JP2013238330A - 吸着式冷凍装置の蒸発器、吸着式冷凍装置、及び、車両用空調装置 - Google Patents

吸着式冷凍装置の蒸発器、吸着式冷凍装置、及び、車両用空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】媒体と冷却対象との熱交換を効率良く行って小型軽量化を図ることができる吸着式冷凍装置の蒸発器を提供する。
【解決手段】真空容器22と、凝縮液化された媒体を真空容器内上部に流入させる液供給管18と、真空容器内を上下に仕切り、上側を液供給管からの媒体が一旦貯留される貯留部24とし、下側を冷却対象が冷却される蒸発部26とする仕切部材23と、仕切部材の外周部に形成され、貯留部に貯留された媒体を分散させて蒸発部内に流下させる切欠溝28と、切欠溝より内側における仕切部材に設けられ、蒸発して上昇する媒体を回収して吸着剤に戻す蒸気回収管19を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、媒体が吸着剤に吸着されることに伴って蒸発することにより冷却対象を冷却する吸着式冷凍装置の蒸発器、それを備えた吸着式冷凍装置、及び、それを備えた車両用空調装置に関するものである。
従来より吸着式冷凍装置は、吸着剤が収納された吸着器と、この吸着器の媒体出口に接続された凝縮器と、この凝縮器の媒体出口及び吸着器の媒体入口に接続された蒸発器とから構成され、内部は真空とされると共に、媒体(例えば水)が封入されている。そして、吸着剤を加熱して、当該吸着剤に吸着されている気相の媒体(蒸気)を脱離させると共に、凝縮器で液化(水)させ、この液化した媒体を蒸発器に供給する。次に、吸着剤を冷却して媒体を吸着させることで、蒸発器内の媒体を蒸発させる。このときに蒸発潜熱を吸収することで、冷却対象を冷却する構成とされている。
そして、このような吸着式冷凍装置を、例えば車両用空調装置の冷媒凝縮器を出た冷媒の過冷却に用いることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。この車両用空調装置では、吸着式冷凍装置の蒸発器を蒸気圧縮式冷凍装置の冷媒回路内に組み込み、当該冷媒回路の冷媒凝縮器を出た冷媒を蒸発器で冷却する冷却対象としている。それにより、冷媒凝縮器から出た冷媒を過冷却し、車両用空調装置の冷凍能力の向上と、燃費の改善を図っていた。
ここで、従来の吸着式冷凍装置の蒸発器としては、所謂フィン&チューブ式の熱交換器か、特許文献1に示されるような、プール方式の熱交換器が用いられていた。
特開2011−242017号公報
上記フィン&チューブ式の熱交換器で蒸発器を構成した場合、凝縮器で液化した媒体(水)をポンプによりフィンに散布し、蒸発させてチューブ内を流れる冷媒を冷却するものであるが、構造上平面の部位が多く存在し、真空容器とするための耐真空性を満足するために、蒸発器を構成する部材の肉厚寸法を厚くしなければならない。
また、特許文献1の図面に示されるようなプール方式の熱交換器で蒸発器を構成した場合、蒸気圧縮式冷凍装置の冷媒凝縮器を出た配管(伝熱管)を真空容器内で水没させながら通過させるために、媒体(水)の封入量を多くしなければならず、車両用空気調和機に用いるには重量が嵩む。また、効率よく媒体を循環させるためにはポンプ等の動力源を用いなければならないと云う問題もあった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、媒体と冷却対象との熱交換を効率良く行って小型軽量化を図ることができる吸着式冷凍装置の蒸発器、及び、それを用いた吸着式冷凍装置、並びに、それを用いた車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、吸着剤から脱離され、凝縮液化された媒体が流入すると共に、吸着剤に媒体が吸着されることに伴って当該媒体が蒸発することにより、冷却対象を冷却するものであって、真空容器と、凝縮液化された媒体を真空容器内上部に流入させる液供給部と、真空容器内を上下に仕切り、上側を液供給部からの媒体が一旦貯留される貯留部とし、下側を冷却対象が冷却される蒸発部とする仕切部材と、この仕切部材の外周部に形成され、貯留部に貯留された媒体を分散させて蒸発部内に流下させる流下部と、この流下部より内側における仕切部材に設けられ、蒸発部内で蒸発して冷却対象を冷却し、上昇する媒体を回収して吸着剤に戻す蒸気回収部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項2の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、上記発明において流下部が仕切部材の外周縁に形成された複数の切欠溝により構成されていることを特徴とする。
また、請求項3の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、上記各発明において真空容器の蒸発部内に引き込まれ、冷却対象が流通する伝熱管を備え、この伝熱管は流下部の下方において上下方向を軸とし、螺旋状に巻回されており、流下部から流下した媒体が、伝熱管表面に液膜を形成しながら流下することを特徴とする。
また、請求項4の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、上記発明において伝熱管がピッチ巻きされていることを特徴とする。
また、請求項5の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、請求項3又は請求項4の発明において流下部が螺旋状に巻回された伝熱管の管径の中心上方に対応していることを特徴とする。
