JP2013244463A - 複合粒子分散液、複合体およびそれらの製造方法 - Google Patents

複合粒子分散液、複合体およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好であり、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない複合粒子分散液、複合体およびそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】(a)チオール基含有シラン化合物によって表面処理された誘電体粒子が分散媒中に分散した分散液を調製する工程、(b)前記工程(a)で得られた分散液に金属イオンを形成し得る金属化合物を添加する工程、(c)前記工程(b)の後、還元剤を用いて前記金属イオンを還元し、誘電体粒子の表面に金属ナノ粒子を析出させる工程を有する複合粒子分散液の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を起こし得る複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子(プラズモニックナノクラスタ)が分散媒中に分散した分散液およびその製造方法、ならびに誘電体粒子の表面に局在表面プラズモン共鳴を起こし得る複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子がマトリックス中に分散した複合体およびその製造方法に関する。
金属ナノ粒子は、金属中の電子と光との相互作用によって局在表面プラズモン共鳴を起こす。また、複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子においては、金属ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴が金属ナノ粒子間の相互作用の影響を受け、局在表面プラズモン共鳴とは異なる周波数(波長)で、複合粒子として新たな共鳴現象が起こる。該複合粒子の共鳴現象を、仮に複合粒子プラズモン共鳴と呼ぶこととする。金属ナノ粒子は、これら局在表面プラズモン共鳴や複合粒子プラズモン共鳴により、特有の光学的効果、磁気的効果を発現する。これら局在表面プラズモン共鳴や複合粒子プラズモン共鳴を利用した新たな材料、たとえば、局在表面プラズモン共鳴による可視光線の吸収を利用した着色剤;局在表面プラズモン共鳴による光強度の増加現象を利用した高出力の発光素子:分子の結合による共鳴状態の変化を利用したバイオセンサ;局在表面プラズモン共鳴や複合粒子プラズモン共鳴によって可視光線に対して負の屈折率を持たせた材料;局在表面プラズモン共鳴や複合粒子プラズモン共鳴による可視光線の領域で磁性を発現する材料等が検討されている。
複合粒子(プラズモニックナノクラスタ)は、通常、金属ナノ粒子を誘電体(酸化ケイ素、樹脂等)からなる粒子の表面に均一に担持させて構成される。また、該複合粒子は、樹脂等のマトリックス中に分散した複合体の形態にて、上述した各種材料として用いられる。
金属ナノ粒子を誘電体粒子の表面に担持させる方法としては、たとえば、下記の方法が提案されている。
・シリカ粒子またはアルミナ粒子、硝酸銀、アミノ基含有シラン化合物を蒸留水に加え、撹拌した後、テトラヒドロホウ酸ナトリウムを添加し、シリカ粒子またはアルミナ粒子の表面に銀ナノ粒子を析出させる方法(特許文献1)。
しかし、該方法によって得られた複合粒子分散液には、下記の問題がある。
・シリカ粒子またはアルミナ粒子の表面に銀ナノ粒子が析出した複合粒子が、分散液中で凝集するため、該分散液を用いて複合体を製造した場合、複合粒子をマトリックス中に分散させることが困難である。
・シリカ粒子またはアルミナ粒子の表面に担持されていない銀ナノ粒子、すなわち金属ナノ粒子間隔が制御されていないフリーの銀ナノ粒子が分散液中に多く含まれている。
特開2009−221140号公報
本発明者らは、複合粒子プラズモン共鳴によって吸収される光の周波数(波長)および共鳴の強さが、金属ナノ粒子の粒子径や粒子間隔および金属ナノ粒子間の配置、さらには複合粒子の大きさや複合粒子間の距離に影響され、目的とする周波数の光を効率よく吸収させるためには、金属ナノ粒子の粒子径や粒子間隔および金属ナノ粒子間の配置、さらには複合粒子の大きさや複合粒子間の距離を精度よく制御する必要があることを見出した。
そこで、本発明は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好な複合粒子分散液、複合体およびそれらの製造方法を提供する。
また、本発明は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散した分散液や複合体において、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない複合粒子分散液、複合体およびそれらの製造方法を提供する。
