JP2013254940A - 光熱変換素子およびその製造方法、光熱発電装置ならびに被検出物質の検出方法 - Google Patents

光熱変換素子およびその製造方法、光熱発電装置ならびに被検出物質の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光熱変換効率を有する光熱変換素子およびその製造方法、光熱発電装置ならびに被検出物質の検出方法を提供する。
【解決手段】光熱変換素子1は、金属ナノ粒子集積構造体10と基板2,3とを備える。金属ナノ粒子集積構造体10は基板2の表面に固定される。金属ナノ粒子集積構造体10が分散した分散液を基板2に塗布して基板2を乾燥させることで、基板2に金属ナノ粒子集積構造体10を固定する。基板3を基板2に重ねることで光熱変換素子1が形成される。基板2,3の少なくとも一方を透過した光により金属ナノ粒子集積構造体10に局在表面プラズモン共鳴が生じ、金属ナノ粒子集積構造体10が発熱する。光熱発電装置は光熱変換素子1と熱電変換部とにより構成される。光照射で発生した熱で分散液中の熱凝固性材料または熱溶解性材料を被検出物質として凝固または溶解させて被検出物質を検出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は光熱変換素子およびその製造方法、光熱発電装置ならびに被検出物質の検出方法に関する。特に本発明は、金属ナノ粒子集積構造体を含む光熱変換素子およびその製造方法、その光熱変換素子を備える光熱発電装置、ならびに光熱変換素子の製造方法を利用した被検出物質の検出方法に関する。
近年、太陽光を熱に変換して、その熱を利用する熱電発電が注目されている。たとえば特許文献1(特開2003−332607号公報)は、熱光起電力発電システム(TPV発電システム)と、その発電システムに用いられる波長選択性太陽光吸収材料と、その太陽光吸収材料の製造方法とを開示する。
特許文献1に記載された波長選択性太陽光吸収材料は、耐熱性基板(たとえばタングステン基板)からなる。耐熱性基板の入射面は、二次元配列されて周期的な表面微細凹凸パターンを形成する多数のキャビティを有する。キャビティは、太陽光の特定波長と実質的に同じ長さの開口径および所定の深さに形成されて、所定のスペクトル拡散反射率、スペクトル吸収率、スペクトル放射率を備える。
特許文献1に記載された波長選択性太陽光吸収材料は、以下の工程を経て作成される。まず、金属アルミニウムシートが陽極酸化される。そして所定のエッチング法を用いて陽極酸化シートが処理される。これにより、規則的に配列された多数の孔を有するアルミナ膜からなるマスクが得られる。次に、そのアルミナ膜マスクが耐熱性基板(たとえばタングステン基板)の上に載置される。SFガスを用いた高速原子線(FAB)エッチング法によって、その耐熱性基板の表面には、二次元配列された周期的な表面微細凹凸パターンが転写および形成される。続いて、基板からアルミナ膜マスクが除去される。この結果、太陽光の波長と実質的に同じ長さの開口径をもつキャビティが基板の表面において周期的に二次元配列された構造が得られる。
特開2003−332607号公報
特許文献1に記載された製造方法は複雑な処理を含む。コストの観点から、より簡易な製造方法によって光熱変換素子を製造できることが要望される。
さらに、光熱変換素子の有用性を高めるために、より高い光熱変換効率を達成できる光熱変換素子が要望される。
本発明の目的は、高い光熱変換効率を有する光熱変換素子およびその製造方法、その光熱変換素子を利用した光熱発電装置、ならびに光熱変換素子の製造方法を利用した被検出物質の検出方法を提供することである。
本発明のある局面に従う光熱変換素子は、複数の金属ナノ粒子が集積されることによって各々が形成された、複数の金属ナノ粒子集積構造体と、複数の金属ナノ粒子集積構造体が固定された固定面を有する第1の基板とを備える。
好ましくは、光熱変換素子に用いる複数の金属ナノ粒子集積構造体の各々は、複数の金属ナノ粒子が固定された表面を有する基材粒子(ビーズ)を含む。好ましくは、金属ナノ粒子集積構造体は、複数の金属ナノ粒子が相互作用部位を介してビーズの表面に固定され、互いに隙間を設けて、金属ナノ粒子の直径以下の間隔で配置された構造体である。相互作用部位とは、たとえば化学結合、ファンデルワールス力、静電的相互作用、疎水性相互作用、および吸着力を発生する部位である。たとえば金属ナノ粒子が金ナノ粒子である場合には、金と相互作用し得る部位(基)としては、たとえばチオール基が挙げられるがこれに限定されるものではない。
以下では、特に基材粒子(ビーズ)を用いた金属ナノ粒子集積構造体を、金属ナノ粒子固定化ビーズと称する。好ましくは、基材粒子(ビーズ)は、アクリル樹脂である。
好ましくは、複数の金属ナノ粒子集積構造体の各々を形成する金属ナノ粒子は、金ナノ粒子または銀ナノ粒子である。以下では、特に、金ナノ粒子を用いた金属ナノ粒子固定化ビーズを金ナノ粒子固定化ビーズと称し、銀ナノ粒子を用いた金属ナノ粒子固定化ビーズを銀ナノ粒子固定化ビーズと称する。
好ましくは、第1の基板の固定面は、複数の金属ナノ粒子集積構造体のうちの少なくとも2個以上がビーズの直径より近い距離に存在する、密集した領域を形成する。
好ましくは、第1の基板の固定面は、疎水性を有する。
好ましくは、第1の基板は、固定面に透明電極が形成された樹脂フィルムである。
好ましくは、光熱変換素子は、第1の基板とともに複数の金属ナノ粒子集積構造体を挟むように配置された、第2の基板をさらに備える。第1および第2の基板のうち少なくとも一方は、複数の金属ナノ粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を生じさせる光に対して光透過性を有する。
好ましくは、光熱変換素子は、第1の基板と第2の基板との間に、複数の金属ナノ粒子集積構造体の複数の層が形成されている。
本発明の他の局面に従う光熱変換素子の製造方法は、複数の金属ナノ粒子が集積されることにより各々が形成された複数の金属ナノ粒子集積構造体が分散した分散液を準備するステップと、第1の基板を準備するステップと、第1の基板の固定面に分散液を塗布するステップと、第1の基板の固定面に金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップとを備える。
好ましくは、第1の基板の固定面は、疎水性を有する。分散液を塗布するステップにおいて、分散液を第1の基板の固定面に滴下する。
好ましくは、金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、分散液を自然蒸発させる。あるいは分散液をホットプレートやヒーター等で温めながら乾燥させても良い。
好ましくは、第1の基板を準備するステップにおいて、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムを第1の基板として準備する。第1の基板の固定面は、透明電極が形成された樹脂フィルムの表面である。
好ましくは、金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、分散液にレーザ光を照射して金属ナノ粒子集積構造体を集積させる。
好ましくは、分散液は、熱凝固性材料を含む。金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、分散液にレーザ光を照射して熱凝固性材料を凝固させる。
好ましくは、分散液は、熱溶解性材料を熱的に溶解させた液体である。金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、分散液にレーザ光を照射して金属ナノ粒子集積構造体を集積させて、熱溶解性材料を冷却または凝固する。
好ましくは、光熱変換素子の製造方法は、金属ナノ粒子集積構造体を含む熱凝固性材料にレーザ光を照射して、熱凝固性材料の形状を加工するステップをさらに備える。
好ましくは、光熱変換素子の製造方法は、金属ナノ粒子固定化ビーズを含む熱溶解性材料にレーザ光を照射して、熱溶解性材料の形状を加工するステップをさらに備える。
好ましくは、光熱変換素子の製造方法は、複数の金属ナノ粒子集積構造体が第1の基板および第2の基板によって挟まれるように、第2の基板を第1の基板に重ねるステップをさらに備える。第1および第2の基板のうち少なくとも一方は、複数の金属ナノ粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を生じさせる光に対して光透過性を有する。
好ましくは、光熱変換素子の製造方法は、第2の基板を第1の基板に重ねるステップに先立って、第2の基板の固定面に金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップをさらに備える。第2の基板を第1の基板に重ねるステップにおいて、第1の基板と第2の基板とで固定面同士を対向させる。
本発明のさらに他の局面に従う光熱発電装置は、光熱変換素子と、光熱変換素子に熱的に接続された熱電変換部とを備える。光熱変換素子は、複数の金属ナノ粒子が集積されることによって各々が形成された、複数の金属ナノ粒子集積構造体と、複数の金属ナノ粒子集積構造体が固定された固定面を有する第1の基板と、第1の基板とともに複数の金属ナノ粒子集積構造体を挟むように配置された、第2の基板とを含む。第1および第2の基板のうちの一方の基板は、複数の金属ナノ粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を生じさせる光に対して光透過性を有し、かつ光を受けるように配置される。第1および第2の基板のうちの他方の基板は、熱電変換部に熱的に接続される。
好ましくは、一方の基板は、第2の基板である。他方の基板は、第1の基板である。第1および第2の基板の各々は、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムである。第1の基板の固定面は、透明電極が形成された樹脂フィルムの表面である。固定面と反対側の第1の基板の表面が熱電変換部に熱的に接続される。透明電極が形成された表面が第1の基板の固定面に対向し、透明電極が形成された表面と反対側の表面が光を受けるように、第2の基板が配置される。
好ましくは、一方の基板は、第1の基板である。他方の基板は、第2の基板である。第1および第2の基板の各々は、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムである。第1の基板の固定面は、透明電極が形成された樹脂フィルムの表面である。固定面と反対側の第1の基板の表面が光を受ける。透明電極が形成された表面が、熱電変換部に熱的かつ電気的に接続され、透明電極が形成された表面と反対側の表面が第1の基板の固定面に対向するように、第2の基板が配置される。
