JP2013250731A - 自動検針システム、携帯端末および携帯端末の無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯端末と無線端末との間の通信手順を簡素化することが可能な自動検針システムを提供する。
【解決手段】複数の無線端末と、無線信号を複数の無線端末に送信することにより、複数の無線端末から複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバと、無線端末と無線通信が可能な携帯端末とを備え、自動検針サーバと複数の無線端末との間、および、複数の無線端末と携帯端末との間の無線通信は、拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式による、下り回線および上り回線を時分割多重する無線通信であり、無線端末は、下り回線において受信した無線信号の無線電力に基づいて、上り回線で送信する無線電力を決定し、携帯端末は、下り回線の期間を検出し、自動検針サーバと同一の拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を下り回線の期間に無線端末へ送信し、上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する自動検針システム。
【選択図】図1
【解決手段】複数の無線端末と、無線信号を複数の無線端末に送信することにより、複数の無線端末から複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバと、無線端末と無線通信が可能な携帯端末とを備え、自動検針サーバと複数の無線端末との間、および、複数の無線端末と携帯端末との間の無線通信は、拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式による、下り回線および上り回線を時分割多重する無線通信であり、無線端末は、下り回線において受信した無線信号の無線電力に基づいて、上り回線で送信する無線電力を決定し、携帯端末は、下り回線の期間を検出し、自動検針サーバと同一の拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を下り回線の期間に無線端末へ送信し、上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する自動検針システム。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動検針システム、携帯端末および携帯端末の無線通信方法に関する。
従来、電力量計やガスメータ・水道メータ等の計量値を無線通信により収集して検針を行う無線検針システムが知られている。例えば特許文献1には、ハンディターミナル(携帯端末)および無線検針装置からなり、無線検針装置において複数のメータの検針データを収集するシステムが記載されている。無線検針装置は無線親機(無線基地局)と複数の無線子機(無線端末)とを備え、メータの検針を行う運用時において、無線親機は、複数の無線子機との各々との間で無線通信を行う。複数の無線子機の各々は、複数のメータの各々に対応して一対一で接続されている。
従来技術には、携帯端末が無線基地局との通信手続を介して複数の無線端末と通信を行うため、通信手順が複雑になるという問題があった。
請求項1に記載の自動検針システムは、複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバと、前記無線端末と無線通信が可能な携帯端末とを備え、前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間、および、前記複数の無線端末と前記携帯端末との間の無線通信は、所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式による、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信であり、前記複数の無線端末は、前記下り回線において受信した無線信号の無線電力に基づいて、前記上り回線で送信する無線電力を決定し、前記携帯端末は、前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出し、前記自動検針サーバと同一の前記拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を前記下り回線の期間に前記無線端末へ送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信することを特徴とする。
請求項8に記載の携帯端末は、複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバとを備え、前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間で、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信が行われる自動検針システムで用いられる携帯端末において、前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記下り回線の期間に前記無線端末へ無線信号を送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する通信部と、を備えることを特徴とする。
請求項10に記載の携帯端末の無線通信方法は、複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバとを備え、前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間で、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信が行われる自動検針システムにおける携帯端末の無線通信方法において、前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出する検出工程と、前記検出工程において検出された前記下り回線の期間に前記無線端末へ無線信号を送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する通信工程と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の携帯端末は、複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバとを備え、前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間で、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信が行われる自動検針システムで用いられる携帯端末において、前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記下り回線の期間に前記無線端末へ無線信号を送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する通信部と、を備えることを特徴とする。