本発明の複合粒子分散液の製造方法は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液を製造する方法であって、下記の工程(a)〜(c)を有することを特徴とする。
(a)チオール基含有シラン化合物によって表面処理された誘電体粒子が分散媒中に分散した分散液を調製する工程。
(b)前記工程(a)で得られた分散液に金属イオンを形成し得る金属化合物を添加する工程。
(c)前記工程(b)の後、還元剤を用いて前記金属イオンを還元し、誘電体粒子の表面に金属ナノ粒子を析出させる工程。
前記金属ナノ粒子の平均一次粒子径が1〜80nmであり、前記誘電体粒子の平均一次粒子径が3.5〜193nmであり、前記複合粒子の平均一次粒子径が20〜195nmであることが好ましい。
前記誘電体粒子は、酸化ケイ素または樹脂からなることが好ましい。
前記金属ナノ粒子は、電気伝導率が20×10S/m以上の金属からなることが好ましく、金、銀、アルミニウムまたは銅からなることがより好ましい。
本発明の複合粒子分散液の第1の態様は、本発明の複合粒子分散液の製造方法によって得られたものであることを特徴とする。
本発明の複合粒子分散液の第2の態様は、前記複合粒子の濃度が1〜10質量%であり、JIS K 0101におけるによる濁度が、100度(ホルマジン)以下であることを特徴とする。
本発明の複合粒子分散液の第3の態様は、前記誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数の割合が、分散液に存在するすべての金属ナノ粒子の個数(100%)のうち、10%以下であることを特徴とする。
本発明の複合粒子分散液においては、前記誘電体粒子の表面にはチオール基が存在し、該チオール基が前記金属ナノ粒子に配位していることが好ましい。
本発明の複合体の製造方法は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子がマトリックス中に分散した複合体を製造する方法であって、下記の工程(α)〜(β)を有することを特徴とする。
(α)本発明の複合粒子分散液と、マトリックスまたはその前駆体とを混合し、混合液を得る工程。
(β)前記混合液から分散媒を除去する工程。
本発明の複合体は、本発明の複合体の製造方法によって得られたものであることを特徴とする。
本発明の複合粒子分散液の製造方法によれば、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好な複合粒子分散液を製造できる。
また、本発明の複合粒子分散液の製造方法によれば、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない複合粒子分散液を製造できる。
本発明の複合粒子分散液は、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好である。
また、本発明の複合粒子分散液は、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない。
本発明の複合体の製造方法によれば、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好な複合体を製造できる。
また、本発明の複合体の製造方法によれば、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない複合体を製造できる。
本発明の複合体は、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好である。
また、本発明の複合体は、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない。
例1の銀−シリカ複合粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 例2の銀−シリカ複合粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
<複合粒子分散液の製造方法>
本発明の複合粒子分散液の製造方法は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液を製造する方法であって、下記の工程(a)〜(c)を有する方法である。
(a)チオール基含有シラン化合物によって表面処理された誘電体粒子が分散媒中に分散した分散液を調製する工程。
(b)前記工程(a)で得られた分散液に金属イオンを形成し得る金属化合物を添加する工程。
(c)前記工程(b)の後、還元剤を用いて前記金属イオンを還元し、誘電体粒子の表面に金属ナノ粒子を析出させる工程。
〔工程(a)〕
チオール基含有シラン化合物によって表面処理された誘電体粒子が分散媒中に分散した分散液を調製する方法としては、たとえば、誘電体粒子が分散媒中に分散した分散液にチオール基含有シラン化合物を添加し、必要に応じて加熱する方法が挙げられる。
(誘電体粒子)
誘電体は、静電場を加えるとき、誘電分極を生じるが直流電流を生じない物質である。
