本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法により製造される太陽電池モジュールの要部を示す模式図であり、複数の太陽電池セルが相互に配線接続された構造の概略を一つの例として示している。図1(a)は表面側から、図1(b)は裏面側から、図1(c)は側面側から見た太陽電池モジュールを示す図である。
図1(a)〜(c)に示すように太陽電池モジュール100は、半導体基板6の表面(以下、「受光面」という。)側にグリッド電極(フィンガー電極)7及びバス電極(表面)3aが、裏面側に裏面電極8及びバス電極(裏面)3bがそれぞれ形成された太陽電池セル20が、配線部材4によって複数相互に接続されている。配線部材4は、その一端が太陽電池セル表面の表面電極3aと他端がバス電極3bとそれぞれ導電性接着剤組成物10を介して直列に接続されている。
図2〜6は、本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法の一実施形態を説明するための図である。なお、下記説明における工程1、3は上記工程(A)に、工程2、4は上記工程(B)に、工程5は上記工程(C)に、工程6は上記工程(D)にそれぞれ対応する。また、下記の説明においては、便宜上、太陽電池セルの受光面に接続される部分の配線部材を配線部材4aと呼び、太陽電池セルの裏面に接続される部分の配線部材を配線部材4bと呼ぶ。
本実施形態の製造方法においては、まず図2(a)〜(d)に示すように、太陽電池セル6の表面電極3a上に、印刷マスク11のスリットを設置し、スキージ12により、導電性接着剤組成物10を印刷法により塗布する(工程1)。塗布される導電性接着剤組成物10は、印刷性の点から液状またはペースト状であることが好ましい。印刷法は、スクリーン印刷法であると好ましい。
塗布される導電性接着剤組成物10の線幅については、太陽電池セル及び電極上で導電性接着剤組成物10があまり広がらず、細い線幅が引けることが、作業上の観点から好ましい。具体的には、電極上に塗布された導電性接着剤組成物10の線幅が2.0mm以下の細い線を引くことが望ましい。
導電性接着剤組成物10の塗布量としては特に制限は無いが、単位長さで換算すると0.01〜1.0mg/mmであることが好ましく、0.02〜0.8mg/mmであることがより好ましく、0.02〜0.7mg/mmであることが特に好ましく、0.03〜0.5mg/mmであることが特に極めて好ましい。塗布量が0.01mg/mmより少ないと、太陽電池セル6の接続信頼性が低下してしまう。また、1.0mg/mmよりも多いと、塗布後に放置した際、導電性接着剤組成物10が表面電極3a周辺の太陽電池セルの受光面に染み出し、受光の妨げになってしまうことがある。また、導電性接着剤組成物10を表面電極3a上に塗布する代わりに、配線部材上に塗布してもよい。
次いで、図3(a)〜(b)に示すように、塗布された導電性接着剤組成物10を挟んで、表面電極3aと配線部材4aとを対向するように配置する(工程2)。ここで用いられる配線部材としては、従来から使用されているCu線やはんだメッキ線の他に、絶縁性のプラスチック線上にNi、Au、Ag等の金属めっきを形成した配線部材を使用することができる。この中でも配線部材としては、はんだ被膜タブ線を用いることが好ましい。
ここで、工程2において、導電性接着剤組成物10が液状であると、室温で太陽電池セルの電極と対向するように配線部材を配置することができる。また、配線部材の位置ずれや落下防止のために、太陽電池セルの電極と対向するように配線部材を配置した後、配線部材上の数箇所を粘着テープで仮固定してもよい。粘着テープとしては、例えば、ポリイミドテープ、ビニールテープ、セロハンテープが挙げられ、熱に強いことからポリイミドテープを用いることが好ましい。
次に、図4(a)〜(d)に示すように、太陽電池セル6の裏面側に存在するバス電極3bに、導電性接着剤組成物10を印刷法により塗布する工程(工程3)、及び、図5(a)〜(b)に示すように、導電性接着剤組成物10を挟んで、バス電極3bと配線部材4bを対向するように配置する工程を行う(工程4)。工程3、4は、それぞれ工程1、2と同様の方法で行うことができる。
続いて、図6(a)に示すように、太陽電池セル6の受光面及び裏面に配線部材を配置した状態で、配線部材と同幅同長の加熱装置(狭幅セラミックヒーター)21を使用して、加熱を行う(工程5)。この加熱を行うことで、導電性接着剤組成物10中の導電性粒子が溶融及び融合して、太陽電池セル6の表面電極3a/配線部材4a間、バス電極3b/配線部材4b間が融合した金属により直接電気的に接続される。また、導電性接着剤組成物10中の熱硬化性樹脂の硬化により、接続部分の物理的な接着が行なわれる。
従来の導電性接着剤組成物を用いた太陽電池モジュールの製造方法では、この加熱工程において、導電性接着剤組成物がバス電極3a及び3bからはみ出してしまう傾向があった。導電性接着剤組成物の塗布量が上述の好ましい範囲であっても、バス電極3a及び3bからはみ出してしまう傾向があった。
しかし本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、導電性接着剤組成物10がバス電極3a及び3bからはみ出さずに、良好な接続後外観を得ることができる。
なお、工程5における加熱方法としては、セラミックヒーター(狭幅セラミックヒーター)、ホットプレート、加熱オーブン、ノズルヒーター、IH(induction heating:誘導加熱)等の公知の方法を適用することもできるが、より簡便に加熱できる点からセラミックヒーターを使用する方法が好ましい。また、ノズルから熱風を噴射するノズルヒーターを配線部材の幅や長さに合わせて複数使用することでも簡便に加熱することができる。セラミックヒーター及びノズルヒーターを用いることで均一に熱が伝わり、金属を十分に溶融及び融合させることができる。
工程5における加熱温度は、後述する導電性接着剤組成物の(a)導電性粒子における金属の融点より高い。具体的には太陽電池セルの電極と配線部材間の実測値で140〜180℃である。工程5における加熱温度は、145〜170℃がより好ましく、148〜160℃が特に好ましい。この加熱温度は熱電対を用いて測定した値とする。加熱温度が140℃未満の場合、導電性接着剤組成物中の導電性粒子が溶融及び融合せず、電極・配線部材間の導電性が低下してしまう。また、加熱温度が180℃よりも高温の場合、冷却後に熱応力が発生し、太陽電池セルが割れる又はクラックが生じる可能性が高くなる。