請求項10に記載の携帯端末の無線通信方法は、複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバとを備え、前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間で、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信が行われる自動検針システムにおける携帯端末の無線通信方法において、前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出する検出工程と、前記検出工程において検出された前記下り回線の期間に前記無線端末へ無線信号を送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する通信工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、携帯端末と無線端末との間の通信手順を簡素化することができる。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る自動検針システムの構成を示すブロック図である。自動検針システム100は、特定の電力会社によって利用される電力量の自動検針システムであり、当該電力会社と契約している全ての家庭の電力量を自動検針する。自動検針システム100は、電気通信回線2を介して接続された自動検針サーバ1および無線基地局3と、各家庭に設置されたスマートメータ4と、検針員や保守員等によって利用されるハンディターミナル7と、により構成される。
図1は、第1の実施の形態に係る自動検針システムの構成を示すブロック図である。自動検針システム100は、特定の電力会社によって利用される電力量の自動検針システムであり、当該電力会社と契約している全ての家庭の電力量を自動検針する。自動検針システム100は、電気通信回線2を介して接続された自動検針サーバ1および無線基地局3と、各家庭に設置されたスマートメータ4と、検針員や保守員等によって利用されるハンディターミナル7と、により構成される。
自動検針サーバ1は、IPネットワークや公衆回線である電気通信回線2を介して、電柱等に設置される無線基地局3に接続されている。無線基地局3は、複数の家庭にそれぞれ設置されている複数のスマートメータ4と無線通信を行うことができる。自動検針サーバ1は、電気通信回線2および無線基地局3を介して、スマートメータ4から各家庭の電力量を収集する。なお、図1では無線基地局3を1つだけ図示しているが、実際には1つの自動検針サーバ1に対し複数の無線基地局3が存在する。また、本実施形態では自動検針サーバ1と複数の無線基地局3とを別個の装置として図示しているが、それらの装置が全体として自動検針サーバを構成すると考えてもよい。例えば、自動検針サーバ1が複数の無線基地局3を内蔵する構成としてもよい。
スマートメータ4は、電力計5と無線端末6から構成される。1台の無線基地局3は、例えば数百台以上のスマートメータ4との間で無線通信を行えるように構成されるが、図1では3つのスマートメータ4a、4b、4cのみを図示している。ハンディターミナル(HT)7は、検針員や保守員によって利用される可搬性の無線通信機器(携帯端末)である。検針員や保守員は、HT7にスマートメータ4との無線通信を行わせることにより、特定のスマートメータ4の検針や保守等を行う。なお、図1では1台のHT7のみを図示しているが、実際にはより多数のHT7が自動検針システム100に含まれていてよい。
図2は、無線基地局3とスマートメータ4との無線通信のシーケンスを模式的に示す図である。なお、本発明では、無線基地局3からスマートメータ4にデータを送信する通信路を下り回線、スマートメータ4から無線基地局3にデータを送信する通信路を上り回線と称する。
本実施形態の無線基地局3およびスマートメータ4は、下り回線と上り回線とを一定時間毎に分割する時分割多重方式の無線通信を行う。すなわち、図2に示すように、下り回線の通信が行われる下り期間T2と、上り回線の通信が行われる上り期間T3と、から成るフレーム周期T1を繰り返すことにより、双方向の通信を実現する。無線基地局3は下り期間T2において各スマートメータ4a、4b、4cに下り信号50を送信し、上り期間T3において各スマートメータ4a、4b、4cから上り信号51a、51b、51cを受信する。また、各スマートメータ4a、4b、4cは下り期間T2において無線基地局3から下り信号50を受信し、上り期間T3において無線基地局3にそれぞれ上り信号51a、51b、51cを送信する。本実施形態では、フレーム周期T1、下り期間T2、および上り期間T3のそれぞれの長さは予め決められており、無線基地局3、スマートメータ4、およびHT7は予めそれらの長さに基づいて動作するものとしている。なお、図2に示すように、下り期間T2の長さと上り期間T3の長さは異なっていてよい。本実施形態では、上り期間T3を下り期間T2よりも長い期間としている。
図3は、無線基地局3の全体のうち、無線通信に関係する部分の構成を示すブロック図である。無線基地局3は、CPUやその周辺回路から構成される基地局通信処理部29と、基地局通信処理部29に接続された基地局無線通信部28とを備える。基地局通信処理部29は、電気通信回線2を介して自動検針サーバ1と接続されており、自動検針サーバ1とスマートメータ4との間の通信を、例えばインターネットプロトコルや無線プロトコル等のプロトコル変換を行うことにより仲介する。
以下、図2および図3を用いて、無線基地局3による下り信号50の送信動作を説明する。基地局通信処理部29は、下り回線で送信する必要がある送信データを基地局無線通信部28の送信バッファ21に格納する。基地局無線通信部28の下り回線送信時刻制御部27は、TDMAタイマ19の時刻を読み出し、フレーム周期T1の下り期間T2の開始時刻に合わせて、送信開始信号Cを送信バッファ21に出力する。TDMAタイマ19は上り回線の時間幅(上り期間T3)と下り回線の時間幅(下り期間T2)とを計測するタイマであり、無線信号の送信タイミングを決定するために利用される。送信バッファ21は、送信開始信号Cの入力に応じて、自身に格納されている送信データを符号拡散器22に出力する。符号拡散器22は、入力された送信データを所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散し、変調器23に出力する。符号拡散器22は、自己相関性の高いM系列等を拡散符号系列として用いる。なお、符号拡散器22が用いる拡散符号系列は、スマートメータ4およびHT7に既知であるものとする。拡散符号系列の長さが例えば128であれば、送信データの1ビットが128ビットの長さに拡散されることになる。
変調器23は、符号拡散器22から出力されたデジタルデータ(拡散された送信データ)をBPSK(Binary Phase Shift Keying)によりアナログ信号に変調し、図示しないミキサ等により所定の周波数帯域(例えば2.4GHzや920MHzなど)の高周波信号に変調して送信アンプ24に出力する。送信アンプ24は、スイッチ14を介して、入力されたアナログ信号をアンテナ13から所定の無線電力で送信する。