誘電体粒子の材料としては、金属酸化物、樹脂、セラミックス、ガラス等が挙げられ、複合粒子をマトリックス中に分散させて複合体とする際に用いるマトリックスと同等の低誘電率であることが必要な点から、酸化ケイ素または樹脂が好ましく、酸化ケイ素が特に好ましい。
誘電体粒子として塩基性の酸化ケイ素の粒子の分散液を用いる場合、後に金属ナノ粒子を酸化ケイ素の粒子の表面に固定するためにチオール基含有シランカップリング剤を用いる際の、チオール基含有シランカップリング剤と酸化ケイ素との結合促進の点から、あらかじめ陽イオン交換樹脂で処理し、分散液を酸性とすることが好ましい。
誘電体粒子の平均一次粒子径は、3.5〜193nmが好ましく、6.8〜129nmがより好ましい。誘電体粒子の平均一次粒子径が該範囲内であれば、金属ナノ粒子の平均一次粒子径および複合粒子の平均一次粒子径を後述する好ましい範囲内にすることができる。
誘電体粒子の形状としては、等方性の点から、球状が好ましい。球状の誘電体粒子としては、コロイダルシリカに含まれる酸化ケイ素の粒子等が挙げられる。
(分散媒)
分散媒としては、後述するチオール基含有シラン化合物のチオール基と反応せず、かつ誘電体粒子および後述する金属ナノ粒子を分散し得る化合物であればよい。
後述するチオール基含有シラン化合物が加水分解性シリル基を有する場合、加水分解性シリル基を加水分解するための水が必要となる点から、分散媒は、水を含むことが好ましい。
分散媒としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、エチレングリコール等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)およびそれらの混合物等が挙げられる。
(チオール基含有シラン化合物)
チオール基含有シラン化合物としては、誘電体粒子の表面の官能基と反応し得る官能基を有する化合物が好ましく、加水分解性シリル基を有する化合物(シランカップリング剤)がより好ましい。
加水分解性シリル基としては、−Si(OCH、−SiCH(OCH、−Si(OCHCH、−SiCl、−Si(OCOCH、−Si(NCO)等が挙げられる。
チオール基含有シランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チオール基含有シラン化合物の割合は、誘電体粒子100質量%に対して、5〜15質量%が好ましく、6〜12質量%がより好ましい。チオール基含有シラン化合物の割合が5質量%以上であれば、チオール基含有シラン化合物によって誘電体粒子の表面が均一に表面処理され、金属ナノ粒子を誘電体粒子の表面に均一に析出できる。チオール基含有シラン化合物の割合が15質量%以下であれば、誘電体粒子の表面と反応していないチオール基含有シラン化合物の量が抑えられるため、金属ナノ粒子を誘電体粒子の表面に選択的に析出できる。
(表面処理)
誘電体粒子が分散媒中に分散した分散液にチオール基含有シラン化合物を添加し、チオール基含有シラン化合物によって誘電体粒子を表面処理(表面修飾)することによって、チオール基が表面に導入された誘電体粒子を得る。
チオール基含有シラン化合物が加水分解性シリル基を有する場合、加水分解性シリル基の加水分解を促進する点から、触媒を用いることが好ましい。
触媒としては、酸触媒、塩基性触媒、イオン交換樹脂等が挙げられる。
酸触媒としては、塩酸、硝酸、酢酸、硫酸、燐酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン等が挙げられる。
表面処理の際の温度は、50〜200℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。分散媒が水の場合は、還流することが好ましい。
表面処理の時間は、温度、濃度等によって適宜決定すればよく、特に限定されないが、1〜24時間が好ましく、3〜12時間がより好ましい。
〔工程(b)〕
工程(a)で得られた分散液に金属イオン(金属錯イオンを含む。)を形成し得る金属化合物を添加することによって、誘電体粒子の表面のチオール基(チオレート(−S)を含む。)が金属イオンに配位し、誘電体粒子の表面に金属イオンが導入される。
(金属化合物)
金属化合物としては、分散媒中にて金属イオンを形成し得るものであればよく、各種金属塩等が挙げられる。
金属化合物の金属としては、形成される金属ナノ粒子における局在表面プラズモン共鳴や複合粒子プラズモン共鳴が効率よく発現する点から、電気伝導率が20×10S/m以上の金属が好ましく、電気伝導率が35×10S/m以上の金属がより好ましく、金、銀、アルミニウムまたは銅がさらに好ましく、金、銀がさらに好ましく、銀が特に好ましい。
金属の電気伝導率は、0℃における文献値(「物理定数表」、第13版、朝倉書店)である。
金化合物としては、塩化金酸、塩化金、臭化金等が挙げられる。
銀化合物としては、硝酸銀、硫酸銀、酢酸銀、酸化銀等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、アルミン酸ナトリウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。
