JP2013247107A - ブレーカー及びそれを備えた安全回路並びに2次電池回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーカーにおいて、リフロー工程に際して加熱処理にも対応しつつ、通電時の安定した抵抗値と良好な温度特性を得る。
【解決手段】可動片4の固定部42に形成された食い込み爪95が樹脂ケース71の側壁に食い込んで嵌合し、可動片4を樹脂ケース71に強固に固定する。これにより、樹脂ケース71に対する可動片4の姿勢が安定し、固定接点と可動接点との位置関係が安定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、電気機器の2次電池パック等に内蔵される小型のブレーカーに関するものである。
従来、各種電気機器の2次電池やモーター等の保護装置(安全回路)としてブレーカーが使用されている。ブレーカーは、充放電中の2次電池の温度が過度に上昇した場合、又は自動車、家電製品等の機器に装備されるモーター等に過電流が流れた場合等の異常が生じた際に、2次電池やモーター等を保護するために電流を遮断する。このような保護装置として用いられるブレーカーは、機器の安全を確保するために、温度変化に追従して正確に動作する(良好な温度特性を有する)ことと、通電時の抵抗値が安定していることが求められる。
また、ブレーカーが、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型携帯情報端末機器又はスマートフォンと称される薄型の多機能携帯電話機等の電気機器に装備される2次電池等の保護装置として用いられる場合、上述した安全性の確保に加えて、小型化が要求される。特に、近年の携帯情報端末機器にあっては、ユーザーの小型化(薄型化)の志向が強く、各社から新規に発売される機器は、デザイン上の優位性を確保するために、小型に設計される傾向が顕著である。こうした背景の下、携帯情報端末機器を構成する一部品として、2次電池と共に実装されるブレーカーもまた、さらなる小型化が強く要求されている。
ブレーカーには、温度変化に応じて動作し、電流を導通又は遮断する熱応動素子が備えられている。特許文献1には、熱応動素子としてバイメタルを適用したブレーカーが示されている。バイメタルとは、熱膨張率の異なる2種類の板状の金属材料が積層されてなり、温度変化に応じて形状を変えることにより、接点の導通状態を制御する素子である。同文献に示されたブレーカーは、固定片(ベースターミナル)、可動片(可動アーム)、熱応動素子、PTCサーミスター等の部品が、ケースに収納されてなり、固定片及び可動片の端子が電気機器の電気回路に接続されて使用される。
上記特許文献1に示されたブレーカーにおいては、蓋部材がケース本体に超音波溶着されてケースが一体化されると共に、固定部が蓋部材(カバー部材)とケース本体とによって表裏両面から挟み込まれて、可動片の姿勢が固定される(同文献の段落(0032)、(0037)等参照)。
WO2011/105175号公報
通常、ブレーカーは、2次電池と安全回路を構成する回路基板との間に設けられたリードに、溶接等によって接続されている。近年、生産効率の向上を狙って、図11及び図12に示すようにブレーカーを回路基板に直接的に実装する形態が検討されている。
図11に示すように、2次電池回路200は、2次電池パック201と、安全回路202等を有する。2次電池パック201の2次電池は、端子203を介して安全回路202のリード205と接続される。ブレーカー1は、リード205に接続されて2次電池の出力回路に直列に接続される。
図12に示すように、ブレーカー1の端子22、41は、安全回路202の回路基板204に形成されているリード205にはんだ206によって接続される。両者のはんだづけにはリフロー方式が検討されている。安全回路202を構成する他の電子部品と共にブレーカー1を回路基板204に載置して、リフロー工程によって各部品のはんだ付けを同時に行うことができ、上述した溶接等の工程が不要になるからである。
ところが従来のブレーカーにおいては、リフロー工程における加熱処理によって、ブレーカーの蓋部材が過度に加熱されると、僅かながらも蓋部材に変形が生じる可能性があり、固定部を蓋部材とケース本体とによって挟み込む構造では可動片の姿勢を適正に維持することが困難となる虞が生ずる。特に、蓋部材がブレーカーの天面に配設される構造を有するブレーカーにおいては、リフロー工程の際に蓋部材が過熱され易い傾向にあるため、上述した虞が懸念される。
蓋部材の過熱に伴って可動片の姿勢に変動が生ずるとその先端部に設けられている可動接点とケース本体に設けられている固定接点との位置関係が変動し、通電時における両接点の接触抵抗に影響を及ぼす虞がある。また、可動接点と固定接点との位置関係の変動は、ブレーカーの温度特性を悪化させる一因となる。こうした不具合は、ブレーカーの小型化を追求する程に顕著に現れる問題とされていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、リフロー工程等における加熱処理にも対応しつつ、通電時の安定した抵抗値と良好な温度特性を得ることができるブレーカーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、固定接点を有する固定片と、弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、前記固定片、可動片及び熱応動素子を収容するケースとを備えたブレーカーにおいて、前記ケースは、前記固定片をインサートして成形される第1ケースと、前記第1ケースに装着される第2ケースを有し、前記可動片は、前記第1ケースに食い込む食い込み爪を有することを特徴とする。
