JP2013237950A - 紫外線遮蔽性を有する繊維製品および該繊維製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い紫外線遮蔽作用を有し、かつその作用が持続する紫外線遮蔽性繊維製品および該紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】紫外線遮蔽剤が下記式(1)で表される複合金属酸化物の固溶体である、紫外線遮蔽性繊維製品および該紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法による。
(ZnO)1-x(Al23x (1)
(式中、xは0.005≦x<0.2である)
【選択図】なし

Description

本発明は紫外線遮蔽性を有する繊維製品および該繊維製品の製造方法に関する。
皮膚ガン、皮膚の老化の観点から近年紫外線の弊害が大きな問題になり、テレビ報道でも紫外線の強弱の予報がなされるようになった。また、新聞ではオゾンホールの拡大が1面のトップ記事になり、紫外線の害が大きな話題になっている。この紫外線の害を防ぐため衣服、傘、カーテン等の繊維製品に紫外線遮蔽性を付与することが重要になってきた。しかし、有機系の紫外線遮蔽剤はアレルギーの発症、その他の健康への悪影響、紫外線遮蔽効果の持続性不足、繊維製品の着色等の弊害、洗濯時に容易に脱離するため洗濯耐性の不足等の弊害があり問題であった。一方、無機系の紫外線遮蔽剤である酸化亜鉛を用いる方法が知られているが、酸化亜鉛は粒子サイズを小さくすることが困難であり、また繊維に付着させる際に酸化亜鉛粒子が凝集し易いため、紫外線遮蔽効果が不十分であり、また繊維製品への付着性が劣るため洗濯時に容易に脱離する問題がありこれも好ましくなかった。
有機系の紫外線遮蔽剤を繊維製品に付着させる方法としては、繊維の段階で含浸処理、練り込み処理が用いられているが、その付着処理自体のコストが高いことこと、繊維の状態でこれらの紫外線遮蔽剤を付着させる方法は繊維製品の製造からも好ましくない。即ち繊維の製造時に加工すると製糸、織布、染色等の多くの工程で紫外線遮蔽剤が脱離等の欠陥が生じる恐れがあり、また長期間にわたり大量の在庫を保有する必要も生じる。紫外線遮蔽性能が十分に高く、かつその性能が洗濯時、長期の保存時に低下することがなく、人体に安全で、しかも容易に繊維、織布に紫外線遮蔽性能を付与できる方法が望まれていた。
本発明は、高い紫外線遮蔽作用を有し、かつその作用が持続する紫外線遮蔽性繊維製品および該繊維製品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明者は酸化亜鉛と酸化アルミニウムを含有する固溶体である複合金属酸化物が高い紫外線遮蔽性を有する紫外線遮蔽性剤であり、その紫外線遮蔽性剤を担持した繊維製品が高い紫外線遮蔽作用を示し、かつその作用が長期に持続し、多数回の洗濯によってもその作用を失わない紫外線遮蔽性繊維製品になることを見出した。
(1)紫外線遮蔽剤が下記式(1)で表される複合金属酸化物で(ある紫外線遮蔽性繊維製品。
(ZnO)1-x(Al23x (1)
(式中、xは0.005≦x<0.2である)
(2)該複合金属酸化物が固溶体である(1)項に記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
(3)該複合金属酸化物の一次粒子サイズが0.01〜0.2μmである(1)から(2)項のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
(4)該複合金属酸化物の粒子が高級脂肪酸、リン酸エステル、カップリング剤(シラン系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面処理剤の内の少なくとも一種により表面処理されている(1)〜(3)項のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
(5)該繊維製品が綿、麻等のセルロース繊維、ウール、カシミヤ等のタンパク繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、酢酸セルロース(アセテート等)等の半合成繊維を少なくとも1種含有する(1)から(4)項のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
(6)該繊維製品が綿、麻、レーヨンを少なくとも1種を含有する(5)項に記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
(7)(1)〜(6)項のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法において、該製造方法が少なくとも1種の該複合金属酸化物を水に分散した液(水分散液)を用いる工程を含み、該工程の中の少なくとも一つの工程で、該水分散液中の該複合金属酸化物粒子の平均粒子サイズが0.05〜1.0μmである紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