銅化合物としては、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、水酸化銅等が挙げられる。
金属化合物は、溶液の状態で分散液に添加してもよく、固体の状態で分散液に添加してもよい。金属イオンを誘電体粒子の表面に均一に導入し、誘電体粒子の表面に導入されないフリーの金属イオンの量を抑える点から、溶液の状態で分散液に添加することが好ましい。
金属イオンの割合は、チオール基含有シラン化合物100モル%に対して、100〜10000モル%が好ましく、200〜5000モル%がより好ましい。金属イオンの割合が200モル%以上であれば、金属イオンが誘電体粒子の表面が均一に導入され、金属ナノ粒子を誘電体粒子の表面に均一に析出できる。金属イオンの割合が10000モル%以下であれば、誘電体粒子の表面に導入されないフリーの金属イオンの量が抑えられ、フリーの金属ナノ粒子の生成を抑えることができる。
〔工程(c)〕
工程(b)の後、分散液に還元剤を添加し、誘電体粒子の表面に導入された金属イオンを還元剤によって還元することによって、誘電体粒子の表面に金属ナノ粒子を析出させ、複合粒子を形成する。
(還元剤)
還元剤としては、分散媒に溶解または分散し、金属イオンを還元し得るものであればよく、公知の還元剤が挙げられる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、硫酸第一鉄、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素リチウム、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素等が挙げられる。
還元剤は、溶液の状態で分散液に添加してもよく、固体の状態で分散液に添加してもよい。金属イオンを効率よく還元し、金属ナノ粒子を誘電体粒子の表面に均一に析出できる点から、溶液の状態で分散液に添加することが好ましい。
還元剤の割合は、金属イオン100モル%に対して、50〜1000モル%が好ましく、100〜500モル%がより好ましい。還元剤の割合が50モル%以上であれば、金属ナノ粒子を誘電体粒子の表面に均一に析出できる。還元剤の割合が1000モル%以下であれば、還元剤のロスが少なく経済的に好ましい。
〔作用効果〕
以上説明した本発明の複合粒子分散液の製造方法にあっては、金属イオンに強く配位するチオール基を有するシラン化合物によって誘電体粒子を表面処理した後、金属イオンを形成し得る金属化合物を添加しているため、アミノ基含有シラン化合物を用いた従来の方法に比べ、誘電体粒子の表面に導入されないフリーの金属イオンの量が抑えられる。そのため、還元剤を用いて金属イオンを還元し、誘電体粒子の表面に金属ナノ粒子を析出させる際に、フリーの金属ナノ粒子の生成を抑えることができる。また、金属イオンに強く配位するチオール基を有するシラン化合物を用いているため、アミノ基含有シラン化合物を用いた場合に比べ、析出した金属ナノ粒子の周りにフリーのチオール基含有シラン化合物が配位しやすい。そのため、複合粒子がチオール基含有シラン化合物で被覆された状態となり、複合粒子の凝集が抑えられ、複合粒子の分散性が良好な複合粒子分散液を製造できる。
<複合粒子分散液>
〔第1の態様〕
本発明の複合粒子分散液の第1の態様は、本発明の複合粒子分散液の製造方法によって得られた、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液である。
(誘電体粒子)
誘電体粒子としては、上述した製造方法における誘電体粒子が挙げられ、好ましい態様も同様である。
(金属ナノ粒子)
金属ナノ粒子としては、上述した理由から、電気伝導率が20×10S/m以上の金属からなる粒子が好ましく、電気伝導率が35×10S/m以上の金属からなる粒子がより好ましく、金、銀、アルミニウムまたは銅からなる粒子がさらに好ましく、金、銀からなる粒子がさらに好ましく、銀からなる粒子が特に好ましい。
金属ナノ粒子の平均一次粒子径は、1〜80nmが好ましく、6〜60nmがより好ましい。金属ナノ粒子の平均一次粒子径が1nm以上であれば、金属ナノ粒子を形成しやすい。金属ナノ粒子の平均一次粒子径が80nm以下であれば、複合粒子の平均一次粒子径が光の波長と同等未満の大きさになるため、分散液または複合体の透明性を確保できる。
誘電体粒子の表面に担持された金属ナノ粒子の個数は、誘電体粒子1個あたり、4〜140000個が好ましく、40〜1000個が好ましい。誘電体粒子の表面に担持された金属ナノ粒子の個数が該範囲内であれば、誘電体粒子に担持される金属ナノ粒子の粒子間隔を精度よく制御できる。
(複合粒子)
複合粒子においては、誘電体粒子の表面にはチオール基(チオレート(−S)を含む。)が存在し、チオール基が金属ナノ粒子に配位している。
複合粒子の平均一次粒子径は、20〜195nmが好ましく、40〜145nmがより好ましい。複合粒子の平均一次粒子径が195nm以下であれば、分散液または複合体の透明性を確保できる。複合粒子の平均一次粒子径が20nm以上であれば、複合粒子プラズモン共鳴を効率よく発現できる。