この発明において、前記可動片は、前記第1ケースと前記第2ケースによって挟み込まれて前記ケースに対して固定される固定部を有し、前記食い込み爪は、前記固定部に形成されていることが好ましい。
この発明において、前記食い込み爪は、間欠的に複数個形成されていることが好ましい。
この発明において、前記複数個の食い込み爪は、前記弾性部が延出されている方向にずれて配設されていることが好ましい。
この発明において、前記可動片は、前記第1ケースの一部が挿入される貫通穴を有し、前記食い込み爪は、前記貫通穴の周縁から突出して形成されていることが好ましい。
この発明において、前記食い込み爪は、前記固定部の端縁に形成されていることが好ましい。
この発明において、前記可動片は、前記可動接点が設けられている裏面側から前記第1ケースに収容され、前記食い込み爪は、その先端が前記可動片の表面側に突出するように、屈曲又は湾曲されていることが好ましい。
また、本発明の電気機器用の安全回路は、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
また、本発明の2次電池回路は、前記ブレーカーを備えたことを特徴とする。
本発明のブレーカーによれば、可動片に形成されている食い込み爪が第1ケースに食い込むことにより、第1ケースに対する可動片の姿勢が固定される。すなわち、第2ケースの変形如何に関わらず、可動片は食い込み爪によって第1ケースに対して強固に固定されている。従って、ブレーカーが安全回路に実装されリフロー工程によって安全回路と接続される際に、第2ケースが過熱により変形したとしても、第1ケースに対する可動片の姿勢に影響を及ぼす虞がない。また、このときリフロー工程の熱風に対して第2ケースの側を向けてブレーカーを回路基板に載置することにより、第2ケースによって熱風から第1ケースを防護して、第1ケースの変形を抑制できる。従って、リフロー工程の前後において、可動片の先端に設けられている可動接点と第1ケースに埋設されている固定接点との位置関係が安定し、通電時における両接点の接触抵抗を低減すると共に、ブレーカーの温度特性を良好に維持することが可能となる。
また、食い込み爪が、第1ケースと第2ケースによって挟み込まれる固定部に形成されている構成によれば、固定部と食い込み爪による相乗的な作用によって、ケースに対する可動片の固定をより一層強固にして、可動片の姿勢を安定させることができる。
また、食い込み爪が、固定部の端縁に形成されている構成によれば、固定部の端縁で食い込み爪が第1ケースに食い込むことにより、可動片が第1ケースに対してより一層強固に固定される。例えば、固定部の端縁において第1ケースの側壁に対向するように食い込み爪を形成することにより、第1ケースの主要構成であり強靱な側壁で可動片を固定することができ、可動片の姿勢をより一層安定させることが可能となる。
また、可動接点が設けられている裏面側から可動片が第1ケースに収容され、先端が可動片の表面側に突出するように食い込み爪が屈曲又は湾曲されている構成によれば、可動片が第1ケースから離反しようとしたとき、屈曲又は湾曲されている食い込み爪が一旦平坦化され、その先端の食い込み量が大きくなる。これにより、可動片と第1ケースとの結合が強固になり、可動片の離脱が防止される。
また、本発明のブレーカーを備えた安全回路又は2次電池回路によれば、リフロー工程等における加熱処理にも対応しつつ、通電時における安定した抵抗値と良好な温度特性が得られる安全回路又は2次電池回路を製造できる。
本発明の一実施形態によるブレーカーの構成を示す組み立て斜視図。 通常の充電又は放電状態におけるブレーカーの動作を示す断面図。 過充電状態又は異常時などにおけるブレーカーの動作を示す断面図。 カバー部材を透視した同ブレーカーを示す平面図。 同ブレーカーに適用される可動片の構成を示す斜視図。 樹脂ベースに可動片が組み込まれ、カバー部材が装着される様子を時系列で示す断面図。 同ブレーカーの食い込み爪の周辺を拡大して示す断面図。 可動片の変形例を示す斜視図。 可動片の別の変形例を示す斜視図。 可動片のさらに別の変形例を示す斜視図。 本発明のブレーカーを備えた2次電池回路の構成を示す平面図。 本発明のブレーカーが安全回路の基板に実装されている様子を示す断面図。
本発明の一実施形態によるブレーカーについて図面を参照して説明する。図1乃至図3はブレーカーの構成を示す。ブレーカー1は、固定接点21を有する固定片2と、先端部に可動接点3を有する可動片4と、温度変化に伴って変形する熱応動素子5と、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスター6と、固定片2、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6を収納するケース7等によって構成されている。ケース7は、樹脂ベース(第1ケース)71と樹脂ベース71の上面に装着されるカバー部材(第2ケース)72等によって構成されている。
