JP2013256000A - 撥水撥油性素材及び撥水撥油性素材の製造方法 - Google Patents

撥水撥油性素材及び撥水撥油性素材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れた撥水撥油性素材及び撥水撥油性素材の製造方法を実現する。
【解決手段】支持体1上に中間層3と最表層4を積層し、最表面に配される最表層4に隣接させて中間層3を設けた構成の撥水撥油性素材(反射フィルム10)を実現する場合、中間層3にバインダーと平板状粒子を含有させ、最表層4にフッ素化アルキル基を有する化合物を含有させるとともに、中間層3に含まれている平板状粒子の少なくとも一部をバインダーから露出させ、その平板状粒子にフッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部を結合させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、撥水撥油性素材及び撥水撥油性素材の製造方法に関する。
従来、ガラス板などの表面に撥水性や撥油性を付与して、防汚性を向上させる技術が知られている。
例えば、ガラス基材の表面を粒径の異なる微粒子で覆い、その微粒子の層を薄膜で被覆してなる撥水撥油防汚性ガラス板が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
また、無機微粒子と樹脂が混合されてなる微細凹凸構造を有する撥水性構造体が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
また、撥水性の微粒子が、被膜を形成する膜化合物の官能基と化学結合している撥水性透光部材が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2008−156155号公報 特開2010−222199号公報 特開2010−132839号公報 特開2009−88388号公報
しかしながら、上記従来技術の場合、略球状の微粒子を用いて、基材の表面に微細な凹凸構造を形成するなどして、基材に撥水性や撥油性を付与しているが、摩擦などによって微粒子が脱落しやすく、撥水・撥油性が低下しやすいという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、耐久性に優れた撥水撥油性素材及び撥水撥油性素材の製造方法を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
支持体と、
前記支持体上の最表面に設けられた最表層と、
前記最表層に隣接して、前記最表層と前記支持体の間に設けられた中間層と、
を備えた撥水撥油性素材であって、
前記中間層はバインダーと平板状粒子を含有し、前記最表層はフッ素化アルキル基を有する化合物を含有しており、前記フッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部が前記平板状粒子に結合していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撥水撥油性素材において、
前記中間層における前記平板状粒子の少なくとも一部は、前記バインダーから露出していることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撥水撥油性素材において、
前記平板状粒子は、層状ケイ酸塩化合物であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
前記平板状粒子は、粘土鉱物、カオリン鉱物、雲母鉱物の何れかであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
前記バインダーは、シリコン化合物を含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
前記バインダーは、テトラアルコキシシラン及び/又はテトラアルコキシシランの加水分解物を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
前記中間層は、ポリマー酸を含有していることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の撥水撥油性素材において、
前記ポリマー酸は、フッ素化ポリマーであることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の撥水撥油性素材において、
前記ポリマー酸は、下記の一般式(1)で表される化合物、または下記の一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする。
Figure 2013256000
(式中、c≧0、d≧0、および4≦(c+d)≦199であり、Q及びQはFまたはHであり、RはFであるか、非置換あるいは1つ以上のエーテル酸素原子によって置換されている1〜10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基であり、m=0又は1、n=0〜3、p=0又は1であり、XはHまたはアルカリ金属である。)