また、加熱時間については、1〜180秒が好ましく、2〜90秒がより好ましく、3〜30秒が特に好ましい。1秒未満であると、複数の太陽電池セルを処理した際の温度ばらつきが大きくなるため、金属粒子が融合せずに、導電性が低下することが懸念される。また、180秒よりも長時間となった場合、太陽電池セルが反り、太陽電池製造における歩留まりが低下するおそれがある。
また、加熱工程の際に、配線部材を配置した太陽電池セル上に重りを搭載したり、狭幅セラミックヒーターを用いて加圧処理を同時に行ってもよい。加圧することにより、均一に熱が伝わり、また配線部材のゆがみを防ぎながら配線部材と太陽電池セルの接続を行うことが可能となる。加える圧力としては0.01〜2.0MPaが好ましく、0.02〜1.5MPaがより好ましく、0.05〜1.0MPaが特に好ましい。0.01MPa以上であると配線部材と太陽電池セル間に浮きを抑制することができ、熱が伝わりやすく、また2.0MPa以下であると、太陽電池セルが割れる又はクラックが生じることを抑制することができる。
加熱工程は圧力をかけずに行なってもよく、例えば、ホットプレートを使用する方法が挙げられる。
本実施形態において、上述のように、加熱工程時に導電性接着剤組成物中の導電性粒子が溶融し、融合状態を形成することが太陽電池セルの電気特性、温度サイクル試験(−40℃〜85℃)、高温高湿試験(85℃/85%RH)における信頼性(以下、信頼性という)の観点で重要となる。金属の融合状態を確認する方法としては、加熱工程後の太陽電池セルの断面を、X線透過装置を用いて、受光面側から観察する方法が挙げられる。
工程5に次いで、図6(b)に示すように、太陽電池セル6の両面に封止樹脂13を積層し、太陽電池セル6の受光面に保護ガラス(強化ガラス)14を、太陽電池セル6の裏面に保護フィルム15を積層し、加熱する工程を行う(工程6)。
封止樹脂13としては、透明性、柔軟性、価格等の観点からエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(以下、「EVA」という。)やポリビニルブチラールが好ましい。また、保護ガラス14は片面にエンボス加工が施されたものが好ましい。また、保護フィルム15としてはフッ素樹脂フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート等)が挙げられ、耐候性・水蒸気バリヤー性・電気絶縁性等の観点から各種複合フィルムを用いることが好ましい。複合フィルムとしては、例えば、太陽電池セル側から電気絶縁性フィルム/接着剤/水蒸気バリヤー性のフィルム/接着剤/耐候性フィルムがこの順で積層されたものを用いることができる。電気絶縁性フィルムとしては電気絶縁用PETフィルムを、水蒸気バリヤー性のフィルムとしてはアルミ箔、アルミナ、シリカ蒸着PETフィルムを、耐候性フィルムとしてはフッ素樹脂フィルム、フッ素樹脂塗膜、耐熱低オリゴマーPETフィルムをそれぞれ適用することができる。
この工程6の加熱工程により、導電性接着剤組成物中の(B)熱硬化性樹脂の硬化が完了し、電極と配線部材間の物理的な接続安定性を向上させる。また同時に、封止樹脂、強化ガラス及び保護フィルムの接着を一括で行う。この工程6の加熱工程では、一般的なホットプレートや加熱オーブンを用いることができる。また、太陽電池セルの封止処理に一般に使用されている装置である、真空ラミネータを使用することができる。真空ラミネータは、チャンバー内を真空脱気後、蓋部のみを開放することで大気圧(0.1MPa)の圧力を一定に加えながら加熱することができる。汚れ防止の観点からテフロン(登録商標)シートを用いることが好ましい。
工程6における加熱温度は、封止樹脂やバックシートに影響を及ぼさない温度であれば特に制限は受けないが、80〜200℃が好ましく、110〜160℃がより好ましく、120〜150℃が特に好ましい。100℃未満の場合は、封止樹脂であるEVAの流動性、接着性が不十分となり、160℃より高い場合は、EVAやバックシートが熱により劣化する可能性がある。
また、工程6における加熱時間は、1〜60分が好ましく、3〜50分間がより好ましく5〜30分が特に好ましい。1分未満であると、複数の太陽電池セルを処理した際の温度ばらつきが大きくなり、部分的に封止剤が重合されず、太陽電池モジュールが十分に封止されないという問題が生じるおそれがある。さらに1分未満であると、本実施形態の導電性接着剤組成物で使用している熱硬化性樹脂の硬化が不十分となることや、封止樹脂のEVAの硬化が不十分になるため、信頼性低下が懸念される。また、60分よりも長い場合、太陽電池セルが反ってしてしまうため、太陽電池の製造における歩留まりが低下するおそれがある。
さらにこの後、封止をより十分に完了させるために、付加的な加熱処理として、加熱オーブンを使用して、60〜150℃で1〜120分間、後加熱を行ってもよい。
上記一連の工程(工程1〜工程6)により、従来のSn−Ag−Cuはんだよりも低温での接続が可能で、かつ良好な信頼性を示す太陽電池モジュールの製造方法を提供することができ、従来工程と比較してエネルギーコストの低減及び生産性向上、さらには歩留まり向上による低コスト化を図ることができる。
[導電性接着剤組成物]
本実施形態の太陽電池の製造方法に用いられる導電性接着剤組成物は、(a)導電性粒子、(b)熱硬化性樹脂及び(c)フラックス活性剤を含有する。
(a)導電性粒子としては、金属を含み、かつその金属の融点が上記(C)工程における加熱温度以下であるものを適用することができる。金属の融点は200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、100℃〜180℃であることがさらに好ましく、110〜180℃であることが特に好ましい。
この(a)導電性粒子は、(C)工程において、溶融及び融合して、電極と配線部材との間が融合した金属により直接電気的に接続される。ここで、融合とは、溶融した導電性粒子中の金属が、表面張力などにより、一体化した状態になることをいう。