以上のように、送信データを拡散符号系列によって直接拡散する変調方式は、直接スペクトル拡散方式(DSSS)と呼ばれる。上述した例のように、拡散符号系列の長さが128であれば、拡散しない場合に比べて通信速度が128分の1に低下することになるが、受信側の感度は128倍に高くなり、通信距離を長くすることができる。
無線基地局3のアンテナ13から送信される無線信号(下り信号50)は、図2の下り期間T2に示すように、スマートメータ4に送信したいデータそのものであるパケット31と、パケット31の前に付加された同期データ30とを変調した一連の信号である。同期データ30は、スマートメータ4およびHT7に既知のデータであり、下り信号50を認識するために用いられる。基地局無線通信部28の下り回線送信時刻制御部27は、下り信号50が下り期間T2の間に送信されるよう、TDMAタイマ19から読み出した時刻に基づいて送信タイミングを制御する。
図4は、スマートメータ4が有する無線端末6の全体のうち、無線通信に関係する部分の構成を示すブロック図である。無線端末6は、CPUやその周辺回路から構成される端末通信処理部44と、端末通信処理部44に接続された端末無線通信部43とを備える。端末通信処理部44は、端末無線通信部43により受信されたデータの解釈を行い、必要に応じて電力計5から電力量を読み出したり、読み出した電力量のデータを端末無線通信部43に送信させたりする。
以下、図2および図4を用いて、無線端末6による下り信号50の受信動作を説明する。下り期間T2において、無線端末6の復調器15は、無線端末6に設けられたアンテナ13およびスイッチ14を介して無線基地局3から送信された下り信号50を受信する。復調器15は受信した下り信号50をデジタルデータ(拡散された送信データ)に復調し、逆拡散器17および拡散符号同期器16に出力する。
無線基地局3から送信された下り信号50の拡散符号系列(基地局無線通信部28の符号拡散器22が用いた拡散符号系列)は各々の無線端末6において既知ではあるが、下り信号50の到来時刻は不明である。そこで拡散符号同期器16は、復調器15の出力データと、上記の拡散符号系列との相関値を計算することにより、下り信号50が到来したことを検知する。具体的には、相関値が所定のしきい値を越えた時点で、下り信号50に含まれる同期データ30を捕捉する。スペクトル拡散後の信号が、例えば128kHz間隔で変化する信号であるとすれば、拡散符号同期器16は約7.8マイクロ秒(128000分の1秒)ごとに相関値を計算し、下り信号50の開始時刻を決定する。
逆拡散器17は、復調器15から出力されるデジタルデータを、拡散符号同期器16により決定された周期で逆拡散処理する。例えば拡散符号系列の長さが128であり、スペクトル拡散後の信号が128kHz間隔で変化する信号であるとすれば、逆拡散器17からの出力信号は1kHz間隔で変化する信号となる。この逆拡散処理により、受信感度を拡散符号系列の長さに応じた倍率だけ高くすることができる。
パケット同期器18は、逆拡散器17が1kHz間隔で出力するデータ列と、既知である同期データ30とを比較する。これら2つのデータが一致すれば、下り信号50が到来したということである。パケット同期器18は2つのデータの一致により下り信号50の到来時刻を検出して、同期データ30に引き続くパケット31を端末通信処理部44に出力すると共に、端末無線通信部43のTDMAタイマ19を下り信号50の到来時刻に基づいて補正する。
なお、無線端末6による上り信号51a、51b、51cの送信動作は、無線信号の出力を下り期間T2ではなく上り期間T3に行うことを除いて、無線基地局3によるものと同様である。すなわち、端末通信処理部44が送信データを端末無線通信部43の送信バッファ21に格納する。端末無線通信部43の上り回線送信時刻制御部20は、TDMAタイマ19の時刻を読み出し、フレーム周期T1の上り期間T3の開始時刻に合わせて、送信開始信号Cを送信バッファ21に出力する。送信バッファ21は、送信開始信号Cの入力に応じて送信データを符号拡散器22に出力する。その後、符号拡散器22、変調器23、送信アンプ24、スイッチ14を経由して、アンテナ13からこの送信データに基づく無線信号(上り信号51a、51b、51c)が送信される。上り信号51a、51b、51cは、図2の上り期間T3に示すように、それぞれ無線基地局3に送信したいデータそのものであるパケット35a、35b、35cと、それらの前に付加された同期データ34a、34b、34cとを変調した一連の信号である。
ところで、図2に示す上り期間T3では、3つのスマートメータ4a、4b、4cからそれぞれ送信された3つの上り信号51a、51b、51cを図示している。これらの各上り信号51a、51b、51cは、上り期間T3において時間的に重なっているため、無線基地局3は、これら3つの信号を合成した無線信号を受信することになる。本実施形態では、スマートメータ4a、4b、4cは、それぞれ異なる拡散符号系列を用いるものとし、それら全ての拡散符号系列が無線基地局3において既知であるものとする。こうすることで、無線基地局3では各スマートメータ4a、4b、4cが同一の上り期間T3に送信した3つの上り信号51a、51b、51cをそれぞれ正しく受信することができる。このように、複数のスマートメータ4a、4b、4cにおいて、無線信号の送信に利用する拡散符号系列を異ならせることにより回線を多重化する技術は、いわゆるCDMA(Code Division Multiple Access)として周知であるので、ここでは説明を省略する。
また、無線基地局3による上り信号51a、51b、51cの受信動作は、下り期間T2ではなく上り期間T3に行うこと、およびTDMAタイマ19の補正を行わないことを除いて、無線端末6によるものと同様である。すなわち、無線基地局3の復調器15が、アンテナ13およびスイッチ14を介して無線端末6から送信された上り信号51a、51b、51cを受信する。復調器15は受信した上り信号51a、51b、51cをデジタルデータ(拡散された送信データ)に復調し、逆拡散器17および拡散符号同期器16に出力する。拡散符号同期器16は、復調器15の出力データと、各々の無線端末6の拡散符号系列との相関値を計算することにより、上り信号51a、51b、51cが到来したことを検知する。逆拡散器17は、復調器15から出力されるデジタルデータを、拡散符号同期器16により決定された周期で逆拡散処理する。パケット同期器18は、同期データ34a、34b、34cの到来時刻を検出して、同期データ34a、34b、34cに引き続くパケット35a、35b、35cを基地局通信処理部29に出力する。
なお、上り信号51a、51b、51cにより搬送されるパケット35a、35b、35cには、当該パケットの宛先を表す宛先データが含まれている。これは、スマートメータ4から送信された当該パケットが、複数の無線基地局3やHT7のうち、どれに対して送信されたものかを表すデータである。基地局通信処理部29(および、後述するHT通信処理部46)は、パケット35a、35b、35cを受け取ると、まず受けとったパケットの宛先データを確認し、当該パケットが自身に対して送信されたものか否かを判定する。そして、当該パケットが自身に対して送信されたものではない場合、単に当該パケットを無視する。