好ましくは、第1の基板と第2の基板との間に、複数の金属ナノ粒子集積構造体の複数の層が形成されている。
好ましくは、光熱変換素子は、色素増感型光電変換素子を含む。第1および第2の基板の各々は、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムである。第1および第2の基板は、色素増感型光電変換素子として機能する。
好ましくは、光熱変換素子に用いる複数の金属ナノ粒子集積構造体の各々は、複数の金属ナノ粒子が固定された表面を有する基材粒子(ビーズ)を含む。好ましくは、基材粒子(ビーズ)は、酸化チタン粒子である。
本発明のさらに他の局面に従う被検出物質の検出方法は、上記の光熱変換素子の製造方法を利用した、被検出物質の検出方法である。分散液は、被検出物質として熱凝固性材料、または熱溶解性材料を含む。被検出物質の検出方法は、分散液にレーザ光を照射して分散液を凝固または溶解させることによって被検出物質を検出する。
本発明によれば、高い光熱変換効率を有する光熱変換素子を提供できる。
本発明によれば、簡易な処理によって光熱変換素子を製造することができる。
本発明によれば、光熱発電装置の効率を高めることができる。
本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の概略的な構造を示した図である。 本発明の実施の形態に用いられる金属ナノ粒子集積構造体の模式的構造を示した図である。 金属ナノ粒子集積構造体の一例の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の製造方法を概略的に説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の製造方法を模式的に示した図である。 テープによって端部がマスキングされた第1の基板の表面を示した図である。 ITO−PENフィルムが疎水性基板であることを示した図である。 本発明の実施の形態に係る製造方法に従って形成された、銀ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子の表面のSEM写真(倍率:8千倍)である。 本発明の実施の形態に係る製造方法に従って形成された、金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子の表面のSEM写真(倍率:6千倍)である。 本発明の実施の形態に係る銀ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子による、光発熱効果を説明するためのグラフである。 本発明の実施の形態に係る金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子による、光発熱効果を説明するためのグラフである。 測定台への熱放散を抑制するように構成された測定系を用いて、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の温度上昇を測定した結果を示した図である。 太陽光のスペクトルを示した図である。 ITO−PENフィルムの透過スペクトルを示した図である。 金ナノ粒子固定化ビーズおよび銀ナノ粒子固定化ビーズの各々について、吸収スペクトルの理論値を示した図である。 金ナノ粒子固定化ビーズおよび銀ナノ粒子固定化ビーズの各々について、単位時間当たりの熱量の理論値を示した図である。 放熱量が完全にゼロであると仮定した理想的な場合に期待される、温度変化の時間依存性の数値計算結果を示したグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る光熱発電装置の模式的な構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光熱発電装置101の構成を示した図である。 図19に示した光熱発電装置101による出力の時間変化を実験した結果を示した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光熱発電装置102の構成を示した図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光熱発電装置103の構成を模式的に示した図である。 図22に示された太陽電池/光熱変換素子1Cの構造を示した図である。 銀ナノ粒子固定化ビーズの三次元モデルを説明するための図である。 図24に示した銀ナノ粒子固定化ビーズの計算モデルを示した図である。 銀ナノ粒子固定化ビーズの消衰スペクトルの計算結果を示した図である。 クラスターの個数Nに応じた電場強度分布を示した図である。 本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の他の構造を示した図である。 本発明の実施の形態に係る光熱変換素子のさらに他の構造を示した図である。 図29に示した光熱変換素子1Dの製造方法を概略的に説明するフローチャートである。 図29に示す光熱変換素子1Dによる効果を模式的に説明する図である。 本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の透明基板として適用可能なPENフィルムの透過スペクトルの一例を示した図である。 本発明の実施の形態に係る光熱変換素子による光発熱効果の実験結果を示した図である。 図22および図23に示された構成における太陽電池部位(光電変換素子)の特性を表形式でまとめて示す図である。 光トラップによる金属ナノ粒子固定化ビーズの集積化の概念図である。 水中に銀ナノ粒子固定化ビーズを分散したサンプルを対象とした場合のレーザ光照射開始から57秒目までの様子を系統的に示した図である。 光トラップによって集積化される前の、水中に分散した銀ナノ粒子固定化ビーズを示した第1の写真の拡大図である(レーザ光照射開始から24秒後)。 光トラップによって集積化された銀ナノ粒子固定化ビーズを示した第2の写真の拡大図である(レーザ光照射開始から39秒後)。 レーザ光のパワーを変えた場合における、光トラップによる金属ナノ粒子固定化ビーズの集積度の違いを説明するための顕微鏡写真である。 光ピンセットを用いて銀ナノ粒子固定化ビーズを集積することによる効果を説明するための図である。(a)は、銀ナノ粒子固定化ビーズを分散させた溶液に0.6Wのレーザ光を照射しながら乾燥させたサンプルを示した写真であり、(b)は、(a)に示した位置a、位置bでのラマン散乱スペクトル、および「平均を取る領域」と示された長方形の領域でのラマン散乱スペクトルの平均値を示した図である。 (a)は、銀ナノ粒子固定化ビーズを分散させた溶液を自然乾燥させたサンプルを示した写真であり、(b)は、(a)に示した枠線内でのラマン散乱スペクトルを示した図である。 本発明の実施の形態に係る金属ナノ粒子固定化ビーズによる発熱効果を説明した図である。 本発明の実施の形態に係る金属ナノ粒子固定化ビーズを含む熱凝固性材料のレーザ光による加工例を示した図である。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本発明およびその実施の形態において、「金属ナノ粒子集積構造体」とは、複数の金属ナノ粒子が集積することによって形成された構造体である。「金属ナノ粒子」とは、ナノメートルのオーダーのサイズを有する金属粒子である。「ナノメートルのオーダー」とは1から数百ナノメートルの範囲を含み、典型的には1〜100nmの範囲であり、好ましくは、1〜50nmの範囲である。
本発明およびその実施の形態において、「光透過性を有する」との用語は、物質を通過する光の強度がゼロより大きいという性質を意味する。光が物質を通過する場合、残りの光のエネルギーはその物質によって吸収、散乱あるいは反射されてもよい。また、その光の波長領域は、紫外領域、可視領域、および近赤外領域のいずれかの領域、これら3つの領域のうちの2つの領域にまたがる領域、3つの領域のすべての領域にまたがる領域のいずれでもよい。
光透過性は、たとえば透過率の範囲によって定義することができる。この場合、透過率の範囲の下限は0より大きければよく、特に限定されない。同じく、透過率の範囲の上限は最大で100(%)である。ただし透過率の範囲の上限は、100(%)より小さくてもよい。
本発明およびその実施の形態において、「疎水性」との用語は、水との親和性が小さいという性質を意味する。「疎水性」とは、たとえば、たとえば材料の表面の水、もしくは水溶液、もしくは水分散液が滴状となる性質(撥水性)を含む。本発明およびその実施の形態において、「撥水性」は、対水接触角が0°より大きいことを意味する。より好ましくは、本発明およびその実施の形態では、対水接触角は40°以上である。
[光熱変換素子]
図1は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の概略的な構造を示した図である。図1を参照して、光熱変換素子1は、金属ナノ粒子集積構造体10と、基板2,3とを備える。
金属ナノ粒子集積構造体10は、多数の金属ナノ粒子12が集積化することで形成された構造体である。この実施の形態では、複数の金属ナノ粒子集積構造体10は、基板2の表面に固定されている。基板3は、基板2とともに複数の金属ナノ粒子集積構造体10を挟むように配置される。つまり金属ナノ粒子集積構造体10は、基板2,3の間に配置される。
基板2,3は、光透過性を有する基板である。この実施の形態では、基板2,3の両方が光透過性を有する。したがって基板2,3のいずれの側から光を照射しても、その光を金属ナノ粒子集積構造体10へと導入することができる。
ただし、基板2,3の一方のみ光透過性を有していてもよい。この場合には、その一方の基板を通して光が金属ナノ粒子集積構造体10に照射される。他方の基板は、その一方の基板を通った光を反射あるいは吸収してもよい。たとえば、基板3が光透過性を有していれば、基板2が光透過性を有していなくてもよい。
金属ナノ粒子12の表面の自由電子は、基板2,3の少なくとも一方を透過した光によって振動する。これにより分極が起こる。その結果、金属ナノ粒子集積構造体10に局在表面プラズモン共鳴が生じる。局在表面プラズモン共鳴によって、金属ナノ粒子集積構造体10は、熱を発生させる。局在表面プラズモン共鳴によって、光のエネルギーが非常に狭い領域に閉じ込められる。さらに、多数の金属ナノ粒子集積構造体10が基板2,3の間に配置されるので、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子1は、より多くの光エネルギーを閉じ込めることができる。これにより、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子1は、より多くの熱を発生させることができる。
