JP2013252413A - 平面パネル型狭帯域単色光照射装置および砲弾型ｌｅｄ狭帯域単色光照射装置 - Google Patents

Abstract

【課題】光学系の調整が不要で、他のデバイスへの組み込みが簡便に行える半値幅１０ｎｍ 以下の狭帯域単色光照射装置を提供する。
【解決手段】基板上に設けられた１個乃至複数の平面実装タイプＬＥＤ（発光ダイオード）と、基板に並行に平面実装タイプＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネルを備えたことを特徴とする。１つ又は複数個並べた平面実装タイプＬＥＤを覆うようにバンドバスフィルターパネルを設けるだけであり、光学系の調整は不要で、装置自体のサイズが非常にコンパクトにすることができる。平面実装タイプＬＥＤ自体のサイズは縦横が数ミリ四方で、厚みがコンマミリのオーダーである。従って、バンドバスフィルターパネルをＬＥＤに接触しない程度に隣接させて設置することにより、装置の大幅なコンパクト化を図る。
【選択図】図１

Description

本発明は、美顔、美容、育毛、皮膚創傷治癒、安眠、植物育成に対して優れた効果のある狭帯域単色光照射装置の技術に関するものである。

本発明者は医師であり、美容皮膚科治療、育毛・増毛及び脱毛の予防に関する情報の提供及びコンサルティングを業として行っている。かかる業務を通じて、長時間使用しても皮膚にトラブルを発生しない、安全で、かつ充分な効果を短時間で得られる美容方法、美顔・美肌方法、育毛・増毛方法を鋭意検討し続けている。
既に、本発明者は、半値幅が１０ｎｍ 以下の超狭帯域の単色光を患部に照射することで、同じ光量の近似する波長域の光よりも強い作用を得られることができる技術を幾つか開示している（例えば、特許文献１〜４）。

特許文献１に開示した技術は、半値幅が１０ｎｍ 以下の位相と波長が略同じ超狭帯域の単色光を患部に照射することで、ブロードバンドの光のような異なる波長の光同士の干渉を著しく低減させ、その単色光本来の有する作用効果を皮膚及び皮膚下の細胞に与えることができる技術である。半値幅が１０ｎｍ 以下の超狭帯域の単色光を患部に照射することにより、ＨＧＦ，ＫＧＦなどの増殖因子に作用して、皮膚創傷に対して優れた治癒効果を発揮できるというものである。

また、特許文献２に開示した技術は、全身美容装置に関するものである。顔や頭部に半値幅が１０ｎｍ 以下の超狭帯域光を広範囲の面積に照射できるものであり、老化やストレス、遺伝、病気等で、頭部他の毛髪が少ない患者に対して、頭部等の皮膚及び皮膚下の細胞を活性化して育毛・発毛を促進し、美肌・美顔の効果があることに加え、局所的な部分に超狭帯域光を照射するのではなく、全身に超狭帯域光を照射することで、同様の効果を発揮できるというものである。

また、特許文献３に開示した技術は、植物成長促進装置に関するものである。光の照射が不十分な場所でも、ピーク波長域が４００〜２５００ｎｍであって、半値幅１０ｎｍ以下の可視光〜近赤外光の超狭帯域光照射することにより、植物の成長促進を図れるものである。

また、特許文献４に開示した技術は、安眠装置に関するものである。半値幅が１０ｎｍ 以下の超狭帯域光を拡散させて、被験者の顔に照射した場合に、特定波長の光が優れた催眠効果を発揮できるというものである。その催眠効果は、半値幅が広い、通常の光の場合には得られない優れた催眠効果である。

国際公開パンフレットWO/2011/067941 国際公開パンフレットWO/2011/070795 国際公開パンフレットWO/2011/070796 国際公開パンフレットWO/2011/070794

しかしながら、上述の半値幅が１０ｎｍ 以下の超狭帯域の単色光を得るための装置は大がかりなもの、具体的には、光径が略５ｃｍの平行光ＬＥＤ光源を用いており装置構造も複雑で量産化が困難であった。また、光源から照射される光が通過するレンズなどの光学系デバイスの配置調整が困難であり、簡便に装置に組み込めるものではなかった。
超狭帯域光の効果が世の中に徐々に認知される中で、装置の簡素化と製作コストの低減化、また様々な装置への組み込みを可能とするコンパクト化の必要性が大きくなっている。
上記状況に鑑みて、本発明は、光学系の調整が不要で、他のデバイスへの組み込みが簡便に行える半値幅１０ｎｍ 以下の狭帯域単色光照射装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成すべく、本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、基板上に設けられた１個の平面実装タイプＬＥＤ（発光ダイオード）と、基板に並行に平面実装タイプＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネルを備えたことを特徴とする。
１個の平面実装タイプＬＥＤを覆うようにバンドバスフィルターパネルを設けるだけであり、光学系の調整は不要で、装置自体のサイズを非常にコンパクト化することができる。平面実装タイプＬＥＤ自体のサイズは縦横が数ミリ四方で、厚みがコンマミリのオーダーである。従って、バンドバスフィルターパネルをＬＥＤに接触しない程度に隣接させて設置することにより、装置の大幅なコンパクト化を図れることになる。

