JP2013237910A - 意匠性鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応性スパッタリングにより着色皮膜を形成する意匠性鋼板の製造において、高い成膜速度で所望の色を有する着色皮膜を成膜できる方法の提供。
【解決手段】反応性スパッタリング法により基板上に着色皮膜を成膜する意匠性鋼板の製造方法において、成膜中のブラズマ発光の強度を検知して当該発光強度が一定になるように反応性ガスの導入量を制御するプラズマエミッションコントロール法により、成膜される皮膜を所望の色に調整することを特徴とする意匠性鋼板の製造方法。
【選択図】図4
【解決手段】反応性スパッタリング法により基板上に着色皮膜を成膜する意匠性鋼板の製造方法において、成膜中のブラズマ発光の強度を検知して当該発光強度が一定になるように反応性ガスの導入量を制御するプラズマエミッションコントロール法により、成膜される皮膜を所望の色に調整することを特徴とする意匠性鋼板の製造方法。
【選択図】図4
Description
本発明は、反応性スパッタリングによってステンレス鋼板等の基板に着色皮膜を形成する意匠性鋼板の製造方法に関する。
ステンレス鋼板の表面に美麗な被覆を施した意匠性鋼板は、建材、エレベータードア、看板、モニュメント等に利用されているが、特に反応性スパッタリング法により着色皮膜を形成させたものは、外観の美しさ、耐摩耗性、均一性に優れている。反応性スパッタリング法による意匠性鋼板の製造において、基板上に形成される着色皮膜の色の制御は極めて重要である。この着色皮膜の色は、成膜された皮膜の原子組成比で決定されることから、所望の色を維持するためには、皮膜の原子組成比が一定となるように、カソード電流やガス導入量といった各種条件について厳密にコントロールする必要がある。
ここで、反応性スパッタリングでは、ターゲット元素が金属のままスパッタされる金属モード(金属的スパッタ領域)と、ターゲット元素が反応性ガスと反応し,化合物となった状態でスパッタされる化合物モード(反応性スパッタ領域)とがあるが、これら2つのモードの遷移は反応性ガス流量を変化させていく過程で急激に起こり、かつ反応性ガス流量の増減で異なる軌跡を描くヒステリシスが生じる。このことは反応性スパッタリングで堆積する膜の組成制御を困難なものとしている。
また、スパッタリングにおいて、ターゲットは構成元素がはじき飛ばされることで消耗していくが、このターゲット消耗の進行につれて、ターゲットと基板表面との距離が変化し、あるいはターゲット表面の平坦性が失われていき、スパッタ効率(成膜速度)が変化することになる。特にマグネトロン方式では、マグネトロン運動に伴う電子の軌道上の消耗が激しく、ターゲットが消耗する範囲(エロージョン領域)も狭いため、スパッタ効率の変動の問題は大きい。
反応性スパッタリング法による意匠性鋼板の製造において、所望の色の皮膜を形成させるためには、反応性ガス導入量を一定に制御して、毎回色出し作業を行った後、意匠性鋼板の生産に入ることになる。この色出し作業は、トライアンドエラー方式でカソード電流値、ガス量等を細かく調整して行い、所定の色出しが終了するまで、平均3〜4バッチ程度行われる(バッチ:1回の色出し作業単位)。また、1回の色出し作業で所定の膜厚を得るために13〜18パスのオシレート回数を要する。この色出し工程は意匠性鋼板の製造における工程の30〜40%の負荷となっており、この工程が製造コスト削減のボトルネックとなっている。
以上のように、反応性スパッタリング法による意匠性鋼板の製造において、高い成膜速度で所望の色を有する着色皮膜を成膜する方法が望まれていた。
ところで、反応性スパッタリング法において、スパッタ雰囲気中の反応性ガスやターゲット金属のプラズマ発光強度をモニターし、反応性ガス流量を調節するプラズマエミッションコントロール法が、高い成膜速度が得られる制御方法として知られている。例えば、特許文献1には、プラズマエミッションコントロール法を利用した反応性スパッタリング法により、有機エレクトロルミネッセンス素子上に保護膜を形成する方法が記載されている。また、特許文献2には、プラズマエミッションコントロール法を利用した反応性スパッタリング法により、酸化ニオブ薄膜を成膜する光学用酸化ニオブ薄膜の製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1の技術での成膜の対象は「保護膜」であり、特許文献2の技術での成膜の対象は多層型反射防止フィルムにおける高屈折率薄膜であり、いずれも成膜される着色皮膜の色の制御に関連するものではない。
