JP2013254888A - 選択はんだ付けシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル口から噴流する溶融はんだがプリント配線板から離間・離脱する際のピールバックベクトルを可変できるようにすることによって、選択された微細な被はんだ付け領域においても良好なはんだ付け品質を可能にすること。
【解決手段】選択はんだ付けシステムにおいて、ノズル口と被はんだ付けワークの予め決めた所定の領域との相対位置を調節する相対位置調節手段と、前記ノズル口から噴流する溶融はんだの噴流波を前記被はんだ付けワークに対して旋回させる旋回手段とを有し、前記ノズル口から噴流する溶融はんだが前記被はんだ付けワークから離間する際に,前記ノズル口から噴流する溶融はんだの噴流波を前記被はんだ付けワークに対して旋回させて、前記溶融はんだの噴流波が前記被はんだ付けワークから離間する際の前記噴流波のピールバックベクトルを旋回可変しながら離間させるように前記相対位置調節手段及び前記旋回手段を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子部品が搭載されたプリント配線板のような板状の被はんだ付けワークにおいて、予め決めた所定の電子部品の被はんだ付け部を有する領域のみに溶融はんだを供給してはんだ付けを行う選択はんだ付けシステムに関する。
プリント配線板において、その予め決めた所定の領域にのみ溶融はんだを選択的に供給する選択はんだ付け装置としては特許文献1の技術がある。この技術では、「ろう付け槽23」を「ろう付け槽移動機構21」や「ロボット型ろう付け槽移動機構71」により、溶融はんだを噴流する「ノズル66」の「開口69」を直交座標系のX,Y,Z軸上において任意の位置に移動させることができるように構成され、プリント配線板の予め決めた所定の領域に「噴流波W」を接触させて選択的にはんだ付けを行えるように構成されている。
一方で、溶融はんだの噴流波を用いるフローはんだ付け作業においては、ノズル等の口筐体開口から噴流する溶融はんだがプリント配線板から離間・離脱する際のピールバックベクトルが、はんだ付け品質に大きな影響を与える。
特許文献2には、プリント配線板を搬送しながらその下方側の面すなわち被はんだ付け面の全面を、溶融はんだの噴流すなわちフロー波に対して順次に接触させて一括してフローはんだ付けを行う際に、「噴流波形状」を可変することによって、「ピールバックポイントPBP」における「噴流波」の「流下速度νF」と「離間角度θ」を可変してはんだ付けを行う技術が開示されている。
なお、この特許文献2における「噴流波形状」の可変は、噴流する溶融はんだの流れ方向に対する縦断面においてのみ行われ、「ウェーブ案内板22」上に設けた「凸条部材24」の移動によって「噴流波形状」を可変する仕組みである。
特開平10−156527号
特開平7−336038号
予め決めた所定の被はんだ付け部を有する領域すなわち予め決めた所定の被はんだ付け領域のみに溶融はんだを供給してはんだ付けを行う選択はんだ付け技術においては、選択される被はんだ付け領域の面積は小さく、多くのものは幅や長さは数mm程度のもの、または、幅は数mm程度で長さが50mm程度の領域が対象となる。
そのため、溶融はんだの噴流波を形成するノズル等の口筐の開口も小さく、その開口は直径が数mm程度の円形であったり、一辺が数mm程度の四角形のものが用いられている。これは、選択される被はんだ付け領域に隣接して他の表面実装型電子部品や、リフローはんだ付けが完了しているはんだ付け部が存在するからで、目的とする被はんだ付け領域以外に溶融はんだの噴流波が接触しないようにするためである。
一方で、噴流波を用いる選択はんだ付けを行う場合においても、ピールバックベクトルがはんだ付け品質に大きな影響を与える。しかし、特許文献2のように「ウェーブ案内板22」や「凸条部材24」等の「噴流波形状」の可変手段を用いてピールバックベクトルを可変することはできない。すなわち、選択はんだ付けにおいては被はんだ付け領域以外に溶融はんだの噴流波が接触してはならないため噴流波が接触する選択される被はんだ付け領域の外側に「ウェーブ案内板22」や「凸条部材24」のような「噴流波形状」の可変手段を設けることができないからである。
本発明の目的は、ノズル等の口筐に「噴流波形状」を可変する手段が無くても、ノズル等の口筐体開口から噴流する溶融はんだがプリント配線板から離間・離脱する際のピールバックベクトルを可変できるようにすることによって、選択された被はんだ付け領域という限られた範囲内であっても最適にピールバックベクトルを可変し、選択された微細な被はんだ付け領域においても良好なはんだ付け品質を可能にするはんだ付けシステムを実現することにある。
本発明は、噴流すなわち口筐体の開口から流れ出る溶融はんだの流れが形成するフローベクトルを3次元空間内において4軸方向に制御して4次元移動させることによって、プリント配線板等のワークと噴流波とが離間・離脱する際のピールバックベクトルを可変できるようにはんだ付けシステムを構成したところに特徴がある。
(1)本発明は、口筐を備えたはんだ供給装置の前記口筐の開口から噴流する溶融はんだで被はんだ付けワークの予め決めた所定の領域内を選択的にはんだ付けを行う選択はんだ付けシステムにおいて、前記口筐の開口と前記被はんだ付けワークの予め決めた所定の領域との相対位置を調節する相対位置調節手段と、前記記口筐の開口から噴流する溶融はんだの噴流波を前記被はんだ付けワークに対して旋回させる旋回手段と、前記口筐の開口から噴流する溶融はんだが前記被はんだ付けワークから離間する際に,前記口筐の開口から噴流する溶融はんだの噴流波を前記被はんだ付けワークに対して旋回させて、前記溶融はんだの噴流波が前記被はんだ付けワークから離間する際の前記噴流波のピールバックベクトルを旋回可変しながら前記離間させるように前記相対位置調節手段及び前記旋回手段を制御する制御手段と、を有するように構成したことを特徴とする。
(2)また、本発明は、前記口筐がその開口から噴流する溶融はんだが予め決められた方向に指向性を有して流れる構成としたことをさらなる特徴とする。
(3)さらに、本発明は、前記旋回手段が前記口筐を開口周り方向に旋回させる構成としたことをさらなる特徴とする。
(4)また、本発明の前記選択はんだ付けシステムは、前記口筐を垂直方向に対して傾斜させる傾斜手段を有し、前記口筐から噴流する溶融はんだの噴流波が前記傾斜手段によって傾斜された前記口筐の傾斜方向に指向性を有して流れる構成としたことをさらなる特徴とする。
(5)さらに、本発明の前記選択はんだ付けシステムは、互いに傾斜方向の異なる複数の前記傾斜手段を有し、前記旋回手段は前記複数の傾斜手段によって前記口筐の傾斜方向を旋回させるものであることをさらなる特徴とする。
(6)また、本発明はさらに、前記相対位置調節手段が、前記口筐を備えたはんだ供給装置を3次元空間座標上の任意の位置に移動可能であると共に、前記口筐が開口周り方向に旋回するように前記はんだ槽を旋回軸まわりに旋回可能とする旋回機能を有するものであって、前記旋回手段は、前記相対位置調節手段の前記旋回機能を利用したものであることを特徴とする