次に、スマートメータ4による送信電力制御(TPC)について、図2および図4を用いて説明する。本実施形態の無線端末6は、無線基地局3が複数のスマートメータ4から送信される複数の上り信号51a、51b、51c間の干渉を最小にして受信するため、TPCを行う。無線端末6の強度検出器25は、無線基地局3が下り期間T2において送信した無線信号(下り信号50)を、アンテナ13、スイッチ14を介して受信し、その受信強度を検出する。無線基地局3の送信電力を予め定めておけば、強度検出器により検出された受信強度から、無線基地局3と無線端末6の間の無線信号減衰量を測定することができる。
複数の上り信号51a、51b、51c間の干渉を最小にして受信するためには、各信号の受信電力が等しくなるようにすればよいことが知られている。これは、1つの無線端末6からの受信信号にとって、他の無線端末6からの受信信号はノイズであり、この関係はどの無線端末6に対しても同様であることに拠る。従って、送信電力制御部26では、無線基地局3の送信電力と、無線基地局3における無線端末6からの受信電力の目標値とを予め定めておき、強度検出器25により検出された受信強度から、上り信号51a、51b、51cを当該目標値で無線基地局3に到達させるために必要な送信電力指令値Aを計算することができる。例えば、無線基地局3の送信電力が10dBmであり、無線基地局3における無線端末6からの無線信号の受信電力の目標値が−100dBm、強度検出器25により検出された受信強度が−70dBmである場合には、下記計算から送信電力指令値Aを求めることができる。
A=−100dBm−(−70dBm−10dBm)=−20dBm
A=−100dBm−(−70dBm−10dBm)=−20dBm
送信電力制御部26は、以上のように送信電力指令値Aを計算し、送信アンプ24にその送信電力指令値Aを与える。送信アンプ24は上り期間T3において、変調器23が出力した信号をその送信電力指令値A(上記の例であれば−20dBm)に増幅し、無線基地局3に送信する。このように、TPCを行うことで、上り期間T3において複数の上り信号51a、51b、51cを同時刻に受信しても、それらの信号を正しく受信することができる。なお、本実施形態では上り回線と下り回線とを時分割多重している。そのため、同一の通信周波数を上り回線と下り回線とで使用することができ、周波数によって異なる無線減衰の影響はない。
最大送信電力は使用する通信周波数により定められる。無線端末6の最大送信電力を例えば10dBmとした場合には、減衰量が110dBを越えると、その無線端末6から送信された上り信号が、無線基地局3において、上述で例示した受信強度目標−100dBmを下回ってしまう。他の無線端末6から送信された上り信号の受信電力は−100dBmであることから、110dBを越える減衰を受ける無線端末6から送信される無線信号は、他の無線端末6よりも通信エラーの発生確率が高くなる。DSSS方式では拡散符号系列を長く(拡散率を大きく)することで、このような問題を回避できる。
例えば、減衰量が110dB未満の場合には拡散符号系列長を128とし、減衰量が110dB以上の場合にはそれに応じて拡散符号系列長を128より大きくすることで、強度低下を補償できる。例えば拡散率を2倍にすれば、S/N比は10×Log2=3dBだけ向上する。従って、減衰量が113dBの場合には無線基地局3での受信電力は−113dBmと目標値より3dB低下するが、拡散符号系列長を128から2倍の256にすればよい。
図5は、HT7の全体のうち、無線通信に関係する部分の構成を示すブロック図である。HT7は、CPUやその周辺回路から構成されるHT通信処理部46と、HT通信処理部46に接続されたHT無線通信部45とを備える。HT通信処理部46は、図示しない操作部材(例えばボタンやスイッチ等)に対して為された操作に応じて、HT無線通信部45から特定のスマートメータ4に制御データを送信したり、特定のスマートメータ4からHT無線通信部45が受信したデータを図示しない表示部(例えば液晶表示部等)に表示させたりする。
図6は、無線基地局3とスマートメータ4との無線通信およびスマートメータ4とHT7との無線通信のシーケンスを模式的に示す図である。以下、図5および図6を用いて、本実施形態のHT7とスマートメータ4(無線端末6)との通信動作について説明する。HT7のHT無線通信部45は、無線端末6の端末無線通信部43の受信動作と同様に、無線基地局3からの送信された無線信号を、アンテナ13、スイッチ14、復調器15、拡散符号同期器16、逆拡散器17、およびパケット同期器18を介して受信し、TDMAタイマ19の時刻を補正する。以上の受信動作は、上述した無線端末6における受信動作と同一であるので、説明を省略する。
本実施形態のHT7は、通信開始時(図6のフレーム周期T1aにおける下り期間T2a)において、無線信号を送信しない(できない)。これは、フレーム周期T1aの開始時刻(下り期間T2aの開始時刻)がわからないためである。HT無線通信部45はこの期間において上述した受信動作を行い、無線基地局3から送信された下り信号52を捕捉することにより、次のフレーム周期T1bの開始時刻(次の下り期間T2bの開始時刻)を判断する。具体的には、下り回線送信時刻制御部27が、パケット同期器18により補正されたTDMAタイマ19の時刻を読み出して、次のフレーム周期T1bにおける下り期間T2bの開始時刻を判断する。そして、以降の下り期間T2bにおいて、無線端末6に対して無線信号(下り信号54)を送信する。
なお、HT7のHT無線通信部45による送信処理、および、スマートメータ4a、4b、4cからの受信処理は、無線基地局3の基地局無線通信部28によるものと同様であるので説明を省略する。受信したパケットに含まれる宛先データを確認し、当該パケットが自身に対して送信されたものではない場合には、当該パケットを無視する点についても、無線基地局3と同様である。
HT無線通信部45は、無線基地局3が用いる拡散符号系列と同一の拡散符号系列を使用する。このように拡散符号系列を同一にすることで、各スマートメータ4a、4b、4cはただ1つの拡散符号系列に対してのみ同期検出処理を行えばよく、無線端末6の構成を簡素化できる。
なお、下り期間T2bでは無線基地局3とHT7が時間的に重複して下り信号53、54を送信するため、スマートメータ4a、4b、4cはこれら2つの下り信号53、54を同時に受信することはできない。しかし、検針員や保守員等が携帯するHT7は、検針や保守の対象となる特定のスマートメータ4と数メートル程度の近距離で通信する場合が多いので、HT7からの下り信号54の受信強度が無線基地局3からの下り信号53より高くなると考えられる。従って、無線端末6の端末無線通信部43の受信機能部を2系統にし、両方の下り信号53、54を受信できるようにしたとしても、無線基地局3からの下り信号53の受信は困難であると考えられるので、2つの下り信号53、54を同時に受信できない点は問題とならない。