(作用効果)
以上説明した本発明の複合粒子分散液の第1の態様にあっては、本発明の複合粒子分散液の製造方法によって得られたものであるため、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好である。また、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない。
〔第2の態様〕
本発明の複合粒子分散液の第2の態様は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液であって、複合粒子の濃度が1〜10質量%であり、JIS K 0101におけるによる濁度が、100度(ホルマジン)以下であるものである。
(誘電体粒子)
誘電体粒子としては、上述した製造方法における誘電体粒子が挙げられ、好ましい態様も同様である。
(金属ナノ粒子)
金属ナノ粒子としては、上述した第1の態様における金属ナノ粒子が挙げられ、好ましい態様も同様である。
(複合粒子)
複合粒子としては、上述した第1の態様における複合粒子が挙げられ、好ましい態様も同様である。
(複合粒子分散液)
複合粒子分散液における複合粒子の濃度は、1〜10質量%であり、3〜7質量%が好ましい。複合粒子の濃度が1質量%以上であれば、後述する複合体を製造する際に、除去する分散媒の量が多くなりすぎないため、複合体を効率よく製造できる。複合粒子の濃度が10質量%以下であれば、複合粒子の凝集が充分に抑えられる。
複合粒子分散液の濁度は、複合粒子の凝集の度合いの目安となる。複合粒子分散液の濁度は、100度(ホルマジン)以下であり、50度(ホルマジン)以下が好ましい。複合粒子分散液の濁度が100度(ホルマジン)以下であれば、複合粒子の凝集が少なく、複合粒子の分散性が良好である。
複合粒子分散液の濁度は、JIS K 0101「工業用水試験法」における視覚濁度法に基づき、複合粒子分散液の濁度がホルマジン標準液100度以下かどうかを判定することによって求める。
第2の態様の複合粒子分散液は、たとえば、上述した本発明の複合粒子分散液の製造方法によって製造できる。該製造方法によって得られた複合粒子分散液中の複合粒子においては、誘電体粒子の表面にはチオール基が存在し、チオール基が金属ナノ粒子に配位している。
(作用効果)
以上説明した本発明の複合粒子分散液の第2の態様にあっては、複合粒子の濃度が1〜10質量%であり、JIS K 0101におけるによる濁度が、100度(ホルマジン)以下であるため、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好である。
〔第3の態様〕
本発明の複合粒子分散液の第3の態様は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液であって、誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数の割合が、分散液に存在するすべての金属ナノ粒子の個数(100%)のうち、10%以下であるものである。
(誘電体粒子)
誘電体粒子としては、上述した製造方法における誘電体粒子が挙げられ、好ましい態様も同様である。
(金属ナノ粒子)
金属ナノ粒子としては、上述した第1の態様における金属ナノ粒子が挙げられ、好ましい態様も同様である。
(複合粒子)
複合粒子としては、上述した第1の態様における複合粒子が挙げられ、好ましい態様も同様である。
(複合粒子分散液)
複合粒子分散液においては、誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子(フリーの金属ナノ粒子)の個数の割合が、分散液に存在するすべての金属ナノ粒子の個数(100%)のうち、10%以下であり、5%以下が好ましい。フリーの金属ナノ粒子の個数の割合が10%以下であれば、金属ナノ粒子間隔が制御されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない複合体を製造できる。
フリーの金属ナノ粒子の個数の割合は、下記のようにして求める。
複合粒子分散液に、分散液中の分散媒と同じ分散媒を追加して0.1質量%に希釈し、親水化済みカーボン薄膜付き銅グリッドの上に希釈液の0.1μLを滴下し、乾燥させ透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記す。)用試料を作製する。TEM観察用試料をTEMで観察し、30万倍の倍率のTEM像において、複合粒子の占める面積が30〜80%かつ複合粒子の個数20個以上のとき、誘電体粒子の表面に担持された金属ナノ粒子の個数と、誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数との合計(100%)のうちの、誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数の割合を求める。