図1では、複数の金属ナノ粒子集積構造体10が基板2の表面に規則的に配列されるように示される。しかしながら、複数の金属ナノ粒子集積構造体10が規則的に配列していることは本発明にとって必須ではない。後に詳細に説明するように、この実施の形態では、基板2の表面に、多数の金属ナノ粒子集積構造体10が密集した領域が形成される。この実施の形態では、「金属ナノ粒子集積構造体10が密集した領域」とは、複数の金属ナノ粒子集積構造体のうちの少なくとも2個以上がビーズの直径より近い距離に存在する領域と定義することができる。多数の金属ナノ粒子集積構造体10が密集することにより、それらの金属ナノ粒子集積構造体10によって閉じ込められた光エネルギーの密度を高めることができる。この結果、光熱変換効率を高めることができる。
基板2の固定面、すなわち金属ナノ粒子集積構造体10が固定される表面は、疎水性を有する。後に詳細に説明する製造方法によって、疎水性を有する表面に金属ナノ粒子集積構造体10を密集させることができる。
この実施の形態では、基板2,3は、その表面に透明電極が形成された樹脂フィルムである。透明電極を利用することにより、光熱変換素子1と他の装置との間の電気的な接続を容易に実現できる。これにより、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子1の有用性が高められる。さらに、透明電極が形成された面は疎水性を有するので、金属ナノ粒子集積構造体10を固定するための固定面として用いることができる。
また、基板2,3に樹脂フィルムを用いることで、基板2,3は柔軟性を有する。したがって、光熱変換素子1の設置場所の自由度を高めることができる。たとえば光熱変換素子1を平面上に設置可能なだけでなく、曲面上にも設置することも可能である。さらに基板としての樹脂フィルムをその設置面に貼りつけることにより、光熱変換素子1を容易に固定できる。
1つの実施の形態では、基板2,3としてITO−PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムが用いられる。ITO−PENフィルムは、PENフィルム、およびそのPENフィルムの表面に透明電極として形成されたITO(酸化インジウムスズ)を有する。ITO−PENは、フラットパネルディスプレイ、電子デバイス、太陽電池、タッチパネルおよび光学素子など広い用途に用いられるので、容易に入手することができる。したがって、光熱変換素子1の製造コストを下げることができる。
なお、基板2,3の種類はITO−PENフィルムに限定されるものではない。その表面に透明電極が形成された樹脂フィルムであれば基板2,3に用いることができる。基板2,3として、たとえばITO−PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムを用いることができる。
なお、導電性は基板2,3にとって必須の性質ではない。光熱変換素子1を他の装置に電気的に接続する必要がなければ、基板2,3は導電性を有していなくてもよい。この場合には、疎水性かつ光透過性を有しているものの、導電性を有していない樹脂フィルムを基板2,3に用いることができる。たとえばPETフィルムを基板2,3に用いることができる。
図2は、本発明の実施の形態に用いられる金属ナノ粒子集積構造体の模式的構造を示した図である。図3は、金属ナノ粒子集積構造体の一例の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。この例では、粒子径7.4nmの銀ナノ粒子を固定した粒子径400nmのビーズを観測した。
図2および図3を参照して、金属ナノ粒子集積構造体10は、ビーズ11および金属ナノ粒子12を有する。金属ナノ粒子12はビーズ11の表面を覆い、かつビーズ11の表面に固定化される。これにより、金属ナノ粒子12の集積構造体が形成される。より詳細に説明すると、金属ナノ粒子集積構造体10は、複数の金属ナノ粒子12が相互作用部位を介してビーズ11の表面に固定され、互いに隙間を設けて、金属ナノ粒子12の直径以下の間隔で配置された構造体である。相互作用部位とは、たとえば化学結合、ファンデルワールス力、静電的相互作用、疎水性相互作用、および吸着力を発生する部位である。
ビーズの平均粒径は、数十ナノメートルからマイクロオーダーであり、たとえば0.03〜100μm、より好ましくは、0.1〜10μmである。
ビーズ11は、たとえば樹脂粒子である。所望の粒径を有する粒子を形成可能であれば、ビーズ11の材料は特に限定されない。ビーズ11に使用される材料は、たとえばアクリル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂であるがこれらに限定されない。また、ビーズ11の形状は略球形である。ただし金属ナノ粒子12を高密度に集積化することが可能であれば、ビーズ11は非球形であってもよい。
金属ナノ粒子12は、紫外〜近赤外域の光によって、局在表面プラズモン共鳴を起こしうる金属ナノ粒子である。この実施の形態では、そのような金属ナノ粒子として金ナノ粒子あるいは銀ナノ粒子を採用することができる。金ナノ粒子あるいは銀ナノ粒子は、可視領域から近赤外域の光によって局在表面プラズモン共鳴を起こすことが知られている。したがって、金ナノ粒子あるいは銀ナノ粒子を金属ナノ粒子12に用いることができる。
金属ナノ粒子の平均粒径は、サブナノオーダー〜ナノオーダー(約2nm〜1000nm)であり、たとえば2〜500nm、好ましくは、2〜100nm、より好ましくは、5〜50nmでありうる。
[光熱変換素子の製造方法]
図4は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の製造方法を概略的に説明するフローチャートである。図5は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の製造方法を模式的に示した図である。図4および図5を参照して、ステップS1において、一枚目の基板(基板2)を洗浄する。ステップS2において、基板2の表面の端部をマスキングテープ4,5によってマスキングする。ステップS3において、金属ナノ粒子固定化ビーズ分散液を希釈して、分散液の濃度を調整する。ステップS2,S3の処理は必須ではない。
ステップS4において、基板2の表面に、金属ナノ粒子固定化ビーズの希釈分散液6を塗布する。ステップS5において、基板2を静置して乾燥させる。これにより金属ナノ粒子固定化ビーズが基板2の表面に固定される。図5に示された領域6aは、金属ナノ粒子固定化ビーズが固定されている領域を模式的に示している。ステップS6において、二枚目の基板(基板3)を一枚目の基板(基板2)に貼り合わせる。これにより、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子1が完成する。
次に、上記の製造方法の具体的な実施例を説明する。
まず、基板2,3として、4cm×4cmのサイズを有するITO−PENフィルムを準備した。基板2として用いるITO−PENフィルムをアルコール洗浄し、その後、窒素でアルコールを除去した(ステップS1)。
図6は、テープによって端部がマスキングされた第1の基板の表面を示した図である。図6を参照して、基板2の2箇所の端部にマスキングテープ4,5を貼り付けることより、塗布面7を形成した(ステップS2)。マスキングテープ4,5には両面テープを用いた。基板2の表面のうち、マスキングテープ4,5によりマスクされていない部分が塗布面7である。塗布面7は、複数の金属ナノ粒子集積構造体10が固定される固定面に相当する。
金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子と、銀ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子とを評価用サンプルとして作成した。たとえば、特開2003−213442号公報、および特開2008−101260号公報などに開示された公知の方法により製造された金ナノ粒子固定化ビーズの分散液および銀ナノ粒子固定化ビーズの分散液を準備した。これらの分散液の詳細を以下に説明する。
金ナノ粒子固定化ビーズおよび銀ナノ粒子固定化ビーズともに、ビーズ(基材粒子)の素材は、アクリル樹脂(比重1.19)であり、ビーズの粒子径は0.40μmであった。
金ナノ粒子固定化ビーズの場合、ビーズに固定化する前の金ナノの粒子径は32nmであった。試薬使用量から見積もられた金属成分の割合は、79.9wt%であった。分散液における金ナノ粒子固定化ビーズの含有量は、49.76mg/mL(2.49×1011個/mL)と見積もられた。ビーズ1個当たりの金ナノ粒子の個数は586個と見積もられた。
銀ナノ粒子固定化ビーズの場合、銀ナノ粒子の平均直径は2.5nmであった。ビーズに固定化する前の銀ナノの粒子径は2〜20nmであった。試薬使用量から見積もられた金属成分の割合は、30.7wt%であった。分散液における銀ナノ粒子固定化ビーズの含有量は、14.4mg/mL(2.49×1011個/mL)と見積もられた。ビーズ1個当たりの銀ナノ粒子の個数は207,478個と見積もられた。
なお、金ナノ粒子固定化ビーズあるいは銀ナノ粒子固定化ビーズを製造するための方法は、種々の公知の方法を用いることができる。たとえば特開2003−213442号公報および特開2008−101260号公報に開示された方法を適用することができる。
たとえば金ナノ粒子をビーズの表面に固定化する場合には、ビーズを金ナノ粒子分散液に混合し、その金ナノ粒子分散液を攪拌または静置してもよい。金ナノ粒子分散液は、任意選択的に有機バインダを含んでいてもよい。固定反応温度は、反応期間中に分散液が完全に凍結または蒸発しない温度であれば任意の温度でありうる。好ましくは、固定反応温度は、室温付近(たとえば10〜35℃)である。
金ナノ粒子分散液は、市販品を用いてもよく、金イオン(金錯体イオン)含有溶液および還元剤を用いて溶液内還元反応によって製造してもよい。たとえば、塩化金酸溶液にクエン酸を加えてもよい。
金ナノ粒子は、たとえば以下の方法によってビーズに固定化される。まず、金ナノ粒子分散液およびビーズをバインダ液中に投入する。バインダ液は、たとえばアルキルチオールの水またはエタノール溶液である。この溶液を室温中で攪拌する。溶液の色は当初は赤色であるが、攪拌するにつれて透明(無色)に変化する。溶液が透明になった後も、所定の時間、攪拌を続ける。これにより、金ナノ粒子固定化ビーズが生成される。この方法によって作成された金ナノ粒子固定化ビーズにおいて、金と相互作用し得る相互作用部位(基)は、チオール基である。なお相互作用部位は、ビーズの表面に予め形成させてもよく、金コロイドの表面に予め形成させてもよい。
金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子の試料の作成について説明する。上記の金ナノ粒子固定化ビーズ分散液に水を加えて、10倍に希釈した分散液を準備した(ステップS3)。
