JP2013252053A - 負荷回路の保護装置 - Google Patents

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JP2013252053A JP2013169732A JP2013169732A JP2013252053A JP 2013252053 A JP2013252053 A JP 2013252053A JP 2013169732 A JP2013169732 A JP 2013169732A JP 2013169732 A JP2013169732 A JP 2013169732A JP 2013252053 A JP2013252053 A JP 2013252053A
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Abstract

【課題】電線の温度上昇を検出し、レアショート発生時に確実に負荷回路を遮断することのできる負荷回路の保護装置を提供する。
【解決手段】負荷4に流れる電流が上昇しているときには、電線7或いは接触導体の熱特性(熱抵抗、熱容量)に基づいて電線7の上昇温度を算出し、更に、負荷4に流れる電流がゼロ、或いは減少しているときには、電線7の熱特性に基づいて電線7の下降温度を算出する。そして、求められた上昇温度、下降温度をトータル的に加算することにより、現在の電線7の温度を推定し、この推定温度が所定の許容温度を超えたときに、負荷回路を遮断する。従って、電線7の温度上昇に基づいた、高精度な回路の保護が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電線の温度が上昇した際にこれを検出して負荷回路を保護する負荷回路の保護装置に関する。
例えば、車両に搭載されるランプやモータ等の負荷に電力を供給する負荷回路は、バッテリと、該バッテリと負荷との間に設けられる電子スイッチ(半導体スイッチ等)とが備えられており、バッテリ、電子スイッチ、及び負荷がそれぞれ電線を含む導体を介して接続されている。更に、電子スイッチをオン、オフ操作する制御回路が設けられており、該制御回路より出力される駆動、停止信号により、電子スイッチがオン、オフ動作して負荷の駆動、停止が切り換えられる。
このような負荷回路においては、負荷に過電流が流れた際に、いち早く回路を遮断して、負荷、電線、電子スイッチ等を保護するために、ヒューズ等の過電流保護機能が設けられており、一定の閾値電流を超える過電流が流れた際に、これを検出して電子スイッチをオフとし、回路を遮断する。
ところが、このような負荷回路では、上記した閾値電流を超える程度の過電流が流れた場合、即ち、デッドショート発生時には即時にこれを検出して回路を保護できるが、通常電流よりも大きく且つ閾値電流を超えない程度の電流が流れた場合、即ち、レアショート発生時には、これを検出することができないことがある。
このようなレアショート発生時には、電線に発生するジュール熱により電線の温度が上昇し、電線の発熱量が放熱量を上回ると、電線温度が徐々に上昇し、発煙、焼損等のトラブルが発生することがある。
このような問題を解決するため、例えば、特開2002−84654号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。該特許文献1では、負荷に電流が流れているときには、このときの電流値を読み取ってジュール熱を算出し、負荷に電流が流れていないときには、電線からの放熱量を算出し、電源オフの直後には、電源のオフに伴って発生するアーク熱量を算出する。そして、これらの総和熱量を求め、求められた総和熱量が所定の閾値を超えたときに、回路を遮断して回路全体を保護することが開示されている。
特開2002−84654号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された負荷回路の保護装置では、発熱量、及び放熱量を積算し、この積算値に応じて回路を遮断するか否かを判定するものであり、実際の電線の温度上昇を考慮しているものではない。即ち、発熱量が大きい場合でも太い電線を使用している場合には、放熱量が発熱量を上回り、大きな温度上昇が発生しない。従って、このような場合には継続した通電が可能であるにも関わらず、回路が遮断されてしまうという問題が発生する。