また、本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、基板上に設けられた複数の平面実装タイプＬＥＤ（発光ダイオード）と、基板に並行に平面実装タイプＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネルを備えたことを特徴とする。
光量が不足する場合や、複数の色を必要とする場合に、複数の平面実装タイプＬＥＤを搭載する。

本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、基板上に設けられた１個乃至複数の平面実装タイプＬＥＤ（発光ダイオード）から成る電球型あるいは直管型のＬＥＤ照明具内に、前記基板に並行に前記平面実装タイプＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ以下に絞るバンドバスフィルターパネルが設けられたことを特徴とする。

ここで、本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置において、基板を収納する不透明のハウジングであって、該ハウジングは平面実装タイプＬＥＤの光が出射し得る開口面を備え、透光性樹脂がハウジングに充填され、開口面を塞ぐようにバンドパスフィルターパネルが配設されたことが好ましい。
平面実装タイプＬＥＤとバンドパスフィルターパネルの間隙を透光性樹脂により充填することになる。透光性樹脂をハウジングに充填することで、バンドパスフィルターパネルの撓みを防止できる。
ハウジングの内壁はミラーのように光を反射できることがより好ましい。平面実装タイプＬＥＤの光を効率的に使用するためである。

また、ハウジングの開口面とバンドパスフィルターパネルと隙間に、ハウジング外部への光洩れ防止部材が設けられることがより好ましい。平面実装タイプＬＥＤの光を効率的に使用するためである。

また、ハウジングに充填される透光性樹脂は、具体的には、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、又はそれらの共重合物を使用する。
ここで、液体の透光性樹脂の場合は、ハウジングに充填後に、例えば、電子ビーム照射の下、迅速に固化反応が進行して固体にすることが可能である。また、例えば、光反応開始剤を添加して均一に混合し、混合後の透光性樹脂を紫外線照射の下で迅速に固化させることもできる。

ここで、上記の平面実装タイプＬＥＤの厚さを１ｍｍ以下とし、上記の平面実装タイプＬＥＤの表面とバンドバスフィルターパネルの間隙を０．０１〜３ｍｍとすることが好ましい。かかる構成により、狭帯域単色光照射装置を肉薄とすることが可能である。なお、電源は薄型の電池を用いることができる。
市販されている平面実装タイプＬＥＤの厚みは０．１〜１．０ｍｍであり、防水や防圧等の特殊なＬＥＤを考慮しても、厚みは１ｍｍ以下とするのが好ましく、平面実装タイプＬＥＤの表面とバンドバスフィルターパネルが接触しない程度に間隔を設ければよい。

また、本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置において、平面実装タイプＬＥＤは、異なる波長の単色光あるいは白色光を照射する複数のＬＥＤであり、バンドバスフィルターパネルは、異なる波長帯をカットする２種類以上のバンドバスフィルターが並行に並べられたものであることが好ましい。
平面実装タイプＬＥＤがコンパクトになったことから、それを覆うバンドバスフィルターパネルの大きさのコンパクト化が可能になる。そこで、異なる波長帯をカットする２種類以上のバンドバスフィルターを並行に並べることにより、同時に、異なる波長の狭帯域単色光を照射することが可能になる。これにより、１台のコンパクトな装置で、様々な効果を発揮することが可能になる。

ここで、複数のＬＥＤの電圧供給が、予め指定されたシーケンスに従って電圧供給が制御されることがより好ましい。例えば、安眠装置を想定した場合、睡眠に入るときは、青色の狭帯域単色光を照射して睡眠を誘うべく、青色のＬＥＤに対して電源を供給する。タイマー設定された所定時間後、今後は睡眠から覚ますために、白色光のＬＥＤの電源供給を行うということができる。

