JP2013258243A - 化合物半導体基板の製造方法および製造装置 - Google Patents

化合物半導体基板の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な方法で、所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい基板を製造可能な化合物半導体基板の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】化合物半導体基板10の製造方法は以下の工程を有している。保持面5dを有し、保持面5dの傾きを調整可能な複数の保持部5が準備される。化合物半導体から成る複数のインゴット1のそれぞれが複数の保持部5により保持される。複数の保持部5の保持面5dの各々の傾きを調整することにより、複数のインゴット1の各々の姿勢が調整される。複数のインゴット1の各々を同時に切断することにより、所望の主面2を有する化合物半導体基板10が切り出される。
【選択図】図1

Description

この発明は、化合物半導体基板の製造方法および製造装置に関する。
従来、単結晶インゴットを切断する手段として、ソーワイヤによって単結晶インゴットをスライスする方法が広く実施されている。当該方法としては、遊離砥粒を使った方法と固定砥粒を使った方法とに大別できる。前者では、ダイヤモンド、GC(Green Carborundum;高純度緑色炭化珪素)といった砥粒をスラリー状に分散させ遊離砥粒の形態でソーワイヤーの往復運動にならわせ、砥粒の切削力で切断加工する。後者では表面にダイヤモンド砥粒を固着させたソーワイヤーを使い、砥粒刃の切削力で切断加工する。昨今、サファイア、炭化珪素、窒化物半導体、セラミック等の難削材の加工には切削能力の大きい固定砥粒方式の加工が不可欠になりつつある。たとえば特開平9−17755号公報(特許文献1)にはシリコン半導体をスライス加工する方法が開示されている。当該公報によれば、スライスのためのワイヤー走行方向と結晶のヘキカイ方向とが一致しないように結晶を配置することによって加工中の破損を抑制する効果があると開示されている。
また特開平11−262917号公報(特許文献2)にもシリコン半導体のスライス加工に関する方法が開示されている。当該公報によれば、スライス主面方位精度を確保するためにOF(オリエンテーションフラット)方向またはノッチ方向を特定の向きに配置して加工することが望ましいことが開示されている。いずれの技術においても各々、加工中の破損、主面方位の精度についての言及はあるも、スライス方向と反り特性との間にある課題については延べられていない。一方、これらシリコン半導体の加工方法に対して特開平9−17755号公報(特許文献1)では化合物半導体のスライス方法を開示しており、材料の異方性による反りの課題に言及している。
たとえばシリコンのような等方性に近い結晶は、結晶のスライス方向によって反りの異方性が顕著に発生することはない。そのため、所望の面方位を有し、かつ反り量が小さい基板を比較的容易に製造することができる。
特開平9−17755号公報 特開平11−262917号公報
しかしながら、化合物半導体は結晶に強い異方性を有しているため、インゴットの切断方向によって基板の反りが大きく異なってくる。それゆえ、所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい基板を得ることが困難であった。また、たとえば炭化珪素などの化合物半導体は、現在の技術水準ではインゴット長はたとえば20mm程度であり、長尺状のインゴットを成長させることが困難である。それゆえ、1つのインゴットから取れる基板の枚数が少数であるので、基板を量産するためには多数のスライサーが必要とされる。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、簡易な方法で、所望の面方位を有し、反り量の小さい基板を効率よく製造可能な化合物半導体基板の製造方法および製造装置を提供することである。
本発明に係る化合物半導体基板の製造方法は以下の工程を有している。保持面を有し、保持面の傾きを調整可能な複数の保持部が準備される。化合物半導体から成る複数のインゴットのそれぞれが複数の保持部により保持される。複数の保持部の保持面の各々の傾きを調整することにより、複数のインゴットの各々の姿勢が調整される。複数のインゴットの各々を同時に切断することにより、所望の主面を有する化合物半導体基板が切り出される。
本発明に係る化合物半導体基板の製造方法によれば、複数のインゴットの各々の姿勢が調整されて、複数のインゴットの各々が同時に切断される。それゆえ、簡易な方法で、所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい化合物半導体基板を効率よく製造することができる。