図6の下り期間T2bにおいては、上述したような動作により、無線基地局3からの下り信号53と同一のタイミングでHT7からが送信される。両者のタイミングがわずかにずれてもスマートメータ4a、4b、4cによる受信処理には問題はないが、例えば、無線基地局3から下り信号53が送信された後にHT7から下り信号54が送信された場合(2つの下り信号53、54が時間的に重複しない場合)には、スマートメータ4a、4b、4cにおいて、上述したTPCが不安定となる。すなわち、無線端末6は下り回線の受信強度を検出して送信電力を制御するが、無線基地局3とHT7の双方が一定期間独立で存在すると受信強度が異なるために、送信電力指令値Aが変動する可能性がある。
例えば図6では、下り期間T2a、T2bをちょうど1つの下り信号52、53、54の送信に要する長さとしているが、下り期間T2a、T2bは複数のパケット31を送信できるような長さに設定することも可能である。また、パケット31が可変長であれば、下り期間T2a、T2bに対する相対的な長さは下り期間T2a、T2bごとに異なることも考えられる。
このようなTPCの問題に対処するために、本実施形態のHT7は、下り信号54の長さが下り期間T2a、T2bより短い場合であっても、下り期間T2bの全域に渡って下り信号54を送信する。つまりHT7は、実際にはより短い時間で送信を完了できる下り信号54を、例えば無効な値等でパケット31にパディングする等の方法により、下り期間T2bの全域に引き延ばす。
上述した第1の実施の形態による自動検針システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)自動検針システム100は、複数の無線端末6と、無線基地局3と、自動検針サーバ1と、HT7とを備える。複数の無線端末6は、複数の需要家の各々に設置された電力計5の各々に接続され、当該電力計5の計量データをそれぞれ取得する。自動検針サーバ1は、無線基地局3を介して所定の無線電力の無線信号を複数の無線端末6に送信することにより、複数の無線端末6から複数の電力計5の計量データを受信し収集する。HT7は、各無線端末6と無線通信が可能な携帯端末である。この自動検針システム100において、無線基地局3と複数の無線端末6との間、および、複数の無線端末6とHT7との間の無線通信を、所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式による、無線基地局3から複数の無線端末6への下り回線および複数の無線端末6から無線基地局3への上り回線を時分割多重する無線通信とした。また、複数の無線端末6は、下り回線において受信した無線電力に基づいて、上り回線で送信する無線電力を決定する。そして、HT7は、時分割多重における下り回線の期間T2を検出し、無線基地局3と同一の拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を下り回線の期間T2に無線端末6へ送信し、上り回線で当該無線端末6からの無線信号を受信する。このようにしたので、携帯端末と無線端末との間の通信手順を簡素化することができる。
(1)自動検針システム100は、複数の無線端末6と、無線基地局3と、自動検針サーバ1と、HT7とを備える。複数の無線端末6は、複数の需要家の各々に設置された電力計5の各々に接続され、当該電力計5の計量データをそれぞれ取得する。自動検針サーバ1は、無線基地局3を介して所定の無線電力の無線信号を複数の無線端末6に送信することにより、複数の無線端末6から複数の電力計5の計量データを受信し収集する。HT7は、各無線端末6と無線通信が可能な携帯端末である。この自動検針システム100において、無線基地局3と複数の無線端末6との間、および、複数の無線端末6とHT7との間の無線通信を、所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式による、無線基地局3から複数の無線端末6への下り回線および複数の無線端末6から無線基地局3への上り回線を時分割多重する無線通信とした。また、複数の無線端末6は、下り回線において受信した無線電力に基づいて、上り回線で送信する無線電力を決定する。そして、HT7は、時分割多重における下り回線の期間T2を検出し、無線基地局3と同一の拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を下り回線の期間T2に無線端末6へ送信し、上り回線で当該無線端末6からの無線信号を受信する。このようにしたので、携帯端末と無線端末との間の通信手順を簡素化することができる。
(2)HT7は、上り回線の時間幅と下り回線の時間幅とを計測するTDMAタイマ19によって時分割多重における下り回線の期間T2を検出し、下り回線で無線基地局3から受信した無線信号の受信時刻からTDMAタイマを補正する。このようにしたので、複数の無線端末6において、無線基地局3からの送信信号と、HT7からの送信信号とを、同一の通信手順・通信設備で受信することができ、無線端末6の構成を簡素化することができる。
(3)複数の無線端末6は、それぞれ他の無線端末6とは異なる拡散符号系列を用いて無線基地局3およびHT7との無線通信を行う。このようにしたので、複数のスマートメータ4a、4b、4cから同一の上り期間T3に送信された複数の上り信号51a、51b、51cを、無線基地局3およびHT7において、それぞれ正しく受信することができる。
(4)無線基地局3と複数の無線端末6との間、および、複数の無線端末6とHT7との間の無線通信において、所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式を利用するようにした。このようにしたので、上り回線において各無線端末6からの送信信号間の干渉を回避するための、無線端末6側での送信制御(例えば他の無線端末6が送信状態でないことを確認し(キャリアセンス)、送信状態でなければ自らが送信するCSMAや、上り回線をさらに時間分割したフレームを利用する送信制御等)が不要になり、通信手順が簡素化される。
(5)HT7は、下り期間T2bの全域に渡って下り信号54を送信する。このようにしたので、TPCの不安定化を抑制することができる。また、TPCの不安定化を抑制する他の方法、例えば下り回線を更に時分割し、無線基地局3からの信号とHT7からの信号とを複数フレームに分けて送信する方法等に比べて、通信手順を簡素化することができる。
(6)複数の無線端末6は、下り回線において受信した無線電力に基づいて、上り回線で送信する無線電力を決定する。このようにしたので、無線基地局3において、多数の無線端末6からの送信信号を受信したとしても、特定の無線端末6との無線通信が不安定になることがない。
(7)HT7は、無線基地局3と同一の拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を下り回線の期間T2に無線端末6へ送信する。このようにしたので、複数の無線端末6の各々では、1つの拡散符号系列さえ記憶しておけば、無線基地局3からの送信信号と、HT7からの送信信号とを受信することができるので、無線端末6の構成を簡素化することができる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムでは、各無線端末6は、全て同一の拡散符号系列を用いて無線基地局3やHT7へ無線信号を送信する。ただし、その送信タイミングを、送信の都度ランダムに決定された時間だけずらして送信する。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムでは、各無線端末6は、全て同一の拡散符号系列を用いて無線基地局3やHT7へ無線信号を送信する。ただし、その送信タイミングを、送信の都度ランダムに決定された時間だけずらして送信する。