TEM像においては、コントラストを調整することによって、誘電体粒子に隠れた裏側の金属ナノ粒子であっても、誘電体粒子を透過して見えるため、TEM像にて確認できる金属ナノ粒子の個数を数えれば、フリーの金属ナノ粒子の個数の割合を求めることができる。
第3の態様の複合粒子分散液は、たとえば、上述した本発明の複合粒子分散液の製造方法によって製造できる。該製造方法によって得られた複合粒子分散液中の複合粒子においては、誘電体粒子の表面にはチオール基が存在し、チオール基が金属ナノ粒子に配位している。
(作用効果)
以上説明した本発明の複合粒子分散液の第3の態様にあっては、誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数の割合が、分散液に存在するすべての金属ナノ粒子の個数(100%)のうち、10%以下であるため、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない。そのため、金属ナノ粒子間隔が制御されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない、複合粒子プラズモン共鳴を効率よく発揮し得る複合体を製造できる。
<複合体の製造方法>
本発明の複合体の製造方法は、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子がマトリックス中に分散した複合体を製造する方法であって、下記の工程(α)〜(β)を有する方法である。
(α)本発明の複合粒子分散液と、マトリックスまたはその前駆体とを混合し、混合液を得る工程。
(β)前記工程(α)の後、混合液から分散媒を除去する工程。
〔工程(α)〕
複合粒子分散液とマトリックスまたはその前駆体との混合方法としては、複合粒子分散液にマトリックスまたはその前駆体を加える方法;マトリックスまたはその前駆体に複合粒子分散液を加える方法;複合粒子分散液とマトリックスまたはその前駆体とを別の容器に同時に加える方法;複合粒子分散液とマトリックスまたはその前駆体とを混合装置(ミキサ等)に供給する方法等が挙げられる。
(マトリックスまたはその前駆体)
マトリックスまたはその前駆体は、溶液または分散液の状態にて複合粒子分散液と混合してもよく、固体(粉体)の状態にて複合粒子分散液と混合してもよい。各成分が均一に混合した混合液が得られる点から、複合粒子分散液と、マトリックスまたはその前駆体の溶液または分散液とを混合することが好ましい。
マトリックスまたはその前駆体としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、アルコキシシランまたはその加水分解物、シラザン等が挙げられる。マトリックスまたはその前駆体としては、マトリックス中への複合粒子の分散性が良好な点から、ポリビニルピロリドンが好ましい。
(複合粒子分散液)
複合粒子分散液は、上述した第1〜3の態様の複合粒子分散液である。
(混合比)
複合粒子分散液(固形分)とマトリックスまたはその前駆体(固形分)との混合比は、得られる複合体における複合粒子間距離、複合粒子数密度、複合粒子体積密度が後述する好ましい範囲を満足するような比であることが好ましい。
〔工程(β)〕
混合液から分散媒を除去して複合体を形成する方法としては、容器中の混合液を必要に応じて減圧下に加熱して分散媒を揮発させ残渣としての複合体を得る方法;混合液を基材に塗布してウエット膜を形成し、乾燥させて複合体からなる塗膜を形成する方法等が挙げられる。
〔作用効果〕
以上説明した本発明の複合体の製造方法にあっては、本発明の複合粒子分散液とマトリックスまたはその前駆体とを混合して混合液を得た後、該混合液から分散媒を除去しているため、第1の態様の複合粒子分散液を用いた場合には、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好であり、かつ誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない複合体を製造できる。第2の態様の複合粒子分散液を用いた場合には、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好な複合体を製造できる。第3の態様の複合粒子分散液を用いた場合には、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない複合体を製造できる。
<複合体>
本発明の複合体は、本発明の複合体の製造方法によって得られた、誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子がマトリックス中に分散した複合体である。
複合体における複合粒子間距離は、20〜195nmが好ましく、40〜195nmがより好ましい。複合粒子間距離が該範囲内であれば、効率よく複合粒子プラズモン共鳴を発現できる。
複合体における複合粒子数密度は、24〜22080個/μmが好ましく、24〜2760個/μmがより好ましい。複合体における複合粒子数密度が該範囲内であれば、効率よく複合粒子プラズモン共鳴を発現できる。