更に、これとは反対に、細い電線を使用している場合には、発熱量が小さくても大きな温度上昇が発生し、発煙、焼損に至る恐れがあるにも関わらず、円滑な回路の遮断が行われないという問題が発生する。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、レアショート発生時に、電線の温度上昇に基づいて回路を遮断するか否かを判断し得る負荷回路の保護装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、電源、スイッチ及び負荷を備えた負荷回路の、前記負荷に流れる電流を検出し、検出した電流値により前記負荷回路を遮断する負荷回路の保護装置において、前記負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で電流が検出されているとき、検出された電流値と、前記負荷と電源とを結ぶ導体の熱特性とに基づいて、前記導体の上昇温度を算出し、前記電流検出手段で電流が検出されていないとき、或いは検出した電流が下降したときに、前記導体の熱特性に基づいて、前記導体の下降温度を算出する温度算出手段と、前記温度算出手段により算出される上昇温度及び下降温度を積算して、前記導体の推定温度を求める推定温度算出手段と、前記推定温度算出手段により算出される前記導体の温度が所定の閾値温度を超えたか否かを判定する温度判定手段と、前記温度判定手段により、前記導体の温度が所定の閾値温度を超えたと判定された際に、前記負荷回路を遮断する遮断制御手段と、を備え、前記温度算出手段は、次式にて前記導体の温度を算出することを特徴とする。
Figure 2013252053
但し、各記号は以下の通り。
T1 :電線の温度[℃]
T2 :周囲温度[℃]
i :電流が上昇或いは定電流を維持しているときの電流値[A]
ia: 電流検出無し或いは電流減少した時の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
r : 導体の抵抗[Ω]
R : 導体の熱抵抗[℃/W]
C : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
本願発明では、電流検出手段にて電流が検出され、この電流値が上昇或いは定電流を維持しているときには、この電流値と、導体(電線と接触導体)の熱特性に応じた、電線の上昇温度が求められる。また、電流検出手段にて電流が検出されていないとき、或いは検出した電流が減少しているときには、導体の熱特性に応じた電線の下降温度が求められる。そして、これらをトータル的に積算することにより、電線の現在の温度を推定し、この推定温度が所定の閾値を超えたときに、電線の発煙状態と判定して、負荷回路を遮断する。従って、電線の温度に基づいて回路を遮断するか否かが判定されるので、電線温度に応じた高精度な回路の遮断制御を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置が用いられた負荷回路の構成を示す回路図である。 図1に示した制御回路の具体的な構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の処理動作を示すフローチャートである。 時間経過に伴う電線温度の変化を示す特性図であり、(a)は電流上昇時、(b)は温度が飽和した後の電流ゼロ、或いは電流減少時を示す。 時間経過に伴う電線温度の変化を示す特性図であり、(a)は電流上昇時、(b)は温度が飽和する前に電流が減少した時の変化を示す。 アーク上昇温度算出部に設定されているアーク対応マップを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置を含む負荷回路の構成を示す回路図であり、例えば、車両に搭載されるランプやモータ等の負荷に、車両に搭載されたバッテリよりの電力を供給して駆動するための回路である。
同図に示すように、負荷回路1は、車両に搭載されるバッテリ(電源)2と、ランプやモータ等の負荷4と、バッテリ2と負荷4との間に設けられ、負荷4への電力の供給、停止を切り換えるMOSFET等の電子スイッチ(スイッチ)3とを備えている。
また、負荷4に流れる電流を検出する電流計(電流検出手段)5と、電子スイッチ3のオン、オフを制御する制御回路6を備えている。更に、バッテリ2と電子スイッチ3との間、及び電子スイッチ3と負荷4との間は、電線7にて接続されている。ここで、本実施形態に係る負荷回路の保護装置10は、電子スイッチ3と、電流計5と、制御回路6により構成される。
図2は、制御回路6の詳細な構成を示す機能ブロック図であり、同図に示すように、制御回路6は、上昇温度算出部61と、下降温度算出部62と、アーク上昇温度算出部63と、推定温度算出部64と、温度判定部65と、スイッチ制御部(遮断制御手段)66を備えている。