図7は、無線基地局3とスマートメータ4との無線通信およびスマートメータ4とHT7との無線通信のシーケンスを模式的に示す図である。スマートメータ4a、4b、4cから送信される各上り信号51a、51b、51cは、それぞれ無作為な時間だけ上り期間T3a、T3bの開始時刻から遅れて送信されている。このように、上り期間T3a、T3bの期間内において送信開始時刻をずらすことにより、無線基地局3は、時間的に重複する複数の上り信号51a、51b、51cをそれぞれ正しく受信することができる。これは、送信点と受信点間で直接伝播する直到波と建物等で多重反射して遅れて到達する複数の多重反射波を分離する技術の応用であり、スペクトル拡散変調方式の信号ではいわゆるRAKE受信方式として周知の技術であるので、これ以上の説明を省略する。
上述した第2の実施の形態による自動検針システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)複数の無線端末6は、それぞれ同一の拡散符号系列を用いて無線基地局3およびHT7との無線通信を行うと共に、上り回線の期間T3a、T3bにおける無線信号の送信開始時刻を毎回変更する。このようにしたので、複数のスマートメータ4a、4b、4cから同一の上り期間T3に送信された複数の上り信号51a、51b、51cを、無線基地局3およびHT7において、それぞれ正しく受信することができる。また、無線基地局3およびHT7では多数の拡散符号系列を扱う必要がなく、無線基地局3およびHT7の構成を簡素化することができる。
(1)複数の無線端末6は、それぞれ同一の拡散符号系列を用いて無線基地局3およびHT7との無線通信を行うと共に、上り回線の期間T3a、T3bにおける無線信号の送信開始時刻を毎回変更する。このようにしたので、複数のスマートメータ4a、4b、4cから同一の上り期間T3に送信された複数の上り信号51a、51b、51cを、無線基地局3およびHT7において、それぞれ正しく受信することができる。また、無線基地局3およびHT7では多数の拡散符号系列を扱う必要がなく、無線基地局3およびHT7の構成を簡素化することができる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムにおいて、無線基地局3およびHT7はTDMAタイマ19を備えず、第1の実施の形態とは異なる方法により無線信号の送信タイミングを決定する。
以下、本発明の第3の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムにおいて、無線基地局3およびHT7はTDMAタイマ19を備えず、第1の実施の形態とは異なる方法により無線信号の送信タイミングを決定する。
図8は、第3の実施の形態に係る無線基地局3の基地局無線通信部28の構成を示すブロック図である。図3に示した第1の実施の形態に係る基地局無線通信部28の構成との違いは、TDMAタイマ19の代わりに衛星信号受信器40を備えている点である。衛星信号受信器40は、いわゆるGPS(Global Positioning System)を構成する人工衛星から送信されるGPS信号を受信する。このGPS信号には、人工衛星に搭載された原子時計からの時刻情報が含まれており、衛星信号受信器40に内蔵されたタイマの時刻を上記の原子時計の時刻に高精度に同期することができる。
図9は、第3の実施の形態に係るHT7のHT無線通信部45の構成を示すブロック図である。図5に示した第1の実施の形態に係るHT無線通信部45の構成との違いは、上述した基地局無線通信部28と同様に、TDMAタイマ19の代わりに衛星信号受信器40を備えている点である。HT無線通信部45においても、衛星信号受信器40に内蔵されたタイマの時刻は、上述の原子時計の時刻に高精度に同期される。すなわち、無線基地局3の衛星信号受信器40に内蔵されたタイマの時刻と、HT7の衛星信号受信器40に内蔵されたタイマの時刻は、高精度に同期される。そこで、例えばフレーム周期T1を2秒、下り期間T2を1秒、上り期間T3を1秒と予め決めておけば、無線基地局3とHT7との間で下り期間T2の開始タイミングを同期させることができる。すなわち、下り回線送信時刻制御部27は、衛星信号受信器40内のタイマから時刻を読みだして、下り期間T2の開始タイミングを制御する。
なお、衛星信号受信器40が受信する信号は、時刻を同期可能な信号でさえあればよく、GPSを構成する衛星からの信号に限定されない。例えば他の衛星測位システムを構成する人工衛星からの信号であってもよいし、衛星放送等のために利用される人工衛星からの信号であってもよい。また、地上に設置された基地局から放送される、いわゆる標準周波数報時電波などであってもよい。
上述した第3の実施の形態による自動検針システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)HT7は、人工衛星から送信される信号を受信して現在時刻を検出する衛星信号受信器40によって、時分割多重における下り回線の期間を検出する。このようにしたので、無線基地局3から下り信号52を受信して下り期間T2a、T2bを検出する必要がなく、かつ正確に下り期間T2a、T2bを認識することが可能となる。従って、HT7は複雑な通信手順を用いることなく、特定の無線端末6と通信することができる。
(1)HT7は、人工衛星から送信される信号を受信して現在時刻を検出する衛星信号受信器40によって、時分割多重における下り回線の期間を検出する。このようにしたので、無線基地局3から下り信号52を受信して下り期間T2a、T2bを検出する必要がなく、かつ正確に下り期間T2a、T2bを認識することが可能となる。従って、HT7は複雑な通信手順を用いることなく、特定の無線端末6と通信することができる。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムにおいて、HT7は、無線基地局3からの無線信号の強度を測定することにより、送信電力の強度を決定する。
以下、本発明の第4の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムにおいて、HT7は、無線基地局3からの無線信号の強度を測定することにより、送信電力の強度を決定する。
図10は、第4の実施の形態に係るHT7のHT無線通信部45の構成を示すブロック図である。図5に示した第1の実施の形態に係るHT無線通信部45の構成との違いは、アンテナ13およびスイッチ14を介して受信した信号が入力される下り回線強度検出器47と、下り回線強度検出器47に接続された上り回線電力制御部48とを備えている点である。
