JP2013254610A - 有機el発光装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで光学的混色を低減させることができる有機EL発光装置を提供する。
【解決手段】基板60と、基板上に配置された第1電極層30と、第1電極層上に配置された有機EL層36と、有機EL層上に配置された第2電極層38と、第2電極層の上に配置された複数色のカラーフィルタ40R・40G・40Bとを備え、各カラーフィルタ間の境界部に、有機EL層から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、有機EL発光装置およびその製造方法に関し、特に耐湿寿命や耐久性を向上させた有機EL発光装置およびその製造方法に関する。
近年、有機発光素子として有機EL(EL:Electroluminescence)素子を用いた表示装置や照明装置が実用化に向けて開発が進められている。また、次世代の薄型ディスプレイとして有機ELディスプレイ装置が注目されている。
有機ELディスプレイ装置では、有機EL層の上に上部電極が配置され、上部電極の上にカラーフィルタが配置される(例えば、特許文献1参照)。
ところで、有機ELディスプレイ、特にマイクロディスプレイでは、光学的混色(クロストーク)が発生し、色純度が低下するという問題がある。
従来、光学的混色を抑制する方法として、例えば、透明基板上に格子状のブラックマトリックスを設けて、カラーフィルタ間の混色を低減する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−288435号公報 特開2010−272214号公報
しかし、上記従来技術のように、ブラックマトリックスを設ける場合には、製造工程が増えてコストが嵩むという問題があった。
また、ブラックマトリックスの存在によって発光面積が低減し、有機ELディスプレイの輝度が低下するという不都合もあった。
本発明の目的は、低コストで光学的混色を低減させることができる有機EL発光装置およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、基板と、前記基板上に配置された第1電極層と、前記第1電極層上に配置された有機EL層と、前記有機EL層上に配置された第2電極層と、前記第2電極層の上に配置された複数色のカラーフィルタとを備え、前記各カラーフィルタ間の境界部に、前記有機EL層から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられていることを特徴とする有機EL発光装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、基板と、前記基板上に配置された第1電極層と、前記第1電極層上に配置された有機EL層と、前記有機EL層上に配置された第2電極層と、前記第2電極層の上に配置された複数色のカラーフィルタとを備え、前記第1電極層および前記第2電極層の少なくとも一方に、前記有機EL層から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられていることを特徴とする有機EL発光装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、基板を準備する工程と、前記基板上に第1電極層を形成する工程と、前記第1電極層上に有機EL層を形成する工程と、前記有機EL層上に第2電極層を形成する工程と、前記第2電極層上に複数のカラーフィルタを形成する工程と、前記各カラーフィルタの境界に所定幅でレジストを塗布する工程と、前記レジストを塗布したカラーフィルタの表面をアッシングして、前記境界に盛り上がり部を形成する工程とを有することを特徴とする有機EL発光装置の製造方法が提供される。
本発明によれば、低コストで光学的混色を低減させることができる有機EL発光装置およびその製造方法を提供することができる。
基本構造に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 基本構造に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的鳥瞰図。 基本構造に係る有機EL発光装置の断面SEM写真。 基本構造に係る有機EL発光装置の周辺回路を含めた模式的ブロック構成の一例を示す図。 比較例として、光学的混色の発生状態を示す有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第1実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第2実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第3実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第4実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第5実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第6実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第7実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第8実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第9実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第10実施例の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置に適用可能なフィルタであって、6角形を基調とするΔ配列パターン例を有する積層カラーフィルタの模式的平面構成図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の鳥瞰表面SEM写真例。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、カラーフィルタのエッジ部の盛り上がり状態を示す断面SEM写真例。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、カラーフィルタのエッジ部の盛り上がり状態を示す模式的断面説明図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、カラーフィルタのエッジ部の盛り上がり状態を説明する図であって、(a)複数の矩形状パターンのカラーフィルタを示す平面図、(b)図20(b)のI−I線に沿う模式的断面図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、カラーフィルタの周縁部に盛り上がり部を形成する方法の手順を示す説明図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、カラーフィルタの表面をアッシングする状態を示す説明図。 第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、他の実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図。 積層カラーフィルタを搭載した第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の模式的断面構造図。 比較例として、混色の発生を説明するための有機EL発光装置の模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第1実施例の模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係る有機EL発光装置において、第1電極層のテーパー構造の例を示す図であり、(a)は直線状の傾斜部を有する場合の断面図、(b)は曲線状の傾斜部を有する場合の断面図。 