また、請求項6の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、請求項3乃至請求項5のうちの何れかの発明において螺旋状に巻回された伝熱管の上部が、流下部に近接していることを特徴とする。
また、請求項7の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、請求項3乃至請求項6のうちの何れかの発明において伝熱管が真空容器の内壁面に当接していることを特徴とする。
また、請求項8の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、上記発明において真空容器から離間した位置の伝熱管上面には、当該伝熱管の螺旋の進行方向に延在する突条が形成されていることを特徴とする。
また、請求項9の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、請求項3乃至請求項6のうちの何れかの発明において伝熱管が真空容器の内壁面から離間していることを特徴とする。
また、請求項10の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、上記発明において真空容器の内壁面に設けられ、伝熱管と真空容器との間を落下する媒体を伝熱管方向に案内する案内部を備えたことを特徴とする。
また、請求項11の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、請求項1又は請求項2の発明において蒸発部に対応する位置の真空容器外壁面に当接して設けられ、冷却対象が流通する伝熱管を備え、流下部から流下した媒体が、真空容器内壁面に液膜を形成しながら流下することを特徴とする。
また、請求項12の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、上記発明において伝熱管は、真空容器外壁面に螺旋状に巻回されており、真空容器内壁面には、螺旋状の溝が形成されていることを特徴とする。
また、請求項13の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、請求項3乃至請求項12のうちの何れかの発明において伝熱管表面及び/又は真空容器内壁面は、親水性処理が施されていることを特徴とする。
また、請求項14の発明の吸着式冷凍装置の蒸発器は、請求項1乃至請求項13のうちの何れかの発明において真空容器の底部に対応する伝熱管に、最も温度の高い冷却対象が流通することを特徴とする。
また、請求項15の発明の吸着式冷凍装置は、冷却されることにより媒体を吸着し、加熱されることにより媒体を脱離する吸着剤を備えた吸着器と、この吸着器の媒体出口に接続された凝縮器と、請求項1乃至請求項14のうちの何れかの発明の蒸発器とを備え、この蒸発器の液供給部が凝縮器の媒体出口に接続され、蒸発器の蒸気回収部が吸着器の媒体入口に接続されていることを特徴とする。
また、請求項16の発明の車両用空調装置は、蒸気圧縮式冷凍装置と、請求項15の発明の吸着式冷凍装置とを備えており、この吸着式冷凍装置の蒸発器は蒸気圧縮式冷凍装置の冷媒回路に組み込まれ、この冷媒回路を流れる冷媒を冷却対象として冷却することを特徴とする。
本発明によれば、吸着剤から脱離され、凝縮液化された媒体が流入すると共に、吸着剤に媒体が吸着されることに伴って当該媒体が蒸発することにより、冷却対象を冷却する吸着式冷凍装置の蒸発器において、真空容器と、凝縮液化された媒体を真空容器内上部に流入させる液供給部と、真空容器内を上下に仕切り、上側を液供給部からの媒体が一旦貯留される貯留部とし、下側を冷却対象が冷却される蒸発部とする仕切部材と、この仕切部材の外周部に形成され、貯留部に貯留された媒体を分散させて蒸発部内に流下させる流下部とを備えているので、媒体を貯留部にて一旦貯留した後、適量を流下部から分散させて蒸発部に流下させることができるようになり、効率良く冷却対象と媒体とを熱交換させ、媒体の蒸発による吸熱作用(潜熱の吸収)を最大限利用して冷却対象を冷却することができるようになる。
これにより、媒体封入量を削減することが可能となるので、真空容器の薄肉化による蒸発器の小型化と軽量化を図ることができるようになり、請求項15の発明の如き吸着式冷凍装置全体の小型化を図り、請求項16の発明の如き車両用空調装置にとって好適なものとすることが可能となる。
また、流下部より内側における仕切部材に設けられ、蒸発部内で蒸発して冷却対象を冷却し、上昇する蒸気媒体を回収して吸着剤に戻す蒸気回収部を備えているので、蒸発部内で蒸発した媒体を、流下部や当該流下部からの媒体の流れと干渉すること無く 吸着剤に戻すことができるようになる。これにより、蒸発部への凝縮液化媒体の供給と、蒸発部からの蒸発媒体の回収の双方を円滑に行うことが可能となるものである。
また、請求項2の発明の如く流下部を仕切部材の外周縁に形成された複数の切欠溝により構成すれば、仕切部材及び流下部の構造の簡素化を図ることが可能となる。
また、請求項3の発明によれば、上記各発明に加えて真空容器の蒸発部内に引き込まれ、冷却対象が流通する伝熱管を備え、この伝熱管は流下部の下方において上下方向を軸とし、螺旋状に巻回されており、流下部から流下した媒体が、伝熱管表面に液膜を形成しながら流下するようにしたので、蒸発部内に引き込まれて巻回された伝熱管の表面における媒体の蒸発を促進することができるようになり、媒体の蒸発による冷却対象の冷却効率を一層向上させることができるようになる。
この場合、請求項4の発明の如く伝熱管をピッチ巻きすれば、密着巻きした場合の如く、媒体がその表面を滝のように真っ直ぐ下に流れ下ってしまう不都合を防止し、伝熱管の螺旋に沿って流下させることができるようになる。これにより、媒体と伝熱管とが接している時間を長く保ち、一層効果的に熱交換させることが可能となる。