(8)(1)から(6)項のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法において、該製造方法が該繊維製品に少なくとも1種の柔軟剤を処理する工程を含み、かつ該柔軟剤を処理する工程の前に該複合金属酸化物を該繊維製品に処理する紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
(9)(1)から(6)項のいずれかに記載された紫外線遮蔽性繊維製品を製造する方法において、該複合金属酸化物を少なくとも1種およびカルボン酸型アニオン界面活性剤を少なくとも1種含有する水分散液を用いる紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
(10)(1)から(6)項のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法において、該製造方法が該繊維製品に少なくとも1種の合成高分子ポリビニルアルコールを処理する工程を含む紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
本発明の紫外線遮蔽性繊維製品は、従来の紫外線遮蔽性繊維製品より高い紫外線遮蔽作用を示し、かつ少量の紫外線遮蔽性剤の添加で高い紫外線遮蔽性作用発揮し、かつ多数回の洗濯によっても紫外線遮蔽作用を失わない点で優れている。また、着色、変色等の繊維製品の価値を落とす欠点も有せず好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合金属酸化物は下記式(1)で表される酸化亜鉛および酸化アルミニウムを含む複合金属酸化物である。
(ZnO)1-x(Al23x (1)
式中、xは0.005≦x<0.2であることが好ましく、0.02≦x<0.1であることがより粉ましく、0.04≦x<0.08であることがさらに好ましい。
xが0.2以上であると紫外線遮蔽性能が低下する。これは紫外線遮蔽作用は主として複合金属酸化物の中の酸化亜鉛に由来しているためと思われる。一方、xが0.005未満であると紫外線遮蔽性能が低下するが、これは複合金属酸化物の水分散液中の分散性が低下し平均粒子系が大きくなり、その結果表面積が低下し紫外線遮蔽作用を示すサイトが減るためと思われる。本発明の複合金属酸化物は固溶体であることが好ましい。本発明において固溶体とはX線回折分析において酸化亜鉛および酸化アルミニウム各々の固有の回折線を実質上有しないもの(同一組成に計量された酸化亜鉛と酸化アルミニウムの混合物に比べ、酸化亜鉛および酸化アルミニウムの固有の回折線の強度が30%以下に低下したもの)を言う。すなわち、X線回折上は結晶内の原子(亜鉛イオンおよびアルミニウムイオン)が均一に混合された状態の化合物を示す。両金属イオンが均一に原子レベルで混合することで、少量の酸化アルミニウムにより水中での分散性向上が可能となると推測している。
本発明の複合金属酸化物は粒子状であり、その一次粒子の平均粒子サイズが0.01〜0.2μmであることが好ましく、0.01〜0.1μmであることがより好ましく、0.01〜0.06μmであることがさらに好ましい。一次粒子の平均粒子サイズは、複合金属酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真から不作為に50個以上の粒子を選びその各粒子の画像と同等の面積の円の直径を求め、その直径を粒子サイズとした。本発明の複合金属酸化物の水分散液中の平均粒子サイズは、水分散液を採取し、その液を5分間以上超音波で処理した後に、レーザー光散乱法で測定した。
本発明の複合金属酸化物においてBET比表面積は重要な指標である。一般に紫外線遮蔽作用を高くするためにはBET比表面積が大きいことが好ましい。しかし、一方ではBET比表面積が大き過ぎると、繊維製品への付着、空中への散布等の使用の際に複合金属酸化物粒子が凝集し、かえって実用上の表面積が小さくなり紫外線遮蔽作用が低くなることがある。このため、BET表面積は1〜300m/gが好ましく、3〜150m/gがより好ましく、3〜80m/gがさらに好ましい。粒子サイズが小さいと総表面積が大きくなる。紫外線遮蔽作用は複合金属酸化物粒子の表面が関与するので、粒子サイズが小さいほど紫外線遮蔽作用は大きくなる。しかし、ある程度以上一次粒子サイズが小さくなると、表面積が大きい故に粒子が凝集し易くなり、かえって実際の使用時の表面積が減少することが起こりやすい。本発明の複合金属酸化物粒子のサイズに最適領域が存在するのはこのためと思われる。
本発明の複合金属酸化物は表面処理されることが好ましい。表面処理剤として好ましく用いられるものを例示すれば次の通りである。ステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類;前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ステアリルアルコール、オレイルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩;ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリルスルホン酸塩、エステル結合アルキルアリルスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリルスルホン酸塩等のアニオン系界面活性剤類;オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等のリン酸エステル類;ビニルエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシーエトキシ)シラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ベーター(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤類;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタネート系カップリング剤類;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等の多価アルコールと脂肪酸のエステル類。
この中でも、高級脂肪酸、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル、カップリング剤(シラン系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面処理剤の内の少なくとも一種による表面処理が好ましく、さらにステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類および前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩が特に好ましい。
本発明の紫外線遮蔽性繊維製品に好ましく用いられる繊維は、綿、麻等のセルロース繊維、ウール、カシミヤ等のタンパク繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、酢酸セルロース(アセテート等)、プロミックス等の半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリウレタン繊維、ポリオキシメチレン(ポリアセタール)繊維等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維がある。より好ましいのは、綿、麻等のセルロース繊維、ウール、カシミヤ等のタンパク繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、酢酸セルロース(アセテート等)、プロミックス等の半合成繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維である。さらに好ましいのは、綿、麻等のセルロース繊維、ウール、カシミヤ等のタンパク繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、酢酸セルロース(アセテート等)等の半合成繊維である。さらに好ましいのは、綿、麻等のセルロース繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、酢酸セルロース(アセテート等)等の半合成繊維からなるセルロース繊維である。もっとも好ましいものは綿、麻、レーヨンである。好ましい繊維は水酸基を有し、かつ表面に凹凸が多いものである。なお、綿、麻、レーヨンを含有する混紡も特に好ましい。混紡の相手は特に選ばないがポリエステルが好ましい。混紡率は綿、麻、レーヨンを10%以上含むことが好ましい。
本発明の紫外線遮蔽性繊維製品には、本発明の複合金属酸化物に加え、界面活性剤、柔軟剤、高分子化合物(バインダー)、有機系の紫外線吸収剤、染料等を含有させることができる。柔軟剤を含有させる場合は、予め本発明の複合金属酸化物を担持させた後に、柔軟剤を担持させることが好ましい。
柔軟剤を本発明の紫外線遮蔽性繊維製品に付与(処理)する工程を、本発明の複合金属酸化物を付与(処理)する工程と同時、前、後のいずれでも可能であるが、特に本発明の複合金属酸化物を付与(処理)する工程の後に、柔軟剤を付与(処理)する工程があることが好ましい。本発明に用いられる柔軟剤は、一般に使用されているエステルアンモニウム型柔軟材を挙げることができる。このようなものとして、例えば、プロピレングリコール、グリセロールエステル、グルコースエステル、ペンタエリトリトールエステル、ショ糖エステル、プロピレングリコールエステル、ビスメチル−α−D−グルコピラノシドエステル、ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。特に好ましいものはカチオン界面活性剤であり、具体的にはジオレイルジメチルアンモニウム塩である。
本発明の複合金属酸化物を水その他の溶剤に分散するときに、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤のいずれをも用いることができる。また低分子型界面活性剤、高分子型界面活性剤のいずれも用いることができる。これらの界面活性剤を1種用いることも、2種以上を混合して用いることもできる。アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤の中では分散の安定性の観点でアニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤がより好ましい。アニオン界面活性剤の中でもカルボン酸型アニオン界面活性剤が特に好ましい。