導電性粒子に含まれる金属としては、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)等から選ばれる1種以上の金属が挙げられる。金属の形態としては、1種の金属からなる単体、又は2種以上の金属を含む合金が挙げられる。(a)導電性粒子としては、具体的には、Sn42−Bi58はんだ(融点138℃)、Sn48−In52はんだ(融点117℃)、Sn42−Bi57−Ag1はんだ(融点139℃)、Sn90−Ag2−Cu0.5−Bi7.5はんだ(融点189℃)、Sn96−Zn8−Bi3はんだ(融点190℃)、Sn91−Zn9はんだ(融点197℃)が、溶融後に良好な固化挙動を示すため好ましい。固化挙動とは、金属が溶融及び融合後に冷えて固まることをいう。この中でも低融点のSn42−Bi58はんだを用いることが好ましい。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(a)導電性粒子の平均粒子径は、特に制限はないが、2〜85μmであると好ましい。この平均粒子径が2μm未満であると、接続後の外観が悪化する。また、平均粒子径が85μmを超えると、導電性粒子の沈降等により、導電性接着剤組成物の保存安定性が悪化する。この導電性接着剤組成物の印刷性及び作業性をさらに良好にする観点から、この2〜50μmであることがより好ましい。さらに、接着剤組成物の保存安定性並びに硬化物の実装信頼性をより向上させる観点から、この平均粒子径は5〜30μmであると特に好ましい。ここで、平均粒子径はレーザー回折、散乱法(神岡鉱業試験法No.2)によって求められる値である。神岡鉱業試験法No.2は、波長が一定であるレーザー光を粒子にあて、その散乱光強度のパターンから粒子径と粒度分布を計算する測定方法である。この測定は、例えば、マイクロトラック(日機装社製 MT3000)を用いて行うことができる。マイクロトラックを用いる場合、例えば、マイクロトラックの投入口に分散媒として純水を2滴投入し、投入口に試料約0.2gを薬匙にて投入し、粒度分布を測定する。
(a)導電性粒子は、金属のみで構成されるものの他、セラミックス、シリカ、樹脂材料等の金属以外の固体材料からなる粒子の表面を金属膜で被覆した導電性粒子であってもよく、それらの混合物であってもよい。このような導電性粒子としては樹脂コアはんだボールが挙げられる。
本発明において、(a)導電性粒子の含有量は、その導電性粒子における金属の含有量が、導電性接着剤組成物の全量に対して70〜95質量%である。上記金属の含有量が70質量%未満の場合は、導電性粒子に対する熱硬化性樹脂の割合が多くなるため、接続後に樹脂のブリード(はみ出し)が生じ、接続後外観が悪化する傾向がある。また、接着剤組成物の硬化物の導電性が低下する傾向がある。一方、上記金属の含有量が95質量%を超えると、印刷にカスレが生じ、印刷形状が悪化する、又は印刷ができなくなる。また、相対的に導電性接着剤組成物中の接着剤成分が少なくなるため、硬化物の実装信頼性が低下する。なおここでいう「接着剤成分」とは、導電性接着剤組成物中の導電性粒子以外の成分を示す。
導電性粒子の含有量は、導電性接着剤組成物の全量に対して、72〜95質量%であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましく、80〜90質量%であることがさらに好ましい。
なお、(a)導電性粒子とともに、(a’)融点が220℃を超える金属を含む導電性粒子を併用してもよい。融点が220℃を超える金属としては、例えば、Pt、Au、Ag、Cu、Ni、Pd、Al等から選ばれる1種の成分を含有する単体又は合金が挙げられ、より具体的にはAu粉、Ag粉、Cu粉、AgめっきCu粉等が挙げられる。市販品としては、鍍銀銅粉である「MA05K」(日立化成工業(株)製、商品名)が入手可能である。
(a)導電性粒子とともに、(a’)融点が220℃より高い金属を含む導電性粒子を併用する場合、その配合比率は、(a):(a’)が質量比で99:1〜50:50の範囲内であることが好ましく、99:1〜60:40の範囲内であることがより好ましい。
(b)熱硬化性樹脂は、被着体である電極と配線部材を接着する作用を有するとともに、導電性接着剤組成物中の導電性粒子と必要に応じて添加されるフィラーとを結合するバインダ成分として機能する。このような熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性の有機高分子化合物、並びにそれらの前駆体が挙げられる。ここで(メタ)アクリル樹脂とはメタクリル樹脂及びアクリル樹脂を示す。これらの中では、(メタ)アクリル樹脂又はエポキシ樹脂が好ましい。これらの熱硬化性樹脂は、耐熱性及び接着性に優れ、しかも必要に応じて有機溶剤中に溶解又は分散させれば液体の状態で取り扱うこともできるため、作業性にも優れている。上述の熱硬化性樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(メタ)アクリル樹脂は、重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物から構成される。かかる化合物としては、例えば、モノアクリレート化合物、モノメタクリレート化合物、ジアクリレート化合物、及びジメタクリレート化合物が挙げられる。
モノアクリレート化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、γ−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルホスフェート及びアクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェートが挙げられる。
モノメタクリレート化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、γ−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルホスフェート及びメタクリロキシエチルフェニルアシッドホスフェートが挙げられる。
ジアクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1、4−ブタンジオールジアクリレート、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート、1、9−ノナンジオールジアクリレート、1、3−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルアクリレート2モルの反応物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビス(アクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン及びビス(アクリロキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーが挙げられる。
ジメタクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、1、4−ブタンジオールジメタクリレート、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1、9−ノナンジオールジメタクリレート、1、3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールAD1モルとグリシジルメタクリレート2モルの反応物、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリエチレンオキサイド付加物のジメタクリレート、ビスフェノールF又はビスフェノールADのポリプロピレンオキサイド付加物、ビス(メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン及びビス(メタクリロキシプロピル)メチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーが挙げられる。
これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。また、熱硬化性樹脂として(メタ)アクリル樹脂を含有するとき、これらの化合物をあらかじめ重合してから用いてもよく、また、これらの化合物を(a)導電性粒子及び(c)フラックス活性剤とともに混合し、混合と同時に重合を行ってもよい。
これらの化合物を重合し(メタ)アクリル樹脂及びマレイミド樹脂を合成する際、ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。ラジカル重合開始剤は、ボイドを有効に抑制する観点等から、有機過酸化物が好適である。また、接着剤成分の硬化性及び粘度安定性を向上させる観点から、有機過酸化物はその分解温度が70〜170℃であることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、1、1、3、3、−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパーオキシ)3−ヘキシン及びクメンハイドロパーオキサイドが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ラジカル重合開始剤は、接着剤成分の総量に対して0.01〜20質量%であると好ましく、0.1〜10質量%であるとより好ましく、0.5〜5質量%であると特に好ましい。
アクリル樹脂としては市販のものを用いることができる。その具体例としては、FINEDIC A−261(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)、FINEDIC A−229−30(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、その1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限なく公知の化合物を使用することができる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等とエピクロクヒドリドンから誘導されるエポキシ樹脂が挙げられる。
このようなエポキシ樹脂として、市販のものを入手することができる。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるAER−X8501(旭化成工業(株)製、商品名)、R−301(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)、YL−980(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるYDF−170(東都化成(株)製、商品名)、YL−983(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂であるR−1710(三井石油化学工業(株)製、商品名)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であるN−730S(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)、Quatrex−2010(ダウ・ケミカル社製、商品名)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であるYDCN−702S(東都化成(株)製、商品名)、EOCN−100(日本化薬(株)製、商品名)、多官能エポキシ樹脂であるEPPN−501(日本化薬(株)製、商品名)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル(株)製、商品名)、VG−3010(三井石油化学工業(株)製、商品名)、1032S(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂であるHP−4032(大日本インキ化学工業(株)製、商品名)、脂環式エポキシ樹脂であるEHPE−3150、CEL−3000(共にダイセル化学工業(株)製、商品名)、DME−100(新日本理化(株)製、商品名)、EX−216L(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、脂肪族エポキシ樹脂であるW−100(新日本理化社(株)製、商品名)、アミン型エポキシ化合物であるELM−100(住友化学工業(株)製、商品名)、YH−434L(東都化成(株)製、商品名)、TETRAD−X、TETRAD−C(共に三菱瓦斯化学(株)製、商品名)、630、630LSD(共にジャパンエポキシレジン(株)製、商品名)、レゾルシン型エポキシ樹脂であるデナコールEX−201(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEX−211(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、ヘキサンディネルグリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEX−212(ナガセ化成工業(株)製、商品名)、エチレン・プロピレングリコール型エポキシ樹脂であるデナコールEXシリーズ(EX−810、811、850、851、821、830、832、841、861(いずれもナガセ化成工業(株)製、商品名))、下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂E−XL−24、E−XL−3L(共に三井化学(株)製、商品名)が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の中でも、イオン性不純物が少なく、かつ反応性に優れるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂及びアミン型エポキシ樹脂が特に好ましい。
