JP2013251404A - チップの表面処理方法、接合方法、及び表面処理装置 - Google Patents

チップの表面処理方法、接合方法、及び表面処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接合界面に酸化物などの望ましくない残存物を残さないようして、表面処理の前後で大気などの酸化雰囲気中でチップを処理を可能にして、効率よくかつ安定して複数のチップをウエハなどの基板に接合する技術を提供する。
【解決手段】一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有するチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理方法が、金属領域の表面に気化性材料が塗布されたチップを準備するステップS1と、気化性材料を気化させて金属領域の表面を露出させるステップS2と、金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して、非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップS3と、を備える。
【選択図】図1

Description

本願発明は、ウエハ上にチップを実装するためのチップの表面処理方法、及びチップオンウエハ(COW,Chip−On−Wafer)接合方法及びその表面処理装置に関する。
エレクトロニクスの分野では、デバイス実装の更なる高密度化が求められている。そこで、既にパッケージされた半導体集積回路(チップ)をフリップチップ実装技法によりウエハ(基板)上に接合する技術が注目を集めている。チップは、バンプ(突起)状の又は平坦な金属領域を有しており、この金属領域を介して、チップとウエハとの間、あるいはチップが3次元的に積層される場合には積層された複数のチップ間の電気的接続を確立することができる。また、チップは、機械的強度を上げるためにウエハ又は他のチップと接合するための部位を有してもよく、この部位は金属領域として構成されることもある。そして、チップとウエハとの間又は積層された複数のチップの間で、上記金属領域を介して電気的接続を確立し機械的強度を上げることで、チップとウエハとの間又は積層された複数のチップ間の電気信号授受の高速化と、電子デバイス実装の高密度化を実現することができる。
接合に用いられるチップの金属領域の表面には、金属領域が形成後、接合工程までに大気中の酸素に曝されることにより、比較的厚い酸化膜が形成されている場合が多い。この酸化膜は、接合前に除去が不十分だと最終的に形成された接合界面の導電性や機械的強度を低下させる原因となる。そのため従来、400℃、150MPa以上の高温、高圧下で拡散接合されていた。また表面活性化処理された状態でも150〜300MPaという高圧接合が必要であった(特許文献1)。さらに、基板の寸法が増大する傾向に従うと、同様の加熱条件でより大きな力を掛けることができる大型の接合システムが必要となる。接合時において高圧を加えることにより、チップや基板を変形させることがあり、接合装置の加圧機構をも大掛かりな構成にしなければならない。
また、従来、金属領域の酸化を抑制するために、金属領域の形成直後に気化性の防錆剤(VCI、Volatile Corrosion Inhibitor)を塗布することも行われてきた。しかし、この防錆剤を気化により除去した後に露出した金属領域の新生表面は、大気中の酸素と接触することで再び酸化されてしまう。また、従来、酸化膜を消滅させるために、金属領域の表面に対して還元処理を行うことで酸化膜を除去することが行われてきた。しかし、酸化膜の除去により露出した金属領域の新生表面は、大気中の酸素と接触することで再び酸化してしまう。
特開2004−119430
露出した金属領域の接合するためには、高温、高圧下で金属領域の表面に形成された酸化膜を金属中に拡散させることで接合するか、例えば接合するまで酸素がほぼ除去された真空などの雰囲気中に金属領域を保持するなどの接合機構が必要である。こうした接合機構は大掛かりになり簡易な接合装置で行うことができず、金属領域の新生表面の露出から接合までは所定の時間が掛かるために、金属領域の表面の酸化を効率的に回避できないという課題があった。さらには、チップオンウエハにおいては、一般に、ウエハ上に実装する最初のチップの接合と最後のチップの接合との間には、数十分から数時間の時間が掛かるので、金属領域の新生表面の酸化の度合いもチップにより異なり、最後のチップほど酸化の度合いが進むという課題があった。また、高温、高圧下での接合においては、薄いウエハや熱膨張の異なる異種材料間での接合には不向きであり、かつ熱膨張により位置合わせ精度が劣化する課題があった。
そこで、本願発明は、表面処理においてチップの金属領域の新生表面の酸化を極力回避しつつ、接合界面に酸化物などの望ましくない残存物を残さないようして、表面処理の前後で大気などの酸化雰囲気中でチップやウエハの搬送や処理を可能にして、効率よくかつ安定して複数のチップをウエハなどの基板に接合する技術を提供することを目的とする。
本願において、「チップ」とは、半導体部品を含む成型加工半導体の板状部品、パッケージされた半導体集積回路(IC)などの電子部品等を示す広い概念の用語として与えられる。「チップ」には、一般に「ダイ」と呼ばれる部品や、基板よりも寸法が小さくて、複数個を当該基板に接合できるほどの大きさを有する部品又は小型の基板も含まれる。また、電子部品以外に、光部品、光電子部品、機械部品も含まれる。また、ウエハからダイシングされ粘着シート上に配置されたものも含む。
本願において、「チップ」は、基板に接合される接合面を有し、当該接合面には、金属領域が形成されている。この金属領域は、チップ側接合面に対して突起して形成されてもよく、また実質上平坦に形成されてもよい。基板側の接合面には、接合時に対向するチップ側接合面の金属領域に対応する金属領域が形成されている。チップ側接合面の金属領域と基板側の金属領域とが接合されることにより、チップと基板との間で電気的接続が確立され、所定の機械的強度が得られる。
本願発明において、ウエハ(以下、基板と称する。)は、板状の半導体を含むが、これに限定されず、半導体以外にも、ガラス、セラミックス、金属、プラスチックなどの材料、又はこれらの複合材料により形成されていてもよく、円形、長方形等の種々の形状に形成される。また、基板には既に1又は複数の層のチップが接合されることで形成されたチップと基板とを含む構造体も含まれる。
上記の技術的課題を解決するために、本願発明に係る、一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有するチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理方法は、金属領域の表面に気化性材料が塗布されたチップを準備するステップと、気化性材料を気化させて金属領域の表面を露出させるステップと、金属領域の表面を露出させるステップの後、非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、表面処理方法が行われるまでは気化性材料により酸化から保護されている金属領域から、気化性材料を除去して非酸化雰囲気中で新生表面を露出させ、この新生表面に対して表面活性化処理と親水化処理とが行われることで、清浄でかつ酸化速度が十分に遅く、すなわち大気などの雰囲気中でも安定な接合面を形成することができる。その結果、真空などを要さない簡易な接合装置を用いて、表面処理後の時間に依存しない安定した仮接合を行うことができる。さらに、水等の接合面に付着され仮接合に寄与した物質は、本接合の際に消滅するので、最終製品において、チップと基板との間に清浄な接合界面を形成し、良好な導電性と高い機械的強度を有するチップと基板とを含む構造体を製造することができる。したがって、多数のチップに亘り均一に、高性能な接合界面を高い生産効率で形成しつつ、多数のチップを基板上に実装することができるという効果を奏する。
本願発明によれば、金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行うようにしたものである。これにより、露出した新生表面の酸化をより効率よく回避して、より清浄でかつ酸化速度が十分に遅く、すなわち大気などの雰囲気中でも安定な接合面を形成することができる。
本願発明によれば、非酸化雰囲気が、真空又は不活性ガスを含む雰囲気であるようにしたものである。これにより、非酸化雰囲気を真空引きすることで、除去した気化性材料の金属領域の表面への再付着を防止し、清浄な接合面を形成することができる。また、非酸化雰囲気に不活性ガスを使用することで、真空システムなどが不要となり、簡易に表面処理装置を構成することができる。
本願発明によれば、金属領域が、銅又はハンダ材料により形成されているようにしたものである。これにより、本願発明に係る表面処理方法を、広範囲の電子デバイスにおけるチップの基板上への接合方法に適用することができる。
本願発明によれば、気化性材料が、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライ、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、及びシクロヘキシルアミンアクリレートからなる群から選ばれる気化性防錆剤、又は直鎖アルカンチオールを含むようにしたものである。これらの材料は、入手が比較的容易であり、金属領域を酸化から保護しかつ容易に除去されうるので、表面処理プロセスの簡易化及びコスト低減が可能になる。
本願発明によれば、気化性材料を気化することが、気化性材料に対して、熱、光、又は酸素プラズマを照射することで行われるようにしたものである。これにより、気化性材料を効率よく除去することができる。
本願発明に係る、一つ又は複数のチップ側金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを、一つ又は複数の基板側金属領域を有する基板側接合面を有する基板に接合するための方法は、チップ側金属領域の表面に気化性材料が塗布されたチップを準備するステップと、チップ側金属領域の表面を露出させるステップと、気化性材料を気化させてチップ側金属領域の表面を露出させるステップの後に、非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、非酸化雰囲気中で、基板側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、親水化処理が行われたチップ側金属領域が親水化処理が行われた基板側金属領域に接触するように、複数のチップを一つずつ対応する基板の基板側接合面に取り付けて、複数のチップと基板とを含む構造体を形成するステップと、複数のチップと基板とを含む構造体を加熱するステップと、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、清浄な接合界面を、複数のチップに亘り均一に形成することができる。
本願発明によれば、金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行うようにしたものである。これにより、露出した新生表面の酸化をより効率よく回避して、より清浄でかつ酸化速度が十分に遅く、すなわち大気などの雰囲気中でも安定な接合面を形成することができる。