本発明で用いることができるアニオン性界面活性剤としては、カルボン酸型、スルホン酸型、スルホン酸エステル型、リン酸エステル型アニオン界面活性剤がある。具体的には例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム等のN−アシルグルタミン酸、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸、ジトリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸コラーゲン加水分解アルカリ塩等が挙げられる。
本発明で用いることができるカルボン酸型アニオン界面活性剤としては炭素数が5〜22のものが好ましい。具体的にはカプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトイル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレステアリン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ヤシ脂肪酸等およびその塩が好ましい。塩としてはこれらのナトリウム塩、あるいはカリウム塩が好ましい。
本発明で用いることができるノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド含有化合物、ポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドのブロックコポリマー類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アミドジエタノ−ル、アシルグルコシド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられるが、特に好ましくは、ポリエチレンオキシド含有化合物、ポリエチレンオキシドポリプロピレンオキシドのブロックコポリマー類またはショ糖脂肪酸エステルである。
本発明で用いることができる両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、グリシン型などが挙げられる。好ましくは、2ーアルキルーNーカルボキシメチルーNー ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインまたはヤシ 油脂肪酸アミドプロピルベタインである。
これらのアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤は単独で、またはこれらを組み合わせて2種以上用いることができ、その配合量は界面活性剤の総量としては、無機系複合金属酸化物を含有する分散液、溶液の全量の0.005〜5重量%、好ましくは、0.05〜3重量%である。
本発明で用いられる複合金属酸化物を繊維製品に付与する方法は種々のものがある。複合金属酸化物を水に分散した複合金属酸化物含有の水分散液に布を浸漬させる方法(浸漬法)、複合金属酸化物を水に分散した複合金属酸化物含有の水分散液を布に噴霧する方法(噴霧法)、複合金属酸化物を水に分散した複合金属酸化物含有の水分散液を布に塗布する方法(塗布法)、布にインクジェット法で付着させる方法、複合金属酸化物粒子を繊維の空隙に含浸させる方法(含浸法)、複合金属酸化物粒子を繊維に練りこむ方法(練りこみ法)等を用いることができる。これらの内、含浸法、練りこみ法は特定の合成繊維でのみ可能な方法であり、綿、麻、レーヨンのセルロース系繊維には用いることができないことと、布に処理できず繊維の段階で処理せざるを得ないため、在庫の増加によるコストの増加、注文に適切に応じることができないことによる、取引機会の損失等の好ましくない点がある。 上記の浸漬法、塗布法、噴霧方法、インクジェット法はいずれも織布に行えるため、在庫が少量ですむ為コストが安く、迅速に注文に応じられることもあり好ましい。これらの方法の中では、インクジェット法は設備が高価なため、残りの他の方法よりはコストが高く好ましくない。浸漬法、塗布法、噴霧法の中では、設備のコストが安いことから、浸漬法、噴霧法が好ましい。さらに、他の用途の既存の設備であっても容易に利用でき、かつ付着量の制御が容易であることから浸漬法が最も好ましい。浸漬させた後にニップローラー、スクイーズローラー、ドクターナイフ等で付着量を制御することが好ましい。複合金属酸化物は水分散液に均一に分散されているので、この水分散液の付着量および水分散液中の複合金属酸化物の含有量で布への複合金属酸化物の付着量を決めることができる。
噴霧法は布を裁断後にも容易に紫外線遮蔽性処理ができるため、安価で、迅速に、簡便に紫外線遮蔽性繊維製品を製造する方法として好ましい。噴霧時の液滴のサイズが1〜500μmで噴霧することが好ましく、1〜100μmがより好ましく、1〜20μmが特に好ましい。