本発明は、前記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、反応性スパッタリング法により着色皮膜を形成する意匠性鋼板の製造において、高い成膜速度で所望の色を有する着色皮膜を成膜することを目的とする。
本発明者らは、反応性スパッタリング法による意匠性鋼板の製造法において、プラズマエミッションコントロール法を利用することにより、リアルタイムに、かつ高精度に原子組成比を制御して所望の色を少ないバッチ数で色出しすることが可能となり、しかも高い成膜速度が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、反応性スパッタリング法により基板上に着色皮膜を成膜する意匠性鋼板の製造方法において、成膜中のブラズマ発光の強度を検知して当該発光強度が一定になるように反応性ガスの導入量を制御するプラズマエミッションコントロール法により、成膜される皮膜を所望の色に調整することを特徴とする意匠性鋼板の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、反応性スパッタリング法による意匠性鋼板の製造方法において、金属的スパッタ領域と反応性スパッタ領域との間に存在する遷移領域での成膜を安定して行うことができるため、成膜される皮膜の原子組成比を一定に制御することができる。このため、所望の色の皮膜を再現性良く簡単に成膜することができ、成膜速度も高速である。
本発明の製造方法で用いるプラズマエミッションコントロール法とは、スパッタ雰囲気におけるターゲット金属のプラズマ中での発光強度をモニターし、その結果をフィードバックして、反応性ガス流量の制御弁(マスフローコントロールバルブ、又はより好ましくはピエゾコントロールバルブ)の開度を調節する制御方法をいう。
通常の反応性スパッタ成膜では、成膜中に反応性ガスとターゲット表面が反応し、ターゲットの表面が金属窒化物等の化合物に変化してしまい、これが成膜速度を低下させる原因になっている。図1は、装置内に導入する反応性ガス流量をマスフローコントローラーのみによって制御した場合における、反応性ガス流量と成膜速度との関係を示す模式図である。この場合、反応性ガス流量と成膜速度の関係は、ヒステリシス曲線を描き、かつその変化は急激である。図1において、「反応性スパッタ領域」はターゲット6表面が完全に反応性ガスと反応している領域であり、成膜速度は非常に遅いという問題がある。「金属的スパッタ領域」はターゲット表面が反応性ガスと反応することなく成膜が行われる領域であり、得られた膜に含まれる反応性ガス由来の元素量が不十分で吸収のある膜となるという問題がある。「遷移領域」はその中間領域であるが、マスフローコントローラーのみによる制御方法では、前述のとおり「遷移領域」での制御は困難であり、「反応性スパッタ領域」と「金属的スパッタ領域」のどちらかでしか安定した成膜ができない。このため従来法では、通常、反応性ガスの導入量が多少変動してもそれによる速度変動が小さい領域Cで成膜していたが、成膜速度は遅くならざるを得なかった。また、色出し工程の負荷という観点においても、従来法では、どの領域であるかを問わず、ターゲットのエロージョンの状態変化によるターゲットと基板との距離の変動に起因して多くのバッチ数を要しており、更に遷移領域での色(原子組成比)を出す必要がある場合には、反応性ガス流量の僅かな変動で大きく色が変わってしまうため、上記負荷はなおさら大きいものであった。
これに対し本発明では、窒素や酸素等の反応性ガス導入量によってプラズマ発光強度が変動することを利用して、発生するプラズマの発光スペクトルをリアルタイムで取り込んで制御するプラズマエミッションコントロール法を用いた反応性ガス導入量の制御を採用している。図2に示すように、プラズマエミッションコントロール法を適用する場合、反応性ガス流量と、発光強度又は成膜速度との関係は、S字カーブを描くことが知られており、遷移領域を実線のように制御できれば、ヒステリシスが生じず、反応性ガス流量に対して発光強度及び成膜速度が一儀的に決まることになる。また、スパッタリング成膜速度は、ターゲット表面と反応性ガスとの反応割合に依存しているので、ターゲット金属の発光強度信号が一定になるように反応性ガス流量をリアルタイムに制御することにより、ターゲットの表面状態を一定に保つことができ、再現性を高めることができる。更に、発光強度信号を一定に制御することによって、ターゲット表面の金属又は合金と反応性ガスとの反応割合を抑えられるので、成膜速度を高速化でき、この精密な制御により、所望の原子組成比も得ることができる。