(7)本発明は、口筐を備えたはんだ供給装置の前記口筐に溶融はんだを供給してこの口筐の開口から噴流する溶融はんだと被はんだ付けワークの予め決めた所定の領域とを前記口筐の開口と前記被はんだ付けワークとの相対位置を調節する相対位置調節手段により接触させて前記予め決めた所定の領域の被はんだ付け領域内のみを選択的にはんだ付けを行う選択はんだ付けシステムにおいて、つぎのように構成することを特徴とする。
すなわち、前記相対位置調節手段は前記口筐の開口位置を3次元空間座標上の任意の位置に移動できると共に前記口筐の開口を旋回させてワイピング(wiping)動作を行うところの旋回制御機能を有する少なくとも4軸制御の相対位置調節手段であり、また前記相対位置調節手段の制御手段であって前記少なくとも4軸の値を時系列的に制御するプログラミングが可能であり、さらに被はんだ付けワークと前記溶融はんだの噴流とが離間する際の前記噴流のピールバックベクトル(p=(v,θ,φ))を可変するための制御ルーチンを有すると共にこのピールバックベクトル制御ルーチンのベクトルに係るパラメータがプログラミング可能に構成された制御手段を有するように前記選択はんだ付けシステムを構成する。
本発明によれば、噴流波が形成するフローベクトルに旋回座標系やチルト軸座標系を加えた4軸制御あるいは5軸制御で4次元移動あるいは5次元移動を可能にすることによって、プリント配線板等のワークと噴流波が離間・離脱する際のピールバックベクトルを広範囲の座標空間において可変できるようになる。したがって、被はんだ付け部にはんだブリッジやアイスクル等の不良を発生することが無くなり、また被はんだ付け部のフィレット形状を制御することもできるようになるので、微小な被はんだ付け領域に溶融はんだを供給する選択はんだ付け技術においても、はんだ付け品質を向上できるようになる。
また、口筐の開口から流下する溶融はんだが予め決められた方向に指向性を有して流れるように構成することによって口筐のみを旋回することでピールバックベクトルの旋回制御が可能になり、ピールバックベクトルの制御動作速度を高速化することができるようになる。後述するが、はんだ槽を旋回制御すれば、口筐の開口から流下する溶融はんだの水平面(X-Y平面)内フローベクトルが無指向性であっても良い。
さらに、口筐をチルト可能に設けてチルトベクトル(チルト方向とチルト速度)を制御することによって、噴流波のフローベクトルを制御することが可能となり、ひいてはピールバックベクトルを制御することが可能になる。
そして、ピールバックベクトルのツイストモード,オシレーションモード,スピンモード,スパイラルモードを備えることにより、座標空間内の広い範囲においてピールバックベクトルを容易に可変することができるようになる。
本発明の選択はんだ付けシステムを説明するための全体構成を示す図である。 ピールバックベクトルを説明するための図である。 本発明の選択はんだ付けシステムの構成を説明するための図である。 本発明の選択はんだ付けシステムの構成を説明するための図である。 本発明のノズル体のチルト機構を説明するための図である。 チルトノズル体の旋回作用を説明するための図である。 本発明の作動例を説明するための図である。 本発明の作動例を説明するための図である。 本発明の制御処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の制御処理の一例を示すフローチャートである。
次に、本発明の選択はんだ付けシステムを実際上どのように実施できるかを図面を参照して形態例を説明する。
(1)システム構成例
図1は、選択はんだ付けシステムの例を説明する全体の側断面図で、制御系はシンボル図で描いてある。
図1において、この選択はんだ付けシステムは、左側からフラックス塗布工程、予備加熱工程、第1の選択はんだ付け工程、第2の選択はんだ付け工程、から構成されている。すなわち、選択はんだ付け工程を2つの工程に分割して設け、それぞれの工程において選択はんだ付けを行う被はんだ付け部や被はんだ付け領域の作業分担を行っている。なお、本発明においては、後述するようにはんだ付け工程にも予備加熱用のヒータ315a,bを備えているので、予備加熱工程は必ずしも必要な工程ではない。
そして、各工程にはモータ302a,b,c,d(M1〜M4)によって駆動されるフリーフロー型のコンベア301a,b,c,dを設けてあり、このフリーフローコンベアを4連に設けることで搬入口305から搬入された被はんだ付けワークとなるプリント配線板307が順次に前記各工程に搬送・移送されて選択はんだ付けが行われ、搬出口306から搬出される。また、フリーフローコンベア301a,b,c,d上を搬送・移送されるプリント配線板307の位置は各ストッパ303a,b,c,d(d1〜d4)で規制され、センサ304a,b,c,d(Se1〜Se4)でプリント配線板307の有無が検出される。
すなわち、フリーフローコンベア301a,b,c,dはプリント配線板307を搬送・移送すると共に、フラックス塗布作業や選択はんだ付けを行う際には、プリント配線板307を所定の空間座標上の位置に固定する役目を有する。
フラックス塗布工程は、フラックス射出ノズル309をX-Yロボット(X-Yステージ)等の2軸ロボット310に設けてあり、フラックス射出ノズル309とプリント配線板307との相対距離を予め決めた所定の値(例えば20mm程度)に維持したまま、プリント配線板307上の任意の平面座標位置にフラックス射出ノズル309が対向して位置することができるよう構成してある。
そして、フラックス射出ノズル309にはフラックス供給装置308が設けてあり、フラックス射出ノズル309が予め決められた所定の座標に位置した時すなわちプリント配線板307の被はんだ付け部に対向して位置した時にフラックスを供給し、フラックス射出ノズル309からフラックスを射出して被はんだ付け部に塗布する仕組みである。また、フラックスを射出しながらフラックス射出ノズル309をプリント配線板307に対向した状態で移動させ、隣接して並ぶ多数の被はんだ付け部すなわち被はんだ付け領域に連続してフラックスを供給して選択フラックス塗布を行うことができる。
予備加熱工程には温度センサ312と温度制御装置313によって制御されたヒータ311を設けてあり、プリント配線板307の全面(図の下方側の面)を一括加熱する構成である。ヒータ311は赤外線ヒータや熱風ヒータさらにはそれらを併用したヒータが用いられ、温度制御装置313によって赤外線ヒータの表面温度や熱風温度を調節し制御することができるように構成してある。
ここで注意を要する事項は、既にリフローはんだ付けが完了したプリント配線板にコネクタ等リード端子型電子部品の選択はんだ付けを行う場合に、リフローはんだ付けが行われた電子部品やリフローはんだ付けが完了したはんだ付け部を加熱するとそれらに熱ストレスを与えることになり、プリント配線板ひいてはこのプリント配線板が搭載される電子装置の信頼性を低下させる事である。
続いてはんだ付け工程では2機のはんだ供給装置すなわち第1のはんだ供給装置317aと第2のはんだ供給装置317bがそれぞれX,Y,Z軸方向及びZ軸を中心として回転可能に移動できる4軸ロボット(X-Y-Z-θロボット)318a,bに設けられ、はんだ供給装置317a,bの口筐の開口となるノズル体のノズル口316a,bの位置ひいては噴流波の位置をX,Y,Z軸方向の3次元空間座標上の任意の位置に配置し移動させることができると共に、Z軸すなわち垂直軸周りに旋回(旋回座標θ)させることが可能であり、フローベクトルひいてはピールバックベクトルp=(v,θ,φ)を任意の方向に移動させることができるように構成されている。