本発明の紫外線遮蔽性繊維製品が洗濯および漂白処理時の紫外線遮蔽性性能の低下が小さい理由は、一つは本発明の複合金属酸化物が化学的に安定な性質のためであるが、洗濯および漂白処理時に本発明の複合金属酸化物が繊維から脱落し難いこともその理由である。本発明の複合金属酸化物がこれらの処理中に脱落し難い理由は明確ではない。しかし、この効果が綿、麻等のセルロース系繊維で顕著であることから、次のように推定している。酸化亜鉛に酸化アルミニウムが固溶化することで、表面の水酸基の性質が変化したこと、微粒子の物理的性質(硬度等)が変化したこと、粒子同士の凝集力が低下し水分散液の分散性が向上したことが考えられる。これらにより繊維との付着が強固になったと思われる。ほとんど全ての繊維製品において洗濯および漂白処理時の紫外線遮蔽性性能の低下が小さいが、繊維特に水酸基を有するセルロース系繊維(綿、麻、レーヨン)でこの傾向が顕著である
本発明で用いられる合成高分子ポリビニルアルコールは、通常の酢酸ビニルを重合して得られるポリ酢酸ビニルを鹸化させた水酸基を持ったビニル樹脂である。合成高分子ポリビニルアルコールであればいずれも好ましく用いることができる。合成高分子ポリビニルアルコールの重合度、けん化度は種々のものを用いることができる。繊維製品に付着させる工程に用いる合成高分子ポリビニルアルコールの水溶液の好ましい性質、すなわち合成高分子ポリビニルアルコールの濃度(溶解度)、溶液粘度が得られる重合度、けん化度を選ぶ必要がある。一般に重合度が上がると溶解性が低下し、また溶液粘度が高くなる。また、けん化度が上がると溶解性が低下し、また溶液粘度が高くなる傾向がある。また、繊維製品に付着後に本発明の複合金属酸化物を保持する能力を高めるためには、重合度は高めで、けん化度は中程度が好ましい。さらに、繊維製品に合成高分子ポリビニルアルコールを付着させる工程で、該合成高分子ポリビニルアルコールを含む水溶液のゲル化を防止することも考慮する必要がある。水溶液のゲル化が進むと繊維製品に付着する成高分子ポリビニルアルコールの量が変化する、あるいは水溶液のハンドリングが困難になる等の好ましくない点がある。該合成高分子ポリビニルアルコール水溶液のゲル化を防止する方法としては、該合成高分子ポリビニルアルコールの種類を適切に選択するのみでなく、その水溶液の該合成高分子ポリビニルアルコールの含有濃度、水溶液のpH(6以下の低めが好ましい)、水溶液の保存温度(30℃以下が好ましい)、水溶液にメチルアルコール(10%から30%含有させることが好ましい)等の有機系溶剤を混合する等種々の方法がある。
合成高分子ポリビニルアルコールはいずれも好ましく用いることができる。たとえば日本合成化学のゴーセノールの種々の品種が挙げられる。特に限定されないが、好ましい例としてたとえば、ゴーセノールKL−20,05,03、KP−08R、KH−17,11、H−17,14,14L,05が挙げられる。
本発明の紫外線遮蔽性繊維製品の合成高分子ポリビニルアルコールの含有量は、0.02〜1.0g/繊維製品100gが好ましく、0.03〜0.7g/繊維製品100gがより好ましく、0.03〜0.4g/繊維製品100gがさらに好ましい。
本発明の紫外線遮蔽性繊維製品は事業所および家庭等のあらゆる場所で用いられる作業着、ユニホーム、帽子、手袋、靴下、スリッパ、ハンカチ、マスク、下着、寝巻き等の衣類、カーテン、カーペット、椅子のカバー、壁の内張り、タオル等の内装品、シーツ、布団、毛布、肌掛け、枕カバー等の寝具、空調機の空気フィルター、浄水器の水用のフィルター、風呂の循環水のフィルター、各種の器具、用具の保管容器等に用いることができる。
以下、実施例により詳細説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
(実施例1)<複合金属酸化物の合成>
硝酸亜鉛と硝酸アルミニウムの混合水溶液(Zn+2=0.95mol/L、Al+3=0.05mol/L)2Lを、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液2Lと0.6mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液0.5Lとの混合溶液に、撹拌下に約1分間(添加時間)で全量加え、反応させた(反応温度約30℃)。得られた反応物スラリーを減圧濾過、水洗し、乾燥した。乾燥物を粉砕して得られた粉末を400℃で1.5時間焼成し本発明の複合金属酸化物A−3を得た。上記の添加時間を2分間にし、反応温度を45℃にした以外はA−3と同様にして、複合金属酸化物A−6を得た。上記の添加時間を6分間にし、反応温度を60℃にした以外はA−3と同様にして、複合金属酸化物A−7を得た。また、硝酸亜鉛と硝酸アルミニウムの量比を変更した以外はA−3と同様にして本発明の複合金属酸化物A−1,2,4,5、および比較例の複合金属酸化物C−1、2を得た。複合金属酸化物A−1〜7、C−1,2を粉末X線回折法により測定した結果、酸化亜鉛および酸化アルミニウム固有の回折線の強度が新規に発生した回折線の強度の10%以下になっており、固溶体であることが確認できた。複合金属酸化物の一次粒子の平均サイズを走査型電子顕微鏡写真より求めた。A−1〜7,C−1,2の一次粒子の平均サイズは、それぞれ0.05、0.03、0.02、0.02、0.02、0.16、0.30,0.04、0.21μmであった。
<本発明の複合金属酸化物>
A−1からA−7の複合金属酸化物は本発明の式(1)で表される化合物である。
化合物No. 式(1)中のxの値
A−1 0.01 本発明
