JP2013247102A - 多芯ケーブル - Google Patents

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Nobuyuki Yamazaki
信之 山崎
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Abstract

【課題】フィラメントなどのバンドル用の部材を用いることなく、伸縮性、屈曲性、念回性を維持して複数の同軸ケーブルを集合させた形態を有する多芯ケーブルを提供する。
【解決手段】多芯ケーブル10は、細径同軸ケーブルを複数本編組してなるもので、編組した細径同軸ケーブルをチューブ状に形成したものである。多芯ケーブル10の両端でそれぞれの細径同軸ケーブルを並列させて整線し、コネクタ20の端子に結線することで、ケーブルハーネスとすることができる。また、細径同軸ケーブルを複数編組してチューブ形状に形成し、そのチューブ形状の中に抗張力体を配置した多芯ケーブルとして構成することもできる。細径同軸ケーブルの外径は0.3mm以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器等における信号伝送の配線に適用される細径同軸ケーブルを用いた多芯ケーブルに関する。
携帯端末、小型ビデオカメラ、PC(Personal Computer)、医療用機器等の種々の電子機器において、電子機器の信号伝送の配線に細径化された同軸ケーブルが多用されている。これら電子機器は、一層の小型化、軽量化、低コスト化が要望されており、電気配線についても、配線の省スペース化と配線作業性等の観点から、細径化された同軸ケーブルを多心化して、小型電気コネクタまたは回路基板等に電気接続することが多くなっている。
また、電子機器においては、相対移動される筐体や部品間を狭いスペースで電気的に接続する必要があり、多芯ケーブルにおいては、屈曲、捻回、摺動特性を備えつつ、さらなる高密度化、小型化が望まれている。
細径化された多芯同軸ケーブルの技術に関して、例えば特許文献1には、極細同軸ケーブルを複数本平面状に並列に配置し、隣接する極細同軸ケーブルを縦糸とし、伸縮性のあるしなやかなポリエステエル等のフィラメントを横糸として、極細同軸ケーブルを所定数本ごとにフィルメントで織ることで、複数の極細同軸ケーブルを集合させたものが開示されている。これにより、屈曲性あるいは可撓性の自由度が大きく、しかも特性インピーダンス等の電気的特性の悪影響を受けることがない極細平型ケーブルが得られるとされている。
特開2001−101934号公報
特許文献1の極細平型ケーブルは、複数の極細同軸ケーブルを伸縮性のあるフィラメントを使用して織ることにより、集合させ一体化している。しかしながら、フィラメントを使用するため、フィラメントの使用量や太さに応じて極細平型ケーブルの全体の容積が増大してしまう。また、極細同軸ケーブルの他に、これらを集合させるためのフィラメントが別途必要となる。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、フィラメントなどのバンドル用の部材を用いることなく、伸縮性、屈曲性、捻回性を維持して複数の同軸ケーブルを集合させた形態を有する多芯ケーブルを提供することを目的とする。
本発明による多芯ケーブルは、細径同軸ケーブルを複数本編組してなる。
また、本発明による多芯ケーブルは、細径同軸ケーブルを複数編組してチューブ形状に形成した編組同軸ケーブルと、編組同軸ケーブルのチューブ形状の中に配置した抗張力体とを備える。上記の細径同軸ケーブルの外径は0.3mm以下とすることが望ましい。
本発明によれば、フィラメントなどのバンドル用の部材を用いることなく、伸縮性、屈曲性、捻回性を維持して複数の同軸ケーブルを集合させた形態を有する多芯ケーブルを提供することができる。
本発明に係る多芯ケーブルの構成の一例を示す図である。 編組同軸ケーブルの構成例を示す図である。 編組同軸ケーブルの他の構成例を示す図である。 本発明に係る多芯ケーブルの構成の他の例を示す図である。 本発明に係る多芯ケーブルの構成の更に他の例を示す図である。
図1は、本発明に係る多芯ケーブルの構成の一例を示す図である。多芯ケーブル10は、細径同軸ケーブルを複数本編組してなるもので、編組した細径同軸ケーブルをチューブ状に形成したものである。
そして、多芯ケーブル10の両端でそれぞれの細径同軸ケーブルを並列させて整線し、コネクタ30の端子に結線することで、ケーブルハーネスとすることができる。個々の細径同軸ケーブルは、中央に中心導体が配置され、中心導体の周囲に絶縁体、外部導体、外被が順に被覆されたものとされる。
図2は、多芯ケーブルの編組の構成例を示す図である。多芯ケーブル10は、細径同軸ケーブル11を複数本束ねた細径同軸ケーブル束12をチューブ形状となるように編んで作成される。
1束の細径同軸ケーブル束12を構成する細径同軸ケーブル11の数を持ち本数とし、多芯ケーブル10を構成する細径同軸ケーブル束12の数を打ち本数とすると、図2の構成は、持ち本数が2本で、打ち本数が8本の編組である。また、この多芯ケーブル10は、隣接する細径同軸ケーブル束12が間欠的に設けられた間欠編組を構成している。
図3は、多芯ケーブルの編組の他の構成例を示す図である。図3においても図2と同様に、多芯ケーブル10は、細径同軸ケーブル11を複数本束ねた細径同軸ケーブル束12を編んで作成する。図3の構成では、多芯ケーブル10の持ち本数が3本であり、打ち本数を16本としている。