固定片2は、リン青銅を主成分とする金属板(この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの金属板)をプレス加工することにより形成され、樹脂ベース71にインサート成形により埋め込まれている。固定片2の一端には外部と電気的に接続される端子22が形成され、他端部の近傍にはPTCサーミスター6が載置されている。PTCサーミスター6は、固定片2の他端部の近傍に3箇所形成された凸状のダボ(小突起)の上に載置される。固定接点21は、銀、ニッケル、ニッケル−銀合金の他、銅−銀合金、金−銀合金などの導電性の良い材料のクラッド、メッキ又は塗布等により可動接点3に対向する位置に形成され、樹脂ベース71の上方に形成されている開口73bから露出されている。端子22は樹脂ベース71の一端から外側に露出されている。
可動片4は、板状の金属材料をプレス加工することにより、長手方向の中心線に対して対称なアーム状に形成されている。可動片4の材料としては、固定片2と同等のリン青銅を主成分とするものが好ましい。この他、銅−チタン合金、洋白、黄銅などの導電性弾性材料を用いてもよい。可動片4の長手方向の一端には外部回路と電気的に接続される端子41が形成されて樹脂ベース71から外側に露出される。可動片4の他端(アーム状の可動片4の先端に相当)には可動接点3が形成されている。可動接点3は、固定接点21と同等の材料によって形成され、溶接等の手法によって可動片4の先端部に接合されている。なお、本出願においては、可動片4において、可動接点3が接合されている面(すなわち図1において下側の面)を裏(うら)面、その反対側の面(カバー部材72と対向する面)を表(おもて)面として説明している。可動片4は、可動接点3と端子41の間に、固定部42(アーム状の可動片4の基端に相当)、弾性部43を有している。固定部42において樹脂ベース71とカバー部材72によって裏表両面側から挟み込まれて可動片4が固定され、弾性部43が弾性変形することにより、その先端に形成されている可動接点3が固定接点21の側に押圧されて接触し、固定片2と可動片4とが通電可能となる。樹脂ベース71とカバー部材72には、可動片4の固定部42と当接し、固定部42を固定状態で保持する当接部74と当接部79(図1参照)がそれぞれ形成されている。本実施形態では、樹脂ベース71の収納部73の外縁から樹脂ベース71の外壁に亘る領域に当接部74が形成されている。また、カバー部材72において、段部77を含み、可動片4を挟んで当接部74と対向する領域に当接部79が形成されている。可動片4は、可動接点3が設けられている裏面側から前記樹脂ベース71に収容される。固定部42は、その裏面において樹脂ベース71の当接部74と当接し、その表面においてカバー部材72の当接部79と当接する。可動片4は、当接部74及び当接部79によって固定部42の裏表両面から挟み込まれて、ケース7に対して固定される。
可動片4は、弾性部43において、プレス加工により湾曲又は屈曲されている。湾曲又は屈曲の度合いは、熱応動素子5を収納できる限り特に限定はなく、動作温度及び復帰温度における弾性力、接点の押圧力などを考慮して適宜設定すればよい。また、弾性部43の下面には、熱応動素子5に対向して一対の小突起44が形成されている。小突起44と熱応動素子5とは接触して、小突起44を介して熱応動素子5の変形が弾性部43に伝達される(図2及び図3参照)。
また、可動片4には、可動片4の厚み方向に貫通し、樹脂ベース71の突起74aが挿通される貫通穴45と、クランク状に形成された段曲げ部46と、段曲げ部46に形成された斜面47と、樹脂ベース71の位置決め部75と係合される一対の係合部48と、可動片4の長手方向に対して垂直な短手方向に可動片4の一部が切除されたくびれ部49が形成されている。貫通穴45、段曲げ部46、斜面47、係合部48及びくびれ部49は、弾性部43を挟んで可動接点3とは反対側、すなわち弾性部43に対して端子41の側に設けられている。貫通穴45は、可動片4の長手方向の中心線上に設けられている。斜面47は、可動片4の方向に沿って連続して形成されている。係合部48は、可動片4の短手方向に沿って2箇所に設けられている。
貫通穴45は、可動片4の固定部42に形成されている。固定部42は、弾性部43に対して可動片4の短手方向に幅広に形成されている。これにより、固定部42における可動片4の長手方向に垂直な断面積が、弾性部43における該断面積に対して大きい箇所となる。また、貫通穴45は、平面視で(可動片4の厚み方向に視て)可動片4の短手方向に長い長円又は楕円形状に形成されている。
係合部48は、くびれ部49の端子41の側の端縁にて形成される。くびれ部49は、固定部42を挟んで弾性部43とは反対側で、固定部42と端子41の間に配設されている。くびれ部49の幅寸法(可動片4の短手方向の長さ寸法、以下同様)は、弾性部43の幅寸法に対して同等以下に設定されているのが望ましいが、少なくとも固定部42及び端子41の幅寸法よりも小さく設定されていればよい。本実施形態におけるくびれ部49は、上記特許文献1における第2弾性部としての機能を有しており、端子41に加えられた外力や衝撃を吸収し、可動接点3の位置を適正に維持する。