このように、本発明の製造方法では、領域Cよりも成膜速度が速い遷移領域Bでの制御が可能であり、成膜速度を低下させることなく、十分に反応性ガスと反応した化合物皮膜を成膜することができる。そして本発明の製造方法では、皮膜の原子組成比を制御して自在に色を変化させ、又は所望の色を維持させることができ、更には、1〜2バッチで所定の色を出すことができる。
本発明の製造方法は、マグネトロンスパッタ、マグネトロン放電を用いない2極スパッタ、ECRスパッタ、バイアススパッタ等、種々の公知のスパッタ方式に適用可能であるが、中でもマグネトロンスパッタに好適に適用することができる。
以下、本発明の製造方法について、反応性マグネトロンスパッタ装置を用いた場合を例として説明する。
図3は、スパッタリング装置によって製造されたスパッタリング意匠鋼板の断面模式図である。図4は、反応性マグネトロンスパッタ装置の概略的な構成の一例を示す模式図(側面図)、図5は、反応性マグネトロンスパッタ装置の概略的な構成の一例を示す模式図(正面図)である。
図4及び5において、成膜室(チャンバー)12内部の上方には、ターゲット支持体であるカソード10が配置され、このカソード10上にはターゲット6が取り付けられ、その背面には磁石7を備えている。これらカソード10、ターゲット6及び磁石7から構成されるスパッタリング部には、DC(直流)電源5が接続されている。なお、このDC電源に代えてパルス電源又はRF(高周波)電源を設置してもよい。ターゲット6の下方にコリメータ9が設けられており、このコリメータ9は、それぞれ図示しないフィルタ及び光電子増倍管を介してプラズマエミッションモニター(以下、PEMと称する)8に接続されている。PEM8は、コリメータ9で集光されたプラズマの発光を光電子増倍管で光電変換した電気信号を監視する装置である。PEM8は一定の感度に設定され、プラズマの発光強度をモニターするようになっている。このフィルタとしては、ターゲット6からスパッタされた金属や反応性ガスの発光スペクトルの波長を選択的に通過させることが可能なものが用いられる。ターゲット6及びコリメータ9の更に下方には、ステンレス鋼板等の基板を搬送可能な基板支持(搬送)ローラー13が配置されている。成膜室12内には、マスフローコントローラー11(以下、MFCと称す)を介して窒素ガス等の反応性ガスが導入されるようになっている。
上記装置を用いて意匠性鋼板を製造するに際しては、まず、図示していないポンプによって成膜室12内を真空にした後、ターゲット6の下方の基板支持ローラー13上にステンレス鋼板等の基板3を配置する。次いで、アルゴン等の不活性ガス、及びMFC11を介して窒素ガス等の反応性ガスを装置内に導入し、装置内を所定の圧力とする。
ここで、ターゲットである金属又は合金としては、Ti、Zr、Cr、Ta、Mo、Mn、C、WC、TiAl、TiZr、MoSi、WSi、NiCr等を用いることができる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン等を用いることができ、特に工業的に安価なアルゴンを好適に使用することができる。反応性ガスとしては、窒素ガス、酸素ガス、アセチレンガス等を、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。基板としては、ステンレス鋼板が好適であり、必要に応じて前処理(脱脂、プラズマエッチング等)を施したものを用いることができる。成膜室12内の到達真空度は、1×10-4Pa以下、特に5×10-5Pa以下が好ましく、不活性ガス及び窒素ガスを導入して0.1〜3.0Paの範囲に調整することが好ましい。これらガスの流量は、装置の内容量の大きさなどにより適宜選定されるが、不活性ガスと窒素ガスとの合計量で通常20〜1,000cc/分程度である。
次いで、DC電源5からカソード10に電圧を印加すると、ターゲット6の近傍にグロー放電が形成され、スパッタリングが開始される。スパッタリングされた粒子は、これらの下方で基板支持ローラー13によって移動する基板3上に付着し、ターゲットの金属又は合金と反応性ガスによる化合物皮膜が堆積される。この基板3の搬送に代えて、基板3を搬送することなく固定させ、基板3とターゲット6の間にシャッター機構を設置する方法等、様々な方法を採用することもできる。
スパッタ膜の構成の一例を図3に示す。第1層は導入ガスが不活性ガスのみの場合のメタリック層2で、第2層は反応性ガスを導入したセラミック層1である。この例では、セラミック層は第2層のみであるが、必要に応じて、第3層以降のセラミック層を積層してもよい。このとき各層ごとに、所定の膜厚を得るためにオシレートを繰り返す。第2層以降において導入される反応性ガスの量を、プラズマエミッションコントロール法により制御することにより、遷移領域での成膜を好適に行うことができる。