Figure 2013256000
(式中、Rはフッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基であり、a,b,c,dおよびeはそれぞれ独立に0又は1〜4の整数であり、nは少なくとも4である。)
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
前記中間層は、前記ポリマー酸を0.01重量%以上5重量%以下含有していることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
前記支持体が、ガラス板又はガラスフィルムであることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
前記支持体が、樹脂板又は樹脂フィルムであることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
当該撥水撥油性素材は、前記支持体と前記中間層の間に、厚さ30nm以上200nm以下の反射層を有する太陽熱発電用フィルムミラーであることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の撥水撥油性素材において、
当該撥水撥油性素材は、前記支持体と前記中間層の間に、厚さ0.1nm以上50nm以下の反射層を有する遮熱フィルムであることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、
支持体と、前記支持体上の最表面に設けられた最表層と、前記最表層と前記支持体の間であって前記最表層に隣接して設けられた中間層と、を備える撥水撥油性素材の製造方法であって、
前記支持体の上面側に、バインダーと平板状粒子を含有している前記中間層を形成する工程と、
前記中間層上に、フッ素化アルキル基を有する化合物を含有している化合物層を設けた後に、前記フッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部が前記平板状粒子に結合するように焼成を施して、前記最表層を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の撥水撥油性素材の製造方法において、
前記最表層を形成する工程における焼成温度の上限が100℃であることを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の撥水撥油性素材の製造方法において、
前記最表層を形成する工程における前記化合物層は、前記中間層に溶液を塗布することによって設けることを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15又は16に記載の撥水撥油性素材の製造方法において、
前記最表層を形成する工程における前記化合物層は、前記中間層を溶液へ浸漬することによって設けることを特徴とする。
本発明によれば、撥水・撥油性の耐久性能に優れた撥水撥油性素材及び撥水撥油性素材の製造方法を提供できる。
本発明の反射フィルムの構成の一例を示す説明図である。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本発明者らが鋭意検討した結果、支持体上に中間層と最表層を積層し、最表面に配される最表層に隣接させて中間層を設けた構成の撥水撥油性素材を実現する場合、中間層にバインダーと平板状粒子を含有させ、最表層にフッ素化アルキル基を有する化合物を含有させるとともに、中間層に含まれている平板状粒子の少なくとも一部をバインダーから露出させ、その平板状粒子にフッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部を結合させるようにすることで、撥水・撥油性の耐久性能に優れた機能性フィルムである撥水撥油性素材が得られることを見出した。
中間層に含有されている平板状粒子はバインダーで覆われており、その立体形状特性によって中間層から脱落し難くなっている。また、その平板状粒子の少なくとも一部はバインダーから露出しており、最表層のフッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部が露出した平板状粒子に結合していることで、フッ素化アルキル基を有する化合物が最表層に留まり易くなっている。
このように中間層に平板状粒子を耐久性よく保持するとともに、その中間層にフッ素化アルキル基を有する化合物を表面コートして耐久性よく付着させることによって、撥水・撥油性の耐久性能に優れた撥水撥油性素材を実現することを可能にした。
(1)反射フィルムの構成概要
本発明に係る撥水撥油性素材の一例として、反射フィルムの概要を説明する。
反射フィルム10は、図1に示すように、支持体1上に機能層である反射層(銀反射層)2を備えており、その反射層2を被覆する中間層3と最表層4を備えている。最表層4は、フィルム最表面に配されている保護層である。また、最表層4と中間層3は隣接している。
また、上記した各構成層の間や、構成層上に、更に別の構成層を設けてもよい。