上昇温度算出部(温度算出手段)61は、電子スイッチ3がオンとされ、負荷4に電流が流れているときの電流計5により検出される負荷電流、及び予め設定されている電線7と接触導体からなる導体の熱特性(後述する熱抵抗R及び熱容量C)に基づいて、所定のサンプリング時間(例えば、5msec)毎の電線7の上昇温度を算出する。
下降温度算出部(温度算出手段)62は、回路中の接触導体と電線7とが離間する等の理由により、電流計5にて電流が検出されないとき、或いは電流計5で検出された電流が下降したときに、電流が検出されなくなったとき、或いは電流の下降が開始されたときの電線7の推定温度と、電線7を含む導体の熱特性に基づいて、所定のサンプリング時間毎の電線7の下降温度を算出する。
アーク上昇温度算出部63は、接触導体と電線とが離間し、電流値が負荷の通常動作電流に復帰した直後に発生するアークによる電線7の上昇温度を、電流値が負荷の通常動作電流に復帰する直前に流れていた電流値に基づき、所定のサンプリング時間毎に算出する。具体的には、図6に示す如くの、電流値iと上昇温度Q(i)との関係を示すアーク対応マップを備えており、負荷に流れる電流値が負荷の通常動作電流に復帰した際には、この直前の電流値をアーク対応マップに当てはめることにより、上昇温度を求める。
推定温度算出部(推定温度算出手段)64は、上述した上昇温度算出部61で算出された所定のサンプリング時間毎の上昇温度、下降温度算出部62で算出された所定のサンプリング時間毎の下降温度、及びアーク上昇温度算出部63で算出された所定のサンプリング時間毎の上昇温度を積算して、現在における電線7の推定温度を算出する。更に、算出した推定温度を記憶保存するためのメモリ64aを備えている。
温度判定部65は、上述した推定温度算出部64で算出された電線7の推定温度Tnowと、予め設定した許容温度(所定の閾値温度)Tthとを比較し、推定温度Tnowが許容温度Tthを超えた(Tnow>Tth)と判定した場合に、スイッチ制御部66に回路遮断指令信号を出力する。
スイッチ制御部(遮断制御手段)66は、温度判定部65より、上記の回路遮断指令信号が出力された際に、電子スイッチ3をオフとして通電を停止させ、回路を保護する。
なお、上記した制御回路6の機能構成は、負荷回路にレアショートが発生したときに対応するための回路構成のみを示したものであり、デッドショート発生時の遮断回路については省略している。
次に、上昇温度算出部61、下降温度算出部62、及びアーク上昇温度算出部63における上昇温度或いは下降温度の算出方法について説明する。
(イ)上昇温度算出部61における上昇温度の算出
電線7に電流が流れることによる発熱に伴う電線7の温度T1は、次の(1)式で示される。
Figure 2013252053
ここで、各記号は以下の通りである。
T1:電線の温度[℃]
T2:周囲温度[℃]
i:電流が上昇或いは定電流を維持しているときの電流値[A]
r:導体の抵抗[Ω]
R:導体の熱抵抗[℃/W]
C:導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t:経過時間[sec]
(1)式において、周囲温度T2は、電子スイッチ3がオンとされたときの電線7の温度であり、初期状態では固定値として例えば、通常の環境下では25℃、エンジンルーム等の高温環境下では85℃等に設定される。電流iは、電流計5により測定される値であり、電流が上昇或いは定電流を維持しているときの電流値である。抵抗rは定数である。熱抵抗Rは、電線7を含む導体の熱の伝わり易さを示す値であり、電線7の材質、太さ、形状等に基づく固有の値を含む導体の値である。熱容量Cは、電線7を含む導体の温度を1℃高めるのに必要な熱量であり、電線の材質、太さ、形状等に基づく固有の値を含む導体の値である。
従って、電流iと時間tが決定されると、(1)式を用いることにより、電線7の現在の温度T1を求めることができる。
(ロ)下降温度算出部62における下降温度の算出
電流計5で電流が検出されないとき、或いは検出される電流値が下降したときの、放熱に伴う電線の温度T1は、次に(2)式で示される。
Figure 2013252053
ここで、(2)式における各記号は以下の通りである。
T1: 電線の温度[℃]
T2: 周囲温度[℃]
ia: 電流検出無し或いは電流が減少した時の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
r : 導体の抵抗[Ω]
R : 導体の熱抵抗[℃/W]
C : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