Figure 2013258313

ここで、式(I)中、kは1〜5の整数を示す。
上述のエポキシ樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、導電性接着剤組成物がエポキシ樹脂を熱硬化性樹脂として含有する場合、反応性希釈剤として、1分子中に1個のみエポキシ基を有するエポキシ化合物をさらに含有してもよい。そのようなエポキシ化合物は市販品として入手可能であり、その具体例としては、例えばPGE(日本化薬(株)製、商品名)、PP−101(東都化成(株)製、商品名)、ED−502、ED−509、ED−509S(いずれも旭電化工業(株)製、商品名)、YED−122(油化シェルエポキシ(株)製、商品名)、KBM−403(信越化学工業(株)製、商品名)、TSL−8350、TSL−8355、TSL−9905(いずれも東芝シリコーン(株)製、商品名)が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
反応性希釈剤を含有させる場合の含有量は、本発明による効果を阻害しない範囲であればよく、上記エポキシ樹脂の全量に対して0.1〜30質量%であることが好ましい。
さらに、導電性接着剤組成物がエポキシ樹脂を含有する場合、硬化性を向上させるために硬化剤や硬化促進剤を含有することがより好適である。
硬化剤としては、従来用いられるものであれば特に限定されず、市販のものが入手可能である。市販の硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂であるH−1(明和化成(株)製、商品名)、VR−9300(三井東圧化学(株)製、商品名)、フェノールアラルキル樹脂であるXL−225(三井東圧化学(株)製、商品名)、下記一般式(II)で表されるp−クレゾールノボラック樹脂であるMTPC(本州化学工業(株)製、商品名)、アリル化フェノールノボラック樹脂であるAL−VR−9300(三井東圧化学(株)製、商品名)、下記一般式(III)で表される特殊フェノール樹脂であるPP−700−300(日本石油化学(株)製、商品名)が挙げられる。
Figure 2013258313

Figure 2013258313

式(II)中、Rは、それぞれ独立に1価の炭化水素基、好ましくはメチル基又はアリル基を示し、qは1〜5の整数を示す。また、式(III)中、Rはアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基を示し、Rは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、pは2〜4の整数を示す。
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基1.0当量に対して、硬化剤中の反応活性基の総量が0.3〜1.2当量となる割合であることが好ましく、0.4〜1.0当量となる割合であることがより好ましく、0.5〜1.0当量となる割合であることが特に好ましい。反応活性基が0.2当量未満であると、導電性接着剤組成物の耐リフロークラック性が低下する傾向があり、1.2当量を超えると接着剤成分の粘度が上昇し、作業性が低下する傾向がある。上記反応活性基は、エポキシ樹脂との反応活性を有する置換基のことであり、例えば、フェノール性水酸基が挙げられる。
また、硬化促進剤としては、ジシアンジアミド等、従来硬化促進剤として用いられているものであれば特に限定されず、市販品が入手可能である。市販品としては、例えば、下記一般式(IV)で表される二塩基酸ジヒドラジドであるADH、PDH、SDH(いずれも日本ヒドラジン工業(株)製、商品名)、エポキシ樹脂とアミン化合物との反応物からなるマイクロカプセル型硬化剤であるノバキュア(旭化成工業(株)製、商品名)が挙げられる。これらの硬化促進剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
Figure 2013258313

式(IV)中、Rは2価の芳香族基又は炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、好ましくはm−フェニレン基又はp−フェニレン基を示す。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂100質量部に対して0.01〜90質量部であると好ましく、0.1〜50質量部であるとより好ましく、0.2〜45質量部であると特に好ましい。この硬化促進剤の配合割合が0.01質量部未満であると硬化性が低下する傾向があり、90質量部を超えると粘度が増大し、導電性接着剤組成物を取り扱う際の作業性が低下する傾向がある。
また、市販の硬化促進剤として、上述のものに加えて/代えて、例えば、有機ボロン塩化合物であるEMZ・K、TPPK(共に北興化学工業(株)製、商品名)、三級アミン類又はその塩であるDBU、U−CAT102、106、830、840、5002(いずれもサンアプロ(株)製、商品名)、イミダゾール類であるキュアゾール、2PZ−CN、2P4MHZ、C17Z、2PZ−OK、2PZ−CNS、C11Z−CNS(いずれも四国化成(株)製、商品名)を用いてもよい。この中でも開始温度と硬化性の観点からイミダゾール系硬化促進剤を用いることが好ましい。
これらの硬化促進剤の配合割合は、エポキシ樹脂100質量部に対して0〜50質量部であると好ましく、1〜45質量部であるとより好ましく、2〜40質量部であるとさらに好ましい。