熱応動素子5は円弧状に湾曲した初期形状をなし、バイメタル、トリメタルなどの複合材料からなる。過熱により動作温度に達すると湾曲形状はスナップモーションを伴って逆反りし、冷却により復帰温度を下回ると復元する。熱応動素子5の初期形状は、プレス加工により形成することができる。所期の温度で熱応動素子5の逆反り動作により可動片4の弾性部43が押し上げられ、かつ弾性部43の弾性力により元に戻る限り、熱応動素子5の材質及び形状は特に限定されるものでないが、生産性及び逆反り動作の効率性の観点から矩形が望ましく、小型でありながら弾性部43を効率的に押し上げるために正方形に近い長方形であるのが望ましい。なお、熱応動素子5の材料としては、例えば、高膨張側に銅−ニッケル−マンガン合金又はニッケル−クロム−鉄合金、低膨張側に鉄−ニッケル合金をはじめとする、洋白、黄銅、ステンレス鋼など各種の合金からなる熱膨張率の異なる2種類の材料を積層したものが、所要条件に応じて組み合わせて使用される。
熱応動素子5の逆反り動作により固定片2と可動片4との通電が遮断されたとき、PTCサーミスター6に流れる電流が増大する。PTCサーミスター6は、温度上昇と共に抵抗値が増大して電流を制限する正特性サーミスターであれば、動作電流、動作電圧、動作温度、復帰温度などの必要に応じて種類を選択でき、その形状はこれらの諸特性を損なわない限り特に限定されるものではない。
ケース7を構成する樹脂ベース71及びカバー部材72は、難燃性のポリアミド、耐熱性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂により成形されている。樹脂ベース71には、熱応動素子5及びPTCサーミスター6などを収納するための収納部73及び可動片4を収納するための開口73a,73bなどが形成されている。なお、樹脂ベース71に組み込まれた熱応動素子5及びPTCサーミスター6の端縁は、収納部73の内部に形成されている枠によってそれぞれ当接され、熱応動素子5の逆反り時に案内される。
また、樹脂ベース71は、可動片4の貫通穴45に挿通されて係合する突起74aと、可動片4を位置決めするための一対の位置決め部75と、可動片4の端子41を外部に露出させるための窓76を有する。突起74aは、貫通穴45に対応し、平面視で長円形状に形成され、樹脂ベース71を補強する。突起74aの高さすなわち突出量は、可動片4の厚みより大きく設定され、カバー部材72の裏面には、突起74aの頂部に対応する凹部が必要に応じて設けられる。位置決め部75は、可動片4の長手方向に対して垂直な方向に沿って2箇所に設けられている。本実施形態では、窓76の存在によって、樹脂ベース71の側壁の一部が可動片4のくびれ部49に対応する形状に形成され、位置決め部75を構成する。すなわち、位置決め部75は、くびれ部49の近傍において切除された部分に介在し、樹脂ベース71を補強する。
カバー部材72は、その内壁面から可動片4の段曲げ部46に対応する形状に突出する段部77と、段部77に形成された斜面78(図5参照)とを有する。斜面78は、可動片4の斜面47に対応し、可動片4の長手方向に対して垂直な方向に沿って連続して形成されている。
カバー部材72には、カバー片8がインサート成形によって埋め込まれている。カバー片8は、上述したリン青銅を主成分とする金属板又はステンレス鋼等の金属板をプレス加工することにより形成される。カバー片8は、図2及び図3に示すように、可動片4の上面と適宜当接し、可動片4の動きを規制すると共に、カバー部材72のひいては筐体としてのケース7の剛性・強度を高める。
図1に示すように、固定片2、可動片4、熱応動素子5及びPTCサーミスター6等を収納した樹脂ベース71の収納部73を塞ぐように、カバー部材72が、樹脂ベース71の上面に装着される。樹脂ベース71とカバー部材72とは、例えば超音波溶着によって接合される。
図2は、通常の充電又は放電状態におけるブレーカー1の動作を示している。通常の充電又は放電状態においては、熱応動素子5は初期形状を維持し(逆反り前であり)、固定接点21と可動接点3は接触し、可動片4の弾性部43などを通じてブレーカー1の両端子22、41間は導通している。可動片4の弾性部43と熱応動素子5とは接触しており、可動片4、熱応動素子5、PTCサーミスター6及び固定片2は、回路として導通している。しかし、PTCサーミスター6の抵抗は、可動片4の抵抗に比べて圧倒的に大きいため、PTCサーミスター6を流れる電流は、固定接点21及び可動接点3を流れる量に比して実質的に無視できる程度である。
図3は、過充電状態又は異常時などにおけるブレーカー1の動作を示している。過充電又は異常により高温状態となると、PTCサーミスター6が過熱され、動作温度に達した熱応動素子5は逆反りし、可動片4の弾性部43が押し上げられて固定接点21と可動接点3とが離反する。このとき、固定接点21と可動接点3の間を流れていた電流は遮断され、僅かな漏れ電流が熱応動素子5及びPTCサーミスター6を通して流れることとなる。PTCサーミスター6は、このような漏れ電流の流れる限り発熱を続け、熱応動素子5を逆反り状態に維持させつつ抵抗値を激増させるので、電流は固定接点21と可動接点3の間の経路を流れず、上述の僅かな漏れ電流のみが存在する(自己保持回路を構成する)。この漏れ電流は安全装置の他の機能に充てることができる。