例えば、支持体1と反射層2の間にアンカー層を設けてもよい。
例えば、反射層2の光入射側に隣接して腐食防止層を設けてもよい。
例えば、反射層2よりも光入射側に、紫外線吸収層を設けてもよい。
例えば、中間層3を反射層2の光入射側に配設するための接着層を設けてもよい。
反射フィルム10全体の厚さは、フィルムのたわみ防止、正反射率、取り扱い性等の観点から75〜250μmが好ましく、より好ましくは90〜230μm、更に好ましくは100〜220μmである。
以下、各層構成の詳細について記載する。
(2)支持体
支持体は、樹脂製の基材(樹脂板又は樹脂フィルム)でもよいし、ガラス製の基材(ガラス板又はガラスフィルム)でもよい。
反射フィルムとしては、支持体の厚さが10〜300μmの範囲内であることが好ましい。好ましくは20〜200μm、更に好ましくは30〜100μmである。
(2−1)樹脂基材
支持体となる樹脂基材としては、従来公知の種々の樹脂板や樹脂フィルムを用いることができる。例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム等を挙げることができる。中でも、ポリカーボネート系フィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、及びセルロースエステル系フィルム、アクリルフィルムが好ましい。特にポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム又はアクリルフィルムを用いることが好ましい。また樹脂フィルムは、溶融流延製膜で製造されたフィルムであっても、溶液流延製膜で製造されたフィルムであってもよい。
樹脂基材は、銀反射層よりも光入射側から遠い位置にあるため、樹脂基材に紫外線は到達しにくい。特に、樹脂基材よりも光入射側にある層に紫外線吸収剤を含有させたり、紫外線吸収層を設けたりすることで、紫外線が樹脂基材により到達しにくくなる。その場合には、紫外線によって劣化しやすい樹脂であっても樹脂基材に用いることが可能となる。そのような観点から、樹脂基材として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを用いることが可能となる。
樹脂基材の厚さは、樹脂の種類及び目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10〜300μmの範囲内である。好ましくは20〜200μmであり、より好ましくは30〜100μmである。
(3)反射層
反射層は、太陽光を反射する機能を有する金属等からなる層である。
反射層の表面反射率は好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。この反射層は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。中でも、反射率の観点からAlまたはAgを主成分としていることが好ましく、このような金属の薄膜を二層以上形成するようにしてもよい。
本発明においては反射層として、銀を主成分とする銀反射層を好ましく用いている。
反射層(銀反射層)の厚さは、反射率等の観点から、10〜200nmが好ましく、より好ましくは30〜150nmである。
この反射層の形成法としては、湿式法及び乾式法のどちらも使用することができる。湿式法とは、めっき法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空製膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に製膜するロールツーロール方式が可能な蒸着法が好ましく用いられる。例えば、太陽熱発電用フィルムミラーの製造方法において、銀反射層を銀蒸着によって形成する手法が好ましく用いられる。
なお、上記したように反射層の厚さを、例えば30nm以上200nm以下とすれば、その反射層を有する反射フィルムを太陽熱発電用フィルムミラーとして使用することが可能になる。
また、反射層の厚さを、例えば0.1nm以上50nm以下とすれば、その反射層を有する反射フィルムを遮熱フィルムとして使用することが可能になる。
(4)中間層
中間層は、バインダーと平板状粒子を含有している層であり、最表層と支持体の間に設けられている。特に、中間層における平板状粒子の少なくとも一部は、バインダーから露出した状態で中間層に保持されている。
また、中間層は、ポリマー酸を含有している。
この中間層の厚みは、30〜40nmの範囲にあることが好ましい。
(4−1)バインダー
中間層のバインダーは、シリコン化合物を含んでおり、特に、テトラアルコキシシラン及び/又はテトラアルコキシシランの加水分解物を含んでいることが好ましい。
中間層のバインダーに含まれるその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO/MO比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載された方法、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