本願発明によれば、複数のチップの基板の基板側接合面への取付けが大気中で行われるようにしたものである。これにより、仮接合をするための装置を簡易な構成とすることができる。
本願発明に係る、一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有するチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理方法は、金属領域の表面に酸化物が形成されたチップを準備するステップと、金属領域の表面に形成された酸化物を還元することで除去し、金属領域の表面を露出させるステップと、金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して、非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、表面処理方法が行われるまでは酸化物で覆われている金属領域から、酸化物を除去して非酸化雰囲気中で新生表面を露出させ、露出した新生表面の酸化を回避しつつ、この新生表面に対して表面活性化処理と親水化処理とが行われることで、清浄でかつ酸化速度が十分に遅く、すなわち大気などの雰囲気中でも安定な接合面を形成することができる。その結果、真空などを要さない簡易な接合装置を用いて、表面処理後の時間に依存しない安定した仮接合を行うことができる。さらに、水等の接合面に付着され仮接合に寄与した物質は、本接合の際に消滅するので、最終製品において、チップと基板との間に清浄な接合界面を形成し、良好な導電性と高い機械的強度を有するチップと基板とを含む構造体を製造することができる。したがって、多数のチップに亘り均一に、高性能な接合界面を高い生産効率で形成しつつ、多数のチップを基板上に実装することができるという効果を奏する。
本願発明によれば、金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行うようにしたものである。これにより、露出した新生表面の酸化をより効率よく回避して、より清浄でかつ酸化速度が十分に遅く、すなわち大気などの雰囲気中でも安定な接合面を形成することができる。
本願発明によれば、金属領域の表面に形成された酸化物を還元することが、金属領域の表面を加熱して、当該加熱した金属領域の表面に対して有機酸ガスを照射することで行われるようにしたものである。これにより、酸化物を還元し、形成された有機酸塩を分解して除去して、効率的に、金属領域の新生表面を露出させることができる。
本願発明によれば、金属領域の表面に形成された酸化物を還元することが、当該金属領域の表面に、有機酸ガスと水素又は水素ラジカルを含むガスとを含む混合ガスを照射することで行われるようにしたものである。これにより、比較低温で、酸化物を除去して金属領域の新生表面を露出させることができる。
本願発明によれば、有機酸ガスが、ギ酸ガスであるようにしたものである。これにより、特にギ酸を用いることで、より効率よく、酸化物を除去して金属領域の新生表面を露出させることができる。
本願発明によれば、金属領域の表面を露出させるステップの前に、金属領域の表面を研磨するステップを更に備えるようにしたものである。これにより、研磨により金属領域の表面の酸化物の大部分又はすべてを取り除くことができる。したがって、薄くなった酸化物を、還元剤の照射によりより効率よく還元され除去することができる。
本願発明に係る、一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを、一つ又は複数の金属領域を有する基板側接合面を有する基板に接合するための方法は、チップ側金属領域の表面に酸化物が形成された複数のチップを準備するステップと、チップ側金属領域の表面に形成された酸化物を還元することで除去し、チップ側金属領域の表面を露出させるステップと、チップ側金属領域の表面を露出させるステップの後に、非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、非酸化雰囲気中で、基板側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、親水化処理が行われたチップ側金属領域が親水化処理が行われた基板側金属領域に接触するように、複数のチップを一つずつを対応する基板の基板側接合面に取り付けて、複数のチップと基板とを含む構造体を形成するステップと、複数のチップと基板とを含む構造体を加熱するステップと、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、清浄な接合界面を、複数のチップに亘り均一に形成することができるという効果を奏する。
本願発明によれば、金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行うようにしたものである。これにより、露出した新生表面の酸化をより効率よく回避して、より清浄でかつ酸化速度が十分に遅く、すなわち大気などの雰囲気中でも安定な接合面を形成することができる。
本願発明によれば、複数のチップの基板の基板側接合面への取付けが大気中で行われるようにしたものである。これにより、仮接合をするための装置を簡易な構成とすることができる。
本願発明によれば、金属領域の表面を露出させるステップの前に、金属領域の表面を研磨するステップを更に備えるようにしたものである。これにより、研磨により金属領域の表面の酸化物の大部分又はすべてを取り除くことができる。したがって、薄くなった酸化物を、還元剤の照射によりより効率よく還元され除去することができる。
本願発明に係る、一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理装置は、チップを内部に載置することができる真空容器と、チップを加熱する加熱手段と、真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する雰囲気制御手段と、チップの金属領域に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させる表面活性化手段と、チップの金属領域に対して水を付着させる親水化処理手段と、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、気化性材料が塗布され酸化から保護されている金属領域を有するチップを準備することで、この金属領域を酸化させずに、当該気化性材料を除去しかつ、安定で清浄な親水化された金属領域の表面を準備することができる。その結果、最終製品において、清浄な接合界面を複数のチップに亘り均一に効率よく形成することができるという効果を奏する。
本願発明によれば、真空容器は、第1真空容器と第2真空容器とを有し、第1真空容器は、加熱手段を有し、第1真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第1雰囲気制御手段と連結されて構成され、第2真空容器は、表面活性化処理手段と親水化処理手段とを有し、第2真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第2雰囲気制御手段と連結され、第1真空容器と第2真空容器との間で非酸化雰囲気を破ることなくチップを搬送できるように構成されたものである。これにより、表面活性化処理及び親水化処理を行う際に、金属領域の表面への気化した材料の付着を抑制することができる。
本願発明に係る、一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理装置は、チップを内部に載置することができる真空容器と、チップの金属領域の酸化物を還元する還元剤をチップの金属領域に向けて照射する還元剤照射手段と、真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する雰囲気制御手段と、チップの金属領域に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させる表面活性化手段と、チップの金属領域に対して水を付着させる親水化処理手段と、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、気化性材料が塗布され酸化から保護されている金属領域を有するチップを準備することで、この金属領域を酸化させずに、当該気化性材料を除去しかつ、安定で清浄な親水化された金属領域の表面を準備することができる。その結果、最終製品において、清浄な接合界面を複数のチップに亘り均一に効率よく形成することができるという効果を奏する。
本願発明によれば、真空容器が、第1真空容器と第2真空容器とを有し、第1真空容器は、還元剤照射手段を有し、第1真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第1雰囲気制御手段と連結されて構成され、第2真空容器が、表面活性化処理手段と親水化処理手段とを有し、第2真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第2雰囲気制御手段と連結され、第1真空容器と第2真空容器との間で非酸化雰囲気を破ることなくチップを搬送できるように構成されたものである。これにより、表面活性化処理及び親水化処理を行う際に、金属領域の表面への気化した材料の付着を抑制することができる。
本願発明によれば、還元剤照射手段が、有機酸ガスを照射する有機酸ガス源を有し、チップを加熱する加熱手段を更に有するようにしたものである。これにより、金属領域表面の酸化物を効率よく還元して除去することができる。
本願発明によれば、還元剤照射手段が、有機酸ガスを照射する有機酸ガス源を有し、当該有機酸ガス源は、有機酸ガスを分解する、加熱可能な触媒を有するようにしたものである。これにより、金属領域の表面の酸化物を、比較的低温で効率よく還元して除去することができる。
本願発明に係る、一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有するチップを接合するための、金属領域の表面処理方法は、金属領域の表面に酸化物が形成されたチップを準備するステップと、金属領域の表面に形成された酸化物を研磨することで除去し、金属領域の表面を露出させるステップと、非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、研磨により金属領域の表面の酸化物の厚さを薄くすることができるので、残った酸化物を表面活性化処理により十分に除去することができるので、還元剤の照射は不要となり、より効率的に表面処理を行うことができる。
本願発明に係る、一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを、一つ又は複数の金属領域を有する基板側接合面を有する基板に接合するための方法は、チップ側金属領域の表面に酸化物が形成された複数のチップを準備するステップと、チップ側金属領域の表面に形成された酸化物を研磨することで除去し、チップ側金属領域の表面を露出させるステップと、非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、非酸化雰囲気中で、基板側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、親水化処理が行われたチップ側金属領域が親水化処理が行われた基板側金属領域に接触するように、複数のチップを一つずつ対応する基板の基板側接合面に取り付けて、複数のチップと基板とを含む構造体を形成するステップと、複数のチップと基板とを含む構造体を加熱するステップと、を備えるようにしたものである。本願発明によれば、研磨により金属領域の表面の酸化物の厚さを薄くすることができるので、残った酸化物を表面活性化処理により十分に除去することができるので、還元剤の照射は不要となり、より効率的にチップを基板に接合することができる。