過充電状態を解除し、又は異常状態を解消すると、PTCサーミスター6の発熱も収まり、熱応動素子5は復帰温度に戻り、元の初期形状に復元する。そして、可動片4の弾性部43の弾性力によって可動接点3と固定接点21とは再び接触し、回路は遮断状態を解かれ、図2に示す導通状態に復帰する。
図4は、カバー部材72を透視したブレーカー1の平面図を示す。また、図5は、可動片4の構成を示す。樹脂ベース71の突起74aは、平面視で長円又は楕円に形成され、可動片4の貫通穴45もこれに対応する基本形状に形成されている。可動片4は、二対の食い込み爪91、92を有する。食い込み爪91、92は、固定部42において貫通穴45の周縁から内方に向かって突出するように、すなわち可動片4が樹脂ベース71に組み込まれたとき、貫通穴45の周縁から突起74aの側に向かって突出するように形成されている。一対の食い込み爪91は、可動片4の長手方向すなわち弾性部43が延出されている方向に平行な方向に並設され、突起74aを挟んで互いに対向するように形成されている。換言すると、一対の食い込み爪91は、弾性部43が延出されている方向にずれて配設されている。一方、一対の食い込み爪92は、可動片4の短手方向すなわち弾性部43が延出されている方向に垂直な方向に並設され、突起74aを挟んで互いに対向するように形成されている。
互いに対向する食い込み爪91の先端の間隔は、突起74aの短径よりわずかに小さく設定される。同様に、互いに対向する食い込み爪92の先端の間隔は、突起74aの長径よりわずかに小さく設定される。また、それぞれの食い込み爪91と食い込み爪92との間には、プレス加工等により貫通孔93が打ち抜かれており、隣接する食い込み爪91と食い込み爪92とが貫通孔93によって分離されている。すなわち、貫通孔93が形成されることにより、二対の食い込み爪91、92は、貫通穴45の周縁において間欠的に形成され、それぞれが独立して弾性変形可能となる。また、貫通孔93の形状及び大きさを適宜変更することによって、食い込み爪91、92の弾性力を調整することができる。本実施形態においては、貫通穴45と貫通孔93によって固定部42に鍵穴状の貫通穴が形成される。また、突起74aの側面に、鍵穴状の貫通穴に対応するように凹凸を設けてもよい。
図6(a)(b)は、樹脂ベース71に可動片4が組み込まれ、カバー部材72が装着されて溶着される様子を時系列で示す。可動片4は、樹脂ベース71の開口73a,73bに案内されて樹脂ベース71に組み込まれる。このとき、図1に示すように、可動片4に形成されているくびれ部49の両側の係合部48に位置決め部75が係合されると共に、貫通穴45に樹脂ベース71の突起74aが挿通される。また、貫通穴45に突起74aが挿通されることに加え、一対の係合部48と一対の位置決め部75との係合により、樹脂ベース71に対する可動片4の回転が規制され、仮の位置決めが容易に行われる。
この仮の位置合わせの段階では、樹脂ベース71に対する可動片4の位置合わせが正確になされている必要はない。また、可動片4は、後の工程で最終的な位置合わせができるように、樹脂ベース71の上に載置された状態であり、固定されてはいない。なお、樹脂ベース71の開口73a,73b及び突起74aの位置、形状、寸法等は、仮の位置合わせがなされた位置から完全に位置決めされる定位置まで可動片4を案内し易くなるように、可動片4の対応する箇所と相似形に形成されている。
図6(a)に示すように可動片4が樹脂ベース71に組み込まれた後、樹脂ベース71にカバー部材72が装着される。カバー部材72は、樹脂ベース71の開口73aに段部77を挿入し、可動片4の段曲げ部46に段部77を押し当てることで可動片4を位置合わせしながら、樹脂ベース71に装着される。
図6(b)に示すように、カバー部材72が樹脂ベース71の方向(図中白抜き矢印方向)に押圧されると、可動片4の斜面47とカバー部材72の斜面78とが当接する。斜面47及び斜面78は、可動片4の長手方向に対して垂直な方向に沿って連続して形成されているので、なおもカバー部材72が樹脂ベース71の方向に押圧されると、可動片4の斜面47はカバー部材72の斜面78によって可動片4の長手方向に押される(付勢される)。その結果、斜面78,47によって力の方向が変換され、可動片4の全体が長手方向すなわち固定片2の存在する矢印A方向に押されて移動する。このとき、斜面47に対向して配設されている一対の係合部48と、斜面78に対向して配設されている一対の位置決め部75とが当接して係合する。これにより、突起74a等によって仮の位置合わせがなされていた可動片4は、樹脂ベース71に対して正確に位置決めされる。すなわち、樹脂ベース71に対して可動片4が組み込まれる際に生じている仮の位置合わせ時の誤差は軽減され、樹脂ベース71に対する可動片4の位置決め誤差を、実質的に樹脂ベース71の位置決め部75と可動片4の係合部48の製造時における寸法誤差程度に留めることができる。