また、中間層には水溶性樹脂もしくは水分散性樹脂を含有してもよい。このような樹脂としては、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
また、中間層を設層するための塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、F系、アセチレングリコール系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが好ましい。該界面活性剤の含有量は中間層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
また、本発明に係る中間層はリン酸塩を含むことができる。中間層の塗布液としては、アルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
(4−2)平板状粒子
中間層の平板状粒子は、層状ケイ酸塩化合物であり、例えば、粘土鉱物、カオリン鉱物、雲母鉱物の何れかであることが好ましい。例えば、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、好ましい。
好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒子径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダーとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
なお、ここでいう「平板状」とは、アスペクト比が20〜1000を示す、ナノ粒子のことを指す。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒子径(粒子の最大長)が5.0μm以下であり、又平均アスペクト比(粒子の最大長/粒子の厚さ)が20以上の薄層状であることが好ましく、平均粒子径が2.0μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましく、平均粒子径が1.0μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。
このような平板状の微粒子である平板状粒子を中間層に含有させることで、中間層に微細な凹凸を形成し、その凹凸に応じた撥水・撥油性を中間層に付与するようになっている。
従来技術において、略球状の微粒子を用いて基材の表面に微細な凹凸を形成することで、基材に撥水性や撥油性を付与する試みがあったが、バインダーによって固着された微粒子が略球形状である場合、摩擦などによって微粒子が脱落しやすく、特に球状微粒子が凝集した場合には、特に脱落しやすくなり、撥水・撥油性が低下してしまうという問題があった。
それに対し、平板状の微粒子は、その立体形状特性によって周囲を覆うバインダーから抜け出にくく、摩擦などによって脱落しにくい。
そこで、本発明では平板状の微粒子を用いることによって、バインダーとの密着性を向上させて耐擦性を向上し、長期に亘って高い撥水・撥油性が維持される中間層を設けることを可能にした。
(4−3)ポリマー酸
中間層は、ポリマー酸を含有していることが好ましく、その含有量は0.01重量%以上5重量%以下であることが好ましい。ポリマー酸は、数nmから数十nmサイズの粒子構造を有しており、このようなポリマー酸を含有している中間層には微細な凹凸が形成されることとなって、その微細な凹凸に応じた撥水・撥油性が中間層に付与される。
また、中間層に含まれているポリマー酸は、フッ素化ポリマーであることが好ましい。中間層にフッ素化ポリマーが含まれている場合、中間層のUV耐性が向上するメリットがある。
特に、ポリマー酸は、下記の一般式(1)で表される化合物、または下記の一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013256000
式中、c≧0、d≧0、および4≦(c+d)≦199であり、Q及びQはFまたはHであり、RはFであるか、非置換あるいは1つ以上のエーテル酸素原子によって置換されている1〜10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基であり、m=0又は1、n=0〜3、p=0又は1であり、XはHまたはアルカリ金属である。
Figure 2013256000
式中、Rはフッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基であり、a,b,c,dおよびeはそれぞれ独立に0又は1〜4の整数であり、nは少なくとも4である。
上記化合物は炭素−フッ素からなる疎水性テフロン(登録商標)骨格とスルホン酸基を持つパーフルオロ側鎖から構成されるパーフルオロカーボン材料で、テトラフルオロエチレンとパールルオロ(2−フルオロスルフォニルエトキシ)プロピルビニルエーテルの共重合体であり、イーアイデュポン社(E. I. du Pont社)よりナフィオン(登録商標)として入手可能である。
(5)最表層
最表層は、フッ素化アルキル基を有する化合物を含有しており、そのフッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部は、中間層から露出している平板状粒子に結合している。