本願発明によれば、複数のチップの基板の基板側接合面への取付けが大気中で行われるようにしたものである。これにより、仮接合をするための装置を簡易な構成とすることができる。
本願発明によれば、表面処理方法が行われるまでは酸化から保護されている金属領域から、非酸化雰囲気中で新生表面を露出させ、露出した新生表面の酸化を回避しつつ、この新生表面に対して表面活性化処理と親水化処理とが行われることで、清浄でかつ酸化速度が十分に遅く、すなわち大気などの雰囲気中でも安定な接合面を形成することができる。これにより、本願発明に係る表面処理の前後においてチップを大気中に保持することが可能となるので、その結果、真空などを要さない簡易な接合装置を用いて、表面処理後の時間に依存しない安定した仮接合を行うことができる。さらに、水等の接合面に付着され仮接合に寄与した物質は、本接合の際に消滅するので、最終製品において、チップと基板との間に清浄な接合界面を形成し、良好な導電性と高い機械的強度を有するチップと基板とを含む構造体を製造することができる。したがって、多数のチップに亘り均一に、高性能な接合界面を高い生産効率で形成しつつ、多数のチップを基板上に実装することができるという効果を奏する。
第1の実施形態に係るチップの表面処理方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るチップの表面処理方法の処理過程を模式的に示す断面図である。 表面処理システムの概略構成を示す正面図である。 第1の実施形態に係るチップの表面処理方法を用いたチップの接合方法を示すフローチャートである。 チップの接合過程を模式的に示す断面図である。 第2の実施形態に係るチップの表面処理方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るチップの表面処理方法を用いたチップの接合方法を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照して本願発明に係る実施形態を説明する。
<1.第1の実施形態>
<1.1 接合方法>
本願発明の第1の実施形態を、図1から図3を参照して説明する。図1は、本願発明の第1の実施形態に係る、チップを基板へ接合するためのチップ側接合面の金属領域の表面処理方法を示すフローチャートである。図2は、本願発明の第1の実施形態に係る、表面処理方法の処理過程を模式的に示す断面図である。図3は、本願発明の第1の実施形態に係る表面処理を行うための表面処理システムの概略構成を示す正面図である。
工程S1では、チップ側接合面に形成されたチップ側金属領域2の表面に気化性材料3が塗布されたチップ1を準備する(図2(a))。工程S2では、非酸化雰囲気4の中で、気化性材料3を気化させることで、チップ側接合面の金属領域の表面を露出させる(図2(b))。工程S3では、工程S2から連続して、非酸化雰囲気4の中で、露出したチップ側接合面の金属領域の表面5に対して、所定の運動エネルギーを有する粒子6を衝突させることで表面活性化処理を行い(図2(c))、表面活性化処理が行われた金属領域の表面5に水7を付着させることで親水化処理を行う(図2(d))。
工程S1で準備するチップの金属領域の表面に塗布される気化性材料は、熱や光の照射などにより与えられた熱エネルギーにより、又は酸素プラズマの照射により除去することができる材料であることが好ましい。
気化性材料として、気化性防錆剤(VCI)を使用し、金属領域上に数十ナノメートル(nm)から数マイクロメートル(μm)程度の厚さとなるように塗布することが好ましい。接合の態様に応じて、適切な気化性防錆剤を採用することが好ましい。一般に、気化性防錆剤は、金属の酸化に対する保護剤として、数十日亘って防錆効果を示すように塗布されることができる。したがって、金属領域に気化性防錆剤が塗布されたチップは、大気中で長期間に亘り安定した状態で保管されうる。さらに、本願発明に係る表面処理によれば、この気化性防錆剤は十分に除去され、表面活性化処理と親水化処理を行うことにより、大気中で比較的安定でかつ清浄な金属領域の表面を形成することができる。
気化性防錆材として、ベンゾトリアゾール(BTA:benzotriazole)、トリルトリアゾール(TTA:tolyltriazole (methyl benzotriazole))、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト(ダイカン、DICHAN:dicyclohexyl ammonium nitrite)、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート(DICHA・SA:dicyclohexyl ammonium salicylate)、モノエタノールアミンベンゾエート(MEA・BA:monoethanolamine benzoate)、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート(DICHA・BA:dicyclohexyl ammonium benzoate)、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート(DIPA・BA:diisopropyl ammonium benzoate)、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト(ダイパン DIPAN:diisopropyl ammonium nitrite)、シクロヘキシルアミンカーバメイト(CHC:cyclohexylamine carbamate)、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト(ナイタン NITAN:nitro naphthalene ammonium nitrite)、シクロヘキシルアミンベンゾエート(CHA・BA:cyclohexylamine benzoate)、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート(DICHA・CHC:dicyclohexyl ammonium cyclohexanecarboxylate)、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート(CHA・CHC:cyclohexylamine cyclohexane carboxylate)、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート(DICHA・AA:dicyclohexyl ammonium acrylate)、シクロヘキシルアミンアクリレート(CHA・AA :cyclohexylamine acrylate)の群から選ばれることが好ましい。これらの気化性防錆材は、金属、特に銅(Cu)やハンダ材料のように酸化しやすい金属を、大気との接触による酸化から保護するために効果的である。
また、気化性材料として、アルカンチオールを使用してもよい。有機溶媒中にアルカンチオールを含む溶液に、金属領域を有するチップを数分から数十時間に亘り浸漬させることで、アルカンチオールからなる自己組織化分子(SAM、Self−Assembly−Molecule)膜を金属領域の表面に形成することができる。また、気体状のアルカンチオールを蒸着させることで、そのアルカンチオールの自己組織化分子(SAM)膜を金属領域の表面に形成させてもよい。これらの手法により、官能基であるチオール基(SH)が金属表面と化学結合を形成するとともに、隣接するアルキル鎖間に作用するファンデルワールス力により、配向性の高い単分子層の膜を金属表面に高い密度で形成させることができる。SAM膜を形成させることで、銅などの金属表面が酸素を含む大気などの雰囲気に暴露されたときの、表面酸化の速度を抑制することができる。
アルカンチオールは、1又は複数の分岐鎖を有していてもよいが、CH(CHn−1SHで表される直鎖状のアルカンチオールであることが好ましい。ここで、nは1から25であることが好ましく、さらには、nは5から15であることが好ましい。特に銅の金属領域に対しては、ヘキサンチオール(n=6)を用いることが好ましい。
アルカンチオールは、1又は複数の置換基を有していてもよい。置換基として、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、エステル基、ニトリル基、アミド基、メルカプト基、ハロゲン基、フェロセニル基、ヒドロキノン基、ピリジル基、パラヒドロキシフェニル基などが挙げられる。しかし、置換基はこれに限定されず、上記気化材料が自己組織化分子(SAM)膜としての機能を有し、金属領域の酸化の速度を抑制するものであればよい。
有機溶媒は、エタノールが好ましいが、これに限定されない。例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類などを用いることができる。金属領域を構成する金属の種類や反応温度などに応じて溶媒を適宜選択することが好ましい。
<気化性材料の除去>
工程S2では、非酸化雰囲気4の中で、気化性材料を気化させることで、チップ側接合面の金属領域の表面を露出させる。
本願において非酸化雰囲気とは、露出させた金属領域の表面を酸化しない雰囲気、又は露出させた金属領域の表面の酸化を抑制する雰囲気を意味する。もし、気化性材料を気化させる最中あるいは後に、酸化雰囲気に接することで、露出した金属領域の表面上に酸化物が形成されると、接合が完了した後にも、この酸化物が接合界面に残留する場合がある。残留した酸化物は、形成された接合界面における導電性や機械的強度などの特性を低下させる。すなわち、上記非酸化雰囲気は、最終的に形成された接合界面において十分な導電性及び機械的強度が得られる程度に、気化性材料の気化後に露出した金属領域の酸化を抑制する雰囲気であることを意味する。
非酸化雰囲気は、工程S1の開始から工程S2における表面活性化処理が開始されるまでの時間における、非酸化雰囲気に含まれる酸素や水などの水酸化基を含むガスを含むガスへの暴露量が、1L(ラングミュア)又は1Torr×s程度あるいはそれ以下であるように形成されることが好ましい。
非酸化雰囲気は、工程S1においてチップ周りの雰囲気を真空ポンプなどにより真空にすることにより形成されることが好ましい。これにより、露出した金属領域の表面に気化した材料が付着する量を最小限に抑えることができる。この際の真空度は、1×10−5Pa以下であることが好ましい。また、真空ポンプなどによりチップ周りの雰囲気を真空引きすることで、気化した材料は気化後にチップ周りの雰囲気から排気されるので、金属領域の表面への気化した材料の付着量をさらに下げることができる。