樹脂ベース71にカバー部材72が装着されるとき、樹脂ベース71がカバー部材72の方向に押圧されながら、樹脂ベース71又はカバー部材72のいずれか一方又は両方に超音波振動が付与されると、樹脂ベース71とカバー部材72との当接部位(主として、樹脂ベース71及びカバー部材72の周縁部)は摩擦熱により溶着し、樹脂ベース71とカバー部材72とが一体化され、ケース7を構成する。
図6(b)に示す工程においては、可動片4の固定部42がカバー部材72の当接部79によって白抜き矢印方向すなわち樹脂ベース71の方向に押圧されて、食い込み爪91、92が突起74aの側面に食い込みながら嵌合する(図7参照)。
図7(a)は、固定部42の近傍を拡大して示し、図7(b)は、突起74aに嵌合している食い込み爪91及びその周辺を(図7(a)における2点鎖線で囲んだ領域を)さらに拡大して示す。食い込み爪91、92が突起74aの側面に食い込んで嵌合することにより、可動片4は、固定部42において樹脂ベース71に対して強固に結合される。この結合は、食い込み爪91、92が突起74aの側面に食い込むことによりもたらされるものであるから、仮に上述したリフロー工程等におけるカバー部材72の変形に伴って、可動片4の固定部42とカバー部材72の当接部79との間に僅かな隙間が生ずる場合にあっても、その影響を受けることなく、強固に維持される。
特に、本実施形態にあっては、一対の食い込み爪91が、可動片4の長手方向の両側から突起74aの側面に食い込んで固定部42を固定する構造を有しているので、可動接点3と固定接点21との位置関係において問題となる樹脂ベース71に対する可動片4の組み込み精度と姿勢の変動(図7の紙面に垂直な軸周りの回転)を抑制できる。これにより、可動片4の先端部に設けられている可動接点3と樹脂ベース71に埋設されている固定接点21との位置関係を安定させることが可能になる。
図7(b)に示すように、食い込み爪91は、その先端が可動片4の表面側(図中上方)に突出するように、屈曲又は湾曲されている(食い込み爪92についても同様)。この屈曲又は湾曲は、食い込み爪91、92が突起74aの側面に嵌合する際に、当接する突起74aの側面によって食い込み爪91、92が押し上げられて形成されたものであってもよく、可動片4に貫通穴45、食い込み爪91、92及び貫通孔93を形成する際等に、プレス加工等により予め形成されたものであってもよい。このように、食い込み爪91が可動片4の表面側に屈曲又は湾曲されている構造によれば、仮に、何らかの事情によって、樹脂ベース71から離脱させようとする外力が可動片4に対して働いたとしても、表面側に屈曲又は湾曲されている食い込み爪91、92が突起74aの側面に食い込んだまま一旦平坦化されるため、その先端の突起74aへの食い込み量が大きくなる。これにより、可動片4と樹脂ベース71との結合が一層強固になり、可動片4の離脱が防止される。
以上のように、本実施形態のブレーカー1によれば、可動片4に形成されている食い込み爪91、92が樹脂ベース71に食い込むことにより、樹脂ベース71に対する可動片4の姿勢が固定される。すなわち、カバー部材72の変形如何に関わらず、可動片4は食い込み爪91、92によって樹脂ベース71に対して強固に固定されている。従って、ブレーカー1が安全回路の回路基板に実装されリフロー工程によって安全回路と接続される際に、カバー部材72が過熱により変形したとしても、樹脂ベース71に対する可動片4の姿勢に影響を及ぼす虞がない。また、このとき熱風に対してカバー部材72の側を向けてブレーカー1を回路基板に載置することにより、カバー部材72によって熱風から樹脂ベース71を防護して、樹脂ベース71の変形を抑制できる。従って、リフロー工程の後においても、可動片4の先端に設けられている可動接点3と樹脂ベース71に埋設されている固定接点21との位置関係が安定し、通電時における両接点の接触抵抗を低減すると共に、ブレーカー1の温度特性を良好に維持することが可能となる。
また、食い込み爪91、92が、樹脂ベース71とカバー部材72によって挟み込まれる固定部42に形成されている構成によれば、固定部42と食い込み爪91、92による相乗的な作用によって、ケース7に対する可動片4の固定をより一層強固にして、可動片4の姿勢を安定させることができる。
また、食い込み爪91、92が、間欠的に複数個形成されている構成によれば、各食い込み爪91、92が独立して弾性変形でき、かつ、それぞれの弾性係数を個別に適正化できるので、食い込み爪91、92と突起74aとの結合力を調整し、樹脂ベース71に対する可動片4の組み込み工程を容易に遂行することができるようになる。
また、複数個の食い込み爪91、92が、弾性部43が延出されている方向にずれて配設されているので、弾性部43が延出されている方向において複数の点で食い込み爪91、92が樹脂ベース71に食い込んで、可動片4が樹脂ベース71に固定される。そのため、可動片4の姿勢(特に可動接点3が設けられている弾性部43の先端部の位置:以下同様)をより一層安定させることが可能になる。
また、食い込み爪91、92が、樹脂ベース71の突起74aが挿入される貫通穴45の周縁から突出して形成されている構成によれば、可動片4を樹脂ベース71に組み込む際に、樹脂ベース71の突起74aを貫通穴45に挿入することにより、可動片4を容易かつ正確に位置決めすることができる。また、可動片4の位置決め構造と固定構造を兼用できるので、ブレーカー1の構成を簡素化することができる。