また、上記の平面パネル型狭帯域単色光照射装置において平面実装タイプＬＥＤが１個の場合には、平面実装タイプＬＥＤの照射開口部の周囲に接着部材が設けられたことが好ましい。
ＬＥＤ光の放射開口部の周囲にドーナツ状に接着部材を設けることで、様々な装置に組み込むことが簡便に行える。上述したように、平面パネル型狭帯域単色光照射装置のサイズは非常にコンパクトになる。平面実装タイプＬＥＤが１個の場合、直径１０ｍｍ程度、厚み１ｍｍ程度の円盤にすべて収納されることも可能である。その場合、ＬＥＤ光の放射開口部の周囲に接着部材を設けておけば、ＬＥＤ光の放射方向を内側に向けて、様々な装置に貼り付けることができる。
ここで、接着部材とは脱着可能な接着シール、接着のり、面ファスナーなど自由に選択できる。

また、上記の平面実装タイプＬＥＤが１個の平面パネル型狭帯域単色光照射装置において、バンドバスフィルターパネルにおけるＬＥＤ側と反対側に、バンドバスフィルターパネルに両凹レンズもしくは平凹レンズが隣接して設けられたことが好ましい。平面実装タイプＬＥＤが１個であるため、光学系素子の両凹レンズもしくは平凹レンズを同軸上に並行に設置すればよく、複雑な装置の構造や光学系素子の調整は不要である。
また、上記の平面実装タイプＬＥＤが１個の平面パネル型狭帯域単色光照射装置において、バンドバスフィルターパネルと平面実装タイプＬＥＤとの間に、両凸レンズもしくは平凸レンズが設けられたことが好ましい。バンドバスフィルターパネルに入射する光が所定の入射角よりも大きいと、バンドバスフィルターパネルを光が通過しなくなる。また、バンドバスフィルターパネルに入射する光の入射角が大きいとバンドバスフィルターのフィルター性能が低下する。このため、バンドバスフィルターパネルと平面実装タイプＬＥＤとの間に、両凸レンズもしくは平凸レンズを設ける。これにより、平面実装タイプＬＥＤから出射される光は、一旦、両凸レンズもしくは平凸レンズにより集光されることになり、バンドバスフィルターパネルへの入射角が所定角以下にすることが可能になる。従って、平面実装タイプＬＥＤから出射される光が、バンドバスフィルターパネルによって反射したり、十分に波長域がカットされないといった事態を回避でき、光の利用効率を高めることができる。

本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、頭部の一部もしくは全体を覆うヘルメット状、顔の一部もしくは全体を覆うマスク状、または、身体の一部を覆う皿状もしくは身体の全体を覆うドーム状の形をした部材を備え、ＬＥＤ光の照射光の方向が内側に向かう方向で、ヘルメット、マスク、皿、もしくはドームの内側面に設けられたことが好ましい。
平面パネル型狭帯域単色光照射装置がコンパクトであり、様々な装置に組み込みが可能である。ここで、ヘルメット状とは頭を覆うものであり、カチューシャのようなヘアーバンドのようなものも含まれる。マスク状は顔全体を覆うものに限定されず、顔の一部を覆うものも含まれる。皿状のものには桶のようなものも含まれる。

ヘルメット状やマスク状のものは、いずれも外光の影響を排除すべく、外光を遮断できるものであり、内側面に設けたＬＥＤの照射光のみが頭部や顔部に照射されるようにする。
皿状のものは、身体の一部の損傷がある場合、その部位を覆うように皿状のものを身体に被せるようにする。例えば、褥瘡（じょくそう）などの症状の際に、うつむせになって褥瘡の部位を皿状のもので覆い、ＬＥＤ光の照射光の方向が褥瘡の部位に照射されるようにする。皿状で覆うことにより外光の影響を排除できる。
また、ドーム状のものは、身体全体を覆いこんで、身体全体にＬＥＤ光を照射できるものである。

本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、平面実装タイプＬＥＤが、ピーク波長域が６２０〜６６０ｎｍの赤色光を照射するものであり、該ＬＥＤ照射光が通過する前記バンドバスフィルターパネルは、６２０〜６６０ｎｍの波長帯域を半値幅１０ｎｍ以下に絞ることを特徴とする。
狭帯域の赤色光を頭部に照射させることにより、毛乳頭細胞から分泌されるサイトカインのｍＲＮＡ発現量を変化させ、育毛を促進することができる。また、血管内皮増殖因子であるＶＥＧＦ（Vascular Endothelial Growth Factor）の増殖を強く誘導できる。

本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、平面実装タイプＬＥＤが、ピーク波長域が５００〜５４０ｎｍの緑色光を照射するものであり、該ＬＥＤ照射光が通過する前記バンドバスフィルターパネルは、５００〜５４０ｎｍの波長帯域を半値幅１０ｎｍ以下に絞ることを特徴とする。
緑色の狭帯域光は、美顔、美容効果を発揮することができる。