また、非酸化雰囲気は、工程S1においてチップ周りの雰囲気に、窒素やアルゴンなどの不活性ガスを導入することで形成されるようにしてもよい。これにより、気化材料の気化を非酸化雰囲気中で行うとともに、低真空又は大気圧下で気化を行いので、高真空の必要性がなくなり真空システムを簡易に構成することができる。
この際、導入した不活性ガスを導入流量と対応する量だけ、チップ周りの雰囲気から、排気することが好ましい。これにより、気化した材料が不活性ガスとともにチップ周り雰囲気から排気されるので、金属領域の表面への気化した材料の再付着量をさらに下げることができる。
気化性材料は、加熱することで気化し金属領域の表面から除去されうる。気化性材料には、摂氏30度(30℃)付近の比較的低い温度で気化を開始する材料がある。しかしながら、このような気化性材料においても、より高い温度に加熱することで、気化速度が高くなり、短時間で十分に気化性材料を気化させることができる。これにより、当該気化性材料の金属領域表面における残渣の量を少なくすることができる。気化性材料の加熱温度は、当該気化性材料の気化特性に応じて設定される。
気化性材料の気化のために、気化性材料を摂氏150度(200℃)から摂氏300度(300℃)程度の温度で数分から数十分に亘り加熱することが好ましい。たとえば、気化性材料として気化性防錆剤であるBTAを使用する場合、摂氏150度以上に加熱するのが好ましい。特に摂氏250度で10分程度に亘り金属領域を加熱することで、十分にBTAを除去することができる。また、たとえば気化性材料として、ヘキサンチオールを使用する場合、摂氏150度以上に加熱するのが好ましい。特に摂氏200度以上で10分程度に亘り加熱することが好ましい。
気化性材料の気化は、熱又は光を照射して気化性材料を加熱することで行うことができる。
気化性材料へ熱を与える場合、たとえば、赤外線ランプにより赤外線を照射し、又は紫外線ランプにより紫外線を照射することにより行うことができる。
赤外線ランプは、ハロゲンランプなどを使用することで安価に構成することができる。また、ハロゲンランプは、赤外線(IR)、特に900nmから1600nmのいわゆる近赤外線領域の波長の光を発するので、水分子を含む材料を、効率よく熱することができる。
紫外線ランプは、典型的に400nm以下のいわゆる紫外線(UV)領域の波長の光を発するので、チップがシリコンなどの紫外線を吸収しやすい部材を有する場合は、効率よく熱することができる。またエキシマレーザを用いることで150nm程度の波長の極端紫外線(EUV)を照射してもよい。
高速熱処理(RTA、RTP)に対応した赤外線ランプや紫外線ランプを用いることで、短時間で気化性材料を気化させることが可能になり、チップへの加熱時間を短くすることで、チップの特性の変化と、気化工程中の露出した金属領域の汚染とを最小限に抑えることができる。
また、チップ側接合面と反対側の面を加熱された部材を接触させることで、チップを加熱してもよい。たとえば、チップを支持する支持体にヒータを設け、このヒータによりチップを加熱してもよい。
気化性材料は、化学的に除去されてもよい。たとえば、有機物を分解し除去する酸素プラズマを照射することで、有機物を主たる成分とする気化性材料を金属領域の表面から除去することができる。
<表面活性化処理及び親水化処理>
工程S3では、工程S2から連続して、非酸化雰囲気4の中で、露出したチップ側接合面の金属領域の表面5に対して、表面活性化処理と親水化処理とを行う。
工程S2により気化性材料が除去されて露出した金属領域の表面5を、非酸化雰囲気4中に保ったまま、連続して、工程S3で表面活性化処理及び親水化処理を行うことで、金属領域を形成する材料の新生表面上に水酸基が形成され、又はさらには水の層7を形成することができる。これらの水酸基の層や水の層7は、金属領域を形成する材料の酸素などの酸化性のあるガスとの接触を最低限に抑制し、したがって酸化の速度を十分に遅くすることができ、金属領域の接合面を長時間に亘り安定に保持することができる。
工程S2から工程S3を非酸化雰囲気中で連続して行うことで、酸化を抑える気化性材料が塗布された金属領域の表面を、清浄かつ安定な状態の表面にすることで、最終的に十分な導電性と機械的強度を有する接合界面を効率よく形成することが可能になる。
<表面活性化処理>
工程S2において、チップ側接合面に、所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることで表面活性化処理を行う。
所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させて、接合面を形成する物質を物理的に弾き飛ばす現象(スパッタリング現象)を生じさせることで、表面層を除去することができる。
気化性材料は、塗布により金属表面に物理的に付着するだけでなく、金属と反応して有機酸塩の皮膜を形成するものと考えられている。たとえば、ベンゾトリアゾール(BTA)を銅(Cu)又は銅合金の防錆剤として用いた場合には、ベンゾトリアゾール(BTA)が銅(Cu)と反応して、CuOなどの酸化銅を形成しつつ、その上にベンゾトリアゾール銅塩の皮膜がポリマー状に形成されると考えられている。したがって、工程S2において、気化性材料は大部分が気化により除去されるが、上記の皮膜の一部は完全に除去されない場合がある。さらには、少量の気化性材料が金属領域の表面に残存、または一度気化した気化性材料の一部が金属領域の表面に再び付着する場合がある。また気化性材料が除去された金属領域の表面には汚染物質や酸化物が形成されている場合がある。したがって、工程S2の後に、表面活性化処理を行うことで、このような金属領域の表面に残存する酸化物や再付着した気化性材料などを更に除去して、接合すべき物質の新生表面を露出させることができる。
表面活性化処理には、表面層を除去して接合すべき物質の新生表面を露出させるのみならず、所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることで、露出された新生表面近傍の結晶構造を乱し、アモルファス化する作用もあると考えられている。アモルファス化した新生表面は、原子レベルの表面積が増え、より高い表面エネルギーを有するので、その後の親水化処理において結合される、単位表面積当たりの水酸基(OH基)の数が増加すると考えられる。これに対し、従来のウェット処理による表面の不純物の除去工程後に化学的に親水化処理する場合には、所定の運動エネルギーを有する粒子の衝突に起因する新生表面の物理的変化がないので、本願発明の接合方法に係る表面活性化処理に続く親水化処理は、この点で従来の親水化処理とは根本的に異なると考えられる。また、結晶構造が乱れ、アモルファス化した新生表面近傍の領域にある原子は、後述の本接合時の加熱処理の際に、比較的低い熱エネルギーで拡散しやすく、比較的低温での本接合プロセスを実現することができると考えられる。
表面活性化処理に用いる粒子として、例えば、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などの希ガス又は不活性ガスを採用することができる。これらの希ガスは、衝突される接合面を形成する物質と化学反応を起こしにくいので、化合物を形成するなどして、接合面の化学的性質を大きく変化させることはない。また、比較的大きい質量を有しているので、効率的に、スパッタリング現象を生じさせることができ、新生表面の結晶構造を乱すことも可能になると考えられる。
表面活性化処理に用いる粒子として、酸素のイオン、原子、分子などを採用することもできる。酸素イオン等を用いて表面活性化処理を行うことで、表面層を除去した後に新生表面上を酸化物の薄膜で覆うことが可能になる。新生表面上の酸化物の薄膜は、その後の親水化処理における、水酸(OH)基の結合又は水の付着の効率を高めると考えられる。また、新生表面上に形成された酸化物の薄膜は、後述の本接合での加熱処理の際に、比較的容易に分解すると考えられる。
表面活性化される接合面に衝突させる粒子の運動エネルギーは、1eVから2keVであることが好ましい。上記の運動エネルギーにより、効率的に表面層におけるスパッタリング現象が生じると考えられる。除去すべき表面層の厚さ、材質などの性質、新生表面の材質などに応じて、上記運動エネルギーの範囲から所望の運動エネルギーの値を設定することもできる。
表面活性化される接合面に衝突させる粒子には、粒子を接合面に向けて加速することで所定の運動エネルギーを与えることができる。
プラズマ発生装置を用いて、粒子に所定の運動エネルギーを与えることができる。複数のチップ又は基板などの接合面に対して、交番電圧を印加することで、接合面の周りに粒子を含むプラズマを発生させ、プラズマ中の電離した粒子の陽イオンを、上記電圧により接合面に向けて加速させることで、所定の運動エネルギーを与える。プラズマは数パスカル(Pa)程度の低真空度の雰囲気で発生させることができるので、真空システムを簡易化でき、かつ真空引きなどの工程を短縮化することができる。
接合面から離間された位置に配置された、中性原子ビーム源、イオンビーム源などの粒子ビーム源を用いて、粒子に所定の運動エネルギーを与えることもできる。所定の運動エネルギーが付与された粒子は、粒子ビーム源から複数のチップ又は基板などの接合面に向けて放射される。
粒子ビーム源は、例えば1×10−5Pa(パスカル)以下などの、比較的高い真空中で作動するので、表面活性化処理後に、新生表面の不要な酸化や新生表面への不純物の付着などを防ぐことができる。さらに、粒子ビーム源は、比較的高い加速電圧を印加することができるので、高い運動エネルギーを粒子に付与することができる。したがって、効率良く表面層の除去及び新生表面のアモルファス化を行うことができると考えられる。
中性原子ビーム源としては、高速原子ビーム源(FAB,Fast Atom Beam)を用いることができる。高速原子ビーム源(FAB)は、典型的には、ガスのプラズマを発生させ、このプラズマに電界をかけて、プラズマから電離した粒子の陽イオンを摘出し電子雲の中を通過させて中性化する構成を有している。この場合、例えば、希ガスとしてアルゴン(Ar)の場合、高速原子ビーム源(FAB)への供給電力を、1.5kV(キロボルト)、15mA(ミリアンペア)に設定してもよく、あるいは0.1から500W(ワット)の間の値に設定してもよい。たとえば、高速原子ビーム源(FAB)を100W(ワット)から200W(ワット)で稼動してアルゴン(Ar)の高速原子ビームを2分ほど照射すると、接合面の上記残存気化性材料、酸化物、汚染物等(表面層)は除去され、新生表面を露出させることができる。
本願発明において、表面活性化に用いられる粒子は、中性原子又はイオンでもよく、さらには、ラジカル種でもよく、またさらには、これらが混合した粒子群でもよい。
各プラズマ又はビーム源の稼動条件、又は粒子の運動エネルギーに応じて、表面層の除去速度は変化しえる。そこで、表面活性化処理に必要な処理時間を調節する必要がある。たとえば、オージェ電子分光法(AES,Auger Electron Spectroscopy)やX線光電子分光法(XPS,X−ray Photo Electron Spectroscopy)などの表面分析法を用いて、表面層に含まれる酸素や炭素の存在が確認できなくなる時間又はそれより長い時間を、表面活性化処理の処理時間として採用してもよい。