具体的に、最表層はフッ素化アルキル基を有する化合物の単分子膜であり、その厚みは約0.1nm程度である。
このフッ素化アルキル基を有する化合物の単分子膜である最表層は、撥水・撥油性を有している。
そして、表面に形成された微細な凹凸によって撥水・撥油性が付与されている中間層に、フッ素化アルキル基を有する化合物の単分子膜である最表層を設けることによって、反射フィルム表面の撥水・撥油性がより一層向上するようになっている。
(6)反射フィルムの製造方法
まず、支持体1の上面に反射層2を形成する。なお、支持体の上面にアンカー層を形成し、そのアンカー層上に反射層2を形成してもよい。
次いで、反射層2の上面に中間層3を形成する。なお、中間層3の上面に接着層を形成し、その接着層上に中間層3を形成してもよい。この中間層3は、バインダー中に平板状粒子を分散させた液体を、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、バーコート等の公知の塗布方式によって塗工して形成する。
次いで、中間層3上に、フッ素化アルキル基を有する化合物を含有している化合物層を設ける。この化合物層は、中間層3に、フッ素化アルキル基を有する化合物を含む溶液を塗布することによって設けてもよく、また、中間層3を、フッ素化アルキル基を有する化合物を含む溶液へ浸漬することによって設けてもよい。
次いで、支持体1上の中間層3および化合物層を加熱することで、フッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部が中間層3の平板状粒子に結合するように焼成を施して、最表層4を形成する。なお、焼成温度の上限は100℃であることが好ましい。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例や比較例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
[機能性フィルム(保護フィルム)の作成方法]
[実施例1]
支持体1として、50マイクロメートル厚のポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A4300)を用いた。
下記中間層塗工液No.1を、ホモジナイザを用いて十分に混合分散して調整し、ワイヤーバー方式にてポリエステルフィルム上に塗布乾燥し、膜厚0.1マイクロメートルの中間層3を形成した。
さらに、TSL-8257(GE東芝シリコーン社製)を1質量%に希釈したMEK溶液を、ワイヤーバー方式にて、中間層3上に塗布乾燥し、80℃で30分間加熱硬化して最表層4を形成して、保護フィルムNo.1を作製した。
この保護フィルムNo.1の平均表面粗さはRa=8.4nm。水接触角は155°、油接触角は93°であった。
・中間層塗工液No.1
モンモリロナイトナノクレイ PGN
(Nanocor社製:アスペクト比300〜500)
1.20重量%
コルコートPX
(コルコート社製 固形分2wt% IPA、1-ブタノール混合溶液)
57.60質量%
ナフィオン DE 2021
(E. I. du Pont社製:20wt% 水、1-プロパノール混合溶液)
0.06質量%
IPA 20.00質量%
MEK 26.54質量%
[実施例2]
支持体1として、50マイクロメートル厚のポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A4300)を用いた。
下記中間層塗工液No.2を、ホモジナイザを用いて十分に混合分散して調整し、ワイヤーバー方式にてポリエステルフィルム上に塗布乾燥、膜厚2マイクロメートルの中間層3を形成した。
さらに、TSL-8257(GE東芝シリコーン社製)を1質量%に希釈したMEK溶液を、ワイヤーバー方式にて、中間層3上に塗布乾燥し、80℃で30分間加熱硬化して最表層4を形成して、保護フィルムNo.2を作製した。
この保護フィルムNo.2の平均表面粗さはRa=6.3nm。水接触角は140°、油接触角は85°であった。
・中間層塗工液No.2
モンモリロナイトナノクレイ PGN
(Nanocor社製:アスペクト比300〜500)
5.00重量%
Dynasylan40
(エボニック社製 固形分40wt%)
10.88質量%
ナフィオン DE 2021
(E. I. du Pont社製:20wt% 水、1-プロパノール混合溶液)
0.25質量%
IPA 60.00質量%
MEK 23.88質量%
[実施例3]
支持体1として、厚さ50マイクロメートルの薄板ガラス(日本電気硝子株式会社製)を用いた。
前記中間層塗工液No.1を、ホモジナイザを用いて十分に混合分散して調整し、ワイヤーバー方式にてフロートガラス上に塗布乾燥し、膜厚0.1マイクロメートルの中間層3を形成した。
さらに、TSL-8257(GE東芝シリコーン社製)を1質量%に希釈したMEK溶液を、ワイヤーバー方式にて、中間層3上に塗布乾燥し、80℃で30分間加熱硬化して最表層4を形成して、保護フィルムNo.3を作製した。