本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、平面実装タイプＬＥＤが、ピーク波長域が４４０〜４８０ｎｍの青色光を照射するものであり、該ＬＥＤ照射光が通過する前記バンドバスフィルターパネルは、４４０〜４８０ｎｍの波長帯域を半値幅１０ｎｍ以下に絞ることを特徴とする。
青色の狭帯域光は、強い睡眠誘導効果を発揮することができる。また、リラックスでき睡眠誘導効果もある。

また、上記の平面パネル型狭帯域単色光照射装置において、絆創膏（ばんそうこう）の形状した部材の中央部に、照射光の放出面を開放して平面パネル型狭帯域単色光照射装置を固定し、放出面の周辺を遮光部材で囲み、更に該遮光部材の外側に接着部材を設けたことが好ましい。
絆創膏（ばんそうこう）の形状のものに、本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置を組み込むことにより、装置を手軽に持ち運べ、装置を簡便に装着することができる。

また、以上の本発明の平面パネル型狭帯域単色光照射装置において、平面実装タイプＬＥＤの替りに１０ｍｍ以下のサイズの砲弾型ＬＥＤを用いることも可能である。砲弾型ＬＥＤを用いた場合、平面実装タイプＬＥＤを用いた場合よりも、装置全体のサイズが大きくなる。しかしながら、照射する単色光に要求される色（波長）、強度などから砲弾型ＬＥＤを用いる場合もあり得る。

また、本発明の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置は、基板上に設けられた１個もしくは複数個の砲弾型ＬＥＤ（発光ダイオード）と、基板に並行に砲弾型ＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネルと、を備え、砲弾型ＬＥＤは、長手方向の軸方向を基準０°とした指向特性が１０°以内である指向性の高い光を発光することを特徴とする。
砲弾型ＬＥＤであっても、指向特性が１０°以内の強い指向性のあるＬＥＤであれば、平面実装タイプＬＥＤと同様に使用することができる。

この砲弾型ＬＥＤは、長手方向のサイズが１０ｍｍ以下のサイズであることが好ましい。装置全体のサイズが大きくならないようサイズを調整する。

ここで、本発明の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置において、基板を収納する不透明のハウジングであって、該ハウジングは平面実装タイプＬＥＤの光が出射し得る開口面を備え、透光性樹脂がハウジングに充填され、開口面を塞ぐようにバンドパスフィルターパネルが配設されたことが好ましい。
砲弾型ＬＥＤとバンドパスフィルターパネルの間隙を透光性樹脂により充填することになる。透光性樹脂をハウジングに充填することで、バンドパスフィルターパネルの撓みを防止できる。なお、ハウジングの内壁はミラーのように光を反射できることがより好ましい。砲弾型ＬＥＤの光を効率的に使用するためである。

また、ハウジングの開口面とバンドパスフィルターパネルと隙間に、ハウジング外部への光洩れ防止部材が設けられることがより好ましい。砲弾型ＬＥＤの光を効率的に使用するためである。

また、ハウジングに充填される透光性樹脂は、具体的には、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、又はそれらの共重合物を使用する。
ここで、液体の透光性樹脂の場合は、ハウジングに充填後に、例えば、電子ビーム照射の下、迅速に固化反応が進行して固体にすることが可能である。また、例えば、光反応開始剤を添加して均一に混合し、混合後の透光性樹脂を紫外線照射の下で迅速に固化させることもできる。

また、上述の平面パネル型狭帯域単色光照射装置から照射された狭帯域単色光を導光板の側面から入射させ、該導光板の表面から均一な光を照射させたことが好ましい。
導光板を用いることにより、導光板の出射光がムラのない効率的な光にすることができる。

また、上述の砲弾型ＬＥＤ型狭帯域単色光照射装置から照射された狭帯域単色光を導光板の側面から入射させ、該導光板の表面から均一な光を照射させたことが好ましい。
導光板を用いることにより、導光板の出射光がムラのない効率的な光にすることができる。

本発明の狭帯域単色光照射装置によれば、従来の狭帯域単色光照射装置とは異なり、光学系の調整が不要で、非常に小さく薄いサイズとなり、他のデバイスへの組み込みが簡便に行えるといった効果を有する。
また、本発明の狭帯域単色光照射装置によれば、絆創膏（ばんそうこう）のように手軽に持ち運べ、簡便に装着することが可能である。