すなわち、フリーフローコンベア301c,dで搬送され位置固定されているプリント配線板307の任意の被はんだ付け部やはんだ付け領域に溶融はんだの噴流波を接触させ、さらにこの接触状態を維持したまま噴流波をプリント配線板307上で移動させ、隣接して並ぶ多数の被はんだ付け部すなわち被はんだ付け領域に連続して溶融はんだを供給して選択はんだ付けを行うことができる。
そしてこの選択はんだ付けを行っている際に、4軸ロボット(X-Y-Z-θロボット)318a,bの各軸パラメータを制御することにより、プリント配線板から噴流波が離脱する際のピールバックベクトル(球座標:p=(v,θ,φ))を制御することができる。
はんだ供給装置の構成については後で詳細に説明する。
制御装置320は、コンピュータシステムで構成され、入出力ポートを介して外部機器との通信を行って外部機器の状態を認識すると共に外部機器の作動を制御する。この場合において、モータM1〜M4やストッパd1〜d4等の電力機器は、インバータや電力駆動回路等からなる駆動装置を介して駆動される。なお、液晶表示パネルやキーボード、マウス等々のマンマシンインターフエースを介してコンピュータシステムに命令を与えコンピュータシステムからの返答を得る。
そして、はんだ付け工程の4軸ロボットやフラックス塗布工程の2軸ロボットとの通信と制御、各フリーフローコンベアの各ストッパd1〜d4の固定/開放の制御やセンサSe1〜Se4によるプリント配線板の有無検出、各フリーフローコンベアのモータの運転/停止の制御、各はんだ供給装置のノズル体の先端近傍位置に設けたプリント配線板加熱用ヒータの点灯/消灯制御や発熱量制御(加熱量制御)、フラックス供給装置のフラックス供給/停止の制御(単位時間当たり流量制御を含む)、図示はしていないが溶融はんだ供給ポンプの回転速度制御(ひいては溶融はんだのノズル体への供給圧力の制御)、等々がコンピュータシステムで制御される。
なお、コンピュータシステムの入出力ポートの仕様は規格化されているので、例えばPCIポートを利用した各種I/Oポート,LANポートやUSBポート等を介してデータやソフトウェアの入出力を行うことができる。
(2)ピールバックベクトルについて
図2は、ピールバックベクトルを説明する図で、(a)はX-Y-Z直交座標系上に表した球座標系の斜視図、(b)は(a)のX-Z平面を示す図、(c)は(a)のX-Y平面を示す図、である。
すなわち、プリント配線板307の被はんだ付け領域307aをX軸方向に速度Fで移動する噴流波7の接触部分7aが該プリント配線板から離脱するピールバックポイントPBPにおける噴流波の離脱方向pのベクトルつまりピールバックベクトルp=(v,θ,φ)を説明する図である。なお、p=(v,θ,φ)はピールバックベクトルを容易に理解するための球座標表現であり、ピールバックベクトルpが速度の大きさがv,X-Y平面におけるX軸からの角度がθ,X-Z平面におけるZ軸からの角度がφであることを表している。
つまり、ピールバックベクトルp=(v,θ,φ)を可変するということは、速度v,角度θ,角度φを可変するということである。そして、このピールバックベクトルp=(v,θ,φ)は、X-Y-Z直交座標系上の任意の空間に配置されると共に連続して移動する態様で配置される。
なお、球座標系p=(v,θ,φ)を用いたベクトル表現をX-Y-Z直交座標系で表すと、以下の式(1),式(2),式(3)のように表せると共に相互変換が可能である。
X=v sinφ cosθ 式(1)
Y=v sinφ sinθ 式(2)
Z=v cosφ 式(3)
すなわち、原点Oから座標(X,Y,Z)に伸びるベクトルとして表現され変換される。
一方で、ピールバックベクトルpは図2(a)のプリント配線板307の下方側の面の領域に存在し、原点Oに存在する被はんだ付け部すなわち被はんだ付け領域307a内の被はんだ付け部から、噴流波7から供給された溶融はんだが離脱する際の速度と方向でピールバックベクトルpが表される。すなわち、図2においては座標原点OがPBPに等しく描いてある。
被はんだ付け部は、例えばZ軸に存在するリード部品と原点に存在するプリント配線板上のはんだ付けランドである。
ノズル体5によって形成される噴流波7のフローベクトルは、噴流波7がプリント配線板307に接触していない場合にはその流線方向に等しく、噴流波表面では噴流波形状に沿った方向を示すが、噴流波7がプリント配線板307に接触するとその噴流波形状が変化するため、フローベクトルも変化する。そして、プリント配線板307との接触領域7aではプリント配線板307の板面に沿った方向と速度を示し、プリント配線板307から離脱した領域では噴流波形状に沿った方向と速度を示す。
また、前記のプリント配線板307の板面に沿ったフローベクトルと噴流波形状に沿ったフローベクトルとの境界部分(離間部分)にピールバックベクトルが発生し、フローベクトルよりもややZ軸方向(図2(a)の下方側)寄りに存在する。これはピールバックポイントPBPにおいて重力ベクトルが作用するからである。
そして、プリント配線板307に噴流波7を深く接触させる程ピールバックベクトルはX-Y平面に近づき、浅く接触させる程ピールバックベクトルはX-Y平面から遠ざかる。さらにノズル口上の噴流波はX軸方向に速度Fで移動するので、この移動ベクトルとの合成ベクトルがピールバックポイントPBPにおけるピールバックベクトルになる。またさらに、はんだ供給装置を4軸(X-Y-Z-θ)ロボット上でZ軸を中心としてθ方向に旋回させると、この旋回ベクトルとの合成がピールバックベクトルになる。
なお、噴流波の流れが予め決めた所定の方向に流れる指向性を有するように噴流波を構成しておけば、はんだ供給装置を旋回させただけでフローベクトルはその旋回した方向に向きを変えその状態を維持する。すなわち、旋回時の旋回ベクトルだけではなく、旋回後においても旋回によって移動した向きを維持する。
また、図2(a)においてZ軸の近傍に一点鎖線で描いた軸はノズル体のチルト(tilt)を表している。すなわち、ノズル体がチルトするとそのノズル口はチルト方向に移動すると共にチルト方向に傾き、チルト方向のベクトルをピールバックベクトルに与えることができるようになる。また、チルト方向にノズル口が傾くので、このチルト方向に多くの溶融はんだが流れるようになり、フローベクトルもチルト方向へ向きを変えると共にチルト方向の速度が大きくなる。
(3)はんだ供給装置とそのバリエーション
続いて、図3を用いて図1で説明した選択はんだ付けシステムに用いられるはんだ供給装置の詳細構成を説明する。
図1、図3のはんだ供給装置は、はんだ槽の溶融はんだを口筐(ノズル体)の開口(ノズル口)から噴流させて噴流波を形成し、このはんだ供給装置を4軸ロボット等の相対位置調節装置で保持して、この噴流波を被はんだ付けワークの所定の領域と接触させてこの所定の領域内のみを選択的にはんだ付けするものである。
図3は、プリント配線板へ溶融はんだを供給するはんだ供給装置を説明する図で、(a)はその縦断面を示す図、(b)は噴流波の流れに一方向の指向性を与える口筐としての円筒状ノズル体の例を示す斜視図、(c)は噴流波の流れに二方向の指向性を与える口筐としての円筒状ノズル体の例を示す斜視図、(d)は噴流波の流れに一方向の指向性を与える口筐としての角状ノズル体の例を示す斜視図、(e)は噴流波の流れに一方向の指向性を与える口筐としての屈曲ノズル体の例を示す斜視図、である。なお、これらの図において温度制御装置や窒素ガス供給装置はシンボル図で描いてある。