また、可動接点3が設けられている裏面側から可動片4が樹脂ベース71に収容され、先端が可動片4の表面側に突出するように食い込み爪91、92が屈曲又は湾曲されている構成によれば、可動片4が樹脂ベース71から離反しようとしたとき、屈曲又は湾曲されている食い込み爪91、92が一旦平坦化され、その先端の食い込み量が大きくなる。これにより、可動片4と樹脂ベース71との結合が強固になり、可動片4の離脱が防止される。
(変形例1)
図8は、可動片の変形例を示す。この変形例の可動片4Aにおいては、貫通穴45が平面視で円形に形成されている点で、図5等に示した上記実施形態とは異なる。これに伴い、突起74aの形状も平面視で円形となるように変更される。貫通孔93が形成されることにより、二対の食い込み爪91、92は、貫通穴45の周縁において間欠的に形成される点に関しては、上記実施形態の可動片4と同様である。図5等に示すように、平面視で長円形又は楕円形の突起74aを適用した場合、突起74aの天面と、カバー部材72の当接部79との接合面積を大きくすることができるので、樹脂ベース71とカバー部材72との接合力を高めて、ケース7の剛性・強度の向上を図ることができる。
一方、本変形例のように、平面視で長円形又は楕円形の突起74aを適用した場合、固定部42の幅寸法(可動片4の短手方向の寸法)を小さく設定することができ、ブレーカー1の小型化を容易に図ることが可能となる。また、貫通穴45及び突起74aの平面形状は、上述した円形のみならず、矩形や任意の多角形とすることもできる。
なお、上記図5又は図8等に示した可動片4においては、貫通穴45の周縁に貫通孔93を形成することなく、食い込み爪が、貫通穴45の周縁において連続的に形成されていてもよい。この場合、貫通穴45の全周縁で突起74aの側面に食い込み爪が食い込んで嵌合する。このため、可動片4と樹脂ベース71との結合を強固にすることができる。また、突起74aの側面に凹凸を設け、食い込み爪を突起74aに間欠的に食い込ませてもよい。
(変形例2)
図9は、可動片の変形例を示す。この変形例の可動片4Bにおいては、二対の食い込み爪95、96が、固定部42の端縁に形成されている点で、図5等に示した上記実施形態等とは異なる。食い込み爪95、96に加えて、貫通穴45の周縁に間欠的又は連続的な食い込み爪を設けてもよい。図9に示した変形例においては、一対の食い込み爪95が固定部42の弾性部43の側の端縁に形成され、一対の食い込み爪96が固定部42のくびれ部49の側の端縁に形成される。樹脂ベース71の形状を食い込み爪95、96に対応させることにより、食い込み爪95は弾性部43の根元部の端縁に形成されていてもよく、食い込み爪96はくびれ部49の端縁に形成されていてもよい。それぞれの食い込み爪95とそれぞれの食い込み爪96とは、可動片4の長手方向すなわち弾性部43が延出されている方向に平行な方向に並設されている。換言すると、食い込み爪95と食い込み爪96とは、弾性部43が延出されている方向にずれて配設されている。
本変形例によれば、食い込み爪95、96が固定部42の端縁に形成されているので、固定部42の端縁で食い込み爪95、96が樹脂ベース71に食い込むことにより、可動片4が樹脂ベース71に対してより一層強固に固定される。例えば、図9に示すように、固定部42の端縁において樹脂ベース71の側壁に対向するように食い込み爪95、96を形成することにより、樹脂ベース71の主要構成であり強靱な側壁で可動片4を固定することができ、可動片4の姿勢をより一層安定させることが可能となる。
また、複数個の食い込み爪95、96が、弾性部43が延出されている方向にずれて配設されているので、弾性部43が延出されている方向において複数の点で食い込み爪95、96が樹脂ベース71に食い込んで、可動片4が樹脂ベース71に固定される。そのため、可動片4の姿勢をより一層安定させることが可能になる。
(変形例3)
図10は、可動片の変形例を示す。この変形例の可動片4Cにおいては、一対の幅広な食い込み爪97が、固定部42の端縁に形成されている点で、図9等に示した変形例とは異なる。食い込み爪97の幅(弾性部43が延出されている方向の長さ)は、一対の食い込み爪97が、樹脂ベース71の側壁に食い込んで、可動片4の姿勢を安定させることが可能な程度に形成されている。
本変形例によれば、図9に示した変形例と同様に、食い込み爪97が固定部42の端縁に形成されているので、固定部42の端縁で食い込み爪97が樹脂ベース71に食い込むことにより、可動片4が樹脂ベース71に対してより一層強固に固定される。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくとも、可動片4が、樹脂ベース71に食い込む食い込み爪91、92、95、96又は97等を有していればよい。例えば、本発明は、一対の食い込み爪91のみによって可動片4を樹脂ベース71に固定する構成であってもよく、一対の食い込み爪92のみによって可動片4を樹脂ベース71に固定する構成であってもよい。また、一対の食い込み爪95のみによって可動片4を樹脂ベース71に固定する構成であってもよく、一対の食い込み爪96のみによって可動片4を樹脂ベース71に固定する構成であってもよい。また、食い込み爪の個数も限定されず、複数対の食い込み爪91、92、95、96又は97等を適宜組み合わせてもよい。