表面活性化処理において接合面をアモルファス化するためには、粒子の照射時間を、表面層を除去し新生表面を露出させるために必要な時間より、長く設定してもよい。長くする時間は、10秒から15分、あるいは、表面層を除去し新生表面を露出させるために必要な時間の5%以上に設定してもよい。表面活性化処理において接合面をアモルファス化するための時間は、接合面を形成する材料の種類、性質、及び所定の運動エネルギーを有する粒子の照射条件によって適宜設定してもよい。
表面活性化処理において接合面をアモルファス化するためには、照射される粒子の運動エネルギーは、表面層を除去し新生表面を露出させるために必要な運動エネルギーより、10%以上高く設定されてもよい。表面活性化処理において接合面をアモルファス化するための粒子の運動エネルギーは、接合面を形成する材料の種類、性質、及び粒子の照射条件によって適宜設定してもよい。
ここで、「アモルファス化した表面」又は「結晶構造が乱れた表面」とは、具体的に表面分析手法を用いた測定により存在が確認されたアモルファス層又は結晶構造が乱れた層を含むとともに、粒子の照射時間を比較的長く設定した場合、又は粒子の運動エネルギーを比較的高く設定した場合に想定される結晶表面の状態を表現する概念的な用語であって、具体的に表面分析手法を用いた測定によりアモルファス層又は結晶構造が乱れた表面の存在が確認されていない表面をも含むものである。また、「アモルファス化する」又は「結晶構造を乱す」とは、上記アモルファス化した表面又は結晶構造が乱された表面を形成するための動作を概念的に表現したものである。
<親水化処理>
工程S2において、親水化処理は、好ましくは、上記表面活性化処理の後に続けて、非酸化雰囲気中で行われる。しかし、表面活性化処理が完了する前に、親水化処理を開始してもよい。また、表面活性化処理と親水化処理を同時に行ってもよい。表面活性化処理が、親水化処理の完了後に行われなければ、表面活性化処理と親水化処理との時間上の前後関係は、所望の条件により調節することができる。
接合面の親水化処理により、表面活性化処理が行われた金属領域の表面に水が付着することで、当該表面に水酸基(OH基)からなる層が形成されると考えられている。水の付着量を増やすことで、当該水酸基(OH基)の層上に水分子がさらに付着してもよい。
水酸化処理により、接合面に酸化物が形成されることもある。しかし、酸化物は、比較的薄い(例えば、数nm又は数原子層以下)ので、本接合の際の加熱処理において、金属材料内で吸収され、又は水として接合界面から外側へ逃げるなどして、消滅あるいは減少すると考えられる。したがって、この場合、チップと基板との間の接合界面を介した導電性には実用上の問題が生じることはほぼないと考えられる。
親水化処理は、表面活性化された接合面に水を供給することにより行われる。当該水の供給は、上記表面活性化された接合面の周りの雰囲気に、水(HO)を導入することで行うことができる。水は、気体状で(ガス状で、又は水蒸気として)導入されても、液体状(霧状)で導入されてもよい。さらに、水の付着の他の態様として、ラジカルやイオン化されたOHなどを付着させてもよい。しかし、水の導入方法はこれらに限定されない。
表面活性化された接合面の周りの雰囲気の湿度を制御することで、親水化処理の工程を制御することができる。当該湿度は、相対湿度として計算しても、絶対湿度として計算してもよく、又は他の定義を採用してもよい。
気体状の水は、たとえば液体の水の中に窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、酸素(O)などのキャリアガスを通過させること(バブリング)で、気体状の水がキャリアガスに混合されて、表面活性化された接合面を有するチップ又は基板が配置された空間又はチャンバ内に導入されることが好ましい。
水の導入は、チップ側接合面と基板の接合部との少なくとも一方又は両方の周りの雰囲気における相対湿度を10%から90%となるように制御することが好ましい。
たとえば、窒素(N)又は酸素(O)をキャリアガスとして気体状の水を導入する場合、上記チャンバ内の全圧を9.0x10Pa(パスカル)、すなわち0.89atm(アトム)とし、チャンバ内での気体状の水の量を、容積絶対湿度で8.6g/m(グラム/立方メートル)又は18.5g/m(グラム/立方メートル)、23℃(摂氏23度)の相対湿度でそれぞれ43%又は91%となるように制御することができる。
また、チャンバ内の酸素(O)の雰囲気中濃度を10%としてもよい。
親水化処理は、表面活性化処理された接合面を大気に曝すことなく、当該接合面に水を供給することが好ましい。例えば、表面活性化処理を行うチャンバと親水化処理を行うチャンバとを同一とするように構成されていてもよい。また、表面活性化処理を行うチャンバと親水化処理を行うチャンバとは、複数のチップ又は基板がそれらの間を大気に曝されることなく搬送されるように連結されて構成されていてもよい。これらの構成を採用して、表面活性化処理された接合面を大気に曝さないことで、接合面の望ましくない酸化や、接合面への不純物などの付着などを防ぐとともに、親水化処理をより容易に制御することができ、効率よく表面活性化処理の後に親水化処理を続けて実行することができる。
また、親水化処理を行うために、所定の湿度を有するチャンバ外の大気を導入してもよい。大気をチャンバ内に導入する際には、望ましくない不純物の接合面への付着を防ぐために、当該大気が所定のフィルタを通過するように構成することが好ましい。所定の湿度を有するチャンバ外の大気を導入して親水化処理を行うことで、接合面の親水化処理を行う装置構成を簡略化することができる。
また、水(HO)の分子やクラスターなどを加速して、接合面に向けて放射してもよい。水(HO)の加速に、上記表面活性化処理に用いる粒子ビーム源などを使用してもよい。この場合、上記バブリングなどで生成したキャリアガスと水(HO)との混合ガスを、上記粒子ビーム源に導入することにより、水の粒子ビームを発生させ、親水化処理すべき接合面に向けて照射することができる。
親水化処理により形成された水酸基(OH基)の層又水酸基の層上に形成された水の層には、大気中の存在する酸素との接触による金属領域の酸化を最低限に抑制する働きがあると考えられる。
これにより、親水化処理が完了した金属領域の表面は、非酸化雰囲気から取り出し、大気中に曝したとしても、酸化されにくく安定である。よって、親水化処理が完了した金属領域の表面を数時間から数十時間に亘り大気中に放置した後でも、仮接合及び本接合を経て、最終製品において良好な接合界面を得ることができる。
親水化処理が完了した金属領域を有するチップは、チップ毎に1秒から5秒で後述の仮接合をすることができる。したがって、1つの基板上に5000個のチップを一つずつ仮接合する場合に、チップ毎の仮接合の所要時間を5秒とすると、(5秒/チップ)×(5000チップ)=25000秒=約7時間ですべてのチップの仮接合が完了する。言い換えれば、最初のチップの仮接合と最後のチップの仮接合との間には、約7時間の時間差がある。
したがって、本願発明に係る表面処理方法によれば、1つの基板上に接合されるすべてのチップに対して親水化処理までの表面処理を1回のみ行うことで足りる。親水化処理を同時に行った複数のチップから、チップを一つずつ大気中で所定の基板上に仮接合することが可能になる。
親水化処理が完了した金属領域の表面は大気中でも安定であるので、親水化処理が完了した後は、大気などの酸化雰囲気でもチップについて後述の仮接合を行うことができる。これにより、仮接合を行う接合システムは、真空チャンバ内に配置する必要がないので、簡略に構成することができる。
<1.2 装置構成>
図3は、本願発明に係る表面処理方法を実施するための表面処理システム100の概略構成を示す図である。
図3に示す第1真空容器101内には、複数のチップ1を支持する第1チップ支持体102と加熱手段として加熱ランプ103と、第1真空ポンプ104が設けられている。チップ支持体102は、複数のチップ1を支持できるように構成されることが好ましい。複数のチップ1から同時に気化性材料を除去することにより、表面処理の効率が向上する。加熱ランプ103は、所定の波長の光をチップに向けて照射するように構成されている。
加熱ランプの種類、発する光の波長や強度、構造などの特性は、気化性材料の材質や厚さ、チップの材質や構造や、気化性材料除去チャンバ内の雰囲気などに応じて、選択又は設計される。
図3には、気化性材料を除去する手段として、所定の波長の光をチップに向けて照射する加熱ランプが記載されているが、これに限らない。例えば、第1チップ支持体102にヒータを埋め込み、このヒータが発する熱により第1チップ支持体を介してチップを加熱するように構成されてもよい。
第1真空容器101に接続された第1真空ポンプ104を作動させることで、第1真空容器101を真空引きとともに汚染物質や気化した材料をチャンバから除去することができる。これにより、第1真空容器101内の汚染物質や気化した材料が金属領域の表面に付着することを抑制することができる。
また、第1真空容器101は、アルゴンや窒素などの不活性ガスが導入及び排気されるように構成されてもよい(図示せず)。不活性ガスを導入し排気させることで、低真空あるいは大気圧下で、第1真空容器101内の汚染物質や気化した材料を除去することができるので、真空システムを簡略化することができる。不活性ガスを導入することにより、加熱ランプからチップへの熱伝導を促進し、より均一にチップを加熱することができる。
第2真空容器106には、表面活性化処理手段としてプラズマ発生装置109とガス源112からガス量制御バルブ113を介して供給されたガスを第2真空容器106内へ導入するガス導入口114と、親水化処理手段として水蒸気を発生させる水蒸気源115と水蒸気源115から水蒸気制御バルブ116を介して供給された水蒸気を第2真空容器106内へ導入する水蒸気導入口117と、複数のチップ1を支持するともにプラズマ発生装置109の電極として機能する第2チップ支持体107と、第2真空ポンプ108とが設けられている。気化性材料が除去されたチップは、第1真空容器101と連結バルブ105で連結された第2真空容器106内に搬送され、第2チップ支持体107上に載置される。(搬送手段は図示せず。)第2真空容器106には第2真空ポンプ108が連結され、第2真空ポンプ108により第2真空容器106は真空引きされる。第1真空容器101から第2真空容器106へチップを搬送する際には、両真空容器において十分に真空引きされ非酸化雰囲気が維持された状態で、連結バルブ105を開けることが好ましい。
第1真空容器101内で気化した材料は、その大部分が第1真空ポンプ104により気化後に外部に排気されるが、それでも、少量の気化した材料が、第1真空容器101内の雰囲気中へ残存したり、第1真空容器101の内壁へ堆積し雰囲気中へ再度放出される場合がある。したがって、第2真空容器106と第1真空容器101から真空連結しつつ開閉可能に分離して構成することで、気化した材料を極力、第1真空容器101内に閉じ込め、第2真空容器106内の雰囲気に紛れ込まないようにすることができる。これにより、気化した材料による、表面活性化処理及び親水化処理中の金属領域表面の汚染を最低限に抑えることができる。
プラズマ発生装置109は、RF周波数で作動する交番電源110と、一方の電極として第2チップ支持体107と、載置されたチップを挟んで第2チップ支持体に対向し配置された他の電極111とを有して構成されている。プラズマ化されるガスが、ガス源112からガス量制御バルブ113を通って、上記一対の電極107、111の間に供給されるように、ガス導入口114から第2真空容器106内に導入される。