また、硬化剤及び硬化促進剤はそれぞれの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、反応性に優れる観点から、(b)熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂を用いることが好ましく、またエポキシ樹脂と共にイミダゾール系硬化促進剤を用いることが好ましい。
(b)熱硬化性樹脂の含有量は、(a)導電性粒子の含有量によって調整することが好ましいが、本発明による上記効果をより有効に発揮する観点から、導電性接着剤組成物100質量部に対して、0.5〜50質量部であることが好ましく、1〜40質量部であることがより好ましく、1〜30質量部であることがさらに好ましい。
(c)フラックス活性剤は、(a)導電性粒子の表面に形成された酸化膜除去能を示し、かつ(b)熱硬化性樹脂の硬化反応を阻害しない化合物であれば特に制限なく公知の化合物を使用することができる。このような化合物としては、ロジン系樹脂、分子内にカルボキシル基、フェノール性水酸基又はアルコール性水酸基を含有する化合物、2、4−ジエチルグルタル酸、2、2−ジエチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2−エチル−3−プロピルグルタル酸、2、5−ジエチルアジピン酸等の側鎖にアルキル基を有する二塩基酸が挙げられる。良好なフラックス活性を示し、かつ(B)熱硬化性樹脂として用いるエポキシ樹脂と良好な反応性を示すことから、分子内にカルボキシル基、より好ましくはカルボキシル基及び水酸基を含有する化合物が好ましく、脂肪族ジヒドロキシカルボン酸が特に好ましい。具体的には、下記一般式(V)で表される化合物又は酒石酸が好ましい。
Figure 2013258313

ここで、式(V)中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示し、一般式(V)で表される化合物を用いることによる効果をより有効に発揮する観点から、メチル基、エチル基又はプロピル基であると好ましい。また、n及びmはそれぞれ独立に0〜5の整数を示し、一般式(V)で表される化合物を用いることによる効果をより有効に発揮する観点から、nが0かつmが1であるか、n及びmの両方が1であるとより好ましい。
上記一般式(V)で表される化合物としては、例えば、2、2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2、2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、2、2−ビス(ヒドロキシメチル)ペンタン酸が挙げられる。
(c)フラックス活性剤の含有量は、本発明による上記効果をより有効に発揮する観点から、導電性接着剤組成物100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましい。さらに、保存安定性、導電性の観点から、0.8〜15質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましい。(c)フラックス活性剤の含有量が0.5質量部未満の場合、(A)導電性粒子における金属の溶融性が低下し導電性が低下し、20質量部を超えた場合、保存安定性、印刷性が低下する。
前記導電性接着剤組成物は、上述の各成分の他、必要に応じて、応力緩和のための可撓剤、作業性向上のための有機溶媒、接着力向上剤、濡れ性向上剤及び消泡剤を含んでもよい。また、これらの成分の他、本発明による効果を阻害しない範囲において各種添加剤を含んでいてもよい。
可撓剤としては、例えば、液状ポリブタジエン(宇部興産(株)製:商品名「CTBN−1300×31」、「CTBN−1300×9」、日本曹達(株)製:商品名「NISSO−PB−C−2000」)が挙げられる。可撓剤の含有量は、通常、熱硬化性樹脂の総量100質量部に対して、1〜500質量部であることが好ましく、1〜450質量部であることがより好ましく、1〜400質量部であることが特に好ましい。
導電性接着剤組成物は、接着力向上のために、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等のカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、KBM−573(信越化学(株)製、商品名)が挙げられる。また、濡れ性向上の目的で、アニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を含有してもよい。さらに、導電性接着剤組成物は、消泡剤としてシリコーン油等を含有してもよい。上記接着力向上剤、濡れ性向上剤、消泡剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらは導電性接着剤組成物の全体量に対して、0.1〜10質量%含まれることが好ましく、0.2〜9質量%であることがより好ましく、0.3〜8質量%であることが特に好ましい。
また、導電性接着剤組成物には、ペースト組成物の作製時の作業性及び使用時の塗布作業性をより良好にするため、必要に応じて有機溶媒を添加することができる。このような有機溶媒としては、ブチルセロソルブ、カルビトール、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カルビトール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、α−テルピネオール等の比較的沸点の高い有機溶媒が好ましい。この有機溶媒は、接着剤組成物の全体量100質量部に対して0.001〜50質量部含まれることが好ましく、0.01〜40質量部であることがより好ましく、0.1〜30質量部であることが特に好ましい。
導電性接着剤組成物は、印刷性の向上のためにフィラーを含有してもよい。フィラーとしては、例えば、ポリスチレン等のポリマー粒子、アクリル等のゴム、ダイヤモンド、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカ等の無機粒子が挙げられる。これらのフィラーは1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