(2)式において、周囲温度T2は、電流計5で電流が検出されないとき或いは検出される電流値が下降したときの、電線7の温度である。また、「ia」は、電流計5で電流が検出されないとき或いは検出される電流値が下降したときの、電線7の温度(上記した(1)式で求められる温度T1)にて発熱が飽和する電流[A]であり、電線7の温度が飽和状態である場合には、電流計5で電流が検出されないとき或いは検出される電流値が下降する直前の電流[A]となる。詳細については後述する。従って、電流iaと時間tが決定されると、(2)式を用いることにより、電線7の現在の温度T1を求めることができる。
従って、上記の(1)式と(2)式をまとめると、下記の(α)式が得られる。
Figure 2013252053
但し、各記号は以下の通り。
T1 :電線の温度[℃]
T2 :周囲温度[℃]
i :電流が上昇或いは定電流を維持しているときの電流値[A]
ia: 電流検出無し或いは電流減少した時の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
r : 導体の抵抗[Ω]
R : 導体の熱抵抗[℃/W]
C : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
そして、電流計5で検出される「電流値が上昇或いは定電流を維持している」か、または「電流検出無し或いは電流が減少している」かに応じて、「i」または「ia」に数値を代入することにより、電線の温度を推定することができる。
(ハ)アーク上昇温度算出部63における上昇温度の算出
接触導体と電線7が離間し、電流値が負荷の通常動作電流に復帰した直前の電流iと、上昇温度Q(i)との関係を示すアーク対応マップ(図6参照)を予め記憶しておき、接触導体と電線7とが離間し、電流値が負荷の通常動作電流に復帰したときには、この復帰する直前の電流iに基づき、アーク対応マップを参照して上昇温度Q(i)を求め、次の(3)式を用いて、電線7の温度T1を求める。
T1=T2+Q(i) ・・・(3)
ここで、周囲温度T2は、接触導体と電線7が離間し、電流値が負荷の通常動作電流に復帰したときの電線7の温度である。
次に、上述のように構成された本実施形態に係る負荷回路1の動作について、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本フローチャートに示す処理は、例えば、5[msec]のサンプリング時間で周期的に実行される。
まず、ステップS1において、電流計5により負荷電流が流れているか否かが判定される。即ち、電子スイッチ3がオンとされて、バッテリ2と負荷4が電気的に接続され、電線7に電流が流れているか否かが判定される。
そして、電流が検出されたと判定された場合には(ステップS1でYES)、ステップS2において、今回のサンプリング時の検出電流と前回のサンプリング時の検出電流とを比較する。
そして、今回の検出電流が前回の検出電流以上であると判定された場合(ステップS2でYES)、即ち、負荷4に流れる電流が上昇しているか、或いは定電流で安定していると判定された場合には、ステップS4において、上昇温度算出部61は、タイマを作動させて時間経過を計時すると共に、電流計5で検出された電流値iと、タイマにより計時される経過時間に基づき、上述した(1)式(または、(α)式)を用いて、電線7の温度T1を算出する。なお、(1)式における周囲温度T2は初期温度として、例えば、25℃等の値を設定する。
次いで、ステップS7において、推定温度算出部64は、ステップS4で算出された温度T1を現在の電線7の推定温度Tnowとしてメモリ64aに記憶保存する。
ステップS8では、温度判定部65により、上記のメモリ64aに記憶されている電線7の推定温度Tnowと、電線7が発煙しない程度に設定された許容温度(所定の閾値温度)Tthとが比較判定され、推定温度Tnowが許容温度Tth以下である場合(推定温度Tnow≦許容温度Tth)には、処理を元に戻す(ステップS8でYES)。
そして、上記の負荷4に流れる電流が上昇或いは定電流で安定している場合には、ステップS1,S2,S4,S7の処理が繰り返され、電線7の温度は(1)式においてt=∞として、次の(4)式に示す温度T1に収束する。
T1=T2+i2・r・R ・・・(4)
ここで、負荷回路1にレアショートが発生し、負荷4に流れる電流iが増大した場合には、電線7の温度が上昇し、現在の電線7の推定温度Tnowが許容温度Tthを上回るので、ステップS8でNOとなり、ステップS9にてスイッチ制御部66が電子スイッチ3をオフとして回路を遮断し、負荷回路1を発熱から保護する。