第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第2実施例の模式的断面構造図。 (a)第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第2実施例の他の構成を示す模式的断面構造図、(b)比較例の模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第3実施例の模式的断面構造図。 第1〜第2の実施の形態に係る有機EL発光装置において、正六角形を基本パターンとする第1電極の配列を示す平面図。 (a)図31のII−II線に沿う模式的断面構造図、(b)図31のIII−III線に沿う模式的断面構造図。 積層カラーフィルタを搭載した第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の断面SEM写真例。 図33の積層カラーフィルタ部分の拡大された断面SEM写真。 図34の積層カラーフィルタ部分の詳細説明図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
以下の実施の形態に係る有機EL発光装置において、「透明」とは、透過率が約50%以上であるものと定義する。また「透明」とは、実施の形態に係る有機EL発光装置において、可視光線に対して、無色透明という意味でも使用する。可視光線は波長約360nm〜830nm程度、エネルギー約3.45eV〜1.49eV程度に相当し、この領域で透過率が50%以上あれば透明である。
[有機EL発光装置の基本構造]
基本構造に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造は、図1に示すように、駆動回路34R・34G・34Bと、各駆動回路34R・34G・34B上にそれぞれ配置されたVIA電極70と、各VIA電極70上に配置された下部電極30と、下部電極30上に共通領域として配置された有機EL層36と、有機EL層36上に配置された上部電極38と、上部電極38上に配置されたカラーフィルタ40R・40G・40Bとを備える。
駆動回路34R・34G・34Bは、それぞれ赤色(Red)・緑色(Green)・青色(Blue)用の駆動回路34を示す。
同様に、カラーフィルタ40R・40G・40Bは、それぞれ赤色(Red)・緑色(Green)・青色(Blue)用のカラーフィルタ40を示す。
駆動回路34R・34G・34Bと、各駆動回路34R・34G・34B上にそれぞれ配置されたVIA電極70は、さらに詳細には、図2に示すように、半導体基板58上に配置された相補型(C:Complementary)MOSLSI600を構成する。CMOSFETのゲート電極56,さらに電極配線層を形成するM1電極52,M2電極54などは、層間絶縁膜およびVIA電極を介して接続されるが、図2では、詳細は省略している。
有機EL層36は、図2に示すように、下部電極30と上部電極38の間に挟まれ、下部電極30上に配置される正孔輸送層50と、正孔輸送層50上に配置される発光層48と、発光層48上に配置される電子輸送層46とを備える。
さらに、基本構成に係る有機EL発光装置は、図2に示すように、電子輸送層46上に配置された上部電極38と、上部電極38上に配置されたシール層44と、シール層44上に配置されたカラーフィルタ40と、カラーフィルタ40上に配置された透明保護膜42とを備える。
図1および図2には、1つのピクセル6に対応しており、有機EL発光装置は、このようなピクセル6の構造が、例えば、マトリックス状に配置される。
図1および図2の例では、上部電極38を共通電極として形成し、下部電極30を分割された電極として構成しているが、反対に、上部電極38を分割電極として形成し、下部電極30を共通電極として構成してもよい。この場合には、各VIA電極70は、分割電極として形成される上部電極38にそれぞれ接続される。さらに、図1の構成において、上部電極38も分割された電極として形成してもよい。
また、図2では、下部電極30に接する層として正孔輸送層50が配置され、上部電極38に接する層として電子輸送層46が配置されている例が示されているが、これに限定されるものではなく、下部電極30に接する層として電子輸送層46が配置され、上部電極38に接する層として正孔輸送層50が配置されていてもよい。但しこの場合には、CMOSLSI600からの配線が変更される。また、上述の上部電極38を分割電極とし
Rて形成し、下部電極30を共通電極とする構成と組み合わせてもよい。
基本構成に係る有機EL発光装置の断面SEM写真の例を図3に示す。
基本構成に係る有機EL発光装置は、図3に示すように、CMOSLSI600上に、下部電極30を介して、有機EL層36が積層化されている。
なお、図2ではM1電極52、M2電極54の2層メタルの構造を示しているが、これに限るものではない。図3のように3層メタルであってもよい。メタルの層数は、配線規模に応じて適切なものを選べばよい。
図1および図2には、複数のデータ線と複数の走査線の交差部に配置された1つのピクセル(画素)の構成が示されており、半導体基板58上に形成されるCMOSFETからなるCMOSLSI600は、論理回路を構成し、1つのピクセル内においては、駆動回路34R・34G・34Bを構成している。
また、基本構成に係る有機EL発光装置において、CMOSLSI600は、ピクセルアレイを駆動するための水平走査回路・垂直走査回路・ロードライバ・カラムドライバ・データラッチ回路・PNMドライバなどを構成する。
図1および図2に示す構成において、CMOSFET領域および各層間絶縁膜を介するM1電極52・M2電極54などの形成は、微細化シリコンプロセスと同様である。
このようなM1電極52・M2電極54などの電極間は、所定のコンタクト部分において、例えば、メタルダマシン構造によって、VIA電極を介して接続される。
透明保護膜42は、例えば、クリアーレジスト、ガラス、透明絶縁膜などで形成することができる。
可視光領域において、カラー画像を表示するためには、カラーフィルタ40をシール層44上に配置する。カラーフィルタは、赤色(Red)用、緑色(Green)用,青色(Blue)用を、隣り合う1つのピクセル内に設けて3組で1つのピクセルを構成する。カラーフィルタは、例えば、ガラス上の多層膜や、色素・顔料含有レジストの多層化によって形成することができる。
シール層44は、上部電極38、有機EL層36、および有機EL下部電極30を保護し、これらを封止するものである。シール層44の材質としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又はアルミナ膜等を用いる。また、シール層44は、熱を外部に放熱する機能を担っているので、熱伝導率の高いものが望ましい。
上部電極38は、光を透過可能であり、ITO(インジウム−スズ酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)などの無機導電体材料で形成することができる。また、上部電極38は、Al、Ag、MgAg等の金属の薄層化層(例えば、約10nm〜約20nm)などでも形成可能である。
電子輸送層46は、上部電極38から注入された電子を円滑に発光層48に輸送するためのものであり、厚さが、例えば、約35nmのAlq(アルミニウムキノリノール錯体)からなる。ここで、Alqは、アルミニウム8−ヒドロキシキノリネート(Aluminum 8-hydroxyquinolinate)或いは、トリ8−キノリノラトアルミニウムと呼ばれる材料である。
電子輸送層46を形成する他の電子輸送材料としては、t-butyl-PBD、TAZ、シロール誘導体、ホウ素置換型トリアリール系化合物、フェニルキノキサリン誘導体などがある。また、BCP、オキサジアゾール二量体、スターバーストオキサジアゾールなどが適用可能である。