下り回線強度検出器47は、下り期間T2aにおいて無線基地局3から送信された下り信号52の受信強度を検出する。検針員や保守員等は、HT7を用いて検針および保守を行う際、HT7を持って検針・保守対象の無線端末6の近くにいることが予想される。従って、HT7の下り回線強度検出器47がその位置で検出した下り信号52の受信強度と、検針・保守対象の無線端末6が受信する下り信号52の受信強度は、ほぼ同じ値であると考えてよい。そこで、HT7において検出された無線基地局3からの受信電力が例えば−70dBmであれば、それより10dB程度大きな送信電力によってHT7から下り信号54を送信すれば、当該無線端末6は無線基地局3からの下り信号53の干渉を受けずにHT7からの下り信号54を受信することができる。上り回線電力制御部48は、以上のように、下り回線強度検出器47で検出された受信強度より所定量だけ大きな値の送信電力指令値Aを、送信アンプ24に与える。
仮にHT7の最大送信電力が10dBmであるとすると、上述したような送信電力の調節を行わない場合、HT7からの下り信号54は常に10dBmで送信されることになる。一方、上述したような送信電力の調節を行い、下り信号54を−60dBmで送信すると、その差は70dBである。HT7から送信される下り信号54は、検針・保守対象でない他の無線端末6にとっては通信を妨害するノイズ源となるが、これら他の無線端末6において受信されるHT7からの下り信号54(ノイズ源)の受信強度も70dB小さな値となる。従って、それら他の無線端末6において、無線基地局3からの下り信号53を妨害する確率が小さくなる。
上述した第4の実施の形態による自動検針システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)HT7は、無線基地局3から受信した無線信号の受信強度を検出し、当該受信強度より所定量以上大きな無線電力で無線端末6に無線信号を送信する。このようにしたので、下り回線において無線基地局3からの信号とHT7からの信号とが干渉する影響を抑えることができる。
(1)HT7は、無線基地局3から受信した無線信号の受信強度を検出し、当該受信強度より所定量以上大きな無線電力で無線端末6に無線信号を送信する。このようにしたので、下り回線において無線基地局3からの信号とHT7からの信号とが干渉する影響を抑えることができる。
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムにおいて、HT7は、異なる2種類のアンテナを切り替え可能な構成を有している。
以下、本発明の第5の実施の形態に係る自動検針システムについて、第1の実施の形態と異なる点を説明する。本実施形態の自動検針システムにおいて、HT7は、異なる2種類のアンテナを切り替え可能な構成を有している。
図11は、第5の実施の形態に係るHT7のHT無線通信部45の構成を示すブロック図である。図5に示した第1の実施の形態に係るHT無線通信部45の構成との違いは、アンテナ13の代わりに、アンテナ切替スイッチ49に接続された指向性アンテナ13aおよび無指向性アンテナ13bを備えている点である。
本実施形態のHT7は、HT7を利用する検針員や保守員等が、HT7の図示しない操作部材を操作することにより、無線信号の授受に利用されるアンテナを切り替え可能に構成されている。操作部材によってHT7にアンテナ切替指令が入力されると、HT通信処理部46はその入力に応じてアンテナ切替スイッチ49を切り替える。具体的には、HT7が特定のスマートメータ4(例えば、検針・保守対象のスマートメータ4)とのみ通信する場合には、アンテナ切替スイッチ49によって指向性アンテナ13aとスイッチ14とが接続され、無線信号の授受には指向性アンテナ13aが利用される。検針員や保守員等は、HT7の指向性アンテナ13aを通信対象としたいスマートメータ4に向けて通信することで、HT7が他のスマートメータ4に与える影響を軽減することができる。また、HT7を用いて同時に近隣の多数のスマートメータ4と通信する場合には、アンテナ切替スイッチ49によって無指向性アンテナ13bとスイッチ14とを接続し、無線信号の授受に無指向性アンテナ13bが利用されるようにすればよい。
上述した第5の実施の形態による自動検針システムによれば、次の作用効果が得られる。
(1)HT7は、指向性アンテナ13aおよび無指向性アンテナ13bを備え、無線端末6との無線通信に使用するアンテナを、指向性アンテナ13aおよび無指向性アンテナ13bの一方に切替え可能である。このようにしたので、HT7が無線通信の対象でない他の無線端末6に与える影響を軽減することができる。
(1)HT7は、指向性アンテナ13aおよび無指向性アンテナ13bを備え、無線端末6との無線通信に使用するアンテナを、指向性アンテナ13aおよび無指向性アンテナ13bの一方に切替え可能である。このようにしたので、HT7が無線通信の対象でない他の無線端末6に与える影響を軽減することができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
フレーム周期T1の長さは、予め決められた長さに固定しなくてもよい。例えば、無線基地局3からの下り信号50にフレーム周期T1の長さに関する情報を含ませることで、上り期間T2および下り期間T3の長さを可変することができる。
フレーム周期T1の長さは、予め決められた長さに固定しなくてもよい。例えば、無線基地局3からの下り信号50にフレーム周期T1の長さに関する情報を含ませることで、上り期間T2および下り期間T3の長さを可変することができる。
(変形例2)
上述した各実施形態では、電力計により計測された電力量を検針するシステムについて説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されない。例えばガスや水道の自動検針システムに本発明を適用することも可能である。
上述した各実施形態では、電力計により計測された電力量を検針するシステムについて説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されない。例えばガスや水道の自動検針システムに本発明を適用することも可能である。
(変形例3)
無線端末6は、電力計5等の計量器に内蔵されていてもよいし、計量器と有線等により接続されていてもよい。また、これらは同一の筐体に一体となって収められていてもよいし、異なる筐体に収められていてもよい。
無線端末6は、電力計5等の計量器に内蔵されていてもよいし、計量器と有線等により接続されていてもよい。また、これらは同一の筐体に一体となって収められていてもよいし、異なる筐体に収められていてもよい。
(変形例4)
上り信号および下り信号の構成は、図2や図7に示したものに限定されない。例えば、同期データとパケット以外の構成要素を含んでいてもよい。
上り信号および下り信号の構成は、図2や図7に示したものに限定されない。例えば、同期データとパケット以外の構成要素を含んでいてもよい。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1…自動検針サーバ、2…電気通信回線、3…無線基地局、4、4a、4b、4c…スマートメータ、5…電力計、6…無線端末、7…ハンディターミナル、13…アンテナ、13a…指向性アンテナ、13b…無指向性アンテナ、14…スイッチ、15…復調器、16…拡散符号同期器、17…逆拡散器、18…パケット同期器、19…TDMAタイマ、20…上り回線送信時刻制御部、21…送信バッファ、22…符号拡散器、23…変調器、24…送信アンプ、25…強度検出器、26…送信電力制御部、27…下り回線送信時刻制御部、28…基地局無線通信部、29…基地局通信処理部、40…衛星信号受信器、43…端末無線通信部、44…端末通信処理部、45…HT無線通信部、46…HT通信処理部、47…下り回線強度検出器、48…上り回線電力制御部、49…アンテナ切替スイッチ、100…自動検針システム