すなわち、はんだ槽1内にはヒータ16により加熱されて溶融状態のはんだ13が収容されていて、この溶融はんだ13をポンプ25によりノズル体5へ供給してノズル口6から溶融はんだを溢流・噴流させて噴流波7をノズル上に形成する。4は溶融はんだの流れを案内するチャンバ体、29はポンプケーシングであり、30は吸い込み口である。なお、溶融はんだ13の温度は、温度センサ14の温度検出結果を温度制御装置15が参照し、これがヒータ16に供給する電力を調節することにより予め決めた所定の温度に維持される。また、ポンプ25の種類としては、遠心力型の回転ポンプやスパイラル羽根を用いた回転ポンプ、さらには誘導型電磁ポンプ等々がある。
そして、図3の例では、回転ポンプ25をモータ22により回転駆動する例を示しており、モータ軸23に設けたプーリ24とポンプ軸26に設けたプーリ27とにベルト28を掛け渡して伝動する例を示していて、モータ22の回転速度はインバータ等の速度制御装置21(図4参照)により制御する仕組みである。
ノズル体5の形状はパイプ状で、通常は開口の大きさが数mm〜10数mm程度のパイプが用いられる。ノズルの横断面形状としては(b)(c)のように円形のものが使用される場合が多いが、楕円形であったり(d)のように四角形であったり多角形や不定形の場合もある。
ノズル体5のノズル口6が水平の円形に構成されていれば、ノズル口から噴流した溶融はんだは何れの方向にも流れて無指向性の噴流波を形成するが、(b)(c)(d)のようにノズル口に案内凹部6a,bのような変形部分を形成すると、この部分へ向けて溶融はんだが流れ易くなってその流れに指向性を有する噴流波を形成することができるようになる。しかも(c)のように2つの案内凹部6a,bを設けてその大きさが相違するように構成すれば、主指向性と副指向性との複数の指向性を有する噴流波を形成することができる。
また、(e)のようにノズル体を屈曲や湾曲させれば、ノズル体内を流れる溶融はんだにはこの屈曲や湾曲に沿ったベクトルが付与され、そのノズル口6から噴流する溶融はんだに指向性を与え、(b)〜(d)のような凹部を設けることなく一方向へ流れる噴流波を形成することができる。ここで最も重要な技術的事項は、開口から噴流するはんだが既に一方向へ向かって流れるベクトルを有しているという事項であり、これによって形成される噴流波は(b)の噴流波とは異なるという事項である。
このようなノズル体を口筐として備えたはんだ供給装置をZ軸周りに旋回移動可能な4軸ロボット等の相対位置調節装置によってノズル体のノズル口の略中心位置をとおる垂直線を中心として旋回移動させることにより、このノズル口から指向性を持って噴流する噴流波の流れの方向を変化させることができる。
なお、図3(a)に示すノズル体5はチャンバ体4に回転可能に嵌め合わされ、旋回用歯車9でθ座標の方向(Z軸を旋回軸とする方向)に旋回駆動可能に構成してある。図4は、この旋回用歯車を駆動する駆動系を説明する図で、(a)は図3(a)の横断面図、(b)は(a)の平面図である。
すなわち、旋回駆動用モータ33からプーリ34、ベルト37、プーリ35を介して回転駆動される駆動用歯車36からの回転駆動力がノズル体5に設けられた旋回用歯車9を駆動し、ノズル体5をθ方向に旋回または回転させる仕組みである。
したがって、図3(b)(c)(e)のように構成されたノズル体をθ方向に旋回または回転させれば、噴流の流れに指向性を有する噴流波を回転または旋回させることが可能となり、フローベクトルを旋回または回転させることができる。ひいては、ピールバックベクトルを旋回または回転させることができる。また、図3(d)のノズル体においてもノズル体の基部を円柱状としておけば、図3(b)(c)(e)のノズル体と同様にθ方向に旋回または回転させることができる。
なお、図3(e)において管状ノズル体基点の中心軸5aとそノズル口6の中心6cとを一致させるように構成すれば、ノズル体のθ方向の旋回によってもその開口のX-Y座標が変化すことはない。しかし、管状ノズル体基点の中心軸5aとそのノズル口6の中心6cとを相違させれば、後述の(5)で説明するようなワイピング作用を有するように構成できる。 この、ノズル体の旋回/回転機構は、図1の4軸(X-Y-Z-θ)ロボットを用いる場合には不要であるが、このノズル体の旋回/回転機構を用いた方が比較的に早い速度で旋回ベクトルまたは回転ベクトルを発生させることが可能になる。
また、このはんだ供給装置のノズル体の旋回/回転機構を用いる場合には、4軸(X-Y-Z-θ)ロボットではなく旋回軸の無い3軸(X-Y-Z)ロボットを使用することができる。そして、ノズル体の旋回/回転を制御するために、制御装置からの旋回制御信号によってはんだ供給装置の旋回駆動用モータ33を駆動すれば良い。そして、この駆動にはサーボ制御を用いて旋回角/回転角度が制御できるように構成する。
もちろん、図1の4軸(X-Y-Z-θ)ロボットと図3、図4のようにノズル体の旋回/回転を可能にしたはんだ供給装置とを併用して構成しても良い。
また、本発明では、ノズル体の形状は図3に示したものに限らず、ノズル口から噴流する溶融はんだの流れに指向性をもたせることができるようにノズル体開口の周囲構造を変形した種々の構成のものを用いることができる。
一方で、はんだ槽1にはその液面13aを覆うカバー体2が設けられ、さらにこのカバー体2と連結される態様でノズル体5の周囲をホーン状に覆う窒素ガスガイド3が設けられている。さらに、窒素ガス供給手段17(窒素ガスポンベ,窒素ガス発生装置)から供給される窒素ガスを、流量調節弁18と流量計19を介して前記カバー体2と溶融はんだ液面13aとが形成する空間へ供給し、窒素ガスガイド3によってノズル体5のノズル口6方向へ窒素ガス20の流れを形成する。したがって、はんだ槽1内の溶融はんだ液面13aとノズル体5のノズル口6に形成される噴流波7の周囲に低酸素濃度の不活性ガス雰囲気が形成され、溶融はんだの酸化を防止すると共に溶融はんだの流動性を良好に保っている。
また、窒素ガスガイド3の上方側であって、ノズル体5の先端位置近傍には平面形状がリング状の反射板10が設けられ、この反射板10の上にリング状のヒータ12が数箇所のヒータガイド11に支持されて空中保持され、ノズル体5を周回するように設けられている。ヒータ12はどのようなヒータでも使用可能であるが、ハロゲンヒータやカーボンヒータ等のように電力供給後に数秒で通常加熱状態に到達する瞬時点灯ヒータが適している。もちろん、シースヒータやセラミックヒータ等でも使用可能である。
そして、このヒータ12には温度制御装置31などの供給電力調節手段が設けられ、ヒータに供給する電力ひいては発熱量の調節が可能に構成されている。また、ヒータ表面に温度センサ32を設けてその表面温度が予め決めた所定の温度に維持さるように構成されている。
このように構成することにより、ノズル体5のノズル口6に形成される噴流波7をプリント配線板上で移動させながら複数の被はんだ付け部すなわち被はんだ付け領域を連続して選択はんだ付けを行う場合に、溶融はんだが被はんだ付け部に接触する直前に該部をヒータによって加熱することができるようになり、濡れ性の良好なはんだ付けを行うことができるようになると共にプリント配線板や電子部品に対する熱ストレスを緩和することができるようになる。