発光層48は、注入された正孔及び電子が再結合して発光するためのものであり、例えば発光種であるクマリン化合物(C545T)が、例えば、約1%程度ドーピングされた厚さが、例えば、約30nmのAlqからなる。また、ドーパントとして、ルブレンや遷移金属原子を含む錯体などを含んでいても良い。
発光層48には、例えば、キャリア輸送性発光材料、或いは発光ドーパントとホスト材料の混合層を適用することもできる。キャリア輸送性発光材料としては、例えば、Alq,Almq,Mgq,BeBq2,ZnPBO,ZnPBT,Be(5Fla)2,Eu錯体,BPVBi,BAlq,Bepp2,BDPHVBi,spiro-BDPVBi,(PSA)2Np−5,(PPA)(PSA)Pe−1,BSN,APD,BSBなどの材料を用いることができる。発光ドーパントとホスト材料としては、例えば、クマリン6,C545T,Qd4,DEQ,ペリレン,DPT,DCM2,DCJTB,ルブレン,DPP,CBP,ABTX,DSA,DSAアミン,Co−6,PMDFB,キナクリドン,BTX,DCM,DCJTなどの材料を用いることができる。また、リン光発光材料とホスト、周辺材料としては、PtOEP,TPBI,btp2Ir(acac),Ir(ppy)3,Flrpic,CDBP,m−CP,デンドリマーIr(ppy)3,TCTA,CF−X,CF−Yなどの材料を用いることができる。
正孔輸送層50は、下部電極30から注入された正孔を円滑に発光層48に輸送するためのものであり、厚さが、例えば、約60nm程度のNPB(N,N−ジ(ナフタリル)−N,N−ジフェニル−ベンジデン)からなる。他の正孔輸送層としては、例えば、α−NPDを用いることができる。ここで、α−NPDは、4,4−ビスN−(1−ナフチル−1−)[N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(4,4-bis[N-(1-naphtyl-1-)N-phenyl-amino]-biphenyl)と呼ばれる。
正孔輸送層50を形成する正孔輸送材料の分子構造例としては、GPD、spiro-TAD、spiro-NPD、oxidized-TPDを適用することができる。さらに別の正孔輸送材料としては、TDAPB、MTDATAなどがある。
下部電極30は、厚さが、例えば、約150nmで、材質がアルミニウムからなる。他の構成材料としては、Mo、Ag、Ptなどを適用可能である。
なお、有機EL層36は、上記、正孔輸送層、電子輸送層以外の層、例えば、正孔注入層、電子注入層等を用いて構成しても良い。
基本構成に係る有機EL発光装置の動作原理は以下の通りである。
まず、下部電極30および上部電極38を介して、有機EL層36の正孔輸送層50および電子輸送層46の間に一定の電圧が印加される。これにより、正孔輸送層50発光層48に正孔が注入されるとともに、電子輸送層46から発光層48に電子が注入される。そして、発光層48に注入された正孔と電子とが再結合することによって、白色光を発光する。発光された白色光hνは、上部電極38を透過し、カラーフィルタ40を介して外部に出力される。
有機EL層36を構成する正孔輸送層50のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位の絶対値が下部電極の仕事関数の絶対値よりも大きくすると良い。
ここで、HOMOのエネルギー準位とは、有機分子の基底状態を表す。また、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)のエネルギー準位とは、有機分子の励起状態を表す。
ここで、LUMO準位は最低励起一重項準位(S1)に対応する。さらに電子や正孔が有機物に注入され、ラジカルアニオン(M−),ラジカルカチオン(M+)が形成された場合の正孔および電子の準位は、励起子結合エネルギーが存在しない分、HOMO準位,LUMO準位の外側の位置に電子伝導準位、正孔伝導準位が位置することになる。
また、電子輸送層46のLUMOのエネルギー準位の絶対値が上部電極38の仕事関数の絶対値よりも小さくすれば良い。
基本構成に係る有機EL発光装置の構造において、各電極、各層はそれぞれスパッタ、蒸着、塗布などにより成膜される。
基本構成に係る有機EL発光装置の構造において、発光層48と正孔輸送層50の間、若しくは下部電極30と正孔輸送層50の間に、p型有機半導体層を介在させてもよい。同様に、発光層48と電子輸送層46の間、若しくは上部電極38と電子輸送層46の間に、n型有機半導体層を介在させてもよい。
(有機EL発光装置のブロック構成)
基本構成に係る有機EL発光装置8の周辺回路を含めた模式的ブロック構成の一例は、図4に示すように、ピクセルアレイ10と、ピクセルアレイ10の列方向に隣接して配置されるカラム(Column)ドライバ20と、カラムドライバ20の列方向に隣接して配置されるデータラッチ回路16と、データラッチ回路16の列方向に隣接して配置される水平シフトレジスタ(Hシフトレジスタ)12と、ピクセルアレイ10の行方向に隣接して配置されるロードライバ18と、ロードライバ18に隣接して配置される垂直シフトレジスタ(Vシフトレジスタ)14と、ピクセルアレイ10の行方向に隣接して配置されるPNMドライバ22とを備える。
カラムドライバ20には、ピクセルアレイ10内のピクセル6を駆動するデータ線D0・D1・D2・D3…が接続される。
データラッチ回路16は、図4の例では、4ビットの映像データ信号RED[3:0]、GREEN[3:0]、およびBLUE[3:0]をラッチする回路である。また、データラッチ回路16は外部信号として、ラッチイネーブル信号LEを入力することで、アクティブになされる。
水平シフトレジスタ12は、ピクセルアレイ10を水平方向にスキャンする回路であり、ピクセルクロック信号HCLK,シフト/ホールド切替信号DEH,水平同期リセット信号HSYNCを受信している。
ロードライバ18には、ピクセルアレイ10内のピクセル6を駆動する走査線K0・K1・K2・K3・…およびワード線WLが接続される。
垂直シフトレジスタ14は、ピクセルアレイ10を垂直方向にスキャンする回路であり、クロック信号VCK,シフト/ホールド切替信号DEV,垂直同期リセット信号VSYNCを受信する。
PNMドライバ22は、走査線K0・K1・K2・K3・…にPNM信号PNM0・PNM1・PNM2・PNM3…を伝送する。PNMドライバ22には、PNMクロック信号RCKおよびPNMリセット信号RRSTNが入力される。
また、基本構成に係る有機EL発光装置8には、例えば約マイナス5V程度のディスプレイ電源Vdisp、例えば約3.3V程度のシステム電源VDDが供給され、かつVssの共通接地電位も与えられている。
図4のピクセルアレイ10内の各サブピクセルは、六角形を基本パターンとする構造となっている。なお、各サブピクセルの形状は六角形に限らず、円形・三角形・正方形・八角形などの多角形等であってもよい。
(光学的混色について)
有機ELディスプレイ、特にマイクロディスプレイでは、混色(クロストーク)と言われる問題がある。
混色が発生すると、ディスプレイの画質やNTSC比(色域)等を低下させるという不具合を生じる。
混色は2種類に大別でき、1)オフ状態にあるはずの隣接サブピクセルが発光してしまう電気的混色(漏れ電流によるもの)と、2)該当サブピクセルから漏れた光が隣接するサブピクセルのカラーフィルタを通過して起こる光学的混色とがある。
本発明によって軽減させ得る混色は、前記2)に該当する光学的混色についてである。
ここで、比較例として、図5を参照して、光学的混色(CM)の発生の仕方の例について説明する。
図5に示すように、有機EL層36の発光層48から射出される光線(白色光)の中には、法線からずれて、カラーフィルタ40B・40G・40Rに対して斜めに入射する光線がある。
このような法線からずれた光線は、例えば、青色のカラーフィルタ40Bから隣接する緑色のカラーフィルタ40Gに入射して、当該カラーフィルタ40Gを透過後に青色のカラーフィルタ40Bを透過した光線と混ざり合って、青色と緑色の光線が混色された状態となる。
したがって、本来は青色のカラーフィルタ40Bのみを透過して使用者等の肉眼により「青色」と視認されるべきところ、一部に「青緑色」の光が混ざり、色純度が低下して画質やNTSC比(色域)等を低下させ、ディスプレイの色鮮やかさが低下してしまう。