A−2 0.03 本発明
A−3 0.05 本発明
A−4 0.10 本発明
A−5 0.16 本発明
A−6 0.05 本発明
A−7 0.05 本発明
<比較例化合物>
化合物No. 式(1)中のxの値
C−1 0.22 比較例
C−2 0.001 比較例
C−3 酸化亜鉛 0.25μm 比較例
C−1およびC−2は本発明の複合金属酸化物の式(1)で表される化合物であるが、xの値が本発明の規定を外れている。
(実施例2)
<本発明の複合金属酸化物および比較例化合物の水分散液の作成>
容器にの精製水を入れ、それにカルボン酸型アニオン界面活性剤であるラウリン酸ナトリウムを1重量%添加し、さらに複合金属酸化物A−1を添加し、0.5mm径のアルミナ製のボールを投入し、この容器を回転ローラーに載せ、ボールミル機の常法に従い48時間回転分散処理をし、本発明の複合金属酸化物A−1の水分散液Y−1を調製した。A−1の濃度は10重量%であった。本発明の複合金属酸化物A−1の代わりに、A−2〜7、C−1、2,3を各々用いた以外はY−1と同様にして本発明の複合金属酸化物の水分散液各々Y−2〜7、Y−3Sおよび比較例化合物の水分散液CY−1,2,3を得た。
<表面処理された本発明の複合金属酸化物の調製>
上記の水分散物Y−3にラウリン酸ソーダを添加し、ラウリン酸で表面処理された複合金属酸化物A−3を含む水分散物Y−3Sを得た。表面に付着したラウリン酸量は、Y−3Sを乾燥し固形分を得て、それを塩酸に溶解後、エーテル抽出し、乾燥する重量法で測定した結果、本発明の複合金属酸化物A−3に対し2.1重量%であった。
(実施例3)
<洗濯方法>
ワッシャー洗濯機を用い、水量90L に「JAFET標準配合洗剤」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム)120ml を添加して洗濯液とし、洗濯液に浴比が1:30になるようサンプル布を投入し、40℃で120分間洗濯をし、その後で家庭洗濯機を用いてすすぎを行った。この洗濯とすすぎ、乾燥の一連の工程1回を、SEKのマニュアルに従い洗濯10回相当とした。下記に示す洗濯20回相当とはこの一連の工程を2回行ったことを示し、洗濯50回相当とはこの工程を5回繰り返したことを示す。
<紫外線遮蔽作用の試験と判定基準>
紫外可視分光光度計UV−3150PC(島津製作所(株)を使用し、試験試料の波長0.28μm〜0.40μm域の紫外線透過度を測定した。この波長領域の対応する未洗濯の未処理布の透過度の面積をSZとして、各処理布(洗濯前、洗濯後)の各々のこの波長域の透過度の面積をSとする。これらの面積の比(S/SZ)×100を紫外線遮蔽作用を示す値とした。この値が小さいほど紫外線遮蔽作用が大きく好ましい。この値が20以下ならば紫外線遮蔽繊維製品として十分価値があり好ましく、10以下ならば優れた製品と言えより好ましく、5以下ならば特別に優れた製品と言えさらに好ましい。
(実施例4)
上記の本発明の複合金属酸化物A−3の水分散液Y−3を水で希釈し、A−3を0.8重量%含有する水分散希釈液(Y−3K)を得た。この水分散希釈液に綿ブロードを浸漬し、その後にニップローラーを通し、乾燥しA−3を繊維製品100gあたり0.8g含有する処理布H4−3を得た。A−3の付着量はニップローラーを通した直後に布に付着した液重量を計量し、それと水分散液のA−3の含有率より計算して得た。本発明の複合金属酸化物の水分散液Y−3の代わりに比較例化合物の水分散液CY−1,2,3を各々用いた以外はH4−3と同様にして、比較例処理布CH4−1.2.3を得た。これらの処理布の比較例化合物の含有量は0.8g/繊維製品100gであった。上記の処理布サンプルに、実施例3記載の洗濯方法で洗濯した後、実施例3記載の紫外線遮蔽作用の試験を行った。
処理布サンプルNo. 測定結果
洗濯回数 0 10 20 回
H4−3 4 4 6 本発明
CH4−1 15 25 37 比較例
CH4−2 30 60 80 比較例
CH4−3 50 75 90 比較例
本発明の複合金属酸化物の水分散液で処理したサンプルH4−3は、比較例のCH4−1〜3よりも紫外線遮蔽性作用が高く、また洗濯による紫外線遮蔽性作用の低下が小さく好ましかった。
(実施例5)
綿ブロードの代わりにポリエステル80%/綿20%の混紡織布を用いた以外は実施例4の処理布H4−3と同様にして、処理布H5−3を得た。水分散液Y−3の代わりに本発明の複合金属酸化物の水分散液Y−1,2,5,6,7および比較例化合物の水分散液CY−1,2,3のを各々用いた以外はH5−3と同様にして、処理布H5−1,2,4,5,6,7およびCH5−1.2.3を得た。これら10種の処理布の本発明の複合金属酸化物、比較例化合物の含有量は0.8g/繊維製品100gであった。上記の処理布サンプルに、実施例3記載の洗濯方法で洗濯した後、実施例3記載の紫外線遮蔽作用の試験を行った。
処理布サンプルNo. 測定結果
洗濯回数 0 20 回
H5−1 5 15 本発明
H5−2 4 9 本発明
H5−3 4 6 本発明
H5−4 4 7 本発明
H5−5 4 8 本発明
H5−6 10 15 本発明
H5−7 12 18 本発明
CH5−1 21 45 比較例
CH5−2 28 90 比較例
CH5−3 40 95 比較例