上記の手順によって希釈した2mLの分散液6を基板2に滴下し、基板2に希釈分散液6を塗布した(ステップS4)。
続いて、基板2をドラフトチャンバー内に静置し、25℃の温度で24時間乾燥させた(ステップS5)。なお、分散液をホットプレートやヒーター等で温めながら乾燥させても良い。
続いて、マスキングテープ4,5として用いた両面テープにより、基板2と基板3とを貼り合わせた(ステップS6)。
同様の手順により、ステップS3において、100倍に希釈した分散液および400倍に希釈した分散液を準備し、ステップS4〜S6の処理により、金ナノ粒子固定化ビーズの濃度が異なるサンプルを作成した。なお、100倍希釈分散液および400倍希釈分散液のいずれの場合も、基板への分散液の滴下量は2mLであった。
銀ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子のサンプルの作成手順は、上記の手順と同様である。銀ナノ粒子固定化ビーズの分散液を10倍に希釈した(ステップS3)。基板2に希釈分散液を2mL滴下して、基板2に希釈分散液6を塗布した(ステップS4)。ステップS5,S6の処理により、サンプルを作成した。同様の手順により、ステップS3において、100倍に希釈した分散液および400倍に希釈した分散液を準備し、ステップS4〜S6の処理により、銀ナノ粒子固定化ビーズの濃度が異なるサンプルを作成した。なお、100倍希釈分散液および400倍希釈分散液のいずれの場合も、基板への分散液の滴下量は2mLであった。
図7は、ITO−PENフィルムが疎水性基板であることを示した図である。図7に示されるように、ITO−PENフィルム(基板2)の表面では水滴6bが盛り上がった状態となる。したがってITO−PENフィルムが撥水性を有することが分かる。
図8は、本発明の実施の形態に係る製造方法に従って形成された、銀ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子の表面のSEM写真(倍率:8千倍)である。図9は、本発明の実施の形態に係る製造方法に従って形成された、金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子の表面のSEM写真(倍率:6千倍)である。図8、図9に示した光熱変換素子は、ともに、2mLの10倍希釈分散液を基板に塗布することで形成された。疎水性基板の上に塗布された分散液は水滴となる(図7参照)。これにより、図8および図9に示されるように、金属ナノ粒子固定化ビーズを基板表面に高密度に集積することを容易に実現できる。図8および図9は、図5に示した領域6aの一部を拡大して示したものである。
[光熱変換素子の特性]
本発明の実施の形態に係る光熱変換素子による光発熱効果を評価するため、光熱変換素子にソーラーシミュレータの光を照射して、光熱変換素子の温度を測定した。
図10は、本発明の実施の形態に係る銀ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子による、光発熱効果を説明するためのグラフである。図10を参照して、グラフの横軸は、ソーラーシミュレータの照射開始からの経過時間、すなわちソーラーシミュレータの光の照射時間を示す。グラフの縦軸は光熱変換素子の温度を示す。
図10のグラフ中の「2.49×1010個/mL」との記載は、2mLの10倍希釈分散液を基板に塗布して作成した第1のサンプルを示す。「2.49×109個/mL」との記載は、2mLの100倍希釈分散液を基板に塗布して作成した第2のサンプルを示す。「0.62×109個/mL」との記載は、2mLの400倍希釈分散液を基板に塗布して作成した第3のサンプルを示す。これら3種類のサンプルは、上記の製造方法により作成された。「金属ナノ粒子なし」との記載は、希釈分散液が基板に塗布されていない比較サンプルを示す。
ソーラーシミュレータの光を100秒間照射した場合、第1のサンプルの温度が40℃以上に達した。このときの第1のサンプルと比較サンプルとの間の温度差は、約9.0℃であった。
図11は、本発明の実施の形態に係る金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子による、光発熱効果を説明するためのグラフである。図11を参照して、グラフの横軸は、ソーラーシミュレータの照射開始からの経過時間を示し、グラフの縦軸は光熱変換素子の温度を示す。
図10に示されたグラフと同じく、図11のグラフ中の「2.49×1010個/mL」との記載は、2mLの10倍希釈分散液を基板に塗布して作成した第1のサンプルを示す。「2.49×109個/mL」との記載は、2mLの100倍希釈分散液を基板に塗布して作成した第2のサンプルを示す。「0.62×109個/mL」との記載は、2mLの400倍希釈分散液を基板に塗布して作成した第3のサンプルを示す。これら3種類のサンプルは、上記の製造方法により作成された。「金属ナノ粒子なし」との記載は、希釈分散液を基板に塗布されていない比較サンプルを示す。
ソーラーシミュレータの光を100秒間照射した場合、第1のサンプルの温度が50℃以上に達した。このときの第1のサンプルと比較サンプルとの間の温度差は、約18.5℃であった。
さらに、図10,図11から、光熱変換素子中の金属ナノ粒子集積構造体10の濃度を変化させることにより、同一の照射条件の下で光熱変換素子の温度を変えることができることが分かる。このことは、金属ナノ粒子固定化ビーズの濃度を制御することによる温度制御の可能性を示している。
図10および図11は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子を、測定台に直接置いた場合における、その光熱変換素子の温度上昇の測定結果を示している。図12は、測定台への熱放散を抑制するように構成された測定系を用いて、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の温度上昇を測定した結果を示した図である。具体的には、ITO−PENフィルムで形成した透明な枠を測定台に載せ、その透明な枠に本発明の実施の形態に係る光熱変換素子を載せて測定系を構成した。測定台と光熱変換素子との間の距離は約1.3cmであった。
図12を参照して、金ナノ粒子固定化ビーズ(Au NP fixed bead)の場合、100秒間のソーラーシミュレータの光の照射によって、光熱変換素子の温度は約59℃に達した。
図12のグラフ中の破線は室温を示す。金ナノ粒子固定化ビーズを用いた光熱変換素子の場合、室温に対する温度上昇値は約31.4℃であり、「金属ナノ粒子なし」のサンプルに対する相対的な温度上昇値は19.9℃であった。同じく、銀ナノ粒子固定化ビーズ(Ag NP fixed bead)を用いた光熱変換素子の場合、室温に対する温度上昇値は約23.1℃であり、「金属ナノ粒子なし」のサンプルに対する相対的な温度上昇値は10.6℃であった。なお、これらの場合において、ソーラーシミュレータの光の照射時間は100秒であった。
次に、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子による光発熱効果を理論的に検証した結果を示す。図13は、太陽光のスペクトルを示した図である。図14は、ITO−PENフィルムの透過スペクトルを示した図である。図15は、金ナノ粒子固定化ビーズおよび銀ナノ粒子固定化ビーズの各々について、吸収スペクトルの理論値を示した図である。図15に示された曲線A1,A2は、それぞれ、1個の金(Au)ナノ粒子固定化ビーズの吸収スペクトルの理論値および1個の銀(Ag)ナノ粒子固定化ビーズの吸収スペクトルの理論値を示す。
図16は、金ナノ粒子固定化ビーズおよび銀ナノ粒子固定化ビーズの各々について、Maxwell方程式を離散化積分法(クラスターDDA(離散双極子近似)法)で解いて計算した、図15の理論値と図13および図14の重なり積分で求めた、単位時間当たりの熱量の理論値を示した図である。図16を参照して、グラフの縦軸は、金属ナノ粒子固定化ビーズの単位時間当たりの熱量と、基板に固定された金属ナノ粒子固定化ビーズの個数との積を示す。
銀ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子および金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子ともに、第1のサンプルの金属ナノ粒子固定化ビーズの個数を見積もった。第1のサンプルにおける金属ナノ粒子固定化ビーズの個数は、2.49×1010(個/mL)×2(mL)=4.98×1010(個)である。したがって、基板に固定された金属ナノ粒子固定化ビーズの個数を5.0×1010として単位時間当たりの熱量を算出した。
曲線B1は、図15の曲線A1と、図13の太陽光スペクトルと、図14のITO−PENフィルムの透過スペクトルとから計算された金ナノ粒子固定化ビーズの単位時間当たりの熱量の理論値を示す。曲線B2は、図15の曲線A2と、図13の太陽光スペクトルと、図14のITO−PENフィルムの透過スペクトルとから計算された、銀ナノ粒子固定化ビーズの単位時間当たりの熱量の理論値を示す。
一方、図10および図11に示されるように、金ナノ粒子固定化ビーズの実際の温度上昇幅は、18.9℃であり、銀ナノ粒子固定化ビーズの実際の温度上昇幅は、9.0℃である。理論上の温度上昇幅に対して実際の温度上昇幅が低い理由は、光熱変換素子1によって発生した熱が光熱変換素子1の周囲に放出されるためと考えられる。したがって、光熱変換素子1の放熱を抑制することにより、光熱変換素子1の温度上昇幅をより大きくすることが可能である。
さらに、金ナノ粒子固定化ビーズの温度上昇幅と銀ナノ粒子固定化ビーズの温度上昇幅との比を評価した。理論値による温度上昇幅の比は、50.9℃/25.8℃=約1.97である。実験値による温度上昇幅の比は、18.5℃/9.0℃=約2.06である。温度上昇幅の理論値の比と、温度上昇幅の実験値の比とはよく一致している。このことから、理論による考察の妥当性が示される。
図17は、放熱量が完全にゼロであると仮定した理想的な場合に期待される、温度変化の時間依存性の数値計算結果を示したグラフ図である。図17を参照して、グラフの横軸は、光の照射時間を示し、グラフの縦軸は温度変化の値を示す。金ナノ粒子固定化ビーズを用いた光熱変換素子、および銀ナノ粒子固定化ビーズを用いた光熱変換素子のいずれにおいても、温度変化の値は光の照射時間に比例して増大する。
曲線B1で表される単位時間当たりの熱量の理論値を積分することにより、100秒間の太陽光の照射による、金ナノ粒子固定化ビーズ(個数:5×1010)の温度上昇幅を算出した。金ナノ粒子固定化ビーズの温度上昇幅は50.9℃と算出された。同じく、曲線B2で表される単位時間当たりの熱量の理論値を積分することにより、100秒間の太陽光の照射による、銀ナノ粒子固定化ビーズ(個数:5×1010)の温度上昇幅を算出した。銀ナノ粒子固定化ビーズの温度上昇幅は25.8℃と算出された。