この保護フィルムNo.3の平均表面粗さはRa=9.3nm。水接触角は152°、油接触角は91°であった。
[比較例1]
支持体1として、50マイクロメートル厚のポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A4300)を用いた。
そのポリエステルフィルム上にTSL-8257(GE東芝シリコーン社製)を1質量%に希釈したMEK溶液を、ワイヤーバー方式にて塗布乾燥し、80℃で30分間加熱硬化して保護フィルムNo.4を作製した。
この保護フィルムNo.4の平均表面粗さはRa=1.2nm。水接触角は130°、油接触角は80°であった。
[比較例2]
実施例1に対して、下記中間層塗工液No.3を使用した他は、実施例1と同様にして保護フィルムNo.5を作製した。
この保護フィルムNo.5の平均表面粗さはRa=7.3nm。水接触角は140°、油接触角は85°であった。
・中間層塗工液No.3
モンモリロナイトナノクレイ PGN
(Nanocor社製:アスペクト比300〜500)
2.00重量%
Dynasylan40
(エボニック社製 固形分40wt%)
4.35質量%
メガファック F477(DIC社製)
0.02質量%
IPA 60.00質量%
MEK 33.63質量%
[比較例3]
実施例1に対して、下記中間層塗工液No.4を使用した他は、実施例1と同様にして保護フィルムNo.4を作製した。
この保護フィルムNo.4の平均表面粗さはRa=2.2nm。水接触角は120°、油接触角75°であった。
・中間層塗工液No.4
コルコートPX
(コルコート社製 固形分2wt% IPA、1-ブタノール混合溶液)
57.6質量%
ナフィオン DE 2021
(E. I. du Pont社製:20wt% 水、1-プロパノール混合溶液)
0.06質量%
IPA 20.00質量%
MEK 26.54質量%
[保護フィルムの評価]
上記のように作製した保護フィルムについて、下記の方法に従って、表面粗さ(Ra)、水接触角と油接触角に関する評価を行った。
〈表面形状パラメータ(表面粗さ(Ra))の測定方法〉
試料表面に白金ロジウムを1.5nmの厚さで蒸着した後、WYKO社製の非接触三次元粗さ測定装置:RSTplusを用いて、40倍の条件(111.2μm×149.7μmの測定範囲、測定点は236×368、解像度は約0.5μm)で測定し、傾き補正およびMedianSmoothingのフィルターをかけて測定データを処理してノイズを取り除いた後、Ra値を求めた。測定は測定箇所を変えて5回行ない、その平均を求めた。
〈水接触角の測定方法〉
水接触角とは固体表面上に、液滴を乗せ、その雰囲気下で平衡になっているとき、下式により求めることができる値である。下式を「ヤングの式」と言い、液体表面と固体表面のなす角度を「接触角」と定義している。
水接触角は、広く市販されている装置により測定することができ、例えば、DropMaster500(界面化学社製)により測定することができる。本発明では1.5マイクロリットルの水滴で評価した。
γ=γcosθ+γSL
(上記式において、γは固体の表面張力、γは液体の表面張力、γSLは固体/液体の界面張力、θは接触角を示す。)
〈油接触角の測定方法〉
油接触角は、上記水接触角と同様に固体表面上に液滴を乗せて測定した。本発明においては、ヘキサデカンの液滴で評価した。
〈耐久性評価〉
HEIDON 往復摩耗試験機TYPE30に塗工面を上に向けてサンプルをセットし、ベンコットンにて500回往復させた。(荷重600g/cm、速度300mm/分)表面を摩耗した後のサンプルについて、水接触角、油接触角を測定した。摩耗前の接触角からの低下幅が小さいものほど優れている。
これら保護フィルム(実施例1〜3、比較例1〜3)の評価結果を、表1に示す。
Figure 2013256000
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜3の保護フィルムは、耐久性に優れた撥水撥油性を有している。
つまり、本発明に係る保護フィルムは、耐久性に優れた撥水撥油性素材であるといえる。
[反射フィルムの作成方法]
[実施例4]
支持体1として、50マイクロメートル厚のポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A4300)を用いた。
このポリエステルフィルムの片面に、ポリエステル系樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で10:2に混合し、溶媒としてメチルエチルケトンを加え、更に腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテート(和光純薬製)10質量%となるよう調製した量を混合し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(腐食防止層)を形成した。
続いて、アンカー層上に、真空蒸着法によって銀膜を80nmになるように製膜し、反射層2を形成した。