しかも、被はんだ付け部や被はんだ付け領域以外の不必要な部位や領域の加熱が殆ど発生せず、選択はんだ付けを行う電子部品以外の電子部品やリフローはんだ付け等によりはんだ付けが既に完了している部分を不必要に加熱することがなくなり、選択はんだ付けによって発生するプリント配線板の信頼性低下を最小化することができるようになる。
(4)チルト座標を有するはんだ供給装置
図5は、はんだ供給装置のノズル体をチルトさせる構成例を示す図であり、図5(a)は図4(a)のチャンバ体4とノズル体5の要部を抜粋して示したものである。また、図5(b)はノズル体をチルトさせるための駆動構成を説明する図、図5(c)はノズル体が垂直方向に位置している場合にノズル口から流れ出る溶融はんだの様子すなわち噴流波の形状を表す図、図5(d)はノズル体がチルトして傾いている場合にノズル口から流れ出る溶融はんだの様子すなわち噴流波の形状を表す図、である。
すなわち、ノズル体5とチャンバ体4との嵌め合わせ部分のチャンバ体4側にリング状の鍔8を設けて、ノズル体5がこの鍔部8を中心にしてチルトできるように構成した例である。
また、ノズル体5は図5(a)および図5(b)に示すように回動軸とリンク板を介してX軸アクチュエータとY軸アクチュエータとからそれぞれX軸方向とY軸方向にチルト駆動され、両アクチュエータによりX-Y平面の任意の方向にチルトできるように構成してある。X軸アクチュエータ40が軸方向に伸縮することによってノズル体5はリンク板41a,b及び回動軸42a,bを介してX軸方向にチルト駆動される。このときノズル体5とリンク板41aとの結合箇所がY軸方向及びZ軸方向に変位しても回動軸42a,bによって連結が保たれる。Y軸方向についても同様に、Y軸アクチュエータ43が軸方向に伸縮することによってノズル体5はリンク板44a,b及び回動軸45a,bを介してY軸方向にチルト駆動される。なお、このアクチュエータの駆動はサーボ制御で行い、図示はしないがこのサーボ駆動装置は図1の制御装置から制御する。
また、このX軸アクチュエータおよびY軸アクチュエータははんだ槽またはカバー体に設けられた支持部に固定支持される。
そして、図5(c)のように溶融はんだの流れに指向性が無い無指向性の噴流波7も、ノズル体がチルトすれば図5(d)のようにチルトした方向側への指向性を有する噴流波7を形成できる。したがって、ノズル体5のチルトによりフローベクトルは大きく変わり、噴流波とプリント配線板との接触により形成されるピールバックベクトルも大きく可変することができる。
すなわち、チルトはX-Y平面内においてあらゆる方向へ可能であるので、このあらゆる方向に噴流波の指向性を可変できる。これは、図3(b)や図3(d)(e)に例示するノズル体を旋回させた場合と同様に作用する。
したがって、ピールバックベクトルを旋回させる手段としてはノズル体を旋回させてもノズル体をチルトさせても同様に作用させることができる。もちろん、図3(c)に例示するノズル体を同様に用いることもできる。
このように、図5の例ではノズル体のチルト用の制御座標X-Yを有するので、この2軸の制御座標が加わり、図1に例示した4軸ロボット(X-Y-Z-θ)にさらに2つの制御軸が加わるので6軸制御に相当するものということになる。
しかし、チルト座標のみの制御を行ってθ軸の制御を行わない場合、またはチルト用の制御座標をX軸またはY軸のみとした場合には5軸制御が可能である。なお、チルト用の制御軸がX軸またはY軸のみの1軸であっても、図5(d)のように指向性を有する噴流波を形成することができるので、ピールバックベクトルの可変が可能である。この場合、図3に示されたノズル体を備えたはんだ供給装置を4軸ロボットによって相対位置の調節と旋回制御とを行った場合と同様に扱うことができる。
なお、チルト角は後述の(5)で説明するように2〜10°程度の範囲内で定めることが望まれる。また、チルトによって生じるノズル口の位置偏差ΔX,ΔY,ΔZは、チルト支点である鍔からリンク板までの長さをL1,リンク板からノズル口までの長さをL2,アクチュエータの偏移量をそれぞれdxおよびdyとすると概ね、
ΔX={(L1x+L2x)/L1x}dx 式(4)
ΔY={(L1y+L2y)/L1y}dy 式(5)
となる。
なお、L1x+L2x=L1y+L2yであり鍔からノズル口までの長さを表していて、これをLと表せば
L=L1x+L2x=L1y+L2y 式(6)
であるから、式(4)(5)は
ΔX=(L/L1x)dx 式(7)
ΔY=(L/L1y)dy 式(8)
となり、式(7)式(8)でΔX,ΔYが求まる。
一方で、ΔZは概ね
ΔZ=−L(1−cosγx・cosγy) 式(9)
で求まる。
ここでγxとγyはノズル体のX軸方向のチルト角とY軸方向のチルト角を表していて、
cosγx=(L−ΔX1/2/L 式(10)
cosγy=(L−ΔY1/2/L 式(11)
で概ね与えられる。
なお、以上の説明においてL1x等記載の添え字xやyは、それぞれX軸駆動系に係る寸法およびY軸駆動系に係る寸法であることを示している。
したがって、チルトに係る座標補正を行う場合には式(7)(8)(9)を算出すればよい。すなわち、X-Y-Z-θロボットを制御する際にこの座標補正計算を制御プログラム中に組み込むことによって正確な座標制御を行うことが可能になる。
(5)チルトノズル体の旋回座標を有するはんだ供給装置
図6は、垂直軸であるZ軸に対して予め角度γだけノズル体をチルトさせて設けて、このノズル体を旋回軸αで旋回させる構成例を示す図であり、図6(a)はX-Y平面で見たノズル口の旋回の様子を説明する図、図6(b)はX-Z平面で見たノズル体の旋回の様子を説明する図、である。
この例は、先の(4)の例とは異なり、Z軸に対して角度γだけチルトしたノズル体5をノズル体の基点5bから伸びるZ軸を回動中心として回動・旋回させるように構成した例で、回動させるための構成は図3(a)および図4(a)(b)の構成と同じである。この場合のノズル体の構成としては、ノズル体5のチャンバ体4と勘合しない上部を基点5bとしてそこから上の部分を傾斜させた構成としている(図4)。また、別の例としては、ノズル体5はノズル体の基点5b(鍔8)の位置で角度γだけチルトさせて旋回用歯車9に固定される。なお、X軸アクチュエータとY軸アクチュエータとを連動して伸縮させることによってノズル体に首振り運動のような回転・旋回運動を行わせてもよい。
この例では、ノズル体5が予めチルトしているので、ノズル口6から噴流する溶融はんだはチルト方向に流れ易くなるという基本特性(指向特性)を有している。また、ノズル体5の中を通って供給される溶融はんだもチルト方向へ流れており、予め放物線状の流線が形成されるように溶融はんだが噴流し挙動する。この技術事項は、フローはんだ付け品質を規定する噴流波形成にとって、極めて重要な技術事項である。
図6(a)に例示するように、ノズル体の回転・旋回によってノズル口の中心は6dで示される円形の軌跡すなわち旋回軸αを通るように挙動する。また、溶融はんだの流れ、ひいては噴流波の流れ方向が向かう点(指向点)7bの軌跡βも7cで示される円形に旋回することになる。したがって、噴流波7ひいてはそのフローベクトルがこのベクトルと交差する方向(横方向)へ移動するところのワイピング(wiping)するように矢印6e方向へ挙動し、その際の指向点は円形の軌跡を示す。