１個のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の構造図 複数のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の構造図 １個のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の断面図 １個のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の使用状態の外観図 数種類のバンドパスフィルターパネルの説明図１ 数種類のバンドパスフィルターパネルの説明図２ 平凹レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図 狭帯域単色光照射装置の機能ブロック図 直管型の狭帯域単色光照射装置の構造説明図 ヘルメットにＬＥＤを装着した狭帯域単色光照射装置 マスクにＬＥＤを装着した狭帯域単色光照射装置 皿状の容器にＬＥＤを装着した狭帯域単色光照射装置 平凸レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図 平凹レンズと平凸レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図 平凸レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図（２） 平凹レンズと平凸レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図（２） 実施例３の狭帯域単色光照射装置の断面図 実施例４の狭帯域単色光照射装置の断面図 実施例４の狭帯域単色光照射装置の砲弾型ＬＥＤの指向特性グラフ

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。

図１は１個のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の構造図である。また、図２は複数のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の構造図である。また、図３は狭帯域単色光照射装置の断面図（図１のＡ−Ａ´の断面）である。また、図４は１個のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の使用状態の外観図である。
図１は狭帯域単色光照射装置１を正面から見た様子を描いており、１個の平面実装タイプＬＥＤ４が所定の間隔をあけて基板上に並んでいる。１個の平面実装タイプＬＥＤ４を覆うように１枚の円形のバンドパスフィルターパネル７が設けられている。それぞれの平面実装タイプＬＥＤ４は、ＬＥＤチップ２とＬＥＤ基板３で構成されている。

同様に、図２は狭帯域単色光照射装置１１を正面から見た様子を描いており、５個の平面実装タイプＬＥＤ４が所定の間隔をあけて基板上に並んでいる。５個の平面実装タイプＬＥＤ４を覆うように１枚の円形のバンドパスフィルターパネル７が設けられている。それぞれの平面実装タイプＬＥＤ４は、ＬＥＤチップ２とＬＥＤ基板３で構成されている。

図３は狭帯域単色光照射装置の断面図（図１のＡ−Ａ´の断面）から判るように、基板１０の上に配線されたプラス（＋）極電源ライン９ａとマイナス（−）極電源ライン９ｂの上にＬＥＤ基板３が配置されている。ＬＥＤ基板３の上にはＬＥＤチップ２があり、ＬＥＤチップ２から光が照射される。
ＬＥＤチップ２は数ｍｍ角であり、ＬＥＤ基板も縦横数ｍｍ程度である。また、厚みは０．１〜０．３ｍｍ程度の薄肉である。

１個のＬＥＤの狭帯域単色光照射装置の使用状態について図４を参照して説明する。
本発明の狭帯域単色光照射装置は、図４（１）は絆創膏（ばんそうこう）の形状に類似しているが、中央部分に狭帯域単色光照射装置１を貼り付け、その周囲に接着部材１５を設けたものである。狭帯域単色光照射装置１は外光の影響を受けないように遮光部材１３を設けるのが好ましい。遮光部材は光を反射するものや反対に吸収するものが用いられる。
また、図４（２）に示すように略正方形の部材の中央部分に狭帯域単色光照射装置１を貼り付け、その周囲に接着部材１６を設けたものでもよい。なお、図４（２）の場合も、狭帯域単色光照射装置１は外光の影響を受けないように遮光部材１４を設けるのが好ましい。

次に、図５を参照して、数種類のバンドパスフィルターパネルを説明する。図５では、３個の平面実装タイプＬＥＤ（４ａ〜４ｃ）が１２０°間隔で並んでいる。それぞれのＬＥＤ（４ａ〜４ｃ）の照射光の通過部分には、それぞれのＬＥＤの波長に応じた３つの円形のバンドバスフィルターパネル（７ａ〜７ｃ）が設けられている。

また、図６は他の数種類のバンドパスフィルターパネルを示す。図６の場合、２個のバンドパスフィルターパネル（７ａ，７ｂ）が設けられ、１個の透明ガラス８が設けられている。

図７は、平凹レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図を示している。図３の断面図と異なり、バンドバスフィルターパネル７の外部に平凹レンズ２０が隣接して設けられている。この場合、１つの平面実装タイプＬＥＤであり、光学系の複雑な調整は不要である。平凹レンズ２０により、バンドバスフィルターパネル７から透過する光を拡散させることができる。

図８は狭帯域単色光照射装置の機能ブロック図を示している。
平面実装タイプＬＥＤのＬＥＤ素子は電圧供給回路を介して外部電源（ＡＣ１００Ｖコンセント）もしくは小型バッテリーから電源供給される。ＬＥＤ素子から発生する熱は放熱部（ヒートシンク）から放熱される。