図3では、表面活性化処理手段として、プラズマ発生装置109が示されているが、これに限らない。たとえば、表面活性化手段として、中性原子ビーム源、イオンビーム源などの粒子ビーム源を用いてもよい。これららのビーム源が清浄かつ効率よく作動するために、第2真空ポンプ108は、第2真空容器106内の雰囲気を1×10―5Pa程度の圧力又はこれより低い圧力(高い真空度)に制御するように構成されることが好ましい。
第2真空容器106内の水の分圧又は湿度は、水蒸気源115での水蒸気の発生量、水蒸気制御バルブ116による水蒸気の導入量と、第2真空ポンプ108による排気量とを制御することで調整されることができる。
水蒸気源115は、たとえば、液体状の水を蓄える水槽と、不活性ガスなどのキャリアガスを送り出すキャリアガス源とを有して構成され、キャリアガスを液体状の水を通るようにバブリングさせることでキャリアガスと水蒸気との混合ガスを発生させるように構成されることができる。あるいはまた、水蒸気源115は、熱により水を蒸発させることで形成された水蒸気をキャリアガスと混合させるように構成されてもよい。水蒸気源115は、これらに限定されず、様々な態様に構成されることができる。
図3では、本願発明に係る表面処理方法を実施するための表面処理システムは、2つの真空容器101及び106で構成されているが、これに限られない。1つの真空容器内部に、気化材料を加熱する手段、真空ポンプ、表面活性化処理手段、及び親水化処理手段を配置して、当該1つの真空容器内部で気化性材料の除去、表面活性化処理、及び親水化処理が行われるように構成されてもよい。
次に、図4及び図5を参照して、仮接合及び本接合について説明する。
<2. 仮接合>
工程S1からS3を経てチップ側接合面が表面活性化処理され親水化処理されたチップが、工程S4で、それぞれチップ1の金属領域の表面5が基板8の接合部9に接触するように、接合部上に取り付けられる。
基板の対応する接合部に対するチップの位置決めは、例えば、チップ側に複数の位置調節用マークを設け、基板の対応する接合部側に、対応する複数の位置調節用マークを設け、両方の位置調節用マークを互いに合わせることで行っても良い。両方の位置調節用マーク間のずれは、チップと基板とを透過する光を、チップ又は基板側から接合面に垂直方向に入射し、その反対側に設けたカメラにより撮像された、当該透過光による位置調節用マークの画像を観察することにより測定するように構成してもよい。これにより、例えば、±1μmの位置決め精度を得ることができる。さらに、位置決めが十分でなかった場合には、仮接合直後にチップを基板から一度離し、再度位置決めしてから仮接合を行うことを、所定の位置決め精度が得られるまで繰り返すこともできる。これにより、±0.2μmの位置決め精度を得ることができる。
チップ1の金属領域の表面5が接合される、基板8の接合部9は、金属で形成され、工程S4に先立ち表面活性化処理され親水化処理されることが好ましい。これにより、親水化処理されたチップの金属領域と基板の接合部とを十分な強度で仮接合することができる。さらには、チップの金属領域と基板の接合部とに清浄な表面を形成することで、最終製品において、不純物の含有量が低く、導電性及び接合強度が高い接合界面を形成することができる。
親水化処理が施されたチップ側接合面と基板の接合部とには、水酸(OH)基が形成され又は水10が付着しているため、取付け時(仮接合時)の接触により、水酸基又は水分子間に働く水素結合などの引力により仮接合される(図5(a))。
上記のチップの基板への取付けにより、チップ側接合面と基板の接合部とは、少なくとも、接合すべきチップのすべてが基板に取り付けられてから加熱処理が行われるまでの過程において、チップと基板とが仮接合することで構成される構造体が搬送される際や位置変換される際に、チップが基板から剥がれ落ちたり、チップが基板上の所定の取付け位置からずれたりすることがない十分な接合力で固定される。
接合すべき複数のチップをすべて基板に仮接合する間、当該複数のチップと基板の周りの雰囲気の湿度を所定の値に保つようにしてもよい。
チップの金属領域が、銅(Cu)、金スズ(Au−Sn)合金や銀スズ(Ag−Sn)合金などのハンダ材料などの金属で、20μm(マイクロメータ)四方、高さ3μm(マイクロメータ)から10μm(マイクロメータ)のパッド状に形成されている場合は、パッドに対し0.5MPa(メガパスカル)から400MPa(メガパスカル)の圧力を、チップと基板とが互いに近接する方向に加えてもよい。
上記パッドに対して加える圧力は、高すぎると塑性変形により金属領域同士が接触して短絡の原因となり、低すぎると所定の導電性又は接合強度を得ることができない場合がある。したがって、上記パッドに対して加える圧力は、金属領域の材料の機械的特性、形状、その後の本接合での加熱処理の条件などに応じて、調節される。
上述の仮接合で得られた複数のチップと基板とを含む構造体を複数個まとめて加熱処理を行うことができる。これにより、本願発明は、本接合されたチップと基板とを含む構造体を、高い生産効率で製造できるという効果を奏する。さらに、チップと基板とが比較的強い水素結合で結合しているので、チップ実装システム内部で又は外部へ搬送されても、チップが基板からすべり落ち、又は剥がれ落ちる危険性は小さい。また、仮接合で得られた複数のチップと基板とを含む構造体は、比較的安定であるので、加熱処理まで数時間から数日までの間、大気中で保存することも可能である。したがって、任意のタイミングで、チップと基板とを含む構造体に加熱処理を行うことができる。
仮接合されるチップは、仮接合の前に供給されたチップに対して所定の検査を行い、良好と判断されたチップのみを選別するように構成されてもよい。これにより、検査により良好と判断されたチップのみを実装することにより、生産される最終製品の歩留まりを高めることができる。
仮接合を行う装置は、図5に示す表面処理装置に連結して構成されてもよく、また図5に示す表面処理装置と別個な装置として構成されてもよい。(図示せず。)
<3. 本接合>
工程S5では、工程S4で得られた複数のチップ1と基板8との構造体に加熱処理を行うことにより、チップと基板との間の所定の導電性(抵抗率)又は接合強度(機械的強度)を得ることができる(図5(b))。
加熱処理中の最高温度は、100℃(摂氏100度)以上、チップ側金属領域5と基板側金属領域9とを形成する材料の融点未満の温度に設定することが好ましい。
加熱処理中の最高温度を100℃(摂氏100度)以上に設定することで、接合界面11に含まれている水酸(OH)基又は水の多くが、接合界面外部に抜け出していくと考えられる。このとき、水が仮接合の界面から抜け出していく過程で、それまでは接触していなかった接合面同士が接触するようになり、実質的な接合界面が広がり、接合面積が大きくなると考えられる。また、本発明による表面活性化処理後に親水化処理された接合面を接合することで、従来の単純な親水化処理を用いた接合に要した400℃を超える温度での加熱は不要となり、150℃から250℃程度の温度の加熱で十分な接合強度を得ることができる。
接合界面に含まれている水酸(OH)基又は水が接合界面まわりの材料中へ拡散しても、接合界面近傍の部位の電気的特性又は機械的特性が顕著に低下することはないと考えられる。
また、本願の発明によれば、加熱処理中の最高温度を、チップ側金属領域5と基板側金属領域9とを形成する材料の融点未満に設定しても、十分な電気的特性及び機械的特性を得ることができる。従来の接合方法では、金属領域の表面に強固な酸化膜があると当該表面の近傍での原子の拡散が起こりにくかったが、本願発明は表面活性化処理に続いて親水化処理を行うことで、酸化膜がほぼない状態で金属領域の表面同士が接触しているので、本接合時に接合界面近傍での固相拡散が促進されると考えられる。その結果、それまでは接触していなかった接合面間の隙間を埋めることで、実質的な接合界面が広がり、接合面積が大きくなると考えられる。
また、加熱処理中の最高温度を、チップ側金属領域5と基板側金属領域9とを形成する材料の融点未満に設定して、固相拡散により本接合を行うことで、本接合における位置ずれをほぼなくすことができる。これにより、最終製品において、基板の接合部上の所定の位置に対するチップの位置決め精度を高くすることができ、例えば±1μm以下に抑えることが可能になる。
加熱処理中の最高温度を、チップ側金属領域5と基板側金属領域9とを形成する材料の融点以上に設定して本接合を行うと、仮接合で取り付けられた基板上の位置から、チップがずれることがあり得る。この位置ずれは、数μmになる場合がある。チップを本接合する際に位置ずれが生じると、ある金属領域が隣接する金属領域と接触するなどして、ショートの原因となる。また、接合面積が小さくなり、接合界面で生じる段差などにより、接合界面の接合強度が低下する場合がある。
上述のように、一例として、基板の対応する接合部に対するチップの位置決めは、チップ側と基板側とに設けられた位置調節用マークを、チップと基板とを透過する光を用いて、互いに合わせることで行われる。したがって、位置調節用マークを用いるなどしてチップを基板上の所定の位置に対して位置決めした上で仮接合を行い、さらに本接合において加熱温度をチップと基板との接合面を形成する材料の融点未満に設定することで、最終製品において、基板の接合部上の所定の位置に対するチップの位置決め精度を極めて高くすることができる。これにより、ショートなどの欠陥の発生を抑制するとともに、チップを積層基板上に積層して接合する場合でも、基板上における複数層に亘るチップの上下方向の位置決め精度を高く保つことができる。
たとえば、チップの金属領域と基板の接合部とが銅(Cu)で形成されている場合には、仮接合後のチップと基板との構造体を150℃(摂氏150度)で600秒間、加熱することで、高い導電率と接合強度とを有するチップと基板との構造体が得られる。
チップ側接合面と基板の接合部との金属領域が銅(Cu)で形成されている場合には、0.14MPa(メガパスカル)程度の圧力を接合界面に垂直な方向に加えることで十分な導電性及び機械的強度が得られる。
従来、銅(Cu)と銅(Cu)とを直接接合するために、350℃(摂氏350度)程度での高温で、基板毎に数トンもの力を10分ほど保持することが必要だったが、本願発明において金属領域を形成する材料として銅を採用することで、低温、低圧、かつ高速に、所望の導電性及び機械的強度を有するチップと基板との構造体を製造することができる。
チップの各金属領域が、ニッケル(Ni)、金(Au)、スズ(Sn)、スズ―銀の合金、その他のハンダ材料などの金属で、20μm(マイクロメータ)四方、高さ3μm(マイクロメータ)から10μm(マイクロメータ)のパッド状に形成されている場合は、各パッドに対し0.5MPa(メガパスカル)から400MPa(メガパスカル)の圧力を加熱処理中に加えてもよい。
加熱処理中の構造体周りの雰囲気は、大気でもよいが、金属領域の酸化を抑制するためには窒素又は希ガス雰囲気であることが好ましい。さらに、加熱処理中の構造体周りの雰囲気の湿度を調節又は抑制してもよい。
本願発明に係る仮接合と本接合とを有する接合方法を採用することで、COW実装の生産効率が従来の接合方法と比較して著しく向上する。例えば、チップ毎に対応する基板上の接合部に仮接合及び本接合をすることを繰り返し行い、所定の数のチップを基板上に実装する場合と比較することにより、本願発明の効果をよりよく理解することができる。
1つの基板上に5000個のチップを接合する場合で比較する。