本発明の処理布H5−1〜7は比較例のCH−1〜3に比べ紫外線遮蔽性が高く好ましかった。本発明の処理布の中でもやや一次平均粒子サイズが大きいH5−6、H5−7は紫外線遮蔽性能が他の本発明の処理布より低かった。
(実施例6)
複合金属酸化物の水分散液の調製において、ボールミル機による48時間回転分散処理の代わりに、各々24時間、12時間、6時間の回転処理をした以外は実施例2記載のY−3と同様にして本発明の複合金属酸化物A−3の水分散液Y−3A、3B、3Cを得た。Y−3の代わりに水分散液Y−3A、3B、3Cを各々用いた以外は実施例4記載の水分散希釈液Y−3Kと同様にして水分散希釈液Y−3AK、3BK、3CKを得た。水分散希釈液Y−3K、3AK、3BK、3CK液中の複合金属酸化物の粒子サイズは、各々、0.12,0.40,0.70,1.20μmであった。粒子サイズの測定は超音波分散機で水分散液を5分間処理した後に、ヤマト科学製レーザー散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した。これらの水分散希釈液Y−3K、3AK、3BK、3CKを各々用いた以外は実施例4記載の処理布サンプルH4−3と同様にして処理布サンプルH6−3A,3B、3Cを得た。これら4種の処理布のA−3の含有量は0.8g/繊維製品100gであった。上記の処理布サンプルに、実施例3記載の洗濯方法で洗濯した後、実施例3記載の紫外線遮蔽作用の試験を行った。
処理布サンプルNo. 測定結果
洗濯回数 0 10 回
H4−3 4 4 本発明
H6−3A 8 12 本発明
H6−3B 10 16 本発明
H6−3C 13 19 本発明
いずれも本発明のサンプルであるが、水分散液中の複合金属酸化物の粒子サイズが0.12μmのサンプルH4−3は、粒子サイズが0.40μm以上のサンプルH6−3A,3B、3Cより紫外線遮蔽作用が大きく、かつ洗濯後の紫外線遮蔽作用の低下が小さく好ましかった。
(実施例7)
カルボン酸型アニオン界面活性剤であるラウリン酸ナトリウムの代わりに、スルホン酸
型アニオン界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名ライポンL
S−250;ライオン(株)製)を1重量%用いた以外は実施例2に記載の複合金属酸化
物の水分散液Y−3と同様にして分散液Z−3を得た。複合金属酸化物A−3の代わりに、比較例化合物C−3用いた以外はZ−3と同様にして、水分散物CZ−3を得た。水分散物Y−3の代わりに、各々Z−3、CZ−3を用いた以外は実施例4のH4−3と同様にして、処理布ZH7−3、CZH7−3を得た。これら2種の処理布のA−3の含有量は0.8g/繊維製品100gであった。上記の処理布サンプルに、実施例3記載の洗濯方法で洗濯した後、実施例3記載の紫外線遮蔽作用の試験を行った。
処理布サンプルNo. 測定結果
洗濯回数 0 20 回
ZH7−3 6 7 本発明
CZH7−3 60 90 比較例
本発明の複合金属酸化物の水分散液で処理したサンプルZH4−3は、比較例のCZH1−3よりも紫外線遮蔽性作用が高く、また洗濯による紫外線遮蔽性作用の低下が小さく好ましかった。
(実施例8)
<柔軟剤工程>
実施例4に記載の処理布H4−3の作製において、水分散液Y−3を水で希釈する際に
、柔軟剤であるジオレイルジメチルアンモニウム塩を添加し本発明の複合金属化合物A−
3を0.6重量%、ジオレイルジメチルアンモニウム塩1.0重量%含有する水分散液を
用いた以外は処理布サンプルH4−3と同様にして、処理布サンプルH8−31を得た。
柔軟剤であるジオレイルジメチルアンモニウム塩を1.0重量%含む水溶液(柔軟剤水溶
液A)に綿ブロードを浸漬した後に、実施例4記載の水分散希釈液Y−3Kに浸漬した以外はH4−3と同様にして処理布サンプルH8−32を得た。綿ブロードを希釈液A−3Kに浸漬した後、柔軟剤水溶液Aに浸漬し処理した以外は実施例4記載のH4−3と同様にして処理布サンプルH8−33を得た。水分散液Y−3の代わりに実施例9に記載の水分散液Z−3を用いた以外は、サンプルH8−31と同様にしてサンプルZH8−31を得た。また、水分散希釈液Y−3Kの代わりに水分散液Z−3を水の希釈した液Z−3K(A−3を0.6重量%含有)を用いた以外は、H8−32、33と同様にして,ZH8−32,33を得た。これら6種の処理布のA−3の含有量は0.8g/繊維製品100gであり、柔軟剤の含有量は0.75g/mであった。上記の処理布サンプルに、実施例3記載の洗濯方法で洗濯した後、実施例3記載の紫外線遮蔽作用の試験を行った。
処理布サンプルNo. 測定結果
洗濯回数 0 10 回
H8−31 4 10 本発明
H8−32 4 7 本発明
H8−33 4 4 本発明
ZH8−31 7 16 本発明
ZH8−32 7 10 本発明
ZH8−33 7 7 本発明
いずれも本発明のサンプルであるが、柔軟剤の処理の前に本発明の複合金属化合物を処理したH8−33が、柔軟剤の処理後のH8−32、柔軟剤と同時処理のH8−31に比べ紫外線遮蔽作用の洗濯による低下が小さくより好ましかった。また同様に柔軟剤の処理の前に本発明の複合金属化合物を処理したZH8−33が、柔軟剤の処理後のZH8−32、柔軟剤と同時処理のZH8−31に比べ紫外線遮蔽作用の洗濯による低下が小さくより好ましかった。さらに、複合金属酸化物の水分散液を調製する際にカルボン酸型アニオン界面活性剤であるラウリン酸ナトリウムを用いたH8−31〜33は、対応する複合金属酸化物の水分散液を調製する際にスルホン酸型アニオン界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いたZH8−31〜33に比べ紫外線遮蔽作用が大きく好ましかった。