図９は直管型の狭帯域単色光照射装置の構造説明図を示している。
直管型の狭帯域単色光照射装置は、細長い基板３０に複数の平面実装タイプＬＥＤ４が一列に並べられた直管型デバイスに、バンドパスフィルターパネル３２を搭載し、アクリル樹脂からなるカバー３４を取り付ける。バンドパスフィルターパネル３２が搭載されなければ、直管型照明具にもなりうる。逆に言うと、直管型照明具を用いて、バンドパスフィルターパネル３２と平面実装タイプＬＥＤ４を調整し、安眠誘導や植物育成などの機能を発揮できる狭帯域単色光を照射できるように改良できることになる。
また、カバー３４は、様々な形状に形成してもかまわない。図９では、半楕円柱のような形状のカバーであるが、カバーの形状はこれに限定されない。例えば、三角柱や四角柱や平面実装タイプＬＥＤ４から離れるに従い、湾曲して反った形状でも構わない。また、アクリル樹脂に限らず、自由に形状を形成可能であり、また透明あるいは半透明であるものであれば構わない。

図１０はヘルメットにＬＥＤを装着した狭帯域単色光照射装置を示している。
図１０はヘルメットの内側面にＬＥＤを装着した場合を示している。育毛促進の効果を発揮できるデバイスの一例である。
図１０のようなヘルメットで頭部を覆う。ヘルメットの内壁に設けられた狭帯域単色光照射装置１のＬＥＤ光の照射光は、図に示すように、ヘルメットで覆っている頭皮に向かって進み、頭部の育毛促進部位に照射される。

図１１はマスクにＬＥＤを装着した狭帯域単色光照射装置を示している。美顔（しみやしわ低減効果を発揮できるデバイスの一例である。マスクは顔に密着させるものではなく、皿のように顔と装置の間には空間が存在する。マスクに開口部がないのは、外光の影響をないように外光を遮断するためである。マスクの内面には狭帯域単色光照射装置１が３個配置されている。それぞれの狭帯域単色光照射装置１は、青色、緑色、赤色の狭帯域単色光を照射できるものである。個数は任意に調整でき、また狭帯域単色光の色も自由に選定できる。

図１２は皿状の容器にＬＥＤを装着した狭帯域単色光照射装置を示している。褥瘡（じょくそう）などの症状の際に、うつむせになって褥瘡の部位を、図１２のような皿状の容器で覆う。容器の底面に設けられた狭帯域単色光照射装置１のＬＥＤ光の照射光は、図１２に示すように、皿状の容器の開口部に向かって進み、褥瘡の部位に照射される。

実施例２では、平凸レンズを備えた狭帯域単色光照射装置を説明する。
図１３及び図１５は、平面実装タイプＬＥＤが１個の平面パネル型狭帯域単色光照射装置であって、平凸レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図である。
図１３は、図７の断面図と異なり、バンドバスフィルターパネル７と平面実装タイプＬＥＤ４との間に、平凸レンズ２２が更に設けられている。バンドバスフィルターパネル７に入射する光が所定の入射角よりも大きいと、バンドバスフィルターパネル７を光が通過しなくなる。また、バンドバスフィルターパネルに入射する光の入射角が大きいとバンドバスフィルターのフィルター性能が低下する。このため、バンドバスフィルターパネル７と平面実装タイプＬＥＤ４との間に、平凸レンズ２２を設ける。
なお、図１３は、平凸レンズ２２の平ら側が平面実装タイプＬＥＤに向いており、図１５は、平凸レンズ２２の平ら側がバンドバスフィルターパネル７と当接している。

平面実装タイプＬＥＤは、指向性が高い（０〜２０°の出射角）が、２０〜５０°の範囲の出射角を有する出射光も存在する。これらの光がそのままバンドバスフィルターパネルに入射しても有効に活用できず、装置全体の効率が低下する。
平面実装タイプＬＥＤ４の近傍に平凸レンズ２２を設けることで、平面実装タイプＬＥＤ４から出射される光は、一旦、平凸レンズ２２により集光される。そのため、バンドバスフィルターパネルへの入射角が所定角以下にすることが可能になり、平面実装タイプＬＥＤから出射される光が、バンドバスフィルターパネルによって反射したり、十分に波長域がカットされないといった事態を回避できる。すなわち、平面実装タイプＬＥＤ４の出射光の利用効率を高めることができるのである。
なお、平凸レンズ２２の代わりに、両凸レンズを用いてもよい。