また、請求項5の発明の如く流下部を、螺旋状に巻回された伝熱管の管径の中心上方に対応させることより、媒体を伝熱管上面に均等に流下させることができるようになり、伝熱管の表面を効率良く熱交換に利用することができるようになる。
また、請求項6の発明の如く螺旋状に巻回された伝熱管の上部を流下部に近接させれば、流下部から媒体を途切れること無く連続的に伝熱管に流下させることが可能となり、螺旋に沿って流れること無く、滴下してしまう媒体を効果的に解消若しくは抑制することが可能となる。
また、請求項7の発明の如く伝熱管を真空容器の内壁面に当接させれば、真空容器の内壁面により、媒体が伝熱管の螺旋の外側に落下してしまう不都合を解消することができるようになる。
この場合、請求項8の発明の如く真空容器から離間した位置の伝熱管上面に、当該伝熱管の螺旋の進行方向に延在する突条を形成すれば、伝熱管上面に流下した媒体が内側に零れることを防止し、伝熱管の螺旋に沿ってその上面を流下させることができるようになる。
一方、伝熱管を真空容器に当接させた場合、媒体の蒸発による冷却作用が伝熱管及び真空容器を介して外部に伝わってしまう熱ロスが発生するが、請求項9の発明の如く伝熱管を真空容器の内壁面から離間させれば、係る熱ロスを解消若しくは抑制することができるようになる。また、媒体は伝熱管の全表面を伝わって流下することができるようになるので、熱交換効率が更に良好となると共に、表面張力で伝熱管と真空容器内壁面間に媒体が残留してしまう不都合も無くなる。
また、請求項10の発明の如く伝熱管と真空容器との間を落下する媒体を伝熱管方向に案内する案内部を真空容器の内壁面に設ければ、流下部から流下して伝熱管表面に液膜を形成し切れずに滴下してしまった媒体や、伝熱管から外れて真空容器との間を落下してしまう媒体を、案内部にて伝熱管表面に戻すことができるようになる。
他方、請求項11の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明に加えて蒸発部に対応する位置の真空容器外壁面に当接して設けられ、冷却対象が流通する伝熱管を備え、流下部から流下した媒体が、真空容器内壁面に液膜を形成しながら流下するようにしたので、真空容器の内壁面を流下する媒体が蒸発することにより生じる吸熱作用により、真空容器を介して伝熱管間を流れる冷却対象を冷却することが可能となる。
特に、真空容器内壁面に媒体の液膜を形成するようにしたので、真空容器の壁面の広い範囲で媒体を蒸発させることができるようになり、冷却対象の冷却効率が向上する。また、伝熱管を真空容器内に引き込むこと無く、真空容器の外壁面に当接して設けているので、真空性を維持するための製造コストの削減を図ることができるようになる。
更に、請求項12の発明の如く伝熱管を真空容器外壁面に螺旋状に巻回すると共に、真空容器内壁面に螺旋状の溝を形成すれば、伝熱管の位置を溝の位置に合わせることで、溝に沿って流下する媒体の流れを伝熱管の位置に合わせることができるようになり、より直接的に媒体による冷却作用を伝熱管内の冷却対象に及ぼすことができるようになる。
また、請求項13の発明の如く伝熱管表面及び/又は真空容器内壁面に親水性処理を施せば、伝熱管表面や真空容器内壁面に一層良好に媒体の液膜を形成することができるようになる。
そして、請求項14の発明の如く真空容器の底部に対応する伝熱管に、最も温度の高い冷却対象が流通するようにすれば、真空容器の下部に溜まった媒体の蒸発を促進し、吸着剤に円滑に戻すことが可能となるものである。
本発明の一実施形態である車両用空調装置の冷媒及び媒体回路図である。 図1の車両用空調装置を構成する本発明の一実施形態の吸着式冷凍装置の一実施例の蒸発器の縦断側面図である(実施例1)。 図1の蒸発器のA−A線断面図である。 図3の円B部分の拡大図である。 図1の車両用空調装置を構成する蒸気圧縮式冷凍装置のp−h線図である。 図2の蒸発器の他の実施例を示す伝熱管部分の拡大断面図である(実施例2)。 図1の車両用空調装置を構成する吸着式冷凍装置の更に他の実施例の蒸発器の縦断側面図である(実施例3)。 図7の蒸発器上部の拡大断面図である。 図7の蒸発器の他の実施例の縦断側面図である(実施例4)。 図1の車両用空調装置の他の実施形態の冷媒及び媒体回路図である(実施例5)。 図10の車両用空調装置を構成する本発明の他の実施形態の吸着式冷凍装置の蒸発器の縦断側面図である。 図10の車両用空調装置を構成する本発明の更に他の実施形態の吸着式冷凍装置の蒸発器の縦断側面図である(実施例6)。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
本発明の一実施形態である車両用空調装置の冷媒及び媒体回路図である。実施例の車両用空調装置1は、図示しない車両(例えば自動車)の車室内空気を冷却するものであり、冷媒(例えばR−134a)を圧縮して凝縮し、蒸発させることで冷凍能力を発揮する冷媒回路を備えた蒸気圧縮式冷凍装置2と、この蒸気圧縮式冷凍装置2の冷媒回路に組み込まれた本発明の蒸発器3を備え、吸着剤による媒体(例えば水)の脱離/吸着作用を利用して冷凍能力を発揮する吸着式冷凍装置4とから構成されている。
実施例の蒸気圧縮式冷凍装置2は、車両の図示しないエンジンにより、クラッチを介して駆動される冷媒圧縮機6と、冷媒凝縮器7と、減圧手段としての膨張弁8と、冷媒蒸発器9及びアキュムレータ11等を順次環状に配管接続して冷媒回路が構成されている。冷媒圧縮機6、冷媒凝縮器7は車両のエンジンルームに設けられ、冷媒凝縮器7は図示しない凝縮器用送風機により空冷される。