上記の化合物半導体基板の製造方法において好ましくは、複数のインゴットの各々の結晶端面の面方位の所望の主面に対するずれ角度を測定する工程をさらに備える。複数のインゴットの各々の姿勢を調整する工程では、ずれ角度に基づいて複数のインゴットの各々の姿勢が調整される。
これにより、インゴットの姿勢が精度良く調整されるため、精度良く所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい化合物半導体基板を製造することができる。
上記の化合物半導体基板の製造方法において好ましくは、化合物半導体は炭化珪素である。炭化珪素は高硬度材料であるため、インゴットを切断するために長時間を必要とする。上記の化合物半導体基板の製造方法によれば、インゴットを1本ずつ切断する場合と比較して、1本当たりのインゴットの切断時間を大幅に短縮しかつ生産効率を向上することができる。
上記の化合物半導体基板の製造方法において好ましくは、複数のインゴットの各々の結晶構造は六方晶であって、化合物半導体基板を切り出す工程において、複数のインゴットの各々は、<1−100>方位から(15°±30°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断される。
六方晶の単結晶の場合、通常<1−100>方位と<11−20>方位では異方性を有している。そこで、<1−100>方位と<11−20>方位との中間位置に沿ってインゴットを切断することで、加工ダメージによる歪を拮抗させ、スライス後の化合物半導体基板の反り量を低減することができる。
上記の化合物半導体基板の製造方法において好ましくは、複数のインゴットの各々の結晶構造は立方晶であって、化合物半導体基板を切り出す工程において、複数のインゴットの各々は、<011>方位から(45°±90°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断される。
立方晶の炭化珪素単結晶の場合、通常<011>方位と<0−11>方位では異方性を有している。そこで、<011>方位と<0−11>方位との中間位置に沿ってインゴットを切断することで、加工ダメージによる歪を拮抗させ、スライス後の化合物半導体基板の反り量を低減することができる。
本発明に係る化合物半導体基板の製造装置は、複数の保持部と、切断部とを有している。保持部は、保持面を有し、保持面の傾きを調整可能であって、化合物半導体から成る複数のインゴットの各々を保持するための部分である。切断部は、複数のインゴットの各々を同時にスライス可能な部分である。
本発明に係る化合物半導体基板の製造装置は、保持面の傾きを調整可能な複数の保持部と、複数のインゴットの各々を同時にスライス可能な切断部とを有している。それゆえ、簡易な方法で、所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい化合物半導体基板を製造することができる。
上記の化合物半導体基板の製造装置において好ましくは、複数の保持部の各々の保持面は、保持面の法線を軸として回転可能であり、かつ法線と直交する線を軸として回転可能である。これにより、インゴットの姿勢を精度よく調整することができる。なお、保持面がある線を軸に回転可能とは、保持面がある軸を回転軸として回転する方向に沿ってある一定の角度だけ移動可能であることを意味し、360°回転しなくても構わない。
上記の化合物半導体基板の製造装置において好ましくは、複数のインゴットの各々の結晶端面の面方位のずれ角度を測定するための測定部をさらに有している。これにより、面方位のずれ角度に基づいて、インゴットの姿勢を精度よく調整することができる。
本発明によれば、簡易な方法で、所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい基板を製造することができる。
本発明の一実施の形態における化合物半導体基板の製造装置の構成を概略的に示す正面図である。 インゴットの形状を概略的に説明するための斜視図である。 化合物半導体基板の形状を概略的に説明するための斜視図である。 本発明の一実施の形態における化合物半導体基板の製造装置の構成を概略的に示す正面図である。 化合物半導体基板の面方位を測定する方法を説明するための図である。 本発明の一実施の形態における化合物半導体基板の製造方法を概略的に説明するフロー図である。 複数のインゴットの姿勢を調整する工程を説明するための概略平面図である。 複数のインゴットの姿勢を調整する工程を説明するための概略側面図である。 複数のインゴットの姿勢を測定する工程を説明するための概略側面図である。 複数のインゴットの姿勢を測定する工程を説明するための概略正面図である。 複数のインゴットの配置を説明するための概略側面図である。 複数のインゴットの配置を説明するための概略平面図である。 結晶構造が六方晶のインゴットを切断する工程を説明するための概略正面図である。 結晶構造が立方晶のインゴットを切断する工程を説明するための概略正面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。また角度の記載には、全方位角を360度とする系を用いている。