このような光学的混色は、有機EL表示装置の微細化に伴い、光路のアスペクト比(h/W)の増大により顕著となってきている。
特に、有機EL装置について、ミラーレス一眼レフカメラのEVF(Electric View Finder)等への適用が進展しつつあるなか、マイクロディスプレイの耐久性向上等の要求に応えるために、カラーフィルタと発光層の間に封止層などの種々の層が設けられる傾向にある。
そのため、図5に示す第2電極層38とカラーフィルタ40B・40G・40Rの距離「h」が、上述の種々の層の追加により増加することとなり、各カラーフィルタ40B、40G、40Rの幅「Wp」とのアスペクト比(h/Wp)は、さらに増加する傾向にあり、上述のような光学的混色が起き易い構造となっている。
なお、マイクロディスプレイにおいて、1ピクセルのカラーフィルタ40B・40G・40Rの各幅Wpは、例えば、約1μm〜約20μm、第2電極層38とカラーフィルタ40B・40G・40Rの距離hは、例えば、約1μm〜約100μmである。
[第1の実施の形態]
(有機EL発光装置の第1実施例)
図6を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第1実施例について説明する。図6は、第1実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、以下の説明では、カラーレジストとカラーフィルタとを特に区別することなく同じ符号を用いる。
図6に示すように、第1実施例に係る有機EL発光装置は、基板60と、基板60上に配置された第1電極層30(30B・30G・30R)と、第1電極層30上に配置された有機EL層36と、有機EL層36上に配置された第2電極層38と、第2電極層38の上に配置された複数色のカラーフィルタ40B・40G・40Rとを備え、各カラーフィルタ40B・40G・40R間の境界部に、有機EL層36から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられている。
図6に示す第1実施例に係る有機EL発光装置において、混色抑制手段は、各カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面全体に形成される凹面部である。
また、図6に示す第1実施例に係る有機EL発光装置において、混色抑制手段は、少なくとも一種類のカラーフィルタ(即ち、カラーフィルタ40B・40G・40Rの少なくとも一種類)の周縁部(エッジ部)に形成される盛り上がり部であっても良い。
さらに、図6に示す第1実施例に係る有機EL発光装置において、盛り上がり部は、各カラーフィルタ40B・40G・40Rの中央部から周縁部に向かって正の勾配を有するように形成されていても良い。
また、盛り上がり部は、断面形状が山形状に形成されている(図19参照)。なお、盛り上がり部の断面形状は山形状に限らず、台形状であってもよい。
第1実施例に係る有機EL発光装置において、基板60は、Siウェハ、ガラス、ガスバリア付プラスチックフィルムなどで構成される。ここで、基板60は、基本構成に係る有機EL発光装置においては、CMOSLSI600が形成されたSiウェハである。また、例えば、TFT(Thin Film Transistor)からなるLSIが形成されたガラス基板であっても良い。
第1電極層30は、Al,Mo,Ag,Ptなど高反射率金属で構成することができる。また、上記高反射率金属を主体とする合金(AlCuなど)で構成するようにしてもよい。また、第1電極層30は、酸化させた際に、正孔注入材料になる陽極材料であっても良い。酸化させた際に、正孔注入材料になる金属としては、例えば、Mo、V、Ru、InSnなどを適用可能である。これらの材料を酸化させると、それぞれ、MoOx、VOx、RuOx、ITOとなる。
さらに、第1電極層30の下部に基板60との密着層として、Ti、Cr、TiN、Ni、Ta、Wが挿入されていても良い。
また、第2電極層38は、Al、Ag、MgAgなどの金属薄膜(厚さ約0.1nm〜約50nm)やITO、IZO(厚さ約1nm〜約500nm)などの透明電極(金属酸化膜)で構成される。
カラーフィルタ40B・40G・40Rは、顔料を含む高分子材料などで構成される。
第1実施例に係る有機EL発光装置によれば、有機EL層36の発光層48から射出され法線方向(0°)からずれた一部の光線A1は、例えば、青色のカラーフィルタ40Bの端部側を進んだ場合には、カラーフィルタ40Bの表面全体に形成された凹部(盛り上がり部)によるレンズ効果により、法線(0°)側に屈折される。
また、有機EL層36の発光層48から射出され法線方向(0°)からずれた他の光線A2は、例えば、青色カラーフィルタ40Bの端部側を所定距離進んだ後、隣接した緑色カラーフィルタ40Gに入射するが、緑色カラーフィルタ40Gの表面全体に形成された凹部(盛り上がり部)によるレンズ効果により、法線(0°)から離れる方向(90°側)に屈折される。
これにより、青色の光線A1と緑色の光線A2とは、互いに離間する方向に進むので、混色する事態が回避される。
このような効果は、緑色カラーフィルタ40Gと赤色カラーフィルタ40Rの間、図示されない他のピクセルとの関係で赤色カラーフィルタ40Rと青色カラーフィルタ40Bとの間、あるいは青色カラーフィルタ40Bと赤色カラーフィルタ40Rとの間でも同様に発揮される。
したがって、第1実施例に係る有機EL発光装置によれば、光学的混色が有効に軽減され、ディスプレイの画質やNTSC比(色域)等が低下する事態を回避することができる。
(有機EL発光装置の第2実施例)
図7を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第2実施例について説明する。図7は、第2実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示すように、第2実施例に係る有機EL発光装置は、基板60と、基板60上に配置された第1電極層30(30B・30G・30R)と、第1電極層30上に配置された有機EL層36と、有機EL層36上に配置された第2電極層38と、第2電極層38の上に配置された複数色のカラーフィルタ40B・40G・40Rとを備え、各カラーフィルタ40B・40G・40R間の境界部に、有機EL層36から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられている。
第1実施例との相違点は、有機EL層36が青色光を発光する発光層48Bを備え、カラーフィルタ40B・40G・40Rは、青色光に対する色変換フィルタで構成されるである。
カラーフィルタ40B・40G・40Rの形状等は第1実施例と同様である。
第2実施例に係る有機EL発光装置によれば、有機EL層36の発光層48Bから射出され法線方向(0°)からずれた一部の光線hνBは、例えば、青色カラーフィルタ40Bの端部側を進んだ場合には、青色カラーフィルタ40Bの表面全体に形成された凹部(盛り上がり部)によるレンズ効果により、法線(0°)側に屈折される。
また、有機EL層36の発光層48から射出され法線方向(0°)からずれた他の光線hνGは、例えば、青色カラーフィルタ40Bの端部側を所定距離進んだ後、隣接した緑色カラーフィルタ40Gに入射するが、緑色カラーフィルタ40Gの表面全体に形成された凹部(盛り上がり部)によるレンズ効果により、法線(0°)から離れる方向(90°側)に屈折される。
これにより、光線hνBと光線hνGとは、互いに離間する方向に進むので、混色する事態が回避される。
このような効果は、緑色カラーフィルタ40Gと赤色カラーフィルタ40Rの間、図示されない他のピクセルとの関係で赤色カラーフィルタ40Rと青色カラーフィルタ40Bとの間あるいは青色カラーフィルタ40Bと赤色カラーフィルタ40Rとの間でも同様に発揮される。
したがって、第2実施例に係る有機EL発光装置によれば、光学的混色が有効に軽減され、ディスプレイの画質やNTSC比(色域)等が低下する事態を回避することができる。