次に、ダイヤナール BR−605(三菱レイヨン社製)とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で100:1に混合し、溶媒としてメチルエチルケトンを加え、Tinuvin1577(BASF社製)を5質量%、Tinuvin234(チバ・ジャパン社製)を5質量%となるよう調整した量を混合し、湿式塗布方式にて塗布乾燥し、乾燥膜厚10マイクロメートルの接着層を形成した。
次に、前記中間層塗工液No.1を、ホモジナイザを用いて十分に混合分散して調整し、ワイヤーバー方式にて接着層上に塗布乾燥し、膜厚0.1マイクロメートルの中間層3を形成した。
さらに、TSL-8257(GE東芝シリコーン社製)を1質量%に希釈したMEK溶液を、ワイヤーバー方式にて、中間層3上に塗布乾燥し、80℃で30分間加熱硬化して最表層4を形成して、フィルムミラーNo.1を作製した。
このフィルムミラーNo.1の平均表面粗さはRa=23.5nm。水接触角は155°、油接触角は93°であった。
[比較例4]
支持体1として、50マイクロメートル厚のポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A4300)を用いた。このポリエステルフィルムの片面に、ポリエステル系樹脂(ポリエスター SP−181、日本合成化学社製)とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で10:2に混合し、溶媒としてメチルエチルケトンを加え、更に腐食防止剤としてグリコールジメルカプトアセテート(和光純薬製)10質量%となるよう調製した量を混合し、グラビアコート法によりコーティングして、厚さ100nmのアンカー層(腐食防止層)を形成した。
続いて、アンカー層上に、真空蒸着法によって銀膜を80nmになるように製膜し、反射層2を形成した。
次に、ダイヤナール BR−605(三菱レイヨン社製)とTDI(トリレンジイソシアネート)系イソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート)を樹脂固形分比率で100:1に混合し、溶媒としてメチルエチルケトンを加え、Tinuvin1577(BASF社製)を5質量%、Tinuvin234(チバ・ジャパン社製)を5質量%となるよう調整した量を混合し、湿式塗布方式にて塗布乾燥し、乾燥膜厚10マイクロメートルの接着層を形成した。
次に、下記中間層塗工液No.5を、ホモジナイザを用いて十分に混合分散して調整し、ワイヤーバー方式にて接着層上に乾燥膜厚0.1マイクロメートルの中間層3を形成して、フィルムミラーNo.2を作製した。
このフィルムミラーNo.2の平均表面粗さはRa=10.4nm。水接触角は35°、油接触角15°であった。
・中間層塗工液No.5
コルコートPX
(コルコート社製 固形分2wt% IPA、1-ブタノール混合溶液)
57.60質量%
IPA 20.00質量%
MEK 26.54質量%
[比較例5]
中間層塗工液に下記中間層塗工液No.6を使用した他は、実施例4と同様にしてフィルムミラーNo.3を作製した。
このフィルムミラーNo.3の平均表面粗さはRa=12.6nm。水接触角は127°、油接触角70°であった。
・中間層塗工液No.6
コルコートPX
(コルコート社製 固形分2wt% IPA、1-ブタノール混合溶液)
99.00質量%
メガファック F477(DIC社製) 0.02質量%
MEK 0.98質量%
[フィルムミラー(反射フィルム)の評価]
作製したフィルムミラーについて、下記の方法に従って、耐久性に関する評価を行った。
〈耐久性の評価・クリーニング性の耐久性〉
HEIDON 往復摩耗試験機TYPE30に塗工面を上に向けてサンプルをセットし、ベンコットンにて500回往復させた。(荷重600g/cm、速度300mm/分)表面を摩耗した後のサンプルについて、JIS Z 8901に規定されたJIS試験用粉体3種を1質量%純水に分散し、60°に傾けたサンプルの上方60cmより市販の霧吹き器で粉体含有水を10ml吹きかけ、ドライヤーにて表面を乾燥した。その後、純水を入れた別の霧吹き器で10ml分の水を吹きかけ、ドライヤーにて表面を乾燥したサンプルを光沢計GM−268(コニカミノルタ製)を用いて85°の反射率を測定した。反射率が高いものほど付着した砂のクリーニング性の耐久性が優れている。
なお、表面粗さ(Ra)、水接触角と油接触角については、上記保護フィルムの評価と同様に行った。
これらフィルムミラー(実施例4、比較例4〜5)の評価結果を、表2に示す。
Figure 2013256000
表2に示した結果から明らかなように、実施例4のフィルムミラーは、耐久性に優れた撥水撥油性を有し、表面に付着した砂のクリーニング性の耐久性が優れている。
つまり、本発明に係るフィルムミラー(反射フィルム)は、耐久性に優れた撥水撥油性素材であるといえる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 支持体
2 反射層
3 中間層
4 最表層
10 反射フィルム(撥水撥油性素材)

Claims (18)

  1. 支持体と、
    前記支持体上の最表面に設けられた最表層と、
    前記最表層に隣接して、前記最表層と前記支持体の間に設けられた中間層と、