また、このワイピングは、被はんだ付けワークすなわちプリント配線板から見れば噴流波が振り切られるように挙動し、したがってピールバックベクトルも、被はんだ付け領域内の被はんだ付け部から溶融はんだを振り切るように大きな半径で円形を描いて挙動し、被はんだ付け領域内の被はんだ付け部から溶融はんだが離間・離脱する際のいわゆる"はんだ切れ"性が格段に向上するワイピング作用として効果が得られる。
"はんだ切れ"性とは、溶融はんだが有する表面張力によってはんだブリッジ現象を生じようとする挙動や被はんだ付け部に多量の溶融はんだを残そうとする挙動を抑制する性向のことで、したがって、"はんだ切れ"性が向上すれば、はんだブリッジ現象を解消し、さらにフィレット形状も改善できるように作用する。
チルト角γは2〜10°程度で好適な放物線フローベクトルが形成されることを確認しており、ノズル口の大きさがφ30mm以下であればこの程度の角度で良い。しかしながら、ノズル体の長さによってワイピング範囲やワイピング速度が変わるので、ノズル体が長くなってワイピング速度が上昇した際に噴流波の飛散を生じないように、ノズル体の回動・旋回速度を選択する。
なお、ワイピング作用は、図3や図4に例示するノズル体の中心軸線とノズル体の回動・旋回軸が一致している場合(図示省略)にも発動するが、その作用力は極めて小さくほとんど無い。図6のようにノズル口の中心が円形の軌跡を示して回動・旋回する際に大きな作用力を発揮する。この場合に具体的には、4軸ロボットのθ方向の旋回の中心をノズル体の回動・旋回軸と一致させることによって実現できる。
したがって、ノズル体をチルトさせるのではなく、ノズル体の中心軸とノズル体の回動・旋回軸とを相違させた偏芯軸としても、ノズル口の中心が円形の軌跡を示して回動・旋回し、大きなワイピング作用力が発動する。しかし、ノズル体の中を流れた後にノズル口に到達して噴流し、続いて噴流波を形成した溶融はんだが流下することによって形成されるところの放物線状のフローベクトルを有する噴流波を形成することはできない事項が相違する。
この偏心軸を構成して有効なワイピング作用を得るためには、ノズル口の大きさの概ね20%以上の偏芯が必要であり、例えば円形でφ10mmのノズル体であれば2mm以上の偏芯量が好適である。ノズル口の形状が四角形の場合は対角線の長さの20%以上の偏芯とすれば良い。
したがって、ワイピング作用を有効に発動させるための先に説明したチルト角γは、ノズル口が回動・旋回する際の中心軸がノズル口面と交差する点とノズル口の中心との相違量が、前述のようにノズル口の大きさの概ね20%以上の偏芯となるように定められる。
そして、偏芯量を求める際の基準となる前記ノズル口の中心は、ノズル口の(平面図形としての)平面形状における重心位置になる。すなわち、通常はこの重心位置において噴流波の高さが最も高くなる(はんだ波頭)。
なお、ノズル口の回動・旋回速度がワイピング速度を規定するので、この速度は噴流波の飛散を生じない範囲にプログラムして制御する必要がある。
一方で、このチルトノズル体の場合はチルト角γが固定であり、ノズル体が回動・旋回する際の軸線が通る基点からのノズル口の位置偏差量Δxyも一定である。但し、偏移方向は回動・旋回方向へX-Y平面上で移動し、この回動・旋回によってZ軸方向の偏差が発生することはない。すなわち、ノズル口中心の旋回軌跡上に偏差は存在し、この円周上に存在する。
したがって、ノズル体の基点を通る軸線からのノズル口の中心の偏差量ΔX,ΔYは次式(12)(13)で与えられる。
ΔX=Δxy・cosθ 式(12)
ΔY=Δxy・sinθ 式(13)
但し、θはX軸に対する回動・旋回角(図2を参照)
すなわち、X-Y-Z-θロボットを制御する際にこの座標補正計算を制御プログラム中に組み込むことによって正確な座標制御を行うことが可能になる。但し、ワイピング開始位置の座標補正は必要であるが、ワイピング動作中の座標補正は行わない。ワイピングはノズル口の回動旋回によって実現するからである。
(6)作動例
図7は、本発明の作動例を説明する図で、(a)(b)はプリント配線板の板面すなわちX-Y平面を示し、(a)はノズル口ひいては噴流波の進行方向FとピールバックベクトルPが逆向きの例、(b)はノズル口ひいては噴流波の進行方向FとピールバックベクトルPが同じ向きの例、(c)は(b)をX-Z平面で見たピールバックベクトルを説明する図、である。
また、図7において実線Fはノズル口ひいては噴流波の移動ベクトルを表し、点線は噴流波の流れ方向が向かう指向方向の点(指向点)7bの軌跡を表し、点線上に記載した矢印はピールバックベクトルの方向を示している。なお、7aは噴流波の接触部分である。
図7(a)の例では、さらに被はんだ付け領域内307aの被はんだ付け部307bの位置に応じてはんだ供給装置あるいはノズル体をツイストあるいはチルトさせ、溶融はんだの供給量が多くなりかつはんだブリッジも発生し難いように噴流波の指向点7bを可変している。すなわち、ピールバックベクトルを可変している。
特に図7(b)の例では、被はんだ付け領域307aの最終的な被はんだ付け部から噴流波が離脱する際にノズル口をX-Y平面内において特定の1つの被はんだ付け部側へ移動方向を変え、さらに図7(c)に示すようにノズル口もZ軸方向に併せて下降させている。
そのため、図7(b)(c)の例では、被はんだ付け領域307aの最終的な被はんだ付け部から噴流波が離脱する際に、2つ並んだ被はんだ付け部のうちの一方の被はんだ付け部307c側の特に下方側へ向けてピールバックベクトルが大きく変化/可変され、これら2つ並んだ被はんだ付け部間にはんだブリッジを生じ難くなる。
このように、被はんだ付け領域内の被はんだ付け部の形状,大きさ,分布状態等に合わせて、はんだ付け品質が最良となるようにピールバックベクトルを可変させ、選択はんだ付けを行うことができるようになる。
なお、図7(a)と図7(b)の相違点は、噴流波の指向点の位置ひいては被はんだ付け領域内の被はんだ付け部におけるピールバックベクトルの方向にあり、(a)はリード部品が太い場合や被はんだ付け部の面積が大きい場合に特に有効であり、フィレット形状を比較的に大きくできる。(b)は被はんだ付け部の面積小さくまた隣接していてはんだブリッジを生じやすい場合に特に有効で、はんだブリッジを発生させようとする溶融はんだの表面張力に対する切断力が大きく、フィレット形状も良好である。
このように、噴流波の座標を4軸(X-Y-Z-θ)ロボットにより制御することによって、プリント配線板から噴流波が離脱する際のピールバックベクトルを可変することができるようになり、被はんだ付け領域内の被はんだ付け部の状態に応じて、すなわち選択はんだ付けを行う領域内の実装状態に応じて、最適なはんだ付けを行うことが可能になる。
また、図8は、噴流波の座標制御を幾つかの種類にモードとしてまとめたもので、(a)はツイストモードおよびオシレーションモードを説明する図、(b)はスピンモードおよびスパイラルモードを説明する図、(c)はターンツイストモードを説明する図、である。なお、図8においては、X-Y平面の座標すなわちプリント配線板の板面に沿った座標のみを表している。