すなわち、本発明の意匠性鋼板の製造方法の好適な態様として、反応性ガスを導入することなく、基板上にターゲットとして用いた金属又は合金からなるメタリック層を成膜する第一工程、及び第1工程に続いて、反応性ガスを導入してターゲットとして用いた金属又は合金と反応性ガスとの化合物を含むセラミック層を積層する第2工程からなり、上記第2工程が、プラズマエミッションコントロール法を使用して行われ、かつセラミック層の積層数に応じて単回又は複数回行われる、意匠性鋼板の製造方法が挙げられる。
ターゲット6からスパッタされた金属の放電の発光波長と発光強度がコリメータ9、フィルタ及び光電子増倍管を介して電気信号となり、PEM8によって検知される。これらの電気信号に基づいて、マスフローコントローラー11を介してターゲット6に供給される反応性ガス量が制御される。この方法では、プラズマエミッションコントロール法により、プラズマ発光強度を一定とするように、スパッタ雰囲気の反応性ガス濃度を精度良く、リアルタイムで制御できるため、原子組成比の一定な膜を高速に成膜することができる。
実施例1及び比較例1
図4及び5に示す反応性プラズマスパッタリング装置を用い、Tiをターゲットとしてステンレス鋼板上にレッドブロンズ色の窒化物皮膜の成膜を行った。
実施例1の具体的な成膜条件は、表1に示すとおりであり、以下に示す条件でプラズマエミッションコントロール法によりN2流量の制御を行った。
実施例1ではプラズマエミッションコントロール法により、N2流量についてPID制御を行った。発光波長264nm のTi原子をモニターし、MFCは0V-8,800cts、3V-2,300cts、目標発光強度を2,950cts、PIDパラメータはKp=0.8、Ki=200、Ti=600に設定し、スパッタリングを行ったところ、N2流量は150〜170sccmに制御されていた。
そして、成膜後の色は2バッチで色出し可能(目標とする色値範囲に到達すること)となり、その着色スパッタ皮膜の膜厚を測定したところ、0.5μmであった。
図4及び5に示す反応性プラズマスパッタリング装置を用い、Tiをターゲットとしてステンレス鋼板上にレッドブロンズ色の窒化物皮膜の成膜を行った。
実施例1の具体的な成膜条件は、表1に示すとおりであり、以下に示す条件でプラズマエミッションコントロール法によりN2流量の制御を行った。
実施例1ではプラズマエミッションコントロール法により、N2流量についてPID制御を行った。発光波長264nm のTi原子をモニターし、MFCは0V-8,800cts、3V-2,300cts、目標発光強度を2,950cts、PIDパラメータはKp=0.8、Ki=200、Ti=600に設定し、スパッタリングを行ったところ、N2流量は150〜170sccmに制御されていた。
そして、成膜後の色は2バッチで色出し可能(目標とする色値範囲に到達すること)となり、その着色スパッタ皮膜の膜厚を測定したところ、0.5μmであった。
次に、比較例1として、通常のマスフローコントローラーのみによりN2流量の制御を行い、スパッタリングを行った。
比較例1の具体的な成膜条件は、表2に示すとおりであり、5バッチで色出し可能となり、膜厚も0.4μmとなった。
比較例1の具体的な成膜条件は、表2に示すとおりであり、5バッチで色出し可能となり、膜厚も0.4μmとなった。
以上の結果から、本発明方法による成膜では、8パスで0.5μm、従来の方法では、14パスで0.4μmであることから、本発明方法による色出しバッチ数は、従来法の約1/2であり、成膜速度は、従来法の約2倍であることがわかった。
実施例2及び比較例2
図4及び5に示す反応性プラズマスパッタリング装置を用い、TiAlをターゲットとしてステンレス鋼板上にブロンズ色の窒化物皮膜の成膜を行った。
実施例2の具体的な成膜条件は、表3に示すとおりであり、以下に示す条件でプラズマエミッションコントロール法によりN2流量の制御を行った。
実施例2ではプラズマエミッションコントロール法により、N2流量についてPID制御を行った。発光波長365nm のTi原子をモニターし、MFCは0V-8,800cts、3V-2,300cts、目標発光強度を5,550cts、PIDパラメータはKp=0.2、Ki=200、Ti=600に設定し、スパッタリングを行ったところ、N2流量は200〜230sccmに制御されていた。
そして、成膜後の色は2バッチで色出し可能となり、その着色スパッタ皮膜の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
図4及び5に示す反応性プラズマスパッタリング装置を用い、TiAlをターゲットとしてステンレス鋼板上にブロンズ色の窒化物皮膜の成膜を行った。