図1を参照して、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造装置の構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造装置100は、保持部5と、ワイヤWと、ローラR1、R2、R3とを主に有している。保持部5は化合物半導体のインゴット1を保持するためのものである。保持部5は、インゴット1を保持する保持面5dを有している。保持面5d上にはインゴット1を直接保持するための台座4が配置されている。台座4はたとえばカーボンからなる。
ローラR1、R2、R3には、一本のワイヤWが螺旋状に巻きつけられている。ワイヤWはインゴットを切断するための切断部である。保持部5の上方において、複数本のワイヤWが略平行に配置されたワイヤW列が形成されている。インゴット1を搭載した保持部5が複数のワイヤWの方向に接近し、ワイヤWと接触することによりインゴット1が切断されて複数枚の半導体基板を得ることができる。
ワイヤWは、ローラR1、R2、R3の各々が同一方向に回転することにより、移動可能に構成されている。また、ローラR1、R2、R3は正回転および逆回転を交互に繰り返すことによって、ローラR1およびローラR2の間に張られたワイヤWは保持部5上において略水平方向Mに沿って往復走行可能に構成されている。これにより、ワイヤWはインゴット1を切断可能に構成されている。インゴット1とワイヤWとが相対的に近づくことにより、インゴット1が切断方向SDに沿って切断される。
図2を参照して、インゴットの形状について説明する。図2に示すように、インゴット1は、たとえば炭化珪素からなり略円柱状の形状を有している。本実施の形態の化合物半導体基板の製造方法に用いられるインゴット1には、結晶の成長方向に沿ってOF(オリエンテーションフラット)およびIF(インデックスフラット)が形成されている。インゴット1の結晶端面3はたとえば{0001}面ジャストもしくは4〜8度オフした面である。図2における波線はインゴット1の切断面を示している。波線に沿ってインゴット1が切断されることにより、化合物半導体基板10が切り出される。
図3を参照して、化合物半導体基板10について説明する。化合物半導体基板10は、主面2と、側面とを有しており、側面にはOF面とIF面が形成されている。化合物半導体基板10は直径Dおよび厚みTを有している。厚みTは、複数のワイヤWの間隔に対応している。化合物半導体基板10の主面2の面方位は、インゴット1の結晶端面3の面方位と同じであっても構わないし、異なっていても構わない。
図4を参照して、保持部5の下方にはSUS部6が設けられている。SUS部6をワイヤソーのステージ7の内壁面7aに接触させ、クランプねじ8でSUS部6をステージ7の内壁面7aに押し付けることにより、保持部5はステージ7に固定されている。ステージ7は、ワイヤWに対して接近する方向に移動可能に構成されている。ステージ7がワイヤWに接近することで、インゴット1がワイヤWと接触し、インゴット1がワイヤWによって切断方向SDに沿って切断される。なお、本実施の形態において、ステージ7がワイヤWに近づく例を挙げて説明したが、ワイヤWがステージ7に近づくことにより、インゴット1が切断されても構わない。
次に、保持部5としてのゴニオメータの構成について説明する。ゴニオメータは、保持面5dを有し、保持面5d上にインゴット1が配置される。ゴニオメータは、保持面5dの角度を変化させることにより、保持面5d上に配置されたインゴット1の姿勢を調整可能に構成されている。
ゴニオメータは、保持面5dの法線を回転軸として保持面5dを回転可能に構成されている。また、当該法線と直交する線を回転軸として保持面5dを回転可能に構成されている。つまり、保持面5dを2軸で回転可能である。
図5を参照して、インゴット1の結晶端面3の面方位のずれ角度を測定するX線測定部について説明する。図5に示すように、測定部としてのX線測定部11は、照射部12と検出部13とを有している。照射部12により結晶端面3に対してX線を照射してX線の反射角を検出部13により検出することで、結晶端面3の面方位の所望の面に対するずれ角度を測定可能である。なお、当該ずれ角度は、後述するように、インゴット1の結晶端面3の水平方向(x方向)および垂直方向(y方向)に対して測定される。