(a)導電性粒子の融合性をより有効に発揮する観点から、導電性粒子に対する接着剤成分の配合比率(接着剤成分/導電性粒子)は、導電性接着剤組成物中の固形分比(質量比)で、5/95〜50/50であることが好ましい。さらに、接着性、導電性及び作業性の観点から、上記配合比は8/92〜40/60であることがより好ましく、10/90〜30/70であることが特に好ましい。この配合比率が5/95未満であると、導電性接着剤組成物の粘度が高くなり作業性が確保し難くなり、また、接着力が低下する傾向にある。この配合比率が50/50を下回ると、導電性が低下する傾向にある。
本発明において、上述の各成分は、それぞれにおいて例示されたもののいずれを組み合わせてもよい。
上述の導電性組成物の25℃における粘度は20〜250Pa・sである。粘度が250Pa・sを超えると、カスレが生じ(導電性接着剤組成物が印刷されない部分が生じる)、印刷作業ができなくなる。粘度が20Pa・sより低いと、導電性粒子が沈降し、分離してしまう傾向がある。粘度は20〜200Pa・sであることがより好ましく、沈降や分離などを防ぎ、安定性を高める観点から25〜200Pa・sであることが特に好ましい。
なお、ここでいう粘度は、JIS Z 3284準拠の渦上溝付き回転円盤方式粘度測定に従い、TV−33H型粘度計SPPロータ 東機産業(株)製を用いて、25℃の条件下、2.5rpmで測定することで求められる値である。
上述の導電性接着剤組成物は、上述の各成分を一度に又は複数回に分けて、必要に応じて加熱するとともに、混合、溶解、解粒混練又は分散することにより各成分が均一に分散したペースト状のものとして得られる。この際に用いられる分散・溶解装置としては、公知の撹拌器、らいかい器、3本ロール、プラネタリーミキサー等が挙げられる。
上述の導電性接着剤組成物を太陽電池の電極と配線部材との接続に用い、本実施形態の製造方法を適用することで、従来のSn−Ag−Cuはんだを用いた太陽電池の製造方法よりも、より低温硬化で良好な信頼性を示す太陽電池の製造方法を提供することが可能となる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた材料は、下記の方法で作製したもの、あるいは入手したものである。
[配合例1]
YL983−U(三菱化学(株)製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の商品名)12質量%と、2P4MHZ―PW(四国化成(株)製、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールの商品名)1質量%と、BHPA(2、2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、東京化成工業株式会社製の商品名)2質量%を混合し、3本ロールを3回通して接着剤成分を調製した。
次に、上述の接着剤成分15質量部に対して、導電性粒子であるSn42−Bi58粒子(平均粒子径20μm、融点:138℃)85質量部を加えて混合した。さらにそれらの混合物に3本ロールを3回通した後、真空撹拌らいかい器を用いて500Pa以下で10分間脱泡処理を行うことにより導電性接着剤組成物を得た。
[実施例2〜6及び比較例1〜5]
表1に示す組成とした以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6、比較例1〜5の導電性接着剤組成物を得た。なお、表1に示した材料の詳細は以下のとおりである。また、表1中の各材料の配合割合の単位は質量%である。
Sn42−Bi57−Ag1粒子:融点139℃
Sn96.5−Ag3−Cu0.5粒子:融点217℃
TETRAD−X:アミン型エポキシ化合物、三菱瓦斯化学(株)製、商品名(下記式(VI)参照)
Figure 2013258313

ED−509S:p−tert−ブチルフェニルグリシジルエ−テル、反応性希釈剤、旭電化工業(株)、商品名
上記実施例1〜6、比較例1〜5に係る液状導電性接着剤組成物の特性を下記の方法で測定した。その結果を表1にまとめて示した。
[粘度]
粘度は、JIS Z 3284準拠の渦上溝付き回転円盤方式粘度測定に従い、25℃、2.5rpmの粘度を測定した(東機産業(株)製 TV−33H型粘度計 SPPロータ使用)。
[塗布性の評価及び線幅の測定]
実施例1〜6及び比較例1〜5で得られた導電性接着剤組成物を、太陽電池セル(125mm×125mm、厚さ250μm)の受光面上に形成された表面電極(材質:銀ガラスペースト、2mm×125mm)上にメタルマスク(厚み:100μm、マスク開口:300μm、株式会社ボンマーク社製)、メタルスキージ(パーマレックスメタルスキージ、巴工業(株)製)を用いて長さ122mmに塗布し、下記の基準で塗布性の評価及び塗布線の幅の測定を行った。
A:100,000ショット以上の安定した連続印刷が可能
B:印刷可能だが100,000ショット以内で樹脂の裏周り発生
C:100,000ショット以内でカスレが発生する
[ピール強度]
ピール強度は、上記塗布性の評価において塗布された導電性接着剤組成物に、太陽電池セルの電極と相対向するように配線部材を配置し、ホットプレート上で160℃、10分間加熱した後、180°ピール強度をピール試験機(島津製作所製 卓上ピール試験機 EZ−S)にて測定した。下記の基準で評価した。なお、180°ピール強度はハンドリング等の観点から≧2Nが望ましい。
A:>2N、導電性接着剤組成物のバルク界面での剥離(導電性接着剤組成物中の金属が溶融及び融合してできた金属部の破壊)
B:=2N、導電性接着剤組成物のバルク界面での剥離
C:<2N、太陽電池セルの電極/太陽電池セル界面での剥離
[融合性の評価]
上記塗布性の評価において塗布された導電性接着剤組成物を、ホットプレート上で160℃、10分間加熱した後、導電性粒子における金属の融合状態をX線透視装置(島津製作所製 マイクロフォーカスX線透視装置 SMX−1000)で確認し、下記の基準で評価した。なお、金属の融合が観察されれば、太陽電池セルの電極と配線部材とが電気的に接続されているということができる。
A:完全融合、未融合粒子無し
B:融合しているが若干の未融合粒子あり
C:全く融合していない
−:塗布できないため、測定不可
[安定性の評価]
実施例1〜6及び比較例1〜5で得られた導電性接着剤組成物を、25℃、24時間放置後に観察した際に、目視で沈降・分離等の外観異常がない状態をAとし、外観上に若干の分離沈降が確認されるが、薬さじ等による弱い撹拌で均一となる状態をBとし、外観上の変化が薬さじ等による弱い撹拌で均一とならない場合をCとした。