図2、図3に示すように、本発明に係る多芯ケーブル10は、細径同軸ケーブル11を編組したものとするが、編組の持ち本数や打ち本数等の構成自体は上記の例に限定されることなく、適宜設定することができる。そして、編組した細径同軸ケーブル11をチューブ形状に形成することで、多芯ケーブル10を得る。
多芯ケーブル10では、細径同軸ケーブル11自体を編組して形成することにより、複数の細径同軸ケーブル11を集合させるために粘着テープや、特許文献1に記載されたフィラメントなどのバンドル用の部材が必要なくなり、細径同軸ケーブル11自体の容量のみで構成することができ、電子機器の高密度配線、小型化に適応することができる。
また、多芯ケーブル10は、複数の細径同軸ケーブル11が編組構造で構成されているため、電子機器の配線用途等に要求される捻回性や屈曲性、伸縮性が得られる。
例えば、多芯ケーブル10の細径同軸ケーブル11が捻回、もしくは屈曲された場合、編組構造によって細径同軸ケーブル11が捻じりや屈曲に追従して応力を分散しながら動き、細径同軸ケーブル11に係る歪が抑えられて断線やシールド特性の悪化を防ぐことができる。例えば、携帯電話等の電子機器で互いにスライドする2つの筐体の基板間を接続するハーネスに適用する場合等において、筐体のスライドに応じて多芯ケーブル10が屈曲することで、多芯ケーブル10の筐体のスライドに従動できる。また、細径同軸ケーブル11の編組構造によって、多芯ケーブル10の長手方向に一定の範囲で伸縮できるようになる。
多芯ケーブル10に使用する細径同軸ケーブル11は、例えばAWG(American Wire Gage)の規格によるAWG42よりも細い中心導体をもつ極細同軸ケーブルを用いるのが望ましい。AWG42の中心導体の外径は約0.06mmであり、したがって中心導体、絶縁体、外部導体、及び外被からなる細径同軸ケーブル11の外径を0.3mm以下とすることとが望ましい。これにより、細径同軸ケーブル11が曲がりやすくなり、屈曲や捻回に対する追従性や編組構造時の伸縮特性を向上させることができる。
図4は、本発明に係る多芯ケーブルの構成の他の例を示す図である。多芯ケーブル20は、細径同軸ケーブルを複数本編組してチューブ形状の編組同軸ケーブル22とし、その編組同軸ケーブル22のチューブ形状の中に抗張力体23が配置されている。また、編組同軸ケーブル22の外側は外被24で覆われて保護される。
編組同軸ケーブル22は、細径同軸ケーブルを複数本束ねた細径同軸ケーブル束12を編んでチューブ形状に作成する。編組構造は、例えば図2、図3に示すような構造とすることができる。
抗張力体23には、引張り及び圧縮に対する耐力を有する線材が用いられる。線材としては、柔軟性を付与するためにアラミド繊維などを用いることが好適である。
外被24は、樹脂製の絶縁材料で構成することができる。たとえば塩化ビニール(PVC)製のチューブを用いて外被24を構成することできる。また、オレフィン系樹脂(例えばポリエチレンなど)等の熱可塑性樹脂を用いて成形してよい。
図5は、本発明に係る多芯ケーブルの構成の更に他の例を示す図である。本例の多芯ケーブル20は、上記図4に示す多芯ケーブル20に加えて、さらに一括シールド層25を設けた構成を有するものである。一括シールド層25は、編組同軸ケーブル22の外側に設けられ、編組同軸ケーブル22を構成する複数の細径同軸ケーブルをさらに一括でシールドしてシールド特性を向上させる。一括シールド層25は、丸線の横巻き構造または編組構造、扁平導体の横幕構造等により形成することができる。また、Al−PETテープや銅蒸着PETテープ等の金属層を含むテープを用いて形成することができる。
一括シールド層25を除く他の構成については図4と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
上記図4、図5に示すような多芯ケーブル20により、細径同軸ケーブル自体を編組してチューブ形状に形成し、その内部に抗張力体23を配置するため、複数の細径同軸ケーブルを集合させるための特別のバンドル用の部材を必要とせず、バンドル用の部材による容量の増大を抑えることができる。また、細径同軸ケーブルが編組構造で構成されているため、電子機器の配線用途等に要求される捻回性や屈曲性、伸縮性が得られる。
また、図1〜図3の構成例と同様に、編組同軸ケーブル10に使用する細径同軸ケーブル21は、AWG42よりも細い中心導体を持つ0.3mm以下の外径とすることが望ましい。これにより、細径同軸ケーブルが曲がりやすくなり、屈曲や捻回に対する追従性や編組構造時の伸縮特性を向上させることができる。
10…多芯ケーブル、11…細径同軸ケーブル、12…細径同軸ケーブル束、20…多芯ケーブル、22…編組同軸ケーブル、23…抗張力体、24…外被、25…一括シールド層、30…コネクタ。

Claims (3)

  1. 細径同軸ケーブルを複数本編組してなることを特徴とする多芯ケーブル。
  2. 細径同軸ケーブルを複数編組してチューブ形状に形成した編組同軸ケーブルと、前記編組同軸ケーブルのチューブ形状の中に配置した抗張力体と、を備えることを特徴とする多芯ケーブル。
  3. 前記細径同軸ケーブルの外径は0.3mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の多芯同軸ケーブル。
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