次に、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法について説明する。
まず、保持部準備工程(S10:図6)が実施される。具体的には、保持面5dの傾きを調整可能な保持部5としてのゴニオメータが複数準備される。上述のように、ゴニオメータは、保持面5dの法線を回転軸として保持面5dを回転可能であり、かつ、当該法線と直交する線を回転軸として保持面5dを回転可能である。
次に、インゴット保持工程(S20:図6)が実施される。具体的には、図4を参照して、化合物半導体からなる複数のインゴットのそれぞれが複数のゴニオメータの保持面5d上に保持される。
次に、インゴットの結晶端面の面方位ずれ角度測定工程(S30:図6)が実施される。具体的には、図5に示すように、インゴット1がX線測定部11の照射部12により結晶端面3に対してX線を照射して、X線の反射角を検出部13により検出することで、結晶端面3の面方位の所望の主面2に対するずれ角度が測定される。結晶端面3の面方位の所望の主面2に対するずれ角度は、水平方向および垂直方向に沿って測定される。つまり、図5に示すように、X線の照射方向がy方向の成分を有するようにインゴット1の結晶端面3にX線を照射し、第1の方位ずれ角度を測定する。次に、たとえばインゴットをz軸を回転軸として90°回転させる。X線の照射方向がx方向の成分を有するようにインゴット1の結晶端面3にX線を照射し、第2の方位ずれ角度を測定する。上記のようにして、結晶端面3の面方位の所望の主面2に対するずれ角度が、水平方向(x方向)および垂直方向(y方向)に対して測定される。当該第1の方位ずれ角度および第2の方位ずれ角度は座標変換した数値に計算される。
なお、インゴット1が切断される際に、切り出された化合物半導体基板10の主面2が所望の面方位を有するように、X線測定時におけるインゴットの配置は、切断時におけるインゴットの配置と同じになるように原点調整が成されている。
次に、インゴットの結晶端面の水平方向(x方向)および垂直方向(y方向)のずれ角度検知工程が実施される。具体的には、図9および図10を参照して、たとえば垂直方向に沿って配置された2つのマイクロメータS1、S2を使用して、インゴット1の結晶端面3の垂直方向(y方向)の切断面に対するずれ角度(第1のずれ角度)が測定される。また、水平方向(x方向)に沿って配置された2つのマイクロメータS3、S4を使用して、インゴット1の結晶端面3の水平方向の切断面に対するずれ角度(第2のずれ角度)が測定される。なお、上記切断面とは、インゴット1がワイヤWにより切断される場合におけるワイヤWが移動する面のことである。
当該ずれ角度の検出は、たとえば、第1のマイクロメータS1とインゴット1の結晶端面3との第1の距離および、第2のマイクロメータS2とインゴット1の結晶端面との第2の距離が測定されることにより行われる。第1の距離と第2の距離との差分を計算することにより、インゴット1の結晶端面3のずれ角度が計算される。なお、ずれ角度の測定はレーザセンサを用いて行われても構わない。
次に、インゴットの姿勢調整工程(S40:図6)が実施される。本工程において、複数のゴニオメータの各々の保持面5dの傾きを変化させることにより、当該保持面に保持されている複数のインゴット1の姿勢が各々調整される。インゴット1の姿勢の調整は、X線測定部11により測定された第1の方位ずれ角度および第2の方位ずれ角度に基づいて行われる。好ましくは、インゴット1の姿勢の調整は、第1の方位ずれ角度および第2の方位ずれ角度に加え、上記第1のマイクロメータS1〜S4により測定された第1のずれ角度および第2のずれ角度とに基づいて行われる。
図7を参照して、ゴニオメータにより保持面5dを保持面5d(xz面)内で回転させることにより、インゴット1の姿勢を角度θだけ変化させる。また、図8を参照して、ゴニオメータにより保持面5dを保持面5dに垂直な面(yz面)内で回転させることにより、インゴット1の姿勢を角度γだけ変化させる。なお、図7および図8において、z方向はインゴット1が成長する方向である。このようにして、インゴット1が切断される際に、切り出された化合物半導体基板10の主面2が所望の面方位を有するようにインゴット1の姿勢が2軸で調整される。
図11および図12を参照して、基板切り出し工程(S50:図6)が実施される。まず、複数のインゴット1の各々が、インゴット1の結晶の成長方向(z方向)に沿って配置される。本実施の形態において、3つのインゴット1a、1b、1cがインゴット1の結晶の成長方向に沿って直列に配置される。3つのインゴット1a、1b、1cの各々は、ワイヤWによってインゴット1が切断されたときに、化合物半導体基板10の主面2が所望の面方位を有するようにインゴット1a、1b、1cの各々の姿勢が調整された状態で配置されている。なお、複数のインゴット1は、横方向(x方向)に並べて配置されても構わない。