(実施例9)
<合成高分子ポリビニルアルコール処理>
合成高分子ポリビニルアルコールである日本合成化学製のゴーセノールKH−17(以下PVA−17と称する)を0.13重量%含有する以外は、実施例4記載の本発明の複合金属化合物A−3の水分散希釈液Y−3Kと同様にして水分散希釈液PY−3Kを作製した。水分散希釈液PY−3Kの本発明の複合金属化合物A−3の含有量は0.6重量%であった。水分散希釈Y−3Kの代わりに、PY−3Kを用いた以外は実施例4に記載の処理布サンプルH4−3と同様にして処理布サンプルH9−31を得た。PVA−17を0.5重量%含む水溶液(PAV−17水溶液と称す)に綿ブロードを浸漬した後に、水分散希釈液Y−3Kに浸漬して処理布サンプルH9−32を得た。綿ブロードを水分散希釈液Y−3Kに浸漬した後、PAV−17水溶液に浸漬し処理布サンプルH9−33を得た。これら3種の処理布のA−3の含有量は0.6g/繊維製品100gで、合成高分子ポリビニルアルコールの含有量は0.15g/mであった。上記の処理布サンプルに、実施例3記載の洗濯方法で洗濯した後、実施例3記載の紫外線遮蔽作用の試験を行った。
処理布サンプルNo. 測定結果
洗濯回数 0 50
H9−31 4 12 本発明
H9−32 4 11 本発明
H9−33 4 7 本発明
H4−3 4 18 本発明
いずれも本発明のサンプルであるが、PVA−17処理の前に本発明の複合金属化合物を処理したH9−33が、PVA−17処理と複合金属化合物を処理が同時のH9−31、PVA−17処理が複合金属化合物を処理の前のH9−32に比べ紫外線遮蔽作用の洗濯による低下が小さくより好ましかった。

Claims (10)

  1. 紫外線遮蔽剤が下記式(1)で表される複合金属酸化物であることを特徴とする紫外線遮蔽性繊維製品。
    (ZnO)1-x(Al23x (1)
    (式中、xは0.005≦x<0.2である)
  2. 該複合金属酸化物が固溶体であることを特徴とする請求項1に記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
  3. 該複合金属酸化物の一次粒子サイズが0.01〜0.2μmであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
  4. 該複合金属酸化物の粒子が高級脂肪酸、リン酸エステル、カップリング剤(シラン系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコールと脂肪酸のエステル類からなる群から選ばれた表面処理剤の内の少なくとも一種により表面処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
  5. 該繊維製品が綿、麻等のセルロース繊維、ウール、カシミヤ等のタンパク繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、酢酸セルロース(アセテート等)等の半合成繊維を少なくとも1種含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
  6. 該繊維製品が綿、麻、レーヨンを少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項5に記載の紫外線遮蔽性繊維製品。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法において、該製造方法が少なくとも1種の該複合金属酸化物を水に分散した液(水分散液)を用いる工程を含み、該工程の中の少なくとも一つの工程で、該水分散液中の該複合金属酸化物粒子の平均粒子サイズが0.05〜1.0μmであることを特徴とする紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法において、該製造方法が該繊維製品に少なくとも1種の柔軟剤を処理する工程を含み、かつ該柔軟剤を処理する工程の前に該複合金属酸化物を該繊維製品に処理することを特徴とする紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載された紫外線遮蔽性繊維製品を製造する方法において、該複合金属酸化物を少なくとも1種およびカルボン酸型アニオン界面活性剤を少なくとも1種含有する水分散液を用いることを特徴とする紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線遮蔽性繊維製品を製造する方法において、該製造方法が該繊維製品に少なくとも1種の合成高分子ポリビニルアルコールを処理する工程を含むことを特徴とする紫外線遮蔽性繊維製品の製造方法。
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