図8(a)に示すように、ピールバックベクトルの方向をθ座標軸を中心にしてひねるモードがツイストモードであり、このツイストを繰り返すのがオシレーションモードである。ツイスト動作やオシレーション動作の速度は噴流波の移動速度やこの移動に伴う被はんだ付け領域内の実装状態の変化の分布に合わせて決める。
また、図8(b)のように、ピールバックベクトルの方向をθ座標軸を中心にして回転させるモードがスピンモードであり、溶融はんだの供給性が求められる場合に有効である。すなわち、被はんだ付け領域内の被はんだ付け部の構造が、凹凸の深い谷部に位置しているような場合、例えばプリント配線板上において高さの高いチップ型電子部品が搭載され、その底部側にのみ被はんだ付け部が存在して溶融はんだの供給が難しい場合等に、あらゆる方向にピールバックベクトルを発生させることができるので、溶融はんだの供給性を高めることができる。
なお、図8(b)においてピールバックベクトルのθ座標軸を中心とした回転周期とZ軸座標の上下移動の周期を合わせると、ピールバックベクトルがスパイラル状に変化するスパイラルモードになる。
さらに、図8(c)のように被はんだ付け領域が「L」字型に構成されている場合に、噴流波の進行方向Fの変化(ターン)に合わせて噴流波もツイストさせ、噴流波の進行方向と噴流波の指向点の相対位置関係が同一になるように制御するモードがターンツイストモードである。
このターンツイストモードでは、噴流波の進行方向と噴流波の指向点の関係が同一状態に保たれるので、被はんだ付け領域内におけるピールバックベクトルを揃えることが可能となり、この被はんだ付け領域内でのはんだ付け条件を揃えることができるようになる。
(7)プログラミング
ピールバックベクトルのプログラミングは、前記(1)(3)(4)で説明した選択はんだ付けシステムで通常行われているプログラミングを、前記(2)で説明したピールバックベクトルに係る技術事項が可能な構成にすることで実現できる。すなわち、4軸(X-Y-Z-θ)制御ロボットの動作プログラミングにより実現できる。なお、制御装置はコンピュータシステムで構成されているので、ピールバックベクトルを可変して選択はんだ付けを行う制御手順は、ソフトウェア上で実現できる。
選択はんだ付けの基本データとなるプリント配線板上における被はんだ付け領域の各座標値を求めるには、プリント配線板の板面を2次元画像スキャナで画像データ化し、この画像データ上において被はんだ付け領域の区間を指定して各座標値を求める方法と、プリント配線板のCAD設計データから得られるガーバーデータを利用して各座標値を求める方法とがある。
これを図2(a)および図7,図8を用いて説明すると、プリント配線板307上の被はんだ付け領域307aのはんだ付け開始位置とはんだ付け終了位置の各座標値を与え、各区間において噴流波を接触させて移動させる方向や速度さらには接触深さを指示することで、各区間すなわち各被はんだ付け領域の選択はんだ付けを行うことができる。
なお、はんだ供給装置のノズル口とフリーフローコンベアで搬送されるプリント配線板の板面との距離は、当該の選択はんだ付けシステムで決まる予め決めた所定の値に設定されているので、被はんだ付け領域のはんだ付け開始位置とはんだ付け終了位置の各2次元座標値を与えるだけで、当該区間である被はんだ付け部の選択はんだ付けを行うことができるし、噴流波の接触深さを制御することができる。
ここで接触深さとは、噴流波の頂点の3次元空間座標がプリント配線板の厚さ方向の3次元空間座標内にどの程度入り込むかを表すものである。例えば、図7(c)には接触深さを可変する例が示されている。
それでは、図7(b)(c)を参照しながらプログラミングデータの入力手順を説明する。はんだ付け開始位置の座標値は(X0,Y0,Z0,θ0)であり移動速度f0と旋回速度θv0、先ずこれを入力する。この座標値X0,Y0はプリント配線板上の選択はんだ付け開始位置を表し、Z0は噴流波の接触深さ、θ0は噴流波の指向点の方向すなわちθ座標値を表している。また、移動速度f0は噴流波の移動速度であり、旋回速度θv0は噴流波の旋回速度である。
続いて、次の座標値(X1,Y1,Z1,θ1)と噴流波の移動速度f1と旋回速度θv1を入力する。座標値(X0,Y0,Z0,θ0)から座標値(X1,Y1,Z1,θ1)への移動はベクトルFであり、その移動速度はf1である。また、噴流波の旋回速度はθv1である。なお、噴流波の旋回速度θv1が入力されなければ、噴流波は座標値(X1,Y1,Z1,)で旋回座標θ1へ旋回する。
この場合、座標値(X0,Y0,Z0)から座標値(X1,Y1,Z1)への噴流波の移動は直線的に行われ、Z0=Z1ならば噴流波の接触深さは変わらない。
以降は同様にして座標値(Xn,Yn,Zn,θn)および(fn,θvn)まで座標値を入力する。これにより、被はんだ付け領域内における噴流波の挙動が決まり、選択はんだ付けを行うためのデータテーブルが完成する。なお、このデータ入力は図1の制御装置に備えられた表示部とキーボードや図示しないマウス等から行われる。また、プリント配線板に係る画像データやガーバーデータ等の外部データの取り込みは、LANポートやUSBポート,CDやDVD等のディスク記録媒体とそのドライブ装置等から行われる。
この座標値データひいてははんだ付けパラメータの入力手順を説明する図が図9のフローチャートである。先ずステップS1で変数nに数値0を代入する、そしてステップS2で座標値(Xn,Yn,Zn,θn)および(fn,θvn) 具体的には(X0,Y0,Z0,θ0)および(f0,θv0)を入力し、続いてステップS3でこの座標値(Xn,Yn,Zn,θn)および(fn,θvn)を制御装置すなわちコンピュータシステム内の記憶手段に格納する。
その後ステップS4へ移行して座標値入力の完了指示があるか否かを判断し、完了していなければステップS5へ移行して変数nをn=n+1としてステップS2へ戻り、以上のデータ入力作業を繰り返す。他方ステップS4で座標値入力の完了指示がある場合は座標値入力作業を終了する。
もちろん制御装置は、これらの入力され格納された座標値を順次に読み出して、前記(5)作動例で説明したように4軸(X-Y-Z-θ)ロボットを制御して選択はんだ付けを実行する。
図10は、ピールバックベクトルを可変しながら選択はんだ付けを行う手順を説明するフローチャートである。
すなわち、先ずステップS10で変数nに数値0を代入する。続いてステップS11へ移行し各座標値データと移行速度データXn,Yn,Zn,θn,fn, θvnを記憶装置から読み出し、ステップS12で噴流波をXn,Yn,Zn,θn,fn, θvnですなわちここでは座標X0,Y0,Z0に速度f0で移動させ噴流波の旋回座標を旋回速度θv0でθ0に旋回させて噴流波をプリント配線板の被はんだ付け領域のはんだ付け開始位置に接触させる。なお、旋回速度θv0が入力されていなければ座標X0,Y0,Z0で旋回座標θ0に旋回させる。
ここでノズル体のチルト技術を用いている場合においては、図5の技術を用いている場合には、ステップS11で読み出しデータに対する式(7)(8)(9)の補正計算を行ってからステップS12へ移行する。また、図6の技術を用いている場合には、ステップS11で読み出しデータに対する式(12)(13)の補正計算を行ってからステップS12へ移行する。