複合体における複合粒子体積密度は、1〜74%が好ましく、19〜74%がより好ましく、34〜74%がさらに好ましい。複合体における複合粒子体積密度が該範囲内であれば、効率よく複合粒子プラズモン共鳴を発現できる。
〔作用効果〕
以上説明した本発明の複合体にあっては、本発明の複合粒子分散液の製造方法によって得られたものであるため、第1の態様の複合粒子分散液を用いた場合には、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好であり、かつ誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない。第2の態様の複合粒子分散液を用いた場合には、複合粒子の凝集が抑えられ、該複合粒子の分散性が良好である。第3の態様の複合粒子分散液を用いた場合には、誘電体粒子の表面に担持されていないフリーの金属ナノ粒子が少ない。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されない。例1は実施例であり、例2は比較例である。
〔測定・評価〕
(TEM観察)
複合粒子分散液に、分散液中の分散媒と同じ分散媒を追加して0.1質量%に希釈し、親水化済みカーボン薄膜付き銅グリッドの上に希釈液の0.1μLを滴下し、乾燥させTEM用試料を作製した。TEM観察用試料をTEMで観察し、30万倍の倍率のTEM像を得た。
(誘電体粒子の平均一次粒子径)
30万倍の倍率のTEM像において、複合粒子の占める面積が30〜80%かつ複合粒子の個数20個以上のとき、全ての誘電体粒子の粒子径を測定し、平均値を求めた。
(金属ナノ粒子の平均一次粒子径)
30万倍の倍率のTEM像において、複合粒子の占める面積が30〜80%かつ複合粒子の個数20個以上のとき、無作為に選んだ100個の金属ナノ粒子の粒子径を測定し、平均値を求めた。
(誘電体粒子の表面に担持された金属ナノ粒子の個数)
30万倍の倍率のTEM像において、複合粒子の占める面積が30〜80%かつ複合粒子の個数20個以上のとき、誘電体粒子の表面に担持された金属ナノ粒子の個数を数え、誘電体粒子の数で除して、誘電体粒子1個あたりに担持された金属ナノ粒子の個数を算出した。
(複合粒子の平均一次粒子径)
複合粒子分散液について、粒子径・ゼータ電位測定装置(スペクトリス社製、Zetasizer Nano ZS)を用いて粒度分布を測定し、平均一次粒子径を求めた。
(複合粒子分散液の濁度)
JIS K 0101「工業用水試験法」における視覚濁度法に基づき、複合粒子分散液の濁度がホルマジン標準液100度以下かどうか、またホルマジン標準液50度以下かどうかを判定した。
(フリーの金属ナノ粒子の個数の割合)
30万倍の倍率のTEM像において、複合粒子の占める面積が30〜80%かつ複合粒子の個数20個以上のとき、誘電体粒子の表面に担持された金属ナノ粒子の個数と、誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数との合計(100%)のうちの、誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数の割合を求めた。
(複合粒子体積密度)
複合粒子とマトリクスとの仕込み比、および、誘電体粒子の平均一次粒子径、金属ナノ粒子の平均一次粒子径、誘電体粒子の表面に担持された金属ナノ粒子の個数から、誘電体粒子、金属ナノ粒子、マトリクスそれぞれの質量比を算出した。求めた質量比と各材料の比重から、各材料の体積密度を算出した。金属ナノ粒子の体積密度と、誘電体粒子の体積密度の和を複合粒子体積密度とした。
(複合粒子数密度)
上記で求めた誘電体粒子の体積密度から1μmに含まれる誘電体粒子の体積を算出し、それを、誘電体粒子1個の体積で除することで1μmに含まれる誘電体粒子の個数を算出した。これを複合粒子数密度とした。
(複合粒子間距離)
上記で求めた複合粒子数密度において、複合粒子が均一に分散しているという仮定で、複合粒子間距離を算出した。すなわち、上記で求めた1μmに含まれる複合粒子の個数の球が、1μmの立方体にちょうど最密充填する時の球の直径Rを算出し、これを複合粒子間距離とした。Rは下記の式から算出した。
1000×0.7=4πR/3×(1μmに含まれる複合粒子の個数)。
〔例1〕
(工程(a))
水の310.76gとコロイダルシリカ(日揮触媒化成社製、SI−45P、平均粒子径:約60nm、球状の酸化ケイ素粒子の水分散液)の39.24gとを混合した後、陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、SK1BH)の175gを加えて20時間撹拌した。得られた混合物をろ過することによって陽イオン交換樹脂を除去し、陽イオン交換樹脂で処理されたコロイダルシリカを得た。該コロイダルシリカから49.81gを分取し、陽イオン交換樹脂の1.72g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−803)の0.188gを加え、3時間加熱還流した。得られた混合物をろ過することによって陽イオン交換樹脂を除去し、表面修飾シリカ粒子分散液を得た。
(工程(b)、工程(c))