そして、冷媒圧縮機6が運転されると、高温高圧のガス冷媒が吐出され、冷媒凝縮器7に流入する。そこで冷媒は空冷されて凝縮液化し、膨張弁8で減圧された後、冷媒蒸発器9に流入する。冷媒蒸発器9に流入した冷媒はそこで蒸発し、このときに生じる吸熱作用(潜熱)で冷凍能力を発揮する。この冷媒蒸発器9は車室内に配置され、図示しない冷気循環用送風機により車室内の空気が通風され、冷却された後、車室内に吹き出される。これにより、車室内は所定の温度に空調(冷却)される。また、冷媒蒸発器9で蒸発した冷媒はアキュムレータ11で気液分離された後、ガス冷媒が冷媒圧縮機6に再び吸い込まれる。
また、係る蒸気圧縮式冷凍装置2の冷媒凝縮器7の出口側と膨張弁8の入口側の間には、吸着式冷凍装置4を構成する蒸発器3が過冷却熱交換器として組み込まれている。以後、冷媒凝縮器7の出口と膨張弁8の入口の間の配管を伝熱管12とする。尚、この吸着式冷凍装置4もエンジンルームに設けられる。
実施例の吸着式冷凍装置4は、吸着器13と、この吸着器13の媒体出口に第1バルブ14を介して配管接続された凝縮器16と、この凝縮器16の媒体出口に第2バルブ17を介して液供給管(液供給部)18により接続された前記蒸発器3とを備えており、この蒸発器3の蒸気回収管(蒸気回収部)19が第3バルブ21を介して吸着器13の媒体入口に接続されることにより媒体回路が構成され、この媒体回路内には真空下で吸着媒体として水(蒸気)が封入されている。
吸着器13内には実施例ではシリカゲル、ゼオライト等の吸着剤(水吸着剤)が収納されている。この吸着剤はその雰囲気の相対湿度が高くなるほど吸着可能な媒体量(吸着容量)が増大する性質を有する。従って、吸着剤を加熱すると当該吸着剤の表面近傍の相対湿度が低下して吸着容量が減少するので、その減少分、吸着している媒体を脱離放出させる。一方、吸着剤を冷却すると当該吸着剤の表面近傍の相対湿度が上昇して吸着容量が増加するので、その増加分、媒体を吸着する。尚、この吸着器13内の吸着剤の加熱手段として、実施例ではエンジン冷却水が用いられ、冷却手段としては空冷用送風機が用いられる。
凝縮器16は吸着器13にて吸着剤から脱離放出された蒸気媒体を冷却して凝縮液化するものであり、その冷却には同様に空冷用送風機が用いられる。蒸発器3は真空容器22から構成され、この真空容器22内に凝縮器16で液化した吸着媒体としての水が液供給管18により供給されるものであり、凝縮器16より下方に配置される。この実施例では真空容器22内に前記伝熱管12が引き込まれており、液供給管18から供給される媒体(水)と伝熱管12内を流れる冷媒とを熱交換させる。そして、真空容器22内で蒸発して冷媒を冷却した蒸気媒体は、蒸気回収管19を介して吸着器13に戻され、吸着剤に再び吸着されることになる。尚、この蒸発器3の構造については後に詳述する。
以上の構成で、先ず吸着式冷凍装置4の動作を中心とした車両用空調装置1の動作を説明する。吸着式冷凍装置4は媒体脱離モードと媒体吸着モードとを周期的に繰り返す。媒体脱離モードでは、第1バルブ14及び第2バルブ17を開き、第3バルブ21を閉じる。また、エンジン冷却水により吸着器13を加熱する。尚、前記空冷用送風機は常時運転するが、エンジン冷却水による加熱能力が勝るため、吸着器13は加熱されて媒体脱離モードとなる。
このエンジン冷却水により吸着器13内の吸着剤が加熱されると、吸着器13内の相対湿度が低下して吸着容量が減少するため、吸着剤に吸着されていた媒体(蒸気)が脱離放出される。そして、吸着器13内の圧力が上昇するため、脱離した媒体(蒸気)は第1バルブ14を介して凝縮器16へと押し出され、凝縮器16にて空冷されて凝縮液化する。この液化した媒体(水)は第2バルブ17を介して液供給管18へと流下し、蒸発器3の真空容器22内に供給され、後述する如く一旦貯留された後、伝熱管12表面に流下する。
次に、吸着式冷凍装置4は媒体吸着モードに移行する。この媒体吸着モードでは第3バルブ21を開き、第1バルブ14及び第2バルブ17を閉じる。そして、エンジン冷却水による吸着器13の加熱を停止する。これにより吸着器13内の吸着剤は空冷用送風機により冷却されるようになる。
吸着器13が冷却されると、内部の相対湿度が増加するので、吸着剤の吸着容量が増加し、吸着器13内の媒体(蒸気)が吸着剤に吸着される。これにより、吸着器13内の圧力が低下し、この圧力低下は第3バルブ21及び蒸気回収管19を介して蒸発器3の真空容器22内に伝えられる。蒸発器3の真空容器22内の圧力低下により、伝熱管12表面に流下した媒体(水)が蒸発する。真空容器22内で蒸発した媒体(蒸気媒体)は蒸気回収管19により回収され、第3バルブ21を介して吸着器13に戻り、吸着剤に吸着される。このときの蒸発作用により伝熱管12内を流れる冷媒から潜熱を奪うので、冷媒は冷却されることになる。
伝熱管12は前述した如く蒸気圧縮式冷凍装置2の冷媒凝縮器7で凝縮された後の冷媒が流れているので、冷媒は蒸発器3によって過冷却されることになる。ここで、図5蒸気圧縮式冷凍装置2のp−h線図を示している。この図からも明らかな如く、吸着式冷凍装置4の蒸発器3による過冷却により、p−h線図の上辺L1が更に左に移動するので、下辺L2で示す冷凍能力が向上する。
次に、図2乃至図4を参照してこの実施例の蒸発器3の詳細構造について説明する。図2において、実施例の蒸発器3は軸を上下方向として配置された円筒状の前記真空容器22から構成されている。この真空容器22内は真空性を維持するために密閉空間とされており、上下方向の中央より上側の位置に取り付けられた仕切部材23により上下に仕切られ、その上側が貯留部24、下側が蒸発部26とされている。そして、前記液供給管(液供給部)18は真空容器22の傾斜した上面の中央頂部より少許ずれた位置に接続され、真空容器22上部の貯留部24内に開口している(図2)。