(有機EL発光装置の第3実施例)
図8を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第3実施例について説明する。図8は、第3実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第1実施例との相違点は、各カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面上に、高屈折率層41が形成されている点である。
高屈折率層41は、硫黄原子を含む高分子材料やSiNx、SiOxy、SiOx、AlOxなどで構成される。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面を平坦化することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
(有機EL発光装置の第4実施例)
図9を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第4実施例について説明する。図9は、第4実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施例との相違点は、各カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面上に、封止層を兼ねる高屈折率層43が形成されている点である。
封止層を兼ねる高屈折率層43は、被覆性が高くなる条件で成膜したSiN膜、PCVD−TEOS膜などで構成される。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、水分や酸素等の浸入を防止して、有機EL発光装置の耐久性を向上させることができる。また、カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面を平坦化することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
また、高屈折率層41が封止層を兼ねているので、製造工程を減らしてコストを低減することができる。
(有機EL発光装置の第5実施例)
図10を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第5実施例について説明する。図10は、第5実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施例との相違点は、高屈折率層41の上に封止層47aが形成されている点である。
封止層47aは、SiNx、SiOxy、SiOx、AlOxなどで構成される。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、水分や酸素等の浸入を防止して、有機EL発光装置の耐久性を向上させることができる。
(有機EL発光装置の第6実施例)
図11を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第6実施例について説明する。図11は、第6実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施例との相違点は、第2電極層38と各カラーフィルタ40B・40G・40Rとの間に、封止層47bが形成されている点である。
封止層47bは、SiNx、SiOxy、SiOx、AlOxなどなどで構成される。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、水分や酸素等の浸入を防止して、有機EL発光装置の耐久性を向上させることができる。また、カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面を平坦化することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
(有機EL発光装置の第7実施例)
図12を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第7実施例について説明する。図12は、第7実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第6実施例との相違点は、封止層47bに加えて、高屈折率層41の上にも封止層47aが形成されている点である。
封止層47a・47bは、SiNx、SiOxy、SiOx、AlOxなどで構成される。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、水分や酸素等の浸入をより有効に防止して、有機EL発光装置の耐久性を一層向上させることができる。また、カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面を平坦化することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
(有機EL発光装置の第8実施例)
図13を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第8実施例について説明する。図13は、第8実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第7実施例との相違点は、封止層47bの上に平坦化層49が形成されている点である。
平坦化層49は、例えば、SiNx、SiOxy、SiOx、AlOx、TEOS膜などで構成される。また、平坦化層49は、例えば、ガラス板やプラスチック(PET)板等で構成することもできる。また、平坦化のために、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)技術を適用することも可能である。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、カラーフィルタ40B・40G・40Rの密着性を高めて、有機EL発光装置の耐久性を一層向上させることができる。また、カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面を平坦化することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
(有機EL発光装置の第9実施例)
図14を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第9実施例について説明する。図14は、第9実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第1実施例との相違点は、高屈折率層41の上に保護コート層49bが形成されている点である。
保護コート層49bは、例えば、SiNx、SiOxy、SiOx、AlOx、TEOS膜などで構成される。また、保護コート層49bは、ガラス板やプラスチック(PET)板等で構成することもできる。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、有機EL発光装置の耐久性を一層向上させることができる。また、カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面を平坦化することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
(有機EL発光装置の第10実施例)
図15を参照して、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の第10実施例について説明する。図15は、第10実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第1実施例との相違点は、高屈折率層41の上に接着層53を介して、保護板51が設けられている点である。