また、今回のサンプリング時における検出電流が、前回のサンプリング時における検出電流未満となった場合には(ステップS2でNO)、ステップS3において、前回のサンプリング時に検出した電流が負荷の通常動作電流範囲外であり、今回のサンプリング時に検出した電流が負荷の通常動作範囲内であるか否かが判定される。この判定処理では、アーク電流発生時にYES判定となる。そして、ステップS3の判定がYESである場合には、ステップS5において、アーク上昇温度算出部63は、アーク対応マップに基づき、上述した(3)式を用いて電線7の上昇温度を算出する。即ち、図6に示す如くのアーク対応マップに、検出電流が負荷4の通常動作電流に復帰する直前の電流値iを当てはめることにより、上昇温度Q(i)を求める。
そして、ステップS7において、推定温度算出部64は、上記の処理で求められた上昇温度Q(i)を、メモリ64aに記憶されている電線7の温度に加算し、電線7の温度を更新する。即ち、メモリに記憶されている1回前のサンプリング期間で求められた電線7の温度を周囲温度T2とし、この周囲温度T2に上記した上昇温度Q(i)を加算し(即ち、上述した(3)式により)現在の電線7の温度T1を求め、これを推定温度Tnowとしてメモリ64aに記憶する。
次いで、この時点で電線7の推定温度Tnowが許容温度Tth以下である場合には(ステップS8でYES)、ステップS1の処理に戻り、ステップS8の処理でNOとなった場合には、ステップS9にてスイッチ制御部66が電子スイッチ3をオフとして回路を遮断し、負荷回路1を発熱から保護する。
また、ステップS3の処理でNOの場合、即ち、「前回サンプリング時の検出電流が負荷の通常動作電流範囲外であり、今回サンプリング時の検出電流が負荷の通常動作範囲内である」という条件を満たさない場合、換言すれば、アーク等の突発的な電流に起因せず、単に電流値が減少している場合、及び、ステップS1でNOの場合、即ち、負荷4に流れる電流値がゼロである場合には、ステップS6の処理に移行する。
ステップS6では、下降温度算出部62は、初期的な処理として、タイマをリセットし、タイマの計時を開始する。更に、上述した(2)式(または、(α)式)に、タイマにより計時される経過時間t、電流ia及び周囲温度T2を代入することにより、現在の電線7の温度T1を算出する。この際、上述したように、(2)式の電流「ia」は、電流が検出されなくなったとき、或いは電流の下降が開始したときの温度T1にて発熱が飽和する電流[A]である。また、電線7の温度が既に飽和状態である場合には、電流「ia」は電流が検出されなくなったとき、或いは電流の下降が開始する直前の電流[A]となる。
以下、(2)式の電流「ia」について詳細に説明する。いま、周囲温度(電線7の初期的な温度)がT21であるときに、電流I1が継続して上昇すると、上述した(1)式に示した特性で電線7の温度が上昇し、ある一定の温度T11で飽和する。これを特性図で示すと、図4(a)に示す曲線s1の如くとなり、温度T21から時間の経過と共に温度が徐々に上昇し、温度T11に収束する。つまり、温度T11で飽和する。
そして、電線7の温度が温度T11で飽和しているときに、電流計5にて電流が検出されなくなったか、或いは電流が下降し始めた場合には、(2)式では、温度T11で電線7の温度が飽和する電流、即ち、電流が検出されなくなったとき、或いは電流の下降が開始する直前の電流I1が「ia」として設定される。従って、図4(b)の曲線s2に示すように、同図(a)の曲線s1を上下反対にした特性で、電線7の温度が下降し、最終的に周囲温度T21に収束するように変化する。
また、電線7の温度が飽和していないときに、電流計5にて電流が検出されなくなったか、或いは電流が下降し始めた場合、即ち、図5(a)に示すように、曲線s1が温度T11に収束する前の、例えば時刻t1で電流が検出されなくなったか、或いは電流が下降し始めた場合には、この時点の温度T12で電線7の温度が飽和する電流が、電流「ia」として設定される。つまり、電線7の温度が温度T12で飽和する電流I2を求め(曲線s3参照)、この電流I2が(2)式の電流「ia」となる。
従って、放熱特性は、曲線s3を上下反対にした特性を有することになり、図5(b)に示す曲線s4に示すように、電線7の温度が下降する特性曲線となる。
そして、図3のステップS6で、上述した(2)式により下降温度が算出されると、ステップS7において、推定温度算出部64のメモリ64aに記憶されている現在の電線7の推定温度Tnowが更新される。
つまり、メモリ64aには、負荷電流が上昇しているときの温度上昇、アーク発生時の温度上昇、及び負荷電流オフ或いは減少しているときの放熱を全て考慮して求められる、電線7の推定温度Tnowが記憶保存されることになる。そして、ステップS8では、この電線7の推定温度Tnowと許容温度Tthとが比較され、推定温度Tnowが許容温度Tth以上となった場合に、電子スイッチ3をオフとして回路を遮断する。こうして、レアショートが発生し、電線7の温度が上昇した場合には、即時に回路を遮断することができるのである。