真空容器22内には、その底部から蒸発部26内に前記伝熱管12が引き込まれている。伝熱管12は蒸発部26内に引き込まれた後、上下方向を軸として螺旋状に巻回され、仕切部材23の下側まで上昇した後、螺旋の内側を降下して真空容器22外に出る形状とされている。即ち、冷媒凝縮器7から出た冷媒は蒸発器3内に入り、図中細矢印で示す如く螺旋状に上昇した後、降下して蒸発器3外に出た後、膨張弁8に至ることになる。このとき、伝熱管12は密着巻きでは無く、ピッチ巻き(相互に間隔を設けて螺旋状に巻回する巻き方)で巻回されており、螺旋状に巻回された部分12Aが真空容器22の内壁面に当接されている。また、部分12Aの上端部12Cは斜めに傾斜している。
仕切部材23は図3に示す如き円板から成り、その中央に蒸気回収管19を挿通するための透孔27が穿設されている。また、仕切部材23の外周縁は真空容器22の内壁面に当接している。そして、この仕切部材23の外周縁はローレット加工により図4に示すような複数の細かい切欠溝28が全周に渡って形成されている。この切欠溝28により仕切部材23上下の貯留部24と蒸発部26は連通しており、この切欠溝28が本発明の流下部を構成し、蒸発部26内に引き込まれた伝熱管12の螺旋状に巻回された部分12Aは、この切欠溝28の下方に対応している。
また、蒸気回収管19は真空容器22の上面中央から真空容器22内に引き込まれ、貯留部24を通過して仕切部材23の透孔27を通り、切欠溝28より内側において、仕切部材23下方の蒸発部26内に開口している。尚、この蒸気回収管19と透孔27との間は媒体(水)が漏れないように封止されている。また、これら伝熱管12、液供給管18、及び、蒸気回収管19が真空容器22の壁面を貫通する部分は、吸着式冷凍装置4の媒体回路内の真空性を維持するために密封されているものとする。
以上の構成で、吸着式冷凍装置4が前記媒体脱離モードになると、凝縮器16で凝縮液化した媒体(水)が液供給管18から真空容器22の貯留部24内に流入する。このとき、真空容器22内は仕切部材23で仕切られているので、流入した媒体(水)は仕切部材23上の貯留部24内に一旦貯留されるかたちとなる。しかしながら、仕切部材23の外周縁には全周に渡って切欠溝28が複数形成されているので、各切欠溝28から媒体(水)は分散されて蒸発部26内に徐々に流下していく。
尚、このときの流入量は、切欠溝28の数、形状及び寸法を調整することにより、後述する伝熱管12表面への液膜の形成との兼ね合いで、伝熱管12から直接下に落下しない程度の量、即ち、適量とする。各切欠溝28から蒸発部26内に流下した媒体(水)は、真空容器22の内壁面を伝って、図2中太線矢印の如く最も上部に位置する螺旋状の伝熱管12の上端部12C上面に至る。伝熱管22の上面に至った媒体(水)は伝熱管22の表面にて広がり、液膜を形成しながら伝熱管12の螺旋に沿って流れ下っていく(図2中太線矢印)。このとき、前述した如く切欠溝28から流下する媒体(水)の量は適量に調整されているので、伝熱管12表面から離れて直接下方に落下(滴下)してしまう媒体(水)の量は最小限に抑えられる。また、上端部12Cも傾斜しているので、媒体(水)はその表面を円滑に流れ下るようになる。
このような、段階に入ったところで吸着式冷凍装置4は前記媒体吸着モードに移行する。この媒体吸着モードになると、前述した如く吸着器13内の圧力が低下するので、蒸気回収管19を介して真空容器22の蒸発部26内の気圧も下がる。この気圧の低下に伴い、更に、伝熱管12内には冷媒凝縮器7から出た比較的温度の高い冷媒が流れているために、伝熱管12の表面を液膜を作りながら流れ下る媒体(水)は流下しながら蒸発していく。このときの潜熱を伝熱管12内を流れる冷媒から奪うので、冷媒は冷却されることになる(過冷却)。
このとき、伝熱管12内を螺旋状に上昇する冷媒と(細線矢印)、伝熱管12表面を流下する媒体(太線矢印)とは対向流になるので、伝熱管12の螺旋の開始から終了までの広い領域で良好な熱交換(冷却)が行われることになる。そして、蒸発部26内で蒸発した媒体(蒸気媒体)は上昇し、仕切部材23の中央で蒸発部26内に開口している蒸気回収管19内に流入して前述したように吸着器13内に戻り、吸着剤に吸着されることになる。尚、真空容器22の蒸発部26の底に落下してしまった媒体(水)も、このときに蒸発して吸着器13に戻っていく。
このように、真空容器22内を仕切部材23で上側の貯留部24と下側の蒸発部26とに仕切り、仕切部材23の外周部に複数の切欠溝28を形成したので、液供給管(液供給部)18から供給された媒体(水)を貯留部24にて一旦貯留した後、適量を切欠溝28から分散させて蒸発部26に流下させることができるようになり、効率良く伝熱管12内の冷媒(冷却対象)と媒体(水)とを熱交換させ、媒体(水)の蒸発による吸熱作用を最大限利用して冷媒を過冷却することができるようになる。
これにより、吸着式冷凍装置4内に封入する媒体の量を削減することが可能となる。また、真空容器22も円筒状とすることができるので、真空容器22の薄肉化による蒸発器3の小型化と軽量化を図ることができるようになり、吸着式冷凍装置4全体の小型化を図り、車両用空調装置1にとって好適なものとなる。
また、切欠溝28より内側における仕切部材23の中央にて蒸気回収管(蒸気回収部)19を開口させているので、蒸発部26内で蒸発した媒体(蒸気)を、切欠溝28やそこから流下する媒体(水)の流れと干渉すること無く 吸着器13に戻すことができるようになる。これにより、蒸発部26への媒体(水)の供給と、蒸発部26からの蒸発媒体の回収の双方を円滑に行うことが可能となる。
このとき、蒸気回収管19内と貯留部24内とは当該貯留部24に貯留された媒体(水)によって液封されているので、貯留部24内の媒体(水)が伝熱管12に至ること無く蒸発してしまう不都合も回避することができる。