従来のようにチップ毎に仮接合と本接合とを繰り返す場合には、チップあたり60秒ほど掛かるといわれている。したがって、例えば、1つの基板上に5000個のチップを本接合するためには、(60秒/チップ)×(5000チップ)=300000秒=約83時間掛かる。チップ毎の仮接合及び本接合を10秒で行うとしても、1つの基板上に5000個のチップを本接合するためには、(10秒/チップ)×(5000チップ)=50000秒=約14時間掛かる。
本願発明に係る接合方法によれば、チップ毎に1秒から5秒で仮接合をすることができる。したがって、1つの基板上に5000個のチップをチップ毎に1秒で仮接合する場合には、(1秒/チップ)×(5000チップ)=5000秒=約1.4時間で仮接合が完了する。よって、本接合を比較的低温で数時間行ったとしても、従来の方法と比較して著しく生産時間が短縮されることが理解できる。また、1つの基板上に5000個のチップをチップ毎に5秒で仮接合する場合には、(5秒/チップ)×(25000チップ)=5000秒=7時間で仮接合が完了する。したがって、上記の従来の接合方法を用いて仮接合及び本接合を行う場合の所要時間である14時間と比較しても、7時間未満で本接合を行えば、生産時間が短縮されることが理解される。本接合の所要時間は、加熱の温度に依存するものの、7時間未満とすることは可能である。
<4. 第2の実施形態>
本願発明の第2の実施形態を、図6及び図7を参照して説明する。図6は、本願発明の第2の実施形態に係る、チップを基板へ接合するためのチップの接合面の表面処理方法を示すフローチャートである。図7は、第2の実施形態に係るチップの表面処理方法を用いたチップの接合方法を示すフローチャートである。
工程S6では、チップ側接合面に形成された金属領域の表面に酸化物が形成されたチップを準備する。工程S7では、非酸化雰囲気中で酸化物を還元して除去し金属領域の表面を露出させる。工程S7に続く工程S3は、図1の工程3と同様である。すなわち、工程S7から連続して、非酸化雰囲気の中で、露出したチップ側接合面の金属領域の表面に対して、表面活性化処理と親水化処理とを行う。
図7においては、図6で示した工程S6、S7及びS3に続き、親水化処理が完了したチップを一つずつ基板上に仮接合する工程S4及び仮接合が完了した複数のチップと基板とを含む構造体を加熱することで本接合する工程S5を示している。ここで、工程S4及び工程S5は、図4で示した工程S4及び工程S5と同様である。
金属領域の表面には酸化物が厚く形成されている場合がある。このような場合に、酸化物を表面活性化処理で除去すると、長時間の表面活性化処理が必要となり効率的に除去できない問題がある。この問題を解決するために、本実施形態においては、表面活性化処理を行う前に、金属領域の表面に還元剤を照射することで、上記酸化物を還元する。酸化物を還元することで、還元により生じた物質の除去を、効率よく金属領域の新生表面を露出させることができる。
還元剤として水素プラズマを用いることが好ましい。たとえば、金属領域が銅(Cu)で形成されている場合、上述のプラズマ発生装置を用い、水素90%、アルゴン又は窒素の不活性ガス10%で構成されるガスを導入し、100Wで発生させた水素プラズマに、金属領域を120秒程度曝すことで、金属領域の表面に掲載された銅酸化物を還元することができる。
還元剤として有機酸ガスを用いることもできる。有機酸ガスを金属酸化物の表面に吹き付けると、金属の有機酸塩が形成される。この有機酸塩を熱分解することにより、酸化されていた金属表面を還元して、酸化物を除去することができる。たとえば、金属領域が銅(Cu)で形成されている場合、金属領域の表面に形成された銅酸化物を加熱しつつギ酸ガスを金属領域表面に吹き付けることで、銅酸化物の還元除去を行うことができる。
この際に、ギ酸が銅と反応して形成される銅のギ酸塩は、摂氏250度から摂氏300度あるいはこれより高い温度で分解される。したがって、工程S7においては、金属領域を摂氏250度から摂氏300度あるいはこれより高い温度に保持することが好ましい。
また、ギ酸などの有機酸を金属領域の表面に照射する前に、触媒による有機酸ガスの少なくとも一部を分解し、これにより銅酸化物層の還元に効果的な水素又は水素ラジカルを発生させて、有機酸ガスと水素又は水素ラジカルとを含む混合ガスを金属領域の表面に照射するようにすることができる。
ギ酸を分解するための触媒として、加熱した白金(Pt)を用いることが望ましい。
これにより、工程S7における金属領域の温度を摂氏200度以下に保持することができる。また、水素又は水素ラジカルがなければ、金属領域の表面に残留したであろう未分解の有機酸塩の量を低減することができ、接合部の信頼性を上げることができる。
さらにまた、通常、有機酸をガス状にして金属表面に吹き付ける際にはキャリアガスとして窒素ガスが使われる。そのため、有機酸が分解した際に、遊離炭素が発生し、それが接合を阻害する原因となる。したがって、キャリアガスとして不活性なアルゴンガスを利用することで、過剰な還元作用が押さえられ、遊離炭素の残留が抑制される。
第2の実施形態に係る表面処理を行う表面処理装置は、例えば、ほぼ図3に示す表面処理装置の加熱ランプ103の位置に還元剤をチップに向けて照射する還元剤照射手段(図示せず)を設けるように構成されてもよい。
さらにまた、金属領域の表面に還元剤を照射して酸化物を還元する工程の前に、金属領域の表面を研磨してもよい。これにより、金属領域の表面には酸化物が厚く形成されている場合であっても、研磨により当該酸化物の大部分又はすべてを取り除くことができる。したがって、残った酸化物は、比較的薄いので、還元剤の照射によりより効率よく還元され除去されうる。
研磨により金属領域の表面の酸化物の厚さを薄くすることができるので、この酸化物は表面活性化処理により十分に除去されうる場合もある。この場合は、還元剤の照射は不要となりより効率的に表面処理を行うことができる。したがって、酸化物を除去するための所定の研磨を行った後に、チップを真空容器内に搬入し、金属領域の表面に対して表面活性化処理と親水化処理とを行うことで、その後に仮接合と本接合とを経て、最終的に形成された接合界面において十分な導電性及び機械的強度を得ることができる。
たとえば、研磨は、半導体装置製造工程で使用される化学機械研磨(CMP)方法により行われてもよい。化学機械研磨(CMP)の条件は、金属領域を形成する金属、金属領域以外の領域を形成する材料や、両者の接合面での配置に応じて、スラリーの化学成分や研磨粒子の機械的性質、研磨パッドの性質、基板と研磨パッドの相対運動や加圧条件などの研磨装置の動作条件により決定することができる。
例えば、金属領域が主成分として銅(Cu)により形成されている場合には、コロイダルシリカを主たる砥粒として含有するスラリーを使用することができる。
スラリーが含む研磨粒子の成分として、二酸化ケイ素(シリカ)を挙げたが、これに限られない。金属領域を形成する金属の性質、研磨装置の動作条件などに応じて、例えば、酸化セリウム(セリア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、二酸化チタン(チタニア)、酸化錫を採用してもよい。
スラリーは、好ましくはコロイド安定なコロイド分散体として、CMP組成物中に懸濁されることが望ましい。「コロイド」とは、液体中の研磨粒子の懸濁液を意味する。「コロイド安定性」は、選択された期間中、最小限の沈殿しか伴わずにその懸濁状態を維持することを意味する。
また、スラリーは、界面活性剤や過酸化水素などの酸化剤を含んでいることが好ましい。これらの、濃度や比率は調節されうる。
また、研磨を行う手法はCMPに限られない。たとえば、本願発明における研磨は、研削やラッピングも含むものである。金属表面を研削することにより、金属領域の表面近傍の結晶構造が乱される。CMPでは結晶構造が乱れる表面層の厚さを極めて小さく抑えることができるのに対し、研削により結晶構造が乱れた表面層の厚さが比較的大きくなり、例えば数十ナノメートルから数十ミクロンメータになる場合もある。この結晶構造が乱れた金属領域の表面はより高い表面エネルギーを有すると考えられる。したがって、研磨として研削を採用することで、後述のように親水化処理をより効率的に行い、かつ比較的低温での本接合プロセスを実現することができると考えられる。
以上、本願発明の幾つかの実施形態及び実施例について説明したが、これらの実施形態及び実施例は、本願発明を例示的に説明するものである。特許請求の範囲は、本願発明の技術的思想から逸脱することのない範囲で、実施の形態に対する多数の変形形態を包括するものである。したがって、本明細書に開示された実施形態及び実施例は、例示のために示されたものであり、本願発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。
1 チップ
2 チップ側金属領域
3 気化性材料
4 非酸化雰囲気
5 チップ側接合面の金属領域
6 所定の運動エネルギーを有する粒子
7 水の層
8 基板
9 基板の接合部
10 水
100 表面処理システム
101 第1真空容器
102 第1チップ支持体
103 加熱ランプ
104 第1真空ポンプ
105 連結バルブ
106 第2真空容器
107 第2チップ支持体
108 第2真空ポンプ
109 プラズマ発生装置
110 交番電源
111 電極
112 ガス源
113 ガス量制御バルブ
114 ガス導入口
115 水蒸気源
116 水蒸気制御バルブ
117 水蒸気導入口

Claims (28)

  1. 一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有するチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理方法であって、
    金属領域の表面に気化性材料が塗布されたチップを準備するステップと、
    気化性材料を気化させて金属領域の表面を露出させるステップと、
    前記金属領域の表面を露出させるステップの後に、非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    を備える、表面処理方法。
  2. 前記金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行う、請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記非酸化雰囲気は、真空又は不活性ガスを含む雰囲気である、請求項1又は2に記載の表面処理方法。