接着層53は、例えば、熱硬化型樹脂、2液硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂等で形成することができる。
また、保護板51は、ガラス板やプラスチック(PET)板等で構成することができる。
これにより、光学的混色を軽減すると共に、有機EL発光装置の耐久性を一層向上させることができる。また、カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面を平坦化することができ、光取り出し効率を向上させることができる。
[カラーフィルタの構成例]
図16〜20を参照して、本発明に係る有機EL発光装置に適用可能なカラーフィルタの構成例について説明する。
第1の実施の形態に係る有機EL発光装置に適用可能なフィルタであって、6角形を基調とするΔ配列パターン例を有する積層カラーフィルタの模式的平面構成は、図16に示すように表される。
図16に示すように、3色のカラーフィルタ40R・40G・40Bは、正六角形を基本パターンとする配列とすることができる。
各色のフィルタは、例えば第2電極上にカラーレジストを塗布し、リソグラフィによってパターニングされる。
カラーレジストは、例えば光硬化性樹脂で構成され、紫外線等が照射された部位が硬化し、例えば正六角形のパターンを形成する。
カラーフィルタ40R・40G・40Bは、各色毎に形成され、各フィルタのエッジ部が盛り上がっている。また、各フィルタのエッジ部において互いに重なり合うようになる。
即ち、図16に示すように、赤色カラーフィルタ40Rと青色カラーフィルタ40Bのエッジ部TRB、青色カラーフィルタ40Bと赤色カラーフィルタ40Rのエッジ部TBR、緑色カラーフィルタ40Gと赤色カラーフィルタ40Rのエッジ部TGR、青色カラーフィルタ40Bと緑色カラーフィルタ40Gのエッジ部TBRにおいて、所定幅(例えば、1μm程度)にわたって盛り上がり、重なっている。各エッジ部における重なりの幅は、例えば、約1μm程度である。
(断面SEM写真)
第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の鳥瞰表面SEM写真例は、図17に示すように表される。図17においては、6角形を基本パターンとするサブピクセル上に、6角形を基調とする積層カラーフィルタが配置される例が示されている。図17によれば、赤色カラーフィルタ40R・緑色カラーフィルタ40G・青色カラーフィルタ40Bのフィルタのうち、1種類のサブピクセルのエッジが盛り上がって、隣接するサブピクセルと一部が重なり合っている状態が分かる。図17によれば、RGBのフィルタの少なくとも一種類のサブピクセルについてエッジ部が盛り上がっている状態が分かる。
また、第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、カラーフィルタのエッジ部の盛り上がり状態を示す断面SEM写真例は、図18に示すように表され、カラーフィルタのエッジ部の盛り上がり状態を示す模式的断面説明は、図19に示すように表される。図18によれば、カラーフィルタのエッジ部は、中央部等の他の部位より0.4μm盛り上がっている様子が分かる。
また、図19に示すように、例えば、カラーフィルタ40B、40G、40Rについて、エッジ部TRG、TGBの幅は、例えば、約1μmである。また、盛り上がり部の深さDは、図18に示すように、例えば、約0.4μmである。
第1の実施の形態に係る有機EL発光装置において、カラーフィルタのエッジ部の盛り上がり状態を説明する図であって、複数の矩形状パターンのカラーフィルタを示す平面構成は、図20(a)に示すように表され、図20(a)のI−I線に沿う模式的断面構造は、図20(b)に示すように表される。カラーフィルタ40B・40R・40G・40B・40R…を矩形状のパターンとした場合において、図20(a)および図20(b)に示すように、周縁部(エッジ部)は、中央部等の他の部位より盛り上がった形状となっている。エッジ部を含むカラーフィルタ40B・40R・40G・40B・40R…の厚さDFは、例えば、約2μm〜約3μmであり、エッジ部の深さは、例えば、約0.4μmである。
(盛り上がり部の形成方法)
図21および図22を参照して、カラーフィルタ40R・40G・40Bの周縁部に盛り上がり部を形成する方法について説明する。
まず、基板を準備する工程と、基板上に第1電極層を形成する工程と、第1電極層上に有機EL層36を形成する工程と、有機EL層36上に第2電極層38を形成する工程と、第2電極層38上に複数のカラーフィルタ40R・40G・40Bを形成する工程とを経て図21(a)に示すような構成を得る。
次いで、各カラーフィルタ40R・40G・40Bの境界に所定幅でレジスト55を塗布する工程を経て、図21(b)に示すような構成を得る。
次に、レジスト55を塗布したカラーフィルタ40R・40G・40Bの表面をアッシングして、境界に盛り上がり部が形成される(図21(c)参照)。
アッシング工程は、例えば、図22に示すように、カラーフィルタ40R・40G・40B・40R…の表面にオゾンガスを作用させて行うことができる。
これにより、カラーフィルタ40R・40G・40B・40R…の表面が図22に示すようにA1→A2→A3→A4のように順次、灰化されて、カラーフィルタ40R・40G・40B・40R…の表面全体に凹部が形成され、結果的に図21(c)に示すようにカラーフィルタ40R・40G・40Bの境界に盛り上がり部が形成される。
なお、アッシングの過程において、レジスト55も同時に灰化されて消滅する。
(有機EL発光装置の他の実施例)
図23を参照して、有機EL発光装置の他の実施例について説明する。図23は、他の実施例に係る有機EL発光装置の1ピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
前出の第2実施例との相違点は、有機EL層36が青色光を発光する発光層48Bを備え、カラーフィルタ40G・40Rは、青色光に対する色変換フィルタで構成される点である。
即ち、図23に示す実施例では、有機EL層36から射出される光線は青色光hνBであり、カラーフィルタは、青色光hνBを吸収して緑色光hνGを発光する色変換フィルタ40Gと、青色光hνBを吸収して赤発光を行う色変換フィルタ40Rとから構成される。
カラーフィルタ40G・40Rの形状等は前出の第1実施例と同様である。
この実施例に係る有機EL発光装置によれば、有機EL層36の発光層48Bから射出され法線方向からずれた光線hνGは、例えば、カラーフィルタ40Gに入射し、カラーフィルタ40Gの表面全体に形成された凹部(盛り上がり部)によるレンズ効果により、法線から離れる方向に屈折される。
これにより、青色光hνBと緑色光hνGとは、互いに離間する方向に進むので、混色する事態が回避される。
したがって、この実施例に係る有機EL発光装置によれば、光学的混色が有効に軽減され、ディスプレイの画質やNTSC比(色域)等が低下する事態を回避することができる。
(カラーフィルタの構成例)
積層カラーフィルタを搭載した第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の模式的断面構造は、図24に示すように表される。
図24に示す構成例では、例えば、赤色カラーフィルタ40Rと緑色カラーフィルタ40Gをそれぞれ2層のフィルタ40R1・40R2および40G1・40G2で構成している。また、青色のカラーフィルタ40Bについては3層のフィルタ40B1・40B2・40B3で構成している。
このように多層構造でカラーフィルタを構成することにより、例えばカラーフィルタを光硬化型樹脂で形成する場合に、硬化させる際の光線を十分な深さまで到達させて樹脂を完全に硬化させることができ、密着性等に優れたカラーフィルタ40B・40G・40Rを形成することができる。
なお、青色カラーフィルタ40Bについて、他の色にフィルタよりも層数を増やしているのは、青色の顔料を含む光硬化型樹脂は、硬化用の光線を吸収し易いため、光線が透過し易い薄い層を重ねる必要があるからである。