このようにして、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、負荷4に流れる電流が上昇しているときには、上記した(1)式(または、(α)式)を用いて電線7の温度を検出し、また、電流がゼロ、或いは電流が減少しているときには、上記した(2)式(または、(α)式)を用いて電線7の温度を検出し、更に、アークが発生したときの温度上昇を(3)式により加算して、トータル的に現在の電線7の温度を推定している。
そして、現在の電線7の推定温度Tnowが、発煙を生じる許容温度Tthに達した時点で電子スイッチ3をオフとし、回路を保護する。つまり、電線7の熱抵抗R、熱容量Cといった電線7の固有の特性を用いて電線7の実際の温度を推定し、回路を遮断するか否かを判定しているので、電線7が発煙する前の時点で確実に回路を遮断して、負荷回路及び電線7を保護することができる。また、継続的な通電が可能である、極めて少ない発熱でむやみに負荷回路1が遮断されるというトラブルの発生を回避することができる。
更に、負荷4に流れる電流がゼロ、或いは減少を開始したときには、この条件となる直前の温度で飽和する電流値を、上述の(2)式に当てはめて放熱による下降温度を算出するので、極めて高精度に下降温度を求めることができ、電線7の温度を高精度に求めることができ、ひいてはレアショートが発生した場合であっても、電線7が発煙する前の時点で確実に回路を遮断することができる。
以上、本発明の負荷回路の保護装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した実施形態では、負荷回路の保護装置が、車両に搭載されるランプ、モータ等の負荷を駆動する負荷回路1に用いられる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の負荷回路についても適用することができる。
レアショートが発生した際に、これを確実に検出して回路を保護する上で極めて有用である。
1 負荷回路
2 バッテリ
3 電子スイッチ
4 負荷
5 電流計(電流検出手段)
6 制御回路
7 電線
10 負荷回路の保護装置
61 上昇温度算出部(温度算出手段)
62 下降温度算出部(温度算出手段)
63 アーク上昇温度算出部
64 推定温度算出部(推定温度算出手段)
64a メモリ
65 温度判定部(温度判定手段)
66 スイッチ制御部(遮断制御手段)

Claims (1)

  1. 電源、スイッチ及び負荷を備えた負荷回路の、前記負荷に流れる電流を検出し、検出した電流値により前記負荷回路を遮断する負荷回路の保護装置において、
    前記負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段で電流が検出されているとき、検出された電流値と、前記負荷と電源とを結ぶ導体の熱特性とに基づいて、前記導体の上昇温度を算出し、前記電流検出手段で電流が検出されていないとき、或いは検出した電流が下降したときに、前記導体の熱特性に基づいて、前記導体の下降温度を算出する温度算出手段と、
    前記温度算出手段により算出される上昇温度及び下降温度を積算して、前記導体の推定温度を求める推定温度算出手段と、
    前記推定温度算出手段により算出される前記導体の温度が所定の閾値温度を超えたか否かを判定する温度判定手段と、
    前記温度判定手段により、前記導体の温度が所定の閾値温度を超えたと判定された際に、前記負荷回路を遮断する遮断制御手段と、を備え、
    前記温度算出手段は、次式にて前記導体の温度を算出することを特徴とする負荷回路の保護装置。
    Figure 2013252053
    但し、各記号は以下の通り。
    T1 :電線の温度[℃]
    T2 :周囲温度[℃]
    i :電流が上昇或いは定電流を維持しているときの電流値[A]
    ia: 電流検出無し或いは電流減少した時の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
    r : 導体の抵抗[Ω]
    R : 導体の熱抵抗[℃/W]
    C : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
    t : 経過時間[sec]
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