[光熱発電装置]
図18は、本発明の実施の形態に係る光熱発電装置の模式的な構成図である。図18を参照して、光熱発電装置100は、光熱変換素子1と、熱電変換部20とを備える。熱電変換部20は、高温部21と、低温部22,23と、P型熱電半導体24と、N型熱電半導体25とを有する。
高温部21と光熱変換素子1とは熱的に接続されている。P型熱電半導体24は、高温部21と低温部22とに熱的に接続されている。N型熱電半導体25は、高温部21と低温部23とに熱的に接続されている。
光源40は、たとえば太陽である。光熱変換素子1は光源からの光41(太陽光)を受けて熱を発生させる。したがって高温部21の温度が上昇する。一方、低温部22,23は、たとえば図示しないヒートシンクなどによって冷却される。これによりP型熱電半導体24およびN型熱電半導体25の各々の両端の間には温度差が発生する。この実施の形態では、光源40は太陽である。ただし光源40は太陽に限定されるものではない。
P型熱電半導体24の内部では、正孔24hが拡散して低温部22の側に集まる。このためP型熱電半導体24では、低温部22の側の電位が高くなる。一方、N型熱電半導体25の内部では、電子25eが低温部23の側へ拡散する。このためN型熱電半導体25では、低温部23の側の電位が低くなる。したがって低温部22,23の間には電位差が生じる。低温部22,23に負荷50を接続することにより、電流が低温部22から負荷50へと流れる。すなわち光熱発電装置100から負荷50に電気エネルギーが供給される。
このように光熱発電装置100は、光のエネルギーを熱エネルギーに変換し、さらに、その熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。次に、本発明の実施の形態に係る光熱発電装置100の具体的な形態を説明する。
(実施の形態1)
図19は、本発明の第1の実施の形態に係る光熱発電装置101の構成を示した図である。図19を参照して、光熱発電装置101は、光熱変換素子1と、熱電変換部20とを備える。
光熱変換素子1は、金属ナノ粒子集積構造体10と、基板2,3とを備える。基板2,3は、たとえばITO−PENフィルムである。基板2は、PENフィルム2aとITO膜2bとを備える。基板3は、PENフィルム3aとITO膜3bとを備える。金属ナノ粒子集積構造体10は、ITO膜2bの表面に固定される。すなわちITO膜2bが形成された基板2の表面が、金属ナノ粒子集積構造体10を固定する固定面となる。ITO膜3bがITO膜2bと対向するように基板3が配置される。
熱電変換部20は、高温部21a,21bと、低温部22a,22b,22cと、P型熱電半導体24a,24bと、N型熱電半導体25a,25bと、ヒートシンク27とを有する。
高温部21aは、電極31aと導電性ペースト32aとにより構成される。高温部21bは、電極31bと導電性ペースト32bとにより構成される。
P型熱電半導体24aおよびN型熱電半導体25aは、導電性ペースト32aを介して、電極31aと熱的かつ電気的に接続される。P型熱電半導体24bおよびN型熱電半導体25bは、導電性ペースト32bを介して、電極31bと熱的かつ電気的に接続される。
低温部22aは、導電性ペースト33aと、電極34aと、導電性ペースト35aとにより構成される。P型熱電半導体24aは、導電性ペースト33aを介して電極34aと熱的かつ電気的に接続される。低温部22aは、導電性ペースト35aを介してヒートシンク27に熱的に接続される。ヒートシンク27は、たとえばアルミナ基板により構成される。したがって、低温部22aは、ヒートシンク27から電気的に絶縁される。
低温部22bは、導電性ペースト33bと、電極34bと、導電性ペースト35bとにより構成される。N型熱電半導体25bは、導電性ペースト33bを介して電極34bと熱的かつ電気的に接続される。低温部22bは、導電性ペースト35bを介してヒートシンク27に熱的に接続されるものの、ヒートシンク27から電気的に絶縁される。
低温部22cは、導電性ペースト33cと、電極34cと、導電性ペースト35cとにより構成される。N型熱電半導体25aおよびP型熱電半導体24bは、導電性ペースト33cを介して電極34cと熱的かつ電気的に接続される。低温部22bは、導電性ペースト35bを介してヒートシンク27に熱的に接続されるものの、ヒートシンク27から電気的に絶縁される。
図19に示された構成によれば、ITO膜3bが形成された面と反対側の基板3の表面面に光41が入射する。ITO膜2bが形成された面(固定面)と反対側の基板2の表面が電極31a,31bと熱的に接続される。したがって高温部21a,21bは、光熱変換素子1と熱的に接続されるとともに、光熱変換素子1から電気的に絶縁される。基板3を通過した光が複数の金属ナノ粒子集積構造体10に照射される。これにより複数の金属ナノ粒子集積構造体10の局在表面プラズモン共鳴が生じて発熱が増強される。さらに光熱変換素子1によって発生した熱は電極31a,31bに直接的に伝達される。したがって、光熱変換素子1から熱電変換部20に多くの熱エネルギーを伝達することができる。
さらに図19に示された構成では、P型熱電半導体24aおよびN型熱電半導体25aからなる熱電変換部と、P型熱電半導体24bおよびN型熱電半導体25bからなる熱電変換部とが電気的に直列接続される。これにより、熱電変換部20の出力電圧を高くすることができる。
なお図19では、P型熱電半導体およびN型熱電半導体の組の数が2つの場合を示している。しかし、P型熱電半導体およびN型熱電半導体の組の個数は2に限定されるものではない。
図20は、図19に示した光熱発電装置101による出力の時間変化を実験した結果を示した図である。図20を参照して、グラフの横軸は光の照射時間を示し、グラフの縦軸は、熱電変換モジュールから出力される電力を示す。この実験では、熱電変換モジュールに、セラミック基板、参照用基板(図中「REF」と示す)、金ナノ粒子固定化ビーズを用いた光熱変換素子、および銀ナノ粒子固定化ビーズを用いた光熱変換素子の各々を実装した。さらに図20では、参考として、光熱変換素子がない場合の熱電変換モジュールの出力も示されている。図20に示されるように、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子を用いることにより、セラミック基板あるいは参照用基板を用いた場合に比較して熱電変換モジュールの出力が高くなる。このことは、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子による発熱効果を利用した光熱発電の実現可能性を示している。
さらに、図19に示す熱電変換部20には、より高い変換効率を有する素子を用いることが好ましい。たとえば、熱電変換部20におけるP型熱電半導体24の材料として、Bi0.4Sb1.6Te3を用いることができる。Bi2Te3にSbをドープした材料は、室温付近から100℃前後までの温度範囲において高い熱電特性を示す。したがって、このようなP型熱電半導体24を含む熱電変換部20と、本実施の形態に係る光熱変換素子とを組み合わせて図19に示す光熱発電装置101を構成することで、光熱発電装置101の出力を高めることができる。
(実施の形態2)
図21は、本発明の第2の実施の形態に係る光熱発電装置102の構成を示した図である。図21を参照して、光熱変換素子1A,1Bは、たとえば熱電変換部のサイズに合わせて光熱変換素子1を分割することに形成される。
ITO膜2bが形成された面と反対側の基板2の表面に光41が入射するように、光熱変換素子1A,1Bの各々が配置される。さらに、基板3のITO膜3bが外側に向けられるように、光熱変換素子1A,1Bの各々が形成されている。
第2の実施の形態に係る光熱発電装置102の構成では、第1の実施の形態に係る光熱発電装置101の構成から電極31a,31bが省略されている。光熱変換素子1Aでは、基板3のITO膜3bが、導電性ペースト32aを介してP型熱電半導体24aおよびN型熱電半導体25aに電気的かつ熱的に接続される。光熱変換素子1Bでは、基板3のITO膜3bが、導電性ペースト32bを介してP型熱電半導体24bおよびN型熱電半導体25bに電気的かつ熱的に接続される。
基板3のITO膜3bによってN型熱電半導体25aとP型熱電半導体24bとが電気的に短絡しないように光熱変換素子1A,1Bの大きさが定められる。この実施の形態では、基板3のITO膜3bおよび導電性ペースト32a,32bによって高温部が実現される。光熱発電装置102の他の部分の構成は、図19に示された光熱発電装置101の対応する部分の構成と同様であるので、以後の説明は繰り返さない。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態によって得られる効果を得ることができる。さらに、第2の実施の形態によれば、高温部の電極を省略することができる。したがって、光熱発電装置の構成をより簡素化することができる。
(実施の形態3)
図22は、本発明の第3の実施の形態に係る光熱発電装置103の構成を模式的に示した図である。図22を参照して、光熱発電装置103は、太陽電池/光熱変換素子1Cと、熱電変換部20とを備える。
太陽電池/光熱変換素子1Cは、太陽電池と本発明の実施の形態に係る光熱変換素子との両方を兼ね備えた素子である。この実施の形態では、色素増感太陽電池(色素増感光電変換素子)が採用される。図23は、図22に示された太陽電池/光熱変換素子1Cの構造を示した図である。
図23を参照して、太陽電池/光熱変換素子1Cは、基板2,3と、基板2の表面に固定された金属ナノ粒子集積構造体10と、増感色素62が付着した酸化チタン(TiO)61と、ヨウ素を含む電解質溶液63とを有する。多くの場合、基板2のITO膜2bの表面に酸化チタン61の膜が形成され、酸化チタン61に増感色素62が付着している。なお、図が煩雑になるのを避けるために、図23では酸化チタン61がITO膜2bから離れて記載されている。
基板3では、白金などからなる触媒層がITO膜3bの表面に形成されている。基板2,3の間に電解質溶液63が存在する。電解質溶液63は、代表的にはヨウ素系の電解液である。
色素増感太陽電池は、以下の原理により発電する。増感色素62は、光源40(たとえば太陽)からの光41を吸収することによって励起状態となり、電子を放出する。この電子が酸化チタン61を経由してITO膜2b(透明電極)に達して外部に流れる。電子は外部回路を経由してITO膜3b(透明電極)に達する。電解質溶液63中の三ヨウ化物イオン(I )が電子をITO膜3bから受け取ることにより、ヨウ化物イオン(I)へと変化する。ヨウ化物イオンは、増感色素62に電子を渡すことにより、三ヨウ化物イオンへと変化する。一方、電子を受け取った増感色素62は、元の状態に戻る。増感色素62に光が照射される間、上記の一連の動作が繰り返される。