複数のインゴット1の各々は図12の波線で示す方向に沿って複数のワイヤWにより同時に切断される。これにより、所望の主面2を有する複数の化合物半導体基板10が切り出される。
次に、インゴット1の切断方向について説明する。
図13は、インゴットを形成する化合物半導体の結晶構造が六方晶の場合のインゴットを成長方向から見た模式図である。紙面に平行な結晶面は{0001}面である。インゴット1を形成する化合物半導体の結晶構造が六方晶の場合、複数のインゴットの各々は、<1−100>方位から(15°±30°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断されることが好ましい。つまり、図13において示された波線に沿った方向で切断されることである。望ましい切断方向SDは、xy面内において30°毎ずれた方向である。たとえば、六方晶の炭化珪素単結晶の場合、通常<1−100>方位と<11−20>方位では異方性を有している。異方性を有しているとは、通常方向によって性質が異なることをいう。そこで、<1−100>方位と<11−20>方位との中間位置に沿ってインゴットを切断することで、加工ダメージによる歪を拮抗させ、スライス後の反り量を低減することができる。
図14は、インゴットを形成する化合物半導体の結晶構造が立方晶の場合のインゴットを成長方向から見た模式図である。紙面に平行な結晶面は{001}面である。インゴットを形成する化合物半導体の結晶構造が立方晶の場合、複数のインゴットの各々は、<011>方位から(45°±90°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断されることが好ましい。つまり、図14において示された波線に沿った方向で切断されることである。望ましい切断方向SDは、xy面内において90°毎ずれた方向である。たとえば、立方晶の炭化珪素単結晶の場合、通常<011>方位と<0−11>方位では異方性を有している。異方性を有しているとは、通常方向によって性質が異なることをいう。そこで、<011>方位と<0−11>方位との中間位置に沿ってインゴットを切断することで、加工ダメージによる歪を拮抗させ、スライス後の反り量を低減することができる。
なお、本実施の形態においては、インゴット1を形成する化合物半導体材料として炭化珪素(SiC)を例に挙げて説明したがこれに限定されない。インゴット1を形成する材料としては、たとえば、GaN、GaAs、GaP、InP、SiGeなどであってもよいし、その他の材料であってもよい。
次に、本実施の形態に係る半導体基板の製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法によれば、複数のインゴット1の各々の姿勢が調整されて、複数のインゴット1の各々が同時に切断される。それゆえ、簡易な方法で、所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい化合物半導体基板10を製造することができる。
また、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法によれば、複数のインゴット1の各々の結晶端面3の面方位の所望の主面2に対するずれ角度が測定される。その後、当該ずれ角度に基づいて複数のインゴット1の各々の姿勢が調整される。これにより、インゴット1の姿勢が精度良く調整されるため、精度良く所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい化合物半導体基板を製造することができる。
さらに、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法によれば、化合物半導体は炭化珪素である。炭化珪素は高硬度材料であるため、インゴットを切断するために長時間を必要とする。本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法によれば、インゴット1を1本ずつ切断する場合と比較して、インゴット1の切断時間を大幅に短縮することができる。
さらに、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法によれば、複数のインゴット1の各々の結晶構造は六方晶であって、化合物半導体基板10を切り出す工程において、複数のインゴットの各々は、<1−100>方位から(15°±30°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断される。
六方晶の炭化珪素単結晶の場合、通常<1−100>方位と<11−20>方位では異方性を有している。そこで、<1−100>方位と<11−20>方位との中間位置に沿ってインゴット1を切断することで、加工ダメージによる歪を拮抗させ、スライス後の化合物半導体基板10の反り量を低減することができる。