また、図１４および図１６は、平面実装タイプＬＥＤが１個の平面パネル型狭帯域単色光照射装置であって、平凹レンズと平凸レンズを備えた狭帯域単色光照射装置の断面図である。図１４では、図１３で示す構成に加えて、バンドバスフィルターパネル７の外部には、平凹レンズ２０が隣接して設けられている。すなわち、バンドバスフィルターパネル７が平凹レンズ２０と平凸レンズ２２の間に設けられる。
この場合も、平面実装タイプＬＥＤ４から出射される光は、一旦、平凸レンズ２２により集光されるため、バンドバスフィルターパネルへの入射角が所定角以下にすることが可能になり、平面実装タイプＬＥＤから出射される光が、バンドバスフィルターパネルによって反射したり、十分に波長域がカットされないといった事態を回避できる。平面実装タイプＬＥＤ４の出射光の利用効率を高めることができるのである。平凹レンズ２０により、バンドバスフィルターパネル７から透過する光を拡散させることができる。

実施例３の平面パネル型狭帯域単色光照射装置の断面図を図１７に示す。実施例３の平面パネル型狭帯域単色光照射装置は、基板を収納する不透明のハウジング１２が平面実装タイプＬＥＤ４の光が出射し得る開口面を備えており、ハウジング１２内に透光性樹脂１９が充填されている。そして、開口面を塞ぐようにバンドパスフィルターパネル７が設けられる。
すなわち、平面実装タイプＬＥＤ４とバンドパスフィルターパネル７の間隙を透光性樹脂１９が充填されている。これにより、バンドパスフィルターパネル７の撓みを防止する。
ハウジング１２の開口面とバンドパスフィルターパネル７と隙間には、ハウジング１２外部への光洩れ防止部材として黒色のテープが巻かれている。ハウジング１２に充填される透光性樹脂は、シリコン樹脂を使用する。

実施例４の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置の断面図を図１８に示す。実施例４の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置は、基板上に設けられた１個の砲弾型ＬＥＤ（発光ダイオード）と、基板に並行に砲弾型ＬＥＤ７０を覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネル７と、を備えている。
実施例４の砲弾型ＬＥＤは径が５ｍｍであり、指向角が１０°のものを使用した。指向角が１０°とは、図１９に示すように、砲弾型ＬＥＤの長手方向の軸方向を基準０°とした指向特性が１０°以内であることを意味し、指向性の高い光を発光する。

本発明は、美顔装置、美容装置、育毛装置、皮膚創傷治癒装置、安眠装置、植物育成装置として有用である。

１ 狭帯域単色光照射装置
２ ＬＥＤチップ
３ ＬＥＤ基板
４ 平面実装タイプＬＥＤ
７，７ａ〜７ｃ，３２ バンドパスフィルターパネル
８ 透明ガラス
９ａ，９ｂ 電極
１０，３０ 基板
１２ ハウジング
１３，１４ 遮光部材
１５，１６ 接着部材
１９ 透光性樹脂
２０ 平凹レンズ
２２ 平凸レンズ
４０ ヘルメット
５０ マスク
６０ 皿状容器
７０ 砲弾型ＬＥＤ

Claims (25)