[接続後外観]
表面電極上に導電性接着剤組成物を印刷法により塗布し、ホットプレート上で160℃、10分間加熱後に接続後の外観を確認した。受光面に対して導電性接着剤組成物の樹脂の染み出しが生じなかったら良好Aとし,樹脂の染み出しが生じていたら不可Cとした。
[温度サイクル試験]
実施例1〜6及び比較例1〜5で得られた導電性接着剤組成物を、太陽電池セル(125mm×125mm、厚さ210μm)の受光面上に形成された表面電極(材質:銀ガラスペースト、2mm×125mm)上にメタルマスク(厚み100μm、開口寸法1.2mm×125mm)を用いて印刷し、印刷された導電性接着剤組成物上に、配線部材としてはんだ被覆タブ線(日立電線社製、商品名:A-TPS)を配置した。同様の処理を太陽電池セル裏面の電極について行い、はんだ被覆タブ線を配置した。その後、太陽電池セル表面の受光面には封止樹脂13(三井化学ファブロ(株)製、商品名:ソーラーエバSC50B)、保護ガラス14(200×200×3mm)を積層し、裏面には封止樹脂13(三井化学ファブロ(株)製、商品名:ソーラーエバSC50B)、保護フィルム15((株)コバヤシ製、商品名:コバテックPV KB−L1)を積層し、真空ラミネータ((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM−50×50−S)の熱板側に保護ガラス14が接するように搭載して5分間0.1MPaの減圧下に置いた後、真空ラミネータの真空を解放した状態で140℃、10分間加熱して太陽電池モジュールを作製した(図6(b)、工程6)。
得られた太陽電池セルのIV曲線を、ソーラシミュレータ(ワコム電創社製、商品名:WXS−155S−10、AM:1.5G)を用いて測定後、太陽電池セルを温度サイクル試験(−40℃〜85℃)に静置した後、同様にIV曲線を測定した。それぞれのIV曲線から太陽電池の電気特性を示す曲線因子(fill factor、以下F.Fと略す)を各々導出し、温度サイクル試験(−40℃〜85℃)に静置する前のF.Fと、1500時間静置した後のF.Fの変化率[F.F(1500h)*100/F.F(0h)]をΔF.Fとし、これを評価指標として用いた。なお、一般にΔF.Fの値が90%以上となると接続信頼性が良好であると判断され、95%以上であることがより好ましい。表1には温度サイクル試験の結果を記載する。
Figure 2013258313
上記実施例1〜6の導電性接着剤組成物は印刷法により塗布することができ、また線幅も2.0mm以下であった。また、160℃で加熱することにより金属粒子も溶融及び融合することが確認できた。実施例4のように粘度が本発明の範囲内ではあるものの、20Pa・s以下であると、融合性や安定性が若干劣ることが分かった。また,導電粒子の含有量を90質量%以上とし,反応性希釈剤を用いて粘度を250Pa・s以上にした実施例5、6でも,印刷法により塗布することができ,金属粒子の融合性も良好であったが,高粘度により塗布性が少し低下した。
一方、導電性粒子が60質量%である比較例1は、印刷可能であり、線幅も2.0mm以下であったが、金属粒子の一部が融合しなかった。融合性が悪いと充分な導電性が得られなくなる可能性があり好ましくない。導電性粒子の含有量が90質量%以上であり,粘度が250Pa・Sよりも大きい比較例2では、粘度が非常に高く、塗布を行うことができなかった。また比較例3のように、平均粒子径が1μmと比較的小さい導電性粒子を用いると、接続後のブリードが激しかったが、融合性は良好であった。比較例4のように、平均粒子径が90μmと比較的大きい導電性粒子を用いると、沈降により安定性が少し低下し、塗布性も少し低下するものの、融合性は良好であった。融点が210℃よりも高い金属を導電性粒子として用いた比較例5は、印刷ができ、線幅も2.0mm以下であったが、金属粒子は全く融合しなかった。
3a…表面電極、3b…バス電極、4、4a、4b…配線部材、6…半導体基板、7…グリッド電極、8…裏面電極、10…導電性接着剤組成物、11…印刷マスク、12…スキージ、13…封止樹脂、14…保護ガラス、15…保護フィルム、20…太陽電池セル、21…狭幅セラミックヒーター、100…太陽電池モジュール。

Claims (5)

  1. (A)半導体基板の電極上に(a)金属を含有する導電性粒子、(b)熱硬化性樹脂及び(c)フラックス活性剤を含有する、導電性接着剤組成物を印刷法により塗布する工程と、
    (B)塗布した導電性接着剤組成物の上に、前記半導体基板の電極と相対向するように配線部材を配置し、配線部材付半導体基板を得る工程と、
    (C)(B)工程で得られた配線部材付半導体基板を加熱する工程と、
    (D)(C)工程で得られた配線部材付半導体基板の両面に封止部材を積層し、さらに前記半導体基板の受光面に保護ガラスを、前記半導体基板の裏面に保護フィルムを積層して加熱する工程を備える太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記導電性接着剤組成物は、25℃における粘度が20〜250Pa・sであり、(a)導電性粒子の含有量が前記導電性接着剤組成物の全量に対して70〜95質量%であり、(a)導電性粒子の平均粒子径が2〜85μmであり、(a)導電性粒子に含まれる金属の融点が(C)工程における加熱温度以下である、太陽電池モジュールの製造方法。
  2. (a)導電性粒子の平均粒子径が2〜50μmである、請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. (a)導電性粒子における金属が、ビスマス、インジウム、スズ及び亜鉛から選ばれる1種以上の成分を含有する、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. (b)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂又は(メタ)アクリル樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. (c)フラックス活性剤が、分子内にカルボキシル基を含有する化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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