さらに、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造方法によれば、複数のインゴット1の各々の結晶構造は立方晶であって、化合物半導体基板を切り出す工程において、複数のインゴット1の各々は、<011>方位から(45°±90°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断される。
立方晶の炭化珪素単結晶の場合、通常<011>方位と<0−11>方位では異方性を有している。そこで、<011>方位と<0−11>方位との中間位置に沿ってインゴット1を切断することで、加工ダメージによる歪を拮抗させ、スライス後の反り量の少ない化合物半導体基板10を製造することができる。
さらに、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造装置は、保持面5dの傾きを調整可能な複数の保持部5と、複数のインゴット1の各々を同時にスライス可能な切断部としてのワイヤWとを有している。それゆえ、簡易な方法で、所望の面方位を有し、かつ反り量の小さい化合物半導体基板10を製造することができる。
さらに、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造装置は、複数の保持部5の各々の保持面5dは、保持面5dの法線を軸として回転可能であり、かつ法線と直交する線を軸として回転可能である。これにより、インゴット1の姿勢を精度よく調整することができる。
さらに、本実施の形態に係る化合物半導体基板の製造装置は、複数のインゴット1の各々の結晶端面3の面方位のずれ角度を測定するためのX線測定部11をさらに有している。これにより、面方位のずれ角度に基づいて、インゴット1の姿勢を精度よく調整することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 インゴット、2 主面、3 結晶端面、4 台座、5 保持部、5d 保持面、6 SUS部、7 ステージ、7a 側壁面、8 クランプねじ、10 化合物半導体基板、11 X線測定部、12 照射部、13 検出部。

Claims (8)

  1. 保持面を有し、前記保持面の傾きを調整可能な複数の保持部を準備する工程と、
    化合物半導体から成る複数のインゴットのそれぞれを前記複数の保持部により保持する工程と、
    前記複数の保持部の前記保持面の各々の傾きを調整することにより、前記複数のインゴットの各々の姿勢を調整する工程と、
    前記複数のインゴットの各々を同時に切断することにより、所望の主面を有する化合物半導体基板を切り出す工程とを備えた、化合物半導体基板の製造方法。
  2. 前記複数のインゴットの各々の結晶端面の面方位の前記所望の主面に対するずれ角度を測定する工程をさらに備え、
    前記複数のインゴットの各々の姿勢を調整する工程では、前記ずれ角度に基づいて前記複数のインゴットの各々の姿勢が調整される、請求項1に記載の化合物半導体基板の製造方法。
  3. 前記化合物半導体は炭化珪素である、請求項1または2に記載の化合物半導体基板の製造方法。
  4. 前記複数のインゴットの各々の結晶構造は六方晶であって、
    前記化合物半導体基板を切り出す工程において、前記複数のインゴットの各々は、<1−100>方位から(15°±30°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体基板の製造方法。
  5. 前記複数のインゴットの各々の結晶構造は立方晶であって、
    前記化合物半導体基板を切り出す工程において、前記複数のインゴットの各々は、<011>方位から(45°±90°×n(ここでnは整数))±5°傾けた方向に沿って切断される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体基板の製造方法。
  6. 保持面を有し、前記保持面の傾きを調整可能であって、化合物半導体から成る複数のインゴットの各々を保持するための複数の保持部と、
    前記複数のインゴットの各々を同時にスライス可能な切断部とを備えた、化合物半導体基板の製造装置。
  7. 前記複数の保持部の各々の前記保持面は、前記保持面の法線を軸として回転可能であり、かつ前記法線と直交する線を軸として回転可能である、請求項6に記載の化合物半導体基板の製造装置。
  8. 前記複数のインゴットの各々の結晶端面の面方位のずれ角度を測定するための測定部をさらに備えた、請求項6または7に記載の化合物半導体基板の製造装置。
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