また、蒸発部26内に引き込まれた伝熱管12は切欠溝28の下方において上下方向を軸とし、螺旋状に巻回されており、切欠溝28から流下した媒体(水)が、伝熱管12表面に液膜を形成しながら流下するので、蒸発部3内に引き込まれて巻回された伝熱管12の表面における媒体の蒸発を促進することができるようになる。また、伝熱管12の表面を流下する媒体(水)の多くの量を冷媒の冷却に利用することが可能となり、媒体(水)の蒸発による冷却対象の冷却効率を一層向上させることができるようになる。
この場合、伝熱管12はピッチ巻きで巻回されているので、密着巻きした場合の如く、媒体(水)がその表面を滝のように真っ直ぐ下に流れ下ってしまう不都合を防止し、伝熱管12の螺旋に沿って円滑に流下させることができるようになる。これにより、媒体と伝熱管12とが接している時間を長く保ち、一層効果的に熱交換させることが可能となる。
また、仕切部材23を真空容器22の内壁面に当接させ、その外周縁に複数の切欠溝28を形成して媒体(水)を流下させるようにしているので、仕切部材23の構造も簡素化され、製造コストの削減を図ることができる。更に、この実施例では螺旋状の伝熱管12が真空容器22の内壁面に当接しているので、媒体が伝熱管12の螺旋の外側に零れてしまう問題も生じない。
尚、図6に例示するように伝熱管12の上面に、突条29を形成しても良い。この場合、突条29は螺旋状に巻回された伝熱管12の真空容器22から離間した位置の上面から突出させ、伝熱管12の螺旋の進行方向に延在するように連続して形成する。係る突条29を形成すれば、伝熱管12上面に流下した媒体(水)が螺旋の内側に零れること無く、伝熱管12の螺旋に沿ってその上面を流下するようになる。
但し、突条29は最上部の螺旋の一周分形成すれば良い。即ち、突条29が存在すると、伝熱管12の上面しか熱交換に使用できなくなり、真空容器22に当接している部分以外の部分の伝熱管12表面を広く利用することができなくなるからである。また、後述する如く真空容器22と伝熱管12が作る隅角部には、媒体(水)が溜まり易くなるが、突条29はこれを助長する危険性もある。従って、突条29はその上方の切欠溝28から流下する媒体(水)を受け止め、螺旋に沿って流下させられれば十分である範囲に形成すると良い。
次に、図7及び図8は本発明の吸着式冷凍装置4の蒸発器3の更に他の実施例を示している。尚、図中において図1乃至図6中と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。この場合も同様に伝熱管12は真空容器22の底部から蒸発部26内に引き込まれて螺旋状に巻回(ピッチ巻き)されているが、螺旋状に巻回された部分12Aは、真空容器22の内壁面には当接しておらず、間隔X1(図8)を存して離間している。
また、仕切部材23は実施例1のような円板では無く、中央が高く、当該中央の頂部が透孔27にて開口した円錐状(フード状、或いは、笠状)とされ、最上部の透孔27が蒸気回収管19の開口端に接続、若しくは、図7に示す如く対応された構造(貯留部24での媒体の蒸発が問題にならない場合)とされている。また、仕切部材23の下部の外周縁は真空容器22の内壁面に当接しておらず、間隔を存して離間しており、その外周縁と真空容器22の内壁面間には、その上面が内方(仕切部材23方向)に低く傾斜した環状のスペーサ31が設けられている。即ち、この場合は仕切部材23が主仕切部材、スペーサ31が補助仕切部材となって両者で真空容器22内を上下に仕切ることになる。
そして、仕切部材23下部の外周縁はローレット加工により前述同様の複数の細かい切欠溝28が全周に渡って形成され、この切欠溝28により流下部(切欠溝28を構成する仕切部材23の外周縁の壁とスペーサ31の内周により囲まれた部分)を構成している。また、仕切部材23とスペーサ31の寸法を調整することにより、この切欠溝28は螺旋状に巻回された伝熱管12の管径の中心の上方に対応する位置とされている。
更に、伝熱管12の螺旋状に巻回された部分12Aの上端部12Cは斜めに傾斜しており、更に、上端部12Cは切欠溝28に近接され、最上部との間の間隔は、極めて小さい間隔X2(図8)とされている。また、蒸発部26内に引き込まれた伝熱管12は、先ず蒸発部26内の底部で巻回(12Bで示す)された後、螺旋状に上昇するように巻回されている。従って、この真空容器22の底部に対応する部分12Bには最も温度の高い冷媒が流れることになる。この場合、実施例では部分12Bが真空容器22の底面に当接して固定されている。それにより、真空容器22の底面からも伝熱管12内を流れる最も高温の冷媒が放熱できるようにしている。
このような構成としたことで、貯留部24内に一旦貯留された媒体(水)は切欠溝28からその下方の伝熱管12の管径の中心に向けて流下することになる。そして、伝熱管12の表面に液膜を形成しながら螺旋に沿って流れ下りながら蒸発する。この場合、伝熱管12の上端部12Cは斜めに傾斜しているので、切欠溝28から流下媒体(水)はその表面を円滑に流れ下るようになる。そして、蒸発した媒体(蒸気媒体)は上昇し、仕切部材23に回収されて中央の透孔27から蒸気回収管19に流入することになる。このとき、仕切部材23は円錐状を呈しているので、下方の蒸発部26にて生じた蒸気はその内面(下面)の傾斜に沿って円滑に透孔27に流入し、回収されるようになる。
ここで、実施例1の如く伝熱管12を真空容器22に当接させた場合、媒体(水)の蒸発による冷却作用が伝熱管12及び真空容器22を介して外部に伝わってしまう熱ロスが発生するが、実施例3の如く伝熱管12を真空容器22の内壁面から離間させれば、係る熱ロスを解消若しくは抑制することができるようになる。また、伝熱管12と真空容器22が当接していないので、媒体(水)は伝熱管12の全表面を伝わって流下することができるようになり、熱交換効率が更に良好となる。更に、実施例1の如く伝熱管12を真空容器22に当接させれば、伝熱管12の螺旋の外側に媒体が零れることは無くなるが、表面張力で伝熱管12と真空容器22内壁面とが作る隅角部に媒体が残留し易くなる。しかしながら、この実施例の如く伝熱管12を真空容器22の内壁面から離間させれば、係る問題を解消することができる。