また、本発明は、上記変形例の他、種々の変形が可能であり、食い込み爪の形態は、樹脂ベース71の一部に食い込んで樹脂ベース71に対する可動片4の姿勢を安定させることができる限り、特に限定されない。例えば、食い込み爪は対の構成を有しているものに限られず、単一の食い込み爪によって可動片4を樹脂ベース71に固定する構成であってもよい。より具体的には、単一の食い込み爪と、段曲げ部46、斜面47、係合部48又はくびれ部49等の可動片4に形成されている他の構造(可動接点3又は弾性部43等の可動領域以外の構造)との組み合わせによって、可動片4を樹脂ベース71に固定する構成に変形することも可能である。また、本発明のブレーカー1は、図11に示した2次電池回路及び安全回路等にも広く適用できる。
また、図1等においては、可動片4は、貫通穴45、段曲げ部46、斜面47、係合部48及びくびれ部49の構成を有する形態であるが、これらの構成のうちいずれか又は全てが廃されていてもよい。例えば、貫通穴45を廃する場合は、樹脂ベース71の突起74aも廃されると共にさらに食い込み爪91、92も廃され、その替わりに食い込み爪95、96又は97等が適用される。また、段曲げ部46、斜面47が廃される場合は、可動片4は平面状に形成され、樹脂ベース71の当接部74及びカバー部材72の当接部79が平坦な形状となる。この構成においては、段曲げ部46及び斜面47を廃することにより、可動片4及び樹脂ベース71の長手方向の寸法を小さくして、ブレーカー1のさらなる小型化を図ることができる。なお、可動片4の段曲げ部46及び斜面47は、必要に応じて樹脂ベース71の外部に設けられていてもよい。また、係合部48及びくびれ部49が廃される場合は、可動片4は、固定部42から端子41に亘って等幅に形成され、これに伴い樹脂ベース71の位置決め部75の形状も変更される。
また、樹脂ベース71とカバー部材72との接合手法は、超音波溶着に限られることなく、両者が強固に接合される手法であれば、適宜適用することができる。例えば、液状又はゲル状(膠状)の接着剤を塗布・充填し、硬化させることにより、両者が接着されてもよい。また、ケース7は、樹脂ベース71とカバー部材72等によって構成される形態に限られることなく、2個以上の部品によって可動片4が挟まれて保持される形態であればよい。この場合、一方が第1ケース、他方が第2ケースとなる。
また、本実施形態では、PTCサーミスター6による自己保持回路を有しているが、このような構成を省いた形態であっても適用可能であり、導通抵抗を抑制しつつ、ブレーカー1の小型化を図ることができる。また、可動片4をバイメタル又はトリメタル等によって形成することにより、可動片4と熱応動素子5を一体的に形成する構成であってもよい。この場合、ブレーカー1の構成が簡素化されて、さらなる小型化を図ることができる。
また、特開2005−203277号公報に示されるような、固定部42又はその近傍において、端子41の側と可動接点3の側に構造的に分離されている形態に、本発明を適用してもよい。
1 ブレーカー
2 固定片
3 可動接点
4 可動片
5 熱応動素子
7 ケース
21 固定接点
43 弾性部
45 貫通穴
71 樹脂ベース(第1ケース)
72 カバー部材(第2ケース)
91 食い込み爪
92 食い込み爪
95 食い込み爪
96 食い込み爪
97 食い込み爪
200 2次電池回路
202 安全回路

Claims (5)

  1. 固定接点を有する固定片と、
    弾性変形する弾性部と該弾性部の先端部に可動接点とを有し、前記可動接点を前記固定接点に押圧して接触させる可動片と、
    温度変化に伴って変形することにより前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、
    前記固定片、可動片及び熱応動素子を収容するケースとを備えたブレーカーにおいて、
    前記ケースは、前記固定片をインサートして成形される第1ケースと、前記第1ケースに装着される第2ケースを有し、
    前記可動片は、前記第1ケースに食い込む食い込み爪を有することを特徴とするブレーカー。
  2. 前記可動片は、前記第1ケースと前記第2ケースによって挟み込まれて前記ケースに対して固定される固定部を有し、
    前記食い込み爪は、前記固定部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーカー。
  3. 前記食い込み爪は、前記固定部の端縁に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のブレーカー。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブレーカーを備えたことを特徴とする電気機器用の安全回路。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブレーカーを備えたことを特徴とする2次電池回路。
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