図23に示された構成から、実施の形態3では、光熱変換素子は、色素増感太陽電池を含むといえる。基板2,3は色素増感太陽電池の電極として機能する。
金属ナノ粒子集積構造体10の基材粒子には、酸化チタン粒子を適用することが好ましい。これにより、発熱効果を増強することができるだけでなく、金属ナノ粒子集積構造体10の内部および表面で光散乱を増強させることができる。光散乱が増強することによって、増感色素62の光吸収効率を向上させることができるので、色素増感太陽電池の発電効率を高めることができる。金属ナノ粒子集積構造体10による光散乱の増強の効果について以下に説明する。
図24は、銀ナノ粒子固定化ビーズの三次元モデルを説明するための図である。図24を参照して、Dbは銀ナノ粒子集積構造体の直径である。Dcは、クラスター12Aの直径である。apはクラスター12Aを構成する銀ナノ粒子(金属ナノ粒子12)の直径である。dpは、クラスター12Aの間隔である。
図25は、図24に示した銀ナノ粒子固定化ビーズの計算モデルを示した図である。図25を参照して、計算モデルでは、銀ナノ粒子の集合体をクラスターとして取り扱う(クラスターDDA(離散双極子近似)法)。
(A)に示されたモデルでは、クラスターの個数Nは546個であり、dp=10nmである。(B)に示されたモデルでは、クラスターの個数Nは793個であり、dp=5nmである。(C)に示されたモデルでは、クラスターの個数Nは1024個であり、dp=2nmである。なお、図25(A)〜(C)に示されたモデルでは、Db=400nmであり、ap=Dc=20nmであり、1つのクラスターに1つの銀ナノ粒子を含む。
図26は、銀ナノ粒子固定化ビーズの消衰スペクトルの計算結果を示した図である。図26を参照して、クラスターの個数N=546の場合(図25(A)に対応)、N=793の場合(図25(B)に対応)、N=1024の場合(図25(C)に対応)の3種類の消衰スペクトルが示される。さらに、図26では、N=1の場合のスペクトルを50倍した結果も示される。
N=1の場合、消衰スペクトルのピーク波長は、ほぼ400nmである。クラスターの個数Nが増加するに従い、消衰スペクトルのピーク波長が長波長側にシフトするとともにスペクトルがブロードになる。
図27は、クラスターの個数Nに応じた電場強度分布を示した図である。図27を参照して、ビーズの中心を原点とした平面に対して垂直に進む波長λ=600nmの偏光を入射した場合の、2μm×2μmのサイズの領域での電場強度分布が示される。スポットの直径は1μmである。図27(A)〜(D)は、クラスターの個数N=0,N=546,N=793,N=1024の場合の電場強度の分布をそれぞれ示している。
図27(A),(B),(C),(D)の各々には点線により円が示される。この円の内側がコアの内部に対応する。N=0の場合とは、入射電場のみの場合に対応する。N=0の場合におけるコアの内部の電場の積分強度を1とする。N=546の場合には、コアの内部の電場の積分強度がN=0の場合の3.59倍になる。N=793の場合には、コアの内部の電場の積分強度がN=0の場合の14.6倍になる。N=1024の場合には、コアの内部の電場の積分強度がN=0の場合の75.9倍になる。
なお、前記の説明では、金属ナノ粒子固定化ビーズ内外における電場増強効果を用いた色素増感太陽電池に関する構成について開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。受光部が疎水性の表面を有する構成であれば、シリコン系、化合物系、有機系、量子ドット型など多様な太陽電池にも利用することができる。
図26および図27から、金属ナノ粒子の種類を適切に選択することにより、小面積でのプラズモニック超放射により、紫外領域、可視領域、赤外領域を全てカバーすることが可能になることが示される。
さらに、金属ナノ粒子集積構造体10において、図25〜27より、金属ナノ粒子12の平均粒子間距離はより短いほうが好ましい。すなわち、金属ナノ粒子集積構造体10において、金属ナノ粒子12が、より高密度に集積されることが好ましい。これにより、図22および図23に示された構成における太陽電池部位(光電変換素子)の発電効率を高めることができる。
図34は、図22および図23に示された構成における太陽電池部位(光電変換素子)の特性を表形式でまとめて示す図である。なお、増感色素62として銀ナノ粒子(直径4.2nm)を用い、金属ナノ粒子集積構造体10に用いるビーズおよび61として酸化チタン(TiO)粒子(直径50nm)を用いた。図34を参照して、銀ナノ粒子の密度が2×1014個/mL(平均粒子間距離4.87nm)のサンプルでは、開放電圧は0.755(V)であり、短絡電流密度は16.0(μA/cm)であった。なお、このサンプルのTiO粒子を塗布した領域の面積は11.84cmであった。
銀ナノ粒子の密度が2×1013個/mL(平均粒子間距離15.4nm)のサンプルでは、開放電圧は0.698(V)であり、短絡電流密度は12.4(μA/cm)であった。なお、このサンプルのTiO粒子を塗布した領域の面積は11.84cmであった。
これらのサンプルとの比較のため有機色素(増感色素)が付着したTiO粒子を用いたサンプルの開放電圧および短絡電流密度を測定した。開放電圧は0.720Vであり、短絡電流密度は5.7(μA/cm)であった。なお、このサンプルのTiO粒子を塗布した領域の面積は15.70cmであった。
この実施の形態によれば、銀ナノ粒子を固定したTiO粒子を用いた光電変換素子は増感色素が付着したTiO粒子を用いた光電変換素子に比べて高効率の光発電を実現できる。また、銀ナノ粒子を固定したTiO粒子について、銀ナノ粒子の密度を高くする(平均粒子間距離を短くする)ことによって、光発電の効率を高めることができる。具体的には、同じ面積で開放電圧を高くすることができるとともに、短絡電流密度を高くできる。上記の実施形態では、銀ナノ粒子の平均粒子間距離を15.4nmから4.87nmと高密度にすることで約127%の電流密度の増大と108%の開放電圧の増大とを確認した。また、銀ナノ粒子が高密度の場合には、有機色素(増感色素)が付着したTiO粒子を用いた比較実験での結果に比べて、短絡電流、開放電圧ともに大きな値を示すことを確認した。
[光熱変換素子の他の構成]
なお、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の構造は、図1に示されたように限定されるものではない。図28は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の他の構造を示した図である。図28に示された光熱変換素子は、基板3を備えていない点において図1に示された構成と異なる。なお、この構成では、基板2に対して反対側から光を金属ナノ粒子集積構造体10に照射することができる。したがって基板2が光透過性を有することは必須ではない。
たとえば、金属ナノ粒子集積構造体10は、PDMS(ポリジメチルシロキサン)を用いて、基板2の表面に高密度に集積させることができる。PDMSを用いて金属ナノ粒子集積構造体10を固定するための方法として、たとえば以下の方法を用いることができる。まず、粘性の低い溶液(たとえば東レ・ダウコーニング株式会社製のSILPOT 184)に金属ナノ粒子集積構造体を分散し、その分散液を基板2に塗布する。次に、基板上の分散液に、その分散液を固化させるための液(たとえば東レ・ダウコーニング株式会社製のCATALYST SILPOT 184)を加えて、基板を加熱する。これによりPDMSを固化する。なお、PDMSを固化するための方法は、他の公知の方法を用いることも可能である。
図29は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子のさらに他の構造を示した図である。図29に示された光熱変換素子1Dは、基板2と基板3との間に金属ナノ粒子集積構造体10が二層に配列されている点で図1に示された構成と異なる。図29に示す光熱変換素子1Dは、たとえば図19(実施の形態1)あるいは図21(実施の形態2)に示す光熱発電装置に適用することができる。
図30は、図29に示した光熱変換素子1Dの製造方法を概略的に説明するフローチャートである。図4および図30を参照して、光熱変換素子1Dの製造方法は、基本的には、光熱変換素子1の製造方法と同様であるが、2枚の基板の両方に金属ナノ粒子固定化ビーズを固定させる点で、光熱変換素子1の製造方法と異なっている。
具体的には、ステップS1Aにおいて、一枚目の基板(基板2)および二枚目の基板(基板3)の両方を洗浄する。ステップS2Aにおいて、基板2,3の表面の端部をマスキングテープ4,5によってマスキングする。ステップS3Aにおいて、金属ナノ粒子固定化ビーズ分散液を希釈して、分散液の濃度を調整する。ステップS2A,S3Aの処理は必須ではない。
ステップS4Aにおいて、基板2,3の両方の表面に、金属ナノ粒子固定化ビーズの希釈分散液6を塗布する。ステップS5Aにおいて、基板2,3を静置して乾燥させる。これにより金属ナノ粒子固定化ビーズが基板2,3の各々の表面に固定される。ステップS6Aにおいて、二枚目の基板(基板3)を一枚目の基板(基板2)に貼り合わせる。この際に、基板2と基板3とは、金属ナノ粒子固定化ビーズの希釈分散液6が塗布された表面同士が向かい合うようにして貼り合わせる。これにより、図29に示す光熱変換素子1Dを作製することができる。
図31は、図29に示す光熱変換素子1Dによる効果を模式的に説明する図である。図31を参照して、基板2と基板3との間に金属ナノ粒子集積構造体10を二層に配列することで、光源からの光41(たとえば太陽光)をより多くの熱に変換することができる。すなわち発熱をより増強させることができる。
さらに、光熱変換素子1Dにおける発熱を増強させるためには、基板2,3は、可視光に対する高い透過率を有する基板であることが好ましい。
図32は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子の透明基板として適用可能なPENフィルムの透過スペクトルの一例を示した図である。図32を参照して、400nm〜800nmの波長域において、透過率は80%を上回る。このような透明樹脂フィルムを基板として光熱変換素子に適用することにより、光熱変換素子の光発熱効果を高めることができる。
図33は、本発明の実施の形態に係る光熱変換素子による光発熱効果の実験結果を示した図である。なお、金属ナノ粒子集積構造体10としては、金ナノ粒子固定化ビーズを用いた。また、光源にはソーラーシミュレータを用いた。