また、切欠溝28は螺旋状に巻回された伝熱管12の管径の中心上方に対応しているので、媒体(水)を伝熱管12の上面に均等に流下させることができるようになり、伝熱管12の表面を効率良く熱交換に利用することができるようになる。
また、螺旋状に巻回された伝熱管12の上部は切欠溝28に近接しているので、切欠溝28から媒体(水)を途切れること無く連続的に伝熱管12に流下させることができるようになる。これにより、伝熱管12の螺旋に沿って流れること無く、滴下してしまう媒体(水)を効果的に解消若しくは抑制することが可能となる。
更に、伝熱管12の最も温度の高い冷媒が流れる部分12Bを真空容器22の底部に設けているので、真空容器22の蒸発部26内下部に溜まった媒体(水)の蒸発を促進し、吸着剤に円滑に戻すことが可能となる。尚、実施例では部分12Bを真空容器22の底面に固定したが、部分12Bが真空容器22の底面から少許離間していてもよい。それによっても、最も温度の高い冷媒によって、真空容器22の下部に溜まった媒体(水)の蒸発を促進することができる。
尚、図9に示すように、図7の真空容器22の内壁面に更に案内部32を取り付けても良い。この案内部32は螺旋状の伝熱管12の最上部より下方に対応する位置の真空容器22の内壁面に螺旋状に数段(実施例では三段)設けられており、内方に低く傾斜しながら伝熱管12方向に突出し、その先端(内端)は螺旋の間に入り込んでいる。
このような案内部32を真空容器22の内壁面に設ければ、切欠溝28から流下して伝熱管12の表面に液膜を形成し切れずに滴下してしまった媒体や、伝熱管12から外れて真空容器22との間を落下する媒体を受け止め、伝熱管12方向に案内してその表面に戻すことができるようになる。
次に、図10及び図11は本発明の更に他の実施例の吸着式冷凍装置4及び蒸発器3をそれぞれ示している。尚、各図中において図1乃至図9と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。この場合、蒸気圧縮式冷凍装置2、及び、吸着式冷凍装置4、その蒸発器3の真空容器22、仕切部材23、液供給管18、蒸気回収管19の基本的な構成は図1、及び、図2(実施例1)の場合と同様であるが、伝熱管12は真空容器22内に引き込まれておらず、その外壁面に当接して螺旋状に巻回(ピッチ巻き)されている。この場合、冷媒は螺旋の下から上に向かって流れる(図中の大矢印)。即ち、この場合も最も温度が高い冷媒が真空容器22の下部に位置する伝熱管12内を流れることになる。また、真空容器22の内壁面には、例えば親水性の塗料を塗布することで親水性処理が施されている。
このような構成とした場合、同様に各切欠溝28から蒸発部26内に流下した媒体(水)は、真空容器22の親水性の内壁面に液膜を形成しながら螺旋状の溝に沿って流下していく。そして、同様に蒸発するものであるが、そのときの吸熱作用は真空容器22の壁を介して伝熱管12に伝わり、内部を流れる冷媒を冷却することになる。
また、真空容器22の内壁面で図中の小矢印の如く蒸発した媒体(蒸気媒体)は図2の場合と同様に蒸気回収管19に入り、吸着器13に戻されることになるが、係る構成によれば、真空容器22の内壁面に媒体の液膜を形成し、真空容器22の壁面の広い範囲で媒体(水)を蒸発させることができるようになり、伝熱管12内の冷媒の冷却効率が向上する。特に、伝熱管12を真空容器22内に引き込むこと無く、真空容器22の外壁面に螺旋状に巻回して当接させているので、真空性を維持するための製造コストの削減を図ることができるようになる。更に、真空容器22の内壁面には親水性処理を施しているので、真空容器22の内壁面に一層良好に媒体(水)の液膜を形成することができるようになる。
更に、図12は本発明の更に他の実施例の蒸発器3を示している。尚、この図において図11と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものとする。この場合、真空容器22の内壁面には、外壁面の伝熱管12の螺旋に対応するかたちでそれに沿った位置に螺旋状の溝30が形成されている。
このように真空容器22の内壁面に螺旋状の溝30を形成すれば、溝30に沿って流下する媒体(図12に中にハッチングで示す)の流れを伝熱管12の位置に合わせることができるようになり、より直接的に媒体による冷却作用を伝熱管12内の冷媒に及ぼすことができるようになる。但し、螺旋状の溝30は、外側の伝熱管12の位置に対応していなくともよい。溝30があるだけで、媒体はこの溝30に沿って流れるようになるので、真空容器22の内壁面を真っ直ぐ下に流れ下ってしまう不都合を防止され、伝熱管12内の冷媒との熱交換効率が向上するからである。
尚、親水性処理は実施例5、6に限らず、実施例1乃至実施例4における伝熱管12の表面に施しても良い。それにより、伝熱管12の表面に一層良好に媒体(水)の液膜を形成することができるようになる。また、実施例1及び実施例2においても、実施例3の如く伝熱管12の螺旋状に巻回された部分12Aの上部を切欠溝28に近接させ、また、最も温度が高い冷媒が流れる部分(前述の12B)を真空容器22の底部に対応させれば、それらによる実施例3と同様の効果を享受することができる。
また、実施例では車両用空調装置1に本発明の蒸発器3を備えた吸着式冷凍装置4を適用したが、請求項1乃至請求項15の蒸発器3及びそれを備えた吸着式冷凍装置4はそれに限らず、他の冷凍・空調装置、或いは、冷媒以外の冷却対象を有する各種装置に適用可能であることは云うまでもない。また、実施例では単一の吸着式冷凍装置4を蒸気圧縮式冷凍装置2に組み込んだが、それに限らず、それぞれ蒸発器3を備えた複数の吸着式冷凍装置4を設け、媒体脱離モードと媒体吸着モードを交互にずらして実行することにより、連続的に冷媒の過冷却を行わせるようにしても有効である。