1. 基板上に設けられた１個の平面実装タイプＬＥＤ（発光ダイオード）と、
   前記基板に並行に前記平面実装タイプＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネル、
   を備えたことを特徴とする平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
2. 基板上に設けられた複数の平面実装タイプＬＥＤ（発光ダイオード）と、
   前記基板に並行に前記平面実装タイプＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドパスフィルターパネル、
   を備えたことを特徴とする平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
3. 基板上に設けられた１個乃至複数の平面実装タイプＬＥＤ（発光ダイオード）から成る電球型あるいは直管型のＬＥＤ照明具内に、前記基板に並行に前記平面実装タイプＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネルが設けられたことを特徴とする平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
4. 前記基板を収納する不透明のハウジングであって、該ハウジングは前記平面実装タイプＬＥＤの光が出射し得る開口面を備え、
   透光性樹脂が前記ハウジングに充填され、
   前記開口面を塞ぐように前記バンドパスフィルターパネルが配設された、
   ことを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
5. 前記ハウジングの開口面と前記バンドパスフィルターパネルと隙間に、ハウジング外部への光洩れ防止部材が設けられたことを特徴とする請求項４に記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
6. 前記ハウジングに充填される前記透光性樹脂は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、又はそれらの共重合物であることを特徴とする請求項４に記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
7. 前記平面実装タイプＬＥＤの厚さを１ｍｍ以下とし、
   前記平面実装タイプＬＥＤの表面と前記バンドバスフィルターパネルの間隙を０．０１〜３ｍｍとした、ことを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
8. 前記平面実装タイプＬＥＤは、異なる波長の単色光あるいは白色光を照射する複数のＬＥＤであり、
   前記バンドバスフィルターパネルは、異なる波長帯をカットする２種類以上のバンドバスフィルターが並行に並べられたものである、
   ことを特徴とする請求項１〜７のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
9. 前記複数のＬＥＤの電圧供給が、予め指定されたシーケンスに従って電圧供給が制御される、
   ことを特徴とする請求項８に記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
10. 前記平面実装タイプＬＥＤの照射開口部の周囲に接着部材が設けられた、
    ことを特徴とする請求項１〜９のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
11. 前記バンドバスフィルターパネルにおけるＬＥＤ側と反対側に、前記バンドバスフィルターパネルに両凹レンズもしくは平凹レンズが隣接して設けられた、
    ことを特徴とする請求項１〜１０のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
12. 前記バンドバスフィルターパネルと前記平面実装タイプＬＥＤとの間に、両凸レンズもしくは平凸レンズが設けられた、
    ことを特徴とする１〜１１のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
13. 頭部の一部もしくは全体を覆うヘルメット状、顔の一部もしくは全体を覆うマスク状、または、身体の一部を覆う皿状もしくは身体の全体を覆うドーム状の形をした部材を備え、ＬＥＤ光の照射光の方向が内側に向かう方向で、前記ヘルメット、前記マスク、前記皿、もしくは前記ドームの内側面に設けられた、
    ことを特徴とする請求項１〜１２のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
14. 前記平面実装タイプＬＥＤが、ピーク波長域が６２０〜６６０ｎｍの赤色光を照射するものであり、該ＬＥＤ照射光が通過する前記バンドバスフィルターパネルは、６２０〜６６０ｎｍの波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞ることを特徴とする請求項１〜１３のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
15. 前記平面実装タイプＬＥＤが、ピーク波長域が５００〜５４０ｎｍの緑色光を照射するものであり、該ＬＥＤ照射光が通過する前記バンドバスフィルターパネルは、５００〜５４０ｎｍの波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞ることを特徴とする請求項１〜１３のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
16. 前記平面実装タイプＬＥＤが、ピーク波長域が４４０〜４８０ｎｍの青色光を照射するものであり、該ＬＥＤ照射光が通過する前記バンドバスフィルターパネルは、４４０〜４８０ｎｍの波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞ることを特徴とする請求項１〜１３のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
17. 絆創膏（ばんそうこう）の形状した部材の中央部に、照射光の放出面を開放して平面パネル型狭帯域単色光照射装置を固定し、放出面の周辺を遮光部材で囲み、更に該遮光部材の外側に接着部材を設けたことを特徴とする請求項１〜１６のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
18. 前記平面実装タイプＬＥＤの替りに１０ｍｍ以下のサイズの砲弾型ＬＥＤを用いたことを特徴とする請求項１〜１７のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
19. 基板上に設けられた１個もしくは複数個の砲弾型ＬＥＤ（発光ダイオード）と、
    前記基板に並行に前記砲弾型ＬＥＤを覆う、通過光の波長帯域を半値幅１０ｎｍ 以下に絞るバンドバスフィルターパネルと、を備え、
    前記砲弾型ＬＥＤは、長手方向の軸方向を基準０°とした指向特性が１０°以内である指向性の高い光を発光する、
    ことを特徴とする砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置。
20. 前記砲弾型ＬＥＤは、長手方向のサイズが１０ｍｍ以下のサイズであることを特徴とする請求項１９に記載の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置。
21. 前記基板を収納する不透明のハウジングであって、該ハウジングは前記砲弾型ＬＥＤの光が出射し得る開口面を備え、
    透光性樹脂が前記ハウジングに充填され、
    前記開口面を塞ぐように前記バンドパスフィルターパネルが配設された、
    ことを特徴とする請求項１９又は２０に記載の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置。
22. 前記ハウジングの開口面と前記バンドパスフィルターパネルと隙間に、ハウジング外部への光洩れ防止部材が設けられたことを特徴とする請求項２１に記載の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置。
23. 前記ハウジングに充填される前記透光性樹脂は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、又はそれらの共重合物であることを特徴とする請求項２１に記載の砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置。
24. 請求項１〜１８のいずれかに記載の平面パネル型狭帯域単色光照射装置から照射された狭帯域単色光を導光板の側面から入射させ、該導光板の表面から均一な光を照射させたことを特徴とする平面パネル型狭帯域単色光照射装置。
25. 請求項１９〜２３のいずれかに記載の砲弾型ＬＥＤ型狭帯域単色光照射装置から照射された狭帯域単色光を導光板の側面から入射させ、該導光板の表面から均一な光を照射させたことを特徴とする砲弾型ＬＥＤ狭帯域単色光照射装置。