図33を参照して、基板2,3がITO−PENフィルムである場合、基板2,3がたとえば図32に示す透過スペクトルを有する高透過率フィルムである場合のいずれにおいても、金属ナノ粒子集積構造体10を二層に配列することによって、光発熱効果が増強することが分かる。また、金属ナノ粒子集積構造体10を一層配列した場合、金属ナノ粒子集積構造体10を二層配列した場合のいずれにおいても、基板2,3に高透過率フィルムを用いることによって、基板2,3にITO−PENフィルムを用いる場合よりも光発熱効果が増強することが分かる。
したがって、基板2,3に高透過率フィルムを用い、かつ金属ナノ粒子集積構造体10を二層に配列した構成(図33において、「2layer(高透過率フィルム)」と示す)は、図33に示した他の構成のいずれよりも、温度上昇幅を大きくすることができる。図33に示された結果では、光照射開始時点(0秒)から100秒経過後には、温度が約45℃上昇した。
ここで図17に示されるように、金属ナノ粒子集積構造体10に太陽光を100秒間照射した場合の理論上の温度上昇幅は約50℃である。これに対して、上記の実験では温度上昇幅は約45℃であった。すなわち、「2layer(高透過率フィルム)」の構成によって、温度上昇幅を理論限界により近づけることができた。
なお、図29〜図33は、基板2と基板3との間に金属ナノ粒子固定化ビーズが二層に形成された場合について開示している。しかしながら、基板2と基板3との間に金属ナノ粒子固定化ビーズが複数層に形成されていればよく、金属ナノ粒子固定化ビーズの層の数が2に限定されるものではない。
なお、光発熱素子の製造方法に関して、図4のステップS5および図30のステップS5Aでは、金属ナノ粒子固定化ビーズの集積密度を高めるために、図5および図7に示されるように金属ナノ粒子集積構造体の分散液を疎水性基板上に滴下して乾燥させた。このような集積方法に代えて、あるいは上記の集積方法に加えて、金属ナノ粒子固定化ビーズの集積密度をさらに高めるために、金属ナノ粒子固定化ビーズの分散液にレーザ光を照射して、光トラップを利用して金属ナノ粒子固定化ビーズを集積する方法を採用することができる。なお、以下で記載するレーザパワーは、光源におけるパワーであり、対物レンズ通過時には約10%となる。また、スポット直径は約1μmである。
図35は、光トラップによる金属ナノ粒子固定化ビーズの集積化の概念図である。図36は、水中に銀ナノ粒子固定化ビーズを分散したサンプルを対象とした場合の1.0Wのパワーのレーザ光照射開始から57秒目までの様子を系統的に示した図である。図37は、光トラップによって集積化される前の、水中に分散した銀ナノ粒子固定化ビーズを示した第1の拡大写真である(レーザ光照射開始から24秒後)。図38は、光トラップによって集積化された銀ナノ粒子固定化ビーズを示した第2の写真の拡大図である(レーザ光照射開始から39秒後)。
図37は、1.0Wのパワーのレーザ光を金属ナノ粒子集積構造体の分散液に照射してから24秒目の状態を示しており、レーザ光照射初期に発生した熱的な対流が安定化して、銀ナノ粒子固定化ビーズがレーザ光の焦点付近に集まっていることが確認された。さらにレーザ光の照射を続けると、図36に示されるように、27秒後辺りから分散液中に数十μm程度の大きさのマイクロバブルが発生して、図38に示されるように、その表面に銀ナノ粒子固定化ビーズが集まることが確認された。
図39は、レーザ光のパワーを変えた場合における、光トラップによる銀ナノ粒子固定化ビーズの集積度の違いを説明するための写真である。図39を参照して、レーザ光のパワーがそれぞれ0.2W,0.6Wの場合で、銀ナノ粒子固定化ビーズの分散液にレーザ光を1分間照射した。レーザ光のパワーが0.6Wである場合のほうが、レーザ光のパワーが0.2Wである場合に比べて、銀ナノ粒子固定化ビーズを光トラップによって集める効果が高いことが分かる。
図40は、光ピンセットを用いて銀ナノ粒子固定化ビーズを集積することによる効果を説明するための図である。図40(a)は、金属ナノ粒子固定化ビーズが集積化した状態を示した図である。図40(b)は、図40(a)に示されたサンプルのa,bの位置におけるラマン散乱スペクトルおよび長方形の領域(図中、「平均を取る領域」)での平均値を示した図である。位置aは、トラップ用の光が照射された位置である。位置bは、金属ナノ粒子固定化ビーズが集積化した位置である。レーザ光パワーが0.6Wの場合、図40(b)に示されるように、図41(b)の自然乾燥で集積化した銀ナノ粒子固定化ビーズのラマン散乱と同じスペクトル形状のラマン散乱が観測できた。このことから、サンプルの変性なく金属ナノ粒子固定化ビーズを高密度に集めることができることが確認できた。
特に、バブルの表面に対応する、サンプルのbの位置におけるラマン散乱スペクトルのピーク値は30000以上であり、平均値も10000以上である。位置bでの値は、図41(b)に示した、金属ナノ粒子固定化ビーズを分散させた溶液を自然乾燥させたサンプルにおけるラマン散乱スペクトルのピーク値(約7000)に対して4倍以上の値となった。位置aでピーク値が小さくなっているのはレーザ光スポット付近での非常に強い発熱効果や光圧で銀ナノ粒子固定化ビーズが押し除けられて密度が減少したためと考えられる。図40から、光トラップを利用して金属ナノ粒子固定化ビーズを集積化することで、光熱変換の効率を高めることが可能であることが分かる。
また、上記の実施の形態では、光熱変換素子の作製方法および、その応用例として光熱発電と光電変換に関する構成を示した。しかしながら、光熱変換素子による発熱効果の応用分野は、光熱発電あるいは光電変換の分野に限定されるものではない。たとえば、本発明の実施の形態に係る金属ナノ粒子固定化ビーズを熱凝固性材料や熱溶解性材料に含有してもよい。金属ナノ粒子固定化ビーズの分散液に熱凝固性材料を加えた液を基板の表面に塗布し、レーザ光をその熱凝固性材料に照射して熱凝固性材料を凝固させてもよいし、熱溶解性材料を加熱した状態で金属ナノ粒子固定化ビーズを分散した後、冷却して再び凝固させてもよい。
ここでは熱凝固性材料を用いた構成について代表的に説明する。熱凝固性材料は、熱を加えることによって液体から固体へと変化する材料であればよく、特に限定されるものではない。熱凝固性材料は、たとえばタンパク質を含む液体である。ただし熱凝固性材料は、タンパク質に限定されず、たとえば熱硬化性樹脂であってもよい。
図42は、本発明の実施の形態に係る金属ナノ粒子固定化ビーズによる発熱効果を説明した図である。図42を参照して、卵白で希釈した銀ナノ粒子固定化ビーズ溶液に、波長1064nmの赤外レーザ光を照射した。レーザ光の強度は1.0Wであった。レーザ光を銀ナノ粒子固定化ビーズ溶液に照射すると、光トラップによって銀ナノ粒子固定化ビーズが集積する。銀ナノ粒子固定化ビーズの発熱効果によって、卵白が凝固していることが確認できた。卵白の凝固点は75℃〜78℃であるため、レーザ光照射によりこれ以上の温度に達していることが確認できた。
また、銀ナノ粒子固定化ビーズの有無による影響を確認するため、1064nmの赤外レーザ光(レーザ光の強度は1.0W)を、銀ナノ粒子固定化ビーズを含まない卵白に照射した。この場合には卵白は凝固しなかった。これらの実験結果から、図42に示された実験結果は、銀ナノ粒子固定化ビーズの光発熱効果により得られたものであると結論付けることができる。したがって、本発明は、例えば卵白等タンパク質で希釈した金属ナノ粒子固定化ビーズ溶液にレーザ光を照射することによるタンパク質の凝固を利用して、アレルゲンの検出等を行う熱変性タンパク質センサに応用することができる。
凝固した後の熱凝固性材料は、さまざまな方法によって加工することができる。図43は、本発明の実施の形態に係る金属ナノ粒子固定化ビーズを含む熱凝固性材料のレーザ光による加工例を示した図である。なお、ここでは、金属ナノ粒子固定化ビーズとして銀ナノ粒子固定化ビーズを用い、熱凝固性材料として卵白を用いた。図43を参照して、たとえばレーザ光を熱凝固性材料の凝固だけでなく、凝固した熱凝固性材料の切断に用いることができる。したがって、マイクロ加工技術への展開を図ることができる。熱凝固性材料の代わりに、熱溶解性材料を用いれば熱的に溶解させた状態で金属ナノ粒子固定化ビーズを分散させて冷却または凝固させた後、レーザ光照射によって局所的に溶解させて同様のマイクロ加工を行うこともできる。熱溶解性材料としては特に限定されるものではないが、75℃以下で溶解する材料が好ましく、例えば、ゼラチンやプラスチックを用いることができる。
以上のように本発明の実施の形態によれば、金属ナノ粒子固定化ビーズを基板に塗布するだけで光熱変換素子を作製することができる。具体的には、金属ナノ粒子固定化ビーズの分散液を基板に塗布して、分散液を自然蒸発させる。このような製造方法により、低コストで光熱変換素子を製造することが可能である。
また、本発明の実施の形態では、市販の金属ナノ粒子固定化ビーズ分散液を使用した。つまり、金属ナノ粒子固定化ビーズも容易に作製可能である。本発明の実施の形態によれば、この点からも低コストで光熱変換素子を製造することが可能となる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、金ナノ粒子固定化ビーズを含む光熱変換素子の場合、100秒程度の太陽光の照射によって光熱変換素子の温度が50℃以上に達することが実験により確認された。理論的には、同条件で光熱変換素子の温度上昇幅が50.9℃に達する。したがって光熱変換素子を真空の環境内に置かなくとも、光熱変換素子の温度を80℃以上に上昇させることが可能である。ただし、このことは光熱変換素子を真空の環境内に置く場合を排除するものではない。光熱変換素子を真空の環境内に置くことによって、光熱変換素子により発生した熱が光熱変換素子の周囲に逃げることを防ぐことが可能になる。
さらに本発明の実施の形態によれば、光熱変換素子の基板として、ITO−PENフィルムを使用することができる。したがって、光熱変換素子の設置の自由度を高めることができる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、赤外域だけでなく、紫外域および可視域の光も有効的に利用することができる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、金属ナノ粒子固定化ビーズの濃度によって温度制御が可能となる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、金属ナノ粒子固定化ビーズを二層とすることによって、光熱変換効率をより高めることができる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、金属ナノ粒子固定化ビーズを含む分散液にレーザ光を照射することで金属ナノ粒子固定化ビーズを高密度に集積化することができる。また、分散液に熱凝固性材料を加えることで、基板上の分散液にレーザ光を照射して、熱凝固性材料を凝固させることができる。さらに、レーザ光によって、熱凝固した後の熱凝固性材料を加工することができる。この他にも、熱溶解性材料を熱的に溶解させた後、金属ナノ粒子固定化ビーズを分散させて冷却または凝固させた後、レーザ光を照射することで熱溶解性材料を局所的に溶解させることもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、太陽光を熱に変換して利用する光熱発電に利用できる。たとえば本発明は、携帯情報端末(携帯電話、タブレットなど)のコンセントフリー電源、車載機器(カーナビゲーションシステムなどの補機あるいはバッテリー)の補助電源、人工衛星用の太陽光発電装置、住宅の屋根、窓などに設置可能な太陽光発電装置として利用できる。