表面修飾シリカ粒子分散液の1gに水4gを加え混合した後、10質量%硝酸銀水溶液の0.09gを加え、さらに3質量%水素化ホウ素ナトリウム水溶液の0.18gを加えることによって、銀ナノ粒子をシリカ粒子の表面に析出させ、銀−シリカ複合粒子分散液(銀−シリカ複合粒子濃度:1.1質量%)を得た。該分散液について上述した測定・評価を行った。結果を表1に示す。また、TEM観察における30万倍のTEM写真を図1に示す。
(工程(α)、工程(β))
銀−シリカ複合粒子分散液の5gと10質量%ポリビニルピロリドン(K15)水溶液の2gをよく混合し、混合液を得た後、該混合液の1〜2滴を平滑なサファイア基板に滴下し、乾燥することによって、複合体の塗膜を形成し、光学特性評価用サンプルを得た。該サインプルについて上述した測定・評価を行った。結果を表1に示す。
〔例2〕
(工程(a)〜(c))
3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−903)に変更した以外は、例1と同様にして銀−シリカ複合粒子分散液(銀−シリカ複合粒子濃度:1.1質量%)を得た。該分散液について上述した測定・評価を行った。結果を表1に示す。また、TEM観察における30万倍のTEM写真を図2に示す。
(工程(α)、工程(β))
また、例2の銀−シリカ複合粒子分散液を用いた以外は、例1と同様にして複合体の塗膜を形成し、光学特性評価用サンプルを得た。該サインプルについて上述した測定・評価を行った。結果を表1に示す。
本発明の複合粒子および複合体は、局在表面プラズモン共鳴による可視光線の吸収を利用した着色剤;局在表面プラズモン共鳴による光強度の増加現象を利用した高出力の発光素子:分子の結合による共鳴状態の変化を利用したバイオセンサ;局在表面プラズモン共鳴や複合粒子プラズモン共鳴によって可視光線に対して負の屈折率を持たせた材料;局在表面プラズモン共鳴や複合粒子プラズモン共鳴による可視光線の吸収によって磁性を発現する材料等として有用である。

Claims (11)

  1. 誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液を製造する方法であって、
    下記の工程(a)〜(c)を有する、複合粒子分散液の製造方法。
    (a)チオール基含有シラン化合物によって表面処理された誘電体粒子が分散媒中に分散した分散液を調製する工程。
    (b)前記工程(a)で得られた分散液に金属イオンを形成し得る金属化合物を添加する工程。
    (c)前記工程(b)の後、還元剤を用いて前記金属イオンを還元し、誘電体粒子の表面に金属ナノ粒子を析出させる工程。
  2. 前記金属ナノ粒子の平均一次粒子径が、1〜80nmであり、
    前記誘電体粒子の平均一次粒子径が、3.5〜193nmであり、
    前記複合粒子の平均一次粒子径が、20〜195nmである、請求項1に記載の複合粒子分散液の製造方法。
  3. 前記誘電体粒子が、酸化ケイ素または樹脂からなる、請求項1または2に記載の複合粒子分散液の製造方法。
  4. 前記金属ナノ粒子が、電気伝導率が20×10S/m以上の金属からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合粒子分散液の製造方法。
  5. 前記金属ナノ粒子が、金、銀、アルミニウムまたは銅からなる、請求項4に記載の複合粒子分散液の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合粒子分散液の製造方法によって得られた、複合粒子分散液。
  7. 誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液であって、
    前記複合粒子の濃度が1〜10質量%であり、
    JIS K 0101におけるによる濁度が、100度(ホルマジン)以下である、複合粒子分散液。
  8. 誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子が分散媒中に分散した分散液であって、
    前記誘電体粒子の表面に担持されていない金属ナノ粒子の個数の割合が、分散液中に存在するすべての金属ナノ粒子の個数(100%)のうち、10%以下である、複合粒子分散液。
  9. 前記誘電体粒子の表面にはチオール基が存在し、該チオール基が前記金属ナノ粒子に配位している、請求項6〜8のいずれか一項に記載の複合粒子分散液。
  10. 誘電体粒子の表面に複数の金属ナノ粒子を担持した複合粒子がマトリックス中に分散した複合体を製造する方法であって、
    下記の工程(α)〜(β)を有する、複合体の製造方法。
    (α)請求項6〜9のいずれか一項に記載の複合粒子分散液と、マトリックスまたはその前駆体とを混合し、混合液を得る工程。
    (β)前記混合液から分散媒を除去する工程。
  11. 請求項10に記載の複合体の製造方法によって得られた、複合体。
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