1 車両用空調装置
2 蒸気圧縮式冷凍装置
3 蒸発器
4 吸着式冷凍装置
6 冷媒圧縮機
7 冷媒凝縮器
8 膨張弁
9 冷媒蒸発器
12 伝熱管
13 吸収器
16 凝縮器
18 液供給管(液供給部)
19 蒸気回収管(蒸気回収部)
22 真空容器
23 仕切部材
24 貯留部
26 蒸発部
28 切欠溝(流下部)
29 突条
31 スペーサ
32 案内部

Claims (16)

  1. 吸着剤から脱離され、凝縮液化された媒体が流入すると共に、前記吸着剤に前記媒体が吸着されることに伴って当該媒体が蒸発することにより、冷却対象を冷却する吸着式冷凍装置の蒸発器において、
    真空容器と、
    前記凝縮液化された媒体を前記真空容器内上部に流入させる液供給部と、
    前記真空容器内を上下に仕切り、上側を前記液供給部からの媒体が一旦貯留される貯留部とし、下側を前記冷却対象が冷却される蒸発部とする仕切部材と、
    該仕切部材の外周部に形成され、前記貯留部に貯留された媒体を分散させて前記蒸発部内に流下させる流下部と、
    該流下部より内側における前記仕切部材に設けられ、前記蒸発部内で蒸発して前記冷却対象を冷却し、上昇する蒸気媒体を回収して前記吸着剤に戻す蒸気回収部とを備えたことを特徴とする吸着式冷凍装置の蒸発器。
  2. 前記流下部は前記仕切部材の外周縁に形成された複数の切欠溝により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  3. 前記真空容器の蒸発部内に引き込まれ、前記冷却対象が流通する伝熱管を備え、
    該伝熱管は前記流下部の下方において上下方向を軸とし、螺旋状に巻回されており、
    前記流下部から流下した媒体が、前記伝熱管表面に液膜を形成しながら流下することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  4. 前記伝熱管はピッチ巻きされていることを特徴とする請求項3に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  5. 前記流下部は前記螺旋状に巻回された伝熱管の管径の中心上方に対応していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  6. 前記螺旋状に巻回された伝熱管の上部は、前記流下部に近接していることを特徴とする請求項3乃至請求項5のうちの何れかに記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  7. 前記伝熱管は前記真空容器の内壁面に当接していることを特徴とする請求項3乃至請求項6のうちの何れかに記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  8. 前記真空容器から離間した位置の前記伝熱管上面には、当該伝熱管の螺旋の進行方向に延在する突条が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  9. 前記伝熱管は前記真空容器の内壁面から離間していることを特徴とする請求項3乃至請求項6のうちの何れかに記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  10. 前記真空容器の内壁面に設けられ、前記伝熱管と前記真空容器との間を落下する前記媒体を前記伝熱管方向に案内する案内部を備えたことを特徴とする請求項9に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  11. 前記蒸発部に対応する位置の前記真空容器外壁面に当接して設けられ、前記冷却対象が流通する伝熱管を備え、
    前記流下部から流下した媒体が、前記真空容器内壁面に液膜を形成しながら流下することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  12. 前記伝熱管は、前記真空容器外壁面に螺旋状に巻回されており、前記真空容器内壁面には、螺旋状の溝が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  13. 前記伝熱管表面及び/又は前記真空容器内壁面は、親水性処理が施されていることを特徴とする請求項3乃至請求項12のうちの何れかに記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  14. 前記真空容器の底部に対応する前記伝熱管に、最も温度の高い前記冷却対象が流通することを特徴とする請求項1乃至請求項13のうちの何れかに記載の吸着式冷凍装置の蒸発器。
  15. 冷却されることにより前記媒体を吸着し、加熱されることにより前記媒体を脱離する前記吸着剤を備えた吸着器と、該吸着器の媒体出口に接続された凝縮器と、請求項1乃至請求項14のうちの何れかに記載の蒸発器とを備え、
    該蒸発器の液供給部が前記凝縮器の媒体出口に接続され、前記蒸発器の蒸気回収部が前記吸着器の媒体入口に接続されていることを特徴とする吸着式冷凍装置。
  16. 蒸気圧縮式冷凍装置と、請求項15に記載の吸着式冷凍装置とを備え、
    該吸着式冷凍装置の蒸発器は前記蒸気圧縮式冷凍装置の冷媒回路に組み込まれ、該冷媒回路を流れる冷媒を前記冷却対象として冷却することを特徴とする車両用空調装置。
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