また、本発明は、熱源あるいは温度制御装置として利用することができる。熱源として利用する場合には、たとえば患部に貼り付けて局所加熱するなどの温熱療法などの医療用途に用いることもできる。この他、温度上昇により触媒活性が増強する触媒にも利用して、化学反応効率を高めることもできる。
また、本発明は、熱凝固性物質の凝固や熱溶解性材料の溶解に用いることができる。これは、たとえば光誘起発熱効果を利用した熱変性タンパク質のマイクロ制御、検出などバイオ・医療関連技術に利用することができる。さらに、凝固した熱凝固性物質をレーザ光で切断することもできる。したがって本発明は微細加工に利用することができる。
1,1A,1B,1D 光熱変換素子、1C 太陽電池/光熱変換素子、2,3 基板、2a,3a PENフィルム、2b,3b ITO膜、4,5 マスキングテープ、6 希釈分散液、6a 領域、6b 水滴、7 塗布面、10 金属ナノ粒子集積構造体、11 ビーズ、12 金属ナノ粒子、12A クラスター、20 熱電変換部、21,21a,21b 高温部、22,23,22a〜22c 低温部、24,24a,24b P型熱電半導体、24h 正孔、25,25a,25b N型熱電半導体、25e 電子、27 ヒートシンク、31a,31b,34a〜34c 電極、32a,32b,33a〜33c,35a〜35c 導電性ペースト、40 光源、41 光、50 負荷、61 酸化チタン、62 増感色素、63 電解質溶液、100〜103 光熱発電装置。

Claims (26)

  1. 複数の金属ナノ粒子が集積されることによって各々が形成された、複数の金属ナノ粒子集積構造体と、
    前記複数の金属ナノ粒子集積構造体が固定された固定面を有する第1の基板とを備える、光熱変換素子。
  2. 前記複数の金属ナノ粒子集積構造体の各々は、前記複数の金属ナノ粒子が固定された表面を有する基材粒子を含む、請求項1に記載の光熱変換素子。
  3. 前記複数の金属ナノ粒子集積構造体の各々を形成する前記金属ナノ粒子は、金ナノ粒子または銀ナノ粒子である、請求項2に記載の光熱変換素子。
  4. 前記第1の基板の前記固定面は、前記複数の金属ナノ粒子集積構造体が密集した領域を形成する、請求項1に記載の光熱変換素子。
  5. 前記第1の基板の前記固定面は、疎水性を有する、請求項4に記載の光熱変換素子。
  6. 前記第1の基板は、前記固定面に透明電極が形成された樹脂フィルムである、請求項4に記載の光熱変換素子。
  7. 前記第1の基板とともに前記複数の金属ナノ粒子集積構造体を挟むように配置された、第2の基板をさらに備え、
    前記第1および第2の基板のうち少なくとも一方は、前記複数の金属ナノ粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を生じさせる光に対して光透過性を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の光熱変換素子。
  8. 前記第1の基板と前記第2の基板との間に、前記複数の金属ナノ粒子集積構造体の複数の層が形成されている、請求項7に記載の光熱変換素子。
  9. 複数の金属ナノ粒子が集積されることにより各々が形成された複数の金属ナノ粒子集積構造体が分散した分散液を準備するステップと、
    第1の基板を準備するステップと、
    前記第1の基板の固定面に前記分散液を塗布するステップと、
    前記第1の基板の前記固定面に前記金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップとを備える、光熱変換素子の製造方法。
  10. 前記第1の基板の前記固定面は、疎水性を有し、
    前記分散液を塗布するステップにおいて、前記分散液を前記第1の基板の前記固定面に滴下する、請求項9に記載の光熱変換素子の製造方法。
  11. 前記金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、前記分散液を自然蒸発させる、請求項10に記載の光熱変換素子の製造方法。
  12. 前記第1の基板を準備するステップにおいて、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムを第1の基板として準備し、
    前記第1の基板の前記固定面は、前記透明電極が形成された前記樹脂フィルムの表面である、請求項9に記載の光熱変換素子の製造方法。
  13. 前記金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、前記分散液にレーザ光を照射して前記金属ナノ粒子集積構造体を集積させる、請求項9に記載の光熱変換素子の製造方法。
  14. 前記分散液は、熱凝固性材料を含み、
    前記金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、前記分散液にレーザ光を照射して前記熱凝固性材料を凝固させる、請求項9に記載の光熱変換素子の製造方法。
  15. 前記分散液は、熱溶解性材料を熱的に溶解させた液体であり、
    前記金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップにおいて、前記分散液にレーザ光を照射して前記金属ナノ粒子集積構造体を集積させて、前記熱溶解性材料を冷却または凝固する、請求項9に記載の光熱変換素子の製造方法。
  16. 前記金属ナノ粒子集積構造体を含む前記熱凝固性材料にレーザ光を照射して、前記熱凝固性材料の形状を加工するステップをさらに備える、請求項14に記載の光熱変換素子の製造方法。
  17. 前記金属ナノ粒子固定化ビーズを含む前記熱溶解性材料にレーザ光を照射して、前記熱溶解性材料の形状を加工するステップをさらに備える、請求項15に記載の光熱変換素子の製造方法。
  18. 前記複数の金属ナノ粒子集積構造体が前記第1の基板および第2の基板によって挟まれるように、前記第2の基板を前記第1の基板に重ねるステップをさらに備え、
    前記第1および第2の基板のうち少なくとも一方は、前記複数の金属ナノ粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を生じさせる光に対して光透過性を有する、請求項9に記載の光熱変換素子の製造方法。
  19. 前記第2の基板を前記第1の基板に重ねるステップに先立って、前記第2の基板の固定面に前記金属ナノ粒子集積構造体を固定するステップをさらに備え、
    前記第2の基板を前記第1の基板に重ねるステップにおいて、前記第1の基板と前記第2の基板とで前記固定面同士を対向させる、請求項14に記載の光熱変換素子の製造方法。
  20. 光熱変換素子と、
    前記光熱変換素子に熱的に接続された熱電変換部とを備え、
    前記光熱変換素子は、
    複数の金属ナノ粒子が集積されることによって各々が形成された、複数の金属ナノ粒子集積構造体と、
    前記複数の金属ナノ粒子集積構造体が固定された固定面を有する第1の基板と、
    前記第1の基板とともに前記複数の金属ナノ粒子集積構造体を挟むように配置された、第2の基板とを含み、
    前記第1および第2の基板のうちの一方の基板は、前記複数の金属ナノ粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を生じさせる光に対して光透過性を有し、かつ前記光を受けるように配置され、
    前記第1および第2の基板のうちの他方の基板は、前記熱電変換部に熱的に接続される、光熱発電装置。
  21. 前記一方の基板は、前記第2の基板であり、
    前記他方の基板は、前記第1の基板であり、
    前記第1および第2の基板の各々は、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムであり、
    前記第1の基板の前記固定面は、前記透明電極が形成された前記樹脂フィルムの表面であり、
    前記固定面と反対側の前記第1の基板の表面が前記熱電変換部に熱的に接続され、
    前記透明電極が形成された表面が前記第1の基板の前記固定面に対向し、前記透明電極が形成された表面と反対側の表面が前記光を受けるように、前記第2の基板が配置される、請求項20に記載の光熱発電装置。
  22. 前記一方の基板は、前記第1の基板であり、
    前記他方の基板は、前記第2の基板であり、
    前記第1および第2の基板の各々は、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムであり、
    前記第1の基板の前記固定面は、前記透明電極が形成された前記樹脂フィルムの表面であり、
    前記固定面と反対側の前記第1の基板の表面が前記光を受け、
    前記透明電極が形成された表面が、前記熱電変換部に熱的かつ電気的に接続され、前記透明電極が形成された表面と反対側の表面が前記第1の基板の前記固定面に対向するように、前記第2の基板が配置される、請求項20に記載の光熱発電装置。
  23. 前記第1の基板と前記第2の基板との間に、前記複数の金属ナノ粒子集積構造体の複数の層が形成されている、請求項20〜22のいずれか1項に記載の光熱発電装置。
  24. 前記光熱変換素子は、色素増感型光電変換素子を含み、
    前記第1および第2の基板の各々は、その一方の表面に透明電極が形成された樹脂フィルムであり、
    前記第1および第2の基板は、前記色素増感型光電変換素子として機能する、請求項20に記載の光熱発電装置。
  25. 前記複数の金属ナノ粒子集積構造体の各々は、前記複数の金属ナノ粒子が固定された表面を有する基材粒子を含み、
    前記基材粒子は、酸化チタン粒子である、請求項20に記載の光熱発電装置。
  26. 請求項9に記載の光熱変換素子の製造方法を利用した、被検出物質の検出方法であって、
    前記分散液は、前記被検出物質として熱凝固性材料、または熱溶解性材料を含み、
    前記分散液にレーザ光を照射して前記分散液を凝固または溶解させることによって前記被検出物質を検出する、被検出物質の検出方法。
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