なお、各カラーフィルタ40B・40G・40Rのエッジ部の盛り上がり部については、図21、図22において説明した方法によって形成することができる。
また、各カラーフィルタ40B・40G・40Rの表面側には、段差を埋めて平坦化するために透明保護膜42が形成されている。
(断面SEM写真)
積層カラーフィルタを搭載した第1の実施の形態に係る有機EL発光装置の断面SEM写真例は、図33に示すように表される。また、図33の積層カラーフィルタ部分の拡大された断面SEM写真は、図34に示すように表され、図33の積層カラーフィルタ部分の詳細説明は、図35に示すように表される。図35は、図34の写真に輪郭線を加えたものである。
図33に示すように、CMOSLSI600上に下部電極30を介して有機EL層36が積層化され、有機EL層36上にシール層44を介して、さらにカラーフィルタ40と透明保護膜42が配置されている。
図35に示すように、青色カラーレジスト40B1の端部の上に緑色カラーレジスト40G1の端部が重なっている。同様に、緑色カラーレジスト40G1、青色カラーレジスト40B2、緑色カラーレジスト40G2、青色カラーレジスト40B3の順に端部が重なっている。緑色カラーレジスト40G2と青色カラーレジスト40B3の上には透明保護膜42が配置され、平坦化されている。
尚、カラーフィルタの構成は上記の積層カラーフィルタに限定されるものではなく、単層構成であっても良い。また、カラーフィルタのエッジ部にブラックマトリックスを有する構成なども適用可能である。
[第2の実施の形態]
(混色の発生について)
図25を参照して、前出の図5とは異なる原因に基づく混色の発生について説明する。
図25に示すように、例えば、赤色カラーフィルタ40Rを備えるサブピクセルSPRと緑色カラーフィルタ40Gを備えるサブピクセルSPGにおいて、サブピクセルSPRに対応する第1電極層30Rがオン状態され、サブピクセルSPGに対応する第1電極層30Gがオフ状態の場合を想定する。
この場合には、第1電極層30Rに対応する有機EL層36が、第1電極層30Rと第2電極層38との間に印加される電圧により発光し、表面方向に光線hνRが射出される。
したがって、使用者等の肉眼には、本来、赤色のカラーフィルタ40Rを透過した赤色の光線のみが入射するはずである。
しかしながら、有機EL素子において、第1電極層30Rと第2電極層38との間で発光された光線は、表面側に向かう以外に、総発光量の数十%程度の光線が有機EL層36を導波光として水平方向に導波されるという性質がある。
そのため、この導波光が隣接するサブピクセルSPG側の第1電極層30Gの端部によって反射されて、緑色カラーフィルタ40Gを透過して表面側から緑色の光線hνGとして射出されてしまう。
これにより、使用者の肉眼には、赤色の光線hνR以外に、緑色の光線hνGも入射してしまい、赤色と緑色が混色した状態として視認される。
(有機EL発光装置の第1実施例)
図26を参照して、第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第1実施例について説明する。図26は、第1実施例に係る有機EL発光装置の隣接するサブピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図2に示すように、第1実施例に係る有機EL発光装置は、基板60と、基板60上に配置された第1電極層30(30B・30G・30R)と、第1電極層30上に配置された有機EL層36と、有機EL層36上に配置された第2電極層38と、第2電極層38の上に配置された複数色のカラーフィルタ40B・40G・40Rとを備え、第1電極層30および第2電極層38の少なくとも一方に、有機EL層36から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられている。
図26に示す第1実施例に係る有機EL発光装置において、混色抑制手段は、第1電極層301・302の端部において45度以下(θ1≦45°)に形成されたテーパー構造である。
これにより、第1電極層301がオン状態となった場合に、導波光hνtは隣接する第2電極層302の端部に形成されたテーパー構造によって、表面側に反射されることなく水平方向に導波される。
したがって、使用者等に肉眼には、第1電極層301側で発光された光線hν1のみが入射することとなり、混色が発生しない。
この効果は、第2電極層302がオン状態となった場合も同様である。
(第1電極層のテーパー構造の形状)
図27は、第1電極層30のテーパー構造の例を示す図であり、図27(a)は直線状の傾斜部を有する場合の断面図、図27(b)は曲線状の傾斜部を有する場合の断面図である。
図27(a)において、30aが45°の場合であり、30b→30c→30d→30eの順に、45°より鋭角となる場合を示している。
なお、導波光の反射を防止するという観点では、テーパー構造の角度は鋭角なほど効果が高いといえるが、一方で第1電極層30の上面の面積が減少するため電圧印加に影響を与える虞がある。
したがって、テーパー構造の適度な角度は、導波光の反射防止効果と、電圧印加への影響とを勘案して決定される。
図27(b)は、第1電極層30の全体が曲線状の傾斜部を有する場合である。曲線の具体的な形状は、導波光の反射防止効果と、電圧印加への影響とを勘案して決定される。
(有機EL発光装置の第2実施例)
図28および図29を参照して、第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第2実施例について説明する。図28は、第2実施例に係る有機EL発光装置の隣接するサブピクセル部分の模式的断面構造図である。図29(a)は第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第2実施例の他の構成を示す模式的断面構造図、(b)は比較例の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施例に係る有機EL発光装置は、混色抑制手段は、第2電極層38の底部38bの位置が、第1電極層301・302の上部301t・302tよりも、基板60に垂直な方向で、上方向に形成される構造となっている。即ち、図28に示すように、基板60上に、第1電極層301・302が、底部301b・302bから所定厚さで上部301t・302t面が形成されている。
また、有機EL層36を介して、第2電極層38が、凹部に相当する底部38bと凸部に上部38tが形成されている。
第2実施例に係る有機EL発光装置では、第1電極層30・302の上部301t・302t面と第2電極層38の底部38bとの間に距離H1の間隔が形成され、第2電極層38の底部38bの位置が、第1電極層301・302の上部301t・302tよりも、基板60に垂直な方向で、上方向に形成されている。
これにより、有機EL層36を水平方向に導波する導波光は、第1電極層30・302の端部による反射が低減され、混色を抑制することができる。
また、図29(a)に示すように、基板60に凹部が形成される場合において、第2電極層38の底部38bの位置が、第1電極層30の上部30tよりも距離H1だけ上方に形成されるようにしてもよい。
一方、図29(b)に示すように、第2電極層38の底部38bの位置が、第1電極層30の上部30tと距離H2の分だけ重なるような構成の場合には、有機EL層36を水平方向に導波する導波光は、第2電極層38を介して外部に放出されるので、混色を発生する虞があり好ましくない。
(有機EL発光装置の第3実施例)
図30を参照して、第2の実施の形態に係る有機EL発光装置の第3実施例について説明する。図30は、第3実施例に係る有機EL発光装置の隣接するサブピクセル部分の模式的断面構造図である。
なお、基本構成に係る有機EL発光装置と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施例に係る有機EL発光装置は、第2電極層38は、45度以下(即ち、θ2≦45°)に形成されたテーパー構造を有している。