続いてステップS13へ移行して座標値データの全てを読み出したか否かを判断し、全てを読み出していない場合にはステップS14へ移行して変数nをn=n+1としてステップS11に戻る。そしてステップS11では各座標値データおよび移行速度データXn,Yn,Zn,θn,fn,θvnを記憶装置から読み出し、補正があれば補正計算を行い、ステップS12で噴流波をXn,Yn,Zn,θn,fn,θvnですなわちここでは座標X1,Y1,Z1へ速度f1で直線的に移動させ併せて噴流波も旋回速度θv1で旋回させて旋回座標θ1へ旋回させる。なお、旋回速度θv1が入力されていなければ座標X1,Y1,Z1で座標θ1に旋回させる。
このように、座標Xn,Yn,Zn,θnが移動することにより、ピールバックベクトルが例えば図7のように可変される。なお、θnが360度以上(2πラジアン以上)に設定されている場合には噴流の旋回を続けることができるすなわち回転することになる。例えば720度にすれば2回転する。なお、720度は絶対座標で与えられるものであるが、プログラムの実行においては2回転先の位置と判断され実行される。したがって、405度と入力すれば1回転した後に絶対座標の45度に旋回制御すなわち可変される。
なお、移行する旋回座標の大きさ|θn−θn+1|を噴流波の移動時間すなわち{|(Xn,Yn,Zn)−(Xn+1,Yn+1,Zn+1)|/fn}で除した旋回速度θvnとすることで、座標Xn,Yn,Znから座標Xn+1,Yn+1,Zn+1への移動に同期して噴流波を旋回させることができる。また、この計算は制御装置すなわちコンピュータシステムで行うことができるので、マンマシンインターフェイス上に同期入力スイッチ等の指示スイッチを設けておいて、このスイッチが操作された場合においてはプログラム上においてこれを実行させることで自動的に行わせることもできる。
さらに、図8で説明したオシレーションモードは、専用のプログラムを備えて行わせることも可能であるが、予め決めた所定の旋回座標区間内において繰り返し旋回座標が往復するように座標データを繰り返し入力することでも実現できる。
本発明の選択はんだ付けシステムは、ピールバックベクトルを可変しながらプリント配線板の予め決められた領域にのみ溶融はんだを供給して選択はんだ付け作業を行うことが可能であり、電子装置のはんだ付け実装を優れたはんだ付け技術で支えることができる。
1 はんだ槽
2 カバー体
4 チャンバ体
5 ノズル体
5a ノズル体基点の中心軸
5b ノズル体基点
6 ノズル口
6a,b 第一、第二凹部
6c ノズル口の中心軸
6d ノズル口中心の旋回軌跡
6e ワイピング
7 噴流波
7a 噴流波接触部分
7b 指向点
7c 指向点の旋回軌跡
8 つば
9 旋回用歯車
10 反射板
11 ヒータガイド
12 ヒータ
13 溶融はんだ
13a 液面
14 温度センサ
15 温度制御装置
16 ヒータ
17 窒素ガス供給手段
18 流量調節弁
19 流量計
20 窒素ガス
22 モータ
23 モータ軸
24,27 プーリ
25 ポンプ
26 ポンプ軸
28 ベルト
29 ポンプケーシング
30 吸い込み口
32 温度センサ
33 旋回駆動用モータ
34,35 プーリ
36 駆動用歯車
37 ベルト
40 X軸アクチュエータ
41a,b リンク板
42a,b 回動軸
43 Y軸アクチュエータ
44a,b リンク板
45a,b 回動軸
301a〜d フリーフローコンベア
302a〜d モータ
303a〜d ストッパ
304a〜d センサ
307 プリント配線板
307a 被はんだ付け領域
307b,c 被はんだ付け部
308 フラックス供給装置
309 スラックス射出ノズル
310 2軸ロボット
311 ヒータ
312 温度センサ
314a,b はんだ波頭
315a,b ヒータ
316a,b ノズル口
317a,b はんだ供給装置
318a,b 4軸ロボット

Claims (7)

  1. 口筐を備えたはんだ供給装置の前記口筐の開口から噴流する溶融はんだで被はんだ付けワークの予め決めた所定の領域内を選択的にはんだ付けを行う選択はんだ付けシステムにおいて、
    前記口筐の開口と前記被はんだ付けワークの予め決めた所定の領域との相対位置を調節する相対位置調節手段と、
    前記口筐の開口から噴流する溶融はんだの噴流波を前記被はんだ付けワークに対して旋回させる旋回手段と、
    前記口筐の開口から噴流する溶融はんだが前記被はんだ付けワークから離間する際に,前記口筐の開口から噴流する溶融はんだの噴流波を前記被はんだ付けワークに対して旋回させて、前記溶融はんだの噴流波が前記被はんだ付けワークから離間する際の前記噴流波のピールバックベクトルを旋回可変しながら前記離間させるように前記相対位置調節手段及び前記旋回手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする選択はんだ付けシステム。
  2. 前記口筐はその開口から噴流する溶融はんだが予め決められた方向に指向性を有して流れることを特徴とする請求項1に記載の選択はんだ付けシステム。
  3. 前記旋回手段は前記口筐を開口周り方向に旋回させることを特徴とする請求項2に記載の選択はんだ付けシステム。
  4. 前記口筐を垂直方向に対して傾斜させる傾斜手段を有し、前記口筐から噴流する溶融はんだの噴流波が前記傾斜手段によって傾斜された前記口筐の傾斜方向に指向性を有して流れることを特徴とする請求項1に記載の選択はんだ付けシステム。
  5. 互いに傾斜方向の異なる複数の前記傾斜手段を有し、前記旋回手段は前記複数の傾斜手段によって前記口筐の傾斜方向を旋回させるものであることを特徴とする請求項4に記載の選択はんだ付けシステム。
  6. 前記相対位置調節手段は、前記口筐を備えたはんだ供給装置を3次元空間座標上の任意の位置に移動可能であると共に、前記口筐が開口周り方向に旋回するように前記はんだ槽を旋回軸まわりに旋回可能とする旋回機能を有するものであって、前記旋回手段は、前記相対位置調節手段の前記旋回機能を利用したものであることを特徴とする請求項1、請求項2および請求項4のうちのいずれか1項に記載の選択はんだ付けシステム。
  7. 口筐を備えたはんだ供給装置の前記口筐に溶融はんだを供給してこの口筐の開口から噴流する溶融はんだと被はんだ付けワークの予め決めた所定の領域とを前記口筐の開口と前記被はんだ付けワークとの相対位置調節手段により接触させて前記予め決めた所定の領域の被はんだ付け領域内のみを選択的にはんだ付けを行う選択はんだ付けシステムにおいて、
    前記相対位置調節手段は前記口筐の開口位置を3次元空間座標上の任意の位置に移動できると共に、前記口筐の開口を旋回させてワイピング(wiping)動作を行うところの旋回制御を有する少なくとも4軸制御の相対位置調節手段であり、
    また前記相対位置調節手段の制御手段であって前記少なくとも4軸の値を時系列的に制御するプログラミングが可能であり、さらに被はんだ付けワークと前記溶融はんだの噴流とが離間する際の前記噴流のピールバックベクトル(p=(v,θ,φ))を可変するための制御ルーチンを有すると共にこのピールバックベクトル制御ルーチンのベクトルに係るパラメータがプログラミング可能に構成された制御手段を有すること、
    を特徴とする選択はんだ付けシステム。
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