実施例2の具体的な成膜条件は、表3に示すとおりであり、以下に示す条件でプラズマエミッションコントロール法によりN2流量の制御を行った。
実施例2ではプラズマエミッションコントロール法により、N2流量についてPID制御を行った。発光波長365nm のTi原子をモニターし、MFCは0V-8,800cts、3V-2,300cts、目標発光強度を5,550cts、PIDパラメータはKp=0.2、Ki=200、Ti=600に設定し、スパッタリングを行ったところ、N2流量は200〜230sccmに制御されていた。
そして、成膜後の色は2バッチで色出し可能となり、その着色スパッタ皮膜の膜厚を測定したところ、0.4μmであった。
次に、比較例2として、通常のマスフローコントローラーのみによりN2流量の制御を行い、スパッタリングを行った。
比較例2の具体的な成膜条件は、表4に示すとおりであり、5バッチで色出し可能となり、膜厚も0.4μmとなった。
比較例2の具体的な成膜条件は、表4に示すとおりであり、5バッチで色出し可能となり、膜厚も0.4μmとなった。
以上の結果から、本発明方法による成膜では、8パスで0.4μm、従来の方法では、14パスで0.4μmであることから、本発明方法による色出しバッチ数は、従来法の約1/2であり、成膜速度は通常の成膜方法の約2倍であることがわかった。
なお、Alの波長308nmでの発光強度も一定の発光強度に制御されていた。従って、Al原子でもプラズマエミッションコントロール法の適用は可能であることが予測できる。
なお、Alの波長308nmでの発光強度も一定の発光強度に制御されていた。従って、Al原子でもプラズマエミッションコントロール法の適用は可能であることが予測できる。
1 セラミック層
2 メタリック層
3 基板(ステンレス鋼板)
4 スパッタリング皮膜
5 DC(直流)電源
6 ターゲット
7 マグネット
8 プラズマエミッションモニター(PEM)
9 コリメータ
10 カソード
11 マスフローコントローラー(MFC)
12 成膜室(チャンバー)
13 基板支持(搬送)ローラー
2 メタリック層
3 基板(ステンレス鋼板)
4 スパッタリング皮膜
5 DC(直流)電源
6 ターゲット
7 マグネット
8 プラズマエミッションモニター(PEM)
9 コリメータ
10 カソード
11 マスフローコントローラー(MFC)
12 成膜室(チャンバー)
13 基板支持(搬送)ローラー
Claims (6)
- 反応性スパッタリング法により基板上に着色皮膜を成膜する意匠性鋼板の製造方法において、成膜中のブラズマ発光の強度を検知して当該発光強度が一定になるように反応性ガスの導入量を制御するプラズマエミッションコントロール法により、成膜される皮膜を所望の色に調整することを特徴とする意匠性鋼板の製造方法。
- スパッタリング法が、マグネトロン方式である請求項1記載の意匠性鋼板の製造方法。
- 基板が、ステンレス鋼板である請求項1又は2記載の意匠性鋼板の製造方法。
- 反応性ガスが、窒素ガス、酸素ガス及びアセチレンガスから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の意匠性鋼板の製造方法。
- ターゲットが、Ti、Zr、Cr、Ta、Mo、Mn、C、WC、TiAl、TiZr、MoSi、WSi及びNiCrから選ばれる金属又は合金である請求項1〜4のいずれか1項記載の意匠性鋼板の製造方法。
- 反応性ガスを導入することなく、基板上にターゲットとして用いた金属又は合金からなるメタリック層を成膜する第一工程、及び第1工程に続いて、反応性ガスを導入してターゲットとして用いた金属又は合金と反応性ガスとの化合物物からなるセラミック層を積層する第2工程を含む意匠性鋼板の製造方法であって、上記第2工程が、プラズマエミッションコントロール法を使用して行われ、かつセラミック層の積層数に応じて単回又は複数回行われるものである、請求項1〜5のいずれか1項記載の意匠性鋼板の製造方法。
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CN110257780A (zh) * | 2019-06-28 | 2019-09-20 | 长安大学 | 一种多元合金靶材、多元金属/氮化物复合涂层及其制备方法 |
US10988409B2 (en) * | 2015-12-09 | 2021-04-27 | Saint-Gobain Glass France | Process and plant for obtaining colored glazing |
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