    を備えた撥水撥油性素材であって、
    前記中間層はバインダーと平板状粒子を含有し、前記最表層はフッ素化アルキル基を有する化合物を含有しており、前記フッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部が前記平板状粒子に結合していることを特徴とする撥水撥油性素材。
  2. 前記中間層における前記平板状粒子の少なくとも一部は、前記バインダーから露出していることを特徴とする請求項1に記載の撥水撥油性素材。
  3. 前記平板状粒子は、層状ケイ酸塩化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水撥油性素材。
  4. 前記平板状粒子は、粘土鉱物、カオリン鉱物、雲母鉱物の何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  5. 前記バインダーは、シリコン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  6. 前記バインダーは、テトラアルコキシシラン及び/又はテトラアルコキシシランの加水分解物を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  7. 前記中間層は、ポリマー酸を含有していることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  8. 前記ポリマー酸は、フッ素化ポリマーであることを特徴とする請求項7に記載の撥水撥油性素材。
  9. 前記ポリマー酸は、下記の一般式(1)で表される化合物、または下記の一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項7又は8に記載の撥水撥油性素材。
    Figure 2013256000
    (式中、c≧0、d≧0、および4≦(c+d)≦199であり、Q及びQはFまたはHであり、RはFであるか、非置換あるいは1つ以上のエーテル酸素原子によって置換されている1〜10個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基であり、m=0又は1、n=0〜3、p=0又は1であり、XはHまたはアルカリ金属である。)
    Figure 2013256000
    (式中、Rはフッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基であり、a,b,c,dおよびeはそれぞれ独立に0又は1〜4の整数であり、nは少なくとも4である。)
  10. 前記中間層は、前記ポリマー酸を0.01重量%以上5重量%以下含有していることを特徴とする請求項7〜9の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  11. 前記支持体が、ガラス板又はガラスフィルムであることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  12. 前記支持体が、樹脂板又は樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  13. 当該撥水撥油性素材は、前記支持体と前記中間層の間に、厚さ30nm以上200nm以下の反射層を有する太陽熱発電用フィルムミラーであることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  14. 当該撥水撥油性素材は、前記支持体と前記中間層の間に、厚さ0.1nm以上50nm以下の反射層を有する遮熱フィルムであることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の撥水撥油性素材。
  15. 支持体と、前記支持体上の最表面に設けられた最表層と、前記最表層と前記支持体の間であって前記最表層に隣接して設けられた中間層と、を備える撥水撥油性素材の製造方法であって、
    前記支持体の上面側に、バインダーと平板状粒子を含有している前記中間層を形成する工程と、
    前記中間層上に、フッ素化アルキル基を有する化合物を含有している化合物層を設けた後に、前記フッ素化アルキル基を有する化合物の少なくとも一部が前記平板状粒子に結合するように焼成を施して、前記最表層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする撥水撥油性素材の製造方法。
  16. 前記最表層を形成する工程における焼成温度の上限が100℃であることを特徴とする請求項15に記載の撥水撥油性素材の製造方法。
  17. 前記最表層を形成する工程における前記化合物層は、前記中間層に溶液を塗布することによって設けることを特徴とする請求項15又は16に記載の撥水撥油性素材の製造方法。
  18. 前記最表層を形成する工程における前記化合物層は、前記中間層を溶液へ浸漬することによって設けることを特徴とする請求項15又は16に記載の撥水撥油性素材の製造方法。
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