これにより、有機EL層36を水平方向に導波する導波光は、第2電極層38からの透過が低減され、混色を抑制することができる。
[第1電極の構成例]
第1〜第2の実施の形態に係る有機EL発光装置において、正六角形を基本パターンとする第1電極の配列を示す平面構成は、図31に示すように表される。また、図31のII−II線に沿う模式的断面構造は、図32(a)に示すように表され、図31のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図32(b)に示すように表される。
図31および図32を参照して、第1〜第2の実施の形態に係る有機EL発光装置に適用可能な第1電極の構成例について説明する。
図31に示すように、RGBの3色に対応する第1電極層30R・30G・30BがAl、Mo、Ag、Ptなど高反射率を有する金属で正六角形状に形成されている。
図32(a)および図32(b)に示すように、第1電極層30R・30G・30Bの端部にはテーパー構造が形成されており、図26に示す第1実施例と同様に、そのテーパー角は45度以下である。
これにより、有機EL層を水平方向に導波する導波光は、第1電極層30R・30G・30Bの端部による反射が低減され、混色を抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、低コストで光学的混色を低減させることができる有機EL発光装置およびその製造方法を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の有機EL発光装置は、有機ELマイクロディスプレイ、電子ビューファインダー(EVF)、ヘッドマウントディスプレイ、有機ELディスプレイ、有機EL照明などに適用可能である。
6…ピクセル
8…有機EL発光装置
10…ピクセルアレイ
12…水平シフトレジスタ
14…垂直シフトレジスタ
16…データラッチ回路
18…ロードライバ
20…カラムドライバ
22…PNMドライバ
30、301、302…下部電極(第1電極層)
30t、301t、302t、38t…上部
301b、302b、38b…底部
34…駆動回路
36…有機EL層
38…上部電極(第2電極層)
40…カラーフィルタ
41…高屈折率層
42…透明保護膜
43…高屈折率層
44…シール層
46…電子輸送層
47a、47b…封止層
48、48B…発光層
49…平坦化層
49b…保護コート層
50…正孔輸送層
51…保護板
52、54…電極
53…接着層
55…レジスト
56…ゲート電極
58…半導体基板
60…基板
70…VIA電極
600…CMOSLSI

Claims (21)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された第1電極層と、
    前記第1電極層上に配置された有機EL層と、
    前記有機EL層上に配置された第2電極層と、
    前記第2電極層の上に配置された複数色のカラーフィルタと
    を備え、
    前記各カラーフィルタ間の境界部に、前記有機EL層から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられていることを特徴とする有機EL発光装置。
  2. 前記混色抑制手段は、少なくとも一種類の前記カラーフィルタの周縁部に形成される盛り上がり部であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL発光装置。
  3. 前記盛り上がり部は、前記各カラーフィルタの中央部から周縁部に向かって正の勾配を有するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の有機EL発光装置。
  4. 前記盛り上がり部は、断面形状が山形状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の有機EL発光装置。
  5. 前記盛り上がり部は、断面形状が台形状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の有機EL発光装置。
  6. 前記混色抑制手段は、前記各カラーフィルタの表面全体に形成される凹面部であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL発光装置。
  7. 前記各カラーフィルタの表面上に、高屈折率層および封止層の少なくとも一方が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  8. 前記第2電極層と前記各カラーフィルタとの間に、封止層が形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  9. 前記封止層の上に平坦化層が形成されることを特徴とする請求項8に記載の有機EL発光装置。
  10. 前記高屈折率層の上に保護コート層が形成されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  11. 前記高屈折率層の上に接着層を介して保護板が設けられることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  12. 前記有機EL層から射出される光線は白色光であり、前記カラーフィルタは、赤色、緑色、青色の3色のフィルタで構成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  13. 前記有機EL層から射出される光線は青色光であり、前記カラーフィルタは、前記青色光を吸収して緑発光を行う色変換フィルタと、前記青色光を吸収して赤発光を行う色変換フィルタとから構成されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  14. 前記各カラーフィルタの平面形状は、六角形であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  15. 基板と、
    前記基板上に配置された第1電極層と、
    前記第1電極層上に配置された有機EL層と、
    前記有機EL層上に配置された第2電極層と、
    前記第2電極層の上に配置された複数色のカラーフィルタと
    を備え、
    前記第1電極層および前記第2電極層の少なくとも一方に、前記有機EL層から射出される光線の光学的混色を抑制する混色抑制手段が設けられていることを特徴とする有機EL発光装置。
  16. 前記混色抑制手段は、前記第1電極層の端部において45度以下に形成されたテーパー構造であることを特徴とする請求項15に記載の有機EL発光装置。
  17. 前記テーパー構造は、直線状の傾斜部を有することを特徴とする請求項16に記載の有機EL発光装置。
  18. 前記テーパー構造は、曲線状の傾斜部を有することを特徴とする請求項16に記載の有機EL発光装置。
  19. 前記混色抑制手段は、前記第2電極層の底部の位置が、前記前記第1電極層の上部よりも上方に形成される構造であることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  20. 前記第2電極層は、45度以下に形成されたテーパー構造を有することを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の有機EL発光装置。
  21. 基板を準備する工程と、
    前記基板上に第1電極層を形成する工程と、
    前記第1電極層上に有機EL層を形成する工程と、
    前記有機EL層上に第2電極層を形成する工程と、
    前記第2電極層上に複数のカラーフィルタを形成する工程と、
    前記各カラーフィルタの境界に所定幅でレジストを塗布する工程と、
    前記レジストを塗布したカラーフィルタの表面をアッシングして、前記境界に盛り上がり部を形成する工程と
    を有することを特徴とする有機EL発光装置の製造方法。
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