  4. 前記金属領域は、銅又はハンダ材料により形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  5. 前記気化性材料は、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライ、ジシクロヘキシルアンモニウムサリシレート、モノエタノールアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムベンゾエート、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンカーバメイト、ニトロナフタレンアンモニウムナイトライト、シクロヘキシルアミンベンゾエート、ジシクロヘキシルアンモニウムシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシルアミンシクロヘキサンカルボキシレート、ジシクロヘキシルアンモニウムアクリレート、及びシクロヘキシルアミンアクリレートからなる群から選ばれる気化性防錆剤、又は直鎖アルカンチオールを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  6. 前記気化性材料を気化することは、当該気化性材料に対して、熱、光、又は酸素プラズマを照射することで行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  7. 一つ又は複数のチップ側金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを、一つ又は複数の基板側金属領域を有する基板側接合面を有する基板に接合するための方法であって、
    チップ側金属領域の表面に気化性材料が塗布されたチップを準備するステップと、
    気化性材料を気化させてチップ側金属領域の表面を露出させるステップと、
    前記チップ側金属領域の表面を露出させるステップの後に、非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    非酸化雰囲気中で、基板側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    親水化処理が行われたチップ側金属領域が親水化処理が行われた基板側金属領域に接触するように、複数のチップを一つずつ対応する基板の基板側接合面に取り付けて、複数のチップと基板とを含む構造体を形成するステップと、
    前記複数のチップと基板とを含む構造体を加熱するステップと、
    を備えた、複数のチップを基板に接合する方法。
  8. 前記チップ側金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して、非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行う請求項7に記載の、複数のチップを基板に接合する方法。
  9. 前記複数のチップの基板の基板側接合面への取付けは大気中で行われる、請求項7又は8に記載の、複数のチップを基板に接合する方法。
  10. 一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有するチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理方法であって、
    金属領域の表面に酸化物が形成されたチップを準備するステップと、
    金属領域の表面に形成された酸化物を還元することで除去し、金属領域の表面を露出させるステップと、
    前記金属領域の表面を露出させるステップの後に、非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    を備える、表面処理方法。
  11. 前記金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して、非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行う、請求項10に記載の表面処理方法。
  12. 前記金属領域の表面に形成された酸化物を還元することは、金属領域の表面を加熱して、当該加熱した金属領域の表面に対して有機酸ガスを照射することで行われる、請求項10又は11に記載の表面処理方法。
  13. 前記金属領域の表面に形成された酸化物を還元することは、当該酸化物が形成された金属領域の表面に、有機酸ガスと水素又は水素ラジカルを含むガスとを含む混合ガスを照射することで行われる、請求項10又は11に記載の表面処理方法。
  14. 前記有機酸ガスは、ギ酸ガスである、請求項10から13のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  15. 前記金属領域の表面を露出させるステップの前に、金属領域の表面を研磨するステップを更に備える、請求項10から14のいずれか一項に記載の表面処理方法。
  16. 一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを、一つ又は複数の金属領域を有する基板側接合面を有する基板に接合するための方法であって、
    チップ側金属領域の表面に酸化物が形成された複数のチップを準備するステップと、
    チップ側金属領域の表面に形成された酸化物を還元することで除去し、チップ側金属領域の表面を露出させるステップと、
    前記チップ側金属領域の表面を露出させるステップの後に、非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    非酸化雰囲気中で、基板側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    親水化処理が行われたチップ側金属領域が親水化処理が行われた基板側金属領域に接触するように、複数のチップを一つずつ対応する基板の基板側接合面に取り付けて、複数のチップと基板とを含む構造体を形成するステップと、
    前記複数のチップと基板とを含む構造体を加熱するステップと、
    を備えた、複数のチップを基板に接合する方法。
  17. 前記チップ側金属領域の表面を露出させるステップの後に連続して、非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行う、請求項16に記載の、複数のチップを基板に接合する方法。
  18. 前記複数のチップの基板の基板側接合面への取付けは大気中で行われる、請求項16又は17に記載の、複数のチップを基板に接合する方法。
  19. 前記金属領域の表面を露出させるステップの前に、金属領域の表面を研磨するステップを更に備える、請求項16から18のいずれか一項に記載の、複数のチップを基板に接合する方法。
  20. 一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理装置であって、
    チップを内部に載置することができる真空容器と、
    チップを加熱する加熱手段と、
    真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する雰囲気制御手段と、
    チップの金属領域に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させる表面活性化手段と、
    チップの金属領域に対して水を付着させる親水化処理手段と、
    を備える表面処理装置。
  21. 前記真空容器は、第1真空容器と第2真空容器とを有し、
    第1真空容器は、前記加熱手段を有し、第1真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第1雰囲気制御手段と連結されて構成され、
    第2真空容器は、前記表面活性化処理手段と前記親水化処理手段とを有し、第2真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第2雰囲気制御手段と連結され、前記第1真空容器と前記第2真空容器との間で前記非酸化雰囲気を破ることなくチップを搬送できるように構成された、
    請求項20に記載の表面処理装置。
  22. 一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理装置であって、
    チップを内部に載置することができる真空容器と、
    チップの金属領域の酸化物を還元する還元剤をチップの金属領域に向けて照射する還元剤照射手段と、
    真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する雰囲気制御手段と、
    チップの金属領域に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させる表面活性化手段と、
    チップの金属領域に対して水を付着させる親水化処理手段と、
    を備える表面処理装置。
  23. 前記真空容器は、第1真空容器と第2真空容器とを有し、
    第1真空容器は、前記還元剤照射手段を有し、第1真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第1雰囲気制御手段と連結されて構成され、
    第2真空容器は、前記表面活性化処理手段と前記親水化処理手段とを有し、第2真空容器内の雰囲気を非酸化雰囲気となるように制御する第2雰囲気制御手段と連結され、前記第1真空容器と前記第2真空容器との間で前記非酸化雰囲気を破ることなくチップを搬送できるように構成された、
    請求項22に記載の表面処理装置。
  24. 前記還元剤照射手段は、有機酸ガスを照射する有機酸ガス源を有し、
    チップを加熱する加熱手段を更に有する、請求項22又は23に記載の表面処理装置。
  25. 前記還元剤照射手段は、有機酸ガスを照射する有機酸ガス源を有し、
    当該有機酸ガス源は、有機酸ガスを分解する、加熱可能な触媒を有する、請求項22又は23に記載の表面処理装置。
  26. 一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有するチップを基板に接合するための、金属領域の表面処理方法であって、
    金属領域の表面に酸化物が形成されたチップを準備するステップと、
    金属領域の表面に形成された酸化物を研磨することで除去し、金属領域の表面を露出させるステップと、
    非酸化雰囲気中で、金属領域の表面に対して、金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    を備える、表面処理方法。
  27. 一つ又は複数の金属領域を有するチップ側接合面を有する複数のチップを、一つ又は複数の金属領域を有する基板側接合面を有する基板に接合するための方法であって、
    チップ側金属領域の表面に酸化物が形成された複数のチップを準備するステップと、
    チップ側金属領域の表面に形成された酸化物を研磨することで除去し、チップ側金属領域の表面を露出させるステップと、
    非酸化雰囲気中で、チップ側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    非酸化雰囲気中で、基板側金属領域の表面に対して所定の運動エネルギーを有する粒子を衝突させることにより表面活性化処理を行い、かつ水を付着させることにより親水化処理を行うステップと、
    親水化処理が行われたチップ側金属領域が親水化処理が行われた基板側金属領域に接触するように、複数のチップを一つずつ対応する基板の基板側接合面に取り付けて、複数のチップと基板とを含む構造体を形成するステップと、
    前記複数のチップと基板とを含む構造体を加熱するステップと、
    を備えた、複数のチップを基板に接合する方法。
  28. 前記複数のチップの基板の基板側接合面への取付けは大気中で行われる、請求項27に記載の、複数のチップを基板に接合する方法。
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