Claims (11)
- 複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、
所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバと、
前記無線端末と無線通信が可能な携帯端末とを備え、
前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間、および、前記複数の無線端末と前記携帯端末との間の無線通信は、所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式による、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信であり、
前記複数の無線端末は、前記下り回線において受信した無線信号の無線電力に基づいて、前記上り回線で送信する無線電力を決定し、
前記携帯端末は、前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出し、前記自動検針サーバと同一の前記拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を前記下り回線の期間に前記無線端末へ送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信することを特徴とする自動検針システム。 - 請求項1に記載の自動検針システムにおいて、
前記携帯端末は、前記自動検針サーバから受信した無線信号の受信強度を検出し、当該受信強度より所定量以上大きな無線電力で前記無線端末に無線信号を送信することを特徴とする自動検針システム。 - 請求項2に記載の自動検針システムにおいて、
前記携帯端末は、前記上り回線の時間幅と前記下り回線の時間幅とを計測するタイマによって前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出し、前記下り回線で前記自動検針サーバから受信した無線信号の受信時刻から前記タイマによる前記計測のタイミングを補正することを特徴とする自動検針システム。 - 請求項2に記載の自動検針システムにおいて、
前記携帯端末は、人工衛星から送信される信号を受信して現在時刻を検出する衛星信号受信器によって、前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出することを特徴とする自動検針システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動検針システムにおいて、
前記携帯端末は、指向性アンテナおよび無指向性アンテナを備え、前記無線端末との無線通信に使用するアンテナを、前記指向性アンテナおよび前記無指向性アンテナの一方に切替え可能であることを特徴とする自動検針システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動検針システムにおいて、
前記複数の無線端末は、それぞれ他の無線端末とは異なる前記拡散符号系列を用いて前記自動検針サーバおよび前記携帯端末との無線通信を行うことを特徴とする自動検針システム。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動検針システムにおいて、
前記複数の無線端末は、それぞれ同一の前記拡散符号系列を用いて前記自動検針サーバおよび前記携帯端末との無線通信を行うと共に、前記上り回線の期間における無線信号の送信開始時刻を毎回変更することを特徴とする自動検針システム。 - 複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバとを備え、前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間で、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信が行われる自動検針システムで用いられる携帯端末において、
前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記下り回線の期間に前記無線端末へ無線信号を送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する通信部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。 - 請求項8に記載の携帯端末において、
前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間では、所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式の無線通信が行われ、
前記通信部は、前記自動検針サーバと同一の前記拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を前記無線端末に送信することを特徴とする携帯端末。 - 複数の需要家の各々に設置された計量器の各々に接続され、当該計量器の計量データをそれぞれ取得する複数の無線端末と、所定の無線電力の無線信号を前記複数の無線端末に送信することにより、前記複数の無線端末から前記複数の計量器の計量データを受信し収集する自動検針サーバとを備え、前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間で、前記自動検針サーバから前記複数の無線端末への下り回線および前記複数の無線端末から前記自動検針サーバへの上り回線を時分割多重する無線通信が行われる自動検針システムにおける携帯端末の無線通信方法において、
前記時分割多重における前記下り回線の期間を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記下り回線の期間に前記無線端末へ無線信号を送信し、前記上り回線で当該無線端末からの無線信号を受信する通信工程と、
を備えることを特徴とする携帯端末の無線通信方法。 - 請求項10に記載の携帯端末の無線通信方法において、
前記自動検針サーバと前記複数の無線端末との間では、所定の拡散符号系列によりスペクトル拡散する変調方式の無線通信が行われ、
前記通信工程では、前記自動検針サーバと同一の前記拡散符号系列によりスペクトル拡散した無線信号を前記無線端末に送信することを特徴とする携帯端末の無線通信方法。
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2012
- 2012-05-31 JP JP2012124534A patent/JP2013250731A/ja active Pending
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